JP2023090399A - 圃場作業車 - Google Patents
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Abstract
【課題】重なり作業や作業残しの問題を合理的に解決する圃場作業車を提供する。【解決手段】自動走行可能な圃場作業車は、自動走行の目標となる目標走行経路として設定する走行経路設定部53と、予め決められた条方向に沿って作業を行う作業装置と、作業状態で車体を走行させる作業走行制御部63と、非作業状態で車体を走行させる非作業走行制御部64と、作業装置による作業が実施された作業済走行経路に基づいて作業軌跡を管理する作業済走行軌跡管理部541と、作業軌跡の少なくとも2つの辺で境界付けられた未作業のコーナ領域における、方向転換を伴うコーナ作業走行での作業開始位置を作業軌跡を考慮して決定するコーナ作業開始位置決定部66を備える。【選択図】図8
Description
本発明は、設定された走行経路に沿って自動走行可能な圃場作業車に関する。
特許文献1による自動走行田植機では、苗植付装置の駆動状態を切り替える植付クラッチを制御するクラッチ制御部と苗植付装置の昇降を制御する昇降制御部とが備えられ、苗植付装置の駆動が停止される際に苗植付装置が上昇し、苗植付装置の駆動が開始される際に苗植付装置が下降する。作業走行は、苗植付装置を下降させて苗植付装置を駆動させた状態で走行することで実現する。非作業走行は、苗植付装置を下降させて苗植付装置を駆動させないで走行するか、あるいは苗植付装置を上昇させて苗植付装置を駆動させないで走行することで実現する。
田植機では、圃場を外周領域と外周領域の内側となる内部領域とに区分けする。内部領域に対する作業では、内部領域に作業幅を間隔として複数の直線状走行経路が作業走行経路として設定され、各直線状走行経路は外周領域での180°旋回で繋がれる。外周領域に対する作業では、周回走行経路が設定される。圃場の形状が、矩形ではなく、凸変形多角形や凹変形多角形などの場合、各直線状走行経路を90°旋回によって繋ぐ必要が生じる。例えば、L字状の未作業コーナ領域を作業(苗植付や播種)走行する場合、作業漏れを避けるために、作業開始を行うべき位置の手前から作業が開始されると、既に植え付けられた苗を少し踏んでしまうといった重なり作業が生じる。逆に、既に植え付けられた苗を踏まないように、作業開始を行うべき位置を通り越して作業が開始されると、植え残しなどの作業残しが生じてしまう。
上記実情に鑑み、重なり作業や作業残しの問題を合理的に解決する圃場作業車を提供することである。
本発明による、自動走行可能な圃場作業車は、圃場の形状に合わせて生成された走行経路を自動走行の目標となる目標走行経路として設定する走行経路設定部と、予め決められた条方向に沿って作業を行う作業装置と、前記作業装置の作業状態で車体を走行させる作業走行制御部と、前記作業装置の非作業状態で前記車体を走行させる非作業走行制御部と、前記作業装置による前記作業が実施された作業済走行経路に基づいて作業軌跡を管理する作業済走行軌跡管理部と、前記作業軌跡の少なくとも2つの辺で境界付けられた未作業のコーナ領域における、方向転換を伴うコーナ作業走行での前記作業の作業開始位置を前記作業軌跡を考慮して決定するコーナ作業開始位置決定部とを備える。
この構成によれば、作業軌跡の少なくとも2つの辺で境界付けられた未作業のコーナ領域の作業のために方向転換を伴って作業走行する場合、作業済走行経路に基づく作業軌跡を考慮して作業開始位置が決定される。つまり、重なり作業の可能性が高くなる作業開始位置の範囲と作業残し(作業漏れ)の可能性が高くなる作業開始位置の範囲とを考慮することで、重なり作業及び作業残しの発生が合理的に抑制される作業開始位置が決定される。例えば、圃場作業車が田植機であれば、作業装置によって行われる作業は苗植付作業であり、圃場作業車が播種機であれば、作業装置によって行われる作業は播種作業であり、圃場にできるだけ均等に苗や種を配置するために、重なり作業や作業残しを抑制することが要求される。
圃場作業管理者の意向や圃場作業の種類により、作業漏れを回避したいケースもあれば、作業残しを回避したいケースもある。この問題に対処するため、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記コーナ領域における前記作業軌跡をオーバーラップして作業走行する重なり作業走行モードと、前記作業軌跡を回避して作業走行する非重なり作業走行モードとを選択する作業走行モード選択部が備えられ、前記コーナ作業開始位置決定部は、前記作業走行モード選択部によって選択された作業走行モードに基づいて前記作業開始位置を決定する。重なり作業走行モードが選択されると、作業漏れのない作業走行、例えば植え残しのない作業走行が実現される。また、非重なり作業走行モードが選択されると、重なり作業のない作業走行、例えば植付苗の踏み付けが発生しない作業走行が実現される。
圃場作業管理者が、圃場作業車に対する熟練した操縦技術を有する場合、自動操舵では困難である、作業残しも重なり作業も発生しない作業走行を、作業開始位置と旋回技術ととを最適に組み合わせた手動操舵で実現させることができる。このことから、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記作業走行モード選択部は任意選択作業走行モードを有し、前記任意選択作業走行モードが選択された場合、前記作業開始位置は作業者の手動操作で決定される。
重なり作業走行モードを所望していても、重なり量が大き過ぎると、重なり作業走行モードは回避しなければならない。つまり、重なり作業走行モードの選択は、重なり量に依存することが少なくない。このことから、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記重なり作業走行モードにおける前記作業の重なり量を算出する重なり作業走行管理部が備えられ、前記重なり量が報知される。この構成では、報知された重なり量に基づいて、重なり作業走行モードを選択するか断念するかを判定することができる。
重なり作業走行モードにおける重なり量は、作業軌跡に進入する車体の前進量及び車体の後進量に関係する。また、このような車体の前後進は圃場面を荒らすことになるので、このことも作業走行モードを選択するために重要なファクタとなる。このことから、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記重なり作業走行管理部は前記重なり作業走行モードでの前記コーナ領域での前記作業軌跡に進入する車体前進量及び車体後進量を算出し、前記車体前進量及び前記車体後進量が報知する機能を有する。車体前進量及び車体後進量も、重なり量とともに報知されると、より好都合である。
作業残しを許容する非重なり作業走行モードを所望していても、作業残し量が大き過ぎると、非重なり作業走行モードは回避しなければならない。つまり、非重なり作業走行モード選択は、作業残し量に依存することが少なくない。このことから、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記非重なり作業走行モードにおける前記作業の作業残し量を算出する非重なり作業走行管理部が備えられ、前記作業残し量が報知される。この構成では、報知された作業残し量に基づいて、非重なり作業走行モードを選択するか断念するかを判定することができる。
方向転換を伴うコーナ作業走行では、機体の前進量及び後進量によって、重なり量や作業残し量が変動するので、これを利用した、重なり量や作業残し量の最適化演算が可能となる。このことから、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記重なり作業走行モードにおける前記作業の重なり量を算出する重なり作業走行管理部が備えられ、前記非重なり作業走行モードにおける前記作業の作業残し量を算出する非重なり作業走行管理部が備えられ、前記車体の前進量及び後進量を調節することで、前記重なり量及び前記作業残し量を最小に調節可能な重複調節部が備えられている。この構成により、人為操作で又はシミュレーションプログラム等を用いて自動的に最適な重なり量や作業残し量を決定するが可能となる。
営農家は、作業時間、資材ロス、収穫量を考慮して、最適な営農を企画する。その際、営農家は、作業時間、資材ロス、収穫量などの営農ファクタにおける優先順位や重みを変えながら、その営農結果を判定する。このような営農を支援するため、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記重なり作業走行モードにおける前記作業の重なり量を算出する重なり作業走行管理部が備えられ、前記非重なり作業走行モードにおける前記作業の作業残し量を算出する非重なり作業走行管理部が備えられ、前記重なり作業走行管理部、及び前記非重なり作業走行管理部に基づき収穫量の増減、農用資材の消費ロス、必要作業時間の増減を算出する営農算出部が備えられる。この構成では、営農家が、営農ファクタの順位付けや重みづけを設定して、営農算出部に収穫量の増減、農用資材の消費ロス、必要作業時間を算出させることができる。また、シミュレーションプログラム等を用いて自動的に最適な営農結果を出力させることもできる。さらには、作業経路生成機能と連係して、例えば、営農ファクタから最優先すべきファクタを、例えば収穫量を最優先とする作業経路を提案させるような構成を採用することも可能である。
以下、本発明の自動走行水田作業車の実施形態の1つとして、田植機を例に説明する。本実施形態では、特に断りがない限り、「前」(図1に示す矢印Fの方向)は機体前後方向(走行方向)における前方を意味し、「後」(図1に示す矢印Bの方向)は機体前後方向(走行方向)における後方を意味するものとする。また、左右方向または横方向は、機体前後方向に直交する機体左右方向(機体幅方向)を意味し、「左」は図1における紙面の手前の方向、「右」は図1における紙面の奥向きの方向を意味するものとする。
〔全体構造〕
図1に示すように、田植機は、乗用型で四輪駆動形式の車体1を備える。車体1は、車体1の後部に昇降揺動可能に連結された平行四連リンク形式のリンク機構13、リンク機構13を揺動駆動する油圧式の昇降シリンダ13a、リンク機構13の後端部領域にローリング可能に連結される苗植付装置3A、および、車体1の後端部領域から苗植付装置3Aにわたって架設されている施肥装置3B等を備える。この実施形態では、苗植付装置3A及び施肥装置3Bが、本発明の自動走行作業車に備えられる作業装置3であり、予め決められた条方向に沿って苗植付作業を行う。
図1に示すように、田植機は、乗用型で四輪駆動形式の車体1を備える。車体1は、車体1の後部に昇降揺動可能に連結された平行四連リンク形式のリンク機構13、リンク機構13を揺動駆動する油圧式の昇降シリンダ13a、リンク機構13の後端部領域にローリング可能に連結される苗植付装置3A、および、車体1の後端部領域から苗植付装置3Aにわたって架設されている施肥装置3B等を備える。この実施形態では、苗植付装置3A及び施肥装置3Bが、本発明の自動走行作業車に備えられる作業装置3であり、予め決められた条方向に沿って苗植付作業を行う。
車体1は、車輪式の走行装置12、エンジン2A、および主変速装置である油圧式の無段変速装置2Bを備える。無段変速装置2Bは、例えばHST(Hydro-Static Transmission:静油圧式無段変速装置)であり、モータ斜板およびポンプ斜板の角度を調節することにより、エンジン2Aから出力される動力(回転数)を変速する。走行装置12は、車体方位を変更するための操舵輪として機能する左右の前輪12Aと、操舵不能な左右の後輪12Bとを有する。
図1に示すように、車体1は、その後部側領域に運転部14を備える。運転部14は、前輪操舵用のステアリングホイール10、無段変速装置2Bの変速操作を行うことで車速を調節する主変速レバー7A、副変速装置の変速操作を可能にする副変速レバー7B、苗植付装置3Aの昇降操作等を行う作業操作レバー11、搭乗者(運転者・作業者・管理者)用の運転座席16等を備える。さらに、運転部14の前方において、予備苗を収容する予備苗収納装置17Aが予備苗支持フレーム17に支持されている。
ステアリングホイール10は、非図示の操舵機構を介して前輪12Aと連結されており、ステアリングホイール10の回転操作を通じて、前輪12Aの操舵角が調整される。操舵機構には、ステアリングモータM1が連結されており、自動操舵時には、操舵信号に基づいてステアリングモータM1が動作することにより、前輪12Aの操舵角(操舵度)が調整される。さらに、主変速レバー7Aを自動操作するための変速操作用モータM2も備えられており、自動走行時には、変速信号に基づいて変速操作用モータM2が動作することにより、無段変速装置2Bの変速位置が調整される。
図2に示すように、苗植付装置3Aは、一例として8条植え形式で図示されているが、6条植え形式や10条植え形式などの他の形式であってもよい。エンジン2Aからの動力は、植付クラッチC0及び各条クラッチECを介して各植付機構22に分配される。植付クラッチC0は、エンジン2Aからの動力伝達を入切することによって苗植付装置3Aの駆動状態を切り替える。各条クラッチECは、苗植付装置3Aによる作業開始及び作業停止を2条毎に選択可能に構成されている。各条クラッチの制御により、2条植え、4条植え、6条植え、8条植えの形式に変更可能である。
図1及び図2に示すように、苗植付装置3Aは、苗載せ台21、植付機構22等を備える。苗載せ台21は、8条分のマット状苗を載置する台座である。苗載せ台21は、マット状苗の左右幅に対応する一定ストロークで左右方向に往復移動し、苗載せ台21が左右のストローク端に達するごとに、苗載せ台21上の各マット状苗を苗載せ台21の下端に向けて所定ピッチで縦送りする。8個の植付機構22は、ロータリ式で、植え付け条間に対応する一定間隔で左右方向に配置される。そして、各植付機構22には、エンジン2Aからの動力が伝達され、苗載せ台21に載置された各マット状苗の下端から一株分の苗(植付苗)を切り取って、整地後の泥土部に植え付ける。これにより、苗植付装置3Aの作動状態では、苗載せ台21に載置されたマット状苗から苗を取り出して水田の泥土部に植え付けることができる。
施肥装置3Bは、粒状または粉状の肥料(薬剤やその他の農用資材)を貯留するホッパ25と、ホッパ25から肥料を繰り出す繰出機構26と、繰出機構26によって繰出された肥料を搬送すると共に肥料を圃場に排出する施肥ホース28とを有する。ホッパ25に貯留された肥料が、繰出機構26によって所定量ずつ繰り出されて施肥ホース28へ送られて、ブロワ27の搬送風によって施肥ホース28内を搬送され、作溝器29から圃場へ排出される。このように、施肥装置3Bは圃場に肥料を供給する。
作溝器29は、整地フロート15に配備される。そして、各作溝器29は、各整地フロート15と共に昇降し、各整地フロート15が接地する作業走行時に、水田の泥土部に施肥溝を形成して肥料を施肥溝内に案内する。
図3に示すように、昇降シリンダ13aの伸縮により変位するリンク機構13により苗植付装置3Aは昇降する。昇降シリンダ13aは制御ユニット100からの制御指令によって制御される油圧弁13bによって伸縮する。苗植付装置3Aの昇降位置は、例えば、昇降位置センサ332によって検出可能である。また、整地フロート15は、苗植付装置3Aのフレームに揺動リンク15Aによって上下揺動可能に取り付けられており、整地フロート15の揺動角は、接地センサ331としても機能するフロート揺動検出センサによって検出され、制御ユニット100に送られる。苗植付装置3Aの圃場面(水田面の下に位置する泥土面である水田の地盤の表面である)に対する高さが変化すると、整地フロート15に作用する接地反力により、整地フロート15の前端側が苗植付装置3Aのフレームに対して上下揺動する。このことから、整地フロート15の苗植付装置3Aのフレームに対する揺動角から、苗植付装置3Aの圃場面に対する高さを検知ことができる。つまり、整地フロート15は、接地センサ331の被検出変位体としても機能する。苗植付装置3Aは、整地フロート15が水田面より高い位置となる上位置(上昇位置)と、整地フロート15が圃場面に接地する下位置(下降位置)の間で昇降する。
図1に示すように、運転部14に取り外し可能に装着される通信端末9は、例えばタブレットコンピュータで構成され、各種の情報をオペレータに視覚情報や聴覚情報報として出力すると共に、各種の情報の入力を受け付けることができる。通信端末9は、無線または有線で、田植機の制御系とデータ交換可能に接続される。通信端末9には、自動走行のための種々の機能がインストールされており、例えば、田植機から離れた位置において、田植機をリモコン操縦することも可能である。
さらに、田植機は測位ユニット8を備える。測位ユニット8は、車体1の位置および方位を算出するための測位データを出力する。測位ユニット8には、全地球航法衛星システム(GNSS)の衛星からの電波を受信する衛星測位モジュール8Aと、車体1の三軸の傾きや加速度を検出する慣性計測モジュール8Bが含まれている。測位ユニット8は、予備苗支持フレーム17の上部に支持される。
〔走行経路〕
自動走行により、田植機が圃場に苗植付作業を行う作業走行について、図4を用いて説明する。
自動走行により、田植機が圃場に苗植付作業を行う作業走行について、図4を用いて説明する。
本実施形態における田植機は、手動走行および自動走行を選択的に行うことができる。手動走行では、運転者が手動操作(リモコン操作を含む)で、ステアリングホイール10、主変速レバー7A、副変速レバー7B、作業操作レバー11等を操作して作業走行を行う。自動走行では、あらかじめ設定された目標走行経路に沿って、田植機が自動制御で走行および作業を行う。
田植機が苗植付作業を行う際には、まず、圃場の外周(外縁)に沿って、運転者が手動操作で、作業を行わずに田植機を走行させる。図3に示すように、この周回走行によって、圃場の外周形状(圃場マップ)が生成され、圃場が外周領域OAと内部領域IAに区分けされる。
圃場マップが生成されると、田植機が自動走行のために用いる走行経路が生成される。内部領域IAでは、圃場の一つの辺に略平行となるように延びた複数の直線状の走行経路(以下、これを直線走行経路と称するが、必ずしも直線には限定されない)が生成される。この走行経路の延び方向は条方向とも呼ばれる。この直線走行経路は、田植機が、内部領域IAの全体をくまなく作業走行するための走行経路であり、自動走行における自動操舵は、この直線走行経路を目標走行経路として行われる。各直線走行経路は、U字状の旋回走行経路(実質的には180度旋回経路)によって繋がれる。直線走行経路に沿った走行及び旋回走行経路に沿った走行は、自動操舵と自動変速とからなる自動走行制御で行われる。
外周領域OAでは、圃場の外周(外縁)に沿って外周領域OA内を周回する1つまたは複数回の周回走行経路が生成される。例えば、図4の例では、周回走行経路は、内側と外側の2つの周回走行経路とからなる。内側および外側の周回走行経路も自動走行が可能であるが、いずれか一方または両方が手動走行されてもよい。
直線走行経路に沿った走行のほとんどは、作業走行である。作業走行では、苗植付装置3Aを下位置に下降させた状態で、作業装置3である苗植付装置3Aを動作させながら、車体1が走行する。これにより、直線状の苗植付作業が数条単位で行われる。
作業走行を終えた直線走行経路から次に作業走行すべき直線走行経路への車体1の方向転換を行う180度旋回走行は非作業走行であり、作業装置3である苗植付装置3Aを上位置に上昇させ、整地フロート15を水田面の上方に位置させた状態で、かつ、苗植付装置3Aを停止させた状態で、車体1が走行する。
図4で示されたような長方形の圃場に対する苗植付作業では、まず、作業走行である直線走行と非作業走行である180度旋回走行との組み合わせで、内部領域IAでの苗植付作業が行われる。次いで、外周経路での作業走行である直線走行と非作業走行である90度旋回走行との組み合わせで、外周領域OAでの苗植付作業が行われる。内部領域IAでの苗植付作業で用いられる180度旋回走行は、未作業状態(苗が植付られていない状態)の外周領域OAで行われるので、十分な旋回スペースの確保が可能である。
しかしながら、外周領域OAにおけるL字状のコーナ領域で行われる90度旋回走行では、内部領域IAの苗植付作業が終了しているので、旋回走行のために自由に利用でいる領域、つまり苗植付作業が行われていない未作業領域が限定され、この旋回走行の前後で行われる苗植付作業を正確な条合わせで行うことは困難である。これは、上下方向での楕円状の軌跡を描きながら回動移動する植付機構22の植付爪が、その下位置で苗を圃場面に植え付けるため、苗を植え付けるまでに無駄な回動移動が生じるからである。例えば、図5の(a)に示すように、設定された走行経路に割り当てられている設定植付開始位置:Psで作業走行を開始しても、植付機構22による植付ポイントが遅れるので、実際に苗が植え付けられる実植付開始位置:Prは車体1が遅れ距離:Loだけ進んだ位置となる。これにより、植え残しが発生する。
この遅れによる植え残し問題を避けるためには、図5の(b)に示すように、設定植付開始位置:Psより先行距離:L1だけ手前に離れた先行植付開始位置:Pfから、作業走行を開始するとよい。先行距離:L1を、最大の遅れ距離:Loまたはそれより少し短い距離とすることにより、実植付開始位置:Prが設定植付開始位置:Psから走行方向に離れる距離は低減され、実質的に植え残しは回避される。しかしながら、実植付開始位置:Prが先行植付開始位置:Pfと設定植付開始位置:Psとの間にくる可能性が高いので、ここで植え付けられた苗が、先に植え付けられた苗に接近するという重ね植えが生じる。さらには、設定植付開始位置:Psが、先の苗植付作業走行での作業軌跡である作業済領域と未作業領域との境界線を越えると、先行植付開始位置:Pfでの車体1は、作業軌跡に進入することになる。つまり、先の作業軌跡と先行植付開始位置:Pfからの作業軌跡が部分的に重なることになり、先に受け付けられた苗を踏み付ける可能性がある。
図5の(a)のようなタイミングで作業走行を開始する作業走行モードを非重なり作業走行モードと称し、図5の(b)のようなタイミングで作業走行を開始する作業走行モードを重なり作業走行モードと称する。主に未作業のコーナ領域における作業走行の際に、非重なり作業走行モードまたは重なり作業走行モードを予め選択して行う作業走行が適用される。各作業走行モードにおける作業開始位置は、先に行われた苗植付作業走行での作業軌跡である作業済領域と苗植付作業が行われていない未作業領域との境界線を基準にして決定され、非重なり作業走行モードと重なり作業走行モードとでは、作業走行の開始位置、つまり作業開始位置が異なる。
次に、図6と図7とを用いて未作業領域であるL字旋回領域での具体的な作業走行を説明する。両図において、既に苗が植え付けられた作業済領域を示す作業軌跡は、薄色で描画されている。このL字旋回領域に設定されている走行経路は、紙面の左右方向に延びている横走行経路Lhと、この横走行経路Lhと直交する縦走行経路Lvである。
図6は、非重なり作業走行モードでの作業走行を示す。横走行経路Lhに沿って右から左に向かって苗植付作業を行ってきた車体1は、位置:P01で苗植付作業を停止する。この位置:P01は、縦走行経路Lvに沿った作業走行での作業軌跡境界線から距離をあけている。車体1は、位置:P01から、縦走行経路Lvに向かって、非作業での90度旋回走行を行う。車体1は縦走行経路Lvの位置:P02で90度旋回走行を中止し、次に縦走行経路Lvに沿って後進を行う。作業済領域への進入を避けるために、作業済領域と非作業領域との境界線と縦走行経路Lvとの交点である位置:P03で後進を中止する。その後、位置:P03を設定植付開始位置:PSとして作業走行を開始する。このため、遅れ距離:Loが生じ、第2植え残し領域A2(図6で斜線で示されている)が生じる。また、この非作業走行での90度旋回走行は、位置:P01から非作業走行が開始されているので、位置:P01までの横走行経路Lhに沿った作業走行での作業軌跡と、今回の縦走行経路Lvに沿った作業走行での作業軌跡との間に第1植え残し領域A1(図6で斜線で示されている)が生じる。第1植え残し領域A1と第2植え残し領域A2とが植え残し量(面積または植え残し条数)を示す。非重なり作業走行モードでは、苗の踏み付けは回避されるが、植え残しが生じる。
図7は、重なり作業走行モードでの作業走行を示す。横走行経路Lhに沿って右から左に向かって苗植付作業を行ってきた車体1は、位置:P21で苗植付作業を停止する。この位置:P21は、縦走行経路Lvに沿った作業走行での作業軌跡の右端である。このため、非重なり作業走行モードで生じた第1植え残し領域A1(図7では仮想線で示されている)は、重なり作業走行モードでは苗植付されるので、第1植え残し領域A1は生じない。車体1は、位置:P21から、縦走行経路Lvに向かって非作業での90度旋回走行を行う。非重なり作業走行モードに比べて、旋回開始点となる位置:P21は、縦走行経路Lvに接近しているので、少し旋回オーバーして、縦走行経路Lvに進入することになる。この旋回オーバーにより、車体1は作業済領域へ進入するので、第1踏み付け領域B1が生じる。車体1は、旋回オーバーして縦走行経路Lvに復帰した位置:P22で90度旋回走行を中止し、次に縦走行経路Lvに沿って後進を行う。この後進では、車体1は、位置:P23で作業済領域と非作業領域との境界線を越えて、作業済領域へ進入し、位置:P4で後進を中止する。その際、先の作業走行での作業軌跡と今回での作業走行での作業軌跡とが部分的にオーバーラップしているので、位置:P24と位置:P23との間の縦走行経路Lvに沿った作業幅の領域である第2踏み付け領域B2(濃く描画されている)が生じる。次いで、位置:P24から縦走行経路Lvに沿って、前進での作業走行を開始する。つまり、重なり作業走行モードでは、作業済領域内の位置:P24が設定植付開始位置:PSとなる。その結果、第2踏み付け領域B2は、苗の重なり植えが生じる可能性がある。重なり作業走行モードでは、第1踏み付け領域B1と第2踏み付け領域B2が重なり量(面積または踏み付け条数)となる。特に、第2踏み付け領域B2は、苗重ね植え量(面積または重ね植え条数)を示す。非重なり作業走行モードでは、植え残しは回避されるが、苗踏み付けや苗踏み付けが生じる。
図8には、この田植機の制御系の制御ブロック図が示されている。田植機の制御系は、田植機の各種動作を制御する制御ユニット100と、制御ユニット100とのデータ交換が可能な通信端末9とからなる。制御ユニット100には、測位ユニット8、手動操作具センサ群31、走行センサ群32、作業センサ群33からの信号が入力されている。制御ユニット100からの制御信号が、走行機器群1Aと作業機器群1Bとに出力される。
制御ユニット100は、測位ユニット8の衛星測位モジュール8Aから車体1の位置及び方位(車体前後方向の方位)を算出するための測位データを取得し、慣性計測モジュール8Bからは、車体1の三軸の傾きや加速度に関する慣性計測データを取得する。
走行機器群1Aには、例えば、ステアリングモータM1や変速操作用モータM2が含まれており、制御ユニット100からの制御信号に基づいて、ステアリングモータM1が制御されることで操舵角が調節され、変速操作用モータM2が制御されることで車速が調節される。
作業機器群1Bには、例えば、苗植付装置3Aを昇降調整する昇降シリンダ13a、植付機構22による苗取り量を調節する苗取り量調節機器、繰出機構26による肥料の繰出し量を変更する繰出し量調節機器、植付クラッチC0や各条クラッチECの入り切り制御機器などが含まれている。
手動操作具センサ群31には、各種手動操作具の操作状態を検出するセンサやスイッチなどが含まれている。走行センサ群32には、操舵角、車速、エンジン回転数などの状態及びそれらに対する設定値を検出する各種センサが含まれている。作業センサ群33には、整地フロート15の接地を検出する接地センサ331、リンク機構13による昇降位置を検出する昇降位置センサ332、苗植付装置3Aや施肥装置3Bの駆動状態を検出する各種センサが含まれている。
制御ユニット100には、走行制御部6、作業制御部51、車***置算出部52、走行経路設定部53、走行軌跡管理部54が備えられている。
車***置算出部52は、測位ユニット8から逐次送られてくる衛星測位データや慣性航法データに基づいて、車体1の地図座標(車***置)を算出する。この地図座標は、緯度経度だけでなく、圃場座標系、あるいは特定の座標系での座標であってよい。
この実施形態では、通信端末9に、タッチパネルIF90、圃場情報格納部91、走行経路マップ生成部92、走行経路生成部93、リモコン部94、などが備えられている。タッチパネルIF90は、グラフィックインタフェースであり、通信端末9に装備されているタッチパネルを通じて、情報の表示や入力を行う機能を有する。したがって、この通信端末9は、制御ユニット100の情報やデータの入力出力インターフェースとして機能することができる。
圃場情報格納部91は、圃場の入口(出口)位置や苗や肥料の補給可能位置など圃場に関する情報が格納されている。走行経路マップ生成部92は、圃場の外周領域OA(図3参照)の最外周部、つまり畔との境界線に沿って車体1を周回走行させることで得られる走行軌跡に基づいて、圃場の外形寸法を算出する。走行経路生成部93は、圃場の外形寸法に基づいて圃場を外周領域OAと内部領域IAとに区分けし、自動走行するための走行経路を生成する。走行経路は、図3に示されたように、外周領域OAを走行するための周回走行経路と、内部領域IAを走行するための直線走行経路とからなる。生成された走行経路は、制御ユニット100に送られる。
リモコン部94は、この通信端末9を田植機の操作のためのリモコンとして機能させるプログラムを有する。リモコン部94が動作すると、管理者は、通信端末9に付属するハードウエアスイッチや通信端末9のタッチパネルに表示されたソフトウエアスイッチを用いて、田植機をリモコン操作することができる。
制御ユニット100に構築されている走行経路設定部53は、通信端末9から走行経路生成部93によって生成された走行経路を受け取って管理し、経路追従操舵制御のための目標となる走行経路を目標走行経路として、順次設定する。
走行軌跡管理部54は、車***置算出部52によって算出された車***置に基づいて走行軌跡を生成して、管理する。さらに、走行軌跡管理部54は、作業済走行軌跡管理部541を有する。作業済走行軌跡管理部541は、車体1の作業済走行経路である走行軌跡に基づいて、走行経路に沿って所定の作業幅で作業走行した際の作業済領域(苗が植え付けられた領域)を示す作業軌跡を生成して、管理する。
作業制御部51は、自動走行では、前もって与えられているプログラムに基づいて自動的に作業機器群1Bを制御し、手動走行では、運転者の操作に基づいて、作業機器群1Bを制御する。作業制御部51は、走行制御部6と連係して、苗植付装置3Aの昇降や植付機構22の駆動を制御する。その際、作業機器群1Bに属する昇降シリンダ13aは、作業制御部51の昇降制御部51aによって、伸縮制御されることで、苗植付装置3Aは、昇降する。
走行制御部6には、自動走行制御部6Aと手動走行制御部6Bと制御管理部6Cとが備えられている。この田植機は、自動走行を行う自動走行モードと手動走行を行う手動走行モードとに切替可能である。制御管理部6Cは、図示されていない走行モード切替操作具の状態を検出する手動操作具センサ(手動操作具センサ群31の1つ)からの信号や制御ユニット100が制御的に生成する切替信号に基づいて、自動走行モードと手動走行モードのいずれかを選択する。
手動走行モードで動作する手動走行制御部6Bは、ステアリングホイール10の操作量に基づいて、ステアリングモータM1を制御するとともに、主変速レバー7Aや副変速レバー7Bなどの手動操作具の操作に基づいて、変速操作用モータM2を制御する。
自動走行モードで動作する自動走行制御部6Aは、経路追従操舵部61、旋回自動操舵部62、作業走行制御部63、非作業走行制御部64、作業走行モード選択部65、コーナ作業開始位置決定部66を備えている。経路追従操舵部61は、走行経路設定部53に設定された目標走行経路に沿って車体1が走行するように経路追従制御を行う。経路追従制御では、車***置算出部52で算出された車***置を用いて、目標走行経路に対する車体1の位置ずれ(目標走行経路に対する横ずれ)と車体1の方位ずれ(目標走行経路の方位に対する車体方位のずれ角)を算出し、この位置ずれ及び方位ずれが小さくなるように操舵制御される。
旋回自動操舵部62は、車体1の方向転換のための旋回領域が十分確保されている通常の旋回走行、例えば90度旋回走行や180度旋回走行を行うための操舵制御を行う。各旋回走行制御は、予め登録されたプログラムを実行させることで、行われる。
作業走行制御部63は、苗植付装置3Aを下位置に下降させた状態で車体1を作業走行させ、同時に植付機構22を駆動し、圃場面に苗を植え付ける。
非作業走行制御部64は、苗植付装置3Aの動作を停止させた状態(非作業状態)で、車体1を走行させる制御を行う。非作業走行は、90度旋回走行時や180度旋回走行時などの車体1の方向転換時や、後進時に用いられる。
上述したように、この実施形態では、L字状等のコーナ部の未作業領域に対する旋回走行を伴う苗植付作業走行のために、重なり作業走行モードと非重なり作業走行モードとが用意されている。もちろん、熟練した運転者は、コーナ部の未作業領域であっても、手動操縦によって、苗の踏み付けや圃場面の荒らしのない作業走行を行うことができる。つまり、運転者が、その圃場の苗植付け状態から判断して、コーナ作業走行における作業開始位置などの制御ポイントを入力し、自動作業走行を行ってもよい。もちろん、運転者が、手動作業走行してもよい。このような作業走行は、管理者または運転者が任意にコーナ作業走行の開始位置を決定するので、任意選択作業走行モードとも称する。手動作業走行モードは、任意選択作業走行モードに含まれる。作業走行モード選択部65は、管理者または運転者による指示に基づいて、重なり作業走行モードと非重なり作業走行モードと任意選択作業走行モードとから1つの作業走行モードを選択する。任意選択作業走行モードでは、作業開始位置などの制御ポイントを入力して自動作業走行させるモードと手動作業走行モードのいずれかが選択される。任意選択作業走行モードが、手動作業走行モードだけであってもよい。
コーナ作業開始位置決定部66は、作業軌跡の少なくとも2つの辺で境界付けられた未作業のコーナ領域における、方向転換を伴うコーナ作業走行での苗植付作業の作業開始位置を作業軌跡、特に作業済領域と未作業領域との境界を考慮して決定する。この実施形態では、コーナ作業開始位置決定部66は、非重なり作業走行管理部661と重なり作業走行管理部662とを有する。
非重なり作業走行管理部661は、図6を用いて説明した、コーナ領域における作業軌跡を回避して、つまり作業済領域への進入を回避して作業走行する非重なり作業モードでの作業走行制御を管理する。重なり作業走行管理部662は、図7を用いて説明した、コーナ領域における作業軌跡をオーバーラップして、つまり作業済領域への進入を許して作業走行する非重なり作業走行モードでの作業走行制御を管理する。
非重なり作業走行管理部661は、非重なり作業モードにおける作業残し量を算出するシミュレーション機能も有し、作業残し量を作業走行の前に報知することができる。さらに、非重なり作業走行管理部661は、非重なり作業モードの作業残し量を実際に得た作業軌跡に基づいて演算する機能を有し、作業残し量を事後報告的に報知することも可能である。これらの報知は、タッチパネルIF90を通じて行われる。
重なり作業走行管理部662は、重なり作業走行モードにおける重なり量(上述した苗踏み付け量及び苗重ね植え量)を算出するシミュレーション機能も有し、重なり量を作業走行の前に報知することができる。さらに、重なり作業走行管理部662は、重なり作業走行モードにおける重なり量を実際に得た作業軌跡に基づいて演算する機能を有し、重なり量を事後報告的に報知することも可能である。これらの報知は、タッチパネルIF90を通じて行われる。
作業走行の前に、重なり作業走行モードにおける上記の重なり量、車体前進量、車体後進量、及び非重なり作業モードにおける作業残し量が把握できるで、重なり作業走行モード、非重なり作業モード任意選択作業走行モードが、適切に選択可能となる。
この実施形態では、図8に示すように、走行制御部6に、重複調節部6Dと営農算出部6Eとが備えられている。重複調節部6Dは、非重なり作業走行管理部661及び重なり作業走行管理部662と連係して、重なり量及び作業残し量を最小にする演算を行うことができる。具体的には、重複調節部6Dは、車体1の前進量(前進距離)及び後進量(後進距離)を調整しながら、非重なり作業走行管理部661によって算出される作業残し量及び重なり作業走行管理部662によって算出される重なり量を評価して、作業残し量及び重なり量を、最適化する。重複調節部6Dの動作は、営農者が最適化条件を入力することで、自動的に行われる。もちろん、ディフォルトで設定された条件に基づいて、完全自動で、重複調節部6Dを動作させることも可能である。
営農算出部6Eは、非重なり作業走行管理部661によって算出される作業残し量及び重なり作業走行管理部662によって算出される重なり量に基づく、収穫量の増減、農用資材の消費ロス、必要作業時間の増減などの営農データを算出する。営農算出部6Eの動作は、営農者が作業時間、資材ロス、収穫量などの営農ファクタにおける優先順位や重みを変えながら、所望条件を入力することで、自動的に行われる。また、ディフォルトで設定された条件、例えば、収穫量最優先を条件として、営農算出部6Eが、演算を行い、収穫量を最大にする作業走行、そのための作業走行経路を、営農家に提案させるようにしてもよい。
〔別実施の形態〕
(1)上述した実施形態では、本発明の圃場作業車として田植機が取り挙げられ、この田植機によって行われる圃場作業は、苗植付装置3Aによる苗植付作業であるとした。圃場作業車が播種機であれば、圃場作業は、播種作業となる。
(2)本発明の圃場作業車として、トラクタが取り挙げられた場合、トラクタに装備される耕耘装置が作業装置3となる。そのようなトラクタによる重なり走行作業は二重耕耘領域を作り出し、トラクタによる非重なり走行作業は未耕耘領域を作り出すので、本発明は、トラクタにも有効に適用される。トラクタに装備される作業装置3が薬剤供給装置やその他の装置であっても同様である。また、本発明の圃場作業車として、コンバインが取り挙げられた場合、コンバインの刈取部が作業装置3となり、コンバインによる重なり走行作業は無駄走行を作り出し、コンバインによる非重なり走行作業は刈り残し領域を作り出す。本発明は、そのまま有効にコンバインにも適用される。
(3)上述したコーナ領域での作業走行モードは、走行経路設定部53によって設定される走行経路に予め登録しておくことができる。
(4)上述した実施形態では、走行装置12は、操舵輪タイプであったが、クローラタイプであってもよい。
(5)図8を用いて説明された機能ブロックは、一例であり、各機能部が他の機能部と統合されること、各機能部が複数の機能部に分割されること、制御ユニット100が複数の制御サブユニットに分散されること、など種々の改変が可能である。
(1)上述した実施形態では、本発明の圃場作業車として田植機が取り挙げられ、この田植機によって行われる圃場作業は、苗植付装置3Aによる苗植付作業であるとした。圃場作業車が播種機であれば、圃場作業は、播種作業となる。
(2)本発明の圃場作業車として、トラクタが取り挙げられた場合、トラクタに装備される耕耘装置が作業装置3となる。そのようなトラクタによる重なり走行作業は二重耕耘領域を作り出し、トラクタによる非重なり走行作業は未耕耘領域を作り出すので、本発明は、トラクタにも有効に適用される。トラクタに装備される作業装置3が薬剤供給装置やその他の装置であっても同様である。また、本発明の圃場作業車として、コンバインが取り挙げられた場合、コンバインの刈取部が作業装置3となり、コンバインによる重なり走行作業は無駄走行を作り出し、コンバインによる非重なり走行作業は刈り残し領域を作り出す。本発明は、そのまま有効にコンバインにも適用される。
(3)上述したコーナ領域での作業走行モードは、走行経路設定部53によって設定される走行経路に予め登録しておくことができる。
(4)上述した実施形態では、走行装置12は、操舵輪タイプであったが、クローラタイプであってもよい。
(5)図8を用いて説明された機能ブロックは、一例であり、各機能部が他の機能部と統合されること、各機能部が複数の機能部に分割されること、制御ユニット100が複数の制御サブユニットに分散されること、など種々の改変が可能である。
なお、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
本発明は、走行経路に沿って自動走行可能な圃場作業車に適用可能である。
1 :車体
3 :作業装置
3A :苗植付装置
6 :走行制御部
6D :重複調整部
6E :営農算出部
8 :測位ユニット
51 :作業制御部
51a :昇降制御部
52 :車***置算出部
53 :走行経路設定部
54 :走行軌跡管理部
541 :作業済走行軌跡管理部
61 :経路追従操舵部
62 :旋回自動操舵部
63 :作業走行制御部
64 :非作業走行制御部
65 :作業走行モード選択部
66 :コーナ作業開始位置決定部
661 :非重なり作業走行管理部
662 :重なり作業走行管理部
A1 :第1植え残し領域
A2 :第2植え残し領域
B1 :第1踏み付け領域
B2 :第2踏み付け領域
Lh :横走行経路
Lv :縦走行経路
3 :作業装置
3A :苗植付装置
6 :走行制御部
6D :重複調整部
6E :営農算出部
8 :測位ユニット
51 :作業制御部
51a :昇降制御部
52 :車***置算出部
53 :走行経路設定部
54 :走行軌跡管理部
541 :作業済走行軌跡管理部
61 :経路追従操舵部
62 :旋回自動操舵部
63 :作業走行制御部
64 :非作業走行制御部
65 :作業走行モード選択部
66 :コーナ作業開始位置決定部
661 :非重なり作業走行管理部
662 :重なり作業走行管理部
A1 :第1植え残し領域
A2 :第2植え残し領域
B1 :第1踏み付け領域
B2 :第2踏み付け領域
Lh :横走行経路
Lv :縦走行経路
Claims (8)
- 自動走行可能な圃場作業車であって、
圃場の形状に合わせて生成された走行経路を自動走行の目標となる目標走行経路として設定する走行経路設定部と、
予め決められた条方向に沿って作業を行う作業装置と、
前記作業装置の作業状態で車体を走行させる作業走行制御部と、
前記作業装置の非作業状態で前記車体を走行させる非作業走行制御部と、
前記作業装置による前記作業が実施された作業済走行経路に基づいて作業軌跡を管理する作業済走行軌跡管理部と、
前記作業軌跡の少なくとも2つの辺で境界付けられた未作業のコーナ領域における、方向転換を伴うコーナ作業走行での前記作業の作業開始位置を前記作業軌跡を考慮して決定するコーナ作業開始位置決定部と、
を備えた圃場作業車。 - 前記コーナ領域における前記作業軌跡をオーバーラップして作業走行する重なり作業走行モードと、前記作業軌跡を回避して作業走行する非重なり作業走行モードとを選択する作業走行モード選択部が備えられ、
前記コーナ作業開始位置決定部は、前記作業走行モード選択部によって選択された作業走行モードに基づいて前記作業開始位置を決定する請求項1に記載の圃場作業車。 - 前記作業走行モード選択部は任意選択作業走行モードを有し、前記任意選択作業走行モードが選択された場合、前記作業開始位置は作業者の手動操作で決定される請求項2に記載の圃場作業車。
- 前記重なり作業走行モードにおける前記作業の重なり量を算出する重なり作業走行管理部が備えられ、前記重なり量が報知される請求項2または3に記載の圃場作業車。
- 前記重なり作業走行管理部は前記重なり作業走行モードでの前記コーナ領域での前記作業軌跡に進入する車体前進量及び車体後進量を算出し、前記車体前進量及び前記車体後進量が報知される請求項4に記載の圃場作業車。
- 前記非重なり作業走行モードにおける前記作業の作業残し量を算出する非重なり作業走行管理部が備えられ、前記作業残し量が報知される請求項2から5のいずれか一項に記載の圃場作業車。
- 前記重なり作業走行モードにおける前記作業の重なり量を算出する重なり作業走行管理部が備えられ、前記非重なり作業走行モードにおける前記作業の作業残し量を算出する非重なり作業走行管理部が備えられ、
前記車体の前進量及び後進量を調節することで、前記重なり量及び前記作業残し量を最小に調節可能な重複調節部が備えられる請求項2または3に記載の圃場作業車。 - 前記重なり作業走行モードにおける前記作業の重なり量を算出する重なり作業走行管理部が備えられ、前記非重なり作業走行モードにおける前記作業の作業残し量を算出する非重なり作業走行管理部が備えられ、
前記作業の重なり量及び前記作業残し量に基づき収穫量の増減、農用資材の消費ロス、必要作業時間の増減を算出する営農算出部が備えられる請求項2または3に記載の圃場作業車。
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