JP2023050883A - 水洗大便器 - Google Patents

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Hiroshi Hashimoto
健一 中村
Kenichi Nakamura
伸一 浦田
Shinichi Urata
一成 安井
Kazunari Yasui
勇 坂場
Isamu Sakaba
雄一 坪根
Yuichi Tsubone
茂 岡田
Shigeru Okada
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【課題】溜水部の溜水域全体をある程度大きく確保したとしても、ボウル部(特に、壺部)内に汚物が付着することを抑制し、洗浄性能と汚物排出性能の双方を向上させることができる水洗大便器を提供する。【解決手段】本発明による水洗大便器1は、汚物受け面14と、リム部18と、壺部12と、を備えたボウル部6と、ボウル部内に向かって洗浄水を吐水する吐水部20,22と、壺部の下方に接続された入口30を備え、ボウル部内の汚物を排出する排水トラップ部8と、を有し、壺部は、排水トラップ部の入口の上方且つ前方に形成された底壁32と、この底壁の周囲を取り囲むように形成された側壁36,38と、底壁の外縁32aと側壁の下縁36c,38cとを曲率を有する面C1で接合する接合部40と、を備えており、壺部の底壁は、正面断面視において、その左右の中心軸線Zに対して左右に亘って下方に凹むように形成された凹部44を備えている。【選択図】図7B

Description

本発明は、水洗大便器に係り、特に、洗浄水により洗浄されて汚物を排出する水洗大便器に関する。
従来から、洗浄水により洗浄されて汚物を排出する水洗大便器として、例えば、特許文献1に記載されているように、便器本体が、ボウル部と、このボウル部の下方に入口が接続された排水トラップ部と、を備えているものが知られている。
また、このような従来の水洗大便器においては、便器本体のボウル部が、ボウル形状の汚物受け面と、この汚物受け面の下方に設けられて貯留した所定量の溜水により溜水部を形成する壺部と、を備えている。
このような構成により、ボウル部の汚物受け面に吐水された洗浄水は、その下方の壺部内に流入して壺部(溜水部)の底面に衝突することにより下降流から上昇流に変更されるようになっている。これにより、壺部内においては、洗浄水が概ね上下方向に旋回する、いわゆる、「縦旋回流」が形成されるようになっている。
さらに、上述した特許文献1に記載されている従来の水洗大便器においては、壺部(溜水部)における平坦面状に形成された底面が、排水トラップ部の入口に向かって下方に傾斜するように形成されており、壺部内に流入した洗浄水や溜水部の溜水を排水トラップ部に誘導することができるようになっている。
特開2015-67954号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載されている従来の水洗大便器では、便器本体の壺部の溜水部において、縦旋回流を形成するために、溜水域の大きさ(溜水域の平面断面積等)を比較的小さく設計する必要がある。
しかしながら、従来よりも溜水部の溜水域の大きさを小さく設計すると、その分、ボウル部の汚物受け面や壺部内の溜水部以外の領域の表面積が大きくなるため、汚物が付着する面積も大きくなるという問題がある。
一方、従来よりも溜水部の溜水域の大きさを大きく設計すると、溜水部における洗浄水の流れが溜水部の中心側に集まり難くなるため、汚物が収集され難くなる。
これにより、溜水部で汚物が浮遊する領域も大きくなり、壺部内の壁面に汚物が付着しやすくなり、汚物の洗い残し等の洗浄不良による洗浄性能の低下につながるという問題がある。
そこで、本発明は、上述した従来技術の問題を解決するためになされたものであり、溜水部の溜水域全体をある程度大きく確保したとしても、ボウル部(特に、壺部)内に汚物が付着することを抑制し、洗浄性能と汚物排出性能の双方を向上させることができる水洗大便器を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するために、本発明は、洗浄水により洗浄されて汚物を排出する水洗大便器であって、ボウル形状の汚物受け面と、この汚物受け面の上方に形成されるリム部と、上記汚物受け面の下方に設けられて貯留した溜水により溜水部を形成する壺部と、を備えたボウル部と、上記リム部に設けられ、上記ボウル部内に向かって洗浄水を吐水する吐水部と、上記壺部の下方に接続された入口を備え、上記ボウル部内の汚物を排出する排水トラップ部と、を有し、上記壺部は、上記排水トラップ部の入口の上方且つ前方に形成された底壁と、この底壁の周囲を取り囲むように形成された側壁と、上記底壁の外縁と上記側壁の下縁とを曲率を有する面で接合する接合部と、を備えており、上記壺部の底壁は、正面断面視において、その左右の中心軸線に対して左右に亘って下方に凹むように形成された凹部を備えていることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、吐水部からボウル部内に吐水された洗浄水は、汚物受け面から壺部内に流れ込む。
この際、壺部の底壁が、正面断面視において、その左右の中心軸線に対して左右に亘って下方に凹むように凹部を形成しているため、壺部内における溜水部の周囲の洗浄水が壺部の底壁の凹部側(左右中央側)に集められる。
これにより、壺部内の洗浄水においては、壺部の底壁から排水トラップ部の入口に向かって収束した洗浄水の流れを形成することができる。
また、壺部の底壁の左右中央が凹部により下方に凹んだ形状となっているため、溜水部の左右方向にずれた位置に落下した汚物を中央に集めることができ、溜水部の中央に落下した汚物についても、壺部内に流入した洗浄水と共に、排水トラップ部の入口に向けてスムーズに誘導することができる。
これらの結果、溜水部の溜水域全体をある程度大きく確保したとしても、ボウル部(特に、壺部)内に汚物が付着することを抑制することができると共に、洗浄性能と汚物排出性能の低下を抑制することができる。
本発明において、好ましくは、上記壺部の底壁の正面断面視において、上記接合部と左右内側の上記凹部との間の領域には、上記接合部側から上記凹部に向かって上記底壁の形状が遷移する遷移領域が設けられており、この遷移領域は、上記接合部側から左右内側に向かうにつれて平面状又は上方に突出するように凸状に形成された後、上記凹部の凹状に遷移するように形成されている。
このように構成された本発明においては、壺部の底壁の正面断面視において、壺部の底壁の外縁と側壁の下縁とを曲率を有する面で接合する接合部と凹部との間の領域に設けられた遷移領域により、壺部の底壁の形状が接合部側から左右内側に向かうにつれて平面状又は上方に突出するように凸状に形成された後、凹部の凹状に遷移している。
これにより、溜水部内における凹部の左右外側領域の洗浄水が、遷移領域における平面状又は上方に突出する凸状の部分を乗り越えて凹部内に流入した状態では、凹部の左右外側の凸状部分により、凹部の外部へ再び流出することが抑制されるため、凹部内に洗浄水が保持された状態が維持されながら、排水トラップ部の入口に向かって収束した洗浄水の流れを形成することができる。
したがって、壺部の溜水部内に流入した洗浄水や汚物について、排水トラップ部の入口に向けて確実に誘導することができる。
本発明において、好ましくは、上記凹部は、側面断面視において、その後方の上記排水トラップ部の入口側に向かうにつれて下方に傾斜している。
このように構成された本発明においては、壺部の側面断面視において、凹部がその後方の排水トラップ部の入口側に向かうにつれて下方に傾斜しているため、凹部全体を後方側の排水トラップの入口に向けて差し向けた形状にすることができる。
したがって、壺部の溜水部に流入した洗浄水や汚物が凹部に流入した際には、これらの洗浄水や汚物を溜水部内に留まらせることなく、排水トラップ部の入口にスムーズに向かわせることができる。
したがって、水洗大便器における洗浄性能(洗浄力)と汚物排出性能(排出力)の双方を向上させることができる。
本発明において、好ましくは、上記凹部は、側面断面視において、その底面が、上記排水トラップ部の入口に接続される後端と、この後端から上記底面上に沿って前後方向に延びる接線と、この接線を上記底面の後端から後方側に延長させた接線延長部と、を備えており、上記排水トラップ部は、側面断面視において、その入口から後方且つ下方の最下端部まで延びた後、この最下端部から後方且つ上方に延びるトラップ管路を形成し、上記接線延長部は、側面断面視において、上記排水トラップ部の上記入口から上記最下端部までの上記トラップ管路内の上面よりも下方の高さ位置を通過するように上記トラップ管路内に位置している。
このように形成された本発明においては、壺部の凹部及び排水トラップ部の側面断面視において、凹部の底面の後端から底面上に沿って前後方向に延びる接線をさらに後方側に延長させた接線延長部について、排水トラップ部の入口から最下端部までのトラップ管路内の上面よりも下方の高さ位置を通過させるようにトラップ管路内に位置決めすることができた。
これにより、壺部の溜水部に流入した洗浄水や汚物が凹部に流入した際には、これらの洗浄水や汚物を溜水部内に留まらせることなく、排水トラップ部の入口から排水トラップ部の内部によりスムーズに向かわせることができる。
したがって、水洗大便器における洗浄性能(洗浄力)と汚物排出性能(排出力)の双方を効果的に向上させることができる。
本発明において、好ましくは、上記凹部は、平面視において、その左右方向の幅が後方の上記排水トラップ部の入口側に向かうにつれて広がるように扇状に形成されている。
このように形成された本発明においては、壺部の凹部の平面視では、この凹部の左右方向の幅が後方の排水トラップ部の入口側に向かうにつれて広がるように扇状に形成されていることにより、壺部の溜水部に流入した洗浄水や汚物は、凹部に流入した後に、この凹部の後方側の排水トラップ部の入口の広範囲に汚物を誘導することができる。
また、凹部から後方側に流出した洗浄水や汚物が排水トラップ部の入口に流入する際は、排水トラップ部の入口の全域に亘って強い押し込み力を発生させることもできるため、排水トラップ部の入口の全域に誘導された汚物が排水トラップ部の流路内で詰まることを抑制することができる。
したがって、水洗大便器における洗浄性能(洗浄力)と汚物排出性能(排出力)の双方をより効果的に向上させることができる。
本発明において、好ましくは、上記凹部は、側面断面視において、その底面が前後方向に亘って下方に突出している。
このように形成された本発明においては、壺部の凹部の底面が、側面断面視において、前後方向に亘って下方に突出しているため、前後方向に延びる凹状面を形成することができる。
これにより、凹部内の洗浄水や汚物は、前後方向に延びる凹状面に沿って排水トラップ部の入口側に流れることにより、強い流束で排水トラップ部の入口に誘導されるため、排水トラップ部内に確実に流入することができる。
したがって、水洗大便器における洗浄性能(洗浄力)と汚物排出性能(排出力)の双方をさらにより効果的に向上させることができる。
本発明において、好ましくは、上記凹部は、正面断面視又は側面断面視において、上記遷移領域における凸状に形成された部分の頂点から上記凹部の最低底面までの上下方向の凹み量が後方の上記排水トラップ部の入口側に向かうにつれて大きくなるように設定されている。
このように形成された本発明においては、壺部の凹部の正面断面視又は側面断面視において、遷移領域における凸状に形成された部分の頂点から凹部の最低底面までの上下方向の凹み量が後方の排水トラップ部の入口側に向かうにつれて大きくなるように設定されていることにより、凹部内の洗浄水や汚物が、遷移領域における平面状又は上方に突出する凸状の部分を乗り越えて凹部の外部へ流出することを抑制することができる。
これにより、凹部内に洗浄水が保持された状態が維持されながら、排水トラップ部の入口に向かって収束した洗浄水の流れを形成することができる。
したがって、壺部の溜水部内に流入した洗浄水や汚物について、凹部内で形成された収束した洗浄水の流れにより、排水トラップ部の入口に向けて確実に誘導することができる。
本発明において、好ましくは、上記凹部の前方における上記接合部と上記凹部との間の領域には、この領域に流入した洗浄水が上記凹部に流入し過ぎることを抑制するように、平面状又は上方に突出して凸状に形成されたガイド部が設けられている。
このように形成された本発明においては、吐水部からボウル部内に吐水された洗浄水は、汚物受け面から壺部内に流れ込む。
この際、壺部の凹部の前方における接合部と凹部との間の領域に流入した洗浄水の一部は、平面状又は上方に突出して凸状に形成されたガイド部に衝突することにより、凹部内に流入することなく、壺部の周方向に導かれて旋回する流れを形成することができる。
したがって、壺部内の溜水部に流入した洗浄水が凹部内に流入し過ぎることを抑制することにより、壺部内を旋回する流れを確保することができると共に、凹部から排水トラップ部の入口に押し込む流れを確保することができる。
よって、水洗大便器におけるボウル部の壺部内における洗浄性能(洗浄力)と汚物排出性能(排出力)の双方を両立させることができるため、水洗大便器の洗浄性能を総合的に向上させることができる。
本発明の水洗大便器によれば、溜水部の溜水域全体をある程度大きく確保したとしても、ボウル部(特に、壺部)内に汚物が付着することを抑制し、洗浄性能と汚物排出性能の双方を向上させることができる。
本発明の一実施形態による水洗大便器の概略平面図である。 図1のII-II線に沿った側面断面図である。 図2に示す本発明の一実施形態による水洗大便器の側面断面図において、便器本体の壺部の部分を拡大した拡大側面断面図である。 図3Aに示す本発明の一実施形態による水洗大便器の便器本体の壺部の前方部分を拡大した拡大側面断面図である。 図2のIVA-IVA線に沿った断面図である。 図2のIVB-IVB線に沿った断面図である。 図2のIVC-IVC線に沿った断面図である。 図2のVA-VA線に沿った断面図である。 図5Aに示す本発明の一実施形態による水洗大便器の便器本体において、ボウル部の壺部の部分を拡大した断面図である。 図2のVIA-VIA線に沿った断面図である。 図6Aに示す本発明の一実施形態による水洗大便器の便器本体において、ボウル部の壺部の部分を拡大した断面図である。 図2のVIIA-VIIA線に沿った断面図である。 図7Aに示す本発明の一実施形態による水洗大便器の便器本体において、ボウル部の壺部の部分を拡大した断面図である。 図2のVIIIA-VIIIA線に沿った断面図である。 図8Aに示す本発明の一実施形態による水洗大便器の便器本体において、ボウル部の壺部の部分を拡大した断面図である。 本発明の一実施形態による水洗大便器のボウル部内における第2リム吐水口から吐水された洗浄水がボウル部の後方側から前方側に旋回した後、前方側から壺部内に流入した状態の洗浄水の流れを概略的に説明した概略平面図である。 本発明の一実施形態による水洗大便器のボウル部内における第2リム吐水口から吐水された洗浄水がボウル部の後方側から前方側に旋回した後、前方側から壺部内に流入した状態の洗浄水の流れを概略的に説明した概略側面断面図である。
以下、図1~図10を参照して、本発明の一実施形態による水洗大便器について説明する。
まず、図1は、本発明の一実施形態による水洗大便器の概略平面図である。また、図2は、図1のII-II線に沿った側面断面図である。
図1及び図2に示すように、本発明の一実施形態による水洗大便器1は、陶器製の便器本体2を備えている。
この便器本体2は、上流側から下流側に向かって、導水路4と、ボウル形状のボウル部6と、排水トラップ部8とを備えている。
これにより、本発明の一実施形態による水洗大便器1については、サイホン作用を利用してボウル部6内の汚物を吸い込んで排水トラップ部8から一気に外部に排出する、いわゆる、「サイホン式の水洗大便器」となっている。
なお、本発明の一実施形態による水洗大便器1については、サイホン式の水洗大便器の形態に限られず、ボウル部内の水の落差による流水作用で汚物を押し流す、いわゆる、「洗い落し式の水洗大便器」の形態についても適用可能である。
また、図1及び図2に示す本実施形態の水洗大便器1では、その便器本体2の上面において、便座(図示せず)及び便蓋(図示せず)等が設けられているが、従来の水洗大便器の構造と同様であるため、具体的な説明については省略する。
さらに、便器本体2の上面における便座(図示せず)及び便蓋(図示せず)の後方側には、使用者の局部を洗浄する衛生洗浄部(図示せず)や便器本体2への給水機能に関与する給水系機能部等の機能部(図示せず)等が設けられていてもよいが、これらについても、従来の水洗大便器の構造と同様であるため、具体的な説明については省略する。
つぎに、図1に示すように、本発明の一実施形態による水洗大便器1は、便器洗浄に使用される洗浄水を貯水して便器本体2へ給水する洗浄水源である重力給水式の貯水タンク10を備えている。
ここで、本実施形態では、便器本体2へ洗浄水を供給する洗浄水源としては、上述した重力給水式の貯水タンク10のようなタンク式の形態に限定されず、他の形態でも適用可能である。すなわち、便器本体2へ洗浄水を供給する洗浄水源として、水道水の給水圧を直接利用した水道直圧式の形態やフラッシュバルブ式の形態であってもよいし、或いは、ポンプの補圧を利用して洗浄水を供給する形態であってもよい。
つぎに、図1に示す本発明の一実施形態による水洗大便器1においては、便器本体2のボウル部6の平面視において、このボウル部6の左右中央に設けられた壺部12に対し、前後方向に二等分するように水平左右方向に延びる中心軸線を符号「X」で示す。
また、図1に示す便器本体2のボウル部6の平面視において、このボウル部6を左右方向に二等分するように水平前後方向に延びる中心軸線を符号「Y」で示している。
さらに、図1に示す便器本体2のボウル部6の平面視において、各中心軸線X,Yの互いの交点を平面視のボウル部6の中心Oとし、この中心Oを通る鉛直方向に延びる中心軸線を図1及び図2に符号「Z」で示している。
また、図1に示すように、水洗大便器1の前後左右の方向については、「前」、「後」、「左」、「右」でそれぞれ示している。
さらに、図1及び図2に示すように、本実施形態の水洗大便器1においては、ボウル部6内の領域について、中心軸線Xよりも前方側の領域を「ボウル部6の前方領域F」と定義する。また、このボウル部6の前方領域Fにおいて、ボウル部6の水平前後方向の中心軸線Yに対して左側領域L、右側領域Rのそれぞれを「ボウル部6の左前方領域LF」、「ボウル部6の右前方領域RF」と定義する。
同様に、ボウル部6内の領域について、中心軸線Xよりも後方側の領域を「ボウル部6の後方領域B」と定義する。また、このボウル部6の後方領域Bにおいて、ボウル部6の水平前後方向の中心軸線Yに対して左側領域L、右側領域Rのそれぞれを「ボウル部6の左後方領域LB」、「ボウル部6の右後方領域RB」と定義する。
つぎに、図1に示すように、便器本体2の上流側に位置する導水路4は、ボウル部6の後方側に形成され、貯水タンク10から供給された洗浄水をボウル部6に導くようになっている。
また、図1及び図2に示すように、便器本体2の導水路4の下流側に位置するボウル部6は、下方から上方に向かって、詳細は後述する壺部12、汚物受け面14、棚部16、及び、リム部18を備えている。
さらに、ボウル部6の左後方領域LBのリム部18の前方側には、第1リム吐水口20が設けられており、ボウル部6の右後方領域RBのリム部18の後方側には、第2リム吐水口22が設けられている。
つぎに、図1及び図2に示すように、導水路4は、共通導水路24と、第1リム導水路26と、第2リム導水路28とを備えている。
まず、共通導水路24は、貯水タンク10に接続される後方の入口4aから前方のボウル部6の背面側近傍まで延びるようにボウル部6の後方側の便器本体2の内部に形成されている。
また、第1リム導水路26は、ボウル部6の背面側近傍で共通導水路24からボウル部6の左側方に分岐した後、ボウル部6の外周面を迂回しながら前方側の第1リム吐水口20まで延びるようにボウル部6の左後方領域LBのリム部18の内部に形成されている。
これにより、共通導水路24から第1リム導水路26に供給された洗浄水は、第1リム吐水口20からその前方側の棚部16に向けて第1リム吐水として前方へ吐水された後、ボウル部6内の左前方領域LFから右前方領域RFを経て右後方領域RBへと旋回する旋回流を形成するようになっている。
さらに、第2リム導水路28は、ボウル部6の背面側近傍で共通導水路24からボウル部6の右側方に分岐した後、便器本体2の右側方部付近で左側方の第2リム吐水口22に向けて屈曲(Uターン)し、第2リム吐水口22まで延びるようにボウル部6の右後方領域RBのリム部18の後方側の内部に形成されている。
これにより、共通導水路24から第2リム導水路28に供給された洗浄水は、第2リム吐水口22からその後方側の棚部16に向けて第2リム吐水として後方へ吐水された後、ボウル部6内の右後方領域RBから左後方領域LBを経て左前方領域LF領域へと旋回した後、この左前方領域LF領域から壺部12内の前方領域に流入するようになっている。
また、第2リム吐水口22から吐水された第2リム吐水の一部は、ボウル部6の壺部12よりも後方領域の汚物受け面14から壺部12内の後方領域に流入するようにもなっている。
なお、本実施形態では、ボウル部6の棚部16が汚物受け面14の外縁とリム部18の下端との間に設けられている形態について説明するが、必ずしも棚部16が設けられる必要はなく、この棚部16を省略し、第1リム吐水口20及び第2リム吐水口22のそれぞれから吐水される第1リム吐水及び第2リム吐水が、棚部16を経由せずに汚物受け面14の上縁部に直接的に吐水されても良い。
つぎに、図1~図8Bを参照して、ボウル部6の壺部12及びその周辺部分の詳細について説明する。
まず、図3Aは、図2に示す本発明の一実施形態による水洗大便器の側面断面図において、便器本体の壺部の部分を拡大した拡大側面断面図である。また、図3Bは、図3Aに示す本発明の一実施形態による水洗大便器の便器本体の壺部の前方部分を拡大した拡大側面断面図である。
つぎに、図4A~図4Cは、図2のIVA-IVA線、図2のIVB-IVB線、及び、図2のIVC-IVC線のそれぞれに沿った断面図である。
また、図5Aは、図2のVA-VA線に沿った断面図であり、図5Bは、図5Aに示す本発明の一実施形態による水洗大便器の便器本体において、ボウル部の壺部の部分を拡大した断面図である。
さらに、図6Aは、図2のVIA-VIA線に沿った断面図であり、図6Bは、図6Aに示す本発明の一実施形態による水洗大便器の便器本体において、ボウル部の壺部の部分を拡大した断面図である。
また、図7Aは、図2のVIIA-VIIA線に沿った断面図であり、図7Bは、図7Aに示す本発明の一実施形態による水洗大便器の便器本体において、ボウル部の壺部の部分を拡大した断面図である。
さらに、図8Aは、図2のVIIIA-VIIIA線に沿った断面図であり、図8Bは、図8Aに示す本発明の一実施形態による水洗大便器の便器本体において、ボウル部の壺部の部分を拡大した断面図である。
まず、図2及び図3Aに示すように、ボウル部6の壺部12は、汚物受け面14の下方に設けられており、貯留した溜水により溜水部W0を形成している。
ここで、図2及び図3Aでは、便器洗浄が行われる前の待機状態(封水状態)のボウル部6の壺部12の溜水部W0の溜水面の水位(封水水位)を符号「WL」で示している。
つぎに、図3A~図8Bに示すように、壺部12は、排水トラップ部8の入口30の上方且つ前方に設けられて壺部12の底面32aを形成する底壁32を備えている。
また、壺部12は、排水トラップ部8の入口30の後方側に設けられた後壁34(左側後壁34a、右側後壁34b)を備えている。
さらに、壺部12は、後壁34の左右両端(左側後壁34aの左側端部及び右側後壁34bの右側端部)から前方に向かって左右外側に広がるように設けられた側壁36(後方側壁36、後方左側壁36a、後方右側壁36b)を備えている。
また、壺部12は、後方側壁36の左右前端(後方左側壁36a及び後方右側壁36bのそれぞれの前端)から前方に向かって左右内側に窄まるように設けられていると共に、互いの前端が接合される側壁38(前方側壁38、前方左側壁38a、前方右側壁38b)を備えている。
つぎに、図3A、図3B、図5B、図6B、図7B、及び、図8Bに示すように、壺部12は、さらに、その底壁32の底面32aの外縁32bと側壁36,38の下縁36c,38cとを曲率を有する面(曲がり面C1)で接合する下側接合部40を備えている。
また、図3A及び図3Bの側面断面視、並びに、図5B、図6B、図7B及び図8Bの正面断面視において、下側接合部40の下縁40aと上縁40bとの間の区間の曲がり面C1の曲率は、下側接合部40の下縁40a(曲がり面C1の下縁40a)と底壁32の底面32aの外縁32bとを接合する下側接合点P1における底面32aを含む接平面C2の曲率よりも大きく設定されている。
同様に、図3A及び図3Bの側面断面視、並びに、図5B、図6B、図7B及び図8Bの正面断面視において、下側接合部40の曲がり面C1の曲率は、下側接合部40の上縁40b(曲がり面C1の上縁40b)と側壁36,38の下縁36c,38cとを接合する上側接合点P2における側壁36,38の壁面を含む接平面C3の曲率よりも大きく設定されている。
つぎに、図3A、図3B、図5B、図6B、図7B、及び、図8Bに示すように、壺部12は、さらに、その側壁36,38の上縁36d,38dと汚物受け面14の下縁14aとを曲率を有する面(曲がり面C4)で接合する上側接合部42を備えている。
また、図3A及び図3Bの側面断面視、並びに、図5B、図6B、図7B及び図8Bの正面断面視において、上側接合部42の下縁42aと上縁42bとの間の区間の曲がり面C4の曲率は、上側接合部42の下縁42a(曲がり面C4の下縁42a)と側壁36,38の上縁36d,38dとを接合する下側接合点P3における側壁36,38の壁面を含む接平面C5の曲率よりも大きく設定されている。
同様に、図3A及び図3Bの側面断面視、並びに、図5B、図6B、図7B及び図8Bの正面断面視において、上側接合部42の曲がり面C4の曲率は、上側接合部42の上縁42b(曲がり面C4の上縁42b)と汚物受け面14の下縁14aとを接合する上側接合点P4における汚物受け面14の壁面を含む接平面C6の曲率よりも大きく設定されている。
ここで、図1~図4Cに示す本実施形態の水洗大便器1においては、壺部12の底壁32の外縁32b及び下側接合部40の下縁40aに相当する、壺部12の底壁32と下側接合部40との境界線を符号「L1」で示している。
また、壺部12の下側接合部40の上縁40b及び側壁36,38の下縁36c,38cに相当する、壺部12の下側接合部40と側壁36,38との境界線を符号「L2」で示している。
さらに、壺部12の側壁36,38の上縁36d,38d及び上側接合部42の下縁42aに相当する、壺部12の側壁36,38と上側接合部42との境界線を符号「L3」で示している。
また、壺部12の上側接合部42の上縁42b及び汚物受け面14の下縁14aに相当する、壺部12の上側接合部42と汚物受け面14との境界線を符号「L4」で示している。
さらに、図3A及び図3Bに示すように、壺部12と汚物受け面14との互いの上下方向の距離(図3Aに示す境界線L3と境界線L4との上下方向の距離)は、上側接合部42の側面視における下縁42aから上縁42bまでの上下方向の幅H1に相当し、この上下方向の幅H1は、壺部12の後方側から前方側に向かうにつれて小さくなるように設定されている。
これにより、壺部12と汚物受け面14とを後方側から前方側に向かうにつれて互いに上下方向に近接させることができるようになっている。
つぎに、図6B、図7B、及び、図8Bに示すように、壺部12の底壁32は、正面断面視において、その左右の中心軸線Zに対して左右に亘って下方に凹むように形成された凹部44を備えている。
また、図4A~図4C、図6B、図7B、及び、図8Bに示すように、壺部12の底壁32においては、下側接合部40と左右内側の凹部44との間の領域には、下側接合部40側から凹部44に向かって底壁32の形状が遷移する遷移領域46が設けられている。
この遷移領域46は、下側接合部40側から左右内側に向かうにつれて平面状から上方に突出するように凸状に形成された後、凹部44の凹状に遷移するように形成されている。
さらに、図4A~図4Cに示すように、凹部44は、平面視において、その左右方向の幅が後方の排水トラップ部8の入口30側に向かうにつれて広がるように扇状に形成されている。
つぎに、図3A、図6B、図7B、及び、図8Bに示すように、凹部44は、側面断面視において、その底面44aが前後方向に亘って下方に突出しており、かつ、後方の排水トラップ部8の入口30側に向かうにつれて下方に傾斜している。
また、図3A、図4A~図4C、及び、図5Bに示すように、凹部44の前方における下側接合部40と凹部44との間の領域には、この領域に流入した洗浄水が凹部44に流入し過ぎることを抑制するように、平面状から上方に突出して凸状に形成されたガイド部48が設けられている。
さらに、図6B、図7B、及び、図8Bに示すように、凹部44は、正面断面視又は側面断面視において、遷移領域46における凸状に形成された部分の頂点位置P5から凹部44の最低底面位置P6までの上下方向の凹み量d1が、後方の排水トラップ部8の入口30側に向かうにつれて大きくなるように設定されている。
つぎに、図3A及び図4A~図4Cに示すように、壺部12の凹部44は、その底面44aが排水トラップ部8の入口30に接続される後端44bを備えている。
また、壺部12の凹部44は、図3Aの側面断面視において、その後端44bから底面44a上に沿って前後方向に延びる第1接線T1と、この第1接線T1を後端44bから後方側に延長させた第1接線延長部T2とを備えている。
さらに、排水トラップ部8は、図3Aの側面断面視において、その入口30から後方且つ下方の最下端部50まで延びた後、この最下端部50から後方且つ上方に延びるトラップ管路52を形成している。
また、第1接線延長部T2は、図3Aの側面断面視において、排水トラップ部8の入口30の後端30aに対して同一の前後方向位置では、排水トラップ部8の入口30の後端30aの高さ位置よりも下方の高さ位置を通過するように設定されている。
さらに、第1接線延長部T2は、図3Aの側面断面視において、排水トラップ部8の入口30から最下端部50までのトラップ管路52内の上面52aよりも下方の高さ位置を通過するようにトラップ管路52内に位置している。
ここで、図3Aに示すように、排水トラップ部8の入口30の後端30aにおける突出部54の下端から排水トラップ部8の最下端部50までのトラップ管路52内では、その側面断面視における上面52aの形状がほぼ平面形状に形成されている。
つぎに、汚物受け面14は、図3Aの側面断面視において、この汚物受け面14上に沿って前後方向に延びる第2接線T3と、この第2接線T3を汚物受け面14の下縁14aから後方側に延長させた第2接線延長部T4と含む。
そして、上述した第1接線延長部T2及び第2接線延長部T4は、図3Aの側面断面視において、互いにほぼ平行になるように設定されている。
つぎに、図4A~図4Cに示すように、壺部12の後方側壁36は、平面視における左右の側壁36a,36bの壁面が上方から下方に向かうにつれて壺部12の内側に位置するように形成されている。
また、図3A及び図4A~図4Cに示すように、壺部12の後壁34a,34bの下方領域における排水トラップ部8の入口30の後端30a上方には、前方に向かって突出する突出部54が設けられている。
つぎに、図3A及び図4A~図4Cに示すように、壺部12の底壁32は、壺部12の前後方向の中心Oの位置を含む中央底面56と、この中央底面56の左右の周縁56aに形成された周底面58と、を備えている。
まず、中央底面56は、その中央領域が周囲よりも下方に凹む凹部44を形成しており、その後方の排水トラップ部8の入口30側に向かうにつれて下方に位置している。
また、中央底面56の左右方向の幅は、図4A~図4Cの平面視において、中央底面56の前端56bから後端56c(後方の排水トラップ部8の入口30の前端30bに相当)に向かうにつれて広がるように扇状に形成されている。
つぎに、周底面58は、中央底面56の左右の周縁56aと下側接合部40の下縁40a(図4A~図4Cの平面視においては下側接合部40の内縁に相当)とを接合しており、実質的には、壺部12の底壁32の遷移領域46を形成する面となっている。
また、図3Aに示すように、周底面58は、中央底面56よりも高い位置に形成されており、その後端58aが突出部54に接合されている。
これにより、周底面58は、図3Aの側面断面視において、突出部54に接合される後方側から前方側に向かうにつれて上方に位置している。
つぎに、図4A~図4Cに示すように、突出部54は、壺部12の後壁34の下端に設けられていると共に、排水トラップ部8の入口30の後端30aにおける左右幅方向の全域に設けられている。
また、図4A~図4Cに示すように、突出部54は、その平面視における前端54aが後方に向かって凸湾曲状に形成されている。
つぎに、図3Aに示すように、排水トラップ部8の入口30は、壺部12の後壁34の下端に接合された後端30aと、壺部12の底壁32の中央底面56における左右中央の後端56cに接合された前端30bとを備えている。
また、図3Aに示すように、排水トラップ部8の入口30の前端30bは、排水トラップ部8の入口30の後端30aよりも低い位置に設けられている。
つぎに、図1~図10を参照して、本発明の一実施形態による水洗大便器1における便器洗浄時のボウル部6内の洗浄水の流れについて説明する。
図9は、本発明の一実施形態による水洗大便器のボウル部内における第2リム吐水口から吐水された洗浄水がボウル部の後方側から前方側に旋回した後、前方側から壺部内に流入した状態の洗浄水の流れを概略的に説明した概略平面図である。
また、図10は、本発明の一実施形態による水洗大便器のボウル部内における第2リム吐水口から吐水された洗浄水がボウル部の後方側から前方側に旋回した後、前方側から壺部内に流入した状態の洗浄水の流れを概略的に説明した概略側面断面図である。
まず、図9に示すように、本実施形態の水洗大便器1において、便器洗浄が開始されると、貯水タンク10内の洗浄水Wが便器本体2の導水路4の入口4aから共通導水路24に供給される。この共通導水路24内の洗浄水Wは、第1洗浄水W1及び第2洗浄水W2のそれぞれとして第1リム導水路26及び第2リム導水路28のそれぞれに分岐する。
つぎに、図9及び図10に示すように、第1リム導水路26の第1洗浄水W1は、下流側の第1リム吐水口20から前方に第1リム吐水W1として吐水される。この第1リム吐水W1は、ボウル部6内の左前方領域LFから右前方領域RFを経て右後方領域RBへと旋回する旋回流f1を形成する。
一方、図9及び図10に示すように、第2リム導水路28の第2洗浄水W2は、第2リム吐水口22から第2リム吐水W2として吐水される。この第2リム吐水W2は、ボウル部6内の右後方領域RBから左後方領域LBを経て左前方領域LF領域へと旋回した後、この左前方領域LF領域から壺部12内の前方領域に流入する流れf2を形成する。
また、第2リム吐水口22から吐水された第2リム吐水W2の一部は、ボウル部6の壺部12よりも後方領域の汚物受け面14から壺部12内の後方領域に流入する。
つぎに、図9及び図10に示すように、壺部12内に流入した洗浄水W3においては、壺部12の底壁32の凹部44側(左右中央側)に集められることにより、壺部12の底壁32から排水トラップ部8の入口30に向かって収束した洗浄水の流れf3を形成し、汚物を排水トラップ部8内に強力に押し込む流れを形成する。
また、壺部12の下方に誘導された洗浄水W3の一部は、さらに、壺部12の後壁34a,34bの下方領域における排水トラップ部8の入口30の後端30aの上方に設けられた突出部54に対して上方から衝突する。
これにより、衝突後の洗浄水W3は、上方や前方等に向かって跳ね返ることにより、洗浄水W3の流れf3が全体的に上方に向かう流れf4に変更される。
そして、洗浄水の流れf4が縦方向に旋回する流れ(以下「縦旋回流f4」)を形成し、壺部12内の汚物が、壺部12に流入した洗浄水と溜水部W0の溜水と共に撹拌された後、排水トラップ部8の入口30から排水トラップ部8内に排出される。
一方、壺部12の前方の汚物受け面14から壺部12内の前方側壁38(特に、図9及び図10の前方右側壁38b参照)に沿って後方側壁36(特に、図9及び図10の後方右側壁36b参照)に流れ込んだ洗浄水W3は、後方側壁36bの壁面に衝突した後、この後方側壁36bの壁面に沿って壺部12の下方かつ後方に向かって誘導され、壺部12の後壁34a,34bの下端及び排水トラップ部8の入口30の後端30a付近に流れ込む。
そして、壺部12の後壁34(34a,34b)の下端及び排水トラップ部8の入口30の後端30a付近に流れ込んだ洗浄水W3のうち、後方に向かうことなく下方に向かう流れのベクトルを有する洗浄水W3は、その流れf3のベクトルを維持した状態で排水トラップ部8の入口30から排水トラップ部8内に流れ込む。
上述した本発明の一実施形態による水洗大便器1によれば、壺部12の底壁32が、図6B、図7B及び図8Bの正面断面視において、その左右の中心軸線Zに対して左右に亘って下方に凹むように凹部44を形成しているため、壺部12内における溜水部W0の周囲の洗浄水W3が壺部12の底壁32の凹部44側(左右中央側)に集められる(図6B、図7B、図8B、及び、図9参照)。
これにより、壺部12内の洗浄水W3においては、壺部12の底壁32から排水トラップ部8の入口30に向かって収束した洗浄水の流れf3を形成することができる(図9及び図10参照)。
また、壺部12の底壁32の左右中央が凹部44により下方に凹んだ形状となっているため、溜水部W0の左右方向にずれた位置に落下した汚物を中央に集めることができ、溜水部W0の中央に落下した汚物についても、壺部12内に流入した洗浄水W3と共に、排水トラップ部8の入口30に向けてスムーズに誘導することができる。
これらの結果、溜水部W0の溜水域全体をある程度大きく確保したとしても、ボウル部6(特に、壺部12)内に汚物が付着することを抑制することができると共に、洗浄性能と汚物排出性能の低下を抑制することができる。
また、本実施形態による水洗大便器1によれば、図6B、図7B、及び、図8Bに示すように、壺部12の底壁32の正面断面視において、壺部12の底壁32の底面32aの外縁32bと側壁36,38の下縁36c,38cとを曲率を有する面C1で接合する接合部40と凹部44との間の領域に設けられた遷移領域46により、壺部12の底壁32の形状が接合部40側から左右内側に向かうにつれて平面状から上方に突出するように凸状に形成された後、凹部44の凹状に遷移している。
これにより、溜水部W0内における凹部44の左右外側領域の洗浄水W3が、遷移領域46における平面状から上方に突出する凸状の部分を乗り越えて凹部44内に流入した状態では、凹部44の左右外側の凸状部分により、凹部44の外部へ再び流出することが抑制される。
これにより、凹部44内に洗浄水W3が保持された状態が維持されながら、排水トラップ部8の入口30に向かって収束した洗浄水の流れf3を形成することができる。
したがって、壺部12の溜水部W0内に流入した洗浄水や汚物について、排水トラップ部8の入口30に向けて確実に誘導することができる。
さらに、本実施形態による水洗大便器1によれば、図3Aに示すように、壺部12の側面断面視において、凹部44が、その後方の排水トラップ部8の入口30側に向かうにつれて下方に傾斜しているため、凹部44の全体を後方側の排水トラップ部8の入口30に向けて差し向けた形状にすることができる。
したがって、壺部12の溜水部W0に流入した洗浄水や汚物が凹部44に流入した際には、これらの洗浄水や汚物を溜水部W0内に留まらせることなく、排水トラップ部8の入口30にスムーズに向かわせることができる。
したがって、水洗大便器1における洗浄性能(洗浄力)と汚物排出性能(排出力)の双方を向上させることができる。
また、本実施形態による水洗大便器1によれば、図3Aに示すように、壺部12の凹部44及び排水トラップ部8の側面断面視において、凹部44の底面44aの後端44bから底面44a上に沿って前後方向に延びる第1接線T1をさらに後方側に延長させた第1接線延長部T2について、排水トラップ部8の入口30から最下端部50までのトラップ管路52内の上面52aよりも下方の高さ位置を通過させるようにトラップ管路52内に位置決めすることができた。
これにより、壺部12の溜水部W0に流入した洗浄水W3や汚物が凹部44に流入した際には、これらの洗浄水W3や汚物を溜水部W0内に留まらせることなく、排水トラップ部8の入口30から排水トラップ部の内部によりスムーズに向かわせることができる。
したがって、水洗大便器1における洗浄性能(洗浄力)と汚物排出性能(排出力)の双方を効果的に向上させることができる。
さらに、本実施形態による水洗大便器1によれば、図4A~図4Bに示すように、壺部12の凹部44の平面視において、この凹部44の左右方向の幅が後方の排水トラップ部8の入口30側に向かうにつれて広がるように扇状に形成されている。
これにより、壺部12の溜水部W0に流入した洗浄水W3や汚物は、凹部44に流入した後に、この凹部44の後方側の排水トラップ部8の入口30の広範囲に汚物を誘導することができる。
また、凹部44から後方側に流出した洗浄水W3や汚物が排水トラップ部8の入口30に流入する際は、排水トラップ部8の入口30の全域に亘って強い押し込み力を発生させることもできるため、排水トラップ部8の入口30の全域に誘導された汚物が排水トラップ部8のトラップ管路52内で詰まることを抑制することができる。
したがって、水洗大便器1における洗浄性能(洗浄力)と汚物排出性能(排出力)の双方をより効果的に向上させることができる。
また、本実施形態による水洗大便器1によれば、壺部12の凹部44の底面44aが、図3Aの側面断面視において、前後方向に亘って下方に突出しているため、前後方向に延びる凹状面を形成することができる。
これにより、凹部44内の洗浄水や汚物は、前後方向に延びる凹状面に沿って排水トラップ部8の入口30側に流れることにより、強い流束で排水トラップ部8の入口30に誘導されるため、排水トラップ部8内に確実に流入することができる。
したがって、水洗大便器1における洗浄性能(洗浄力)と汚物排出性能(排出力)の双方をさらにより効果的に向上させることができる。
さらに、本実施形態による水洗大便器1によれば、図3A、図6B、図7B、及び、図8Bに示すように、壺部12の凹部44の正面断面視又は側面断面視において、遷移領域46における凸状に形成された部分の頂点位置P5から凹部44の最低底面位置P6までの上下方向の凹み量d1が、後方の排水トラップ部8の入口30側に向かうにつれて大きくなるように設定されている。
これにより、凹部44内の洗浄水W3や汚物が、遷移領域46における平面状又は上方に突出する凸状の部分を乗り越えて凹部44の外部へ流出することを抑制することができる。
したがって、凹部44内に洗浄水が保持された状態が維持されながら、排水トラップ部8の入口30に向かって収束した洗浄水W3の流れf3を形成することができる。
また、壺部12の溜水部W0内に流入した洗浄水W3や汚物について、凹部44内で形成された収束した洗浄水の流れf3により、排水トラップ部の入口に向けて確実に誘導することができる。
また、本実施形態による水洗大便器1によれば、吐水部である第1リム吐水口20及び第2リム吐水口22のそれぞれからボウル部6内に吐水された洗浄水W1,W2のうちの一部は、汚物受け面14上を壺部12の前方側まで旋回した後、壺部12の前方側から壺部12内に流れ込む。
この際、壺部12の凹部44の前方における接合部40と凹部44との間の領域に流入した洗浄水W3の一部は、平面状又上方に突出して凸状に形成されたガイド部48に衝突することにより、凹部44内に流入することなく、壺部12の周方向に導かれて旋回する流れf3を形成することができる。
したがって、壺部12内の溜水部W0に流入した洗浄水W3が凹部44内に流入し過ぎることを抑制することにより、壺部12内を旋回する流れf3を確保することができると共に、凹部44から排水トラップ部8の入口30に押し込む流れを確保することができる。
よって、水洗大便器1におけるボウル部6の壺部12内における洗浄性能(洗浄力)と汚物排出性能(排出力)の双方を両立させることができるため、水洗大便器1の洗浄性能を総合的に向上させることができる。
1 水洗大便器
2 便器本体
4 導水路
4a 導水路の入口
6 ボウル部
8 排水トラップ部
10 貯水タンク
12 壺部
14 汚物受け面
14a 汚物受け面の下縁
16 棚部
18 リム部
20 第1リム吐水口(吐水部)
22 第2リム吐水口(吐水部)
24 共通導水路
26 第1リム導水路
28 第2リム導水路
30 排水トラップ部の入口
30a 排水トラップ部の入口の後端
30b 排水トラップ部の入口の前端
32 壺部の底壁
32a 壺部の底壁の底面
32b 壺部の底壁の外縁
34 壺部の後壁
34a 壺部の左側後壁
34b 壺部の右側後壁
36 壺部の後方側壁(壺部の側壁)
36a 壺部の後方左側壁(壺部の側壁)
36b 壺部の後方右側壁(壺部の側壁)
36c 壺部の後方側壁の下縁(壺部の側壁の下縁)
36d 壺部の後方側壁の上縁
38 壺部の前方側壁(壺部の側壁)
38a 壺部の前方左側壁(壺部の側壁)
38b 壺部の前方右側壁(壺部の側壁)
38c 壺部の前方側壁の下縁(壺部の側壁の下縁)
38d 壺部の後方側壁の上縁
40 下側接合部(壺部の接合部)
40a 下側接合部の下縁
40b 下側接合部の上縁
42 上側接合部
42a 上側接合部の下縁、内縁
42b 上側接合部の上縁
44 壺部の底壁の凹部
44a 凹部の底面
44b 凹部の後端
46 壺部の底壁の遷移領域
48 ガイド部
50 排水トラップ部の最下端部
52 トラップ管路
52a 排水トラップ部の入口から最下端部までのトラップ管路の上面
54 突出部
54a 突出部における前端
56 壺部の底壁の中央底面
56a 中央底面の周縁
56b 中央底面の前端
56c 中央底面の後端
58 壺部の底壁の周底面
58a 周底面の後端
B ボウル部の後方領域
C1 下側接合部の曲がり面(接合部の曲率を有する面)
C2 接平面
C3 接平面
C4 上側接合部の曲がり面(接合部の曲率を有する面)
C5 接平面
C6 接平面
d1 遷移領域における凸状に形成された部分の頂点位置から凹部の最低底面位置までの上下方向の凹み量
F ボウル部の前方領域
f1 洗浄水の流れ
f2 洗浄水の流れ
f3 洗浄水の流れ
f4 洗浄水の流れ(縦旋回流)
H1 上側接合部の側面視における上下方向の幅
L ボウル部の左側領域
LB ボウル部の左後方領域
LF ボウル部の左前方領域
L1 壺部の底壁と下側接合部との境界線
L2 壺部の下側接合部と側壁との境界線
L3 壺部の側壁と上側接合部との境界線
L4 壺部の上側接合部と汚物受け面との境界線
O ボウル部の中心、壺部の前後方向の中心
P1 下側接合部の下縁と底壁の底面の外縁とを接合する下側接合点
P2 下側接合部の上縁と側壁の下縁とを接合する上側接合点
P3 上側接合部の下縁と側壁の上縁とを接合する下側接合点
P4 上側接合部の上縁と汚物受け面の下縁とを接合する上側接合点
P5 壺部の底壁の遷移領域における凸状に形成された部分の頂点位置
P6 壺部の底壁の凹部の最低底面位置
R ボウル部の右側領域
RB ボウル部の右後方領域
RF ボウル部の右前方領域
T 壺部の先端部(壺部の前端)
T1 壺部の凹部の後端から底面上に沿って前後方向に延びる第1接線
T2 第1接線延長部
T3 壺部の凹部の後端から底面上に沿って前後方向に延びる第2接線
T4 第2接線延長部
W 洗浄水
W0 溜水部
W1 第1洗浄水、第1リム吐水
W2 第2洗浄水、第2リム吐水
W3 壺部内の洗浄水
WL 封水水位
X ボウル部の水平左右方向の中心軸線
Y ボウル部の水平前後方向の中心軸線
Z ボウル部の中心を通る鉛直方向の中心軸線

Claims (8)

  1. 洗浄水により洗浄されて汚物を排出する水洗大便器であって、
    ボウル形状の汚物受け面と、この汚物受け面の上方に形成されるリム部と、上記汚物受け面の下方に設けられて貯留した溜水により溜水部を形成する壺部と、を備えたボウル部と、
    上記リム部に設けられ、上記ボウル部内に向かって洗浄水を吐水する吐水部と、
    上記壺部の下方に接続された入口を備え、上記ボウル部内の汚物を排出する排水トラップ部と、を有し、
    上記壺部は、上記排水トラップ部の入口の上方且つ前方に形成された底壁と、この底壁の周囲を取り囲むように形成された側壁と、上記底壁の外縁と上記側壁の下縁とを曲率を有する面で接合する接合部と、を備えており、
    上記壺部の底壁は、正面断面視において、その左右の中心軸線に対して左右に亘って下方に凹むように形成された凹部を備えていることを特徴とする水洗大便器。
  2. 上記壺部の底壁の正面断面視において、上記接合部と左右内側の上記凹部との間の領域には、上記接合部側から上記凹部に向かって上記底壁の形状が遷移する遷移領域が設けられており、この遷移領域は、上記接合部側から左右内側に向かうにつれて平面状又は上方に突出するように凸状に形成された後、上記凹部の凹状に遷移するように形成されている請求項1記載の水洗大便器。
  3. 上記凹部は、側面断面視において、その後方の上記排水トラップ部の入口側に向かうにつれて下方に傾斜している請求項1又は2に記載の水洗大便器。
  4. 上記凹部は、側面断面視において、その底面が、上記排水トラップ部の入口に接続される後端と、この後端から上記底面上に沿って前後方向に延びる接線と、この接線を上記底面の後端から後方側に延長させた接線延長部と、を備えており、
    上記排水トラップ部は、側面断面視において、その入口から後方且つ下方の最下端部まで延びた後、この最下端部から後方且つ上方に延びるトラップ管路を形成し、
    上記接線延長部は、側面断面視において、上記排水トラップ部の上記入口から上記最下端部までの上記トラップ管路内の上面よりも下方の高さ位置を通過するように上記トラップ管路内に位置している請求項1乃至3の何れか1項に記載の水洗大便器。
  5. 上記凹部は、平面視において、その左右方向の幅が後方の上記排水トラップ部の入口側に向かうにつれて広がるように扇状に形成されている請求項1乃至4の何れか1項に記載の水洗大便器。
  6. 上記凹部は、側面断面視において、その底面が前後方向に亘って下方に突出している請求項1乃至5の何れか1項に記載の水洗大便器。
  7. 上記凹部は、正面断面視又は側面断面視において、上記遷移領域における凸状に形成された部分の頂点から上記凹部の最低底面までの上下方向の凹み量が後方の上記排水トラップ部の入口側に向かうにつれて大きくなるように設定されている請求項2記載の水洗大便器。
  8. 上記凹部の前方における上記接合部と上記凹部との間の領域には、この領域に流入した洗浄水が上記凹部に流入し過ぎることを抑制するように、平面状又は上方に突出して凸状に形成されたガイド部が設けられている請求項1乃至7の何れか1項に記載の水洗大便器。
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