JP2023086050A - 油調惣菜食品用品質改良剤、ならびにそれを用いた油調用惣菜食品および油調惣菜食品 - Google Patents

油調惣菜食品用品質改良剤、ならびにそれを用いた油調用惣菜食品および油調惣菜食品 Download PDF

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Yoko Tsuruta
奈緒美 平田
Naomi Hirata
菜月 黒澤
Natsuki Kurosawa
一頼 松元
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Abstract

【課題】 油調後の経時変化による耐性があり、サクサク感が維持され、口溶けが良く、ヒキが抑制された衣を創出できる、油調惣菜食品用品質改良剤、ならびにそれを用いた油調用惣菜食品および油調惣菜食品を提供すること。【解決手段】本発明の油調惣菜食品用品質改良剤は、第2族元素の塩を含む粒子と水分移行抑制成分とを含有し、第2族元素の塩が、マグネシウム塩およびカルシウム塩からなる群から選択される少なくとも1種であり、水分移行抑制成分が、多糖類およびペプチド類からなる群から選択される少なくとも1種である。【選択図】なし

Description

本発明は、油調惣菜食品用品質改良剤、ならびにそれを用いた油調用惣菜食品および油調惣菜食品に関する。
個食・中食が増加していく中で、揚げ物などの油調惣菜食品が油調から喫食までに要する時間が増加する傾向にある。
スーパーマーケットなどの店舗では、近年の衛生面の懸念から、例えば、油調後の揚げ物惣菜食品をパック詰めした状態で陳列する販売形態が主流となってきている。パック詰めによる密閉空間での長時間保管は、揚げ物惣菜食品の衣の経時劣化をより加速する極めて厳しい条件であるということができる。当該保管により、揚げ物惣菜食品は経時的に変化し、揚げたての際のサクサク感が失われ、口溶けが悪くなる傾向にある。
保管中の食感の劣化を防ぎ、また冷凍して流通や保存した後に電子レンジによる加熱解凍した際でも食感が低下しない天ぷら等を製造することができる揚げ物衣用ミックスとして、麦粉に対して酸処理澱粉、湿熱処理澱粉、架橋処理済α化澱粉のうち少なくとも1種を配合することが提案されている(特許文献1)。
しかし、このような揚げ物衣用ミックスを用いたとしても、上記密閉空間での長時間保管によって揚げ物惣菜食品の経時的変化は十分に改善されたとは言い難い。
特開平7-303457号公報
本発明は、上記問題の解決を課題とするものであり、その目的とするところは、油調後の経時変化による耐性があり、サクサク感が維持され、口溶けが良く、ヒキが抑制された衣を創出できる、油調惣菜食品用品質改良剤、ならびにそれを用いた油調用惣菜食品および油調惣菜食品を提供することにある。
本発明は、第2族元素の塩を含む粒子と水分移行抑制成分とを含有し、
該第2族元素の塩が、マグネシウム塩およびカルシウム塩からなる群から選択される少なくとも1種であり、
該水分移行抑制成分が、多糖類およびペプチド類からなる群から選択される少なくとも1種である、油調惣菜食品用品質改良剤である。
1つの実施形態では、上記第2族元素の塩は炭酸塩である。
1つの実施形態では、上記多糖類は、増粘剤およびデンプン分解物からなる群から選択される少なくとも1種である。
1つの実施形態では、上記ペプチド類は穀物由来ペプチドである。
本発明はまた、上記油調惣菜食品用品質改良剤と、油調用食品素材とを含む、油調用惣菜食品である。
本発明はまた、上記油調用惣菜食品の油調品である、油調惣菜食品である。
本発明によれば、密閉下または開放下のいずれの保管状態に関わらず、油調後長期間に亘ってサクサク感などの油調惣菜食品の良好な食感を提供することができる。これにより、スーパーマーケットなどのバックヤードで一度により多くの油調惣菜食品を作ることができ、作業効率を高めることができる。
(油調惣菜食品用品質改良剤)
本発明の油調惣菜食品用品質改良剤は、第2族元素の塩を含む粒子と水分移行抑制成分とを含有する。
ここで、本明細書中に用いられる用語「油調惣菜食品」とは、惣菜(菓子は除外されている)としてそのまま食することができる食品のうち、油調(すなわち、食用の種々の油で揚げること)により得ることができる食品を指していう。さらに、本発明の油調惣菜食品用品質改良剤は、こうした油調惣菜食品の品質(例えば、長時間保管による表面の食感(例えばサクサク感))を向上、延長、および/または持続することができる性質を有する製剤(組成物)を指していう。
第2族元素の塩は、食品分野において使用可能な化合物であり、例えば、マグネシウム塩およびカルシウム塩、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。塩の種類としては、食品分野において使用可能なものであれば特に限定されないが、例えば、炭酸塩、塩酸塩、酢酸塩、乳酸塩、亜硝酸塩、硝酸塩、亜硫酸塩、次亜硫酸塩、リン酸塩、ソルビン酸塩、ポリリン酸塩、クエン酸塩、グルタミン酸塩、イソシン酸塩、およびグルコン酸塩、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。食品分野において汎用性に富み、かつ安全性にも優れるという理由から、炭酸塩(例えば、炭酸マグネシウムおよび炭酸カルシウム、ならびにそれらの組み合わせ)が好ましく、油調後に食感が大きく変化しないという理由から、炭酸マグネシウムがさらに好ましい。
本発明の油調惣菜食品用品質改良剤において、第2族元素の塩は後述する水分移行抑制成分とより均一に混合することができるという点から、粒子の形態を有することが好ましい。第2族元素の塩は、好ましくは0.5μm以上250μm以下、より好ましくは2.0μm以上100μm以下の平均粒子径を有する。第2族元素の塩の平均粒子径が0.5μmを下回ると、得られる製剤が飛散し易いかまたはダマになり易く、油調用食品素材へ添加する際の作業効率が悪くなるおそれがある。第2族元素の塩の平均粒子径が250μmを上回ると、得られる改質剤は全体として大粒のものとなり、これを用いて得られた油調惣菜食品の表面が粗くざらついた食感を生じ、消費者のニーズに合致しないおそれがある。
第2族元素の塩の含有量は、油調惣菜食品用品質改良剤の全体質量100質量部を基準として、好ましくは65質量部~90質量部、より好ましくは70質量部~85質量部である。油調惣菜食品用品質改良剤に含まれる第2族元素の塩の含有量が65質量部を下回ると、油調後の経時変化によるサクサク感の維持や口溶け向上、ヒキが抑制された衣を創出する効果が弱くなることがある。油調惣菜食品用品質改良剤に含まれる第2族元素の塩の含有量が90質量部を上回ると、第2族元素の塩特有の苦味や渋味などにより、得られる油調惣菜食品の風味の低下に影響を及ぼすことがある。
水分移行抑制成分は、油調惣菜食品の表面(例えば、衣部分)において、外界、および衣に包まれた中具(油調用食品素材)から当該表面への水分移行を抑制し得る機能を果たす物質であり、例えば多糖類およびペプチド類、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。
水分移行抑制成分を構成し得る多糖類としては、例えば増粘剤およびデンプン分解物、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。
増粘剤の具体的な例としては、必ずしも限定されないが、アラビアガム、プルラン、およびタマリンドシードガム、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。粘度発現が少ないことから、油調惣菜食品に好ましくないヒキが発現しにくく、外界や中具(油調用食品素材)からの衣への水分移行抑制効果が高いという理由から、アラビアガム、プルランおよびそれらの組み合わせが好ましい。
デンプン分解物は、好ましくは500以上150,000以下、より好ましくは600以上9,000以下の平均分子量を有し、および/または40以下、より好ましくは2以上30以下のデキストロース当量(DE)を有するものが使用される。デンプン分解物がこのような平均分子量および/またはデキストロース当量を有することにより、長時間保管による油調惣菜食品の表面(例えば、衣部分)の食感を向上、または持続することができる。
多糖類の含有量は、油調惣菜食品用品質改良剤の全体質量100質量部を基準として、好ましくは5質量部~10質量部、より好ましくは7質量部~9質量部である。油調惣菜食品用品質改良剤に含まれる多糖類の含有量が5質量部を下回ると、油調惣菜食品の表面(例えば、衣部分)への外界、または中具(油調用食品素材)からの水分移行を抑制する効果が弱くなることがある。油調惣菜食品用品質改良剤に含まれる多糖類の含有量が10質量部を上回ると、バッター液の粘度が上昇することで、厚衣になり、食感が硬くなりすぎる、もしくは油調時にバッター中の水と油との置換効率が悪くなることや、中具(油調用食品素材)からの水分が抜けにくくなることがある。
水分移行抑制成分を構成し得るペプチド類としては、例えば穀物由来ペプチド(穀物由来たん白加水分解物)が挙げられる。
穀物由来ペプチドの具体的な例としては、必ずしも限定されないが、小麦たん白加水分解物、米たん白加水分解物、エンドウたん白加水分解物、および大豆たん白加水分解物、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。これらの穀物由来ペプチドは当該分野において周知の材料である。界面活性能が高い穀物由来ペプチドであるとの理由から、小麦たん白加水分解物が好ましい。
ペプチド類の含有量は、油調惣菜食品用品質改良剤の全体質量100質量部を基準として、好ましくは6質量部~40質量部、より好ましくは8質量部~18質量部である。油調惣菜食品用品質改良剤に含まれるペプチド類の含有量が6質量部を下回ると、油調惣菜食品の表面(例えば、衣部分)にポーラス構造を構築する効果が弱くなり、外界または中具(油調用食品素材)からの水分が抜けにくくなることで、油調惣菜食品の表面(例えば、衣部分)への水分移行を抑制する効果が弱くなることがある。油調惣菜食品用品質改良剤に含まれるペプチド類の含有量が20質量部を上回ると、ヒキ(例えば、衣の歯切れが悪く、ひきちぎり難い感覚)のある衣を創出し、食感不良を起こすことがある。
本発明の油調惣菜食品用品質改良剤において、得られる油調惣菜食品の経時的変化に対する耐性に優れ、かつ喫食の際、油調惣菜食品の表面(例えば、衣部分)から感じ取ることができるサクサク感を一層高めることができるという理由から、水分移行抑制成分には多糖類およびペプチド類の組み合わせが採用されることが好ましい。このような組み合わせを採用する際の多糖類およびペプチド類の含有量もまた、それぞれ上記範囲から選択されることが好ましい。
本発明の油調惣菜食品用品質改良剤は、上記第2族元素の塩を含む粒子と水分移行抑制成分とを混合することにより得ることができる。
本発明の油調惣菜食品用品質改良剤はまた、その他の材料と一緒に混合することにより、例えば、油調惣菜食品の素材に対して使用されるバッターミックスとして提供することができる。
バッターミックスを製造する際の本発明の油調惣菜食品用品質改良剤の含有量は必ずしも限定されないが、当該バッターミックスの全体質量を基準として、好ましくは0.01質量%~2質量%、より好ましくは0.1質量%~1質量%の割合で含有される。バッターミックスに含まれる本発明の油調惣菜食品用品質改良剤の含有量が0.1質量%を下回ると、得られる油調惣菜食品について経時的変化による耐性が不十分となり、長時間経過後の当該油調惣菜食品の表面のサクサク感が十分に保持されないことがある。バッターミックスに含まれる本発明の油調惣菜食品用品質改良剤の含有量が2質量%を上回ると、油調惣菜食品の表面(例えば、衣部分)が硬くなりすぎるなどの食感不良を起こすことがある。
バッターミックスを構成するその他の材料は、従来のバッターミックスを構成するものであれば特に限定されず、例えば、薄力粉、米粉、コーンスターチなどの穀粉、またはデンプンに酵素的、物理的または化学的な処理を施すことにより特性が改質または改善されたか、あるいは機能性が付与または増強された種々の加工を施した加工デンプン、単一膨張剤(例えば、炭酸水素ナトリウムおよび/または炭酸水素アンモニウム)や合成膨張剤(例えば、ベーキングパウダーおよび/またはイーストパウダー)などの膨張剤、デキストリン、砂糖、ブドウ糖、食塩、香辛料、(粉末)醤油、卵黄粉、卵白粉、および着色料(例えばビタミンB2)、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。バッターミックスを構成し得るその他の材料の含有量は特に限定されず、対象となる油調惣菜食品やその種類および/または量に応じて、当業者によって適切に選択され得る。
バッターミックスを作製するにあたり、本発明の油調惣菜食品用品質改良剤は、上記その他の材料と使用直前に混合されてもよく、あるいは予め混合して所定の条件で保存等がなされたものであってもよい、
(油調用惣菜食品)
本発明の油調用惣菜食品は、上記油調惣菜食品用品質改良剤と、油調用食品素材とを含む。
ここで、本明細書中に用いられる用語「油調用惣菜食品」は、油調により油調惣菜食品を作製することができる食品であって、例えば冷凍食品、冷蔵食品、総菜半製品に分類されるものが挙げられる。
油調用食品素材は、豚肉、牛肉、鶏肉、魚介類および野菜、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。油調用食品素材はそれ自体が例えば、予め加熱や下茹で、味付け、混合、練り合わせ、切断 等がなされていてもよい。
油調用食品素材に対して、油調惣菜食品用品質改良剤はその表面に適量をまぶす等によって付与される。
これにより油調用惣菜食品を得ることができる。油調用惣菜食品は、例えば密閉容器内に収容され、例えば、スーパーマーケットや百貨店の食品売り場、小売店でそのまま販売されてもよく、当業者に公知の手段を用いて冷凍または冷蔵され、レストランや個々の家庭に配送されてもよい。
(油調惣菜食品)
本発明の油調惣菜食品は、例えば油調用惣菜食品の油調品である。
油調のために使用される油は食用油であり、例えばサラダ油(キャノーラ油を包含する)、オリーブ油、パーム油、ゴマ油、エゴマ油、アマニ油、MCT油、米油、マカダミアナッツオイル、ココナッツオイル、ピーナッツオイル、および動物脂(例えば、牛脂、豚脂、鶏脂、馬脂、骨脂、および乳酪脂)、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。
油調のために設定される温度および油調時間は特に限定されず、使用する油調用惣菜食品の種類または当該油調用惣菜食品を構成する油調用食品素材の種類や大きさ、量に応じて当業者が適宜選択することができる。
なお、油調用惣菜食品を油調した後、表面状態を損なわない限りにおいて、必要に応じて味付け等の追加の調理が行われてもよい。
このようにして、油調惣菜食品を得ることができる。
本発明の油調惣菜食品は必ずしも限定されないが、例えば、とんかつ、牛かつ、鶏カツ、エビフライ、カキフライ、コロッケなどのフライもの;海老、キス、アジ、イカ、アワビ、レンコン、かぼちゃ、玉ねぎ、さつまいも、ししとう、しいたけ、茄子などの油調用食品素材を用いた天ぷら;肉類、魚類、野菜などの油調用食品素材を用いた唐揚げ;カレーパンなどの総菜パン;が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1:バッターミックス(E1)の配合)
油調惣菜食品用品質改良剤を得るために、炭酸マグネシウム(平均粒子径7.5μm)0.5質量部と、アラビアガム0.05質量部と小麦たん白分解物0.05質量部とを混合し、その後、これに薄力粉90.4質量部、コーンスターチ8質量部、膨張剤1質量部を添加し、さらに混合することによりバッターミックス(E1)を得た。得られたバッターミックス(E1)の成分を表1に示す。
(実施例2:バッターミックス(E2)の配合)
アラビアガムの代わりにプルラン0.05質量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして油調惣菜食品用品質改良剤を得、これに実施例1と同様にしてその他の成分を添加し、さらに混合することによりバッターミックス(E2)を得た。得られたバッターミックス(E2)の成分を表1に示す。
(実施例3:バッターミックス(E3)の配合)
アラビアガムの代わりにタマリンシードガム0.05質量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして油調惣菜食品用品質改良剤を得、これに実施例1と同様にしてその他の成分を添加し、さらに混合することによりバッターミックス(E3)を得た。得られたバッターミックス(E3)の成分を表1に示す。
(実施例4:バッターミックス(E4)の配合)
アラビアガムの代わりにデンプン分解物(平均分子量8,500;デキストロース当量(DE)4)0.05質量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして油調惣菜食品用品質改良剤を得、これに実施例1と同様にしてその他の成分を添加し、さらに混合することによりバッターミックス(E4)を得た。得られたバッターミックス(E4)の成分を表1に示す。
(実施例5:バッターミックス(E5)の配合)
小麦たん白分解物を使用せず、90.45質量部の薄力粉を用いたこと以外は実施例1と同様にして油調惣菜食品用品質改良剤を得、これに実施例1と同様にしてその他の成分を添加し、さらに混合することによりバッターミックス(E5)を得た。得られたバッターミックス(E5)の成分を表1に示す。
(実施例6:バッターミックス(E6)の配合)
アラビアガムを使用せず、90.45質量部の薄力粉を用いたこと以外は実施例1と同様にして油調惣菜食品用品質改良剤を得、これに実施例1と同様にしてその他の成分を添加し、さらに混合することによりバッターミックス(E6)を得た。得られたバッターミックス(E6)の成分を表1に示す。
Figure 2023086050000001
(比較例1~9:バッターミックス(C1)~(C9)の配合)
炭酸マグネシウム(平均粒子径7.5μm)、炭酸カルシウム(平均粒子径2.5μm)、アラビアガム、プルラン、タマリンドシードガム、デンプン分解物デンプン分解物(平均分子量8,500;デキストロース当量(DE)4)、および小麦たん白分解物、ならびに薄力粉の含有量を表2および表3に記載の通りとしたこと以外は、実施例1と同様にして各成分を混合することによりバッターミックス(C1)~(C9)を得た。
Figure 2023086050000002
Figure 2023086050000003
(エビ天ぷら衣の品質維持効果確認試験)
(1)エビ天ぷらの作製方法
実施例1~6および比較例1~9で得られたバッターミックス(E1)~(E6)、(C1)~(C9)100gを計量し、それぞれをバッター用試料70gと打ち粉用試料30gに分けた。
ボウルに5℃以下まで冷却した冷水112gを入れ、これに上記バッター用試料を篩掛けしながら投入し、泡立て器でヒキが出ないように40秒間撹拌した。
一方、冷凍尾つきむきえびを流水で解凍し、ペーパータオルでエビの水分を取った。当該エビを上記ボウル内で冷水と合わせたバッター用試料で打ち粉を行い、バッターリングした。その後、このエビを175℃で2分30秒間をかけて油調(追い種あり)し、油切り後に室温で放冷してエビ天ぷらを作製した。
(2)エビ天ぷら衣の官能評価方法
油調後、以下の表4の条件で保管したエビ天ぷらについて、衣の「サクサク感」および「ヒキ感」を評価した。表4の条件のうち、条件1での比較例1の結果を5点とし、以下の表5の評価基準にてパネリスト10名で評価の採点を行い、それらの平均点を算出した。
Figure 2023086050000004
Figure 2023086050000005
結果を表6に示す。
Figure 2023086050000006
表6に示すように、実施例1~6で作製されたバッターミックス(E1)~(E6)を用いて得られたエビ天ぷらはいずれも、比較例1~9で作製されたバッターミックス(C1)~(C9)を用いて得られたエビ天ぷらと比較して、油調後20分間経過後、油調後4時間経過後、および油調後4時間経過しかつレンジアップ後のいずれにおいても高い値を示しており、油調後のエビ天ぷら衣のサクサク感の向上とヒキ感の軽減との両立を確認することができた。また、これらは時間経過後(20分間~4時間およびその後のレンジアップ)もサクサク感が維持されており、ヒキが抑制できたことがわかる。
(実施例7:バッターミックス(E7)の配合)
油調惣菜食品用品質改良剤を得るために、炭酸マグネシウム(平均粒子径7.5μm)0.5質量部と、アラビアガム0.05質量部と小麦たん白分解物0.05質量部とをポリチャック袋内で混合し、その後、これに加工デンプン85.4質量部、α化デンプン10質量部、乾燥卵白1質量部、粉末グルテン2質量部、キサンタンガム(増粘剤)1質量部を添加し、さらに混合することによりバッターミックス(E7)を得た。得られたバッターミックス(E7)の成分を表7に示す。
(実施例8:バッターミックス(E8)の配合)
アラビアガムの代わりにプルラン0.05質量部を用いたこと以外は実施例5と同様にして油調惣菜食品用品質改良剤を得、これに実施例7と同様にしてその他の成分を添加し、さらに混合することによりバッターミックス(E8)を得た。得られたバッターミックス(E8)の成分を表7に示す。
(実施例9:バッターミックス(E9)の配合)
アラビアガムの代わりにタマリンシードガム0.05質量部を用いたこと以外は実施例5と同様にして油調惣菜食品用品質改良剤を得、これに実施例7と同様にしてその他の成分を添加し、さらに混合することによりバッターミックス(E9)を得た。得られたバッターミックス(E9)の成分を表7に示す。
(実施例10:バッターミックス(E10)の配合)
アラビアガムの代わりにデンプン分解物(平均分子量8,500;デキストロース当量(DE)4)0.05質量部を用いたこと以外は実施例7と同様にして油調惣菜食品用品質改良剤を得、これに実施例7と同様にしてその他の成分を添加し、さらに混合することによりバッターミックス(E10)を得た。得られたバッターミックス(E10)の成分を表7に示す。
(実施例11:バッターミックス(E11)の配合)
小麦たん白分解物を使用せず、85.45質量部の加工デンプンを用いたこと以外は実施例7と同様にして油調惣菜食品用品質改良剤を得、これに実施例7と同様にしてその他の成分を添加し、さらに混合することによりバッターミックス(E11)を得た。得られたバッターミックス(E11)の成分を表7に示す。
(実施例12:バッターミックス(E12)の配合)
アラビアガムを使用せず、85.45質量部の加工デンプンを用いたこと以外は実施例7と同様にして油調惣菜食品用品質改良剤を得、これに実施例7と同様にしてその他の成分を添加し、さらに混合することによりバッターミックス(E12)を得た。得られたバッターミックス(E12)の成分を表1に示す。
Figure 2023086050000007
(比較例10~18:バッターミックス(C10)~(C18)の配合)
炭酸マグネシウム(平均粒子径7.5μm)、炭酸カルシウム(平均粒子径2.5μm)、アラビアガム、プルラン、タマリンドシードガム、デンプン分解物デンプン分解物(平均分子量8,500;デキストロース当量(DE)4)、および小麦たん白分解物、ならびに加工デンプンの含有量を表8および表9に記載の通りとしたこと以外は、実施例7と同様にして各成分を混合することによりバッターミックス(C10)~(C18)を得た。
Figure 2023086050000008
Figure 2023086050000009
(コロッケ衣の品質維持効果確認試験)
(1)コロッケバッターの作製方法
1Lのプラスチックジョッキに5℃の冷水600gを入れ、4枚翼のプロペラで回転数1000rpmにて撹拌した。一方、実施例7~12および比較例10~18で得られたバッターミックス(E7)~(E12)、(C10)~(C18)100gを計量し、それぞれを1分間かけて上記プラスチックジョッキに投入し、プロペラの回転数を1000rpmに保持したままさらに5分間撹拌してコロッケバッターを得た。
(2)コロッケの作製方法
じゃがいもパテ(50g/個)を、片栗粉で打ち粉を行ってバッターリングし、パン粉を付けた。次いで、これを-20℃まで冷凍し、その後、180℃で9分30秒間をかけて油調し、油切り後に室温で放冷してコロッケを作製した。
(3)コロッケ衣の官能評価方法
油調後、上記表4(A.条件)と同様の条件下においたコロッケについて、衣の「サクサク感」および「ヒキ感」を評価した。上記表4の条件のうち、条件1での比較例10の結果を5点とし、上記表5と同様の評価基準にてパネリスト10名で評価の採点を行い、それらの平均点を算出した。
結果を表10に示す。
Figure 2023086050000010
表10に示すように、実施例7~12で作製されたバッターミックス(E7)~(E12)を用いて得られたコロッケはいずれも、比較例10~18で作製されたバッターミックス(C10)~(C18)を用いて得られたコロッケと比較して、油調後20分間経過後、油調後4時間経過後、および油調後4時間経過しかつレンジアップ後のいずれにおいても高い値を示しており、油調後のコロッケのサクサク感の向上とヒキ感の軽減との両立を確認することができた。また、これらは時間経過後(20分間~4時間およびその後のレンジアップ)もサクサク感が維持されており、ヒキが抑制できたことがわかる。
本発明は、例えば加工食品の製造分野において有用である。

Claims (6)

  1. 第2族元素の塩を含む粒子と水分移行抑制成分とを含有し、
    該第2族元素の塩が、マグネシウム塩およびカルシウム塩からなる群から選択される少なくとも1種であり、
    該水分移行抑制成分が、多糖類およびペプチド類からなる群から選択される少なくとも1種である、油調惣菜食品用品質改良剤。
  2. 前記第2族元素の塩が炭酸塩である、請求項1に記載の油調惣菜食品用品質改良剤。
  3. 前記多糖類が、増粘剤およびデンプン分解物からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1または2に記載の油調惣菜食品用品質改良剤。
  4. 前記ペプチド類が穀物由来ペプチドである、請求項1から3のいずれかに記載の油調惣菜食品用品質改良剤。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の油調惣菜食品用品質改良剤と、油調用食品素材とを含む、油調用惣菜食品。
  6. 請求項5に記載の油調用惣菜食品の油調品である、油調惣菜食品。
JP2021200442A 2021-12-09 2021-12-09 油調惣菜食品用品質改良剤、ならびにそれを用いた油調用惣菜食品および油調惣菜食品 Pending JP2023086050A (ja)

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