JP2023060354A - 筆記具 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023060354000001
【課題】毛細管力を用いて線を描くことができる筆記具において、線を描きながら線の幅を自在に調整することができ、かつ筆記具の使い始めと、使い終わりとでほぼ同一の幅の線を描くことができる筆記具を提供する。
【解決手段】サインペン1は、インク収容部11と、コレクター17と、コレクター17によって送出されたインクを毛細管力によって吸引し、吸引したインクを先端から送出し、紙面に付着させるための中芯29と、を備え、繰り返しの筆記であっても、使い始め時に描いた線の幅に対する、使い終わり時に描いた線の幅の変化率が10%以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、筆記具に関し、特に、サインペン又はマーキングペンのような、毛細管力を用いて線を描くことができる筆記具に関する。
従来から、描線の幅を変更可能なボールペンが知られている(例えば、特許文献1及び2)。
特開2013-252654号公報 特開2013-252655号公報
しかしながら、特許文献1及び2に記載されたものはボールペンに関するものである。そして、ボールペンでは、その構造上、描くことができる線の太さに限界があり、比較的太い線を描きながら線の幅を変化させることができる筆記具が望まれている。
また、一般的に、サインペン又はマーキングペンのような、毛細管力を用いて線を描く筆記具では、筆記具の使い始めと、使い終わりとの間で線の幅に差が出来てしまう。
そこで、本発明は、毛細管力を用いて線を描くことができる筆記具において、線を描きながら線の幅を自在に調整することができ、かつ筆記具の使い始めと、使い終わりとでほぼ同一の幅の線を描くことができる筆記具を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明は、インクを収容するインク収容部と、前記インク収容部内に空気を送り込むことにより当該インク収容部からインクを送出する空気置換機構と、前記空気置換機構によって送出されたインクを毛細管力によって吸引し、吸引したインクを先端から送出し、紙面に付着させるための中芯と、を備える筆記具であって、筆記重量50gと筆記重量200gで交互に繰り返し筆記した際の筆記前と筆記後の線の幅の変化率が10%以下である。
このように構成された本発明において、筆記角度が90度、かつ筆記重量が50gの筆記条件で描ける線の幅に対する、筆記角度が60度、かつ筆記重量が200gの筆記条件で描ける線の幅の割合が、1.5以上、より好ましくは2.0であることが好ましい。
また、このように構成された本発明において、中芯を含む筆記部の弾性限界点は、7.0N以上が好ましく、9.8N以上がより好ましい。7.0N以上とすることで筆記の際に筆記部に力をかける人に対しても筆記部の破損を防ぐことができる。
また、このように構成された本発明において、中芯を含む筆記部の座屈強度は、7.0N以上が好ましく、9.8N以上がより好ましい。7.0N以上とすることで筆記の際に筆記部に力をかける人に対しても筆記部の破損を防ぐことができる。
また、このように構成された本発明において、100mの線を描いたときの前記筆記部13の摩耗量が0.3mm以下であることが好ましい。筆記の摩耗量が0.3mm以下であるので、長い筆記距離に対してもインクが無くなるまで快適に筆記を続けることができる。
また、このように構成された本発明において、単位面積あたりの筆記流量が5g/m2以上であることが好ましい。単位面積あたりの筆記流量が5g/m2以上とすることで筆記時において筆記描線の色が薄くなったり切れてしまうカスレの現象を防ぐことが出来る。
また、中芯を含む筆記部が加圧により軸筒に対して相対的に没入を開始する際に筆記部に加わるセット荷重が0.1N以上7.0N以下であることが好ましい。
クッション力とは、筆記時における軸線方向の圧縮又は加圧により、筆記部が軸筒に対して相対的に没入を開始する際における筆記部に加わる垂直荷重を意味する。
クッション力を0.1N以上7.0N以下とすることで筆記部に対して大きな筆記荷重がかかる際でも、筆記部の折れや潰れを防ぐことができる。
以上のように、本発明によれば、線を描きながら線の幅を自在に調整することができ、かつ使い始めと、使い終わりとでほぼ同一の幅の線を描くことができる。
本発明の実施形態によるサインペンを示し、より具体的には、図1(a)及び図1(b)は、キャップによりサインペンの前方を覆っている状態を示し、図1(c)は、図1(b)の状態の断面図を示す。 図1(c)の要部拡大図である。 中芯の長手方向断面図である コレクターを示す図面であり、図4には、コレクターを三方向から見た図面を示している。 継手を示す図面であり、具体的には、図5は、継手の斜視図、側面図、及び断面図を示す。 アウターを示す図面であり、具体的には、図6は、アウターの斜視図、側面図、及び断面図を示す。 中芯の変形例を示す断面図である。 中芯の更なる変形例を示す断面図である。 アウターの変形例を示す斜視図である。 アウターの更なる変形例を示す断面図である。 インナーキャップの変形例を示す側断面図である。 インク保持部の変形例を示す側断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態によるサインペンについて説明する。なお、本明細書において、サインペン及びその構成部品についての「前方」とは、サインペンの軸方向において中芯が設けられている側をいい、「後方」とはその反対側をいうものとする。
図1は、本発明の実施形態によるサインペンを示し、より具体的には、図1(a)及び図1(b)は、キャップによりサインペンの前方を覆っている状態を示し、図1(c)は、図1(b)の状態の断面図を示す。図2は、図1(c)の要部拡大図を示す。
図1乃至図2に示すように、サインペン1は、サインペンの本体3と、本体3に取り付けられるキャップ5とを備えている。
サインペンの本体3は、使用時に、使用者が把持できるように全体的に筒形状を有しており、前方側軸筒7と、後方側軸筒9とを備えている。前方側軸筒7の後方端部、及び後方側軸筒9の前方端部には、それぞれネジ山が設けられており、両者を螺合することにより前方側軸筒7と後方側軸筒9とが互いに固定されている。そして、前方側軸筒7と後方側軸筒9とを螺合して固定することにより、内部に、サインペンの筆記のための各構成部品を収容する空間が形成される。また、前方側軸筒7と後方側軸筒9とを螺合ではなく、圧入による固定方法でも良い。その場合、組立の衝撃でアウター31が破損するのを防止するため圧入力は300N以下が望ましい。なお、以下では、前方側軸筒7と後方側軸筒9との内部に形成される空間を、単に「内部空間」と称して詳細な説明を行う。
キャップ5は、サインペンの本体3の前方側に着脱可能に取り付けられるように構成されており、サインペンの先端を封止することによりインクの乾きを防止する。キャップ5は、インナーキャップ5cと、嵌合部5bとを備えている。インナーキャップ5cは、後述するサインペンのアウター31、及び中芯29を完全に封入するように、本体3と嵌合するように構成されている。また、キャップ5自体は、嵌合部5bを介して、所定の嵌合力、例えば60N以下の嵌合力で本体3に着脱可能に取り付けられる。キャップ5の嵌合力を60N以下とすることにより、キャップ5を取り付けた際の衝撃でアウター31が破損するのを防止することができる。
内部空間の後方側には、インクを収容するためのインク収容部11が配置されており、内部空間の前方側には、インク収容部11内のインクを用いて筆記を行うための筆記部13が配置されており、さらに、インク収容部11と、筆記部13との間には、インク収容部11内のインクを筆記部13に供給するためのインク供給部15が設けられている。
インク収容部11は、内部に所定のインクを収容しており、筆記部13内のインクが不足した際に、毛管力により、適宜筆記部13にインクを供給できるように構成されている。
インク収容部11内に収容されるインクとしては、色材として顔料又は染料の何れを使用してもよい。顔料の種類については特に制限はなく、従来から水性ボールペンなどの筆記具用に慣用されている無機系及び有機系顔料の中から任意のものを使用することができる。
無機系顔料としては、例えば、カーボンブラックや、金属粉等が挙げられる。また、有機系顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、染料レーキ、ニトロ顔料、ニトロソ顔料などが挙げられる。具体的には、フタロシアニンブルー(C.I.74160)、フタロシアニングリーン(C.I.74260)、ハンザイエロー3G(C.I.11670)、ジスアゾイエローGR(C.I.21100)、パーマネントレッド4R(C.I.12335)、ブリリアントカーミン6B(C.I.15850)、キナクリドンレッド(C.I.46500)などを使用することができる。
また、スチレンやアクリル樹脂の粒子から構成されているプラスチックピグメントを使用してもよい。さらに、粒子内部に空隙のある中空樹脂粒子は、白色顔料として、または、樹脂粒子を染料で染色した擬似顔料とも呼ばれる顔料等も使用することできる。疑似顔料の具体的な商品名としては、シンロイヒカラーSFシリーズ(シンロイヒ株式会社)、NKW及びNKPシリーズ(日本蛍光化学株式会社)などが挙げられる。
水溶性染料としては、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料のいずれも用いることができる。直接染料としては、例えば、C.I.ダイレクトブラック17、同19、同22、同32、同38、同51、同71、C.I.ダイレクトエロー4、同26、同44、同50、C.I.ダイレクトレッド1、同4、同23、同31、同37、同39、同75、同80、同81、同83、同225、同226、同227、C.I.ダイレクトブルー1、同15、同71、同86、同106、同119などが挙げられる。
酸性染料としては、例えば、C.I.アシッドブラック1、同2、同24、同26、同31、同52、同107、同109、同110、同119、同154、C.I.アシッドエロー7、同17、同19、同23、同25、同29、同38、同42、同49、同61、同72、同78、同110、同127、同135、同141、同142、C.I.アシッドレッド8、同9、同14、同18、同26、同27、同35、同37、同51、同52、同57、同82、同87、同92、同94、同115、同129、同131、同186、同249、同254、同265、同276、C.I.アシッドバイオレット18、同17、C.I.アシッドブルー1、同7、同9、同22、同23、同25、同40、同41、同43、同62、同78、同83、同90、同93、同103、同112、同113、同158、C.I.アシッドグリーン3、同9、同16、同25、同27などが挙げられる。
食用染料としては、その大部分が直接染料又は酸性染料に含まれるが、含まれないものの一例としては、C.I.フードエロー3が挙げられる。
塩基性染料としては、例えば、C.I.ベーシックエロー1、同2、同21、C.I.ベーシックオレンジ2、同14、同32、C.I.ベーシックレッド1、同2、同9、同14、C.I.ベーシックブラウン12、ベーシックブラック2、同8などが挙げられる。
これらの着色剤は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもよく、インク中の着色剤の含有量は、通常、重量比0.5~30%、好ましくは、1~15%の範囲である。
この着色剤の含有量が、0.5%未満であると、着色力が不足して好ましくない。一方、着色剤の含有量が30%を超えた場合に、筆記不良を生じることがあるので好ましくない。
染料を用いた場合には、筆記部13に付着したインクが汚れとして残留する傾向があるため、顔料を用いることが好ましい。
さらには、ペン先でのインクの乾燥固化による筆記不良を防止するために、インク中の水溶性溶剤の含有量を、重量比1%~25%とすることが好ましい。この場合に、水溶性溶剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、3-ブチレングリコール、チオジエチレングリコール、グリセリン等のグリコール類や、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等を単独で、又は混合して使用することができる。
また、上記の以外の水溶性溶剤としてトリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ネオペンチルグリコールから選ばれる少なくとも1種を、インクに対して重量比0.1~5%で配合することが好ましい。
一般に水溶性溶剤の配合量が多くなると、インクの紙への浸透性が低下するため筆記した描線の乾燥速度が遅くなる。しかし、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ネオペンチルグリコールはこのような浸透性を低下させる性質が小さく、描線の乾燥速度の遅延が極めて起きにくい。一方でペン先での乾燥固化を防止する性質は有しているので、ペン先を長時間露出しても筆記不良が起きにくい。
インクには糖類を配合することができる。具体的には、糖類としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類、還元糖、非還元糖類、糖アルコール、還元澱粉分解物、およびこれらの混合物などが挙げられる。これらのうち非還元糖類、特に糖アルコールを用いることが好ましい。還元性を有する糖類は、インクの変色を引き起こしたり、pHの変動を生じさせたりする場合がある。
非還元糖類としては、還元性を示さない糖類であれば特に限定されず、例えば、ショ糖、トレハロース、糖アルコールなどが挙げられる。グルコース(ブドウ糖)などの還元糖類は、分子中に持っているアルデヒド基やケトン基などのカルボニル基(還元基)を持つことによって弱い還元を示す糖類であるのに対して、本実施形態で用いる非還元糖類は、単糖の還元性のある基が他の糖とグリコシド結合などで結合しているため、還元性を示さないものである。
糖アルコールは、糖類がもつカルボニル基を還元(水素添加)させることで得られる鎖状多価アルコールの総称である。糖アルコールとしては、例えば、ブドウ糖を還元して得られる「ソルビトール」、麦芽糖を還元して得られる「マルチトール」、糖化度の異なる水飴やデキストリンを還元して得られる還元澱粉分解物(還元水飴)、還元デキストリン、エリスリトール、ペンタエリスリトールなどが挙げられ、これらは市販品を用いることができる。
これらの非還元糖類の中で、更なる経時安定性の点から、ソルビトール、エリスリトール、ペンタエリスリトール、トレハロース、及び還元澱粉分解物から選ばれる少なくとも1種を使用することが望ましい。
糖類はインク中で保湿剤として作用するが、一方で被膜を形成して固化しやすい性質も有する。本実施形態においては、筆記部13にインクが残存したインクが被膜を形成して固化すると、次の書き出しの際にインクが流出しにくい(初筆性が悪い)現象が生じる。このような不具合を避けるためには、インク中に含まれる糖類は、単糖~20糖の重合度であることが好ましく、平均重合度が3~10であること更に好ましい。これにより、皮膜強度が強くなり過ぎるのを防止することができ、筆記部13にインクが残存した場合においても初筆性を確保することができる。
上記糖類以外の保湿剤として、尿素、エチレン尿素、テトラメチル尿素、チオ尿素、尿素へのエチレンオキサイド付加物、トリメチルグリシン、ピロリン酸塩、ピロリドン類を配合することができる。これらの保湿剤は前記糖類と併用して配合することができる。
インクには浸透剤を配合することができる。浸透剤はインクの紙への浸透性を促進させることにより描線乾燥性を向上することを主な目的として使用される。浸透剤は界面活性剤が好ましく、ノニオン性、アニオン性の界面活性剤が好ましい。具体的にはポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ジアルキル又はジアルケニルスルホコハク酸の塩、リン酸エステル類、フッ素系類などを配合することができる。
また、インクの特性として、後述する筆記部13のアウターとの関係において、インクの接触角度が20秒後に70度以下となるようなものを選択することが好ましい。70度を超える場合、アウターに対するインクの拡張性が不足するため、第二筆記部が作用する応答性が低下して、描線が擦れる。なお、接触角度の測定は、25℃65%RHの環境において、前記アウターと同一の素材で構成される板状の試験体に対してインクを滴下して行う。
さらには、インクの表面張力が48mN/m以下のものを用いることが好ましい。表面張力が48mN/mを超えると、アウターに対するインクの拡張性が不足するため、第二筆記部が作用する応答性が低下するため、上記同様の現象が発生しやすくなる。
また、インクに含まれる顔料、樹脂粒子等の不溶成分の含有量は、20重量%以下とすることが好ましい。不溶成分が20重量%を超えるとインクの流動性が低下するため、アウターに対するインクの拡張性が不足しやすくなる。さらにアウターに付着したインクが乾燥固化しやすくなるため、筆記不良が発生しやすくなる。
さらに、インクに含まれる不溶成分の平均粒子径は200nm以下であることが好ましい。平均粒子径が200nmを超えるとインクの流動性が低下するため、アウターに対するインクの拡張性が不足しやすくなる。
インク供給部15は、複数のフィンが外周に形成された略筒状のコレクター17を備えている。コレクター17は、インク収容部11内のインクと、外部から吸入した空気を置換することにより、インク収容部11内のインクを、インク収容部11から送出するようになっている。コレクター17の先端は、縮径して形成されており、先端保持部19をなしている。コレクター17の後方端部は、インク収容部11の前方端部と接している。コレクター17の先端保持部19は、継手21の後方端部から継手の内側に嵌入されている。
図3は、中芯の長手方向断面図である。中芯29は、ポリアセタール等の樹脂素材を押出成形することにより形成されている。中芯29内には、毛細管現象により、インク収容部11内のインクを前方端側に向けて誘導するための通路が形成されている。このような中芯29を含む筆記部13の弾性限界点は、7.0N以上であることが好ましい。また、筆記部13に対して長手方向に荷重を加えた際の座屈強度は、7.0N以上であることが好ましい。筆記部13の弾性限界点又は/及び座屈強度を7.0Nとすることで筆圧の強い人の筆記でも筆記部13が変形せずに書き続けられることができる。また、筆記部13の摩耗量は、筆記角度が65度、筆記重量が50g、かつ筆記速度が4.2m/minの筆記条件において100mの線を描いたときに0.3mm以下であることが好ましい。また、中芯の材料の気孔率や通路の形状等によって、弾性限界点や座屈強度、摩耗量を変更することもできる。
図4は、コレクターを示す図面であり、図4には、コレクターを三方向から見た図面を示している。図4に示すように、コレクター17は、前方側の貯留部17aと、後方側のダミー部17bと、貯留部17aとダミー部17bとの間の仕切部17cと、を備えている。
貯留部17aの外周には、貯留部17aの軸線に沿って延び、周方向に沿って所定の幅を有するインク誘導溝17dと、複数のフィン17eの間に形成された主要部インク一時保留溝17fとが設けられている。さらに、貯留部17aには、貯留部17aの外周と内部空間との間を連通して延びる孔17gが設けられている。
インク誘導溝17dは、軸方向に配列された、複数のフィン17eを同一形状に切り欠いて形成されており、貯留部17aを軸方向視したときに、貯留部17aの外周から凹んだ、所定形状の溝をなしており、主要部インク一時保留溝17fと連通している。インク誘導溝17dの幅は、主要部インク一時保留溝17fの幅より狭く形成されている。このように、インク誘導溝17dの幅を、主要部インク一時保留溝17fの幅より狭くすることにより、インク誘導溝17dにおけるインクとの界面張力が主要部インク一時保留溝17fの界面張力よりも強くなる。このため、インク誘導溝17dにインクを存在させつつインク誘導溝17dを介して主要部インク一時保留溝17fへのインクの流入又は排出を確実に行うことができる。
筆記時のインクの出やすさは、インク誘導溝17dの幅と、フィン17e同士の間隔に依存するものである。そして、本実施形態では、インク誘導溝17dの幅を、0.1~0.2mmとすることが好ましい。インク誘導溝17dの幅が小さい方が、コレクター17の毛管力が作用し易くなる一方で、0.1mm以下となり、幅が小さすぎるとインクがコレクター17からのインクの供給が不安定となる。排出されにくくなる。また、フィン17e同士の間隔は、インク誘導溝17dの幅に応じて決定され、0.1~0.6mmの範囲で、インク誘導溝17dの幅よりも大きく設定される。フィン17e同士の幅が0.6mmより大きいと、貯留部17aにインクを貯留できなくなり、また、フィン17e同士の幅が0.1mmよりも小さいと、貯留部17aにインクが残ってしまい、インクを使い切れないおそれがある。
ダミー部17bの外周には、軸方向に延びるインク導入溝17hと、複数のフィン17iの間に形成された延設部空気溝17jとが設けられている。ダミー部17bは、キャップ5を下向きで開けた際に、インクがコレクター17の貯留部17a内に流入してしまうのを防止する。より、具体的には、キャップ5を下向きで開けると、キャップ5により密閉されていた先端の空間内は減圧され、これにより、インクがコレクター17の貯留部17a内に流入しようとする。そして、コレクター17の後側にダミー部17bを設けることにより、インクはダミー部17bの外周フィン17iの間に流れ込み、コレクター17の貯留部17aにインクは流入しない。
また、貯留部17の孔17gは、筆記部13を可動させた際、コレクター17及び、インク収容部11内の空間が加圧され、ペン先からインクが噴き出すのを防止するためのものである。より具体的には、貯留部17の内外を連通する孔17gを形成することにより、筆記部13を可動させた際、コレクター17及び、インク収容部11内の空間が加圧されたとしても、インクが孔17gを通して外側に排出されるため、コレクター17及び、インク収容部11内の圧力が高まるのを防止することができる。孔17gの開口面積は、0.4~1.2mm2であることが好ましい。
また、コレクター17は、ポリエステルファイバー製の棒状のコレクター芯23を備えている。コレクター芯23は、軸方向に延びており、後方端部がインク収容部11内部に摺動可能に配置され、前方端部が継手21を越えて延びている。コレクター芯23は、コレクター17の内周面との間に、0.02~0.2mmの隙間をあけて配置されている。コレクター17とコレクター芯23との間に0.02~0.2mmの隙間を設けることにより、両者の間の摺動性を確保しつつ、筆記時に隙間に大量の空気が入り込むのを防止することができる。そして、コレクター芯23の後側端は、コレクター17の後側端よりも突出して延びている。コレクター芯23は、インクの供給安定性と、吸入性を両立するために、気孔率が30~60%の材料によって構成されていることが好ましく、45%であることが最も好ましい。
継手21は、筆記部13とインク供給部15との間を接続するための部材である。なお、継手21の構成については後述する。
筆記部13は、中芯29と、中芯29の外周を覆うアウター31とを備えている。
図5は、継手を示す図面であり、具体的には、図5は、継手の斜視図、側面図、及び断面図を示す。図5に示すように継手21は、円筒状の筒状部分35と、筒状部分35の外側に配置されたアンカー部分37と、アンカー部分37に対して筒状部分35を保持する保持部分39とを備えている。
筒状部分35は、内部にコレクター芯23及び中芯29を固定できる内部形状を有している。具体的には筒状部分35の内径は、その後方側において、比較的太いコレクター芯23を受け入れて固定する後方内径部35aと、コレクター芯23が固定されている箇所よりも前方側において、比較的細い中芯29を受け入れて固定する前方内径部35bとで構成されている。固定方法としては、中芯29、コレクター芯23を筒状部分35に挿入し、中芯29とコレクター芯23が挿入されている箇所の外側からポンチする方法や、中芯29の外径を前方内径部35bの内径よりも大きくし圧入する方法やそれ以外の固定方法であっても良い。中芯29と前方内径部35bの密閉性が必要な場合は圧入方法が好ましい。また、中芯29の強度が弱く、組立時に潰れる懸念がある場合などは中芯29に力のかかりにくい、ポンチすることで固定することが好ましい。
アンカー部分37は、その内径が、筒状部分35の外径よりも大きいリング形状を有しており、筒状部分35の長手方向中央よりも後方側に配置されている。より具体的には、アンカー部分37の内径は、筒状部分35の外径よりも大きく、かつ筒状部分35との間には、空間が形成されており、その空間内に先端保持部19が差し込まれる。そして、空間内に先端保持部19が差し込まれると、先端保持部19の外周と、アンカー部分37の内周とが嵌合し、アンカー部分37は、先端保持部19に対して固定される。なお、先端保持部19内には、円筒形状の空間が形成されており、この円筒形状の空間の内径は、筒状部分35の外径よりも大きく、先端保持部19と筒状部分35とを同軸に配置したときに、筒状部分35と先端保持部19とが接触しないようになっている。
保持部分39は、アンカー部分37の外周から、筒状部分35の外周にかけて、前方に向かって先細るように延びる円錐筒形状を有している。そして、先端保持部19に対して固定されたアンカー部分37と、その他の部材に対して固定されていない筒状部分35との間に保持部分39を配置し、アンカー部分37に対して筒状部分35を懸架することにより、筒状部分35及び筒状部分35に固定される筆記部13の中芯29、及びコレクター芯23を、前方側軸筒7に対して固定されたアウター31に対して軸方向に移動可能に懸架することができる。これにより、筆記時に中芯29に加わる圧力を吸収することができる。
継手21を構成する筒状部分35、アンカー部分37は、例えば熱可塑性樹脂によって形成されている。また、保持部分39は、例えば熱可塑性エラストマーによって形成されている。具体的には、SBS、SEBS、SEPSなどのスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマーなどが挙げられる。これらのうち、ISO7619に準拠したデュロメータA硬度が20~60のものは、筆圧とクッション性の応答のバランスが良い。さらに、保持部分39の強度を調整することにより、継手21によるクッション性を調整することができる。また、熱可塑性エラストマーは、弾性変形を開始する変曲点の直前までは、荷重の変化に対して敏感に伸縮するため、例えば、保持部分39の厚みや組成等を調整して、変位量に対する荷重の変曲点を約1Nとすることにより、筆記時の荷重に対して非常に敏感に伸縮する、クッション性の優れた継手21を形成することができる。そして、筒状部分35と、保持部分39との間には、クッション時に両者が剥がれないようにするために、両者の間にある程度の密着性が必要となる。この密着性を実現するためには、筒状部分35と、保持部分39とを、同系統の樹脂材料で構成することが好ましく、選択可能な材料の組み合わせとしては、AS(スチレン系樹脂)とSEBS(スチレン系エラストマー)との組み合わせ、ポリプロピレン(ポリオレフィン系樹脂)とEPDM(ポリオレフィン系エラストマー)との組み合わせ、及びPBT(ポリエステル系樹脂)とポリエステル系エラストマーとの組み合わせがある。
この中でも、保持部分39は、ISO7619に準拠したデュロメータA硬度が20~60度であることが好ましく、30~50度であることが最も好ましい。保持部分39のデュロメータA硬度をこの範囲にすることにより、低い筆圧でも適切に作動し、中芯29に加わる圧力を吸収することができる。
そして、上記継手21を用いることにより、サインペン全体のクッション力を、0.1~10N、好ましくは0.1~7N、より好ましくは0.1~5Nの範囲とすることが好適である。これは、クッション力を低くし過ぎると、筆記時に常にアウター31が紙面等の筆記面に接触しながらの筆記になるため、細い筆記描線を書くことが難しいからである。一方で、クッション力を高くし過ぎると、筆記時にアウター31を紙面と接触させながら筆記することができなくなる。
図6は、アウターを示す図面であり、具体的には、図6は、アウターの斜視図、側面図、及び断面図を示す。アウター31は、略円錐形に形成された合成樹脂製の円錐筒体であり、前方に向かって先細りとなるテーパー形状を有する。アウター31は、書き味及び押し書きでの筆記感を阻害しないために、一定の強度を有する、例えばポリアセタール、ポリブチレンテレフタレートのような合成樹脂で形成されていることが好ましい。アウター31は、一般的な合成樹脂により構成することができる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、フッ素系樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、PMMA樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルファイド、ポリエーテルエーテルケトンなどが挙げられる。これらのうち、書き味、特に摩擦が強く作用する押し書きでの筆記感を阻害せず、筆記による摩耗が少なく耐久性が高いポリアセタール、ポリブチレンテレフタレートで形成されていることが好ましい。アウター31に一定の強度をもたせることにより、アウター31の耐久性を向上させることができる。また、アウター31の表面は、滑らかな表面とすることが好ましく、これにより、筆記時に紙面との間の摩擦抵抗を少なくすることができ、筆記感を向上させることができる。筆記時における、紙面とアウター31との間の摩擦係数は、ヘイドン値0.5以下であることが好ましく、0.25以下であることがより好ましい。ヘイドン値は、表面性測定器(HEIDON-14D 新東科学株式会社製)を使用して測定される。測定条件としては、旧JIS(日本工業規格) P3201に準拠(化学パルプ100%を原料に抄造された上質紙、坪量範囲40~157g/m2、白色度75.0%以上)の筆記用紙に対して、アウター31を、荷重100g、筆記角度60度、及び筆記速度6.25cm/secの条件で、鋭角方向に10cm直線動作させる。
また、アウター31は、後方側に形成された後方挿入孔41と、後方挿入孔41から先端側に連通し、後方挿入孔41よりも小径の前方挿入孔43を有する。後方挿入孔41には、継手21の前方端が挿入され、前方挿入孔43からは、継手21の前方端に固定されたホルダー27が突出する。組立てに際しては、アウター31は、前方挿入孔43に中芯29が挿入され、後方挿入孔41に継手21の前方端が挿入された状態で、前方側軸筒7の前方端に固定される。これにより、アウター31内の中芯29は、継手21によって、アウター31内で軸方向に移動可能に保持される。アウター31の先端、特に前方挿入孔43近傍の厚みは、0.02~0.2mmとすることが好ましい。アウター31の先端の厚みをこの範囲とすることにより、耐久性を維持しながら、筆記時のインクの排出性を確保することができる。
また、アウター31は、その軸方向中央部分にリング状の段45を備えており、段45よりも後方側は、前方側軸筒7の先端の筒状空間の内径よりも小さい外径を有し、アウター31の後方側を前方側軸筒7内に嵌合できるようになっている。
以下、本実施形態の主な作用・効果についてまとめる。
本実施形態では、筆記重量に応じて、描線幅を調整することができる。より具体的には、筆記重量を小さくした場合は、インク収容部11内のインクが、インク供給部15のコレクター17及びコレクター芯23を通して、筆記部13の中芯29に到達する。この時、中芯29は後ろに後退しない為、アウターは紙面に当たらず、中芯29のみが紙面に接する為、比較的細い線を描くことができる。一方で、筆記重量を大きくした場合は、中芯29は後ろに後退し、中芯29及びアウター31が共に紙面に接することで、中芯29とアウター31の隙間に毛細管力が作用し、比較的太い線を描くことができる。
また、本実施形態では、先端のインク流出部分が潰れにくい為、使い始め時と使い終わり時の描線幅の変化率が少ない。より具体的には、先端のインク流出部分である中芯29にある程度の荷重がかかると、中芯29は後退し、アウター31が筆圧を受けることになる為、中芯29が潰れにくい。また、アウター31によって、太い線を筆記することが可能な為、中芯29は比較的強度の強い細い芯が使用可能となる。これらの効果により、繰り返しの筆記においても、使い始め時に描いた線の幅に対する、使い終わり時に描いた線の幅の変化率が20%以下、より好ましくは10%以下とすることができる。
また、筆記時に紙面から中芯29に加わる力をアウター31によって受けることができる。より、具体的には、筆記部の摩耗量が多くなる強い筆圧で筆記した場合、中芯29が後退し、筆圧を緩和することが可能であり、さらに、中芯29が後退し、アウター31も紙面にあたることで、アウター31で筆圧を受けることが可能となる。これにより、筆記部13の摩耗を抑制することができる。
また、筆記部13に過度な荷重がかかっても、アウター31によって荷重を受けることができる。より、具体的には、誤って筆記部13をぶつけてしまう等の過度な荷重が筆記部13にかかっても、アウター31がインク流出部の中芯29の外周部を保護している為、中芯29には負荷がかからない。これにより、筆記部13の変形を抑制することが可能となる。
また、本実施形態では、クッション性の高い継手21を採用することにより、軽い筆記重量でも、十分な量のインクを排出することができる。これにより、筆記重量が軽い使用者が使用した場合でも、インク不足による「筆記時のインクの不連続性」の発生を防止することができる。この作用・効果は、「筆記時のインクの不連続性」が発生し易い、押し書きの際に、特に顕著に生じる。
また、本実施形態では、インクの成分を適宜選択し、インクの表面張力及び流動性を調整することにより、インクの流出量をより正確に制御することができ、さらに、インクによる筆記部13のアウター31の汚れを好適に防止することができる。さらに、インクの成分を調整することにより、サインペンの書き出し性を向上させることができる。
図7は、中芯の変形例を示す断面図である。図7に示すように、変形例にかかる中芯129は、繊維状の中芯129の軸と同軸上に延びる樹脂製の芯棒131を有する。芯棒131は、円形断面を有しており、インク収容部から中芯129の前方端まで、中芯129を貫通して延びている。そして、インク収容部内のインクは、中芯129内を通ってインク収容部から中芯129の前方端まで流れる。中芯129は熱融着芯や焼結芯のような多孔質体であっても良い。また、芯棒131は中芯129よりも硬い繊維芯や押出成形芯のような流路が形成されているものでも良い。また、芯棒131の断面形状は星形のような異形状であっても良い。さらに、中芯129は芯棒を有さず、通常の繊維芯や熱融着芯、焼結芯のような多孔質体であっても良い。
図8は、中芯の更なる変形例を示す断面図である。図8に示すように、変形例にかかる中芯133は、外周に、複数の通路135が形成されている。複数の通路135は、中芯133の外周において、中芯133の後方端から前方端に向けて延びている。また、複数の通路135は、周方向に等間隔に配置されている。そして、インク収容部内のインクは、複数の通路135を通してインク収容部から中芯133の前方端まで流れる。
図9は、アウターの変形例を示す斜視図である。図9に示すように、アウター137の前方側の円錐形状の外表面には、複数の溝139が形成されている。アウター137の長手方向に沿って延びており、周方向において等間隔に配置されている。複数の溝139の毛細管力により、インクが溝139まで染みわたることで、より広い幅の描線を筆記することが可能となる。
また、図10は、アウターの更なる変形例を示す断面図である。図10に示すように、アウター141の前方側の前方挿入孔内に形成された複数の溝143を有している。複数の溝143は、アウター141の前方挿入孔の内表面に沿って長手方向に延びており、周方向において等間隔に配置されている。複数の溝143の毛細管力により、インクが溝143まで染みわたり、常に筆記部にも液が保持されていることにより、筆記時にインクが途切れにくくなる。なお、アウターは、図9に示す溝139及び図10に示す溝143の両方を備えていてもよい。
また、図11は、キャップの変形例を示す側断面図である。図11に示すようにインナーキャップ145の内部には、インク保持部147が設けられている。インク保持部147は、インナーキャップ145内のペン先と対向する位置に形成された、ペンの軸から放射状に延びる複数の溝149によって構成されている。ペン先と対向する位置に複数の溝149を形成することにより、キャップを閉めている状態で落下等により、ペン先からインクが漏れたとしても、溝149によってインクを保持することができる。
また、図12は、インク保持部の変形例を示す側断面図である。図12に示すようにインナーキャップ151の内部には、繊維芯、スポンジ、熱融着芯、燒結体等の多孔質体からなるインク吸収部153が形成されている。インク吸収部151は、キャップを閉じた際に、ペン先と対向する位置に配置されるように、インナー149内に固定されている。このような多孔質体からなるインク吸収部151を設けることによっても、インクの漏れを防止することができる。
以下、本発明の実施形態に基づいた実施例について詳述する。
(実施例1)
以下の構成を有する筆記具を作成した。
[中芯] 外径:φ1.2mm、材質:ポリアセタール
[コレクター芯] 外径:φ1.4mm、材質:ポリエチレンテレフタレート
[アウター] 材質:ポリアセタール
[インク] 水性顔料インク(顔料濃度11.5%)
・粘度2.6mPa・s(回転数50rpm、温度25℃条件下におけるELD型粘度計:トキメック社製)
・表面張力42.5mN/m(表面張力測定装置CBVP-Z:協和界面科学社製)
・平均粒子径90nm(N4 PLUS:ベックマン・コールター社製)
[その他] 中芯の出寸法:0.3mm、クッション力:1N
上記の筆記具を用いて筆記速度4.2m/min、筆記角度65度、かつ筆記重量50gの筆記条件(第1筆記条件)と、筆記速度4.2m/min、筆記角度65度、かつ筆記重量200gの筆記条件(第2筆記条件)とで、1mの線を交互に描き、合計9mの線を描いた。そして描いた線の幅の変化率を算出した。幅の変化率は、第2筆記条件による線の幅/第1筆記条件による線の幅によって算出した。そして、実施例による筆記具による線の幅の変化率は、4~5.8%であった。
(比較例1)
比較例1として、三菱鉛筆株式会社製のサインペンMYT-7を用いて同一の条件で線を描いた。このとき、幅の変化率は、34.4~56.4%であった。
(実施例2)
実施例1で用いた筆記具を用いて、筆記重量50g、かつ筆記角度80度の筆記条件(第3筆記条件)と、筆記重量200g、かつ筆記角度65度の筆記条件(第4筆記条件)とでそれぞれ線を描き、両者の幅の比を算出した。両者の幅の比は、第4筆記条件による線の幅/第3筆記条件による線の幅によって算出した。そして、実施例にかかる筆記具よる線の幅の比は、2.19であった。
(比較例2)
比較例2として、三菱鉛筆株式会社製のサインペンPin05-200(S)を用いて同一の条件で線を描いた。このとき、幅の比は、1.34であった。
(実施例3)
実施例1で用いた筆記具を準備し、日本計測システム株式会社製の自動荷重試験器MAXシリーズを用いて、ペン先が上向きになるように固定した。そして、固定した筆記具について、5Nの荷重を1mm/secでかけた。そしてペン先の中芯の潰れ量を、NIKON製測定顕微鏡MM-400を用いて測定した。潰れ量は、荷重前後の中芯の変化量から測定した。その結果、実施例にかかるペン先の潰れ量は、0.01mmであった。
(比較例3)
比較例3として、三菱鉛筆株式会社製のサインペンMYT-7を用いて同一の条件で荷重をかけた。このとき、潰れ量は、0.15mmであった。
(実施例4)
実施例1で用いた筆記具を準備し、日本計測システム株式会社製の自動荷重試験器MAXシリーズを用いて、ペン先が上向きになるように固定した。このとき、押し当て面に対するペンの角度は、60度であった。そして、20Nの荷重をかけながら1mm/secの速度でかけた。そして、ペン先の折れ量を、NIKON製測定顕微鏡MM-400を用いて測定した。折れ量は、荷重をかけた後のペン先先端から中心軸までの距離を測定することで得られた。その結果、実施例にかかるペン先の折れ量は、0.02mmであった。
(比較例4)
比較例4として、三菱鉛筆株式会社製のサインペンPin05-200(S)を用いて同一の条件で荷重をかけた。このとき、折れ量は、0.56mmであった。
(実施例5)
実施例1で用いた筆記具を準備し、筆記重量50g、筆記速度4.2m/min、かつ筆記角度65度の筆記条件で、JIS6037に準拠した筆記試験を行った。その結果、ペン先の摩耗量は、0.05mmであった。
(比較例5)
比較例5として、三菱鉛筆株式会社製のサインペンMYT-7を用いて同一の条件で荷重をかけた。このとき、ペン先の摩耗量は、0.34mmであった。
(実施例6)
実施例1で用いた筆記具を準備し、筆記角度65度、筆記重量50g、かつ筆記速度4.2m/minの筆記条件で線を描き、筆記後の流量の線の幅から単位面積当たりの筆記流量を算出した。その結果、筆記流量は、5.99~6.55g/m2であった。
(比較例6)
比較例6として、三菱鉛筆株式会社製のサインペンMYT-7を用いて同一の条件で線を描いた。このとき、筆記流量は、3.46~4.26g/m2であった。
1 サインペン
11 インク収容部
17 コレクター
29 中芯

Claims (7)

  1. インクを収容するインク収容部と、
    前記インク収容部内に空気を送り込むことにより当該インク収容部からインクを送出する空気置換機構と、
    前記空気置換機構によって送出されたインクを毛細管力によって吸引し、吸引したインクを先端から送出し、紙面に付着させるための中芯と、を備える筆記具であって、
    筆記重量50gと筆記重量200gで交互に繰り返し筆記した際の筆記前と筆記後の線の幅の変化率が10%以下である、筆記具。
  2. 筆記角度が90度、かつ筆記重量が50gの筆記条件で描ける線の幅に対する、筆記角度が60度、かつ筆記重量が200gの筆記条件で描ける線の幅の割合が1.5以上である、請求項1に記載の筆記具。
  3. 前記中芯を含む筆記部の弾性限界点は、7.0N以上である、請求項1に記載の筆記具。
  4. 前記中芯を含む筆記部の座屈強度は、7.0N以上である、請求項1に記載の筆記具。
  5. 100mの線を描いたときの前記中芯の摩耗量が0.3mm以下である、請求項1に記載の筆記具。
  6. 単位面積当たりの筆記流量が5g/m2以上である、請求項1に記載の筆記具。
  7. 前記中芯を含む筆記部が加圧により軸筒に対して相対的に没入を開始する際に該筆記部に加わるクッション力が0.1N以上7N以下である、請求項1に記載の筆記具。
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