JP2023053913A - 光学積層体及び画像表示装置 - Google Patents

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【課題】円偏光板として用いることができる光学積層体であって、画像表示装置に適用したときに、十分に小さい反射率を確保しながらも、円偏光板の面内における反射色相のわずかな振れに起因する内部反射光のわずかな漏れが視認されにくい光学積層体、並びに、該光学積層体を含む画像表示装置を提供する。【解決手段】光学機能層(A)と、直線偏光子と、逆波長分散性を有する位相差層とをこの順に含む光学積層体であって、光学機能層(A)は、波長450nmにおける反射率R(450)と波長550nmにおける反射率R(550)との比:R(450)/R(550)が1.07以上1.55以下であり、反射率R(550)が6.0%未満である光学積層体、並びに、該光学積層体を含む画像表示装置が提供される。【選択図】図1

Description

本発明は、光学積層体及び画像表示装置に関する。
有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置に代表される画像表示装置では、外光の反射による視認性の低下を抑制するために、円偏光板等を用いて反射防止性能を向上させることが知られている〔例えば、特開2020-134934号公報(特許文献1)〕。円偏光板は、直線偏光板と位相差層とを含む光学積層体である。
特開2020-134934号公報
円偏光板は通常、有機EL表示素子等の画像表示素子の視認側に配置される。このように円偏光板を配置することによって、画像表示素子に入射した外光が、該素子が有する内部電極等により反射して外部に出射する内部反射光を抑制することができる。特に、円偏光板が逆波長分散性を有するλ/4層を含む構成であると、内部反射光を広い可視範囲で抑えられるため、黒表示(円偏光板の反射色相をニュートラルにすること)を実現しやすいことが知られている。
しかしながら、円偏光板の反射色相がニュートラルになるほど、円偏光板の面内における反射色相のわずかな振れに起因する内部反射光のわずかな漏れ(以下、「わずかな光漏れ」ともいう。)がムラとして視認されやすいという問題があった。
本発明の目的は、円偏光板として用いることができる光学積層体であって、画像表示装置に適用したときに、十分に小さい反射率を確保しながらも上記わずかな光漏れが視認されにくい光学積層体を提供することにある。本発明の他の目的は、該光学積層体を含む画像表示装置を提供することにある。
本発明は、以下の光学積層体及び画像表示装置を提供する。
[1] 光学機能層(A)と、直線偏光子と、逆波長分散性を有する位相差層とをこの順に含む光学積層体であって、
前記光学機能層(A)は、波長450nmにおける反射率R(450)と波長550nmにおける反射率R(550)との比:R(450)/R(550)が1.07以上1.55以下であり、
前記反射率R(550)が6.0%未満である、光学積層体。
[2] 前記光学機能層(A)は、波長550nmにおける屈折率が1.6以上である高屈折率層を含む、[1]に記載の光学積層体。
[3] 前記光学機能層(A)は、基材フィルムと、その上に積層される前記高屈折率層とを含む、[2]に記載の光学積層体。
[4] 前記反射率R(450)と前記反射率R(550)との比:R(450)/R(550)が1.07以上1.35以下である、[1]~[3]のいずれかに記載の光学積層体。
[5] 前記位相差層は、液晶硬化層を1層以上含む、[1]~[4]のいずれかに記載の光学積層体。
[6] 前記光学機能層(A)は、前面板をさらに含む、[1]~[5]のいずれかに記載の光学積層体。
[7] 前記位相差層における前記直線偏光子とは反対側に配置される粘着剤層をさらに含む、[1]~[6]のいずれかに記載の光学積層体。
[8] 前記粘着剤層における前記位相差層とは反対側に配置されるセパレートフィルムをさらに含む、[7]に記載の光学積層体。
[9] さらに、前記光学機能層(A)における前記直線偏光子とは反対側の面にプロテクトフィルムを有する、[1]~[8]のいずれかに記載の光学積層体。
[10] [1]~[9]のいずれかに記載の光学積層体を含む、画像表示装置。
円偏光板として用いることができる光学積層体であって、画像表示装置に適用したときに、十分に小さい反射率を確保しながらも上記わずかな光漏れが視認されにくい光学積層体、並びに、該光学積層体を含む画像表示装置を提供することができる。
本発明に係る光学積層体の一例を示す概略断面図である。 本発明に係る光学積層体の他の一例を示す概略断面図である。 本発明に係る光学積層体のさらに他の一例を示す概略断面図である。 本発明に係る光学積層体のさらに他の一例を示す概略断面図である。 本発明に係る光学積層体のさらに他の一例を示す概略断面図である。 本発明に係る画像表示装置の一例を示す概略断面図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下のすべての図面は、本発明の理解を助けるために示すものであり、図面に示される各構成要素のサイズや形状は、実際の構成要素のサイズや形状とは必ずしも一致しない。
<光学積層体>
本発明に係る光学積層体(以下、単に「光学積層体」ともいう。)は、円偏光板として用いることができるものであり、光学機能層(A)と、直線偏光子と、逆波長分散性を有する位相差層とをこの順に含む。用語「円偏光板」は、楕円偏光板を含む。
図1は、本発明に係る光学積層体の一例を示す概略断面図である。図1に示される光学積層体は、光学機能層(A)1と、直線偏光子2と、逆波長分散性を有する位相差層3とを備える。光学機能層(A)1と直線偏光子2とは、第1貼合層10を介して積層することができる。直線偏光子2と位相差層3とは、第2貼合層20を介して積層することができる。該光学積層体が画像表示装置(有機EL表示装置等)に適用される場合、該光学積層体の光学機能層(A)1側が視認側となるように、すなわち、位相差層3側が画像表示素子(有機EL表示素子等)側となるように、画像表示素子の視認側に配置される。
以下、光学積層体に含まれる又は含まれていてもよい構成要素について詳細に説明する。
(1)光学機能層(A)
光学機能層(A)は、直線偏光子2の視認側に配置される層であり、以下の反射特性を有する。
〔a〕波長450nmにおける反射率R(450)と波長550nmにおける反射率R(550)との比(反射率R(450)/反射率R(550)。以下、単に「反射率比」ともいう。)が1.07以上1.55以下である。
〔b〕反射率R(550)が6.0%未満である。
光学機能層(A)は、通常、積層構造を有する。第1貼合層10の反射率が有意な値である場合は、光学機能層(A)1と第1貼合層10とからなる積層構造、すなわち直線偏光子2の視認側に配置される層全てからなる積層構造が「光学機能層(A)」に該当する。一方、第1貼合層10の反射率が有意な値でない場合、すなわち光学機能層(A)1の反射特性と上記積層構造の反射特性とが実質的に等しい場合、光学機能層(A)1を光学機能層(A)とみなしてよい。
上記反射特性を有する光学機能層(A)1を直線偏光子2の視認側に付与することにより、光学積層体の視認側表面で反射する反射光を青味がかった色にすることができるため、上述のわずかな光漏れを視認しにくくすることができる。本発明に係る光学積層体は逆波長分散性を有する位相差層を備えており、これにより内部反射が大きく抑えられているため、光学機能層(A)1の付与によって光学積層体の視認側表面で反射する反射光を制御する本発明の手法は、わずかな光漏れを視認しにくくするうえで効果的である。その一方で、光学機能層(A)1を直線偏光子2の視認側に配置しても、画像表示素子からの透過光(白表示)が青味がかった色に変化することを抑制できる。
円偏光板が有する位相差層の位相差特性を調整することによっても、円偏光板の反射色相を青味がかった色にすることは可能である。例えば、波長分散αを大きくすることで青味がかった色にすることが可能である。しかし、この場合、斜めからの反射色相の変化が大きくなるという別の問題を生じる。上記反射特性を有する光学機能層(A)1を直線偏光子2の視認側に付与する手法によれば、このような問題を生じることなく、わずかな光漏れを視認しにくくすることができる。
なお、波長分散αとは、波長450nmにおける面内位相差値Re(450)と波長550nmにおける面内位相差値Re(550)との比である。
波長分散α=面内位相差値Re(450)/面内位相差値Re(550)
また、本発明に係る光学積層体によれば、光学積層体の反射色相を適度に青味がかった色にすることができるため、画像表示装置の表示に高級感を与えることができる。反射色相の青味の程度は、反射率R(450)、反射率R(550)及び/又はこれらの反射率比を上記範囲内で調整することによって制御できる。
反射率比は、わずかな光漏れを視認しにくくする観点及び/又は光学積層体の反射率Yを適度に小さくする観点から、好ましくは1.07以上1.45以下、より好ましくは1.07以上1.35以下、さらに好ましくは1.10以上1.35以下、なおさらに好ましくは1.12以上1.35以下である。反射率比が1.55を超えると、光学積層体の反射色相の青味が強くなりすぎる傾向にある。反射率比が1.07未満であると、わずかな光漏れを視認しにくくする効果が得られない。
反射率R(550)は、光学積層体の反射率Yを適度に小さくする等の観点から、好ましくは5.8%以下、より好ましくは5.6%以下、さらに好ましくは5.4%以下である。反射率R(550)が6.0%以上であると、光学積層体の反射率Yが過度に大きくなり、画像表示装置の視認性が低下する傾向にある。反射率R(550)は、0.0%であってもよいが、通常は0.0%超、例えば0.1%以上であり、好ましくは1.0%以上、より好ましくは4.0%以上、さらに好ましくは4.2%以上である。
反射率R(450)は、わずかな光漏れを視認しにくくする観点及び/又は光学積層体の反射率Yを適度に小さくする観点から、好ましくは4.0%以上10.0%以下、より好ましくは4.5%以上9.0%以下、さらに好ましくは5.0%以上8.0%以下である。
光学積層体の反射率Yは、画像表示装置の視認性の観点から、好ましくは6.0%未満、より好ましくは5.9%以下、さらに好ましくは5.8%以下、なおさらに好ましくは5.7%以下である。反射率Yは、通常4.0%以上である。
光学機能層(A)の反射率R(450)及び反射率R(550)、並びに、光学積層体の反射率Yは、後述する[実施例]の項に記載された方法に従って測定することができる。
光学機能層(A)1は、例えば、高屈折率層、色素含有層(例えば、黄色色素含有層)、高屈折率層と低屈折率層との交互多層、液晶層、蛍光発光性層、又はこれらの組み合わせ等を含むものであってよい。高屈折率層は、界面反射を利用して上記反射特性を実現する。色素含有層は、例えば黄色光を吸収する色素を含有するものであって、反射光の青味を高める層である。高屈折率層と低屈折率層との交互多層は、高屈折率層と低屈折率層との界面における界面反射を利用して上記反射特性を実現する。液晶層は、例えば、コレステリック液晶による円偏光の反射を利用して上記反射特性を実現する。中でも、上記反射特性を有する光学機能層(A)の実現のしやすさ及び製造の容易さの観点、光学積層体の反射色相の調整のしやすさの観点、並びに、画像表示素子からの透過光は着色させない方が好ましいという観点から、光学機能層(A)1は、高屈折率層を含むことが好ましい。
高屈折率層としては従来公知の構成のものを用いることができるが、好ましくはバインダ樹脂中に屈折率付与剤が分散されている層が挙げられる。屈折率付与剤としては、例えば、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウムスズ、酸化インジウム、酸化アルミウム、酸化ケイ素、酸化イットリウム、酸化アンチモン等の金属酸化物から構成される粒子が挙げられる。該粒子の平均粒子径は、例えば0.01nm以上100nm以下、好ましくは0.1nm以上50nm以下である。
高屈折率層における屈折率付与剤の含有量は、高屈折率層の屈折率及び該層の製膜容易性の観点から、高屈折率層100質量%中、好ましくは10質量%以上90質量%以下、より好ましくは20質量%以上80質量%以下、さらに好ましくは30質量%以上70質量%以下、なおさらに好ましくは40質量%以上60質量%以下である。高屈折率層の屈折率は、高屈折率層における屈折率付与剤の含有量によって調整することができる。高屈折率層における屈折率付与剤の含有量が多いほど、高屈折率層の屈折率を高くすることができる。
バインダ樹脂は、熱可塑性樹脂であってもよいし、硬化性樹脂の硬化物であってもよい。高屈折率層はハードコート性を有していてもよく、この場合、高屈折率層は、紫外線硬化型樹脂等の活性エネルギー線硬化型樹脂及び屈折率付与剤を含むハードコート層形成用組成物の硬化物から形成することができる。活性エネルギー線硬化型樹脂としては、例えば(メタ)アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アミド系樹脂、エポキシ系樹脂等が挙げられ、好ましくは紫外線硬化型樹脂である。バインダ樹脂を構成する紫外線硬化型樹脂は、好ましくは(メタ)アクリル系樹脂であり、硬化性の観点から、より好ましくは多官能の(メタ)アクリルモノマー由来の構成単位を含む(メタ)アクリル系樹脂である。
なお、本明細書において「(メタ)アクリル」とは、アクリル又はメタクリルのいずれでもよいことを意味する。(メタ)アクリレート等の「(メタ)」も同様の意味である。
高屈折率層の厚み(光学膜厚)は、高屈折率層の屈折率の観点、ひいては、わずかな光漏れを視認しにくくする観点から、好ましくは10nm以上1000nm以下、より好ましくは10nm以上500nm以下、さらに好ましくは20nm以上300nm以下、なおさらに好ましくは40nm以上250nm以下、特に好ましくは100nm以上200nm以下である。
高屈折率層は、わずかな光漏れを視認しにくくする観点から、好ましくは、波長550nmにおける屈折率が1.6以上、より好ましくは1.62以上である。該屈折率は、光学積層体の反射色相を適度な青味にする観点から、好ましくは1.75以下であり、より好ましくは1.70以下である。
光学機能層(A)1は、通常、直線偏光板2の表面に直接積層される。例えば、高屈折率層形成用組成物を直線偏光子2の表面に塗布し、必要に応じて乾燥及び/又は硬化させることにより、高屈折率層を直線偏光子2の表面に直接積層させることができる。
光学機能層(A)1は、基材フィルムと、その上に積層される高屈折率層とを含むものであってもよい。この場合、光学機能層(A)1は、その基材フィルム側が直線偏光子2に対向するように、例えば第1貼合層10を介して直線偏光子2上に積層することができる。高屈折率層形成用組成物を基材フィルム上に塗布し、必要に応じて乾燥及び/又は硬化させることにより、基材フィルムと高屈折率層とを含む光学機能層(A)を形成することができる。あるいは、上記基材フィルムを直線偏光子2の保護フィルムとして直線偏光子2の視認側に積層させることにより直線偏光板を作製し、さらに、基材フィルム以外の光学機能層(A)1を構成する層と直線偏光板とを貼合することにより光学積層体を作製してもよい。この場合、光学機能層(A)1は、基材フィルム以外の光学機能層(A)1を構成する層と、基材フィルムとを有する。
基材フィルムとしては、後述する熱可塑性樹脂フィルムを用いることができる。基材フィルムの厚みは、薄型化の観点から、通常100μm以下であり、好ましくは80μm以下であり、より好ましくは60μm以下であり、さらに好ましくは40μm以下であり、なおさらに好ましくは30μm以下であり、また、通常5μm以上であり、好ましくは10μm以上である。
中でも、基材フィルムは、環状ポリオレフィン系樹脂フィルム、セルロースエステル系樹脂フィルム、ポリエステル系樹脂フィルム又は(メタ)アクリル系樹脂フィルムであることが好ましい。
光学機能層(A)1は、上記基材フィルム以外の熱可塑性樹脂フィルムを含むことができる。例えば、該熱可塑性樹脂フィルムを直線偏光子2の保護フィルムとして直線偏光子2の視認側に積層させることにより直線偏光板を作製し、さらに、該熱可塑性樹脂フィルム以外の光学機能層(A)1を構成する層と直線偏光板とを貼合することにより光学積層体を作製してもよい。この場合、光学機能層(A)1は、熱可塑性樹脂フィルム以外の光学機能層(A)1を構成する層と、熱可塑性樹脂フィルムとを有する。熱可塑性樹脂フィルムの詳細については後述する。
光学機能層(A)が高屈折率層と基材フィルムとを含む場合、波長550nmにおけるこれらの屈折率差は、わずかな光漏れを視認しにくくする観点から、好ましくは0.05以上0.30以下、より好ましくは0.08以上0.26以下、さらに好ましくは0.10以上0.24以下である。
光学機能層(A)が高屈折率層と基材フィルムとを含む場合、高屈折率層と基材フィルムとの間に樹脂層が介在していてもよく、高屈折率層における基材フィルムとは反対側に樹脂層が配置されていてもよい。樹脂層の例はハードコート層である。また、高屈折率層と基材フィルムとの間に介在することができる樹脂層は、プライマー層であってもよい。ハードコート層については後述の記載が引用される。
光学機能層(A)が基材フィルムと樹脂層とを含む場合、該基材フィルム及び該樹脂層をそれぞれ直線偏光子2の保護フィルム及びハードコート層として直線偏光子2の視認側に積層させることにより直線偏光板を作製し、さらに、該基材フィルム及び該樹脂層以外の光学機能層(A)1を構成する層と直線偏光板とを貼合することにより光学積層体を作製してもよい。この場合、光学機能層(A)1は、該基材フィルム及び該樹脂層以外の光学機能層(A)1を構成する層と、基材フィルムと、樹脂層とを有する。
上記樹脂層が含まれる場合、該樹脂層と高屈折率層との間の波長550nmにおける屈折率差は、わずかな光漏れを視認しにくくする観点から、好ましくは0.05以上0.30以下、より好ましくは0.08以上0.26以下、さらに好ましくは0.10以上0.24以下である。
光学機能層(A)1は、高屈折率層、色素含有層(例えば、黄色色素含有層)、高屈折率層と低屈折率層との交互多層、液晶層、蛍光発光性層、又はこれらの組み合わせの他、光学積層体の反射特性(反射率Y、反射色相)を調整し得る層を1層又は2層以上含むことができる。このような層としては、例えば、上述の樹脂層が挙げられる。樹脂層は、高屈折率層と基材フィルムとの間、又は、高屈折率層における基材フィルムとは反対側に配置することができる。樹脂層は、粘着剤層であってもよい。
光学積層体の反射特性を調整し得る層の他の例として、高屈折率層における基材フィルムとは反対側に、粘着剤層(後述する第6貼合層80)を介して配置される後述する前面板90が挙げられる。光学積層体の反射特性を調整し得る層のさらに他の例として、上述の、基材フィルム以外の熱可塑性樹脂フィルムが挙げられる。
光学機能層(A)1は、電気絶縁性が高いことが好ましく、例えば、電気抵抗値が1.0×10Ω/□を超える層であることが好ましい。また、電気絶縁性を高くするため、金属メッシュ層等のメッシュ構造を有しない光学機能層、すなわち全面にわたって均一である光学機能層が好ましい。
(2)直線偏光子
直線偏光子2は、自然光等の非偏光な光線から、ある一方向の直線偏光を選択的に透過させる機能を有する。直線偏光子としては、二色性色素を吸着させた延伸フィルム又は延伸層、重合性液晶化合物の硬化物及び二色性色素を含む液晶硬化層等が挙げられる。光学機能層(A)1と直線偏光子2とは、第1貼合層10を介して積層することができる。
二色性色素を吸着させた延伸フィルムである直線偏光子は、通常、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムをヨウ素等の二色性色素で染色することにより、その二色性色素を吸着させる工程、二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理する工程、及び、ホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程を経て製造することができる。
二色性色素を吸着させた延伸フィルムの厚みは、通常30μm以下であり、好ましくは18μm以下、より好ましくは15μm以下である。該厚みは、通常1μm以上であり、例えば5μm以上であってよい。
ポリビニルアルコール系樹脂は、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化することによって得られる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルのほか、酢酸ビニルとそれに共重合可能な他の単量体との共重合体が用いられる。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、例えば不飽和カルボン酸系化合物、オレフィン系化合物、ビニルエーテル系化合物、不飽和スルホン系化合物、アンモニウム基を有する(メタ)アクリルアミド系化合物が挙げられる。
ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、通常85モル%以上100モル%以下程度であり、好ましくは98モル%以上である。ポリビニルアルコール系樹脂は変性されていてもよく、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール等も使用することができる。ポリビニルアルコール系樹脂の重合度は、通常1000以上10000以下であり、好ましくは1500以上5000以下である。
二色性色素を吸着させた延伸層である直線偏光子は、通常、上記ポリビニルアルコール系樹脂を含む塗布液を基材層上に塗布する工程、得られた積層フィルムを一軸延伸する工程、一軸延伸された積層フィルムのポリビニルアルコール系樹脂層を二色性色素で染色することにより、その二色性色素を吸着させる工程、二色性色素が吸着されたフィルムをホウ酸水溶液で処理する工程、及び、ホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程を経て製造することができる。基材層は、直線偏光子の保護フィルムとして用いてもよいし、直線偏光子から剥離除去されてもよい。基材層の材料及び厚みは、後述する熱可塑性樹脂フィルムの材料及び厚みと同様であってよい。
光学積層体は、二色性色素を吸着させた延伸フィルム又は延伸層である直線偏光子の片面又は両面に積層される保護フィルムを含むことができる。保護フィルムとしては、後述する熱可塑性樹脂フィルムを用いることができる。直線偏光子と保護フィルムとは、後述する貼合層を介して積層することができる。
上述のように、直線偏光子の視認側に積層される熱可塑性樹脂フィルム(保護フィルム)は、光学機能層(A)に含まれる。該熱可塑性樹脂フィルムと直線偏光子とは第1貼合層を介して貼合することができる。
熱可塑性樹脂フィルムを構成する熱可塑性樹脂としては、例えば、トリアセチルセルロース等のセルロース樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂;ポリエーテルスルホン樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリカーボネート樹脂;ナイロンや芳香族ポリアミド等のポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体等のポリオレフィン樹脂;シクロ系及びノルボルネン構造を有する環状ポリオレフィン樹脂(ノルボルネン系樹脂ともいう);(メタ)アクリル樹脂;ポリアリレート樹脂;ポリスチレン樹脂;ポリビニルアルコール樹脂等が挙げられる。中でも、熱可塑性樹脂フィルムは、環状ポリオレフィン系樹脂フィルム、セルロースエステル系樹脂フィルム、ポリエステル系樹脂フィルム又は(メタ)アクリル系樹脂フィルムであることが好ましい。
熱可塑性樹脂フィルムの厚みは、薄型化の観点から、通常100μm以下であり、好ましくは80μm以下であり、より好ましくは60μm以下であり、さらに好ましくは40μm以下であり、なおさらに好ましくは30μm以下であり、また、通常5μm以上であり、好ましくは10μm以上である。
熱可塑性樹脂フィルム上にハードコート層が形成されていてもよい。ハードコート層は、熱可塑性樹脂フィルムの一方の面に形成されていてもよいし、両面に形成されていてもよい。ハードコート層を設けることにより、硬度及び耐スクラッチ性を向上させた熱可塑性樹脂フィルムとすることができる。
ハードコート層は、例えば活性エネルギー線硬化型樹脂、好ましくは紫外線硬化型樹脂の硬化層である。紫外線硬化型樹脂としては、例えば(メタ)アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アミド系樹脂、エポキシ系樹脂等が挙げられる。ハードコート層は、強度を向上させるために、添加剤を含んでいてもよい。添加剤は特に限定されず、無機系微粒子、有機系微粒子又はこれらの混合物が挙げられる。
液晶硬化層である直線偏光子を形成するために用いる重合性液晶化合物は、重合性反応基を有し、かつ、液晶性を示す化合物である。重合性反応基は、重合反応に関与する基であり、光重合性反応基であることが好ましい。光重合性反応基は、光重合開始剤から発生した活性ラジカルや酸等によって重合反応に関与し得る基をいう。光重合性反応基としては、ビニル基、ビニルオキシ基、1-クロロビニル基、イソプロペニル基、4-ビニルフェニル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、オキシラニル基、オキセタニル基等が挙げられる。中でも、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニルオキシ基、オキシラニル基及びオキセタニル基が好ましく、アクリロイルオキシ基がより好ましい。重合性液晶化合物の種類は特に限定されず、棒状液晶化合物、円盤状液晶化合物、及び、これらの混合物を用いることができる。重合性液晶化合物の液晶性は、サーモトロピック性液晶でもリオトロピック性液晶でもよく、サーモトロピック液晶を秩序度で分類すると、ネマチック液晶でもスメクチック液晶でもよい。
液晶硬化層において、二色性色素は、重合性液晶化合物の硬化物中に分散し、配向している。液晶硬化層である直線偏光子に用いられる二色性色素としては、300nm以上700nm以下の範囲に吸収極大波長を有するものが好ましい。このような二色性色素としては、例えば、アクリジン色素、オキサジン色素、シアニン色素、ナフタレン色素、アゾ色素、及び、アントラキノン色素等が挙げられ、中でもアゾ色素が好ましい。アゾ色素としては、モノアゾ色素、ビスアゾ色素、トリスアゾ色素、テトラキスアゾ色素、及び、スチルベンアゾ色素等が挙げられ、好ましくはビスアゾ色素、及び、トリスアゾ色素である。二色性色素は単独でも、2種以上を組み合わせてもよく、3種以上を組み合わせることが好ましい。特に、3種以上のアゾ化合物を組み合わせることがより好ましい。二色性色素の一部が反応性基を有していてもよく、また液晶性を有していてもよい。
液晶硬化層である直線偏光子は、例えば、基材層上に形成した配向膜上に、重合性液晶化合物及び二色性色素を含む直線偏光子形成用組成物を塗布し、重合性液晶化合物を重合して硬化させることによって形成することができる。基材層上に、直線偏光子形成用組成物を塗布して塗膜を形成し、この塗膜を基材層とともに延伸することによって、直線偏光子を形成してもよい。直線偏光子を形成するために用いる基材層は、直線偏光子の保護フィルムとして用いてもよい。基材層の材料及び厚みは、上述した熱可塑性樹脂フィルムの材料及び厚みと同様であってよい。
重合性液晶化合物及び二色性色素を含む直線偏光子形成用組成物、並びに、この組成物を用いた直線偏光子の製造方法としては、特開2013-37353号公報、特開2013-33249号公報、特開2017-83843号公報等に記載のものを例示することができる。直線偏光子形成用組成物は、重合性液晶化合物及び二色性色素に加えて、溶媒、重合開始剤、架橋剤、レベリング剤、酸化防止剤、可塑剤、増感剤等の添加剤をさらに含んでいてもよい。これらの成分は、それぞれ1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
直線偏光子形成用組成物が含有していてもよい重合開始剤は、重合性液晶化合物の重合反応を開始し得る化合物であり、より低温条件下で、重合反応を開始できる点で、光重合性開始剤が好ましい。具体的には、光の作用により活性ラジカル又は酸を発生できる光重合開始剤が挙げられ、中でも、光の作用によりラジカルを発生する光重合開始剤が好ましい。重合開始剤の含有量は、重合性液晶化合物の総量100質量部に対して、好ましくは1質量部以上10質量部以下、より好ましくは3質量部以上8質量部以下である。この範囲内であると、重合性基の反応が十分に進行し、かつ、液晶化合物の配向状態を安定化させやすい。
液晶硬化層である直線偏光子の厚みは、通常10μm以下であり、好ましくは0.5μm以上8μm以下、より好ましくは1μm以上5μm以下である。
光学積層体は、液晶硬化層である直線偏光子が形成される上述の基材層を含んでいてもよい。該基材層は、光学機能層(A)に含まれる上述の熱可塑性樹脂フィルム又は直線偏光子の保護フィルムであり得る。あるいは基材層は、直線偏光子から剥離除去されてもよい。光学積層体は、上述の配向膜を有していてもよいし、有していなくてもよい。
液晶硬化層である直線偏光子は、直線偏光子の保護等を目的として、その片面又は両面にオーバーコート層を有していてもよい。オーバーコート層は、例えば直線偏光子上にオーバーコート層を形成するための組成物を塗布することによって形成することができる。オーバーコート層を構成する材料としては、例えば光硬化型樹脂、水溶性ポリマー等が挙げられ、具体的には、(メタ)アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂等を用いることができる。
直線偏光子の視感度補正偏光度Pyは、通常95%以上であり、好ましくは97%以上、より好ましくは98%以上、さらに好ましくは98.7%以上、なおさらに好ましくは99.0%以上、特に好ましくは99.4%以上であり、99.9%以上であってもよい。直線偏光子の視感度補正偏光度Pyは、99.999%以下又は99.99%以下であってもよい。
視感度補正偏光度Pyは、積分球付き分光光度計(日本分光株式会社製の「V7100」)を用いて、得られた偏光度に対して「JIS Z 8701」の2度視野(C光源)により視感度補正を行うことで算出することができる。
直線偏光子の視感度補正偏光度Pyを高くすることは、光学積層体の反射防止機能を高めるうえで有利である。視感度補正偏光度Pyが95%未満であると、反射防止機能を果たせないことがある。
直線偏光子の視感度補正単体透過率Tyは、通常41%以上であり、好ましくは41.1%以上、より好ましくは41.2%以上であり、42%以上であってもよく、42.5%以上であってもよい。直線偏光子の視感度補正単体透過率Tyは、通常50%以下であり、48%以下であってもよく、46%以下であってもよく、44%以下であってもよく、43%以下であってもよい。視感度補正単体透過率Tyが過度に高いと視感度補正偏光度Pyが低くなりすぎて、光学積層体の反射防止機能が不十分となることがある。
視感度補正単体透過率Tyは、積分球付き分光光度計(日本分光株式会社製の「V7100」)を用いて、得られた透過率に対して「JIS Z 8701」の2度視野(C光源)により視感度補正を行うことで算出することができる。
直線偏光子は、直交色相a*は-5~5の範囲であることが好ましく、より好ましくは、-3~3の範囲である。また、直交色相b*は-10~10の範囲であることが好ましく、より好ましくは-5~5の範囲、さらに好ましくは-3~3の範囲である。積分球付き分光光度計(日本分光株式会社製の「V7100」)を用いて、得られた透過率に対してC光源の等色関数を用いて、L*a*b*(CIE)表色系における色度a*及びb*を算出することで、直線偏光子単体の色相(単体色相)、直線偏光子を平行配置した色相(平行色相)、直線偏光子を直交配置した色相(直交色相)が得られる。
(3)位相差層
光学積層体は、第1位相差層3aを有する位相差層3を含む。直線偏光子2と第1位相差層3aとは、第2貼合層20を介して積層することができる。直線偏光子2における視認側とは反対側に保護フィルムが積層されている場合には、該保護フィルムと第1位相差層3aとを第2貼合層20を介して積層することができる。
位相差層3は、第1位相差層3aのみを有していてもよいし、2層以上の位相差層からなる積層構造であってもよい。すなわち、位相差層3は、第1位相差層3aとは別の位相差層を1層以上含んでいてもよい。位相差層3は、その表面を保護するオーバーコート層、位相差層3を支持する基材層等を有していてもよい。
第1位相差層3aは、例えばλ/4層である。位相差層3が2層の位相差層を含む場合、該層の位相差層の組み合わせとしては、直線偏光板2側から順に、λ/4層とポジティブC層との組み合わせ、λ/2層とλ/4層との組み合わせ、ポジティブC層とλ/4層との組み合わせが挙げられる。位相差層同士の積層には後述する貼合層(第5貼合層)を用いることができる。
λ/4層は、波長550nmにおける面内位相差値Re(550)が、通常90nm以上220nm以下の範囲であり、好ましくは100nm以上200nm以下の範囲である。λ/2層は、波長550nmにおける面内位相差値Re(550)が、好ましくは100nm以上300nm以下、より好ましくは150nm以上300nm以下、さらに好ましくは200nm以上300nm以下の範囲である。また、ポジティブC層は、波長550nmにおける厚み方向の位相差値Rth(550)が、通常-170nm以上-10nm以下の範囲であり、好ましくは-150nm以上-20nm以下の範囲である。
位相差層3は逆波長分散性を有し、中でも、波長分散αが0.80以上0.88以下であることが好ましい。これにより、上述の内部反射を効果的に抑制することができる。
波長分散αとは、波長450nmにおける面内位相差値Re(450)と波長550nmにおける面内位相差値Re(550)との比である。
波長分散α=面内位相差値Re(450)/面内位相差値Re(550)
第1位相差層3a及び他の位相差層は、上述する熱可塑性樹脂フィルムから延伸等により形成される位相差フィルムであってもよいし、液晶硬化層であってもよい。液晶硬化層は、重合性液晶化合物が配向状態で重合硬化した硬化物層である。位相差層3は、液晶硬化層を1層以上含むことができ、2層又はそれ以上の層を含んでいてもよい。
重合性液晶化合物としては、棒状の重合性液晶化合物及び円盤状の重合性液晶化合物が挙げられ、これらのうちの一方を用いてもよく、これらの両方を含む混合物を用いてもよい。棒状の重合性液晶化合物が基材層に対して水平配向又は垂直配向した場合は、該重合性液晶化合物の光軸は、該重合性液晶化合物の長軸方向と一致する。円盤状の重合性液晶化合物が配向した場合は、該重合性液晶化合物の光軸は、該重合性液晶化合物の円盤面に対して直交する方向に存在する。
重合性液晶化合物を重合することによって形成される液晶硬化層が面内位相差を発現するためには、重合性液晶化合物を適した方向に配向させればよい。重合性液晶化合物が棒状の場合は、該重合性液晶化合物の光軸を基材層平面に対して水平に配向させることで面内位相差が発現し、この場合、光軸方向と遅相軸方向とは一致する。重合性液晶化合物が円盤状の場合は、該重合性液晶化合物の光軸を基材層平面に対して水平に配向させることで面内位相差が発現し、この場合、光軸と遅相軸とは直交する。重合性液晶化合物の配向状態は、配向層と重合性液晶化合物との組み合わせによって調整することができる。
重合性液晶化合物は、少なくとも1つの重合性反応基を有し、かつ、液晶性を有する化合物である。重合性液晶化合物を2種類以上併用する場合、少なくとも1種類が分子内に2以上の重合性反応基を有することが好ましい。重合性反応基は、重合反応に関与する基であり、光重合性反応基であることが好ましい。光重合性反応基は、光重合開始剤から発生した活性ラジカルや酸等によって重合反応に関与し得る基をいう。光重合性反応基の例は上述のものと同様である。重合性液晶化合物が有する液晶性は、サーモトロピック性液晶でもリオトロピック液晶でもよく、サーモトロピック液晶を秩序度で分類すると、ネマチック液晶でもスメクチック液晶でもよい。
光学積層体は、位相差層に隣接する配向層を含んでいてもよい。配向層は、重合性液晶化合物を所望の方向に配向させる配向規制力を有する。配向層は、重合性液晶化合物の分子軸を基材層に対して垂直配向した垂直配向層であってもよく、重合性液晶化合物の分子軸を基材層に対して水平配向した水平配向層であってもよく、重合性液晶化合物の分子軸を基材層に対して傾斜配向させる傾斜配向層であってもよい。
液晶硬化層の厚みは、0.1μm以上であってもよく、0.5μm以上であってもよく、1μm以上であってもよく、2μm以上であってもよく、また、10μm以下であることが好ましく、8μm以下であってもよく、5μm以下であってもよい。
液晶硬化層は、基材層上に、重合性液晶化合物を含む液晶層形成用組成物を塗布、乾燥し、重合性液晶化合物を重合させることによって形成することができる。液晶層形成用組成物は、基材層上に形成された配向層上に塗布してもよい。基材層の材料及び厚みは、上述する熱可塑性樹脂フィルムの材料及び厚みと同様であってよい。基材層は、液晶硬化層である位相差層とともに光学積層体に組み込まれてもよく、基材層を剥離して、液晶硬化層のみ、又は、該液晶硬化層及び配向層が光学積層体に組み込まれてもよい。
(4)粘着剤層
図2は、本発明に係る光学積層体の他の一例を示す概略断面図である。図2に示される光学積層体は、光学機能層(A)1と、第1貼合層10と、直線偏光子2と、第2貼合層20と、逆波長分散性を有する位相差層3と、粘着剤層50とを備える。粘着剤層50は、光学積層体の視認側(光学機能層(A)1側)とは反対側の面に積層することができ、有機EL表示素子等の画像表示素子への光学積層体の貼合に用いることができる。
図2に示される光学積層体において、光学機能層(A)1は、視認側から順に、高屈折率層1a、基材フィルム1b、第3貼合層30及び熱可塑性樹脂フィルム11を備える。直線偏光子2における視認側とは反対側には、第4貼合層40を介して保護フィルム12が積層されている。第3貼合層30及び熱可塑性樹脂フィルム11は省略されてもよい。第4貼合層40及び保護フィルム12は省略されてもよい。
図2に示される光学積層体において、位相差層3は、第1位相差層3a及び第2位相差層3bを備える。第1位相差層3aと第2位相差層3bとは、第5貼合層3cにより貼合されている。ただし、第5貼合層3c及び第2位相差層3bは省略されてもよい。
粘着剤層50の厚みは、例えば250μm以下であってよく、薄型化の観点から好ましくは100μm以下であり、より好ましくは50μm以下であり、さらに好ましくは40μm以下である。該粘着剤層の厚みの下限値は、耐久性の観点からは、例えば1μm以上であってよく、好ましくは5μm以上であり、より好ましくは10μm以上である。
粘着剤層50は、(メタ)アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ウレタン系樹脂、エステル系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂を主成分とする粘着剤組成物から構成することができる。中でも、透明性、耐候性、耐熱性等に優れる(メタ)アクリル系樹脂をベースポリマーとする粘着剤組成物が好適である。粘着剤組成物は、活性エネルギー線硬化型又は熱硬化型であってもよい。
粘着剤組成物に用いられる(メタ)アクリル系樹脂(ベースポリマー)としては、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステルの1種又は2種以上をモノマーとする重合体又は共重合体が好適に用いられる。ベースポリマーには、極性モノマーを共重合させることが好ましい。極性モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の、カルボキシル基、水酸基、アミド基、アミノ基、エポキシ基等を有するモノマーが挙げられる。
粘着剤組成物は、上記ベースポリマーのみを含むものであってもよいが、通常は架橋剤をさらに含有する。架橋剤としては、2価以上の金属イオンであって、カルボキシル基との間でカルボン酸金属塩を形成する金属イオン、カルボキシル基との間でアミド結合を形成するポリアミン化合物、カルボキシル基との間でエステル結合を形成するポリエポキシ化合物又はポリオール、カルボキシル基との間でアミド結合を形成するポリイソシアネート化合物が挙げられる。中でも、ポリイソシアネート化合物が好ましい。
粘着剤層50は、光選択吸収剤を含むものであってもよい。光選択吸収剤は、例えば、可視光の短波長帯域である波長390~430nmの波長帯域に極大吸収波長を有する。ここで、本実施形態において「可視光」とは、390nm~830nmの範囲に含まれる波長の光である。このような光選択吸収剤としては、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シアノアクリレート系化合物、トリアジン系化合物、ニッケル錯塩系化合物等が挙げられる。
その他、波長390~430nmの波長帯域に極大吸収波長を有する化合物を公知の方法で合成し、光選択吸収剤として用いることができる。このような色素は、例えば、特開2017-120430号公報に記載の光選択吸収性化合物として知られている化合物を用いることができる。
粘着剤層50は、下記式(1)を満たす粘着剤層であってもよい。
A(410) ≧ 0.1 (1)
[式(1)中、A(410)は波長410nmにおける吸光度を表す。]
A(410)の値が大きいほど波長410nmにおける光吸収が高いことを表す。A(410)の値が0.1未満であると波長410nmにおける光吸収が低く、400nm付近の光により有機EL表示素子及び液晶硬化層である位相差層の劣化が起こりやすい。A(410)の値は、好ましくは0.3以上であり、より好ましくは0.8以上であり、特に好ましくは1.0以上である。上限は特にないが、通常は10以下である。
上述のように粘着剤層50が光選択吸収剤を含み、光選択吸収性能を有する場合、反射色相が黒表示(円偏光板の反射色相をニュートラルにすること)に近づくため、わずかな光漏れが視認されやすくなる。したがって、光学機能層(A)を有し、わずかな光漏れを視認しにくくすることができる本発明に係る光学積層体は、光選択吸収性能を有する層を含む場合においても有利である。なお、光吸収性能は、粘着剤層だけでなく、樹脂層あるいはハードコート層、貼合層等に付与することができる。上述の光選択吸収剤は、樹脂層あるいはハードコート層、貼合層等に含まれていてもよい。
活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物は、紫外線や電子線のような活性エネルギー線の照射を受けて硬化する性質を有しており、活性エネルギー線照射前においても粘着性を有してフィルム等の被着体に密着させることができ、活性エネルギー線の照射によって硬化して密着力の調整ができる性質を有する。活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物は、紫外線硬化型であることが好ましい。活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物は、ベースポリマー、架橋剤に加えて、活性エネルギー線重合性化合物をさらに含有する。必要に応じて、光重合開始剤、光増感剤等を含有させてもよい。
(5)セパレートフィルム
図3に示されるように、光学積層体は、粘着剤層50の外表面(第2位相差層3bとは反対側の表面)を保護するためのセパレートフィルム60を備えることができる。図3に示される光学積層体は、セパレートフィルム60を有すること以外は図2に示される光学積層体と同様の層構成を有する。セパレートフィルム60は通常、片面にシリコーン系、フッ素系等の離型剤などによる離型処理が施された熱可塑性樹脂フィルムで構成され、その離型処理面が粘着剤層50に貼り合わされる。
セパレートフィルム60を構成する熱可塑性樹脂は、例えばポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン等のポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂等である。セパレートフィルム60の厚みは、例えば10μm以上50μm以下である。
(6)プロテクトフィルム
図4に示されるように、光学積層体は、光学機能層(A)1側の面に積層されるプロテクトフィルム70を含んでいてもよい。図4に示される光学積層体は、プロテクトフィルム70を有すること以外は図3に示される光学積層体と同様の層構成を有する。プロテクトフィルム70は、例えば、基材フィルムとその上に積層される粘着剤層とで構成される。粘着剤層については上述の記載が引用される。基材フィルムを構成する樹脂は、例えば、ポリエチレンのようなポリエチレン系樹脂、ポリプロピレンのようなポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートのようなポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等の熱可塑性樹脂であることができる。好ましくは、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂である。
(7)前面板
図5に示されるように、光学機能層(A)1は、前面板90をさらに含むことができる。前面板90は通常、光学積層体における視認側の最表面に配置される。前面板90は、例えば、高屈折率層1aの視認側の面に第6貼合層80を介して積層することができる。この場合、光学機能層(A)1は、第6貼合層80及び前面板90を含む。図5に示される光学積層体は、第6貼合層80及び前面板90を有すること以外は図3に示される光学積層体と同様の層構成を有する。
前面板90は、光を透過可能な板状体であれば、材料及び厚みは限定されない。前面板90は、1層のみから構成されてよく、2層以上から構成されてもよい。前面板90としては、樹脂製の板状体(例えば樹脂板、樹脂シート、樹脂フィルム等)、ガラス製の板状体(例えばガラス板、ガラスフィルム等)、樹脂製の板状体とガラス製の板状体との積層体が挙げられる。前面板は、表示装置の最表面を構成することができる。
前面板90の厚みは、例えば1000μm以下であり、好ましくは800μm以下である。該厚みは、通常10μm以上であり、好ましくは20μm以上である。
樹脂製の板状体を構成する樹脂としては、例えばトリアセチルセルロース、アセチルセルロースブチレート、エチレン-酢酸ビニル共重合体、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ポリエステル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリ(メタ)アクリル、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリメチルメタアクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアミドイミド等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で又は2種以上混合して用いることができる。強度及び透明性向上の観点から、樹脂製の板状体は、好ましくは、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等で形成される熱可塑性樹脂フィルムである。
硬度の観点から、前面板90は、ハードコート層を備えた熱可塑性樹脂フィルムであってもよい。ハードコート層は、熱可塑性樹脂フィルムの一方の面に形成されていてもよいし、両面に形成されていてもよい。ハードコート層を設けることにより、硬度及び耐スクラッチ性を向上させることができる。ハードコート層については、熱可塑性樹脂フィルム上に形成することができるハードコート層についての上述の記載が引用される。
前面板90がガラス板である場合、ガラス板は、ディスプレイ用強化ガラスが好ましく用いられる。ガラス板の厚みは、例えば10μm以上1000μm以下であってよく、10μm以上800μm以下であってもよい。ガラス板を用いることにより、優れた機械的強度及び表面硬度を有する前面板を構成することができる。
前面板90は、剛性が高いことが好ましく、例えばヤング率が70GPa以上であり、80GPa以上であってもよい。前面板90のヤング率は、通常100GPa以下である。ヤング率は次のようにして測定できる。長辺110mm×短辺10mmの前面板60の測定用サンプルをスーパーカッタを用いて切り出す。次いで、引張試験機(株式会社島津製作所製、オートグラフ AG-Xplus試験機)の上下つかみ具で、つかみ具の間隔が5cmとなるように上記測定用サンプルの長辺方向両端を挟み、温度23℃、相対湿度55%の環境下、引張速度4mm/分で測定用サンプルの長さ方向に引張り、得られる応力-ひずみ曲線における20~40MPa間の直線の傾きから、温度23℃、相対湿度55%でのヤング率を算出できる。
光学機能層(A)1が高屈折率層1aの視認側の面に第6貼合層80を介して積層される前面板90を含む場合、わずかな光漏れを視認しにくくする観点から、第6貼合層80の波長550nmにおける屈折率は好ましくは1.45以上1.51以下、より好ましくは1.46以上1.50以下であり、前面板90の波長550nmにおける屈折率は好ましくは1.49以上1.52以下、より好ましくは1.50以上1.52以下である。第6貼合層80は、好ましくは粘着剤層である。
光学積層体が画像表示装置に適用される場合、前面板90は、画像表示装置の前面(画面)を保護する機能(ウィンドウフィルムとしての機能)を有するのみではなく、タッチセンサとしての機能、ブルーライトカット機能、視野角調整機能等を有するものであってもよい。
(8)貼合層
光学積層体は、2つの層(又はフィルム)を接合するための貼合層を含むことができる。貼合層としては、光学機能層(A)1と直線偏光子2とを貼合する第1貼合層10、直線偏光子2(又は保護フィルム12)と位相差層3とを貼合する第2貼合層20、基材フィルム1bと熱可塑性樹脂フィルム11とを貼合する第3貼合層30、直線偏光子2と保護フィルム12とを貼合する第4貼合層40、第1位相差層3aと第2位相差層3bとを貼合する第5貼合層3c、前面板90を貼合するための第6貼合層80等が挙げられる。
貼合層は、粘着剤組成物から構成される粘着剤層又は接着剤組成物から構成される接着剤層である。粘着剤組成物及び粘着剤層については、上記(4)の記載が引用される。
接着剤組成物としては、例えば、水系接着剤、活性エネルギー線硬化型接着剤等が挙げられる。水系接着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液、水系二液型ウレタン系エマルジョン接着剤等が挙げられる。活性エネルギー線硬化型接着剤は、紫外線等の活性エネルギー線を照射することによって硬化する接着剤であり、例えば重合性化合物及び光重合性開始剤を含む接着剤、光反応性樹脂を含む接着剤、バインダー樹脂及び光反応性架橋剤を含む接着剤等が挙げられる。上記重合性化合物としては、光硬化性エポキシ系モノマー、光硬化性(メタ)アクリル系モノマー、光硬化性ウレタン系モノマー等の光重合性モノマー、及びこれらモノマーに由来するオリゴマー等が挙げられる。上記光重合開始剤としては、紫外線等の活性エネルギー線を照射して中性ラジカル、アニオンラジカル、カチオンラジカル等の活性種を発生する物質を含む化合物が挙げられる。
接着剤組成物から構成される貼合層の厚みは、例えば0.1μm以上であってよく、好ましくは0.5μm以上、1μm以上又は2μm以上であり、100μm以下、50μm以下、25μm以下、15μm以下又は5μm以下であってもよい。
貼合層を介して貼合される対向する二つの表面は、予めコロナ処理、プラズマ処理、火炎処理等の表面活性化処理を行ってもよい。
<画像表示装置>
本発明に係る画像表示装置は、本発明に係る光学積層体と、画像表示素子(有機EL表示素子等)とを含む。光学積層体は、画像表示素子の視認側に配置される。粘着剤層50を用いて、光学積層体を画像表示素子に貼合することができる。
図6は、本発明に係る画像表示装置の一例を示す概略断面図である。図6では、光学積層体の一例として図5に示される光学積層体が用いられている。光学積層体は、その粘着剤層50を用いて画像表示素子100に貼合されている。光学積層体における粘着剤層50とは反対側の面(視認側の最表面)には、第6貼合層80を介して前面板90が積層されている。
画像表示装置は特に限定されず、例えば有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)表示装置、無機エレクトロルミネッセンス(無機EL)表示装置、液晶表示装置、電界発光表示装置等の画像表示装置が挙げられる。
画像表示装置は、スマートフォン、タブレット等のモバイル機器、テレビ、デジタルフォトフレーム、電子看板、測定器または計器類、事務用機器、医療機器、電算機器等として用いることができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
[測定]
(1)光学機能層の反射率
光学機能層の反射率R(450)及び反射率R(550)は、コニカミノルタ社製の「Cm2600d」を用いて測定した。測定の際には、光学機能層における光を入射させる面とは反対側の面に粘着剤層を介して黒色アクリル板(株式会社カナセ製の「カナセライト1410」)を貼合した。
(2)屈折率及び光学膜厚
フィルム及び層の波長550nmにおける屈折率は、次のようにして測定した。島津製作所製の分光光度計「MPC-2200」を用いて、可視光域の反射率を測定した。測定の際には、測定面の裏面側に粘着剤層を介して黒色アクリル板(株式会社カナセ製の「カナセライト1410」)を貼合した。得られた反射スペクトルについて、薄膜干渉スペクトルの計算式から算出したスペクトルの特に波長550nmの反射率を合わせるようにスペクトルフィッティングを行い、波長550nmにおける屈折率と光学膜厚を算出した。ただし、積層体B-1について、高屈折率層の波長550nmにおける屈折率及び光学膜厚は、下記する方法で測定した。
(3)位相差層の位相差特性
位相差層の位相差特性は、王子計測機器株式会社の「KOBRA-WPR」を使用して測定した。
以下、本実施例及び比較例において、積層体A-1~A-5、B-1及びB-2から得られた光学積層体における光学機能層を、それぞれ光学機能層A-1’~A-5’、B-1’及びB-2’と称する。
<製造例1:光学機能層の作製>
(1)高屈折率層形成用組成物の調製
以下の各実施例において高屈折率層形成用組成物は、それぞれ以下の手順で調製した。
光重合開始剤(BASF社製の「イルガキュア184」)と、希釈溶剤(メチルエチルケトン/プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート質量比=5/1)とを混合し、撹拌した。ここに紫外線硬化性樹脂(日本化薬社製の「KAYARAD-DPHA」)を加え、撹拌した。さらに、酸化ジルコニウム粒子分散液(CIKナノテック社製の「ZRMIBK15WT%-P03」、固形分15質量%、平均一次粒子径7.8nm)を加えて撹拌し、高屈折率層形成用組成物を調製した。
(2)積層体A-1~A-5の作製
基材フィルムとしての厚み40μmのトリアセチルセルロースフィルム(波長550nmにおける屈折率1.49。以下、「TACフィルム」ともいう。)上に、バーコーターを用いて、高屈折率層形成用組成物を塗布し、乾燥し、紫外線照射して、基材フィルムと表1に示される光学膜厚を有する高屈折率層とからなる積層体A-1を作製した。同様にしてTACフィルム上に、それぞれ高屈折率層形成用組成物を塗布し、乾燥し、紫外線照射して、積層体A-2~積層体A-5を作製した。高屈折率層の波長550nmにおける屈折率及び光学膜厚を併せて表1に示す。
(3)光学機能層A-1’~A-5’の作製
積層体A-1における高屈折率層とは反対側の面(つまり、基材フィルム側の面)に粘着剤層(波長550nmにおける屈折率1.47)を介して、ハードコート層付き環状ポリオレフィン系樹脂フィルム(HC-COP)[波長590nmにおける面内位相差値Re:100nm、HC層の厚み:3μm]を貼合した。さらに、積層体A-1の高屈折率層の上に、粘着剤層(波長550nmにおける屈折率1.47、ヘイズ0.2%)を積層した。粘着剤層に無アルカリガラス板(波長550nmにおける屈折率1.51)を貼合して、ガラス板/粘着剤層/高屈折率層/基材フィルム/粘着剤層/HC-COPからなる光学機能層A-1’を得た。
積層体A-2を用いること以外は上記と同様にして光学機能層A-2’を得た。
積層体A-3を用いること以外は上記と同様にして光学機能層A-3’を得た。
積層体A-4を用いること以外は上記と同様にして光学機能層A-4’を得た。
積層体A-5を用いること以外は上記と同様にして光学機能層A-5’を得た。
(4)光学機能層A-2’’~A-5’’の作製
積層体A-2における高屈折率層とは反対側の面(つまり、基材フィルム側の面)に粘着剤層(波長550nmにおける屈折率1.47)を介して、ハードコート(HC)層付き環状ポリオレフィン系樹脂フィルム(HC-COP)を貼合して、高屈折率層/基材フィルム/粘着剤層/HC-COPからなる光学機能層A-2’’を得た。
積層体A-3を用いること以外は上記と同様にして光学機能層A-3’’を得た。
積層体A-4を用いること以外は上記と同様にして光学機能層A-4’’を得た。
積層体A-5を用いること以外は上記と同様にして光学機能層A-5’’を得た。
(5)光学機能層B-1’’の作製
積層体B-1として、住化アクリル販売株式会社製の「テクノロイC000」(ポリカーボネート樹脂フィルム、全体の厚み:75μm)を使用した(単層フィルムであるが便宜上、積層体B-1と称する)。積層体B-1の波長550nmにおける屈折率及び光学膜厚を併せて表1に示す。光学膜厚は、接触式の厚み計を用いて測定した。屈折率はJIS K7142に準拠して測定した。
積層体B-1の片面に粘着剤層(波長550nmにおける屈折率1.47)を介して、ハードコート層付き環状ポリオレフィン系樹脂フィルム(HC-COP)を貼合して、積層体B-1/粘着剤層/HC-COPからなる光学機能層B-1’’を得た。
(6)光学機能層B-2’’の作製
基材フィルムとしての厚み40μmのTACフィルム(波長550nmにおける屈折率1.49)上に、バーコーターを用いて、高屈折率層形成用組成物を塗布し、乾燥し、紫外線照射して、基材フィルムと表1に示される光学膜厚を有する高屈折率層とからなる積層体B-2を作製した。高屈折率層の波長550nmにおける屈折率及び光学膜厚を併せて表1に示す。
積層体B-2の片面に粘着剤層(波長550nmにおける屈折率1.47)を介して、ハードコート層付き環状ポリオレフィン系樹脂フィルム(HC-COP)を貼合して、積層体B-2/粘着剤層/HC-COPからなる光学機能層B-2’’を得た。
Figure 2023053913000002
各光学機能層の反射率R(450)、反射率R(550)及び反射率R(630)、並びに、反射率比(反射率R(450)/反射率R(550))は表2に示されるとおりであった。
Figure 2023053913000003
<製造例2:直線偏光板の作製>
(1)直線偏光子の作製
厚み20μmのポリビニルアルコール系樹脂フィルム(平均重合度約2400、ケン化度99.9モル%以上)を乾式延伸により約5倍に縦一軸延伸し、さらに緊張状態を保ったまま、温度60℃の純水に1分間浸漬した後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の質量比が0.05/5/100である温度28℃の水溶液に60秒間浸漬した。その後、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の質量比が8.5/8.5/100である温度72℃の水溶液に300秒間浸漬した。引き続き温度26℃の純水で20秒間洗浄した後、温度65℃で乾燥処理を行って、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムにヨウ素が吸着配向している、厚み8μmの直線偏光子を得た。得られた直線偏光子の視感度補正単体透過率Tyは42.5%、視感度補正偏光度Pyは99.99%、直交色相a*は0.1、直交色相b*は-0.3であった。
(2)水系接着剤の調製
水100質量部に対し、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール〔株式会社クラレ製の「KL-318」〕を3質量部溶解して、ポリビニルアルコール水溶液を調製した。得られた水溶液に水溶性ポリアミドエポキシ樹脂(田岡化学工業株式会社製の「スミレーズレジン650(30)」、固形分濃度30質量%)を、水100質量部に対し、1.5質量部の割合で混合して、水系接着剤を得た。
(3)直線偏光板の作製
上記で得られた直線偏光子の一方の面に、上記で得られた水系接着剤を塗布し、ハードコート(HC)層付き環状ポリオレフィン系樹脂フィルム(HC-COP)を積層し、直線偏光子の他方の面に、上記で得られた水系接着剤を塗布し、TACフィルムを積層して、温度80℃で5分間乾燥することにより、直線偏光子の両面に保護フィルムを有する直線偏光板を得た。直線偏光板の層構造は、HC-COP/水系接着剤層/直線偏光子/水系接着剤層/TACフィルムである。直線偏光板のHC層上に、基材フィルム上に粘着剤層を有するプロテクトフィルムを積層し、プロテクトフィルム付き直線偏光板(以下、「PF付き直線偏光板」ともいう。)を得た。
なお、本直線偏光板において、水系接着剤層の反射率は有意な値として測定されない。
<製造例3:位相差層積層体の作製>
(1)第1位相差層の作製
透明樹脂からなる第1基材層上に配向層を形成し、棒状のネマチック重合性液晶化合物を含む第1位相差層形成用組成物を塗布し、第1基材層付き第1位相差層を作製した。第1位相差層はλ/4層であった。第1位相差層の厚みは2μmであった。第1位相差層の波長分散α〔面内位相差値Re(450)/面内位相差値Re(550)〕は0.85であり、Re(550)は142nm(面内12箇所の平均値)であった。
また、第1位相差層について、140mm×70mmに切り出し、第1位相差層の面内位相差値の面内12箇所測定を実施した。面内位相差値Re(550)のバラツキを測定・算出したところ、最大が143nmで、最小が141nmであった。最大と最小との差は2nmであった。第1位相差層の作製について、詳細を以下に示す。
[配向層形成用組成物(X)の調製]
下記構造の光配向性材料(重量平均分子量:50000、m:n=50:50)は特開2021-196514号公報に記載の方法に準じて製造した。光配向性材料2質量部とシクロペンタノン(溶剤)98質量部とを成分として混合し、得られた混合物を80℃で1時間攪拌することにより、配向層形成用組成物(X)を調製した。
光配向性材料:
Figure 2023053913000004
[ネマチック重合性液晶化合物の製造]
下記に示す構造を有する重合性液晶化合物(A1)及び重合性液晶化合物(A2)を、それぞれ調製した。重合性液晶化合物(A1)は、特開2019-003177号公報に記載の方法と同様に準備した。重合性液晶化合物(A2)は、特開2009-173893号公報に記載の方法と同様に準備した。
重合性液晶化合物(A1):
Figure 2023053913000005
重合性液晶化合物(A2):
Figure 2023053913000006
クロロホルム10mLに重合性液晶化合物(A1)1mgを溶解させて溶液を得た。得られた溶液を光路長1cmの測定用セルに測定用試料を入れ、測定用試料を紫外可視分光光度計(株式会社島津製作所製「UV-2450」)にセットして吸収スペクトルを測定した。得られた吸収スペクトルから極大吸収度となる波長を読み取ったところ、波長300~400nmの範囲における極大吸収波長λmaxは356nmであった。
[第1位相差層形成用組成物(Y)の調製]
重合性液晶化合物(A1)及び重合性液晶化合物(A2)を質量比93:7で混合し、混合物を得た。得られた混合物100質量部に対して、レベリング剤「BYK-361N」(BM Chemie社製)0.1質量部と、光重合開始剤として「イルガキュアOXE-03」(BASFジャパン株式会社製)3質量部を添加した。さらに、固形分濃度が13質量%となるようにN-メチル-2-ピロリドン(NMP)を添加した。この混合物を温度80℃で1時間撹拌することにより、第1位相差層形成用組成物(Y)を調製した。
[第1位相差層の作製]
第1基材層としての二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(ダイアホイル 三菱樹脂(株)製)に、上記配向層形成用組成物(X)をバーコーターにより塗布した。得られた塗布膜を120℃で2分間乾燥させた後、室温まで冷却して乾燥被膜を形成した。その後、UV照射装置(SPOT CURE SP-9;ウシオ電機株式会社製)を用いて、偏光紫外光100mJ(313nm基準)を照射し、配向層を得た。日本分光株式会社製のエリプソメータ M-220を用いて測定した配向層の膜厚は100nmであった。
得られた配向層上に、上記第1位相差層形成用組成物(Y)をバーコーターにより塗布し、塗布膜を形成した。この塗布膜を120℃で2分間加熱乾燥後、室温まで冷却して乾燥被膜を得た。次いで、高圧水銀ランプ(ウシオ電機株式会社製「ユニキュアVB-15201BY-A」)を用いて、窒素雰囲気下にて露光量500mJ/cm(365nm基準)の紫外光を前記乾燥被膜に照射することにより、重合性液晶化合物が基材面内に対して水平方向に配向した状態で硬化した第1位相差層を形成し、第1基材層/配向層/第1位相差層(水平配向液晶硬化膜)からなる第1基材層付き第1位相差層を得た。オリンパス株式会社製のレーザー顕微鏡LEXT OLS4100を用いて測定した第1位相差層の膜厚は2.0μmであった。
(2)第2位相差層の作製
以下の方法により、第2基材層付き第2位相差層を作製した。
[第2位相差層形成用組成物(Y2)の調製]
重合性液晶化合物Paliocolor LC242(BASFジャパン社製)100質量部と、レベリング剤「BYK-361N」(BYK-Chemie社製)0.1質量部と、光重合開始剤「Omnirad907」(IGM Resin B.V.社製)2.5質量部を混合した。さらに、プロピレングリコール1-モノメチルエーテル2-アセテート(PGME)400質量部を添加し、得られた混合物を温度80℃で1時間撹拌することにより、第2位相差層形成用組成物(Y2)を調製した。
重合性液晶化合物LC242:
Figure 2023053913000007
[配向層形成用組成物(X2)の調製]
市販の配向性ポリマーであるサンエバーSE-610(日産化学工業株式会社製)に2-ブトキシエタノールを固形分量が1質量%になるよう加えて配向層形成用組成物(X2)を得た。
[第2位相差層の作製]
第2基材層として、シクロオレフィンポリマー(COP)(日本ゼオン株式会社製、ZF14)を用いて、その片面にコロナ処理装置(AGF-B10;春日電機株式会社製)を用いてコロナ処理を施し、その表面に配向層形成用組成物(X2)を、バーコーターを用いて塗布し、90℃で1分間乾燥した。得られた配向層の膜厚をレーザー顕微鏡で測定したところ、30nmであった。続いて、配向層上に第2位相差層形成用組成物(Y2)を、バーコーターを用いて塗布し、90℃で1分間乾燥した後、高圧水銀ランプ(ウシオ電機株式会社製「ユニキュアVB-15201BY-A」)を用いて、窒素雰囲気下にて露光量1000mJ/cm(365nm基準)の紫外光を前記乾燥被膜に照射することにより、第2基材層付き第2位相差層を得た。膜厚をレーザー顕微鏡で測定したところ、第2位相差層の膜厚は450nmであった。面内位相差値は、王子計測機器株式会社製のKOBRA-WRを用いて測定した。その結果、Re(550)=1nm、Rth(550)=-75nmであった。よって、第2基材層付き第2位相差層は、nx≒ny<nzで表される光学特性を有した。なお、COPの波長550nmにおける位相差値は略0であるため、当該光学特性には影響しない。
(3)紫外線硬化型接着剤の調製
以下に示すカチオン硬化性成分を混合し、紫外線硬化型接着剤を調製した。
3’,4’-エポキシシクロヘキシルメチル3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(商品名:CEL2021P、株式会社ダイセル製):70質量部
ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(商品名:EX-211、ナガセケムテックス株式会社製):20質量部
2-エチルヘキシルグリシジルエーテル(商品名:EX-121、ナガセケムテックス株式会社製):10質量部
カチオン重合開始剤(商品名:CPI-100、50%溶液、サンアプロ株式会社製):4.5質量部(実質固形分2.25質量部)
1,4-ジエトキシナフタレン:2.0質量部
(4)位相差層積層体の作製
第1基材層付き第1位相差層の位相差層側及び第2基材層付き第2位相差層の位相差層側に、それぞれコロナ処理を施した。一方のコロナ処理面に、調製した紫外線硬化性接着剤を塗布して、第1基材層付き第1位相差層と第2基材層付き第2位相差層とを貼り合わせた。第2基材層側から紫外線を照射して紫外線硬化型接着剤を硬化させて、接着剤層を形成した。硬化後の紫外線硬化型接着剤層の厚みは1.5μmであった。
<実施例1>
(1)光学積層体の作製
製造例2で得られた直線偏光板におけるTACフィルム側の表面に、光選択吸収剤を含有する粘着剤層(A(410)=1.10、厚み15μm)を貼合した。次に、製造例3で得られた位相差積層体の第1基材層を剥離除去し、露出した配向層上に、上記直線偏光板を、光選択吸収剤を含有する粘着剤層が接するように積層した。
ついで、直線偏光板のHC層上に、粘着剤層(貯蔵弾性率:25,500Pa、波長550nmにおける屈折率1.47、ヘイズ0.2%、光選択吸収剤を含有しない)を介して積層体A-1をTACフィルム側と接するように積層した。さらに、積層体A-1の高屈折率層の上に、粘着剤層(貯蔵弾性率:25,500Pa、波長550nmにおける屈折率1.47、ヘイズ0.2%、光選択吸収剤を含有しない)を積層した。粘着剤層に無アルカリガラス板(波長550nmにおける屈折率1.51)を貼合して、光学機能層A-1’を含む光学積層体を得た。
(2)反射特性の測定及び評価
コニカミノルタ社製の「Cm2600d」を用いて、上記(1)で得られた光学積層体の反射率Y及び反射色相a*及びb*を測定した。結果を表4に示す。測定の際には、光学積層体における光を入射させる面とは反対側の面(光学積層体における光学機能層とは反対側の面)に粘着剤層(貯蔵弾性率:25,500Pa、波長550nmにおける屈折率1.47、ヘイズ0.2%、光選択吸収剤を含有しない)を介してガラス板(厚み0.7mm、コーニング社製の「イーグルXG」)を貼合した。反射板(反射率:96%以上、拡散反射率:9%以下)の上に、上記で得られたガラス板付きの光学積層体を、光学機能層を上にして載せ、反射板/空気/ガラス板/光学積層体の層構成とした状態で測定を行った。光学積層体の反射率Yを下記の基準に従って評価した。結果を表4に示す。
A:反射率Yが6.0%未満である。
B:反射率Yが6.0%以上である。
(3)光漏れの測定及び評価
上記(1)で得られた光学積層体から第2基材層を剥離除去し、その露出面に反射板としてアルミホイル(株式会社UACJ製のアルミホイルである「マイホイル厚形50」、厚み20μm)を、その非光沢面側で積層した。蛍光灯下、光学積層体の視認側(アルミホイルとは反対側)から上方へ30cm離れた地点から、上述のわずかな光漏れの状態を目視で観察し、下記の基準に従って評価した。結果を表4に示す。
A:光漏れが視認されない。
B:光漏れが視認される。
<実施例2、3、5、6>
積層体A-1の代わりに、それぞれ積層体A-2、A-3、A-4、A-5を用いたこと以外は実施例1と同様にして、それぞれ光学機能層A-2’、A-3’、A-4’、A-5’を含む光学積層体を作製し、反射特性及び光漏れについて測定、評価した。結果を表4に示す。
<実施例4>
製造例2で得られた直線偏光板におけるTACフィルム側の表面に、光選択吸収剤を含有する粘着剤層(A(410)=1.10、厚み15μm)を貼合した。次に、製造例3で得られた位相差積層体の第1基材層を剥離除去し、露出した配向層上に、上記直線偏光板を、光選択吸収剤を含有する粘着剤層が接するように積層した。
ついで、直線偏光板のHC層上に、粘着剤層(貯蔵弾性率:25,500Pa、波長550nmにおける屈折率1.47、ヘイズ0.2%、光選択吸収剤を含有しない)を介して積層体A-3をTACフィルム側と接するように積層して、光学機能層A-3’’を含む光学積層体を得た。
<実施例7、8>
積層体A-3の代わりに、それぞれ積層体A-4、A-2を用いたこと以外は実施例4と同様にして、それぞれ光学機能層A-4’’、A-2’’を含む光学積層体を作製し、反射特性及び光漏れについて測定、評価した。結果を表4に示す。
<比較例1>
製造例2で得られた直線偏光板におけるTACフィルム側の表面に、光選択吸収剤を含有する粘着剤層(A(410)=1.10、厚み15μm)を貼合した。次に、製造例3で得られた位相差積層体の第1基材層を剥離除去し、露出した配向層上に、上記直線偏光板を、光選択吸収剤を含有する粘着剤層が接するように積層して光学積層体を作製し、実施例1と同様にして反射特性及び光漏れについて測定、評価した。結果を表4に示す。
<比較例2>
比較例1の光学積層体の直線偏光板上に粘着剤層(貯蔵弾性率:25,500Pa、波長550nmにおける屈折率1.47、ヘイズ0.2%、光選択吸収剤を含有しない)を介して無アルカリガラス板(波長550nmにおける屈折率1.51)を積層して光学積層体を作製し、実施例1と同様にして反射特性及び光漏れについて測定、評価した。結果を表4に示す。
比較例1及び比較例2の光学積層体に含まれる下記の部分積層構造について、反射率R(450)、反射率R(550)及び反射率R(630)、並びに、反射率比(反射率R(450)/反射率R(550))を測定したところ、表3に示されるとおりであった。
比較例1:HC-COP
比較例2:ガラス板/粘着剤層/HC-COP
Figure 2023053913000008
<比較例3~5>
積層体A-3の代わりに、それぞれ積層体B-1、B-2、A-5を用いたこと以外は実施例4と同様にして、それぞれ光学機能層B-1’’、B-2’’、A-5’’を含む光学積層体を作製し、反射特性及び光漏れについて測定、評価した。結果を表4に示す。
Figure 2023053913000009
1 光学機能層(A)、1a 高屈折率層、1b 基材フィルム、2 直線偏光子、3 位相差層、3a 第1位相差層、3b 第2位相差層、3c 第5貼合層、10 第1貼合層、11 熱可塑性樹脂フィルム、12 保護フィルム、20 第2貼合層、30 第3貼合層、40 第4貼合層、50 粘着剤層、60 セパレートフィルム、70 プロテクトフィルム、80 第6貼合層、90 前面板、100 画像表示素子。

Claims (10)

  1. 光学機能層(A)と、直線偏光子と、逆波長分散性を有する位相差層とをこの順に含む光学積層体であって、
    前記光学機能層(A)は、波長450nmにおける反射率R(450)と波長550nmにおける反射率R(550)との比:R(450)/R(550)が1.07以上1.55以下であり、
    前記反射率R(550)が6.0%未満である、光学積層体。
  2. 前記光学機能層(A)は、波長550nmにおける屈折率が1.6以上である高屈折率層を含む、請求項1に記載の光学積層体。
  3. 前記光学機能層(A)は、基材フィルムと、その上に積層される前記高屈折率層とを含む、請求項2に記載の光学積層体。
  4. 前記反射率R(450)と前記反射率R(550)との比:R(450)/R(550)が1.07以上1.35以下である、請求項1に記載の光学積層体。
  5. 前記位相差層は、液晶硬化層を1層以上含む、請求項1に記載の光学積層体。
  6. 前記光学機能層(A)は、前面板をさらに含む、請求項1に記載の光学積層体。
  7. 前記位相差層における前記直線偏光子とは反対側に配置される粘着剤層をさらに含む、請求項1に記載の光学積層体。
  8. 前記粘着剤層における前記位相差層とは反対側に配置されるセパレートフィルムをさらに含む、請求項7に記載の光学積層体。
  9. さらに、前記光学機能層(A)における前記直線偏光子とは反対側の面にプロテクトフィルムを有する、請求項1に記載の光学積層体。
  10. 請求項1~9のいずれか1項に記載の光学積層体を含む、画像表示装置。
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