JP2023055371A - 原稿搬送装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】原稿トレイにラフに載置された原稿を搬送するときの原稿の斜行を防止する。【解決手段】原稿搬送部3、33は、原稿Dが載置される原稿トレイ301と、原稿トレイに載置された原稿を給送方向に給送する給送ローラ303と、給送方向において給送ローラの上流に配置され、原稿に搬送抵抗力R2、R3を付与する摩擦部材306、310と、摩擦部材を原稿トレイに載置された原稿に当接させた後に給送ローラを原稿に当接させる当接離間機構320、420と、を備える。摩擦部材は、給送方向において給送ローラから上流に、原稿搬送部によって搬送可能な最小サイズ原稿の給送方向の長さの2/3以下の距離の範囲内に配置されている。【選択図】図5

Description

本発明は、原稿搬送装置及び画像形成装置に関する。
一般的に、画像形成装置は、本体上部に原稿搬送部及び原稿読取部を備え、本体下部に画像形成部及び給送部を備える。原稿搬送部は、原稿を原稿読取部へ搬送する。原稿読取部は、原稿搬送部から搬送される原稿を読み取り、画像データを画像形成部へ送信する。画像形成部は、画像データに従って、給送部から給送される記録媒体に画像を形成する。
原稿搬送部は、異なるサイズの原稿が混在した状態で載置される混載機能を備えたものがある。このような原稿搬送部において、給送ローラは、使用頻度の高いサイズの原稿を適正に搬送することができる位置(通常原稿幅方向の中央部)に設けられている。そのため、例えば、給送ローラが、原稿搬送部にラフに配置された使用頻度の高いサイズより小さいサイズの原稿を搬送するときに、原稿の搬送方向に直交する幅方向における原稿の中央と給送ローラの中央とのずれによって原稿に旋回モーメントが生じる。これによって、小さいサイズの原稿は、旋回しながら搬送され、いわゆる原稿の斜行搬送現象(スキュー)が生じる。このため、原稿搬送部によって搬送されている原稿を原稿読取部が読み取っている際中に原稿のスキューが増大していくと、原稿読取不良が生じ、また、原稿搬送経路での原稿詰まり(ジャム)が発生しやすいという課題がある。
原稿搬送部が原稿トレイに載置される原稿の幅方向の位置を規制するサイド規制板を両側に備えている場合であっても、異なるサイズの原稿の混載状態においては、小サイズの原稿の幅方向の片側端部のみが片側のサイド規制板によって規制される。そのため、サイド規制板による原稿の位置の規制効果が著しく低くなるので、給送ローラによる原稿搬送中に原稿がスキューしてしまうという課題もある。
これら課題を解決するために、特許文献1は、幅方向において給送ローラの一方の端部の外側で且つ搬送方向において給送ローラの上流側に設けられた摩擦力付与部材(従動ローラ部材)を開示している。給送ローラは、原稿トレイに積載された混載原稿束の先端縁部と対向する状態で幅方向において原稿トレイの中央部に設けられている。摩擦力付与部材は、幅方向において給送ローラの一方の端部の外側で且つ搬送方向において給送ローラの上流側で原稿の表面に当接して原稿に摩擦力を付与する。
特開2005-314063号公報
特許文献1においては、混載原稿束のそれぞれの原稿の側端部が幅方向おいて給送ローラの両側に配置されたサイド規制板の一方に当接するように混載原稿束が原稿トレイに載置される。そして、幅方向において給送ローラの一方の端部の外側で且つ搬送方向において給送ローラの上流側に設けられた摩擦力付与部材によって原稿に摩擦力を付与しつつ給送ローラで原稿を給送する。これによって、原稿は、サイド規制板の一方によって規制されつつ摩擦力付与部材によって原稿の斜行が防止される。
しかし、混載原稿束の中の小サイズの原稿の側端部がサイド規制板に当接せずに原稿トレイにラフ載置された場合、従来の技術では、小サイズの原稿の載置位置によっては摩擦力付与部材によって付与される摩擦力によって原稿の斜行が増大することがある。また、原稿給送動作を開始するために、原稿トレイにラフに載置(ラフセット配置)された小サイズの原稿に給送ローラが当接するときに、給送ローラによって幅方向に不均一な付勢力が原稿に作用して原稿が旋回し、原稿の斜行が生ずることがある。
そこで、本発明は、サイド規制板によって規制されずに原稿トレイにラフに載置された原稿を搬送するときの原稿の斜行を防止することができる原稿搬送装置を提供する。
本発明の一実施例による原稿搬送装置は、
原稿が載置される原稿トレイと、
前記原稿トレイに載置された前記原稿を搬送方向に搬送する搬送部材と、
前記搬送方向において前記搬送部材の上流に配置され、前記原稿に搬送抵抗力を付与する摩擦部材と、
前記摩擦部材を前記原稿トレイに載置された前記原稿に当接させた後に前記搬送部材を前記原稿に当接させる機構と、
を備え、
前記摩擦部材は、前記搬送方向において前記搬送部材から上流に、前記原稿搬送装置によって搬送可能な最小サイズ原稿の前記搬送方向の長さの2/3以下の距離の範囲内に配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、サイド規制板によって規制されずに原稿トレイにラフに載置された原稿を搬送するときの原稿の斜行を防止することができる。
第一実施形態の画像形成装置の断面図。 異なるサイズの原稿がラフセット配置された従来の原稿トレイの平面図。 小サイズ原稿D1の斜行搬送を説明するための従来の原稿トレイの平面図。 従来の摩擦部材が設けられた原稿トレイの平面図。 第一実施形態の摩擦部材が設けられた原稿トレイの平面図。 第一実施形態の摩擦部材と給送ローラの距離に対する斜行量の関係を示す図。 第一実施形態の摩擦部材を原稿に当接させる当接離間機構の説明図。 第二実施形態の摩擦部材が設けられた原稿トレイの平面図。 第二実施形態の摩擦部材を原稿に当接させる当接離間機構の説明図。
次に、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。しかし、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
(第一実施形態)
図1は、第一実施形態の画像形成装置100の断面図である。画像形成装置100は、原稿の画像を読み取り、画像データに従って電子写真方式によって記録媒体にカラー画像を形成するデジタルカラー複写機である。画像形成装置100は、画像形成部1と、画像形成部1の上方に配置された原稿読取部2と、原稿読取部2の上に載置される原稿搬送部3(原稿搬送装置)とを備える。原稿搬送部3は、原稿が載置される原稿トレイ301を有する。原稿搬送部3は、原稿トレイ301上に画像面を上向きにセットされた原稿Dを、先頭頁から順に1枚ずつ給送ローラ303(搬送部材)により給送する。原稿Dは、湾曲した搬送路を通って原稿読取部2の流し読みガラス200上を通過し、原稿排出トレイ302上に排出される。
原稿読取部2は、原稿の画像を読み取るスキャナユニット202を有する。原稿読取部2は、原稿搬送部3によって流し読みガラス200上を搬送される原稿Dを、所定の位置に保持されたスキャナユニット202によって読み取る。具体的には、スキャナユニット202は、ランプ203からの光を原稿Dの読取面に照射する。原稿Dからの反射光は、ミラー204、205及び206によってレンズ207へ導かれる。レンズ207を通過した光は、イメージセンサ208の撮像面に結像される。イメージセンサ208は、入射した光をデジタル信号へ変換し、画像データとして出力する。また、ユーザは、原稿搬送部3によって原稿を搬送せずに原稿搬送部3を持ち上げ、プラテンガラス201上に原稿Dをセットすることができる。スキャナユニット202は、原稿Dがセットされたプラテンガラス201の下を移動しながら原稿の画像を読み取ることもできる。
画像形成部1は、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)及びK(ブラック)の画像を形成する画像形成部10を備える。感光ドラム11は、時計回り方向に回転する。帯電ローラ12は、感光ドラム11の表面を一様に帯電する。レーザスキャナ13は、原稿読取部2から出力される画像データに従ってレーザ光を、一様に帯電された感光ドラム11の表面に出射し、感光ドラム11の表面上に潜像を形成する。現像器14は、潜像をトナーで現像して感光ドラム11の表面上にトナー像を形成する。感光ドラム11上のトナー像は、一次転写ローラ17によって所定の加圧力および静電的負荷バイアスを付与されることで、中間転写ベルト31に順次転写される。転写後、感光ドラム11上に残った僅かなトナーは、ドラムクリーナ15によって除去される。
一方、記録媒体(以下、シートという)Pは、給送カセット20から1枚ずつ給送され、給送引き抜きローラ対24及びプレレジストレーションローラ対22によって、レジストレーションローラ対23へ搬送される。シートPの先端は、停止したレジストレーションローラ対23に当接し、シートPにループが形成され、シートPの斜行が補正される。その後、レジストレーションローラ対23は、中間転写ベルト31と二次転写外ローラ35との間のニップ部でシートPの先端と中間転写ベルト31上のトナー像の先端とが一致するように、シートPを搬送する。中間転写ベルト31上のカラーのトナー像は、対向配置された二次転写内ローラ34と二次転写外ローラ35との間のニップ部において所定の加圧力と静電的負荷バイアスが付与されることで、シートPに転写される。転写後、中間転写ベルト31上に残った僅かなトナーは、ベルトクリーナ36によって除去される。
シートP上に転写されたトナー像は、定着器40によって、加熱及び加圧されてシートPに定着される。画像が形成されたシートPは、内排出ローラ対42及び43によって搬送され、排出ローラ対41によって排出トレイ50上に排出される。画像形成装置100は、画像形成部1と原稿読取部2の間に排出トレイ50が設けられた胴内排出構成に形成されている。しかし、画像形成装置100は、胴内排出構成に限定されるものではなく、画像が形成されたシートPが画像形成装置100の側面から突出して設けられた排出トレイに排出される構成であってもよい。
(異なるサイズの原稿Dのラフセット配置の説明)
原稿搬送部3は、原稿トレイ301上にラフに載置された複数の異なるサイズの原稿D(D1、D2、D3)を、原稿読取部2(画像読取部)の読取位置(所定位置)へ搬送することができる混載機能を備えている。ここで、まず、従来の原稿搬送部53について説明する。図2は、異なるサイズの原稿Dがラフセット配置された従来の原稿トレイ301の平面図である。図2に示すように、原稿トレイ301は、原稿トレイ301上に載置される原稿Dの幅方向の位置を規制する一対のサイド規制板305(一対の規制部材)を備えている。幅方向は、原稿Dの搬送方向(給送方向)に直交する方向であって原稿Dの面に平行な方向である。サイド規制板305は、原稿トレイ301の幅方向の中央を基準に、常に対称配置となるように無段階で、原稿トレイ301の幅方向に移動可能に構成されている。一対のサイド規制板305は、幅方向において、原稿トレイ301に載置された原稿Dの中心を、原稿トレイ301の中心に整合させる一対の整合部材として機能する。
従来の技術においては、原稿トレイ301上に混載された異なるサイズの原稿D(D1、D2、D3)の幅方向の一端部を、例えば、奥側のサイド規制板305に当接させて原稿Dを搬送することによって原稿の斜行が防止される。図2に示すように、小サイズ原稿D1の幅方向の両側端部がいずれのサイド規制板305によっても規制されずに原稿トレイ301上にラフセット配置されると、小サイズ原稿D1は、斜行搬送される。従来の技術においては、小サイズ原稿D1の斜行搬送を防止するために、ユーザは、小サイズ原稿D1の幅方向の一端部を奥側のサイド規制板305に当接させて原稿トレイ301上に小サイズ原稿D1を配置する必要がある。
(小サイズ原稿D1の斜行搬送現象(スキュー)の説明)
小サイズ原稿D1は、幅方向の両側端部がいずれのサイド規制板305によっても規制されずに、原稿トレイ301上の幅方向の任意の位置に配置(ラフセット配置)される。図2において、小サイズ原稿D1は、幅方向の中央(重心位置G1)が給送ローラ303の中央からずれ量X1だけ奥側にずれて、小サイズ原稿D1の幅方向手前側の角部近傍に給送ローラ303が当接するように配置されている。
図3は、小サイズ原稿D1の斜行搬送を説明するための従来の原稿トレイ301の平面図である。図3に示す従来の原稿搬送部53において、異なるサイズの原稿D(D1、D2、D3)が原稿トレイ301に配置されている。図3に示ように、従来の原稿トレイ301上に混載された異なるサイズの原稿D(D1、D2、D3)は、原稿Dの搬送方向に沿って、小サイズ原稿D1、原稿D2及び最大サイズ原稿D3の順に1枚ずつ給送ローラ303によって、搬送される。しかし、原稿D(D1、D2、D3)がラフセット配置されている場合、最大サイズ原稿D3以外の小サイズ原稿D1及び原稿D2は、一対のサイド規制板305によって幅方向の両側端部が規制されていない。
小サイズ原稿D1の幅方向の両側端部がサイド規制板305によって規制されずに小サイズ原稿D1の中央(重心位置G1)が給送ローラ303の中央からずれ量X1ずれて、給送ローラ303が小サイズ原稿D1の幅方向手前側の角部近傍に当接している。このとき、小サイズ原稿D1が給送ローラ303の搬送力Fによって搬送されると、小サイズ原稿D1に生じる搬送抵抗力R1との力のつり合いによって、小サイズ原稿D1の重心位置G1を中心に時計回りの旋回モーメントM1が生じる。小サイズ原稿D1は、旋回モーメントM1によって図3の二点鎖線で示す小サイズ原稿D1′の位置へ時計回りに旋回される。小サイズ原稿D1′は、小サイズ原稿D1′の搬送方向における先端部が斜行量αで旋回しながら搬送される。
小サイズ原稿D1に生じる搬送抵抗力R1は、摩擦係数μ1と荷重W1を用いて、以下の式1によって定義される。
R1=μ1×W1・・・(式1)
ここで、摩擦係数μ1は、小サイズ原稿D1の下面と小サイズ原稿D1のすぐ下に積載されている原稿D2の上面との間の摩擦係数である。荷重W1は、給送ローラ303が小サイズ原稿D1に付与する荷重である。荷重W1は、給送ローラ303によって、図3中に黒丸で示す給送ローラ303の中心で上方から原稿トレイ301へ向かう方向に小サイズ原稿D1に作用する荷重とする。
また、給送ローラ303によって搬送されている小サイズ原稿D1の重心位置G1を中心に生じる旋回モーメントM1は、給送ローラ303の搬送力Fとずれ量X1を用いて、以下の式2によって定義される。
M1=F×X1・・・(式2)
旋回モーメントM1は、小サイズ原稿D1の幅方向の中央(重心位置G1)と給送ローラ303の中央との間のずれ量X1が小さくなると、小さくなる。小サイズ原稿D1は、給送ローラ303によって搬送されつつ旋回モーメントM1によって旋回してずれ量X1が小さくなると、旋回モーメントM1が小さくなる。すなわち、小サイズ原稿D1は、給送ローラ303によって搬送されながら、小サイズ原稿D1の中央(重心位置G1)と給送ローラ303の中央とのずれ量X1が解消されるまで、斜行搬送現象(スキュー)を生じる。
(従来構成におけるラフセット配置の小サイズ原稿D1の大斜行搬送の説明)
図4は、従来の摩擦部材406が設けられた原稿トレイ301の平面図である。図4に示す従来の原稿搬送部63において原稿トレイ301に異なるサイズの原稿D(D1、D2、D3)がラフセット配置された場合に、従来の摩擦部材406によって小サイズ原稿D1が大きく斜行して搬送される状態を以下に説明する。従来の摩擦部材406は、幅方向において給送ローラ303の一方の端部(手前側端部)の外側で且つ搬送方向において給送ローラ303の上流側で原稿Dに当接するように設けられている。このため、原稿トレイ301にラフセット配置される小サイズ原稿D1の位置によっては、従来の摩擦部材406が小サイズ原稿D1の斜行を増大させ、搬送される小サイズ原稿D1の斜行を防止できないことがある。
小サイズ原稿D1は、幅方向の両側端部がいずれのサイド規制板305によっても規制されずに、原稿トレイ301上にラフセット配置されている。図4において、小サイズ原稿D1は、幅方向の中央(重心位置G1)が給送ローラ303の中央からずれ量X1だけ手前側にずれて、小サイズ原稿D1の幅方向奥側の角部近傍に給送ローラ303が当接するように配置されている。このとき、小サイズ原稿D1が給送ローラ303の搬送力Fによって搬送されると、小サイズ原稿D1に生じる搬送抵抗力R1によって、小サイズ原稿D1の重心位置G1を中心に反時計回りの旋回モーメントM1が生じる。
さらに、摩擦部材406は、幅方向の中央が給送ローラ303の中央からずれ量X3だけ手前側で且つ搬送方向において距離X2だけ給送ローラ303の上流側で小サイズ原稿D1に当接する。このとき、小サイズ原稿D1が給送ローラ303の搬送力Fによって搬送されると、摩擦部材406が小サイズ原稿D1に付与する摩擦力によって小サイズ原稿D1に搬送抵抗力R2が作用する。小サイズ原稿D1には、摩擦部材406を中心に旋回モーメントM1と同じ反時計回りの旋回モーメントM2が生じる。
摩擦部材406によって小サイズ原稿D1に作用する搬送抵抗力R2は、摩擦係数μ1と荷重W2を用いて、以下の式3によって定義される。
R2=μ1×W2・・・(式3)
ここで、摩擦係数μ1は、小サイズ原稿D1の下面と小サイズ原稿D1のすぐ下に積載されている原稿D2の上面との間の摩擦係数である。荷重W2は、摩擦部材406によって、図4中に黒丸で示す摩擦部材406の中心で上方から原稿トレイ301へ向かう方向に小サイズ原稿D1に作用する荷重である。
また、給送ローラ303によって搬送されている小サイズ原稿D1に対して摩擦部材406を中心に生じる旋回モーメントM2は、搬送抵抗力R2とずれ量X3を用いて、以下の式4によって定義される。
M2=R2×X3・・・(式4)
従来の摩擦部材406によって生じる旋回モーメントM2によって、小サイズ原稿D1の斜行が増大する。小サイズ原稿D1は、旋回モーメントM1及び旋回モーメントM2によって図4の二点鎖線で示す小サイズ原稿D1′の位置へ反時計回りに旋回される。小サイズ原稿D1′は、小サイズ原稿D1′の搬送方向における先端部が大きな斜行量βで旋回しながら搬送される。
(第一実施形態における原稿斜行防止の説明)
第一実施形態の原稿搬送部3は、原稿トレイ301上にラフに載置された複数の異なるサイズの原稿D(D1、D2、D3)を、原稿読取部2の読取位置(所定位置)へ搬送することができる混載機能を備えている。原稿搬送部3は、原稿Dの幅方向の両側端部がサイド規制板305によって規制されないラフセット配置であっても原稿の斜行を防止する斜行防止機構を備える。図5は、第一実施形態の摩擦部材306(摩擦力付与部材)が設けられた原稿トレイ301の平面図である。図5は、異なるサイズの原稿D(D1、D2、D3)が原稿トレイ301にラフセット配置され、小サイズ原稿D1が搬送される状態の一例を示している。原稿トレイ301にサイズの異なる原稿が混載される場合に、小サイズ原稿D1は、小サイズ原稿D1の幅方向の両側端部がサイド規制板305に突き当てられずに原稿トレイ301に配置されることがある。原稿搬送部3は、ラフセット配置ができるように構成されている。ラフセット配置において、小サイズ原稿D1の幅方向の両側端部がサイド規制板305に突き当てられずに小サイズ原稿D1の幅方向において給送ローラ303が当接可能な範囲内で小サイズ原稿D1の自由な初期配置が許容される。
第一実施形態の原稿搬送部3においては、ユーザ操作性向上を鑑みて、原稿トレイ301の幅方向の中央に備えられた給送ローラ303に当接可能な範囲内で原稿Dが原稿トレイ301上に配置される。例えば、図5に示すように、小サイズ原稿D1は、幅方向の両側端部がいずれのサイド規制板305によっても規制されずに、原稿トレイ301上に配置される。第一実施形態による原稿搬送部3は、幅方向の任意の位置に小サイズ原稿D1を配置することができるラフセット配置の状態で小サイズ原稿D1を搬送することができる。
図4を用いて前述した従来の原稿搬送部63において小サイズ原稿D1の中央(重心位置G1)と給送ローラ303の中央とがずれていると、搬送される小サイズ原稿D1は、従来の摩擦部材406によって斜行搬送現象(スキュー)を生じる。これに対して、図5に示す第一実施形態の原稿搬送部3において、摩擦部材306は、幅方向において給送ローラ303の中央で且つ搬送方向において給送ローラ303の上流側で原稿Dに当接するように設けられている。幅方向において、摩擦部材306の中心は、給送ローラ303の中心と一致しているとよいが、所定の誤差の範囲内でずれていてもよい。摩擦部材306は、原稿D(D1、D2、D3)に搬送抵抗力R2を付与する。幅方向において小サイズ原稿D1の中央(重心位置G1)と給送ローラ303の中央とがずれている状態であっても、摩擦部材306は、小サイズ原稿D1のスキューを防止することができる。
第一実施形態において、摩擦部材306は、原稿Dに対して摩擦力を付与するが、原稿Dに対してダメージを与えないようにローラ部材を備えている。ローラ部材は、搬送方向への原稿Dの移動に従動して回転する。図5において、小サイズ原稿D1は、幅方向の両側端部がサイド規制板305によって規制されずに、小サイズ原稿D1の中央(重心位置G1)が給送ローラ303の中央からずれ量X1だけずれて原稿トレイ301に載置されている。給送ローラ303は、幅方向において小サイズ原稿D1の手前側の角部近傍で小サイズ原稿D1に当接している。このとき、図5に示すように、小サイズ原稿D1が給送ローラ303の搬送力Fによって搬送されると、小サイズ原稿D1の重心位置G1を中心に時計回りの旋回モーメントM1が生じる。
さらに、摩擦部材306は、搬送方向において給送ローラ303の上流側で給送ローラ303から距離X2の位置で小サイズ原稿D1に当接するように構成されている。このとき、小サイズ原稿D1が給送ローラ303の搬送力Fによって搬送されると、摩擦部材306において、小サイズ原稿D1の重心位置G1を中心に生じる時計回りの旋回モーメントM1と逆方向の反時計回りの旋回モーメントM2が生じる。
摩擦部材306によって小サイズ原稿D1に作用する搬送抵抗力R2は、摩擦係数μ1と荷重W2を用いて、以下の式5によって定義される。
R2=μ1×W2・・・(式5)
ここで、摩擦係数μ1は、小サイズ原稿D1の下面と小サイズ原稿D1のすぐ下に積載されている原稿D2の上面との間の摩擦係数である。荷重W2は、摩擦部材306によって、図5中に黒丸で示す摩擦部材306の中心で上方から原稿トレイ301へ向かう方向に小サイズ原稿D1に作用する荷重である。
また、給送ローラ303によって搬送されている小サイズ原稿D1に対して摩擦部材306を中心に生じる旋回モーメントM2は、搬送抵抗力R2とずれ量X1を用いて、以下の式6によって定義される。
M2=R2×X1・・・(式6)
摩擦部材306によって生じる旋回モーメントM2は、給送ローラ303によって搬送される小サイズ原稿D1の重心位置G1を中心に時計回りに生じる旋回モーメントM1を相殺する。したがって、第一実施形態によれば、小サイズ原稿D1の中央(重心位置G1)が給送ローラ303の中央からずれている状態であっても、小サイズ原稿D1のスキューを防止することができる。
第一実施形態において、給送ローラ303が小サイズ原稿D1を搬送することができるように、摩擦部材306によって生じる搬送抵抗力R2が給送ローラ303の搬送力F以下(搬送力以下)になるように、搬送抵抗力R2を設定する必要がある。ここで、摩擦部材306(従動回転するローラ部材)と小サイズ原稿D1との間の摩擦係数μ2を大きくすると、小サイズ原稿D1の旋回を規制し、小サイズ原稿D1のスキュー防止の効果を高めることが期待できる。
また、摩擦部材306のローラ部材には、摩擦係数の高い材料としてゴム材料が用いられるが、スポンジ材料や樹脂材料が用いられてもよい。ローラ部材の材料に関しては、何ら制限はない。第一実施形態によれば、小サイズ原稿D1は、図5の二点鎖線で示す小サイズ原稿D1′の位置へ斜行搬送現象(スキュー)を生じずに搬送される。
(本実施形態におけるシミュレーションによる検証)
摩擦部材306による小サイズ原稿D1の斜行防止を検証するため、以下のシミュレーション条件を各構成要素パラメータに一例として用い、非線形構造解析ツールAbaqusにより小サイズ原稿D1の搬送シミュレーションを実施した。
(給送ローラ303)
・外径 24[mm]、弾性部厚み 3[mm]、幅 20[mm]
・弾性部ヤング率 0.4[MPa]、ポアソン比 0.4
・小サイズ原稿D1への付勢荷重 0.5[N]
・小サイズ原稿D1との摩擦係数 0.3
(摩擦部材306(従動回転するローラ部材))
・外径 24[mm]、弾性部厚み 3[mm]、幅 20[mm]
・弾性部ヤング率 0.4[MPa]、ポアソン比 0.4
・小サイズ原稿D1への付勢荷重 0.25[N]
・小サイズ原稿D1との摩擦係数 0.3
(小サイズ原稿D1)
・幅方向長さ 100[mm]、搬送方向長さ 200[mm]、厚み 0.1[mm]
・ヤング率 1800[MPa]、ポアソン比 0.4
・下面との摩擦係数 0.2
ただし、小サイズ原稿D1の下面に積載されている複数枚の原稿D(D2、D3)は考慮しない条件とした。
また、小サイズ原稿D1は、幅方向における小サイズ原稿D1の中央と給送ローラ303の中央との間のずれ量X1=40[mm]で配置される。小サイズ原稿D1を給送ローラ303によって搬送方向に160[mm]搬送したのち、小サイズ原稿D1の搬送方向先端の斜行量α[deg]を出力した。
(摩擦部材306の配置範囲)
図6は、第一実施形態の摩擦部材306と給送ローラ303の間の距離X2に対する小サイズ原稿D1の搬送方向先端の斜行量α[deg]の関係を示すシミュレーション結果の図である。図6に示すように、小サイズ原稿D1の搬送方向先端の斜行量αは、摩擦部材306と給送ローラ303と間の距離X2に従って変化する。摩擦部材306の位置が給送ローラ303の位置から小サイズ原稿D1の重心位置G1(図6中のX2=88[mm])に近づくにつれて、小サイズ原稿D1の搬送方向先端の斜行量αは、最小値に向かう。また、摩擦部材306の位置が小サイズ原稿D1の重心位置G1から搬送方向上流側へ遠ざかると、小サイズ原稿D1の搬送方向先端の斜行量αは、急峻に増大する。
ここで、距離X2が0であるとき(X2=0)、第一実施形態の摩擦部材306が配置されていない従来の構成における小サイズ原稿D1の搬送方向先端の斜行量αは、1.8[deg]である(α=1.8)。従来の構成の斜行量α=1.8[deg]から30%以上の斜行防止効果が期待できる斜行量α=1.2[deg]を閾値とすると、図6に示すように摩擦部材306と給送ローラ303との間の距離X2は、120[mm]以下に設定される(X2≦120)。また、摩擦部材306と給送ローラ303との間の距離X2は、12[mm]より大きく設定されているとよい(12<X2≦120)。
ここで、小サイズ原稿D1の搬送方向長さで無次元化された摩擦部材306の配置の有効範囲は、以下の式7で定義される。
有効範囲≦(給送ローラ303の半径+閾値以下の斜行量αを示す摩擦部材306と給送ローラ303との距離X2)/(小サイズ原稿D1の搬送方向長さ)・・・(式7)
前述のシミュレーション条件で用いた値を式7に代入すると、小サイズ原稿D1の搬送方向長さを基準とした摩擦部材306の配置の無次元化された有効範囲が得られる。
有効範囲≦(12[mm]+120[mm])/(200[mm])=0.66
有効範囲≦0.66(≒2/3)
また、有効範囲の下限は、例えば、以下のようであってもよい。
(12[mm]+12[mm])/(200[mm])=0.12<有効範囲
0.12(=3/25)<有効範囲
第一実施形態によれば、原稿サイズ混載機能を有し、原稿Dのラフセット配置可能に構成された原稿搬送部3において、幅方向の両側端部が規制されていない小サイズ原稿D1の搬送時の斜行を防止することができる。摩擦部材306は、給送ローラ303から原稿Dの搬送方向の上流へ向かって最小サイズ原稿の長さの2/3以下の距離の範囲内に配置される。また、摩擦部材306は、給送ローラ303から原稿Dの搬送方向の上流へ向かって最小サイズ原稿の長さの3/25より大きい距離の範囲内に配置される。これによって、原稿搬送部3は、原稿トレイ301に載置される原稿Dの位置に関わらず、原稿Dの斜行量を低減することができる。従来の技術における摩擦力付与部材がラフセット配置された原稿Dの斜行量を増大させることがあるのに対して、第一実施形態の原稿搬送部3の摩擦部材306は、原稿Dの搬送時の斜行量を低減することができる。
(第一実施形態の当接離間機構)
第一実施形態の原稿搬送部3は、原稿Dの幅方向の両側端部が規制されないラフセット配置可能に構成されているとともに、原稿Dの幅方向において不均一な付勢力によって生じる原稿Dの旋回を防止する構成を備える。図7は、第一実施形態の摩擦部材306を原稿Dに当接させる当接離間機構320の説明図である。
図7(a)は、第一実施形態の摩擦部材306及び給送ローラ303が小サイズ原稿D1から離間している離間状態にある当接離間機構320(機構)の断面図である。図7(a)に示すように、小サイズ原稿D1を含む異なるサイズの複数枚の原稿Dが原稿トレイ301にラフセット配置されている。給送ユニット309は、給送ローラ303及び引き抜きローラ307を一体的に保持する。引き抜きローラ307は、原稿Dの搬送方向において給送ローラ303の下流に配置されている。分離部304は、原稿Dの搬送方向において原稿トレイ301の下流に配置されている。分離部304は、給送ローラ303によって給送される原稿Dを一枚ずつに分離する。摩擦部材306は、原稿Dの搬送方向において給送ローラ303の上流に配置されている。第一実施形態において、摩擦部材306は、給送ローラ303によって給送される原稿Dの移動に従動して回転軸C3を中心に回転するローラ部材である。摩擦部材306は、給送ユニット309に揺動可能に設けられた揺動アーム308の上流端部に回転可能に設けられている。
図7(b)は、給送ローラ303が小サイズ原稿D1から離間し、摩擦部材306が小サイズ原稿D1に当接している第一当接状態にある当接離間機構320の断面図である。原稿トレイ301にセットされた原稿Dの搬送制御が開始されると、給送ユニット309は、駆動部(不図示)によって、揺動軸C1を中心に、図7(b)に示す時計回り方向CWに回転する。第一実施形態において、揺動軸C1は、引き抜きローラ307の回転軸である。給送ユニット309に設けられた揺動アーム308は、時計回り方向CWに回転する給送ユニット309と一体的に時計回り方向CWに揺動し、揺動アーム308の上流端部に設けられた摩擦部材306が小サイズ原稿D1に当接する。このとき、小サイズ原稿D1の重心位置G1(図5)に給送ローラ303より近い摩擦部材306が給送ローラ303より先に小サイズ原稿D1に当接するので、給送ローラ303の当接によって生じる小サイズ原稿D1の旋回を防止することができる。
図7(c)は、給送ローラ303及び摩擦部材306の両方が小サイズ原稿D1に当接している第二当接状態(原稿搬送可能状態)にある当接離間機構320の断面図である。給送ユニット309は、給送ローラ303が小サイズ原稿D1に当接するまで、揺動軸C1を中心に、図7(c)に示す時計回り方向CWに回転する。このとき、揺動アーム308は、揺動アーム308の下流端部に設けられた揺動軸C2を中心に、図7(c)に示す反時計回り方向CCWに揺動する。これによって、給送ローラ303は、小サイズ原稿D1に当接する。図7(c)に示すように、給送ローラ303及び摩擦部材306は、給送ローラ303と摩擦部材306との間の距離X2で小サイズ原稿D1に当接する。給送ローラ303は、荷重W1で小サイズ原稿D1に当接する。摩擦部材306は、荷重W2で小サイズ原稿D1に当接する。給送ローラ303は、駆動部(不図示)によって小サイズ原稿D1をスキューなしに二点鎖線で示す小サイズ原稿D1′の位置へ搬送する。
すなわち、第一実施形態によれば、原稿Dの重心位置G1に近い摩擦部材306が上方から原稿Dの上面に当接して原稿Dを原稿トレイ301側へ付勢した後、給送ローラ303が原稿Dに当接する。これにより、給送ローラ303が原稿Dに幅方向に不均一な当接力で当接することによって生じる原稿Dの旋回を防止することができる。したがって、第一実施形態によれば、従来技術において給送ローラ303が原稿Dに当接する時の原稿Dの幅方向における不均一な当接力(付勢力)によって原稿Dが旋回して原稿Dの位置ずれが生じるという問題を解決することができる。
第一実施形態において、摩擦部材306は、原稿Dの移動に従動して回転するローラ部材であるが、摩擦部材306は、これに限定されるものではない。摩擦部材306は、幅方向において給送ローラ303よりも長い幅広のローラ部材であってもよい。摩擦部材306は、ローラ部材の回転軸C3に負荷抵抗が付与されるように構成されていてもよい。摩擦部材306は、複数のローラ部材によって構成されていてもよい。
第一実施形態における原稿搬送部3(原稿搬送装置)は、複数の異なるサイズの原稿D(D1、D2、D3)を一緒に原稿トレイ301上に載置することができる原稿サイズ混載機能を有する。原稿搬送部3は、原稿トレイ301に載置された原稿Dに幅方向において給送ローラ303が当接する範囲内で原稿Dの自由な初期配置が許容されるラフセット配置が可能に構成されている。原稿搬送部3は、幅方向の両側端部のいずれもサイド規制板305によって規制されていない小サイズ原稿D1の搬送時の斜行を防止することができる。
第一実施形態によれば、摩擦部材306は、給送ローラ303から原稿Dの搬送方向上流に向かって最小サイズ原稿の搬送方向長さの2/3以下の距離の範囲内に設けられている。最小サイズ原稿は、画像形成装置100による画像形成可能で原稿搬送部3による搬送可能な最小サイズ原稿である。摩擦部材306は、給送ローラ303に接触することがないように、摩擦部材306のローラ部材の外径と給送ローラ303の外径の合計の1/2より大きい距離だけ給送ローラ303から離れているとよい。摩擦部材306は、給送ローラ303から原稿Dの搬送方向の上流へ向かって最小サイズ原稿の長さの3/25より大きい距離の範囲内に配置されているとよい。原稿搬送部3は、原稿トレイ301に載置される原稿Dの位置によらず、原稿Dの斜行を防止することができる。第一実施形態によれば、従来技術の摩擦力付与部材がラフセット配置された原稿の斜行を増大させ、原稿の搬送時の斜行を防止できないという課題を解決することができる。第一実施形態によれば、サイド規制板305によって規制されずに原稿トレイ301にラフに載置された原稿Dを搬送するときの原稿Dの斜行を防止することができる。
(第二実施形態)
以下、図8及び図9を参照して、第二実施形態を説明する。第二実施形態において、第一実施形態と同様の構成には、同様の参照符号を付して説明を省略する。第二実施形態の画像形成装置100は、第一実施形態と同様であるので説明を省略する。第二実施形態の原稿搬送部33は、第一実施形態と同様に、原稿トレイ301上にラフに載置された複数の異なるサイズの原稿D(D1、D2、D3)を、原稿読取部2の読取位置(所定位置)へ搬送することができる混載機能を備えている。また、第二実施形態の原稿搬送部33は、第一実施形態と同様に、原稿Dの幅方向の両側端部がサイド規制板305によって規制されないラフセット配置であっても原稿の斜行を防止する斜行防止機構を備える。図8は、第二実施形態の摩擦部材310(摩擦力付与部材)が設けられた原稿トレイ301の平面図である。図8は、異なるサイズの原稿D(D1、D2、D3)が原稿トレイ301にラフセット配置され、小サイズ原稿D1が搬送される状態の一例を示している。
第二実施形態の摩擦部材310は、可撓性のシート部材である。可撓性のシート部材としての摩擦部材310は、給送ユニット309に揺動可能に設けられた揺動アーム308の上流端部に設けられている。給送ローラ303の上流に可撓性のシート部材としての摩擦部材310を設けた第二実施形態も、第一実施形態と同様の効果を奏する。
図8に示す第二実施形態の原稿搬送部33において、摩擦部材310は、幅方向において給送ローラ303の中央で且つ搬送方向において給送ローラ303の上流側で原稿Dに当接するように設けられている。摩擦部材310は、原稿D(D1、D2、D3)に搬送抵抗力R3を付与する。幅方向において小サイズ原稿D1の中央(重心位置G1)と給送ローラ303の中央とがずれている状態であっても、摩擦部材310は、小サイズ原稿D1のスキューを防止することができる。
第二実施形態において、摩擦部材310は、原稿Dに対して摩擦力を付与するが、原稿Dに対してダメージを与えないように摺動性の良い可撓性のシート部材を備えている。図8において、小サイズ原稿D1は、幅方向の両側端部がサイド規制板305によって規制されずに、小サイズ原稿D1の中央(重心位置G1)が給送ローラ303の中央からずれ量X1だけずれて原稿トレイ301に載置されている。給送ローラ303は、幅方向において小サイズ原稿D1の手前側の角部近傍で小サイズ原稿D1に当接している。このとき、図8に示すように、小サイズ原稿D1が給送ローラ303の搬送力Fによって搬送されると、小サイズ原稿D1の重心位置G1を中心に時計回りの旋回モーメントM1が生じる。
さらに、摩擦部材310は、搬送方向において給送ローラ303の上流側で給送ローラ303から距離X2の位置で小サイズ原稿D1に当接するように構成されている。このとき、小サイズ原稿D1が給送ローラ303の搬送力Fによって搬送されると、摩擦部材310において、小サイズ原稿D1の重心位置G1を中心に生じる時計回りの旋回モーメントM1と逆方向の反時計回りの旋回モーメントM3が生じる。
摩擦部材310によって小サイズ原稿D1に作用する搬送抵抗力R3は、摩擦係数μ1と荷重W3を用いて、以下の式8によって定義される。
R3=μ1×W3・・・(式8)
ここで、摩擦係数μ1は、小サイズ原稿D1の下面と小サイズ原稿D1のすぐ下に積載されている原稿D2の上面との間の摩擦係数である。荷重W3は、摩擦部材310によって、図8中に黒丸で示す摩擦部材310の中心で上方から原稿トレイ301へ向かう方向に小サイズ原稿D1に作用する荷重である。
また、給送ローラ303によって搬送される小サイズ原稿D1に対して摩擦部材310に生じる旋回モーメントM3は、搬送抵抗力R3とずれ量X1を用いて、以下の式9によって定義される。
M3=R3×X1・・・(式9)
摩擦部材310によって生じる旋回モーメントM3は、給送ローラ303によって搬送される小サイズ原稿D1の重心位置G1を中心に時計回りに生じる旋回モーメントM1を相殺する。したがって、第二実施形態によれば、小サイズ原稿D1の中央(重心位置G1)が給送ローラ303の中央からずれている状態であっても、小サイズ原稿D1のスキューを防止することができる。
第二実施形態において、給送ローラ303が小サイズ原稿D1を搬送することができるように、摩擦部材310によって生じる搬送抵抗力R3が給送ローラ303の搬送力F以下になるように搬送抵抗力R3を設定する必要がある。ここで、摩擦部材310(可撓性シート部材)と小サイズ原稿D1との摩擦係数μ3を大きくすると、小サイズ原稿D1の旋回を規制し、小サイズ原稿D1のスキュー防止の効果を高めることが期待できる。
また、摩擦部材310のシート部材には、摺動性の良い材料としてPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂が用いられるが、その他の材料が用いられてもよい。シート部材の材料に関しては、何ら制限はない。第二実施形態によれば、小サイズ原稿D1は、図8の二点鎖線で示す小サイズ原稿D1′の位置へ斜行搬送現象(スキュー)を生じずに搬送される。
第二実施形態によれば、原稿サイズ混載機能を有し、原稿Dのラフセット配置可能に構成された原稿搬送部33において、幅方向の両側端部が規制されていない小サイズ原稿D1の搬送時の斜行を防止することができる。摩擦部材310は、給送ローラ303から原稿Dの搬送方向の上流へ向かって最小サイズ原稿の長さの2/3以下の範囲内に配置される。これによって、原稿搬送部33は、原稿トレイ301に載置される原稿Dの位置に関わらず、原稿Dの斜行量を低減することができる。
(第二実施形態の当接離間機構)
図9は、第二実施形態の摩擦部材310を原稿Dに当接させる当接離間機構420の説明図である。図9(a)は、第二実施形態の摩擦部材310及び給送ローラ303が小サイズ原稿D1から離間している離間状態にある当接離間機構420(機構)の断面図である。図9(a)に示すように、小サイズ原稿D1を含む異なるサイズの複数枚の原稿Dが原稿トレイ301にラフセット配置されている。可撓性のシート部材としての摩擦部材310は、原稿Dの搬送方向において給送ローラ303の上流に配置されている。摩擦部材310は、給送ユニット309に揺動可能に設けられた揺動アーム308の上流端部に設けられている。
図9(b)は、給送ローラ303が小サイズ原稿D1から離間し、摩擦部材310が小サイズ原稿D1に当接している第一当接状態にある当接離間機構420の断面図である。原稿トレイ301にセットされた原稿Dの搬送制御が開始されると、給送ユニット309は、駆動部(不図示)によって、揺動軸C1を中心に、図9(b)に示す時計回り方向CWに回転する。第二実施形態において、揺動軸C1は、引き抜きローラ307の回転軸である。給送ユニット309に設けられた揺動アーム308は、時計回り方向CWに回転する給送ユニット309と一体的に時計回り方向CWに揺動し、揺動アーム308の上流端部に設けられた摩擦部材310が小サイズ原稿D1に当接する。このとき、小サイズ原稿D1の重心位置G1(図8)に給送ローラ303より近い摩擦部材310が給送ローラ303より先に小サイズ原稿D1に当接するので、給送ローラ303の当接によって生じる小サイズ原稿D1の旋回を防止することができる。
図9(c)は、摩擦部材310及び給送ローラ303の両方が小サイズ原稿D1に当接している第二当接状態(原稿搬送可能状態)にある当接離間機構420の断面図である。給送ユニット309は、給送ローラ303が小サイズ原稿D1に当接するまで、揺動軸C1を中心に、図9(c)に示す時計回り方向CWに回転する。このとき、揺動アーム308は、揺動アーム308の下流端部に設けられた揺動軸C2を中心に、図9(c)に示す反時計回り方向CCWに揺動する。これによって、給送ローラ303は、小サイズ原稿D1に当接する。図9(c)に示すように、給送ローラ303及び摩擦部材310は、給送ローラ303と摩擦部材310との間の距離X2で小サイズ原稿D1に当接する。
揺動アーム308の下流端部に設けられた揺動軸C2には、摩擦部材310が荷重W3で小サイズ原稿D1に当接するように、揺動アーム308に付勢力を与えるトーションスプリング(不図示)が設けられている。給送ローラ303は小サイズ原稿D1に荷重W1で当接し、摩擦部材310は給送ローラ303から上流側へ距離X2において小サイズ原稿D1に荷重W3で当接する。給送ローラ303は、駆動部(不図示)によって小サイズ原稿D1をスキューなしに二点鎖線で示す小サイズ原稿D1′の位置へ搬送する。
すなわち、第二実施形態によれば、原稿Dの重心位置G1に近い摩擦部材310が上方から原稿Dの上面に当接して原稿Dを原稿トレイ301側へ付勢した後、給送ローラ303が原稿Dに当接する。これにより、給送ローラ303が原稿Dに幅方向に不均一の当接力で当接することによって生じる原稿Dの旋回を防止することができる。
第二実施形態において、摩擦部材310は、可撓性のシート部材であるが、摩擦部材310は、これに限定されるものではない。摩擦部材310は、幅方向に給送ローラ303より長い幅広のシート部材であってもよいし、幅方向に給送ローラ303の長さ以下の幅のシート部材であってもよい。摩擦部材310は、複数枚のシート部材を重ね合わせて原稿Dに付与する荷重(負荷抵抗)が調節された構成であってもよい。摩擦部材310は、幅方向に複数枚のシート部材を並べて構成されていてもよく、原稿Dの搬送方向に複数枚のシート部材を並べて構成されていてもよい。
第二実施形態において、第一実施形態と同様に、摩擦部材310は、給送ローラ303から原稿Dの搬送方向上流に向かって最小サイズ原稿の搬送方向長さの2/3以下の距離の範囲内に設けられているとよい。摩擦部材310は、給送ローラ303に接触することがないように給送ローラ303から離れているとよい。摩擦部材306は、給送ローラ303から原稿Dの搬送方向の上流へ向かって最小サイズ原稿の長さの3/25より大きい距離の範囲内に配置されているとよい。第二実施形態によれば、サイド規制板305によって規制されずに原稿トレイ301にラフに載置された原稿Dを搬送するときの原稿Dの斜行を防止することができる。
3、33・・・・・・原稿搬送部
301・・・・・・・原稿トレイ
303・・・・・・・給送ローラ
306、310・・・摩擦部材
D・・・・・・・・・原稿
R2、R3・・・・・搬送抵抗力
320、420・・・当接離間機構

Claims (12)

  1. 原稿が載置される原稿トレイと、
    前記原稿トレイに載置された前記原稿を搬送方向に搬送する搬送部材と、
    前記搬送方向において前記搬送部材の上流に配置され、前記原稿に搬送抵抗力を付与する摩擦部材と、
    前記摩擦部材を前記原稿トレイに載置された前記原稿に当接させた後に前記搬送部材を前記原稿に当接させる機構と、
    を備える原稿搬送装置であって、
    前記摩擦部材は、前記搬送方向において前記搬送部材から上流に、前記原稿搬送装置によって搬送可能な最小サイズ原稿の前記搬送方向の長さの2/3以下の距離の範囲内に配置されていることを特徴とする原稿搬送装置。
  2. 前記摩擦部材は、前記搬送方向において前記搬送部材から上流に、前記最小サイズ原稿の前記搬送方向の長さの3/25より大きく2/3以下の距離の範囲内に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の原稿搬送装置。
  3. 前記機構は、前記搬送部材及び前記摩擦部材が前記原稿トレイに載置された前記原稿から離間する離間状態と、前記搬送部材が前記原稿から離間し、前記摩擦部材が前記原稿に当接する第一当接状態と、前記搬送部材及び前記摩擦部材が前記原稿に当接する第二当接状態と、を取るように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の原稿搬送装置。
  4. 前記搬送部材は、前記機構が前記第二当接状態であるときに前記原稿を搬送することを特徴とする請求項3に記載の原稿搬送装置。
  5. 前記摩擦部材の前記搬送抵抗力は、前記搬送部材の搬送力以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の原稿搬送装置。
  6. 前記摩擦部材は、前記搬送部材によって搬送される前記原稿の移動に従動して回転するローラ部材を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の原稿搬送装置。
  7. 前記摩擦部材は、可撓性のシート部材を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の原稿搬送装置。
  8. 前記搬送方向に直交する方向であって前記原稿トレイに載置された前記原稿の面に平行な幅方向において、前記原稿トレイに載置された前記原稿の中心を、前記原稿トレイの中心に整合させる一対の整合部材を備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の原稿搬送装置。
  9. 前記原稿トレイにサイズの異なる複数枚の原稿が混載される場合に、小サイズ原稿の前記幅方向の両側端部が前記一対の整合部材に当接せずに、前記小サイズ原稿が前記幅方向において前記搬送部材に当接可能な範囲内でラフに前記原稿トレイに配置されるラフセット配置できるように構成されていることを特徴とする請求項8に記載の原稿搬送装置。
  10. 前記幅方向において、前記摩擦部材の中心は、前記搬送部材の中心に一致していることを特徴とする請求項8又は9に記載の原稿搬送装置。
  11. 前記搬送方向において前記原稿トレイの下流に配置され、前記搬送部材によって搬送される複数の原稿を一枚ずつに分離する分離部を備えることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の原稿搬送装置。
  12. 請求項1乃至11のいずれか一項に記載された原稿搬送装置と、
    前記原稿搬送装置によって搬送される原稿の画像を読み取る画像読取部と、
    前記画像読取部によって読み取られた画像データに従って記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
    を備える画像形成装置。
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