JP2023064535A - 折り畳み式椅子 - Google Patents

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勇佑 池越
Yusuke Ikekoshi
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壮麻 深谷
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Abstract

【課題】シンプルなデザインで座の支持安定性にも優れた折り畳み式椅子を開示する。【解決手段】椅子は座1と脚装置2と背もたれ3とを備えており、脚装置2は、水平状の上フレーム6を有する4本足方式で、左右の上フレーム6はその後部がビーム材8で連結されている。上フレーム6は座1の下方に隠れており、ビーム材8に設けた支持ブラケット29に座1が回動自在に連結されている。座1を倒した状態で折り畳みのための部材は見えず、4本足方式のシンプルなデザインである。従って、どこでも違和感なく使用できる。座1はその前後2か所が両端支持の状態で左右の上フレーム6によって支持されるため、補強枠のような部材を使用しなくても、高い支持強度を確保できる。【選択図】図1

Description

本願発明は、座を上向きに起こし回動(跳ね上げ回動)させて折り畳みできる椅子に関するものである。
折り畳み式椅子は、座を起こし回動して折り畳むと多数台を前後に嵌め合わせ(ネスティング)できるようになっており、格納スペースを有効利用できるため、ミーティング用や聴講用などに多用されている。
折り畳み式椅子において、座を支持する脚装置は左右の脚枠体を有しており、例えば特許文献1に示すように、脚枠体は側面視逆y形(人字形、入字形)に形成されていることが多い。この場合は、脚枠体はその全体が座の左右外側に露出しており、左右の脚枠体に前後2本のビーム材を装架し、後部のビーム材に座を連結して、前部のビーム材で座を支持している。
他方、特許文献2~4では、脚枠体を、前後の足体とその上端に繋がった上フレームとから成る側面視門型(下向き開口コ字形)に形成しており、後ろ足体を上向きに突出させて背支柱と成し、左右の背支柱に連結した支軸に座の後端を連結する一方、左右の上フレームの前部を左右長手のビーム材で連結して、ビーム材で座の前部を支持している。
特許第6436750号公報 特許第4719902号公報 特許第6076700号公報 特許第6443962号公報
特許文献1では、左右の脚枠体はその全体が座の左右外側に露出するため、全体の左右幅は座の左右幅よりもかなり大きくならざるを得ず、このためコンパクト化できないという問題がある。また、脚枠体が目立ち過ぎるため、折り畳み機能が表に出過ぎて仰々しい印象を人に与えてしまって、場所によっては周囲の環境や雰囲気にそぐわずに使用しにくくなるという状況も懸念される。
他方、特許文献2~4では、脚枠体のうち前部は座の下方に隠れているが、座の後部に設けた上向きの部分を背支柱の内側面に連結しているため、脚枠体の後部と背支柱は座よりも左右外側にはみ出しており、従って、椅子の左右幅は特許文献1と同様に座の左右幅よりもかなり大きくならざるを得ず、特許文献1と同様にコンパクト化できないという問題がある。
また、脚枠体が目立つことは特許文献1と同じであるため、折り畳み機能が表に出過ぎて仰々しい印象を人に与えることは防止できていない。
本願発明はこのような現状を背景にして成されたものであり、着座面積は従来と変えることなくコンパクト化できると共に、デザイン性にも優れた4本足方式の折り畳み式椅子を開示せんとするものである。
本願発明は様々な構成を含んでおり、その典型例を各請求項で特定している。このうち請求項1の発明は、
「座がその後部を支点にして起こし回動されるように脚装置に連結されており、前記座を起こし回動させた折り畳み状態で複数台を前後にネスティングできる」
という基本構成において、
「前記脚装置は、前後の足体の上端間に前後長手で水平状の上フレームで繋がった左右の脚枠体と、前記左右脚枠体の上フレームをその後端寄り部位のみにおいて連結する左右長手のビーム材とを備えている」
という構成になっている。
請求項2の発明は、請求項1において、
「前記上フレームは、前記座の左右外側にはみ出ないように配置されており、前記座は、前倒し状態でその左右側部が前記上フレームで支持されている」
という構成になっている。
請求項3の発明は、請求項1又は2において、
「前記座は、その後部が前記ビーム材に回動可能に連結されて、前倒し状態では、前記ビーム材よりも前の部位が前記左右の上フレームに両端支持の状態で支持されている」
という構成になっている。
請求項4の発明は、請求項3において、
「前記座は、前記ビーム材に上向き突設した支持ブラケットに連結されている」
という構成になっている。なお、請求項4で特定している上向き突設は、軸受部の上端がビーム材よりも高いことを意味している。従って、側面視でビーム材の真上に突出している姿勢と、側面視で傾斜した姿勢との両方を含んでいる。
請求項5の発明は、請求項4において、
「前記支持ブラケットは、棒材で形成されて上端は水平状になっており、前記水平状の部位に前記座が連結されている」
という構成になっている。
請求項6の発明は請求項1と並立するものであり、請求項1と同じ基本構成において、
「前記脚装置は、前後の足体の上端間に前後長手で水平状の上フレームが繋がった左右の脚枠体を有して、前記上フレームは、その全体又は大部分が前記座の下方に位置するように配置されており、
前記座は、前倒し状態で、前記左右の上フレームに両端支持の状態で支持されている」
という構成になっている。
請求項7の発明は、請求項1~6のうちのいずれかにおいて、
「前記左右の後ろ足は上向きに延出されて背支柱になっており、左右の支柱の上端は一体に連結されている」
という構成になっている。
請求項8の発明は、請求項2~7のうちのいずれかにおいて、
「前記座は、上下に開口した平面視ロ字形で左右の横長部を有するアウターシェルと、前記アウターシェルに上から取り付いたインナーシェルと、前記インナーシェルの上面に配置されたクッション材とを有しており、
前記アウターシェルは強度メンバーであり、前部の横長部が前記左右の上フレームで支持されている」
という構成になっている。
本願各発明では、脚装置を構成する脚枠体は側面視で大まかには下向き開口コ字形を成しており、この脚装置に座の後部が連結されているため、請求項2や請求項7のように、脚枠体の大部分を座の下方に隠すことを簡単に実現できる。
従って、脚装置が座の左右外側に露出することも防止できる。その結果、着座面積は減らさずに椅子の機能は確保しつつ椅子をコンパクト化できると共に、折り畳みの機能が強調され過ぎることを防止して、折り畳み式でありながら非常にシンプルですっきりとしたデザインを実現できる。デザイン性について端的に述べると、座が固定された折り畳み式でない4本足方式の椅子と同様のどこにでも溶け込むシンプルな外観を呈することができる。
また、脚枠体の上フレームが水平状の姿勢であると、ネスティングを許容するためには、左右の上フレームは平面視で前広がりのハ字状の姿勢に配置することになるが、ビーム材は上フレームの後部のみに連結されているため、ネスティングピッチを小さくできる。従って、格納するに当たってスペースを有効利用できる。また、折り畳んだ状態でもスッキリとした外観になる。
請求項2では、上記したコンパクト性とデザイン性とを確実化できる。また、座は前倒し状態で左右の側部が上フレームで支持されるため、着座状態での座の安定性を向上できる利点もある。
また、各特許文献では、座の連結部は荷重の支持部も兼ねているため、スムースな回動の確保と強度との両方を担保する構造にせねばならないが、請求項2では脚枠体によって座の荷重を支持できるため、連結機能と支持機能とを分けることによって、連結部の設計の自由性を向上させてスムースな回動を確保できる利点もある。
座は、ビーム材とは別の部材で脚枠体に連結することも可能であるが、請求項3のようにビーム材に連結すると、構造を簡単化できる。この場合、座をビーム材に直接的に連結することも可能であるが、請求項4のように上向きに突出した支持ブラケットに連結すると、取り付け精度を高くできる利点や、座の回動支点が高くなるため座をネスティングに支障がない高さに折り畳みできる利点がある。
脚装置の強度の点からは、必要なネスティングピッチを確保できる状態でビーム材をなるべく前に配置するのが好ましいが、実施形態のように支持ブラケットを後傾姿勢に構成すると、ビーム材をできるだけ前に配置しつつ座の回動支点を後ろにずらすことができるため、脚装置の強度を確保しつつ、折り畳んだ状態での座をできるだけ後ろに配置してネスティングピッチをできるだけ小さくできる。また、座を、その後端縁を上フレームに当てることなく起こし回動させることも容易に実現できる。
支持ブラケットは様々な形態を採用できるが、請求項5のように丸棒等の棒材でコ字形に形成すると、高い強度を確保しつつ構造を簡単化できる利点がある。また、支持ブラケットを利用して座の左右移動を規制できる利点もある。
さて、折り畳み式椅子では、座を倒した展開状態で、座は前後2か所において支持されている必要があり、各特許文献では、脚装置に設けたビーム材で座の前寄り部位を支持している。従って、座を折り畳んだ状態でビーム材の全体が露出していて、シンプル性に欠けていると云える。また、ビーム材は座に対して線当たり状態になるため、特許文献1,4に開示されているように金属製の補強枠を設ける必要が生じるなどの問題も懸念される。
これに対して請求項6の発明では、座は左右の上フレームによって両端支持の状態になるため座を支持するためのビーム材は不要であり、それだけ構造を簡単化できると共に、折り畳み状態でもシンプルな外観を呈して商品性の向上に貢献できる。
また、上フレームは座の下方に位置していて上フレームの左右間隔は座の左右幅よりも小さいため、座は金属製の補強枠を設けるといった特別の対策を取らなくても安定的に支持できる。従って、構造の複雑化を防止しつつ、必要な強度を確保できる。
請求項7のように、左右の背支柱の上端を一体に連結すると、椅子の骨組み全体が堅牢な構造になるため、左右の脚枠体を1本のビーム材で連結した構造であっても、高い強度を確保できる利点がある。
椅子の座は、強度メンバーとして合成樹脂製のアウターシェルを設けることが多いが、請求項8の発明では、アウターシェルは上下に開口しているため、座のベンディングを許容して座り心地を向上させつつ、前後の横長部が梁材として機能していて高い強度を担保できる。また、必要な強度は確保しつつアウターシェルの材料を節約できるため、コスト抑制にも貢献できる。
また、折り畳み状態では、ロ字状のアウターシェルが露出して開口からインナーシェルが見えるため、例えばインナーシェルにベンディング促進用のスリット群を形成しておくとこれを人が視認できる。従って、クッション性に優れていることを人に知らしめて、商品性を向上させることも可能になる。
実施形態に係る椅子の外観図であり、(A)は展開状態の斜視図、(B)は折り畳み状態の斜視図、(C)は部分的な後方斜視図である。 (A)は正面図、(B)は平面図、(C)は底面図、(D)は図1(B)の部分拡大図である。 分離斜視図である。 (A)は座及び緩衝材を分離した斜視図、(B)は緩衝材を裏返した状態の斜視図である。 (A)は座の連結構造を示す分離斜視図、(B)は軸受部の斜視図、(C)はアウターシェルの後部の斜視図である。 (A)は図2(C)のVIA-VIA 視断面図、(B)はビーム材を省略した状態での座の連結部の斜視図である。 (A)は図4(A)の VIIA-VIIA視方向から見た断面図、(B)はネスティング状態を示す平面図である。 他の実施形態を示す図で、(A)はネスティング途中の側面図、(B)は椅子単体の底面図、(C)は更に他の実施形態の部分斜視図である。
(1).概要
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。まず、図1~7に示す第1実施形態を説明する。
図1に示すように、椅子は、座1とこれを支持する脚装置2、及び背もたれ3を備えている。脚装置2は、前足4と後足5の上端間に前後長手で水平状の上フレーム6が繋がった形態の左右の脚枠体7と、左右脚枠体7の上フレーム6をその後端寄り部位のみにおいて連結する左右長手の1本のビーム材8とを備えており、座1はビーム材8に上下回動可能に連結されている。
前足4と上フレーム6とは、1本の金属パイプ(スチール管又はアルミ管)を曲げることによって一体に形成されており、上フレーム6の後端が後足5に溶接されている。後足5には上向きに延びた背支柱9が一体に形成されており、左右の背支柱9の上端は連結杆9aを介して一体に繋がっている。背もたれ3は合板製又は樹脂製等であり、上下2本ずつのビス1 0で背支柱9に固定されている。なお、樹脂製の背もたれ3の場合は、図1(C)に一点鎖線で示すように、その背面に、内周部又は外周部若しくは両方を後ろ向きに突出させた合成樹脂製の位置決め部3aを設けることができる。
左右の前足4及び左右の後足5は、正面図でハ字の形態を成すように鉛直線に対して若干の角度で傾斜している。また、前足4と後足5とは、側面視でハ字の形態を成すように鉛直線に対して若干の角度で傾斜している(前足4は後傾し、後足5は前傾している。)。そして、左右の前足4の間隔を左右の後足5の間隔よりも広くすることにより、座1を起こし回動させた状態で、複数の椅子を前後にネスティングできるようになっている。従って、左右の上フレーム6は、平面視で前広がりのハ字の姿勢を成している。
各足4,5の下端に、水平旋回可能なキャスタ11を取り付けている。従って、各足4、5の下端部は鉛直姿勢になっている。なお、キャスタ11は必須ではない。キャスタに代えて合成樹脂製やゴム製の接地体を装着したタイプもある。
本実施形態の椅子は、オプション品としてメモ台12を備えている。図1(B)に示すように、メモ台12は、右の上フレーム6に溶接で固定されたフレーム材13に取り付けられている。フレーム材13はクランク状に曲がっていて上端は水平部13aになっており、水平部13aを下方から抱持する軸受キャップ14を、メモ台12のうち1つのコーナー部の近くにビスで固定することにより、メモ台12を回動可能に構成し、更に、フレーム材13の水平部13aに、軸受キャップ14を下方から囲うコ字形の姿勢保持体15を溶接で固定している。
従って、メモ台12は、その下面が姿勢保持体15に当たることによって水平姿勢が保持される。鉛直状に起こした姿勢は、メモ台12の一部がフレーム材13の起立部に当たることによって保持されている。また、フレーム材13の水平部13aは、平面視で前にいくに従って左右内側にずれるように傾斜している。このため、図7(B)に示すように、メモ台12を備えた椅子でありながらネスティングできる。
図2(C)に示すように、メモ台12は、水平姿勢に倒した状態で、回動支点から離れるに従って背もたれ3との間隔が広がるように、平面視(及び底面視)で傾斜させている。そして、座1及びメモ台12を倒した展開状態で、椅子の使用者はメモ台が設置されていない側(左側)から身体を横移動させて着座・離席するが、実施形態では、メモ台12と背もたれ3との間の空間が人の出入りする側に向けて広がっているため、人が身体を横移動させる際にメモ台12が邪魔になることを防止して、着座・離席をスムースに行える。
また、メモ台12は着座した人の右寄り部位にあるため、使用者は身体を少し横向きにねじった姿勢でノートパソコンなどを使用するが、実施形態のように、メモ台12を、その左端部が背もたれ3から遠ざかるように傾斜させると、使用者の身体とメモ台12とが正対するため、人は自然な姿勢でノートパソコン等を使用できて、ノートパソコン等を使用しやすい利点もある。
本実施形態の特徴の1つであるが、図2(C)(D)に明示するように、左右の上フレーム6の大部分は座1の下方に配置されており、座1は、左右の上フレーム6によって支持されている。上フレーム6の上面には、座1の当たりを柔らかくするために、前後に長く断面円弧状に形成された合成樹脂製の緩衝材(バンパー部材)16が、前後のビス17で固定されている。
緩衝材16の前端部16aは前足4の上端を覆うように下向きに曲がっており、緩衝材16の後端部16bはビーム材8の端部を覆うように内向きに曲がっている。また、図4(B)に示すように、緩衝材16には、上フレーム6に当たる左右一対ずつのリブ18の群が、前後に複数対ずつ形成されている。
(2).座とその取り付け構造
図3に示すように、座1は、上下に開口した合成樹脂製のアウターシェル20と、その上面に装着された合成樹脂製のインナーシェル21と、インナーシェル21の上面に重ね配置されたクッション材22とを備えており、クッション材22は表皮材によって覆われている。インナーシェル21には、着座による荷重で下向きに撓む(膨れる)ことを許容するため、前後長手や傾斜姿勢の多数のスリット23が形成されている。
また、詳細は明示していないが、インナーシェル21は、前後左右に設けた係合爪をアウターシェル20の係合穴に嵌め込むことにより、アウターシェル20に取り付けられている。アウターシェル20には角形の大きな開口24が空いているため、折り畳んだ状態で人はインナーシェル21の下面を開口24から視認できる。従って、折り畳んだ状態で、人は開口24を通じてインナーシェル21のスリット23を視認できる。
図3に明示するように、アウターシェル20は、外周を構成する壁部と内周を構成する壁部とを有する浅いトレー状を成しており、その内部に、左右方向及び前後方向に長く延びる個数本の補強リブ25を形成している。座1は両端支持の状態で左右の上フレーム6で支持されるが、補強リブ25の群の存在により、大きな開口24を有しつつ高い支持強度を確保している(左右のアウターシェル20が座1の下方に隠れていて、座1の支持スパンが小さいことも高い支持強度に貢献している。)。
図4及び図7(A)に示すように、後足5の左右側部には、緩衝材16に載る当たり部材26を装着している。当たり部材26はゴム又はエラストマのような軟質材から成っており、図7(A)のとおり、アウターシェル20に設けた取り付け穴27に押し込み装着している。また、アウターシェル20のち前部に位置した当たり部材26の内側には、緩衝材16に近接する振れ止め突起28を下向きに突設している。これにより、使用者が着座状態で身体を作用にずらしても、座1が左右に振れ動くことを防止できる。
インナーシェル21及びクッション材22は、着座者の臀部を下方から包むように下向きに膨れた(下向きに凹んだ)形状を成しており、このため、アウターシェル20の下面も正面視で下向きに膨れた形態を成している。そこで、図4から理解できるように、ビーム材8は、アウターシェル20の下面に形状に倣って下向きに膨れるように曲がっている。
そして、ビーム材8に、水平状の支軸29aと側面視後傾姿勢の左右のアーム部29bとを有するコ字形の支持ブラケット29を溶接によって固定し、支持ブラケット29の支軸29aに座1のアウターシェル20を連結している。支持ブラケット29は丸棒材で作られており、座1は、支持ブラケット29の支軸29aを支点にして上下に回動する。支持ブラケット29は、支軸29aがビーム材8よりも後ろに位置するように、アーム部29bを側面視で後傾させている。
図2(C)や図4(A)から理解できるように、座1とその後端に近い部位が支軸29aに連結されているが、支軸29aはビーム材8よりも高い位置でかつ後ろにあるため、座1は、その後端縁をアウターシェル20に当てることなく起こし回動させることができる。
更に述べると、ビーム材8で左右のアウターシェル20を連結するに当たっては、脚装置2の強度を高くするためにはビーム材8をなるべく前に配置するのが好ましいが、実施形態のように支持ブラケット29を側面視で後傾させると、必要なネスティングピッチを確保できる範囲でビーム材8をなるべく前に配置しつつ、座1の後端部を支軸29aに連結して、座1の起こし回動を許容している。
本実施形態では、支軸29aはアウターシェル20の内部に入り込んでいるため、座1は、前倒し状態で下面をアウターシェル20に近接させることができて、使用状態での座1の安定性を向上できると共に、座1を起こし回動させた状態で高さを低くして、移動させるに際しての走行安定性を向上できるが、支持ブラケット29が傾斜姿勢になっていることにより、支軸29aをアウターシェル20の内部に入り込ませることが可能になっている。
(3).連結構造の詳細
図4,5に示すように、座1は、金属板製の上部軸受キャップ31と合成樹脂製の下部軸受キャップ32とを介して支軸29aに連結されている。下部軸受キャップ32は、支持ブラケット29における左右アーム部29bの間に僅かの隙間を持って嵌まる左右幅である一方、上部軸受キャップ31は下部軸受キャップ32よりもかなり小さい左右幅であり、これら上部軸受キャップ31と下部軸受キャップ32とにより、支軸29aを上下から半分ずつ挟んでいる。
上部軸受キャップ31は、支軸29aを囲う部分の前後にフランジ31a,31bを設けており、これらフランジ31a,31bが下部軸受キャップ32と重なっている。下部軸受キャップ32と下方に膨れた形態であり、内部に多数のリブ33を形成している。また、上部軸受キャップ31の後部フランジ31bには角形の位置決め穴34aが形成されて、下部軸受キャップ32には、位置決め穴34aに下方から嵌入する位置決め突起34bを形成している。位置決め突起34bはリブの群で形成されている。
図4,5に示すように、アウターシェル20に、軸受キャップ32が入り込む凹所36が形成されており、かつ、凹所36には、上部軸受キャップ31の軸受部と下部軸受キャップ32の位置決め突起34bとの干渉を防止するための逃がし穴37が空いており、逃がし穴37を囲う段部に、下部軸受キャップ32が上部軸受キャップ31を介して重なっている。
図5(A)に示すように、下部軸受キャップ32の前部には左右に並んだ3つの筒部34cが形成されており、筒部34cに下方から挿通した上向きビス38が、上部軸受キャップ31の前フランジ31aを貫通している。図5(A)から理解できるように、上向きビス38は、アウターシェル20に設けた左右一対の雌ねじ穴38aにねじ込まれている。上部軸受キャップ31において、上向きビス38が貫通する挿通穴に符号38bを付している。雌ねじ穴38aは軸受アウターシェル20にタップ立てした状態に描いているが、プッシュナットや板状ナット等のナットをアウターシェル20に装着するのが好ましい。
上向きビス38は左右に3本並んでいるが、左端と右端の2本の上向きビス38が上下軸受キャップ31,32とアウターシェル20とを共締めするものであり、中間の上向きビス38は、上下軸受キャップ31,32を支持ブラケット29に仮保持するために使用されている。従って、上部軸受キャップ31の前部フランジ31aには、中間の上向きビス38がねじ込まれるタップ穴38c(例えば図6(A)参照)を形成している。
下部軸受キャップ32の後部は、図5(C)に示す左右2本の下向きビス39によってアウターシェル20及び上部軸受キャップ31に共締めされている。このため、図5(A)(B)に示すように、アウターシェル20の後端部と上部軸受キャップ31の後部フランジ31bには、ビス挿通穴40が空いている。また、図5(A)の右端部に示すように、下部軸受キャップ32には、下向きビス39がねじ込まれる左右一対の雌ねじ穴41が空いている。
図6(A)に明示するように、支持ブラケット29の支軸29aには、C形のスリーブ42が嵌められてビス43で固定されている。スリーブ42は座1の回動をスムースにするためのものであり、POM樹脂のように摩擦係数が小さい合成樹脂製で作られている。スリーブ42は支軸29aの左右長さよりも短い長さであり、そこで、下部軸受キャップ32には、スリーブ42が左右ずれ不能に嵌まる第1凹部46が形成されている。
第1凹部46はリブ33の群に形成されているが、第1凹部46の左右外側には、同じくリブ33の上端を円弧状に切欠くことにより、支軸29aを下方から囲う第2凹部45が形成されている。本実施形態では、下部軸受キャップ32が支持ブラケット29に対して左右ずれ不能に保持されていることにより、座1の後部は左右ずれ不能に保持されている。
更に、第1凹部46の底部に、ゴムやエラストマからなる弾性円柱48が寝た状態で嵌まる第3凹部47を形成している。弾性円柱48は、座1の回動に対して抵抗を付与するダンパ手段の機能と、座1を起こし回動させた状態を保持するストッパーの機能とを併有している。すなわち、座1の回動は弾性円柱48を圧縮変形させた状態で行われるため、座1の回動に対して適度の抵抗が付与されており、座1の倒し回動の途中(展開の途中)で手を離してもバタンと急激に倒れることはない。また、倒し回動した使用状態では、図6から理解できるように弾性円柱48は圧縮変形されているため、ガタ付きや浮きを防止できる。
他方、座1を起こし回動させると、弾性円柱48はスリーブ42の切れ目の箇所に位置して復元する。従って、座1を倒し回動させるには、座1にある程度の力を掛けて弾性円柱48を圧縮変形させなければならないため、座1は起こし状態に保持される。このため、座1は、起こし回動させた状態で重心を支軸29aの真上に位置させたり、支軸よりも手前に位置させたりすることも可能になる(自重では倒れない)。
座1を起こし回動させた状態で座面が背もたれ3に当たると、背もたれ3が傷つきやすくなったり、座1の表皮材が傷付きやすくなったりするおそれがある。従って、座1は、背もたれ3の前面に当たらない状態に保持するのが好ましい。この点について、本実施形態では、図6(B)(図5(A)も参照)に示すように、アウターシェル20における凹所36の左右側部に、座1を起こした状態で支持ブラケット29のアーム部29bが当たるストッパー部49を形成して、座1の起こし回動姿勢を規定している。
図6(A)(図3も参照)に示すように、インナーシェル21の後端には、上部軸受キャップ31の上端部が入り込む左右長手の逃がし溝穴50を形成している。すなわち、上部軸受キャップ31の上端部をインナーシェル21に入り込ませることにより、支軸29aをできるだけ上に配置している。
(4).まとめ
椅子において座が固定された4本足の態様は最もポピュラーな形態であり、様々なところで使用されているが、本実施形態の椅子は、座1を倒し回動させた展開状態においてこのようなポピュラーな椅子の外観を呈しており、折り畳み式には見えない外観を呈している(折り畳みのための部材が露出していない。)。従って、折り畳み式椅子でありながら「折り畳み式椅子らしさ」は無くし、シンプルでスッキリとした外観を呈している。
そして、折り畳み式の機能が外観から判ると、機能的過ぎて場所によっては環境や雰囲気にそぐわずに使用しづらいこともあるが、本実施形態では、使用状態では折り畳み式としての機能は外部に全く現れていないため、様々な場所で違和感なく使用できる。従って、商品価値を向上できる。
また、展開状態では、座1は左右の上フレーム6によって両端支持の状態で支持されるが、左右の上フレーム6の間隔は座1の左右間隔よりも狭いため、金属製の支持フレームのような特別の部材を要することなく、合成樹脂製のアウターシェル20であっても補強リブ25を設けるだけの簡単な対応で必要な支持強度を確保できる。従って、コスト面でも有益である。
ビーム材8が後部に配置されていることの利点や、座1の回動支点が座1の内部に位置していることの利点は、既に述べたとおりである。なお、図示したビーム材8の後ろに別のビーム材を配置することは可能であるが、この場合は、座1の起こし回動の邪魔にならないように下向きに湾曲させるなどの対応が必要になる。
実施形態のように、アウターシェル20をロ字状のループ構造(枠構造)に形成すると、折り畳み状態で開口24からインナーシェル21の下面を視認できるが、多数のスリット23が人の目に入ることにより、展開状態でのシンプルさとは異なって、インナーシェル21のベンディング機能を人に直感させることになる。つまり、展開状態と折り畳み状態で見た目が大きく異なっていて意外性に富んでいる。このような斬新さにより、商品価値を向上できる。材料を節約できることは既に述べたとおりである。
本実施形態では、左右の背支柱9は上端において一体に繋がっているため、左右の上フレーム6を1本だけのビーム材8で連結した状態であっても、椅子全体として堅牢性を確保できる。つまり、左右の背支柱9の上端が一体に繋がっていると、背もたれ3が補強部材を兼用して左右の背支柱9の安定性を格段に向上できる(特に、平面視でのねじりに対する抵抗を向上できる。)ため、いわば左右の上フレーム6を前後2本のビーム材8で連結したのと同じような状態になって、左右の上フレーム6を1本だけのビーム材8で連結した状態であっても、椅子全体として高い剛性を確保できる。
(5).他の実施形態
第1実施形態では、上フレーム6は高さが一定の水平姿勢になっていたが、図8(A)(B)に示す第2実施形態では、上フレーム6のうちビーム材8よりも前の部位が、若干の角度で前下がりに傾斜している。従って、左右の上フレーム6を平行な姿勢にしつつネスティングできる。上フレーム6が傾斜していることにより、座1の前寄り部位には、座1を所定の姿勢に保持するために、上フレーム6の傾斜部に載る下向き突起51を設けている。
ネスティングのためには、前足4の左右間隔と後足5の左右間隔とを異ならせる必要があるが、この実施形態では、第1実施形態とは異なって、前足4の左右間隔を後足5の左右間隔よりも小さい寸法に設定している。上フレーム6のうちビーム材8よりも前の部位を段落ちさせて、上フレーム6を側面視で階段状に形成してもネスティング可能である。また、上フレーム6の全体を前下がりに傾斜させてもよい。
上記の両実施形態では、ビーム材8に斜め上向きの支持ブラケット29を設けたが、座1の下面から軸受ボス部を下向きに突設して、軸受ボスを上フレーム6やビーム材8に連結することも可能である。この場合は、座1の回動支点は座の下面よりも下に位置することになる。
座1は必ずしもクッションタイプである必要はないのであり、樹脂製や木製の単一構造であってもよい。他方、実施形態の背もたれ3は単一構造であったが、背もたれ3の前面にクッション材を配置してもよい。
座の回動支点を座の内部に位置させる手段としては、図8(C)に第3実施形態として示すように、上フレーム6の後部に、アウターシェル20の内部に入り込む板状の軸受ブラケット(上端が後ろに向いた側面視逆L形が好ましい)52を突設して、この軸受ブラケット52に、アウターシェルの内部に設けた軸受リブをピン54で連結してもよい。従って、アウターシェル20には、軸受ブランケット52が入り込むスリット53を形成している。
更に、本願発明は上記した形態の他にも様々に具体化できる。例えば、前後の足や上フレームを合成樹脂製とすることも可能である。
本願発明は、折り畳み式椅子に具体化できる。従って、産業上利用できる。
1 座
2 脚装置
3 背もたれ
4 前足
5 後足
6 上フレーム
7 脚枠体
8 ビーム材
9 背支柱
16 緩衝材
20 アウターシェル
21 インナーシェル
23 スリット
24 開口
29 支持ブラケット
29a 支軸
31 上部軸受キャップ
32 下部軸受キャップ
42 スリーブ

Claims (8)

  1. 座がその後部を支点にして起こし回動されるように脚装置に連結されており、前記座を起こし回動させた折り畳み状態で複数台を前後にネスティングできる椅子であって、
    前記脚装置は、前後の足体の上端間に前後長手で水平状の上フレームで繋がった左右の脚枠体と、前記左右脚枠体の上フレームをその後端寄り部位のみにおいて連結する左右長手のビーム材とを備えている、
    折り畳み式椅子。
  2. 前記上フレームは、前記座の左右外側にはみ出ないように配置されており、前記座は、前倒し状態でその左右側部が前記上フレームで支持されている、
    請求項1に記載した折り畳み式椅子。
  3. 前記座は、その後部が前記ビーム材に回動可能に連結されて、前倒し状態では、前記ビーム材よりも前の部位が前記左右の上フレームに両端支持の状態で支持されている、
    請求項1又は2に記載した折り畳み式椅子。
  4. 前記座は、前記ビーム材に上向き突設した支持ブラケットに連結されている、
    請求項3に記載した折り畳み式椅子。
  5. 前記支持ブラケットは、棒材で形成されて上端は水平状になっており、前記水平状の部位に前記座が連結されている、
    請求項4に記載した折り畳み式椅子。
  6. 座がその後部を支点にして起こし回動されるように脚装置に連結されており、前記座を起こし回動させた折り畳み状態で複数台を前後にネスティングできる椅子であって、
    前記脚装置は、前後の足体の上端間に前後長手で水平状の上フレームが繋がった左右の脚枠体を有して、前記上フレームは、その全体又は大部分が前記座の下方に位置するように配置されており、
    前記座は、前倒し状態で、前記左右の上フレームに両端支持の状態で支持されている、
    折り畳み式椅子。
  7. 前記左右の後ろ足は上向きに延出されて背支柱になっており、左右の支柱の上端は一体に連結されている、
    請求項1~6のうちのいずれかに記載した折り畳み式椅子。
  8. 前記座は、上下に開口した平面視ロ字形で左右の横長部を有するアウターシェルと、前記アウターシェルに上から取り付いたインナーシェルと、前記インナーシェルの上面に配置されたクッション材とを有しており、
    前記アウターシェルは強度メンバーであり、前部の横長部が前記左右の上フレームで支持されている、
    請求項2~7のうちのいずれかに記載した折り畳み式椅子。
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