JP2023053897A - 鞍乗型車両 - Google Patents

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州成 上野
Shusei Ueno
真二 池田
Shinji Ikeda
充 小林
Mitsuru Kobayashi
友哉 杉山
Tomoya Sugiyama
匠 植本
Takumi Uemoto
匡哉 太田
Masaya Ota
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Abstract

【課題】効果的にバッテリを冷却することができる鞍乗型車両を提供する。【解決手段】鞍乗型車両は、動力源であるモータMと、モータMを駆動するバッテリ52と、バッテリ52に走行風を供給するダクト60と、後輪16の上方に配置されて内部にバッテリ52が収納されたリヤフェンダ50とを備えている。リヤフェンダ50は、バッテリ52の後方に、ダクト60で供給された走行風Aが排出される排出孔66を有する。【選択図】図1

Description

本出願は、動力源であるモータと、該モータを駆動するバッテリを備えた鞍乗型車両に関するものである。
自動二輪車のような鞍乗型車両において、車両の動力源であるモータと、このモータを駆動するバッテリを備えたものがある(例えば、特許文献1)。このようなバッテリは自己発熱するので、性能を維持するために冷却が必要である。バッテリの冷却は、走行風を利用した空冷で行われることが多い。
国際公開2019/186946号
しかしながら、自動二輪車のような鞍乗型車両では、配置スペースが制限されるので、他の部品との兼ね合いで、バッテリが車体の後方に配置されることもある。その場合、バッテリに走行風がより当たりやすくなるような構成が求められる。
本出願の開示は、効果的にバッテリを冷却することができる鞍乗型車両を提供する。
本開示の一形態では、鞍乗型車両は、動力源であるモータと、前記モータを駆動するバッテリと、前記バッテリに走行風を供給するダクトと、後輪の上方に配置されて内部に前記バッテリが収納されたバッテリケースと、前記バッテリケースまたは前記バッテリケースの後方に配置されて前記ダクトで供給された走行風が排出される排出孔とを備えている。
本開示の鞍乗型車両によれば、走行風が、ダクトを流れてバッテリケースの内部のバッテリに供給される。バッテリに供給された走行風は、バッテリを冷却後、バッテリの後方の排出孔から排出される。これにより、車体の後部に配置されたバッテリを効果的に冷却することができる。
本開示の第1実施形態に係る鞍乗型車両の一種である自動二輪車を示す側面図である。 同自動二輪車の正面図である。 同自動二輪車の背面図である。 同自動二輪車のバッテリの斜視図である。 同自動二輪車の前部の拡大正面図である。 同自動二輪車のリヤフェンダの水平断面図である。 本開示の第2実施形態に係る鞍乗型車両の一種である自動二輪車を示す側面図である。 同自動二輪車の後部におけるシートおよびリヤカウルを取り外した状態を示す平面図である。 同自動二輪車の後部を示す背面図である。 同自動二輪車の後部を示す縦断面図である。 同自動二輪車の12Vバッテリの支持構造を示す斜視図である。
以下、本開示の好ましい形態について図面を参照しながら説明する。図1は本開示の第1実施形態に係る鞍乗型車両の一種である自動二輪車の前部を示す側面図である。本明細書において、「右」、「左」は、車両に乗車した運転者から見た「右」、「左」をいう。また、「前」「後」とは、車両の進行方向の「前」「後」をいう。
本実施形態の自動二輪車は、第1の走行動力源であるエンジンEと、第2の走行動力源である走行用モータMとを有するハイブリッド車両である。つまり、本実施形態の自動二輪車は、運転条件によって、内燃機関であるエンジンEのみで走行、電動機であるモータMのみで走行、またはエンジンEとモータMを同時に使用して走行する。
自動二輪車の車体フレームFRは、前半部を構成するメインフレーム1と、後半部を構成するリヤフレーム2とを有している。メインフレーム1は、前端のヘッドパイプ4から後方斜め下方に延びたのち、下方に湾曲して上下方向に延びている。リヤフレーム2は、メインフレーム1から後方に延びている。
ヘッドパイプ4にフロントフォーク6が支持されている。フロントフォーク6の下端部に前輪8が支持され、フロントフォーク6の上端部にハンドル10が取り付けられている。
メインフレーム1の後端部に、スイングアームブラケット12が設けられている。スイングアームブラケット12に、スイングアーム14がピボット軸13回りに上下揺動自在に支持されている。スイングアーム14の後端部に、後輪16が取り付けられている。
メインフレーム1の下方で前後輪8,16の間にエンジンEが配置され、車体フレームFRに支持されている。エンジンEの動力が動力伝達部材18を介して後輪16に伝達され、後輪16が駆動する。動力伝達部材18は、例えば、ドライブチェーンである。ただし、動力伝達部材18はドライブチェーンに限定されない。
エンジンEは、車幅方向に延びるクランクシャフト20と、クランクシャフト20を回転自在に支持するクランクケース22と、クランクケース22から上方に突出するシリンダ23と、その上方のシリンダヘッド24とを有している。本実施形態では、シリンダ23の軸線AXが、上方に向かって前方に傾斜している。クランクケース22の上方に、前記モータMが配置されている。
モータMは、シリンダ23の後方に配置されている。モータMは、シリンダ23の車幅方向外側端よりも内側に配置されている。具体的には、モータケースの右側端面は、シリンダ23の右側端面よりも車幅方向内側に配置されている。モータ動力が、クラッチ下流側の入力軸に伝達されることで、モータ動力が走行駆動力として伝達される。クラッチが遮断されることで、モータ単独による走行が可能である。クラッチが接続されることで、モータ、エンジンの両方を用いた走行が可能である。クラッチ接続されてモータ動力を停止することで、エンジン走行が可能である。
クランクシャフト20の軸方向一端である一側方、本実施形態では左側方に、図2に示す発電機26が設けられている。発電機26は、エンジンEの動力、すなわちクランクシャフト20の回転により発電する。クランクケース22の左側面に、発電機カバー28が着脱自在に取り付けられている。発電機カバー28は、発電機26およびクランクシャフト20を車幅方向外側から覆う。つまり、発電機カバー28は、クランクケース22に取り付けられてクランクシャフト20の端面を車幅方向から覆うカバー体を構成する。
図1に示すクランクケース22の右側面に、クラッチカバー30が着脱自在に取り付けられている。クラッチカバー30は、クランクシャフト20とこれに連結されたクラッチ32を車幅方向外側から覆う。つまり、クラッチカバー30は、クランクケース22に取り付けられてクランクシャフト20の端面を車幅方向から覆うカバー体を構成する。
シリンダヘッド24の前面の排気ポート24aに、排気管34が接続されている。排気管34は、エンジンEの下方を後方に延びて、後輪16の右側方の排気マフラ36に接続されている。排気マフラ36は、排気管34からの排気を消音して外部に排出する。
エンジンEの前方上方に、ラジエータ40が配置されている。ラジエータ40は、走行風によりエンジンEの冷却水を放熱する。本実施形態では、ラジエータ40は、側面視で、シリンダ23の軸線AXとほぼ平行に配置され、下半部がシリンダヘッド24の前方に配置され、上半部がシリンダヘッド24の上方で前方に配置されている。
メインフレーム1の上部に燃料タンク42が配置され、リヤフレーム2に操縦者が着座するシート44が装着されている。燃料タンク42は、エンジンEの真上で、ヘッドパイプ4の後方かつシート44の前方に配置されている。
車体の前半部に、二点鎖線で示す樹脂製のカウリング46が設けられている。本実施形態のカウリング46は、ヘッドパイプ4の前方の領域からエンジンEの側方の領域を覆っている。カウリング46にヘッドランプ45が装着されている。カウリング46の後方に左右一対の樹脂製のリヤカウル47が設けられている。実線で示すリヤカウル47は、シート44とリヤフレーム2との隙間を外側方から覆っている。
燃料タンク42の下方に、二点鎖線で示す左右一対のニーグリップ部分48が設けられている。本実施形態では、ニーグリップ部分48は、ニーグリップカバーで実現される。ニーグリップカバー48は、シート44の前方下方の領域を外側方から覆っている。図2に示すように、ニーグリップカバー48には、ニーグリップカバー48の残余の部分よりも車幅方向内側に凹んだ凹部48aが形成されている。この凹部48aが、走行時に運転者の膝で挟まれるニーグリップ部を構成する。ニーグリップ部48aは、図1に示す燃料タンク42の後部から中央部の下方の領域を外側方から覆っている。
ニーグリップ部48aは、ライダーステップ49とシート44の前端とを結ぶ直線よりも前方であって、燃料タンク42の側壁下部に配置されている。ニーグリップ部48aは、例えば、エンジンEよりも上方に位置する。本実施形態では、走行用モータMおよびシリンダヘッド24よりも上方の領域に形成されている。ニーグリップ部分48は、シート44と燃料タンク42との境界から燃料タンク42の前後方向中間位置にわたる領域に形成されてもよい。
図1に示すように、リヤカウル47の下方で、後輪16の上方にリヤフェンダ50が設けられている。リヤフェンダ50は、後輪16により跳ね上げられた泥水等が車体内に進入するのを防ぐ壁を有している。リヤフェンダ50は、側壁と底壁とを有している。言い換えると、リヤフェンダ50は、前後方向に垂直な断面形状がU字状に形成されている。リヤフェンダ50は、例えば、樹脂製である。リヤフェンダ50の内部に収納空間S(図6)が形成され、この収納空間にバッテリ52が収納されている。つまり、リヤフェンダ50は、バッテリ52を収納するバッテリケースを構成している。
バッテリ52が収容される収容空間Sは、運転者シート44の下方に配置されている。また、収容空間Sは、エンジンEよりも後方に配置されている。収容空間Sは、左右のリヤフレーム2,2の間に配置されている。具体的には、収容空間Sの後方の領域は、運転者シートの後端よりも後方に位置する。収容空間Sの前端は、後輪16の前端よりも前方で、ピボット軸13よりも後方に配置されている。収容空間Sは、燃料タンク42の下面よりも下方に配置されている。
発電機26(図2)の出力がバッテリ52に供給され、バッテリ52に充電される。バッテリ52に充電された電力が、前述の発電機26を兼ねるISGモータG(Integrated Starter Generator Motor)に供給され、ISGモータGを駆動する。バッテリ52は、走行駆動として必要な出力を与えるために、高い電流を出力可能である。本実施形態では、バッテリ52の能力を発揮するために、バッテリ52の温度上昇を抑制する構造が採用されている。具体的には、本実施形態は、バッテリ52に走行風を導く構造を有している。本実施形態のバッテリ52は、48Vのリチウムイオン電池である。ただし、バッテリ52は、これに限定されない。
図4に示すように、本実施形態のバッテリ52は、箱形の筐体54の内部に複数のセルが収納されている。筐体54は、金属製、例えば、アルミニウム合金製である。ただし、筐体54の材質はこれに限定されない。
筐体54の外表面に、冷却フィン56が形成されている。冷却フィン56は、表面積を大きくして熱交換効率を上げるために設けられる突起である。本実施形態では、筐体54の両側面54s,54s、前面54fおよび後面54rに、冷却フィン56が形成されている。両側面54s、54sの冷却フィン56は前後方向に延びている。前面および後面の冷却フィン56は車幅方向(左右方向)に延びている。
図3に示すように、バッテリ52は、左右のラバー55により嵩上げされており、筐体54の下面54dとリヤフェンダ50の上面50aとの間に、空気が流れる空間が形成されている。したがって、筐体54の下面54dに冷却フィン56を設けてもよい。筐体54の上方に空気が流れる空間を確保できる場合、筐体54の上面に冷却フィン56を設けてもよい。
図1に示すように、本実施形態の自動二輪車は、バッテリ52に走行風を導くダクト60を有している。ダクト60は、例えば、樹脂製である。ただし、ダクト60の材質は、これに限定されない。ダクト60は、単一の部材で構成されてもよく、あるいは、複数の部材を組み合わせて構成されてもよい。
本実施形態では、ダクト60は、車幅方向中心からオフセットして配置されて、車体の幅方向外側に配置されている。本実施形態では、ダクト60は、車体の右側に配置されている。本実施形態では、車体外側方の右側にのみダクト60が設けられているが、図2に二点鎖線で示すように、車体の左側にもダクト60を設けてもよい。ダクト60を車体の幅方向の両側に設けると、バッテリ52の左側面と右側面に均等に走行風を供給し易い。
ダクト60は、入口がエンジン前端よりも前方に配置されている。ダクト60は、出口が、バッテリケース50の収容空間Sの前方領域に連通している。言い換えると、ダクト60は、エンジンEの前方からエンジンEの後方にわたって前後方向に延びている。ダクト60は、車体側面視において、エンジンEに重なる領域では、エンジンEの車幅方向外側面よりも車幅方向外側に位置する。ダクト60は、車体側面視において、エンジンEのシリンダ23と重なる位置を前後方向に通過し、クランクケース22の上面よりも上方を通過する。ダクト60は、モータMとスイングアーム12との間を通過して、フレーム内側に湾曲して延びる。ダクト60の出口は、バッテリ52とバッテリケース50の前端の前後方向の間に配置され、後向に開口する。
本実施形態のように、ダクト60を車体の幅方向の片側にのみ設けると、製造コストが削減されるうえに、組立工数も少なくなる。ダクト60を車体の幅方向片側に設ける場合、本実施形態のように車体の右側に配置してもよく、二点鎖線で示すように車体の左側に配置してもよい。エンジンEの幅方向中心は車体の幅方向中心に対して左側に若干オフセットしているので、車体の右側にダクト60を配置した方が、車体の幅方向寸法を抑えやすい。一方で、排気マフラ36が車体の右側に配置されているので、車体の左側にダクト60を配置した方が、ダクト60に対する排気マフラ36および排気管34の熱の影響を抑えやすい。
また、他の部品との干渉を回避できる場合、車体の前後方向に延びる中心線上にダクト60を配置してもよい。具体的には、図1に示すカウリング46の前端に入口を設け、エンジンEおよびモータMの上方を通過して、出口がリヤフェンダ50の内部空間に開口してもよい。この場合、ダクト60が車幅方向に湾曲しないので、空気がダクト60内をスムーズに流れ、且つ、バッテリ52の左右両側に均等に空気を導風できる。しかも、入口が高い位置にあるので、水の浸入も回避できる。
本実施形態のようにダクト60を車体の外側方に設ける場合、空気を取り込むうえでは、なるべく外側にダクト60を設ける方がよい。ただし、ダクト60の位置が外側過ぎると、車幅寸法が大きくなる。本実施形態では、図2に示すように、ダクト60の車幅方向外端は、車両の車幅方向の最外端部品よりも内側にある。これにより、車体がバンクした際に、ダクト60が地面に接触するのを回避できる。ダクト60は、車幅方向寸法よりも上下方向寸法が大きい扁平形状に形成されている。これにより、車幅方向の大形化を防ぎつつ、走行風量を増やすことができる。
また、ダクト60は、ニーグリップ部48aよりも下方に配置されている。例えば、車体側面視で、シート44の前端と、シート44の後端と、ステップ49とを結ぶ三角形領域よりも前方から車体内側に湾曲する形状に形成されている。より具体的には、シート44の前端付近からスイングアーム12に向かって上下に延びるフレーム部分よりも車幅方向内側に配置されている。
また、図1に示すように、ダクト60は、上下方向に関して、クラッチカバー30とシリンダヘッド24との間を後方に延びている。詳細には、ダクト60は、クラッチカバー30の車幅方向外側端とシリンダ23の車幅方向外側端との間を後方に延びている。言い換えると、ダクト60は、シリンダ23の車幅方向外側面の車幅方向外側で、クラッチカバー30の車幅方向外側面の車幅方向内側で、かつクラッチカバー30の上面よりも上方の領域を延びる。
本実施形態では、ダクト60の前端部の入口62は、側面視で、エンジンEよりも前方に配置されている。ただし、ダクト60の入口62は、側面視でエンジンEと重なる位置に配置されてもよい。ダクト60の入口62は、ラジエータ40の下方に配置されている。これにより、ラジエータ40に向かう走行風の流れをダクト60が阻害するのを防ぐことができる。
ダクト60の入口62、すなわちダクト60の前端部は、漏斗状に形成されている。また、ダクト60の出口64は、バッテリ52に向けて噴き出す走行風の流速を高めるために、残余のノズル部分に比べて上下方向寸法が急激に小さく形成されてもよい。つまり、入口62の開口面積が、その後方の通路面積よりも大きくなっている。このように入口62の開口面積を大きくすることにより、入口62から取り込まれる空気量を高めることができる。
また、入口62は、上端から下端に向かって前方に傾斜して延びている。言い換えると、入口62は、下前端が上前端に比べて前方に位置する。これにより、ダクト入口の向きを、前輪8の接線方向からずらすことができ、路面から飛び跳ねる水が入口62に浸入するのを防ぐことができる。
図2に示すように、ダクト60の入口62の少なくとも一部が、正面視で、前輪8よりも車幅方向外側に位置している。本実施形態では、ダクト60の入口62の全体が、正面視で、前輪8よりも車幅方向外側に位置している。これにより、前輪8に跳ね上げられた泥水等が入口62から浸入するのを抑制することができる。ダクト60に排水孔を設けてもよい。
図5はダクト60の拡大図である。同図に示すように、ダクト60の入口62は、正面視で、上端から下端に向かって車幅方向寸法が小さくなっている。これにより、車体のバンク時にダクト60の外側面が地面に干渉するのを防ぎつつ、走行風の取り込み量を確保することができる。
詳細には、ダクト60とは別に、ダクト60の前端に設けられる案内カバー60aが設けられている。案内カバー60aは、前方に向かって車幅方向に広がる漏斗状に形成されている。車体正面視で、ダクト60の車幅方向内側面よりも案内カバー60aの車幅方向内側面が車幅方向内側に配置される。これによって、走行風の量を増やしつつ、車両の車幅方向寸法の大形化を防ぐことができる。
図1に示すダクト60の後端部の出口64は、リヤフェンダ50における収納空間Sに開口している。詳細には、出口64は、リヤフェンダ50の内部におけるバッテリ52の前方に開口している。本実施形態では、ダクト60の入口62の開口面積は、ダクト60の出口64の開口面積よりも大きい。詳細には、ダクト60の入口62から出口64に向かって開口面積が小さくなっている。入口62の開口面積を大きくすることでダクト60に取り込まれる空気の量を増やすことができる。また、出口64の開口面積が小さいので、空気がダクト60内を流れる間に流速が上がる。流速が上がることで、空気がバッテリ52の冷却フィン56に沿って流れやすくなって冷却効率が上がる。
図3に示すように、リヤフェンダ50におけるバッテリ52よりも後方の部分に、排出孔66が形成されている。排出孔66は、ダクト60でリヤフェンダ50内に供給された走行風を後方に排出する。本実施形態では、排出孔66は、リヤフェンダ50の後壁の右上部、右下部、左上部および左下部の4か所に設けられている。詳細には、バッテリ52とバッテリケース50との車幅方向の間の領域に対向する左右一対の排出孔66が形成されている。排出孔66の一部は、背面視で、後輪16の車幅方向外側端よりも車幅方向外側に設けられている。ただし、排出孔66の数、配置は、これに限定されない。
図6に示すように、排出孔66に、ルーバー構造69が設けられている。詳細には、リヤフェンダ50の後壁にリブ68が形成されている。リブ68は、排出孔66の縁部から排出孔66に向かって前方に傾斜して延びている。つまり、リブ68は、背面視で、排出孔66を塞ぐように延びている。これにより、後輪16から巻き上げられた雨水や洗浄時の洗浄水Wがバッテリ52に直接向かうのを阻止できる。つまり、リブ68が、排出孔66からの異物の侵入を遮る邪魔板を構成している。ルーバー構造69は、高圧の流体Wがバッテリ52に直接向かうのを阻止できる構造であればよく、本実施形態の構造に限定されない。
つぎに、本実施形態の作用を説明する。図1の自動二輪車が走行すると、走行風Aが入口62からダクト60に取り込まれる。ダクト60に取り込まれた走行風Aは、ダクト60内を流れて出口64からリヤフェンダ50の内部に導入される。リヤフェンダ50の内部に導入された走行風Aは、バッテリ52を冷却後、排出孔66から外部に排出される。
詳細には、図6に示すように、ダクト60の出口64からリヤフェンダ50の内部に導入された走行風Aの一部は、バッテリ52の前面54fに沿って車幅方向に流れた後、バッテリ52の左側面54sに沿って前後方向に流れて、バッテリ52の後面54rに回り込み排出孔66から排出される。また、走行風Aの一部は、バッテリ52の右側面54sに沿って前後方向に流れた後、バッテリ52の後面54sに沿って前後方向に流れ、バッテリ52の後面54rに回り込んで排出孔66から排出される。
さらに、走行風Aの一部は、図3に示すバッテリ52の下面54dに沿って前後方向に流れた後、図6に示すバッテリ52の後面54rに回り込んで排出孔66から排出される。このように、本実施形態では、バッテリ52の前面54f、両側面54s,54s、下面54dおよび後面54rに沿って流れる。前面54f、側面54sおよび後面54rには、冷却フィン56が形成されているので、走行風Aは冷却フィン56に沿って流れる。これにより、車体の後部に配置されたバッテリ52を走行風Aにより効果的に冷却することができる。
リチウムイオン電池は放電の際に発熱する。セル温度が上限温度に達すると電池保護の観点から放電を停止する。本実施形態では、走行風によるバッテリ52の効率的な冷却を図ることができるので、バッテリの温度上昇を抑えることができる。これによって、上限温度に達することを防いで、放電期間の延長化を図ることができる。また、本実施形態のようなハイブリッド車両では、図1のエンジンEでの走行とモータMでの走行の切り替え時、特に放電電流の多い走行中に発熱する。したがって、バッテリ52を冷却する要求が高いのは走行中である。そこで、本実施形態では、走行風Aを用いてバッテリ52を冷却することで、簡単な構造で、効果的なバッテリの冷却を実現している。
図2に示すように、ダクト60の入口62が、正面視で、前輪8よりも車幅方向外側に位置している。これにより、前輪8の影響を抑制しつつ走行風Aをダクト60に取り込むことができる。これにより、ダクト60に取り込まれる走行風Aの量を増やすことができる。また、前輪8により跳ね上げられた泥水等がダクト60に浸入するのを抑制できる。
図1に示すように、ダクト60の入口62が、側面視で、エンジンEよりも前方に配置されている。これにより、エンジンEに当たる前にダクト60に走行風Aを取り込むことができる。その結果、ダクト60に取り込まれる走行風Aの量を増やすことができる。
図5に示すように、ダクト60の入口62は、正面視で、上端から下端に向かって車幅方向寸法が小さくなっていてもよい。これにより、車体のバンク時にダクト60の外側面が地面に干渉するのを防ぎつつ、入口62の開口面積を大きくして走行風Aの取り込み量を確保することができる。
図6に示すように、排気孔66にルーバー構造69が設けられている。これにより、雨水や洗浄水Wが排気孔66からバッテリ52に直接向かうのを阻止することができる。したがって、走行風Aの流れを確保しつつ、雨水や洗浄水Wがバッテリ52に当たるのを防ぐことができる。
図2に示すように、ダクト60が車体の幅方向外側に配置され、ダクト60がニーグリップ部48aよりも下方に配置されている。これにより、ダクト60が、運転者の脚に干渉するのを防ぐことができる。
図1に示すように、ダクト60が、上下方向に関して、クラッチカバー30とシリンダヘッド24との間の領域を後方に延びている。この領域では、ダクト60の車幅方向外側端は、カバー体30の車幅方向外側端よりも車幅方向内側に位置している。これにより、ダクト60によって車体の幅方向寸法が大形化することを抑制することができる。ダクト60は、シリンダ23の上方に位置して、シリンダヘッド24の外側方を通るように配置されてもよい。
ダクト60の入口62の開口面積が、ダクト60の出口64の開口面積よりも大きい。これにより、ダクト60を流れる走行風Aの速度が大きくなる。その結果、走行風Aがバッテリ52の冷却フィン56(図4)に沿って勢いよく流れ、冷却効率が向上する。
カバー体30よりも車幅方向内側にダクト60が配置されることで、転倒時にダクト60が路面などと衝突する前にカバー体30が路面に衝突しやすく、ダクト60の破損を防ぐことができる。
バッテリ52は、その下面と、リヤフェンダ50の上面との間に上下方向に間隔をあけて配置されている。これによって、結露や洗車時に雨水が収容空間Sに進入した場合でも、バッテリ52に水滴が付着することを防ぐことができる。また、収容空間Sにドレン孔を設けてもよい。これにより、収容空間Sに浸入した雨水を収容空間Sの外に排出することができる。
本実施形態では、冷却フィン56が延びる前後方向に沿って、走行風Aが通過することで、冷却フィン56と接触する走行風Aを増やすとともに、走行風Aの乱れを抑えて流路抵抗を抑えることができる。
本実施形態では、収容空間Sは、燃料タンク42よりも下方に配置されている。このように、収容空間Sが下方に配置されることで、バッテリ52とダクト60の入口62との上下方向距離を小さくでき、ダクト60を短くすることができる。また、ダクト60の出口64が、バッテリ52とバッテリケース52との間に対向することで、走行風Aを円滑に冷却フィン56に導くことができる。
本開示において、前述のとおり、前記ダクトの前端部の入口の少なくとも一部が、正面視で、前輪よりも車幅方向外側に位置していてもよい。この構成によれば、前輪に衝突することなく後方に流れる走行風をダクトに取り込むことができる。これにより、ダクトに取り込まれる走行風の量を増やすことができる。また、前輪により跳ね上げられた泥水等がダクトに浸入するのを抑制できる。
前記ダクトの入口が、側面視で、前記エンジンよりも前方に配置されていてもよい。この構成によれば、エンジンに当たる前にダクトに走行風を取り込むことができる。これにより、ダクトに取り込まれる走行風の量を増やすことができるうえに、エンジンの熱の影響を低減できる。
前記ダクトの前端部の入口は、正面視で、下端から上端に向かって車幅方向寸法が大きくなっていてもよい。この構成によれば、ダクト下端部の車幅方向外側に突出する突出量を抑えることができる。これによって、車体のバンク時にダクトが地面に干渉するのを防ぎつつ、走行風の取り込み量を確保することができる。
前記排気孔が、リヤフェンダは、前記排出孔からの異物の侵入を遮る邪魔板を有していてもよい。この構成によれば、雨水や洗浄水が排気孔からバッテリに直接向かうのを阻止することができる。これにより、走行時は走行風の流れを確保しつつ、バッテリが流体の影響を受けるのを防ぐことができる。
前記ダクトが車体の幅方向外側に配置され、前記ダクトが車体側方のニーグリップ部よりも下方に配置されていてもよい。この構成によれば、ダクトが、運転者の脚に干渉するのを防ぐことができる。
鞍乗型車両は、さらに、さらに、バッテリの前方で、前後輪の間に配置された走行動力源であるエンジンと、前記エンジンから車幅方向一方に突出して、エンジンの下部に設けられるクランクシャフトの端面を車幅方向外側から覆うカバー体とを備え、ダクトの一部は、前記カバー体の車幅方向外側端と前記エンジンの車幅方向外側端との間を後方に延びていてもよい。この構成によれば、ダクトによって車体の幅方向寸法が大形化することを抑制することができる。
前記ダクトの前端部の開口面積が、前記ダクトにおける前記バッテリに対向する領域の開口面積よりも大きくてもよい。この構成によれば、ダクトを流れる走行風の速度が大きくなる。その結果、走行風がバッテリに沿って高速でよく流れ、冷却効率が向上する。
本実施形態では、バッテリケース50の後面が、車体のうちで後方に臨む車体外面として機能する。したがって、バッテリケース50に形成される排出口から排出された空気が、車体外方に排出されることになる。バッテリケース50は、バッテリ52が収容される収容空間を規定する部材である。したがってバッテリケース50は、主にバッテリ52を収容するバッテリケース本体と、バッテリケース本体周囲に配置されてバッテリ収容空間を規定する複数の部材とを含んでバッテリケースとして構成されてもよい。
図7~12は、本開示の第2実施形態を示す。以下の第2実施形態の説明において、第1実施形態と同じ構成については共通の参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
前述の第1実施形態では、排出孔66はバッテリケース本体の後面に配置されていたが、第2実施形態では、排出孔66Aはバッテリケース50の後方に配置されている。具体的には、バッテリケース50は、バッテリケース本体51、リヤフェンダリヤ55およびリヤカバー70で構成される。バッテリケース50の一部を構成するリヤカバー70の後端に排出孔66Aが配置されている。リヤカバー70に形成される排出孔66Aは、バッテリ52の後面に対して後方に間隔をあけて配置される。本実施形態では、排出孔66Aは、後輪16の上方であって、後輪16の上端部よりも後方に配置される。また、排出孔66Aは、バッテリ52の上端よりも上方に配置される。以下に詳細に説明する。
図7に示すように、第2実施形態では、車体の後部に、車幅方向外側から車体後部を覆う左右一対のリヤカバー70が取り付けられている。リヤカバー70は、シート44を支持するリヤフレーム2を車幅方向外側から覆う。本実施形態では、リヤカバー70は、シート44の下方の領域から、リヤフェンダフロント51、リヤフェンダリヤ55およびリヤカウル47の一部を外側方から覆っている。つまり、リヤカバー70が、バッテリケース本体であるリヤフェンダフロント51の後側の面の少なくとも一部を覆うカバーを構成する。前述のように、このリヤカバー70の後端に排出孔66Aが配置されている。リヤフェンダリヤ55は、リヤフェンダフロント51の後方に配置され、リヤフレーム2を下方から覆っている。リヤカバー70の後端面は、バッテリ52よりも後方で上方に配置される。リヤカバー70の後端壁は、車体後方空間と車体内部空間とを仕切る外殻として機能する。
図8に示すように、ダクト60の後端がリヤフェンダフロント51の前端に臨み、すなわち、前後方向に対向し、ダクト60の後端とリヤフェンダフロント51の前端がリヤカバー70により車幅方向外側から覆われている。これにより、ダクト60の後端から導出された走行風が、リヤカバー70の内面に案内されてリヤフェンダフロント51の内部空間に導入される。
リヤフェンダフロント51およびリヤフェンダリヤ55は、車体と下方空間とを仕切る壁を構成する。リヤフェンダフロント51は、バッテリ52の大部分を覆う領域を形成し、リヤフェンダリヤ55は、バッテリ52の後部を覆う領域を形成する。リヤフェンダフロント51の後部とリヤフェンダリヤ55の前部は、前後方向に重なって配置されている。
さらに、リヤフェンダフロント51の後部が、リヤフェンダリヤ55の内部に形成された空気通路72の入口72aに臨む。入口72aは、バッテリ52の後面およびバッテリ52の後部側面に対向する。リヤフェンダフロント51は、車幅方向に間隔をあけてリヤカバー70により車幅方向外側から覆われている。リヤフェンダリヤ55はリヤカバー70により車幅方向外側から覆われている。詳細には、リヤフェンダリヤ55の入口72aがリヤフェンダフロント51の後部の車幅方向外側および後部の後端に位置する。
図7に示すように、リヤフェンダフロント51の後部の側壁74aが残部の側壁74bよりも低く設定されている。このリヤフェンダフロント51の後部における側壁74aの低い部分がリヤフェンダリヤ55の空気通路72の入口72aに臨んでいる。これにより、図8に示すようにリヤフェンダフロント51の後部から導出された走行風Aが、リヤフェンダリヤ55の内部の空気通路に導入される。リヤフェンダリヤ55の後面がリヤカバー70で覆われており、リヤフェンダリヤ55の出口72bがリヤカバー70の排出孔66Aと対向するように配置されている。
本実施形態では、リヤフェンダリヤ55の空気通路72は、リヤフェンダフロント51の左右両側に配置されている。ただし、リヤフェンダリヤ55の空気通路72は、リヤフェンダフロント51の左右の一方のみに配置されてもよい。各空気通路72の出口72bが、リヤカバー70の後端に前記排出孔66Aに連通している。つまり、本実施形態では、排出孔66Aも、リヤフェンダフロント51の左右両側に配置されている。詳細には、図9に示すように、左右の排出孔66Aは、後輪16から車幅方向に間隔をあけて車幅方向外側に配置されている。これにより、後輪16により跳ね上げられた泥水が排出孔66Aに向かうのを回避できる。
以上のように、本実施形態のリヤカバー70は、ダクト60の後端およびリヤフェンダフロント51の前端を車幅方向外側から覆うとともに、そこから後方に延びてリヤフェンダフロント51の後部およびリヤフェンダリヤ55の空気通路72の入口72aを車幅方向外側から覆い、さらに後方に延びてリヤフェンダリヤ55の空気通路72の出口72bの後方まで延びている。
第2実施形態でも、第1実施形態と同様に、図9に示す排出孔66Aからの異物の侵入を遮る邪魔板75が配置されている。邪魔板75は左右の排出孔66Aの両方に配置されている。図9では、左側の排出孔66Aにのみ邪魔板75を示し、右側は図示を省略している。第2実施形態の邪魔板75は、排出孔66Aからバッテリ52に向かう方向の流れを塞ぐルーバー構造80を有している。本実施形態では、ルーバー構造80は、リヤフェンダリヤ55に配置されている。詳細には、ルーバー構造80は、リヤフェンダリヤ55の空気通路72の出口72bに配置されている。ただし、邪魔板75の配置は、これに限定されず、リヤカバー70またはリヤフェンダフロント51に配置されてもよい。また、邪魔板75は、カバーやフェンダ部材と別体に設けられてもよい。
図10に示すように、ルーバー構造80は、リヤフェンダリヤ55の空気通路72の出口72bに配置された複数のルーバー82を有している。各ルーバー82は、バッテリ52に直接向かう洗浄水W1は通過不可能であるが、バッテリ52に向かわない洗浄水W2は通過可能に配置されている。一般に、リチウムイオン電池からなるバッテリ52は、浸水は許容されるが、高圧洗浄水に晒されることは許容されていない。ルーバー構造により、高圧洗浄水からバッテリ52が保護される。
ルーバー構造80は、前後方向に延びる幅を有する板状部83が上下方向または左右方向に並ぶ。本実施形態では、複数の板状部83が上下方向に並ぶ。また上下に離れた板状部83を連結する連結部84を有する。各連結部84は上下方向に一列に並ぶ。また各連結部84は、左右方向に間隔をあけて複数配置される。このように本実施形態では、ルーバー構造80は、排出孔66Aが複数の開口に分けられた格子構造に形成される。
具体的には、ルーバー構造80の板状部は、排出孔66Aから前方に向かって車幅方向内側に延びる仮想直線に対して、交差する方向に延びる。この仮想直線が延びる方向は、排出孔66Aからバッテリ52に向かう方向に相当する。本実施形態では、例えば、板状部が、前後方向に平行に延びることで、前記仮想直線に対して交差する方向に延びる。板状部の幅方向寸法が、仮想直線方向から排出孔66Aを見た場合に、複数の板状部によって塞がれて見えるように、板状部の幅方向寸法と、隣接する上下間隔とが設定される。この場合であっても、前後方向に排出孔66Aを見た場合には、複数の開口を等してカバー内部を視認可能に形成される。これによって空気の排出性を確保しつつ、高圧水がバッテリ52に向かうこと防ぐことができる。
図8に示すように、バッテリ52の後方に、制御用バッテリ85が配置されている。制御用バッテリ85は、12V、24V等の低圧のバッテリである。左右のリヤフレーム2に、車幅方向に延びる第1クロス部材86および第2クロス部材88が、第1クロス部材86を前方にしてかけ渡されている。制御用バッテリ85は、第1クロス部材86と第2クロス部材88の間に配置されている。
図11に示すように、制御用バッテリ85は、ブラケット90を介して第1および第2クロス部材86,88に支持されている。ブラケット90は、前後方向が長手方向となる板材を折り曲げ加工することで成形され、前端部90aが第1クロス部材86にボルト連結され、後端部90bが第2クロス部材88に係止されている。また、ブラケット90の前後方向中間部で、制御用バッテリ85の上面にボルトで連結されている。
詳細には、第2クロス部材88は、上下方向を向く矩形の貫通孔88aを有している。ブラケット90は、制御用バッテリ85の後端部付近から上方に立ち上げる立上り部92と、立上り部92の上端から後方に延びる水平部94と、水平部94の後端から下方に延びる係止部96とを有している。
立上り部92の上端は第2クロス部材88の上面よりも上方に位置し、水平部94は第2クロス部材88の上方を第2クロス部材88の前縁から貫通孔88aにかけて前後方向に延びている。係止部96は第2クロス部材88の貫通孔88aを貫通して延びている。係止部96は、その下端部に、下方に向かって後方に傾斜する傾斜部分96aを有している。この傾斜部分96aが貫通孔88aに係止することで、ブラケット90の後端部90bが第2クロス部材88の貫通孔88aから上方に抜けるのを防いでいる。このように、ブラケット90の一端を係止構造により車体フレームFRに支持することで、両端をボルト連結するのに比べて、取付作業が容易になる。
第2実施形態も、前述の第1実施形態と同様の効果を奏する。また、第2実施形態によれば、ダクト60、リヤフェンダフロント51、リヤフェンダリヤ55およびリヤカバー70を含む複数のパーツで空気通路が構成されている。これにより、図10の排出孔66Aを含む空気通路の配置、形状の自由度が向上する。
排出孔66Aの開口面積は、大きいほど走行風の流れに有利であるが、高圧水の浸入に対しては不利である。したがって、両者のバランスを考慮して開口の大きさを決定する必要がある。第2実施形態によれば、排出孔66Aにルーバー構造80が配置されているので、排出孔66Aの開口面積を大きくして走行風の流れを確保しつつ、高圧水がバッテリ52に向かうのを阻止できる。
本開示は、以下の態様1~11を含む。
[態様1]
態様1に係る鞍乗り型車両は、動力源であるモータMと、前記モータMを駆動するバッテリ52と、前記バッテリ52に走行風を供給するダクト60と、後輪16の上方に配置され、内部に前記バッテリ52が収納されたバッテリケース50と、前記バッテリケース50に配置されて前記ダクト60で供給された走行風が排出される排出孔66,66Aとを備えている。
[態様2]
態様1に記載の鞍乗型車両において、前記ダクト60の前端部の入口62の少なくとも一部が、正面視で、前輪8よりも車幅方向外側に位置している鞍乗型車両。
[態様3]
態様1または2に記載の鞍乗型車両において、前記ダクト60の前端部の入口62は、正面視で、下端から上端に向かって車幅方向寸法が大きくなっている鞍乗型車両。
[態様4]
態様1から3のいずれか一項に記載の鞍乗型車両において、さらに、前記排出孔66,66Aからの異物の侵入を遮る邪魔板68,75を有している鞍乗型車両。
[態様5]
態様4に記載の鞍乗型車両において、前記邪魔板75は、前記排出孔66Aから前記バッテリ52に向かう方向の流れを塞ぐルーバー構造80を有している鞍乗型車両。
[態様6]
態様1から5のいずれか一項に記載の鞍乗型車両において、前記ダクト60が車体の幅方向外側に配置され、
前記ダクト60が、車体側方のニーグリップ部48aよりも下方に配置されている鞍乗型車両。
[請求項7]
態様1から6のいずれか一項に記載の鞍乗型車両において、さらに、前記バッテリ52の前方で、前後輪8,16の間に配置された走行動力源であるエンジンと、
前記エンジンから車幅方向一方に突出して、エンジンの下部に設けられるクランクシャフト20の端面を車幅方向外側から覆うカバー体30と、を備え、
前記ダクト60の一部は、前記カバー体30の車幅方向外側端と前記エンジンの車幅方向外側端との間を後方に延びている鞍乗型車両。
[態様8]
態様7に記載の鞍乗型車両において、前記ダクト60の入口62が、側面視で、前記エンジンEよりも前方に配置されている鞍乗型車両。
[態様9]
態様1から8のいずれか一項に記載の鞍乗型車両において、前記ダクト60の前端部の開口面積が、前記ダクト60における前記バッテリ52に対向する領域の開口面積よりも大きい鞍乗型車両。
[態様10]
態様9または10に記載の鞍乗型車両において、さらに、前記バッテリケース50の後側の面の少なくとも一部を覆うカバー70を備えた鞍乗型車両。
[態様11]
態様11に係る鞍乗型車両は、動力源であるモータMと、前記モータMを駆動するバッテリ52と、前記バッテリ52に走行風を供給するダクト60と、前記バッテリ52の後方に配置されて前記ダクト60で供給された走行風が排出される排出孔66Aと、前記排出孔66Aから前記バッテリ52に向かう方向の流れを塞ぐルーバー構造80とを備えている。
本開示は、以上の実施形態に限定されるものでなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の追加、変更または削除が可能である。例えば、上記実施形態では、パラレルハイブリッド車両について説明したが、本開示は、シリーズハイブリッド車両にも適用可能である。また、本開示は、EV車と呼ばれる駆動源として電気モータのみが用いられる電気車両にも適用できる。さらに、本開示は、サイドカウルが設けられる車両にも適用でき、同様の効果を得ることができる。また、上記実施形態では、自動二輪車について説明したが、本開示は自動二輪車以外の鞍乗型車両、三輪車、四輪バギー等にも適用可能である。
また、走行風A以外の送風手段でバッテリ52が冷却されてもよい。具体的には、走行風圧ではなく、冷却ファンを用いてバッテリケース内に空気を取り込み、バッテリケース内の熱気の排出を実現してもよい。バッテリ52の冷却のほかに、駆動用モータ、駆動用モータの駆動回路、ISGモータ、ISGモータの駆動回路等の駆動用の大きな電流が流れて発熱する電子部品を冷却してもよい。排出孔66Aの配置は、上記実施形態に限定されず、任意の位置に配置してもよい。したがって、そのようなものも本開示の範囲内に含まれる。
8 前輪
16 後輪
20 クランクシャフト
22 クランクケース
23 シリンダ
24 シリンダヘッド
26 発電機
30 クラッチカバー(カバー体)
48a ニーグリップ部
50 リヤフェンダ(バッテリケース)
52 バッテリ
60 ダクト
62 ダクトの入口
66,66A 排出孔
68 リブ(邪魔板)
70 リヤカバー(カバー)
75 邪魔板
80 ルーバー構造
A 走行風
E エンジン
M モータ
S 収納空間

Claims (11)

  1. 動力源であるモータと、
    前記モータを駆動するバッテリと、
    前記バッテリに走行風を供給するダクトと、
    後輪の上方に配置され、内部に前記バッテリが収納されたバッテリケースと、
    前記バッテリケースに配置されて前記ダクトで供給された走行風が排出される排出孔と、
    を備えた鞍乗型車両。
  2. 請求項1に記載の鞍乗型車両において、前記ダクトの前端部の入口の少なくとも一部が、正面視で、前輪よりも車幅方向外側に位置している鞍乗型車両。
  3. 請求項1または2に記載の鞍乗型車両において、前記ダクトの前端部の入口は、正面視で、下端から上端に向かって車幅方向寸法が大きくなっている鞍乗型車両。
  4. 請求項1または2に記載の鞍乗型車両において、さらに、前記排出孔からの異物の侵入を遮る邪魔板を有している鞍乗型車両。
  5. 請求項4に記載の鞍乗型車両において、前記邪魔板は、前記排出孔から前記バッテリに向かう方向の流れを塞ぐルーバー構造を有している鞍乗型車両。
  6. 請求項1または2に記載の鞍乗型車両において、前記ダクトが車体の幅方向外側に配置され、
    前記ダクトが、車体側方のニーグリップ部よりも下方に配置されている鞍乗型車両。
  7. 請求項1または2に記載の鞍乗型車両において、さらに、前記バッテリの前方で、前後輪の間に配置された走行動力源であるエンジンと、
    前記エンジンから車幅方向一方に突出して、エンジンの下部に設けられるクランクシャフトの端面を車幅方向外側から覆うカバー体と、を備え、
    前記ダクトの一部は、前記カバー体の車幅方向外側端と前記エンジンの車幅方向外側端との間を後方に延びている鞍乗型車両。
  8. 請求項7に記載の鞍乗型車両において、前記ダクトの入口が、側面視で、前記エンジンよりも前方に配置されている鞍乗型車両。
  9. 請求項1または2に記載の鞍乗型車両において、前記ダクトの前端部の開口面積が、前記ダクトにおける前記バッテリに対向する領域の開口面積よりも大きい鞍乗型車両。
  10. 請求項8または9に記載の鞍乗型車両において、さらに、前記バッテリケースの後側の面の少なくとも一部を覆うカバーを備えた鞍乗型車両。
  11. 動力源であるモータと、
    前記モータを駆動するバッテリと、
    前記バッテリに走行風を供給するダクトと、
    前記バッテリの後方に配置されて前記ダクトで供給された走行風が排出される排出孔と、
    前記排出孔から前記バッテリに向かう方向の流れを塞ぐルーバー構造と、
    を備えた鞍乗型車両。
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