JP2023078982A - 鞍乗り型車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】衝突を軽減する鞍乗り型車両を提供する。
【解決手段】操舵輪(13)に舵角を発生させる鞍乗り型車両であって、前記操舵輪(13)を支持する懸架装置(31)に操舵方向のトルクを付与するステアリングアクチュエーター(30)と、前記ステアリングアクチュエーター(30)を制御するアクチュエーター制御部(46)と、車両(10)の前面(F)から障害物に衝突したか否かを判定する衝突判定部(40)とを備え、前記アクチュエーター制御部(46)は、前記車両(10)の前記前面(F)から前記障害物に衝突した場合、前記ステアリングアクチュエーター(30)を制御して、前記操舵輪(13)が前記車両の前方(FR)に向いた姿勢で固定されるように懸架装置(31)に固定トルクを付与することを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】操舵輪(13)に舵角を発生させる鞍乗り型車両であって、前記操舵輪(13)を支持する懸架装置(31)に操舵方向のトルクを付与するステアリングアクチュエーター(30)と、前記ステアリングアクチュエーター(30)を制御するアクチュエーター制御部(46)と、車両(10)の前面(F)から障害物に衝突したか否かを判定する衝突判定部(40)とを備え、前記アクチュエーター制御部(46)は、前記車両(10)の前記前面(F)から前記障害物に衝突した場合、前記ステアリングアクチュエーター(30)を制御して、前記操舵輪(13)が前記車両の前方(FR)に向いた姿勢で固定されるように懸架装置(31)に固定トルクを付与することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、鞍乗り型車両に関する。
従来、車両の姿勢を制御する操舵アシスト装置が知られている。例えば特許文献1には、タイヤがスリップしやすい状況でも車両の安定化の効果を高めることができる鞍乗り型車両の操舵アシスト装置が記載されている。
しかし、特許文献1には、鞍乗り型車両が前方の障害物に前面から衝突した場合、操舵アシスト装置で操舵輪を制御することにより衝突を軽減させる技術については、開示が無い。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、衝突を軽減できる鞍乗り型車両を提供することを目的とする。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、衝突を軽減できる鞍乗り型車両を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、操舵輪に舵角を発生させる鞍乗り型車両であって、前記操舵輪を支持する懸架装置に操舵方向のトルクを付与するステアリングアクチュエーターと、前記ステアリングアクチュエーターを制御するアクチュエーター制御部と、車両の前面から障害物に衝突したか否かを判定する衝突判定部とを備え、前記アクチュエーター制御部は、前記車両の前記前面から前記障害物に衝突したと前記衝突判定部が判定した場合、前記ステアリングアクチュエーターを制御して、前記操舵輪が前記車両の前方に向いた姿勢で固定されるように懸架装置に固定トルクを付与することを特徴とする。
本発明の一態様によれば、鞍乗り型車両が前面から衝突した場合に乗員をより適切に保護できる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、説明中、前後左右および上下といった方向の記載は、特に記載がなければ車両に対する方向と同一とする。また、各図に示す符号FRは車両前方を示し、符号UPは車両上方を示し、符号LHは車両左方を示す。
[実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態に係る鞍乗り型車両10の側面図である。
鞍乗り型車両10は、車両フレーム11と、車両フレーム11に支持されるパワーユニット12と、前輪13を操舵自在に支持するフロントフォーク14と、後輪15を支持するスイングアーム16と、乗員用のシート17とを備える車両である。
鞍乗り型車両10は、乗員がシート17に跨るようにして着座する車両である。シート17は、車両フレーム11の後部の上方に設けられる。
図1は、本発明の実施の形態に係る鞍乗り型車両10の側面図である。
鞍乗り型車両10は、車両フレーム11と、車両フレーム11に支持されるパワーユニット12と、前輪13を操舵自在に支持するフロントフォーク14と、後輪15を支持するスイングアーム16と、乗員用のシート17とを備える車両である。
鞍乗り型車両10は、乗員がシート17に跨るようにして着座する車両である。シート17は、車両フレーム11の後部の上方に設けられる。
車両フレーム11は、車両フレーム11の前端部に設けられるヘッドパイプ18と、ヘッドパイプ18の後方に位置するフロントフレーム19と、フロントフレーム19の後方に位置するリアフレーム20とを備える。フロントフレーム19の前端部は、ヘッドパイプ18に接続される。
シート17は、リアフレーム20に支持される。
シート17は、リアフレーム20に支持される。
フロントフォーク14は、ヘッドパイプ18によって左右に操舵自在に支持される。前輪13は、フロントフォーク14の下端部に設けられる車軸13aに支持される。乗員が把持する操舵用のハンドル21は、フロントフォーク14の上端部に取り付けられる。
スイングアーム16は、車両フレーム11に支持されるピボット軸22に支持される。ピボット軸22は、車幅方向に水平に延びる軸である。スイングアーム16の前端部には、ピボット軸22が挿通される。スイングアーム16は、ピボット軸22を中心に上下に揺動する。
後輪15は、スイングアーム16の後端部に設けられる車軸15aに支持される。
後輪15は、スイングアーム16の後端部に設けられる車軸15aに支持される。
パワーユニット12は、前輪13と後輪15との間に配置され、車両フレーム11に支持される。
パワーユニット12は、内燃機関である。パワーユニット12は、クランクケース23と、往復運動するピストンを収容するシリンダー部24とを備える。シリンダー部24の排気ポートには、排気装置25が接続される。
パワーユニット12の出力は、パワーユニット12と後輪15とを接続する駆動力伝達部材によって後輪15に伝達される。
パワーユニット12は、内燃機関である。パワーユニット12は、クランクケース23と、往復運動するピストンを収容するシリンダー部24とを備える。シリンダー部24の排気ポートには、排気装置25が接続される。
パワーユニット12の出力は、パワーユニット12と後輪15とを接続する駆動力伝達部材によって後輪15に伝達される。
また、鞍乗り型車両10は、前輪13を上方から覆うフロントフェンダー26と、後輪15を上方から覆うリアフェンダー27と、乗員が足を載せるステップ28と、パワーユニット12が使用する燃料を蓄える燃料タンク29とを備える。
フロントフェンダー26は、フロントフォーク14に取り付けられる。リアフェンダー27及びステップ28は、シート17よりも下方に設けられる。燃料タンク29は、車両フレーム11に支持される。
フロントフェンダー26は、フロントフォーク14に取り付けられる。リアフェンダー27及びステップ28は、シート17よりも下方に設けられる。燃料タンク29は、車両フレーム11に支持される。
鞍乗り型車両10の前面Fには、車両の対地速度を検出する検出部として対地速度センサー36が設けられる。対地速度センサー36はミリ波レーダーを利用してよい。対地速度センサー36は車両の前方のヘッドライト近傍に設けられ、車両の斜め前方にミリ波電波Mを照射し、反射波を受信することで鞍乗り型車両10の対地速度を検出する。
なお対地速度を検出する方法としては、例えばマイクロ波やレーザー光で検出する方法等であってもよい。
なお対地速度を検出する方法としては、例えばマイクロ波やレーザー光で検出する方法等であってもよい。
鞍乗り型車両10は、車両の挙動情報を検知する検知部32を備える。車両の挙動情報は、鞍乗り型車両10のロール角、ヨー角、及びピッチ角、並びに加速度と角速度等を含む。検知部32は、車両の前後方向の加速度成分と、車両の左右方向の加速度成分をそれぞれ検出する加速度検出部41と、ロール角を検出するロール角検出部43を有する。
検知部32は、例えば、互いに直行する複数の方向についての並進運動および回転運動を検知する慣性計測装置(IMU:Inertial Measurement Unit)である。
検知部32は、例えば、互いに直行する複数の方向についての並進運動および回転運動を検知する慣性計測装置(IMU:Inertial Measurement Unit)である。
シート17の下方には、対地速度の測定を含む処理をおこなう制御装置34が設けられる。制御装置34は、例えばECU(Electronic Control Unit)である。制御装置34は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)などを備え、各種制御を実行する。CPUは、中央演算処理装置であり、各種プログラムを実行することで様々な機能を実現する。RAMはCPUの作業領域、記憶領域として使用され、ROMはCPUで実行されるオペレーティングシステムやプログラムを記憶する。
図2は、本実施形態に係る鞍乗り型車両10における制御システム1の構成を示すブロック図である。制御装置34は、CPUと他の装置との間でデータの受け渡しを行うインターフェース回路を含むデータ送受信部42と、データを記憶する記憶部44を有する。記憶部44が備える記憶装置は、たとえばSSD(Solid State Device)であってよい。
衝突判定部40は、車両10が前面Fで衝突した状態かどうかを判定する。CPUは、記憶部44に記憶されたプログラムを実行することで、衝突判定部40の機能を実現する。衝突判定部40は、車両10が前面Fで衝突した場合に変位する物理量を検知部32が検出したとき、当該車両10が前面Fで衝突したと判定する。判定処理の詳細については後述する。
また、CPUは、記憶部44に記憶されたプログラムを実行することで、操舵輪である前輪13を支持する懸架装置31に操舵方向のトルクを付与するステアリングアクチュエーター30の制御をおこなうアクチュエーター制御部46の機能を実現する。
また、CPUは、記憶部44に記憶されたプログラムを実行することで、操舵輪である前輪13を支持する懸架装置31に操舵方向のトルクを付与するステアリングアクチュエーター30の制御をおこなうアクチュエーター制御部46の機能を実現する。
制御装置34は、車両10の対地速度を検出する対地速度検出部である対地速度センサー36、ステアリングアクチュエーター30、車両10の挙動情報を検知する検知部32、及び乗員Uがハンドル21を通じて懸架装置31に入力する操舵トルクの大きさを検知する操舵トルク検出部38に、データ送受信部42を介して接続される。
図3は、本実施の形態に係る鞍乗り型車両10における制御システム1のステアリング制御に係るフローチャートである。
鞍乗り型車両10は、車両10をロール方向に揺動させて操舵輪である前輪13に舵角を発生させる。車両10は、前輪13を支持する懸架装置31に操舵方向のトルクを付与するステアリングアクチュエーター30と、ステアリングアクチュエーター30を制御するアクチュエーター制御部46と、車両の前面Fで衝突が発生したか否かを判定する衝突判定部40とを備える。衝突判定部40が、車両の前面Fで衝突が発生したと判定した場合、アクチュエーター制御部46はステアリングアクチュエーター30を制御して、車両の前方FRに向けて前輪13が固定されるように固定トルクを付与する。
まず制御システム1は、対地速度センサー36により対地速度の検出をおこなう。制御システム1は、IMU(検知部)32によって車両の挙動情報の検知をおこなう(ステップSA1)。対地速度の情報、及びIMU32で検知された車両の挙動情報は、データ送受信部42を介して制御装置34に受信される。制御装置34の衝突判定部40は、予め設定されて記憶部44に記憶されていた第1閾値と、検出された対地速度を比較して、対地速度の値が第1閾値より大きいかどうかを判定する(ステップSA2)。例えば、第1閾値は40km/hである。直立状態で前面Fから鞍乗り型車両10が衝突対象に衝突した場合、衝突時に制御装置34が、前輪13を車両の前方FR向きに固定する制御をおこなうと、乗員と衝突対象との間に隙間ができやすくなり、衝突を軽減させる。しかし低速の場合、例えば時速5km/hの場合、衝突によって生じる衝撃は比較的小さいので、制御システム1は乗員の転舵操作を妨げないことが好ましい。
対地速度が、設定された第1閾値以下の場合(ステップSA1:NO)、制御システム1の処理は、ステップSA1に戻る。
換言すれば、アクチュエーター制御部46は、対地速度に基づいて、操舵輪13の舵角を固定する固定トルクを付与しない制御をおこなう。
換言すれば、アクチュエーター制御部46は、対地速度に基づいて、操舵輪13の舵角を固定する固定トルクを付与しない制御をおこなう。
対地速度の値が第1閾値より大きい場合(ステップSA2:YES)、衝突判定部40は、IMU32が有するロール角検出部43によって検知されたロール角と、予め設定されて記憶部44に記憶されていた第2閾値とを比較してロール角が第2閾値より小さいかどうかを判定する(ステップSA3)。例えば、第2閾値は10度である。ここで、ロール角とは、車両の姿勢角であり、鞍乗り型車両10の前後方向と平行で、車両の重心を通る直線を中心軸として回転する角度である。検知されたロール角が第2閾値より小さい場合(ステップSA3:YES)、衝突判定部40は、鞍乗り型車両10が直立して前方に走行していると判定する。具体的には、ロール角が大きい場合、例えばロール角が45度で旋回中に衝突した場合、衝突時に制御システム1がアクチュエーター制御部46によって前輪13を、ハンドルを切らない角度、すなわち中央位置に固定しようと制御すると、車両がどのような挙動をするか予想し難い。このため衝突時に制御装置34が前輪13を固定する制御をおこなわないことが好ましい。
ロール角が、設定された第2閾値以上の場合(ステップSA3:NO)、制御システム1の処理は、ステップSA1に戻る。
換言すればアクチュエーター制御部46は、ロール角に基づいて、操舵輪13の舵角を固定する固定トルクを付与しない制御をおこなう。
換言すればアクチュエーター制御部46は、ロール角に基づいて、操舵輪13の舵角を固定する固定トルクを付与しない制御をおこなう。
検知されたロール角が第2閾値より小さい場合(ステップSA3:YES)、衝突判定部40は、操舵トルク検出部38が検出した操舵トルクの大きさと、予め設定されて記憶部44に記憶されていた第3閾値とを比較して転舵トルクが第3閾値より小さいかどうかを判定する(ステップSA4)。例えば第3閾値は、10Nmである。乗員Uによる操舵トルクが大きい場合、例えば操舵トルクが10Nm以上の場合、乗員Uが意識的に転舵したと考えられる。したがってその場合には、制御装置34がその転舵操作を妨げないことが好ましい。
転舵トルクが、第3閾値以上の場合(ステップSA4:NO)、制御システム1の処理は、ステップSA1に戻る。
換言すれば、アクチュエーター制御部46は、車両10の乗員Uによる懸架装置31への操舵トルクの大きさに基づいて、操舵輪13の舵角を固定する固定トルクを付与しない制御をおこなう。
転舵トルクの大きさが、第3閾値より小さい場合(ステップSA4:YES)、制御装置34は、IMU32が検知した車両の挙動情報のうち、車両の前後方向加速度を取得する。衝突判定部40は、取得された前後方向加速度と、予め設定されて記憶部44に記憶された第4閾値とを比較して前後方向加速度が第4閾値より小さいかどうかを判定する。例えば第4閾値は-1.5Gである。具体的には、車両の速度が加速される場合の前後方向加速度をプラス、車両の速度が減速される場合の前後方向加速度をマイナスで表すとき、-1.5Gより小さい前後方向加速度になるということは、車両の前面Fで衝突が生じていると考えられる。したがって、この判定により、鞍乗り型車両10の車両の前面Fで衝突が生じているかどうかが判定できる。
換言すれば、前記衝突判定部40は車両10の走行時における車両10の前後方向、及び左右方向のそれぞれの加速度に基づいて、車両10の前面Fから障害物に衝突したか否かを判定する。
前後方向加速度が-1.5G以上の場合(ステップSA5:NO)、制御システム1の処理は、ステップSA1に戻る。
前後方向加速度と、予め設定されて記憶部44に記憶された第4閾値とを比較して前後方向加速度が第4閾値より小さい場合(ステップSA5:YES)、制御装置34は、検知部32が検知した車両の挙動情報のうち、車両の左右方向加速度を取得する。ここで車両の左右方向加速度について、鞍乗り型車両10の正面視左向きをプラス、正面視右向きをマイナスと表した場合、衝突判定部40は、左右方向加速度の絶対値と、予め設定されて記憶部44に記憶された第5閾値とを比較して左右方向加速度の絶対値が第5閾値より小さいかどうかを判定する(ステップSA6)。例えば、第5閾値は0.5Gである。
取得された左右方向加速度の絶対値が、第5閾値より小さい場合(ステップSA6:YES)、制御装置34は、アクチュエーター制御部46によってステアリングアクチュエーター30を制御して前輪13を正面方向に向けて固定する(ステップSA7)。
換言すれば、車両10は、操舵輪13を支持する懸架装置31に操舵方向のトルクを付与するステアリングアクチュエーター30と、ステアリングアクチュエーター30を制御するアクチュエーター制御部46と、車両10の前面Fから障害物に衝突したか否かを判定する衝突判定部40とを備え、アクチュエーター制御部46は、車両10の前面Fから障害物に衝突したと前記衝突判定部が判定した場合、ステアリングアクチュエーター30を制御して、操舵輪13が車両の前方FRに向いた姿勢で固定されるように懸架装置31に固定トルクを付与する。
換言すれば、車両10は、操舵輪13を支持する懸架装置31に操舵方向のトルクを付与するステアリングアクチュエーター30と、ステアリングアクチュエーター30を制御するアクチュエーター制御部46と、車両10の前面Fから障害物に衝突したか否かを判定する衝突判定部40とを備え、アクチュエーター制御部46は、車両10の前面Fから障害物に衝突したと前記衝突判定部が判定した場合、ステアリングアクチュエーター30を制御して、操舵輪13が車両の前方FRに向いた姿勢で固定されるように懸架装置31に固定トルクを付与する。
衝突時に、左右方向加速度が小さいということは、車両10の前面Fと衝突対象とが、垂直に近い角度でぶつかっていることを意味すると考えられる。垂直に近い角度で衝突が起こっている場合、制御装置34が、前輪13をセンターに固定する制御をおこなうと、乗員Uと衝突対象との間に隙間ができやすくなり、衝突を軽減させる。逆に衝突時に、左右方向加速度が大きいということは、車両10に対して側面方向の外力が掛かっていることを意味する。側面方向に外力が加わっている場合に、衝突時に前輪13を車両10の前方に向けて固定する固定トルクを懸架装置31に付与すると、車両10がどのような挙動を示すか予想し難い。したがってそのような場合には衝突時に制御装置34が前輪13を固定する制御をおこなわないことが好ましい。
左右方向加速度の絶対値が0.5G以上の場合(ステップSA6:NO)、制御システム1の処理は、ステップSA1に戻る。
以上まとめれば、対地速度の条件、ロール角の条件、及び操舵トルクの条件が満たされているとき、衝突判定部40は、車両10における前後方向の加速度が予め設定された第4閾値より小さい場合、且つ、車両10における左右方向の加速度の絶対値が予め設定された第5閾値未満である場合に、車両10の前面Fで衝突が発生したと判定し、アクチュエーター制御部46がステアリングアクチュエーター30を制御し固定トルクを懸架装置31に付与する。
図4は、鞍乗り型車両10において、衝突時に制御システム1がどのように操舵輪を固定するかを示す説明図である。図4は、車両10が車両Aの側面に衝突した場合を示す。このとき、車両10には、後方への力が掛かり、その力が大きい場合には図4のように鞍乗り型車両10は後輪が浮く傾斜をする可能性がある。このとき乗員Uと衝突対象である車両Aの距離は大きい方が望ましい。車両10の制御システム1は、アクチュエーター制御部46により、懸架装置31に取り付けられたステアリングアクチュエーター30を制御して、前輪13を車両前方FRに向けるように前輪13に固定トルクを付与して固定する。そのため車軸13aと前輪13の前部の距離dが確保されるので、乗員Uと衝突対象である車両Aの距離も大きく保たれやすい。
(上記実施の形態によりサポートされる構成)
上記実施の形態は、以下の構成をサポートする。
上記実施の形態は、以下の構成をサポートする。
(構成1)操舵輪に舵角を発生させる鞍乗り型車両であって、前記操舵輪を支持する懸架装置に操舵方向のトルクを付与するステアリングアクチュエーターと、前記ステアリングアクチュエーターを制御するアクチュエーター制御部と、車両の前面から障害物に衝突したか否かを判定する衝突判定部とを備え、前記アクチュエーター制御部は、前記車両の前記前面から前記障害物に衝突したと前記衝突判定部が判定した場合、前記ステアリングアクチュエーターを制御して、前記操舵輪が前記車両の前方に向いた姿勢で固定されるように懸架装置に固定トルクを付与することを特徴とする鞍乗り型車両。
このような構成によれば、鞍乗り型車両が前面から衝突した場合に、乗員と衝突対象の間に距離を保ちやすくなる。このため衝突からより適切に乗員を保護できるという効果を奏する。
このような構成によれば、鞍乗り型車両が前面から衝突した場合に、乗員と衝突対象の間に距離を保ちやすくなる。このため衝突からより適切に乗員を保護できるという効果を奏する。
(構成2)前記車両の加速度を検出する加速度検出部を備え、前記車両の走行時における前記車両の前後方向、及び左右方向のそれぞれの加速度に基づいて、前記車両の前記前面から前記障害物に衝突したか否かを判定する前記衝突判定部を備えることを特徴とする構成1に記載の鞍乗り型車両。
操舵輪を支持する懸架装置に対して、ステアリングアクチュエーターによって固定トルクを付与して、操舵輪を車両前方方向に向けて固定する制御は、車両が前面から衝突しているときに限定することが好ましい。また衝突の中でも車両の側面方向に外力が掛かる態様における衝突においては、懸架装置に対して固定トルクを与えた場合の車両の挙動が予想できないのでそのような条件では固定トルクを懸架装置に付与しないことが好ましい。このような構成によれば車両が前面から障害物に衝突したときに限定して、懸架装置に固定トルクを付与することができる。このため衝突から乗員をより適切に保護することができるという効果を奏する。
操舵輪を支持する懸架装置に対して、ステアリングアクチュエーターによって固定トルクを付与して、操舵輪を車両前方方向に向けて固定する制御は、車両が前面から衝突しているときに限定することが好ましい。また衝突の中でも車両の側面方向に外力が掛かる態様における衝突においては、懸架装置に対して固定トルクを与えた場合の車両の挙動が予想できないのでそのような条件では固定トルクを懸架装置に付与しないことが好ましい。このような構成によれば車両が前面から障害物に衝突したときに限定して、懸架装置に固定トルクを付与することができる。このため衝突から乗員をより適切に保護することができるという効果を奏する。
(構成3)前記車両の乗員が入力する前記懸架装置への操舵トルクの大きさを検出する操舵トルク検出部を備え、前記アクチュエーター制御部は、前記車両の乗員による前記懸架装置への前記操舵トルクの大きさに基づいて、前記操舵輪の前記舵角を固定する前記固定トルクを付与しない制御をおこなうことを特徴とする構成1または構成2に記載の鞍乗り型車両。
乗員による操舵輪への操舵トルクが大きい場合は、乗員が意図的に操舵している可能性が高い。このような構成によれば乗員が意図的に操舵したと考えられる状況においては、制御装置が乗員による操舵操作を妨げないという効果を奏する。
乗員による操舵輪への操舵トルクが大きい場合は、乗員が意図的に操舵している可能性が高い。このような構成によれば乗員が意図的に操舵したと考えられる状況においては、制御装置が乗員による操舵操作を妨げないという効果を奏する。
(構成4)対地速度を検出する対地速度検出部を備え、前記アクチュエーター制御部は、前記対地速度に基づいて、前記操舵輪の前記舵角を固定する前記固定トルクを付与しない制御をおこなうことを特徴とする構成1乃至構成3に記載の鞍乗り型車両。
対地速度が低い場合には、衝突による乗員のダメージは重大になりにくい。懸架装置に対して固定トルクを付与して操舵輪を車両の前方に固定することは、かえって乗員の予想を越えた挙動を車両がする可能性がある。このような構成によれば懸架装置に固定トルクを付与する条件を比較的高い対地速度をもって衝突したときに限定できるので衝突からより適切に乗員を保護できるという効果を奏する。
対地速度が低い場合には、衝突による乗員のダメージは重大になりにくい。懸架装置に対して固定トルクを付与して操舵輪を車両の前方に固定することは、かえって乗員の予想を越えた挙動を車両がする可能性がある。このような構成によれば懸架装置に固定トルクを付与する条件を比較的高い対地速度をもって衝突したときに限定できるので衝突からより適切に乗員を保護できるという効果を奏する。
(構成5)前記車両のロール角を検出するロール角検出部を備え、前記アクチュエーター制御部は、前記ロール角に基づいて、前記操舵輪の前記舵角を固定する前記固定トルクを付与しない制御をおこなうことを特徴とする構成1乃至構成4に記載の鞍乗り型車両。
ロール角が大きいということは、鞍乗り型車両が旋回していることを意味する。車両が旋回中に衝突した場合、懸架装置に対して固定トルクを付与すると、車両に予想外の挙動を生じさせる可能性がある。このような構成によれば、車両のロール角が大きい場合に懸架装置に対して固定トルクを付与しないので、予想外の挙動をさせることなく、衝突からより適切に乗員を保護できるという効果を奏する。
ロール角が大きいということは、鞍乗り型車両が旋回していることを意味する。車両が旋回中に衝突した場合、懸架装置に対して固定トルクを付与すると、車両に予想外の挙動を生じさせる可能性がある。このような構成によれば、車両のロール角が大きい場合に懸架装置に対して固定トルクを付与しないので、予想外の挙動をさせることなく、衝突からより適切に乗員を保護できるという効果を奏する。
10 鞍乗り型車両(車両)
13 前輪(操舵輪)
30 ステアリングアクチュエーター
31 懸架装置
32 IMU(検知部)
34 制御装置
36 対地速度センサー(対地速度検出部)
38 操舵トルク検出部
41 加速度検出部
43 ロール角検出部
46 アクチュエーター制御部
F 前面
U 乗員
13 前輪(操舵輪)
30 ステアリングアクチュエーター
31 懸架装置
32 IMU(検知部)
34 制御装置
36 対地速度センサー(対地速度検出部)
38 操舵トルク検出部
41 加速度検出部
43 ロール角検出部
46 アクチュエーター制御部
F 前面
U 乗員
Claims (5)
- 操舵輪(13)に舵角を発生させる鞍乗り型車両であって、
前記操舵輪(13)を支持する懸架装置(31)に操舵方向のトルクを付与するステアリングアクチュエーター(30)と、
前記ステアリングアクチュエーター(30)を制御するアクチュエーター制御部(46)と、
車両(10)の前面(F)から障害物に衝突したか否かを判定する衝突判定部(40)と
を備え、
前記アクチュエーター制御部(46)は、前記車両(10)の前記前面(F)から前記障害物に衝突したと前記衝突判定部(40)が判定した場合、前記ステアリングアクチュエーター(30)を制御して、前記操舵輪(13)が前記車両の前方(FR)に向いた姿勢で固定されるように懸架装置(31)に固定トルクを付与することを特徴とする鞍乗り型車両。 - 前記車両(10)の加速度を検出する加速度検出部(41)を備え、
前記車両(10)の走行時における前記車両(10)の前後方向、及び左右方向のそれぞれの加速度に基づいて、前記車両(10)の前記前面(F)から前記障害物に衝突したか否かを判定する前記衝突判定部(40)を備えることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両。 - 前記車両(10)の乗員(U)が入力する前記懸架装置(31)への操舵トルクの大きさを検出する操舵トルク検出部(38)を備え、
前記アクチュエーター制御部(46)は、前記車両(10)の乗員(U)による前記懸架装置(31)への前記操舵トルクの大きさに基づいて、前記操舵輪(13)の前記舵角を固定する前記固定トルクを付与しない制御をおこなうことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の鞍乗り型車両。 - 対地速度を検出する対地速度検出部(36)を備え、
前記アクチュエーター制御部(46)は、前記対地速度に基づいて、前記操舵輪(13)の前記舵角を固定する前記固定トルクを付与しない制御をおこなうことを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の鞍乗り型車両。 - 前記車両(10)のロール角を検出するロール角検出部(43)を備え、
前記アクチュエーター制御部(46)は、前記ロール角に基づいて、前記操舵輪(13)の前記舵角を固定する前記固定トルクを付与しない制御をおこなうことを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載の鞍乗り型車両。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2021192346A JP2023078982A (ja) | 2021-11-26 | 2021-11-26 | 鞍乗り型車両 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2021192346A JP2023078982A (ja) | 2021-11-26 | 2021-11-26 | 鞍乗り型車両 |
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JP2023078982A true JP2023078982A (ja) | 2023-06-07 |
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Family Applications (1)
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Country | Link |
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JP (1) | JP2023078982A (ja) |
-
2021
- 2021-11-26 JP JP2021192346A patent/JP2023078982A/ja active Pending
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