JP2023033088A - 蓄電池制御方法及び蓄電池制御プログラム - Google Patents

蓄電池制御方法及び蓄電池制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】蓄電池の容量劣化を簡易に抑制できる蓄電池制御方法及び蓄電池制御プログラムを得る。【解決手段】蓄電池制御方法は、蓄電池の放電時間又は充放電回数の積算値が規定値に達した状態で、蓄電池の電極の容量の減少量又は稼働イオンの減少量から蓄電池の容量劣化の主因が電極の容量の減少及び稼働イオンの減少のいずれであるかを特定し、特定の結果に基づいて、主因による蓄電池の容量劣化を抑制する運転パターンで蓄電池を運転する。【選択図】図5

Description

本願の開示する技術は、蓄電池制御方法及び蓄電池制御プログラムに関する。
蓄電池の充放電を制御する各種の技術がある。たとえば特許文献1には、電力系統からの電力調整要求に基づき配下の複数の蓄電池に対して充放電制御を行う蓄電池制御システムが記載されている。具体的には、蓄電池の蓄電池情報に基づき該蓄電池の現在の蓄電容量を算出する蓄電容量算出手段と、蓄電池の運転を停止する際の目標蓄電容量を設定する目標蓄電容量設定手段と、予め設定された容量劣化速度相関情報に現在蓄電容量及び目標蓄電容量を適用して、各蓄電容量に対する現在容量劣化速度及び目標容量劣化速度を算出する容量劣化速度算出手段と、運転開始時からの経過時間をt、容量劣化速度が蓄電容量に応じて変動する場合の当該容量劣化速度の時間積分値を容量劣化量DSOC変動(t)、容量劣化速度が蓄電容量にかかわらず一定とした場合の当該容量劣化速度の時間積分値を容量劣化量DSOC一定(t)とした際に、容量劣化量DSOC変動(t)≦容量劣化量DSOC一定(t)の容量劣化量抑制条件を満たすように複数の蓄電池に電力を配分する電力配分手段と、を備えている。
特許文献2には、複数の蓄電池が並列に接続されて、蓄電池の電力を負荷に供給する電力変換システムが記載されている。この電力変換システムは、複数の蓄電池の各々の劣化情報を取得する劣化情報取得装置と、前記蓄電池の温度情報を検出する温度情報取得装置と、前記劣化情報取得装置による前記蓄電池の劣化情報と前記温度情報取得装置による前記蓄電池の温度情報に基づいて前記蓄電池用電力変換器を制御する制御装置とを備え、複数の前記蓄電池の劣化の状態を一致し得るようにしている。
特許文献3には、蓄電池の劣化状態を予測する蓄電池の劣化予測方法が記載されている。この劣化予測方法は、蓄電池の容量の時間経過に伴う劣化状況を、複数の温度域における蓄電池温度Tの在時間をパラメータとして表す演算式を求めておき、蓄電池の、時間経過に伴う予想温度変化から上記各温度域における蓄電池温度Tの在時間を把握し、その各温度域における蓄電池温度Tの在時間を演算式に当てはめることにより、蓄電池の劣化状況を予測する。
特許文献4には、蓄電池の充放電を制御する蓄電池制御装置及び充放電制御方法が記載されている。具体的には、蓄電池の温度を予測する温度予測モデルを学習する温度予測モデル学習手段と、蓄電池における充放電と蓄電池の劣化との関係を表す劣化予測モデルを学習する劣化予測モデル学習手段と、温度予測モデル及び劣化予測モデルを基に蓄電池における充放電計画の最適化に用いられる目的関数を生成する目的関数生成手段と、所定の制約条件の下で目的関数を最適化する蓄電池における充放電計画を作成する計画作成手段とを含んでいる。
特許文献5には、充放電配分制御装置、充放電配分制御システム、および充放電配分制御方法が記載されている。この技術では、電力系統に電力変換器を介して連系接続される蓄電池を含む複数の蓄電ユニットに、充放電要求量を受けて、充放電指令を送信する充放電配分制御装置は、劣化速度導出部と配分率決定部と充放電量算出部と充放電指令部とを備える。劣化速度導出部は、各蓄電池の内部温度と各蓄電池の劣化速度特性に基づいて各蓄電池の劣化速度を求める。配分率決定部は、劣化速度導出部の出力信号を受け、劣化速度がより小さい蓄電池に対してより大きい配分率を設定する。充放電量算出部は、配分率決定部の出力信号を受け、充放電要求量に対し各蓄電池の配分率を乗算して得た各値を各
蓄電池の最大充放電量と比較して、各蓄電池の充放電指令値を算出する。充放電指令部は、充放電量算出部の出力信号を受け、複数の蓄電ユニットの各々に充放電指令値による充放電指令を送信する。
国際公開2016/114147号 国際公開2016/132586号 特開2003-161768号公報 国際公開2018/147194号 特開2013-191500号公報
特許文献1~5に記載される従来技術は、いずれも、蓄電池の充放電を制御することで、蓄電池の容量劣化の均一化を図ったり、容量劣化を予測したりするものである。
しかしながら、特許文献1では、現在容量劣化速度及び目標容量劣化速度を算出すると共に容量劣化速度の時間積分値を計算する等、劣化速度の算出が煩雑で、制御も複雑である。
引用文献2に記載される技術においても、複数の蓄電池の劣化情報と、蓄電池の温度情報と、に基づいて蓄電池用電力変換器を制御しており、劣化情報の取得が煩雑であり、制御も複雑である。
引用文献3では、蓄電池の所定の温度域での在時間を計測する必要があり、さらに、パラメータとして表される演算式を求めておく必要もあるため、予測の制御が複雑である。
引用文献4では、蓄電池の温度を予測する温度予測モデルや、蓄電池における充放電と劣化との関係を表す劣化予測モデルから、充放電計画の最適化に用いられる目的関数を生成しており、制御が複雑である。
引用文献5では、各蓄電池の劣化速度を求め、劣化速度が小さい蓄電池に対して大きい配分率を設定し、さらに、各蓄電池の配分率を乗算して得た各値を各蓄電池の最大充放電量と比較して各蓄電池の充放電指令値を算出しており、制御が複雑である。
また、特許文献1、2、5では、複数の蓄電池を前提としており、個別の蓄電池への対応はできなかった。
本発明は上記事実を考慮し、蓄電池の容量劣化を簡易に抑制できる蓄電池制御方法及び蓄電池制御プログラムを得ることを目的とする。
本発明の他の目的は、単独の蓄電池に対しても、容量劣化を簡易に抑制できるようにすることである。
蓄電池の容量を低下させる原因としては、電極である正極及び負極の容量の減少と、稼働イオンの減少(不活化リチウムの増加)がある。そして、これらのうちのいずれかが主因となって、蓄電池の全体としての劣化が生じることが多い。
第一態様の蓄電池制御方法では、蓄電池の設置からの経過時間、運転時間又は充放電回数の積算値が規定値に達した状態で、前記蓄電池の電極の容量の減少量又は稼働イオンの減少量から前記蓄電池の容量劣化の主因が前記電極の容量の減少及び前記稼働イオンの減少のいずれであるかを特定し、前記特定の結果に基づいて、前記主因による前記蓄電池の容量劣化を抑制する運転パターンで前記蓄電池を運転する。このように、蓄電池の容量劣化の主因を特定して、主因による容量劣化を抑制する運転パターンとすることで、蓄電池の全体としての容量劣化を抑制できる。また、電極(正極及び負極)の容量の減少量と、稼働イオンの減少量の偏りも抑制できる。しかも、複雑な制御等は不要であり、蓄電池の容量劣化を簡易に抑制できる。
また、複数の蓄電池のデータ等を比較しないので、単独の蓄電池に対し、容量劣化を簡易に抑制できる。
第二態様では、前記特定を、前記蓄電池の充電中に行う。
したがって、蓄電池の放電には影響しない。
第三態様では、前記特定を、充電中の前記蓄電池の電圧、電流及び温度に基づいて行う。
充電中の蓄電池の電圧、電流及び温度に基づくので、簡易に、蓄電池の容量劣化の主因を特定できる。たとえば、電圧、電流及び温度の瞬時値を用いれば、これらの値の変化を把握する必要がない。
第四態様の蓄電池制御プログラムは、コンピュータに、蓄電池の設置からの経過時間、運転時間又は充放電回数の積算値が規定値に達した状態で、前記蓄電池の電極の容量の減少量又は稼働イオンの減少量から前記蓄電池の容量劣化の主因が前記電極の容量の減少及び前記稼働イオンの減少のいずれであるかを特定し、前記特定の結果に基づいて、前記主因による前記蓄電池の容量劣化を抑制する運転パターンで前記蓄電池を運転するための蓄電池制御プログラムである。
本願では、蓄電池の容量劣化を簡易に抑制できる。また、単独の蓄電池に対しても、容量劣化を簡易に抑制できる。
図1は第一実施形態の蓄電池を備えた蓄電池を示す構成図である。 図2は第一実施形態の蓄電池を放電状態で示す図である。 図3は第一実施形態の蓄電池を充電状態で示す図である。 図4は第一実施形態の蓄電池の制御部のハードウエア構成を示す構成図である。 図5は第一実施形態の蓄電池に対する蓄電池制御処理を示すフローチャートである。 図6は第一実施形態の蓄電池における充放電サイクル数とSOHの関係の一例を示すグラフである。
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
図1には、第一実施形態の蓄電池16を備えた蓄電システム12の構成が示されている。また、図2及び図3には、蓄電池16の構成が概念的に示されている。
蓄電システム12は、複数の蓄電池16を備えた蓄電池ユニット14を有している。この蓄電池ユニット14のそれぞれの蓄電池16に対し、制御部18が、運転状態(充電及び放電のサイクルを行う動作)、及び、運転以外も含めた各種の制御を行う。
図2及び図3に示すように、蓄電池16は、容器20、正極22、負極24、電解質26及びセパレータ28を有している。正極22、負極24、電解質26及びセパレータ28は、容器20内に収容されている。本実施形態では、電解質26は液状の電解液であるが、液体ではない電解質を用いた蓄電池(いわゆる全固体電池)であってもよい。
正極22は正極活物質(本実施形態では、一例としてリチウムイオンを含有する金属酸化物)を、負極24は負極活物質(本実施形態では一例としてカーボン)を含有している。
放電時には、図2に示すように蓄電池16に負荷30が接続された状態となる。この状態で、負極活物質から稼働イオン(本実施形態ではリチウムイオン)34が離脱し、酸化反応が生じる。稼働イオン34は、電解質26を正極22側に移動して正極活物質に吸蔵される。負極では電子36が放出されるので、この電子36が負荷30を経て正極22に移動する。この電子36は、正極22において正極活物質に吸蔵され、還元反応が生じる。
これに対し、充電時には、図2に示すように蓄電池16に外部電源32が接続された状態となる。負極24に外部電源32から電子36が流れると共に、負極24では稼働イオン34が吸蔵される。正極22では、電子36が離脱して外部電源32へ流れると共に、稼働イオン34が放出され、電解質26を経て負極24に流れる。
蓄電池16では、このような放電と充電とを1つのサイクルとして運転され、このサイクルを繰り返し行うことが可能である。
図4には、この蓄電池16の放電、充電及び各種の動作を制御する制御部18のハードウエア構成がブロック図として示されている。
制御部18は、コンピュータ40を有する。コンピュータ40は、プロセッサ42、メモリ44、ストレージ46、入力装置48、出力装置50、記憶媒体読取装置52及び通信I/F(Interface)54を有する。これらの各要素は、バス56を介して相互に通信可能に接続されている。
ストレージ46には、後述する蓄電池制御処理を実行するための蓄電池制御プログラム58が格納されている。プロセッサ42は、各種のプログラムを実行したり、各要素を制御したりすることが可能である。具体的には、プロセッサ42は、ストレージ46からプログラムを読み出し、メモリ44を作業領域としてプルグラムを実行する。すなわち、プロセッサ42は、ストレージ46に格納されているプログラムに従って、各要素の制御及び各種の演算処理を行う。
メモリ44には、作業領域として、一時的にプログラム及び各種のデータを記憶可能である。
ストレージ46は、たとえば、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)、及びSDD(Solid State Driv
e)等であり、各種プログラム及び各種データが格納される。このプログラムには、上記した蓄電池制御プログラム等のアプリケーションプログラムだけでなく、オペレーティングシステムも含まれる。
入力装置48は、コンピュータ40に対し各種の入力を行うための装置である。入力装置48としては、操作スイッチや操作ボタン等が含まれる他、パーソナルコンピュータ等に使用されるキーボードやマウス等のポインティングデバイス等を含んでいてもよい。
出力装置50は、コンピュータ40からの各種の情報を出力するための装置であり、たとえば、ディスプレイや表示ランプ、スピーカー等が含まれる。出力装置50としてタッチパネルディスプレイを用いることも可能であり、この場合には、タッチパネルディスプレイが入力装置48としても機能する。
記憶媒体読取装置52は、各種の記憶媒体に記憶されたデータの読み込み、及び、記憶媒体に対するデータの書き込みを行う装置である。記憶媒体としては、たとえば、CD(Compact Disc)-ROM、DVD(Digital Versatile Disc)-ROM、ブルーレイディスク、USB(Universal Serial Bus)メモリ等を挙げることができる。
通信I/F54は、他の機器と通信するためのインターフェースである。通信のためには、たとえば、イーサネット(登録商標)、FDDI(Fiber Distributed Dsta Interface)等の規格が用いられる。
制御部18は、さらに、電圧計62、電流計64及び温度センサ66を有する。
制御部18の電圧計62は、充電時の蓄電池16の電圧値を検出し、電流計64は、同じく充電時の蓄電池16の電流値を検出する。さらに、温度センサ66は、充電時の蓄電池16の温度を測定する。
さらに、制御部18のストレージ46には、蓄電池16の正極22、負極24の容量の減少量及び稼働イオンの減少量と、蓄電池16のSOC(State Of Health)、電圧、電流及び温度と、の対応関係が、たとえば特定の関数あるいはデータベースとして格納されている。この対応関係は、充電時の蓄電池16のSOC、電圧値、電流値及び温度と、蓄電池16の正極22の容量、負極24の容量及び電解質26において不活化状態にある稼働イオン34の関係を示すものである。不活化状態にある稼働イオン34は、実質的に、蓄電池16からの放電には寄与しない。したがって、不活化状態にある稼働イオン34の増加(実質的な稼働イオン34の減少)は、蓄電池16の容量劣化の原因となり得る。
なお、充電中の蓄電池16に対し、正極22の容量の減少量、負極24の容量の減少量及び電解質26の稼働イオン34の減少量を直接的に測定することは難しい。これに対し、充電中の蓄電池16のSOC、電圧、電流及び温度を測定することは比較的容易である。そこで、本願の開示の技術では、実際に使用される前の蓄電池16と同種、すなわち同じ仕様の蓄電池をサンプルとし、正極22の容量の減少量Mp、負極24の容量の減少量Mn及び稼働イオンの減少量Miと、蓄電池16のSOCの値S、電圧V、電流I及び温度Tと、の対応関係をあらかじめ得ておくこととしている。たとえば、サンプルの蓄電池の充電中に、充電初期からの充電時間の経過に伴うSOC、電圧、電流及び温度の変化を求めておくことで、充電時間に対するこれらのデータを充電曲線として得ておく。
そして、等価回路モデルを用いた充電曲線解析を行う。充電曲線解析では、サンプルの蓄電池について、正極の容量の減少量Mp、負極の容量の減少量Mn、電解質の稼働イオンの減少量Miを独立変数(説明変数)としておく。すなわち、サンプルの蓄電池において、正極の容量の減少量Mp、負極の容量の減少量Mn、電解質の稼働イオンの減少量Miの各数値の組み合わせに対し、実測値であるSOCの値S、電圧V、電流I、温度Tを従属変数(被説明変数)として、あらかじめ以下の関係Fを得ておく。
{S, V, I, T} = F(Mp, Mn, Mi)
たとえば、この対応関係は、非線形の回帰分析を行うことで、特定の係数を有する関数を用いて表現される。
そしてこの対応関係を示す関数が得られていれば、充電中の蓄電池16においては、これとは逆の関係として、以下の関数Gを用いて、測定値であるSOC、電圧、電流及び温度から、正極22の容量の減少量Mp、負極24の容量の減少量Mn及び電解質26の稼働イオン34の減少量Miを算出できる。
{Mp, Mn, Mi} = G(S, V, I, T)
本願の開示の技術では、蓄電池16の設置からの経過時間、運転時間又は充放電回数の積算値が規定値に達した状態で、充電中の蓄電池16のSOCの値S、電圧V、電流I及び温度Tを取得する。そして、取得したこれらの値から、上記の関係(関数G)を用いて、正極22の容量の減少量Mp、負極24の容量の減少量Mn及び電解質26の稼働イオン34の減少量Miを推定する。さらに、この推定に基づいて、蓄電池16の容量劣化の主因が、正極22の容量の減少量、負極24の容量の減少量及び電解質26の稼働イオン34の減少量、のいずれであるかを特定する。
本実施形態では、正極22の容量、及び負極24の容量は、Ahの単位で取得する。また、電解質26において不活化状態にあるイオン濃度は、不活化Li量としてmol等の単位で得られるが、本実施形態ではこれを、表1に示すように蓄電池16における容量の減少分としてAhの単位に換算している。すなわち、正極22の容量、負極24の容量及び不活化状態にあるイオン濃度は、いずれも同一のAhの単位で得られるので、上記の特定は容易である。したがって、正極22及び負極24については、容量の数値が大きい程劣化の程度が低い(劣化していない)のに対し、稼働イオンの減少量(不活化Li量)については、この数値が小さい程劣化の程度が低い。
表1におけるサイクル数が0(ゼロ)の場合の容量は、たとえば、蓄電池16の製造時における初期データとして得ることが可能である。
Figure 2023033088000002
本実施形態では、蓄電池16の運転パターンとして、表2に示す少なくとも3つの運転パターンが設定されている。
Figure 2023033088000003
この表2におけるSOC範囲は、各運転パターンで蓄電池16を運転する場合の、SOC範囲の一例である。たとえば、運転パターンAでは、SOCが100%~50%の範囲に収まるように、蓄電池16の放電と充電とを繰り返す。
表2から分かるように、各運転パターンに応じて、正極22及び負極24の容量の減少及び稼働イオンの減少の進行が異なっている。なお、この表に示す劣化の程度は、正極22、負極24及び電解質26について、劣化の進行程度を相対的に評価したものである。また、各運転パターンに示す劣化の進行程度は、SOCの範囲と対応付けられる。ただし、SOC範囲の一部に運転パターンで重なりがあることからも分かるように、このSOC範囲はあくまで概略の目安であり、たとえば正極活物質、負極活物質及び電解質の成分に応じて変化する。
次に、第一実施形態の蓄電システム12の作用について説明する。蓄電システム12では、図5に示すフローに従って、蓄電池制御処理が実行される。
制御部18は、ステップS102において、蓄電池16の充放電のサイクル数を取得する。このサイクル数は、蓄電池16が充放電のサイクルを繰り返す毎に加算していけばよいので、取得は容易である。
次に、制御部18は、ステップS104において、充放電のサイクル数が所定回数に達したか否かを判断する。所定回数に達していないと判断した場合は、ステップS102に戻る。
所定回数に達していると判断した場合は、制御部18は、ステップS106において、正極22、負極24及び電解質26のうち、最も劣化が進行している部位を特定する。この特定は、正極22の容量、負極24の容量及び不活化Li量を比較することによって、簡易に行うことが可能である。
図6には、蓄電池16におけるサイクル数と、SOH(State Of Health)の関係の一例が示されている。この例では、所定のサイクル数までは、蓄電池16は運転パターンAで運転されており、所定のサイクル数を超えた後は運転パターンBで運転されている。そして、所定のサイクル数に達するまでは、正極22の劣化が最も進行している例である。
上記した表1は、このように最も劣化が進行している部位を特定するための特定処理を実行する際の、正極22の容量、負極24の容量及び電解質26の容量の一例である。
この特定処理は、蓄電池16の充放電のサイクル数が所定のサイクル数(表1の例では1026回)に達した状態で取得した値を用いており、電圧3.3(V),電流34(A)、温度55(℃)の場合の例である。これらの電圧値、電流値及び温度は、特定の時点における瞬時値を利用できる。そして、基準値として、充放電のサイクル数が0(ゼロ)の場合を採り、サイクル数が1026回の場合の劣化率を百分率で表示している。
充放電のサイクル数が1026回の状態で、正極22、負極24及び電解質26(不活化Li量)の数値を比較すると、正極22の容量の減少量が11.9Ahと最も大きい。また、正極22の劣化率は78.8%であり、この数値は、蓄電池16の容量の劣化率である78.9%に近似している。そして、不活化Li量による電解質26の劣化の影響も大きくない。すなわち、蓄電池16の容量劣化は、主に正極22の容量劣化に依るものであると考えられる。
次に、制御部18は、ステップS108に移行し、蓄電池16の運転に最適な運転パターンを決定する。この最適な運転パターンとは、充放電のサイクル数が所定のサイクル数に達した後に蓄電池16の充放電を行うにあたって、劣化の進行を抑制する効果が高い運転パターンである。
表2に示したように、本実施形態では、運転パターンとして少なくとも3つの運転パターンが用意されている。それぞれの運転パターンに応じて、正極22、負極24の劣化及びLiの不活化の程度が異なる。たとえば運転パターンAの場合は、正極22の劣化の程度が大きく、負極24の劣化の程度は中程度であり、Li不活化の程度は小さい。これに対し、運転パターンBでは、劣化の程度が大きい順に、負極24、稼働イオン34、正極22であり、運転パターンCでは、稼働イオン34、正極22、負極24の順である。なお、この表に示す「大」、「中」及び「小」の表記は、劣化の程度を相対的に示すものである。
表1に示した例は運転パターンAに該当しており、正極22の劣化が最も進行している。たとえば、運転パターンAは、所定サイクル数までは、正極22の劣化が最も進行する運転パターンである。したがって、たとえば、蓄電池16の容量劣化の主因が正極22の容量の減少量であると特定した場合、以降は正極22の劣化の進行を抑制することが、蓄電池16の全体での劣化進行を抑制することにもなる。そこで、制御部18は、表2に示される複数の運転パターンから、蓄電池16の充放電を行うにあたって、劣化の進行を抑制する効果が高い運転パターン(上記の例では運転パターンB)を選択する。
制御部18は、ステップS110において、加算していた充放電のサイクル数をゼロにリセットし、さらに、ステップS112において、運転パターンの変更が必要か否かを判断する。上記の例では、従前の運転パターンAに対し、蓄電池16の容量劣化を抑制する運転パターンとして運転パターンBを選択しているので、ステップS112の判断は肯定される。これに対し、蓄電池16の容量劣化を抑制する運転パターンとして、従前と同じ運転パターンが選択された場合は、ステップS112の判断は否定される。ステップS112の判断が否定された場合は、ステップS102に戻る。
ステップS112の判断が肯定された場合、制御部18は、ステップS114において、蓄電池16の運転パターンを変更する。具体的には、上記の場合では運転パターンAから運転パターンBに変更する。これにより、蓄電池16の容量劣化に最も大きく影響していた正極22の容量劣化が、以降は抑制されるので、蓄電池16としての容量劣化も抑制できる。
そして、制御部18は、ステップS116において、蓄電池制御処理の終了条件を満足しているか否かを判断する。終了条件とは、たとえば、蓄電池16の電源がオフにされた場合や、蓄電池16の使用者によって、蓄電池制御処理を終了する操作がなされた場合等である。この判断が肯定された場合は、蓄電池制御処理を終了し、否定された場合は、ステップS102に戻る。
以上の説明から分かるように、本実施形態では、蓄電池16の充放電の回数(サイクル数)が所定の回数に達した状態で、その時点での蓄電池16の容量劣化の主因が、正極22の容量の減少、負極24の容量の減少及び稼働イオン34の減少のいずれであるか、を特定している。そして、特定の結果に基づき、以降は、蓄電池16の劣化が抑制される運転パターンで蓄電池16を運転する。これにより、正極22、負極24及び稼働イオン34において、劣化の進行について均一化が図られる。劣化が進行した部位によって蓄電池16全体の容量が大きく低下する、という事態が抑制され、蓄電池16の容量劣化を抑制できる。
しかも、このように蓄電池16の容量劣化を抑制するために、あらかじめ求めておいた電極の容量の減少量及び稼働イオンの減少量と、蓄電池のSOC、電圧、電流及び温度と、の対応関係を用いれば足りる。蓄電池16の容量劣化を抑制するための複雑な制御や予測等は不要であり、蓄電池16の容量劣化を簡易に抑制できる。
また、蓄電池制御処理は、蓄電池16の容量劣化の主因を特定する処理も含めて、蓄電池16の充電中に行う。したがって、蓄電池16に負荷30を接続して放電する動作、すなわち負荷30への電力供給には影響しない。
そして、本実施形態の蓄電池制御方法は、蓄電池16の容量劣化の主因を特定するために、充電中の蓄電池16の電圧、電流及び温度を検出すれば足り、これら以外の各種値を得る必要はない。したがって、蓄電池制御方法において、簡易に、蓄電池16の容量劣化の主因を特定できる。しかも、本実施形態では、充電中の電圧、電流及び温度の瞬時値を用いており、これらの値の変化を把握する必要がないので、蓄電池制御方法を簡易に行うことが可能である。
上記では、負極活物質としてカーボンを用いた例を挙げている。このように炭素系の負極を用いた場合には、負極24の容量の減少や不活化Liの増加は、満充電時に生じやすい。これは、炭素系の負極では、LIイオンの標準電極電位が低いためである。また、正極活物質及び負極活物質の種類を問わず、SOCが高い状態では、負極24の容量が減少しやすく、SOCが低い状態では、正極22の容量が減少しやすい。これは、Li化合物の被膜生成が、SOCが高い状態では負極24に、SOCが低い状態では正極22に生成されやすいためである。このような状況があらかじめ予測できる場合には、予測を加味して、運転パターンの決定や変更を行えばよい。
上記では、蓄電池16の容量劣化の主因の特定を、蓄電池16の運転サイクル数、すなわち充放電回数が所定回数に達した状態で行っているが、たとえば、蓄電池16の運転時間を積算し、この積算時間があらかじめ設定した所定運転時間に達した状態で、この特定を行ってもよい。また、蓄電池16を使用場所に設置してからの経過時間があらかじめ設定した所定経過時間に達した状態で、この特定を行ってもよい。「積算時間」及び「運転時間」を用いる場合は、たとえば図5に示すフローにおいて、「サイクル数」を「運転時間」または「設置からの経過時間」とし、これらの時間が所定時間に達したか否かをステップS104で判断すればよい。また、「設置からの経過時間」を用いる場合は、この経過時間をリセットした時点で、蓄電池16をあらためて「設置」したとみなして、以降の経過時間を取得すればよい。
上記では、複数の蓄電池16を備えた蓄電池ユニット14を例に挙げているが、複数の蓄電池16の間で各種パラメータ等を比較しないので、単独の蓄電池16に対し本願開示の技術である蓄電池制御方法を適用可能である。
12 蓄電システム
14 蓄電池ユニット
16 蓄電池
18 制御部
20 容器
22 正極
24 負極
26 電解質
28 セパレータ
30 負荷
32 外部電源
34 稼働イオン
36 電子
40 コンピュータ
42 プロセッサ
44 メモリ
46 ストレージ
48 入力装置
50 出力装置
52 記憶媒体読取装置
54 通信I/F
56 バス
58 蓄電池制御プログラム
62 電圧計
64 電流計
66 温度センサ

Claims (4)

  1. 蓄電池の設置からの経過時間、運転時間又は充放電回数の積算値が規定値に達した状態で、前記蓄電池の電極の容量の減少量又は稼働イオンの減少量から前記蓄電池の容量劣化の主因が前記電極の容量の減少及び前記稼働イオンの減少のいずれであるかを特定し、前記特定の結果に基づいて、前記主因による前記蓄電池の容量劣化を抑制する運転パターンで前記蓄電池を運転する蓄電池制御方法。
  2. 前記特定を、前記蓄電池の充電中に行う請求項1に記載の蓄電池制御方法。
  3. 前記特定を、充電中の前記蓄電池の電圧、電流及び温度に基づいて行う請求項2に記載の蓄電池制御方法。
  4. コンピュータに、
    蓄電池の設置からの経過時間、運転時間又は充放電回数の積算値が規定値に達した状態で、前記蓄電池の電極の容量の減少量又は稼働イオンの減少量から前記蓄電池の容量劣化の主因が前記電極の容量の減少及び前記稼働イオンの減少のいずれであるかを特定し、前記特定の結果に基づいて、前記主因による前記蓄電池の容量劣化を抑制する運転パターンで前記蓄電池を運転するための蓄電池制御プログラム。
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