JP2023065320A - 半導体装置およびそれを用いた無線通信装置 - Google Patents

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新司 堀井
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清一郎 村瀬
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Abstract

【課題】経時的な特性変動がない、安定な半導体装置を提供すること。【解決手段】絶縁表面を有する基板上に設けられた第1の半導体素子と、前記第1の半導体素子を保護する保護層と、を有する半導体装置であって、前記第1の半導体素子は、ソース電極と、ドレイン電極と、ゲート電極と、前記ソース電極および前記ドレイン電極と接する半導体層と、前記半導体層を前記ゲート電極と絶縁するゲート絶縁層と、を含み、前記半導体層と前記保護層との間が中空領域である、半導体装置。【選択図】 図3

Description

本発明は、半導体装置およびそれを用いた無線通信装置に関する。
近年、低コスト、大面積、フレキシブル、ベンダブルな電子製品の実現を目指して、インクジェット技術やスクリーン印刷などの塗布技術が適用できる、カーボンナノチューブ(CNT)やグラフェン、有機半導体を用いた電界効果型トランジスタ(FET)が盛んに検討されている。電子製品としては、例えば、ディスプレイやセンサ、RFID(Radio Frequency IDentification)技術を用いた無線通信装置などが挙げられ、それらのトランジスタアレイやICチップ内の駆動回路などに上記トランジスタが使用される。
FETは、通常、気密性保持、汚染防止、物理的破損防止等の観点から、金属やセラミックなどからなる筺体内に半導体装置等を配置してパッケージングすることで保護がなされている。また、上記CNTやグラフェン、有機半導体を用いたFETでも、同様に半導体層を保護するための保護層を形成するなど、半導体装置においては、外部からの影響に対する保護が検討されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2015-185789号公報 国際公開第2017/130836号
しかしながら、特許文献1および2に記載のような技術で作製したFETは、保護層を設けているにもかかわらず、半導体特性が経時的に大きく変化してしまうという問題があった。
そこで本発明は、経時的な特性変動がない、安定な半導体装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。
[1]絶縁表面を有する基板上に設けられた第1の半導体素子と、前記第1の半導体素子を保護する保護層と、を有する半導体装置であって、
前記第1の半導体素子は、
ソース電極と、ドレイン電極と、ゲート電極と、
前記ソース電極および前記ドレイン電極と接する半導体層と、
前記半導体層を前記ゲート電極と絶縁するゲート絶縁層と、
を含み、
前記半導体層と前記保護層との間が中空領域である、半導体装置。
[2]前記保護層が、前記半導体素子のソース電極およびドレイン電極の上面の少なくとも一部に接している、[1]に記載の半導体装置。
[3]前記ソース電極と前記ドレイン電極との距離Lと、前記ソース電極の高さHsと、前記ドレイン電極の高さHdとが、2≦L/Hs≦50および2≦L/Hd≦50の関係である、[1]または[2]に記載の半導体装置。
[4]絶縁表面を有する基板上に設けられた第1の半導体素子および第2の半導体素子と、前記第1の半導体素子および第2の半導体素子を保護する保護層と、を有する半導体装置であって、
前記第1の半導体素子は、
ソース電極と、ドレイン電極と、ゲート電極と、
前記ソース電極および前記ドレイン電極と接する半導体層と、
前記半導体層を前記ゲート電極と絶縁するゲート絶縁層と、を含み、
前記半導体層と前記保護層との間が中空領域であり、
前記第2の半導体素子は、
n型半導体素子であり、
ソース電極と、ドレイン電極と、ゲート電極と、
前記ソース電極および前記ドレイン電極と接する第2の半導体層と、
前記第2の半導体層を前記ゲート電極と絶縁するゲート絶縁層と、
前記第2の半導体層に対して前記ゲート絶縁層とは反対側で前記第2の半導体層と接する第2絶縁層と、を含み、
前記第2絶縁層上面の少なくとも一部が、前記保護層と接している、半導体装置。
[5]絶縁表面を有する基板上に設けられた第1の半導体素子および第3の半導体素子と、前記第1の半導体素子および第3の半導体素子を保護する保護層と、を有する半導体装置であって、
前記第1の半導体素子は、
ソース電極と、ドレイン電極と、ゲート電極と、
前記ソース電極および前記ドレイン電極と接する半導体層と、
前記半導体層を前記ゲート電極と絶縁するゲート絶縁層と、を含み、
前記半導体層と前記保護層との間が中空領域であり、
前記第3の半導体素子は、
p型半導体素子であり、
ソース電極と、ドレイン電極と、ゲート電極と、
前記ソース電極および前記ドレイン電極と接する第3の半導体層と、
前記第3の半導体層を前記ゲート電極と絶縁するゲート絶縁層と、
前記第3の半導体層に対して前記ゲート絶縁層とは反対側で前記第3の半導体層と接する第3絶縁層と、を含み、
前記第2絶縁層上面の少なくとも一部が、前記保護層と接している、半導体装置。
[6]前記絶縁表面を有する基板が樹脂基板である、[1]~[5]のいずれかに記載の半導体装置。
[7]前記保護層は、第1の層と、前記第1の層上に積層された第2の層と、を含む積層構造である、[1]~[6]のいずれかに記載の半導体装置。
[8]前記第1の半導体層、および前記第2の半導体層が、カーボンナノチューブを含む、[1]~[7]のいずれかに記載の半導体装置。
[9][1]~[8]のいずれかに記載の半導体装置と、アンテナと、を少なくとも有する無線通信装置。
[10][1]~[8]のいずれかに記載の半導体装置を有する、回路。
[11][1]~[8]のいずれかに記載の半導体装置を有する、薄膜トランジスタアレイ。
[12][1]~[8]のいずれかに記載の半導体装置を有する、センサ。
本発明によれば、経時的な特性変動が少ない半導体装置を得ることができる。
本発明の実施の形態1に係る半導体装置が有する第1の半導体素子を示した模式断面図 本発明の実施の形態1に係る半導体装置が有する第1の半導体素子を示した模式断面図 本発明の実施の形態2に係る半導体装置が有する第1の半導体素子と第2の半導体素子を示した模式断面図 本発明の実施の形態3に係る半導体装置が有する第1の半導体素子,第2の半導体素子および第3の半導体素子を示した模式断面図 本発明の実施の形態に係る無線通信装置の構成を示した模式図 薄膜トランジスタアレイの構成例を示す模式図 折り曲げ耐性の評価方法を説明する模式斜視図
以下、本発明に係る半導体装置およびそれを用いた無線通信装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、目的や用途に応じて種々に変更して実施することができる。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る半導体装置は、少なくとも1つの第1の半導体素子と、それを保護する保護層とを有し、第1の半導体素子における第1の半導体層と保護層との間が中空である、半導体装置である。
従来の、保護層と半導体層とが接触する半導体装置では、保護層が半導体層に物理的または化学的な影響を及ぼす。例えば、保護層に含まれる成分が半導体層に物理的または化学的な作用を及ぼし、半導体層に含まれる材料の特性が経時的に変化することがある。また、保護層と半導体層との物理的性質が異なることで、半導体素子の屈曲時や加熱時に保護層と半導体層との境界部に応力歪みが発生し、これが半導体装置の特性に影響を与えうる。
これに対し本実施の形態1に係る半導体装置は、半導体層と保護層が直接接触していないので、保護層が半導体層に物理的または化学的な影響を及ぼさない。そのため、経時的な特性変動のない安定な半導体装置となる。
<第1の半導体素子>
図1は、本実施の形態1に係る半導体装置の一例を示す模式断面図である。この半導体装置において、第1の半導体素子1は、絶縁性基板10の上に形成されるゲート電極11と、それを覆うゲート絶縁層12と、その上に設けられるソース電極13およびドレイン電極14と、それらの電極の間に設けられる第1の半導体層15と、を有し、第1の半導体素子1の上には保護層16が設けられている。第1の半導体層15と保護層16は接触せず、第1の半導体層15の上部は中空領域となっている。
図示しないが、保護層16は、絶縁性基板10の上に設けられた、第1の半導体素子1の高さ(具体的には、ゲート絶縁層12とソース電極13およびドレイン電極14の高さの合計)よりも高い高さを有する部材に支えられている。
また、図2は、本実施の形態1に係る半導体装置の別の一例を示す模式断面図である。この半導体装置は、保護層16が第1の半導体素子2のソース電極13およびドレイン電極14の上面と接していること以外は、図1に示す半導体装置と同様の構成である。この図2に示すように、ソース電極13およびドレイン電極14の上面の少なくとも一部に、保護層16が接していることが好ましい。保護層の機械的強度が増し、物理的な破損等から半導体装置を保護しやすくなるからである。
図1、図2に示す第1の半導体素子の構造は、ゲート電極11が第1の半導体層15の下側に配置され、第1の半導体層15の上面にソース電極13およびドレイン電極14が配置される、いわゆるボトムゲート・トップコンタクト構造である。半導体素子の構造は、これ以外にも、ボトムゲート・ボトムコンタクト構造などが挙げられ、特に限定されるものではない。また、以下の説明は、特に断りのない限り、半導体素子の構造によらず共通する。
(基板)
基板は、少なくとも電極系が配置される面が絶縁性を備える基板であれば、いかなる材質のものでもよい。基板としては、例えば、シリコンウエハ、ガラス、サファイア、アルミナ焼結体等の無機材料からなる基板、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルクロライド、ポリエチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリシロキサン、ポリビニルフェノール(PVP)、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリパラキシレン等の有機材料からなる基板が好ましい。中でも、屈曲時の耐久性・応力緩和等の観点から、樹脂基板であることが好ましい。
また、例えば、シリコンウエハ上にPVP膜を形成したものや、ポリエチレンテレフタレート上にポリシロキサン膜を形成したものなど、複数の材料が積層されたものであってもよい。
(電極)
ソース電極、ドレイン電極およびゲート電極に用いられる材料は、一般的に電極として使用されうる導電性材料であれば、いかなるものでもよい。そのような導電性材料としては、例えば、酸化錫、酸化インジウム、酸化錫インジウム(ITO)などの導電性金属酸化物が挙げられる。また、白金、金、銀、銅、鉄、錫、亜鉛、アルミニウム、インジウム、クロム、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、カルシウム、マグネシウム、パラジウム、モリブデン、アモルファスシリコンやポリシリコンなどの金属、これらの中から選択される複数の金属の合金、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質が挙げられる。また、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸との錯体、ヨウ素などのドーピングによって導電率を向上させた導電性ポリマーが挙げられる。さらには、炭素材料、有機成分と導電体とを含有する材料などが挙げられる。
中でも、電極の柔軟性が増し、屈曲時にも基板および絶縁層との密着性が良く、配線および半導体層との電気的接続が良好となる点から、電極は、有機成分と導電体を含有することが好ましい。有機成分としては、特に制限はないが、モノマー、オリゴマーもしくはポリマー、光重合開始剤、可塑剤、レベリング剤、界面活性剤、シランカップリング剤、消泡剤、顔料などが挙げられる。電極の折り曲げ耐性向上の観点からは、オリゴマーもしくはポリマーが好ましい。しかし、電極および配線の導電性材料は、これらに限定されるものではない。これらの導電性材料は、単独で用いてもよいが、複数の材料を積層または混合して用いてもよい。
電極の形成方法としては、例えば国際公開第2018/180146号に記載されているような、公知の方法を用いることができる。
ソース電極とドレイン電極との間の距離(電極間の距離)Lは、特に制限はないが、1000μm以下が好ましく、500μm以下がより好ましく、100μm以下がさらに好ましい。この範囲の距離にすることにより、より半導体素子の特性が向上する。電極間の距離は、光学顕微鏡や走査型電子顕微鏡(SEM)などにより測定できる。
ソース電極の高さHsと、ドレイン電極の高さHdは、特に制限はないが、それぞれ100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましく、10μm以下がさらに好ましい。この範囲にすることにより、より電極パターンの形成が容易となる。電極の高さは、触針式表面形状測定器や光学顕微鏡、走査型電子顕微鏡(SEM)、または電極膜厚を原子間力顕微鏡やエリプソメトリ法などにより測定することで、測定できる。
また、電極間の距離Lをソース電極の高さHsで割った値(L/Hs)と、電極間の距離Lをドレイン電極の高さHdで割った値(L/Hd)は、2≦L/Hs≦50および2≦L/Hd≦50の関係を満たすことが好ましい。
L/HsおよびL/Hdが50以下であることにより、基板の屈曲時にも第1の半導体層と保護層が接触することがないため、半導体素子の屈曲等による特性変動の影響を受けないので好ましい。また、L/HsおよびL/Hdが2以上であることにより、半導体素子全体の厚みが薄くなり、屈曲時の応力が緩和されるため、好ましい。
半導体装置が複数の第1の半導体素子を含む場合、各半導体素子の間を電気的に接続する配線を形成してもよい。配線に用いられる材料は、一般的に電極として使用されうる導電性材料であれば、いかなるものでもよい。例えば、上述の電極材料と同様のものが挙げられる。
配線の形成方法、およびパターン状に形成する方法としては、導通を取ることができる方法であれば、特に制限されないが、例えば、上述の電極材料と同様のものが挙げられる。
(ゲート絶縁層)
ゲート絶縁層に用いられる材料は、特に限定されないが、酸化シリコン、アルミナ等の無機材料;ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルクロライド、ポリエチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリシロキサン、ポリビニルフェノール(PVP)等の有機高分子材料;あるいは無機材料粉末と有機材料の混合物を挙げることができる。有機材料の中でもケイ素と炭素の結合を含む有機化合物を含むものが基板や電極との密着性の観点から好ましい。ケイ素と炭素の結合を含む有機化合物としては、ポリシロキサン等が挙げられる。ポリシロキサンは絶縁性が高く、低温硬化が可能であるためより好ましい。
ゲート絶縁層の膜厚は0.05~5μmが好ましく、0.1~1μmがより好ましい。この範囲の膜厚にすることにより、均一な薄膜形成が容易になる。膜厚は、原子間力顕微鏡やエリプソメトリ法などにより測定できる。
ゲート絶縁層の作製方法は特に制限はないが、例えば、ゲート絶縁層を形成する材料を含む組成物を基板に塗布し、乾燥することで得られたコーティング膜を必要に応じ熱処理する方法が挙げられる。塗布方法としては、スピンコート法、ブレードコート法、スリットダイコート法、スクリーン印刷法、バーコーター法、鋳型法、印刷転写法、浸漬引き上げ法、インクジェット法などの公知の塗布方法が挙げられる。コーティング膜の熱処理の温度としては、100~300℃の範囲にあることが好ましい。
ゲート絶縁層は単層でも複数層でもよい。また、1つの層を複数の絶縁性材料から形成してもよいし、複数の絶縁性材料を積層して複数のゲート絶縁層を形成しても構わない。
(第1の半導体層)
第1の半導体層に用いられる材料は、半導体性を示す材料が含まれていれば特に限定されず、塗布プロセスが適用できるものであれば好ましい。有機半導体やカーボン材料が好ましい例として挙げられる。
特に、カーボン材料が好ましく、その具体例としては、カーボンナノチューブ(以下、CNTという)、グラフェン、フラーレンなどが挙げられるが、塗布プロセスへの適性や高移動度の点でCNTが好ましい。さらに、CNTは、その表面の少なくとも一部に共役系重合体が付着したCNT複合体であることが好ましい。半導体層は電気特性を阻害しない範囲であれば、さらに有機半導体や絶縁材料を含んでもよい。
半導体層の膜厚は、1nm以上100nm以下が好ましい。この範囲内にあることで、均一な薄膜形成が容易になる。半導体層の膜厚は、より好ましくは1nm以上50nm以下であり、さらに好ましくは1nm以上20nm以下である。膜厚は、原子間力顕微鏡やエリプソメトリ法などにより測定できる。
半導体層の形成方法としては、抵抗加熱蒸着、電子線ビーム、スパッタリング、CVDなど乾式の方法を用いることも可能であるが、製造コストや大面積への適合の観点から塗布法を用いることが好ましい。具体的には、スピンコート法、ブレードコート法、スリットダイコート法、スクリーン印刷法、バーコーター法、鋳型法、印刷転写法、浸漬引き上げ法、インクジェット法などを好ましく用いることができ、塗膜厚み制御や配向制御など、得ようとする塗膜特性に応じて塗布方法を選択できる。また、形成した塗膜に対して、大気下、減圧下または窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気下でアニーリング処理を行ってもよい。
(CNT)
CNTとしては、1枚の炭素膜(グラフェン・シート)が円筒状に巻かれた単層CNT、2枚のグラフェン・シートが同心円状に巻かれた2層CNT、複数のグラフェン・シートが同心円状に巻かれた多層CNTのいずれを用いてもよいが、高い半導体特性を得るためには単層CNTを用いるのが好ましい。CNTは、アーク放電法、化学気相成長法(CVD法)、レーザー・アブレーション法等により得ることができる。
また、CNTは、全CNT中、半導体型CNTを80重量%以上含むことがより好ましい。さらに好ましくは半導体型CNTを95重量%以上含むことである。半導体型80重量%以上のCNTを得る方法としては、既知の方法を用いることができる。例えば、密度勾配剤の共存下で超遠心する方法、特定の化合物を選択的に半導体型もしくは金属型CNTの表面に付着させ、溶解性の差を利用して分離する方法、電気的性質の差を利用し電気泳動等により分離する方法などが挙げられる。半導体型CNTの含有率を測定する方法としては、可視-近赤外吸収スペクトルの吸収面積比から算出する方法や、ラマンスペクトルの強度比から算出する方法等が挙げられる。
CNT1本の長さは、ソース電極とドレイン電極との間の距離(以下、単に「電極間距離」と称する)よりも短いことが好ましい。CNTの平均長さは、電極間距離にもよるが、好ましくは2μm以下である。
CNTの平均長さとは、ランダムにピックアップした20本のCNTの長さの平均値を言う。CNT平均長さの測定方法としては、原子間力顕微鏡で得た画像の中から、20本のCNTをランダムにピックアップし、それらの長さの平均値を得る方法が挙げられる。
CNTの直径は特に限定されないが、1nm以上100nm以下が好ましく、より好ましくは50nm以下である。さらに好ましくは5nm以下である。
(CNT複合体)
本発明に用いられるCNTにおいては、CNTの表面の少なくとも一部に共役系重合体を付着せしめて用いること(以下、共役系重合体が付着したCNTを「CNT複合体」と称する)が好ましい。ここで、共役系重合体とは、繰り返し単位が共役構造をとり、重合度が2以上である化合物を指す。
CNTの表面の少なくとも一部に共役系重合体を付着させることにより、CNTの保有する高い電気的特性を損なうことなく、CNTを溶液中に均一に分散することが可能になる。CNTが均一に分散した溶液を用いれば、塗布法により、均一に分散したCNTを含んだ膜を形成することが可能になる。これにより、高い半導体特性を実現できる。
CNTの表面の少なくとも一部に共役系重合体が付着した状態とは、CNTの表面の一部、あるいは全部を、共役系重合体が被覆した状態を意味する。共役系重合体がCNTを被覆できるのは、両者の共役系構造に由来するπ電子雲が重なることによって、相互作用が生じるためと推測される。
CNTが共役系重合体で被覆されているか否かは、その反射色から判断できる。被覆されたCNTの反射色は、被覆されていないCNTの反射色とは異なり、共役系重合体の反射色に近い。定量的には、X線光電子分光(XPS)などの元素分析によって、CNTへの付着物の存在を確認することや、CNTと付着物との重量比を測定することができる。
また、CNTへの付着のしやすさから、共役系重合体の重量平均分子量が1000以上であることが好ましい。
CNTに共役系重合体を付着させる方法としては、(I)溶融した共役系重合体中にCNTを添加して混合する方法、(II)共役系重合体を溶媒中に溶解させ、この中にCNTを添加して混合する方法、(III)CNTを溶媒中に超音波等で予備分散させておき、そこへ共役系重合体を添加し混合する方法、(IV)溶媒中に共役系重合体とCNTを入れ、この混合系へ超音波を照射して混合する方法、などが挙げられる。本発明では、いずれの方法を用いてもよく、複数の方法を組み合わせてもよい。
共役系重合体としては、ポリチオフェン系重合体、ポリピロール系重合体、ポリアニリン系重合体、ポリアセチレン系重合体、ポリ-p-フェニレン系重合体、ポリ-p-フェニレンビニレン系重合体などが挙げられるが、特に限定されない。上記重合体としては、単一のモノマーユニットが並んだものが好ましく用いられるが、異なるモノマーユニットをブロック共重合したもの、ランダム共重合したもの、およびグラフト重合したものも好ましく用いられる。
上記重合体の中でも、本発明においては、CNTへの付着が容易であり、CNT複合体を形成しやすい観点から、ポリチオフェン系重合体が好ましく使用される。ポリチオフェン系重合体の中でも、環中に含窒素二重結合を有する縮合へテロアリールユニットと、チオフェンユニットとを、繰り返し単位中に含むものがより好ましい。
環中に含窒素二重結合を有する縮合へテロアリールユニットとしては、チエノピロール、ピロロチアゾール、ピロロピリダジン、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾチアジアゾール、キノリン、キノキサリン、ベンゾトリアジン、チエノオキサゾール、チエノピリジン、チエノチアジン、チエノピラジンなどのユニットが挙げられる。これらの中でも特にベンゾチアジアゾールユニットまたはキノキサリンユニットが好ましい。これらのユニットを有することで、CNTと共役系重合体の密着性が増し、CNTを半導体層中により良好に分散することができる。
上記共役系重合体の具体例としては、国際公開第2009/139339号や特許第6683296号に記載の共役系重合体などが挙げられる。
(保護層)
保護層の役割は、半導体素子、特に半導体層の保護であり、具体的には、擦れなどの物理ダメージや大気中の水分や酸素から半導体素子を保護することなどが挙げられる。
保護層に用いられる材料としては、例えば、シリコンウエハ、ガラス、サファイア、アルミナ焼結体等の無機材料、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルクロライド、ポリエチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリシロキサン、ポリビニルフェノール、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリパラキシレン、ポリアクリロニトリル、シクロオレフィンポリマー等の有機材料などが挙げられる。
また、保護層は、例えば、シリコンウエハ上にポリビニルフェノール膜を形成したものや、ポリエチレンテレフタレート上に酸化アルミニウム膜を蒸着等の方法で形成したものなど、第1の層と、第1の層上に積層された第2の層と、を含む積層構造であることが好ましい。互いに異なる材料から成る第1の層と第2の層とを積層することで、各層にそれぞれ異なる機能を付与することができる。
中でも、水蒸気・酸素透過性や電波透過性の観点から、保護層として、一般的にバリアフィルムとして知られているものを用いることが好ましい。例えば、アルミ箔やガラスなどの無機膜、ポリエチレンやポリプロピレンやポリエチレンテレフタレートなどのフィルム上に、塩素系樹脂、フッ素系樹脂、シラン系コーティング剤などのコーティング膜を設けたもの、アルミニウム、シリカ、酸化アルミニウムなどの無機膜を設けたものが挙げられる。
さらに、保護層は粘着層を有していても良い。例えば、ポリエチレンテレフタレートに対して酸化アルミニウムが形成された保護層であれば、酸化アルミニウムが形成された側の反対側に粘着層を有することが好ましい。これにより、半導体素子への保護層の形成が容易となる。粘着層としては、一般的に知られているものを用いることができ、例えば、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤やゴム系粘着剤などが挙げられる。また、粘着層の代わりに接着層としてもよい。接着層としては、一般的に知られているものを用いることができ、例えば、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤やホットメルト系接着剤などが挙げられる。
半導体素子では、ソース電極とドレイン電極との間に流れる電流(ソース・ドレイン間電流)を、ゲート電圧を変化させることによって制御することができる。そして、半導体素子の移動度μ(cm/V・s)は、下記式を用いて算出することができる。
μ=(δId/δVg)L・D/(W・εr・ε・Vsd)
ただしIdはソース・ドレイン間電流(A)、Vsdはソース・ドレイン間電圧(V)、Vgはゲート電圧(V)、Dはゲート絶縁層の厚み(m)、Lはチャネル長(m)、Wはチャネル幅(m)、εrはゲート絶縁層の比誘電率(F/m)、εは真空の誘電率(8.85×10-12F/m)、δは該当の物理量の変化量を示す。
また、半導体素子のしきい値電圧は、Id-Vgグラフにおける線形部分の延長線とVg軸との交点から求めることができる。
しきい値電圧の絶対値が小さく、移動度が高いものが、高機能な、特性の良い半導体素子である。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る半導体装置は、少なくとも1つの上記第1の半導体素子と、n型半導体素子である第2の半導体素子と、それらを保護する保護層とを有する。そして、第1の半導体素子における第1の半導体層と、保護層との間が中空である。また、第2の半導体素子においては、第2の半導体層に対してゲート絶縁層とは反対側で第2の半導体層と接する第2絶縁層を含み、第2絶縁層上面の少なくとも一部が保護層と接する。本実施の形態2に係る半導体装置も、上記実施の形態1に係る半導体装置と同様に、経時的な特性変動のない安定な半導体装置となる。
本実施の形態2に係る半導体装置において、第1の半導体素子はn型半導体素子およびp型半導体素子のいずれであってもよい。第1の半導体素子がp型半導体素子である場合、本実施の形態2に係る半導体装置は、n型半導体素子およびp型半導体素子両方を備えている相補型半導体装置となる。
<第2の半導体素子>
図3は、本実施の形態2に係る半導体装置の一例を示す模式断面図である。この構成では、絶縁性基板10の上に形成されるゲート電極11、21と、それを覆うゲート絶縁層12、22と、その上に設けられるソース電極13、23およびドレイン電極14、24と、それらの電極の間に設けられる第1の半導体層15および第2の半導体層25と、第2の半導体層25を覆う第2絶縁層27と、ソース電極13、23、ドレイン電極14、24および半導体層15、25を保護する保護層26と、を有する。この構成において、第2絶縁層27を有しない方の半導体素子が第1の半導体素子であり、第2絶縁層27を有する方の半導体素子が第2の半導体素子である。第1の半導体層15と保護層26は接触せず、第1の半導体層15の上部は中空領域となっており、第2絶縁層27上面の少なくとも一部が、保護層26と接している。
このような半導体装置を製造するには、例えば、第1の半導体素子および第2の半導体素子を形成した後、保護層となる保護フィルムを第1の半導体素子及び第2の半導体素子の全てを覆うように一括で貼付する方法が挙げられる。
図3に示すように、ソース電極13、23およびドレイン電極14、24の上面の少なくとも一部に、保護層26が接していることが好ましい。保護層の機械的強度が増し、物理的な破損等から半導体装置を保護しやすくなるからである。
第2の半導体素子を構成する各電極等の要素の具体例は、上記第1の半導体素子におけるものと同様のものが挙げられる。第1の半導体素子と第2の半導体素子とで共通する構成要素は、製造コストの観点から、同一の材料で構成されることが好ましく、また同一工程で形成することが好ましい。
各電極が同一材料で構成されるとは、各電極に含まれる元素の中でも最も含有モル比率が高い元素が同一であることをいう。電極中の元素の種類と含有比率はX線光電子分光(XPS)や二次イオン質量分析法(SIMS)などの元素分析によって、同定することができる。
ゲート絶縁層が同一材料で構成されるとは、各ゲート絶縁層を構成する組成物中に1モル%以上含まれる元素の種類および組成比が同じであることをいう。元素の種類および組成比が同じであるか否かは、X線光電子分光(XPS)や二次イオン質量分析法(SIMS)などの元素分析によって、同定することができる。
半導体層が同一材料で構成されるとは、各半導体層を構成する組成物中に1モル%以上含まれる元素の種類および組成比が同じであることをいう。元素の種類および組成比が同じであるか否かは、X線光電子分光(XPS)や二次イオン質量分析法(SIMS)などの元素分析によって、同定することができる。
(第2絶縁層)
第2絶縁層は、半導体層に対してゲート絶縁層が形成された側の反対側に形成される。半導体層に対してゲート絶縁層が形成された側の反対側とは、例えば、半導体層の下側にゲート絶縁層を有する場合は、半導体層の上側を指す。第2絶縁層を形成することにより、一般にはp型半導体特性を示すような半導体材料を用いた半導体素子であっても、n型半導体特性を示す半導体素子へ転換できる。
第2絶縁層は、炭素原子と窒素原子の結合を含む有機化合物を含有することが好ましい。そのような有機化合物としてはいかなる有機化合物でもよいが、例えば、アミド系化合物、イミド系化合物、ウレア系化合物、アミン系化合物、イミン系化合物、アニリン系化合物、ニトリル系化合物などを挙げることができる。 第2絶縁層の膜厚は、500nm以上であることが好ましく、1.0μm以上であることがより好ましく、3.0μm以上であることがさらに好ましい。この範囲の膜厚にすることにより、より半導体素子の特性の安定性が向上する。また、上限としては、特に限定されるものではないが、500μm以下であることが好ましい。
第2絶縁層の膜厚は、第2絶縁層の断面を走査型電子顕微鏡により測定し、得られた像 うち、半導体層上に位置する第2絶縁層部分の中から無作為に選択した10箇所の膜厚を算出し、その算術平均の値とする。
また、第2絶縁層は単層でも複数層でもよい。第2絶縁層の形成方法としては、特に限定されず、抵抗加熱蒸着、電子線ビーム、スパッタリング、CVDなど乾式の方法を用いることも可能であるが、製造コストや大面積への適合の観点から塗布法を用いることが好ましい。塗布法として、具体的には、スピンコート法、ブレードコート法、スリットダイコート法、スクリーン印刷法、バーコーター法、鋳型法、印刷転写法、浸漬引き上げ法、インクジェット法、ドロップキャスト法などを好ましく用いることができる。塗膜厚み制御や配向制御など、得ようとする塗膜特性に応じて塗布方法を選択できる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係る半導体装置は、少なくとも1つの上記第1の半導体素子と、p型半導体素子である第3の半導体素子と、それらを保護する保護層とを有する。そして、第1の半導体素子における第1の半導体層と、保護層との間が中空である。また、第3の半導体素子においては、第3の半導体層に対してゲート絶縁層とは反対側で第3の半導体層と接する第3絶縁層を含み、第3絶縁層上面の少なくとも一部が保護層と接する。第3絶縁層により、第3の半導体素子の特性を調整することができる。本実施の形態3に係る半導体装置も、上記実施の形態1に係る半導体装置と同様に、経時的な特性変動のない安定な半導体装置となる。
本実施の形態3に係る半導体装置において、第1の半導体素子はn型半導体素子およびp型半導体素子のいずれであってもよい。第1の半導体素子がp型半導体素子である場合、第3の半導体素子は同じp型半導体素子であってもその特性が第3絶縁層により調整されているので、互いに異なる特性のp型半導体素子を併存させることができる。
なお、実施の形態3に係る半導体装置も、上記実施の形態2に係る半導体装置の第2の半導体素子を有していてもよい。以下では、第1の半導体素子、第2の半導体素子および第3の半導体素子の全てを備えた半導体装置の実施形態を例に挙げて説明する。
<第3の半導体素子>
図4は、本実施の形態3に係る半導体装置の一例を示す模式断面図である。この構成では、絶縁性基板10の上に形成されるゲート電極11、21、31と、それを覆うゲート絶縁層12、22、32と、その上に設けられるソース電極13、23、33およびドレイン電極14、24、34と、それらの電極の間に設けられる第1の半導体層15、第2の半導体層25、および第3の半導体層35と、第2の半導体層25を覆う第2絶縁層27と、第3の半導体層35を覆う第3絶縁層37と、ソース電極13、23、33、ドレイン電極14、24、34および半導体層15、25、35を保護する保護層36と、を有する。この構成において、第2絶縁層27、または第3絶縁層37を有しない半導体素子が第1の半導体素子であり、第2絶縁層27を有する半導体素子が第2の半導体素子であり、第3絶縁層37を有する半導体素子が第3の半導体素子である。第1の半導体層15と保護層36は接触せず、第1の半導体層15の上部は中空領域となっており、第2絶縁層27、および第3絶縁層37上面の少なくとも一部が、保護層36と接している。
このような半導体装置を製造するには、例えば、第1の半導体素子、第2の半導体素子、および第3の半導体素子を形成した後、保護層となる保護フィルムを第1の半導体素子、第2の半導体素子、および第3の半導体素子の全てを覆うように一括で貼付する方法が挙げられる。
図4に示すように、ソース電極13、23、33およびドレイン電極14、24、34の上面の少なくとも一部に、保護層36が接していることが好ましい。保護層の機械的強度が増し、物理的な破損等から半導体装置を保護しやすくなるからである。
第3の半導体素子を構成する各電極等の要素の具体例は、上記第1の半導体素子におけるものと同様のものが挙げられる。第1の半導体素子、第2の半導体素子、および第3の半導体素子とで共通する構成要素は、製造コストの観点から、同一の材料で構成されることが好ましく、また同一工程で形成することが好ましい。各構成要素が同一材料で構成されるとは、上記第2の半導体素子に記載の内容と同様のことを言い、上記第2の半導体素子に記載したものと同様の分析によって、同定できる。
(第3絶縁層)
第3絶縁層は、半導体層に対してゲート絶縁層が形成された側の反対側に形成される。第3絶縁層を形成することにより、例えば、第3の半導体素子のゲート電圧を変えたときのソース・ドレイン間電流値などの電気特性を調整することができる。
第3絶縁層に用いられる材料としては、特に限定されないが、具体的には酸化シリコン、アルミナ等の無機材料;ポリイミドやその誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルクロライド、ポリエチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリシロキサンやその誘導体、ポリビニルフェノールやその誘導体等などの有機高分子材料;あるいは無機材料粉末と有機高分子材料の混合物や有機低分子材料と有機高分子材料の混合物を挙げることができる。第3絶縁層の膜厚は、一般的には50nm~50μm、好ましくは100nm~20μmである。第3絶縁層の膜厚は、第2絶縁層と同様の方法で算出できる。
第3絶縁層は単層でも複数層でもよい。第3絶縁層の形成方法としては、第2絶縁層と同様の方法が挙げられる。
(半導体装置の適用可能性)
本発明の実施の形態に係る半導体装置は、各種電子機器の回路やIC、RFIDタグなどの無線通信装置、無線給電装置、アクティブマトリクス駆動の液晶ディスプレイや電子ペーパーなどのディスプレイ用TFTアレイ、センサ、開封検知システム、などに適用可能である。
<回路>
本発明の実施の形態に係る半導体装置は各種回路へ適用することができる。例えば、整流回路などのアナログ回路や、NOT回路、NAND回路、NOR回路、AND回路、OR回路などの論理回路、それらを用いた組み合わせ回路や順序回路、メモリやマイクロプロセッサ、ロジックICなどの集積回路などが挙げられる。また、このような回路は各電子デバイスに用いることができる。本発明の半導体装置は、経時的な特性変動がない、安定な半導体装置であるため、上述の回路にも好ましく用いることができる。また、半導体層に有機半導体やカーボン材料を含有することで曲げや伸縮に耐性があるため、フレキシブル、ベンダブルな電子デバイスに好ましく用いることができる。
<無線通信装置>
次に、本発明の半導体装置を有する、本発明の実施の形態に係る無線通信装置について説明する。この無線通信装置は、例えば商品タグ、万引き防止タグ、各種チケットやスマートカードのような、無線電波を用いて情報の通信を行う装置である。
無線通信装置は、上述の半導体素子と、アンテナと、を少なくとも有するものである。本発明の実施の形態に係る無線通信装置の、より具体的な構成としては、例えば、図5に示すようなものが挙げられる。
これは、アンテナ40で受信した外部からの変調波信号の整流を行い各部に電源を供給する電源生成部と、上記変調波信号を復調して制御回路へ送る復調回路と、制御回路から送られたデータを変調してアンテナに送り出す変調回路と、復調回路で復調されたデータの記憶回路への書込み、および記憶回路からデータを読み出して変調回路への送信を行う制御回路と、を含み、各回路部が電気的に接続されている。上記電源生成部、復調回路、制御回路、変調回路、記憶回路の少なくともいずれか1つ以上は本発明の実施の形態にかかる半導体素子を含み、さらにコンデンサ、抵抗素子、ダイオードを含んでいても良い。なお、上記記憶回路は、さらに、製造時に情報が書き込まれる読み取り専用の記憶部や、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、FeRAM(Ferroelectric Randam Access Memory)等の、不揮発性の書換え可能な記憶部を有していてもよい。上記電源生成部は、コンデンサと、ダイオードとから構成される。
アンテナ、コンデンサ、抵抗素子、ダイオード、不揮発性の書き換え可能な記憶部は、一般的に使用されるものであればよく、用いられる材料、形状は特に限定はされない。また、上記の各構成要素を電気的に接続する材料も、一般的に使用されうる導電材料であればいかなるものでもよい。各構成要素の接続方法も、電気的に導通を取ることができれば、いかなる方法でもよい。各構成要素の接続部の幅や厚みは、任意である。
<商品タグ>
上記無線通信装置の用途は特に制限はないが、例えば商品タグへ適用することができる。商品タグとしては公知のものを用いることができ、例えば基体と、この基体によって被覆された上記無線通信装置とを有しているものが挙げられる。識別情報返信機能を備えた商品タグに適用すれば、商品の精算レジにおいて、非接触で多数の商品を同時に識別することが可能となる。それゆえ、バーコードでの識別と比較して、決済処理の容易化や迅速化を図ることができる。
また、例えば、商品の会計の際に、リーダ/ライタが、商品タグから読み取った商品情報をPOS(Point of sale system、販売時点情報管理)端末に送信することが可能である。この機能により、POS端末において、その商品情報によって特定される商品の販売登録をすることもできるため、在庫管理の容易化や迅速化を図ることができる。
<薄膜トランジスタアレイ>
本発明の実施の形態に係る半導体素子を用いて、薄膜トランジスタ(以下、TFT)アレイを得ることができる。図6は、TFTアレイの一例を示す模式図である。図6に示すように、TFTアレイ50は、二本のゲート線51、52と、二本のソース線53、54と、四つのTFT55、56、57、58とを含む。ゲート線51はTFT55、57のゲート電極と電気的に結合し、ゲート線52はTFT56、58のゲート電極と電気的に結合している。ソース線53はTFT55、56のソース電極と電気的に結合し、ソース線54はTFT57、58のソース電極と電気的に結合している。なお、図6には説明の簡略化のために四つのTFTを含むTFTアレイ50が例示されているが、ゲート線、ソース線およびTFTの数は任意に変更してもよい。
ゲート線、ソース線、TFTを電気的に接続する材料は、特に制限はないが、例えば、一般的に使用される導電材料を用いることができる。上記接続の方法も、電気的に導通を取ることができれば、いかなる方法でもよい。また、接続部の幅や厚みは、任意である。
本発明の実施の形態にかかるTFTアレイは、例えば、アクティブマトリクス駆動の液晶ディスプレイや電子ペーパーなどに用いることができる。
<センサ>
本発明の実施の形態に係る半導体装置は、各種センサに用いてもよい。例えば、温度、水分、ガス、光、電磁波、放射線、圧力などを検出するセンサとしての利用が可能である。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定して解釈されるものではない。なお、実施例中における評価方法を以下の(1)、(2)で説明する。
(1)半導体素子特性変動の評価
作製した第1の半導体素子について、ゲート電圧(Vg)を変えたときのソース・ドレイン間電流(Id)-ソース・ドレイン間電圧(Vsd)特性を測定した。測定には半導体特性評価システム4200-SCS型(ケースレーインスツルメンツ株式会社製)を用い、大気中で測定した。Vsd=-5Vとし、Vg=+5V~-10Vに変化させた。この時、Vg=-10VのIdをオン電流(Id_bef)とした。同一の素子を1週間後に同様の条件で測定した際のオン電流(Id_aft)とし、オン電流の変動率(Id_aft/Id_bef)を求め、これを下記のように判定した。また、第2の半導体素子については、Vsd=+5Vとし、Vg=-5V~+10Vに変化させた。この時、Vg=+10VのIdをオン電流(Id_bef)、同一素子の1週間後のオン電流(Id_aft)とし、オン電流の変動率(Id_aft/Id_bef)を求め、同様の判定を実施した。
(変動率)
A:0.9以上1.1未満
B:Aの範囲外であって、0.7以上1.5未満
C:Bの範囲外であって、0.5以上2.0未満
D:Cの範囲外であって、0.1以上10.0未満
E:0.1未満または10.0以上。
(2)耐屈曲性評価
図7を参照して説明する。半導体素子を形成した基板60について、半導体素子を形成した面上の中央部に直径30mmの金属円柱61を固定し、この円柱に沿って、円柱の抱き角0°(サンプルが平面の状態)の状態に置き(図7(a)参照)、円柱への抱き角が180°(円柱で折り返した状態)となるまで(図7(b)参照)、折り曲げ動作を行った。耐屈曲性は、曲げ動作前後の半導体素子のゲート電極、ソース電極、ドレイン電極および配線パターンを光学顕微鏡で観察し、以下の基準で評価を行った。
A(良好):折り曲げ動作を500回繰り返してもゲート電極、ソース電極、ドレイン電極および配線パターンに剥がれ、欠けが見られない。
B(可):折り曲げ動作を100回繰り返してもゲート電極、ソース電極、ドレイン電極および配線パターンに剥がれ、欠けが見られない。
C(不可):折り曲げ動作の繰り返しが100回未満で、ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極および配線パターンの少なくとも一部に剥がれ、欠けが見られた。
(組成物の作製例)
半導体溶液の作製例1;半導体溶液A
まず、ポリ(3-ヘキシルチオフェン)(P3HT)(アルドリッチ(株)製)2.0mgのクロロホルム10ml溶液にCNT1(CNI社製、単層CNT、純度95%)を1.0mg加え、氷冷しながら超音波ホモジナイザー(東京理化器械(株)製VCX-500)を用いて出力20%で4時間超音波撹拌し、CNT分散液A(溶媒に対するCNT複合体濃度0.96g/l)を得た。次に、半導体層を形成するための半導体溶液の作製を行った。上記CNT分散液Aをメンブレンフィルター(孔径10μm、直径25mm、ミリポア社製オムニポアメンブレン)を用いてろ過を行い、長さ10μm以上のCNT複合体を除去した。得られた濾液にo-DCB(和光純薬工業(株)製)5mlを加えた後、ロータリーエバポレーターを用いて、低沸点溶媒であるクロロホルムを留去し、溶媒をo-DCBで置換し、CNT分散液A’を得た。
CNT分散液A’1mlにo-DCB3mLを加え、半導体溶液A(溶媒に対するCNT複合体濃度0.033g/l)とした。
組成物の作製例1;ゲート絶縁層溶液A
メチルトリメトキシシラン61.29g(0.45モル)、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン12.31g(0.05モル)、およびフェニルトリメトキシシラン99.15g(0.5モル)をプロピレングリコールモノブチルエーテル(沸点170℃)203.36gに溶解し、これに、水54.90g、リン酸0.864gを撹拌しながら加えた。得られた溶液をバス温105℃で2時間加熱し、内温を90℃まで上げて、主として副生するメタノールからなる成分を留出せしめた。次いでバス温130℃で2.0時間加熱し、内温を118℃まで上げて、主として水とプロピレングリコールモノブチルエーテルからなる成分を留出せしめた後、室温まで冷却し、固形分濃度26.0重量%のポリシロキサン溶液Aを得た。得られたポリシロキサンの重量平均分子量は6000であった。得られたポリシロキサン溶液Aを10gはかり取り、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(以下、PGMEAという)54.4gを混合して、室温にて2時間撹拌し、ゲート絶縁層溶液Aを得た。
組成物の作製例2;第2絶縁層作製用の溶液A
ポリメチルメタクリレート(富士フィルム和光純薬株式会社製)2.5gをN,N-ジメチルホルムアミド7.5gに溶解し、ポリマー溶液Aを調製した。次に、N,N,N’,N’-テトラメチル-1,4-フェニレンジアミン(東京化成工業株式会社製)1gをN,N-ジメチルホルムアミド9.0gに溶解し、化合物溶液Aを調製した。ポリマー溶液A0.68gに化合物溶液A0.30gを添加し、第2絶縁層作製用の溶液Aを得た。
組成物の作製例3;第3絶縁層作製用の溶液B
ポリスチレン(富士フィルム和光純薬株式会社製)1.485gをシクロヘキサノン8.5gに溶解し、ポリマー溶液Bを調製した。次に、p-クロラニル(東京化成工業株式会社製)0.015gを上記ポリマー溶液Bに添加し、ハイブリッドミキサーで処理することで、第3絶縁層溶液Bを得た。
合成例1;化合物P1(感光性有機成分)
共重合比率(質量基準):エチルアクリレート(以下、「EA」)/メタクリル酸2-エチルヘキシル(以下、「2-EHMA」)/スチレン(以下、「St」)/グリシジルメタクリレート(以下、「GMA」)/アクリル酸(以下、「AA」)=20/40/20/5/15。
窒素雰囲気の反応容器中に、150gのジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(以下、「DMEA」)を仕込み、オイルバスを用いて80℃まで昇温した。これに、20gのEA、40gの2-EHMA、20gのSt、15gのAA、0.8gの2,2’-アゾビスイソブチロニトリルおよび10gのDMEAからなる混合物を、1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに6時間重合反応を行った。その後、1gのハイドロキノンモノメチルエーテルを添加して、重合反応を停止した。引き続き、5gのGMA、1gのトリエチルベンジルアンモニウムクロライドおよび10gのDMEAからなる混合物を、0.5時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに2時間付加反応を行った。得られた反応溶液をメタノールで精製することで未反応不純物を除去し、さらに24時間真空乾燥することで、化合物P1を得た。
合成例2;化合物P2(感光性有機成分)
共重合比率(質量基準):2官能エポキシアクリレートモノマー(エポキシエステル3002A;共栄社化学(株)製)/2官能エポキシアクリレートモノマー(エポキシエステル70PA;共栄社化学(株)製)/GMA/St/AA=20/40/5/20/15。
窒素雰囲気の反応容器中に、150gのジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(以下、「DMEA」)を仕込み、オイルバスを用いて80℃まで昇温した。これに、20gのエポキシエステル3002A、40gのエポキシエステル70PA、20gのSt、15gのAA、0.8gの2,2’-アゾビスイソブチロニトリルおよび10gのDMEAからなる混合物を、1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに6時間重合反応を行った。その後、1gのハイドロキノンモノメチルエーテルを添加して、重合反応を停止した。引き続き、5gのGMA、1gのトリエチルベンジルアンモニウムクロライドおよび10gのDMEAからなる混合物を、0.5時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに2時間付加反応を行った。得られた反応溶液をメタノールで精製することで未反応不純物を除去し、さらに24時間真空乾燥することで、化合物P2を得た。
合成例3;化合物P3(感光性有機成分)
化合物P2のウレタン変性化合物
窒素雰囲気の反応容器中に、100gのジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(以下、「DMEA」)を仕込み、オイルバスを用いて80℃まで昇温した。これに、感光性成分P2を10g、3.5gのn-ヘキシルイソシアネートおよび10gのDMEAからなる混合物を、1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに3時間反応を行った。得られた反応溶液をメタノールで精製することで未反応不純物を除去し、さらに24時間真空乾燥することで、ウレタン結合を有する化合物P3を得た。
調製例1;感光性ペーストA
100mlクリーンボトルに、上記により得られた化合物P1を16g、化合物P3を4g、光重合開始剤OXE-01(BASFジャパン株式会社製)4g、酸発生剤SI-110(三新化学工業株式会社製)を0.6g、γ-ブチロラクトン(三菱ガス化学株式会社製)を10g入れ、自転-公転真空ミキサー“あわとり練太郎”(登録商標)(ARE-310;(株)シンキー製)で混合し、感光性樹脂溶液34.6g(固形分78.5質量%)を得た。得られた感光性樹脂溶液8.0gと平均粒子径0.2μmのAg粒子42.0gを混ぜ合わせ、3本ローラー“EXAKT M-50”(商品名、EXAKT社製)を用いて混練し、50gの感光性ペーストAを得た。
実施例1
図2に示す半導体素子の作製を行った。PET基板(膜厚50μm)上に、感光性ペーストAをスクリーン印刷で塗布し、乾燥オーブンで100℃、10分プリベークを行った。その後、露光装置“PEM-8M”(商品名、ユニオン光学(株)製)を用いて露光量70mJ/cm(波長365nm換算)で全線露光を行い、0.5%NaCO溶液で30秒間浸漬現像を行い、超純水でリンス後、乾燥オーブンで140℃、30分間キュアを行い、基板上にゲート電極を作製した。
次に上記ゲート絶縁層溶液Aを上記基板上にスピンコート塗布(1000rpm×30秒)し、窒素気流下200℃、1時間熱処理することによって、膜厚400nmのゲート絶縁層を形成した。
次にゲート絶縁層の上に、感光性ペーストAをスクリーン印刷で塗布し、乾燥オーブンで100℃、10分プリベークを行った。その後、露光装置“PEM-8M”を用いて、マスクパターンを介して露光量70mJ/cm(波長365nm換算)で全線露光を行い、0.5%NaCO溶液で30秒間浸漬現像を行い、超純水でリンス後、乾燥オーブンで140℃、30分間キュアを行い、ゲート絶縁層上にソース電極およびドレイン電極を作製した。
次に上記半導体溶液の作製例1に記載の方法で作製した半導体溶液Aを、上記ソース電極およびドレイン電極の間にインクジェット装置(クラスターテクノロジー(株)製)を用いて400pl滴下し、ホットプレート上で窒素気流下、150℃で30分の熱処理を行い、半導体層を形成した。
次に、PETフィルム上に酸化アルミニウムを蒸着した無色透明のバリアフィルム(東レフィルム加工株式会社製)の、酸化アルミニウムが形成された側とは反対側に、重剥離フィルムと軽剥離フィルムとを有する粘着シート(製品名:MO-3014、リンテック株式会社製)の重剥離フィルムを剥がした後の面を貼り付けた。次に、その粘着シートの軽剥離フィルムを剥がした後の面を、図2に示すように、ソース電極およびドレイン電極の上端に接するように貼り付けることで保護層を形成し、半導体素子を得た。得られた半導体素子のソース電極とドレイン電極の間隔は20μm、ソース電極およびドレイン電極高さは、ともに2μmであった。
得られた半導体素子について、(1)~(2)に記載の方法で半導体素子の特性変動評価と耐屈曲性評価を行った。半導体素子の特性変動評価結果はA、耐屈曲性評価結果はAであった。
実施例2
ソース電極とドレイン電極の間隔を100μm、ソース電極およびドレイン電極高さを、ともに2μmにしたこと以外は、実施例1と同様に半導体素子を形成した。
実施例3
ソース電極とドレイン電極の間隔を5μm、ソース電極およびドレイン電極高さを、ともに2μmにしたこと以外は、実施例1と同様に半導体素子を形成した。
実施例4
ソース電極とドレイン電極の間隔を100μm、ソース電極およびドレイン電極高さを、ともに1.2μmにしたこと以外は、実施例1と同様に半導体素子を形成した。
実施例5
ソース電極とドレイン電極の間隔を5μm、ソース電極およびドレイン電極高さを、ともに3μmにしたこと以外は、実施例1と同様に半導体素子を形成した。
実施例6
図3に示す半導体装置の作製を行った。PET基板(膜厚50μm)上に、感光性ペーストAをスクリーン印刷で塗布し、乾燥オーブンで100℃、10分プリベークを行った。その後、露光装置“PEM-8M”(商品名、ユニオン光学(株)製)を用いて露光量70mJ/cm(波長365nm換算)で全線露光を行い、0.5%NaCO溶液で30秒間浸漬現像を行い、超純水でリンス後、乾燥オーブンで140℃、30分間キュアを行い、基板上に第1の半導体素子のゲート電極、および第2の半導体素子のゲート電極を作製した。
次に上記ゲート絶縁層溶液Aを上記基板上にスピンコート塗布(1000rpm×30秒)し、窒素気流下200℃、1時間熱処理することによって、膜厚400nmの第1の半導体素子のゲート絶縁層、および第2の半導体素子のゲート絶縁層を形成した。
次にゲート絶縁層の上に、感光性ペーストAをスクリーン印刷で塗布し、乾燥オーブンで100℃、10分プリベークを行った。その後、露光装置“PEM-8M”を用いて、マスクパターンを介して露光量70mJ/cm(波長365nm換算)で全線露光を行い、0.5%NaCO溶液で30秒間浸漬現像を行い、超純水でリンス後、乾燥オーブンで140℃、30分間キュアを行い、ゲート絶縁層上に第1の半導体素子のソース電極およびドレイン電極、第2の半導体素子のソース電極およびドレイン電極を作製した
次に上記半導体溶液の作製例1に記載の方法で作製した半導体溶液Aを、上記第1の半導体素子のソース電極およびドレイン電極、第2の半導体素子のソース電極およびドレイン電極の間にインクジェット装置(クラスターテクノロジー(株)製)を用いて400pl滴下し、ホットプレート上で窒素気流下、150℃で30分の熱処理を行い、第1の半導体素子の第1の半導体層および第2の半導体素子の第2の半導体層を形成した。次に、第2絶縁層作製用の溶液A5μLを、第2の半導体層上に、第2の半導体層を覆うように滴下し、窒素気流下、110℃で30分熱処理して、第2絶縁層を形成した。
次にPETフィルム上に酸化アルミニウムを蒸着した無色透明のバリアフィルム(東レフィルム加工株式会社製)の、酸化アルミニウムが形成された側とは反対側に、重剥離フィルムと軽剥離フィルムとを有する粘着シート(製品名:MO-3014、リンテック株式会社製)の重剥離フィルムを剥がした後の面を貼り付けた。次に、その粘着シートの軽剥離フィルムを剥がした後の面を、図3に示すように、第1の半導体素子のソース電極およびドレイン電極の上端、ならびに第2の半導体素子の第2絶縁層上端に接するように貼り付けることで保護層を形成し、第1の半導体素子および第2の半導体素子を得た。第1の半導体素子のソース電極とドレイン電極の間隔は10μm、ソース電極およびドレイン電極高さは、2μm、第2の半導体素子のソース電極とドレイン電極の間隔は10μm、ソース電極およびドレイン電極高さは、2μmであった。
得られた半導体素子について、(1)~(2)に記載の方法で半導体素子の特性変動評価と耐屈曲性評価を行った。
実施例7
図4に示す半導体装置の作製を行った。PET基板(膜厚50μm)上に、感光性ペーストAをスクリーン印刷で塗布し、乾燥オーブンで100℃、10分プリベークを行った。その後、露光装置“PEM-8M”(商品名、ユニオン光学(株)製)を用いて露光量70mJ/cm(波長365nm換算)で全線露光を行い、0.5%NaCO溶液で30秒間浸漬現像を行い、超純水でリンス後、乾燥オーブンで140℃、30分間キュアを行い、基板上に第1の半導体素子のゲート電極、第2の半導体素子のゲート電極、および第3の半導体素子のゲート電極を作製した。
次に上記ゲート絶縁層溶液Aを上記基板上にスピンコート塗布(1000rpm×30秒)し、窒素気流下200℃、1時間熱処理することによって、膜厚400nmの第1の半導体素子のゲート絶縁層、第2の半導体素子のゲート絶縁層、および第3の半導体素子のゲート絶縁層を形成した。
次にゲート絶縁層の上に、感光性ペーストAをスクリーン印刷で塗布し、乾燥オーブンで100℃、10分プリベークを行った。その後、露光装置“PEM-8M”を用いて、マスクパターンを介して露光量70mJ/cm(波長365nm換算)で全線露光を行い、0.5%NaCO溶液で30秒間浸漬現像を行い、超純水でリンス後、乾燥オーブンで140℃、30分間キュアを行い、ゲート絶縁層上に第1の半導体素子のソース電極およびドレイン電極、第2の半導体素子のソース電極およびドレイン電極、第3の半導体素子のソース電極およびドレイン電極を作製した
次に上記半導体溶液の作製例1に記載の方法で作製した半導体溶液Aを、上記第1の半導体素子のソース電極およびドレイン電極、第2の半導体素子のソース電極およびドレイン電極、第3の半導体素子のソース電極およびドレイン電極の間にインクジェット装置(クラスターテクノロジー(株)製)を用いて400pl滴下し、ホットプレート上で窒素気流下、150℃で30分の熱処理を行い、第1の半導体素子の第1の半導体層、第2の半導体素子の第2の半導体層、および第3の半導体素子の第3の半導体層を形成した。
次に、第2絶縁層作製用の溶液A 5μLを、第2の半導体層上に、第2の半導体層を覆うように滴下し、窒素気流下、110℃で30分熱処理して、第2絶縁層を形成した。
次に、第3絶縁層作製用の溶液B 5μLを、第3の半導体層上に、第3の半導体層を覆うように滴下し、窒素気流下、110℃で30分熱処理して、第3絶縁層を形成した。
次にPETフィルム上に酸化アルミニウムを蒸着した無色透明のバリアフィルム(東レフィルム加工株式会社製)の、酸化アルミニウムが形成された側とは反対側に、重剥離フィルムと軽剥離フィルムとを有する粘着シート(製品名:MO-3014、リンテック株式会社製)の重剥離フィルムを剥がした後の面を貼り付けた。次に、その粘着シートの軽剥離フィルムを剥がした後の面を、図3に示すように、第1の半導体素子のソース電極およびドレイン電極の上端、ならびに第2の半導体素子の第2絶縁層上端、および第3の半導体素子の第3絶縁層上端に接するように貼り付けることで保護層を形成し、第1の半導体素子、第2の半導体素子、および第3の半導体素子を得た。第1の半導体素子のソース電極とドレイン電極の間隔、第2の半導体素子のソース電極とドレイン電極の間隔、および第3の半導体素子のソース電極とドレイン電極の間隔は、ともに10μm、第1の半導体素子のソース電極およびドレイン電極高さ、第2の半導体素子のソース電極およびドレイン電極高さ、第3の半導体素子のソース電極およびドレイン電極の高さは、ともに2μmであった。
得られた半導体素子について、(1)~(2)に記載の方法で半導体素子の特性変動評価と耐屈曲性評価を行った。
比較例1
PETフィルム上に酸化アルミニウムを蒸着した無色透明のバリアフィルム(東レフィルム加工株式会社製)の、酸化アルミニウムが形成された側とは反対側に、重剥離フィルムと軽剥離フィルムとを有する粘着シート(製品名:MO-3014、リンテック株式会社製)の重剥離フィルムを剥がした後の面を貼り付けた。次に、その粘着シートの軽剥離フィルムを剥がした後の面を、真空下で、第1の半導体素子に荷重を加えながら貼り付けることで、ソース電極およびドレイン電極だけでなく第1の半導体層にも接するように保護層を形成したこと以外は、実施例1と同様に半導体素子を形成した。
Figure 2023065320000002
1 第1の半導体素子
2 第2の半導体素子
3 第3の半導体素子
10 基板
11、21、31 ゲート電極
12、22、32 ゲート絶縁層
13、23、33 ソース電極
14、24、34 ドレイン電極
15 第1の半導体層
16、26、36 保護層
25 第2の半導体層
27 第2絶縁層
35 第3の半導体層
37 第3絶縁層
40 アンテナ
50 TFTアレイ
51、52 ゲート線
53、54 ソース線
55,56、57、58 TFT
60 半導体装置基板
61 金属円柱

Claims (12)

  1. 絶縁表面を有する基板上に設けられた第1の半導体素子と、前記第1の半導体素子を保護する保護層と、を有する半導体装置であって、
    前記第1の半導体素子は、
    ソース電極と、ドレイン電極と、ゲート電極と、
    前記ソース電極および前記ドレイン電極と接する半導体層と、
    前記半導体層を前記ゲート電極と絶縁するゲート絶縁層と、
    を含み、
    前記半導体層と前記保護層との間が中空領域である、半導体装置。
  2. 前記保護層が、前記半導体素子のソース電極およびドレイン電極の上面の少なくとも一部に接している、請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記ソース電極と前記ドレイン電極との距離Lと、前記ソース電極の高さHsと、前記ドレイン電極の高さHdとが、2≦L/Hs≦50および2≦L/Hd≦50の関係である、請求項1に記載の半導体装置。
  4. 絶縁表面を有する基板上に設けられた第1の半導体素子および第2の半導体素子と、前記第1の半導体素子および第2の半導体素子を保護する保護層と、を有する半導体装置であって、
    前記第1の半導体素子は、
    ソース電極と、ドレイン電極と、ゲート電極と、
    前記ソース電極および前記ドレイン電極と接する半導体層と、
    前記半導体層を前記ゲート電極と絶縁するゲート絶縁層と、を含み、
    前記半導体層と前記保護層との間が中空領域であり、
    前記第2の半導体素子は、
    n型半導体素子であり、
    ソース電極と、ドレイン電極と、ゲート電極と、
    前記ソース電極および前記ドレイン電極と接する第2の半導体層と、
    前記第2の半導体層を前記ゲート電極と絶縁するゲート絶縁層と、
    前記第2の半導体層に対して前記ゲート絶縁層とは反対側で前記第2の半導体層と接する第2絶縁層と、を含み、
    前記第2絶縁層上面の少なくとも一部が、前記保護層と接している、半導体装置。
  5. 絶縁表面を有する基板上に設けられた第1の半導体素子および第3の半導体素子と、前記第1の半導体素子および第3の半導体素子を保護する保護層と、を有する半導体装置であって、
    前記第1の半導体素子は、
    ソース電極と、ドレイン電極と、ゲート電極と、
    前記ソース電極および前記ドレイン電極と接する半導体層と、
    前記半導体層を前記ゲート電極と絶縁するゲート絶縁層と、を含み、
    前記半導体層と前記保護層との間が中空領域であり、
    前記第3の半導体素子は、
    p型半導体素子であり、
    ソース電極と、ドレイン電極と、ゲート電極と、
    前記ソース電極および前記ドレイン電極と接する第3の半導体層と、
    前記第3の半導体層を前記ゲート電極と絶縁するゲート絶縁層と、
    前記第3の半導体層に対して前記ゲート絶縁層とは反対側で前記第3の半導体層と接する第3絶縁層と、を含み、
    前記第3絶縁層上面の少なくとも一部が、前記保護層と接している、半導体装置。
  6. 前記絶縁表面を有する基板が樹脂基板である、請求項1~5のいずれかに記載の半導体装置。
  7. 前記保護層は、第1の層と、前記第1の層上に積層された第2の層と、を含む積層構造である、請求項1~5のいずれかに記載の半導体装置。
  8. 前記第1の半導体層、および前記第2の半導体層が、カーボンナノチューブを含む、請求項1~5のいずれかに記載の半導体装置。
  9. 請求項1~5のいずれかに記載の半導体装置と、アンテナと、を少なくとも有する無線通信装置。
  10. 請求項1~5のいずれかに記載の半導体装置を有する、回路。
  11. 請求項1~5のいずれかに記載の半導体装置を有する、薄膜トランジスタアレイ。
  12. 請求項1~5のいずれかに記載の半導体装置を有する、センサ。
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