JP2023053593A - インクジェット印刷装置、及びインクジェット印刷装置のメンテナンス方法 - Google Patents

インクジェット印刷装置、及びインクジェット印刷装置のメンテナンス方法 Download PDF

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Abstract

【課題】インク粘度変動及びフィルタ目詰まりの状態を正確に判定することを可能とするインクジェット印刷装置を提供すること。【解決手段】インクをインクタンクとインクジェットヘッドとの間で循環させる循環流路と、インクジェットヘッドの配設位置をバイパスするように循環流路に接続されたバイパス流路と、制御装置と、を備えるインクジェット印刷装置であって、制御装置は、バイパス流路を介してインクを循環流路内で循環させた時の測定により得られたバイパス流路における第1圧力損失の測定値に基づいて、インクの粘性状態を判定するインク状態判定部と、バイパス流路を介さずインクを循環流路内で循環させた時の測定により得られたインクジェットヘッドにおける第2圧力損失の測定値と、第1圧力損失の測定値と、に基づいて、インクジェットヘッドのヘッドフィルタの目詰まり状態を判定するヘッドフィルタ状態判定部と、を有する。【選択図】図4

Description

本開示は、インクジェット印刷装置、及びインクジェット印刷装置のメンテナンス方法に関する。
インクジェットヘッドのノズルからインク滴を吐出させることによって記録媒体上に画像を形成するインクジェット印刷装置が知られている。近年のインクジェット印刷装置では、水分含有量が多いインクが用いられる傾向にあり、この種のインクジェット印刷装置では、インクの乾燥防止等の観点から、インクジェットヘッドとインクタンクとの間には、インクの循環流路が組まれており、インクジェットヘッドには、ノズルの背圧が所定圧力となるように、当該循環流路からインクが供給される。
この種のインクジェット印刷装置においては、乾燥又は温度変化によるインク粘度変動や、インクジェットヘッド中のヘッドフィルタの目詰まりなどに起因して、インクジェットヘッドの背圧や、インク循環流路におけるインクの循環状態が変動してしまい、射出描画の精度劣化が生じることがある。そのため、この種のインクジェット印刷装置においては、定期的にメンテナンスを行う必要があり、従来、フィルタ目詰まりやインクの状態変化をそれぞれ検知して、様々な対処、メンテナンスがされてきた。
例えば、特許文献1には、インク循環流路における流路抵抗の変化からフィルタ目詰まりを判断する手法が提案されている。又、特許文献2には、インク循環流路における流路抵抗の変化から、インク状態(粘度など)を判断する手法が提案されている。
特開2013-086417号公報 特開2009-274360号公報
ところで、上記したインク粘度変動やヘッドフィルタの目詰まりは、インクジェット印刷装置を実使用している際には、直接的に検出するのは困難である。この点、特許文献1や特許文献2の従来技術のように、インク循環流路における流路抵抗の変化に着目した検査方法は、装置本体を解体したりすることなく、簡易的に、検査を実施できる点で有用である。
しかしながら、特許文献1や特許文献2等の従来技術においては、インク循環流路における流路抵抗が変化する要因の切り分けがなされておらず、実際には、インク粘度変動とヘッドフィルタの目詰まりの両者が影響して、インク循環流路における流路抵抗が変化してしまう事態を考慮できていない。そのため、従来技術においては、インク粘度変動及び/又はヘッドフィルタの目詰まりそれぞれの判定の正確性の点で課題がある。
尚、フィルタ目詰まりが起こった場合に実施すべきメンテナンス処理と、インク粘度変動が起こった場合に実施すべきメンテナンス処理とは、異なっており、間違った対処をすると、むしろ事態を悪化させる可能性もある。例えば、インク粘度異常と判定された場合、印刷装置では、インクリフレッシュのために多量のインクをインクジェットヘッドから吐出するが、実際生じている現象がフィルタ目詰まりであると、かかるインク吐出処理は、問題の改善につながらない。又、実際はインクに粘度異常(例えば、粘度上昇)なときに、フィルタ目詰まりだと判断してフィルタメンテナンスを行った場合は異常なインクをフィルタを通過させることでさらにフィルタが悪化させることが起こりうる。この際、仮にフィルタを新品に交換をした場合、異常なインクによりすぐに故障する原因にもなりうる。
本開示は、上記問題点に鑑みてなされたもので、インク粘度変動及びフィルタ目詰まりの状態を正確に判定することを可能とするインクジェット印刷装置、及びインクジェット印刷装置のメンテナンス方法を提供することを目的とする。
前述した課題を解決する主たる本開示は、
インクを吐出するインクジェットヘッドと、
前記インクを貯留するインクタンクと、
前記インクを前記インクタンクと前記インクジェットヘッドとの間で循環させる循環流路と、
前記循環流路のメイン流路中の前記インクジェットヘッドの配設位置をバイパスするように前記循環流路に接続されたバイパス流路と、
前記メイン流路又は前記バイパス流路中に設けられた流路切替バルブの制御により、前記バイパス流路を介して前記インクを前記循環流路内で循環させる第1循環モードと、前記バイパス流路を介さず前記インクを前記循環流路内で循環させる第2循環モードと、を切り替え可能な制御装置と、
を備えるインクジェット印刷装置であって、
前記制御装置は、
前記第1循環モード時の測定により得られた前記バイパス流路における第1圧力損失の測定値と、その際に前記バイパス流路に通流する前記インクの流量とインク温度とから推測される前記第1圧力損失の推測値とに基づいて、前記インクの粘性状態を判定するインク状態判定部と、
前記第2循環モード時の測定により得られた前記インクジェットヘッドにおける第2圧力損失の測定値と、前記第1循環モード時の測定により得られた前記バイパス流路における前記第1圧力損失の測定値と、に基づいて、前記インクジェットヘッドのヘッドフィルタの目詰まり状態を判定するヘッドフィルタ状態判定部と、
を有するインクジェット印刷装置である。
又、他の局面では、
インクを吐出するインクジェットヘッドと、
前記インクを貯留するインクタンクと、
前記インクを前記インクタンクと前記インクジェットヘッドとの間で循環させる循環流路と、
前記メイン流路中の前記インクジェットヘッドの配設位置をバイパスするように前記循環流路に接続されたバイパス流路と、
前記メイン流路又は前記バイパス流路中に設けられた流路切替バルブの制御により、前記バイパス流路を介して前記インクを前記循環流路内で循環させる第1循環モードと、前記バイパス流路を介さず前記インクを前記循環流路内で循環させる第2循環モードと、を切り替え可能な制御装置と、
を備えるインクジェット印刷装置のメンテナンス方法であって、
前記第1循環モード時の測定により得られた前記バイパス流路における第1圧力損失の測定値と、その際に前記バイパス流路に通流する前記インクの流量とインク温度とから推測される前記第1圧力損失の推測値とに基づいて、前記インクの粘性状態を判定する第1処理と、
前記第2循環モード時の測定により得られた前記インクジェットヘッドにおける第2圧力損失の測定値と、前記第1循環モード時の測定により得られた前記バイパス流路における前記第1圧力損失の測定値と、に基づいて、前記インクジェットヘッドのヘッドフィルタの目詰まり状態を判定する第2処理と、
を有するメンテナンス方法である。
本開示に係るインクジェット印刷装置によれば、インク粘度変動及びフィルタ目詰まりの状態を正確に判定することが可能である。
本発明の一実施形態に係るインクジェット印刷装置の概略構成を示す図 本発明の一実施形態に係るヘッドユニットの構成を示す模式図 本発明の一実施形態に係るインクジェット印刷装置の主要な機能構成を示すブロック図 本発明の一実施形態に係るインク循環システムの構成の一例を示す図 第1循環モードにおけるインクの通流経路を示す図 第2循環モードにおけるインクの通流経路を示す図 印刷装置のメンテナンスを実行する前に、制御部が、インクの状態及びインクジェットヘッドのヘッドフィルタの状態をチェックするために実行するチェックモードの動作の一例を示すフローチャート 制御部が、チェックモードの動作時に参照するメンテナンス内容を決定するためのデータテーブルの一例を示す図
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
[インクジェット印刷装置の全体構成]
以下、図1~図3を参照して、本発明の一実施形態に係るインクジェット印刷装置(以下、「印刷装置」とも称する)1の構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るインクジェット印刷装置1の概略構成を示す図である。
印刷装置1は、給紙部10と、画像形成部20と、排紙部30と、制御部40とを備える。
印刷装置1は、制御部40による制御下で、給紙部10に格納された記録媒体Pを画像形成部20に搬送し、画像形成部20で記録媒体P上にインクを吐出して画像を記録し、画像が記録された記録媒体Pを排紙部30に搬送する。詳しくは、印刷装置1は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色についてそれぞれ所定の記録階調数で記録媒体P上に色を重ねて出力することで当該記録媒体P上にカラー画像を記録する。
記録媒体Pとしては、普通紙や塗工紙といった紙のほか、布帛又はシート状の樹脂等、表面に着弾したインクを定着させることが可能な種々の媒体を用いることができる。
給紙部10は、記録媒体Pを格納する給紙トレー11と、給紙トレー11から画像形成部20に記録媒体Pを搬送して供給する媒体供給部12とを有する。媒体供給部12は、内側が2本のローラーにより支持された輪状のベルトを備え、このベルト上に記録媒体Pを載置した状態でローラーを回転させることで記録媒体Pを給紙トレー11から画像形成部20へ搬送する。
画像形成部20は、搬送部21と、受け渡しユニット22と、加熱部23と、ヘッドユニット24と、照射部25と、デリバリー部27とを有する。
搬送部21は、円筒状の搬送ドラム211の搬送面上に載置された記録媒体Pを保持し、搬送ドラム211が、記録媒体Pの幅方向に延びた回転軸(円筒軸)を中心に回転して周回移動することで搬送ドラム211上の記録媒体Pを搬送面に沿った搬送方向に搬送する。
搬送ドラム211は、その搬送面上で記録媒体Pを保持するための図示しない爪部及び吸気部を備える。記録媒体Pは、爪部により端部が押さえられ、かつ吸気部により搬送面に吸い寄せられることで搬送面に保持される。
受け渡しユニット22は、給紙部10の媒体供給部12と搬送部21との間の位置に設けられ、媒体供給部12から搬送された記録媒体Pの一端をスイングアーム部221で保持して取り上げ、受け渡しドラム222を介して搬送部21に引き渡す。
加熱部23は、受け渡しドラム222の配置位置とヘッドユニット24の配置位置との間に設けられ、搬送部21により搬送される記録媒体Pが所定の温度範囲内の温度となるように当該記録媒体Pを加熱する。加熱部23は、例えば、赤外線ヒーター等を有し、制御部40から供給される制御信号に基づいて赤外線ヒーターに通電して当該赤外線ヒーターを発熱させる。
ヘッドユニット24は、記録媒体Pが保持された搬送ドラム211の回転に応じた適切なタイミングで、搬送ドラム211の搬送面に対向するインク吐出面に設けられたノズル開口部から記録媒体Pに対してインクを吐出することにより画像を記録する。
ヘッドユニット24は、複数のインクジェットヘッドを有しており、インクジェットヘッドにおけるインク(液滴)の吐出面と搬送面とが所定の距離だけ離隔されるように配置される。
本実施の形態の印刷装置1では、Y,M,C,Kの4色のインクにそれぞれ対応する4つのヘッドユニット24が記録媒体Pの搬送方向上流側からY,M,C,Kの色の順に所定の間隔で並ぶように配列されている。つまり、各ヘッドユニット24は、それぞれが異なる複数種類のインクを吐出可能に構成されている。
ヘッドユニット24は、画像の記録時には位置が固定されて用いられ、記録媒体Pの搬送に応じて搬送方向の異なる位置に所定の間隔(搬送方向間隔)で順次インクを吐出していくことで、シングルパス方式で画像を記録する。
図2は、ヘッドユニット24の構成を示す模式図である。ここでは、ヘッドユニット24のうち搬送ドラム211の外周面と対向する面が示されている。
ここでは、ヘッドユニット24は、取り付け部材244に取り付けられた3つのインクジェットヘッド240を備える。インクジェットヘッド240の各々には、インクを貯留する圧力室(図示せず)と、圧力室の壁面に設けられた圧電素子(図示せず)と、ノズル243とを各々有する複数の画像形成素子(記録素子)が設けられている。この画像形成素子は、圧電素子を変形動作させる駆動信号が入力されると、圧電素子の変形により圧力室が変形して圧力室内の圧力が変化し、圧力室に連通するノズル243からインクを吐出する。
3つのインクジェットヘッド240は、ノズル列のX方向についての配置範囲が切れ目なく繋がるように千鳥格子状に配置されている。ヘッドユニット24に含まれるノズル243のX方向についての配置範囲は、搬送ドラム211により搬送される記録媒体Pのうち画像が形成される領域のX方向の幅をカバーしており、ヘッドユニット24は、画像の形成時には搬送ドラム211の回転軸に対して固定されて用いられる。すなわち、ヘッドユニット24は、記録媒体Pに対するX方向についての画像形成可能幅に亘ってインクを吐出可能なラインヘッドを有している。
インクジェットヘッド240は、インクジェットヘッド240内に貯留されるインクを加熱するインク加熱部(図示せず)を備え、加熱されてゾル状となったインクを吐出する。このゾル状のインクが記録媒体Pに吐出されると、インク滴が記録媒体Pに着弾した後、自然冷却されることで速やかにインクがゲル状となって記録媒体P上で凝固する。
照射部25は、搬送部21の幅に亘って配置され、搬送部21に載置された記録媒体Pに対して電磁波(例えば、波長395nmの紫外線)を照射して記録媒体P上に吐出されたインクを硬化させて定着させる。照射部25は、搬送方向についてヘッドユニット24の配置位置からデリバリー部27の受け渡しドラム271の配置位置までの間において搬送面と対向して配置される。
デリバリー部27は、内側が2本のローラーにより支持された輪状のベルトを有するベルトループ272と、記録媒体Pを搬送部21からベルトループ272に受け渡す円筒状の受け渡しドラム271とを有し、受け渡しドラム271により搬送部21からベルトループ272上に受け渡された記録媒体Pをベルトループ272により搬送して排紙部30に送出する。
排紙部30は、デリバリー部27により画像形成部20から送り出された記録媒体Pが載置される板状の排紙トレー31を有する。
図3は、印刷装置1の主要な機能構成を示すブロック図である。印刷装置1は、制御部40と、ヘッドユニット駆動部50と、搬送駆動部60と、画像処理部70と、入出力インターフェース80と、インク供給部90とを備える。
制御部40は、CPU41(Central Processing Unit)、RAM42(Random Access Memory)、ROM43(Read Only Memory)および記憶部44を有し、印刷装置1の全体動作を統括制御する。
ヘッドユニット駆動部50は、制御部40の制御に基づいてヘッドユニット24の記録素子に対して適切なタイミングで画像データに応じた駆動信号を供給することにより、ヘッドユニット24のノズルから画像データの画素値に応じた量のインクを吐出させる。
搬送駆動部60は、制御部40から供給される制御信号に基づいて、搬送ドラム211に設けられた搬送ドラムモーターに駆動信号を供給して搬送ドラム211を所定の速度およびタイミングで回転させる。また、搬送駆動部60は、制御部40から供給される制御信号に基づいて媒体供給部12、受け渡しユニット22、及びデリバリー部27を動作させるためのモーターに駆動信号を供給して、記録媒体Pの搬送部21への供給及び搬送部21からの排出を行わせる。
画像処理部70は、入出力インターフェース80から入力された画像データに対して所定の画像処理を行って、得られた画像データを記憶部44に記憶させる。この画像処理には、画像データを補正する補正処理の他、色変換処理、階調補正処理、擬似中間調処理などが含まれる。
入出力インターフェース80は、外部装置(例えば、パーソナルコンピューター)の入出力インターフェースと接続され、制御部40と外部装置との間のデータの送受信を媒介する。入出力インターフェース80は、例えば各種シリアルインターフェース、各種パラレルインターフェースのいずれか、または、これらの組み合わせで構成される。
インク供給部90は、インクタンク101(図4を参照)に貯留されたインクを、ヘッドユニット24に設けられた複数のインクジェットヘッド240それぞれに対して供給する。インク供給部90は、制御部40からの制御信号に従って、複数のインクジェットヘッド240それぞれに対するインクの供給量を調整する。
[インク供給部90の構成]
以下、本実施形態に係るインク供給部90の構成について説明する。本実施形態に係るインク供給部90は、インクタンク101とインクジェットヘッド240との間でインクを循環させる循環流路110によって構成されたインク循環システム100を備える。
図4は、インク循環システム100の構成の一例を示す図である。尚、図4に示すインク循環システム100は、各色のインクについて、それぞれ設けられている。
インク循環システム100の循環流路110は、インクタンク101からインクジェットヘッド240へインクを供給するインク供給流路110aと、インクジェットヘッド240からインクを回収して、インクをインクタンク101へ戻すインク回収流路110bと、を形成するメイン流路(以下、「メイン流路110a、110b」と表記する)を有する。
つまり、インク循環システム100は、インク供給流路110aにて、インクジェットヘッド240内の各画像形成素子の圧力室に対してインクを供給する。インクジェットヘッド240内の各画像形成素子の圧力室に供給されたインクのうち、インクジェットヘッド240のノズル243から吐出されないインクは、インク回収流路110bを介して、インクタンク101に回収される。尚、インク供給流路110aは、インクジェットヘッド240のインク流入口に接続され、インク回収流路110bは、インクジェットヘッド240のインク流出口に接続されている。
インクジェットヘッド240には、当該インクジェットヘッド240内に形成された流路中にヘッドフィルタ240a(図4を参照)が設けられており、さらにその下流側に、当該流路に連通した圧力室とノズル243が設けられている。即ち、インクジェットヘッド240に供給されたインクは、ヘッドフィルタ240aを介してノズル243から吐出される。尚、ヘッドフィルタ240aは、インクジェットヘッド240内に供給されたインクから異物を除去するためのフィルタであって、例えば、多孔質構造を有する不織布を含んで構成されている。
尚、図4では、3つのインクジェットヘッド240を示しているが、本実施形態では、3つのインクジェットヘッド240は、それぞれ、同様の構成を有するものとして、これらの3つのインクジェットヘッド240を区別しない場合には、これらのうちの1つのインクジェットヘッド240についてのみ説明する。
循環流路110には、メイン流路110a、110b中のインクジェットヘッド240の配設位置をバイパスするように、バイパス流路111が接続されている。バイパス流路111は、例えば、インクジェットヘッド240の直上流側の位置(例えば、インクジェットヘッド240のインク流入口の位置)でインク供給流路110aから分岐し、インクジェットヘッド240の直下流側の位置(例えば、インクジェットヘッド240のインク流出口の位置)でインク回収流路110bに合流するように設けられている。つまり、バイパス流路111が開放状態となっている場合には、インクは、バイパス流路111を介して循環流路110内を循環する。
バイパス流路111は、インクジェットヘッド240中のヘッドフィルタ240aの目詰まり状態、及び、循環流路110中を通流するインクの粘性状態をチェックする際に用いられるインク流路であって、通常の印刷動作時には、閉塞状態となっている(詳細は後述)。
バイパス流路111中には、流動抵抗が既知である検査用フィルタ141(即ち、目詰まりが生じないフィルタ)が配設されている。検査用フィルタ141は、上記チェック動作の際に、基準となる圧力損失の値を提供する。
尚、インク供給流路110a、インク回収流路110b、及びバイパス流路111は、例えば、ホースやパイプで形成された配管によって構成されている。
インク循環システム100は、循環流路110中に、インクタンク101と、供給側ポンプ121と、回収側ポンプ122と、供給ダンパ102と、回収ダンパ103と、脱気モジュール130と、通路内フィルタ140と、第1及び第2流路切替バルブ150a、150bとを有している。
又、インク循環システム100は、循環流路110中を通流するインクの状態を検出し得るように、第1及び第2圧力センサ160a、160bと、流量センサ161と、温度センサ162とを有している。
インクタンク101は、インクを貯留しておくための容器である。インクタンク101に貯留されているインクは、インク供給流路110aを介してインクジェットヘッド240に供給される。この際、インクタンク101に貯留されているインクは、供給側ポンプ121、脱気モジュール130、通路内フィルタ140、及び、供給ダンパ102を順に経由して、インクジェットヘッド240に供給される。一方、インクジェットヘッド240に供給されたインクのうち、インクジェットヘッド240から吐出されないインクは、インク回収流路110bを介して、インクタンク101に回収される。この際、インクジェットヘッド240から吐出されないインクは、回収ダンパ103、回収側ポンプ122を経由してインクタンク101に戻される。
尚、インクタンク101には、例えば、連結管等を介して、着脱式のインクパック(図示せず)が取り付けられており、インクパックから適宜なタイミングでインクが供給される。
供給側ポンプ121は、インク供給流路110aを介して、インクタンク101の内部のインクを、インクジェットヘッド240の側へ送出する。供給側ポンプ121から送出されたインクは、脱気モジュール130、フィルタ140、及び供給ダンパ102を介して、インクジェットヘッド240へ供給される。尚、供給側ポンプ121は、例えば、インク供給流路110a中における脱気モジュール130とインクタンク101との間に配置されている。供給側ポンプ121は、制御部40からの制御信号によって制御される。
回収側ポンプ122は、インク回収流路110bを介して、インクジェットヘッド240の内部のインクを回収し、インクタンク101の側へ送出する。回収側ポンプ122の動作によりインクジェットヘッド240から回収されるインクは、回収ダンパ103を介して、インクタンク101に戻される。尚、回収側ポンプ122は、例えば、インク回収流路110b中における回収ダンパ103とインクタンク101との間に配置されている。回収側ポンプ122は、制御部40からの制御信号によって制御される。
供給側ポンプ121及び回収側ポンプ122が駆動されることで、インクが、インクタンク101から送り出され、供給ダンパ102、インクジェットヘッド240及び回収ダンパ103を経由してインクタンク101に戻る循環流が生じる。
供給ダンパ102及び回収ダンパ103は、インクジェットヘッド240の圧力室(即ち、ノズル243の背圧)内を適正な圧力範囲に保つべく配設されたダンパ機構である。供給ダンパ102は、例えば、インク供給流路110a中における供給側ポンプ121とインクジェットヘッド240との間に配置され、インクジェットヘッド240に供給するインクの供給圧力の圧力変動を吸収する。又、回収ダンパ103は、例えば、インク回収流路110b中におけるインクジェットヘッド240と回収側ポンプ122との間に配置され、インクジェットヘッド240から回収するインクの吸入圧力の圧力変動を吸収する。
供給ダンパ102及び回収ダンパ103は、例えば、ハウジングと、このハウジングの開口面を覆う可撓性のダンパ膜(例えば、ゴム部材)とを含んで構成されており、インクの圧力変動に応じてダンパ膜が外方又は内方へ撓むことで、ハウジングの内部に形成されるダンパ室の容積を変化させて、上記圧力変動を吸収する。
インクジェットヘッド240のノズル243の背圧は、制御部40の制御のもと、供給ダンパ102内におけるインク圧と回収ダンパ103内におけるインク圧との差圧によって調整される。即ち、供給ダンパ102内におけるインク圧と回収ダンパ103内におけるインク圧とが制御されることによって、循環流路110に循環するインクの流量(即ち、流速)が調整され、インクタンク101からノズル243へ向かうインクの流量(即ち、ノズル243からのインク吐出量)が調整される。
尚、この際、制御部40は、例えば、印刷の実行及び非実行に関する情報等に基づいて、インクジェットヘッド240のノズル243の背圧の目標値を設定し、第1圧力センサ160aが示す圧力センサ値を用いて、供給ダンパ102内におけるインク圧が第1目標圧力となるように、供給側ポンプ121の出力をフィードバック制御すると共に、第2圧力センサ160bが示す圧力センサ値に基づいて、回収ダンパ103内におけるインク圧が第2目標圧力となるように、回収側ポンプ122の出力をフィードバック制御する。
脱気モジュール130は、インク中に含まれる空気(気体)を取り除く。脱気モジュール130としては、例えば、脱気膜を介してインクと真空領域とを接触させることで、インク中の空気を真空領域側に選択的に吸引させる構造が用いられる。
通路内フィルタ140は、循環流路110中を通流するインク中に混入するゴミや塵などの異物を取り除く。通路内フィルタ140は、例えば、インク供給流路110a中の脱気モジュール130と供給ダンパ102との間に配置される。通路内フィルタ140は、例えば、多孔質構造を有する不織布を含んで構成されている。
尚、バイパス流路111中に配設された検査用フィルタ141は、好ましくは、通路内フィルタ140と比較してフィルタ孔径(即ち、捕捉可能粒径)が大きいものが用いられる。典型的には、検査用フィルタ141、ヘッドフィルタ240a、及び、通路内フィルタ140それぞれの捕捉可能粒径の大きさの序列は、検査用フィルタ141の捕捉可能粒径>ヘッドフィルタ240aの捕捉可能粒径>通路内フィルタ140の捕捉可能粒径の順である。これにより、循環流路110中を通流するインク中の異物は、通路内フィルタ140にて捕捉されることになるため、検査用フィルタ141にて目詰まりを生じさせない。尚、検査用フィルタ141のフィルタ構造自体は、通路内フィルタ140と同様のものであってもよいし、異なるものであってもよい。
第1流路切替バルブ150aは、循環流路110を通流するインクを、バイパス流路111を介して循環流路110中で通流させるか否かを切り替えるためのバルブである。第1流路切替バルブ150aは、例えば、バイパス流路111中に配設され、開放状態のときには、インクがバイパス流路111を通流することを許容し、閉塞状態のときには、インクがバイパス流路111を通流することを禁止する。
第2流路切替バルブ150bは、循環流路110を通流するインクを、インクジェットヘッド240に通流させるか否かを切り替えるためのバルブである。第2流路切替バルブ150bは、例えば、インク供給流路110a中のインクジェットヘッド240の直上流側の位置(例えば、インク流入口の位置)に配設され、開放状態のときには、インクがインクジェットヘッド240を通流することを許容し、閉塞状態のときには、インクがインクジェットヘッド240を通流することを禁止する。
尚、本実施形態に係るインク循環システム100には、3つのインクジェットヘッド240それぞれのインク流入口の位置に別個の第2流路切替バルブ150bが設けられ、3つのインクジェットヘッド240それぞれにおけるインクの通流状態を独立して切り替え可能となっている。
第1圧力センサ160aは、インク供給流路110a中のインク圧力を検出し、検出した圧力の大きさ(以下、圧力センサ値)[N/m]を示すセンサ信号を出力する。第1圧力センサ160aのセンサ信号は、制御部40に送出される。尚、第1圧力センサ160aは、例えば、インク供給流路110a中の供給ダンパ102とインクジェットヘッド240の間に配設される。
第2圧力センサ160bは、インク回収流路110b中のインク圧力を検出し、検出した圧力の大きさ(以下、圧力センサ値)[N/m]を示すセンサ信号を出力する。第2圧力センサ160bのセンサ信号は、制御部40に送出される。尚、第2圧力センサ160bは、例えば、インク回収流路110b中の回収ダンパ103とインクジェットヘッド240の間に配設される。
尚、制御部40は、第1及び第2圧力センサ160a、160bのセンサ信号を用いることで、バイパス流路111中に配設された検査用フィルタ141の前後差圧(即ち、圧力損失)、及び、インクジェットヘッド240中のヘッドフィルタ240aの前後差圧(即ち、圧力損失)を検出し得るようになっている。
流量センサ161は、循環流路110中に通流するインクの流量を検出し、検出した流量の大きさ(以下、流量センサ値)[m/s]を示すセンサ信号を出力する。流量センサ161のセンサ信号は、制御部40に送出される。尚、流量センサ161は、例えば、インク回収流路110b中のインクジェットヘッド240と回収ダンパ103との間に配設される。
温度センサ162は、循環流路110に通流するインクのインク温度を検出し、検出したインク温度の大きさ(以下、温度センサ値)[℃]を示すセンサ信号を出力する。温度センサ162のセンサ信号は、制御部40に送出される。尚、温度センサ162は、例えば、インク回収流路110b中のインクジェットヘッド240と回収ダンパ103との間に配設される。
[インクの粘性状態及びヘッドフィルタの目詰まり状態の判定処理について]
本実施形態に係る制御部40は、循環流路110に通流するインクの粘性状態を判定するインク状態判定部40aと、インクジェットヘッド240のヘッドフィルタ240aの目詰まり状態を判定するヘッドフィルタ状態判定部40bと、を備える。
尚、制御部40は、インク循環システム100の各部とネットワークにより相互に接続され、必要なデータや制御信号を相互にやり取りしている。ここでは、制御部40は、供給側ポンプ121、回収側ポンプ122、並びに、第1及び第2流路切替バルブ150a、150bに対して制御信号を送出したり、第1及び第2圧力センサ160a、160b、流量センサ161、並びに、温度センサ162からのセンサ信号を取得したりすることが可能に構成されている。
インクの粘性状態は、インクの流体粘度であり、フィルタの目詰まり状態は、フィルタの流動抵抗であるため、これらの状態の変化は、インクが管路を通流する際の圧力損失の変化として表出する。但し、これらの状態の変化は、相互の測定結果に影響を与える。かかる観点から、本実施形態に係る印刷装置1では、これらの状態を別個に判定し、これらのチェック結果に基づいて、必要なメンテナンス内容を決定する。
ここで、制御部40は、循環流路110中に設けられた第1及び第2流路切替バルブ150a、150bの制御により、インクを循環流路110内で循環させる際のインクの循環経路を切り替え可能に構成されている。
図5は、第1循環モードにおけるインクの通流経路を示す図である。図6は、第2循環モードにおけるインクの通流経路を示す図である。
具体的には、制御部40は、第1流路切替バルブ150aを開放状態とし、且つ、第2流路切替バルブ150bを閉塞状態とすることで、バイパス流路111を介してインクを循環流路110内で循環させる第1循環モード(図5を参照)と、第1流路切替バルブ150aを閉塞状態とし、且つ、第2流路切替バルブ150bを開放状態とすることで、バイパス流路111を介さずインクを循環流路110内で循環させる第2循環モード(図6を参照)と、を切り替え可能に構成されている。
尚、第1循環モード時には、インクは、インクジェットヘッド240のヘッドフィルタ240aを通過せず、バイパス流路111の検査用フィルタ141を通過するように、循環流路110内で循環する。一方、第2循環モード時には、インクは、バイパス流路111の検査用フィルタ141を通過せず、インクジェットヘッド240のヘッドフィルタ240aを通過するように、循環流路110内で循環する。
<インク状態判定部40a>
インク状態判定部40aは、第1循環モード時の測定により得られたバイパス流路111における圧力損失(即ち、検査用フィルタ141における圧力損失)の実際値(即ち、測定値)と推定値を比較することで、循環流路110に通流するインクの粘性状態を判定する。
バイパス流路111におけるインク通流時の圧力損失は、ダルシー・ワイズバッハの式から、以下式(1)のように、検査用フィルタ141の流動抵抗、インクの粘度、及び、バイパス流路111を通流するインクの流速に依拠する。
ΔP1=k1×ζ1×μ1×v1 …式(1)
(但し、ΔP1:検査用フィルタ141における圧力損失、k1:係数、ζ1:検査用フィルタ141の流動抵抗、μ1:インクの粘度、v1:バイパス流路111を通流するインクの流速)
ここで、検査用フィルタ141は、インクの目詰まりが生じないフィルタ(即ち、検査用フィルタ141の補足可能粒子径は、通路内フィルタ140の補足可能粒子径よりも大きいため、異物は、通路内フィルタ140にて補足される)が用いられているため、検査用フィルタ141の流動抵抗ζ1は、既定値である。又、バイパス流路111を通流するインクの流速v1は、制御部40により制御されているため、既定値である。
一方、インクの粘度μ1は、インクが乾燥したり、凝集したりしていない通常状態においては、インク温度から一意に定められるが、インクが乾燥したり凝集したりした場合には、粘度が突如大きくなる。これは、一般に、液体の粘性は、分子間の引き合う力によるものであり、液体の粘度変化は、温度変化に伴う液体の分子の運動状態の変化と捉えられるところ(即ち、温度上昇に伴い粘度は単調減少する)、インクが乾燥した場合には、例えば、インク内の顔料濃度が異常となり、又、インク内の顔料が凝集した場合には、例えば、インク内の顔料が抵抗を生み出すためであると推察されている。
つまり、バイパス流路111(即ち、検査用フィルタ141)における圧力損失ΔP1は、インクが乾燥したり凝集したりしていない通常状態においては、検査用フィルタ141の流動抵抗、インクの温度、及び、バイパス流路111を通流するインクの流速から推定された値と、実際値(即ち、測定値)とが合致することになる(即ち、圧力損失ΔP1の推定値=圧力損失ΔP1の測定値)。一方、インクが乾燥したり凝集したりすることで、実際のインクの粘度が、インクの温度から推定される値と比較して大きくなった場合には、検査用フィルタ141における圧力損失ΔP1の実際値(即ち、測定値)は、推定値と比較して大きくなる(即ち、圧力損失ΔP1の推定値<圧力損失ΔP1の測定値)。
インク状態判定部40aは、かかる原理から、循環流路110に通流するインクの粘度μ1の実際値と推定値との乖離度合い(即ち、インクの粘性異常度合い)を、バイパス流路111(即ち、検査用フィルタ141)における圧力損失ΔP1の測定値と推定値との乖離度合いから推測する。尚、以下では、バイパス流路111(即ち、検査用フィルタ141)における圧力損失ΔP1の測定値を「ΔP1a」と表記し、圧力損失ΔP1の推定値を「ΔP1b」と表記する。
インク状態判定部40aの具体的な動作は、以下の通りである。
インク状態判定部40aは、まず、第1流路切替バルブ150aを開放状態とし、且つ、第2流路切替バルブ150bを閉塞状態とすることで、インクを、インクジェットヘッド24(ヘッドフィルタ240a)の配設位置を通過させず、バイパス流路111を介して循環流路110内で循環させる(即ち、第1循環モード)(図5を参照)。
次に、インク状態判定部40aは、第1圧力センサ160a及び第2圧力センサ160bそれぞれからセンサ信号を取得し、これらのセンサ信号が示す圧力値の差(即ち、検査用フィルタ141の前後差圧)から、検査用フィルタ141における圧力損失の測定値(式(1)のΔP1a)を得る。
次に、インク状態判定部40aは、バイパス流路111を通流するインクの流速と、インクが乾燥したり凝集したりしていないと仮定した場合にインク温度から求められるインクの粘度の推定値と、検査用フィルタ141の流動抵抗の既定値と、に基づいて、インク通流時の検査用フィルタ141における圧力損失の推定値ΔP1bを算出する。
この際、インク状態判定部40aは、例えば、流量センサ161から得られた流量センサ値と、予め制御部40のROM等に記憶されたバイパス流路111の断面積情報と、に基づいて、バイパス流路111を通流するインクの流速を算出する。又、インク状態判定部40aは、例えば、温度センサ162から得られた温度センサ値と、予め制御部40のROM等に記憶された標準状態(即ち、インクが乾燥したり凝集したりしていない状態)におけるインクの粘度とインク温度との関係式と、に基づいて、バイパス流路111を通流するインクの粘度の推定値を算出する。そして、インク状態判定部40aは、例えば、予め制御部40のROM等に記憶されたダルシー・ワイズバッハの演算式(上式(1)を参照)にこれらの値を導入することによって、インク通流時の検査用フィルタ141における圧力損失の推定値ΔP1bを算出する。
次に、インク状態判定部40aは、インク通流時の検査用フィルタ141における圧力損失の測定値ΔP1aと推定値ΔP1bの差を算出する。そして、インク状態判定部40aは、インク通流時の検査用フィルタ141における圧力損失の測定値ΔP1aと推定値ΔP1bの差から、インクの粘度が標準状態からどの程度変化しているか(即ち、インクがどの程度乾燥したり凝集したりしているか)を把握する。そして、インク状態判定部40aは、例えば、インク通流時の検査用フィルタ141における圧力損失の測定値ΔP1aと推定値ΔP1bの差が、所定の閾値(以下、第1閾値)よりも大きい場合には、インクの粘性状態が異常に高まった状態であり、インクのメンテナンスが必要であると判定する。
<ヘッドフィルタ状態判定部40b>
ヘッドフィルタ状態判定部40bは、第2循環モード時の測定により得られたインクジェットヘッド240における圧力損失の測定値と、第1循環モード時の測定により得られたバイパス流路111における圧力損失の測定値と、に基づいて、インクジェットヘッド240のヘッドフィルタ240aの目詰まり状態を判定する。
ここで、ダルシー・ワイズバッハの式から、ヘッドフィルタ状態判定部40bの判定手法を説明する。
まず、バイパス流路111を介さずインクを循環流路110内で循環させた際における(即ち、図6に示す第2循環モード時)、ヘッドフィルタ240aにおける圧力損失は、ダルシー・ワイズバッハの式から、以下の式(2)のように表現できる。
ΔP2=k2×ζ2×μ2×v2 …式(2)
(但し、ΔP2:ヘッドフィルタ240aの圧力損失、k2:係数、ζ2:ヘッドフィルタ240aの流動抵抗、μ2:インク粘度、v2:ヘッドフィルタ240aを通流するインクの流速)
一方、バイパス流路111を介してインクを循環流路110内で循環させた際における(即ち、図5に示す第1循環モード時)、検査用フィルタ141における圧力損失は、上記した式(1)の通りである。
両者の関係は、例えば、式(1)及び式(2)を用いて、以下の式(3)のように表現できる。
ΔP2/ΔP1=(k2/k1)×(ζ2/ζ1)×(μ2/μ1)×(v2/v1) …式(3)
式(3)において、k2/k1は、規定値である。又、μ2/μ1は、1である。又、v2/v1は、インク通流条件から求まる所定値である(例えば、1)。又、検査用フィルタ141の流動抵抗ζ1は、規定値である。
つまり、バイパス流路111を介さずインクを循環流路110内で循環させた際における、ヘッドフィルタ240aにおける圧力損失ΔP2と、バイパス流路111を介してインクを循環流路110内で循環させた際における、検査用フィルタ141における圧力損失ΔP1と、の比ΔP2/ΔP1を得ることによって、ヘッドフィルタ240aの目詰まり状態の指標であるヘッドフィルタ240aの流動抵抗ζ2を導出することができる。以下では、バイパス流路111を介さずインクを循環流路110内で循環させた際における、ヘッドフィルタ240aにおける圧力損失ΔP2の測定値を、「ΔP2a」と表記する。
尚、ここで、バイパス流路111を介してインクを循環流路110内で循環させた際における、検査用フィルタ141における圧力損失の値としては、インク状態判定部40aの判定処理の際に得られた圧力損失の測定値ΔP1aを用いることができる。
ヘッドフィルタ状態判定部40bの具体的な動作は、以下の通りである。
ヘッドフィルタ状態判定部40bは、まず、第1流路切替バルブ150aを閉塞状態とし、且つ、第2流路切替バルブ150bを開放状態とすることで、インクを、バイパス流路111側には流入させず、インクジェットヘッド24(ヘッドフィルタ240a)を通過させるように、循環流路110内で循環させる(即ち、図6に示す第2循環モード)。
次に、ヘッドフィルタ状態判定部40bは、第1圧力センサ160a及び第2圧力センサ160bそれぞれから圧力センサ値を取得し、これらの圧力センサ値の差として、インク通流時のヘッドフィルタ240aにおける圧力損失の測定値ΔP2aを算出する。
次に、ヘッドフィルタ状態判定部40bは、第2循環モード時の測定により得られたヘッドフィルタ240aにおける圧力損失の測定値ΔP2aと、第1循環モード時の測定により得られた検査用フィルタ141における圧力損失の測定値ΔP1aとの比(以下、「圧力損失比ΔP2a/ΔP1a」と略称する)を算出する。そして、ヘッドフィルタ状態判定部40bは、この圧力損失比ΔP2a/ΔP1aから、ヘッドフィルタ240aの目詰まり状態がどの程度発生しているかを把握する。ヘッドフィルタ状態判定部40bは、例えば、圧力損失比ΔP2a/ΔP1aが、所定の閾値(以下、第2閾値)よりも大きい場合には、ヘッドフィルタ240aの目詰まりが発生している状態であると判定し、ヘッドフィルタ240aのメンテナンスが必要であると判定する。
尚、ヘッドフィルタ状態判定部40bは、3個のインクジェットヘッド240のヘッドフィルタ240aの目詰まり状態を一括して判定してもよいし、3個のインクジェットヘッド240のヘッドフィルタ240aそれぞれの目詰まり状態を別個に判定してもよい。3個のインクジェットヘッド240のヘッドフィルタ240aそれぞれの目詰まり状態を別個に判定する場合、ヘッドフィルタ状態判定部40bは、3個のインクジェットヘッド240それぞれのヘッド通路に設けられた3個の第2流路切替バルブ150bを各別に切り替え制御し、3個のインクジェットヘッド240それぞれのヘッドフィルタ240aの圧力損失の測定値ΔP2を各別に測定すればよい。つまり、この場合、ヘッドフィルタ状態判定部40bは、3個のインクジェットヘッド240それぞれのヘッドフィルタ240aについて、圧力損失比ΔP1a/ΔP2aを導出し、これに基づいて、3個のインクジェットヘッド240のヘッドフィルタ240aそれぞれの目詰まり状態を別個に判定する。
<制御部40の動作フロー>
図7は、印刷装置1のメンテナンスを実行する前に、制御部40が、インクの状態及びインクジェットヘッド240のヘッドフィルタ240aの状態をチェックするために実行するチェックモードの動作の一例を示すフローチャートである。図8は、制御部40が、チェックモードの動作時に参照するメンテナンス内容を決定するためのデータテーブルの一例を示す図である。
尚、図7のチェックモードの動作は、前回チェック時から所定期間経過した場合、印刷装置1を起動した時等に自動的に行うように設定されている。又、かかるチェックモードの動作は、ユーザからの指示に基づいて行なうようにしてもよい。
まず、ステップS1において、制御部40は、温度センサ162から温度センサ値を取得する。
次に、ステップS2において、制御部40は、第1流路切替バルブ150aを開放状態とし、且つ、第2流路切替バルブ150bを閉塞状態とすることで、バイパス流路111を介してインクを循環流路110内で循環させる(第1循環モード)。即ち、このステップS2では、制御部40は、インク循環システム100におけるインクの循環経路を、検査用フィルタ141を通る循環経路に設定する。
次に、ステップS3において、制御部40は、供給ダンパ102のインク供給圧の目標値、及び回収ダンパ103のインク回収圧の目標値を設定し、循環流路110に通流するインクの流量が所定値になるように調整する。
次に、ステップS4において、制御部40は、第1圧力センサ160a及び第2圧力センサ160bそれぞれから圧力センサ値を取得し、その差から、検査用フィルタ141における圧力損失の測定値ΔP1aを得る。
次に、ステップS5において、制御部40は、流量センサ161の流速センサ値から求まるバイパス流路111を通流するインクの流速と、温度センサ162の温度センサ値から求まるインクの粘度の推定値と、検査用フィルタ141の流動抵抗の既定値と、に基づいて、検査用フィルタ141における圧力損失の推定値ΔP1bを算出する。
次に、ステップS6において、制御部40は、第1流路切替バルブ150aを閉塞状態とし、且つ、第2流路切替バルブ150bを開放状態とすることで、バイパス流路111を介さずインクを循環流路110内で循環させる(第2循環モード)。即ち、このステップS6では、制御部40は、インク循環システム100におけるインクの循環経路を、インクジェットヘッド240を通る循環経路に設定する。尚、このとき、制御部40は、3つの第2流路切替バルブ150bのいずれかひとつを開放状態として、測定対象のインクジェットヘッド240いずれか一つのみにインクが通流するようにしてもよい。
次に、ステップS7において、制御部40は、供給ダンパ102のインク供給圧の目標値、及び回収ダンパ103のインク回収圧の目標値を設定し、循環流路110に通流するインクの流量が所定値になるように調整する。尚、この際、制御部40は、流量センサ161が示す流量センサ値をもとに、ヘッドフィルタ240aを通流するインクの流速が、インク状態判定部40aの判定処理の際の検査用フィルタ141を通流させたインクの流速と同一となるように設定してもよい。これにより、v2/v1を、1とすることができる。
次に、ステップS8において、制御部40は、第1圧力センサ160a及び第2圧力センサ160bそれぞれから圧力センサ値を取得し、その差から、インクジェットヘッド240のヘッドフィルタ240aにおける圧力損失の測定値ΔP2aを得る。
ステップS9~ステップS12の処理は、ステップS4で得られた検査用フィルタ141における圧力損失の測定値ΔP1a、ステップS5で得られた検査用フィルタ141における圧力損失の推定値ΔP1b、及び、ステップS8で得られたヘッドフィルタ240aにおける圧力損失の測定値ΔP2aに基づいて、インクの状態及びヘッドフィルタ240aの状態が、図8に示すデータテーブルのいずれの状態に該当するかを判定するための処理である。
具体的には、ステップS9において、制御部40は、|ΔP1a-ΔP1b|<第1閾値で、且つ、ΔP2a/ΔP1a<第2閾値の場合(S9:Yes)、ステップS13に処理を進め、これを充足しない場合(S9:No)、ステップS10に処理を進める。
次に、ステップS10において、制御部40は、|ΔP1a-ΔP1b|≧第1閾値で、且つ、ΔP2a/ΔP1a<第2閾値の場合(S10:Yes)、ステップS14に処理を進め、これを充足しない場合(S10:No)、ステップS11に処理を進める。
次に、ステップS11において、制御部40は、|ΔP1a-ΔP1b|<第1閾値で、且つ、ΔP2a/ΔP1a≧第2閾値の場合(S11:Yes)、ステップS15に処理を進め、これを充足しない場合(S11:No)、ステップS12に処理を進める。
次に、ステップS12において、制御部40は、|ΔP1a-ΔP1b|≧第1閾値で、且つ、ΔP2a/ΔP1a≧第2閾値の場合(S12:Yes)、ステップS16に処理を進める(ここでは、S12:Noの場合は存在しない)。
次に、ステップS13において、制御部40は、インク及びインクジェットヘッド240のヘッドフィルタ240aのいずれについてもメンテナンスは、不要であるとして、その旨を印刷装置1の表示画面等に出力して、図7のフローチャートの処理を終了する。
次に、ステップS14において、制御部40は、インクのメンテナンスが、必要であるとして、インクのメンテナンス動作の実行指令を、インク循環システム100に対して出力する。
尚、ステップS14において、制御部40は、インクのメンテナンス動作として、例えば、インクの吐き捨てパージを実行する。この際、制御部40は、例えば、供給側ポンプ121と回収側ポンプ122とを制御して、インクジェットヘッド240のノズル243の背圧を上昇させ、循環流路110内に通流するインクの大部分をノズル243から吐き出す等の処理を行う。これにより、循環流路110内に通流するインクをリフレッシュする。
次に、ステップS15において、制御部40は、インクジェットヘッド240のヘッドフィルタ240aのメンテナンスが、必要であるとして、ヘッドフィルタ240aのメンテナンス動作の実行指令を、インク循環システム100に対して出力する。
尚、ステップS15において、制御部40は、ヘッドフィルタ240aのメンテナンス動作として、例えば、インクの逆流処理を実行する。この際、制御部40は、例えば、供給側ポンプ121と回収側ポンプ122とを制御して、供給側ポンプ121と回収側ポンプ122とを制御して、循環流路110内でインクを逆流させる処理を行う。これにより、ヘッドフィルタ240aの目詰まりを解消する。
次に、ステップS16において、制御部40は、インクのメンテナンス及びインクジェットヘッド240のヘッドフィルタ240aのメンテナンスの両方が、必要であるとして、インクのメンテナンス動作及びインクジェットヘッド240のヘッドフィルタ240aのメンテナンス動作の両方についての実行指令を、インク循環システム100に対して出力する。この際、制御部40は、例えば、インクの吐き捨てパージ及びインクの逆流処理の両方を実行する。
制御部40は、以上のような処理により、インクの状態及びヘッドフィルタ240aの状態を判定し、印刷装置1におけるメンテナンス内容を決定する。
尚、インクのメンテナンス手法、及びヘッドフィルタ240aのメンテナンス手法は、公知の任意の手法であってよい。又、これらのメンテナンス手法は、インクの粘性度合いや、ヘッドフィルタ240aの目詰まり度合いに応じて変更されてもよい。
[効果]
以上のように、本実施形態に係るインクジェット印刷装置1は、
インクを吐出するインクジェットヘッド240と、
インクを貯留するインクタンク101と、
インクをインクタンク101とインクジェットヘッド240との間で循環させる循環流路110と、
循環流路110のメイン流路110a、110b中のインクジェットヘッド240の配設位置をバイパスするように循環流路110に接続されたバイパス流路111と、
メイン流路110a、110b又はバイパス流路111中に設けられた流路切替バルブ150a、150bの制御により、バイパス流路111を介してインクを循環流路110内で循環させる第1循環モードと、バイパス流路111を介さずインクを循環流路110内で循環させる第2循環モードと、を切り替え可能な制御装置40と、
を備えるインクジェット印刷装置であって、
制御装置40は、
第1循環モード時の測定により得られたバイパス流路111における第1圧力損失の測定値と、その際にバイパス流路111に通流するインクの流量とインク温度とから推測される第1圧力損失の推測値とに基づいて、インクの粘性状態を判定するインク状態判定部40aと、
第2循環モード時の測定により得られたインクジェットヘッド240における第2圧力損失の測定値と、第1循環モード時の測定により得られたバイパス流路111における第1圧力損失の測定値と、に基づいて、インクジェットヘッド240のヘッドフィルタ240aの目詰まり状態を判定するヘッドフィルタ状態判定部40bと、
を有する。
これによって、インクの粘性状態(例えば、インクの乾燥や凝集に伴うインクの粘性の変化)とインクジェットヘッド240のヘッドフィルタ240aの目詰まり状態それぞれを、適確に判定することができる。換言すると、これにより、インクの粘性状態を考慮せずに、インクジェットヘッド240のヘッドフィルタ240aの目詰まり状態を判定することに起因して、ヘッドフィルタの目詰まり状態の判定結果が不正確となる事態や、インクジェットヘッド240のヘッドフィルタ240aの目詰まり状態を考慮せずに、インクの粘性状態を判定することに起因して、インクの粘性状態の判定結果が不正確となる事態を防止することができる。
これにより、循環流路内で循環させているインク、及びインクジェットヘッド240のヘッドフィルタ240aそれぞれに対して、適確なメンテナンスを実施することが可能となる。
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限らず、種々の変形態様に適用可能である。
例えば、上記実施形態では、印刷装置1におけるメンテナンスの一例として、制御部40による自動制御(インクの吐き捨てパージ、及びインクの逆流処理)を示した。しかしながら、循環流路内で循環させているインク、及びインクジェットヘッド240のヘッドフィルタ240aそれぞれに対するメンテナンスは、必ずしも制御部40による自動制御である必要はなく、作業者による手作業によるものであってもよい。この場合、制御部40は、印刷装置1におけるメンテナンス内容を決定した後に、印刷装置1の表示部(図示せず)に、所定のメンテナンス作業の実施を促す通知を行うものであってもよい。
又、上記実施形態では、インク状態判定部40aの一例として、流量センサ161の流速センサ値から求まるバイパス流路111を通流するインクの流速と、温度センサ162の温度センサ値から求まるインクの粘度の推定値と、検査用フィルタ141の流動抵抗の既定値と、に基づいて、検査用フィルタ141における圧力損失の推定値ΔP1bを算出する態様を示した。しかしながら、インク状態判定部40aは、流量センサ161から得られる流量センサ値に代えて、供給側ポンプ121のインク供給圧(即ち、供給ダンパ102に設定するインク供給圧の目標値)及び回収側ポンプ122のインク回収圧(即ち、回収ダンパ103に設定するインク回収圧の目標値)等の制御情報から、バイパス流路111を通流するインクの流速を求めてもよい。又、インク状態判定部40aは、温度センサ162から得られる温度センサ値に代えて、周囲の空気温度等から、インク温度を求めてもよい。
又、上記実施形態では、インク状態判定部40aの一例として、バイパス流路111(即ち、検査用フィルタ141)における圧力損失の測定値ΔP1aと推定値ΔP1bとの差が第1閾値よりも大きいか否かで、インクの粘性状態が異常であるか否かのみを判定する態様を示した。しかしながら、インク状態判定部40aは、バイパス流路111(即ち、検査用フィルタ141)における圧力損失の測定値ΔP1aと推定値ΔP1bとの差に基づいて、循環流路110に通流するインクの粘度の異常度合いを、レベル分けして判定してもよい。又、かかるインクの粘度の異常度合いのレベルに応じて、インクの粘度異常を解消するためのメンテナンス内容を変更してもよい。
又、上記実施形態では、ヘッドフィルタ状態判定部40bの一例として、圧力損失比ΔP2a/ΔP1aの値が第2閾値よりも大きいか否かで、ヘッドフィルタ240aの目詰まり状態が異常であるか否かのみを判定する態様を示した。圧力損失比ΔP2a/ΔP1aの値に応じて、ヘッドフィルタ240aの目詰まり状態をレベル分けして判定してもよい。又、かかるヘッドフィルタ240aの目詰まり状態のレベルに応じて、ヘッドフィルタ240aの目詰まり状態を解消するためのメンテナンス内容を変更してもよい。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
本開示に係るインクジェット印刷装置によれば、インク粘度変動及びフィルタ目詰まりの状態を正確に判定することが可能である。
1 インクジェット印刷装置
10 給紙部
20 画像形成部
30 排紙部
40 制御部(制御装置)
40a インク状態判定部
40b ヘッドフィルタ状態判定部
50 ヘッドユニット駆動部
60 搬送駆動部
70 画像処理部
80 入出力インターフェース
90 インク供給部
100 インク循環システム
101 インクタンク
102 供給ダンパ
103 回収ダンパ
110 循環流路
110a インク供給流路(メイン流路)
110b インク回収流路(メイン流路)
111 バイパス流路
121 供給側ポンプ
122 回収側ポンプ
130 脱気モジュール
140 通路内フィルタ
141 検査用フィルタ
150a 第1流路切替バルブ
150b 第2流路切替バルブ
160a 第1圧力センサ
160b 第2圧力センサ
161 流量センサ
162 温度センサ
240 インクジェットヘッド
240a ヘッドフィルタ
243 ノズル
P 記録媒体

Claims (6)

  1. インクを吐出するインクジェットヘッドと、
    前記インクを貯留するインクタンクと、
    前記インクを前記インクタンクと前記インクジェットヘッドとの間で循環させる循環流路と、
    前記循環流路のメイン流路中の前記インクジェットヘッドの配設位置をバイパスするように前記循環流路に接続されたバイパス流路と、
    前記メイン流路又は前記バイパス流路中に設けられた流路切替バルブの制御により、前記バイパス流路を介して前記インクを前記循環流路内で循環させる第1循環モードと、前記バイパス流路を介さず前記インクを前記循環流路内で循環させる第2循環モードと、を切り替え可能な制御装置と、
    を備えるインクジェット印刷装置であって、
    前記制御装置は、
    前記第1循環モード時の測定により得られた前記バイパス流路における第1圧力損失の測定値と、その際に前記バイパス流路に通流する前記インクの流量とインク温度とから推測される前記第1圧力損失の推測値とに基づいて、前記インクの粘性状態を判定するインク状態判定部と、
    前記第2循環モード時の測定により得られた前記インクジェットヘッドにおける第2圧力損失の測定値と、前記第1循環モード時の測定により得られた前記バイパス流路における前記第1圧力損失の測定値と、に基づいて、前記インクジェットヘッドのヘッドフィルタの目詰まり状態を判定するヘッドフィルタ状態判定部と、
    を有するインクジェット印刷装置。
  2. 前記バイパス流路中には、検査用フィルタが配設されている、
    請求項1に記載のインクジェット印刷装置。
  3. 前記検査用フィルタ、前記ヘッドフィルタ、及び、前記メイン流路中に配設された通路内フィルタそれぞれの捕捉可能粒径の大きさの序列は、前記検査用フィルタの捕捉可能粒径>前記ヘッドフィルタの捕捉可能粒径>前記通路内フィルタの捕捉可能粒径の順である、
    請求項2に記載のインクジェット印刷装置。
  4. 前記制御装置は、前記インク状態判定部及び前記ヘッドフィルタ状態判定部それぞれの判定結果に基づいて、当該印刷装置におけるメンテナンス処理の内容を決定する、
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載のインクジェット印刷装置。
  5. 複数の前記インクジェットヘッドを備え、
    複数の前記インクジェットヘッドへの前記インクの通流状態は、前記メイン流路中に設けられた複数の第2流路切替バルブにより、各別に変更可能に構成され、
    前記ヘッドフィルタ状態判定部は、前記第2循環モード時に測定された複数の前記インクジェットヘッドそれぞれにおける前記第2圧力損失の測定値に基づいて、複数の前記インクジェットヘッドそれぞれの前記ヘッドフィルタの目詰まり状態を各別に判定する、
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載のインクジェット印刷装置。
  6. インクを吐出するインクジェットヘッドと、
    前記インクを貯留するインクタンクと、
    前記インクを前記インクタンクと前記インクジェットヘッドとの間で循環させる循環流路と、
    前記循環流路のメイン流路中の前記インクジェットヘッドの配設位置をバイパスするように前記循環流路に接続されたバイパス流路と、
    前記メイン流路又は前記バイパス流路中に設けられた流路切替バルブの制御により、前記バイパス流路を介して前記インクを前記循環流路内で循環させる第1循環モードと、前記バイパス流路を介さず前記インクを前記循環流路内で循環させる第2循環モードと、を切り替え可能な制御装置と、
    を備えるインクジェット印刷装置のメンテナンス方法であって、
    前記第1循環モード時の測定により得られた前記バイパス流路における第1圧力損失の測定値と、その際に前記バイパス流路に通流する前記インクの流量とインク温度とから推測される前記第1圧力損失の推測値とに基づいて、前記インクの粘性状態を判定する第1処理と、
    前記第2循環モード時の測定により得られた前記インクジェットヘッドにおける第2圧力損失の測定値と、前記第1循環モード時の測定により得られた前記バイパス流路における前記第1圧力損失の測定値と、に基づいて、前記インクジェットヘッドのヘッドフィルタの目詰まり状態を判定する第2処理と、
    を有するメンテナンス方法。








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