JP2023074663A - シリンダ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】シリンダ装置の異音の発生を低減する。【解決手段】油圧シリンダ100は、ピストン30に設けられる軸受50を備え、軸受50は、外周面に形成される環状の溝部51と、外周面における溝部51の両側にそれぞれ形成されシリンダ20の内周面21に摺接する第一摺接部54及び第二摺接部55と、軸受50が臨むロッド側室1と第一摺接部54との間に形成され、第一摺接部54に向かって径が大きくなる第一テーパ部56と、溝部51と第二摺接部55との間に形成され、第二摺接部55に向かって径が大きくなる第二テーパ部57と、を有し、シリンダ20の内周面21と第一テーパ部56とのなす鋭角の角度αは、シリンダ20の内周面21と溝部51における第一テーパ部56側の側面とのなす鋭角の角度βよりも小さく、シリンダ20の内周面21と第二テーパ部57とのなす鋭角の角度γは、角度αよりも小さい。【選択図】図2
Description
本発明は、シリンダ装置に関する。
特許文献1には、有底筒状に形成されるシリンダチューブと、シリンダチューブの内部を変位するピストンと、ピストンに連結されるピストンロッドと、ピストンの外周面に装着されるウェアリングと、を備える流体圧シリンダが開示されている。ウェアリングは、外周面がシリンダチューブの内周面に摺接しながら変位する。
特許文献1に記載の流体圧シリンダでは、ウェアリングは外周面に潤滑剤を充填可能な溝部を有し、溝部に充填された潤滑剤によりウェアリングとシリンダチューブとの摺動面の潤滑性が確保される。これにより、ウェアリングの摺動時の異音の発生が防止される。しかしながら、潤滑剤は、流体圧シリンダの長期の使用により、溝部から漏れ出すことが考えられる。よって、特許文献1に記載の流体圧シリンダでは、ウェアリングとシリンダチューブとの摺動面の潤滑性が徐々に低下し、異音の発生を十分に防止できないおそれがある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、シリンダ装置の異音の発生を低減することを目的とする。
本発明は、シリンダ装置であって、シリンダと、シリンダに収容されシリンダ内に流体圧室を区画するピストンと、ピストンに設けられ外周面がシリンダの内周面に摺接する環状の摺動部材と、を備え、摺動部材は、外周面に形成される溝部と、外周面における溝部の両側にそれぞれ形成されシリンダの内周面に摺接する第一摺接部及び第二摺接部と、摺動部材が臨む流体圧室と第一摺接部との間に形成され、第一摺接部に向かって径が大きくなる第一斜部と、溝部と第二摺接部との間に形成され、第二摺接部に向かって径が大きくなる第二斜部と、を有し、シリンダの内周面と第一斜部とのなす鋭角の角度αは、シリンダの内周面と溝部における第一斜部側の側面とのなす鋭角の角度βよりも小さく、シリンダの内周面と第二斜部とのなす鋭角の角度γは、角度αよりも小さいことを特徴とする。
この発明では、シリンダの内周面と第一斜部とのなす鋭角の角度αは、シリンダの内周面と溝部における第一斜部側の側面とのなす鋭角の角度βよりも小さい。そのため、第一摺接部において、第一斜部側に作用する面圧は、溝部側に作用する面圧よりも小さい。よって、流体圧室が収縮する方向にシリンダ装置が作動した際に流体圧室から溝部に導かれる作動流体は、流体圧室が拡張する方向にシリンダ装置が作動した際に溝部から流体圧室に排出される作動流体よりも多い。よって、溝部に作動流体が貯留された状態が維持される。溝部に貯留された作動流体により、第一摺接部の潤滑性が向上される。さらに、シリンダの内周面と第二斜部とのなす鋭角の角度γは、シリンダの内周面と第一斜部とのなす鋭角の角度αよりも小さい。そのため、第二摺接部に作用する面圧は、第一摺接部に作用する面圧よりも小さい。よって、流体圧室が収縮する方向にシリンダ装置が作動した際には、溝部に貯留された作動流体は、速やかに第二摺接部とシリンダの内周面との間に導かれる。このように、摺動部材は、第一摺接部及び第二摺接部により摺動部材としての機能を発揮しつつ、溝部、第一斜部、第二斜部により、第一摺接部及び第二摺接部の潤滑性が向上される。
本発明は、溝部、第一斜部、第二斜部、及び第一摺接部は、第二摺接部を挟んで摺動部材にそれぞれ二つずつ形成されることを特徴とする。
この発明では、二つの溝部、第一斜部、及び第二斜部により、第一摺接部及び第二摺接部の潤滑性が向上される。
本発明は、ピストンの外周面には、摺動部材が二つ設けられ、二つの摺動部材の間には、ピストンに設けられピストンとシリンダとの間をシールする環状のシール部材が設けられることを特徴とする。
この発明では、シール部材によりシリンダ内の流体圧室間の作動流体の流れをシールしつつ、第一摺接部及び第二摺接部の潤滑性が向上される。
本発明は、摺動部材の径方向において第一摺接部及び第二摺接部に対応する摺動部材の内周面は、ピストンに接触することを特徴とする。
この発明では、第一摺接部及び第二摺接部に作用する面圧が安定し、第一摺接部及び第二摺接部の潤滑性が向上される。
本発明は、摺動部材は、軸受であることを特徴とする。
この発明では、軸受において、第一摺接部及び第二摺接部の潤滑性が向上される。
本発明によれば、シリンダ装置の異音の発生を低減することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るシリンダ装置について説明する。以下では、シリンダ装置が作動油を作動流体として駆動する油圧シリンダ100である場合について説明する。
図1に示すように、油圧シリンダ100は、筒状のシリンダ20と、シリンダ20に収容されシリンダ20内に流体圧室としてのロッド側室1及び反ロッド側室2を区画するピストン30と、ピストン30の外周面31に設けられシリンダ20の内周面21に摺接する摺動部材としての環状の軸受50,60と、を備える。
油圧シリンダ100は、油圧源からロッド側室1または反ロッド側室2に導かれる作動油によって伸縮作動する。ピストン30は、ピストンロッド10に螺合して締結される。
本実施形態では、ピストン30の外周面31には、二つの軸受50,60が設けられる。ピストン30の外周面31には、軸受50,60の一部が収容される環状の溝32が、軸方向に離れて二つ形成される。軸受50,60は、溝32のそれぞれに一部が露出した状態で収容される。なお、軸受50,60の内周面における端部は、曲面状(図示せず)に形成される。ピストン30は、軸受50,60を介してシリンダ20内を摺動する。
軸受50,60の間には、ピストン30の外周面31に設けられピストン30の外周面31とシリンダ20の内周面21との間を封止するシール部材40及びOリング41が設けられる。Oリング41は、シール部材40をシリンダ20の内周面21に押圧する。これにより、シリンダ20の内周面21とピストン30の外周面31との間を通じたロッド側室1と反ロッド側室2との連通が遮断される。
図2を参照して、軸受50,60について説明する。図2は、図1に示す部分Aの拡大断面図である。軸受50,60は、シール部材40を挟んでそれぞれ対称の構成であるため、ロッド側室1に臨んで設けられる軸受50を代表して説明する。
図2に示すように、軸受50は、外周面に形成される溝部51と、外周面における溝部51の両側にそれぞれ形成されシリンダ20の内周面21に摺接する第一摺接部54及び第二摺接部55と、軸受50が臨むロッド側室1と第一摺接部54との間に形成され、第一摺接部54に向かって径が大きくなる第一斜部としての第一テーパ部56と、溝部51と第二摺接部55との間に形成され、第二摺接部55に向かって径が大きくなる第二斜部としての第二テーパ部57と、を有する。
溝部51、第一摺接部54、第二摺接部55、第一テーパ部56、及び第二テーパ部57は、ロッド側室1から反ロッド側室2に向かって、第一テーパ部56、第一摺接部54、溝部51、第二テーパ部57、及び第二摺接部55の順で連続して形成される。本実施形態では、溝部51、第一テーパ部56、第二テーパ部57、及び第一摺接部54は、第二摺接部55を挟んでそれぞれ二つずつ、具体的にはそれぞれ対称に軸受50に形成される。
以下では、説明の便宜上、第二摺接部55に対してロッド側室1側(図2において第二摺接部55よりも上側)に形成されるものを溝部51a、第一テーパ部56a、第二テーパ部57a、及び第一摺接部54aとも称し、第二摺接部55に対して反ロッド側室2側(図2において第二摺接部55よりも下側)に形成されるものを溝部51b、第一テーパ部56b、第二テーパ部57b、及び第一摺接部54bとも称する。また、溝部51a,51b、第一テーパ部56a,56b、第二テーパ部57a,57b、及び第一摺接部54a,54bは、上記のように第二摺接部55を挟んでそれぞれ対称の構成であるため、溝部51a、第一テーパ部56a、第二テーパ部57a、及び第一摺接部54aを代表して説明する。
溝部51aは、軸受50の外周面に環状に形成される。溝部51aには、後述するように、油圧シリンダ100の作動に伴い軸受50の外周面とシリンダ20の内周面21との間に導かれる作動油が貯留され、第一摺接部54a及び第二摺接部55の潤滑性の向上に寄与する。なお、溝部51aは、軸受50の外周面において周方向の一部の領域のみに形成されてもよい。第一摺接部54a及び第二摺接部55は、シリンダ20の内周面21に沿って形成され、シリンダ20の内周面21に摺接する。軸受50の径方向において第一摺接部54a及び第二摺接部55に対応する軸受50の内周面は、ピストン30に接触する。つまり、第一摺接部54a及び第二摺接部55の真裏の軸受50の内周面は、ピストン30の外周面に接触する。第一摺接部54aは、溝部51aにおける第一テーパ部56a側の側面52aと連続して形成されるため、シリンダ20の内周面21と溝部51aの側面52aとにより、角度βの鋭角が形成される。
第一テーパ部56aは、軸受50の外周面の端部にわたって形成され、第一テーパ部56aとシリンダ20の内周面21との間には、ロッド側室1の作動油が導かれる。第一テーパ部56aは、第一摺接部54aと連続して形成されるため、シリンダ20の内周面21と第一テーパ部56aとにより、角度αの鋭角が形成される。第二テーパ部57aは、溝部51aと第二摺接部55との間にわたって形成され、第二テーパ部57aとシリンダ20の内周面21との間には、溝部51aの作動油が導かれる。第二テーパ部57aは、第二摺接部55と連続して形成されるため、シリンダ20の内周面21と第二テーパ部57aとにより、角度γの鋭角が形成される。
なお、第一テーパ部56aとシリンダ20の内周面21との間にロッド側室1の作動油が導かれる構成であれば、第一テーパ部56aと軸受50の外周面の端部との間に、曲面部や、シリンダ20の内周面21に沿った平面部等が設けられてもよい。また、第二テーパ部57aとシリンダ20の内周面21との間に溝部51aの作動油が導かれる構成であれば、第二テーパ部57aと溝部51aとの間に、曲面部や、シリンダ20の内周面21に沿った平面部等が設けられてもよい。また、溝部51aにおける第二テーパ部57a側の側面53aが、第二テーパ部57aと面一に形成されてもよい。
次に、図1,2を参照して、油圧シリンダ100の作動時における軸受50,60の外周面とシリンダ20の内周面21との間の作動油の流れについて説明する。なお、軸受50,60の外周面とシリンダ20の内周面21との間の作動油の流れは、シール部材40を境にして対称であるため、ロッド側室1に臨んで設けられる軸受50を代表して説明する。反ロッド側室2に臨んで設けられる軸受60における作動油の流れについては、説明を省略する。
ロッド側室1が収縮する方向に油圧シリンダ100が作動すると、軸受50はシリンダ20に対してロッド側室1側に相対移動する。軸受50のこの移動により、ロッド側室1の作動油は、軸受50側に引き込まれ、軸受50の第一摺接部54aとシリンダ20の内周面21との間を通じて溝部51aに導かれる。また、溝部51aの作動油は、第二摺接部55側に引き込まれ、第二摺接部55とシリンダ20の内周面21との間及び溝部51bに導かれる。また、溝部51bの作動油は、第一摺接部54b側に引き込まれ、第一摺接部54bとシリンダ20の内周面21との間を通じて軸受50とシール部材40との間の空間3に排出される。
ロッド側室1が拡張する方向に油圧シリンダ100が作動すると、軸受50はシリンダ20に対して反ロッド側室2側に相対移動する。軸受50のこの移動により、溝部51aの作動油は、第一摺接部54a側に引き込まれ、第一摺接部54aとシリンダ20の内周面21との間を通じてロッド側室1に排出される。また、溝部51bの作動油は、第二摺接部55側に引き込まれ、第二摺接部55とシリンダ20の内周面21との間及び溝部51aに導かれる。また、空間3の作動油は、第一摺接部54b側に引き込まれ、第一摺接部54bとシリンダ20の内周面21との間を通じて溝部51bに導かれる。
ここで、本実施形態では、シリンダ20の内周面21と第一テーパ部56aとのなす鋭角の角度αは、シリンダ20の内周面21と溝部51aにおける側面52aとのなす鋭角の角度βよりも小さい(α<β)。そのため、第一摺接部54aにおいて、第一テーパ部56a側に作用する面圧は、溝部51a側に作用する面圧よりも小さい。よって、第一摺接部54aとシリンダ20の内周面21との間を通過する作動油は、溝部51aから排出される方向よりも、溝部51aに導かれる方向に流れやすい。したがって、軸受50がロッド側室1側に相対移動した際にロッド側室1から溝部51aに導かれる作動油は、軸受50が反ロッド側室2側に相対移動した際に溝部51aからロッド側室1に排出される作動油よりも多い。よって、溝部51aに作動油が貯留された状態が維持される。同様に、軸受50が反ロッド側室2側に相対移動した際に空間3から溝部51bに導かれる作動油は、軸受50がロッド側室1側に相対移動した際に溝部51bから空間3に排出される作動油よりも多い。よって、溝部51bに作動油が貯留された状態も維持される。溝部51a,51bに貯留された作動油は、油圧シリンダ100が作動すると上記のように第一摺接部54a,54bとシリンダ20の内周面21との間に導かれるため、第一摺接部54a,54bの潤滑性が向上される。
さらに、本実施形態では、シリンダ20の内周面21と軸受50の第二テーパ部57aとのなす鋭角の角度γは、シリンダ20の内周面21と第一テーパ部56aとのなす鋭角の角度αよりも小さい(γ<α)。そのため、第二摺接部55に作用する面圧は小さいため、軸受50では、第二摺接部55とシリンダ20の内周面21との間に作動油が導かれやすい。よって、軸受50がロッド側室1側に相対移動した際には、溝部51aに貯留された作動油は、速やかに第二摺接部55とシリンダ20の内周面21との間に導かれる。同様に、軸受50が反ロッド側室2側に相対移動した際には、溝部51bに貯留された作動油は、速やかに第二摺接部55とシリンダ20の内周面21との間に導かれる。よって、第二摺接部55の潤滑性が向上される。このように、軸受50は、第一摺接部54a,54b及び第二摺接部55により軸受50としての機能を発揮しつつ、溝部51a,51b、第一テーパ部56a,56b、第二テーパ部57a,57bにより、第一摺接部54a,54b及び第二摺接部55の潤滑性が向上される。
また、本実施形態では、軸受50の径方向において第一摺接部54a及び第二摺接部55に対応する軸受50の内周面は、ピストン30に接触する。これにより、第一摺接部54a,54b及び第二摺接部55に作用する面圧が安定し、上記の面圧の大小関係が保たれる。よって、第一摺接部54a,54b及び第二摺接部55の潤滑性が向上される。
また、上記のように、軸受50,60の間には、ピストン30の外周面31とシリンダ20の内周面21との間を封止するシール部材40が設けられる。よって、シール部材40によりシリンダ20内のロッド側室1及び反ロッド側室2間の作動油の流れをシールしつつ、第一摺接部54及び第二摺接部55の潤滑性が向上される。
なお、第一摺接部54及び第二摺接部55の潤滑性は低下するものの、溝部51b、第一テーパ部56b、第二テーパ部57b、及び第一摺接部54bは必ずしも設けられる必要は無く、本発明の必須の構成ではない。つまり、軸受50は、溝部51、第一テーパ部56、第二テーパ部57、及び第一摺接部54を一つずつ有する構成であってもよい。
また、軸受50,60は、ピストン30の外周面31に一つだけ設けられても、複数が設けられてもよい。
また、上記実施形態では、軸受50は、第一斜部として直線状の第一テーパ部56と、第二斜部として直線状の第二テーパ部57を有する。しかし、第一斜部及び第二斜部は直線状に限らない。図3に示すように、軸受50は、第二斜部として曲面部157を有してもよい。この場合、溝部51における曲面部157側の側面53は、曲面部157と連続した曲面状に形成されてもよい。曲面部157の頂部は、シリンダ20の内周面21に摺接する第二摺接部55となる。この構成であっても、上記実施形態と同様の効果を奏する。なお、第二摺接部55は、シリンダ20の内周面21に沿って直線状に形成されてもよい。また、第一斜部は、第一テーパ部56のような直線状ではなく曲面状であってもよい。
また、上記実施形態では、環状の溝部51が軸受50の外周面に形成される。これに限らず、溝部51は、軸受50の外周面における周方向の一部にのみ形成されてもよい。
また、上記実施形態の油圧シリンダ100では、摺動部材としての軸受50,60がピストン30の外周面31に設けられシリンダ20の内周面21に摺接する。これに限らず、油圧シリンダ100では、摺動部材としての環状のシール部材等がピストン30の外周面31に設けられシリンダ20の内周面21に摺接する構成であってもよい。
以上の本実施形態によれば、以下に示す効果を奏する。
軸受50では、シリンダ20の内周面21と第一テーパ部56aとのなす鋭角の角度αは、シリンダ20の内周面21と溝部51aにおける側面52aとのなす鋭角の角度βよりも小さい。そのため、軸受50がロッド側室1側に相対移動した際にロッド側室1から溝部51aに導かれる作動油は、軸受50が反ロッド側室2側に相対移動した際に溝部51aからロッド側室1に排出される作動油よりも多く、溝部51aに作動油が貯留された状態が維持される。溝部51bについても同様である。溝部51a,51bに貯留された作動油により、第一摺接部54a,54bの潤滑性が向上される。さらに、シリンダ20の内周面21と軸受50の第二テーパ部57aとのなす鋭角の角度γは、シリンダ20の内周面21と第一テーパ部56aとのなす鋭角の角度αよりも小さい。そのため、軸受50がロッド側室1側に相対移動した際には、溝部51aに貯留された作動油は、速やかに第二摺接部55とシリンダ20の内周面21との間に導かれる。溝部51bに貯留された作動油についても同様である。よって、第二摺接部55の潤滑性が向上される。このように、軸受50は、第一摺接部54a,54b及び第二摺接部55により軸受50としての機能を発揮しつつ、溝部51a,51b、第一テーパ部56a,56b、第二テーパ部57a,57bにより、第一摺接部54a,54b及び第二摺接部55の潤滑性が向上される。
以上のように構成された本発明の実施形態の構成、作用、および効果をまとめて説明する。
油圧シリンダ100は、シリンダ20と、シリンダ20に収容されシリンダ20内に流体圧室としてのロッド側室1及び反ロッド側室2を区画するピストン30と、ピストン30に設けられ外周面がシリンダ20の内周面21に摺接する摺動部材としての軸受50と、を備え、軸受50は、外周面に形成される環状の溝部51と、外周面における溝部51の両側にそれぞれ形成されシリンダ20の内周面21に摺接する第一摺接部54及び第二摺接部55と、軸受50が臨むロッド側室1と第一摺接部54との間に形成され、第一摺接部54に向かって径が大きくなる第一斜部56と、溝部51と第二摺接部55との間に形成され、第二摺接部55に向かって径が大きくなる第二斜部57,157と、を有し、シリンダ20の内周面21と第一斜部56とのなす鋭角の角度αは、シリンダ20の内周面21と溝部51における第一斜部56側の側面52とのなす鋭角の角度βよりも小さく、シリンダ20の内周面21と第二斜部57,157とのなす鋭角の角度γは、角度αよりも小さい。
この構成では、シリンダ20の内周面21と第一斜部56とのなす鋭角の角度αは、シリンダ20の内周面21と溝部51における第一斜部56側の側面52とのなす鋭角の角度βよりも小さい。そのため、第一摺接部54において、第一斜部56側に作用する面圧は、溝部51側に作用する面圧よりも小さい。よって、ロッド側室1が収縮する方向にシリンダ20装置が作動した際にロッド側室1から溝部51に導かれる作動流体は、ロッド側室1が拡張する方向にシリンダ20装置が作動した際に溝部51からロッド側室1に排出される作動流体よりも多い。よって、溝部51に作動流体が貯留された状態が維持される。溝部51に貯留された作動流体により、第一摺接部54の潤滑性が向上される。さらに、シリンダ20の内周面21と第二斜部57,157とのなす鋭角の角度γは、シリンダ20の内周面21と第一斜部56とのなす鋭角の角度αよりも小さい。そのため、第二摺接部55に作用する面圧は、第一摺接部54に作用する面圧よりも大きい。よって、ロッド側室1が収縮する方向にシリンダ20装置が作動した際には、溝部51に貯留された作動流体は、速やかに第二摺接部55とシリンダ20の内周面21との間に導かれる。このように、軸受50は、第一摺接部54及び第二摺接部55により軸受50としての機能を発揮しつつ、溝部51、第一斜部56、第二斜部57,157により、第一摺接部54及び第二摺接部55の潤滑性が向上される。
油圧シリンダ100は、溝部51、第一斜部56、第二斜部57,157、及び第一摺接部54は、第二摺接部55を挟んで軸受50,60にそれぞれ二つずつ形成される。
この構成では、二つの溝部51、第一斜部56、及び第二斜部57,157により、第一摺接部54及び第二摺接部55の潤滑性が向上される。
油圧シリンダ100は、ピストン30の外周面には、軸受50,60が二つ設けられ、二つの軸受50,60の間には、ピストン30に設けられピストン30とシリンダ20との間をシールする環状のシール部材40が設けられる。
この構成では、シール部材40によりシリンダ20内のロッド側室1及び反ロッド側室2間の作動流体の流れをシールしつつ、第一摺接部54及び第二摺接部55の潤滑性が向上される。
油圧シリンダ100は、軸受50,60の径方向において第一摺接部54及び第二摺接部55に対応する軸受50,60の内周面は、ピストン30に接触する。
この構成では、第一摺接部54及び第二摺接部55に作用する面圧が安定し、第一摺接部54及び第二摺接部55の潤滑性が向上される。
油圧シリンダ100では、摺動部材は、軸受50,60である。
この構成では、軸受50,60において、第一摺接部54及び第二摺接部55の潤滑性が向上される。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
軸受は、上記実施形態では油圧シリンダのピストンに設けられる場合について説明したが、ショックアブソーバのピストンに設けられてもよい。
1・・・ロッド側室(流体圧室)、2・・・反ロッド側室(流体圧室)、20・・・シリンダ、30・・・ピストン、40・・・シール部材、50,60・・・軸受(摺動部材)、51,51a,51b・・・溝部、52,52a,52b・・・側面、54,54a,54b・・・第一摺接部、55・・・第二摺接部、56,56a,56b・・・第一テーパ部(第一斜部)、57,57a,57b・・・第二テーパ部(第二斜部)、157・・・曲面部(第二斜部)、100・・・油圧シリンダ(シリンダ装置)
Claims (5)
- シリンダ装置であって、
シリンダと、
前記シリンダに収容され前記シリンダ内に流体圧室を区画するピストンと、
前記ピストンに設けられ外周面が前記シリンダの内周面に摺接する環状の摺動部材と、を備え、
前記摺動部材は、
前記外周面に形成される溝部と、
前記外周面における前記溝部の両側にそれぞれ形成され前記シリンダの内周面に摺接する第一摺接部及び第二摺接部と、
前記摺動部材が臨む前記流体圧室と前記第一摺接部との間に形成され、前記第一摺接部に向かって径が大きくなる第一斜部と、
前記溝部と前記第二摺接部との間に形成され、前記第二摺接部に向かって径が大きくなる第二斜部と、を有し、
前記シリンダの前記内周面と前記第一斜部とのなす鋭角の角度αは、前記シリンダの前記内周面と前記溝部における前記第一斜部側の側面とのなす鋭角の角度βよりも小さく、
前記シリンダの前記内周面と前記第二斜部とのなす鋭角の角度γは、前記角度αよりも小さいことを特徴とするシリンダ装置。 - 請求項1に記載のシリンダ装置であって、
前記溝部、前記第一斜部、前記第二斜部、及び前記第一摺接部は、前記第二摺接部を挟んで前記摺動部材にそれぞれ二つずつ形成されることを特徴とするシリンダ装置。 - 請求項1または2に記載のシリンダ装置であって、
前記ピストンの外周面には、前記摺動部材が二つ設けられ、
前記二つの摺動部材の間には、前記ピストンに設けられ前記ピストンと前記シリンダとの間をシールする環状のシール部材が設けられることを特徴とするシリンダ装置。 - 請求項1から3のいずれか一つに記載のシリンダ装置であって、
前記摺動部材の径方向において前記第一摺接部及び前記第二摺接部に対応する前記摺動部材の内周面は、前記ピストンに接触することを特徴とするシリンダ装置。 - 請求項1から4のいずれか一つに記載のシリンダ装置であって、
前記摺動部材は、軸受であることを特徴とするシリンダ装置。
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