JP2023032101A - 水中油型乳化組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】みずみずしさを有し、保湿感に優れ、かつ乳化安定性に優れた水中油型乳化組成物の提供。【解決手段】ベタインと、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーと、ジェランガム及びポリアクリルアミドからなる群から選択される少なくとも1種の化合物Iと、(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー、ビスステアリルPEG/PPG-8/6(SMDI/PEG-400)コポリマー、(アクリレーツ/メタクリル酸ステアレス-20)コポリマー、及び(PEG-150/デシルアルコール/SMDI)コポリマーからなる群から選択される少なくとも1種の化合物IIと、0.1質量%~10質量%の油剤と、60質量%以上の水とを含有し、25℃おいてB型粘度計で測定した粘度が、1,000mPa・s~25,000mPa・sである水中油型乳化組成物。【選択図】なし

Description

本開示は、水中油型乳化組成物に関する。
化粧料、医薬部外品等の分野において、水中油型乳化組成物が用いられている。
特許文献1には、(A):水溶性ゲル化剤を0.01~2.0質量%、(B):水溶性増粘剤を0.01~1.0質量%、(C):ジェミニ型アニオン性界面活性剤を0.01~2.0質量%、(D):水溶性美白剤、(E):(D)以外の電解質、(F):油剤を配合することを特徴とする水中油型乳化組成物が記載されている。
特許文献2には、1)D-パントテニルアルコールからなるメラニン産生抑制剤と、2)特定の植物抽出物、化合物、及びその他の物質から選択される1種又は2種以上の物質を含むことを特徴とする、皮膚外用組成物が記載されている。
特許文献3には、(a)(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(b)ジェランガム、(c)電解質、(d)油剤を含有する水中油型化粧料が記載されている。
特開2019-142825号公報 特開2019-019077号公報 特開2016-190835号公報
化粧料等の用途に適用される水中油型乳化組成物には、みずみずしさ、保湿感等の使用感が良好であることが求められることがある。また、水中油型乳化組成物を適用した製品を保管することを考慮すれば、水中油型乳化組成物には乳化安定性も求められる。
本開示の一実施形態が解決しようとする課題は、みずみずしさを有し、保湿感に優れ、かつ乳化安定性に優れた水中油型乳化組成物を提供することである。
本開示は、以下の実施態様を含む。
[1] ベタインと、
(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーと、
ジェランガム及びポリアクリルアミドからなる群から選択される少なくとも1種の化合物Iと、
(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー、ビスステアリルPEG/PPG-8/6(SMDI/PEG-400)コポリマー、(アクリレーツ/メタクリル酸ステアレス-20)コポリマー、及び(PEG-150/デシルアルコール/SMDI)コポリマーからなる群から選択される少なくとも1種の化合物IIと、
水中油型乳化組成物の全質量に対する含有率が0.10質量%~10質量%である油剤と、
水中油型乳化組成物の全質量に対する含有率が60質量%以上である水と、を含有し、
25℃おいてB型粘度計で測定した粘度が、1,000mPa・s~25,000mPa・sである、
水中油型乳化組成物。
[2] 化合物IIの合計含有率が、水中油型乳化組成物の全質量に対して、0.01質量%~0.5質量%である、[1]に記載の水中油型乳化組成物。
[3] (アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーの含有率が、水中油型乳化組成物の全質量に対して、0.10質量%~1.0質量%である、[1]又は[2]に記載の水中油型乳化組成物。
[4] 化合物Iの合計含有率が、水中油型乳化組成物の全質量に対して、0.01質量%~0.2質量%である、[1]~[3]のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
[5] (アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーの含有量に対する化合物Iの合計含有量の比率が、質量基準で、0.01~2である、[1]~[4]のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
[6] (アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーの含有量に対する化合物IIの合計含有量の比率が、質量基準で、0.01~5である、[1]~[5]のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
[7] ベタインの含有率が、水中油型乳化組成物の全質量に対して、0.10質量%~20質量%である、[1]~[6]のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
[8] 油剤が、脂肪酸エステル油を含む、[1]~[7]のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
[9] 化粧料である、[1]~[8]のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物
本開示の一実施形態によれば、みずみずしさを有し、保湿感に優れ、かつ乳化安定性に優れた水中油型乳化組成物が提供される。
以下、本開示に係る水中油型乳化組成物の実施形態の一例について説明する。但し、本開示に係る水中油型乳化組成物は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示が目的とする範囲内において、適宜、変更を加えて実施することができる。
本開示において「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を意味する。
本開示では、段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、水中油型乳化組成物中の各成分の量は、各成分に該当する物質が水中油型乳化組成物中に複数存在する場合には、特に断らない限り、水中油型乳化組成物中に存在する複数の物質の合計量を意味する。
本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本開示において、「質量%」と「重量%」とは同義である。
本開示において「みずみずしさ」とは、水中油型乳化組成物の塗布直後において、皮膚に水分の存在が感じられる感触を意味する。
本開示において「保湿感」とは、水中油型乳化組成物を塗布し終わった後の皮膚において潤いの持続が感じられる感触を意味する。
本開示において「乳化安定性」とは、水中油型乳化組成物を経時させた際に、水中油型乳化組成物の分離が抑制されて乳化状態が持続する性質を意味する。本開示における「乳化安定性」は「分離耐性」と換言することができる。乳化安定性は、水中油型乳化組成物を化粧料に適用した場合であれば、少なくとも、化粧料に設定される保管期間において維持されればよい。
本開示において、「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
<水中油型乳化組成物>
本開示に係る水中油型乳化組成物は、
ベタインと、
(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーと、
ジェランガム及びポリアクリルアミドからなる群から選択される少なくとも1種の化合物I(以下、単に「化合物I」とも称する。)と、
(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー、ビスステアリルPEG/PPG-8/6(SMDI/PEG-400)コポリマー、(アクリレーツ/メタクリル酸ステアレス-20)コポリマー、及び(PEG-150/デシルアルコール/SMDI)コポリマーからなる群から選択される少なくとも1種の化合物II(以下、単に「化合物II」とも称する。)と、
水中油型乳化組成物の全質量に対する含有率が0.1質量%~10質量%である油剤と、
水中油型乳化組成物の全質量に対する含有率が60質量%以上である水と、を含有し、
25℃おいてB型粘度計で測定した粘度が、1,000mPa・s~25,000mPa・sである。
本開示に係る水中油型乳化組成物は、みずみずしさを有し、保湿感に優れ、かつ乳化安定性に優れる。
みずみずしい使用感を有する水中油型乳化組成物を得るための方策としては、例えば、組成物を低粘度にすること、油分、保湿剤等の成分の配合を少量にすることなどが挙げられる。しかし、このような方策を採用した水中油型乳化組成物では、保湿感が不足したり、乳化安定性が低下したりする傾向が現れる。また、水中油型乳化組成物において、保湿感を向上させるために、油分、保湿剤等の成分を増量し、乳化安定性を向上させために、乳化剤の増量、増粘剤の含有により粘度を高めると、みずみずしさが損なわれる傾向が現れる。さらに、みずみずしさは、組成物中に含有される水の量が多いほど体感できるものである。保湿感等の感触の向上、その他所望とする機能を得るために、組成物中に、保湿剤、エモリエント成分、有効成分などの種々の成分を含有させると、それに伴い水の量が相対的に減るため、このような要因からも、みずみずしさが低下してしまうことがある。
このような事情の下、本開示では、ベタイン、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、化合物I、化合物II、所定量の油剤、及び、所定量の水を含有し、かつ、粘度を1,000mPa・s~25,000mPa・sとすることにより、みずみずしさが得られ、保湿感に優れ、かつ、乳化安定性(分離耐性)にも優れた水中油型乳化組成物を提供するに至った。
一方、特許文献1~3に記載の各組成物は、いずれも、水中油型乳化組成物において、ベタイン、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、化合物I、化合物II、所定量の油剤、及び、所定量の水を含有し、かつ、粘度を1,000mPa・s~25,000mPa・sとすることについての着目はなく、みずみずしさ、保湿感、及び乳化安定性の全てを達成できるものではない。
以下、本開示に係る水中油型乳化組成物について、詳細に説明する。
[(A)ベタイン]
本開示に係る水中油型乳化組成物は、ベタインを含有する。ベタインを含有することにより、水中油型乳化組成物は、みずみずしさ及び保湿感の両方に優れ、かつ、乳化安定性が良化する。さらに、ベタインとは、ベタツキの抑制にも寄与する。
ベタインは、以下に示す構造を有するトリメチルグリシンであり、グリシンベタイン又は無水ベタインと称されることもある。
Figure 2023032101000001
ベタインは多くの生体内に存在する有機化合物である。ベタインは、例えば、テンサイ糖蜜から抽出、精製することで得ることができる。
ベタイン(即ち、トリメチルグリシン)は市販品であってもよい。ベタインの市販品としては、例えば、旭化成ファインケム(株)のアミコート(商品名)、恵比須化学工業(株)のBetafinBP(商品名)などが挙げられる。
ベタインの含有率は、みずみずしさ、保湿感、及び、乳化安定性の観点から、水中油型乳化組成物の全質量に対して、0.10質量%~20質量%であることが好ましく、0.50質量%~15質量%であることがより好ましく、5.0質量%~15質量%が更に好ましい。
[(B)(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー]
本開示に係る水中油型乳化組成物は、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーを含有する。(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーは、みずみずしさ及び乳化安定性に寄与する。
また、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーを含有することは、水中油型乳化組成物を皮膚に塗布した際において、疑似的なみずみずしさの体感にも寄与しうる。これは、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーがイオン性基を有することで耐塩性が低く、このことに起因して、水中油型乳化組成物を皮膚に塗布した際において瞬時に組成物の粘度が下がるためと推察される。
(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーは、アクリル酸ナトリウムとアクリロイルジメチルタウリンナトリウムの共重合体である。
(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーは市販品であってもよい。(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーの市販品としては、水、イソヘキサデセンを溶媒とする混合物であるSEPPIC社のSIMULGEL EG QDが挙げられる。
(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーの含有率は、みずみずしさ及び乳化安定性の観点から、水中油型乳化組成物の全質量に対して、0.10質量%~1.0質量%であることが好ましく、0.15質量%~0.60質量%がより好ましく、0.20質量%~0.60質量%が更に好ましい。
[(C)化合物I]
本開示に係る水中油型乳化組成物は、ジェランガム及びポリアクリルアミドからなる群から選択される少なくとも1種の化合物Iを含有する。本開示に係る水中油型乳化組成物は、化合物Iを含有することにより、みずみずしさと保湿感とを有し、かつ、乳化安定性に優れる。
ジェランガムは、Sphingomonas elodeaという微生物が菌体外に産生する多糖類であり、水で膨潤させることで弾力のあるゲルを形成する性質を有する。ジェランガムには、ネイティブ型、及び、1-3結合したグルコースに存在するアセチル基及びグリセリル基を除去した脱アシル型が知られている。化合物Iに包含されるジェランガムは、ネイティブ型及び脱アシル型のいずれであってもよい。
ジェランガムは市販品であってもよい。ジェランガムの市販品としては、例えば、脱アシル型のケルコゲル「HM」、「CG-HA」、ネイティブ型のケルコゲル「LT-100」、「CG-LA」(いずれもCPケルコ社製) 等が挙げられる。
本開示において、ポリアクリルアミドとは、「-CH-CH(CONH)-」で表される構成単位を含む重合体の総称である。ポリアクリルアミドは、単独重合体、又は共重合体であってもよい。ポリアクリルアミドは、「-CH-CH(CONH)-」で表される構成単位以外の構成単位を含んでもよい。「-CH-CH(CONH)-」で表される構成単位の水素原子の一部は、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、水素原子以外の原子、又は原子団によって置換されてもよい。
本開示に係る水中油型乳化組成物は、化合物Iとして、ジェランガム及びポリアクリルアミドの両方を含有してもよいし、ジェランガム及びポリアクリルアミドの一方のみを含有してもよい。みずみずしさの観点からは、ジェランガムを含有することが好ましい。
ポリアクリルアミドとしては、公知のポリアクリルアミドを利用することができ、化粧品又は医薬部外品の分野に用いる得るポリアクリルアミドであることが好ましい。
ポリアクリルアミドは、市販品であってもよい。ポリアクリルアミドの市販品としては、例えば、SEPPIC社の複合原料であるセピゲル305(ポリアクリルアミド、水添ポリイソブテン、ラウレス-7、水)、セピゲル501(ポリアクリルアミド、ポリソルベート85、ミネラルオイル、イソパラフィン)が挙げられる。
化合物Iの合計含有率は、水中油型乳化組成物の全質量に対して、0.01質量%~0.2質量%であることが好ましく、0.02質量%~0.15質量%がより好ましく、0.02質量%~0.10質量%が更に好ましい。
(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーの含有量(B)に対する化合物Iの合計含有量(C)の比率〔(C)/(B)〕は、みずみずしさ、保湿感及び乳化安定性の観点から、質量基準で、0.01~2であることが好ましく、0.1~1がより好ましい。
[(D)化合物II]
本開示に係る水中油型乳化組成物は、(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー、ビスステアリルPEG/PPG-8/6(SMDI/PEG-400)コポリマー、(アクリレーツ/メタクリル酸ステアレス-20)コポリマー、及び、(PEG-150/デシルアルコール/SMDI)コポリマーからなる群から選択される少なくとも1種の化合物IIを含有する。PEGはポリエチレングリコール、PPGはポリプロピレングリコール、HDIはヘキサメチレンジイソシアネート、及び、SMDIはメチレンジフェニルジイソシアネートの略号である。本開示に係る水中油型乳化組成物は、化合物IIを含有することにより、みずみずしさと保湿感とを有し、かつ、乳化安定性に優れる。その中でも特に、(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマーが好ましい。
化合物IIに包含される化合物は、会合性増粘剤として機能しうる化合物である。会合性増粘剤とは、親水性部分(例えばポリエーテル鎖)を含む分子鎖の末端に疎水性部分を有する重合体であって、水を含む液中で疎水性部分同士が互いに或いは疎水性物質と会合することで増粘作用を示す重合体である。
化合物IIは、市販品であってもよい。
(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマーの市販品としては、例えば、ADEKA社のアデカノールGT-700、複合原料であるアデカノールGT-730((PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー、BG、水)が挙げられる。
ビスステアリルPEG/PPG-8/6(SMDI/PEG-400)コポリマーの市販品としては、例えば、AQUPEC(登録商標) HU C2002(住友精化(株))が挙げられる。
(アクリレーツ/メタクリル酸ステアレス-20)コポリマーの市販品としては、例えば、ACULYN(登録商標) 22 RHEOLOGY MODIFIER(Dow Chemicals社が挙げられる。
(PEG-150/デシルアルコール/SMDI)コポリマーの市販品としては、例えば、ACULYN(登録商標) 44(DOW CHEMICALS社)が挙げられる。
化合物IIの含有率は、みずみずしさ、保湿感及び乳化安定性の観点から、水中油型乳化組成物の全質量に対して、0.01質量%~0.5質量%であることが好ましく、0.05質量%~0.25質量%がより好ましく、0.05質量%~0.20質量%がさらに好ましい。
(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーの含有量(B)に対する化合物IIの合計含有量(D)の比率〔(D)/(B)〕は、みずみずしさ、保湿感及び乳化安定性の観点から、質量基準で、0.01~5であることが好ましく、0.1~1がより好ましい。
化合物Iの合計含有量(C)に対する化合物IIの合計含有量(D)の比率〔(D)/(C)〕はみずみずしさとベタツキ抑制効果の観点から、質量基準で、0.60~5.0が好ましく、1.0~4.0がより好ましい。
[(E)油剤]
本開示に係る水中油型乳化組成物は油剤を含有し、水中油型乳化組成物の全質量に対する油剤の含有率が0.10質量%~10質量%である。
本開示において「油剤」なる用語は、炭化水素油、エステル油、シリコーン油、動植物油、高級脂肪酸、及び高級アルコールからなる化合物群を総称する意味で使用される。本開示における油剤としては、例えば、これらの化合物群に属するものであり、化粧品又は医薬部外品の分野で一般に油剤として使用される実績を有するものを選択することができる。
本開示に係る水中油型乳化組成物は、油剤を、1種単独で含有してもよく、2種以上を含有してもよい。
油剤は、常温(25℃、以下同じ)において、液状、半固形、又は固形のいずれであってもよい。油剤は、市販品であってもよいし、合成品であってもよい。
油剤としては、炭化水素油、エステル油及び動植物油からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
みずみずしさの観点からは、油剤は、エステル油を含むことが好ましく、常温で液状のエステル油を含むことがより好ましい。エステル油とは、分子構造中にエステル結合を有する油剤を意味する。
炭化水素油としては、例えば、流動パラフィン、イソパラフィン、エチレン・プロピレンコポリマー、水添ポリイソブテン、スクワラン、ワセリン、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、及び、ポリエチレンワックスが挙げられる。
エステル油としては、酸として脂肪酸、多塩基酸など、アルコールとして低級アルコール、高級アルコール、多価アルコールなどを組合せた様々なエステルが用いられる。
エステル油としては、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ステアリン酸コレステリル、トリカプリリン、コハク酸ジエチルヘキシル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、エチルヘキサン酸セチル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、トリイソステアリン、ステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、トリエチルヘキサノイン、ダイマージリノール酸(フィトステリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、パルミチン酸イソプロピル、マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル、テトラ(ベヘン酸/安息香酸/エチルヘキサン酸)ペンタエリスリチル、パルミチン酸エチルヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジピバリン酸トリプロピレングリコール、イソノナン酸イソトリデシル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル、及び(ベヘン酸/エイコサン二酸)ポリグリセリル-10が挙げられる。
シリコーン油としては、例えば、ジメチルポリシロキサン(ジメチコン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン等の環状ポリシロキサン、及び、カプリリルメチコンが挙げられる。
動植物油としては、例えば、ホホバ種子油、アボガド油、アーモンド油、オリーブ油、カカオ油、ゴマ油、小麦胚芽油、サフラワー油、シアバター、タートル油、椿油、パーシック油、ヒマシ油、ブドウ油、マカデミアナッツ油、ヤシ油、ローズヒップ油、ダイズ油、卵黄油、硬化ヒマシ油、硬化ヤシ油、硬化カカオ油、硬化タートル油、硬化ミンク油、牛油、ミンク油、ラノリン(所謂、羊毛脂)、ミツロウ、モクロウ、ゲイロウ、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、及び、モンタンロウが挙げられる。
高級脂肪酸としては、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、及び、ベへン酸が挙げられる。
高級アルコールとしては、例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ラウリルアルコール、及び、ベヘニルアルコールが挙げられる。
ある実施態様において、油剤として、トリエチルヘキサノイン、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、及びコハク酸ジエチルへキシルからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
油剤の含有率は、みずみずしさの観点から、水中油型乳化組成物の全質量に対して、0.10質量%~10質量%であり、1.0質量%~7.5質量%がより好ましい。
[(F)水]
本開示に係る水中油型乳化組成物は水を含有し、水中油型乳化組成物の全質量に対する水の含有率が60質量%以上である。
水としては、特に制限はなく、天然水、精製水、蒸留水、イオン交換水、純水、超純水(Milli-Q水等)などを使用することができる。なお、Milli-Q水とは、メルク社のメルクミリポアのMilli-Q水製造装置により得られる超純水である。
水中油型乳化組成物に含まれる水としては、不純物が少ないという観点から、精製水、蒸留水、イオン交換水、純水、又は超純水が好ましい。
みずみずしさの観点からは、水の量が多い方が好ましい。本開示に係る水中油型乳化組成物における水の含有率は、水中油型乳化組成物の全質量に対して、60質量%以上であり、70質量%以上であることがより好ましい。水の含有率の上限値は、特に限定されないが、例えば、90質量%とすることができる。
[その他の添加成分]
本開示に係る水中油型組成物は、ベタイン、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、化合物I、化合物II、油剤及び水以外に、その他の添加成分を含有してもよい。
その他の添加成分としては、例えば、化粧品又は医薬部外品において通常用いられる添加成分が挙げられる。その他の添加成分としては、例えば、化粧料に使用した際に有用な美容効果(例えば、保湿効果、整肌効果等)を示す機能性成分が挙げられる。さらに、添加成分としては、トラネキサム酸、アルブチン等の美白剤、グリチルレチン酸ステアリル、グリチルリチン酸ジカリウム、アラントイン等の抗炎症剤、ポリグリセリン脂肪酸エステル、レシチンなどの界面活性剤、アスタキサンチン等のカロテノイド、フェノキシエタノール、エチルヘキシルグリセリン等の防腐剤、トコフェロール等のビタミンE類、多価アルコール、着色剤、増粘剤、水酸化ナトリウム、塩酸等のpH調整剤、緩衝剤、香料、抗菌剤、紫外線吸収剤、活性酸素除去剤、抗微生物剤、ミネラルなどが挙げられる。
添加成分は、水中油型組成物にそのまま添加してもよく、マイクロカプセル、リポソーム等に添加成分を内包させた形態で添加してもよい。リポソームは、脂質二重膜が1重であるシングルラメラ構造を有するものであってもよく、脂質二重膜が多重であるマルチラメラ構造を有するものであってもよいが、成分内包量の観点からは、シングルラメラ構造を有するものであることが好ましい。リポソームは、リポソームの製造方法として公知の製造方法に基づいて又は公知の製造方法を参照して製造することができる。
[粘度]
本開示に係る水中油型乳化組成物は、25℃おいてB型粘度計で測定した粘度(以下、単に「粘度」とも称する。)が、1,000mPa・s~25,000mPa・sである。粘度が、1,000mPa・s~25,000mPa・sであることは、みずみずしさ及び乳化安定性の両方に寄与する。
本開示において、水中油型乳化組成物の粘度は、下記の測定方法及び測定条件により測定されるものとする。
-測定方法-
水中油型乳化組成物を、直径40mm×高さ75mmのガラス製容器に50g充填して密封し、25℃の環境下で、24時間保存する。保存後の水中油型乳化組成物について、B型粘度計を用い、下記の測定条件にて粘度を測定する。
-測定条件-
測定温度 :25℃
ローター :M3ローター、
回転数 :12rpm(revolutions per minutes、以下同じ。)
回転時間 :60秒
B型粘度計:東機産業(株)製のB型粘度計「TV-10M」
水中油型乳化組成物の粘度は、1,000mPa・s~25,000mPa・sであり、1,500mPa・s~20,000mPa・sがより好ましく、2,000mPa・s~10,000mPa・sが更に好ましい。
〔水中油型乳化組成物の用途〕
本開示に係る水中油型乳化組成物は、例えば、化粧品や医薬部外品などの化粧料に適用することができる。
本開示に係る水中油型乳化組成物を適用した化粧料は、みずみずしさを有し、保湿感に優れ、かつ乳化安定性に優れる。
化粧料の用途としては、スキンケア化粧料(化粧水、乳液、美容液、日焼け止め(サンスクリーン剤)、パック等)、ボディ用化粧料(ボディ用ローション、ボディ用日焼け止め等)、頭皮用化粧料などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
[水中油型乳化組成物の製造方法]
本開示に係る水中油型乳化組成物の製造方法は、特に限定されない。
本開示に係る水中油型乳化組成物は、ベタインと、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーと、化合物Iと、化合物IIと、油剤と、水と、所望により既述の添加成分と、を用いて、公知の水中油型乳化組成物の製造方法に従って、製造できる。
本開示に係る水中油型乳化組成物の好ましい製造方法は、例えば、少なくとも、ベタイン、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、化合物I、化合物II、及び水を含む水相組成物と、少なくとも油剤を含む油相組成物とを混合して、乳化分散を行う方法である。
水相組成物は、例えば、ベタインと、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーと、化合物Iと、化合物IIと、水と、所望により配合される添加成分のうち水性の添加成分と、を混合することにより調製できる。
水相組成物の調製に際しては、水相組成物に配合される全ての成分を一度に混合してもよく、水相組成物に配合される各成分をいくつかに分けて混合してもよい。
水相組成物に配合される成分は、水相組成物中において、単に混合されていればよいが、均一に混合されていることが好ましい。
混合方法は、特に限定されず、市販のいずれの混合手段を用いてもよい。
混合手段としては、スターラー、パドルミキサー、インペラーミキサー、ホモミキサー、ディスパーミキサー、ウルトラミキサー、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー等が挙げられる。これらの中でも、混合手段としては、ホモミキサー及びディスパーミキサーからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
撹拌温度は、化合物Iと水及び水相組成物に含有させるその他の成分と混合する際は、70℃~90℃に設定することが好ましい。その他の成分を混合する際の温度は、特に限定されず、混合する成分等に応じて、適宜、設定することができる。
温度を調整する手段は、特に限定されない。
温度を調整する手段としては、一般的な加熱装置(例えば、ウォーターバス)を使用できる。
各成分を混合する際の撹拌条件は、各成分を十分に混合することができれば、特に限定されず、混合手段に応じて、適宜設定することができる。例えば、混合手段として、ホモミキサーを用いる場合には、通常、500rpm(revolutions per minute;以下、同じ。)~8000rpmで5分間~60分間、各成分を撹拌することができる
油相組成物は、例えば、油剤と、所望により配合される添加成分のうち油性の添加成分と、を混合することにより調製できる。なお、油相成分として単一の油剤のみを用いた調製物についても、本開示における油相組成物の一態様に含めるものとする。
油相組成物の調製に際しては、油相組成物に配合される全ての成分を一度に混合してもよく、油相組成物に配合される各成分をいくつかに分けて混合してもよい。
油相組成物に配合される成分は、油相組成物中において、単に混合されていればよいが、均一に混合されていることが好ましい。
混合方法は、特に限定されず、市販のいずれの混合手段を用いてもよい。
混合手段としては、スターラー、パドルミキサー、インペラーミキサー、ホモミキサー、ディスパーミキサー、ウルトラミキサー、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー等が挙げられる。これらの中でも、混合手段としては、ホモミキサー及びディスパーミキサーからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
撹拌温度は、均一に混合、分散できる温度条件であれば特に限定されないが、例えば、60℃~90℃に設定することが好ましい。
温度を調整する手段は、特に限定されない。
温度を調整する手段としては、一般的な加熱装置(例えば、ウォーターバス)を使用できる。
撹拌時間は、特に限定されず、撹拌器具又は撹拌装置の種類、油相組成物の組成等に応じて、適宜設定できる。
撹拌温度及び撹拌時間の好ましい態様の一例としては、撹拌温度が80℃であり、かつ、撹拌時間が1時間である態様が挙げられる。
乳化分散の方法は、特に限定されない。
油相組成物と水相組成物とを一度に混合する工程により、乳化分散を行ってもよいが、水相組成物を撹拌し、撹拌中の水相組成物に、油相組成物を少しずつ添加しながら混合する工程により、乳化分散を行うことが好ましい。
乳化分散の際には、例えば、スターラー、インペラー、ホモミキサー、連続流通式剪断装置等の剪断作用を利用する通常の乳化手段を用いることができる。
更なる粒子径の均一化を図る目的で、乳化分散を複数回行ってもよい。
油相組成物と水相組成物との比率(油相組成物/水相組成物)は、特に限定されないが、例えば、質量基準で、1/99~50/50とすることが好ましく、3/97~40/60とすることがより好ましく、5/95~30/70とすることが更に好ましく、10/90~20/80とすることが特に好ましい。
本開示に係る水中油型乳化組成物の製造方法は、必要に応じて、油相組成物と水相組成物とを混合する工程以外の工程(所謂、他の工程)を含んでもよい。
他の工程としては、例えば、脱泡工程、加熱殺菌工程、冷却工程、取り出し工程等が挙げられる。脱泡工程、加熱殺菌工程、冷却工程、取り出し工程等は、当業界で公知の方法を適用すればよい。
以下、本開示に係る水中油型乳化組成物を実施例により更に具体的に説明するが、本開示に係る水中油型乳化組成物は、以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
下記の表1に記載の成分のうち、ベタインと水とを混合し、80℃のウォーターバス中で、スターラーを用いて、10分撹拌した。得られた混合物に、ジェランガムと、(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマーを加え、ホモミキサー(機種名:ホモミクサーMARKII2.5型、プライミクス株式会社)を用いて、4000rpmで20分間撹拌した。次いで、アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーを加え、ホモミキサーを用い、4000rpmで5分混合し、水相組成物を得た。
次に、下記の表1に記載の成分のうち、油剤(エステル油)であるトリエチルヘキサノインを容器に入れ、80℃のウォーターバス中で、スターラーを用いて、10分間加温撹拌することにより、油相組成物を得た。
次に、ホモミキサーを用いて、水相組成物を4000rpmで撹拌し、撹拌中の水相組成物に、油相組成物を少しずつ添加した。添加後、4000rpmで20分間攪拌混合することにより、実施例1の水中油型乳化組成物を得た。
〔実施例2~実施例21及び比較例1~比較例14〕
実施例1の水中油型乳化組成物の調製において、下記の表1~表6に記載の組成になるように成分及びその配合量を適宜変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2~実施例21の水中油型乳化組成物及び比較例1~比較例14の比較用組成物を得た。
[評価及び測定]
実施例で得られた水中油型乳化組成物及び各比較例で得られた比較用組成物を評価用試料として用いて、以下の評価及び測定を行った。結果を表1~表6に併記する。
なお、表1~表6中に記載の各成分の量の単位(%)は、いずれも、「質量%」であり、水の量にて各組成物の全量が100質量%となるようにしている。
表1~表6中、組成の欄に記載の「-」は、該当する成分を配合していないことを意味する。
また、表2~表3及び表5~表6に記載の実施例1は、各表に記載の実施例及び比較例との比較のため記載したものであって、表1に記載の実施例1と同じものである。
1.調製直後の物性(初期物性)評価
1-1.粘度
粘度は、下記の測定方法及び測定条件により測定した。
-測定方法-
評価用試料を、直径40mm×高さ75mmのガラス製容器に50g充填して密封し、25℃の環境下で、24時間保存した。保存後の各評価用試料について、B型粘度計を用い、下記の測定条件にて粘度を測定した。
-測定条件-
測定温度 :25℃
ローター :M3ローター、
回転数 :12rpm
回転時間 :60秒
B型粘度計:東機産業(株)製のB型粘度計「TV-10M」
1-2.乳化性
評価用試料について、目視観察し、更に、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置を用いて乳化粒子の粒径(メジアン径)を測定し、以下のランクにより乳化性を評価した。最も優れる評価ランクは「A」である。
レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置としては、株式会社堀場製作所製のレーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置(製品名:LA960)を用いた。
~ランク~
A:油浮きが観察されず、かつ、乳化粒子の粒径が5μm未満であった。
B:油浮きが観察されず、かつ、乳化粒子の粒径が5μm以上10μm未満であった。
C:油浮きが観察され、かつ、乳化粒子の粒径が10μm以上であった。
2.使用感の評価
評価用試料についての使用感、具体的には、みずみずしさ、保湿感、及びベタツキについて、以下のように評価した。
2-1.みずみずしさ
調製直後の評価用試料を、モニター10人に以下の方法で使用してもらい、みずみずしさの評価を行った。
具体的には、モニターには、評価用試料を100μL指に取り、反対側の腕の前腕内側に塗り拡げてもらい、塗布後の肌に水分の存在が感じられる感触(即ち、みずみずしさ)の程度を元に、以下のランクを用いて、みずみずしさについて評価を行った。
各モニターが選択したランクのうち、一番選択数の多かったランクを、みずみずしさの評価結果とし、選択数が同数であった場合には、よりよい方のランクをみずみずしさの評価結果とした。最も優れる評価ランクは「A」である。
~ランク~
A:みずみずしさを強く感じる。
B:みずみずしさを感じる。
C:みずみずしさをわずかに感じる。
D:みずみずしさを感じない。
2-2.保湿感
調製直後の評価用試料を、モニター10人に以下の方法で使用してもらい、保湿感の評価を行った。
具体的には、モニターには、評価用試料を100μL指に取り、反対側の腕の前腕内側に塗り拡げてもらい、塗布後の肌において潤いの持続が感じられる感触(即ち、保湿感)を、以下の評価ランクを用いて評価を行った。
各モニターが選択したランクのうち、一番選択数の多かったランクを保湿感の評価結果とし、選択数が同数であった場合にはよりよい方のランクを保湿感の評価結果とした。最も優れる評価ランクは「A」である。
~ランク~
A:保湿感を強く感じる。
B:保湿感を感じる。
C:保湿感を僅かに感じる。
D:保湿感を感じない。
2-3.ベタツキ
調製直後の評価用試料を、モニター10人に以下の方法で使用してもらい、ベタツキの評価を行った。
具体的には、モニターには、評価用試料を100μL指に取り、反対側の腕の前腕内側に塗り拡げてもらい、塗り拡げている間又は塗布後の肌の表面のベタツキを、以下のランクを用いて評価を行った。
各モニターが選択したランクのうち、一番選択数の多かったランクをベタツキの評価結果とし、選択数が同数であった場合にはよりよい方のランクをベタツキの評価結果とした。最も優れる評価ランクは「A」である。
~ランク~
A:ベタツキを感じない。
B:ベタツキをほぼ感じない。
C:ベタツキを僅かに感じる。
D:ベタツキを感じる。
3.乳化安定性(分離耐性)の評価
評価用試料を、ルミサイザー装置専用のディスポーザブルセル(ポリカーボネート製、光路長10mm)に規定量充填した。評価用試料を充填したディスポーザブルセルを、LUM JAPAN社製の多検体・分散性評価 粒子径分布測定装置ルミサイザーにセットし、下記の測定条件により装置を運転して測定処理を行い、透過光プロファイルを得た。各評価用試料の透過光プロファイルから得られる測定処理前後の透過率の変化を指標とし、以下の評価ランクを用いて乳化安定性(分離耐性)を評価した。透過率変化が小さい程、評価用試料に分離が生じていないことを意味する。最も優れる評価ランクは「A」である。
-測定条件-
測定温度:25℃
重力加速度:×2300g
運転時間;632分間
~ランク~
A:透過率変化が、10未満
B:透過率変化が、10以上20未満
C:透過率変化が、20以上
Figure 2023032101000002

Figure 2023032101000003

Figure 2023032101000004

Figure 2023032101000005

Figure 2023032101000006

Figure 2023032101000007

表1~表6に示される結果から、以下のことが分かる。
実施例の各水中油型乳化組成物は、いずれも、みずみずしさを有し、保湿感に優れ、かつ乳化安定性に優れていた。
一方、ベタインを含有しない比較例1は、保湿感が得られず、かつ、乳化安定性にも劣っていた。
(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーを含有しない比較例2及び3、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーに代えて他のポリマーを用いた比較例4及び5では、みずみずしさと乳化安定性とを両立することができなかった。比較例2及び3は、調製直後の乳化性にも劣っていた。
化合物Iを含有しない比較例6及び7、並びに、化合物Iに代えてその他の成分を用いた比較例8~12は、いずれも乳化安定性に劣っていた。
化合物IIを含有しない比較例13は、保湿感が得られず、かつ、乳化安定性にも劣っていた。
油剤の含有率が10質量%を超える比較例14は、みずみずしさが得られなかった。
以下、表1~表6に記載の各成分の詳細を説明する。
・ベタイン(アミコート、旭化成ファインケム(株))
・(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー(SIMULGEL EG QD、SEPPIC(社))
・(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー(PEMULEN TR-2、ループリゾール(株))
・カルボマー(カーボポール 980、ループリゾール(株))
・ジェランガム(ケルコゲルHM、CPケルコ(社)、化合物I)
・ポリアクリルアミド(SEPIGEL305、SEPPIC(社)、化合物I)
・キサンタンガム(ノムコートZZ、日清オイリオグループ(株))
・寒天(伊那寒天 CS-120、伊那食品)
・ローカストビーンガム(GENUGUM RL-200-Z、三晶(株))
・ジラウロイルグルタミン酸リシンNa(ペリセア(登録商標)L-30、旭化成ファインケム)
・(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー(GT-700、ADEKA(株)、化合物II)
・ビスステアリルPEG/PPG-8/6(SMDI/PEG-400)コポリマー(AQUPEC(登録商標) HU C200、住友精化(株)、化合物II)
・(アクリレーツ/メタクリル酸ステアレス-20)コポリマー(ACULYN(登録商標) 22 RHEOLOGY MODIFIER、Dow Chemicals社、化合物II)
・(PEG-150/デシルアルコール/SMDI)コポリマー(ACULYN(登録商標) 44、DOW CHEMICALS社、化合物II))
・トリエチルヘキサノイン(TIO、日清オイリオグループ(株)、油剤)
・トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル(ココナードMT、花王、油剤)
・コハク酸ジエチルヘキシル(KAK DIOS、高級アルコール工業(株)、油剤)
・スクワラン(NIKKOL精製オリーブスクワラン、日光ケミカルズ(株)、油剤)
〔実施例22〕
1.リポソーム含有組成物Aの調製
油相組成物A、水相組成物A-1及び水相組成物A-2それぞれ調製し、得られた油相組成物A、水相組成物A-1及び水相組成物A-2を混合した後、撹拌し、乳化させ、リポソームを形成させることによりリポソーム含有組成物Aを調製した。
(油相組成物Aの調製)
ポリオキシエチレンフィトステロール(オキシエチレン基の平均付加モル数:20)、水素添加レシチン(水素添加大豆リン脂質、ホスファチジルコリンの含有率:90%以上)、コレステロール、テトラ2-ヘキシルデカン酸アスコルビル、グリチルレチン酸ステアリル、及び、無水エタノールを混合し、60℃で10分間加熱することにより溶解させ、油相組成物Aを得た。
(水相組成物A-1及びA-2の調製)
リン酸水素二ナトリウム無水物、リン酸二水素ナトリウム、トラネキサム酸(丸善製薬株式会社)、ワレモコウエキス(ジユエキスパウダー、丸善製薬株式会社)、及び、精製水を混合し、60℃で10分間加熱することにより溶解させ、水相組成物A-1を得た。
また、パラオキシ安息香酸メチル及び精製水を混合し、60℃で10分間加熱することにより溶解させ、水相組成物A-2を得た。
(リポソーム含有組成物Aの調製)
上記で得られた水相組成物A-1を60℃に保ったままホモミキサーにより撹拌した後(3400rpm、水相組成物A-1へ油相組成物Aを添加した。
添加後、3400rpmの条件で撹拌を45分間継続した。撹拌後、35℃以下まで冷却し、冷却後、水相組成物A-2を加え、攪拌混合により均一化した後、230メッシュろ布でろ過して、化粧料用組成物(リポソーム含有組成物A)を得た。
〔組成〕 〔含有量(質量%)〕
・ポリオキシエチレンフィトステロール 0.05
・水添レシチン 0.55
・コレステロール 0.15
・テトラ2-ヘキシルデカン酸グリセリル 0.05
・グリチルレチン酸ステアリル 0.0025
・無水エタノール 10.05
・リン酸水素二ナトリウム無水物 0.065
・リン酸二水素ナトリウム 0.003
・トラネキサム酸 0.050
・ワレモコウエキス 0.05
・メチルパラベン 0.2
・精製水 残量
2.水中油型乳化組成物の調製
下記の組成を有する水中油型乳化組成物を調製した(全量100質量%)。
〔組成〕 〔含有量(質量%)〕
・(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー 0.35
・ジェランガム 0.10
・(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー 0.15
・トリエチルヘキサノイン 5.0
・トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル 1.0
・グリセリン 2.0
・1,3ブチレングリコール 10.0
・べタイン 10.0
・トラネキサム酸 2.0
・グリチルレチン酸ステアリル 0.1
・γーオリザノール 0.001
・レシチン 0.01
・オレイン酸ポリグリセリル-10 0.01
・ステアリン酸スクロース 0.01
・リポソーム含有組成物A(上記により調製したもの) 1.0
・フェノキシエタノール 0.20
・メチルパラベン 0.10
・香料 適量
・水 残量

Claims (9)

  1. ベタインと、
    (アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーと、
    ジェランガム及びポリアクリルアミドからなる群から選択される少なくとも1種の化合物Iと、
    (PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー、ビスステアリルPEG/PPG-8/6(SMDI/PEG-400)コポリマー、(アクリレーツ/メタクリル酸ステアレス-20)コポリマー、及び、(PEG-150/デシルアルコール/SMDI)コポリマーからなる群から選択される少なくとも1種の化合物IIと、
    水中油型乳化組成物の全質量に対する含有率が0.10質量%~10質量%である油剤と、
    水中油型乳化組成物の全質量に対する含有率が60質量%以上である水と、を含有し、
    25℃おいてB型粘度計で測定した粘度が、1,000mPa・s~25,000mPa・sである、
    水中油型乳化組成物。
  2. 化合物IIの合計含有率が、水中油型乳化組成物の全質量に対して、0.01質量%~0.5質量%である、請求項1に記載の水中油型乳化組成物。
  3. (アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーの含有率が、水中油型乳化組成物の全質量に対して、0.10質量%~1.0質量%である、請求項1又は請求項2に記載の水中油型乳化組成物。
  4. 化合物Iの合計含有率が、水中油型乳化組成物の全質量に対して、0.01質量%~0.2質量%である、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の水中油型乳化組成物。
  5. (アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーの含有量に対する化合物Iの合計含有量の比率が、質量基準で、0.01~2である、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の水中油型乳化組成物。
  6. (アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーの含有量に対する化合物IIの合計含有量の比率が、質量基準で、0.01~5である、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の水中油型乳化組成物。
  7. ベタインの含有率が、水中油型乳化組成物の全質量に対して、0.10質量%~20質量%である、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の水中油型乳化組成物。
  8. 油剤が、エステル油を含む、請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の水中油型乳化組成物。
  9. 化粧料である、請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の水中油型乳化組成物。
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