JP2019052057A - 複合基板、iii族窒化物結晶付複合基板、およびiii族窒化物結晶の製造方法 - Google Patents

複合基板、iii族窒化物結晶付複合基板、およびiii族窒化物結晶の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019052057A
JP2019052057A JP2017176756A JP2017176756A JP2019052057A JP 2019052057 A JP2019052057 A JP 2019052057A JP 2017176756 A JP2017176756 A JP 2017176756A JP 2017176756 A JP2017176756 A JP 2017176756A JP 2019052057 A JP2019052057 A JP 2019052057A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
group iii
iii nitride
nitride crystal
crystal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017176756A
Other languages
English (en)
Inventor
一成 佐藤
Kazunari Sato
一成 佐藤
祐介 善積
Yusuke Yoshizumi
祐介 善積
上松 康二
Koji Uematsu
康二 上松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP2017176756A priority Critical patent/JP2019052057A/ja
Publication of JP2019052057A publication Critical patent/JP2019052057A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
  • Recrystallisation Techniques (AREA)

Abstract

【課題】割れを発生させることなく反りの小さいIII族窒化物結晶を製造できる複合基板、III族窒化物結晶付複合基板およびIII族窒化物結晶の製造方法を提供する。
【解決手段】複合基板10は、第1基板11と第2基板12とを含み、第1基板11と第2基板12とはそれぞれの主面で接合され、第2基板12の線熱膨張係数は、第1基板11の線熱膨張係数に比べて低い。III族窒化物結晶付複合基板20は、複合基板10と、複合基板10の第1基板11上に配置されたIII族窒化物結晶21とを含む。III族窒化物結晶21の製造方法は、複合基板10を準備する工程と、複合基板10の第1基板11上にIII族窒化物結晶21を形成する工程とを含む。
【選択図】図2

Description

本発明は、複合基板、III族窒化物結晶付複合基板、およびIII族窒化物結晶の製造方法に関する。
窒化ガリウム基板などのIII族窒化物基板は、発光デバイスおよび電子デバイスに好適に用いられる。窒化ガリウム基板などのIII族窒化物基板は、赤崎勇,III族窒化物半導体,培風館,1999年12月8日,pp114−116(非特許文献1)などに記載のように、一般的には、HVPE(ハイドライド気相成長)法などの気相法でサファイア基板上に窒化ガリウム結晶などのIII族窒化物結晶を成長させることに得られる。
ここで、特開2015−98411号公報は、窒化物半導体層をエピタキシャル成長させることが可能な成長面を有する下地基板を準備する工程と、下地基板を基板ホルダに固定する工程と、固定された下地基板の成長面上に窒化物半導体層をエピタキシャル成長させる工程と、を含み、基板ホルダに固定する工程において、下地基板を成長面側が凸になるように反らせた状態で固定する窒化物半導体基板の製造方法を開示する。
特開2015−98411号公報
赤崎勇,III族窒化物半導体,培風館,1999年12月8日,pp114−116
しかしながら、赤崎勇,III族窒化物半導体,培風館,1999年12月8日,pp114−116(非特許文献1)に記載の方法では、サファイア基板とIII族窒化物結晶との線熱膨張係数の差(サファイア基板の線熱膨張係数は、窒化物ガリウム層の線熱膨張係数に比べて約2×10-6-1大きく、窒化アルミニウム層の線熱膨張係数に比べて約3×10-6-1大きく、窒化インジウム層の線熱膨張係数に比べて約3×10-6-1大きい)があるため、III族窒化物結晶の成長後に高温から室温(たとえば25℃)に降温した後に、サファイア基板から分離されたIII族窒化物結晶は、上記線熱膨張係数の差に基づく熱応力により、III族窒化物結晶の結晶成長面側(サファイア基板側と反対側)に凹の反りが発生するという問題点がある。
また、上記の大きな反りを有するIII族窒化物結晶の主面を研磨により平坦化したIII族窒化物基板は、その主面内のオフ角のばらつきが大きくなる。このため、そのIII族窒化物基板上に成長させるIII族窒化物結晶膜への不純物原子の取り込み量の主面内のばらつきが大きくなり、発光デバイスにおいては発光波長のばらつきが大きくなり、電子デバイスにおけるキャリア濃度のばらつきが大きくなるという問題点がある。
これに対して、特開2015−98411号公報に開示の窒化物半導体基板の製造方法は、下地基板を成長面側に凸になるように反らせた状態で下地基板の成長面側に窒化物半導体層を成長させるため、得られるIII族窒化物層の成長面側に凹の反りを抑制できるが、基板ホルダにより下地基板を機械的かつ強制的に反らせているため、下地基板上に成長させられたIII族窒化物半導体層の端部が多結晶化して、下地基板からIII族窒化物半導体層を分離する際に、III族窒化物層が割れるという問題点がある。
本開示は、上記問題点を解決するため、割れを発生させることなく反りの小さいIII族窒化物結晶を製造できる複合基板、III族窒化物結晶付複合基板およびIII族窒化物結晶の製造方法を提供することを目的とする。
本開示の一態様にかかる複合基板は、第1基板と第2基板とを含み、前記第1基板と前記第2基板とはそれぞれの主面で接合され、前記第2基板の線熱膨張係数は、前記第1基板の線熱膨張係数に比べて低い。
本開示の一態様にかかるIII族窒化物結晶付複合基板は、前記複合基板と、前記複合基板の前記第1基板上に配置されたIII族窒化物結晶とを含む。
本開示の一態様にかかるIII族窒化物結晶の製造方法は、第1基板と第2基板とを含み、前記第1基板と前記第2基板とはそれぞれの主面で接合され、前記第2基板の線熱膨張係数が前記第1基板の線熱膨張係数に比べて低い複合基板を準備する工程と、前記複合基板の前記第1基板上にIII族窒化物結晶を形成する工程とを含む。
本開示によれば、割れを発生させることなく反りの小さいIII族窒化物結晶を製造できる複合基板、III族窒化物結晶付複合基板およびIII族窒化物結晶の製造方法を提供できる。
図1は、本態様にかかる複合基板の一例を示す概略断面図である。 図2は、本態様にかかるIII族窒化物結晶の製造方法を示す概略断面図である。 図3は、本態様にかかるIII族窒化物結晶上に形成されるIII族窒化物膜の一例を示す概略平面図である。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
[1]本開示の一実施形態にかかる複合基板は、第1基板と第2基板とを含み、第1基板と第2基板とはそれぞれの主面で接合され、第2基板の線熱膨張係数は、第1基板の線熱膨張係数に比べて低い。本実施形態の複合基板は、第2基板の線熱膨張係数が第1基板の線熱膨張係数に比べて低いことから、第1基板上にIII族窒化物結晶を成長させる温度において第1基板側に凸に反るため、割れを発生させることなく反りの小さいIII族窒化物結晶を製造することができる。
[2]上記の複合基板において、第1基板をサファイア基板とすることができる。かかる複合基板は、反りが小さいIII族窒化物結晶を、割れを発生させることなく製造することができる。
[3]本開示の一実施形態にかかるIII族窒化物結晶付複合基板は、上記の複合基板と、複合基板の第1基板上に配置されたIII族窒化物結晶とを含む。本実施形態のIII族窒化物結晶付複合基板は、結晶成長温度において第1基板側に凸に反った複合基板の第1基板上にIII族窒化物結晶を成長させて得られるため、割れを発生させることなく反りが小さいIII族窒化物結晶を製造することができる。
[4]本開示の一実施形態にかかるIII族窒化物結晶の製造方法は、第1基板と第2基板とを含み、第1基板と第2基板とはそれぞれの主面で接合され、第2基板の線熱膨張係数が第1基板の線熱膨張係数に比べて低い複合基板を準備する工程と、複合基板の第1基板上にIII族窒化物結晶を形成する工程とを含む。本実施形態のIII族窒化物結晶の製造方法は、複合基板の第2基板の線熱膨張係数が第1基板の線熱膨張係数に比べて低いことから、第1基板上にIII族窒化物結晶を成長させる温度において第1基板側に凸に反るため、割れを発生させることなく反りの小さいIII族窒化物結晶を製造することができる。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、本発明の実施形態についてさらに詳細に説明するが、これらに限定されるものではない。以下においては、図面を参照しながら説明するが、本明細書および図面において同一または対応する要素に同一の符号を付すものとし、それらについて同じ説明は繰り返さない。また、図面の形状および寸法は、実際の形状および寸法を表すものではなく、分かりやすくするために基板および結晶の長さ方向に比べて厚さ方向を強調して大きく描いている。
本明細書において「A〜B」という形式の表記は、範囲の上限下限(すなわちA以上B以下)を意味し、Aにおいて単位の記載がなく、Bにおいてのみ単位が記載されている場合、Aの単位とBの単位とは同じである。さらに、本明細書において、化合物などを化学式で表す場合、原子比を特に限定しないときは従来公知のあらゆる原子比を含むものとし、必ずしも化学量論的範囲のもののみに限定されるべきではない。
≪複合基板≫
図1を参照して、本実施形態にかかる複合基板10は、第1基板11と第2基板12とを含み、第1基板11と第2基板12とはそれぞれの主面で接合され、第2基板12の線熱膨張係数は、第1基板11の線熱膨張係数に比べて低い。本実施形態の複合基板10は、第2基板12の線熱膨張係数が第1基板11の線熱膨張係数に比べて低いため、第1基板11上にIII族窒化物結晶を成長させる温度(1000〜1200℃程度)において第1基板11側に凸に反る。このため、複合基板10の第1基板11上に、III族窒化物結晶は結晶成長面側に凸に反った状態で成長する。III族窒化物結晶の結晶成長時の上記反りは、第1基板からIII族窒化物結晶を分離する際に発生する反りと反対方向の反りである。このため、本実施形態の複合基板10は、反りの小さいIII族窒化物結晶を、割れを発生させることなく製造することができる。
ここで、反りの小さいIII族窒化物結晶とは、たとえば、直径4インチで厚さ500μmのIII族窒化物結晶については、反りは100μm以下が好ましく、反りは50μm以下がより好ましく、反りは30μm以下がさらに好ましく、反りは10μm以下が特に好ましい。
<第1基板>
第1基板11は、特に制限はないが、第1基板11上に結晶品質の高いIII族窒化物結晶を成長させる観点から、サファイア基板(線熱膨張係数:7.7×10-6-1)が好ましい。第1基板11の厚さt1は、特に制限はないが、III族窒化物結晶の成長時にウエハトレーに収まる観点から、100μm以上800μm以下が好ましい。
<第2基板>
第2基板12は、第1基板に比べて線膨張係数が低いものであれば特に制限はないが、III族窒化物結晶を成長させる温度(結晶成長温度)における複合基板10の反りの大きさを制御しやすい観点から、第1基板をサファイア基板とするとき、Si(ケイ素)基板(線熱膨張係数:3.4×10-6-1)、SiN(窒化ケイ素)基板(線熱膨張係数:3.1×10-6-1)などとすることが好ましい。第2基板12の厚さt2は、特に制限はないが、結晶成長温度における複合基板10の反りの大きさを制御する観点から、第1基板11の線熱膨張係数α1および厚さt1ならびに第2基板12の線熱膨張係数α2に応じて調節することが好ましい。
<第1基板と第2基板との接合>
第1基板11と第2基板12とは、それぞれの主面で接合されている。接合形態は、第1基板11と第2基板12とを何も介在させずに接合する直接接合(図1を参照)であっても、第1基板と第2基板とを中間層を介在させて接合する間接接合(図示せず)であってもよい。
<第1基板の線熱膨張係数と第2基板の線熱膨張係数>
III族窒化物結晶を成長させる温度(結晶成長温度)において複合基板10を第1基板11側に凸に反らせる観点から、第2基板12の線熱膨張係数α2は第1基板11の線熱膨張係数α1に比べて低い。第2基板12の線熱膨張係数α2と第1基板11の線熱膨張係数α1との差|α1−α2|は、特に制限はないが、III族窒化物結晶を成長させる温度(結晶成長温度)における複合基板10の反りの大きさを好適な範囲に制御する観点から、1×10-5-1以下が好ましく、5×10-6-1以下がより好ましい。
<第1基板の厚さに対する第2基板の厚さの比>
III族窒化物結晶を成長させる温度(結晶成長温度)において複合基板10を第1基板11側に凸に反らせる観点から、第1基板11の厚さt1に対する第2基板12の厚さt2の比t2/t1は、第1基板11の線熱膨張係数α1と第2基板12の線熱膨張係数α2に応じて調節することが好ましい。第1基板11としてのサファイア基板と第2基板12としてのSi基板を含む複合基板の場合、第1基板11の厚さt1に対する第2基板12の厚さt2の比t2/t1は、0.0075以上0.076以下が好ましく、0.015以上0.046以下がより好ましく、0.022以上0.038以下がさらに好ましい。
≪III族窒化物結晶付複合基板≫
図2を参照して、本実施形態のIII族窒化物結晶付複合基板20は、上記実施形態の複合基板10と、複合基板10の第1基板11上に配置されたIII族窒化物結晶21とを含む。本実施形態のIII族窒化物結晶付複合基板は、結晶成長温度において第1基板側に凸に反った複合基板の第1基板上にIII族窒化物結晶を成長させて得られるため、割れを発生させることなく反りが小さいIII族窒化物結晶を製造することができる。
III族窒化物結晶21は、特に制限はなく、GaN(窒化ガリウム)結晶、AlN(窒化アルミニウム)結晶、InN(窒化インジウム)結晶の他、Al1-xGaxN結晶(0<x<1)、In1-yGayN結晶(0<y<1)およびAl1-zInzN結晶(0<z<1)などが挙げられる。
≪III族窒化物結晶の製造方法≫
図2を参照して、本実施形態のIII族窒化物結晶21の製造方法は、第1基板11と第2基板12とを含み、第1基板11と第2基板12とはそれぞれの主面で接合され、第2基板12の線熱膨張係数が第1基板11の線熱膨張係数に比べて低い複合基板10を準備する工程(図2(A))と、複合基板10の第1基板11上にIII族窒化物結晶21を形成する工程(図2(B)〜(D))とを含む。本実施形態のIII族窒化物結晶の製造方法は、複合基板の第2基板の線熱膨張係数が第1基板の線熱膨張係数に比べて低いことから、第1基板上にIII族窒化物結晶を成長させる温度において第1基板側に凸に反るため、反りの小さいIII族窒化物結晶を割れを発生させることなく製造することができる。
<複合基板を準備する工程>
図2(A)を参照して、複合基板10を準備する工程は、第1基板11と第2基板12とをそれぞれの主面で接合することにより行う。接合形態は、第1基板11と第2基板12とを何も介在させずに接合する直接接合(図2(A))であっても、第1基板と第2基板とを中間層を介在させて接合する間接接合(図示せず)であってもよい。接合方法は、特に制限はなく、接合後に高温の結晶成長温度でも接合強度を維持できる観点から、接合面を洗浄しそのまま貼り合わせた後600℃〜1200℃程度に昇温して接合する直接接合法、接合面を洗浄しプラズマやイオンなどで活性化させた後に室温(たとえば25℃)〜400℃程度の低温で接合する表面活性化法などが好ましく用いられる。
<III族窒化物結晶を形成する工程>
図2(B)〜(D)を参照して、III族窒化物結晶21を形成する工程は、特に制限はないが、反りの小さいIII族窒化物結晶を割れを発生させることなく製造する観点から、複合基板10をIII族窒化物結晶の成長温度まで昇温して複合基板10の第1基板11上にIII族窒化物結晶21を成長させてIII族窒化物結晶付複合基板20を形成するサブ工程(図2(B))と、III族窒化物結晶付複合基板20を室温(たとえば25℃)まで冷却するサブ工程(図2(C))と、III族窒化物結晶付複合基板20の第1基板11からIII族窒化物結晶21を分離するサブ工程(図2(D))を含むことが好ましい。
(III族窒化物結晶付複合基板を形成するサブ工程)
図2(B)を参照して、III族窒化物結晶付複合基板20を形成するサブ工程において、複合基板10をIII族窒化物結晶の成長温度まで昇温すると、複合基板10の第1基板11の線熱膨張係数に比べて第2基板12の線熱膨張係数が低いため、複合基板10は第1基板11側に凸に反る。第1基板11側に凸に反った複合基板10の第1基板11上にIII族窒化物結晶21を成長させると、結晶成長面側(第1基板11側と反対側)が凸に反ったIII族窒化物結晶21を含みIII族窒化物結晶21側が凸に反ったIII族窒化物結晶付複合基板20が形成される。ここで、第1基板11側に凸に反った複合基板10の第1基板11上に成長させられたIII族窒化物結晶21は、結晶成長面側に凸に反っているが、端部においても多結晶化は発生せず、中央部から端部まで全体に亘って結晶品質の高い単結晶が得られる。これは、複合基板10の第1基板11側に凸の反りは、互いに接合された第1基板と第2基板との線熱膨張係数の差により発生する基板全体に亘る均一な応力に由来するものと考えられる。
III族窒化物結晶21を成長させる方法は、特に制限はないが、結晶品質の高いIII族窒化物結晶21を成長させる観点から、気相法によるエピタキシャル成長方法が好ましく、たとえばHVPE(ハイドライド気相成長)法、MBE(分子線エピタキシ)法、MOVPE(有機金属気相成長)法などが好ましく、さらに結晶成長速度が高い観点からHVPE法がより好ましい。
<III族窒化物結晶付複合基板を室温まで冷却するサブ工程>
図2(B)および(C)を参照して、III族窒化物結晶付複合基板を室温まで冷却するサブ工程において、III族窒化物結晶付複合基板20をIII族窒化物結晶の成長温度から室温(たとえば25℃)まで冷却すると、III族窒化物結晶の成長温度における図2(B)に示すようなIII族窒化物結晶21側に凸の反りが、図2(C)に示すように解消される。
<III族窒化物結晶を分離するサブ工程>
図2(D)を参照して、III族窒化物結晶21を分離するサブ工程において、III族窒化物結晶付複合基板20の第1基板11からIII族窒化物結晶21を分離することにより、反りの小さいIII族窒化物結晶21が割れを発生することなく得られる。これは、以下の理由によるものと考えられる。分離されるIII族窒化物結晶21は、第1基板11側に凸に反った複合基板10の第1基板11上に成長されたものであるため、結晶成長面側(第1基板11側と反対側)が凸に反っている。かかるIII族窒化物結晶21の反りは、III族窒化物結晶付複合基板20の第1基板11から分離される際に通常発生する結晶成長面側に凹の反りと反対方向の反りである。すなわち、結晶成長の際に付加された反りと第1基板から分離される際に付加される反りとが相殺されて、反りの小さいIII族窒化物結晶が割れを発生することなく得られる。
III族窒化物結晶付複合基板20の第1基板11からIII族窒化物結晶21を分離する方法は、特に制限はなく、切断による方法、切削または研削による方法、エッチングによる方法など従来方法が好適に適用できる。
なお、上記においては、III族窒化物結晶付複合基板を室温まで冷却するサブ工程とIII族窒化物結晶を分離するサブ工程とを分けて説明したが、III族窒化物結晶付複合基板の冷却条件を調節して、熱応力を発生させることにより、III族窒化物結晶付複合基板20を室温まで冷却するとともに、III族窒化物結晶付複合基板20の第1基板11からIII族窒化物結晶21を分離することもできる。
<実施例1>
1.複合基板の作製
直径4インチ(101.6mm)で厚さ700μmのサファイア基板(線熱膨張係数:7.7×10-6-1)と、直径4インチで厚さ100μmのSi(ケイ素)基板(線熱膨張係数:3.4×10-6-1)とを、室温(25℃)で表面活性化法により接合させた後、両面を研削および研磨することにより、第1基板としての直径4インチで厚さ660μmのサファイア基板と第2基板としての直径4インチで厚さ5μmのSi基板とが接合された直径4インチの複合基板を作製した。得られた複合基板の反りをコーニングトロペル社製ウエハ表面形状測定装置により測定した。結果を表1にまとめた。
2.III族窒化物結晶の作製
上記で得られた直径4インチの複合基板の第1基板上に、HVPE法により、結晶成長温度1000℃および結晶成長圧力1気圧(101.3kPa)の条件で、III族窒化物結晶として厚さ3mmのGaN(窒化ガリウム)結晶を成長させることにより、III族窒化物結晶付複合基板を作製した。III族窒化物結晶付複合基板を結晶成長温度から室温(25℃)まで冷却することにより、III族窒化物結晶付複合基板の第1基板からIII族窒化物結晶であるGaN結晶を分離させて、直径4インチで厚さ3mmのGaN結晶を作製した。得られたGaN結晶には、多結晶化は見られず、割れも発生しなかった。得られたGaN結晶の反りをコーニングトロペル社製ウエハ表面形状測定装置により測定した。結果を表1にまとめた。
<実施例2>
第2基板を直径4インチで厚さ10μmのSi基板としたこと以外は、実施例1と同様にして、複合基板およびIII族窒化物結晶であるGaN結晶を作製した。得られたGaN結晶には、多結晶化は見られず、割れも発生しなかった。得られた複合基板およびGaN結晶のそれぞれの反りを実施例1と同様にして測定した。結果を表1にまとめた。
<実施例3>
第2基板を直径4インチで厚さ15μmのSi基板としたこと以外は、実施例1と同様にして、複合基板およびIII族窒化物結晶であるGaN結晶を作製した。得られたGaN結晶には、多結晶化は見られず、割れも発生しなかった。得られた複合基板およびGaN結晶のそれぞれの反りを実施例1と同様にして測定した。結果を表1にまとめた。
<実施例4>
第2基板を直径4インチで厚さ20μmのSi基板としたこと以外は、実施例1と同様にして、複合基板およびIII族窒化物結晶であるGaN結晶を作製した。得られたGaN結晶には、多結晶化は見られず、割れも発生しなかった。得られた複合基板およびGaN結晶のそれぞれの反りを実施例1と同様にして測定した。結果を表1にまとめた。
<実施例5>
第2基板を直径4インチで厚さ25μmのSi基板としたこと以外は、実施例1と同様にして、複合基板およびIII族窒化物結晶であるGaN結晶を作製した。得られたGaN結晶には、多結晶化は見られず、割れも発生しなかった。得られた複合基板およびGaN結晶のそれぞれの反りを実施例1と同様にして測定した。結果を表1にまとめた。
<実施例6>
第2基板を直径4インチで厚さ30μmのSi基板としたこと以外は、実施例1と同様にして、複合基板およびIII族窒化物結晶であるGaN結晶を作製した。得られたGaN結晶には、多結晶化は見られず、割れも発生しなかった。得られた複合基板およびGaN結晶のそれぞれの反りを実施例1と同様にして測定した。結果を表1にまとめた。
<実施例7>
第2基板を直径4インチで厚さ50μmのSi基板としたこと以外は、実施例1と同様にして、複合基板およびIII族窒化物結晶であるGaN結晶を作製した。得られたGaN結晶には、多結晶化は見られず、割れも発生しなかった。得られた複合基板およびGaN結晶のそれぞれの反りを実施例1と同様にして測定した。結果を表1にまとめた。
<比較例1>
複合基板に替えて直径4インチで厚さ660μmのサファイア基板を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、III族窒化物結晶であるGaN結晶を作製した。得られたGaN結晶には、多結晶化は見られなかったが、サファイア基板からの分離の際に部分的な割れが発生した。得られたGaN結晶の反りを実施例1と同様にして測定した。結果を表1にまとめた。
Figure 2019052057
表1を参照して、第1基板と第2基板とを含み、第1基板と第2基板とはそれぞれの主面で接合され、第2基板の線熱膨張係数は、第1基板の線熱膨張係数に比べて低い複合基板を用いて、反りの小さいIII族窒化物結晶を割れを発生させることなく製造することができた。具体的には、直径4インチで厚さ3mmのIII族窒化物結晶について、実施例1〜7においては反りが100μm以下、実施例2〜6においては反りが50μm以下、実施例3〜5においては反りが30μm以下、実施例4においては反りが10μm以下の小さい反りが実現できた。
また、第1基板としてのサファイア基板と第2基板としてのSi基板を含む複合基板の場合、第1基板の厚さに対する第2基板12の厚さの比は、0.0075以上0.076以下が好ましく、0.015以上0.046以下がより好ましく、0.022以上0.038以下がさらに好ましかった。
<実施例8>
実施例4で得られたIII族窒化物結晶である直径4インチで厚さ500μmのGaN結晶の両面を研磨したGaN結晶基板上に、MOVPE法により、結晶成長温度900℃および結晶成長圧力1気圧(101.3kPa)の条件で、III族窒化物結晶膜である直径4インチで厚さ1μmのGaN(窒化ガリウム)結晶膜を成長させた。図3を参照して、得られたGaN結晶膜(III族窒化物結晶膜31)において、中心から円周への方向に延び、かつ、隣接する直線とのなす角が45°である8直線のそれぞれの直線L1,L2,L3,L4,L5,L6,L7,L8の中心点P0、中心から20mmの点(以下、中間部点P1ともいう)、および中心から40mmの点(以下、外周部点P2ともいう)の3つの点における不純物原子濃度として酸素濃度をSIMS(二次イオン質量分析法)により測定し、上記の中心点P0、中間部点P1、および外周部点P2における酸素濃度の平均値を算出し、中心点P0における酸素濃度の平均値に対する中心点P0における酸素濃度の平均値、中間部点P1における酸素濃度の平均値、および外周部点P2における酸素濃度の平均値の比を算出した。結果を表2にまとめた。
<比較例2>
比較例1で得られたIII族窒化物結晶である直径4インチで厚さ500μmのGaN結晶の両面を研磨したGaN結晶基板を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、III族窒化物結晶膜であるGaN結晶膜を成長させた。得られたGaN結晶膜について、実施例1と同様にして、中心点における酸素濃度の平均値に対する中心点における酸素濃度の平均値、中間部点における酸素濃度の平均値、および外周部点における酸素濃度の平均値の比を算出した。結果を表2にまとめた。
Figure 2019052057
表2を参照して、比較例2に示すように、サファイア基板を用いて作製されたGaN結晶基板上に成長されたGaN結晶膜では、中心点における酸素濃度の平均値に対して、中間部点における酸素濃度の平均値は1.04、外周部点における酸素濃度の平均値は1.10と、1.00〜1.10の範囲にばらついた。これに対して、実施例8に示すように、複合基板を用いて作製されたGaN結晶基板上に成長されたGaN結晶膜では、中心点における酸素濃度の平均値に対して、中間部点における酸素濃度の平均値は1.02、外周部点における酸素濃度の平均値は1.05と、1.00〜1.05の範囲にばらつきが小さくなった。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態および実施例ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 複合基板
11 第1基板
12 第2基板
20 III族窒化物結晶付複合基板
21 III族窒化物結晶
31 III族窒化物結晶膜
1,L2,L3,L4,L5,L6,L7,L8 直線
0 中心点
1 中間部点
2 外周部点

Claims (4)

  1. 第1基板と第2基板とを含み、
    前記第1基板と前記第2基板とはそれぞれの主面で接合され、
    前記第2基板の線熱膨張係数は、前記第1基板の線熱膨張係数に比べて低い、複合基板。
  2. 前記第1基板はサファイア基板である、請求項1に記載の複合基板。
  3. 請求項1または請求項2に記載の複合基板と、前記複合基板の前記第1基板上に配置されたIII族窒化物結晶とを含む、III族窒化物結晶付複合基板。
  4. 第1基板と第2基板とを含み、前記第1基板と前記第2基板とはそれぞれの主面で接合され、前記第2基板の線熱膨張係数が前記第1基板の線熱膨張係数に比べて低い複合基板を準備する工程と、
    前記複合基板の前記第1基板上にIII族窒化物結晶を形成する工程とを含む、III族窒化物結晶の製造方法。
JP2017176756A 2017-09-14 2017-09-14 複合基板、iii族窒化物結晶付複合基板、およびiii族窒化物結晶の製造方法 Pending JP2019052057A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017176756A JP2019052057A (ja) 2017-09-14 2017-09-14 複合基板、iii族窒化物結晶付複合基板、およびiii族窒化物結晶の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017176756A JP2019052057A (ja) 2017-09-14 2017-09-14 複合基板、iii族窒化物結晶付複合基板、およびiii族窒化物結晶の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019052057A true JP2019052057A (ja) 2019-04-04

Family

ID=66014241

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017176756A Pending JP2019052057A (ja) 2017-09-14 2017-09-14 複合基板、iii族窒化物結晶付複合基板、およびiii族窒化物結晶の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019052057A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2022074880A1 (ja) * 2020-10-09 2022-04-14
US11417626B2 (en) 2019-09-11 2022-08-16 Kioxia Corporation Manufacturing method of semiconductor device

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11417626B2 (en) 2019-09-11 2022-08-16 Kioxia Corporation Manufacturing method of semiconductor device
JPWO2022074880A1 (ja) * 2020-10-09 2022-04-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4529846B2 (ja) Iii−v族窒化物系半導体基板及びその製造方法
JP4335187B2 (ja) 窒化物系半導体装置の製造方法
TWI437637B (zh) 利用自我***來製造氮化鎵單晶基板的方法
JP4741572B2 (ja) 窒化物半導体基板及びその製造方法
US8697550B2 (en) Method of manufacturing GaN-based film
US8697564B2 (en) Method of manufacturing GaN-based film
JP2009505938A (ja) 半導体基板並びにハイドライド気相成長法により自立半導体基板を製造するための方法及びそれに使用されるマスク層
JP4333466B2 (ja) 半導体基板の製造方法及び自立基板の製造方法
JP2019216180A (ja) GaN積層基板の製造方法
JP6138974B2 (ja) 半導体基板
US20150118830A1 (en) Method of Manufacturing GaN-Based Film and Composite Substrate Used Therefor
KR20230031835A (ko) 대구경 iii족 질화물계 에피택셜 성장용 기판과 그 제조 방법
JP2015018960A (ja) 半導体装置の製造方法
US20120118222A1 (en) METHOD OF MANUFACTURING GaN-BASED FILM
JP2019052057A (ja) 複合基板、iii族窒化物結晶付複合基板、およびiii族窒化物結晶の製造方法
KR101142567B1 (ko) 반도체 소자 제조용 기판 및 반도체 소자 제조방법
JP2013098572A (ja) 薄膜接合基板の製造方法
JP2014526138A (ja) 積層半導体基板およびその製造方法
JP2019052056A (ja) 複合基板、iii族窒化物結晶付複合基板、およびiii族窒化物結晶の製造方法
JP5746544B2 (ja) 窒化物半導体用基板および窒化物半導体用基板の製造方法
JP2011216548A (ja) GaN系半導体エピタキシャル基板の製造方法
WO2023119916A1 (ja) 窒化物半導体基板および窒化物半導体基板の製造方法
JP4998407B2 (ja) Iii−v族窒化物系半導体基板の製造方法
JP6982469B2 (ja) Iii族窒化物半導体基板及びiii族窒化物半導体基板の製造方法
JP2007161535A (ja) 半導体結晶基板の製造方法