JP2023062996A - X線コンピュータ断層撮影装置および架台装置 - Google Patents

X線コンピュータ断層撮影装置および架台装置 Download PDF

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Abstract

【課題】回転フレームに搭載された各種ユニットに対する冷却機能を維持しつつ、騒音を低減すること。【解決手段】本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置は、回転フレームと、支持フレームとを備える。回転フレームには、X線を発生するX線管が取り付けられる。支持フレームは、前記回転フレームを回転軸周りに所定の回転方向に沿って回転可能に支持する。前記回転フレームは、前記回転軸に沿った面において少なくとも一つの開口部を有する。前記開口部の前記回転方向側の第1の縁及び前記開口部の前記回転方向とは反対側の第2の縁のうち少なくとも一方は、前記回転軸と非平行である。【選択図】図3

Description

本明細書及び図面に開示の実施形態は、X線コンピュータ断層撮影装置および架台装置に関する。
従来、X線コンピュータ断層撮影装置における架台装置(ガントリともいう)は、回転フレームの内側に各種ユニットを搭載する回転フレームを有する。各種ユニット(例えば、X線管)は、X線コンピュータ断層撮影装置の稼働時において、熱を発することがある。熱による各種ユニットの故障を回避するために、当該各種ユニットを冷却する必要がある。このため、回転フレームの回転軸に平行な回転フレームの側面には、各種ユニットを冷却した空気の流路となる開口部が設けられる。
各種ユニットを冷却した空気は、回転フレーム上の開口部から回転フレームの動径方向の外側(以下、径外方向と呼ぶ)へ、回転フレームの回転に伴って、流出(排気)される。開口部から流出した気流は、回転フレームに対向して回転フレームを支持する支持フレームの先端部に衝突する。このとき、回転フレームの回転速度と開口部から流出した気流に関連した周波数で、被検体および/またはユーザにとって耳障りな騒音(狭帯域騒音、ピーク騒音ともいう)が発生する。
開口部を完全に閉じることで開口部からの気流の流出が無くなるため、当該騒音の発生を抑制することができる。開口部を完全に閉じることは、回転フレームに搭載された各種ユニットへの冷却給排気の流路を塞ぐことになる。このため、当該各種ユニットに対して十分な冷却ができなくなり、当該各種ユニットの故障が発生する怖れがある。
特開2007-151616号公報
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、回転フレームに搭載された各種ユニットに対する冷却機能を維持しつつ、騒音を低減することである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置は、回転フレームと、支持フレームとを備える。回転フレームは、X線を発生するX線管が取り付けられる。支持フレームは、前記回転フレームを回転軸周りに所定の回転方向に沿って回転可能に支持する。前記回転フレームは、前記回転軸に沿った面において少なくとも一つの開口部を有する。前記開口部の前記回転方向側の第1の縁及び前記開口部の前記回転方向とは反対側の第2の縁のうち少なくとも一方は、前記回転軸と非平行である。
図1は、実施形態に係るX線CT装置の構成例を示す図。 図2は、実施形態に係り、外装カバーが取り外された架台装置の一例を示す斜視図。 図3は、実施形態に係り、回転フレームの側面に設けられた開口部の形状の一例と、開口部における角部の角度に応じた音響パワーレベル相対値の変化の一例とを示す図。 図4は、実施形態に係り、回転フレームの側面に設けられた開口部の形状の一例と、開口部における角部の角度に応じた音響パワーレベル相対値の変化の一例とを示す図。 図5は、実施形態に係り、回転フレームの側面に設けられた開口部の形状の一例と、開口部における角部の角度に応じた音響パワーレベル相対値の変化の一例とを示す図。 図6は、実施形態に係り、回転フレームの側面に設けられた開口部の形状の一例と、開口部における第1角部と第2角部との角度Dに応じた音響パワーレベル相対値の変化の一例とを示す図。 図7は、実施形態に係り、回転フレームの側面に設けられた開口部の形状の一例と、開口部における第1角部と第2角部との角度に応じた音響パワーレベル相対値の変化の一例とを示す図。 図8は、実施形態に係り、回転フレームの側面に設けられた開口部の形状の一例と、開口部における第1角部と第2角部との角度に応じた音響パワーレベル相対値の変化の一例とを示す図。 図9は、実施形態に対する比較例に係り、矩形の開口部から流出する気流(矢印)の一例を示す図。 図10は、実施形態に対する比較例に係り、回転フレームが回転すると共に気流Aおよび気流Bがフレーム先端に衝突する様子を表した模式図。 図11は、実施形態に係り、図6に対応する開口部において、気流Aおよび気流Bの一例を示す図。 図12は、実施形態と比較例とにおいて、フレーム先端の圧力の変化の一例を示す図。 図13は、実施形態の変形例に係り、図6に示す開口部とフレーム先端における先端角部の形状との一例と、フレーム先端における先端角部の角度に応じた音響パワーレベル相対値の変化の一例とを示す図。 図14は、実施形態の変形例に係り、図5に示す開口部とフレーム先端における先端角部の形状との一例と、フレーム先端における先端角部の角度に応じた音響パワーレベル相対値の変化の一例とを示す図。
以下、図面を参照しながら、X線コンピュータ断層撮影装置(以下、X線CT(computed tomography)装置と呼ぶ)および架台装置(ガントリともいう)の実施形態について詳細に説明する。以下の実施形態では、同一の参照符号を付した部分は同様の動作をおこなうものとして、重複する説明を適宜省略する。
(実施形態)
図1は、本実施形態に係るX線CT装置1の構成例を示す図である。図1に示すように、X線CT装置1は、例えば、架台装置10と、寝台装置30と、コンソール装置40と、を有する。なお、本実施形態では、非チルト状態での回転フレーム13の回転軸又は寝台装置30の天板33の長手方向をZ軸方向、Z軸方向に直交し、床面に対し水平である軸方向をX軸方向、Z軸方向に直交し、床面に対し垂直である軸方向をY軸方向とそれぞれ定義するものとする。図1では、説明の都合上、架台装置10を複数描画しているが、実際のX線CT装置1の構成としては、架台装置10は、一つである。
架台装置10及び寝台装置30は、コンソール装置40を介したユーザからの操作、或いは架台装置10、又は寝台装置30に設けられた操作部を介したユーザからの操作に基づいて動作する。架台装置10と、寝台装置30と、コンソール装置40とは互いに通信可能に有線または無線で接続されている。
図2は、外装カバーが取り外された架台装置10の一例を示す斜視図である。架台装置10は、被検体PにX線を照射し、被検体Pを透過したX線の検出データから投影データを収集する撮影系を有する装置である。図1および図2に示すように、架台装置10は、支持フレームと、X線管11(X線発生部)と、X線検出器12と、回転フレーム13と、X線高電圧装置17と、制御装置18と、コリメータ19と、ウェッジ20と、DAS(Data Acquisition System)21と、を有する。支持フレームは、回転フレーム13を、回転軸(Z軸)周りに所定の回転方向に沿って回転可能に支持する。支持フレームは、固定フレーム5と、一対の立設フレーム6と、ベーススタンド7と、二つの架台アーム8とを有する。
図2に示すように、固定フレーム5は、ベアリングを介して、回転フレーム13を回転軸R1回りに回転可能に支持する。固定フレーム5は、アルミニウム等の金属により形成され、中央にボア(開口)が形成された金属枠である。固定フレーム5は、軸受け(以下、支持軸受と呼ぶ)を介して、回転軸R1(Z軸)周りに回転フレーム13を回転可能に支持する。固定フレーム5の両側面側には、架台アーム8を介して一対の立設フレーム6が取付けられる。
一対の立設フレーム6の他端側には、ベーススタンド7が取付けられる。ベーススタンド7には、一対の立設フレーム6が立設して設けられている。ベーススタンド7は、検査室SRの床面に据え付けられる。ベーススタンド7は、立設フレーム6を介して固定フレーム5を床面から離反して支持する。ベーススタンド7は、アルミニウム等の金属により形成される。
二つの架台アーム8は、回転軸R1に直交し床面に平行する水平軸(X軸)R2回りに傾斜(チルト)可能に、固定フレーム5を支持する。各架台アーム8は、ベーススタンド7の上部に取り付けられ、ベーススタンド7と固定フレーム5とを結合する。固定フレーム5のチルトにより、回転軸R1及び水平軸R2に直交する垂直軸R3が床面に対して傾斜する。架台アーム8は、図示しない駆動装置からの駆動信号の供給を受けて固定フレーム5をチルトする。架台アーム8は、アルミニウム等の金属により形成される。回転フレーム13に対してX線管11等が取付けられている側を正面側、固定フレーム5側を背面側と呼ぶことにする。架台アーム8の先端15、換言すれば、回転フレーム13に対向する支持フレームの先端(以下、フレーム先端と呼ぶ)15は、回転フレーム13に非接触で、回転フレーム13に近接する。
X線管11は、X線高電圧装置17からの高電圧の印加及びフィラメント電流の供給により、陰極(フィラメント)から陽極(ターゲット)に向けて熱電子を照射することでX線を発生する真空管である。熱電子がターゲットに衝突することによりX線が発生される。X線管11における管球焦点で発生したX線は、例えばコリメータ19を介してコーンビーム形に成形され、被検体Pに照射される。例えば、X線管11には回転する陽極に熱電子を照射することでX線を発生させる回転陽極型のX線管がある。なお、本実施形態においては、一管球型のX線CT装置にも、X線管11とX線検出器12との複数のペアを回転フレーム13に搭載した、いわゆる多管球型のX線CT装置にも適用可能である。
X線検出器12は、X線管11から照射され、被検体Pを通過したX線を検出し、当該X線量に対応した電気信号をDAS21へと出力する。X線検出器12は、例えば、X線管11の焦点を中心として1つの円弧に沿ってチャネル方向に複数の検出素子が配列された複数の検出素子列を有する。X線検出器12は、例えば、当該検出素子列がスライス方向(列方向、row方向)に複数配列された構造を有する。
なお、X線CT装置1には、X線管11とX線検出器12とが一体として被検体Pの周囲を回転するRotate/Rotate-Type(第3世代CT)、およびリング状にアレイされた多数のX線検出素子が固定され、X線管11のみが被検体Pの周囲を回転するStationary/Rotate-Type(第4世代CT)があり、いずれのタイプでも本実施形態へ適用可能である。以下、説明を具体的にするために、本実施形態のX線CT装置1は、第3世代CTを例にとり説明する。
また、X線検出器12は、例えば、グリッドと、シンチレータアレイと、光センサアレイとを有する間接変換型の検出器である。シンチレータアレイは、複数のシンチレータを有し、シンチレータは入射X線量に応じた光子量の光を出力するシンチレータ結晶を有する。グリッドは、シンチレータアレイのX線入射側の面に配置され、散乱X線を吸収する機能を有するX線遮蔽板を有する。
なお、グリッドはコリメータ(1次元コリメータ又は2次元コリメータ)と呼ばれる場合もある。光センサアレイは、シンチレータからの光量に応じた電気信号に変換する機能を有し、例えば、光電子増倍管(フォトマルチプライヤー:PMT)等の光センサを有する。なお、X線検出器12は、入射したX線を電気信号に変換する半導体素子を有する直接変換型の検出器であっても構わない。また、X線検出器12は、光子計数型X線検出器であってもよい。X線検出器12は、X線検出部の一例である。
回転フレーム13は、ボアを有し、X線を発生するX線管11が取り付けられる。具体的には、回転フレーム13は、X線管11とX線検出器12とを対向支持し、後述する制御装置18によってX線管11とX線検出器12とを回転させる円筒状のフレームである。回転フレーム13は、支持軸受を介して固定フレーム5に回転可能に支持される。回転フレーム13は、制御装置18の駆動機構からの動力を受けて回転軸R1回りに一定の角速度で回転する。
回転フレーム13は、回転軸(Z軸)に沿った面において、少なくとも一つの開口部を有する。すなわち、回転フレーム13において、回転軸(Z軸)に平行な側面には、少なくとも一つの開口部が設けられる。回転フレーム13の側面における開口部の設置位置は、例えば、図2のILで示されている。なお、開口部の設置位置は、図2に限定されず、回転フレーム13に搭載される各種ユニットとの相対的な位置関係に応じて、適宜変更可能である。また、例えば、回転フレーム13に2つの開口部が設けられる場合、開口部は、例えば、回転フレーム13の回転軸を対称中心とした対向する2つの設置位置に配置される。開口部の形状については、後ほど説明する。
なお、回転フレーム13は、X線管11とX線検出器12とに加えて、X線高電圧装置17やDAS21を更に備えて支持する。このような回転フレーム13は、撮影空間をなすボアが形成された略円筒形状の筐体に収容されている。ボアの中心軸は、回転フレーム13の回転軸R1に一致する。
なお、DAS21が生成した検出データは、例えば発光ダイオード(LED)を有する送信機から光通信によって架台装置10の非回転部分(例えば固定フレーム5)に設けられた、フォトダイオードを有する受信機に送信され、コンソール装置40へと転送される。なお、回転フレーム13から架台装置10の非回転部分への検出データの送信方法は、前述の光通信に限らず、非接触型のデータ伝送であれば如何なる方式を採用しても構わない。
X線高電圧装置17は、変圧器(トランス)及び整流器等の電気回路を有し、X線管11に印加する高電圧及びX線管11に供給するフィラメント電流を発生する機能を有する高電圧発生装置と、X線管11が照射するX線に応じた出力電圧の制御を行うX線制御装置とを有する。高電圧発生装置は、変圧器方式であってもよいし、インバータ方式であっても構わない。なお、X線高電圧装置17は、回転フレーム13に設けられてもよいし、架台装置10の固定フレーム5側に設けられても構わない。
制御装置18は、CPU(Central Processing Unit)等を有する処理回路と、モータ及びアクチュエータ等の駆動機構とを有する。処理回路は、ハードウェア資源として、CPUやMPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサとROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のメモリとを有する。
また、制御装置18は、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)やフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA)、他の複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)により実現されてもよい。制御装置18は、コンソール装置40からの指令に従い、X線高電圧装置17及びDAS21等を制御する。当該プロセッサは、当該メモリに保存されたプログラムを読み出して実現することで上記制御を実現する。
また、制御装置18は、コンソール装置40若しくは架台装置10に取り付けられた入力インターフェースからの入力信号を受けて、架台装置10及び寝台装置30の動作制御を行う機能を有する。例えば、制御装置18は、入力信号を受けて回転フレーム13を回転させる制御や、架台装置10をチルトさせる制御、及び寝台装置30及び天板33を動作させる制御を行う。
なお、架台装置10をチルトさせる制御は、架台装置10に取り付けられた入力インターフェースによって入力される傾斜角度(チルト角度)情報により、制御装置18が水平軸R2を中心に回転フレーム13を回転させることによって実現されてもよい。また、制御装置18は架台装置10に設けられてもよいし、コンソール装置40に設けられても構わない。なお、制御装置18は、当該メモリにプログラムを保存する代わりに、当該プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合、当該プロセッサは、当該回路内に組み込まれたプログラムを読み出して実行することで上記制御を実現する。
コリメータ19は、ウェッジ20を透過したX線をX線照射範囲に絞り込むための鉛板等であり、複数の鉛板等の組み合わせによってスリットを形成する。
ウェッジ20は、X線管11から照射されたX線のX線量を調節するためのフィルタである。具体的には、ウェッジ20は、X線管11から被検体Pへ照射されるX線が、予め定められた分布になるように、X線管11から照射されたX線を透過して減衰するフィルタである。ウェッジ20は、例えばウェッジフィルタ(wedge filter)またはボウタイフィルタ(bow-tie filter)であり、所定のターゲット角度や所定の厚みとなるようにアルミニウムを加工したフィルタである。
DAS21は、X線検出器12の各X線検出素子から出力される電気信号に対して増幅処理を行う増幅器と、電気信号をデジタル信号に変換するA/D変換器とを有し、検出データを生成する。DAS21が生成した検出データは、コンソール装置40へと転送される。また、DAS21はデータ収集部の一例である。
寝台装置30は、スキャン対象の被検体Pを載置、移動させる装置であり、基台31と、寝台駆動装置32と、天板33と、天板支持フレーム34とを備えている。基台31は、天板支持フレーム34を鉛直方向に移動可能に支持する筐体である。寝台駆動装置32は、被検体Pが載置された天板33を天板33の長軸方向に移動させるモータあるいはアクチュエータである。寝台駆動装置32は、コンソール装置40による制御、または制御装置18による制御に従い、天板33を移動する。天板支持フレーム34の上面に設けられた天板33は、被検体Pが載置される板である。なお、寝台駆動装置32は、天板33に加え、天板支持フレーム34を天板33の長軸方向に移動してもよい。
コンソール装置40は、メモリ41と、ディスプレイ42と、入力インターフェース43と、処理回路44とを有する。メモリ41と、ディスプレイ42と、入力インターフェース43と、処理回路44との間のデータ通信は、バス(BUS)を介して行われる。
メモリ41は、種々の情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、集積回路記憶装置等の記憶装置である。メモリ41は、例えば、投影データや再構成画像データを記憶する。メモリ41は、HDDやSSD等以外にも、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、フラッシュメモリ等の可搬性記憶媒体や、RAM(Random Access Memory)等の半導体メモリ素子等との間で種々の情報を読み書きする駆動装置であってもよい。また、メモリ41の保存領域は、X線CT装置1内にあってもよいし、ネットワークで接続された外部記憶装置内にあってもよい。また、メモリ41は、本実施形態に係る制御プログラムを記憶する。
ディスプレイ42は、各種の情報を表示する。例えば、ディスプレイ42は、処理回路44によって生成された医用画像(CT画像)や、操作者からの各種操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)等を出力する。例えば、ディスプレイ42としては、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro Luminescence Display)、プラズマディスプレイ又は他の任意のディスプレイが、適宜、使用可能となっている。また、ディスプレイ42は、架台装置10に設けられてもよい。また、ディスプレイ42は、デスクトップ型でもよいし、コンソール装置40本体と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしても構わない。
入力インターフェース43は、操作者からの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路44に出力する。例えば、入力インターフェース43は、投影データを収集する際の収集条件や、CT画像を再構成する際の再構成条件、CT画像から後処理画像を生成する際の画像処理条件等を操作者から受け付ける。入力インターフェース43としては、例えば、マウス、キーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、タッチパッド及びタッチパネルディスプレイ等が適宜、使用可能となっている。
なお、本実施形態において、入力インターフェース43は、マウス、キーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、タッチパッド及びタッチパネルディスプレイ等の物理的な操作部品を備えるものに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路44へ出力する電気信号の処理回路も入力インターフェース43の例に含まれる。また、入力インターフェース43は、架台装置10に設けられてもよい。また、入力インターフェース43は、コンソール装置40本体と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしても構わない。
処理回路44は、入力インターフェース43から出力される入力操作の電気信号に応じて、X線CT装置1全体の動作を制御する。例えば、処理回路44は、ハードウェア資源として、CPUやMPU、GPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサとROMやRAM等のメモリとを有する。処理回路44は、メモリに展開されたプログラムを実行するプロセッサにより、システム制御機能441、前処理機能442、再構成処理機能443を実行する。
システム制御機能441、前処理機能442、再構成処理機能443をそれぞれ実行する処理回路44は、システム制御部、前処理部、再構成部に相当する。なお、各機能441~443は、単一の処理回路で実現される場合に限らない。複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより各機能441~443を実現するものとしても構わない。
処理回路44は、システム制御機能441により、入力インターフェース43を介して操作者から受け付けた入力操作に基づいて、処理回路44の各機能を制御する。具体的には、システム制御機能441は、メモリ41に記憶されている制御プログラムを読み出して処理回路44内のメモリ上に展開し、展開された制御プログラムに従ってX線CT装置1の各部を制御する。例えば、処理回路44は、入力インターフェース43を介して操作者から受け付けた入力操作に基づいて、処理回路44の各機能を制御する。
処理回路44は、前処理機能442により、DAS21から出力された検出データに対して対数変換処理やオフセット補正処理、チャネル間の感度補正処理、ビームハードニング補正等の前処理を施したデータを生成する。なお、前処理前のデータを生データ、前処理後のデータを投影データと称する。
処理回路44は、再構成処理機能443により、前処理機能442にて生成された投影データに対して、フィルタ補正逆投影法(FBP法:Filtered Back Projection)や逐次近似再構成法等を用いた再構成処理を行ってCT画像データを生成する。再構成処理機能443は、再構成されたCT画像データをメモリ41に格納する。
以上のように構成された本実施形態に係るX線CT装置1において、以下、開口部の形状について説明する。開口部において回転方向側の縁(以下、第1の縁と呼ぶ)は、回転フレーム13の内側から回転フレーム13の外側に向けて開口部を通過する気流(以下、通過気流と呼ぶ)と回転フレーム13に対向するフレーム先端15との衝突のタイミングが回転フレーム13の周方向に対してずれるような形状を有する。
例えば、第1の縁と開口部において回転フレーム13の回転方向とは反対側の縁(以下、第2の縁と呼ぶ)とのうち少なくとも一方は、回転軸(Z軸)と非平行である。例えば、第1の縁と第2の縁とは、回転軸(Z軸)に対して連続的に傾斜する。また、第1の縁は、回転フレーム13の周方向、すなわち回転フレーム13の回転方向に対して、第1角部を有する。なお、第1の縁の第1角部における頂点は、開口部において、回転軸の方向に対して中央に位置してもよい。
図3は、回転フレーム13の側面に設けられた開口部13Aの形状の一例と、開口部13Aにおける第1角部CAの角度Aに応じた音響パワーレベル相対値NIR(Noise Intencity level Relative value)の変化の一例とを示す図である。図3に示すように、開口部13Aにおける第1の縁は、回転軸(Z軸)と非平行であって、回転軸(Z軸)に対して連続的に傾斜する。また、開口部13Aにおける第1の縁は、回転フレーム13の周方向、すなわち回転フレーム13の回転方向に対して、第1角部CAを有する。図3において、第1角部CAの角度は、Aで示されている。また、開口部13Aにおける第1の縁の第1角部CAにおける頂点は、開口部13Aにおいて、回転軸の方向に対して中央に位置する。
音響パワーレベル相対値NIRは、開口部形状が矩形であってフレーム先端15の縁(以下、フレーム先端縁と呼ぶ)が回転軸と平行である場合の従来形状を基準とした相対的な騒音強度(Noise Intensity)である。従来形状の騒音強度NIと開口部13Aに関する騒音強度NI’とは、例えば、数値流体解析(Computational Fluid Dynamics:CFD)により得られた気体の圧力の時間変化により算出される。音響パワーレベル相対値NIRは、従来形状の騒音強度NIと開口部13Aに関する騒音強度NI’との比に対して対数を取ることで、算出される。
開口部13Aが図3に示すような第1の縁を有する場合、第1角部CAにおいて、従来形状に比べて騒音が低減される角度Aの範囲AARは、70°を超過する角度から180°未満の角度の範囲(70°<A<180°)である。図3に示すように、音響パワーレベル相対値NIRの最低値において、角度Aは120°近傍である。このため、開口部13Aにおける第1の縁の第1角部CAの角度Aが120°近傍で設定された場合、騒音の低減の効果は最大となる。
なお、第2の縁は、通過気流とフレーム先端15との衝突のタイミングが回転フレーム13の周方向に対してずれるような形状を有していてもよい。例えば、第2の縁は、回転軸(Z軸)と非平行であって、回転軸(Z軸)に対して連続的に傾斜する。また、第2の縁は、回転フレーム13の周方向すなわち、回転フレーム13の回転方向に対して、第2角部を有する。なお、第2の縁の第2角部における頂点は、開口部において、回転軸の方向に対して中央に位置してもよい。
図4は、回転フレーム13の側面に設けられた開口部13Bの形状の一例と、開口部13Bにおける第2角部CBの角度Bに応じた音響パワーレベル相対値NIRの変化の一例とを示す図である。図4に示すように、開口部13Bにおける第2の縁は、回転軸(Z軸)と非平行であって、回転軸(Z軸)に対して連続的に傾斜する。また、開口部13Bにおける第2の縁は、回転フレーム13の周方向すなわち、回転フレーム13の回転方向に対して、第2角部CBを有する。図3において、第2角部CBの角度は、Bで示されている。また、開口部13Bにおける第2の縁の第2角部CBにおける頂点は、開口部13Bにおいて、回転軸の方向に対して中央に位置する。
開口部13Bが図4に示すような第2の縁を有する場合、第2角部CBにおいて、従来形状に比べて騒音が低減される角度Bの範囲BARは、120°未満の角度の範囲(B<120°)である。
図5は、回転フレーム13の側面に設けられた開口部13Cの形状の一例と、開口部13Cにおける第2角部CCの角度Cに応じた音響パワーレベル相対値NIRの変化の一例とを示す図である。図5に示すように、開口部13Cにおける第2の縁は、回転軸(Z軸)と非平行であって、回転軸(Z軸)に対して連続的に傾斜する。また、開口部13Cにおける第2の縁は、回転フレーム13の周方向、すなわち回転フレーム13の回転方向に対して、第2角部CCを有する。図5において、第2角部CCの角度は、Cで示されている。また、開口部13Cにおける第2の縁の第2角部CCにおける頂点は、開口部13Cにおいて、回転軸の方向に対して中央に位置する。
開口部13Cが図5に示すような第2の縁を有する場合、第2角部CCにおいて、従来形状に比べて騒音が低減される角度Cの範囲CARは、120°未満の角度の範囲(C<120°)である。
また、開口部において第1の縁と第2の縁とは、通過気流とフレーム先端15との衝突のタイミングが回転フレーム13の周方向に対してずれるような形状を有していてもよい。例えば、開口部において、第1の縁と第2の縁とは、回転軸(Z軸)と非平行であって、回転軸(Z軸)に対して連続的に傾斜する。このとき、第1の縁は、回転フレーム13の周方向、すなわち回転フレーム13の回転方向に対して、第1角部を有する。なお、第1の縁の第1角部における頂点は、開口部において、回転軸(Z軸)の方向に対して中央に位置してもよい。
また、第2の縁は、回転フレーム13の周方向、すなわち回転フレーム13の回転方向に対して、第2角部を有する。なお、第1の縁の第2角部における頂点は、開口部における回転軸(Z軸)の方向に対して中央に位置してもよい。
図6は、回転フレーム13の側面に設けられた開口部13Dの形状の一例と、開口部13Dにおける第1角部CDFと第2角部CDRとの角度Dに応じた音響パワーレベル相対値NIRの変化の一例とを示す図である。図6に示すように、開口部13Dにおける第1の縁と第2の縁とは、回転軸(Z軸)と非平行であって、回転軸(Z軸)に対して連続的に傾斜する。また、開口部13Dにおける第1の縁は、回転フレーム13の周方向すなわち、回転フレーム13の回転方向に対して、第1角部CDFを有する。
また、図6に示す第2の縁は、回転フレーム13の周方向すなわち、回転フレーム13の回転方向に対して、第2角部CDRを有する。図6において、第1角部CDFと第2角部CDRとにおける角度は、Dで示されている。また、開口部13Dにおける第1の縁の第1角部CDFと第2の縁の第2角部CDRとにおける頂点は、開口部13Dにおいて、回転軸の方向に対して中央に位置する。
開口部13Dが図6に示すような第1の縁と第2の縁とを有する場合、第1角部CDFと第2角部CDRとにおいて、従来形状に比べて騒音が低減される角度Dの範囲DARは、120°未満の角度の範囲(D<120°)である。なお、第1角部CDFと第2角部CDRとは、ともに120°未満であれば、異なる角度であってもよい。
図7は、回転フレーム13の側面に設けられた開口部13Eの形状の一例と、開口部13Eにおける第1角部CEFと第2角部CERとの角度Eに応じた音響パワーレベル相対値NIRの変化の一例とを示す図である。図7に示すように、開口部13Eにおける第1の縁と第2の縁とは、回転軸(Z軸)と非平行であって、回転軸(Z軸)に対して連続的に傾斜する。また、開口部13Eにおける第1の縁は、回転フレーム13の周方向すなわち、回転フレーム13の回転方向に対して、第1角部CEFを有する。
また、開口部13Eにおける第2の縁は、回転フレーム13の回転方向とは反対方向に向けて凸形状の第2角部CERを有する。図7において、第1角部CEFと第2角部CERとにおける角度は、Eで示されている。また、開口部13Eにおける第1の縁の第1角部CEFと第2の縁の第2角部CERとの頂点は、開口部13Eにおいて、回転軸の方向に対して中央に位置する。
開口部13Eが図7に示すような第1の縁と第2の縁とを有する場合、第1角部CEFと第2角部CERとにおいて、従来形状に比べて騒音が低減される角度Eの範囲EARは、120°未満の角度の範囲(E<120°)である。なお、第1角部CEFと第2角部CERとは、ともに120°未満であれば、異なる角度であってもよい。
図8は、回転フレーム13の側面に設けられた開口部13Fの形状の一例と、開口部13Fにおける第1角部CFFと第2角部CFRとの角度Fに応じた音響パワーレベル相対値NIRの変化の一例とを示す図である。図8に示すように、開口部13Fにおける第1の縁と第2の縁とは、回転軸(Z軸)と非平行であって、回転軸(Z軸)に対して連続的に傾斜する。また、開口部13Fにおける第1の縁は、回転フレーム13の周方向、すなわち回転フレーム13の回転方向に対して、第1角部CFFを有する。開口部13Fにおける第1の縁の第1角部CFFにおける頂点は、開口部13Fにおいて回転軸の方向の中央から回転軸の所定の方向に沿ってオフセットした場所に位置する。
また、開口部13Fにおける第2の縁は、回転フレーム13の周方向すなわち、回転フレーム13の回転方向に対して、第2角部CFRを有する。図8において、第1角部CFFと第2角部CFRとにおける角度は、Fで示されている。また、第2の縁の第2角部CERにおける頂点は、開口部13Fにおいて回転軸の方向の中央から所定の方向と反対方向に沿ってオフセットした場所に位置する。
開口部13Fが図8に示すような第1の縁と第2の縁とを有する場合、第1角部CFFと第2角部CFRとにおいて、従来形状に比べて騒音が低減される角度Fの範囲EARは、80°未満の角度の範囲(F<80°)である。
以上に述べた実施形態に係るX線CT装置1は、X線を発生するX線管11が取り付けられた回転フレーム13と、回転フレーム13を回転軸周りに所定の回転方向に沿って回転可能に支持する支持フレームと、を備え、回転フレーム13は回転軸に沿った面において少なくとも一つの開口部を有し、開口部の回転方向側の第1の縁及び開口部の回転方向とは反対側の第2の縁のうち少なくとも一方は、回転軸と非平行である。また、実施形態に係るX線CT装置1は、第1の縁及び前記第2の縁のうち少なくとも一方は、回転軸に対して連続的に傾斜する。
また、実施形態に係るX線CT装置1は、第1の縁は、回転フレーム13の周方向に対して第1角部を有する。また、本X線CT装置1において、第1角部における頂点は、開口部において、回転軸の方向に対して中央に位置する。また、本X線CT装置1において、第1角部における角度の範囲は、70°を超過する角度から180°未満の角度の範囲である。
また、実施形態に係るX線CT装置1は、第2の縁は、回転フレーム13の周方向に対して第2角部を有する。また、本X線CT装置1において、第2角部における頂点は、開口部において、回転軸の方向に対して中央に位置する。また、本X線CT装置1において、第2角部における角度の範囲は、120°未満の角度の範囲である。なお、本X線CT装置1において、第1角部CDFと第2角部CDRとにおける角度の範囲は、ともに120°未満であって、記第1角部CDFの角度と第2角部CDRの角度とは、それぞれ異なっていてもよい。また、本X線CT装置1において、第2の縁は、回転フレーム13の回転方向とは反対方向に向けて凸形状の第2角部CERを有し、第2角部CERにおける頂点は、開口部において、回転軸の方向に対して中央に位置する。このとき、第1角部CEFと第2角部CERとにおける角度の範囲は、ともに120°未満であって、第1角部CEFの角度と第2角部CERの角度とは、それぞれ異なっていてもよい。
また、実施形態に係るX線CT装置1において、第1角部における頂点は、開口部おいて回転軸の方向の中央から回転軸の所定の方向に沿ってオフセットした場所に位置し、第2角部における頂点は、当該中央から所定の方向と反対方向に沿ってオフセットした場所に位置する。また、本X線CT装置1において、第1角部と第2角部とにおける角度の範囲は、80°未満の角度の範囲である。
図9は、比較例として、矩形の開口部APから流出する気流(矢印:流線ベクトル)の一例を示す図である。図9に示すように、気流は、回転フレームの動径方向の外側(以下、径外方向と呼ぶ)に向かって、流出する。また、回転フレームが回転している時、すなわちX線コンピュータ断層撮影装置が稼働している時は、当該気流は径外方向に向かって流出しながら回転フレーム13の周方向に移動する。
図9に示すように、開口部APから流出する気流は、大きく分けて2つの形態(2つの気流:気流Aと気流B)がある。気流Aは、開口部APの回転方向前方側の気流の主な形態である。気流Aは、回転フレームの外周面に対して略径外方向に流出する気流である。気流Bは、開口部APにおいて、回転フレームの回転方向の反側側の気流の主な形態である。開口部APからの流出する気流は径外方向に向かって流れるが、当該気流は、回転フレームRBと共に移動する。このため、開口部APから流出する気流に関して、回転方向の反側側(以下、反回転側と呼ぶ)には負圧領域が発生する。負圧領域の作用により、開口部APの反回転側の気流は、径外方向に向かって流れた後、開口部APの反回転側に生じた負圧領域へ急激に曲げられる。その結果、気流Bは、図9に示すように、開口部APの背面で大きな渦流となる。
図10は、比較例として、回転フレームが回転すると共に気流Aおよび気流Bがフレーム先端FBに衝突する様子を表した模式図を示している。気流Aおよび気流Bのそれぞれの流れは、フレーム先端FBに衝突する際に非常に大きな圧力変動を生じさせる。これにより、流体力学的な要因による空力騒音が発生する。
図9に示すように、比較例としての従来の開口部APの形状は、回転軸方向に略平行な辺を持つ矩形である。このため、図10に示すように、気流Aおよび気流Bは、開口部APにおいて回転軸の方向に沿って均一に流出され、フレーム先端に衝突する。つまり、気流Aおよび気流Bにおいて、回転軸の方向に沿った径外方向への一連の気流は、同じタイミングでフレーム先端FBに衝突する。このため、気流の圧力変動も非常に大きくなる。
なお、この圧力変動は回転フレームRBの回転に依存したタイミングで発生する。このため、圧力変動に起因する騒音は、回転フレームRBの回転周波数の整数倍の周波数にて発生する狭帯域騒音に分類される。
図11は、実施形態において、図6に対応する開口部13Dにおいて、気流Aおよび気流Bの一例を示す図である。図11に示すように、本実施形態に係るX線CT装置1によれば、開口部13Dから流出する気流A及び気流Bがフレーム先端15に衝突するタイミングを、回転軸(Z軸)の方向に対してずらすことができる。一方、比較例としての図9および図10における気流Aの流線と、巻き込みの気流Bの流線とは、回転軸の方向に対して一様に揃っている。このため、比較例は、本実施形態と比べて、フレーム先端15への衝突のエネルギーは大きくなり、圧力変動も大きくなる。
一方、本実施形態に係るX線CT装置1によれば、図3乃至図8に示すように、開口部の第1の縁及び第2の縁の少なくとも一方は、気流の流線を回転方向に対して連続的にずらすように、回転軸の方向に対して連続的に傾斜している。図12は、実施形態と比較例とにおいて、フレーム先端15の圧力の変化の一例を示す図である。フレーム先端15の圧力の変化は、例えば、数値流体解析(CFD)により算出される。図12に示すように、実施形態におけるフレーム先端15の圧力の変化(圧力変動)は、比較例に比べて小さくなる。このため、本実施形態に係るX線CT装置1によれば、従来の比較例に比べて圧力変動を小さく抑えることができ、その結果、騒音を低減することができる。
なお、本実施形態の応用例として、開口部における第1の縁及び第2の縁のうち少なくとも一方は、通過気流とフレーム先端15との衝突のタイミングが回転フレーム13の周方向に対してずれるような階段状の形状(ステップ的な形状変化)を有していてもよい。本応用例は、本実施形態と同様な効果が得られる。
以上のことから、本実施形態に係るX線CT装置1によれば、開口部を塞ぐことなく、冷却性能を維持させながら騒音を低減することができる。
(変形例)
本変形例は、開口部における第2の縁として、回転フレーム13の周方向に対して末端角部を有し、回転フレーム13に対向する支持フレームの先端(フレーム先端15)において、回転方向とは反対側の形状として、回転フレーム13の周方向に対して先端角部を有することにある。このとき、末端角部と先端角部とは、回転軸と非平行であって、回転軸に対して連続的に傾斜してもよい。また、先端角部における頂点は、開口部において、回転軸の方向に対して中央に位置してもよい。
図13は、図6に示す開口部13Dとフレーム先端15における先端角部TCの形状との一例と、フレーム先端15における先端角部TCの角度Gに応じた音響パワーレベル相対値NIRの変化の一例とを示す図である。図13に示す開口部13Dの第2の縁は、回転フレーム13の周方向に対して末端角部ECを有する。図13に示すように、末端角部ECと先端角部TCとは、回転軸と非平行であって、回転軸に対して連続的に傾斜する。また、図13に示すように、先端角部TCにおける頂点は、回転軸の方向に対して中央に位置する。図13において、先端角部TCにおける角度は、Gで示されている。
開口部13Dが図6に示すような第1の縁と第2の縁とを有し、フレーム先端15における先端角部TCが図13に示すような形状を有する場合、先端角部TCにおいて、従来形状に比べて騒音が低減される角度Gの範囲GARは、60°を超過する角度から180°未満の角度の範囲(60°<G<180°)である。図13に示すように、音響パワーレベル相対値NIRの最低値において、角度Gは120°近傍である。このため、開口部13Dに対して先端角部TCの角度Gが120°近傍で設定された場合、騒音の低減の効果は最大となる。
図14は、図5に示す開口部13Cとフレーム先端15における先端角部TCの形状との一例と、フレーム先端15における先端角部TCの角度Hに応じた音響パワーレベル相対値NIRの変化の一例とを示す図である。図14に示す開口部13Cにおいて第2の縁は、回転フレーム13の周方向に対して末端角部ECを有する。図14に示すように、開口部13Cにおい第1の縁は、回転軸に平行である。一方、先端角部TCとは、回転軸と非平行であって、回転軸に対して連続的に傾斜する。また、図14に示すように、先端角部TCにおける頂点は、回転軸の方向に対して中央に位置する。図14において、先端角部TCにおける角度は、Hで示されている。
開口部13Cが図5に示すような第1の縁と第2の縁とを有し、フレーム先端15における先端角部TCが図14に示すような形状を有する場合、先端角部TCにおいて、従来形状に比べて騒音が低減される角度Gの範囲HARは、50°を超過する角度から180°未満の角度の範囲(50°<H<180°)である。図14に示すように、音響パワーレベル相対値NIRの最低値において、角度Hは120°近傍である。このため、開口部13Cに対して先端角部TCの角度Hが120°近傍で設定された場合、騒音の低減の効果は最大となる。
以上に述べた変形例に係るX線CT装置1において、第2の縁は回転フレーム13の周方向に対して末端角部ECを有し、フレーム先端15において回転方向とは反対側の第3の縁は、回転フレーム13の周方向に対して先端角部TCを有する。また、本X線CT装置1において、末端角部ECと先端角部TCとは、回転軸と非平行であって、回転軸に対して連続的に傾斜し、先端角部TCにおける頂点は、回転軸の方向に対して中央に位置する。
また、変形例に係るX線CT装置1において、第1の縁が回転軸に平行である場合、先端角部TCにおける角度の範囲は、50°を超過する角度から180°未満の角度の範囲である。また、本X線CT装置1において、第1の縁と第2の縁とが回転軸と非平行であって回転軸に対して連続的に傾斜する場合、先端角部TCにおける角度の範囲は、60°を超過する角度から180°未満の角度の範囲である。
本変形例における効果は、実施形態と同様なため、説明は省略する。なお、本変形例における開口部の形状は、上記説明に限定されず、例えば、図4、図7、図8に示すような開口部の形状であってもよい。
実施形態などにおける技術的思想を架台装置10で実現する場合、当該架台装置10は、X線を発生するX線管11が取り付けられた回転フレーム13と、回転フレーム13を回転軸周りに所定の回転方向に沿って回転可能に支持する支持フレームと、を備え、回転フレーム13は、回転軸に沿った面において少なくとも一つの開口部を有し、開口部の回転方向側の第1の縁及び開口部の回転方向とは反対側の第2の縁のうち少なくとも一方は、回転軸と非平行である。架台装置10における効果は、実施形態などと同様なため、説明は省略する。
以上説明した少なくとも実施形態および変形例等によれば、回転フレーム13に搭載された各種ユニットに対する冷却機能を維持しつつ、騒音を低減することができる。
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 X線CT装置
5 固定フレーム
6 立設フレーム
7 ベーススタンド
8 架台アーム
10 架台装置
11 X線管
12 X線検出器
13 回転フレーム
13A、13B、13C、13D、13E、13F 開口部
15 フレーム先端
17 X線高電圧装置
18 制御装置
19 コリメータ
20 ウェッジ
21 DAS(Data Acquisition System)
30 寝台装置
31 基台
32 寝台駆動装置
33 天板
34 天板支持フレーム
40 コンソール装置
41 メモリ
42 ディスプレイ
43 入力インターフェース
44 処理回路
441 システム制御機能
442 前処理機能
443 再構成処理機能

Claims (19)

  1. X線を発生するX線管が取り付けられた回転フレームと、
    前記回転フレームを回転軸周りに所定の回転方向に沿って回転可能に支持する支持フレームと、を備え、
    前記回転フレームは、前記回転軸に沿った面において少なくとも一つの開口部を有し、
    前記開口部の前記回転方向側の第1の縁及び前記開口部の前記回転方向とは反対側の第2の縁のうち少なくとも一方は、前記回転軸と非平行である、
    X線コンピュータ断層撮影装置。
  2. 前記第1の縁及び前記第2の縁のうち少なくとも一方は、前記回転軸に対して連続的に傾斜する、
    請求項1に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  3. 前記第1の縁は、前記回転フレームの周方向に対して第1角部を有する、
    請求項1または2に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  4. 前記第1角部における頂点は、前記開口部において、前記回転軸の方向に対して中央に位置する、
    請求項3に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  5. 前記第1角部における角度の範囲は、70°を超過する角度から180°未満の角度の範囲である、
    請求項4に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  6. 前記第2の縁は、前記回転フレームの周方向に対して第2角部を有する、
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  7. 前記第2角部における頂点は、前記開口部において、前記回転軸の方向に対して中央に位置する、
    請求項6に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  8. 前記第2角部における角度の範囲は、120°未満の角度の範囲である、
    請求項7に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  9. 前記第1角部と前記第2角部とにおける角度の範囲は、ともに120°未満であって、
    前記第1角部の角度と前記第2角部の角度とは、それぞれ異なる、
    請求項7に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  10. 前記第2の縁は、前記回転フレームの回転方向とは反対方向に向けて凸形状の第2角部を有し、
    前記第2角部における頂点は、前記開口部において、前記回転軸の方向に対して中央に位置し、
    前記第1角部と前記第2角部とにおける角度の範囲は、ともに120°未満であって、
    前記第1角部の角度と前記第2角部の角度とは、それぞれ異なる、
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  11. 前記第1の縁は、前記回転フレームの周方向に対して第1角部を有し、
    前記第2の縁は、前記回転フレームの周方向に対して第2角部を有し、
    前記第1角部における頂点は、前記開口部おいて前記回転軸の方向の中央から前記回転軸の所定の方向に沿ってオフセットした場所に位置し、
    前記第2角部における頂点は、前記中央から前記所定の方向と反対方向に沿ってオフセットした場所に位置する、
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  12. 前記第1角部と前記第2角部とにおける角度の範囲は、80°未満の角度の範囲である、
    請求項11に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  13. 前記第2の縁は、前記回転フレームの周方向に対して末端角部を有し、
    前記回転フレームに対向する前記支持フレームの先端において、前記回転方向とは反対側の第3の縁は、前記回転フレームの周方向に対して先端角部を有する、
    請求項1乃至12のうちいずれか一項に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  14. 前記末端角部と前記先端角部とは、前記回転軸と非平行であって、前記回転軸に対して連続的に傾斜し、
    前記先端角部における頂点は、前記回転軸の方向に対して中央に位置する、
    請求項13に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  15. 前記第1の縁と前記第2の縁とが、前記回転軸と非平行であって、前記回転軸に対して連続的に傾斜する場合、前記先端角部における角度の範囲は、60°を超過する角度から180°未満の角度の範囲である、
    請求項14に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  16. 前記第1の縁が前記回転軸に平行である場合、前記先端角部における角度の範囲は、50°を超過する角度から180°未満の角度の範囲である、
    請求項14に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  17. 前記第1の縁及び前記第2の縁のうち少なくとも一方は、前記回転フレームの内側から前記回転フレームの外側に向けて前記開口部を通過する気流と前記回転フレームに対向する前記支持フレームの先端との衝突のタイミングが前記回転フレームの周方向に対してずれるような形状を有する、
    請求項1乃至16のいずれか一項に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  18. 前記第1の縁及び前記第2の縁のうち少なくとも一方は、前記回転フレームの内側から前記回転フレームの外側に向けて前記開口部を通過する気流と前記回転フレームに対向する前記支持フレームの先端との衝突のタイミングが前記回転フレームの周方向に対してずれるような階段状の形状を有する、
    請求項1に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  19. X線を発生するX線管が取り付けられた回転フレームと、
    前記回転フレームを回転軸周りに所定の回転方向に沿って回転可能に支持する支持フレームと、を備え、
    前記回転フレームは、前記回転軸に沿った面において少なくとも一つの開口部を有し、
    前記開口部の前記回転方向側の第1の縁及び前記開口部の前記回転方向とは反対側の第2の縁のうち少なくとも一方は、前記回転軸と非平行である、
    架台装置。
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