JP2023031419A - アーク溶接制御方法 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023031419000001
【課題】正逆送給アーク溶接において、溶接電圧設定信号の値を変化させても溶接品質を良好に維持すること。
【解決手段】溶接ワイヤの送給をアーク期間中は正送し、短絡期間中は逆送し、溶接電圧設定信号Vrに基づいて溶接電圧Vwを制御するアーク溶接制御方法において、溶接電流設定信号Irを設定し、溶接電流設定信号Irを入力として溶接電圧設定信号Vrの基準値を設定し、溶接電流設定信号Irを入力として送給の正送振幅Wsr及び逆送振幅Wrrを設定し、溶接電圧設定信号Vrの値が基準値よりも増加するように修正されたときは、正送振幅Wsrを小さくなるように修正し、逆送振幅Wrrを大きくなるように修正し、溶接電圧設定信号Vrの値が基準値よりも減少するように修正されたときは、正送振幅Wsrを大きくなるように修正し、逆送振幅Wrrを小さくなるように修正する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、溶接ワイヤの送給をアーク期間中は正送し、短絡期間中は逆送し、溶接電圧設定信号に基づいて溶接電圧を制御するアーク溶接制御方法に関するものである。
一般的な消耗電極式アーク溶接では、消耗電極である溶接ワイヤを一定速度で送給し、溶接ワイヤと母材との間にアークを発生させて溶接が行なわれる。消耗電極式アーク溶接では、溶接ワイヤと母材とが短絡期間とアーク期間とを交互に繰り返す溶接状態になることが多い。
溶接品質をさらに向上させるために、溶接ワイヤの送給を正送と逆送とに交互に切り換えて溶接する正逆送給アーク溶接が慣用されている。この正逆送給アーク溶接では、一定の送給速度の従来技術に比べて、短絡とアークとの繰り返しの周期を安定化することができるので、スパッタ発生量の削減、ビード外観の改善等の溶接品質の向上を図ることができる。
溶接ワイヤを送給して行うアーク溶接においては、溶接電圧設定信号に基づいて溶接電圧が定電圧制御される。そして、溶接電圧設定信号の値が変化すると、定電圧制御によってアーク超が適正値に維持されるように制御される。特許文献1の発明では、正逆送給アーク溶接において、溶接電圧設定信号の値が変化したときのアーク長制御の過渡応答性を向上させるために、送給の振幅を変化させている。
特許第6125932号公報
正逆送給アーク溶接において、従来技術のように、溶接電圧設定信号の値が変化したときに送給の振幅を連動して変化させると、送給速度の平均値が変動することになり、溶接品質に影響を及ぼすおそれがある。
そこで、本発明では、正逆送給アーク溶接において、溶接電圧設定信号の値を変化させても溶接品質を良好に維持することができるアーク溶接制御方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、請求項1の発明は、
溶接ワイヤの送給をアーク期間中は正送し、短絡期間中は逆送し、溶接電圧設定信号に基づいて溶接電圧を制御するアーク溶接制御方法において、
溶接電流設定信号を設定し、前記溶接電流設定信号を入力として前記溶接電圧設定信号の基準値を設定し、前記溶接電流設定信号を入力として前記送給の正送振幅及び逆送振幅を設定し、
前記溶接電圧設定信号の値が前記基準値よりも増加するように修正されたときは、前記正送振幅を小さくなるように修正し、前記逆送振幅を大きくなるように修正し、
前記溶接電圧設定信号の値が前記基準値よりも減少するように修正されたときは、前記正送振幅を大きくなるように修正し、前記逆送振幅を小さくなるように修正する、
ことを特徴とするアーク溶接制御方法である。
請求項2の発明は、
前記溶接電圧設定信号の値が前記基準値よりも増加するように修正されたときの前記正送振幅の電圧増加修正量と前記逆送振幅の電圧増加修正量とは等しい値であり、
前記溶接電圧設定信号の値が前記基準値よりも減少するように修正されたときの前記正送振幅の電圧減少修正量と前記逆送振幅の電圧減少修正量とは等しい値である、
ことを特徴とする請求項1に記載のアーク溶接制御方法である。
請求項3の発明は、
前記溶接電圧設定信号の値が前記基準値よりも1V増加したときの前記電圧増加修正量は、前記溶接電圧設定信号の値が前記基準値よりも1V減少したときの前記電圧減少修正量よりも小さな値である、
ことを特徴とする請求項2に記載のアーク溶接制御方法である。
本発明によれば、正逆送給アーク溶接において、溶接電圧設定信号の値を変化させても溶接品質を良好に維持することができる。
本発明の実施の形態1に係るアーク溶接制御方法を実施するための溶接装置のブロック図である。 本発明の実施の形態1に係るアーク溶接制御方法を示す図1の溶接装置における各信号のタイミングチャートである。 本発明の実施の形態2に係るアーク溶接制御方法を実施するための溶接装置のブロック図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1に係るアーク溶接制御方法を実施するための溶接装置のブロック図である。以下、同図を参照して各ブロックについて説明する。
電源主回路PMは、3相200V等の商用電源(図示は省略)を入力として、後述する誤差増幅信号Eaに従ってインバータ制御等による出力制御を行い、出力電圧Eを出力する。この電源主回路PMは、図示は省略するが、商用電源を整流する1次整流器、整流された直流を平滑する平滑コンデンサ、平滑された直流を高周波交流に変換する上記の誤差増幅信号Eaによって駆動されるインバータ回路、高周波交流を溶接に適した電圧値に降圧する高周波変圧器、降圧された高周波交流を直流に整流する2次整流器を備えている。
リアクトルWLは、上記の出力電圧Eを平滑する。このリアクトルWLのインダクタンス値は、例えば100μHである。
送給モータWMは、後述する送給制御信号Fcを入力として、正送と逆送とを交互に繰り返して溶接ワイヤ1を送給速度Fwで送給する。送給モータWMには、過渡応答性の速いモータが使用される。溶接ワイヤ1の送給速度Fwの変化率及び送給方向の反転を速くするために、送給モータWMは溶接トーチ4の先端の近くに設置される場合がある。また、送給モータWMを2個使用して、プッシュプル方式の送給系とする場合もある。
溶接ワイヤ1は、上記の送給モータWMに結合された送給ロール5の回転によって溶接トーチ4内を送給されて、母材2との間にアーク3が発生する。溶接トーチ4内の給電チップ(図示は省略)と母材2との間には溶接電圧Vwが印加され、溶接電流Iwが通電する。溶接トーチ4の先端からはシールドガス(図示は省略)が噴出される。
溶接電流設定回路IRは、上記の溶接電流Iwの平均値を設定するための予め定めた溶接電流設定信号Irを出力する。
溶接電圧基準値設定回路VSRは、上記の溶接電流設定信号Irを入力として、予め定めた電圧算出関数によって溶接電圧基準値設定信号Vsrを出力する。電圧設定関数は、溶接電流設定信号Irの値に対応して適正なアーク長となる溶接電圧基準値設定信号Vsrの値を算出する関数であり、予め実験によって定義される。
溶接電圧微調整回路DVRは、上記の溶接電圧基準値信号Vsrの値を修正するための正負の値となる予め定めた溶接電圧微調整信号Dvrを出力する。
溶接電圧設定回路VRは、上記の溶接電圧基準値設定信号Vsr及び上記の溶接電圧微調整信号Dvrを入力として、両値を加算することによって溶接電圧基準値設定信号Vsrの値を修正して、溶接電圧設定信号Vrを出力する。溶接電流設定信号Ir=200Aであるときの溶接電圧基準値設定信号Vsr=21Vであるとする。また、溶接電圧微調整信号Dvr=-2Vであると、溶接電圧設定信号Vr=21-2=19Vとなる。
溶接電圧検出回路VDは、上記の溶接電圧Vwを検出して、溶接電圧検出信号Vdを出力する。
電圧誤差増幅回路EVは、上記の溶接電圧設定信号Vr及び上記の溶接電圧検出信号Vdを入力として、両値の誤差を増幅して、電圧誤差増幅信号Evを出力する。
溶接電流検出回路IDは、上記の溶接電流Iwを検出して、溶接電流検出信号Idを出力する。
短絡判別回路SDは、上記の溶接電圧検出信号Vdを入力として、この値が予め定めた短絡判別値(10V程度)未満のときは短絡期間にあると判別してHighレベルになり、以上のときはアーク期間にあると判別してLowレベルになる短絡判別信号Sdを出力する。
正送加速期間設定回路TSURは、予め定めた正送加速期間設定信号Tsurを出力する。
正送減速期間設定回路TSDRは、予め定めた正送減速期間設定信号Tsdrを出力する。
逆送加速期間設定回路TRURは、予め定めた逆送加速期間設定信号Trurを出力する。
逆送減速期間設定回路TRDRは、予め定めた逆送減速期間設定信号Trdrを出力する。
正送振幅基準値設定回路WSSRは、上記の溶接電流設定信号Irを入力として、予め定めた正送振幅算出関数によって正送振幅基準値設定信号Wssrを出力する。正送振幅算出関数は、溶接電流設定信号Irの値に対応して良好な溶接状態となる正送振幅基準値設定信号Wssrの値を算出する関数であり、予め実験によって定義される。
逆送振幅基準値設定回路WRSRは、上記の溶接電流設定信号Irを入力として、予め定めた逆送振幅算出関数によって逆送振幅基準値設定信号Wrsrを出力する。逆送振幅算出関数は、溶接電流設定信号Irの値に対応して良好な溶接状態となる逆送振幅基準値設定信号Wrsrの値を算出する関数であり、予め実験によって定義される。
正送振幅設定回路WSRは、上記の正送振幅基準値設定信号Wssr及び上記の溶接電圧微調整信号Dvrを入力として、以下の処理を行い、正送振幅設定信号Wsrを出力する。
1)Dvr≧0のときは、Wsr=Wssr+Ks1・Dvrを算出して出力する。ここで、Ks1は負の値の定数であり、Dvrの値が+1V増加したときの正送振幅の減少量となる。(Ks1・Dvr)は電圧増加修正量となる。
2)Dvr<0のときは、Wsr=Wssr+Ks2・Dvrを算出して出力する。ここで、Ks2は負の値の定数であり、Dvrの値が-1V減少したときの正送振幅の増加量となる。(Ks2・Dvr)は電圧減少修正量となる。
逆送振幅設定回路WRRは、上記の逆送振幅基準値設定信号Wrsr及び上記の溶接電圧微調整信号Dvrを入力として、以下の処理を行い、逆送振幅設定信号Wrrを出力する。逆送の送給速度は負の値であるが、以下の説明において、逆送振幅は絶対値として記載する。
1)Dvr≧0のときは、Wrr=Wrsr+Ks3・Dvrを算出して出力する。ここで、Ks3は正の値の定数であり、Dvrの値が+1V増加したときの逆送振幅の増加量となる。(Ks3・Dvr)は電圧増加修正量となる。
2)Dvr<0のときは、Wrr=Wrsr+Ks4・Dvrを算出して出力する。ここで、Ks4は正の値の定数であり、Dvrの値が-1V減少したときの逆送振幅の減少量となる。(Ks4・Dvr)は電圧減少修正量となる。
以下、上述した正送振幅設定信号Wsr及び逆送振幅設定信号Wrrの算出方法について数値例を挙げて説明する。
溶接電流設定信号Ir=200Aであるときの溶接電圧基準値設定信号Vsr=21Vであり、正送振幅基準値設定信号Wssr=50m/minであり、逆送振幅基準値設定信号Wrsr=40m/minであるとする。定数Ks1~Ks2は、溶接電圧微調整信号Dvrの値が1V変化したときの送給速度m/minの修正量である。Ks1=-7、Ks2=-5、Ks3=6、Ks4=4とする。
(1)溶接電圧微調整信号Dvrが+1V増加したときの正送振幅設定信号Wsr及び逆送振幅設定信号Wrrの値は、以下のようになる。
Wsr=Wssr+Ks1・Dvr=50+(-7)・(+1)=43m/minとなり、電圧増加修正量は-7m/minとなる。
Wrr=Wrsr+Ks3・Dvr=40+(+5)・(+1)=45m/minとなり、電圧増加修正量は+5m/minとなる。
(2)溶接電圧微調整信号Dvrが-1V減少したときの正送振幅設定信号Wsr及び逆送振幅設定信号Wrrの値は、以下のようになる。
Wsr=Wssr+Ks2・Dvr=50+(-6)・(-1)=56m/minとなり、電圧減少修正量は+6m/minとなる。
Wrr=Wrsr+Ks4・Dvr=40+(+4)・(-1)=36m/minとなり、電圧減少修正量は-4m/minとなる。
送給速度設定回路FRは、上記の正送加速期間設定信号Tsur、上記の正送減速期間設定信号Tsdr、上記の逆送加速期間設定信号Trur、上記の逆送減速期間設定信号Trdr、上記の正送振幅設定信号Wsr、上記の逆送振幅設定信号Wrr及び上記の短絡判別信号Sdを入力として、以下の処理によって生成された送給速度パターンを送給速度設定信号Frとして出力する。この送給速度設定信号Frが0以上のときは正送期間となり、0未満のときは逆送期間となる。
1)正送加速期間設定信号Tsurによって定まる正送加速期間Tsu中は0から正送振幅設定信号Wsrによって定まる正送振幅Wspまで加速する送給速度設定信号Frを出力する。
2)続いて、正送ピーク期間Tsp中は、上記の正送振幅Wspを維持する送給速度設定信号Frを出力する。
3)短絡判別信号SdがLowレベル(アーク期間)からHighレベル(短絡期間)に変化すると、正送減速期間設定信号Tsdrによって定まる正送減速期間Tsdに移行し、上記の正送振幅Wspから0まで減速する送給速度設定信号Frを出力する。
4)続いて、逆送加速期間設定信号Trurによって定まる逆送加速期間Tru中は0から逆送振幅設定信号Wrrによって定まる逆送振幅Wrpまで加速する送給速度設定信号Frを出力する。
5)続いて、逆送ピーク期間Trp中は、上記の逆送振幅Wrpを維持する送給速度設定信号Frを出力する。
6)短絡判別信号SdがHighレベル(短絡期間)からLowレベル(アーク期間)に変化すると、逆送減速期間設定信号Trdrによって定まる逆送減速期間Trdに移行し、上記の逆送振幅Wrpから0まで減速する送給速度設定信号Frを出力する。
7)上記の1)~6)を繰り返すことによって正負の台形波状に変化する送給パターンの送給速度設定信号Frが生成される。
送給制御回路FCは、上記の送給速度設定信号Frを入力として、送給速度設定信号Frの値に相当する送給速度Fwで溶接ワイヤ1を送給するための送給制御信号Fcを上記の送給モータWMに出力する。
減流抵抗器Rは、上記のリアクトルWLと溶接トーチ4との間に挿入される。この減流抵抗器Rの値は、短絡負荷(0.01~0.03Ω程度)の50倍以上大きな値(0.5~3Ω程度)に設定される。この減流抵抗器Rが通電路に挿入されると、リアクトルWL及び外部ケーブルのリアクトルに蓄積されたエネルギーが急放電される。
トランジスタTRは、上記の減流抵抗器Rと並列に接続されて、後述する駆動信号Drに従ってオン又はオフ制御される。
くびれ検出回路NDは、上記の短絡判別信号Sd、上記の溶接電圧検出信号Vd及び上記の溶接電流検出信号Idを入力として、短絡判別信号SdがHighレベル(短絡期間)であるときの溶接電圧検出信号Vdの電圧上昇値が基準値に達した時点でくびれの形成状態が基準状態になったと判別してHighレベルとなり、短絡判別信号SdがLowレベル(アーク期間)に変化した時点でLowレベルになるくびれ検出信号Ndを出力する。また、短絡期間中の溶接電圧検出信号Vdの微分値がそれに対応した基準値に達した時点でくびれ検出信号NdをHighレベルに変化させるようにしても良い。さらに、溶接電圧検出信号Vdの値を溶接電流検出信号Idの値で除算して溶滴の抵抗値を算出し、この抵抗値の微分値がそれに対応する基準値に達した時点でくびれ検出信号NdをHighレベルに変化させるようにしても良い。
低レベル電流設定回路ILRは、予め定めた低レベル電流設定信号Ilrを出力する。電流比較回路CMは、この低レベル電流設定信号Ilr及び上記の溶接電流検出信号Idを入力として、Id<IlrのときはHighレベルになり、Id≧IlrのときはLowレベルになる電流比較信号Cmを出力する。
駆動回路DRは、上記の電流比較信号Cm及び上記のくびれ検出信号Ndを入力として、くびれ検出信号NdがHighレベルに変化するとLowレベルに変化し、その後に電流比較信号CmがHighレベルに変化するとHighレベルに変化する駆動信号Drを上記のトランジスタTRのベース端子に出力する。したがって、この駆動信号Drはくびれが検出されるとLowレベルになり、トランジスタTRがオフ状態になり通電路に減流抵抗器Rが挿入されるので、短絡負荷を通電する溶接電流Iwは急減する。そして、急減した溶接電流Iwの値が低レベル電流設定信号Ilrの値まで減少すると、駆動信号DrはHighレベルになり、トランジスタTRがオン状態になるので、減流抵抗器Rは短絡されて通常の状態に戻る。
第1アーク期間設定回路TA1Rは、予め定めた第1アーク期間設定信号Ta1rを出力する。
第1アーク期間回路STA1は、上記の短絡判別信号Sd及び上記の第1アーク期間設定信号Ta1rを入力として、短絡判別信号SdがLowレベル(アーク期間)に変化し予め定めた遅延期間Tcが経過した時点から第1アーク期間設定信号Ta1rによって予め定めた第1アーク期間Ta1中はHighレベルとなる第1アーク期間信号Sta1を出力する。
第1アーク電流設定回路IA1Rは、予め定めた第1アーク電流設定信号Ia1rを出力する。
第3アーク期間回路STA3は、上記の短絡判別信号Sdを入力として、短絡判別信号SdがLowレベル(アーク期間)に変化した時点から予め定めた電流降下時間Tdが経過した時点でHighレベルになり、その後に短絡判別信号SdがHighレベル(短絡期間)になるとLowレベルになる第3アーク期間信号Sta3を出力する。
第3アーク電流設定回路IA3Rは、予め定めた第3アーク電流設定信号Ia3rを出力する。
電流制御設定回路ICRは、上記の短絡判別信号Sd、上記の低レベル電流設定信号Ilr、上記のくびれ検出信号Nd、上記の第1アーク期間信号Sta1、上記の第3アーク期間信号Sta3、上記の第1アーク電流設定信号Ia1r及び上記の第3アーク電流設定信号Ia3rを入力として、以下の処理を行い、電流制御設定信号Icrを出力する。
1)短絡判別信号SdがLowレベル(アーク期間)に変化した時点から第1アーク期間信号Sta1がHighレベルに変化するまでの遅延期間中は、低レベル電流設定信号Ilrの値となる電流制御設定信号Icrを出力する。
2)その後に、第1アーク期間信号Sta1がHighレベル(第1アーク期間)のときは、第1アーク電流設定信号Ia1rとなる電流制御設定信号Icrを出力する。
3)第1アーク期間信号Sta1がLowレベルに変化した時点から第3アーク期間信号Sta3がLowレベルに変化するまでの期間(第2アーク期間及び第3アーク期間)中は、第3アーク電流設定信号Ia3rとなる電流制御設定信号Icrを出力する。
4)短絡判別信号SdがHighレベル(短絡期間)に変化すると、予め定めた初期期間中は予め定めた初期電流設定値となり、その後は予め定めた短絡時傾斜で予め定めた短絡時ピーク設定値まで上昇してその値を維持する電流制御設定信号Icrを出力する。
5)その後に、くびれ検出信号NdがHighレベルに変化すると、低レベル電流設定信号Ilrの値となる電流制御設定信号Icrを出力する。
電流誤差増幅回路EIは、上記の電流制御設定信号Icr及び上記の電流検出信号Idを入力として、電流制御設定信号Icr(+)と電流検出信号Id(-)との誤差を増幅して、電流誤差増幅信号Eiを出力する。
電源特性切換回路SWは、上記の電流誤差増幅信号Ei、上記の電圧誤差増幅信号Ev、上記の第1アーク期間信号Sta1及び上記の第3アーク期間信号Sta3を入力として、以下の処理を行い、誤差増幅信号Eaを出力する。
1)第1アーク期間信号Sta1がLowレベルに変化し、第3アーク期間信号Sta3がHighレベルに変化するまでの第2アーク期間Ta2中は、電圧誤差増幅信号Evを誤差増幅信号Eaとして出力する。
2)それ以外の期間中は、電流誤差増幅信号Eiを誤差増幅信号Eaとして出力する。
この回路によって、溶接電源の特性は、短絡期間、遅延期間、第1アーク期間Ta1及び第3アーク期間Ta3中は定電流特性となり、第2アーク期間Ta2中は定電圧特性となる。
図2は、本発明の実施の形態1に係るアーク溶接制御方法を示す図1の溶接装置における各信号のタイミングチャートである。同図(A)は送給速度Fwの時間変化を示し、同図(B)は溶接電流Iwの時間変化を示し、同図(C)は溶接電圧Vwの時間変化を示し、同図(D)は短絡判別信号Sdの時間変化を示し、同図(E)は第1アーク期間信号Sta1の時間変化を示し、同図(F)は第3アーク期間信号Sta3の時間変化を示す。以下、同図を参照して各信号の動作について説明する。
同図(A)に示す送給速度Fwは、図1の送給速度設定回路FRから出力される送給速度設定信号Frの値に制御される。送給速度Fwは、図1の正送加速期間設定信号Tsurによって定まる正送加速期間Tsu、短絡が発生するまで継続する正送ピーク期間Tsp、図1の正送減速期間設定信号Tsdrによって定まる正送減速期間Tsd、図1の逆送加速期間設定信号Trurによって定まる逆送加速期間Tru、アークが発生するまで継続する逆送ピーク期間Trp及び図1の逆送減速期間設定信号Trdrによって定まる逆送減速期間Trdから形成される。さらに、正送振幅Wspは図1の正送振幅設定信号Wsrによって定まり、逆送振幅Wrpは図1の逆送振幅設定信号Wrrによって定まる。この結果、送給速度Fwは、正送期間は正の値となり逆送期間は負の値となり、正負の略台形波波状に変化する送給パターンとなる。
[時刻t1~t4の短絡期間の動作]
正送ピーク期間Tsp中の時刻t1において短絡が発生すると、同図(C)に示すように、溶接電圧Vwは数Vの短絡電圧値に急減するので、同図(D)に示すように、短絡判別信号SdがHighレベル(短絡期間)に変化する。これに応動して、時刻t1~t2の予め定めた正送減速期間Tsdに移行し、同図(A)に示すように、送給速度Fwは上記の正送振幅Wspから0まで減速する。例えば、正送減速期間Tsd=1msに設定される。
同図(A)に示すように、送給速度Fwは時刻t2~t3の予め定めた逆送加速期間Truに入り、0から上記の逆送振幅Wrpまで加速する。この期間中は短絡期間が継続している。例えば、逆送加速期間Tru=1msに設定される。
時刻t3において逆送加速期間Truが終了すると、同図(A)に示すように、送給速度Fwは逆送ピーク期間Trpに入り、上記の逆送振幅Wrpになる。逆送ピーク期間Trpは、時刻t4にアークが発生するまで継続する。したがって、時刻t1~t4の期間が短絡期間となる。逆送ピーク期間Trpは所定値ではないが、3ms程度となる。また、例えば、逆送振幅Wrp=40m/minに設定される。
同図(B)に示すように、時刻t1~t4の短絡期間中の溶接電流Iwは、予め定めた初期期間中は予め定めた初期電流値となる。その後、溶接電流Iwは、予め定めた短絡時傾斜で上昇し、予め定めた短絡時ピーク値に達するとその値を維持する。
同図(C)に示すように、溶接電圧Vwは、溶接電流Iwが短絡時ピーク値となるあたりから上昇する。これは、溶接ワイヤ1の逆送及び溶接電流Iwによるピンチ力の作用により、溶接ワイヤ1の先端の溶滴にくびれが次第に形成されるためである。
その後に溶接電圧Vwの電圧上昇値が基準値に達すると、くびれの形成状態が基準状態になったと判別して、図1のくびれ検出信号NdはHighレベルに変化する。
くびれ検出信号NdがHighレベルになったことに応動して、図1の駆動信号DrはLowレベルになるので、図1のトランジスタTRはオフ状態となり図1の減流抵抗器Rが通電路に挿入される。同時に、図1の電流制御設定信号Icrが低レベル電流設定信号Ilrの値に小さくなる。このために、同図(B)に示すように、溶接電流Iwは短絡時ピーク値から低レベル電流値へと急減する。そして、溶接電流Iwが低レベル電流値まで減少すると、駆動信号DrはHighレベルに戻るので、トランジスタTRはオン状態となり減流抵抗器Rは短絡される。同図(B)に示すように、溶接電流Iwは、電流制御設定信号Icrが低レベル電流設定信号Ilrのままであるので、アーク再発生から予め定めた遅延期間Tcが経過するまでは低レベル電流値を維持する。したがって、トランジスタTRは、くびれ検出信号NdがHighレベルに変化した時点から溶接電流Iwが低レベル電流値に減少するまでの期間のみオフ状態となる。同図(C)に示すように、溶接電圧Vwは、溶接電流Iwが小さくなるので一旦減少した後に急上昇する。上述した各パラメータは、例えば以下の値に設定される。初期電流=40A、初期期間=0.5ms、短絡時傾斜=180A/ms、短絡時ピーク値=400A低レベル電流値=50A、遅延期間Tc=0.5ms。
[時刻t4~t7のアーク期間の動作]
時刻t4において、溶接ワイヤの逆送及び溶接電流Iwの通電によるピンチ力によってくびれが進行してアークが発生すると、同図(C)に示すように、溶接電圧Vwは数十Vのアーク電圧値に急増するので、同図(D)に示すように、短絡判別信号SdがLowレベル(アーク期間)に変化する。これに応動して、時刻t4~t5の予め定めた逆送減速期間Trdに移行し、同図(A)に示すように、送給速度Fwは上記の逆送振幅Wrpから0まで減速する。例えば、逆送減速期間Trd=1msに設定される。
時刻t5において逆送減速期間Trdが終了すると、時刻t5~t6の予め定めた正送加速期間Tsuに移行する。この正送加速期間Tsu中は、同図(A)に示すように、送給速度Fwは0から上記の正送振幅Wspまで加速する。この期間中はアーク期間が継続している。例えば、正送加速期間Tsu=1msに設定される。
時刻t6において正送加速期間Tsuが終了すると、同図(A)に示すように、送給速度Fwは正送ピーク期間Tspに入り、上記の正送振幅Wspになる。この期間中もアーク期間が継続している。正送ピーク期間Tspは、時刻t7に短絡が発生するまで継続する。したがって、時刻t4~t7の期間がアーク期間となる。そして、短絡が発生すると、時刻t1の動作に戻る。正送ピーク期間Tspは所定値ではないが、5ms程度となる。また、例えば、正送振幅Wsp=50m/minに設定される。
時刻t4においてアークが発生すると、同図(C)に示すように、溶接電圧Vwは数十Vのアーク電圧値に急増する。他方、同図(B)に示すように、溶接電流Iwは、時刻t4から遅延期間Tcの間は低レベル電流値を継続する。これは、アークが発生した直後に電流値を上昇させると、溶接ワイヤの逆送と溶接電流による溶接ワイヤの溶融とが加算されて、アーク長が急速に長くなり、溶接状態が不安定になる場合があるためである。
正送加速期間Tsu中の時刻t51において、遅延期間Tcが終了すると、同図(E)に示すように、第1アーク期間信号Sta1がHighレベルに変化し、時刻t51~t61の予め定めた第1アーク期間Ta1に移行する。この第1アーク期間Ta1中は引き続き定電流制御され、同図(B)に示すように、図1の第1アーク電流設定信号Ia1rによって定まる所定の第1アーク電流Ia1が通電する。同図(C)に示すように、溶接電圧Vwは電流値及びアーク負荷によってさだまる値となり、大きな値となる。例えば、第1アーク期間Ta1=0.5msに設定され、第1アーク電流Ia1=400Aに設定される。
時刻t62において、アーク発生時点t4から予め定めた電流降下時間Tdが経過すると、同図(F)に示すように、第3アーク期間信号Sta3がHighレベルに変化する。時刻t61~t62の期間が第2アーク期間Ta2となる。この第2アーク期間Ta2中は、図1の溶接電圧設定信号Vrの値と図1の溶接電圧検出信号Vdの値が等しくなるように溶接電圧Vwが定電圧制御される。溶接電圧設定信号Vrは、図1の溶接電流設定信号Irを入力として予め定めた電圧算出関数によって溶接電圧基準値設定信号Vsrが算出され、この値に図1の溶接電圧微調整信号Dvrが加算されて算出される。すなわち、Vr=Vsr+Dvrである。同図(B)に示すように、第2アーク電流Ia2はアーク負荷によって変化するが、第1アーク電流Ia1よりも小さい値であり、かつ、第3アーク電流Ia3よりも大きな値となる。すなわち、Ia1>Ia2>Ia3となるように出力制御される。同図(C)に示すように、溶接電圧Vwは定電圧制御によって所定値に制御され、第1アーク期間Ta1の電圧値と第3アーク期間Ta3の電圧値との中間値となる。第2アーク期間Ta2は所定値ではないが、6ms程度となる。
第3アーク期間信号Sta3がHighレベルに変化する時刻t62から短絡が発生する時刻t7までの期間が、第3アーク期間Ta3となる。この第3アーク期間Ta3中は、定電流制御される。同図(B)に示すように、図1の第3アーク電流設定信号Ia3rによって定まる所定の第3アーク電流Ia3が通電する。同図(C)に示すように、溶接電圧Vwは電流値及びアーク負荷によって定まる値となる。例えば、第3アーク電流Ia3=60Aに設定される。第3アーク期間Ta3は所定値ではないが0.5ms程度となる。
以下、上述した実施の形態1の作用効果について説明する。
1)溶接電流設定信号Irを設定する。
2)溶接電流設定信号Irの値を入力として予め定めた電圧算出関数によって、溶接電圧基準値設定信号Vsrの値を算出する。
3)溶接電流設定信号Irの値を入力として予め定めた正送振幅算出関数によって、正送振幅基準値設定信号Wssrの値を算出する。
4)溶接電流設定信号Irの値を入力として予め定めた逆送振幅算出関数によって、逆送振幅基準値設定信号Wrsrの値を算出する。
5)溶接電圧微調整信号Dvrの値を正の値に設定することによって、溶接電圧設定信号Vrの値が溶接電圧基準値設定信号Vsrの値よりも増加するように修正されると、正送振幅設定信号Wsrの値を正送振幅基準値設定信号Wssrの値よりも小さくなるように修正し、逆送振幅設定信号Wrsの値を逆送振幅基準値信号Wrsrの値よりも大きくなるように修正する。
このように、溶接電圧設定信号Vrの値が基準値よりも増加するように修正されると、溶接状態は短絡・アークの繰り返し周期に占める短絡期間の時間比率(短絡時間率)が小さくなるように変化する。この結果、正送振幅及び逆送振幅が一定値であると、送給速度の平均値は増加することになり、ビード形状等の溶接品質が変動することになる。これに対処するために、本実施の形態のように、正送振幅を小さくし、逆送振幅を大きくすると、送給速度の平均値の変化を抑制することができるので、溶接品質の変動を抑制することができる。
6)溶接電圧微調整信号Dvrの値を負の値に設定することによって、溶接電圧設定信号Vrの値が溶接電圧基準値設定信号Vsrの値よりも減少するように修正されると、正送振幅設定信号Wsrの値を正送振幅基準値設定信号Wssrの値よりも大きくなるように修正し、逆送振幅設定信号Wrsの値を逆送振幅基準値信号Wrsrの値よりも小さくなるように修正する。
このように、溶接電圧設定信号Vrの値が基準値よりも減少するように修正されると、溶接状態は短絡時間率が大きくなるように変化する。この結果、正送振幅及び逆送振幅が一定値であると、送給速度の平均値は減少することになり、ビード形状等の溶接品質が変動することになる。これに対処するために、本実施の形態のように、正送振幅を大きくし、逆送振幅を小さくすると、送給速度の平均値の変化を抑制することができるので、溶接品質の変動を抑制することができる。
さらに好ましくは、実施の形態1によれば、溶接電圧設定信号Vrの値が基準値よりも増加するように修正されたときの正送振幅の電圧増加修正量と逆送振幅の電圧増加修正量とは等しい値であり、溶接電圧設定信号Vrの値が基準値よりも減少するように修正されたときの正送振幅の電圧減少修正量と逆送振幅の電圧減少修正量とは等しい値である。このようにすると、溶接電圧設定信号Vrの値が変化して短絡時間率が変化しても、送給速度の平均値の変動をより抑制することができるので、溶接品質を良好に維持することができる。
さらに好ましくは、実施の形態1によれば、溶接電圧設定信号Vrの値が基準値よりも1V増加したときの電圧増加修正量は、溶接電圧設定信号Vrの値が基準値よりも1V減少したときの電圧減少修正量よりも小さな値である。溶接電圧設定信号Vrの値を1V増加させたときと減少させたときとでは、短絡時間率の変化は増加させたときの方が小さい。このことを考慮して、上記のようにすると、溶接電圧設定信号Vrの値が増加又は減少して短絡時間率が変化しても、送給速度の平均値の変動をより抑制することができるので、溶接品質を良好に維持することができる。
[実施の形態2]
図3は、本発明の実施の形態2に係るアーク溶接制御方法を実施するための溶接装置のブロック図である。同図において、上述した図1と同一のブロックには同一の符号を付して、それらの説明は繰り返さない。同図は、図1に送給速度平均値設定回路FAR、送給速度平均値算出回路FAD及び送給速度誤差増幅回路EFを追加したものである。以下、同図を参照してこれらのブロックについて説明する。
送給速度平均値設定回路FARは、上記の溶接電流設定信号Irを入力として、予め定めた送給速度算出関数によって送給速度平均値設定信号Farを出力する。送給速度設定関数は、溶接電流設定信号Irの値に対応して送給速度平均値設定信号Farの値を算出する関数であり、予め実験によって定義される。
送給速度平均値算出回路FADは、上記の送給モータWMのエンコーダ、電機子電圧等からの送給速度検出信号Fdを入力として、その平均値を算出して、送給速度平均値算出信号Fadを出力する。
送給速度誤差増幅回路EFは、上記の送給速度平均値設定信号Far及び上記の送給速度平均値算出回路Fadを入力として、両値の誤差増幅値Ef=G・(Far-Fad)を出力する。ここで、Gは予め定めた正の値の増幅率である。
送給振幅制御設定回路WCRは、上記の送給速度誤差増幅信号Ef、上記の正送振幅設定信号Wsr及び上記の逆送振幅設定信号Wrrを入力として、正送振幅制御設定信号Wscr=Wsr+∫Ef・dtを算出して出力し、逆送振幅制御設定信号Wrcr=Wrr-∫Ef・dtを算出して出力する。
同図において、送給速度設定回路FRは、入力信号である正送振幅設定信号Wsrを上記の正送振幅制御設定信号Wscrに置換し、入力信号である逆送振幅設定信号Wrrを上記の逆送振幅制御設定信号Wrcrに置換したものである。その処理内容は、図1と同様であるので、説明は繰り返さない。
以下、上述した実施の形態2の作用効果について説明する。実施の形態2においては、上記の回路を追加することによって、溶接電圧設定信号Vrの値が変化して、短絡時間率が変化しても、送給速度平均値算出信号Fadが目標値である送給速度平均値設定信号Farと等しくなるように、正送振幅制御設定信号Wscr及び逆送振幅制御設定信号Wrcrがフィードバック制御によって変化する。このフィードバック制御において、初期値となる正送振幅設定信号Wsr及び逆送振幅設定信号Wrrは、溶接電圧設定信号Vrの値が変化して短絡時間率が変化しても、送給速度平均値が略一定値になるように実施の形態1の作用によって変化する。このために、フィードバック制御の収束値と初期値とが近い値となるので、定常状態に収束するまでの過渡期間が短くなるという効果がある。この結果、溶接品質の変動をより抑制することができる。
実施の形態2において、送給モータWMに、定速制御されるプッシュ送給モータと正逆送給制御されるプル送給モータの2個を使用してプッシュ・プル送給系とする場合がある。そして、両送給モータの間に溶接ワイヤを一時的に収用するワイヤバッファを設ける場合がある。このような形態において、ワイヤバッファに収容されるワイヤ量が基準量になるようにプル送給モータの正送振幅及び逆送振幅をフィードバック制御することによって、送給速度の平均値を一定にすることができる。このような形態においても、上述した実施の形態2の作用効果を奏することができる。
1 溶接ワイヤ
2 母材
3 アーク
4 溶接トーチ
5 送給ロール
CM 電流比較回路
Cm 電流比較信号
DR 駆動回路
Dr 駆動信号
DVR 溶接電圧微調整回路
Dvr 溶接電圧微調整信号
E 出力電圧
Ea 誤差増幅信号
EF 送給速度誤差増幅回路
Ef 送給速度誤差増幅信号
EI 電流誤差増幅回路
Ei 電流誤差増幅信号
EV 電圧誤差増幅回路
Ev 電圧誤差増幅信号
FAD 送給速度平均値算出回路
Fad 送給速度平均値算出信号
FAR 送給速度平均値設定回路
Far 送給速度平均値設定回路
FC 送給制御回路
Fc 送給制御信号
Fd 送給速度検出信号
FR 送給速度設定回路
Fr 送給速度設定信号
Fw 送給速度
G 増幅率
Ia1 第1アーク電流
IA1R 第1アーク電流設定回路
Ia1r 第1アーク電流設定信号
Ia2 第2アーク電流
Ia3 第3アーク電流
IA3R 第3アーク電流設定回路
Ia3r 第3アーク電流設定信号
ICR 電流制御設定回路
Icr 電流制御設定信号
ID 溶接電流検出回路
Id 溶接電流検出信号
ILR 低レベル電流設定回路
Ilr 低レベル電流設定信号
IR 溶接電流設定回路
Ir 溶接電流設定信号
Iw 溶接電流
ND くびれ検出回路
Nd くびれ検出信号
PM 電源主回路
R 減流抵抗器
SD 短絡判別回路
Sd 短絡判別信号
STA1 第1アーク期間回路
Sta1 第1アーク期間信号
STA3 第3アーク期間回路
Sta3 第3アーク期間信号
SW 電源特性切換回路
TA1R 第1アーク期間設定回路
Ta1r 第1アーク期間設定信号
Tc 遅延期間
Td 電流降下時間
TR トランジスタ
Trd 逆送減速期間
TRDR 逆送減速期間設定回路
Trdr 逆送減速期間設定信号
Trp 逆送ピーク期間
Tru 逆送加速期間
TRUR 逆送加速期間設定回路
Trur 逆送加速期間設定信号
Tsd 正送減速期間
TSDR 正送減速期間設定回路
Tsdr 正送減速期間設定信号
Tsp 正送ピーク期間
Tsu 正送加速期間
TSUR 正送加速期間設定回路
Tsur 正送加速期間設定信号
VD 溶接電圧検出回路
Vd 溶接電圧検出信号
VR 溶接電圧設定回路
Vr 溶接電圧設定信号
VSR 溶接電圧基準値設定回路
Vsr 溶接電圧基準値設定信号
Vw 溶接電圧
WCR 送給振幅制御設定回路
WL リアクトル
WM 送給モータ
Wrcr 逆送振幅制御設定信号
Wrp 逆送振幅
WRR 逆送振幅設定回路
Wrr 逆送振幅設定信号
WRSR 逆送振幅基準値設定回路
Wrsr 逆送振幅基準値設定信号
Wscr 正送振幅制御設定信号
Wsp 正送振幅
WSR 正送振幅設定回路
Wsr 正送振幅設定信号
WSSR 正送振幅基準値設定回路
Wssr 正送振幅基準値設定信号

Claims (3)

  1. 溶接ワイヤの送給をアーク期間中は正送し、短絡期間中は逆送し、溶接電圧設定信号に基づいて溶接電圧を制御するアーク溶接制御方法において、
    溶接電流設定信号を設定し、前記溶接電流設定信号を入力として前記溶接電圧設定信号の基準値を設定し、前記溶接電流設定信号を入力として前記送給の正送振幅及び逆送振幅を設定し、
    前記溶接電圧設定信号の値が前記基準値よりも増加するように修正されたときは、前記正送振幅を小さくなるように修正し、前記逆送振幅を大きくなるように修正し、
    前記溶接電圧設定信号の値が前記基準値よりも減少するように修正されたときは、前記正送振幅を大きくなるように修正し、前記逆送振幅を小さくなるように修正する、
    ことを特徴とするアーク溶接制御方法。
  2. 前記溶接電圧設定信号の値が前記基準値よりも増加するように修正されたときの前記正送振幅の電圧増加修正量と前記逆送振幅の電圧増加修正量とは等しい値であり、
    前記溶接電圧設定信号の値が前記基準値よりも減少するように修正されたときの前記正送振幅の電圧減少修正量と前記逆送振幅の電圧減少修正量とは等しい値である、
    ことを特徴とする請求項1に記載のアーク溶接制御方法。
  3. 前記溶接電圧設定信号の値が前記基準値よりも1V増加したときの前記電圧増加修正量は、前記溶接電圧設定信号の値が前記基準値よりも1V減少したときの前記電圧減少修正量よりも小さな値である、
    ことを特徴とする請求項2に記載のアーク溶接制御方法。
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