JP2023064534A - 重ね隅肉溶接方法及び溶接装置 - Google Patents

重ね隅肉溶接方法及び溶接装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ウィービングなしの重ね隅肉溶接において、隅肉部分に対する溶接ワイヤの狙い位置のずれを補正し、ハンピング及びアンダーカットの発生を抑制することができる重ね隅肉溶接方法を提供する。【解決手段】重ね合わされた上板及び下板の隅部へ溶接ワイヤを送給し、ウィービングなしでアーク溶接を行う重ね隅肉溶接方法であって、溶接ワイヤの狙い位置が隅部に一致しているときに溶接ワイヤへ出力される出力電流を、繰り返し溶接を開始する前に予め記憶し、溶接ワイヤへの出力電流を検出し、検出された出力電流と、記憶した出力電流との比較結果に応じて、隅部に対する溶接ワイヤの狙い位置を補正する。【選択図】図4

Description

本発明は、重ね隅肉溶接方法及び溶接装置に関する。
溶接継手の一つに2枚の板材を略水平に重ね合わせた重ね継手がある。重ね継手の上板端部と下板とからなる隅部の溶接は、重ね隅肉溶接と呼ばれる(例えば、特許文献1)。
特許第4112213号公報
重ね隅肉溶接において、ワイヤ先端の狙い位置が上板側にずれると上板への入熱が多くなり、上板だけが溶け落ちたハンピングビードができやすい。また、下板側にずれると下板への入熱が多くなりアンダーカットが発生しやすくなる。
このため、狙い位置のずれが発生しないよう、治具によって上板及び下板を正確に固定する必要があり、上板及び下板の高い機械加工精度が求められる等、厳しい工程管理が求められる。
溶接トーチをウィービングさせ、アークセンサにより溶接ワイヤの狙い位置を補正することも行われているが、一定の溶接品質を得るための条件合わせが難しく、アークセンサを用いた狙い位置の補正も容易ではない。
本発明の目的は、ウィービングなしの重ね隅肉溶接において、隅肉部分に対する溶接ワイヤの狙い位置のずれを補正し、ハンピング及びアンダーカットの発生を抑制することができる重ね隅肉溶接方法及び溶接装置を提供することにある。
本発明の一態様に係る重ね隅肉溶接方法は、重ね合わされた上板及び下板の隅部へ溶接ワイヤを送給し、ウィービングなしでアーク溶接を行う重ね隅肉溶接方法であって、前記溶接ワイヤの狙い位置が前記隅部に一致しているときに前記溶接ワイヤへ出力される出力電流を、繰り返し溶接を開始する前に予め記憶し、前記溶接ワイヤへの出力電流を検出し、検出された出力電流と、記憶した出力電流との比較結果に応じて、前記隅部に対する前記溶接ワイヤの狙い位置を補正する。
本発明の一態様に係る溶接装置は、重ね合わされた上板及び下板の隅部へ溶接ワイヤを送給し、ウィービングなしでアーク溶接を行う溶接装置であって、前記溶接ワイヤの狙い位置が前記隅部に一致しているときに前記溶接ワイヤへ出力される出力電流を、繰り返し溶接を開始する前に予め記憶する記憶部と、前記溶接ワイヤへの出力電流を検出する電流検出回路と、前記隅部に沿って溶接トーチを移動させる溶接ロボットと、検出された出力電流と、記憶した出力電流との比較結果に応じて、前記隅部に対する前記溶接ワイヤの狙い位置を補正する補正回路とを備える。
上記によれば、ウィービングなしの重ね隅肉溶接において、隅肉部分に対する溶接ワイヤの狙い位置のずれを補正し、ハンピング及びアンダーカットの発生を抑制することができる。
アーク溶接装置の構成例を示す模式図である。 溶接電源の構成例を示すブロック図である。 補正回路の構成例を示すブロック図である。 本実施形態に係る補正処理手順を示すフローチャートである。 溶接ワイヤの狙い位置のずれ量と、出力電流とを関係を示すグラフである。
本開示の実施形態に係る重ね隅肉溶接方法及び溶接装置を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
以下、本発明をその実施形態を示す図面に基づいて詳述する。
図1は、アーク溶接装置の構成例を示す模式図、図2は、溶接電源2の構成例を示すブロック図である。本実施形態に係るアーク溶接装置は、下向きの重ね隅肉溶接を行うための消耗電極式のガスシールドアーク溶接機である。母材Aは、略水平に重ね合わせた上板A1及び下板A2からなる重ね継手である。本実施形態に係るアーク溶接装置は、例えば直流パルス溶接機であり、上板A1の端部と下板A2とからなる隅部へ溶接ワイヤWを送給してアーク溶接を行い、隅肉溶接方法を実施する。
アーク溶接装置は、溶接トーチ11及びワイヤ送給部12が取り付けられた溶接ロボット1と、溶接電源2と、制御装置3と、図示しないシールドガス供給部とを備える。図1中、太線は給電ケーブル、細線は制御通信線を示している。
制御装置3は、溶接電源2に溶接条件を設定して、溶接電源2の動作を制御する。また、制御装置3は、動作制御信号を溶接ロボット1へ出力することによって、溶接ロボット1の動作を制御する。繰り返し溶接において、溶接ロボット1を所定の手順で動作させるための動作プログラムは、ティーチングによって作成される。制御装置3は、作成された動作プログラムを記憶する。制御装置3は、当該動作プログラムに従って、動作制御信号を溶接ロボット1へ出力することによって、その動作を制御する。更に、制御装置3は、溶接ワイヤWの狙い位置を補正するための補正回路4を備える。
溶接ロボット1は、床面の適宜箇所に固定される基部を備える。基部には、複数のアームが軸部を介して回動可能に連結している。先端側に連結されたアームの先端部位には、溶接トーチ11が保持されている。アームの連結部分にはサーボモータが設けられており、サーボモータの回転駆動力によって軸部を中心に各アームが回動する。サーボモータの回転は制御装置3によって制御されている。制御装置3は、各アームを回動させることによって、母材Aに対して溶接トーチ11を上下前後左右に移動させることができる。各アームの連結部分には、アームの回動位置を示す信号を制御装置3へ出力するエンコーダが設けられており、制御装置3は、エンコーダから出力された信号に基づいて、溶接トーチ11の位置及び姿勢を認識する。
シールドガス供給部は、溶接トーチ11へシールドガスを供給する。シールドガスは、アークによって溶融した母材A及び溶接ワイヤWの酸化を防止するためのものである。シールドガスは、例えばアルゴンAr、二酸化炭素CO2 及びヘリウムHeの混合ガス、又はアルゴンAr及びヘリウムHeの混合ガスである。
溶接トーチ11は、銅合金等の導電性材料からなり、母材Aの被溶接部へ溶接ワイヤWを案内すると共に、アークの発生に必要な溶接電流Iwを供給する円筒形状のコンタクトチップを有する。コンタクトチップは、その内部を挿通する溶接ワイヤWに接触し、溶接電流Iwを溶接ワイヤWに供給する。また、溶接トーチ11は、コンタクトチップを囲繞する中空円筒形状をなし、シールドガス供給部から供給されたシールドガスを被溶接部へ噴射するノズルを有する。
溶接ワイヤWは、例えばソリッドワイヤ、メタルコアードワイヤ又はフラックスコアードワイヤであり、消耗電極として機能する。溶接ワイヤWは、例えば、螺旋状に巻かれた状態でペールパックに収容されたパックワイヤ、あるいはワイヤリールに巻回されたリールワイヤである。
ワイヤ送給部12は、溶接ワイヤWを溶接トーチ11へ送給する送給ローラと、当該送給ローラを回転させるモータとを有する。ワイヤ送給部12は、送給ローラを回転させることによって、ペールパック又はワイヤリールから溶接ワイヤWを引き出し、引き出された溶接ワイヤWを溶接トーチ11へ定速で供給する。
溶接電源2は、電源回路21、検出部22、電源制御回路23及び送給制御回路24を備える。電源回路21は、給電ケーブルを介して、溶接トーチ11のコンタクトチップ及び母材Aに接続され、溶接ワイヤW及び母材A間に溶接電圧Vwを印加して、溶接電流Iwを供給する。
検出部22は、電圧検出回路22a及び電流検出回路22bを含む。電流検出回路22bは、溶接工程中にアークを流れる溶接電流Iwを検出し、検出した電流値を示す電流検出信号Idを電源制御回路23へ出力する。電圧検出回路22aは、溶接トーチ11及び母材Aに印加される溶接電圧Vwを検出し、検出した電圧値を示す電圧検出信号Vdを電源制御回路23へ出力する。
電源制御回路23は、電圧検出回路22a及び電流検出回路22bにて検出された電流値及び電圧値と、設定電圧値及び設定電流値とに基づく誤差増幅信号ΔEを電源回路21へ出力する。設定電圧値及び設定電流値は、例えば制御装置3によって設定される。誤差増幅信号ΔEは、例えば、検出された電流値と、溶接電流Iwの目標値との差分を示す信号である。誤差増幅信号ΔEは、検出された電圧値と、溶接電圧Vwの目標値との差分を示す信号としてもよい。電源回路21は、商用交流電源を入力し、誤差増幅信号ΔEに基づいて、インバータ制御、サイリスタ位相制御等を行い、溶接に適した溶接電圧Vw及び溶接電流Iwを出力する。
送給制御回路24は、設定電流値に対応した送給速度で溶接ワイヤWを送給するための送給制御信号をワイヤ送給部12へ出力し、溶接ワイヤWの送給速度を制御する。また、溶接電源2又は電源制御回路23は、溶接工程中の溶接状態を示す溶接モニタ信号を制御装置3の補正回路4へ出力する。溶接モニタ信号は、例えば電流検出信号Idである。
図3は、補正回路4の構成例を示すブロック図である。補正回路4は、処理部40と、入力部40aと、出力部40bと、記憶部40cとを備えるコンピュータである。
記憶部40cは、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリである。記憶部40cは、母材Aに対する溶接トーチ11及び溶接ワイヤWの狙い位置を最適化し、ハンピング及びアンダーカットの発生を抑制するためのコンピュータプログラム40dを記憶している。
処理部40は、CPU(Central Processing Unit)、又はマルチコアCPU等のプロセッサ、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力インタフェース等を有するコンピュータであり、インタフェースには、入力部40a、出力部40b及び記憶部40cが接続されている。処理部40は、記憶部40cが記憶するコンピュータプログラム40dを実行することにより、母材Aに対する溶接ワイヤWの狙い位置を最適化する処理を実行する。
入力部40aは、溶接電源2に接続されている。入力部40aには、溶接電源2から出力された溶接モニタ信号、例えば電流検出信号Idが入力される。
出力部40bは、溶接ロボット1及び溶接電源2に接続されている。処理部40は、母材Aに対する溶接トーチ11及び溶接ワイヤWの狙い位置を最適化する動作制御信号を溶接ロボット1へ出力する。
図4は、本実施形態に係る補正処理手順を示すフローチャートである。制御装置3は、溶接ロボット1及び溶接電源2の動作を制御し、重ね継手である母材Aの隅肉溶接を行うものとする。溶接速度は100cm/分以上、150cm/分以下である。パルス溶接に係るパルス周期は例えば4m秒(250Hz)である。補正回路4は、繰り返し溶接を開始する前に、溶接ワイヤWの狙い位置と、出力電流値との関係を記憶する(ステップS11)。
図5は、溶接ワイヤWの狙い位置と、出力電流値とを関係を示すグラフである。横軸は狙い位置、縦軸は出力電流を示している。図5に示す狙い位置は、上板A1及び下板A2の隅部、例えばルート部を0とし、当該ルート部からの狙い位置のずれ量を示している。なお、狙うべき隅部は、必ずしもルート部に限定されるものでは無く、溶接条件によっては、ルート部から所定量オフセットした位置を狙い位置としてもよい。出力電流値は、所定期間にわたって複数回検出された溶接電流Iwの電流値の平均値である。所定期間は、少なくとも1パルス周期以上、例えば数百mm秒~1秒である。図4に示すように、狙い位置と、出力電流値とは相関がある。具体的には、溶接ワイヤWの狙い位置のずれ量と、出力電流値とは概ね比例関係にある。
なお、図5は、設定電流420A、設定電圧32.0Vで溶接速度150cm/分で、ギャップ1mm、板厚3.6mm×2.9mmの重ね溶接をしたときの狙い位置のずれ量と出力電流との関係を示している。
制御装置3又は補正回路4は、少なくとも、溶接ワイヤWの狙い位置が、上板A1及び下板A2の隅部に一致しているときの出力電流値を記憶部40cに記憶する。以下、このときの出力電流値を基準電流値と呼ぶ。また、制御装置3又は補正回路4は、溶接ワイヤWの他の狙い位置のずれ量と、当該狙い位置にあるときの出力電流値とを記憶部40cに記憶する。なお、制御装置3又は補正回路4は、狙い位置のずれ量及び出力電流を複数組み記憶する構成が好ましい。また、制御装置3又は補正回路4は、出力電流の変化量に対する狙い位置のずれ量の比を記憶するように構成してもよい。
次いで、補正回路4は、繰り返し溶接における本溶接開始直後の所定期間における溶接電流Iwを、電流検出回路22bにて検出する(ステップS12)。なお、本溶接開始直後は、アーク溶接開始後の過渡期間経過後を意味する。そして、補正回路4は、検出した溶接電流Iwの電流値に基づいて出力電流値を算出する(ステップS13)。
具体的には、補正回路4は、溶接電源2から出力される電流検出信号Idから溶接電流Iwの電流値を示すデータを取得する。そして、補正回路4は、Nパルス周期分の電流値の移動平均値を出力電流値として算出する。Nは整数であり、Nパルス周期は例えば100m秒以上、1秒以下の時間に相当する。
補正回路4は、出力電流値が基準電流値より大きいか否かを判定する(ステップS14)。出力電流値が基準電流値より大きい場合(ステップS14:YES)、補正回路4は、溶接ワイヤWの狙い位置が下板A2側へ移動するように、溶接ロボット1のティーチングに補正をかける(ステップS15)。つまり、補正回路4は、母材Aに対する溶接ワイヤWの狙い位置が、予め制御装置3にティーチングされた動作プログラムが示す狙い位置よりも下板A2側へ移動するように、溶接ロボット1の動作プログラムを変更する。
具体的には、補正回路4は、出力電流値及び狙い位置のずれ量との関係と、検出及び算出された出力電流値と基づいて、狙い位置のずれ量を算出する。補正回路4は、出力電流値と基準電流値との差分と、出力電流の変化量に対する狙い位置のずれ量の比とに基づいて、狙い位置のずれ量を算出してもよい。補正回路4は、算出されたずれ量だけ、動作プログラムが示す狙い位置よりも下板A2側へ移動させる。
出力電流値が基準電流値以下であると判定した場合(ステップS14:NO)、補正回路4は出力電流値が基準電流値未満であるか否かを判定する(ステップS16)。出力電流値が基準電流値以上と判定した場合(ステップS16:NO)、補正回路4は、補正処理を終える。出力電流値が基準電流値未満であると判定した場合(ステップS16:YES)、補正回路4は溶接ワイヤWの狙い位置が上板A1側へ移動するように、溶接ロボット1のティーチングに補正をかける(ステップS17)。つまり、補正回路4は、母材Aに対する溶接ワイヤWの狙い位置が、予め制御装置3にティーチングされた動作プログラムが示す狙い位置よりも上板A1側へ移動するように、溶接ロボット1の動作プログラムを変更する。
具体的には、補正回路4は、出力電流値と、出力電流値及び狙い位置のずれ量との関係と基づいて、狙い位置のずれ量を算出する。補正回路4は、出力電流値と基準電流値との差分と、出力電流の変化量に対する狙い位置のずれ量の比とに基づいて、狙い位置のずれ量を算出してもよい。補正回路4は、算出されたずれ量だけ、動作プログラムが示す狙い位置よりも上板A1側へ移動させる。
ステップS15又はステップS17の処理を終えた場合、制御装置3は、上記処理によって補正された動作プログラムに基づいて動作制御信号を溶接ロボット1へ出力することによって、溶接ワイヤWの狙い位置を、上板A1及び下板A2の隅部に正確に合わせることができる。
ステップS16において、出力電流値が基準電流値未満で無いと判定した場合(ステップS16:NO)、つまり、出力電流値が基準電流値である場合、制御装置3は、補正前の動作プログラムに基づいて動作制御信号を溶接ロボット1へ出力する。
なお、図4を用いて狙い位置の1回の補正処理の流れを説明したが、繰り返し溶接を行う都度、つまり母材Aが取り替えられる都度、ステップS12~ステップS17の処理を実行し、ティーチングされた動作プログラムを補正するとよい。
また、補正回路4は、動作プログラムを補正する際、補正前の動作プログラムを記憶部40cに残したまま、つまり補正前の動作プログラムを消去すること無く、動作プログラムを補正するとよい。
(実施例)
実施例を説明する。突き出し長さ20mm、狙い角45度、前進角0度、設定電流420A、設定電圧32.0Vで溶接速度150cm/分とし、ギャップ1mm、板厚3.69mm×2.9mmの重ね隅肉溶接を行う。狙い位置がルート部にあるときの出力電流値415[A]を基準電流値とする。
補正回路4は、アーク溶接開始後の過渡期間が経過した後に溶接電流Iwを検出し、出力電流値が例えば425Aだったとき、ロボットは狙い位置のずれ量が上板A1側に1mmだと判断し、溶接中の溶接トーチ11の移動指令を-1mm補正する。
補正回路4は、アーク溶接開始後の過渡期間が経過した後に溶接電流Iwを検出し、出力電流値が例えば405Aだったとき、ロボットは狙い位置のずれ量が下板A2側に1mmだと判断し、溶接中の溶接トーチ11の移動指令を+1mm補正する。
上記補正処理の結果、ルート部ねらいでの溶接となり良質なビードが得られる。
本実施形態に係る溶接装置及び重ね隅肉溶接方法によれば、ウィービングなしの重ね隅肉溶接において、隅肉部分に対する溶接ワイヤWの狙い位置のずれを補正し、ハンピング及びアンダーカットの発生を抑制することができる。
また、本実施形態では、ウィービングを行わず、アークセンサを用いずに溶接ワイヤWの狙い位置を補正することができる。アークセンサを用いない構成であるため、アークセンサを用いた各種条件合わせが不要であり、簡易に狙い位置を補正することができる。
また、補正回路4は、出力電流値と、狙い位置のずれ量との関係を予め記憶し、当該関係を用いて、溶接ワイヤWの狙い位置を補正する構成であるため、溶接ワイヤWの狙い位置を正確に補正することができる。
更にまた、高速溶接、例えば、100cm/分~150cm/分の溶接速度で薄板の重ね隅肉溶接を行う場合であっても、出力電流を用いた簡易な処理によって、狙い位置を高速に補正し、ハンピング及びアンダーカットの発生を効果的に防ぐことができる。
なお、本実施形態に係る重ね隅肉溶接方法を実施することができる溶接装置は、直流パルス溶接機に限定されるものでは無く、交流パルス溶接機、その他の任意の消耗電極式の溶接装置に適用することができる。また、溶接ロボット1を用いた自動溶接機を説明したが、半自動溶接機に本発明を適用してもよい。
また、本実施形態では、溶接電流Iwが安定したときの溶接電流Iwを検出して、溶接ワイヤWの狙い位置のずれ量を算出する例を説明したが、アーク溶接開始直後の溶接電流Iwの平均値を出力電流値として算出して溶接ワイヤWの狙い位置のずれ量を算出してもよい。アーク溶接開始直後の溶接電流Iwは安定しないが、狙い位置のずれによって出力電流値が上下することには変わりが無く、アーク溶接開始直後の出力電流値を用いても、溶接ワイヤWの狙い位置をある程度補正できる。
更に、本実施形態では、主に狙い位置のずれ量を補正する例を説明したが、補正回路4は、その他の溶接条件も合わせて変更するように構成してもよい。
1:溶接ロボット、2:溶接電源、3:制御装置、4:補正回路、11:溶接トーチ、12:ワイヤ送給部、21:電源回路、22:検出部、22a:電圧検出回路、22b:電流検出回路、23:電源制御回路、24:送給制御回路、40:処理部、40a:入力部、40b:出力部、40c:記憶部、40d:コンピュータプログラム、A1:上板、A2:下板、Vw:溶接電圧、Iw:溶接電流、Vd:電圧検出信号、Id:電流検出信号、ΔE:誤差増幅信号、W:溶接ワイヤ

Claims (5)

  1. 重ね合わされた上板及び下板の隅部へ溶接ワイヤを送給し、ウィービングなしでアーク溶接を行う重ね隅肉溶接方法であって、
    前記溶接ワイヤの狙い位置が前記隅部に一致しているときに前記溶接ワイヤへ出力される出力電流を、繰り返し溶接を開始する前に予め記憶し、
    前記溶接ワイヤへの出力電流を検出し、
    検出された出力電流と、記憶した出力電流との比較結果に応じて、前記隅部に対する前記溶接ワイヤの狙い位置を補正する
    重ね隅肉溶接方法。
  2. 検出された出力電流が、記憶した出力電流より大きい場合、前記隅部に対する前記溶接ワイヤの狙い位置を前記下板側へ移動させ、検出された出力電流が、記憶した出力電流より小さい場合、前記隅部に対する前記溶接ワイヤの狙い位置を前記上板側へ移動させる
    請求項1に記載の重ね隅肉溶接方法。
  3. 前記溶接ワイヤの狙い位置のずれ量と、出力電流とを関係を記憶し、
    検出された出力電流と、記憶した前記関係とに基づいて、前記隅部に対する前記溶接ワイヤの狙い位置を補正する
    請求項1又は請求項2に記載の重ね隅肉溶接方法。
  4. 溶接速度は100cm/分以上である
    請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の重ね隅肉溶接方法。
  5. 重ね合わされた上板及び下板の隅部へ溶接ワイヤを送給し、ウィービングなしでアーク溶接を行う溶接装置であって、
    前記溶接ワイヤの狙い位置が前記隅部に一致しているときに前記溶接ワイヤへ出力される出力電流を、繰り返し溶接を開始する前に予め記憶する記憶部と、
    前記溶接ワイヤへの出力電流を検出する電流検出回路と、
    前記隅部に沿って溶接トーチを移動させる溶接ロボットと、
    検出された出力電流と、記憶した出力電流との比較結果に応じて、前記隅部に対する前記溶接ワイヤの狙い位置を補正する補正回路と
    を備える溶接装置。
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