JP2023045069A - 等速自在継手 - Google Patents

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Abstract

【課題】パッキンのシール性を向上させる。【解決手段】外側継手部材2の端面にパッキン11を介してブーツアダプタ9を配置する。ワッシャ16から外側継手部材2とブーツアダプタ9に軸力を与えることで、パッキン11が圧縮される。ワッシャ16に、継手外径側に設けられ、剛体で支持される第一領域P1と、継手内径側に設けられ、外側継手部材2の端面とパッキン11を介して対向する第二領域P2と、第一領域P1よりも継手内径側に設けられ、外側継手部材の端面と接触する第三領域P3とを設ける。【選択図】図10

Description

本発明は、自動車や各種産業機械の動力伝達機構において使用される等速自在継手、例えば4WD車やFR車などで使用されるプロペラシャフトまたはドライブシャフトに組み込まれる等速自在継手に関する。
等速自在継手において、継手内部に充填した潤滑剤の漏洩を防ぐと共に、継手内部への異物の侵入を防止するため、等速自在継手を構成する外側継手部材の開口部は、シール装置により密封されるのが通例である。例えば、下記特許文献1に記載の等速自在継手では、外側継手部材の軸方向両端面に、金属製のシール部材(エンドプレートあるいはブーツアダプタ)を、パッキンを介して装着することで、外側継手部材の軸方向両側の開口部を密封したシール装置が開示されている。
このシール装置では、外側継手部材とシール部材の間にボルト部材のねじ込みにより軸力を作用させ、この軸力でパッキンを軸方向に圧縮することで、外側継手部材とシール部材の間のシール性を確保している。
ボルト部材の頭部とシール部材の間には、ワッシャを配置するのが通例である。下記特許文献2には、重量バランスの不均衡の調整を容易にするため、ワッシャを周方向で三分割したものが開示されている。
特開2010-138974号公報 実開平2-127537号公報
従来の等速自在継手におけるパッキンには、内径寸法を小さくした小径部と、内径寸法を小径部よりも大きくした大径部とが円周方向交互に設けられる(図3参照)。このパッキンは、外側継手部材とシール部材の間にボルト部材のねじ込みにより軸力を作用させることで圧縮される。
しかしながら、ボルト部材を締め付けると、実際には、外側継手部材の端面に対向するシール部材が、その内径側ほど外側継手部材側に寄るように僅かに傾くことが明らかとなった。このようにシール部材が傾くと、パッキンの小径部では圧縮量が大きくなるのに対し、大径部では軸方向の圧縮量が小さくなる。その結果、圧縮後の小径部の肉厚が、大径部の肉厚よりも薄くなる。これは、パッキンの圧縮率が円周方向でばらつくことを意味するため、パッキンのシール性に円周方向で強弱がつき、その程度によっては、シール性の低下を招くことになる。
そこで、本発明は、パッキンのシール性を向上させることを目的とする。
本発明は、軸方向の少なくとも一方の端部が開口し、内周面に複数のトラック溝が形成された外側継手部材と、外周面に前記外側継手部材のトラック溝と対をなす複数のトラック溝が形成された内側継手部材と、前記外側継手部材のトラック溝と前記内側継手部材のトラック溝との間に介在してトルクを伝達する複数のボールと、前記外側継手部材の内周面と前記内側継手部材の外周面との間に介在して前記ボールを保持するケージとを備え、前記外側継手部材の端面にパッキンを介してシール部材が配置され、ワッシャから前記外側継手部材と前記シール部材に軸力を与えることで、前記パッキンを圧縮する等速自在継手において、前記ワッシャが、継手外径側に設けられ、剛体で支持される第一領域と、継手内径側に設けられ、前記外側継手部材の端面と前記パッキンを介して対向する第二領域と、前記第一領域よりも継手内径側に設けられ、前記外側継手部材の端面と接触する第三領域とを備えることを特徴とする。
ワッシャの継手外径側の第一領域が剛体で支持されるのに対し、継手内径側の第二域がパッキンを介して支持されるため、ボルト部材の締付けに伴ってワッシャが継手内径側に傾きやすくなるが、上記のように、ワッシャの第一領域よりも継手内径側に、外側継手部材の端面と接触する第三領域を設けることにより、第一領域よりも継手内径側でもワッシャを剛体で支持することが可能となる。従って、軸力付与後のワッシャの継手内径側への傾きを抑制することができ、そのシール性を全周にわたって均一化し、パッキンのシール性の向上を図ることができる。
前記シール部材に、前記ワッシャの前記第三領域を収容する収容部を設けるのが好ましい。これにより、ワッシャの第三領域を外側継手部材の端面に確実に接触させることが可能となる。
この場合、前記シール部材の前記収容部と、前記ワッシャの前記第三領域とを締まり嵌めで嵌合させるのが好ましい。これにより、シール部材の収容部にワッシャの第三領域を圧入することができ、この圧入によって、ワッシャをシール部材と一体化することができる。そのため、等速自在継手の組み立て作業性が向上する。
以上の構成においては、前記外側継手部材の端面に、前記軸力を発生させる締結部材を挿入するための挿入孔を開口させ、当該挿入孔の周囲の最も継手内径側となる部分に、前記ワッシャの前記第三領域を接触させることができる。
あるいは、前記外側継手部材の端面に、前記軸力を発生させる締結部材を挿入するための挿入孔を開口させ、前記挿入孔の周囲の全周に、前記ワッシャの前記第三領域を接触させてもよい。
上記何れの構成においても、具体的には、前記外側継手部材の端面に凹部と凸部を設け、前記凹部に前記パッキンを配置し、前記ワッシャの前記第一領域を前記凸部と対向させると共に、前記ワッシャの前記第三領域を前記外側継手部材の端面の前記凹部に接触させることができる。
以上のように、本発明によれば、パッキンのシール性を向上させることができる。
この等速自在継手の軸方向に沿った断面図(図3のY-O-X線での断面図)である。 図2は図1に示す等速自在継手を車両に装着した状態を示す断面図である。 図3は、ブーツアダプタ側から見た外側継手部材の正面図である。 (a)図は図3のO-X線での断面図であり、(b)図は図3のO-Y線での断面図である。 (a)図は図3のO-X線での断面図であり、(b)図は図3のO-Y線での断面図である。 ブーツアダプタおよびパッキンを取り付けた外側継手部材を、ブーツアダプタ側から見た拡大正面図である。 第一の実施形態を示すもので、(a)図は(b)図中のK-K線での断面図であり、(b)図はワッシャを外側継手部材側から見た正面図である。 第一の実施形態において、ブーツを取り付けたブーツアダプタを反外側継手部材側から見た正面図である。 第一の実施形態において、パッキンを反外側継手部材側から見た正面図である。 第一の実施形態において、ボルト部材の軸線に沿う方向の拡大断面図である。 第一の実施形態の第一変形例を示すもので、(a)図は(b)図中のL-L線での断面図であり、(b)図はワッシャを外側継手部材側から見た正面図である。 第一の実施形態の第一変形例を示すもので、ワッシャ、およびブーツアダプタを取り付けた外側継手部材を反外側継手部材側から見た正面図である。 第一の実施形態の第二変形例を示すもので、(a)図は(b)図中のM-M線での断面図であり、(b)図はワッシャを外側継手部材側から見た正面図である。 第二の実施形態を示すもので、(a)図は(b)図中のN-N線での断面図であり、(b)図はワッシャを外側継手部材側から見た正面図である。 第一の実施形態において、ボルト部材の軸線に沿う方向の拡大断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図1~図15に基づいて説明する。
先ず、等速自在継手1の一般的構造を図1および図2に基づいて説明する。図1は、等速自在継手の軸方向に沿った断面図であり、図2は図1に示す等速自在継手を車両に装着した状態を示す断面図である。なお、図1および図2は、図3におけるY-O-X線での断面図に相当する。
図1に示すように、本実施形態に係る等速自在継手1は、内周面21に複数のトラック溝22が形成された外側継手部材2と、外周面31に外側継手部材2のトラック溝22と対をなす複数のトラック溝32が形成された内側継手部材3と、外側継手部材2のトラック溝22と内側継手部材3のトラック溝32との間に介在してトルクを伝達するトルク伝達部材としてのボール4と、外側継手部材2の内周面21と内側継手部材3の外周面31との間に介在してボール4を保持するケージ5とを備えている。
外側継手部材2の内周面21と内側継手部材3の外周面31は、何れも継手中心Oを中心とする球面状に形成される。外側継手部材2の内周面21は、ケージ5の球面状外周面と篏合し、内側継手部材3の外周面31は、ケージ5の球面状内周面と嵌合している。外側継手部材2のトラック溝22の曲率中心と内側継手部材3のトラック溝32の曲率中心は、継手中心Oに対して継手軸線上で軸方向反対側に等距離だけオフセットされている。本実施形態では、外側継手部材2のトラック溝22の曲率中心が、継手中心Oよりも後述するエンドプレート7側に配置され、内側継手部材3のトラック溝32の曲率中心が、継手中心Oよりも反エンドプレート側に配置されている。
内側継手部材3の軸心孔の内周面に雌スプライン33が形成され、この軸心孔に図2に示すシャフト6の先端部の雄スプライン61が嵌入される。雌スプライン33と雄スプライン61とが噛合することで、内側継手部材3とシャフト6がトルク伝達可能に結合される。
なお、図1および図2では、等速自在継手1として、ツェッパ型と呼ばれる固定式等速自在継手を例示しているが、等速自在継手の種類、構造は任意に選択することができる。等速自在継手1として、各種固定式等速自在継手の他、例えばクロスグルーブ型のような摺動式等速自在継手を使用することもできる。固定型等速自在継手では、二軸間の角度変位のみが許容され、摺動式等速自在継手では、二軸間の角度変位と軸方向変位の双方が許容される。
外側継手部材2は、軸方向の両端が開口したディスクタイプと呼ばれるものである。外側継手部材2の軸方向一方側(図1の右側)では、外側継手部材2の開口部が金属製のエンドプレート7で密封され、外側継手部材2の軸方向他方側(図1の左側)では、外側継手部材2とシャフト6の間の開口部がシール装置8によって密封されている。エンドプレート7およびシール装置8により、継手内部に充填したグリースの漏洩が防止され、かつ継手内部への異物の侵入が防止される。本実施形態において、エンドプレート7と、シール装置8のブーツアダプタ9(後で詳細に説明する)は、シールに寄与する部材であるので「シール部材」と総称する。
エンドプレート7は、外側継手部材2の開口部を塞ぐ蓋状の部材であり、外側継手部材2の外周面に嵌合される筒部71と、外側継手部材2から離れる方向に膨出する皿状部72と、筒部71と皿状部72とを連結する平板部73とを一体に備える。
シール装置8は、金属製のブーツアダプタ9と、ゴムや樹脂等の可撓性材料で形成されたブーツ10とを備える。ブーツアダプタ9およびブーツ10の何れも、軸方向両端が開口した環状に形成される。ブーツアダプタ9は、高速回転時のブーツ10の回転膨張を抑える役割を有する。ブーツアダプタ9は、外側継手部材2の外周面に嵌合される大径筒部91と、ブーツ10を支持する小径筒部92と、大径筒部91および小径筒部92を連結する平板部93とを一体に有する。ブーツ10は大径端部10aと小径端部10bを有し、大径端部10aと小径端部10bの間で折り返した形状をなす。ブーツ10の大径端部10aはブーツアダプタ9の小径筒部92に取り付けられる。
エンドプレート7の大径筒部71を外側継手部材2の外周面に圧入固定することで、エンドプレート7が外側継手部材2に取り付けられる。また、ブーツアダプタ9の大径筒部91を外側継手部材2の外周面に圧入固定することで、ブーツアダプタ9が外側継手部材2に取り付けられる。この時、外側継手部材2は、その軸方向両側に配置されたエンドプレート7の平板部73と、ブーツアダプタ9の平板部93とで軸方向両側から挟まれた状態にある。
外側継手部材2の円周方向の複数個所には、後述する締結部材を挿入するため、外側継手部材2を軸方向に貫通する挿入孔としてのボルト孔23が設けられている。エンドプレート7の平板部73と、ブーツアダプタ9の平板部93には、それぞれ、外側継手部材2のボルト孔23と軸心が一致する貫通孔73a、93aが設けられている。外側継手部材2の軸方向両側の端面の内径側には、それぞれ環状の凹部24,25が設けられ、これらの凹部24,25には、それぞれ環状のパッキン11,12が配置されている。外側継手部材2の両端面のうち、凹部24,25よりも外径側の領域は環状の凸部26,27を構成している。
図2に示すように、締結部材としてのボルト部材13を、ボルト頭部とブーツアダプタ9との間にワッシャ16を介在させつつ、ブーツアダプタ9の貫通孔93a、ボルト孔23,およびエンドプレート7の貫通孔73aに順次挿入し、さらに、ボルト部材13の先端部を、車両側のコンパニオンフランジ14に設けられたねじ孔15に螺着することで、等速自在継手1が車両に取り付けられる。内側継手部材3と結合したシャフト6には、ブーツバンド17を用いてブーツ10の小径端部10bが固定される。
ボルト部材13のねじ孔15への螺着に伴い、外側継手部材2の軸方向一方側の凹部25に配置したパッキン12は、外側継手部材2の端面とエンドプレート7の平板部73とで挟持され、ボルト部材13の螺着に伴う軸力を受けて軸方向に圧縮される。外側継手部材2の軸方向他方側の凹部24に配置したパッキン11は、外側継手部材2の端面と、ブーツアダプタ9の平板部93とで挟持され、ボルト部材13の螺着に伴う軸力を受けて軸方向に圧縮される。パッキン11,12の圧縮により、エンドプレート7と外側継手部材2の接触部、およびブーツアダプタ9と外側継手部材2の接触部がシールされる。
図3はシール装置8、内側継手部材3、ボール4、ケージ5、およびシャフト6を省略して、外側継手部材2、および外側継手部材2の軸方向他方側の凹部24に配置したパッキン11をブーツアダプタ9側から見た正面図である(パッキン11はハッチングを付して表している)。また、図4(a)および図5(a)は図3のO-X線での断面図であり、図4(b)および図4(b)は図3のO-Y線での断面図である。さらに、図6は、ブーツアダプタ9およびパッキン11を取り付けた外側継手部材を、ブーツアダプタ側から見た拡大正面図である。図示は省略するが、外側継手部材2の軸方向一方側の凹部25に配置したパッキン12も、図3および図4(a)(b)に示すパッキン11と同じ形状を有する。
図3に示すように、外側継手部材2のボルト孔23は、外側継手部材2のトラック溝22の開口端22aよりも外径側で、かつ隣接するトラック溝22間の円周方向中間部に配置される。ボルト孔23は、外側継手部材2の端面に形成された凹部24と凸部26の双方に跨って形成される。
パッキン11は、内径寸法を小さくした小径部111と、内径寸法を小径部111よりも大きくした大径部112とを円周方向交互に備える。小径部111の内径端は、隣接するトラック溝22の間に配置され、外側継手部材2の球面状の内周面21に沿う凹円弧状に形成される。大径部112の内径端は、トラック溝22の開口端22aよりも外径側に位置した凹曲線状に形成される。パッキン11の円周方向では、小径部111とボルト孔23の位相が一致し、大径部112とトラック溝22の位相が一致している。小径部111の外径端には、ボルト孔23の輪郭に対応して、概略半円状の切欠き部113が設けられている。
既に述べたように、ボルト部材13をコンパニオンフランジ14のねじ孔15に螺着すると、ブーツアダプタ9の平板部93と外側継手部材2の間、およびエンドプレート7の平板部73と外側継手部材2の間に、それぞれ軸力が作用し、パッキン11,12が軸方向に圧縮される。従来では、パッキン11,12の全体(パッキンの円周方向全体および半径方向全体)が均一厚さを有するため、図4(a)(b)に示すように、ボルト部材13の締付けに伴い、パッキン11の小径部111(図4(a)参照)と、大径部112(図4(b)参照)が均等に圧縮され、圧縮後の肉厚Aが等しくなると考えられていた。
しかしながら、本発明者らの検証を通じて、実際には、ボルト部材13の締め付け後は、図5(a)(b)に示すように、ブーツアダプタ9の平板部93が、継手軸線と直交する平面に対し、平板部93の内径側ほど外側継手部材2側に寄るように僅かに傾く(傾斜角α)ことが明らかとなった。これは、図6に示すように、平板部93のうち、継手外径側の領域(ハッチングで示す領域)が、外側継手部材2の端面の凸部26と接触するのに対し、継手内径側の領域が、外側継手部材2の端面の凹部24に配置されたパッキン11と接触するため、ワッシャ16から平板部93に付与された軸力に対する支持剛性が継手外径側よりも継手内径側で低くなることによると考えられる。
このように平板部93が傾くと、平板部93の内径側が外径側よりも先にパッキン11に接触するため、パッキン11の内径側に位置する小径部111(図5(a)参照)では軸方向の圧縮量が大きくなるのに対し、小径部111よりも外径側に位置する大径部112(図5(b)参照)では軸方向の圧縮量が小さくなる。そのため、圧縮後の小径部111の肉厚Bが、大径部112の肉厚Cよりも薄くなり(B<C)、大径部112の圧縮率が、必要とされる圧縮率(軸方向の圧縮量/圧縮前の肉厚)である20%を下回ることが確認された。これは、パッキン11の圧縮率が円周方向でばらつくことを意味するため、パッキン11のシール性に円周方向で強弱が生じ、その強弱の程度によっては、シール性の低下を招くことになる。
以上に述べた課題を解決するため、本発明では、従来、円周方向および径方向の全体で均一肉厚としていたワッシャ16の形状に改良を加えている。
図7(a)(b)に第一の実施形態を示す。図7(a)は図7(b)中のK-K線での断面図であり、図7(b)はワッシャ16を外側継手部材2側から見た正面図である。
この実施形態のワッシャ16は、図7(a)に示すように、ボルト部材13を挿通するための円形の孔161を有する平板状のワッシャ本体162と、孔161に沿ってワッシャ本体162からワッシャ16の厚さ方向に突出する柱部163とを有する。各孔161の内周面の一部領域が、柱部163の内周面で形成される。柱部163は、孔161の周囲のうち、最も継手内径側となる領域に設けられている。この実施形態のワッシャ16の各部(161,162,163)は、鋼板をプレス加工することで一体に形成することができる。この他、切削加工でワッシャ16を形成することも可能である。
図7(b)に示すように、この実施形態では、ワッシャ本体162は無端の環状に形成され、このワッシャ本体162の円周方向の複数箇所に、孔161および柱部163のセットが形成されている。
図8は、第一の実施形態において、ブーツ10を取り付けたブーツアダプタを反外側継手部材側から見た正面図である。図8に示すように、ブーツアダプタ9の平板部93に設けられた貫通孔93aには、ワッシャ16の柱部163の輪郭に対応した形状の収容部93bが形成されている。収容部93bは、ワッシャ16の柱部163に対して締め代を有するように形成される。これにより収容部93bにワッシャの柱部163を圧入することができ、この圧入によって、ワッシャ16をブーツアダプタ9に一体化できる。そのため、等速自在継手の組み立て作業性が向上する。
図9は、本実施形態で使用するパッキン11を反外側継手部材側から見た正面図である。図9に示すように、パッキン11の切欠き部113には、ワッシャ16の柱部163の輪郭に対応した形状の収容部114が形成されている。パッキン11の切欠き部113とワッシャの柱部163の嵌め合いは、隙間嵌めが好ましい。
図10は、以上に説明した第一の実施形態のボルト中心線方向に沿った断面図であり、ボルト部材13の締め付けによりパッキン11を圧縮させた状態を示す。
図10に示すように、ボルト部材13の中心線よりも継手外径側の領域(図面右側)では、ワッシャ本体162の端面と外側継手部材の端面の凸部26に、それぞれブーツアダプタ9の平板部93が接触している。ブーツアダプタ9の平板部93および外側継手部材2は、何れも金属製の剛体であるから、ワッシャ本体162の継手外径側の領域(「第一領域P1」と呼ぶ)は、軸力方向で剛体に支持された状態にある。ボルト部材13の中心線よりも継手内径側(図10の左側)の領域では、ブーツアダプタ9の平板部93と外側継手部材2の端面の間に、ゴム等の可撓性材料からなるパッキン11が介在している。従って、ワッシャ本体162の継手内径側の領域(「第二領域P2」と呼ぶ)は、パッキン11を介して外側継手部材2の端面の凹部24と軸力方向で対向している。
このようにワッシャ16の継手外径側の第一領域P1が剛体で支持されるのに対し、継手内径側の第二領域P2がパッキン11を介して支持されるため、ボルト部材13の締付けに伴ってワッシャ16が継手内径側に傾きやすくなる。これに対し、本実施形態では、ワッシャ本体162に柱部163を設けることで、ワッシャ16の第一領域P1よりも継手内径側に、外側継手部材2の端面(特に凹部24)と接触する第三領域P3を設けている。これにより、第一領域P1よりも継手内径側でもワッシャ16を剛体で支持することが可能となるので、ボルト部材13の締付け後におけるワッシャ16の継手内径側への傾きを抑制することができる。そのため、均一厚さを有するパッキン11であっても、そのシール性を全周にわたって均一化し、パッキンのシール性の向上を図ることができる。また、変形・切れ等のパッキン11の損傷を回避することが可能となる。
なお、柱部163の高さは、圧縮前の自然状態のパッキン11の肉厚と、ブーツアダプタ9の平板部93の肉厚の和よりも小さい。つまり柱部163の高さは、ワッシャ16に軸力を与えて柱部163を外側継手部材2の端面(特に凹部24)に接触させた時に、パッキン11が軸力方向で圧縮される寸法とする。
図7(a)(b)では、複数の孔161を有する環状に形成したワッシャ16を例示したが、ワッシャ16は、円周方向の複数箇所で分割して形態を有するものであってもよい。例えば、図11(a)(b)に示すように、ワッシャ本体162の内径端と外径端を、継手中心Oを中心とする円弧で形成すると共に、ワッシャ本体162の円周方向の複数個所、例えば2か所に孔161と柱部163のセットを設けたワッシャ16(円弧状ワッシャ)を使用しても良い。この円弧状ワッシャ16は、図12に示すように、各孔161をボルト孔23と一致させて円周方向の複数個所に配置される。
また、図13(a)(b)に示すように、ワッシャ本体162を穴あきのリング状として、ワッシャ本体162に孔161と柱部163の1セットを設けてもよい(リング状ワッシャ)。この場合、各ボルト孔23と孔161を一致させつつ、円周方向の複数個所(ボルト孔23と同数箇所)にリング状ワッシャ16が配置される。
図14(a)(b)および図15に、本発明の第二の実施形態を示す。図1~図13に示す第一の実施形態に係るワッシャ16では、ワッシャ本体162に設けられた各孔161の周辺のうち、最も継手内径側となる領域のみに柱部163を設けているが、第二の実施形態に係るワッシャ16では、ワッシャ本体162に設けられた孔161の周囲の全周にわたって環状の柱部163を形成している。図14(a)(b)および図15では、ワッシャ本体162を、図11(a)(b)に示す円弧状ワッシャのワッシャ本体162と同じ形態にした場合を例示しているが、図7(a)(b)に示す環状ワッシャ16のワッシャ本体162や、図13(a)(b)に示すリング状ワッシャ16のワッシャ本体162と同じ形状にしてもよい。以上に述べた第二の実施形態に係るワッシャ16は、例えば切削加工で形成することができる。
この第二の実施形態に係るワッシャ16では、図15に示すように、ワッシャ本体16の継手外径側の領域がブーツアダプタ9の平板部93に接触し、平板部93が外側継手部材2の端面の凸部26に接触しているため、ワッシャ16の継手外径側に、剛体で支持された第一領域P1が形成される。また、ワッシャ16の継手内径側の領域は、パッキン11を介在させて外側継手部材2の端面と対向する第二領域P2となる。また、環状の柱部163により、ワッシャ16の第一領域P1よりも継手内径側に、外側継手部材2の端面(特に凹部24)と接触する第三領域P3が形成される。従って、第一領域P1よりも継手内径側でも、ワッシャ16を剛体で支持することが可能となるので、ボルト部材13の締付け後におけるワッシャ16の継手内径側への傾きを抑制することができる。そのため、第一の実施形態と同様の効果を得ることができる。
以上の説明では、ブーツアダプタ9と接触するパッキン11に起因したブーツアダプタ9の傾きを回避するための手段として、ブーツアダプタ9と接触するワッシャ16の形態を改良しているが、エンドプレート7の平板部73についても、パッキン12に起因して、同様に軸力付与後の傾きを生じるおそれがある。この場合、エンドプレート7の平板部73と接触するワッシャを使用し、このワッシャに、以上に述べた各実施形態を適用することにより、パッキン12のシール性を向上させることが可能となる。
なお、本発明は上述の各実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論である。例えば、外側継手部材2として、軸方向両側を開口したディスクタイプを例示したが、軸方向の一方側のみ開口した外側継手部材を使用し、その開口部にシール部材(エンドプレート7、ブーツアダプタ9等)を配置した等速自在継手にも各実施形態を適用することができる。また、図4(a)および図5(a)では、ブーツアダプタ9の小径筒部92と平板部93の間のコーナー部をパッキン11の小径部111上に配置する場合を例示しているが、このコーナー部をパッキン11の小径部111よりも継手内径側に配置することもできる。
1 等速自在継手
2 外側継手部材
3 内側継手部材
4 ボール
5 ケージ
7 シール部材(エンドプレート)
8 シール装置
9 シール部材(ブーツアダプタ)
10 ブーツ
11 パッキン
12 パッキン
13 締結部材(ボルト部材)
16 ワッシャ
23 挿入孔(ボルト孔)
161 孔
162 ワッシャ本体
163 柱部
P1 第一領域
P2 第二領域
P3 第三領域

Claims (6)

  1. 軸方向の少なくとも一方の端部が開口し、内周面に複数のトラック溝が形成された外側継手部材と、外周面に前記外側継手部材のトラック溝と対をなす複数のトラック溝が形成された内側継手部材と、前記外側継手部材のトラック溝と前記内側継手部材のトラック溝との間に介在してトルクを伝達する複数のボールと、前記外側継手部材の内周面と前記内側継手部材の外周面との間に介在して前記ボールを保持するケージとを備え、
    前記外側継手部材の端面にパッキンを介してシール部材が配置され、ワッシャから前記外側継手部材と前記シール部材に軸力を与えることで、前記パッキンを圧縮する等速自在継手において、
    前記ワッシャが、継手外径側に設けられ、剛体で支持される第一領域と、継手内径側に設けられ、前記外側継手部材の端面と前記パッキンを介して対向する第二領域と、前記第一領域よりも継手内径側に設けられ、前記外側継手部材の端面と接触する第三領域とを備えることを特徴とする等速自在継手。
  2. 前記シール部材に、前記ワッシャの前記第三領域を収容する収容部を設けた請求項1に記載の等速自在継手。
  3. 前記シール部材の前記収容部と、前記ワッシャの前記第三領域とを締まり嵌めで嵌合させた請求項2に記載の等速自在継手。
  4. 前記外側継手部材の端面に、前記軸力を発生させる締結部材を挿入するための挿入孔を開口させ、当該挿入孔の周囲の最も継手内径側となる部分に、前記ワッシャの前記第三領域を接触させた請求項1~3何れか1項に記載の等速自在継手。
  5. 前記外側継手部材の端面に、前記軸力を発生させる締結部材を挿入するための挿入孔を開口させ、前記挿入孔の周囲の全周に、前記ワッシャの前記第三領域を接触させた請求項1~3何れか1項に記載の等速自在継手。
  6. 前記外側継手部材の端面に凹部と凸部を設け、前記凹部に前記パッキンを配置し、前記ワッシャの前記第一領域を前記凸部と対向させると共に、前記ワッシャの前記第三領域を前記外側継手部材の端面の前記凹部に接触させた請求項1~5何れか1項に記載の等速自在継手。
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