JP2023089492A - 液体吐出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】液体吐出部のノズルから廃液として吐出されるインクを受容する液体受容部を、液体吐出部を保持して移動する印刷部に設けると、液体吐出装置の構成が複雑になる虞がある。【解決手段】液体吐出装置100は、ベース部101と、ベース部101に移動可能に設けられる液体吐出部10と、ベース部101に設けられ、液体吐出部10が印刷を行う印刷領域PAにおいて印刷媒体Mを支持する媒体支持部31と、ベース部101に設けられる液体受容部80であって、X軸方向における印刷領域PAの+X方向側となる領域および-X方向側となる領域の少なくとも一方に配置され、ノズルNから廃液として吐出されるインクを受容可能な液体受容部80と、を備え、液体受容部80は、印刷領域PAのY軸方向にわたって設けられる。【選択図】図2
Description
本開示は、液体吐出装置に関する。
特許文献1には、本体フレームに設けられるバキュームテーブルに載置される媒体に、ノズルからインクを吐出することで印刷を行うプリンタヘッドを備える液体吐出装置の一例であるインクジェットプリンターが開示されている。プリンタヘッドは液体吐出部の一例であり、本体フレームはベース部の一例であり、バキュームテーブルは媒体支持部の一例であり、インクは液体の一例である。また、インクジェットプリンターは、プリンタヘッドを走査方向に移動可能に保持する印刷部が、バキュームテーブルに載置される媒体に対して走査方向と交差する奥行方向に移動することで印刷を行うことが開示されている。また、インクジェットプリンターは、印刷部に設けられる吸引ユニットを、ノズルから廃液として吐出されるインクを受容する液体受容部として使用することが開示されている。
しかしながら、特許文献1のように、ノズルから廃液として吐出されるインクを受容する液体受容部を、移動する印刷部に設けると、インクジェットプリンターの構成が複雑になる虞がある。
液体吐出装置は、ベース部と、前記ベース部の奥行方向および前記奥行方向と交差する走査方向に移動可能に、前記ベース部に設けられる液体吐出部であって、ノズルから媒体に液体を吐出することで印刷を行う前記液体吐出部と、前記ベース部に設けられる媒体支持部であって、前記液体吐出部が前記印刷を行う印刷領域において前記媒体を支持する前記媒体支持部と、前記ベース部に設けられる液体受容部であって、前記走査方向における前記印刷領域の外の少なくとも一方に配置され、前記ノズルから廃液として吐出される前記液体を受容可能な前記液体受容部と、を備え、前記液体受容部は、前記印刷領域の前記奥行方向にわたって設けられる。
以下、本開示を実施形態に基づいて説明する。各図において同一部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。なお、本明細書において、「同じ」、「同一」とは、完全に同じであることを指すのみならず、測定誤差を考慮して同じである場合、部材の製造ばらつきを考慮して同じである場合、および、機能を損なわない範囲で同じである場合を含むものとする。よって、例えば、「両者の寸法が同じである」とは、測定誤差、部材の製造ばらつきを考慮し、両者の寸法差が、一方の寸法の±10パーセント以内、さらに好ましくは±5パーセント以内、特に好ましくは±3パーセント以内であることを指す。
また、各図においてX、Y、Zは、互いに直交する3つの空間軸を表している。本明細書では、これらの軸に沿った方向をX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向とする。向きを特定する場合には、正の方向を「+」、負の方向を「-」として、方向表記に正負の符合を併用し、各図の矢印が向かう向きを+方向、矢印の反対方向を-方向として説明する。
また、Z軸方向は、重力方向を示し、+Z方向は鉛直下向き、-Z方向は鉛直上向きを示す。また、X軸,Y軸を含む平面をX-Y面、X軸,Z軸を含む平面をX-Z面、Y軸,Z軸を含む平面をY-Z面として説明する。また、X-Y面は水平面となる。さらに、正方向及び負方向を限定しない3つのX、Y、Zの空間軸については、X軸、Y軸、Z軸として説明する。
1.実施形態1
本実施形態において、液体吐出装置100は、インクジェット式プリンターとして構成され、印刷媒体Mにインクを吐出して画像を形成する。印刷媒体Mは、媒体の一例である。インクは、液体の一例である。印刷媒体Mは用紙に限らず、プラスチックフィルム、板材、硬質のパネルまたは段ボール等でもよいし、布やTシャツ等の衣服であってもよい。
本実施形態において、液体吐出装置100は、インクジェット式プリンターとして構成され、印刷媒体Mにインクを吐出して画像を形成する。印刷媒体Mは、媒体の一例である。インクは、液体の一例である。印刷媒体Mは用紙に限らず、プラスチックフィルム、板材、硬質のパネルまたは段ボール等でもよいし、布やTシャツ等の衣服であってもよい。
図1、図2に示すように、液体吐出装置100は、平板状のベース部101と外装部材102とにより形成される矩形箱状の筐体内に、液体吐出部10と、インク供給部20と、媒体支持機構30と、吐出部移動機構40と、メンテナンス部MPと、制御部300とを備える。
液体吐出部10は、インクを+Z方向に吐出する複数のノズル列12が設けられるノズル面11を有する。液体吐出部10は、ノズル面11がX-Y面に沿う姿勢で後述するキャリッジ15に搭載される。+Z方向に沿うZ軸方向はノズル面11の法線方向の一例である。ノズル列12は複数のノズルNがY軸方向に並ぶことで形成される。印刷領域PAにおいて、液体吐出部10は、不図示の吐出素子を駆動制御することで、ノズル列12を構成する複数のノズルNから+Z方向にインクを吐出して印刷媒体Mに印刷を行う。本実施形態では、複数のノズル列12は、ノズル列12a、ノズル列12b、ノズル列12c、およびノズル列12dを含む。
吐出するインクとしては、例えば、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの合計4色のインクであり、それぞれのインクを、ノズル列12a、ノズル列12b、ノズル列12c、ノズル列12dから吐出する。なお、上記4色に限らずライトシアン、ライトマゼンタ、ホワイトなど、任意の色のインクを吐出してもよい。液体吐出部10は、吐出部移動機構40が有するキャリッジ15に搭載され、キャリッジ15の移動と共にX軸方向およびY軸方向に移動する。
インク供給部20は、液体吐出部10にインクを供給する。インク供給部20は、液体収容体21と、供給流路22と、液体収容体21を装着可能な液体収容体装着部29と、を備える。液体収容体装着部29は第2装着部の一例である。図1から図8に示すように、液体収容体装着部29はベース部101に取り付けられる。図1、図2に示すように、液体収容体装着部29は、X軸方向において、印刷領域PAの-X方向側となる領域であって、Y軸方向においてベース部101の中央より+Y方向側となる領域に設けられる。
液体収容体装着部29は、Y軸方向における+Y方向側となる外装部材102の前面103から液体収容体21を着脱可能に設けられる。X軸方向において、印刷領域PAの-X方向側となる領域は、X軸方向における印刷領域PAの外の他方の一例である。Y軸方向は、ベース部101の奥行方向の一例である。本実施形態において、奥行方向は、+Y方向および-Y方向である。また、+Y方向側はベース部101の手前側の一例であり、-Y方向側はベース部101の奥側の一例である。
本実施形態では、複数の液体収容体21は、ブラックインクを収容する液体収容体21a、シアンインクを収容する液体収容体21b、マゼンタインクを収容する液体収容体21c、およびイエローインクを収容する液体収容体21dを含む。
本実施形態の液体収容体21a,21b,21c,21dは、液体収容体装着部29に対してX軸方向に並んで装着されるが、液体収容体装着部29に対してZ軸方向に並んで装着されてもよい。また、本実施形態の液体収容体21は交換可能なカートリッジタイプのタンクであるが、インクを注入可能な注入部と、注入部から注入されたインクを収容する収容室と、を備える継ぎ足しタイプのタンクであってもよい。この場合、インク供給部20は、液体収容体21を含む。
供給流路22は、液体収容体21が収容するインクが液体吐出部10に向けて流れるように、液体収容体21と液体吐出部10とを接続する。供給流路22は、液体収容体装着部29に装着される液体収容体21とキャリッジ15に設けられる液体吐出部10とを接続する。本実施形態の供給流路22は、例えば、可撓性を有する樹脂チューブで構成される。
媒体支持機構30は、液体吐出部10が印刷媒体Mに印刷を行う印刷領域PAにおいて、印刷媒体Mを支持する。媒体支持機構30は、印刷媒体Mを支持する媒体支持部31を有する。媒体支持部31は、印刷媒体Mを支持する媒体支持面32と、X軸方向に間隔を置いて設けられる一対の摺動部33L,33Rと、を有する。
媒体支持機構30は、図2に示す印刷位置と図1に示すセット位置とに移動可能に媒体支持部31を支持する。セット位置は、印刷媒体Mを媒体支持部31にセット可能な位置である。印刷位置は、液体吐出部10が媒体支持部31に支持される印刷媒体Mに印刷を行うときの位置である。よって、本実施形態では、図2に示すように、液体吐出装置100を-Z方向から見たときの、印刷位置にある媒体支持部31の媒体支持面32の範囲が印刷領域PAである。図2において、印刷領域PAはドットパターンで示す範囲になる。セット位置は、印刷位置に対して+Y方向であって、外装部材102の前面103より+Y方向側に位置する。図1では、印刷位置にある媒体支持部31を二点鎖線で示す。
媒体支持機構30は、媒体支持部31の摺動部33L,33RをY軸方向に摺動可能にガイドする一対のガイドレール34L,34Rと、摺動部33Rが固定される搬送ベルト35と、搬送用モーター36と、プーリー37と、を有する。ガイドレール34L,34Rはベース部101に取り付けられる。よって、媒体支持部31は、ベース部101に対して移動可能に取り付けられる。搬送ベルト35は、搬送用モーター36とプーリー37との間に巻き掛けられている。搬送用モーター36が駆動制御されることにより、搬送ベルト35は、Y軸方向に往復移動する。
搬送用モーター36が駆動制御されることにより、搬送ベルト35に摺動部33Rが固定される媒体支持部31も、Y軸方向に往復移動する。また、これにより、媒体支持部31は、媒体支持面32が印刷領域PAに位置する印刷位置と、セット位置と、の間をY軸方向に往復移動する。
吐出部移動機構40は、上述のキャリッジ15に加えて、キャリッジ支持部41と、搬送ベルト42と、移動用モーター43と、プーリー44と、を備える。キャリッジ支持部41は、X軸方向に間隔を置いて設けられる一対の摺動部45L,45Rと、を有する。また、キャリッジ15は、ノズル面11がX-Y面に沿い、ノズルNからインクを+Z方向に吐出可能な状態で液体吐出部10を搭載する。キャリッジ15は、搬送ベルト42に取り付けられている。搬送ベルト42は、移動用モーター43とプーリー44との間に巻き掛けられている。
また、吐出部移動機構40は、キャリッジ支持部41の摺動部45L,45RをY軸方向に摺動可能にガイドする一対のガイド軸46L,46Rと、搬送ベルト47と、移動用モーター48と、プーリー49と、を備える。キャリッジ支持部41の摺動部45Rは、搬送ベルト47に取り付けられている。搬送ベルト47は、移動用モーター48とプーリー49との間に巻き掛けられている。
移動用モーター43が駆動制御されることにより、搬送ベルト42は、X軸方向に往復移動する。移動用モーター43が駆動制御されることにより、搬送ベルト42に取り付けられているキャリッジ15およびキャリッジ15に搭載される液体吐出部10も、X軸方向に往復移動する。X軸方向は走査方向の一例である。本実施形態において、走査方向は、+X方向および-X方向である。
移動用モーター48が駆動制御されることにより、搬送ベルト47は、Y軸方向に往復移動する。移動用モーター48が駆動制御されることにより、搬送ベルト47に摺動部45Rが取り付けられているキャリッジ支持部41も、Y軸方向に往復移動する。移動用モーター48が駆動制御されることにより、キャリッジ支持部41に搬送ベルト42を介して取り付けられるキャリッジ15およびキャリッジ15に搭載される液体吐出部10も、Y軸方向に往復移動する。
よって、移動用モーター43および移動用モーター48が駆動制御されることにより、液体吐出部10は、X軸方向およびY軸方向に往復移動する。また、これにより、液体吐出部10は、印刷領域PA、X軸方向において印刷領域PAの-X方向側となる領域、X軸方向において印刷領域PAの+X方向側となる領域、Y軸方向において印刷領域PAの-Y方向側となる領域、およびY軸方向において印刷領域PAの+Y方向側となる領域、の-Z方向側を、移動可能にベース部101に設けられる。
液体吐出装置100は、印刷媒体Mに対してノズルNからインクを吐出することで印刷を行う場合、印刷媒体Mを支持する媒体支持部31が印刷位置にある状態で、吐出部移動機構40を駆動することで、図4に示すように、ノズル列12を構成するノズルNのいずれかが印刷領域PAに位置する印刷媒体Mと対向する位置に、液体吐出部10を移動させる。そして、液体吐出装置100は、液体吐出部10をX軸方向に往復移動させることと、液体吐出部10を+Y方向に移動させることと、を繰り返しながら、液体吐出部10に印刷媒体Mに対してノズルNからインクを吐出させることで印刷を行う。
メンテナンス部MPは、液体吐出部10のメンテナンスを行う。図1、図2に示すように、メンテナンス部MPは、ベース部101のうち、X軸方向において印刷領域PAの+X方向側となる領域に設けられる。X軸方向における印刷領域PAの+X方向側となる領域は、X軸方向における印刷領域PAの外の一方の一例である。メンテナンス部MPは、払拭部50と、クリーニング部60と、保湿部70と、液体受容部80と、廃液収容部90と、を有する。
図2から図10に示すように、払拭部50、クリーニング部60、および保湿部70は、Y軸方向に並んで配置される。本実施形態では、払拭部50、クリーニング部60、および保湿部70は、Y軸方向の-Y方向側から+Y方向側に向かって、保湿部70、クリーニング部60、払拭部50の順に配置される。
図1から図11に示すように、廃液収容部90は、廃液収容体91と、廃液収容体装着部99と、を備える。廃液収容体91は、液体吐出部10から排出されるインクを廃液として収容可能である。図10に示すように、廃液収容体装着部99はベース部101に取り付けられる。図1、図2に示すように、廃液収容体装着部99は、X軸方向において、印刷領域PAの+X方向側であって、Y軸方向においてベース部101の中央より+Y方向側となる位置に設けられる。廃液収容体装着部99は、Y軸方向における+Y方向側となる外装部材102の前面103から廃液収容体91を着脱可能に設けられる。また、廃液収容体装着部99は、Z軸方向に沿う方向から見た場合、廃液収容体装着部99の少なくとも一部が後述する払拭部50の払拭体51と重なる位置に設けられる。廃液収容体装着部99は第1装着部の一例である。廃液収容体装着部99は、装着される廃液収容体91に接続されることで、廃液収容体91に廃液としてインクを排出する排出部97を備える。
液体受容部80は、液体吐出部10から廃液として吐出されるインクを受容する。本実施形態の液体受容部80は、X軸方向において、ベース部101のうち、印刷領域PAの+X方向側となる領域に設けられる。なお、液体受容部80は、ベース部101のうち、X軸方向において、印刷領域PAの+X方向側となる領域および-X方向側となる領域の少なくとも一方に設けられていればよい。例えば、液体受容部80は、X軸方向において、ベース部101のうち、印刷領域PAの-X方向側となる領域に設けられてもよい。あるいは、液体受容部80は、X軸方向において、ベース部101のうち、印刷領域PAの+X方向側となる領域および-X方向側となる領域に設けられてもよい。
図2に示すように、本実施形態の液体受容部80は、X軸方向において、印刷領域PAの+X方向側であって、印刷位置に位置する媒体支持部31と隣り合う位置に設けられる。また、液体受容部80は、ベース部101のうち、X軸方向において、メンテナンス部MPが有する払拭体51、クリーニング部60、および保湿部70と、印刷領域PAと、の間となる位置に設けられる。
また、液体受容部80は、少なくとも一部が廃液収容部90における廃液収容体装着部99の-Z方向側に位置する。また、図2のように、Z軸方向となる鉛直方向に沿う方向から液体受容部80を見た場合、液体受容部80は、少なくとも一部が、廃液収容部90における廃液収容体装着部99と重なる位置に設けられる。
図2、図9、図11、図12に示すように、液体受容部80は、液体受け部81と、液体受容ケース85と、を有する。液体受け部81は、液体受容ケース85の-Z方向側に着脱可能に設けられる。液体受け部81は、保持部材82と、液体受け部材83と、押さえ部材84と、を備える。
保持部材82は、Z軸方向に貫通する貫通穴を有し、貫通穴の-Z方向側の開口を覆うように液体受け部材83を保持する。液体受け部材83は、インクを保持可能であって、かつインクが+Z方向に通過可能な吸収体で形成される。液体受け部材83は、例えば、インクを吸収可能な不織布で形成される。押さえ部材84は、液体受け部材83の-Z方向側に設けられ、液体受け部材83を保持部材82に固定する。
押さえ部材84には、液体受け部材83が液体吐出部10から吐出されるインクを受けることが可能に、複数の貫通穴が設けられる。これにより、液体受容部80が液体吐出部10から吐出されるインクを受けることが可能な範囲の-Y方向側の端は、印刷領域PAより-Y方向側に位置する。また、液体受容部80が液体吐出部10から吐出されるインクを受けることが可能な範囲の+Y方向側の端は、印刷領域PAより+Y方向側に位置する。換言すると、液体受容部80は、Y軸方向において、印刷領域PAのY軸方向にわたって設けられる。
なお、液体受容部80が液体吐出部10から吐出されるインクを受けることが可能な範囲のX軸方向における寸法は、図2に示すように、X軸方向におけるノズル列12aとノズル列12dとの間の寸法より大きく設定されることが望ましいが、X軸方向におけるノズル列12aとノズル列12dとの間の寸法より小さくてもよい。
図12に示すように、液体受容ケース85には、液体吐出部10から吐出されるインクを受容可能な液体受容室89が設けられる。液体受容室89には、後述する第1廃液チューブ68を介して液体受容室89にインクが流入する流入部86と、後述する第2廃液チューブ69を介して液体受容室89からインクが流出する流出部87と、が設けられる。流入部86は、Y軸方向において流出部87より+Y方向側であって、液体受容室89の+Y方向側の端寄りに設けられる。流出部87は、Z軸方向において流入部86より+Z方向側であって、液体受容室89の+Z方向側の端である内底部に設けられる。
液体受容ケース85のうち、Y軸方向において、液体受容室89の内底部と流入部86との間となる領域には、底壁88が設けられる。底壁88は、液体受容ケース85の外郭の一部および液体受容室89の底面の一部を規定する。底壁88は、Y軸方向において流入部86側となる+Y方向側から内底部側となる-Y方向側に向かうにつれて+Z方向となるように傾斜している。また、底壁88は、流入部86より+Z方向側に位置し、流出部87より-Z方向側に位置する。
換言すると、液体受容部80の底面は、Y軸方向において+Y方向側から-Y方向側に向けて下方に傾斜する底壁88を有する。また、底壁88は、少なくとも一部が廃液収容部90における廃液収容体装着部99の-Z方向側に位置する。また、図2および図11から、Z軸方向に沿う方向から液体受容部80を見た場合、底壁88は、少なくとも一部が、廃液収容部90における廃液収容体装着部99と重なる位置に設けられる。底壁88は傾斜部の一例である。
液体吐出装置100は、液体受容部80の液体受け部81に向けて、液体吐出部10のノズルNから廃液としてインクを吐出するフラッシングを行う場合、吐出部移動機構40を駆動することで、ノズル列12a,12b,12c,12dのうちフラッシングを行ういずれかが液体受け部81と対向する位置に、液体吐出部10を移動させる。図5では、ノズル列12a,12b,12c,12dが液体受け部81と対向する。そして、液体吐出装置100は、液体吐出部10のノズルNからインクを吐出させることで、フラッシングを行う。
払拭部50は、液体吐出部10のノズルNが設けられるノズル面11を払拭可能にベース部101に設けられる。図2、図9、図10に示すように、払拭部50は、払拭体51と、払拭体装着部59と、払拭部駆動機構57と、払拭部モーター58と、を備える。払拭部50は、メンテナンスフレーム151を介してベース部101に固定される。払拭部50は、廃液収容部90の-Z方向側に設けられる。
払拭体装着部59は、X軸方向において、液体受容部80の+X方向側に設けられる。払拭体装着部59は、Y軸方向において、ベース部101の中央より+Y方向側となる位置に設けられる。払拭体装着部59は、Y軸方向における+Y方向側となる外装部材102の前面103から払拭体51を着脱可能に設けられる。
図13、図14に示すように、払拭体51は、帯状部材52と、巻き出し軸53と、巻取り軸54と、押し当て部材55と、ケース56と、により構成される。巻き出し軸53、巻取り軸54、および押し当て部材55は、ケース56に回転可能に設けられる。巻取り軸54は、巻き出し軸53より+Y方向側に設けられる。押し当て部材55は、Y軸方向において巻き出し軸53と巻取り軸54との間に位置し、Z軸方向において巻き出し軸53および巻取り軸54より-Z方向側に位置する。
帯状部材52は、液体を吸収可能なシート状の吸収部材で形成される。帯状部材52のX軸方向における寸法は、図7、図8に示すように、ノズル面11のX軸方向における寸法より大きく設定されることが望ましいが、ノズル面11のX軸方向における寸法より小さくてもよい。図13、図14に示すように、帯状部材52は、巻き出し軸53から巻き出されて巻取り軸54に巻き取られる途中で、押し当て部材55に-Z方向に押されるように、ケース56に収容される。本実施形態では、帯状部材52が液体吐出部10のノズル面11に接触した状態で、液体吐出部10が払拭部50に対してY軸方向に移動することで、ノズル面11の払拭が行われる。
払拭部駆動機構57は、払拭部モーター58が駆動制御されることで、払拭体装着部59および払拭体装着部59に装着される払拭体51を、払拭可能位置と離隔位置とに、移動させる。払拭可能位置は、図13に示すように、ケース56から-Z方向に露出する帯状部材52がノズル面11に接触可能な位置であり、離隔位置は、図14に示す帯状部材52がノズル面11に接触しない位置である。また、払拭部駆動機構57は、払拭部モーター58が駆動制御されることで、巻き出し軸53から巻き出されてノズル面11の払拭に使用された帯状部材52を巻取り軸54に巻き取る。
液体吐出装置100は、払拭部50によるノズル面11の払拭を行う場合、払拭部駆動機構57を駆動することで、払拭体51を払拭可能位置に移動させる。そして、液体吐出装置100は、吐出部移動機構40を駆動することで、図7に示すように、液体吐出部10を帯状部材52の-Y方向側となる位置に移動させる。さらに、液体吐出装置100は、液体吐出部10を+Y方向に移動させることで、図13に示すように、払拭可能位置にある帯状部材52にノズル面11を接触させる。さらに、液体吐出装置100は、図13に矢印で示すように、液体吐出部10を+Y方向に移動させることで、払拭部50によるノズル面11の払拭を行う。
さらに、液体吐出装置100は、図8に示すように、液体吐出部10のノズル面11を帯状部材52の+Y方向側となる払拭終了位置まで移動させ、ノズル面11の払拭を終了する。ノズル面11の払拭を行った後、例えば、図8に示す払拭終了位置から図3に示す待機位置に向けて、液体吐出部10を-Y方向に移動させるとする。この場合には、液体吐出装置100は、払拭部駆動機構57を駆動することで、払拭体装着部59および払拭体装着部59に装着される払拭体51を、図14に白抜きの矢印で示すように、払拭可能位置から離隔位置に移動させる。そして、液体吐出装置100は、吐出部移動機構40を駆動することで、液体吐出部10を-Y方向に移動させ、払拭部50の鉛直上方となる-Z方向側を通過させる。
クリーニング部60は、液体吐出部10のノズルNからインクを強制的に排出させるクリーニングを実行可能にベース部101に設けられる。図2、図9、図10に示すように、クリーニング部60は、吸引キャップ61と、吸引キャップ保持部62と、クリーニング部駆動機構63と、クリーニング部モーター64と、吸引ポンプ65と、を備える。吸引ポンプ65は吸引部の一例である。クリーニング部60は、メンテナンスフレーム151を介してベース部101に固定される。
図6に示すように、液体吐出部10のノズル列12のうち最も+X方向側に位置するノズル列12dと吸引キャップ61が対向する位置にあるとき、ノズル面11が印刷領域PAと対向しないように、吸引キャップ61は、印刷領域PAに対して+X方向側となる領域内に設けられる。その結果、X軸方向における吸引キャップ61と印刷領域PAとの間の寸法は、X軸方向におけるノズル面11の寸法より大きい。図9、図11に示すように、吸引キャップ61は、液体吐出部10のノズル面11に接触することで、複数のノズルNが開口する閉空間を形成可能な凹部66を有する。図2、図9、図10に示すように、吸引キャップ61は吸引キャップ保持部62に保持される。
図2、図10から図12に示すように、吸引キャップ61は、第1廃液チューブ68、液体受容部80、および第2廃液チューブ69を介して、インクを廃液として収容する廃液収容体91と通じている。第1廃液チューブ68は、吸引キャップ61の排出部67と、液体受容部80の流入部86と、を接続する。第2廃液チューブ69は、液体受容部80の流出部87と、廃液収容体装着部99の排出部97と、を接続する。第1廃液チューブ68は第1廃液流路の一例であり、第2廃液チューブ69は第2廃液流路の一例である。
クリーニング部駆動機構63は、クリーニング部モーター64を駆動制御することで、吸引キャップ保持部62を、Z軸方向に移動する。吸引キャップ61は、吸引キャップ保持部62がZ軸方向に移動することで、ノズル面11に接触しない非キャッピング位置とノズル面11に接触する吸引可能位置との間をZ軸方向に移動する。また、クリーニング部駆動機構63は、クリーニング部モーター64を駆動制御することで、吸引ポンプ65に吸引動作を行わせる。
本実施形態の吸引ポンプ65は、第1廃液チューブ68および第2廃液チューブ69を圧し潰しながらローラーが軸中心に回転するチューブポンプであり、第1吸引部65Aと第2吸引部65Bとを有する。第1吸引部65Aは、吸引キャップ61が形成する閉空間を吸引可能に第1廃液チューブ68に設けられる。第2吸引部65Bは、液体受容部80の液体受容室89内を吸引可能に第2廃液チューブ69に設けられる。なお、第1吸引部65Aと第2吸引部65Bとは、X軸方向に並んで設けられるが、図11では、吸引キャップ61から廃液収容体91までのインクの流れを示すために、クリーニング部60の構成を概念的に示している。
液体吐出装置100は、クリーニング部60によるクリーニングを行う場合、吸引キャップ61が非キャッピング位置にある状態で、吐出部移動機構40を駆動することで、ノズル列12a,12b,12c,12dのうちいずれかが吸引キャップ61と対向する位置に、液体吐出部10を移動させる。図6では、液体吐出部10は、ノズル列12dが吸引キャップ61と対向する位置にある。
そして、クリーニング部駆動機構63を駆動することで、図11に示すように、吸引キャップ61が非キャッピング位置から吸引可能位置に移動し、ノズル列12dを構成する複数のノズルNが開口する閉空間が形成される。さらに、クリーニング部駆動機構63を駆動することで、吸引ポンプ65の第1吸引部65Aおよび第2吸引部65Bが白抜きの矢印で示すように回転し、吸引ポンプ65が吸引動作を行う。
吸引ポンプ65が吸引動作を行うことで、第1吸引部65Aが閉空間を吸引し、ノズル列12dを構成する複数のノズルNからインクが閉空間に排出される。閉空間に排出されるインクは、図11、図12に矢印で示すように、第1廃液チューブ68、液体受容部80の流入部86を介して、液体受容部80の液体受容室89に流入する。液体受容室89に流入したインクは、図12に矢印で示すように底壁88に規定される液体受容室89の傾斜底面に沿って液体受容室89の内底部に向かって流動する。このとき、液体吐出部10から廃液として吐出され、液体受け部81を介して液体受容室89の傾斜底面に付着したインクも、流入部86から流入するインクと共に液体受容室89の内底部に向かって流動する。
また、吸引ポンプ65が吸引動作を行うことで、第2吸引部65Bが液体受容室89内を吸引し、液体受容室89内のインクは、図11、図12に矢印で示すように、液体受容室89の内底部、流出部87、第2廃液チューブ69、および廃液収容体装着部99の排出部97を介して、廃液収容体91内に流入し、廃液として収容される。
保湿部70は、液体吐出部10のノズルNが開口する閉空間を形成可能にベース部101に設けられる。図2、図9、図10に示すように、保湿部70は、保湿キャップ71と、保湿キャップ保持部72と、保湿キャップ昇降機構73と、保湿部モーター74と、を備える。保湿部70は、メンテナンスフレーム151を介してベース部101に固定される。保湿部70は、Y軸方向において、印刷領域PAよりも-Y方向側に設けられる。
本実施形態における保湿キャップ71は、ノズル列12aに対応する保湿キャップ71a、ノズル列12bに対応する保湿キャップ71b、ノズル列12cに対応する保湿キャップ71c、およびノズル列12dに対応する保湿キャップ71dを含む。図9に示すように、各保湿キャップ71a,71b,71c,71dは、液体吐出部10のノズル面11に接触することで、複数のノズルNが開口する閉空間を形成可能な凹部76を有する。
保湿キャップ保持部72は、保湿キャップ71a,71b,71c,71dを保持する。保湿キャップ昇降機構73は、保湿部モーター74を駆動制御することで、保湿キャップ保持部72を、Z軸方向に移動する。保湿キャップ71は、保湿キャップ保持部72がZ軸方向に移動することで、ノズル面11に接触しない非キャッピング位置とノズル面11に接触するキャッピング位置との間をZ軸方向に移動する。
キャッピング位置に位置する保湿キャップ71a,71b,71c,71dは、液体吐出部10のノズル面11に接触することで、対応するノズル列12a,12b,12c,12dを構成するノズルNが開口する閉空間を形成する。このように、保湿キャップ71が、ノズルNが開口する閉空間を形成するキャッピングを待機キャッピングという。待機キャッピングにより、ノズルNを介して液体吐出部10内のインクから水分が蒸発することを抑制することができる。
保湿キャップ71a,71b,71c,71dは、Y軸方向において、印刷領域PAよりも-Y方向側に設けられる。なお、保湿キャップ71は、ノズル列12a,12b,12c,12dを構成する全てのノズルNをまとめて囲み、キャッピングする構成としてもよい。
液体吐出部10による印刷動作が行われない非印刷時に、液体吐出装置100は、保湿部70による待機キャッピングを行う。この場合、液体吐出装置100は、保湿キャップ71が非キャッピング位置にある状態で、吐出部移動機構40を駆動することで、図3に示すように、ノズル列12a,12b,12c,12dが保湿キャップ71a,71b,71c,71dと対向する位置に、液体吐出部10を移動させる。
そして、保湿キャップ昇降機構73を駆動することで、保湿キャップ71が非キャッピング位置からキャッピング位置に移動し、各ノズル列12a,12b,12c,12dを構成する複数のノズルNが開口する4つの閉空間が形成される。非印刷時におけるキャリッジ15および液体吐出部10の待機位置は、待機キャッピングを行う位置になる。換言すると、非印刷時に、キャリッジ15および液体吐出部10は、ノズルNが開口する閉空間を保湿部70の保湿キャップ71が形成可能な待機位置に位置する。
図2に示すように、制御部300は、CPU(Central Processing Unit)310と、記憶部320とを有している。CPU310は、記憶部320に記憶された各種プログラムを実行することができ、例えば、各種の判断や各種の命令等を行なうことができる。記憶部320には、例えば、液体吐出部10のメンテナンスを行うプログラム等の各種プログラムや、各種テーブル等が記憶されている。制御部300は、液体吐出装置100の全体を制御する。
例えば、印刷媒体Mに対して印刷を行う場合、制御部300は、媒体支持機構30を制御することで、印刷媒体Mがセットされた媒体支持部31をセット位置から印刷位置に移動させ、印刷媒体Mを印刷領域PAに配置する。次に、制御部300は、保湿部70を制御することで、保湿キャップ71をキャッピング位置から非キャッピング位置に移動させ、待機キャッピングを解除する。
次に、制御部300は、吐出部移動機構40を制御することで、待機位置からノズルNのいずれかが印刷媒体Mと対向する位置に、液体吐出部10を移動させる。そして、制御部300は、吐出部移動機構40を制御することで、液体吐出部10をX軸方向に往復移動させることと、液体吐出部10を+Y方向に移動させることと、を繰り返しながら、液体吐出部10に印刷媒体Mに対してノズルNからインクを吐出させることで印刷を行う。また、制御部300は、例えば印刷中に所定の時間が経過した場合、吐出部移動機構40を制御することで、液体受容部80の液体受け部81と対向する位置に、液体吐出部10を移動させ、液体吐出部10のノズルNからインクを吐出させるフラッシングを行う。
また、液体吐出部10のメンテナンスを行う場合、制御部300は、吸引キャップ61が非キャッピング位置にある状態で、吐出部移動機構40を制御することで、ノズル列12a,12b,12c,12dのうちいずれかが吸引キャップ61と対向する位置に、液体吐出部10を移動させる。そして、制御部300は、クリーニング部駆動機構63を制御することで、吸引キャップ61を吸引可能位置に移動し、吸引ポンプ65に吸引動作を行わせる。そして、制御部300は、クリーニング部駆動機構63を制御することで、吸引キャップ61を吸引可能位置から非キャッピング位置に移動させる。
次に、制御部300は、払拭部駆動機構57を制御することで、払拭体51を払拭可能位置に移動させる。そして、制御部300は、吐出部移動機構40を制御することで、液体吐出部10を帯状部材52の-Y方向側となる位置に移動させる。さらに、制御部300は、液体吐出部10を+Y方向に移動させることで、払拭部50によるノズル面11の払拭を行う。
次に、制御部300は、吐出部移動機構40を制御することで、液体受容部80の液体受け部81と対向する位置に、液体吐出部10を移動させ、液体吐出部10のノズルNからインクを吐出させるフラッシングを行う。液体吐出部10のメンテナンスが終了すると、制御部300は、吐出部移動機構40を制御することで、液体吐出部10を待機位置に移動させる。そして、制御部300は、保湿キャップ昇降機構73を制御することで、保湿キャップ71を非キャッピング位置からキャッピング位置に移動させ、保湿部70による待機キャッピングを行う。
以上述べたように、実施形態1に係る液体吐出装置100によれば、以下の効果を得ることができる。
液体吐出装置100は、ベース部101と、ベース部101のY軸方向およびX軸方向に移動可能に、ベース部101に設けられる液体吐出部10であって、ノズルNから印刷媒体Mにインクを吐出することで印刷を行う液体吐出部10と、ベース部101に設けられる媒体支持部31であって、液体吐出部10が印刷を行う印刷領域PAにおいて印刷媒体Mを支持する媒体支持部31と、ベース部101に設けられる液体受容部80であって、X軸方向における印刷領域PAの+X方向側となる領域および-X方向側となる領域の少なくとも一方に配置され、ノズルNから廃液として吐出されるインクを受容可能な液体受容部80と、を備え、液体受容部80は、印刷領域PAのY軸方向にわたって設けられる。これによれば、液体受容部80がベース部101に設けられるので、液体吐出装置100の構成が複雑になりにくい。
液体受容部80は、印刷領域PAに位置する媒体支持部31と隣り合う位置に設けられる。これによれば、印刷中に行うフラッシングに要する時間を短縮しやすい。よって、印刷に要する時間を短縮しやすい。
液体吐出装置100は、液体吐出部10から排出された廃液を収容可能な廃液収容体91が、Y軸方向における+Y方向側から着脱可能な廃液収容体装着部99を更に備え、Z軸方向に沿う方向から見た場合、液体受容部80の少なくとも一部が廃液収容体装着部99と重なる。これによれば、廃液収容体91の交換性を向上できるとともに、液体吐出装置100における走査方向、奥行方向のサイズ拡大を抑制できる。
液体受容部80の底面は、Y軸方向における+Y方向側から-Y方向側に向けて+Z方向に傾斜する底壁88を有し、Z軸方向に沿う方向から見た場合、底壁88の少なくとも一部が廃液収容体装着部99と重なる。これによれば、液体吐出装置100における鉛直方向のサイズ拡大を抑制できる。
液体吐出装置100は、ベース部101に設けられるクリーニング部60であって、X軸方向における印刷領域PAの+X方向側となる領域に配置されるクリーニング部60を、さらに備え、クリーニング部60は、ノズルNが開口する閉空間を形成可能な吸引キャップ61と、前述の閉空間を介してノズルNからインクを吸引可能な第1吸引部65Aを有する吸引ポンプ65と、第1吸引部65Aにより吸引されるインクが流れる第1廃液チューブ68と、を有し、第1廃液チューブ68は、液体受容部80において底壁88よりも-Z方向となる位置に接続される。これによれば、第1廃液チューブ68を介して液体受容部80に流入するインクで、ノズルNから液体受容部80に吐出されたインクを洗い流しやすい。
クリーニング部60は、液体受容部80において底壁88よりも+Z方向となる位置に接続される第2廃液チューブ69をさらに有し、吸引ポンプ65は、第2廃液チューブ69を介して液体受容部80内のインクを吸引可能な第2吸引部65Bを有する。これによれば、1つの吸引ポンプ65で、ノズルNからのインクの吸引と、液体受容部80からのインクの吸引と、を行うことができる。また、ノズルNから吸引されたインクと、ノズルNから液体受容部80に吐出されたインクと、をまとめて吸引することができる。
廃液収容体装着部99は、第2吸引部65Bにより吸引されるインクを排出する排出部97を有し、排出部97は、廃液収容体91に接続される。これによれば、印刷に使用されない廃液としてのインクを廃液収容体91に収容することができる。
液体吐出装置100は、ベース部101に設けられ、ノズルNが開口する閉空間を形成可能な保湿部70と、ベース部101に設けられ、ノズルNが設けられるノズル面11を払拭可能な払拭部50と、をさらに備え、保湿部70、クリーニング部60、および払拭部50は、Y軸方向に並んでメンテナンス部MPを構成し、液体受容部80は、X軸方向において、メンテナンス部MPを構成する保湿部70、クリーニング部60、および払拭部50と、媒体支持部31と、の間に配置される。これによれば、印刷中に行うフラッシングに要する時間を短縮しやすい。よって、印刷に要する時間を短縮しやすい。
液体受容部80は、X軸方向における印刷領域PAの-X方向側となる領域に配置される。これによれば、印刷中に行うフラッシングに要する時間を短縮しやすい。よって、印刷に要する時間を短縮しやすい。
本開示の上記実施形態に係る液体吐出装置100は、以上述べたような構成を有することを基本とするものであるが、本開示の要旨を逸脱しない範囲内での部分的構成の変更や省略等を行うことも勿論可能である。また、上記実施形態および以下に説明する他の実施形態は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。以下、他の実施形態について説明する。
上記実施形態において、保湿部70は、X軸方向において、液体受容部80より+X方向側に配置されなくてもよい。例えば、保湿部70は、X軸方向において、液体受容部80と重なる位置に配置されてもよい。また、例えば、保湿部70は、X軸方向において、印刷領域PAと重なる位置に配置されてもよい。また、例えば、保湿部70は、X軸方向において、液体受容部80より-X方向側に配置されてもよい。
上記実施形態において、保湿部70は、Y軸方向において、印刷領域PAよりもY軸方向における-Y方向側に配置されなくてもよい。例えば、保湿部70は、少なくともその一部が、Y軸方向において、印刷領域PAと重なる位置に配置されてもよい。
上記実施形態において、メンテナンス部MPは、Y軸方向における-Y方向側から+Y方向側に向かって、保湿部70、クリーニング部60、払拭部50の順に配置されなくてもよい。例えば、メンテナンス部MPは、Y軸方向における-Y方向側から+Y方向側に向かって、クリーニング部60、保湿部70、払拭部50の順に配置されてもよい。
上記実施形態において、払拭体51は、液体吐出部10のノズル面11を払拭可能であれば、帯状部材52を備えなくてもよい。例えば、払拭体51は、払拭部材として短冊状のエラストマー部材を、Y軸方向を厚み方向とする姿勢で備えてもよい。
上記実施形態において、払拭体51は、Y軸方向における+Y方向側から着脱できなくてもよい。例えば、払拭体51は、-Z方向側あるいは+X方向側から着脱可能に設けられてもよい。これらの場合、例えば、メンテナンス部MPは、Y軸方向における-Y方向側から+Y方向側に向かって、保湿部70、払拭部50、クリーニング部60の順に配置されてもよい。あるいは、メンテナンス部MPは、Y軸方向における-Y方向側から+Y方向側に向かって、クリーニング部60、払拭部50、保湿部70の順に配置されてもよい。また、これらの場合、Z軸方向に沿う方向から見た場合、払拭体51は廃液収容体装着部99と重なる位置になくてもよい。
上記実施形態において、払拭体51は着脱できなくてもよい。この場合、払拭体装着部59はなくてもよい。
上記実施形態において、廃液収容体91は着脱できなくてもよい。この場合、廃液収容体装着部99はなくてもよい。
上記実施形態において、クリーニング部60の吸引キャップ61は、ノズル列12aに対応する吸引キャップ61a(不図示)、ノズル列12bに対応する吸引キャップ61b(不図示)、ノズル列12cに対応する吸引キャップ61c(不図示)、およびノズル列12dに対応する吸引キャップ61d(不図示)を含んでもよい。この場合、各吸引キャップ61a,61b,61c,61dは、凹部66を有する。また、吸引キャップ61a,61b,61c,61dは吸引キャップ保持部62に保持される。また、この場合、液体吐出部10のメンテナンスにおいて行うフラッシングを、吸引キャップ61a,61b,61c,61dに向けて行ってもよい。
10…液体吐出部、11…ノズル面、12,12a,12b,12c,12d…ノズル列、15…キャリッジ、20…インク供給部、21,21a,21b,21c,21d…液体収容体、22…供給流路、29…液体収容体装着部、30…媒体支持機構、31…媒体支持部、32…媒体支持面、33L,33R…摺動部、34L,34R…ガイドレール、35…搬送ベルト、36…搬送用モーター、37…プーリー、40…吐出部移動機構、41…キャリッジ支持部、42…搬送ベルト、43…移動用モーター、44…プーリー、45L,45R…摺動部、46L,46R…ガイド軸、47…搬送ベルト、48…移動用モーター、49…プーリー、50…払拭部、51…払拭体、52…帯状部材、53…巻き出し軸、54…巻取り軸、55…押し当て部材、56…ケース、57…払拭部駆動機構、58…払拭部モーター、59…払拭体装着部、60…クリーニング部、61…吸引キャップ、62…吸引キャップ保持部、63…クリーニング部駆動機構、64…クリーニング部モーター、65…吸引ポンプ、65A…第1吸引部、65B…第2吸引部、66…凹部、67…排出部、68…第1廃液チューブ、69…第2廃液チューブ、70…保湿部、71,71a,71b,71c,71d…保湿キャップ、72…保湿キャップ保持部、73…保湿キャップ昇降機構、74…保湿部モーター、76…凹部、80…液体受容部、81…液体受け部、82…保持部材、83…液体受け部材、84…押さえ部材、85…液体受容ケース、86…流入部、87…流出部、88…底壁、89…液体受容室、90…廃液収容部、91…廃液収容体、97…排出部、99…廃液収容体装着部、100…液体吐出装置、101…ベース部、102…外装部材、103…前面、151…メンテナンスフレーム、300…制御部、310…CPU、320…記憶部、M…印刷媒体、MP…メンテナンス部、PA…印刷領域。
Claims (9)
- ベース部と、
前記ベース部の奥行方向および前記奥行方向と交差する走査方向に移動可能に、前記ベース部に設けられる液体吐出部であって、ノズルから媒体に液体を吐出することで印刷を行う前記液体吐出部と、
前記ベース部に設けられる媒体支持部であって、前記液体吐出部が前記印刷を行う印刷領域において前記媒体を支持する前記媒体支持部と、
前記ベース部に設けられる液体受容部であって、前記走査方向における前記印刷領域の外の少なくとも一方に配置され、前記ノズルから廃液として吐出される前記液体を受容可能な前記液体受容部と、を備え、
前記液体受容部は、前記印刷領域の前記奥行方向にわたって設けられることを特徴とする液体吐出装置。 - 前記液体受容部は、前記印刷領域に位置する前記媒体支持部と隣り合う位置に設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。 - 前記液体吐出部から排出された前記廃液を収容可能な廃液収容体が、前記奥行方向における手前側から着脱可能な第1装着部を更に備え、
鉛直方向から見た場合、前記液体受容部の少なくとも一部が前記第1装着部と重なる、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体吐出装置。 - 前記液体受容部の底面は、前記奥行方向における手前側から奥側に向けて下方に傾斜する傾斜部を有し、
鉛直方向から見た場合、前記傾斜部の少なくとも一部が前記第1装着部と重なる、
ことを特徴とする請求項3に記載の液体吐出装置。 - 前記ベース部に設けられるクリーニング部であって、前記走査方向における前記印刷領域の外の一方に配置される前記クリーニング部を、さらに備え、
前記クリーニング部は、
前記ノズルが開口する閉空間を形成可能な吸引キャップと、
前記閉空間を介して前記ノズルから前記液体を吸引可能な第1吸引部を有する吸引部と、
前記第1吸引部により吸引される前記液体が流れる第1廃液流路と、
を有し、
前記第1廃液流路は、前記液体受容部において前記傾斜部よりも上方となる位置に接続される、
ことを特徴とする請求項4に記載の液体吐出装置。 - 前記クリーニング部は、前記液体受容部において前記傾斜部よりも下方となる位置に接続される第2廃液流路をさらに有し、
前記吸引部は、前記第2廃液流路を介して前記液体受容部内の前記液体を吸引可能な第2吸引部を有する、
ことを特徴とする請求項5に記載の液体吐出装置。 - 前記第1装着部は、前記第2吸引部により吸引される前記液体を排出する排出部を有し、
前記排出部は、前記廃液収容体に接続される、
ことを特徴とする請求項6に記載の液体吐出装置。 - 前記ベース部に設けられ、前記ノズルが開口する閉空間を形成可能な保湿部と、
前記ベース部に設けられ、前記ノズルが設けられるノズル面を払拭可能な払拭部と、
をさらに備え、
前記保湿部、前記クリーニング部、および前記払拭部は、前記奥行方向に並んでメンテナンス部を構成し、
前記液体受容部は、前記走査方向において、前記メンテナンス部を構成する前記保湿部、前記クリーニング部、および前記払拭部と、前記媒体支持部と、の間に配置される、
ことを特徴とする請求項5から請求項7のうち何れか一項に記載の液体吐出装置。 - 前記液体受容部は、前記走査方向における前記印刷領域の外の他方に配置される、
ことを特徴とする請求項5から請求項8のうち何れか一項に記載の液体吐出装置。
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