JP2023075404A - 遠心成形用水硬性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れたスラッジ抑制能を有する遠心成形用水硬性組成物、及び水硬性組成物硬化体の製造方法を提供する。【解決手段】下記(A)成分、セメント、骨材、及び水を含有し、水/セメントの比が20質量%以上35質量%以下である、遠心成形用水硬性組成物。(A)成分:フマル酸、(無水)マレイン酸、及びこれらの塩から選ばれる1種以上の単量体(A1)と、一般式(A2)で示される単量体(A2)と、一般式(A3)で示される単量体(A3)とを構成単量体として含む共重合体であって、該共重合体の構成単量体中、単量体(A1)の割合が1質量%以上30質量%以下、単量体(A2)の割合が1質量%以上20質量%以下、単量体(A3)の割合が50質量%以上90質量%以下である、共重合体【選択図】なし

Description

本発明は、遠心成形用水硬性組成物、及び水硬性組成物硬化体の製造方法に関する。
管類、パイル、ポール等の中空円筒型コンクリート成形品を製造する方法として、遠心成形法が知られている。この遠心成形法は、型枠内に混練したコンクリート材料を投入し、型枠を高速回転させて生じる遠心力によって、型枠内面にコンクリートを押し付けるようにして締固める方法である。
遠心成形用水硬性組成物において、遠心成形製品の成形性の観点から、分散剤はナフタレン系分散剤を用いることが多いが、国内外を問わず、高強度化、耐震強化へのニーズの高まっており、非特許文献1に開示されているように、高強度の硬化体を求められる領域、すなわち、コンクリートの単位水量が少ない領域においてはナフタレン系分散剤で混練が困難な領域が現れ、実運用が困難である。そのため、減水性の高いポリカルボン酸系分散剤の利用が進んでいるが、ポリカルボン酸系分散剤を利用した際に問題となるのが、遠心成形の結果排出されるセメント汚泥であるスラッジである。
スラッジは、重金属イオンを含有する高アルカリであることから環境負荷が大きく、処理に多額の費用と労力を要する。特に、ポリカルボン酸系分散剤を使用した場合、スラッジを排出せずに遠心成形製品の成形性を保つためには、水硬性組成物の単位水量を特定の範囲とする必要があり、管理幅が狭く、また、材料の表面水変動や温度、湿度変化等により分散剤の必要添加量が変動するため管理が難しく、成形性の良い遠心成形製品の製造が困難である。そのため、水硬性組成物の水量および分散剤添加量等の配合条件の幅広い範囲で優れた成形性を発現する遠心成形用水硬性組成物が望まれる。
特許文献1には、(A)芳香環を含む高分子化合物からなる水硬性粉体用分散剤と、(B)一般式(B1)~(B4)で表される特定の化合物から選ばれる1種以上の化合物と、水硬性粉体と、骨材と、水とを含有し、水/水硬性粉体比が25質量%超35質量%以下である、遠心成型用水硬性組成物が記載されている。
特許文献2には、(a)式(1)で示される単量体(ア)50~98質量%、特定の式で示される単量体(イ)1~49質量%、および特定の式で示される単量体(ウ)0.1~5質量%からなる共重合体と(b)ポリオキシアルキレン誘導体と不飽和カルボン酸系化合物の共重合体を含み、その比率が質量比で(a):(b)=50~80:20~50{(a)と(b)の質量合計を100とする}であることを特徴とする遠心成形コンクリート用強度向上添加剤が記載されている。
特許文献3には、セメント、高強度材及び混和剤としての水溶性共重合体を含有する遠心成型用コンクリート組成物であって、前記水溶性共重合体が炭素数2~3のアルキレンオキシドを平均で2~100モル付加したポリオキシアルキレン鎖を有する化合物からなるビニル系単量体(a)の1種以上と、カルボキシル基、スルホン酸基又はアミド基を有する化合物若しくはそれらの水溶性塩からなるビニル系単量体(b)の1種以上とを含有する単量体混合物を重合して得られる水溶性共重合体である遠心成形用コンクリート組成物が記載されている。
特開2018-48068号公報 特開2010-235384号公報 特開2001-253750号公報
日本建築学会構造系論文集、第606号、29-34頁、一般財団法人 日本建築学会、2006年8月発行
本発明は、優れたスラッジ抑制能を有する遠心成形用水硬性組成物、及び水硬性組成物硬化体の製造方法を提供する。
本発明は、下記(A)成分、セメント、骨材、及び水を含有し、水/セメントの比が20質量%以上35質量%以下である、遠心成形用水硬性組成物に関する。
(A)成分:フマル酸、(無水)マレイン酸、及びこれらの塩から選ばれる1種以上の単量体(A1)と、下記一般式(A2)で示される単量体(A2)と、下記一般式(A3)で示される単量体(A3)とを構成単量体として含む共重合体であって、該共重合体の構成単量体中、単量体(A1)の割合が1質量%以上30質量%以下、単量体(A2)の割合が1質量%以上20質量%以下、単量体(A3)の割合が50質量%以上90質量%以下である、共重合体
Figure 2023075404000001
[一般式(A2)中、R21a、R22a、R23aは、同一でも異なってもよく、水素原子、メチル基、又はCOOMであり、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基又は置換アルキルアンモニウム基であり、Zは二塩基酸とポリアルキレンポリアミンを縮合させたポリアミドポリアミン及び/又は該ポリアミドポリアミンの活性イミノ基、アミノ基、アミド残基1当量に対して炭素原子数2以上4以下のアルキレンオキサイドを0.1モル以上10モル以下付加させたポリアミドポリアミン変性物が、アミド結合を介して主鎖の炭素原子と結合する基である。]
Figure 2023075404000002
〔一般式(A3)中、R31a、R32aは、同一でも異なっていてもよく、水素原子又はメチル基であり、R33aは、水素原子又は-COO(AO)Xであり、Xは炭素数1以上4以下のアルキル基又は水素原子であり、AOはエチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる基であり、nは、AOの平均付加モル数であり、5以上150以下の数であり、pは0以上2以下の数であり、qは0又は1の数である。〕
また本発明は、次の工程を含む、水硬性組成物硬化体の製造方法に関する。
工程1:前記(A)成分とセメントと骨材と水とを、水/セメントの比が20質量%以上35質量%以下で混合し、水硬性組成物を得て、得られた水硬性組成物を型枠に充填する工程。
工程2:工程1で得られた型枠に充填された水硬性組成物を、遠心力をかけて型締めする工程。
工程3:工程2で得られた型締めされた水硬性組成物を型枠中で凝結させる工程。
本発明によれば、優れたスラッジ抑制能を有する遠心成形用水硬性組成物、及び水硬性組成物硬化体の製造方法が提供される。
近年、持続的な社会実現のためにSDGs(Sustainable Development Goals)が提唱されている。本発明は、スラッジの排出抑制による環境負荷低減、製造工程の省力化などを実現することができ、例えば、SDGsのNo.7、8、9、11、12、14などに貢献する技術となり得ると考えられる。
本発明者らは、本発明の遠心成形性水硬性組成物が、スラッジを排出しにくいことを見出した。このような効果が発現する理由は必ずしも定かではないが、以下のように推測される。
遠心成形性用水硬性組成物の成形体の製造において、水硬性組成物中のセメント汚泥は、低密度であることから遠心力によって成形体中央に集まりスラッジの原因となる。セメント汚泥は、セメントの水和反応によって生成する水和生成物の中でも比較的低密度な成分、特にカルシウムシリケート等を主成分とすると推測される。本発明の遠心成形性用水硬性組成物では、(A)成分の共重合体が、(A)成分の構成単量体中の単量体(A2)がアミノ基を有していることから、単量体(A2)のアミノ基を起点として、(A)成分がセメント汚泥中のカルシウムシリケートに吸着すると考えられる。
一方で、本発明の(A)成分は、(A)成分の構成単量体中の単量体(A1)が、セメントの表面のカルシウムカチオサイトに対し強い吸着性を有することから、(A)成分の構成単量体中の単量体(A3)により優れたセメント粒子分散能を示しながら、セメント表面にも吸着することができ、(A)成分がセメント汚泥中のカルシウムシリケートをセメント粒子近傍に留め、スラッジとしての流出を抑制したものと考えられる。
〔遠心成形用水硬性組成物〕
本発明は、(A)成分、セメント、骨材、及び水を含有し、水/セメントの比が20質量%以上35質量%以下である、遠心成形用水硬性組成物に関する。
<(A)成分>
(A)成分は、フマル酸、(無水)マレイン酸、及びこれらの塩から選ばれる1種以上の単量体(A1)と、下記一般式(A2)で示される単量体(A2)と、下記一般式(A3)で示される単量体(A3)とを構成単量体として含む共重合体であって、該共重合体の構成単量体中、単量体(A1)の割合が1質量%以上30質量%以下、単量体(A2)の割合が1質量%以上20質量%以下、単量体(A3)の割合が50質量%以上90質量%以下である、共重合体である。
Figure 2023075404000003
[一般式(A2)中、R21a、R22a、R23aは、同一でも異なってもよく、水素原子、メチル基、又はCOOMであり、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基又は置換アルキルアンモニウム基であり、Zは二塩基酸とポリアルキレンポリアミンを縮合させたポリアミドポリアミン及び/又は該ポリアミドポリアミンの活性イミノ基、アミノ基、アミド残基1当量に対して炭素原子数2以上4以下のアルキレンオキサイドを0.1モル以上10モル以下付加させたポリアミドポリアミン変性物が、アミド結合を介して主鎖の炭素原子と結合する基である。]
Figure 2023075404000004
〔一般式(A3)中、R31a、R32aは、同一でも異なっていてもよく、水素原子又はメチル基であり、R33aは、水素原子又は-COO(AO)Xであり、Xは炭素数1以上4以下のアルキル基又は水素原子であり、AOはエチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる基であり、nは、AOの平均付加モル数であり、5以上150以下の数であり、pは0以上2以下の数であり、qは0又は1の数である。〕
単量体(A1)は、フマル酸、(無水)マレイン酸、及びこれらの塩から選ばれる1種以上の単量体であり、共重合性の観点から、好ましくはフマル酸又はその塩である。塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩、置換アルキルアンモニウム塩が挙げられる。(無水)マレイン酸は、マレイン酸、及び/又は無水マレイン酸であることを示す意味である。
単量体(A2)において、一般式(A2)中、R21aは、反応性の観点から、好ましくは水素原子又はCOOM、より好ましくはCOOMである。
一般式(A2)中、R22aは、共重合性の観点から、好ましくは水素原子又はメチル基、より好ましくは水素原子である。
一般式(A2)中、R23aは、共重合性の観点から、好ましくは水素原子又はCOOM、より好ましくはCOOMである。
一般式(A2)中、Zを構成する上記二塩基酸としては炭素数が、共重合性の観点から、2以上、好ましくは4以上、そして、10以下、好ましくは8以下の脂肪族飽和二塩基酸である。
二塩基酸としては、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、及びセバシン酸等から選ばれる1種以上が挙げられ、共重合性の観点から、好ましくはアジピン酸、グルタル酸、及びコハク酸から選ばれる1種以上である。
また、Zを構成する上記ポリアルキレンポリアミンとしてはエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサエチレンヘプタミン、及びエチレン単位と窒素原子を多く含む混合体である高分子ポリエチレンポリアミンの混合物等から選ばれる1種以上を挙げることができ、共重合性の観点から、好ましくは、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、及びエチレン単位と窒素原子を多く含む混合体である高分子ポリエチレンポリアミンの混合物から選ばれる1種以上である。
単量体(A2)は、これら二塩基酸とポリアルキレンポリアミンの縮合物であるポリアミドポリアミン及び/又は、該ポリアミドポリアミンの活性イミノ基、アミノ基、アミド残基1当量に対して、共重合性の観点から、炭素原子数2以上4以下のアルキレンオキサイド、好ましくはエチレンオキサイドを、0.1モル以上、好ましくは1モル以上、そして、10モル以下、好ましくは5モル以下付加させたポリアミドポリアミン変性物が、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、アクリル酸、メタクリル酸、及びこれらの塩から選ばれる1種以上とアミド結合を介し、結合してなる単量体である。
単量体(A3)において、一般式(A3)中、R31aは、共重合性の観点から、水素原子が好ましい。
一般式(A3)中、R32aは、共重合性の観点から、メチル基が好ましい。
一般式(A3)中、R33aは、共重合性の観点から、水素原子が好ましい。
一般式(A3)中、Xは、共重合性の観点から、メチル基又は水素原子が好ましい。
一般式(A3)中、AOは、セメント分散性の観点から、炭素数2以上3以下のアルキレンオキシ基が好ましい。AOはエチレンオキシ基を含むことが好ましい。
一般式(A3)中、nは、AOの平均付加モル数であり、5以上150以下の数である。nは、セメント分散性の観点から、好ましくは10以上、より好ましくは20以上、更に好ましくは30以上、より更に好ましくは40以上、そして、作業性の観点から、好ましくは120以下、より好ましくは90以下、更に好ましくは60以下の数である。
一般式(A3)中、pは、共重合性の観点から、1または2が好ましい。
一般式(A3)中、qは、共重合性の観点から、0が好ましい。
(A)成分の共重合体は、単量体(A1)、単量体(A2)、単量体(A3)以外の単量体〔以下、単量体(A4)ともいう〕を構成単量体として含んでもよい。単量体(A4)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシエチルアクリラート、ヒドロキシエチルメタクリラート、リン酸2-(メタクリロイルオキシ)エチル(HEMA-P)、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、及びこれらの塩、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、又はアミン塩を挙げることができる。更に、(メタ)アクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、2-(メタ)アクリルアミド-2-メタスルホン酸、2-(メタ)アクリルアミド-2-エタンスルホン酸、2-(メタ)アクリルアミド-2-プロパンスルホン酸、スチレン、スチレンスルホン酸などの単量体を用いた構成単位が挙げられる。(メタ)アクリルは、アクリル又はメタクリルの意味である。
(A)成分の共重合体の構成単量体中、単量体(A1)の割合は、セメント分散性の観点から、1質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは8質量%以上、更に好ましくは10質量%以上、そして、30質量%以下、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。
(A)成分の共重合体の構成単量体中、単量体(A2)の割合は、スラッジ抑制の観点から、1質量%以上、好ましくは1.5質量%以上、より好ましくは2.0質量%以上、そして、セメント分散性の観点から、20質量%以下、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である。
(A)成分の共重合体の構成単量体中、単量体(A3)の割合は、セメント分散性の観点から、50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは75質量%以上、そして、90質量%以下、好ましくは87質量%以下、より好ましくは84質量%以下である。
(A)成分の共重合体は、全構成単量体中、単量体(A1)と単量体(A2)と単量体(A3)の合計割合が、スラッジ抑制の観点から、好ましくは85質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、そして、好ましくは100質量%以下であり、100質量%であってよい。
共重合体(A)の重量平均分子量は、セメント分散性の観点から、好ましくは10,000以上、より好ましくは15,000以上、更に好ましくは20,000以上、そして、好ましくは70,000以下、より好ましくは60,000以下、更に好ましくは50,000以下、より更に好ましくは40,000以下、より更に好ましくは30,000以下である。この重量平均分子量は、以下の条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定されたものである。
*GPC条件
装置:GPC(HLC-8320GPC)東ソー株式会社製
カラム:G4000PWXL+G2500PWXL(東ソー株式会社製)
溶離液:0.2Mリン酸バッファー/CHCN=9/1
流量:1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出:RI
サンプルサイズ:0.2mg/mL
標準物質:ポリエチレングリコール換算(単分散のポリエチレングリコール:分子量87,500、250,000、145,000、46,000、24,000)
<セメント>
本発明の遠心成形用水硬性組成物はセメントを含有する。セメントとしては、例えば、普通ポルトランドセメント、ビーライトセメント、中庸熱セメント、早強セメント、超早強セメント、耐硫酸塩セメント、アルミナセメント、CSAセメント等が挙げられ、好ましくは、普通ポルトランドセメント、中庸熱セメント、早強セメント、超早強セメント等である。またこれらセメントには、後述する高強度混和剤である高炉スラグ、フライアッシュ、シリカフュームなどのポソラン作用及び/又は潜在水硬性を有する粉体や、石粉(炭酸カルシウム粉末)等が添加された高炉スラグセメント、フライアッシュセメント、シリカフュームセメント等を用いてもよい。
<高強度混和材>
本発明の遠心成形用水硬性組成物は高強度混和材を含有してもよい。高強度混和材としては、高炉スラグ、フライアッシュ、無水石膏、シリカフュームなどのポソラン作用及び/又は潜在水硬性を有する粉体や、石粉(炭酸カルシウム粉末)等が挙げられる。ここで、セメント乃至高強度混和材が、ポゾラン作用を有する粉体、潜在水硬性を有する粉体、及び石粉(炭酸カルシウム粉末)から選ばれる粉体を含む場合、本発明では、それらの量もセメントなどの水和反応により硬化する物性を有する粉体である。
高強度混和材は、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(例えば、LA-920(株式会社堀場製作所製))を用い、エタノールを分散媒として使用して測定したメジアン径(D50;μm)が、強度発現性の観点から、好ましくは1μm以上、より好ましくは5μm以上、そして、好ましくは50μm以下、より好ましくは40μm以下のものを用いることができる。
<骨材>
本発明の遠心成形用水硬性組成物は、骨材を含有する。骨材としては、細骨材及び粗骨材から選ばれる骨材が挙げられる。細骨材として、JIS A0203-2014中の番号2311で規定されるものが挙げられる。細骨材としては、川砂、陸砂、山砂、海砂、石灰砂、珪砂及びこれらの砕砂、高炉スラグ細骨材、フェロニッケルスラグ細骨材、軽量細骨材(人工及び天然)及び再生細骨材等が挙げられる。また、粗骨材として、JIS A0203-2014中の番号2312で規定されるものが挙げられる。例えば粗骨材としては、川砂利、陸砂利、山砂利、海砂利、石灰砂利、これらの砕石、高炉スラグ粗骨材、フェロニッケルスラグ粗骨材、軽量粗骨材(人工及び天然)及び再生粗骨材等が挙げられる。細骨材、粗骨材は種類の違うものを混合して使用しても良く、単一の種類のものを使用しても良い。
<水硬性組成物の組成等>
本発明の遠心成形用水硬性組成物において、(A)成分の含有量は、水硬性組成物の流動性、及びスラッジ抑制の観点から、遠心成形用水硬性組成物1m中、好ましくは0.4kg以上、より好ましくは0.8kg以上、更に好ましくは1.2kg以上、そして、好ましくは1.5kg以下、より好ましくは1.4kg以下、更に好ましくは1.3kg以下である。
本発明の遠心成形用水硬性組成物において、水/セメント比(以下、W/Bと表記する場合もある)は、水硬性組成物の流動性の観点から、20質量%以上、好ましくは21質量%以上、そして、水硬性組成物の強度発現性の観点から、35質量%以下、好ましくは30質量%以下、より好ましくは27質量%以下、更に好ましくは25質量%以下である。
本発明の遠心成形用水硬性組成物において、水/水硬性粉体比(以下、W/Cと表記する場合もある)は、水硬性組成物の流動性の観点から、20質量%以上、好ましくは21質量%以上、そして、水硬性組成物の強度発現性の観点から、35質量%以下、好ましくは30質量%以下、より好ましくは27質量%以下、更に好ましくは25質量%以下である。
ここで、水/セメント比は、水硬性組成物中の水とセメントの質量百分率(質量%)であり、水/セメント×100で算出される。水/水硬性粉体比は、水硬性組成物中の水と水硬性粉体の質量百分率(質量%)であり、水/水硬性粉体×100で算出される。水/水硬性粉体比は、水和反応により硬化する物性を有する粉体の量に基づいて算出される。水和反応により硬化する物性を有する粉体が、セメントの他に高強度混和材を含有する場合、これらの量も水硬性粉体の量に算入する。水硬性粉体に関する、水硬性組成物の他の量的関係についても同様である。
本発明の遠心成形用水硬性組成物において、セメントの含有量は、水硬性組成物の強度発現性の観点から、遠心成形用水硬性組成物1m中、好ましくは400kg以上、より好ましくは450kg以上、更に好ましくは500kg以上、そして、好ましくは700kg以下、より好ましくは650kg以下、更に好ましくは600kg以下である。
本発明の遠心成形用水硬性組成物において、高強度混和材の含有量は、水硬性組成物の強度発現性の観点から、遠心成形用水硬性組成物1m中、好ましくは50kg以下、より好ましくは30kg以下、更に好ましくは10kg以下である。本発明の遠心成形用水硬性組成物は、高強度混和材を含有しなくてもよい。
遠心成形用水硬性組成物がコンクリートの場合、粗骨材の使用量は、水硬性組成物の強度の発現とセメント等の水硬性粉体の使用量を低減し、型枠等への充填性を向上する観点から、嵩容積は、好ましくは50%以上、より好ましくは55%以上、更に好ましくは60%以上であり、そして、好ましくは100%以下、より好ましくは90%以下、更に好ましくは80%以下である。嵩容積は、コンクリート1m中の粗骨材の容積(空隙を含む)の割合である。
また、遠心成形用水硬性組成物がコンクリートの場合、細骨材の使用量は、型枠等への充填性を向上する観点から、好ましくは500kg/m以上、より好ましくは600kg/m以上、更に好ましくは650kg/m以上であり、そして、好ましくは1000kg/m以下、より好ましくは900kg/m以下である。
遠心成形用水硬性組成物がモルタルの場合、細骨材の使用量は、好ましくは800kg/m以上、より好ましくは900kg/m以上、更に好ましくは1000kg/m以上であり、そして、好ましくは2000kg/m以下、より好ましくは1800kg/m以下、更に好ましくは1700kg/m以下である。
遠心成形用水硬性組成物としては、コンクリート等が挙げられる。なかでもセメントを用いたコンクリートが好ましい。本発明の水硬性組成物は、セルフレベリング用、耐火物用、プラスター用、軽量又は重量コンクリート用、AE用、補修用、プレパックド用、トレーミー用、地盤改良用、グラウト用、寒中用等の何れの分野においても有用である。
本発明の遠心成形用水硬性組成物は、従来のセメント分散剤、水溶性高分子化合物、空気連行剤、セメント湿潤剤、膨張材、防水剤、遅延剤、急結剤、起泡剤、発泡剤、防水剤、流動化剤、増粘剤、凝集剤、乾燥収縮低減剤、強度増進剤、硬化促進剤、防腐剤、消泡剤、防錆剤などの成分〔但し、(A)成分に該当するものを除く〕を含有することができる。
〔水硬性組成物の製造方法〕
本発明は、(A)成分とセメントと骨材と水とを、水/セメントの比が20質量%以上35質量%以下で混合する、遠心成形用水硬性組成物の製造方法を提供する。この製造方法により、(A)成分、セメント、骨材、及び水を含有する本発明の遠心成形用水硬性組成物が製造される。また本発明の遠心成形用水硬性組成物の製造方法は更に高強度混和材を混合してよい。
本発明の遠心成形用水硬性組成物の製造方法に用いられる(A)成分、セメント、高強度混和材、骨材の具体例及び好ましい態様は、それぞれ、本発明の遠心成形用水硬性組成物で述べたものと同じである。
セメント、高強度混和材は、W/B、W/Cが、本発明の遠心成形用水硬性組成物で述べた範囲となるように用いる。また、骨材の使用量も、本発明の遠心成形用水硬性組成物で述べたものと同じである。
本発明の遠心成形用水硬性組成物の製造方法において、本発明の遠心成形用水硬性組成物で述べた各成分の含有量は、各成分の含有量を混合量に置き換えて適宜適用することができる。
本発明の遠心成形用水硬性組成物で述べた事項は、本発明の遠心成形用水硬性組成物の製造方法に適宜適用することができる。
本発明の水硬性組成物の製造方法では、生産性の観点から、(A)成分と、水とを予め混合し、セメントと混合することが好ましい。
(A)成分と、セメントと、任意に高強度混和剤と、骨材と、水と、必要に応じて用いられる成分との混合は、モルタルミキサー、強制二軸ミキサー等のミキサーを用いて行うことができる。
また、好ましくは1分間以上、より好ましくは2分間以上、そして、好ましくは5分間以下、より好ましくは3分間以下混合する。水硬性組成物の調製にあたっては、水硬性組成物で説明した材料や薬剤及びそれらの量を用いることができる。
得られた水硬性組成物は、更に、水硬性組成物を型枠に充填し、遠心成形した後に養生し硬化させる。型枠として、建築物の型枠、コンクリート製品用の型枠等が挙げられる。型枠への充填方法として、ミキサーから直接投入する方法、水硬性組成物をポンプで圧送して型枠に導入する方法等が挙げられる。
水硬性組成物の養生の際、硬化を促進するために加熱養生し、硬化を促進させて良い。ここで、加熱養生は、40℃以上90℃以下の温度で水硬性組成物を保持して硬化を促進することができる。
〔水硬性組成物の硬化体の製造方法〕
本発明は、次の工程を含む水硬性組成物の硬化体の製造方法を提供する。
工程1:(A)成分とセメントと骨材と水とを、水/セメントの比が20質量%以上35質量%以下で混合し、水硬性組成物を得て、得られた水硬性組成物を型枠に充填する工程。
工程2:工程1で得られた型枠に充填された水硬性組成物を、遠心力をかけて型締めする工程。
工程3:工程2で得られた型締めされた水硬性組成物を型枠中で凝結させる工程。
工程1の水硬性組成物の調製では、更に高強度混和材を混合してよい。
本発明の水硬性組成物の硬化体の製造方法に用いられる(A)成分とセメントと高強度混和材と骨材の具体例及び好ましい態様は、それぞれ、本発明の遠心成形用水硬性組成物で述べたものと同じである。
セメント、高強度混和材は、W/B、W/Cが、本発明の遠心成形用水硬性組成物で述べた範囲となるように用いる。また、骨材の使用量も、本発明の遠心成形用水硬性組成物で述べたものと同じである。
また、本発明の水硬性組成物の硬化体の製造方法における工程1において、本発明の遠心成形用水硬性組成物で述べた各成分の含有量は、各成分の含有量を混合量に置き換えて適宜適用することができる。
本発明の遠心成形用水硬性組成物、並びに遠心成形用水硬性組成物の製造方法で述べた事項は、本発明の水硬性組成物の硬化体の製造方法に適宜適用することができる。
本発明の硬化体の製造方法は、工程1~3に加え、下記の工程4を含むことが好ましい。
工程4:工程3で凝結した水硬性組成物を型枠中で蒸気養生する工程。
本発明の硬化体の製造方法は、工程1~4に加え、次の工程5を含むことができる。
工程5:工程4の後、水硬性組成物を冷却して、型枠から脱型する工程。
本発明の硬化体の製造方法は、工程1~5に加え、次の工程6を含むことができる。
工程6:工程5で得られた水硬性組成物の硬化体を常温常圧で養生する工程。
工程1では、水と(A)成分とを含む混合物を、骨材とセメントを含む混合物に添加して混合する方法が、水硬性組成物を製造する際でも、容易に均一に混合できる点で好ましい。
工程1の具体的な方法としては、セメントと任意に高強度混和剤と骨材とを混合し、水と(A)成分とを含む混合物を、前記のような混合量となるように添加し、混練して水硬性組成物を調製する工程が挙げられる。
工程1で、得られた水硬性組成物を型枠に充填する方法は、混練後の水硬性組成物を混練手段から排出し、手作業にて型枠へ投入してならす方法が挙げられる。
工程2では、型枠に充填した水硬性組成物を、遠心力をかけて型締めするが、このとき少なくとも1回は遠心力を変えることが好ましい。工程2では、水硬性組成物を、段階的に変化する遠心力をかけて型締めすることができる。すなわち、工程2で、水硬性組成物を、少なくとも1回は遠心力を変えて型締めする、更に、段階的に変化する、更に段階的に大きくなる遠心力をかけて型締めすることができる。
工程2では、型枠に充填した水硬性組成物を、0.5G以上の遠心力で型締めすることが好ましい。遠心成形の遠心力は、好ましくは0.5G以上、そして、好ましくは30G以下、より好ましくは25G以下である。エネルギーコスト低減面と成形性の面から、1分以上、遠心力を15G以上、そして、30G以下、更に25G以下の範囲(高遠心力ともいう)に保持することが好ましい。
遠心力での締め固めは、例えば0.5G以上30G以下の遠心力で、好ましくは5分以上、より好ましくは7分以上、更に好ましくは9分以上、そして、好ましくは40分以下行なう。成形体を平滑に締め固める観点から、高遠心力、例えば20G以上の遠心力の保持による締め固めは、好ましくは1分以上、より好ましくは3分以上、更に好ましくは5分以上、そして、好ましくは15分以下行なう。すなわち、工程3では、0.5G以上30G以下の遠心力を、好ましくは5分以上、より好ましくは7分以上、更に好ましくは9分以上、そして、好ましくは40分以下かけて、水硬性組成物を型締めすることができる。また、工程3では、20G以上の遠心力の保持による締め固めを、好ましくは1分以上、より好ましくは3分以上、更に好ましくは5分以上、そして、好ましくは15分以下行なうことができる。
遠心力での締め固めは、段階に分けて行うことができ、成形性の観点から、段階的に遠心力Gを大きくする方法が好ましい。以下に示すような段階条件で所望の遠心力となるまで行うことができる。例えば、五段階の場合、工程3では、(1)一段階目である初速が0.5G以上2G未満の遠心力で0分間超15分間以下、(2)二段階目である二速が2G以上5G未満の遠心力で0分間超15分間以下、(3)三段階目である三速が5G以上10G未満の遠心力で0分間超15分間以下、(4)四段階目である四速が10G以上20G未満の遠心力で0分間超15分間以下、(5)五段階目である五速が20G以上30G以下の遠心力で0分間超15分間以下、の条件により水硬性組成物の型締めを行うことが好ましい。
工程3では、工程2で得られた水硬性組成物を凝結させる。具体的には、混練後3~4時間の気中養生を行うこととする。
工程4では、工程3で得られた型枠に入った硬化した水硬性組成物を蒸気養生する。工程4では、40℃以上90℃以下で蒸気養生を行なうことが好ましく、60℃以上90℃以下で蒸気養生を行なうことがより好ましい。
更に、工程4では、前養生を行った後、蒸気養生を行うことが好ましい。例えば、水硬性組成物が充填された型枠の周囲温度(以下、周囲温度ということもある)を、室温、好ましくは10℃以上40℃以下とし、1時間以上4時間以下、放置する前養生を行った後、周囲温度を40℃以上90℃以下、更に60℃以上90℃以下として蒸気養生を行なうことができる。
前養生は、後述の実施例、比較例では「前置き」として実施した。
前養生は、硬化体のひび割れによる強度低下を抑える観点から、1時間以上が好ましい。
また、本発明の硬化体の製造方法が工程5を含む場合、工程4と工程5は一連の温度制御のもとに連続して行うことができる。
蒸気養生は、水硬性組成物が充填された型枠の周囲に水蒸気を適用した状態で所定の温度で一定時間保持して行われる。水蒸気を適用後、(1)所定の温度に到達させるまでの温度上昇期間、(2)所定の温度で一定時間保持する期間、及び、(3)所定の温度で一定時間保持した後、温度下降期間を、蒸気養生の期間としてよい。
本発明の硬化体の製造方法における具体的な蒸気養生条件として、工程4として、1時間当たり10℃以上30℃以下の昇温速度で型枠の周囲温度を60℃以上85℃以下に昇温し、昇温した温度を2時間以上8時間以下保持し、次いで、工程5として、1時間当たり5℃以上20℃以下の降温速度で、周囲温度を室温、例えば20℃まで冷却し、成形体を脱型する。
昇温速度は、硬化体のひび割れによる強度低下を抑える観点から、1時間当たり20℃以下が好ましい。
好ましい条件の一例を挙げれば、水硬性組成物が充填された型枠を、周囲温度が、室温、例えば10℃以上30℃以下で3時間放置(前養生)し、1時間あたり20℃の昇温速度で周囲温度を70℃以上90℃以下まで昇温させ、その昇温した70℃以上90℃以下の温度を2時間以上6時間以下保持し、次いで、1時間あたり10℃の降温速度で周囲温度を室温、例えば20℃まで冷却し(工程4)、その温度で20時間以上30時間以下放置した後に成形体を脱型する(工程5)方法が挙げられる。
また、更に180℃程度のオートクレーブ養生を行なう事も可能である。
工程6では、工程5で得られた水硬性組成物の硬化体を常温常圧で養生する。具体的には、20℃、大気圧下で保存する。
本発明の製造方法としては、工程1~5を含み、水硬性組成物の調製を開始してから工程5で脱型するまでの時間が8時間以上30時間以下である、水硬性組成物の硬化体の製造方法が挙げられる。ここで、水硬性組成物の調製の開始とは、セメントと水とが最初に接触した時点である。
本発明の硬化体の製造方法により得られる水硬性組成物の硬化体は、遠心成形コンクリート製品として使用でき、具体的には、パイル、ポール、ヒューム管等が挙げられる。本発明の硬化体の製造方法により得られる水硬性組成物の硬化体は、混練から一定時間(15分以上60分以下)経過した水硬性組成物の成形性に優れることから、当該製品の内面及び端面凹凸が少なく、表面美観に優れるとともに、更に製品内面が平滑に仕上がることから、パイル打ち込み、中堀工法時の切削機の障害が改善される。
表1に示した(A)成分、(A’)成分((A)成分の比較成分)は、以下のものを用いた。
(A)成分
(a-1):特開2009-161379号公報の段落0048の製造例A1、段落0058の製造例C1に従って合成した共重合体、単量体(A1)/単量体(A2)/単量体(A3)=フマル酸、無水マレイン酸/アジピン酸とポリアルキレンポリアミンの縮合物であるポリアミドポリアミンにエチレンオキサイドを付加させたポリアミドポリアミン変性物が、フマル酸及び無水マレイン酸とアミド結合を介し結合してなる単量体/メタリルポリエチレングリコール(50)ポリプロピレングリコール(2)エーテル(ブロック付加物、カッコ内は平均付加モル数)=13.8質量%/2.7質量%/83.5質量%、重量平均分子量=26,000、なお得られた重合体はナトリウム塩である。
(A’)成分
(a’-1):特開2020-66553号公報の段落0082に記載の共重合体1、アクリル酸ナトリウム/メタクリル酸ナトリウム/メトキシポリエチレングリコール(45)モノメタクリレート(該単量体のカッコ内は平均付加モル数)=29mol%/45mol%/26mol%、重量平均分子量=30,000、なお得られた重合体はナトリウム塩である。
(1)コンクリート配合
表1にコンクリート配合を示した。コンクリート材料は以下のものを使用した。W/Bは、水/セメントの比(質量%)である。表1中、セメント(C)、水道水(W)、砂(S)、砂利(G)の添加量はコンクリート1mに対する添加量(kg)である。
・セメント(C):太平洋セメント株式会社製、比重3.14
・水道水(W):(A)成分又は(A’)成分を含む重量として、表1記載の量を使用した。
・砂(S):滋賀県甲賀産、比重2.58
・砂利(G):兵庫県家島産、比重2.63
(2)コンクリート調製
表1の添加量となるように(A)成分又は(A’)成分及び水を含有する組成物を調製し、前記コンクリート配合材料の水(W)に前記組成物を添加し、撹拌して混練水を調製した。コンクリートは、強制2軸型ミキサー(KYC社製)に、砂利、約半量の砂、セメント、残部の砂の順に投入し、空練りを30秒間行い、次いで、すばやく前記調製した混練水を添加し、240秒間練り混ぜてコンクリートを得た。
(3)コンクリート流動性の評価
混練直後のコンクリートについて、JIS A 1101に基づいてスランプ(cm)を測定した。結果を表1に示す。
(4)遠心成形性の評価
混練から10分後のコンクリートを遠心成形型枠(内径20cm、外径25cm、高さ40cm)に入れて、ゴム栓によって密栓した後、初速が1Gで2分間、二速が3Gで2分間、三速が7Gで2分間、四速が15Gで3分間、五速が25Gで3分間の条件で遠心締め固めを行った。その後、遠心締固めを終えた遠心成形型枠のゴム栓を開放し、型枠に入った状態の筒状の成形体を鉛直方向に45°傾けて、生成したスラッジを500mLディスポーザブルカップによって採取、スラッジ重量(g)を計量した。なお、スラッジ重量はn=2本の成形体から生成したスラッジ重量の平均値であり、スラッジの採取が困難であった場合は0gと記載した。結果を表1に示す。
Figure 2023075404000005
表1中、(A)成分又は(A’)成分の添加量はコンクリート1mに対する添加量(kg)であり、固形分(有効分)の添加量である。
表1中、本発明の(A)成分を用いた実施例1~5は、(A’)成分を用いた比較例1~3に比べ、水量変動(W/Bの変動)を受けてもスラッジを生じ難かった。これは、セメント粒子および低密度の水和生成物に対して優れた吸着性を示す(A)成分が、遠心力による分離、ひいてはスラッジの生成を抑制したためであると考察される。

Claims (11)

  1. 下記(A)成分、セメント、骨材、及び水を含有し、水/セメントの比が20質量%以上35質量%以下である、遠心成形用水硬性組成物。
    (A)成分:フマル酸、(無水)マレイン酸、及びこれらの塩から選ばれる1種以上の単量体(A1)と、下記一般式(A2)で示される単量体(A2)と、下記一般式(A3)で示される単量体(A3)とを構成単量体として含む共重合体であって、該共重合体の構成単量体中、単量体(A1)の割合が1質量%以上30質量%以下、単量体(A2)の割合が1質量%以上20質量%以下、単量体(A3)の割合が50質量%以上90質量%以下である、共重合体
    Figure 2023075404000006

    [一般式(A2)中、R21a、R22a、R23aは、同一でも異なってもよく、水素原子、メチル基、又はCOOMであり、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基又は置換アルキルアンモニウム基であり、Zは二塩基酸とポリアルキレンポリアミンを縮合させたポリアミドポリアミン及び/又は該ポリアミドポリアミンの活性イミノ基、アミノ基、アミド残基1当量に対して炭素原子数2以上4以下のアルキレンオキサイドを0.1モル以上10モル以下付加させたポリアミドポリアミン変性物が、アミド結合を介して主鎖の炭素原子と結合する基である。]
    Figure 2023075404000007

    〔一般式(A3)中、R31a、R32aは、同一でも異なっていてもよく、水素原子又はメチル基であり、R33aは、水素原子又は-COO(AO)Xであり、Xは炭素数1以上4以下のアルキル基又は水素原子であり、AOはエチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる基であり、nは、AOの平均付加モル数であり、5以上150以下の数であり、pは0以上2以下の数であり、qは0又は1の数である。〕
  2. (A)成分の共重合体の構成単量体中、単量体(A1)の割合が8質量%以上30質量%以下である、請求項1に記載の遠心成形用水硬性組成物。
  3. (A)成分の共重合体の構成単量体中、単量体(A1)と単量体(A2)と単量体(A3)の合計割合が95質量%以上である、請求項1又は2に記載の遠心成形用水硬性組成物。
  4. (A)成分の含有量が、遠心成形用水硬性組成物1m中0.4kg以上1.5kg以下である、請求項1~3の何れか1項に記載の遠心成形用水硬性組成物。
  5. 高強度混和材の含有量が遠心成形用水硬性組成物1m中50kg以下である、請求項1~4の何れか1項に記載の遠心成形用水硬性組成物。
  6. 次の工程を含む、水硬性組成物硬化体の製造方法。
    工程1:下記(A)成分とセメントと骨材と水とを、水/セメントの比が20質量%以上35質量%以下で混合し、水硬性組成物を得て、得られた水硬性組成物を型枠に充填する工程。
    工程2:工程1で得られた型枠に充填された水硬性組成物を、遠心力をかけて型締めする工程。
    工程3:工程2で得られた型締めされた水硬性組成物を型枠中で凝結させる工程。
    (A)成分:フマル酸、(無水)マレイン酸、及びこれらの塩から選ばれる1種以上の単量体(A1)と、下記一般式(A2)で示される単量体(A2)と、下記一般式(A3)で示される単量体(A3)とを構成単量体として含む共重合体であって、該共重合体の構成単量体中、単量体(A1)の割合が1質量%以上30質量%以下、単量体(A2)の割合が1質量%以上20質量%以下、単量体(A3)の割合が50質量%以上90質量%以下である、共重合体
    Figure 2023075404000008

    [一般式(A2)中、R21a、R22a、R23aは、同一でも異なってもよく、水素原子、メチル基、又はCOOMであり、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基又は置換アルキルアンモニウム基であり、Zは二塩基酸とポリアルキレンポリアミンを縮合させたポリアミドポリアミン及び/又は該ポリアミドポリアミンの活性イミノ基、アミノ基、アミド残基1当量に対して炭素原子数2以上4以下のアルキレンオキサイドを0.1モル以上10モル以下付加させたポリアミドポリアミン変性物が、アミド結合を介して主鎖の炭素原子と結合する基である。]
    Figure 2023075404000009

    〔一般式(A3)中、R31a、R32aは、同一でも異なっていてもよく、水素原子又はメチル基であり、R33aは、水素原子又は-COO(AO)Xであり、Xは炭素数1以上4以下のアルキル基又は水素原子であり、AOはエチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる基であり、nは、AOの平均付加モル数であり、5以上150以下の数であり、pは0以上2以下の数であり、qは0又は1の数である。〕
  7. (A)成分の共重合体の構成単量体中、単量体(A1)の割合が8質量%以上30質量%以下である、請求項6に記載の水硬性組成物硬化体の製造方法。
  8. (A)成分の共重合体の構成単量体中、単量体(A1)と単量体(A2)と単量体(A3)の合計割合が95質量%以上である、請求項6又は7に記載の水硬性組成物硬化体の製造方法。
  9. 工程1で、(A)成分の混合量が、水硬性組成物1m中0.4kg以上1.5kg以下である、請求項6~8の何れか1項に記載の遠心成形用水硬性組成物。
  10. 工程3の後に、下記の工程4を有する、請求項6~9の何れか1項に記載の水硬性組成物硬化体の製造方法。
    工程4:工程3で得られた凝結された水硬性組成物を型枠中で蒸気養生する工程。
  11. 工程4で、蒸気養生温度が40℃以上90℃以下である、請求項10に記載の水硬性組成物硬化体の製造方法。
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