JP2023048546A - 熱伝導性接着シート - Google Patents

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Aki Nakamichi
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Abstract

【課題】低圧力で圧着した際、接着対象物との接着性に優れる硬化シートを形成でき、かつ、形成された硬化シートの熱伝導性に優れる、熱伝導性接着シートを提供すること。【解決手段】熱伝導性シートと、上記熱伝導性シートの少なくとも一方の表面に配置された接着層とを有する熱伝導性接着シートであって、上記熱伝導性シートが、第1熱硬化性化合物と第1熱伝導性フィラーとを含み、上記接着層が、第2熱硬化性化合物と第2熱伝導性フィラーとを含み、上記熱伝導性接着シートの上記接着層側の表面粗さRaが2.5μm以上であり、変形率に関する所定の要件を満たす、熱伝導性接着シート。【選択図】なし

Description

本発明は、熱伝導性接着シートに関する。
近年、半導体素子を用いた電子デバイスは、急速に高機能化および小型化が進んでいる。これに伴って、電子デバイスにおける半導体素子からの発熱量が多くなっており、発生した熱を外部に放出する必要性が高まっている。
電子デバイスの内部で生じた熱を外部に放出する方法としては、ヒートシンクを使用する方法が知られている。また、熱をヒートシンクに効率的に伝えるため、デバイスとヒートシンクとを、熱伝導性接着シートで接着する方法が知られている。このような熱伝導性接着シートにおいては、絶縁性に優れるとともに、熱伝導性に優れ、かつ、接着対象物との接着性に優れることが求められる。
例えば、特許文献1では、熱硬化性化合物およびフィラーを含む樹脂組成物層と、樹脂組成物層の少なくとも一方の面上に配置され、樹脂組成物層とは対向しない面の算術平均表面粗さRaが1.5μm以下である接着材層と、を有する多層樹脂シート(熱伝導性接着シート)が開示されている。
特開2019-014261号公報
近年、放熱性の点で、パワーモジュールがトランスファーモールド型に移行し、さらに、パワーモジュールデバイスと熱伝導性接着シートとを直接的に熱圧着するプロセスが採用されることがある。上記プロセスの場合、パワーモジュールデバイスに対する負荷軽減の点で、熱圧着時の圧力を低減することが求められている。すなわち、熱伝導性接着シートに対する要求は、低圧力(例えば10MPa)で圧着した場合においても、接着対象物との接着性に優れる硬化シートを形成でき、かつ、形成された硬化シートの熱伝導性に優れることである。
本発明者は、特許文献1で開示されている熱伝導性接着シートについて検討したところ、形成される硬化シートの熱伝導性および接着性の両立が必ずしも十分ではなく、改善の余地があることを知見した。
そこで、本発明は、低圧力で圧着した際、接着対象物との接着性に優れる硬化シートを形成でき、かつ、形成された硬化シートの熱伝導性に優れる、熱伝導性接着シートの提供を課題とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明を完成させるに至った。すなわち、以下の構成により上記課題が解決されることを見出した。
〔1〕 熱伝導性シートと、上記熱伝導性シートの少なくとも一方の表面に配置された接着層とを有する熱伝導性接着シートであって、
上記熱伝導性シートが、第1熱硬化性化合物と第1熱伝導性フィラーとを含み、
上記接着層が、第2熱硬化性化合物と第2熱伝導性フィラーとを含み、
上記熱伝導性接着シートの上記接着層側の表面粗さRaが2.5μm以上であり、
下記要件1を満たす、熱伝導性接着シート。
要件1:上記熱伝導性接着シートの厚みをXとし、上記熱伝導性接着シートの上記接着層側の表面に、圧力10MPa、温度180℃、処理時間5分にて圧力を印加した後、温度180℃、処理時間90分の加熱処理を施して得られる硬化シートの厚みをYとした際に、100×(X-Y)/Xにて算出される変形率が10%以上である。
〔2〕 上記変形率が、20%以上である、〔1〕に記載の熱伝導性接着シート。
〔3〕 上記第2熱伝導性フィラーが後述する式(1)を満たす、〔1〕または〔2〕に記載の熱伝導性接着シート。
〔4〕 上記第2熱伝導性フィラーの粒径が、2.5~20μmである、〔1〕~〔3〕のいずれか1つに記載の熱伝導性接着シート。
〔5〕 上記第1熱伝導性フィラーが、粒径40μm以上の凝集状窒化ホウ素である、〔1〕~〔4〕のいずれか1つに記載の熱伝導性接着シート。
〔6〕 上記第1熱伝導性フィラーが、粒径40μm以上の凝集状窒化ホウ素であり、
上記第2熱伝導性フィラーの粒径が、2.5~20μmである、〔1〕~〔5〕のいずれか1つに記載の熱伝導性接着シート。
〔7〕 上記第1熱硬化性化合物および上記第2熱硬化性化合物が、エポキシ化合物を含む、〔1〕~〔6〕のいずれか1つに記載の熱伝導性接着シート。
〔8〕 上記第1熱硬化性化合物および上記第2熱硬化性化合物が、フェノール化合物を含む、〔1〕~〔7〕のいずれか1つに記載の熱伝導性接着シート。
本発明によれば、低圧力で圧着した際、接着対象物との接着性に優れる硬化シートを形成でき、かつ、形成された硬化シートの熱伝導性に優れる、熱伝導性接着シートを提供できる。
本発明の熱伝導性接着シートの実施態様の一例を示す断面図である。 本発明の熱伝導性接着シートと接着対象物とを接着させる際の第2熱伝導性フィラーの状態を説明するための図である。 本発明の熱伝導性接着シートと接着対象物とを接着させる際の第2熱伝導性フィラーの状態を説明するための図である。 本発明の熱伝導性接着シートと接着対象物とを接着させる際の第2熱伝導性フィラーの状態を説明するための図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされる場合があるが、本発明はそのような実施態様に制限されない。
以下、本明細書における各記載の意味を表す。
本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、ある成分が2種以上存在する場合、その成分の「含有量」は、それら2種以上の成分の合計含有量を意味する。
<熱伝導性接着シート>
本発明の熱伝導性接着シートは、熱伝導性シートと、熱伝導性シートの少なくとも一方の表面に配置された接着層とを有する熱伝導性接着シートであって、
熱伝導性シートが、第1熱硬化性化合物と第1熱伝導性フィラーとを含み、
接着層が、第2熱硬化性化合物と第2熱伝導性フィラーとを含み、熱伝導性接着シートの接着層側の表面粗さRaが2.5μm以上であり、後述する要件1を満たす。
本発明の熱伝導性接着シートは、低圧力で圧着した際、接着対象物との接着性に優れる硬化シートを形成でき、かつ、形成された硬化シートの熱伝導性に優れる。なお、以下、接着対象物と形成された硬化シートとの接着性が優れることを単に「接着性に優れる」ともいい、形成された硬化シートの熱伝導性が優れることを単に「熱伝導性に優れる」ともいう。
本発明の熱伝導性接着シートが接着性および熱伝導性に優れる機序について、本発明者は以下のように推測している。
本発明の熱伝導性接着シートにおける熱伝導性シートおよび接着層は、それぞれ第1熱伝導性フィラーおよび第2熱伝導性フィラーを含むため、熱伝導性シートおよび接着層は熱伝導性が高い。
また、本発明の熱伝導性接着シートの接着層側の表面粗さRaは、2.5μm以上であるが、この表面粗さは、主として接着層に含まれる第2熱伝導性フィラーに由来する凸部に起因すると考えられる。ここで、本発明の熱伝導性接着シートと、接着対象物とを圧着した際には、接着対象物と第2熱伝導性フィラーとが接触しやすく、硬化シートとなった際の表面に第2熱伝導性フィラーが存在する可能性が高まる。結果として、本発明の熱伝導性接着シートは、熱伝導性に優れると考えられる。
一方、後述する方法で測定される本発明の熱伝導性接着シートの変形率は、10%以上である。上記変形率が10%以上であることにより、上記表面粗さを有していても、圧着時に接着層および熱伝導性シートが変形しやすく、接着対象物と形成される硬化シートとの界面に隙間が生じにくいと考えられる。結果として、本発明の熱伝導性接着シートは、接着性にも優れると考えられる。
さらに、上記変形率が10%以上であることにより、第2熱伝導性フィラーが熱伝導性シートに押し込まれ(後述する図2~4参照)、第2熱伝導性フィラーと第1熱伝導性フィラーとの接点ができやすいと考えられる。上記接点により、接着層と熱伝導性シートとの熱伝導パスが形成され、熱伝導性により優れると考えられる。
以下、まず、本発明の熱伝導性接着シート(以下、単に「熱伝導性接着シート」ともいう。)の実施態様について、図面を参照しながら説明する。なお、熱伝導性接着シートは、以下に示す実施態様により限定的に解釈されるべきではない。
図1は、熱伝導性接着シートの実施態様の一例を示す断面図である。なお、図1は、熱伝導性接着シートの一部を模式的に示している。
図1に示すように、熱伝導性接着シート10は、熱伝導性シート12と、接着層14とを有する。
熱伝導性シート12は、第1熱硬化性化合物12aと、第1熱伝導性フィラー12bからなる。接着層14は、第2熱硬化性化合物14aと、第2熱伝導性フィラー14bからなる。
熱伝導性接着シート10の接着層14側の表面粗さRaは、2.5μm以上である。接着層14側の表面に生じている凹凸は、凸部に関して、第2熱伝導性フィラー14bに由来して形成され、第2熱伝導性フィラー14bは、熱伝導性接着シート10の表面に一部露出している。
また、熱伝導性接着シート10は、後述する要件1を満たす。
図1において、熱伝導性接着シート10は、熱伝導性シート12の片方の面にのみ接着層14を有している態様であるが、熱伝導性接着シート10は、熱伝導性シート12の両面に接着層14を有していてもよい。両面に接着層14を有する場合、熱伝導性接着シート10の両面の表面粗さRaが、2.5μm以上である。
なお、熱伝導性接着シート10の接着層14側の表面粗さRaは、2.5μm以上であるが、接着性および熱伝導性により優れる点で、3.0~15.0μmが好ましく、5.0~10.0μmがより好ましく、5.0~7.5μmがさらに好ましい。
本明細書において、上記表面粗さRaは、キーエンス社製のレーザー顕微鏡(VK-9710)を用いて倍率100倍で観察後、JIS B 0601-2001に基づき、付属の解析アプリケーションによって算出される値をいう。
図1では、熱伝導性接着シート10の接着層14側の表面に生じている凹凸は、凸部に関して、第2熱伝導性フィラー14bに由来して形成されている態様であるが、熱伝導性シート12の第1熱伝導性フィラー12bが、接着層14側の表面に生じている凹凸に寄与していてもよい。つまり、図1では、熱伝導性シート12と接着層14との界面が平坦であるが、熱伝導性シート12の接着層14側の表面において表面凹凸が存在し、その表面凹凸が、熱伝導性接着シート10の接着層14側の表面に生じている凹凸として表れていてもよい。
また、図1では、上記凸部において、第2熱伝導性フィラー14bは、熱伝導性接着シート10の表面に一部露出している態様であるが、第2熱伝導性フィラー14bの全てが露出していてもよく、全てが露出していなくてもよい。
図1では、第1熱伝導性フィラー12bと、第2熱伝導性フィラー14bとの粒径が異なる態様であるが、両者の粒径の関係は特に制限されない。なかでも、第1熱伝導性フィラー12bの粒径は、第2熱伝導性フィラー14bの粒径より大きいことが好ましい。第1熱伝導性フィラー12bおよび第2熱伝導性フィラー14bの粒径については、後段で詳述する。
図1では、熱伝導性シート12は、第1熱硬化性化合物12aと、第1熱伝導性フィラー12bとからなる態様であるが、熱伝導性シート12は、上記成分以外の成分を含んでいてもよい。詳細は後段で詳述する。
また、図1では、接着層14は、第2熱硬化性化合物14aと、第2熱伝導性フィラー14bとからなる態様であるが、接着層14は、上記以外の成分を含んでいてもよい。詳細は後段で詳述する。
[要件1]
熱伝導性接着シートは、下記要件1を満たす。
要件1:熱伝導性接着シートの厚みをXとし、熱伝導性接着シートの接着層側の表面に、圧力10MPa、温度180℃、処理時間5分にて圧力を印加した後、温度180℃、処理時間90分の加熱処理を施して得られる硬化シートの厚みをYとした際に、100×(X-Y)/Xにて算出される変形率が10%以上である。
上記熱伝導性接着シートの厚みX、および、硬化シートの厚みYは、シートの膜面と垂直な方向の断面を作製し、シート断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察して測定する。より具体的には、SEMでの断面の観察において、任意の10点について厚みを測定し、その平均により厚みを算出する。
上記熱伝導性接着シートの厚みXは、圧力の印加前に測定すればよいが、変形により断面の作製が困難な場合は、加熱処理(例えば、180℃90分)を行って硬化シートとした後、硬化シートの断面を作製し、硬化シートの厚みを熱伝導性シートの厚みXとしてもよい。
また、上記硬化シートの厚みYは、接着対象物から剥離してから断面を作製して測定してもよく、接着対象物に付着した状態で断面を作製して測定してもよい。
断面の作製は、公知の方法に準じて行えばよく、例えば、熱伝導性接着シートまたは硬化シートを割断後、クロスセクションポリッシャーで断面を作製する方法、ミクロトームで薄片を作製する方法が挙げられる。
なお、本明細書においては、熱伝導性接着シートの厚みXは、180℃90分の加熱処理を行って硬化シートとした後、樹脂で熱伝導性接着シートの両面を包埋処理し、ミクロトームで断面を切削し、さらにクロスセクションポリッシャーで断面を作製したサンプルを用いて、上記方法で測定した厚みを用いる。
また、本明細書においては、硬化シートの厚みYは、ミクロトームで断面を切削し、さらにクロスセクションポリッシャーで断面を作製したサンプルを用いて、上記方法で測定した厚みを用いる。
上記厚みXは、40~500μmが好ましく、70~350μmがより好ましく、100~250μmがさらに好ましい。
上記厚みYは、35~450μmが好ましく、60~300μmがより好ましく、90~220μmがさらに好ましい。
上記変形率は、10%以上であるが、接着性および熱伝導性に優れる点で、14%以上が好ましく、16%以上がより好ましく、20%以上がさらに好ましい。上限は特に制限されないが、40%が挙げられ、30%以下が好ましい。
上記変形率は、種々の手段で調整できる。例えば、後段に詳述する、第1熱硬化性化合物の種類、第1熱伝導性フィラーの種類および含有量、第2熱硬化性化合物の種類、ならびに、第2熱伝導性シートの種類および含有量によって調整できる。
以下、熱伝導性シートおよび接着層について説明する。
[熱伝導性シート]
熱伝導性シートは、第1熱硬化性化合物と、第1熱伝導性フィラーとを含む。熱伝導性シートは、後述する硬化促進剤、および、その他成分を含んでいてもよい。
以下、各成分および熱伝導性シートの性状について説明する。
(第1熱硬化性化合物)
第1熱硬化性化合物は、熱硬化性の樹脂であれば特に制限されない。
熱伝導性シートには、第1熱硬化性化合物が主剤および硬化剤として2種以上含まれていてもよい。
第1熱硬化性化合物は、ポリマーであってもよいし、モノマーであってもよい。
第1熱硬化性化合物としては、エポキシ化合物、オキセタン化合物、(メタ)アクリル化合物、ベンゾグアナミン化合物、ロジン変性マレイン酸化合物、ロジン変性フマル酸化合物、メラミン化合物、尿素化合物、およびフェノール化合物が挙げられる。
なかでも、第1熱硬化性化合物としては、エポキシ化合物、または、活性水素基含有化合物(好ましくはフェノール化合物)が好ましく、エポキシ化合物、または、フェノール化合物がより好ましい。
以下、エポキシ化合物、および、活性水素基含有化合物について説明する。
(エポキシ化合物)
エポキシ化合物は、1分子中に、少なくとも1つのエポキシ基(オキシラニル基)を有する化合物である。
上記エポキシ基は、オキシラン環から1以上の水素原子(好ましくは1の水素原子)を除いてなる基である。上記エポキシ基は、可能な場合、さらに置換基(直鎖状または分岐鎖状の炭素数1~5のアルキル基等)を有していてもよい。
エポキシ化合物が有するエポキシ基の数は、1分子中、2以上が好ましく、2~40がより好ましく、2~10がさらに好ましく、2が特に好ましい。
エポキシ化合物の分子量は、150~10000が好ましく、150~1000がより好ましく、200~290がさらに好ましい。
エポキシ化合物のエポキシ基含有量は、2.0~20.0mmol/gが好ましく、5.0~15.0mmol/gがより好ましく、5.5~14.0mmol/gがさらに好ましい。
なお、上記エポキシ基含有量は、エポキシ化合物1gが有する、エポキシ基の数を意図する。
エポキシ化合物は、芳香環基(好ましくは芳香族炭化水素環基)を有することも好ましい。
エポキシ化合物は、液晶性を示してもよく示さなくてもよい。
つまり、エポキシ化合物は、液晶化合物であってよい。言い換えれば、エポキシ基を有する液晶化合物であってもよい。
中でも、エポキシ化合物は、ポリヒドロキシ芳香環型のグリシジルエーテル(ポリヒドロキシ芳香環型エポキシ化合物)が好ましい。
上記ポリヒドロキシ芳香環型のグリジジルエーテルは、置換基として2以上(好ましくは2~6、より好ましくは2~3、さらに好ましくは2)の水酸基を有する芳香環における、上記2以上の水酸基を、グリシジルエーテル化してなる構造の化合物である。
上記芳香環は、芳香族炭化水素環でも芳香族ヘテロ環でもよく、芳香族炭化水素環が好ましい。上記芳香環は多環でも単環でもよい。上記芳香環の環員数は5~15が好ましく、6~12がより好ましく、6がより好ましい。
上記芳香環は、水酸基以外の置換基を有していても有していなくてもよい。
上記ポリヒドロキシ芳香環型のグリジジルエーテルとしては、例えば、1,3-フェニレンビス(グリシジルエーテル)が挙げられる。
他にも、エポキシ化合物としては、例えば、少なくとも部分的に棒状構造を含む化合物(棒状化合物)、および、少なくとも部分的に円盤状構造を含む化合物円盤状化合物が挙げられる。
また、エポキシ化合物は、樹脂タイプであって、エポキシ化合物単独で、または、エポキシ化合物と他の化合物(フェノール化合物およびアミン化合物等の活性水素基含有化合物、および/または、酸無水物等)と重合させて得られる樹脂(エポキシ樹脂)であってもよい。
第1熱硬化性化合物がエポキシ化合物を含む場合、その含有量は、熱伝導性シートの全質量に対して、1~40質量%が好ましく、3~30質量%がより好ましく、6~20質量%がさらに好ましい。
エポキシ化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を使用してもよい。
(活性水素基含有化合物)
活性水素基含有化合物は、活性水素を有する基(活性水素基)を、1個以上(好ましくは2個以上、より好ましくは2~10個)有する化合物である。
活性水素基としては、例えば、水酸基、一級または二級アミノ基、および、メルカプト基等が挙げられ、中でも、水酸基が好ましい。
活性水素基含有化合物は水酸基を2個以上(好ましくは3個以上、より好ましくは3~6個)有するポリオールであることが好ましい。
中でも、エポキシ化合物と組み合わせて使用される活性水素基含有化合物は、フェノール化合物が好ましい。
フェノール化合物は、フェノール性水酸基を1個以上(好ましくは2個以上、より好ましくは3個以上、さらに好ましくは3~6個)有する化合物である。
フェノール化合物は、トリアジン骨格を有することが好ましい。
フェノール化合物が「トリアジン骨格を有する」とは、フェノール化合物中に1以上(好ましくは1~5)のトリアジン環基を有することを意味する。
その他にも活性水素基含有化合物としては、例えば、ベンゼントリオールなどのベンゼンポリオール、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール付加型樹脂、フェノールアラルキル樹脂、多価ヒドロキシ化合物とホルムアルデヒドとから合成される多価フェノールノボラック樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、トリメチロールメタン樹脂、テトラフェニロールエタン樹脂、ナフトールノボラック樹脂、ナフトールフェノール共縮ノボラック樹脂、ナフトールクレゾール共縮ノボラック樹脂、ビフェニル変性フェノール樹脂、ビフェニル変性ナフトール樹脂、アミノトリアジン変性フェノール樹脂、または、アルコキシ基含有芳香環変性ノボラック樹脂等も好ましい。
活性水素基含有化合物の水酸基含有量の下限値は、3.0mmol/g以上が好ましく、4.0mmol/g以上がより好ましい。上限値は、25.0mmol/g以下が好ましく、20.0mmol/g以下がより好ましい。
なお、上記水酸基含有量は、活性水素基含有化合物1gが有する、水酸基(好ましくはフェノール性水酸基)の数を意図する。
また、活性水素基含有化合物は、水酸基以外にも、エポキシ化合物と重合反応できる活性水素含有基(カルボン酸基等)を有していてもよい。活性水素基含有化合物の活性水素の含有量(水酸基およびカルボン酸基等における水素原子の合計含有量)の下限値は、3.0mmol/g以上が好ましく、4.0mmol/g以上がより好ましい。上限値は、25.0mmol/g以下が好ましく、20.0mmol/g以下がより好ましい。
なお、上記活性水素の含有量は、活性水素基含有化合物1gが有する、活性水素原子の数を意図する。
活性水素基含有化合物の分子量の上限値は、2000以下が好ましく、1500以下がより好ましく、1000以下がさらに好ましい。下限値は、110以上が好ましく、300以上がより好ましい。
熱伝導性シートが活性水素基含有化合物を含む場合、その含有量は、熱伝導性シートの全質量に対して、1~40質量%が好ましく、3~30質量%がより好ましく、5~20質量%がさらに好ましい。
活性水素基含有化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を使用してもよい。
第1熱硬化性化合物が、エポキシ化合物と、活性水素基含有化合物とを含む場合、エポキシ化合物の含有量と、活性水素基含有化合物の含有量との比は、エポキシ化合物のエポキシ基と、活性水素基含有化合物の活性水素基(好ましくは水酸基、より好ましくはフェノール性水酸基)との当量比(「エポキシ基の数」/「活性水素基の数」)が、30/70~70/30となる量が好ましく、40/60~60/40となる量がより好ましく、45/55~55/45となる量がさらに好ましい。
第1熱硬化性化合物が、エポキシ化合物および/または活性水素基含有化合物を含む場合、エポキシ化合物と、活性水素基含有化合物との合計含有量は、全熱硬化性化合物成分に対して、20~100質量%が好ましく、60~100質量%がより好ましく、90~100質量%がさらに好ましい。
第1熱硬化性化合物は、熱硬化性成分として1種類を単独で使用してもよく、2種以上を使用してもよい。
(第1熱伝導性フィラー)
第1熱伝導性フィラーは、熱伝導性が高い材料を含むことが好ましい。
第1熱伝導性フィラーに含まれる材料としては、無機材料が挙げられ、第1熱伝導性フィラーは、無機材料からなることが好ましい。
無機材料としては、例えば、酸化ケイ素(シリカ、SiO)、酸化アルミニウム(アルミナ、Al)、窒化アルミニウム(AlN)、および、窒化ホウ素(BN)が挙げられる。なかでも、熱伝導性の点で、アルミナ、窒化アルミニウム、または、窒化ホウ素が好ましく、アルミナまたは窒化ホウ素がより好ましく、窒化ホウ素がさらに好ましい。
上記無機材料の結晶構造は特に制限されず、公知のものを用いることができる。例えば、窒化ホウ素の結晶構造は、六方晶系、立方晶系、および、菱面体晶系のいずれであってもよい。なかでも、窒化ホウ素の結晶構造は、熱伝導性の点で、六方晶系が好ましい。
なお、第1熱伝導性フィラーは、複数の材料からなる複合粒子の態様であってもよく、例えば、コアシェル構造を有し、コア部とシェル部の材料が異なる態様であってもよい。
第1熱伝導性フィラーの形状は特に制限されず、例えば、球状、柱状、板状、および、鱗片状のいずれであってもよい。また、第1熱伝導性フィラーは、1次粒子が凝集してなる2次粒子(凝集粒子)であってもよい。凝集粒子は、通常略球状である。
なかでも、接着性および熱伝導性の1つ以上により優れる点で、球状粒子または凝集粒子が好ましく、凝集粒子がより好ましく、窒化ホウ素からなる凝集粒子(凝集状窒化ホウ素)がより好ましい。
第1熱伝導性フィラーの粒径は特に制限されない。ここで、粒径とは、メジアン径のことをいい、市販品を用いる場合はカタログ値のメジアン径を採用する。カタログ値がない場合、メジアン径は、SEMまたは透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて測定したメジアン径を採用する。
第1熱伝導性フィラーの粒径は、熱伝導性により優れる点で、20μm以上が好ましく、40μm以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、100μm以下が挙げられる。
また、第1熱伝導性フィラーは、粒径40μm以上の凝集状窒化ホウ素であることも好ましい。
第1熱伝導性フィラーは、1種類を単独で用いてもよく、複数種類を組み合わせて用いてもよい。
第1熱伝導性フィラーの含有率は、熱伝導性シートの全質量に対して、30~90質量%が好ましく、50~85質量%がより好ましく、65~80質量%がさらに好ましい。
第1熱伝導性フィラーの含有率は、熱伝導性シートの全体積に対して、20~90体積%が好ましく、40~80体積%がより好ましく、50~70体積%がさらに好ましい。
(硬化促進剤)
熱伝導性シートは、硬化促進剤を含んでいてもよい。
使用する硬化促進剤の種類は、適宜決定すればよい。
硬化促進剤としては、例えば、トリアリールホスフィン、テトラアリールホスホニウム塩、三フッ化ホウ素アミン錯体、および、特開2012-67225号公報の段落0052に記載の化合物が挙げられる。その他にも、2-メチルイミダゾール(商品名;2MZ)、2-ウンデシルイミダゾール(商品名;C11-Z)、2-ヘプタデシルイミダゾール(商品名;C17Z)、1,2-ジメチルイミダゾール(商品名;1.2DMZ)、2-エチル-4-メチルイミダゾール(商品名;2E4MZ)、2-フェニルイミダゾール(商品名;2PZ)、2-フェニル-4-メチルイミダゾール(商品名;2P4MZ)、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール(商品名;1B2MZ)、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール(商品名;1B2PZ)、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール(商品名;2MZ-CN)、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール(商品名;C11Z-CN)、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテイト(商品名;2PZCNS-PW)、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン(商品名;2MZ-A)、2,4-ジアミノ-6-[2’-ウンデシルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン(商品名;C11Z-A)、2,4-ジアミノ-6-[2’-エチル-4’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン(商品名;2E4MZ-A)、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物(商品名;2MA-OK)、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール(商品名;2PHZ-PW)、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール(商品名;2P4MHZ-PW)、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール(商品名;2PZ-CN)、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン(商品名;2MZA-PW)、および、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物(商品名;2MAOK-PW)などのイミダゾール系硬化促進剤等が挙げられる(いずれも四国化成工業(株)製)。さらに、トリアリールホスフィン系の硬化促進剤として特開2004-43405号公報の段落0052に記載の化合物も挙げられる。トリアリールホスフィンにトリフェニルボランが付加したリン系硬化促進剤として、特開2014-5382の段落0024に記載の化合物も挙げられる。また、テトラアリールホスホニウム塩として、特開2003-020326号公報の段落0010に記載の化合物、および、特開平08-169892号公報の段落0021に記載の化合物も挙げられる。
硬化促進剤は、1種単独で使用してもよく2種以上使用してもよい。
例えば、第1熱硬化性化合物が、エポキシ化合物を含む場合において、硬化促進剤の含有量は、エポキシ化合物の全量に対して、0.01~10質量%が好ましく、0.10~5質量%がより好ましい。
(その他成分)
熱伝導性シートは、上記以外のその他成分を含んでいてもよい。
その他成分としては、例えば、触媒、分散剤、表面修飾剤、および、重合開始剤(光重合開始剤または熱重合開始剤等)が挙げられる。
(熱伝導性シートの性状)
-厚み-
熱伝導性シートの厚みは、接着性および熱伝導性の1つ以上が優れる点で、30~500μmが好ましく、50~300μmがより好ましく、100~200μmがさらに好ましい。
上記厚みは、上記要件1で述べた厚みの測定方法に準じて、熱伝導性接着シートの断面の観察により算出される。なお、熱伝導性シートと接着層との区別は、含まれる熱硬化性化合物および/または熱伝導性フィラーの差異に由来する元素コントラスト、および、熱伝導性フィラーの形状等の差異等によって行えばよい。
-熱伝導性シートの状態-
一般に、熱硬化性化合物の状態としては、Aステージ、Bステージ、および、Cステージが挙げられる。各ステージについては、JIS K6900:1994の規定を参照するものとする。
本明細書においては、Aステージは、特定の溶剤に可溶性であり、かつ、可融性である状態をいい、Bステージは、その粘度が常温(25℃)においては10Pa・s~10Pa・sであるのに対して、100℃で10Pa・s~10Pa・sに粘度が低下する状態をいい、Cステージは、加温によっても溶融しない状態をいう。なお、上記粘度は、動的粘弾性測定(周波数1Hz、荷重40g、昇温速度3℃/分)によって測定される。
熱伝導性シートの状態としては、上述した変形率を上記好ましい範囲に調整できる点で、AステージまたはBステージが好ましく、Aステージがより好ましい。
[接着層]
接着層は、第2熱硬化性化合物と、第2熱伝導性フィラーとを含む。接着層は、後述する硬化促進剤、および、その他成分を含んでいてもよい。
以下、各成分および接着層の性状について説明する。
(第2熱硬化性化合物)
第2熱硬化性化合物は、熱硬化性の樹脂であれば特に制限されない。
第2熱硬化性化合物の例および好ましい態様は、第1熱硬化性化合物と同様であるため、説明を省略する。すなわち、第2熱硬化性化合物は、エポキシ化合物、および、フェノール化合物からなる群から選択される化合物を含むことが好ましい。
(第2熱伝導性フィラー)
第2熱伝導性フィラーは、熱伝導性が高い材料を含むことが好ましい。
第2熱伝導性フィラーに含まれる材料としては、無機材料が挙げられ、第2熱伝導性フィラーは、無機材料からなることが好ましい。
無機材料としては、例えば、酸化ケイ素(シリカ、SiO)、酸化アルミニウム(アルミナ、Al)、窒化アルミニウム(AlN)、および、窒化ホウ素(BN)が挙げられる。なかでも、熱伝導性の点で、アルミナ、窒化アルミニウム、または、窒化ホウ素が好ましく、アルミナまたは窒化ホウ素がより好ましく、窒化ホウ素がさらに好ましい。
上記無機材料の結晶構造、構造、および、形状等については、第1熱伝導性フィラーと同様である。
なかでも、接着性および熱伝導性の1つ以上により優れる点で、球状アルミナ、または、窒化ホウ素からなる凝集粒子(凝集状窒化ホウ素)が好ましく、凝集状窒化ホウ素がより好ましい。
第2熱伝導性フィラーの粒径は特に制限されない。粒径の定義は上記第1熱伝導性フィラーと同様である。
第2熱伝導性フィラーの粒径は、接着性および熱伝導性の1つ以上により優れる点で、2.5μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましく、15μmがさらに好ましい。上限は特に制限されないが、100μm以下が挙げられ、40μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましく、20μm以下がさらに好ましい。
第1熱伝導性フィラーおよび第2熱伝導性フィラーは、同一であってもよいが、異なっていることが好ましい。第1熱伝導性フィラーおよび第2熱伝導性フィラーが異なるとは、熱伝導性フィラーを構成する材料が異なっていてもよいし、熱伝導性フィラーの形状または粒径が異なっていてもよい。なかでも、第1熱伝導性フィラーおよび第2熱伝導性フィラーは、少なくとも熱伝導性フィラーの粒径が異なっていることが好ましい。例えば、第1熱伝導性フィラーの粒径が、粒径40μm以上であり、第2熱伝導性フィラーの粒径が、2.5~20μmであることも好ましい。
また、第1熱伝導性フィラーが、粒径40μm以上の凝集状窒化ホウ素であり、第2熱伝導性フィラーの粒径が、2.5~20μmであることも好ましく、第1熱伝導性フィラーが、粒径40μm以上の凝集状窒化ホウ素であり、第2熱伝導性フィラーが、粒径が2.5~20μmの凝集状窒化ホウ素であることもさらに好ましい。
また、接着性および熱伝導性の1つ以上により優れる点で、第2熱伝導性フィラーが下記式(1)を満たすことも好ましい。
0.8×a≦b≦1.5×a 式(1)
式(1)中、aは、接着層の厚みを表す。接着層の厚みの測定方法は後段で詳述する。
式(1)中、bは、第2熱伝導性フィラーの粒径を表す。
上記式(1)の関係を満たすことにより、第2熱伝導性フィラーに由来して、熱伝導性接着シートの接着層側の表面に凸部が形成されやすい。
第2熱伝導性フィラーは、1種類を単独で用いてもよく、複数種類を組み合わせて用いてもよい。
第2熱伝導性フィラーの含有率は、接着層の全質量に対して、20~80質量%が好ましく、40~80質量%がより好ましく、50~70質量%がさらに好ましい。
第2熱伝導性フィラーの含有率は、接着層の全体積に対して、20~90体積%が好ましく、30~70体積%がより好ましく、35~50体積%がさらに好ましい。
(硬化促進剤)
接着層は、硬化促進剤を含んでいてもよい。
使用する硬化促進剤の種類は、適宜決定すればよい。
硬化促進剤の例は、熱伝導性シートが含んでいてもよい硬化促進剤で挙げたものと同様であり、好ましい含有量も同様である。
(その他成分)
接着層は、上記以外のその他成分を含んでいてもよい。
その他成分としては、例えば、触媒、分散剤、表面修飾剤、および、重合開始剤(光重合開始剤または熱重合開始剤等)が挙げられる。
(接着層の性状)
-厚み-
接着層の厚みは、接着性および熱伝導性の1つ以上が優れる点で、1~100μmが好ましく、5~50μmがより好ましく、10~30μmがさらに好ましい。
上記厚みは、上記要件1で述べた厚みの測定方法、および、上記熱伝導性シートで述べた厚みの測定方法に準じて、熱伝導性接着シートの断面の観察により算出される。より具体的には、熱伝導性接着シートの厚みから、熱伝導性シートの厚みを差し引くことで、接着層の厚みを算出する。
-接着層の状態-
接着層の状態としては、上述した変形率を上記好ましい範囲に調整できる点で、AステージまたはBステージが好ましく、Aステージがより好ましい。
なお、AステージおよびBステージについては、上述したとおりである。
<熱伝導性接着シートの製造方法>
熱伝導性接着シートの製造方法は特に制限されず、公知の方法を用いることができる。
例えば、以下の手順で熱伝導性シートを製造できる。
まず、溶媒と、上記熱伝導性シートに含まれる成分とを含む、熱伝導性シート形成用組成物を調製し、また、溶媒と、上記接着層に含まれる成分とを含む接着層形成用組成物を調製する(組成物調製工程)。次いで、熱伝導性シート形成用組成物、および、接着層形成用組成物を、それぞれ仮支持体上に塗布し、含まれる溶媒を加熱等により除去して、仮支持体上に形成した熱伝導性シート、および、仮支持体上に形成した接着層を得る(形成工程)。次いで、上記仮支持体上に形成した熱伝導性シートと、上記仮支持体上に形成した接着層とを、熱伝導性シートと接着層が対向するように貼合する(貼合工程)と、仮支持体に挟持された熱伝導性接着シートが得られる。
上記組成物調製工程において、成分を混合する方法に特に制限はなく、公知の方法を使用できる。混合に使用する混合装置は、液中分散機が好ましく、例えば、自転公転ミキサー、高速回転せん断型撹拌機等の撹拌機、コロイドミル、ロールミル、高圧噴射式分散機、超音波分散機、ビーズミル、および、ホモジナイザーが挙げられる。混合装置は1種単独で使用してもよく、2種以上使用してもよい。混合の前後、および/または、同時に、脱気処理を行ってもよい。
上記溶媒は、特に制限されないが、有機溶媒であることが好ましい。有機溶媒としては、例えば、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、ジクロロメタン、および、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
において、溶媒の含有量は、熱伝導性シート形成用組成物または接着層形成用組成物に対して、5~80質量%が好ましく、15~70質量%がより好ましく、20~50質量%がさらに好ましい。
上記手順において、仮支持体は特に制限されず、公知の仮支持体を用いることができる。仮支持体としては、樹脂フィルムが好ましい。仮支持体として用いる樹脂フィルムは、熱伝導性シートまたは接着層を形成する側の表面について、離型処理を施してもよい。
上記形成工程において、塗布方法は特に制限されず、公知の方法を用いることができる。
また、上記形成工程において、加熱温度および加熱時間は、溶媒の沸点によって適宜選択すればよい。例えば、加熱温度としては、50~150℃が挙げられる。加熱時間は、0.5~30分が挙げられる。なお、上記加熱により、熱伝導性シートおよび接着層は、半硬化シート(ステージAまたはステージB)となってもよい。また、形成工程後、加熱しながらロールプレスを行ってもよい。
上記貼合工程において、貼合方法は特に制限されないが、空隙(ボイド)の形成を抑制できる点で、真空ラミネートまたは真空プレス(減圧下におけるプレス処理)で実施することが好ましい。上記処理時においては、加熱を行ってもよく、加熱することが好ましい。加熱温度は特に制限されないが、50~120℃が好ましい。
なお、上記手順では熱伝導性シートと接着層とを貼合して熱伝導性接着シートを製造する方法であったが、仮支持体上に形成した熱伝導性シート上に、接着層形成用組成物を塗布して接着層を形成する製造方法であってもよい。
<熱伝導性接着シートの使用方法>
本発明の熱伝導性接着シートを用いると、接着対象物と硬化シートとが積層した積層体が得られる。上述したように、本発明の熱伝導性接着シートによれば、接着対象物との接着性に優れる硬化シートを形成でき、かつ、形成された硬化シートの熱伝導性に優れる。
上記積層体を得る際には、熱伝導性接着シートと接着対象物とを圧着し、加熱処理を施すことにより、接着対象物との積層体を得ることが好ましい。なお、加熱処理は、圧力を印加した状態で行ってもよいし、加圧して圧着した後に圧力を印加しない状態で行ってもよい。
上記操作をより具体的に説明すると、まず、図2に示すように、熱伝導性接着シート10と接着対象物20とを用意する。その際、熱伝導性接着シート11の接着層側の表面を接着対象物20と対向させる。なお、図2においては、説明の関係上、第2熱伝導性フィラー14bのみを図示する。次に、上述したように、熱伝導性接着シートと接着対象物とを熱圧着する。その際、図3に示すように、熱伝導性接着シート10と接着対象物20とが接触し、さらに圧力が加えられると、上述したように熱伝導性接着シート10が変形しやすいために、第2熱伝導性フィラー14bが矢印の方向に押し込まれやすい。そのため、さらに圧力が加えられると、図4に示すように、接着対象物と第2熱伝導性フィラー14bとが接触した状態が保たれ、かつ、第2熱伝導性フィラーと第1熱伝導性フィラーとの接点ができやすくなるため熱伝導性が良好となる。さらに、接着対象物の第2熱伝導性フィラー14bと接触した領域以外は第2熱伝導性化合物が硬化して得られるバインダーと接触した領域となり、結果として密着性が担保される。
仮に、熱伝導性接着シートの変形性が小さい場合の典型例としては、図3に示す矢印方向にフィラーの移動が起こらず、図3の状態のまま硬化してしまうため、接着対象物と硬化して得られバインダーとの間に空隙が生じ、熱抵抗が大きくなる。
印加する圧力は、低圧で実施される。印加する圧力としては、例えば10MPa以下が挙げられ、5MPa以下であってもよい。また、加熱温度は、上記第1熱硬化性化合物および第2熱硬化性化合物に応じて適宜選択すればよく、例えば、50~250℃が挙げられ、100~220℃が好ましく、150~200℃がより好ましい。
また、形成された硬化シートは、絶縁性(電気絶縁性)であることも好ましい。つまり、熱伝導性接着シートは、熱伝導性絶縁接着シートであることも好ましい。
例えば、硬化シートの23℃相対湿度65%における体積抵抗率は、1010Ω・cm以上が好ましく、1012Ω・cm以上がより好ましく、1014Ω・cm以上がさらに好ましい。上限は特に制限されないが、通常1018Ω・cm以下である。
接着対象物としては、目的に応じて適宜選択すればよいが、回路基板、集積回路、パワー半導体回路、ヒートスプレッダ、リードフレーム、ヒートシンク、または、銅箔が好ましい。
なお、熱伝導性接着シートが熱伝導性シートの両面に接着層を有する構造の場合、接着対象物を両面に有することとなる。この場合の2つの接着対象物は、上記接着対象物から選択されることが好ましい。すなわち、熱圧着で形成される積層体としては、ヒートスプレッダ/硬化シート/銅箔、リードフレーム/硬化シート/銅箔、リードフレーム/硬化シート/ヒートシンク、および、集積回路/硬化シート/ヒートスプレッダ等が好ましく挙げられる。
上記接着対象物は、直接的ないし間接的に、発熱体と接触していることが好ましい。熱伝導性接着シートによって形成された積層体は、発熱体からの熱を効率よく伝導し、外部に放出することができる。発熱体としては、集積回路、または、パワー半導体回路が好ましく、パワー半導体回路がより好ましい。すなわち、熱伝導性接着シートは、パワーモジュールデバイスに用いられることが好ましい。
上記熱圧着の方法は、接着対象物に応じて適宜選択すればよい。具体的には、熱プレスが挙げられる。
また、集積回路およびパワー半導体回路等を含む回路基板等は、絶縁、回路保護、および、信頼性向上等のため、樹脂等により封止(モールド)することが多い。モールドの方法としては、コンプレッションモールド、および、トランスファーモールドが挙げられる。モールドの際、加熱しながら圧力を印加することがあるが、接着対象物と熱伝導性接着シートとの熱圧着は、モールドと同時に実施されてもよい。トランスファーモールドの場合、印加される圧力が比較的低圧であるが、本発明の熱伝導性接着シートによれば、低圧での熱圧着であっても、接着性および放熱性に優れる硬化シートが形成できる。
以下に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。
以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、および、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更できる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきではない。
<熱伝導性接着シートの作製>
各実施例および各比較例に用いた熱伝導性接着シートは、熱伝導性シートおよび接着層を、それぞれ、熱伝導性シート形成用組成物および接着層形成用組成物を用いて形成し、それらを貼合することで作製した。
以下、製造方法について説明する。
[熱伝導性シートの形成]
表1に示す配合で、熱伝導性シート形成用組成物を調製した。
離型処理したポリエステルフィルム(PET75 6501 リンテック社製、膜厚75μm、以下、「仮支持体」ともいう。)の離型面上に、調製した熱伝導シート形成組成物をアプリケーターで均一に塗布し、120℃で5分間放置して熱伝導性シート付き仮支持体を得た。得られた熱伝導性シートは、Aステージであった。
なお、熱伝導性シート形成用組成物の塗布量は、後段に示す表3の熱伝導性シートの厚みとなるように調整した。
Figure 2023048546000001
表1中の各表記およびその詳細は、以下のとおりである。
・シクロペンタノン:シクロペンタノン、日本ゼオン社製
・エポキシ化合物1:EXA-830LVP、DIC社製
・エポキシ化合物2:デナコールEX-201、ナガセケムテックス社製
・フェノール化合物1:下記化合物
Figure 2023048546000002
・触媒1:TPP-MK(テトラフェニルホスホニウムテトラ-p-トリルボレート)、北興化学工業社製
・窒化ホウ素1:HP40MF100(凝集状窒化ホウ素粒子、メジアン径:42μm)、水島合金鉄社製
・窒化ホウ素2:HP40J2WP(凝集状窒化ホウ素粒子、メジアン径:20μm)、水島合金鉄社製
[接着層の形成]
表2に示す配合で、接着層形成用組成物を調製した。
上記と同様にして、仮支持体の離型面上に、調製した接着層形成組成物をアプリケーターで均一に塗布し、60℃で3分間放置して接着層付き仮支持体を得た。
なお、接着層形成用組成物の塗布量は、後段に示す表3の熱伝導性シートの厚みとなるように調整した。
Figure 2023048546000003
表2中の各表記およびその詳細は、以下のとおりである。
・窒化ホウ素3:MGP(平板上窒化ホウ素粒子、メジアン径:10μm)、デンカ社製
・アルミナ1:スミコランダムAA-18(球形アルミナ粒子、メジアン径:18μm)、住友化学社製
・アルミナ2:スミコランダムAA-10(球形アルミナ粒子、メジアン径:10μm)、住友化学社製
・アルミナ3:スミコランダムAA-5(球形アルミナ粒子、メジアン径:5μm)、住友化学社製
・アルミナ4:スミコランダムAA-07(球形アルミナ粒子、メジアン径:0.7μm)、住友化学社製
・アルミナ5:AS-30(球形アルミナ粒子、メジアン径:22μm)、昭和電工社製
なお、窒化ホウ素2、シクロペンタノン、エポキシ化合物1、フェノール化合物1、および、触媒1は上記表1のものと同様である。
[貼合による熱伝導性接着シートの作製]
後段に示す表3のとおりの組み合わせとなるように、熱伝導性シートと接着層とを貼合して熱伝導性シートを作製した。
より具体的には、上記得られた熱伝導性シート付き仮支持体と、接着層付き仮支持体とを、熱伝導性シートと接着層とが対向するように真空ラミネータで貼合した。貼合により、仮支持体、熱伝導性シート、接着層、および、仮支持体をこの順に有する熱伝導性接着シート積層体を得た。貼合は、100℃で実施した。
なお、実施例4~6は、上記貼合を実施する前に、熱伝導性シート付き仮支持体に対して、熱伝導性シート側の表面と、仮支持体の離型面とが対向するように仮支持体を設置し、100℃でロールプレスを行った。その後、ロールプレス前に設置した仮支持体を剥離した。ロールプレス後の熱伝導性シートは、Bステージであった。
なお、比較例5は、100℃でロールプレスを行った以外は、実施例4~6と同様にしてロールプレスを行った。ロールプレス後の熱伝導性シートは、Cステージであった。
<測定および評価>
[熱伝導性シートおよび接着層厚みの測定]
熱伝導性シートおよび接着層の厚みは、180℃で加熱処理を行った熱伝導性接着シート積層体について、上記記載の方法で測定した。
[変形率の測定]
変形率は、180℃で加熱処理を行った熱伝導性接着シート積層体における熱伝導性接着シートの厚み(上記厚みX)と、厚みXを測定したサンプルとは別の熱伝導性接着シート積層体に対し、圧力10MPa、温度180℃、処理時間5分にて圧力を印加した後、温度180℃、処理時間90分の加熱処理を施して得られる硬化シート(熱プレス硬化シート)の厚み(上記厚みY)とを測定し、上記方法で変形率を算出した。
[表面粗さの測定]
表面粗さRaは、上記記載の方法で、熱伝導性接着シート積層体における接着層側の仮支持体を剥離して測定した。
[熱伝導性評価]
上記方法で得られた熱プレス硬化シートについて、仮支持体を剥離し、以下の方法で膜厚方向の熱伝導性を評価した。
まず、NETZSCH社製の「LFA467」を用いて、レーザーフラッシュ法で熱プレス硬化シートの厚み方向の熱拡散率を測定した。
次に、メトラー・トレド社製の天秤「XS204」を用いて、熱プレス硬化シートの密度を「固体比重測定キット」を使用して、アルキメデス法で測定した。
また、セイコーインスツル社製の「DSC320/6200」を用い、10℃/分の昇温条件の下、25℃における熱プレス硬化シートの比熱容量を求めた。
得られた熱拡散率に密度および比熱容量を乗じて、熱プレス硬化シートの熱伝導率(W/m・K)を求めた。
熱伝導性は、求めた熱伝導率に基づいて、以下の評価基準にしたがって評価した。A~Cが実用上好ましい評価である。
(熱伝導性評価基準)
A:16W/m・K以上
B:13W/m・K以上16W/m・K未満
C:11W/m・K以上13W/m・K未満
D:11W/m・K未満
[接着性評価]
接着性は、接着層と銅箔とが対向するように、熱伝導性接着シートと銅箔とを熱圧着して得られた積層体における銅箔のピール強度で評価した。具体的には、以下の手順でピール強度を評価した。
熱伝導性接着シート積層体の熱伝導性シート側の仮支持体を剥離し、露出した熱伝導性シートとアルミニウム板とを貼り合わせた。この状態の積層体を、熱板温度100℃、圧力20MPaの条件で1分間、真空熱プレスした。次いで、熱伝導性接着シート積層体の接着層側の仮支持体を剥離し、露出した接着層と銅箔(CF-T8G-UN-35、福田金属箔社製)とを貼り合わせた。この状態の積層体を、熱板温度180℃、圧力10MPaの条件で5分間、真空熱プレスし、さらに、常圧下、180℃90分で硬化処理した。上記手順により、アルミニウム板、熱プレス硬化シート、および、銅箔をこの順で有するピール強度測定用サンプルを得た。
得られたサンプルの銅箔ピール強度を、デジタルフォースゲージ(ZTS-200N、株式会社イマダ製)と90度剥離試験治具(P90-200N-BB、株式会社イマダ製)とを用いて、JIS C 6481:1996の記載にしたがって引きはがし強さ(ピール強度)を測定した。ピール強度試験における銅箔の剥離は、サンプルの面に対して90°の角度で、50mm/分の剥離速度で実施した。
接着性は、測定されたピール強度に基づいて、以下の評価基準にしたがって評価した。A~Cが実用上好ましい評価である。
(接着性評価基準)
A:5N/cm以上
B:4N/cm以上5N/cm未満
C:3N/cm以上4N/cm未満
D:3N/cm未満
<結果>
各実施例および各比較例に用いた熱伝導性接着シートの構成、ならびに、上記各測定および評価結果を表3に示す。
表3中、熱伝導性シートの第1熱伝導性フィラーの含有割合は、熱伝導性シート全体積に対する割合を表す。また、接着層の第2熱伝導性フィラーの含有割合は、接着層全体積に対する割合を表す。
表3中、測定結果の「B/A厚み比」の記載は、熱伝導性シートの厚みに対する、接着層の厚みの比を表す。
Figure 2023048546000004
なお、実施例1~3において、熱伝導性シートの両面に接着層を設けた熱伝導性接着シートについて熱伝導性の評価を実施したところ、熱伝導性はA評価またはB評価となった。また、上記熱伝導性接着シートの両面に銅箔を熱圧着して銅箔のピール強度を測定し、両面の接着性を評価したところ、接着性は、両面とも実施例1~3とそれぞれ同じ評価となった。
表3の結果から、本発明の熱伝導性接着シートは、所望の効果を奏することが確認された。
実施例1、2および6と、他の実施例との比較から、変形率が、20%以上である場合、接着性および放熱性により優れることが確認された。
実施例7および16と、他の実施例との比較から、第2熱伝導性フィラーが上記式(1)を満たす場合、接着性および放熱性により優れることが確認された。
実施例19と、実施例12~17との比較から、第2熱伝導性フィラーの粒径が、2.5~20μmである場合、接着性および放熱性の少なくとも一方により優れることが確認された。
実施例18と、実施例12~17との比較から、第1熱伝導性フィラーが、粒径40μm以上の凝集状窒化ホウ素である場合、接着性および放熱性の少なくとも一方により優れることが確認された。
実施例18および19と、実施例12~17との比較から、第1熱伝導性フィラーが、粒径40μm以上の凝集状窒化ホウ素であり、第2熱伝導性フィラーの粒径が、2.5~20μmである場合、接着性および放熱性の少なくとも一方により優れることが確認された。
10 熱伝導性接着シート
12 熱伝導性シート
12a 第1熱硬化性化合物
12b 第1熱伝導性フィラー
14 接着層
14a 第2熱硬化性化合物
14b 第2熱伝導性フィラー

Claims (8)

  1. 熱伝導性シートと、前記熱伝導性シートの少なくとも一方の表面に配置された接着層とを有する熱伝導性接着シートであって、
    前記熱伝導性シートが、第1熱硬化性化合物と第1熱伝導性フィラーとを含み、
    前記接着層が、第2熱硬化性化合物と第2熱伝導性フィラーとを含み、
    前記熱伝導性接着シートの前記接着層側の表面粗さRaが2.5μm以上であり、
    下記要件1を満たす、熱伝導性接着シート。
    要件1:前記熱伝導性接着シートの厚みをXとし、前記熱伝導性接着シートの前記接着層側の表面に、圧力10MPa、温度180℃、処理時間5分にて圧力を印加した後、温度180℃、処理時間90分の加熱処理を施して得られる硬化シートの厚みをYとした際に、100×(X-Y)/Xにて算出される変形率が10%以上である。
  2. 前記変形率が、20%以上である、請求項1に記載の熱伝導性接着シート。
  3. 前記第2熱伝導性フィラーが下記式(1)を満たす、請求項1または2に記載の熱伝導性接着シート。
    0.8×a≦b≦1.5×a 式(1)
    式(1)中、aは、前記接着層の厚みを表す。
    式(1)中、bは、前記第2熱伝導性フィラーの粒径を表す。
  4. 前記第2熱伝導性フィラーの粒径が、2.5~20μmである、請求項1~3のいずれか1項に記載の熱伝導性接着シート。
  5. 前記第1熱伝導性フィラーが、粒径40μm以上の凝集状窒化ホウ素である、請求項1~4のいずれか1項に記載の熱伝導性接着シート。
  6. 前記第1熱伝導性フィラーが、粒径40μm以上の凝集状窒化ホウ素であり、
    前記第2熱伝導性フィラーの粒径が、2.5~20μmである、請求項1~5のいずれか1項に記載の熱伝導性接着シート。
  7. 前記第1熱硬化性化合物および前記第2熱硬化性化合物が、エポキシ化合物を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の熱伝導性接着シート。
  8. 前記第1熱硬化性化合物および前記第2熱硬化性化合物が、フェノール化合物を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の熱伝導性接着シート。
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