JP2023092416A - 窒化物半導体基板および窒化物半導体基板の製造方法 - Google Patents

窒化物半導体基板および窒化物半導体基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】反りが少なく転位の発生が少なく、結晶性が良好なIII族窒化物半導体層を含む窒化物半導体基板、およびその製造方法を提供すること。【解決手段】支持基板上にGaNを含むIII族窒化物半導体層が形成された窒化物半導体基板であって、支持基板は、多結晶セラミックコア、該多結晶セラミックコア全体に接合された第1の接着層、該第1の接着層全体に積層された第2の接着層、および第2の接着層全体に結合されたバリア層を含む複数の層が積層された複合基板と、複合基板上に平坦化層を介して接合された、少なくともGaNを含むIII族窒化物半導体種結晶層とを含み、III族窒化物半導体層は、III族窒化物半導体種結晶層上に形成されており、III族窒化物半導体種結晶層のGaNの(0002)成長面の結晶性が、XRD半値幅で550arcsec以下のものであることを特徴とする窒化物半導体基板。【選択図】図1

Description

本発明は、窒化物半導体基板および窒化物半導体基板の製造方法に関する。
半導体薄膜製造方法のひとつであるMOCVD法は、大口径化や量産性に優れており、均質な薄膜結晶を成膜できるため、広く用いられている。GaNに代表される窒化物半導体はシリコン単結晶の材料としての限界を超える次世代の半導体材料として期待されている。
GaNは飽和電子速度が大きいという特性から高周波動作可能なデバイスの作製が可能であり、また絶縁破壊電界も大きいことから、高出力での動作が可能である。また、軽量化や小型化、低消費電力化も見込める。
近年、5G等に代表されるような通信速度の高速化、またそれ伴う高出力化の要求により、高周波、且つ高出力で動作可能なGaN HEMTが注目されている。
GaNデバイスを作製するためのGaNエピタキシャルウェーハに用いられる基板としては、シリコン単結晶基板が最も安価であり且つ大口径化に有利である。また、熱伝導率が高く放熱性が良いことから、SiC基板も用いられている。しかし、これらの基板は、GaNとの熱膨張係数が異なるため、エピタキシャル成膜後の冷却工程で応力が印加しクラックが発生しやすい。また強い応力が印加していることで、デバイスプロセス中にウェーハ割れが発生してしまう事がある。また、厚いGaNを成膜する事が不可能であり、エピタキシャル層内に複雑な応力緩和層を成膜してもクラックフリーではせいぜい5μm程度が限界である。
GaN基板はGaNエピタキシャル成長層と同じ(または非常に近い)熱膨張係数を有する為、上記のようなクラックの問題や、反りによるウェーハ割れの問題は発生しにくい。また、GaN基板と、エピタキシャル成長させるGaN層は、格子定数差が極めて小さいため、格子定数差による転位の発生・結晶性の悪化という問題も解決される。
しかし自立GaN基板は作製が困難であるだけでなく、極めて高価であり口径の大きい基板が作製できない事から、量産化には不適切である。
そのため、大口径で且つGaNと熱膨張係数が近いGaNエピタキシャル用の大口径基板(以下、GaN用支持基板、または単に成長基板)が開発されている。一般的なGaN用支持基板は、多結晶セラミックコア、第1の接着層、導電層、第2の接着層、バリア層、を含む支持構造と、該支持構造の片面に積層された平坦化層、該平坦化層に積層された単結晶シリコン層により構成される。尚、導電層は成膜されない、または片側のみに成膜される場合もある。もしくは、バリア層のさらに裏面に導電層が成膜される場合もある。
このGaN用支持基板を用いることで、大口径で且つエピタキシャル膜厚が厚く、且つクラックの発生しないGaNエピタキシャル基板を作製できる。また、GaNと熱膨張係数差が極めて小さい事から、GaN成長中や冷却中に反りが発生しにくいため、成膜後の基板の反りを小さく制御できるだけでなく、エピタキシャル成長層中に複雑な応力緩和層を設ける必要が無いため、エピタキシャル成膜時間が短くなり、エピタキシャル成長に要するコストを大幅に削減できる。
さらに、GaN用支持基板は大部分がセラミックスであるため、基板自体が非常に硬く塑性変形しにくい事に加え、口径の大きいシリコン単結晶基板に窒化物半導体を成長させた際に発生するウェーハ割れが発生しない。
特許文献1には、GaNと熱膨張係数が近い、貼り合わせ基板(GaN用支持基板)の技術が公開されている。
GaN用支持基板は、熱膨張係数差による成長中の反りの問題は発生しにくいが、表層はシリコン層で構成されているため、GaN層との格子定数差が生じ結晶欠陥(転位)が発生しやすくなる。その結果GaN用支持基板上に成膜したGaNエピタキシャル層の結晶性は、支持基板としてシリコン単結晶基板を用いた場合と大きく変わらない。
特許文献2には、パルスレーザー光線を照射することによって、サファイア基板とGaN層とを剥離する方法が記載されている。
特許文献3には、半導体薄膜をレーザービーム処理等によって剥離し、別基板に張り合わせる方法が記載されている。
特表2019-523994号公報 特開2013-21225号公報 特開2010-161355号公報
しかし、特許文献1から3の何れにも、GaN用支持基板上に成膜するGaNエピタキシャル層の結晶性を向上させるための方策は記載も示唆もされていない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、反りが少なく転位の発生が少なく、結晶性が良好なIII族窒化物半導体層を含む窒化物半導体基板、およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明では、支持基板上にGaNを含むIII族窒化物半導体層が形成された窒化物半導体基板であって、
前記支持基板は、
多結晶セラミックコア、該多結晶セラミックコア全体に接合された第1の接着層、該第1の接着層全体に積層された第2の接着層、および前記第2の接着層全体に結合されたバリア層を含む複数の層が積層された複合基板と、
前記複合基板上に平坦化層を介して接合された、少なくともGaNを含むIII族窒化物半導体種結晶層と
を含み、
前記III族窒化物半導体層は、前記III族窒化物半導体種結晶層上に形成されており、前記III族窒化物半導体種結晶層のGaNの(0002)成長面の結晶性が、XRD半値幅で550arcsec以下のものであることを特徴とする窒化物半導体基板を提供する。
このように種結晶のGaNの(0002)成長面の結晶性がXRD半値幅で550arcsec以下であるIII族窒化物半導体種結晶層上にIII族窒化物半導体層形成された窒化物半導体基板であれば、転位密度が極めて少なく結晶性が良好なIII族窒化物半導体層を有するものとすることができ、デバイスの特性を向上できる。
また、本発明の窒化物半導体基板であれば、複数の層が積層された複合基板を含む支持基板を含むことにより、熱膨張係数差によるIII族窒化物半導体層のエピタキシャル成長中の反りを小さくすることができるので、クラックを含まずに厚さの大きなIII族窒化物半導体層を有することができる。そのため、III族窒化物半導体層を最終的に支持基板から剥離し、自立基板として使用する事もできる。
また、本発明では、支持基板上にGaNを含むIII族窒化物半導体層が形成された窒化物半導体基板であって、
前記支持基板は、
多結晶セラミックコア、該多結晶セラミックコア全体に結合された第1の接着層、該第1の接着層全体に結合されたバリア層、該バリア層の裏面に結合された第2の接着層、および該第2の接着層の裏面に結合された導電層を含む複数の層が積層された複合基板と、
前記複合基板上に、該複合基板の表面のみに結合された平坦化層を介して接合された、少なくともGaNを含むIII族窒化物半導体種結晶層と
を含み、
前記III族窒化物半導体層は、前記III族窒化物半導体種結晶層上に形成されており、前記III族窒化物半導体種結晶層のGaNの(0002)成長面の結晶性が、XRD半値幅で550arcsec以下のものであることを特徴とする窒化物半導体基板を提供する。
このように種結晶のGaNの(0002)成長面の結晶性がXRD半値幅で550arcsec以下であるIII族窒化物半導体種結晶層上にIII族窒化物半導体層形成された窒化物半導体基板であれば、転位密度が極めて少なく結晶性が良好なIII族窒化物半導体層を有するものとすることができ、デバイスの特性を向上できる。
また、この窒化物半導体基板であれば、複数の層が積層された複合基板を含む支持基板を含むことにより、熱膨張係数差によるIII族窒化物半導体層のエピタキシャル成長中の反りを小さくすることができるので、クラックを含まずに厚さの大きなIII族窒化物半導体層を有することができる。そのため、III族窒化物半導体層を最終的に支持基板から剥離し、自立基板として使用する事もできる。
そして、上記支持基板を含む本発明の窒化物半導体基板であれば、支持基板の表面側導電層によるリークパスが生じず、高周波特性に優れたものとすることができる。
また、本発明では、支持基板上にGaNを含むIII族窒化物半導体層が形成された窒化物半導体基板であって、
前記支持基板は、
多結晶セラミックコア、該多結晶セラミックコア全体に結合された第1の接着層、該第1の接着層の裏面に結合された導電層、該導電層の裏面に結合された第2の接着層、並びに該第1の接着層の表面および側面と前記導電層の側面と前記第2の接着層の側面および裏面とに結合されたバリア層を含む複数の層が積層された複合基板と、
前記複合基板上に、該複合基板の表面のみに結合された平坦化層を介して接合された、少なくともGaNを含むIII族窒化物半導体種結晶層と
を含み、
前記III族窒化物半導体層は、前記III族窒化物半導体種結晶層上に形成されており、前記III族窒化物半導体種結晶層のGaNの(0002)成長面の結晶性が、XRD半値幅で550arcsec以下のものであることを特徴とする窒化物半導体基板を提供する。
このように種結晶のGaNの(0002)成長面の結晶性がXRD半値幅で550arcsec以下であるIII族窒化物半導体種結晶層上にIII族窒化物半導体層形成された窒化物半導体基板であれば、転位密度が極めて少なく結晶性が良好なIII族窒化物半導体層を有するものとすることができ、デバイスの特性を向上できる。
また、このような窒化物半導体基板であれば、複数の層が積層された複合基板を含む支持基板を含むことにより、熱膨張係数差によるIII族窒化物半導体層のエピタキシャル成長中の反りを小さくすることができるので、クラックを含まずに厚さの大きなIII族窒化物半導体層を有することができる。そのため、III族窒化物半導体層を最終的に支持基板から剥離し、自立基板として使用する事もできる。
そして、上記支持基板を含む本発明の窒化物半導体基板であれば、支持基板の表面側導電層によるリークパスが生じず、高周波特性に優れたものとすることができる。
前記III族窒化物半導体層は、GaNの他、AlNおよびAlGaNの1種以上を含むものとすることができる。
このように、III族窒化物半導体層は、GaN以外の窒化物を含むこともできる。
前記多結晶セラミックコアが、窒化アルミニウムを含むものとすることが好ましい。
多結晶セラミックコアが窒化アルミニウムを含むものであれば熱膨張係数差を極めて小さくできる。
前記第1の接着層および前記第2の接着層のそれぞれは、テトラエチルオルトシリケートおよび/または酸化ケイ素を含み、前記バリア層は窒化ケイ素を含むものであることが好ましい。
第1の接着層および第2の接着層は、例えば上記化合物を含むことができる。また、バリア層が上記化合物を含むものであれば、複合基板の内部からのIII族窒化物半導体層への不純物の移動を十分にブロックすることができる。
前記第1の接着層および前記第2の接着層のそれぞれは50~200nmの厚さを有し、前記バリア層は100nm~1500nmの厚さを有するものであることが好ましい。
第1の接着層および第2の接着層のそれぞれの厚さが上記範囲内であれば上下の層を十分な力で接着し、より確実に反りを抑制することができる。また、バリア層の厚さが上記範囲内であれば、複合基板の内部からのIII族窒化物半導体層への不純物の移動を十分にブロックすることができる。
前記平坦化層は、テトラエチルオルトシリケート、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化ケイ素、および酸窒化ケイ素からなる群より選択される少なくとも1種を含み、500nm~3000nmの厚さを有するものであることが好ましい。
このような平坦化層を含むものであれば、より確実に反りを抑制することができると共に、より良好な結晶性を有するIII族窒化物半導体層を含むことができる。また、表面の凹凸を十分に平坦化できる。
前記III族窒化物半導体種結晶層は、100nm以上の厚さを有するものであってもよい。
III族窒化物半導体種結晶層は、例えば100nm以上の厚さを有することができる。
前記複合基板が、前記第1の接着層と前記第2の接着層との間に、前記第1の接着層の全体もしくは片側に積層された導電層を更に有するものであることが好ましい。
このような導電層を含むことにより、導電性を有する部分を含む窒化物半導体基板とすることができる。
前記導電層は、50nm~500nmの厚さを有するものであることが好ましい。
導電層の厚さがこの範囲であれば、反りの発生を抑制しながら、優れた導電性を有する部分を含む窒化物半導体基板とすることができる。
前記複合基板が、前記III族窒化物半導体種結晶層が接合されていない裏面側表面に積層された裏面導電層を更に有するものであることが好ましい。
このような裏面導電層を更に有するものであれば、裏面が導電性を有する窒化物半導体基板とすることができる。
また、本発明では、少なくともGaNを含むIII族窒化物半導体種結晶層上にIII族窒化物半導体層をエピタキシャル成長させることを含む窒化物半導体基板の製造方法であって、
(1)接合用III族窒化物半導体基板を製造するため、シリコン単結晶基板、または複数の層が積層された出発複合基板上に出発平坦化層を介して出発種結晶層としてシリコン単結晶薄膜が接合された出発支持基板を、成長基板として準備する工程、
(2)前記成長基板上に、少なくともGaNを含むIII族窒化物半導体種結晶層をエピタキシャル成長させることで、GaNの(0002)成長面の結晶性がXRD半値幅で550arcsec以下である前記III族窒化物半導体種結晶層を含む接合用III族窒化物半導体基板を製造する工程、
(3)前記接合用III族窒化物半導体基板の前記シリコン単結晶基板または前記シリコン単結晶薄膜の前記III族窒化物半導体種結晶層との界面近傍にレーザーを照射して、剥離層を形成する工程、
(4)前記出発複合基板とは別の複合基板として、多結晶セラミックコア、該多結晶セラミックコア全体に接合された第1の接着層、該第1の接着層全体に積層された第2の接着層、および前記第2の接着層全体に結合されたバリア層を含む複数の層が積層された複合基板を準備し、該複合基板上に平坦化層を積層する工程、
(5)工程(4)で準備した前記複合基板上に積層した前記平坦化層と前記接合用III族窒化物半導体基板の前記III族窒化物半導体種結晶層とを貼り合わせて、接合基板を得る工程、
(6)前記剥離層で前記接合用III族窒化物半導体基板の前記シリコン単結晶基板または前記シリコン単結晶薄膜を分割して、前記成長基板の一部を前記接合基板から剥離する工程、
(7)剥離面を研磨することで、前記シリコン単結晶基板または前記シリコン単結晶薄膜の前記接合基板に残った部分を除去して、前記複合基板と、前記複合基板上に平坦化層を介して接合された前記III族窒化物半導体種結晶層とを含む支持基板を得る工程、および
(8)前記支持基板の前記III族窒化物半導体種結晶層上にGaNを含むIII族窒化物半導体層をエピタキシャル成長させて、窒化物半導体基板を製造する工程
を含むことを特徴とする窒化物半導体基板の製造方法を提供する。
このような窒化物半導体基板の製造方法であれば、GaNを含み、GaNの(0002)成長面の結晶性がXRD半値幅で550arcsec以下であるIII族窒化物半導体種結晶層上にGaNを含むIII族窒化物半導体層をエピタキシャル成長させるため、種結晶層とエピタキシャル成長層であるIII族窒化物半導体層との格子不整合が発生せず、転位密度の少ない、すなわち結晶性の良いIII族窒化物半導体層を成膜することができる。また、これを繰り返すことによって、より転位の少ないIII族窒化物半導体層を成膜できる。
また、この方法で成膜したIII族窒化物半導体層は転位が少ないので厚く積層できる。そして、複数の層が積層された複合基板を含む支持基板を支持基板として用いるので、熱膨張係数差によるIII族窒化物半導体層の成長中の反りを小さくすることができ、クラックを含まずに厚さの大きなIII族窒化物半導体層を形成することができる。そのため、III族窒化物半導体層を最終的に支持基板から剥離し、自立基板として使用する事ができる。
また、成長基板として上記出発支持基板を用いた場合、接合基板からシリコン単結晶薄膜を分割することで出発支持基板を剥離するため、剥離された出発支持基板表層に再度シリコン単結晶を貼り合わせることで得られた基板を、再度出発支持基板として利用可能となり、コスト削減のメリットを得ることができる。
工程(4)において、前記複合基板として、前記第1の接着層と前記第2の接着層との間に、前記第1の接着層の全体もしくは片側に積層された導電層を更に有するものを準備することが好ましい。
このようにすれば、導電性を有する部分を含む窒化物半導体基板を製造することができる。
また、本発明では、少なくともGaNを含むIII族窒化物半導体種結晶層上にIII族窒化物半導体層をエピタキシャル成長させることを含む窒化物半導体基板の製造方法であって、
(1)接合用III族窒化物半導体基板を製造するため、シリコン単結晶基板、または複数の層が積層された出発複合基板上に出発平坦化層を介して出発種結晶層としてシリコン単結晶薄膜が接合された出発支持基板を、成長基板として準備する工程、
(2)前記成長基板上に、少なくともGaNを含むIII族窒化物半導体種結晶層をエピタキシャル成長させることで、GaNの(0002)成長面の結晶性がXRD半値幅で550arcsec以下である前記III族窒化物半導体種結晶層を含む接合用III族窒化物半導体基板を製造する工程、
(3)前記接合用III族窒化物半導体基板の前記シリコン単結晶基板または前記シリコン単結晶薄膜の前記III族窒化物半導体種結晶層との界面近傍にレーザーを照射して、剥離層を形成する工程、
(4)前記出発複合基板とは別の複合基板として、多結晶セラミックコア、該多結晶セラミックコア全体に結合された第1の接着層、該第1の接着層全体に結合されたバリア層、該バリア層の裏面に結合された第2の接着層、および該第2の接着層の裏面に結合された導電層を含む複数の層が積層された複合基板を準備し、該複合基板の表面上のみに平坦化層を積層する工程、
(5)工程(4)で準備した前記複合基板上に積層した前記平坦化層と前記接合用III族窒化物半導体基板の前記III族窒化物半導体種結晶層とを貼り合わせて、接合基板を得る工程、
(6)前記剥離層で前記接合用III族窒化物半導体基板の前記シリコン単結晶基板または前記シリコン単結晶薄膜を分割して、前記成長基板の一部を前記接合基板から剥離する工程、
(7)剥離面を研磨することで、前記シリコン単結晶基板または前記シリコン単結晶薄膜の前記接合基板に残った部分を除去して、前記複合基板と、前記複合基板上に平坦化層を介して接合された前記III族窒化物半導体種結晶層とを含む支持基板を得る工程、および
(8)前記支持基板の前記III族窒化物半導体種結晶層上にGaNを含むIII族窒化物半導体層をエピタキシャル成長させて、窒化物半導体基板を製造する工程
を含むことを特徴とする窒化物半導体基板の製造方法を提供する。
このような窒化物半導体基板の製造方法であれば、GaNを含み、GaNの(0002)成長面の結晶性がXRD半値幅で550arcsec以下であるIII族窒化物半導体種結晶層上にGaNを含むIII族窒化物半導体層をエピタキシャル成長させるため、種結晶層とエピタキシャル成長層であるIII族窒化物半導体層との格子不整合が発生せず、転位密度の少ない、すなわち結晶性の良いIII族窒化物半導体層を成膜することができる。また、これを繰り返すことによって、より転位の少ないIII族窒化物半導体層を成膜できる。
また、この方法で成膜したIII族窒化物半導体層は転位が少ないので厚く積層できる。そして、複数の層が積層された複合基板を含む支持基板を支持基板として用いるので、熱膨張係数差によるIII族窒化物半導体層の成長中の反りを小さくすることができ、クラックを含まずに厚さの大きなIII族窒化物半導体層を形成することができる。そのため、III族窒化物半導体層を最終的に支持基板から剥離し、自立基板として使用する事ができる。
また、成長基板として上記出発支持基板を用いた場合、接合基板からシリコン単結晶薄膜を分割することで出発支持基板を剥離するため、剥離された出発支持基板表層に再度シリコン単結晶を貼り合わせることで得られた基板を、再度出発支持基板として利用可能となり、コスト削減のメリットを得ることができる。
そして、このような窒化物半導体基板の製造方法であれば、支持基板の表面側導電層によるリークパスが生じず、高周波特性に優れた窒化物半導体基板を製造することができる。
また、本発明では、少なくともGaNを含むIII族窒化物半導体種結晶層上にIII族窒化物半導体層をエピタキシャル成長させることを含む窒化物半導体基板の製造方法であって、
(1)接合用III族窒化物半導体基板を製造するため、シリコン単結晶基板、または複数の層が積層された出発複合基板上に出発平坦化層を介して出発種結晶層としてシリコン単結晶薄膜が接合された出発支持基板を、成長基板として準備する工程、
(2)前記成長基板上に、少なくともGaNを含むIII族窒化物半導体種結晶層をエピタキシャル成長させることで、GaNの(0002)成長面の結晶性がXRD半値幅で550arcsec以下である前記III族窒化物半導体種結晶層を含む接合用III族窒化物半導体基板を製造する工程、
(3)前記接合用III族窒化物半導体基板の前記シリコン単結晶基板または前記シリコン単結晶薄膜の前記III族窒化物半導体種結晶層との界面近傍にレーザーを照射して、剥離層を形成する工程、
(4)前記出発複合基板とは別の複合基板として、多結晶セラミックコア、該多結晶セラミックコア全体に結合された第1の接着層、該第1の接着層の裏面に結合された導電層、該導電層の裏面に結合された第2の接着層、並びに該第1の接着層の表面および側面と前記導電層の側面と前記第2の接着層の側面および裏面とに結合されたバリア層を含む複数の層が積層された複合基板を準備し、該複合基板の表面上のみに平坦化層を積層する工程、
(5)工程(4)で準備した前記複合基板上に積層した前記平坦化層と前記接合用III族窒化物半導体基板の前記III族窒化物半導体種結晶層とを貼り合わせて、接合基板を得る工程、
(6)前記剥離層で前記接合用III族窒化物半導体基板の前記シリコン単結晶基板または前記シリコン単結晶薄膜を分割して、前記成長基板の一部を前記接合基板から剥離する工程、
(7)剥離面を研磨することで、前記シリコン単結晶基板または前記シリコン単結晶薄膜の前記接合基板に残った部分を除去して、前記複合基板と、前記複合基板上に平坦化層を介して接合された前記III族窒化物半導体種結晶層とを含む支持基板を得る工程、および
(8)前記支持基板の前記III族窒化物半導体種結晶層上にGaNを含むIII族窒化物半導体層をエピタキシャル成長させて、窒化物半導体基板を製造する工程
を含むことを特徴とする窒化物半導体基板の製造方法を提供する。
このような窒化物半導体基板の製造方法であれば、GaNを含み、GaNの(0002)成長面の結晶性がXRD半値幅で550arcsec以下であるIII族窒化物半導体種結晶層上にGaNを含むIII族窒化物半導体層をエピタキシャル成長させるため、種結晶層とエピタキシャル成長層であるIII族窒化物半導体層との格子不整合が発生せず、転位密度の少ない、すなわち結晶性の良いIII族窒化物半導体層を成膜することができる。また、これを繰り返すことによって、より転位の少ないIII族窒化物半導体層を成膜できる。
また、この方法で成膜したIII族窒化物半導体層は転位が少ないので厚く積層できる。そして、複数の層が積層された複合基板を含む支持基板を支持基板として用いるので、熱膨張係数差によるIII族窒化物半導体層の成長中の反りを小さくすることができ、クラックを含まずに厚さの大きなIII族窒化物半導体層を形成することができる。そのため、III族窒化物半導体層を最終的に支持基板から剥離し、自立基板として使用する事ができる。
また、成長基板として上記出発支持基板を用いた場合、接合基板からシリコン単結晶薄膜を分割することで出発支持基板を剥離するため、剥離された出発支持基板表層に再度シリコン単結晶を貼り合わせることで得られた基板を、再度出発支持基板として利用可能となり、コスト削減のメリットを得ることができる。
そして、このような窒化物半導体基板の製造方法でも、支持基板の表面側導電層によるリークパスが生じず、高周波特性に優れた窒化物半導体基板を製造することができる。
工程(3)において使用する前記レーザーの波長を360nm以上1100nm以下とすることが好ましい。
このようにすれば、成長基板のシリコン単結晶薄膜またはシリコン単結晶基板の界面付近を狙って確実に剥離層を形成できる。
以上のように、本発明の窒化物半導体基板であれば、反りが少なく転位の発生が少なく、結晶性が良好なIII族窒化物半導体層を含むものとすることができる。
また、本発明の窒化物半導体基板の製造方法であれば、反りが少なく転位の発生が少なく、結晶性が良好なIII族窒化物半導体層を含む窒化物半導体基板を製造することができる。
本発明の窒化物半導体基板の一例を示す概略断面図である。 本発明の窒化物半導体基板の製造方法の第1実施形態の一部のフロー図である。 本発明の窒化物半導体基板の製造方法の第1実施形態で用いる出発支持基板の概略断面図である。 本発明の窒化物半導体基板の製造方法の第1実施形態の一部のフロー図である。 本発明の窒化物半導体基板の製造方法の第1実施形態の一部のフロー図である。 本発明の窒化物半導体基板の製造方法の第1実施形態の一部のフロー図である。 本発明の窒化物半導体基板の製造方法の第2実施形態の一部のフロー図である。 本発明の窒化物半導体基板の製造方法の第2実施形態の一部のフロー図である。 本発明の窒化物半導体基板の製造方法の第2実施形態の一部のフロー図である。 本発明の窒化物半導体基板の他の例を示す概略断面図である。 本発明の窒化物半導体基板の他の例を示す概略断面図である。
上述のように、反りが少なく転位の発生が少なく、結晶性が良好なIII族窒化物半導体層を含む窒化物半導体基板、およびその製造方法の開発が求められていた。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討を重ねた結果、複合基板と、複合基板上に平坦化膜を介して接合され、GaNの(0002)成長面の結晶性がXRD半値幅で550arcsec以下であるIII族窒化物半導体種結晶層と、III族窒化物半導体種結晶層上に形成されたIII族窒化物半導体層とを含む窒化物半導体基板であれば、転位密度が極めて少なく結晶性が良好なIII族窒化物半導体層を有することができ、且つ反りが少ない窒化物半導体基板とすることができることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、支持基板上にGaNを含むIII族窒化物半導体層が形成された窒化物半導体基板であって、
前記支持基板は、
多結晶セラミックコア、該多結晶セラミックコア全体に接合された第1の接着層、該第1の接着層全体に積層された第2の接着層、および前記第2の接着層全体に結合されたバリア層を含む複数の層が積層された複合基板と、
前記複合基板上に平坦化層を介して接合された、少なくともGaNを含むIII族窒化物半導体種結晶層と
を含み、
前記III族窒化物半導体層は、前記III族窒化物半導体種結晶層上に形成されており、前記III族窒化物半導体種結晶層のGaNの(0002)成長面の結晶性が、XRD半値幅で550arcsec以下のものであることを特徴とする窒化物半導体基板である。
また、本発明は、支持基板上にGaNを含むIII族窒化物半導体層が形成された窒化物半導体基板であって、
前記支持基板は、
多結晶セラミックコア、該多結晶セラミックコア全体に結合された第1の接着層、該第1の接着層全体に結合されたバリア層、該バリア層の裏面に結合された第2の接着層、および該第2の接着層の裏面に結合された導電層を含む複数の層が積層された複合基板と、
前記複合基板上に、該複合基板の表面のみに結合された平坦化層を介して接合された、少なくともGaNを含むIII族窒化物半導体種結晶層と
を含み、
前記III族窒化物半導体層は、前記III族窒化物半導体種結晶層上に形成されており、前記III族窒化物半導体種結晶層のGaNの(0002)成長面の結晶性が、XRD半値幅で550arcsec以下のものであることを特徴とする窒化物半導体基板である。
また、本発明は、支持基板上にGaNを含むIII族窒化物半導体層が形成された窒化物半導体基板であって、
前記支持基板は、
多結晶セラミックコア、該多結晶セラミックコア全体に結合された第1の接着層、該第1の接着層の裏面に結合された導電層、該導電層の裏面に結合された第2の接着層、並びに該第1の接着層の表面および側面と前記導電層の側面と前記第2の接着層の側面および裏面とに結合されたバリア層を含む複数の層が積層された複合基板と、
前記複合基板上に、該複合基板の表面のみに結合された平坦化層を介して接合された、少なくともGaNを含むIII族窒化物半導体種結晶層と
を含み、
前記III族窒化物半導体層は、前記III族窒化物半導体種結晶層上に形成されており、前記III族窒化物半導体種結晶層のGaNの(0002)成長面の結晶性が、XRD半値幅で550arcsec以下のものであることを特徴とする窒化物半導体基板である
また、本発明は、少なくともGaNを含むIII族窒化物半導体種結晶層上にIII族窒化物半導体層をエピタキシャル成長させることを含む窒化物半導体基板の製造方法であって、
(1)接合用III族窒化物半導体基板を製造するため、シリコン単結晶基板、または複数の層が積層された出発複合基板上に出発平坦化層を介して出発種結晶層としてシリコン単結晶薄膜が接合された出発支持基板を、成長基板として準備する工程、
(2)前記成長基板上に、少なくともGaNを含むIII族窒化物半導体種結晶層をエピタキシャル成長させることで、GaNの(0002)成長面の結晶性がXRD半値幅で550arcsec以下である前記III族窒化物半導体種結晶層を含む接合用III族窒化物半導体基板を製造する工程、
(3)前記接合用III族窒化物半導体基板の前記シリコン単結晶基板または前記シリコン単結晶薄膜の前記III族窒化物半導体種結晶層との界面近傍にレーザーを照射して、剥離層を形成する工程、
(4)前記出発複合基板とは別の複合基板として、多結晶セラミックコア、該多結晶セラミックコア全体に接合された第1の接着層、該第1の接着層全体に積層された第2の接着層、および前記第2の接着層全体に結合されたバリア層を含む複数の層が積層された複合基板を準備し、該複合基板上に平坦化層を積層する工程、
(5)工程(4)で準備した前記複合基板上に積層した前記平坦化層と前記接合用III族窒化物半導体基板の前記III族窒化物半導体種結晶層とを貼り合わせて、接合基板を得る工程、
(6)前記剥離層で前記接合用III族窒化物半導体基板の前記シリコン単結晶基板または前記シリコン単結晶薄膜を分割して、前記成長基板の一部を前記接合基板から剥離する工程、
(7)剥離面を研磨することで、前記シリコン単結晶基板または前記シリコン単結晶薄膜の前記接合基板に残った部分を除去して、前記複合基板と、前記複合基板上に平坦化層を介して接合された前記III族窒化物半導体種結晶層とを含む支持基板を得る工程、および
(8)前記支持基板の前記III族窒化物半導体種結晶層上にGaNを含むIII族窒化物半導体層をエピタキシャル成長させて、窒化物半導体基板を製造する工程
を含むことを特徴とする窒化物半導体基板の製造方法である。
また、本発明は、少なくともGaNを含むIII族窒化物半導体種結晶層上にIII族窒化物半導体層をエピタキシャル成長させることを含む窒化物半導体基板の製造方法であって、
(1)接合用III族窒化物半導体基板を製造するため、シリコン単結晶基板、または複数の層が積層された出発複合基板上に出発平坦化層を介して出発種結晶層としてシリコン単結晶薄膜が接合された出発支持基板を、成長基板として準備する工程、
(2)前記成長基板上に、少なくともGaNを含むIII族窒化物半導体種結晶層をエピタキシャル成長させることで、GaNの(0002)成長面の結晶性がXRD半値幅で550arcsec以下である前記III族窒化物半導体種結晶層を含む接合用III族窒化物半導体基板を製造する工程、
(3)前記接合用III族窒化物半導体基板の前記シリコン単結晶基板または前記シリコン単結晶薄膜の前記III族窒化物半導体種結晶層との界面近傍にレーザーを照射して、剥離層を形成する工程、
(4)前記出発複合基板とは別の複合基板として、多結晶セラミックコア、該多結晶セラミックコア全体に結合された第1の接着層、該第1の接着層全体に結合されたバリア層、該バリア層の裏面に結合された第2の接着層、および該第2の接着層の裏面に結合された導電層を含む複数の層が積層された複合基板を準備し、該複合基板の表面上のみに平坦化層を積層する工程、
(5)工程(4)で準備した前記複合基板上に積層した前記平坦化層と前記接合用III族窒化物半導体基板の前記III族窒化物半導体種結晶層とを貼り合わせて、接合基板を得る工程、
(6)前記剥離層で前記接合用III族窒化物半導体基板の前記シリコン単結晶基板または前記シリコン単結晶薄膜を分割して、前記成長基板の一部を前記接合基板から剥離する工程、
(7)剥離面を研磨することで、前記シリコン単結晶基板または前記シリコン単結晶薄膜の前記接合基板に残った部分を除去して、前記複合基板と、前記複合基板上に平坦化層を介して接合された前記III族窒化物半導体種結晶層とを含む支持基板を得る工程、および
(8)前記支持基板の前記III族窒化物半導体種結晶層上にGaNを含むIII族窒化物半導体層をエピタキシャル成長させて、窒化物半導体基板を製造する工程
を含むことを特徴とする窒化物半導体基板の製造方法である。
また、本発明は、少なくともGaNを含むIII族窒化物半導体種結晶層上にIII族窒化物半導体層をエピタキシャル成長させることを含む窒化物半導体基板の製造方法であって、
(1)接合用III族窒化物半導体基板を製造するため、シリコン単結晶基板、または複数の層が積層された出発複合基板上に出発平坦化層を介して出発種結晶層としてシリコン単結晶薄膜が接合された出発支持基板を、成長基板として準備する工程、
(2)前記成長基板上に、少なくともGaNを含むIII族窒化物半導体種結晶層をエピタキシャル成長させることで、GaNの(0002)成長面の結晶性がXRD半値幅で550arcsec以下である前記III族窒化物半導体種結晶層を含む接合用III族窒化物半導体基板を製造する工程、
(3)前記接合用III族窒化物半導体基板の前記シリコン単結晶基板または前記シリコン単結晶薄膜の前記III族窒化物半導体種結晶層との界面近傍にレーザーを照射して、剥離層を形成する工程、
(4)前記出発複合基板とは別の複合基板として、多結晶セラミックコア、該多結晶セラミックコア全体に結合された第1の接着層、該第1の接着層の裏面に結合された導電層、該導電層の裏面に結合された第2の接着層、並びに該第1の接着層の表面および側面と前記導電層の側面と前記第2の接着層の側面および裏面とに結合されたバリア層を含む複数の層が積層された複合基板を準備し、該複合基板の表面上のみに平坦化層を積層する工程、
(5)工程(4)で準備した前記複合基板上に積層した前記平坦化層と前記接合用III族窒化物半導体基板の前記III族窒化物半導体種結晶層とを貼り合わせて、接合基板を得る工程、
(6)前記剥離層で前記接合用III族窒化物半導体基板の前記シリコン単結晶基板または前記シリコン単結晶薄膜を分割して、前記成長基板の一部を前記接合基板から剥離する工程、
(7)剥離面を研磨することで、前記シリコン単結晶基板または前記シリコン単結晶薄膜の前記接合基板に残った部分を除去して、前記複合基板と、前記複合基板上に平坦化層を介して接合された前記III族窒化物半導体種結晶層とを含む支持基板を得る工程、および
(8)前記支持基板の前記III族窒化物半導体種結晶層上にGaNを含むIII族窒化物半導体層をエピタキシャル成長させて、窒化物半導体基板を製造する工程
を含むことを特徴とする窒化物半導体基板の製造方法である。
以下、本発明について図面を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[窒化物半導体基板]
図1に、本発明の窒化物半導体基板の一例の概略断面図を示す。
図1に示す窒化物半導体基板100は、支持基板10と、支持基板10上に形成されたIII族窒化物半導体層20とを含む。
支持基板10は、複合基板6と、この複合基板6上に平坦化膜7を介して接合されたIII族窒化物半導体種結晶層8とを含む。
複合基板6は、多結晶セラミックコア1、該多結晶セラミックコア1全体に接合された第1の接着層2、該第1の接着層2全体に積層された第2の接着層4、および第2の接着層4全体に結合されたバリア層5を含む複数の層が積層されている。図1に示す例では、複合基板6は、任意の層として、第1の接着層2と第2の接着層4との間に、第1の接着層2の全体に積層された導電層3を更に有している。
図1に示す例では、複合基板6の片側のみに、平坦化層7を介してIII族窒化物半導体種結晶層8が接合されている。
III族窒化物半導体種結晶層8は、少なくともGaNを含む。また、III族窒化物半導体種結晶層8のGaNの(0002)成長面の結晶性が、XRD(X-ray Diffraction:X線回折)半値幅で550arcsec以下である。
このようなIII族窒化物半導体種結晶層8上に、III族窒化物半導体層20が形成されている。III族窒化物半導体層20は、GaNを含む。
本発明の窒化物半導体基板100では、III族窒化物半導体層20が、種結晶のGaNの(0002)成長面の結晶性がXRD半値幅で550arcsec以下であるIII族窒化物半導体種結晶層8上にエピタキシャル形成されていることにより、転位密度が極めて少なく、良好な結晶性を示すことができる。その結果、本発明の窒化物半導体基板100では、デバイスの特性を向上できる。
また、本発明の窒化物半導体基板100は、上記の通り複数の層が積層された複合基板6を含む支持基板10を含むことにより、熱膨張係数差によるIII族窒化物半導体層8のエピタキシャル成長中の反りを小さくすることができるので、クラックを含まずに厚さの大きなIII族窒化物半導体層20を有することができる。そのため、III族窒化物半導体層20を最終的に支持基板10から剥離し、自立基板として使用する事もできる。
以下、図1に示す窒化物半導体基板100をより詳細に説明する。
多結晶セラミックコア1は、例えば、窒化アルミニウムを含むものとすることができる。多結晶セラミックコア1が窒化アルミニウムを含むものであれば、熱膨張係数差を極めて小さくできる。
このような多結晶セラミックコア1は、焼結助剤によって例えば1800℃の高温で焼結され、約600~1150μmの厚さを有することができる。基本的にはシリコン基板のSEMI(Semiconductor Equipment and Materials International)規格の厚さで形成される場合が多い。
第1の接着層2および第2の接着層4は、例えば、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)層もしくは酸化ケイ素(SiO)層、またはその両方を含む層であり得る。第1の接着層2および第2の接着層4は、それぞれ、LPCVD(Low-Pressure Chemical Vapor Deposition:減圧化学気相成長)プロセスやCVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長)プロセス等によって堆積され、おおよそ50~200nmの厚さを有することができる。
導電層3は、例えばポリシリコンを含み、例えばLPCVDプロセス等によって堆積される。導電層3は、導電性を付与するための層であり、例えばホウ素(B)やリン(P)等がドープされる。このポリシリコンを含む導電層3は、必要に応じて設けるものであって、無くなくても良く、また第1の接着層2の片面のみに成膜されていても良い。
任意の導電層3は、50nm~500nmの厚さを有するものであるが好ましい。導電層3の厚さがこの範囲であれば、反りの発生を抑制しながら、優れた導電性を有する部分を含む窒化物半導体基板100とすることができる。
バリア層5は、例えば窒化ケイ素を含み、LPCVDプロセス等によって堆積され、厚さは100nm~1500nm程度である。バリア層5は、セラミックス等の基板内部からの不純物をブロックする層である。
平坦化層7は、例えばLPCVDプロセス等によって堆積され、例えば厚さは500nm~3000nm程度である。この平坦化層7は、上面の平坦化のために堆積されるものである。平坦化層7の材質としては、例えば、テトラオルトシリケート、または酸化珪素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、窒化ケイ素(Si)、あるいは酸窒化珪素(Si;0<x<1、0<y<2、0≦z≦0.6)等の通常のセラミックスの膜材等が選ばれる。
本発明の窒化物半導体基板100では、III族窒化物半導体種結晶層8における種結晶のGaNの(0002)成長面の結晶性がXRD半値幅で550arcsec以下である。種結晶のGaNの(0002)成長面の結晶性がXRD半値幅で300arcsec以下であることがより好ましい。
III族窒化物半導体種結晶層8は、GaNの他、例えば、AlNおよびAlGaNの1種以上を含むものとすることができる。
また、III族窒化物半導体種結晶層8の厚さは、用途によって変更されるため特に限定されないが、例えば100nm以上とすることができる。
III族窒化物半導体層20は、GaNを含むが、GaNの他、例えば、AlNおよびAlGaNの1種以上を含むものとすることもできる。
III族窒化物半導体層20におけるGaNは、上記の通り結晶性のよいIII族窒化物半導体種結晶層8上にエピタキシャル成長させたものであるので、III族窒化物半導体種結晶層8のGaNの結晶性と同じく良好な結晶性を示すことができる。また、III族窒化物半導体層20は、クラックを含むことなく、例えば10μm以上の厚さを有することができる。
図示していないが、本発明の窒化物半導体基板100において、複合基板6は、上記導電層3の代わりに、III族窒化物半導体種結晶層8が接合されていない裏面側表面に積層された裏面導電層を更に有してもよい。裏面導電層は、導電層3と同様に、例えばポリシリコンを含み、例えばLPCVDプロセス等によって堆積される。また、裏面導電層は、例えば50nm~500nmの厚さを有することができる。
本発明の窒化物半導体基板100は、例えば、以下に例を挙げて説明する、本発明の窒化物半導体基板の製造方法によって製造することができる。ただし、本発明の窒化物半導体基板100は、本発明の窒化物半導体基板の製造方法以外の方法によって製造してもよい。
本発明の窒化物半導体基板は、支持基板として、図10または図11に概略的に示す複合基板10を用いることもできる。
図10に示す支持基板10は、複合基板6と、複合基板6上に、この複合基板6の表面(おもて側表面)のみに結合された平坦化層7を介して接合された、少なくともGaNを含むIII族窒化物半導体種結晶層8とを含む。複合基板6は、多結晶セラミックコア1、多結晶セラミックコア1全体に結合された第1の接着層2、第1の接着層2全体に結合されたバリア層5、バリア層5の裏面に結合された第2の接着層4、および第2の接着層4の裏面に結合された導電層3を含む複数の層が積層された複合基板6である。
図11に示す支持基板10は、複合基板6と、複合基板6上に、この複合基板6の表面(おもて側表面)のみに結合された平坦化層7を介して接合された、少なくともGaNを含むIII族窒化物半導体種結晶層8とを含む。複合基板6は、多結晶セラミックコア1、多結晶セラミックコア1全体に結合された第1の接着層2、第1の接着層2の裏面に結合された導電層3、導電層3の裏面に結合された第2の接着層4、ならびに第1の接着層2の表面および側面と導電層3の側面と第2の接着層4の側面および裏面とに結合されたバリア層5を含む複数の層が積層された複合基板である。
図10および図11に示す複合基板6の各層は、先に説明したものと同様であり得る。
図10および図11に示すような導電層3が裏面側にだけに成膜されている構造の支持基板10を含んだ窒化物半導体基板100は、図1を参照しながら先に説明した効果に加え、高周波デバイスを作製する場合に支持基板10の表面側導電層によるリークパスが生じず、高周波特性に優れたものとすることができる。
[窒化物半導体基板の製造方法]
以下、本発明の窒化物半導体基板の製造方法の例として、第1および第2の実施形態を、図面を参照しながら説明する。ただし、本発明の窒化物半導体基板の製造方法は、以下に説明する例に限定されない。
(第1の実施形態)
本発明の窒化物半導体基板の製造方法の第1の実施形態を、図2~図6を参照しながら、説明する。
(工程(1):出発支持基板を成長基板として準備する工程)
工程(1)では、接合用III族窒化物半導体基板を製造するため、図2(a)に示すように、出発複合基板36上に出発平坦化層37を介して出発種結晶層38としてシリコン単結晶薄膜が接合された出発支持基板30を成長基板として準備する。出発支持基板30は、GaN用支持基板と呼ぶこともできる。
出発複合基板36は、例えば図3に概略断面図を示す構成を有することができる。具体的には、図3に示す出発複合基板36は、多結晶セラミックコア31と、多結晶セラミックコア31に全体に結合された第1の接着層32と、第1の接着層32全体に結合された導電層33と、導電層33全体に結合された第2の接着層34と、第2の接着層34全体に結合されたバリア層35とを含む支持構造である。
多結晶セラミックコア31、第1の接着層32、導電層33、第2の接着層34、およびバリア層35のそれぞれは、例えば、図1を参照しながら説明した本発明の窒化物半導体基板100が含む複合基板6の各層と同様のものとすることができる。出発複合基板36は、複合基板6の説明で述べた方法で製造することができる。尚、出発複合基板36は、複数の層が積層されたものであればよく、図3に示すものに限定されない。例えば、導電層33および第1の接着層32は必要に応じて成膜されるものであり、必ずしも存在するわけではなく、また片面のみに成膜されている場合もある。
図2(a)および図3に示す例では、平坦化膜37は、出発複合基板36の片面のみに結合されている。平坦化膜37は、例えば図1を参照しながら説明した平坦化膜7と同じものとすることができるが、これに限定されるものではない。
シリコン単結晶薄膜38は、平坦化膜37に結合されており、実質的シリコン層と呼ぶこともできる。シリコン単結晶薄膜38は、例えば50nm~1000nm程度の厚さを有し、工程(2)におけるGaNを含むIII族窒化物半導体種結晶層のエピタキシャル成長のために使用される。
出発種結晶層であるシリコン単結晶薄膜38は、軸方位が〈111〉のシリコン単結晶薄膜であることが好ましいが、抵抗率等は問わない。
シリコン単結晶薄膜38は、例えば、貼り合わせ工程によって平坦化層37に貼り合わせ、その後イオン照射法などによって必要な厚みを残して剥離することによって形成することができる。
(工程(2):接合用III族窒化物半導体基板を製造する工程)
次に、工程(2)として、図2(b)に示す接合用III族窒化物半導体基板200を製造する工程を行う。この工程(2)では、成長基板である出発支持基板30上、より具体的には出発種結晶層であるシリコン単結晶薄膜38上に、少なくともGaNを含むIII族窒化物半導体種結晶層8をエピタキシャル成長させることで、GaNの(0002)成長面の結晶性がXRD半値幅で550arcsec以下であるIII族窒化物半導体種結晶層8を含む接合用III族窒化物半導体基板200を製造する。
この工程(2)は、例えば、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属化学気相成長法)反応炉において行うことができる。
この工程(2)では、出発支持基板30のシリコン単結晶薄膜38上にAlN、AlGaNおよびGaN等のIII族窒化物半導体種結晶層(エピタキシャル層)8のエピタキシャル成長を行う。III族窒化物半導体種結晶層8の構造はこれに限らず、AlGaNを成膜しない場合や、AlGaN成膜後さらにAlNを成膜する場合もある。また、Al組成を変化させたAlGaNを複数層成膜させる場合もある。一方で、工程(2)では、GaNは必ず成長させる。膜厚は用途によって変更されるため、特に限定されない。
エピタキシャル成長の際、例えば、Al源としてトリメチルアルミニウム(TMAl)、Ga源としてトリメチルガリウム(TMGa)、N源としてNHを用いる。また、キャリアガスは、例えば、NおよびH、またはそのいずれかとすることができ、プロセス温度は900~1200℃程度とすることができる。
工程(2)において条件を制御して、例えば軸方位が〈111〉のシリコン単結晶薄膜38上にIII族窒化物半導体種結晶層8をエピタキシャル成長することにより、GaNの(0002)成長面の結晶性がXRD半値幅で550arcsec以下であるIII族窒化物半導体種結晶層8を含む接合用III族窒化物半導体基板200を製造することができる。
(工程(3):レーザー照射にてシリコン単結晶薄膜に剥離層を形成する工程)
次に、工程(2)で製造した接合用III族窒化物半導体基板200のシリコン単結晶薄膜38のIII族窒化物半導体種結晶層8との界面近傍に、図2(c)に示すようにレーザーを照射して、図4(d)に示す剥離層38aを形成する。
このときのレーザーの波長は、GaNのバンドギャップエネルギーに等しい光の波長よりは長く、シリコン単結晶のバンドギャップエネルギーに等しい光の波長よりは短い方が好ましい。具体的には、約360nm以上1100nm以下が好ましい。そうすることで、シリコン単結晶薄膜38を狙って剥離層38aを形成できるため、GaNを含むIII族窒化物半導体種結晶層8へのダメージを抑制できる。またレーザーのパワーは剥離層38aを形成できれば特に限定されないが、5W~20W程度が適している。レーザーを照射するピッチは、30μm程度以下とすることが好ましい。照射ピッチを30μm以下とすることで、以下に説明する工程(6)での剥離を十分に行うことができる剥離層38aを形成することができる。
レーザー照射で剥離層(ダメージ層)38aを形成して剥離する方法を用いることで、GaNを含むIII族窒化物半導体種結晶層8とシリコン単結晶のレーザーの集光しやすさの違いを利用でき、GaNを含むIII族窒化物半導体種結晶層8を透過したレーザーによりシリコン単結晶薄膜38に剥離層38aを形成できるため、GaNを含むIII族窒化物半導体種結晶層8へのダメージを抑制できる。また、レーザーでは表面から深い位置に集光できるため、GaNを含むIII族窒化物半導体種結晶層8が数μm成膜されている場合でも、シリコン単結晶薄膜38のIII族窒化物半導体種結晶層8との界面付近に剥離層38aを形成できる。
一方、スマートカット法(登録商標)などのイオン照射による剥離方法では、侵入深さの制限が大きく、数μm以上のIII族窒化物半導体種結晶層が形成されているとイオンが侵入できず剥離ができない場合が多い。また、イオン照射では結晶にダメージが入ってしまう。
(工程(4):出発複合基板とは別の複合基板を準備し、該複合基板上に平坦化層を積層する工程)
次に、図4(e)の下方に示す、複合基板6を準備する。この複合基板6は、工程(1)で準備した出発複合基板36とは別の支持用ベース基板である。
この工程(4)で準備する複合基板6は、本発明の窒化物半導体基板が含む複合基板と同じである。すなわち、複合基板6は、図1に示した複合基板6と同じく、多結晶セラミックコア1、多結晶セラミックコア1全体に接合された第1の接着層2、第1の接着層2全体に積層された第2の接着層4、および第2の接着層4全体に結合されたバリア層5を含む複数の層が積層された複合基板6である。
次に、準備した複合基板6上に平坦化層7を積層する。
複合基板6および平坦化層7の作製方法については、本発明の窒化物半導体における説明を参照されたい。
(工程(5):平坦化層とIII族窒化物半導体種結晶層とを貼り合わせて、接合基板を得る工程)
次に、図4(e)に示すように、工程(4)で準備した複合基板6上に積層した平坦化層7と接合用III族窒化物半導体基板200(シリコン単結晶薄膜38に剥離層38aが形成されている)のIII族窒化物半導体種結晶層8とを貼り合わせて、図5(f)に示す接合基板300を得る。
(工程(6):成長基板(出発支持基板)の一部を接合基板から剥離する工程)
次に、工程(5)で作製した接合基板300において、図5(f)に示す剥離層38aで接合用III族窒化物半導体基板200のシリコン単結晶薄膜38を図5(g)に示すように一部分38bと他の一部分38cとに分割して、成長基板である出発支持基板30の一部を接合基板300から剥離する。
この剥離については、方法は特に限定されないが、例えば、図5(f)に示す接合基板300の表裏面をそれぞれ接着性のあるもので治具に固定し、逆側に力を加えることで、シリコン単結晶薄膜38を剥離層38aで分割して剥離する事が可能である。
(工程(7):シリコン単結晶薄膜の接合基板に残った部分を除去して、支持基板を得る工程)
次に、図6(h)に示すシリコン単結晶薄膜の接合基板300に残った部分38cの剥離面を研磨することで、シリコン単結晶薄膜の一部分38cを除去する。こうすることで、図6(i)に示す、複合基板6と、複合基板6上に平坦化層7を介して接合されたIII族窒化物半導体種結晶層としてのIII族窒化物半導体種結晶層8とを含む支持基板10が得られる。図6(i)に示すように、支持基板10の表層は、GaNを含むIII族窒化物半導体種結晶層8である。
これらの工程を経ることで、GaNを含み、GaNの(0002)成長面の結晶性が、XRD半値幅で550arcsec以下である窒化物半導体種結晶層8を表層として含む、支持基板10(GaN用支持基板)を作製することができる。
(工程(8):支持基板のIII族窒化物半導体種結晶層上にGaNを含むIII族窒化物半導体層をエピタキシャル成長させて、窒化物半導体基板を製造する工程)
次に、図6(j)に示すように、支持基板10のIII族窒化物半導体種結晶層8上にGaNを含むIII族窒化物半導体層20をエピタキシャル成長させる。エピタキシャル成膜の条件は、工程(2)と同様とすることができる。
以上に説明した工程(1)~(8)により、図6(j)に示す窒化物半導体基板100を製造することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の窒化物半導体基板の製造方法の第2の実施形態を、図7~図9を参照しながら、説明する。
第2の実施形態は、成長基板として、出発支持基板30の代わりに、図7(a)に示すシリコン単結晶基板40を用いる点で、第1の実施形態と大きく異なる。以下では、第1の実施形態との相違点を主として説明する。
工程(1)では、上記の通り、成長基板として、図7(a)に示すシリコン単結晶基板40を準備する。
シリコン単結晶基板40は、軸方位が〈111〉のシリコン単結晶基板であることが好ましいが、抵抗率等は特に問わない。
工程(2)では、成長基板であるシリコン単結晶基板40上に、第1の実施形態と同様にして、少なくともGaNを含むIII族窒化物半導体種結晶層8をエピタキシャル成長させることで、図7(b)に示す、GaNの(0002)成長面の結晶性がXRD半値幅で550arcsec以下であるIII族窒化物半導体種結晶層8を含む接合用III族窒化物半導体基板200を製造する。
工程(3)では、成長基板であるシリコン単結晶基板40のIII族窒化物半導体種結晶層8との界面近傍に図7(c)に示すようにレーザーを照射して、剥離層を形成する。剥離層の形成は、第1の実施形態と同様にして行うことができる。
工程(4)は、第1の実施形態と同じである。
工程(5)では、工程(4)で準備した複合基板6上に積層した平坦化層7と接合用III族窒化物半導体基板200(シリコン単結晶基板40に剥離層40aが形成されている)のIII族窒化物半導体種結晶層8とを貼り合わせて、図8(d)に示す接合基板300を得る。
工程(6)では、工程(5)で作製した接合基板300において、図8(d)に示す剥離層40aで接合用III族窒化物半導体基板200のシリコン単結晶基板40を図8(e)に示すように一部分40bと他の一部分40cとに分割して、成長基板であるシリコン単結晶基板の一部40bを接合基板300から剥離する。剥離は、第1の実施形態と同様にして行うことができる。
工程(7)では、図9(f)に示すシリコン単結晶基板の接合基板300に残った部分40cの剥離面を研磨することで、シリコン単結晶薄膜の一部分40cを除去する。こうすることで、図9(g)に示す、複合基板6と、複合基板6上に平坦化層7を介して接合されたIII族窒化物半導体種結晶層としてのIII族窒化物半導体種結晶層8とを含む支持基板10が得られる。図9(g)に示すように、支持基板10の表層は、GaNを含むIII族窒化物半導体種結晶層8である。
工程(8)は、第1の実施形態と同じである。
以上に説明した工程(1)~(8)により、図9(h)に示す窒化物半導体基板100を製造することができる。
以上に例を挙げて説明した本発明の窒化物半導体基板の製造方法では、GaNを含むIII族窒化物半導体層(例えばGaNエピタキシャル層)20と支持基板10との格子定数差を極めて小さくすることができるため、転位が少なく、結晶性の良いGaNを含むIII族窒化物半導体層20を形成する事ができる。また、これを繰り返すことによって、より転位の少ないIII族窒化物半導体層20を成膜できる。
また、この方法で成膜したIII族窒化物半導体層20は転位が少ないので厚く積層できる。そして、複数の層が積層された複合基板6を含む支持基板10を支持基板として用いるので、熱膨張係数差によるIII族窒化物半導体層20の成長中の反りを小さくすることができ、クラックを含まずに厚さの大きなIII族窒化物半導体層20を形成することができる。そのため、III族窒化物半導体層20を最終的に支持基板10から剥離し、自立基板として使用する事ができる。
一方、従来、複数の層が積層された複合基板上にGaNを含むIII族窒化物半導体種結晶を形成しても、格子定数を適切にすることができず、GaNの(0002)成長面の結晶性がXRD半値幅で550arcsec以下のIII族窒化物半導体種結晶層を形成することはできなかった。
また、第1の実施形態では、図5(g)に示すようにシリコン単結晶薄膜38を分割することで接合基板300から出発支持基板30を剥離するため、剥離された出発支持基板30の表層に再度シリコン単結晶を貼り合わせることで得られる基板を、再度出発支持基板として利用可能となり、コスト削減のメリットを得ることができる。必要に応じ、表層に残ったシリコン単結晶薄膜8の一部分38bを除去して、SiOを成膜してからシリコン単結晶を貼り合わせてもよい。バックグラウンド等で除去する場合では、基板の再利用ができない。
なお、工程(4)で準備する複合基板6として、図1に示した複合基板6の代わりに、図10又は図11に示す複合基板6を準備し、この複合基板6の表面(おもて側表面)上のみに平坦化層7を積層してもよい。
この変形例の窒化物半導体基板の製造方法では、支持基板の表面側導電層によるリークパスが生じず、高周波特性にも優れた窒化物半導体基板を製造することができる。
また、以上では、出発複合基板36として、図3に示したものを用いる例を説明したが、出発複合基板の構造は、図3のものに限定されず、例えば、図10及び図11に示した複合基板6と同様の構造であってもよい。
以下、実施例および比較例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1では、図2、および図4~図6に示す第1の実施形態の製造フローで、窒化物半導体基板を製造した。
(工程(1))
まず、先に図2(a)および図3を参照しながら説明した出発支持基板(GaN用支持基板)30を成長基板として作製した。
工程(1)では、軸方位が〈111〉のシリコン単結晶を平坦化層37に貼り合わせ、その後イオン照射法によって厚みを残して剥離することによって、シリコン単結晶薄膜38を形成した。
(工程(2))
この出発支持基板30をMOCVD反応炉に載置し、出発支持基板30上にAlN、AlGaNおよびGaNを含むIII族窒化物半導体種結晶層のエピタキシャル成長を行った。出発支持基板30は、サテライトと呼ばれるウェーハポケットに載置した。エピタキシャル成長の際、Al源としてTMAl、Ga源としてTMGa、N源としてNHを用いた。
また、キャリアガスはNおよびHのいずれも使用した。プロセス温度は1200℃とした。
工程(2)では、サテライトの上にGaN用支持基板を載置し、エピタキシャル成長を行う際、エピタキシャル層は基板側から成長方向に向かって順にAlN、AlGaNを成膜し、その後GaNをエピタキシャル成長させた。
これにより、図2(b)に示すように、出発支持基板30のシリコン単結晶薄膜38上に、III族窒化物半導体種結晶層(エピタキシャル層)8を成膜し、接合用III族窒化物半導体基板(GaN on GaN用支持基板)200を作製した。III族窒化物半導体種結晶層(エピタキシャル層)8の総膜厚は1μmとした。
(工程(3))
次に、図2(c)に示すように、工程(2)で作製した接合用III族窒化物半導体基板200のシリコン単結晶薄膜38のIII族窒化物半導体種結晶層(エピタキシャル層)8との界面近傍に、レーザーを照射した。
このときのレーザーの波長は1064nm、照射のピッチは5μmとした。また、レーザーのパワーは12Wとした。この工程(3)により、図4(d)に示す剥離層38aを形成した。
(工程(4))
工程(1)で準備した出発複合基板36とは別に、図4(e)の下方に示す、支持用ベース基板としての複合基板6を用意した。また、この複合基板6上に、平坦化層7を積層した。複合基板6および平坦化層7は、工程(1)の出発支持基板30の作製方法の内、表層のシリコン単結晶薄膜38を貼り合わせる工程を行わない方法で作製した。
(工程(5))
次に、図4(e)に示すようにこの複合基板6上に形成した平坦化層7に、工程(1)~(3)で作製した接合用III族窒化物半導体基板200を貼り合わせて、図5(f)に示す接合基板300を得た。貼り合わせ工程は室温で実施した。
(工程(6))
工程(5)で作製した接合基板300において、図5(f)に示す剥離層38aで接合用III族窒化物半導体基板200のシリコン単結晶薄膜38を図5(g)に示すように一部分38bと他の一部分38cとに分割して、成長基板である出発支持基板30の一部を接合基板300から剥離した。ここでは、接合基板300の上下を治具に固定し、反対方向の外力を加えることにより、剥離層でシリコン単結晶薄膜38を分割した。
(工程(7))
工程(6)での剥離後、図6(h)に示す、接合基板300の表層に残存したシリコン単結晶薄膜の一部分38cを研磨した。100nm程度研磨することで、シリコン単結晶薄膜を完全に除去した。これにより、図6(i)に示す、複合基板6と、複合基板6上に平坦化層7を介して接合されたIII族窒化物半導体種結晶層8とを含む支持基板10を得た。
支持基板10の表層のIII族窒化物半導体種結晶層8のGaNの(0002)成長面の結晶性は、XRD半値幅で540arcsecであった。
(工程(8))
工程(7)までで作製した支持基板10上に、図6(j)に示すように、GaN層をIII族窒化物半導体層20としてエピタキシャル成長した。この時のエピタキシャル成長条件は、膜厚以外は工程(2)と同様とした。GaN層20の膜厚については、既にIII族窒化物半導体種結晶層8に存在しているGaN層と併せて5μmになるように成膜した。これにより、図6(j)に示す、実施例1の窒化物半導体基板100を製造した。
その後、GaN層20に含まれるGaNの結晶性を測定したところ、GaNの(0002)成長面の結晶性は、XRD半値幅で250arcsecであった。
また、GaN層20は、クラックを含んでいなかった。
(実施例2)
実施例2では、図7~図9に示すに示す第2の実施形態の製造フローで、窒化物半導体基板を製造した。
(工程(1))
まず、成長基板として、図7(a)に示すシリコン単結晶基板40を用意した。シリコン単結晶基板40は軸方位〈111〉のものとした。
(工程(2))
このシリコン単結晶基板40をMOCVD反応炉に載置し、シリコン単結晶基板40上にAlN、AlGaNおよびGaNを含むIII族窒化物半導体種結晶層のエピタキシャル成長を行った。シリコン単結晶基板40は、サテライトと呼ばれるウェーハポケットに載置した。エピタキシャル成長の際、Al源としてTMAl、Ga源としてTMGa、N源としてNHを用いた。
また、キャリアガスはNおよびHのいずれも使用した。プロセス温度は1200℃とした。
工程(2)では、サテライトの上にGaN用支持基板を載置し、エピタキシャル成長を行う際、エピタキシャル層は基板側から成長方向に向かって順にAlN、AlGaNを成膜し、その後GaNをエピタキシャル成長させた。
これにより、図7(b)に示すように、シリコン単結晶基板40上に、III族窒化物半導体種結晶層(エピタキシャル層)8を成膜し、接合用III族窒化物半導体基板(GaN on Si基板)200を作製した。III族窒化物半導体種結晶層(エピタキシャル層)8の総膜厚は1μmとした。
(工程(3))
次に、図7(c)に示すように、工程(2)で作製した接合用III族窒化物半導体基板200のシリコン単結晶基板40のIII族窒化物半導体種結晶層8との界面付近に、レーザーを照射した。
このときのレーザーの波長は1064nm、照射のピッチは5μmとした。また、レーザーのパワーは12Wとした。この工程(3)により、シリコン単結晶基板40に剥離層を形成した。
(工程(4))
実施例1の工程(4)と同様にして、複合基板6および平坦化層7を作製した。
(工程(5))
次に、工程(4)で作製した複合基板6上に形成した平坦化層7に、工程(1)~(3)で作製した接合用III族窒化物半導体基板200を貼り合わせて、図8(d)に示す接合基板300を得た。貼り合わせ工程は室温で実施した。
これ以降の工程(6)~(8)は、実施例1と同様とした。
工程(7)で得られた支持基板10の表層のIII族窒化物半導体種結晶層8のGaNの(0002)成長面の結晶性は、XRD半値幅で540arcsecであった。
また、工程(8)で得られた、図9(h)に示す窒化物半導体基板100の表層であるGaN層20のGaNの結晶性を測定したところ、GaNの(0002)成長面の結晶性は、XRD半値幅で450arcsecであった。
また、GaN層20は、クラックを含んでいなかった。
(比較例)
比較例では、実施例1の工程(2)において、GaN層を総膜厚5μm成膜して、GaN on GaN用支持基板を作製した。この支持基板を比較例の窒化物半導体基板とした。
比較例の窒化物半導体基板の表層のGaNの結晶性を測定したところ、GaNの(0002)成長面の結晶性は、XRD半値幅で600arcsecであった。
以上の結果から明らかなように、本発明の実施例1および2の窒化物半導体基板100の表層であるIII族窒化物半導体層20は、転位の発生が抑えられ、GaNの(0002)成長面の結晶性は、XRD半値幅で550arcsec以下であり、比較例の窒化物半導体基板の表層のGaNの結晶性よりも優れていた。
また、実施例1および2の窒化物半導体基板100の表層であるIII族窒化物半導体層20では、反りの発生は確認されなかった。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1、31…多結晶セラミックコア、 2、32…第1の接着層、 3、33…導電層、 4、34…第2の接着層、 5、35…バリア層、 6…複合基板、 7…平坦化層、 8…III族窒化物半導体種結晶層、 10…支持基板、 20…III族窒化物半導体層(GaN層)、 30…出発支持基板(成長基板)、 36…出発複合基板、 37…出発平坦化層、 38…出発種結晶層(シリコン単結晶薄膜)、 38a、40a…剥離層、 38b、38c…出発種結晶層の一部、 40…シリコン単結晶基板、 40b、40c…シリコン単結晶基板の一部、 100…窒化物半導体基板、 200…接合用III族窒化物半導体基板、300…接合基板。

Claims (17)

  1. 支持基板上にGaNを含むIII族窒化物半導体層が形成された窒化物半導体基板であって、
    前記支持基板は、
    多結晶セラミックコア、該多結晶セラミックコア全体に接合された第1の接着層、該第1の接着層全体に積層された第2の接着層、および前記第2の接着層全体に結合されたバリア層を含む複数の層が積層された複合基板と、
    前記複合基板上に平坦化層を介して接合された、少なくともGaNを含むIII族窒化物半導体種結晶層と
    を含み、
    前記III族窒化物半導体層は、前記III族窒化物半導体種結晶層上に形成されており、前記III族窒化物半導体種結晶層のGaNの(0002)成長面の結晶性が、XRD半値幅で550arcsec以下のものであることを特徴とする窒化物半導体基板。
  2. 支持基板上にGaNを含むIII族窒化物半導体層が形成された窒化物半導体基板であって、
    前記支持基板は、
    多結晶セラミックコア、該多結晶セラミックコア全体に結合された第1の接着層、該第1の接着層全体に結合されたバリア層、該バリア層の裏面に結合された第2の接着層、および該第2の接着層の裏面に結合された導電層を含む複数の層が積層された複合基板と、
    前記複合基板上に、該複合基板の表面のみに結合された平坦化層を介して接合された、少なくともGaNを含むIII族窒化物半導体種結晶層と
    を含み、
    前記III族窒化物半導体層は、前記III族窒化物半導体種結晶層上に形成されており、前記III族窒化物半導体種結晶層のGaNの(0002)成長面の結晶性が、XRD半値幅で550arcsec以下のものであることを特徴とする窒化物半導体基板。
  3. 支持基板上にGaNを含むIII族窒化物半導体層が形成された窒化物半導体基板であって、
    前記支持基板は、
    多結晶セラミックコア、該多結晶セラミックコア全体に結合された第1の接着層、該第1の接着層の裏面に結合された導電層、該導電層の裏面に結合された第2の接着層、並びに該第1の接着層の表面および側面と前記導電層の側面と前記第2の接着層の側面および裏面とに結合されたバリア層を含む複数の層が積層された複合基板と、
    前記複合基板上に、該複合基板の表面のみに結合された平坦化層を介して接合された、少なくともGaNを含むIII族窒化物半導体種結晶層と
    を含み、
    前記III族窒化物半導体層は、前記III族窒化物半導体種結晶層上に形成されており、前記III族窒化物半導体種結晶層のGaNの(0002)成長面の結晶性が、XRD半値幅で550arcsec以下のものであることを特徴とする窒化物半導体基板。
  4. 前記III族窒化物半導体層は、GaNの他、AlNおよびAlGaNの1種以上を含むものであること特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の窒化物半導体基板。
  5. 前記多結晶セラミックコアが、窒化アルミニウムを含むものであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の窒化物半導体基板。
  6. 前記第1の接着層および前記第2の接着層のそれぞれは、テトラエチルオルトシリケートおよび/または酸化ケイ素を含み、前記バリア層は窒化ケイ素を含むものであることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の窒化物半導体基板。
  7. 前記第1の接着層および前記第2の接着層のそれぞれは50~200nmの厚さを有し、前記バリア層は100nm~1500nmの厚さを有するものであることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の窒化物半導体基板。
  8. 前記平坦化層は、テトラエチルオルトシリケート、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化ケイ素、および酸窒化ケイ素からなる群より選択される少なくとも1種を含み、500nm~3000nmの厚さを有するものであることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の窒化物半導体基板。
  9. 前記III族窒化物半導体種結晶層は、100nm以上の厚さを有するものであることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の窒化物半導体基板。
  10. 前記複合基板が、前記第1の接着層と前記第2の接着層との間に、前記第1の接着層の全体もしくは片側に積層された導電層を更に有するものであることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体基板。
  11. 前記導電層は、50nm~500nmの厚さを有するものであることを特徴とする請求項10に記載の窒化物半導体基板。
  12. 前記複合基板が、前記III族窒化物半導体種結晶層が接合されていない裏面側表面に積層された裏面導電層を更に有するものであることを特徴とする請求項1、10および11のいずれか一項に記載の窒化物半導体基板。
  13. 少なくともGaNを含むIII族窒化物半導体種結晶層上にIII族窒化物半導体層をエピタキシャル成長させることを含む窒化物半導体基板の製造方法であって、
    (1)接合用III族窒化物半導体基板を製造するため、シリコン単結晶基板、または複数の層が積層された出発複合基板上に出発平坦化層を介して出発種結晶層としてシリコン単結晶薄膜が接合された出発支持基板を、成長基板として準備する工程、
    (2)前記成長基板上に、少なくともGaNを含むIII族窒化物半導体種結晶層をエピタキシャル成長させることで、GaNの(0002)成長面の結晶性がXRD半値幅で550arcsec以下である前記III族窒化物半導体種結晶層を含む接合用III族窒化物半導体基板を製造する工程、
    (3)前記接合用III族窒化物半導体基板の前記シリコン単結晶基板または前記シリコン単結晶薄膜の前記III族窒化物半導体種結晶層との界面近傍にレーザーを照射して、剥離層を形成する工程、
    (4)前記出発複合基板とは別の複合基板として、多結晶セラミックコア、該多結晶セラミックコア全体に接合された第1の接着層、該第1の接着層全体に積層された第2の接着層、および前記第2の接着層全体に結合されたバリア層を含む複数の層が積層された複合基板を準備し、該複合基板上に平坦化層を積層する工程、
    (5)工程(4)で準備した前記複合基板上に積層した前記平坦化層と前記接合用III族窒化物半導体基板の前記III族窒化物半導体種結晶層とを貼り合わせて、接合基板を得る工程、
    (6)前記剥離層で前記接合用III族窒化物半導体基板の前記シリコン単結晶基板または前記シリコン単結晶薄膜を分割して、前記成長基板の一部を前記接合基板から剥離する工程、
    (7)剥離面を研磨することで、前記シリコン単結晶基板または前記シリコン単結晶薄膜の前記接合基板に残った部分を除去して、前記複合基板と、前記複合基板上に平坦化層を介して接合された前記III族窒化物半導体種結晶層とを含む支持基板を得る工程、および
    (8)前記支持基板の前記III族窒化物半導体種結晶層上にGaNを含むIII族窒化物半導体層をエピタキシャル成長させて、窒化物半導体基板を製造する工程
    を含むことを特徴とする窒化物半導体基板の製造方法。
  14. 工程(4)において、前記複合基板として、前記第1の接着層と前記第2の接着層との間に、前記第1の接着層の全体もしくは片側に積層された導電層を更に有するものを準備することを特徴とする請求項13に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
  15. 少なくともGaNを含むIII族窒化物半導体種結晶層上にIII族窒化物半導体層をエピタキシャル成長させることを含む窒化物半導体基板の製造方法であって、
    (1)接合用III族窒化物半導体基板を製造するため、シリコン単結晶基板、または複数の層が積層された出発複合基板上に出発平坦化層を介して出発種結晶層としてシリコン単結晶薄膜が接合された出発支持基板を、成長基板として準備する工程、
    (2)前記成長基板上に、少なくともGaNを含むIII族窒化物半導体種結晶層をエピタキシャル成長させることで、GaNの(0002)成長面の結晶性がXRD半値幅で550arcsec以下である前記III族窒化物半導体種結晶層を含む接合用III族窒化物半導体基板を製造する工程、
    (3)前記接合用III族窒化物半導体基板の前記シリコン単結晶基板または前記シリコン単結晶薄膜の前記III族窒化物半導体種結晶層との界面近傍にレーザーを照射して、剥離層を形成する工程、
    (4)前記出発複合基板とは別の複合基板として、多結晶セラミックコア、該多結晶セラミックコア全体に結合された第1の接着層、該第1の接着層全体に結合されたバリア層、該バリア層の裏面に結合された第2の接着層、および該第2の接着層の裏面に結合された導電層を含む複数の層が積層された複合基板を準備し、該複合基板の表面上のみに平坦化層を積層する工程、
    (5)工程(4)で準備した前記複合基板上に積層した前記平坦化層と前記接合用III族窒化物半導体基板の前記III族窒化物半導体種結晶層とを貼り合わせて、接合基板を得る工程、
    (6)前記剥離層で前記接合用III族窒化物半導体基板の前記シリコン単結晶基板または前記シリコン単結晶薄膜を分割して、前記成長基板の一部を前記接合基板から剥離する工程、
    (7)剥離面を研磨することで、前記シリコン単結晶基板または前記シリコン単結晶薄膜の前記接合基板に残った部分を除去して、前記複合基板と、前記複合基板上に平坦化層を介して接合された前記III族窒化物半導体種結晶層とを含む支持基板を得る工程、および
    (8)前記支持基板の前記III族窒化物半導体種結晶層上にGaNを含むIII族窒化物半導体層をエピタキシャル成長させて、窒化物半導体基板を製造する工程
    を含むことを特徴とする窒化物半導体基板の製造方法。
  16. 少なくともGaNを含むIII族窒化物半導体種結晶層上にIII族窒化物半導体層をエピタキシャル成長させることを含む窒化物半導体基板の製造方法であって、
    (1)接合用III族窒化物半導体基板を製造するため、シリコン単結晶基板、または複数の層が積層された出発複合基板上に出発平坦化層を介して出発種結晶層としてシリコン単結晶薄膜が接合された出発支持基板を、成長基板として準備する工程、
    (2)前記成長基板上に、少なくともGaNを含むIII族窒化物半導体種結晶層をエピタキシャル成長させることで、GaNの(0002)成長面の結晶性がXRD半値幅で550arcsec以下である前記III族窒化物半導体種結晶層を含む接合用III族窒化物半導体基板を製造する工程、
    (3)前記接合用III族窒化物半導体基板の前記シリコン単結晶基板または前記シリコン単結晶薄膜の前記III族窒化物半導体種結晶層との界面近傍にレーザーを照射して、剥離層を形成する工程、
    (4)前記出発複合基板とは別の複合基板として、多結晶セラミックコア、該多結晶セラミックコア全体に結合された第1の接着層、該第1の接着層の裏面に結合された導電層、該導電層の裏面に結合された第2の接着層、並びに該第1の接着層の表面および側面と前記導電層の側面と前記第2の接着層の側面および裏面とに結合されたバリア層を含む複数の層が積層された複合基板を準備し、該複合基板の表面上のみに平坦化層を積層する工程、
    (5)工程(4)で準備した前記複合基板上に積層した前記平坦化層と前記接合用III族窒化物半導体基板の前記III族窒化物半導体種結晶層とを貼り合わせて、接合基板を得る工程、
    (6)前記剥離層で前記接合用III族窒化物半導体基板の前記シリコン単結晶基板または前記シリコン単結晶薄膜を分割して、前記成長基板の一部を前記接合基板から剥離する工程、
    (7)剥離面を研磨することで、前記シリコン単結晶基板または前記シリコン単結晶薄膜の前記接合基板に残った部分を除去して、前記複合基板と、前記複合基板上に平坦化層を介して接合された前記III族窒化物半導体種結晶層とを含む支持基板を得る工程、および
    (8)前記支持基板の前記III族窒化物半導体種結晶層上にGaNを含むIII族窒化物半導体層をエピタキシャル成長させて、窒化物半導体基板を製造する工程
    を含むことを特徴とする窒化物半導体基板の製造方法。
  17. 工程(3)において使用する前記レーザーの波長を360nm以上1100nm以下とすることを特徴とする請求項13から16のいずれか1項に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
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