JP2023081112A - ハイブリッド車両の駆動力制御装置 - Google Patents

ハイブリッド車両の駆動力制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ハイモードを設定した制動走行時に迅速にローモードに切り替えを行うことができるハイブリッド車両の駆動力制御装置を提供する。【解決手段】エンジンと駆動輪との間で伝達するトルクが相対的に小さいハイモードが設定され、かつ蓄電装置の充電残量が所定残量以上で制動走行する場合に、第1モータを力行制御することによってエンジンの回転数を増加させることができる回転数の予め定められた所定範囲にエンジン回転数を制御し(ステップS5)、エンジン回転数が所定範囲である状態でローモードへの切り替えを開始する(ステップS7)。【選択図】図9

Description

この発明は、エンジンとモータとを駆動力源として備えたハイブリッド車両の駆動力制御装置に関し、特に駆動力源による制動トルクを駆動輪に伝達する走行時のハイブリッド車両の駆動力制御装置に関するものである。
特許文献1には、エンジンが連結された第1回転要素と、第1モータが連結された第2回転要素と、第3回転要素とが差動回転可能に連結された第1差動機構と、駆動輪が連結された第4回転要素と、第3回転要素に連結された第5回転要素と、第6回転要素とが差動回転可能に連結された第2差動機構と、第1回転要素と第6回転要素とを選択的に連結する第1クラッチ機構と、第5回転要素と第6回転要素とを選択的に連結する第2クラッチ機構と、駆動輪にトルク伝達可能に連結された第2モータとを備えたハイブリッド車両が記載されている。
このハイブリッド車両は、第1クラッチ機構を係合することによりエンジンから駆動輪に伝達されるトルクが大きいLoモードを設定し、第2クラッチ機構を係合することによりエンジンから駆動輪に伝達されるトルクが小さいHiモードを設定することができる。
特許第6451524号公報
特許文献1に記載されたハイブリッド車両は、第2モータから制動トルクを出力することによって、車両の運動エネルギーを電力に変換しながら制動走行することができる。一方、第2モータの発電電力を充電する蓄電装置の充電残量が上限値まで増加している場合には、蓄電装置の過充電を抑制するために第2モータから制動トルクを出力することができない。そのような場合には、第1モータによってエンジンを連れ回すことにより、エンジンのフリクショントルクを駆動輪に作用させることができ、いわゆるエンジンブレーキによって制動走行することができる。
上記のエンジンブレーキは、エンジン回転数が高回転数となるに連れて大きくなるため、例えば、ハイモードが設定されて駆動走行している状態からアクセルペダルが踏み戻されて制動走行に切り替える場合には、第1モータによってエンジン回転数を引き上げる。一方、制動走行後における再発進や再加速時の駆動力を得るためには、制動走行時にローモードを設定することが好ましく、上記のようにエンジン回転数を引き上げることによって第1回転要素の回転数が第6回転要素の回転数よりも高回転数となった場合には、迅速にローモードに切り替えるためには、第1モータによってエンジン回転数を引き下げることになる。すなわち、第1モータを発電機として機能させることになる。
しかしながら、上述したようにエンジンブレーキによって制動走行する場合には、蓄電装置の充電残量が上限値まで増加しているため、第1モータを発電機として機能させることができず、エンジン回転数を高回転数に引き上げた後に、ハイモードからローモードに切り替えることができず、またはその切り替えを迅速に行うことができない可能性がある。そのため、再発進時や再加速時の加速性能が低下し、または制動走行時に走行モードを切り替える過程でのエンジンブレーキ力が作用しない期間が長くなる可能性がある。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであって、ハイモードを設定した制動走行時に迅速にローモードに切り替えを行うことができるハイブリッド車両の駆動力制御装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、この発明は、 エンジンが連結された回転要素と、第1モータが連結された回転要素と、駆動輪が連結された回転要素とのうちの二つの回転要素である第1回転要素および第2回転要素と、第3回転要素との三つの回転要素が差動作用を行うように構成された第1差動機構と、前記エンジンが連結された回転要素と、前記第1モータが連結された回転要素と、前記駆動輪が連結された回転要素とのうちの他の回転要素である第4回転要素と、前記第3回転要素に連結された第5回転要素と、第6回転要素との三つの回転要素が差動作用を行うように構成された第2差動機構と、前記第1回転要素と前記第2回転要素とのいずれか一方の回転要素と、前記第6回転要素とを選択的に連結する第1係合機構と、前記第4回転要素と前記第5回転要素と前記第6回転要素とのいずれか一対の回転要素を選択的に連結する第2係合機構と、前記駆動輪または前記駆動輪とは異なる他の駆動輪に連結された第2モータと、前記第1モータおよび前記第2モータとの間で電力の授受を行う蓄電装置とを備え、前記第1係合機構を係合しかつ前記第2係合機構を解放することにより設定されかつ前記エンジンと前記駆動輪との間で伝達されるトルクが相対的に大きいローモードと、前記第1係合機構を解放しかつ前記第2係合機構を係合することにより設定されかつ前記エンジンと前記駆動輪との間で伝達されるトルクが相対的に小さいハイモードを設定することように構成されたハイブリッド車両の駆動力制御装置において、前記エンジン、前記第1モータ、前記第2モータ、前記第1係合機構、および前記第2係合機構を制御するコントローラを備え、前記コントローラは、前記ハイモードが設定され、かつ前記蓄電装置の充電残量が所定残量以上であって前記第2モータから出力する制動トルクが制限されて制動走行する場合に、前記第1モータを力行制御することによって前記エンジンの回転数を増加させることができる回転数の予め定められた所定範囲に前記エンジンの回転数を制御し、前記エンジンの回転数が前記所定範囲である状態でローモードへの切り替えを開始することを特徴とするものである。
また、この発明では、前記ハイブリッド車両は、前記第1係合機構と前記第2係合機構とを係合することにより前記エンジンと前記駆動輪との回転数比が一定となる固定段モードを設定するように構成され、前記コントローラは、前記ハイモードから前記固定段モードを介して前記ローモードに切り替えてよい。
そして、この発明では、前記ハイモードおよび前記ローモードは、前記第1モータを力行制御して前記エンジンを連れ回すことにより、前記エンジンを連れ回すことによる制動トルクを前記駆動輪に伝達するように構成されていてよい。
この発明によれば、エンジンと駆動輪との間で伝達されるトルクが相対的に小さいハイモードが設定され、また第1モータおよび第2モータとの間で電力の授受を行う蓄電装置の充電残量が所定残量以上であって第2モータから出力する制動トルクが制限されて制動走行する場合に、第1モータを力行制御することによってエンジンの回転数を増加させることができる回転数の予め定められた所定範囲にエンジン回転数を制御し、その状態でエンジンと駆動輪との間で伝達されるトルクが相対的に大きいローモードへの切り替えを開始する。そのため、蓄電装置の充電残量が所定残量以上である条件下であっても、ハイモードからローモードへの切り替えが可能となり、またはハイモードからローモードへの切り替えを迅速に行うことができる。その結果、エンジンから駆動輪に制動トルクを伝達して制動走行した後の再発進や再加速時に充分な駆動力を得ることができる。
この発明の実施形態における車両の一例を説明するためのスケルトン図である。 電子制御装置(ECU)の構成を説明するためのブロック図である。 HV-Hiモードを設定した駆動走行時の動作状態を説明するための共線図である。 HV-Loモードを設定した駆動走行時の動作状態を説明するための共線図である。 直結モードを設定した駆動走行時の動作状態を説明するための共線図である。 切り離しモードを設定した駆動走行時の動作状態を説明するための共線図である。 HV-Hiモードを設定しエンジンから駆動輪に制動トルクを伝達した走行時の動作状態を説明するための共線図である。 HV-Loモードを設定しエンジンから駆動輪に制動トルクを伝達した走行時の動作状態を説明するための共線図である。 この発明の実施形態における制御装置の制御の一例を説明するためのフローチャートである。
この発明の実施形態におけるハイブリッド車両(以下、単に車両と記す)Veの一例を図1を参照して説明する。図1に示す車両Veは、エンジン(ENG)1と、二つのモータ2,3とを有するハイブリッド駆動装置(以下、単に駆動装置と記す)4を備えている。この駆動装置4は、前輪(駆動輪)5R,5Lを駆動するように構成されている。エンジン1は、従来知られたガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどであって、供給される燃料と空気との混合気を燃焼することにより駆動トルクを出力し、また、その混合気の燃焼を停止すること、すなわち、燃料の供給を停止することにより、フリクショントルクやポンピングロスなどに応じた制動トルクを出力することができるように構成されている。
第1モータ2は発電機能のあるモータ(すなわちモータ・ジェネレータ:MG1)によって構成され、エンジン1の回転数を第1モータ2によって制御するとともに、第1モータ2で発電した電力により第2モータ3を駆動し、その第2モータ3が出力するトルクを走行のための駆動トルクに加えることができるように構成されている。第2モータ3は、第1モータ2と同様に発電機能のあるモータ(すなわちモータ・ジェネレータ:MG2)によって構成することができる。これらの第1モータ2および第2モータ3は、例えば、ロータに永久磁石を取り付けた、永久磁石式の同期モータなどの交流モータによって構成することができる。なお、各モータ2,3には、リチウムイオン電池などの二次電池によって構成されたバッテリや、キャパシタなどの蓄電装置Bが電気的に接続され、その蓄電装置Bから各モータ2,3に電力が供給され、また、各モータ2,3により発電された電力を蓄電装置Bに充電することができるように構成されている。さらに、各モータ2,3は、一方のモータ2(3)が発電した電力を、蓄電装置Bを介することなく他方のモータ3(2)に通電することができるように構成されている。
エンジン1には、動力分割機構6が連結されている。この動力分割機構6は、エンジン1が出力したトルクを第1モータ2側と出力側とに分割するものであって、そのようにトルクを分割する機能を主とする分割部7と、そのトルクの分割率を変更する機能を主とする変速部8とにより構成されている。
分割部7は、三つの回転要素によって差動作用を行う構成であればよく、遊星歯車機構を採用することができる。図1に示す例では、シングルピニオン型の遊星歯車機構(第1差動機構)によって構成されている。図1に示す分割部7は、サンギヤ9と、サンギヤ9に対して同心円上に配置された、内歯歯車であるリングギヤ10と、これらサンギヤ9とリングギヤ10との間に配置されてサンギヤ9とリングギヤ10とに噛み合っているピニオンギヤ11と、ピニオンギヤ11を自転および公転可能に保持するキャリヤ12とを有し、サンギヤ9、リングギヤ10、およびキャリヤ12の三つの回転要素によって差動作用を行うように構成されている。
エンジン1が出力したトルクが前記キャリヤ12に入力されるように構成されている。具体的には、エンジン1の出力軸13に、動力分割機構6の入力軸14が連結され、その入力軸14がキャリヤ12に連結されている。また、サンギヤ9に第1モータ2が連結されている。なお、キャリヤ12と入力軸14とを直接連結する構成に替えて、歯車機構などの伝動機構(図示せず)を介してキャリヤ12と入力軸14とを連結してもよい。また、その出力軸13と入力軸14との間にダンパ機構やトルクコンバータなどの機構(図示せず)を配置してもよい。さらに、第1モータ2とサンギヤ9とを直接連結する構成に替えて、歯車機構などの伝動機構(図示せず)を介して第1モータ2とサンギヤ9とを連結してもよい。これらのサンギヤ9およびキャリヤ12が、この発明の実施形態における「第1回転要素」および「第2回転要素」に相当し、リングギヤ10が、この発明の実施形態における「第3回転要素」に相当し、分割部7が、この発明の実施形態における「第1差動機構」に相当する。
変速部8は、シングルピニオン型の遊星歯車機構によって構成されている。すなわち、変速部8は、上記の分割部7と同様に、サンギヤ15と、サンギヤ15に対して同心円上に配置された内歯歯車であるリングギヤ16と、これらサンギヤ15とリングギヤ16との間に配置されてこれらサンギヤ15およびリングギヤ16に噛み合っているピニオンギヤ17と、ピニオンギヤ17を自転および公転可能に保持しているキャリヤ18とを有している。したがって、変速部8は、サンギヤ15、リングギヤ16、およびキャリヤ18の三つの回転要素によって差動作用を行う差動機構(第2差動機構)となっている。この変速部8におけるサンギヤ15に分割部7におけるリングギヤ10が連結されている。また、変速部8におけるリングギヤ16に、出力ギヤ19が連結されている。このリングギヤ16が、この発明の実施形態における「第4回転要素」に相当し、サンギヤ15が、この発明の実施形態における「第5回転要素」に相当し、キャリヤ18が、この発明の実施形態における「第6回転要素」に相当し、変速部8が、この発明の実施形態における「第2差動機構」に相当する。
上記の分割部7と変速部8とが複合遊星歯車機構を構成するようにLoクラッチ機構(第1係合機構)CL_Loが設けられている。Loクラッチ機構CL_Loは、変速部8におけるキャリヤ18を、分割部7におけるキャリヤ12および入力軸14に選択的に連結するためのものであって、摩擦式のクラッチ機構や噛み合い式のクラッチ機構によって構成することができる。このLoクラッチ機構CL_Loを係合させることにより分割部7におけるキャリヤ12と変速部8におけるキャリヤ18とが連結されてこれらが入力要素となり、また分割部7におけるサンギヤ9が反力要素となり、さらに変速部8におけるリングギヤ16が出力要素となった複合遊星歯車機構が形成される。
さらに、変速部8の全体を一体化させるためのHiクラッチ機構(第2係合機構)CL_Hiが設けられている。このHiクラッチ機構CL_Hiは、変速部8におけるキャリヤ18とリングギヤ16もしくはサンギヤ15、あるいはサンギヤ15とリングギヤ16とを連結するなどの少なくともいずれか一対の回転要素を連結するためのものであって、Loクラッチ機構CL_Loと同様に、摩擦式のクラッチ機構や噛み合い式のクラッチ機構によって構成することができる。図1に示す例では、Hiクラッチ機構CL_Hiは、変速部8におけるキャリヤ18とリングギヤ16とを連結するように構成されている。このHiクラッチ機構CL_Hiを係合させることにより変速部8を構成する各回転要素が一体となって回転する。したがって、分割部7におけるキャリヤ12が入力要素となり、また分割部7におけるサンギヤ9が反力要素となり、さらに変速部8におけるリングギヤ16が出力要素となる。
上述したLoクラッチ機構CL_LoとHiクラッチ機構CL_Hiとの少なくともいずれか一方を係合することにより、動力分割機構6を介してエンジン1と出力ギヤ19とがトルク伝達可能に連結される。その出力ギヤ19から前輪5R,5Lにギヤトレーン部を介してトルクが伝達される。図1に示す例では、上記のエンジン1や分割部7あるいは変速部8の回転中心軸線と平行にカウンタシャフト20が配置されている。前記出力ギヤ19に噛み合っているドリブンギヤ21がこのカウンタシャフト20に取り付けられている。また、カウンタシャフト20にはドライブギヤ22が取り付けられており、このドライブギヤ22が終減速機であるデファレンシャルギヤユニット23におけるリングギヤ24に噛み合っている。
さらに、前記ドリブンギヤ21には、第2モータ3のロータシャフト3aに取り付けられたドライブギヤ25が噛み合っている。したがって、前記出力ギヤ19から出力された動力もしくはトルクに、第2モータ3が出力した動力もしくはトルクを、上記のドリブンギヤ21の部分で加えるように構成されている。このようにして合成された動力もしくはトルクをデファレンシャルギヤユニット23から左右のドライブシャフト26に出力し、その動力やトルクが前輪5R,5Lに伝達されるように構成されている。なお、第2モータ3は、例えば、ドライブギヤ22にトルク伝達可能に連結するなど、出力ギヤ19と駆動輪5R,5Lとの間のトルクの伝達経路内に設けられたいずれかの回転部材にトルク伝達可能に連結してよい。
図1に示す駆動装置4は、第1モータ2から出力された駆動トルクを、前輪5R,5Lに伝達することができるように、出力軸13または入力軸14を固定可能に構成された、ワンウェイクラッチFを備えている。そのワンウェイクラッチFは、出力軸13や入力軸14が、エンジン1の駆動時に回転する方向とは逆方向に回転することを禁止するように構成されている。
したがって、第1モータ2が駆動トルクを出力してワンウェイクラッチFが係合状態になることにより、第1モータ2の駆動トルクに対する反力トルクをワンウェイクラッチFが受け持ち、その結果、第1モータ2からリングギヤ16に第1モータ2の駆動トルクが伝達される。すなわち、ワンウェイクラッチFにより出力軸13または入力軸14を固定することで、分割部7におけるキャリヤ12や、変速部8におけるキャリヤ18を反力要素として機能させ、分割部7におけるサンギヤ9を入力要素として機能させることができるように構成されている。
なお、ワンウェイクラッチFは、第1モータ2が駆動トルクを出力した場合に、反力トルクを発生させるためのものであり、したがって、摩擦式のブレーキ機構によって出力軸13または入力軸14の回転を規制するトルクを発生させてもよい。その場合、出力軸13または入力軸14を完全に固定する構成に限らず、相対回転を許容しつつ、要求される反力トルクを出力軸13または入力軸14に作用させるように構成してもよい。
上記のエンジン1、各モータ2,3、および各クラッチ機構CL_Lo,CL_Hiを制御するための電子制御装置(ECU)27が設けられている。このECU27は、この発明の実施形態における「コントローラ」に相当するものであり、マイクロコンピュータを主体にして構成されている。図2は、ECU27の構成の一例を説明するためのブロック図である。図2に示す例では、HV-ECU28、MG-ECU29、エンジンECU30、およびクラッチECU31によりECU27が構成されている。
HV-ECU28は、車両Veに搭載された種々のセンサからデータが入力され、その入力されたデータと、予め記憶されているマップや演算式などとに基づいて、MG-ECU29、エンジンECU30、およびクラッチECU31に指令信号を出力するように構成されている。HV-ECU28に入力されるデータの一例を図2に示してあり、車速、アクセル開度、第1モータ(MG1)2の回転数、第2モータ(MG2)3の回転数、エンジン1の出力軸13の回転数(エンジン回転数)、変速部8におけるリングギヤ16またはカウンタシャフト20の回転数である出力回転数、Loクラッチ機構CL_Loを構成するピストンなどの可動部材のストローク量、Hiクラッチ機構CL_Hiを構成するピストンなどの可動部材のストローク量、第1モータ2の温度、第2モータ3の温度、蓄電装置Bの充電残量(以下、SOCと記す)、蓄電装置Bの温度、ギヤトレーン部などを潤滑するためのオイル(ATF)の温度などのデータが、HV-ECU28に入力される。
そして、HV-ECU28に入力されたデータなどに基づいて第1モータ2の出力トルク、および第2モータ3の出力トルクを求めて、それらの求められたデータを指令信号としてMG-ECU29に出力する。同様に、HV-ECU28に入力されたデータなどに基づいてエンジン1の出力トルクを求めて、その求められたデータを指令信号としてエンジンECU30に出力する。さらに、HV-ECU28に入力されたデータなどに基づいてLoクラッチ機構CL_LoおよびHiクラッチ機構CL_Hiを係合させるか解放させるかを判断して、その判断された係合状態または解放状態の指令信号をクラッチECU31に出力する。なお、Loクラッチ機構CL_LoやHiクラッチ機構CL_Hiが摩擦式のクラッチ機構である場合には、係合状態と解放状態との情報に加えて、伝達するべきトルク容量の情報がHV-ECU28からクラッチECU31に出力される。
MG-ECU29は、上記のようにHV-ECU28から入力されたデータに基づいて各モータ2,3に通電するべき電流値を求めて、各モータ2,3に指令信号を出力する。各モータ2,3は、交流モータであるから、上記の指令信号は、インバータで生成するべき電流の周波数や、コンバータで昇圧するべき電圧値などが含まれる。
エンジンECU30は、上記のようにHV-ECU28から入力されたデータに基づいて電子スロットルバルブの開度を定めるための電流、点火装置で混合気を着火するための電流、EGR(Exhaust Gas Recirculation)バルブの開度を定めるための電流、吸気バルブや排気バルブの開度を定めるための電流値などを求め、それぞれのバルブや装置に指令信号を出力する。すなわち、エンジンECU30は、エンジントルクを制御するための指示信号を、エンジン1の出力トルクを制御する各装置に出力する。
クラッチECU31は、上記のようにHV-ECU28から入力された各クラッチ機構CL_Lo,CL_Hiの係合状態と解放状態との信号に基づいて、それらの係合状態と解放状態とを成立させるための図示しないアクチュエータの制御量を求め、その制御量となるようにアクチュエータに指令信号を出力する。なお、ECU27は、全ての制御を統合して行う単一のものに限らず、エンジン1、各モータ2,3、および各クラッチ機構CL_Lo,CL_Hi毎にそれぞれ設けられていてもよい。
上記の駆動装置4は、エンジン1と前輪5L,5Rとがトルクを伝達して走行するHV走行モードと、エンジン1から駆動トルクを出力することなく、第1モータ2や第2モータ3から駆動トルクを出力して走行するEV走行モードとを設定することが可能である。さらに、HV走行モードは、エンジン1から変速部8のリングギヤ16(または出力ギヤ19)に伝達されるトルクが相対的に大きいHV-Loモードと、そのトルクが相対的に小さいHV-Hiモードと、エンジン1のトルクを変化させずにそのまま変速部8のリングギヤ16に伝達する直結モード(固定段モード)とを設定することができる。
またさらに、EV走行モードは、第1モータ2および第2モータ3から前輪5L,5Rにトルクを伝達して走行するデュアルモードと、第1モータ2からトルクを出力せずに第2モータ3のみからトルクを出力するシングルモードとを設定することが可能である。更にデュアルモードは、第1モータ2のトルクを増幅させる増幅率が比較的大きいEV-Loモードと、第1モータ2のトルクを増幅させる増幅率がEV-Loモードより小さいEV-Hiモードとを設定することが可能である。
図3ないし図6には、HV-Hiモード、HV-Loモード、直結モード、および切り離しモードを設定して駆動走行した場合における動力分割機構6の各回転要素の回転数、エンジン1、各モータ2,3のトルクの向き、および各クラッチ機構CL_Lo,CL_Hiの係合の有無を説明するための共線図を示してある。共線図は、動力分割機構6における各回転要素を示す直線をギヤ比の間隔をあけて互いに平行に引き、これらの直線に直交する基線からの距離をそれぞれの回転要素の回転数として示す図であり、それぞれの回転要素を示す直線にトルクの向きを矢印で示すとともに、その大きさを矢印の長さで示している。
図3に示すようにHV-Hiモードは、Hiクラッチ機構CL_Hiを係合することによって設定され、駆動走行時には、エンジン1から駆動トルクを出力するとともに、その駆動トルクに応じた反力トルクを第1モータ2から出力する。また、図4に示すようにHV-Loモードは、Loクラッチ機構CL_Loを係合することによって設定され、駆動走行時には、エンジン1から駆動トルクを出力するとともに、その駆動トルクに応じた反力トルクを第1モータ2から出力する。
上記のようにエンジン1から駆動トルクを出力し、その駆動トルクに応じた反力トルクを第1モータ2から出力した場合にリングギヤ16に伝達されるトルクの大きさは、HV-Hiモードを設定した場合とHV-Loモードを設定した場合とで異なる。具体的には、エンジン1の出力トルクをTeとすると、HV-Loモードを設定した場合に、リングギヤ16に伝達されるトルクの大きさは、(1/(1ーρ1・ρ2))Teとなり、HV-Hiモードを設定した場合に、リングギヤ16に伝達されるトルクの大きさは、(1/(1+ρ1))Teとなる。ここで、「ρ1」は分割部7のギヤ比(リングギヤ10の歯数とサンギヤ9の歯数との比率)であり、「ρ2」は変速部8のギヤ比(リングギヤ16の歯数とサンギヤ15の歯数との比率)である。なお、ρ1およびρ2は、「1」よりも小さい値である。
すなわち、HV-Loモードを設定した場合の方が、HV-Hiモードを設定した場合よりも、エンジン1の駆動トルクに対するリングギヤ16(または前輪5R,5L)に伝達されるトルクの比であるトルクの分割率(増幅率)が大きい。なお、上記第1クラッチ機構CL1が、この発明の実施形態における「第1係合機構」に相当し、第2クラッチ機構CL2が、この発明の実施形態における「第2係合機構」に相当する。
そして、上記の反力トルクよりも大きなトルクを第1モータ2から出力すると、その余剰分のトルクがエンジン回転数を低下させるように作用し、それとは反対に上記の反力トルクよりも小さなトルクを第1モータ2から出力すると、エンジントルクの一部が、エンジン回転数を増大させるように作用する。すなわち、第1モータ2のトルクを制御することによりエンジン回転数を制御することができる。言い換えると、エンジン回転数が目標回転数となるように第1モータ2のトルクが制御される。
上記のように第1モータ2から反力トルクを出力することにより、第1モータ2が発電機として機能する場合には、エンジン1の動力の一部が第1モータ2により電気エネルギーに変換される。そして、エンジン1の動力から第1モータ2により電気エネルギーに変換された動力分を除いた動力が変速部8におけるリングギヤ16に伝達される。そして、リングギヤ16から前輪5R,5Lに伝達されるトルクが、要求駆動力を出力するために前輪5R,5Lに伝達するべきトルクよりも小さい場合には、第2モータ3からその不足分のトルクを出力する。すなわち、第2モータ3は、要求駆動力を充足するためのアシストトルクを出力する。なお、第1モータ2により変換された電力は、第2モータ3を駆動するために第2モータ3に供給してもよく、蓄電装置BのSOCを増加させるために蓄電装置Bに供給してもよい。
直結モードは、各クラッチ機構CL_Lo,CL_Hiを係合することによって設定され、図5に示すように動力分割機構6における各回転要素が同一回転数で回転する。言い換えると、エンジン1と第1モータ2と出力部材(出力ギヤ19)とが差動回転することを制限し、エンジン1と前輪5R,5Lとの回転数比が一定となる。したがって、エンジン1の動力の全てが動力分割機構6から出力される。そのため、エンジン1の動力の一部が、第1モータ2や第2モータ3により電気エネルギーに変換されることがなく、電気エネルギーに変換する際に生じるジュール損などを要因とした損失を抑制でき、動力の伝達効率を向上させることができる。
切り離しモードは、各クラッチ機構CL_Lo,CL_Hiを解放することによって設定され、動力分割機構6を介したエンジン1と前輪5R,5Lとのトルクの伝達が遮断される。したがって、切り離しモードでは、図6に示すようにエンジン1および第1モータ2を停止させることができる。すなわち、分割部7を構成する各回転要素、および変速部8におけるサンギヤ15が停止するとともに、リングギヤ16が車速に応じた回転数で回転し、キャリヤ18が、変速部8のギヤ比とリングギヤ16の回転数とに応じた回転数で回転する。
また、上述した各走行モードを設定して制動走行する場合には、通常、第2モータ3を発電機として機能させることにより、第2モータ3で生じる制動トルクを前輪5R,5Lに伝達する。一方、蓄電装置BのSOCが、予め定められた所定値まで増加している場合や蓄電装置Bや第2モータ3の温度が予め定められた上限温度まで増加している場合などには、蓄電装置Bや第2モータ3の耐久性が低下することを抑制するために第2モータ3から制動トルクを出力した制動走行を行うことができない。そのような場合には、エンジン1のフリクショントルクやポンピングロスなどによる制動トルクを前輪5R,5Lに伝達して、すなわち、エンジンブレーキによって制動走行する。
図7および図8には、HV-HiモードおよびHV-Loモードを設定している状態で、エンジンブレーキを前輪5R,5Lに作用させて制動走行した場合の動力分割機構6の各回転要素の回転数、エンジン1、各モータ2,3のトルクの向き、および各クラッチ機構CL_Lo,CL_Hiの係合の有無を説明するための共線図を示してある。
図7および図8に示すようにHV-HiモードやHV-Loモードを設定してエンジンブレーキを発生させるためには、エンジン1への燃料の供給を停止し、またスロットル開度を小さくする。そして、エンジン1の制動トルクを前輪5R,5Lに伝達するために、第1モータ2は、エンジン1の制動トルクに相当する大きさの反力トルクを出力する。具体的には、HV-Hiモードを設定している場合には、エンジン1と同一の回転方向の回転数が増加するように第1モータ2からトルクを出力する。すなわち、第1モータ2がエンジン1と同一方向に回転している場合には、第1モータ2をモータとして機能させて、その回転数を増加させ、エンジン1とは反対方向に回転している場合には、第1モータ2を発電機として機能させて、その回転数を減少させるようにトルクを出力する。
また、HV-Loモードを設定している場合には、第1モータ2をエンジン1とは反対方向の回転数が増加するように第1モータ2からトルクを出力する。すなわち、第1モータ2がエンジン1と同一方向に回転している場合には、第1モータ2を発電機として機能させて、その回転数を減少させ、エンジン1とは反対方向に回転している場合には、第1モータ2をモータとして機能させて、その回転数を増加させるようにトルクを出力する。
上記のエンジン1の制動トルクは、エンジン1の回転数が高回転数になるに連れて大きくなる。したがって、エンジン1の回転数が低回転数の場合には、エンジン1の制動トルクに応じた反力トルク以上のトルクを第1モータ2から出力することにより、制動トルクを前輪5R,5Lに伝達しつつ、エンジン回転数を高回転数に向けて吹き上げることができる。
上記のHV-HiモードとHV-Loモードとの切り替えは、Loクラッチ機構CL_Loを係合した後に、Hiクラッチ機構CL_Hiを解放させることにより行うことができ、またはHiクラッチ機構CL_Hiを解放させた後に、Loクラッチ機構CL_Loを係合させることにより行うことができる。すなわち、直結モードと切り離しモードとのいずれかを介してHV-HiモードとHV-Loモードとの切り替えを行うことができる。
直結モードを介してHV-HiモードとHV-Loモードとの切り替えを行う場合には、直結モードを設定している時点であっても、エンジン1の制動トルクを前輪5R,5Lに伝達することができるのに対して、切り離しモードを介してHV-HiモードとHV-Loモードとの切り替えを行う場合には、切り離しモードを設定している時点では、エンジン1の制動トルクを前輪5R,5Lに伝達することができない。そのため、通常、直結モードを介してHV-HiモードとHV-Loモードとの切り替えが行われる。
HV-Hiモードから直結モードへの切り替えは、エンジン回転数が低回転数の場合には、第1モータ2をモータとして機能させてエンジン回転数を増加させ、その後、Loクラッチ機構CL_Loを係合させる。また、エンジン回転数が高回転数の場合には、第1モータ2を発電機として機能させてエンジン回転数を減少させ、その後、Loクラッチ機構CL_Loを係合させる。このように第1モータ2によってエンジン回転数を変更することによって、迅速に走行モードの切り替えが行われる。
一方、上述したように第2モータ3から制動トルクを出力できない場合にエンジンブレーキを作用させるため、蓄電装置BのSOCが所定値まで増加していることを要因として、第2モータ3から制動トルクを出力できない場合には、第1モータ2を発電機として機能させることもできない。すなわち、第1モータ2を発電機として機能させてエンジン回転数を減少させることができない。その結果、HV-Hiモードを設定してエンジンブレーキを増加させるためにエンジン回転数を高回転数まで引き上げている状態では、第1モータ2を制御して直結モードに切り替えることができない。すなわち、第1モータ2の反力トルクを低下させてエンジン回転数が低下させることにより、直結モードに切り替えることになり、走行モードの切り替えを迅速に行うことや、あるいは走行モードの切り替えを行うことができなくなる可能性がある。
そのため、この発明の実施形態における駆動力制御装置は、エンジンブレーキによって制動走行する場合に、エンジン回転数が高回転数に増加する以前にHV-Loモードに切り替えるように構成されている。その制御の一例を説明するためのフローチャートを図9に示してある。
図9に示す制御例は、HV-Hiモードが設定され、かつ蓄電装置BのSOCが所定値まで増加している状態で、例えばアクセルペダルが踏み戻されて駆動力源から前輪5R,5Lに制動トルクを作用させる要求がある場合に繰り返し実行される。図9に示す制御例では、まず、エンジンブレーキを前輪5R,5Lに作用させるために、エンジン回転数の吹き上げを開始する(ステップS1)。このステップS1は、HV-Hiモードを設定して駆動走行している場合には、通常、エンジン回転数が低回転数に維持され、また、第2モータ3から制動トルクを出力して制動走行している場合には、駆動走行時と同程度のエンジン回転数に維持されているためである。なお、エンジン回転数がHV-Loモードに切り替えるエンジン回転数以上の場合には、特にエンジン回転数を吹き上げることなく、このステップS1をスキップしてもよい。
ついで、HV-Hiモードから直結モードへの切り替えるための目標エンジン回転数の範囲を算出する。具体的には、まず、エンジン1の下限回転数Neloを算出する(ステップS2)。このエンジン1の下限回転数Neloは、エンジン1の回転数を増加させるとした場合に、第1モータ2がモータとして機能する回転数である。具体的には、以下の式(1)によって求めることができる。なお、式(1)におけるNrは、リングギヤ16の回転数である。
Nelo=Nr/(1+ρ1) …(1)
続いて、エンジン1の上限回転数Nehiを算出する(ステップS3)。このエンジン1の上限回転数Nehiは、直結モードを設定した場合の回転数である。したがって、エンジン1の上限回転数Nehiは、以下の式(2)となる。
Nehi=Nr …(2)
すなわち、ステップS2およびステップS3では、Loクラッチ機構CL_Loの入力回転数と出力回転数の差、つまり、キャリヤ12とキャリヤ18との回転数の差を所定差に低下させる場合に、第1モータ2がモータとして機能する回転数の範囲を、目標エンジン回転数の所定範囲として算出する。
そして、現時点でのエンジン回転数Neが、上限回転数Nehi未満であるか否かを判断する(ステップS4)。このステップS4は、エンジン1のクランク軸の回転数(入力軸の回転数)を検出することによって判断することができる。
エンジン回転数Neが上限回転数Nehi以上であることによりステップS4で否定的に判断された場合は、Loクラッチ機構CL_Loの入力回転数と出力回転数の差を所定差に低下させるためには、第1モータ2を発電機として機能させることになる。しかしながら、上述したように蓄電装置BのSOCが所定値まで増加している場合には、第1モータ2を発電機として機能させることができない。そのため、このルーチンを一旦終了する。すなわち、HV-Hiモードを維持したままエンジン回転数Neを増加させるなどによってエンジンブレーキを前輪5R,5Lに作用させて制動走行を行う。
それとは反対に、エンジン回転数Neが上限回転数Nehi未満であることによりステップS4で肯定的に判断された場合は、エンジン回転数制御を行う(ステップS5)。このエンジン回転数制御は、エンジン1への燃料の供給量やスロットル開度を制御するなどによって、エンジン1で発生するトルクのみによってエンジン回転数Neを下限回転数Neloと上限回転数Nehiとの間の回転数に維持する制御である。すなわち、第1モータ2はトルクを出力しない。したがって、例えば、エンジン回転数Neが下限回転数NeLo未満である場合には、エンジン1から駆動トルクを発生させることによって、エンジン回転数Neを増加させる。
ついで、エンジン回転数Neが下限回転数Neloと上限回転数Nehiとの間の回転数であるか否かを判断し(ステップS6)、エンジン回転数Neが下限回転数Nelo以下、または上限回転数Nehi以上であることによりステップS6で否定的に判断された場合には、ステップS4にリターンする。
それとは反対に、エンジン回転数Neが下限回転数Neloと上限回転数Nehiとの間の回転数であることによりステップS6で肯定的に判断された場合は、HV-HiモードからHV-Loモードへの切り替え制御を実行して(ステップS7)、このルーチンを一旦終了する。すなわち、第1モータ2を力行制御することによってエンジン回転数Neを引き上げて、Loクラッチ機構CL_Loの入力回転数と出力回転数との差を所定差まで低下させ、その後、Loクラッチ機構CL_Loを係合する。ついで、Hiクラッチ機構CL_Hiを解放してHV-Loモードに切り替える。そのようにHV-Loモードに切り替えた後に、要求される制動力に応じたエンジンブレーキ力が発生するエンジン回転数Neとなるように、第1モータ2を制御する。
上述したようにHV-Hiモードを設定した制動走行時に、蓄電装置BのSOCが所定値まで増加した場合であっても、HV-HiモードからHV-Loモードへの切り替えが可能となり、またはそのような走行モードの切り替えを迅速に行うことができる。その結果、再発進時や再加速時に充分な駆動力を得ることができる。
なお、この発明の実施形態におけるハイブリッド車両は、上述した構成に限らず、例えば、エンジンと駆動輪とが一方の差動機構に連結され、第1モータが他方の差動機構に連結されていてもよく、あるいは第1モータと駆動輪とが一方の差動機構に連結され、エンジンが他方の差動機構に連結されていてもよい。また、第2モータは、エンジンからトルクが伝達される駆動輪に限らず、他の駆動輪(例えば、後輪)にトルクを伝達するように連結されていてもよい。
1 エンジン
2,3 モータ
4 駆動装置
5R,5L 前輪(駆動輪)
6 動力分割機構
7 分割部
8 変速部
9,15 サンギヤ
10,16,24 リングギヤ
12,18 キャリヤ
19 出力ギヤ
27 電子制御装置(ECU)
B 蓄電装置
CL_Lo,CL_Hi クラッチ機構
Ve 車両

Claims (3)

  1. エンジンが連結された回転要素と、第1モータが連結された回転要素と、駆動輪が連結された回転要素とのうちの二つの回転要素である第1回転要素および第2回転要素と、第3回転要素との三つの回転要素が差動作用を行うように構成された第1差動機構と、
    前記エンジンが連結された回転要素と、前記第1モータが連結された回転要素と、前記駆動輪が連結された回転要素とのうちの他の回転要素である第4回転要素と、前記第3回転要素に連結された第5回転要素と、第6回転要素との三つの回転要素が差動作用を行うように構成された第2差動機構と、
    前記第1回転要素と前記第2回転要素とのいずれか一方の回転要素と、前記第6回転要素とを選択的に連結する第1係合機構と、
    前記第4回転要素と前記第5回転要素と前記第6回転要素とのいずれか一対の回転要素を選択的に連結する第2係合機構と、
    前記駆動輪または前記駆動輪とは異なる他の駆動輪に連結された第2モータと、
    前記第1モータおよび前記第2モータとの間で電力の授受を行う蓄電装置とを備え、
    前記第1係合機構を係合しかつ前記第2係合機構を解放することにより設定されかつ前記エンジンと前記駆動輪との間で伝達されるトルクが相対的に大きいローモードと、前記第1係合機構を解放しかつ前記第2係合機構を係合することにより設定されかつ前記エンジンと前記駆動輪との間で伝達されるトルクが相対的に小さいハイモードを設定することように構成されたハイブリッド車両の駆動力制御装置において、
    前記エンジン、前記第1モータ、前記第2モータ、前記第1係合機構、および前記第2係合機構を制御するコントローラを備え、
    前記コントローラは、
    前記ハイモードが設定され、かつ前記蓄電装置の充電残量が所定残量以上であって前記第2モータから出力する制動トルクが制限されて制動走行する場合に、前記第1モータを力行制御することによって前記エンジンの回転数を増加させることができる回転数の予め定められた所定範囲に前記エンジンの回転数を制御し、
    前記エンジンの回転数が前記所定範囲である状態でローモードへの切り替えを開始する
    ことを特徴とするハイブリッド車両の駆動力制御装置。
  2. 請求項1に記載のハイブリッド車両の駆動力制御装置において、
    前記ハイブリッド車両は、前記第1係合機構と前記第2係合機構とを係合することにより前記エンジンと前記駆動輪との回転数比が一定となる固定段モードを設定するように構成され、
    前記コントローラは、
    前記ハイモードから前記固定段モードを介して前記ローモードに切り替える
    ことを特徴とするハイブリッド車両の駆動力制御装置。
  3. 請求項1または2に記載のハイブリッド車両の駆動力制御装置において、
    前記ハイモードおよび前記ローモードは、前記第1モータを力行制御して前記エンジンを連れ回すことにより、前記エンジンを連れ回すことによる制動トルクを前記駆動輪に伝達するように構成されている
    ことを特徴とするハイブリッド車両の駆動力制御装置。
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