JP2023042908A - アライメント装置、アライメント方法、成膜装置、成膜方法及び電子デバイスの製造方法 - Google Patents

アライメント装置、アライメント方法、成膜装置、成膜方法及び電子デバイスの製造方法 Download PDF

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Takuhei Mimura
匠 柴田
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Abstract

【課題】アライメントカメラの光軸の傾きに起因するアライメント精度の低下を抑制する。【解決手段】基板の成膜面に交差する移動方向に沿って、基板とマスクの少なくとも一方を移動させる移動手段と、光学的な撮像手段を用いて基板の成膜面に沿う方向における基板とマスクの相対的な位置関係を測定する測定手段と、測定手段による測定結果に基づいて基板とマスクの相対的な位置関係を調整するアライメント手段と、撮像手段の光軸及び移動手段による移動方向の少なくともいずれかの傾きを調整する調整手段と、撮像手段の光軸と移動手段による移動方向との相対的な傾きに関する情報に基づいて調整手段を制御する制御手段と、を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、アライメント装置、アライメント方法、成膜装置、成膜方法及び電子デバイスの製造方法に関する。
有機ELディスプレイの製造工程では、所定のパターンで開口が形成されたマスクを介して基板に所定のパターンの膜を形成するマスク成膜法が用いられる。マスク成膜法では、マスクと基板のアライメントを行った後に、マスクと基板を密着させて成膜を行う。マスク成膜法によって精度よく成膜するためには、マスクと基板のアライメントを高い精度で行うことが重要である。
マスクと基板のアライメント完了後に、昇降動作等の装置の動作に起因してマスクと基板の位置ずれが生じる場合がある。特許文献1には、アライメントが完了した基板とマスクを密着させた後、アライメント用カメラで再度アライメントマークを撮像し、撮像画像に基づいて位置ずれ量を計測し、これをオフセット量として記憶し、オフセット量をアライメントにおける目標位置に反映させることで、機械動作に起因する位置ずれを抑制する技術が記載されている。
アライメントマークを撮像するカメラ光学系の光軸が、マスクや基板の昇降機構による移動方向に対して相対的に傾いている場合がある。この場合、撮像画像におけるアライメントマーク間の位置ずれ量と、基板とマスクを密着させた状態における実際のアライメントマーク間の位置ずれ量とが一致しない。そのため、撮像画像に基づくアライメントを精度良く行うことができない。特許文献2には、光軸の傾きを予め測定しておき、光軸の傾きに基づいて撮像画像から得られるアライメントマーク間の位置ずれ量を補正し、補正した位置ずれ量に基づいてマスクと基板のアライメントを行う技術が記載されている。
特開2020-105629号公報 特開2021-080563号公報
アライメント精度を高める方法としては、昇降機構による移動方向に対する光軸の傾きが小さくなるようにアライメント用カメラの光軸を調整する方法も考えられる。例えば、成膜装置の初期設定として、測定用の基板及びマスクを用いて光軸の傾きを測定し、測定された光軸の傾きに応じてアライメント用カメラの光軸を調整することができる。
しかしながら、1つの成膜装置において開口パターンが異なる複数種類のマスクを用いて成膜を行う場合があり、マスクの種類が異なると昇降機構の移動方向やアライメントマーク付近の基板やマスクの傾きが変化するため、光軸の傾きも変化する。成膜装置の初期設定として光軸の傾きを調整する方法では、マスクの種類に応じた光軸の傾きの変化に対応することができない。
本発明は、アライメントカメラの光軸の傾きに起因するアライメント精度の低下を抑制することを目的とする。
本発明は、基板の成膜面に交差する移動方向に沿って、基板とマスクの少なくとも一方を移動させる移動手段と、
光学的な撮像手段を用いて前記基板の成膜面に沿う方向における前記基板と前記マスクの相対的な位置関係を測定する測定手段と、
前記測定手段による測定結果に基づいて前記基板と前記マスクの相対的な位置関係を調整するアライメント手段と、
前記撮像手段の光軸及び前記移動手段による前記移動方向の少なくともいずれかの傾きを調整する調整手段と、
前記撮像手段の光軸と前記移動手段による前記移動方向との相対的な傾きに関する情報に基づいて前記調整手段を制御する制御手段と、
を有することを特徴とするアライメント装置である。
本発明は、光学的な撮像手段を用いて基板の成膜面に沿う方向における基板とマスクの相対的な位置関係を測定する測定工程と、
前記測定工程による測定結果に基づいて前記基板と前記マスクの相対的な位置関係を調整するアライメント工程と、
前記アライメント工程の後、前記基板と前記マスクとを近づけるように、前記基板と前記マスクの少なくとも一方を移動させる移動工程と、
を有するアライメント方法であって、
前記撮像手段の光軸と前記移動工程による移動方向との相対的な傾きに関する情報に基づいて、前記撮像手段の光軸及び前記移動工程における移動方向の少なくともいずれかの傾きを調整する制御を行う制御工程と、
を有することを特徴とするアライメント方法である。
本発明によれば、アライメントカメラの光軸の傾きに起因するアライメント精度の低下を抑制することができる。
実施形態の電子デバイスの製造装置の構成を模式的に示す図 実施形態のアライメント装置の構成を示す図 実施形態のカメラ調整機構の構成を模式的に示す図 実施形態の基板マーク及びマスクマークの構成を示す図 実施形態のアライメント装置におけるキャリア及びマスクの支持構造を示す図 実施形態のアライメントカメラの光軸ずれを示す図 実施形態のアライメントカメラの光軸ずれを取得する方法を説明する図 実施形態のアライメントカメラの光軸ずれの変化を示す図 実施形態のアライメント処理のフローチャートを示す図 実施形態の有機EL表示装置の構成を示す図
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を例示的に説明する。ただし、構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
本発明の実施形態に係るアライメント装置、アライメント方法、成膜装置、成膜方法及び電子デバイスの製造方法について説明する。本実施形態の成膜装置は、基板の表面にマ
スクを介して成膜材料を堆積させて薄膜を形成する装置である。成膜方法としては真空蒸着やスパッタリングを例示できる。基板とマスクを位置合わせして成膜を行うことで、基板にはマスクの開口パターンに応じたパターンの薄膜が形成される。基板に複数の層を形成する場合、一つ前の工程までに既に形成されている層も含めて「基板」と称する場合がある。本実施形態に係るアライメント装置は、マスクを介した薄膜形成を高精度に行うために、基板とマスクとの相対的な位置を調整するアライメントを行う。なお本発明は、基板とマスクを位置合わせするアライメント装置一般に適用可能であり、適用対象は成膜装置に限られない。
基板の材料としては、ガラス、シリコン等の半導体、高分子材料のフィルム、金属等を例示できる。また、基板としては、シリコンウエハや基板上にポリイミド等のフィルムが積層されたものを例示できる。成膜材料としては、有機材料、無機材料(金属、金属酸化物)等を例示できる。マスクとしては、基板に形成する薄膜パターンに対応する開口パターンを有するメタルマスクを例示できる。本実施形態の製造方法で製造される電子デバイスとしては、半導体デバイス、磁気デバイス、電子部品等の各種電子デバイス、光学部品、発光素子、光電変換素子、タッチパネル、発光素子を備えた表示装置(例えば有機EL表示装置)、照明装置(例えば有機EL照明装置)、光電変換素子を備えたセンサ(例えば有機CMOSイメージセンサ)等を例示できる。特に、OLED等の有機発光素子や、有機薄膜太陽電池等の有機光電変換素子の製造に好適である。
<実施形態1>
図1は、本実施形態に係る電子デバイスの製造装置の構成を模式的に示す平面図である。ここでは成膜装置を含むインライン型の有機ELディスプレイの製造装置を例に説明する。成膜装置は、蒸発源を用いて基板に成膜材料を蒸着する真空蒸着装置である。有機ELディスプレイの製造は、製造装置に所定のサイズの基板を搬入し、成膜装置において有機EL層や金属層の成膜を行った後、基板のカット等の後処理工程を実施することにより行われる。図1には後処理工程の構成は記載していない。以下、基板の成膜面に沿う方向をX方向及びY方向、基板の成膜面に交差する方向をZ方向とする。本実施形態ではXY平面は水平面と平行であり、Z方向は鉛直方向に平行であるとする。
製造装置1は、基板投入室101、キャリア合流室102、マスク合流室103、アライメント室104、成膜室105、マスク分離室106、マスク分離室107、キャリア分離室108、基板排出室109、マスク搬送室110、キャリア搬送室111、マスク仕込室112、マスク取出室113、マスク搬送室114を有する。
基板投入室101において、上流から搬送されてきた基板10が製造装置1へ投入され、下流のキャリア合流室102へ搬送される。
キャリア合流室102において、基板10と基板10を保持するためのキャリア11が合流し、基板10がキャリア11によってクランプされ、下流のマスク合流室103へ搬送される。
マスク合流室103において、キャリア11とマスク12が合流し、それぞれ下流のアライメント室104へ搬送される。
アライメント室104において、基板10とマスク12のアライメントが行われ、アライメント完了後に基板10とマスク12を密着させ、下流の成膜室105へ搬送する。アライメントは、基板10に設けられたアライメントマークである基板マークとマスク12に設けられたアライメントマークであるマスクマークとを高精度に位置合わせすることによって行われる。アライメントの詳細は後述する。
成膜室105において、成膜材料を加熱して蒸発させる蒸発源を用いてマスク12を介して基板10の成膜面に成膜処理が行われる。
マスク分離室106において、成膜処理が完了した基板10を保持したキャリア11及びマスク12が搬入される。マスク12を交換する場合、マスク分離室106においてマスク12がキャリア11から分離され、使用済みマスク18としてマスク取出室113へ搬送される。マスク12を再利用する場合、キャリア11及びマスク12はマスク分離室106を通過してマスク分離室107へ搬送される。
マスク分離室107において、マスク12がキャリア11から分離される。分離したマスク12はマスク搬送室110を経て再びマスク合流室103へ搬送され、再利用される。
キャリア分離室108において、キャリア11と基板10が分離される。分離したキャリア11はキャリア搬送室111を経て再びキャリア合流室102へ搬送され、再利用される。キャリア11から分離された成膜処理後の基板10は、基板搬出室109から次工程へ搬出される。
以上のようにして、図1に示す基板10の搬送経路A、キャリア11の搬送経路B、マスク12の搬送経路Cが構成される。キャリア11の搬送経路B及びマスク12の搬送経路Cは循環経路をなしており、同じキャリア11及びマスク12が繰り返し成膜処理に用いられる。一定回数の成膜処理に使用されたマスク12は、マスク分離室106で分離された後、使用済みマスク18としてマスク取出室113へ搬送される。
マスク取出室113において、使用済みマスク18は、搬送経路A、B、Cにおける基板10、キャリア11及びマスク12のZ方向の位置より低い位置に昇降機構によって移動される。その後、使用済みマスク18はアライメント室104へ搬送される。
アライメント室104では、使用済みマスク18の搬送経路Dと、基板10、キャリア11及びマスク12の搬送経路A、B、Cとが交差するが、搬送経路Dは搬送経路A、B、CよりもZ方向で低い位置を通るため、使用済みマスク18の搬送と基板10、キャリア11及びマスク12の搬送とは独立に制御可能である。使用済みマスク18は、アライメント室104からマスク搬送室114へ搬送され、マスク搬送室114から次工程へ搬送される。
マスク12が使用済みマスク18として搬送経路Dへ投入された場合、マスク仕込室112から新しいマスク19が搬送経路Eによりマスク分離室107へ搬送される。これによりマスクの搬送経路Cに新しいマスク19が投入される。新しいマスク19はマスクストッカ115からマスク仕込室112へ搬入される。マスクストッカ115には開口パターンの異なる複数種類のマスクが保管されており、成膜室105において異なる種類のマスクを用いた成膜を行うことが可能である。
以上のように、本実施形態の製造装置1では、複数の独立した搬送経路のZ方向の位置を互いに異ならせることによって、複数の搬送経路を同一のチャンバで交差させることができる。これにより、製造装置1の設置場所の床面積や形状等の条件によってチャンバの配置に制限が生じる場合でも、柔軟に搬送経路を設計することが可能になる。なお、本実施形態では、1つのチャンバにおいてZ方向の位置が異なる2つの搬送経路が交差する構成を例示したが、本発明はこの例に限定されない。Z方向の位置が異なれば複数の独立した系統の搬送経路が1つのチャンバ内で共存することができ、その系統数は2以上でもよく、異なる系統間の搬送方向の関係は交差及び並走のいずれも可能である。また、本実施形態では使用済みマスク18の搬送経路Dが基板10、キャリア11及びマスク12の搬送経路A、B、CよりZ方向で低い位置にある例を示したが、Z方向の位置関係はこれに限らず、搬送経路Dが搬送経路A、B、CよりZ方向で高い位置にあってもよい。
基板10の搬送経路A、キャリア11の搬送経路B、マスク12の搬送経路C、使用済
みマスク18の搬送経路D、及び新しいマスク19の搬送経路Eを構成する各チャンバは、有機ELディスプレイの製造時には高真空状態に維持される。なお、マスクストッカ115は大気圧に維持される。本発明は、基板を搬送する搬送ロボットを中心に複数の成膜装置が配置されたクラスタ型の電子デバイスの製造装置にも適用できる。また、本発明は、キャリアを用いない電子デバイスの製造装置にも適用できる。高剛性のキャリアによって基板を保持することで基板の撓みを抑制することができるため、撓みが生じやすい大型基板に対して成膜を行う場合にキャリアの使用は好適である。
図2は、アライメント室104におけるアライメント装置80の構成を示す断面図である。アライメント室104には、マスク合流室103からキャリア11とマスク12がそれぞれ第1の搬送手段であるキャリア搬送ローラ20と第2の搬送手段であるマスク搬送ローラ21に載せられて搬送されてくる。キャリア搬送ローラ20によるキャリア11及び基板10の搬送経路A、Bとマスク搬送ローラ21によるマスク12の搬送経路Cは+Y方向に平行である。基板10とマスク12の相対的な位置関係を調整するアライメント(位置合わせ)が行われた後、基板10を保持したキャリア11をマスク12に載置し、基板10とマスク12が密着した状態で、マスク12が載置された基板10を成膜室105へ搬送する搬送手段であるマスク搬送ローラ21によって搬出される。
アライメント室104には、マスク取出室113から搬送経路A、B、Cにおいて搬送されるワークである基板10及びマスク12とは異なるワークである使用済みマスク18が第3の搬送手段である搬送ローラ36に載せられて搬送されてくる。搬送ローラ36による使用済みマスク18の搬送経路Dは-X方向に平行である。使用済みマスク18の搬送経路Dは、基板10の成膜面に交差する方向であるZ方向において、基板10、キャリア11及びマスク12の搬送経路A、B、Cより低い位置において搬送を行う経路であり、搬送経路A、B、Cと交差している。搬送経路A、B、Cと搬送経路DのZ方向の位置が異なるため、搬送ローラ36による使用済みマスク18の搬送は、キャリア搬送ローラ20及びマスク搬送ローラ21による基板10、キャリア11及びマスク12の搬送とは独立に制御可能である。ただし本実施形態では、アライメント装置80による基板10とマスク12のアライメントの実行中は、搬送ローラ36による使用済みマスク18の搬送を停止する。これにより、使用済みマスク18の搬送動作に伴って発生する振動がアライメントに影響することを抑制できる。
矩形の基板10の成膜面は、撓みがない理想的な状態で水平面に平行であるとし、基板10の対向する二組の辺のうち、キャリア搬送ローラ20及びマスク搬送ローラ21による搬送方向と直行する方向をX方向、平行な方向をY方向とする。また、X軸まわりの回転をθX、Y軸まわりの回転をθY、Z軸まわりの回転をθZで表す。
アライメント装置80は、真空チャンバ22を有する。真空チャンバ22の内部は、真空雰囲気又は窒素ガス等の不活性ガス雰囲気に維持されている。なお、本明細書における「真空」とは、大気圧より低い圧力の気体で満たされた空間内の状態をいい、典型的には、1atm(1013hPa)より低い圧力の気体で満たされた空間内の状態をいう。真空チャンバ22の内部には、マスク支持ユニット16及びキャリア支持ユニット17が設けられる。
キャリア支持ユニット17は、キャリア搬送ローラ20によって搬送されてきたキャリア11を支持する。マスク支持ユニット16はマスク搬送ローラ21によって搬送されてきたマスク12を支持する。基板10とマスク12のアライメント完了後、マスク12の上にキャリア11が載置され、基板10とマスク12とが密着する。基板10を保持したキャリア11とマスク12とは、一体となった状態でマスク搬送ローラ21によってアライメント室104から搬出される。なお、キャリア11を用いない構成の場合は、キャリ
ア支持ユニット17の代わりに基板10を直接支持する基板支持ユニットを設ける。
真空チャンバ22の上部隔壁の外部側には、昇降ベース23、昇降スライダ24、クランプスライダ25、及びアライメントステージ26が設けられている。アライメントステージ26は昇降ベース23に接続される。昇降スライダ24はキャリア支持ユニット17をZ方向に移動させ、アライメントステージ26はキャリア支持ユニット17をX方向、Y方向及びθZ方向に移動させる。昇降スライダ24やアライメントステージ26の駆動機構は、例えば、モータとボールねじ、モータとリニアガイド等でのアクチュエータで構成される。
昇降スライダ24により、基板10とマスク12は、基板10の成膜面に沿った平面に交差する方向において相対的に移動される。本実施形態では、昇降スライダ24による基板10とマスク12との相対移動の方向はZ方向、すなわち鉛直方向であり、基板10の成膜面に沿った平面に垂直な方向である。
アライメントステージ26は、基板10の成膜面に沿う方向においてキャリア11に保持された基板10とマスク12の相対的な位置関係を調整するアライメント手段である。本実施形態では、アライメントステージ26は、基板10をX方向、Y方向及びθZ方向に移動させることで、基板10とマスク12との相対的な位置関係を調整する。アライメントステージ26は、真空チャンバ22の上部隔壁の外部側に固定されるチャンバ固定部37、キャリア支持ユニット17に対しX方向、Y方向及びθZ方向の駆動力を発生するアクチュエータ部28、アライメントステージ26とキャリア支持ユニット17とを接続する接続部29を有する。
アクチュエータ部28は、X方向の駆動力を生じるアクチュエータ、Y方向の駆動力を生じるアクチュエータ、及びθZ方向の駆動力を生じるアクチュエータから構成される。なお、複数のアクチュエータが協働することによってX方向、Y方向及びθZ方向の駆動力を生じるUVW方式のアクチュエータを用いてもよい。アクチュエータ部28は、制御部30から送信される制御信号に従って作動することにより、キャリア支持ユニット17をX方向、Y方向及びθZ方向に移動又は回転させる。これにより、基板10を保持したキャリア11がX方向、Y方向及びθZ方向に移動又は回転する。制御部30は、X方向、Y方向及びθZ方向のそれぞれの動作量を示す制御信号をアクチュエータ部28に送信する。アクチュエータ部28がUVW方式の場合、制御部30はUVWぞれぞれのアクチュエータの動作量を示す制御信号をアクチュエータ部28に送信する。
なお、本実施形態ではアライメントステージ26がキャリア11の位置を調整する構成を例示したが、基板10とマスク12の相対的な位置調整ができればこれに限られない。例えば、マスク12の位置を調整する構成や、キャリア11とマスク12両方の位置を調整する構成でもよい。
真空チャンバ22の上部隔壁の外部側には、光学的な撮像手段である複数のアライメントカメラ31が設けられている。また、真空チャンバ22の上部隔壁には、アライメントカメラ31の光軸33上に撮像用の貫通孔が設けられている。貫通孔は窓ガラス32によって密封されており、真空チャンバ22の外部から内部の撮像と真空チャンバ22の内部の気圧の維持とが両立可能である。
真空チャンバ22の上部隔壁の外部側には、アライメントカメラ31のX方向、Y方向及びZ方向の位置及び光軸33のX軸まわり及びY軸まわりの傾きを調整する調整手段であるカメラ調整機構35が、複数のアライメントカメラ31の各々について設けられている。
図3はカメラ調整機構35の構成を模式的に示す図である。カメラ調整機構35は、アライメントカメラ31をZ方向に移動させる駆動力を生じるアクチュエータ48と、アクチュエータ48が設けられたスライダ40と、スライダ40を真空チャンバ22の上部隔壁に対しX方向に移動させる駆動力を生じるアクチュエータ46、Y方向に移動させる駆動力を生じるアクチュエータ47、θX方向に回転させる駆動力を生じるアクチュエータ43、及びθY方向に回転させる駆動力を生じるアクチュエータ45を有する。カメラ調整機構35は、アライメントカメラ31をX方向、Y方向、Z方向、θX方向、及びθY方向に移動させることで、アライメントカメラ31の光軸33の傾きを調整する。なお、アクチュエータの構成はアクチュエータ部28と同様、これに限られない。カメラ調整機構35を構成するX方向、Y方向、Z方向、θX方向及びθY方向のアクチュエータ46、47、48、43、45の動作は、制御部30からの制御信号により制御される。
図4(A)は、キャリア11に支持された基板10を上から見た図である。キャリア11の外縁は破線で示している。基板10には基板マーク13a、13b、13c、13dが基板10の四隅に設けられている。基板マーク13a~13dのそれぞれを、対応する4つのアライメントカメラ31a~31dそれぞれによって同時に撮像し、撮像された画像に基づき基板マーク13a~13dのそれぞれの中心点の位置を取得する。4点の位置関係から基板10の位置情報を取得することができる。
図4(B)は、マスク12を上から見た図である。マスク12は、枠状のマスクフレーム12aに数μm~数十μm程度の厚さのマスク箔12bが溶接固定された構造を有する。マスクフレーム12aは、マスク箔12bをその面方向(X方向及びY方向)に引っ張った状態で、マスク箔12bが撓まないように支持する。マスク箔12bは、基板10に成膜するパターンに応じた開口が形成する境界部を有し、基板10にマスク12を載置した状態で境界部が基板10に密着し、蒸発やスパッタリングにより基板10に向かって飛来した成膜材料を遮蔽する。基板10としてガラス基板又はガラス基板上にポリイミド等の樹脂製のフィルムが形成された基板を用いる場合、マスクフレーム12a及びマスク箔12bの主要な材料としては、鉄又は鉄合金、例えば、ニッケルを含む鉄合金を用いることができる。
マスクフレーム12aにはマスクマーク14a、14b、14c、14dがマスクフレーム12aの四隅に設けられている。マスクマーク14a~14dのそれぞれを、対応する4つのアライメントカメラ31a~31dそれぞれによって撮像し、撮像された画像に基づきマスクマーク14a~14dのそれぞれの中心点の位置を取得する。4点の位置関係からマスク12の位置情報を取得することができる。する。なお、基板マーク13、マスクマーク14、アライメントカメラ31の位置や数は、この例に限定されない。
図4(C)は、アライメントカメラ31の視野44及び視野44内に捉えられた1組の基板マーク13及びマスクマーク14を模式的に示した図である。アライメントカメラ31の視野44内に基板マーク13とマスクマーク14の両方が同時に入っていれば、当該視野44を撮像した画像に基づき基板マーク13とマスクマーク14の中心点の位置関係を取得することができる。基板マーク13とマスクマーク14の中心点の座標は、アライメントカメラ31の撮像によって得られた画像に基づいて、制御部30の実行する画像処理により求められる。なお、画像処理は制御部30とは別途に設けられる画像処理装置で行ってもよい。また、基板マーク13とマスクマーク14の形状は図4に例示した四角形や丸形に限られないが、アライメントマークとしては中心位置を算出しやすく対称性を有する×印や十字形等のような形状を用いることが好ましい。
複数のアライメントカメラ31は、真空チャンバ22の内部で支持されている基板10
に設けられたアライメントマークである基板マーク13とマスク12に設けられたアライメントマークであるマスクマーク14とを撮像可能な位置に設置される。基板10とマスク12とのアライメントを行う際には、アライメントカメラ31の撮像視野内に基板マーク13及びマスクマーク14が含まれる。制御部30は、アライメントカメラ31によって撮像された基板マーク13及びマスクマーク14の画像に基づき、基板10及びマスク12の位置を取得し、基板10の成膜面に沿う方向における基板10とマスク12との相対的な位置関係を測定する測定手段である。
制御部30は、アライメントカメラ31によって撮像された画像を解析して基板マーク13及びマスクマーク14を検出し、基板マーク13及びマスクマーク14の位置を取得する。制御部30は、基板マーク13及びマスクマーク14の位置情報に基づき、基板10の成膜面に平行なXY面に沿う方向における基板マーク13とマスクマーク14の相対的な位置関係を取得する。相対的な位置関係の情報は、例えば、基板マーク13とマスクマーク14の間の距離及び角度である。制御部30は、基板マーク13とマスクマーク14の相対的な位置関係に基づき、基板マーク13とマスクマーク14を接近させるためのキャリア11のX方向、Y方向及びθZ方向の移動量を算出する。算出したX方向、Y方向及びθZ方向の移動量をアライメントステージ26のアクチュエータ部28の各アクチュエータが備えるステッピングモータやサーボモータ等の駆動量に変換し、制御信号を出力する。これによりキャリア11がXY面内で移動する。このとき、基板10とマスク12のZ方向の距離は変化せず、XY面内においてキャリア11の位置が変化する。XY面は、撓みのない理想的な状態における基板10の成膜面と平行な面であり、本実施形態では水平面と平行である。アライメント装置80は、基板10とマスク12が離隔している離隔状態において、基板10の成膜面に沿う方向における基板10とマスク12との相対的な位置関係の測定結果に基づき、キャリア11に保持された基板10とマスク12との基板10の成膜面に平行なXY面内での相対的な位置を調整するアライメントを行う。アライメント完了後、昇降スライダ24によってキャリア11をマスク12上に載置することにより、基板10がマスク12に載置された載置状態に切り替える。昇降スライダ24は離隔状態と載置状態とを切り替えるように基板10を成膜面に交差する方向に移動させる移動手段である。本実施形態では、基板10の移動方向はZ方向に略平行である。
なお、本実施形態では1種類のアライメントカメラ31を用いてアライメントを行う例を説明するが、2種類以上の異なる倍率及び視野を有するカメラを用いてアライメントを行うこともできる。例えば、比較的広い視野を有するが低倍率のカメラと、比較的狭い視野を有するが高倍率のカメラとを用いたアライメント方法がある。まず、低倍率カメラを用いて基板マーク13とマスクマーク14がともに高倍率カメラの視野内に入るよう大まかに位置調整するラフアライメントを行い、次に、高倍率カメラを用いて基板マーク13とマスクマーク14の位置を高精度に合わせるファインアライメントを行うこともできる。
本実施形態のアライメント装置80は、キャリア11のZ方向の位置を、撓みを考慮して基板10とマスク12とが接触しない所定の位置に保持した離隔状態で、アライメントステージ26を駆動して基板10とマスク12とのアライメントを行う。アライメントを行うときのキャリア11のZ方向の位置をアライメント位置と称する。また、基板10とマスク12のアライメント完了後、キャリア11を下降させてマスク12に載置し、基板10とマスク12を密着させた載置状態に切り替える。このときのキャリア11のZ方向の位置をマスク載置位置と称する。アライメントカメラ31は、キャリア11がアライメント位置にあるときとマスク載置位置にあるときの少なくとも2つの位置にあるときの基板マーク13及びマスクマーク14の撮像を行う。制御部30は、離隔状態であるアライメント位置においてアライメントカメラ31によって基板マーク13とマスクマーク14を撮像し、撮像画像に基づいてアライメントを行う。アライメント完了後、載置状態であ
るマスク載置位置においてアライメントカメラ31によって基板マーク13とマスクマーク14を撮像し、撮像画像に基づいて、キャリア11をマスク12に載置する過程で基板10とマスク12の接触等に起因して位置ずれが生じていないか確認する。位置ずれが生じている場合は、再度、アライメント位置においてアライメントを行う。
図5は、アライメント装置80における基板10を保持したキャリア11及びマスク12の支持構造を拡大して示した断面図である。キャリア11を支持するキャリア支持ユニット17は、Z方向に延びる支柱部38の下端からX方向に突出するキャリア受け爪41と、キャリア受け爪41の上面に配置されたキャリア受け面42と、キャリアクランプ27を有する。キャリア受け面42にキャリア11の搬送方向すなわちY方向に平行な辺に沿った周縁部が載置された状態でクランプスライダ25によってキャリアクランプ27を下降させ、キャリア11の周縁部の上方からキャリアクランプ27を押しつけることで、キャリア11がキャリア支持ユニット17に固定される。この状態でアライメントステージ26を駆動することで、基板10をマスク12に対して相対移動させることができる。
マスク12は、マスク搬送ローラ21に載せられた状態で真空チャンバ22に搬入されると、マスク支持ユニット16が上昇してマスク12を支持する。これによりマスク搬送ローラ21からマスク支持ユニット16へマスク12が受け渡される。マスク支持ユニット16はマスク12をZ方向に移動させる昇降機構を有する。基板10をマスク12に対して成膜面に沿う方向で相対移動させるアライメントは、マスク12がマスク支持ユニット16に受け渡され支持された状態で行われる。なお、マスク支持ユニット16を用いずにマスク搬送ローラ21にマスク12が載せられた状態でアライメントを行ってもよいが、本実施形態のようにマスク支持ユニット16によってマスク12が支持された状態でアライメントを行うことで、マスク搬送ローラ21からの振動の影響でアライメントの精度が低下することを抑制できる。
図6を参照して、アライメントカメラ31の光軸33の傾きがアライメントに与える影響について説明する。図6は、アライメント位置にある基板10、マスク支持ユニット16に支持されたマスク12、及びアライメントカメラ31の光軸33の位置関係を模式的に示す図である。基板10の成膜面はXY平面に平行であり、昇降スライダ24による基板10の移動方向はZ方向に平行、すなわち鉛直方向であるとする。アライメント位置にある基板10とマスク12とはZ方向で距離Hだけ離れているとする。アライメント完了後、昇降スライダ24によって基板10を距離Hだけ下降させ、マスク載置位置に移動させることで、基板10とマスク12が密着する。
アライメントカメラ31の光軸33と、基板10及びマスク12の少なくとも一方を離隔状態と載置状態とを切り替えるように移動させる際の移動方向とが、相対的に傾いている場合がある。これを光軸ずれと称する。図6では、アライメントカメラ31の光軸33が、昇降スライダ24による基板10の移動方向、すなわち基板10の昇降方向(ここではZ方向)に対して相対的に傾いている。この場合、アライメント位置において撮像された画像、すなわちアライメントカメラ31の視野内で、基板10上の座標(0、0、H)にある基板マーク13とマスク12上の座標(dx、dy、0)にあるマスクマーク14とが一致して見える。光軸33のXZ平面への射影33xと基板10の昇降方向との相対的な傾きφx、光軸33のYZ平面への射影33yと基板10の昇降方向との相対的な傾きφyとすると、dx=tan(φx)、dy=tan(φy)の関係がある。アライメント位置においてアライメントカメラ31によって撮像された画像に基づいて基板マーク13とマスクマーク14の位置を合わせても、基板10をマスク載置位置まで下降させると、基板マーク13とマスクマーク14の位置がX方向にdx、Y方向にdyずれていることになる。そのため、光軸ずれがある場合、アライメントカメラ31による撮像画像に基づくアライメントを精度良く行うことができない。
そこで本実施形態のアライメント装置80では、アライメントカメラ31の光軸33の傾きをカメラ調整機構35によって調整することで、光軸ずれを小さくするようにした。具体的には、制御部30は、アライメントカメラ31の光軸ずれに関する情報を取得し、光軸ずれの情報に基づいて、光軸ずれが小さくなるように、カメラ調整機構35のX方向アクチュエータ46、Y方向アクチュエータ47、Z方向アクチュエータ48、θX方向アクチュエータ43、及びθY方向アクチュエータ45を制御する。
図7を参照して、光軸ずれを測定する方法について説明する。図7(A)は基板10のZ方向の位置が第1の位置にある状態を示し、図7(B)は基板10のZ方向の位置が第2の位置にある状態を示す。図7(C)は基板10が第1の位置にあるときのアライメントカメラ31の視野44を示し、図7(D)は基板10が第2の位置にあるときのアライメントカメラ31の視野44を示す。視野44内の座標系をxyzで表す。第1の位置と第2の位置はZ方向で距離Dだけ離れている。ここでは、光軸ずれは、アライメントカメラ31の光軸33は昇降スライダ24による基板10の昇降方向39に対してY軸まわりに角度φだけ傾いているものとする。
まず、基板10が第1の位置にある状態でアライメントカメラ31により基板マーク13を撮像する。次に、昇降スライダ24により基板10をZ方向に距離Hだけ上昇させ第2の位置に移動させる。そして、基板10が第2の位置にある状態でアライメントカメラ31により基板マーク13を撮像する。
第1の位置で撮像された画像における基板マーク13の画像13a及び第2の位置で撮像された画像における基板マーク13の画像13bは、光軸33を法線とする平面に基板マーク13を正射影した位置にある。図7(D)に示すように、アライメントカメラ31の視野44内、すなわち撮像画像において、第2の位置における基板マーク13の画像13bは、第1の位置における基板マーク13の画像13aから距離δだけ移動した位置にある。図7(B)に示すように、第1の位置から第2の位置に基板10を移動させたときの撮像画像内での基板マーク13の移動距離δ、第1の位置と第2の位置のZ方向の距離D、光軸ずれφは、φ=arcsin(δ/D)の関係にある。この関係に基づき、基板マーク13を異なる高さで撮像したときの撮像画像における基板マーク13の移動量から光軸ずれを求めることができる。以上のような光軸ずれを測定する処理を行う制御部30、アライメントカメラ31、基板10の昇降を行う昇降スライダ24等は光軸ずれ測定手段を構成する。制御部30は、光軸ずれ測定手段による光軸ずれの測定結果に基づき、光軸ずれに関する情報を取得することができる。光軸ずれに関する情報は、光軸ずれの値や、光軸ずれを小さくするためのカメラ調整機構35の動作量の情報である。制御部30は、光軸ずれに関する情報に基づき、カメラ調整機構35を制御してアライメントカメラ31のX方向、Y方向及びZ方向の位置調整やθX方向及びθY方向の角度調整をすることにより、光軸ずれを小さくすることができる。
ここで、アライメント装置80を構成する部材に基板10、キャリア11、マスク12等の重量がかかると、部材の歪み等のためにアライメント装置80の動作が影響を受ける場合がある。上記のように、本実施形態の製造装置1は、開口パターンの異なる複数種類のマスク12を切り替えながら用いて成膜を行うことが可能であるが、マスク12の種類が変わるとアライメント装置80の動作への影響も変化する。例えば、昇降スライダ24やマスク支持ユニット16の動作に影響する場合、マスク12の種類が変わると基板10、キャリア11、マスク12等の昇降方向や、キャリア支持ユニット17やマスク支持ユニット16によって支持された基板10、キャリア11、マスク12等の撓みや傾きが変化する。そのため、マスク12の種類が変わると光軸ずれも変化する。
図8は、マスク12の種類が変わった場合の光軸ずれの変化を模式的に示す図である。図8(A)では基板10の昇降方向39aはアライメントカメラ31の光軸33に対して相対的に角度φa傾いている。マスク12の種類を変更したところ、図8(B)のように、基板10の昇降方向39bはアライメントカメラ31の光軸33に対して相対的に角度φb傾いたとする。この場合、基板10を昇降方向に沿って第1の位置から第2の位置まで距離Dだけ昇降させた場合にアライメントカメラ31の視野44内で基板マーク13が移動する距離は、δaからδbに変化する。撮像画像内での基板マーク13の移動距離δa、δb、基板10の昇降距離D、光軸ずれφa、φbは、φa=arcsin(δa/D)、φb=arcsin(δb/D)の関係にある。なお、マスク12の種類を変更した場合、アライメント装置80の構成によって、基板10の昇降方向ではなく、マスク12の昇降方向、基板10の傾き、マスク12の傾きや、それらの組み合わせが変化する場合もある。
従来、アライメントカメラ31の位置及び角度を調整して光軸ずれを小さくする作業は、製造装置1の初期設定として手動で行われていた。そのため、製造装置1の稼働後にマスク12の種類の変化に起因する光軸ずれの変化に対応することは難しかった。
そこで本実施形態のアライメント装置80では、成膜に用いるマスク12の種類に変更があった場合、制御部30は、使用するマスク12の種類に対応する光軸ずれの情報を取得し、それに基づきカメラ調整機構35のアクチュエータを制御するようにした。これにより、マスク12の種類に変更があった場合でも、光軸ずれが小さくなるようにアライメントカメラ31のX方向、Y方向及びZ方向の位置並びにX軸及びY軸まわりの角度を調整することができる。
マスク12の種類に対応する光軸ずれの情報は、マスク12の種類が変更されるたびに、基板10を第1の位置から第2の位置に移動させたときの撮像画像内での基板マーク13の移動距離を測定することで取得することができる。また、複数種類のマスク12の各々について、マスクの種類と、予め測定されたその種類のマスクを使用した場合の光軸ずれに関する情報と、関連付けて記憶手段である記憶部34に記憶させておいてもよい。制御部30は、アライメント装置80において使用されているマスク12の種類の情報を取得し、マスクの種類に対応する光軸ずれの情報を記憶部34から取得することができる。
アライメント室104に搬入されたマスク12の種類の情報を取得する方法としては、例えば、マスク仕込室112から製造装置1に新たなマスク12が投入されるときに当該マスク12の識別情報が制御部30に送信されるようにしてもよいし、マスク12に識別情報を付しアライメント室104に設置された読取装置で識別情報を読み取って制御部30に送信されるようにしてもよいし、その他任意の方法を用いることができる。
光軸ずれに関する情報としては、例えば、光軸33と基板10の昇降方向とを平行にするためのカメラ調整機構35のX方向アクチュエータ、Y方向アクチュエータ、Z方向アクチュエータ、θX方向アクチュエータ、θY方向アクチュエータの動作量の情報を例示できる。これにより、マスク12の種類が変更された場合でも、アライメントカメラ31の位置及び角度調整を自動で行うことができる。製造装置1の稼働後であっても、複数種類のマスク12を切り替えながら、効率よく成膜を行うことが可能になる。光軸ずれに関する情報としては、光軸ずれの値でもよい。この場合、光軸ずれの値に基づいてカメラ調整機構35の各アクチュエータの動作量を制御部30が演算して各アクチュエータを制御することで、アライメントカメラ31の位置及び角度調整を自動で行うことができる。
なお、基板10とマスク12がZ方向に距離Hだけ離れて位置している離隔状態にあることを基板10とマスク12がアライメント位置にある状態、キャリア11がマスク12
に載置され基板10とマスク12とが密着している載置状態を基板10とマスク12がマスク載置位置にある状態、と定義してもよい。この場合、基板10とマスク12を離隔状態と載置状態とを切り替えるように移動させる移動手段としては、基板10とマスク12の少なくとも一方を移動させる手段であればよい。例えば、マスク12を固定して基板10を昇降させる手段、基板10を固定してマスク12を昇降させる手段、及び基板10とマスク12の両者を昇降させる手段のいずれも可能である。
マスク12を昇降させる場合、マスク12の昇降方向とアライメントカメラ31の光軸33との相対的な傾きがアライメント精度に影響する。したがって、マスク12の種類に応じたマスク12の昇降方向とアライメントカメラ31の光軸33との相対的な傾きの情報を取得し、それに基づいてカメラ調整機構35を駆動してアライメントカメラ31のX方向、Y方向、Z方向、θX方向及びθY方向の位置及び角度調整をするとよい。
また、基板10とマスク12の両者を昇降させる場合、基板10の昇降方向とアライメントカメラ31の光軸33との相対的な傾きとマスク12の昇降方向とアライメントカメラ31の光軸33との相対的な傾きがアライメント精度に影響する。したがって、マスク12の種類に応じた基板10の昇降とアライメントカメラ31の光軸33との相対的な傾きの情報、及び、マスク12の昇降方向とアライメントカメラ31の光軸33との相対的な傾きの情報を取得し、それに基づいてカメラ調整機構35を駆動してアライメントカメラ31のX方向、Y方向、Z方向、θX方向及びθY方向の位置及び角度調整をするとよい。
本実施形態では、光軸ずれを小さくするために、カメラ調整機構35によってアライメントカメラ31の位置及び角度を調整する例を説明したが、基板10とマスク12の少なくとも一方を離隔状態と載置状態とを切り替えるように移動させる場合の移動方向を調整してもよい。例えば、基板10の昇降方向やマスク12の昇降方向を調整してもよい。また、アライメントカメラ31の位置及び角度の調整と、基板10の昇降方向の調整とを組み合わせて行っても良い。例えば、基板10の昇降方向を調整する場合、図3に示したカメラ調整機構35と同様に、基板10を昇降させる昇降スライダ24の真空チャンバ22に対する位置及び角度を調整するアクチュエータを備え、アクチュエータをマスク12の種類に応じて制御部30によって制御する。これにより、光軸33と基板10の昇降方向とが平行になり、光軸ずれがなくなるように自動調整することが可能になる。
制御部30は、アライメントステージ26のアクチュエータ部28、昇降スライダ24のアクチュエータ、アライメントカメラ31の動作を制御するとともに、アライメントカメラ31による撮像画像の画像処理を行うことにより、基板10とマスク12のアライメントを行う。また、制御部30は、搬送ローラ20、21、36等の動作を制御することによりアライメント室104における基板10、キャリア11、マスク12、使用済みマスク19の搬送を制御する。また、制御部30は、昇降スライダ24、マスク支持ユニット16、キャリア支持ユニット17の動作を制御することによりキャリア11やマスク12の昇降動作を制御する。また、制御部30は、マスク12の種類に応じてカメラ調整機構35のアクチュエータ43、45、46、47、48の動作を制御することによりアライメントカメラ31の光軸33の傾きを調整する制御を行う。制御部30は、その他、アライメント装置80の動作に関わる種々の制御を行う。
制御部30は、例えば、プロセッサ、メモリ、ストレージ、I/O等を有するコンピュータにより構成される。制御部30の機能は、記憶部34のメモリ又はストレージに記憶されたプログラムをプロセッサが実行することにより実現される。コンピュータとしては、汎用のパーソナルコンピュータを用いてもよいし、組込型のコンピュータ又はPLC(Programmable Logic Controller)を用いてもよい。また
、制御部30の機能の一部又は全部をASICやFPGAのような回路で構成してもよい。なお、アライメント装置80ごとに制御部30が設けられていてもよいし、1つの制御部30が複数のアライメント装置80を制御してもよい。
記憶部34は、制御部30が用いる実行プログラムやデータを記憶する記憶手段である。フラッシュメモリ、不揮発性メモリやSSD、HDD等の任意の記憶手段を利用できる。
図9を参照して本実施形態のアライメント処理の流れについて説明する。図9は、アライメント室104におけるアライメント処理の流れを示すフローチャートである。図9のフローチャートに示す処理は、制御部30がアライメント装置80の各部の動作を制御することにより実行される。
ステップS10において、制御部30は、マスク合流室103からキャリア搬送ローラ20に載せられて搬送されてきた基板10を保持したキャリア11と、マスク搬送ローラ21に載せられて搬送されてきたマスク12を、アライメント室104に搬入するようアライメント室104の各部の動作を制御する。
ステップS11において、制御部30は、ステップS10で搬入されたマスク12の種類の情報を取得する。
ステップS12において、制御部30は、ステップS11で取得したマスク12の種類が、前回のアライメント処理実行時に使用したマスク12の種類から変わっているか判定する。種類が変わっている場合、ステップS13に進み、種類が変わっていない場合、ステップS14に進む。
ステップS13において、制御部30は、ステップS11で取得したマスク12の種類に応じて選択された、マスクの種類に対応する光軸ずれに関する情報を記憶部34から取得し、その情報に基づきカメラ調整機構35のX方向、Y方向、Z方向、θX方向及びθY方向のアクチュエータを作動させる。これにより光軸ずれがなくなるようにアライメントカメラ31の位置及び角度が調整される。光軸ずれはマスク12の物理的な特性とアライメント装置80の物理的な特性によって定まる装置固有の値であり、マスク12の種類が変わらなければその値は変わらない。したがって、前回のアライメント処理で用いたマスク12の種類から変更がない場合、ステップS13の光軸ずれの調整の処理は行わず、ステップS14に進む。
ステップS14において、制御部30は、キャリア支持ユニット17をZ方向に上昇させることで、キャリア11をキャリア搬送ローラ20からキャリア支持ユニット17に受け渡す。
ステップS15において、制御部30は、マスク支持ユニット16をZ方向に上昇させることで、マスク12をマスク搬送ローラ21からマスク支持ユニット16に受け渡す。
ステップS16において、制御部30は、キャリア搬送ローラ20を退避させるとともにキャリア支持ユニット17をZ方向に下降させることで、キャリア11をアライメント位置まで移動させ、離隔状態とする。
ステップS17において、制御部30は、基板10に設けられた基板マーク13とマスク12に設けられたマスクマーク14をアライメントカメラ31で撮像し、撮像画像に基づいて基板10とマスク12の相対的な位置ずれ量を取得する。
ステップS18において、制御部30は、ステップS17で取得した位置ずれ量が閾値以下であるか判定する。閾値は、適切に成膜処理を行うことが可能な基板5とマスク6の位置ずれ量の上限値に基づき予め設定された値である。閾値は、例えば数μmのオーダーの値であるが、要請される素子特性や成膜精度に応じて適宜、設定される。位置ずれ量が
閾値以下である場合、基板10とマスク12の相対的な位置関係が所定の目標を満たしたと判定してステップS20に進み、位置ずれ量が閾値より大きい場合、ステップS19に進む。
ステップS19において、制御部30は、ステップS17で取得した位置ずれ量に基づき、基板マーク13とマスクマーク14が近づくようにアライメントステージ26をX方向、Y方向及びθZ方向に移動させ、再度ステップS17を実行する。
ステップS20において、制御部30は、キャリア支持ユニット17をZ方向に下降させることで、キャリア11をマスク載置位置まで移動させる。これによりキャリア11がマスク12に載置され、基板10とマスク12が密着する載置状態となる。
ステップS21において、制御部30は、基板10に設けられた基板マーク13とマスク12に設けられたマスクマーク14をアライメントカメラ31で撮像し、撮像画像に基づいて基板10とマスク12の相対的な位置ずれ量を取得する。
ステップS22において、制御部30は、ステップS21で取得した位置ずれ量が閾値以下であるか判定する。閾値は、適切に成膜処理を行うことが可能な基板5とマスク6の位置ずれ量の上限値に基づき予め設定された値である。閾値は、ステップS18で用いた閾値と共通でもよいし、別途設定してもよい。位置ずれ量が閾値以下である場合、ステップS23に進み、位置ずれ量が閾値より大きい場合、ステップS16に進む。ステップS16に進んだ場合、制御部30は、キャリア支持ユニット17をZ方向に上昇させることで、キャリア11をアライメント位置まで移動させ、離隔状態とする。
ステップS23において、制御部30は、マスク支持ユニット16をZ方向に下降させることで、キャリア11が載置された状態のマスク12をマスク搬送ローラ21へ受け渡し、成膜室105へ搬出する。
<実施形態2>
上記の実施形態の成膜装置を用いて、基板上に有機膜を形成し電子デバイスを製造する方法について説明する。ここでは、電子デバイスとして有機ELディスプレイに用いられる有機EL素子を製造する方法を例に説明する。なお、電子デバイスはこれに限定はされない。例えば、薄膜太陽電池や有機CMOSイメージセンサの製造にも本発明は適用できる。本実施形態の電子デバイスの製造方法においては、上記の実施形態の成膜装置を用いて、基板5に有機膜を成膜する工程を有する。また、基板5に有機膜を成膜した後に、金属膜又は金属酸化物膜を成膜する工程を有する。このような工程により製造される有機EL素子を用いた有機EL表示装置600の構造について、以下に説明する。
図10(A)は有機EL表示装置600の全体図、図10(B)は有機EL表示装置600一つの画素の断面構造を表している。図10(A)に示すように、有機EL表示装置600の表示領域61には、発光素子を複数備える画素62がマトリクス状に複数配置されている。発光素子のそれぞれは、一対の電極に挟まれた有機層を備えた構造を有している。なお、ここでいう画素とは、表示領域61において所望の色の表示が可能な最小単位を指している。有機EL表示装置600は、互いに異なる色で発光する第1発光素子62R、第2発光素子62G、及び第3発光素子62Bの組合せにより画素62が構成されている。第1発光素子62R、第2発光素子62G、及び第3発光素子62Bはそれぞれ、赤色発光素子、緑色発光素子、及び青色発光素子である。なお、画素当たりの発光素子の数や発光色の組み合わせはこの例に限られない。例えば、黄色発光素子、シアン発光素子、及び白色発光素子の組み合わせや、少なくとも1色以上であればよい。また、各発光素子は複数の発光層が積層されて構成されていてもよい。
画素62を同じ色で発光する複数の発光素子で構成し、それぞれの発光素子に対応するように異なる色変換素子が配置されたカラーフィルタを用いて、1つの画素62が所望の
色を表示可能としてもよい。例えば、画素62を3つの白色発光素子で構成し、それぞれの発光素子に対応するように、赤色、緑色、及び青色の色変換素子が配列されたカラーフィルタを用いてもよい。また、画素62を3つの青色発光素子で構成し、それぞれの発光素子に対応するように、赤色、緑色、及び無色の色変換素子が配列されたカラーフィルタを用いてもよい。なお、画素当たりの発光素子の数や発光色の組み合わせはこれら例に限られない。後者の場合には、カラーフィルタを構成する材料として量子ドット(QD:Quantum Dot)材料を用いた量子ドットカラーフィルタ(QD-CF)を用いることで、量子ドットカラーフィルタを用いない有機EL表示装置よりも表示色域を広くすることができる。
図10(B)は、図10(A)のA-B線における部分断面模式図である。画素62は、基板5に、第1電極(陽極)64、正孔輸送層65、発光層66R、66G、又は66B、電子輸送層67、及び第2電極(陰極)68が形成された有機EL素子を有する。正孔輸送層65、発光層66R、66G、66B、及び電子輸送層67が有機層である。発光層66Rは赤色を発する有機EL層、発光層66Gは緑色を発する有機EL層、発光層66Bは青色を発する有機EL層である。なお、カラーフィルタ又は量子ドットカラーフィルタを用いる場合には、各発光層の光出射側、すなわち、図10(B)の上部又は下部にカラーフィルタ又は量子ドットカラーフィルタが配置される。
発光層66R、66G、66Bは、それぞれ赤色、緑色、青色を発する発光素子である有機EL素子である。発光層66R、66G、66Bは発光素子62R、62G、62Bの配列のパターンにしたがって形成されている。第1電極64は、発光素子毎に形成されており、互いに分離している。正孔輸送層65、電子輸送層67、及び第2電極68は、複数の発光素子62R、62G、62Bで共有するように形成されていてもよいし、発光素子毎に分離して形成されていてもよい。第1電極64と第2電極68とが異物によってショートするのを防ぐために、第1電極64間に絶縁層69が設けられている。有機EL層は水分や酸素によって劣化するため、水分や酸素から有機EL素子を保護するための保護層Pが設けられている。
電子デバイスとしての有機EL表示装置の製造方法について説明する。
まず、有機EL表示装置を駆動するための回路(不図示)及び第1電極64が形成された基板5を準備する。
次に、第1電極64が形成された基板5の上にアクリル樹脂やポリイミド等の樹脂層をスピンコートで形成し、樹脂層をリソグラフィ法により、第1電極64が形成された部分に開口が形成されるようにパターニングし絶縁層69を形成する。この開口部が、発光素子が実際に発光する発光領域に相当する。
次に、絶縁層69がパターニングされた基板5を第1の成膜装置に搬入し、基板保持ユニットにて基板を保持し、正孔輸送層65を、表示領域の第1電極64の上に共通する層として成膜する。正孔輸送層65は真空蒸着により成膜される。実際には正孔輸送層65は表示領域61よりも大きなサイズに形成されるため、高精細なマスクは不要である。ここで、本ステップでの成膜や、以下の各層の成膜において用いられる成膜装置は、上記各実施形態のいずれかに記載された成膜装置である。
次に、正孔輸送層65までが形成された基板5を第2の成膜装置に搬入し、基板保持ユニットにて保持する。基板5とマスク6とのアライメントを行い、基板5をマスク6の上に載置し、基板5の赤色を発する素子を配置する部分に、赤色を発する発光層66Rを成膜する。実施形態2の成膜装置を用いることにより、マスク6と基板5のアライメントを
高精度で行うことができ、マスク6と基板5とを良好に密着させることができるため、高精度な成膜を行うことができる。
発光層66Rの成膜と同様に、第3の成膜装置により緑色を発する発光層66Gを成膜し、さらに第4の成膜装置により青色を発する発光層66Bを成膜する。発光層66R、66G、66Bの成膜が完了した後、第5の成膜装置により表示領域61の全体に電子輸送層67を成膜する。発光層66R、66G、66Bのそれぞれは単層であってもよいし、複数の異なる層が積層された層であってもよい。電子輸送層67は、3色の発光層66R、66G、66Bに共通の層として形成される。実施形態2では、電子輸送層67、発光層66R、66G、66Bは真空蒸着により成膜される。
続いて、電子輸送層67の上に第2電極68を成膜する。第2電極は真空蒸着によって形成してもよいし、スパッタリングによって形成してもよい。その後、第2電極68が形成された基板5を封止装置に移動してプラズマCVDによって保護層Pを成膜する封止工程が行われ、有機EL表示装置600が完成する。なお、ここでは保護層PをCVD法によって形成するものとしたが、これに限定はされず、ALD法やインクジェット法によって形成してもよい。
絶縁層69がパターニングされた基板5を成膜装置に搬入してから保護層Pの成膜が完了するまでの間に、基板5が水分や酸素を含む雰囲気に曝される、発光層が水分や酸素によって劣化する可能性がある。実施形態2において、成膜装置間の基板5の搬入搬出は、真空雰囲気又は不活性ガス雰囲気の下で行われる。
本実施形態に係るアライメント装置、成膜装置又は電子デバイスの製造方法によれば、アライメントの精度を向上させた良好な成膜が可能となる。
10:基板、12:マスク、16:マスク支持ユニット、24:昇降スライダ、26:アライメントステージ、28:アクチュエータ部、30:制御部、31:アライメントカメラ、35:カメラ調整機構

Claims (16)

  1. 基板の成膜面に交差する移動方向に沿って、基板とマスクの少なくとも一方を移動させる移動手段と、
    光学的な撮像手段を用いて前記基板の成膜面に沿う方向における前記基板と前記マスクの相対的な位置関係を測定する測定手段と、
    前記測定手段による測定結果に基づいて前記基板と前記マスクの相対的な位置関係を調整するアライメント手段と、
    前記撮像手段の光軸及び前記移動手段による前記移動方向の少なくともいずれかの傾きを調整する調整手段と、
    前記撮像手段の光軸と前記移動手段による前記移動方向との相対的な傾きに関する情報に基づいて前記調整手段を制御する制御手段と、
    を有することを特徴とするアライメント装置。
  2. 前記制御手段は、前記相対的な傾きが小さくなるように前記調整手段を制御する請求項1に記載のアライメント装置。
  3. 前記相対的な傾きに関する情報は、前記調整手段の動作量の情報を含む請求項1又は2に記載のアライメント装置。
  4. マスクの種類と、その種類のマスクを使用した場合の前記相対的な傾きに関する情報と、を関連付けて記憶する記憶手段を有し、
    前記制御手段は、前記アライメント装置において使用されているマスクの種類の情報に応じて選択された、前記マスクの種類に対応する前記相対的な傾きに関する情報に基づいて前記調整手段を制御する請求項1~3のいずれか1項に記載のアライメント装置。
  5. 前記相対的な傾きを測定する傾き測定手段を有し、
    前記制御手段は、前記傾き測定手段による測定結果から得られた前記相対的な傾きに関する情報に基づいて前記調整手段を制御する請求項1~3のいずれか1項に記載のアライメント装置。
  6. 前記調整手段は、前記撮像手段の位置及び角度を調整するアクチュエータを有する請求項1~5のいずれか1項に記載のアライメント装置。
  7. 前記調整手段は、前記移動手段の位置及び角度を調整するアクチュエータを有する請求項1~6のいずれか1項に記載のアライメント装置。
  8. 前記測定手段は、前記基板に設けられた基板マークと前記マスクに設けられたマスクマークを撮像した撮像画像に基づいて前記基板と前記マスクの相対的な位置関係を測定する請求項1~7のいずれか1項に記載のアライメント装置。
  9. 前記移動手段は、前記アライメント手段によって前記基板と前記マスクの相対的な位置関係が所定の目標を満たした後、前記基板を前記マスクに載置する請求項1~8のいずれか1項に記載のアライメント装置。
  10. 請求項1~9のいずれか1項に記載のアライメント装置を有するアライメント室と、
    前記マスクが載置された前記基板の成膜面に対し前記マスクを介して成膜を行う成膜手段を有する成膜室と、
    前記アライメント室において前記マスクが載置された前記基板を前記成膜室に搬送する搬送手段と、
    を備える成膜装置。
  11. 前記アライメント室は、
    前記基板を搬送する第1の搬送手段と、
    前記マスクを搬送する第2の搬送手段と、
    前記基板の成膜面に交差する方向において前記第1の搬送手段が前記基板を搬送する位置及び前記第2の搬送手段が前記マスクを搬送する位置とは異なる位置において前記基板及び前記マスクとは異なるワークの搬送を行う第3の搬送手段と、
    を有する請求項10に記載の成膜装置。
  12. 前記第3の搬送手段は、前記アライメント室において前記基板と前記マスクのアライメントが行われている場合、前記ワークの搬送を停止する請求項11に記載の成膜装置。
  13. 前記第1の搬送手段及び前記第2の搬送手段による前記基板及び前記マスクの搬送方向と、前記第3の搬送手段による前記ワークの搬送方向は、交差する請求項11又は12に記載の成膜装置。
  14. 光学的な撮像手段を用いて基板の成膜面に沿う方向における基板とマスクの相対的な位置関係を測定する測定工程と、
    前記測定工程による測定結果に基づいて前記基板と前記マスクの相対的な位置関係を調整するアライメント工程と、
    前記アライメント工程の後、前記基板と前記マスクとを近づけるように、前記基板と前記マスクの少なくとも一方を移動させる移動工程と、
    を有するアライメント方法であって、
    前記撮像手段の光軸と前記移動工程による移動方向との相対的な傾きに関する情報に基づいて、前記撮像手段の光軸及び前記移動工程における移動方向の少なくともいずれかの傾きを調整する制御を行う制御工程と、
    を有することを特徴とするアライメント方法。
  15. 請求項14に記載のアライメント方法によって相対的な位置関係を調整されたマスクが載置された基板に対し前記マスクを介して成膜を行う成膜方法。
  16. 請求項15に記載の成膜方法を用いて、基板上に有機膜を形成する工程を有することを特徴とする電子デバイスの製造方法。
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