JP2023028475A - Negative electrode for power storage device - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は蓄電デバイス用負極に関する。 TECHNICAL FIELD The present invention relates to a negative electrode for an electric storage device.
安全性に着目した蓄電デバイスに係る先行技術として、負極活物質層の示差走査熱量分析において200℃以下で発熱ピークがない非水電解質二次電池が特許文献1に開示されている。先行技術は、200℃以下の温度範囲において負極活物質層の発熱を防ぎ、蓄電デバイスの安全性を確保する。
As a prior art related to an electricity storage device focusing on safety,
蓄電デバイスは、200℃を超えるさらに高い温度における安全性が求められている。 Electricity storage devices are required to be safe at temperatures even higher than 200°C.
本発明はこの要求に応えるためになされたものであり、蓄電デバイスの安全性を向上できる蓄電デバイス用負極を提供することを目的とする。 The present invention has been made to meet this demand, and an object of the present invention is to provide a negative electrode for an electricity storage device that can improve the safety of the electricity storage device.
この目的を達成するために本発明の蓄電デバイス用負極は、固体電解質および活物質を含む活物質層を有し、充電後の活物質層の、示差走査熱量分析における400℃以下の発熱ピークは2W/g以下である。 In order to achieve this object, the negative electrode for an electricity storage device of the present invention has an active material layer containing a solid electrolyte and an active material, and the exothermic peak at 400 ° C. or less in differential scanning calorimetry of the active material layer after charging is 2 W/g or less.
本発明の蓄電デバイス用負極によれば、400℃以下の温度範囲における発熱量を低減できるので、蓄電デバイスの安全性を向上できる。 According to the negative electrode for an electricity storage device of the present invention, the amount of heat generated in a temperature range of 400° C. or less can be reduced, so the safety of the electricity storage device can be improved.
以下、本発明の好ましい実施の形態について添付図面を参照して説明する。図1は一実施の形態における蓄電デバイス10の模式的な断面図である。本実施形態における蓄電デバイス10は、発電要素が固体で構成されたリチウムイオン固体電池である。発電要素が固体で構成されているとは、発電要素の骨格が固体で構成されていることを意味し、例えば骨格中に液体が含浸した形態を排除するものではない。
Preferred embodiments of the present invention will now be described with reference to the accompanying drawings. FIG. 1 is a schematic cross-sectional view of an
図1に示すように蓄電デバイス10は、順に正極11、電解質層14及び蓄電デバイス用負極15(以下「負極15」と称す)を含む。正極11、電解質層14及び負極15はケース(図示せず)に収容されている。電解質層14は固体電解質18(後述する)を含む。
As shown in FIG. 1, the
正極11は集電層12と活物質層13とが重ね合わされている。集電層12は導電性を有する部材である。集電層12の材料はNi,Ti,Fe及びAlから選ばれる金属、これらの2種以上の元素を含む合金やステンレス鋼、炭素材料が例示される。
A
活物質層13は固体電解質18(後述する)及び活物質19を含む。活物質層13の抵抗を低くするために、活物質層13に導電助剤が含まれていても良い。導電助剤は、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維、Ni、Pt及びAgが例示される。
活物質19は、遷移金属を有する金属酸化物が例示される。遷移金属を有する金属酸化物は、Mn,Co,Ni,Fe,Cr及びVの中から選択される1種以上の元素とLiとを含む酸化物が例示される。遷移金属を有する金属酸化物は、LiCoO2,LiNi0.8Co0.15Al0.05O2,LiMn2O4,LiNiVO4,LiNi0.5Mn1.5O4,LiNi1/3Mn1/3Co1/3O4及びLiFePO4が例示される。
The
活物質19と固体電解質18との反応の抑制を目的として、活物質19の表面に被覆層を設けることができる。被覆層は、Al2O3,ZrO2,LiNbO3,Li4Ti5O12,LiTaO3,LiNbO3,LiAlO2,Li2ZrO3,Li2WO4,Li2TiO3,Li2B4O7,Li3PO4及びLi2MoO4が例示される。
A coating layer can be provided on the surface of the
負極15は集電層16と活物質層17とが重ね合わされている。集電層16は導電性を有する部材である。集電層16の材料はNi,Ti,Fe,Cu及びSiから選ばれる金属、これらの元素の2種以上を含む合金やステンレス鋼、炭素材料が例示される。
In the
活物質層17は固体電解質18及び活物質20を含む。活物質層17の抵抗を低くするために、活物質層17に導電助剤が含まれていても良い。導電助剤は、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維、Ni、Pt及びAgが例示される。
図2は、図1のIIで示す部分を拡大した活物質層17(負極15)の部分断面図である。活物質層17は固体電解質18と、活物質20と、電解質塩が溶解したイオン液体21と、イオン液体21に分散した粒状のポリマー22と、を含む。
FIG. 2 is a partial cross-sectional view of the active material layer 17 (negative electrode 15) in which the portion indicated by II in FIG. 1 is enlarged.
固体電解質18はキャリアイオンを伝導する固体材料である。キャリアイオンは、Li+,Na+等が例示される。以下、Li+をキャリアイオンとする固体電解質18について説明する。固体電解質18は、酸化物系、硫化物系、水素化物系および有機系から選ばれる1種以上を含む。酸化物系の固体電解質18は、大気に暴露された際に有毒ガスの発生がないので好ましい。固体電解質18は、例えば酸化物の表面に水素化物が結合した複合体であっても良い。
酸化物系の固体電解質18は、NASICON型構造を有する酸化物、ペロブスカイト構造を有する酸化物、ガーネット型構造を有する酸化物が例示される。NASICON型構造を有する酸化物は、Li,M(MはTi,Zr及びGeから選ばれる1種以上の元素)及びPを少なくとも含む酸化物、例えばLi(Al,Ti)2(PO4)3及びLi(Al,Ge)2(PO4)3が挙げられる。ペロブスカイト構造を有する酸化物は、Li,Ti及びLaを少なくとも含む酸化物、例えばLa2/3-XLi3XTiO3が挙げられる。
The oxide-based
ガーネット型構造の酸化物の基本組成はLi5La3M2O12(M=Nb,Ta)である。ガーネット型構造の酸化物からなる固体電解質18は、Li,La,Zr及びOを含むものが好ましい。固体電解質18は、基本組成の5価のMカチオンを4価のカチオンに置換したLi7La3Zr2O12が例示される。
The basic composition of the garnet-type structure oxide is Li 5 La 3 M 2 O 12 (M=Nb, Ta). The
固体電解質18は、Li,La及びZr以外に、Mg,Al,Si,Ca,Ti,V,Ga,Sr,Y,Nb,Sn,Sb,Ba,Hf,Ta,W,Bi,Rb及びランタノイド(Laは除く)からなる群より選択される少なくとも1種の元素を含むことができる。例えばLi6La3Zr1.5W0.5O12,Li6.15La3Zr1.75Ta0.25Al0.2O12,Li6.15La3Zr1.75Ta0.25Ga0.2O12,Li6.25La3Zr2Ga0.25O12,Li6.4La3Zr1.4Ta0.6O12,Li6.5La3Zr1.75Te0.25O12,Li6.75La3Zr1.75Nb0.25O12,Li6.9La3Zr1.675Ta0.289Bi0.036O12,Li6.46Ga0.23La3Zr1.85Y0.15O12,Li6.8La2.95Ca0.05Zr1.75Nb0.25O12,Li7.05La3.00Zr1.95Gd0.05O12,Li6.20Ba0.30La2.95Rb0.05Zr2O12が挙げられる。
The
固体電解質18は、特にMg及び元素A(AはCa,Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも1種の元素)の少なくとも一方を含み、各元素のモル比が以下の(1)から(3)を全て満たすもの、又は、Mg及び元素Aの両方を含み、各元素のモル比が以下の(4)から(6)を全て満たすものが好適である。元素Aは、固体電解質18のイオン伝導率を高くするため、Srが好ましい。
(1)1.33≦Li/(La+A)≦3
(2)0≦Mg/(La+A)≦0.5
(3)0≦A/(La+A)≦0.67
(4)2.0≦Li/(La+A)≦2.5
(5)0.01≦Mg/(La+A)≦0.14
(6)0.04≦A/(La+A)≦0.17。
The
(1) 1.33≦Li/(La+A)≦3
(2) 0≦Mg/(La+A)≦0.5
(3) 0≦A/(La+A)≦0.67
(4) 2.0≦Li/(La+A)≦2.5
(5) 0.01≦Mg/(La+A)≦0.14
(6) 0.04≦A/(La+A)≦0.17.
硫化物系の固体電解質18は、結晶性のチオリシコン型、Li10GeP2S12型、アルジロダイト型、Li7P3S11型、Li2S-P2S5に代表されるガラスやガラスセラミック系が例示される。水素化物系の固体電解質18は、LiBH4とリチウムハライド化合物(LiI,LiBr,LiCl)及びリチウムアミド(LiNH2)との固溶体が例示される。有機系の固体電解質18は、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリアクリルニトリルが例示される。
The sulfide-based
活物質20は、Li、Li-Al合金、Li4Ti5O12、黒鉛、In、Si、Sn、Si-Li合金、Sn-Li合金、及び、Siを含む酸化物が例示される。Siを含む酸化物はSiOX(X>0)が好ましい。特にSiOX(0<X<2)は放電容量が大きく、充放電サイクル性能が良好なので好適である。
Examples of the
イオン液体21は電解質塩が溶解している。電解質塩は、正極11と負極15との間でキャリアイオンの授受を行うために用いられる化合物である。電解質塩のアニオンは、ハロゲン化物イオン(I-、Cl-、Br-等)、SCN-、BF4-、BF3(CF3)―、BF3(C2F5)-、PF6
-、ClO4
-、SbF6
-、N(SO2F)2
-、N(SO2CF3)2
-、N(SO2C2F5)2
-、B(C6H5)4
-、B(O2C2H4)2
-、C(SO2F)3
-、C(SO2CF3)3
-、CF3COO-、CF3SO2O-、C6F5SO2O-、B(O2C2O2)2
-が例示される。
An electrolyte salt is dissolved in the
N(SO2F)2 -を略称で[FSI]-:ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオンと呼び、N(SO2CF3)2 -を略称で[TFSI]-:ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオンと呼び、B(O2C2O2)2 -を略称で[BOB]-:ビスオキサレートボラートアニオンと呼び、C(SO2F)3 -を略称で[f3C]-:トリス(フルオロスルホニル)カルボアニオンと呼ぶ場合がある。 N(SO 2 F) 2 — is abbreviated as [FSI] − : bis(fluorosulfonyl)imide anion, and N(SO 2 CF 3 ) 2 — is abbreviated as [TFSI] − : bis(trifluoromethanesulfonyl)imide. B(O 2 C 2 O 2 ) 2 — is abbreviated as [BOB] − : bisoxalateborate anion, and C(SO 2 F) 3 — is abbreviated as [f3C] − : Tris( fluorosulfonyl) carbanion.
キャリアイオンがLi+の場合、電解質塩は、LiPF6、LiBF4、Li[FSI]、Li[TFSI]、Li[f3C]、Li[BOB]、LiClO4、LiBF3(CF3)、LiBF3(C2F5)、LiBF3(C3F7)、LiBF3(C4F9)、LiC(SO2CF3)3、LiCF3SO2O、LiCF3COO、LiRCOO(Rは炭素数1-4のアルキル基、フェニル基又はナフチル基)からなる群より選ばれる少なくとも1種が例示される。 When the carrier ion is Li + , the electrolyte salt is LiPF 6 , LiBF 4 , Li[FSI], Li[TFSI], Li[f3C], Li[BOB], LiClO 4 , LiBF 3 (CF 3 ), LiBF 3 (C 2 F 5 ), LiBF 3 (C 3 F 7 ), LiBF 3 (C 4 F 9 ), LiC(SO 2 CF 3 ) 3 , LiCF 3 SO 2 O, LiCF 3 COO, LiRCOO (R is the number of carbon atoms 1-4 alkyl groups, phenyl groups or naphthyl groups).
イオン液体21はカチオン及びアニオンからなる化合物であり、常温常圧で液体である。イオン液体21は、アンモニウム、イミダゾリウム、ピロリジニウム及びピペリジニウムからなる群から選ばれる1種以上をカチオン成分とするものが好適である。
The
イオン液体21のアニオン成分は特に限定されない。アニオン成分はBF4
-,N(SO2F)2
-等の無機アニオン、B(C6H5)4
-,CH3SO3
-,CF3SO3
-,N(SO2CF3)2
-,N(SO2C4F9)2
-等の有機アニオンが例示される。イオン液体21のアニオン成分が、電解質塩のアニオン成分と同じであると、イオン液体21に含まれるキャリアイオンとアニオンとの配位(相互作用)が制御し易くなるので好ましい。イオン伝導性を確保するため、イオン液体21の塩濃度は、例えば0.5-5mol/dm3である。
The anion component of the
イオン液体21は、N,N-ジエチル-N-メチル-N-(2-メトキシエチル)アンモニウム ビス(フルオロスルホニル)イミド(DEME-FSI)、N,N-ジエチル-N-メチル-N-(2-メトキシエチル)アンモニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(DEME-TFSI)、1-エチル-3-メチルイミダゾリウム ビス(フルオロスルホニル)イミド(EMI-FSI)、1-エチル-3-メチルイミダゾリウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(EMI-TFSI)、N-ブチル-N-メチルピペリジニウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、N-メチル-N-プロピルピペリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N-メチル-N-プロピルピロリジニウム ビス(フルオロスルホニル)イミド(P13-FSI)、N-メチル-N-プロピルピロリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(P13-TFSI)が例示される。
The
活物質層17において、固体電解質18、活物質20及びイオン液体21の合計量に対するイオン液体21の含有量(体積%)は、50体積%以下(0体積%は含む)が好適である。イオン液体21の染み出しの発生を低減するためである。
In the
イオン液体21の含有量(体積%)は、活物質層17を凍結させ、又は、4官能性のエポキシ系樹脂などに活物質層17を埋め込み固めた後、活物質層17の断面(研磨面や集束イオンビーム(FIB)を照射して得られた面)から無作為に選択した5000倍の視野を対象に、エネルギー分散型X線分光器(EDS)が搭載された走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて分析し、求める。分析は元素の分布を特定したり反射電子像のコントラストを画像解析したりして、固体電解質18、活物質20及びイオン液体21の面積を特定し、活物質層17の断面における面積の割合を活物質層17における体積の割合とみなしてイオン液体21の含有量(体積%)を得る。
The content (% by volume) of the
ポリマー22は、イオン液体21に分散する粒状の化合物(重合体)である。ポリマー22の材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリアミド、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、シリコーンが例示される。ポリマー22の材料は、イオン液体21に溶解しないものが選択される。
The
負極15の活物質層17は、固体電解質18と活物質20との間にポリマー22が介在するので、ポリマー22が無い場合に比べ、固体電解質18と活物質20とが直接に接する面積を小さくできる。これにより固体電解質18と活物質20との反応に伴う発熱量を低減できるので、固体電解質18と活物質20との間の反応が原因となって異常発熱する熱暴走リスクを低減できる。よって蓄電デバイス10の安全性を向上できる。
Since the
活物質20へのリチウムイオンの挿入・脱離によりエネルギー貯蔵を行う蓄電デバイス10では、充放電に伴い活物質20の体積が変化する。ポリマー22が、固体電解質18と活物質20との間に存在するので、充放電に伴う活物質20の体積変化をポリマー22が緩衝し、活物質20の破損等を低減し、活物質層17の構造を維持できる。よって充放電サイクル性能を確保できる。
In the
特にSiやSnが活物質20に含まれると蓄電デバイス10の放電容量を大きくできるが、その反面、充放電時の活物質20の体積変化が大きいので、活物質20の破損等のリスクが増す。しかし、活物質層17に含まれるポリマー22によって活物質20の体積変化を緩衝し、活物質20の破損等のリスクを低減できる。
In particular, if Si or Sn is contained in the
電解質塩が溶解したイオン液体21及び固体電解質18が活物質層17に含まれるので、活物質層17のイオン伝導性が向上する。例えば酸化物系の固体電解質18は一般に粒界抵抗が大きいが、固体電解質18と固体電解質18との間にイオン液体21が介在することにより、固体電解質18の粒界抵抗を低減できる。
Since the
固体電解質18や活物質20の周囲に存在するイオン液体21の中にポリマー22が散在するので、固体電解質18と固体電解質18との間の空隙、固体電解質18と活物質20との間の空隙、及び、活物質20と活物質20との間の空隙の一部をポリマー22が埋める。これにより固体電解質18、活物質20、イオン液体21及びポリマー22を含む組織が空隙を形成し難くなるので、固体電解質18及び活物質20がイオン液体21に接触する面積が小さくならないようにできる。よって活物質層17のイオン伝導性を確保できる。
Since the
活物質層17の中の空隙の一部をポリマー22が埋めるので、活物質層17に存在するイオン液体21が移動し難くなる。イオン液体21が移動し難いので、活物質層17に外力が加わったり活物質層17の周囲の温度が上がったりしても、活物質層17の中にイオン液体21の量が少ない部分が生じたり、イオン液体21が漏れ出したりしないようにできる。固体電解質18及び活物質20とイオン液体21との接触面積が小さくならないようにできるので、活物質層17の内部抵抗が上昇しないようにできる。
Since the
図3(a)はポリマー22の断面図であり、図3(b)は別のポリマー22の断面図である。「ポリマー22が粒状である」とは、断面が球に近いポリマー22が多いことをいう。ポリマー22が球状であることを確認するには、まず、負極15(図1参照)と電解質層14との間の界面に垂直な活物質層17の断面に現出するポリマー22を含む画像を、SEMを使って取得する。画像を取得する範囲は、SEMで観察している物体上の縦100μm横100μmの方形の範囲とする。
3(a) is a cross-sectional view of a
活物質層17の厚さが100μm未満であって、縦100μm横100μmの方形の範囲を活物質層17上に設定できない場合には、画像を取得する範囲の短辺を物体の厚さ方向に最大に設定し、面積が10000μm2になるように、物体の界面に沿って長辺を設定する。これにより物体上の10000μm2の範囲の画像を取得する。
If the thickness of the
断面の画像を取得した後、図3(a)及び図3(b)に示すように、画像処理によってポリマー22の外形23に外側から接する円のうち面積が最も小さい円24と、外形23に内側から接する円のうち面積が最も大きい円25と、をポリマー22ごとに求める。円24の直径Doと円25の直径Diとを求め、画像の中の(Do-Di)/2<Diの条件を満たすポリマー22の数が、画像の中のポリマー22の総数の80%以上の場合に、断面が球に近いポリマー22が多いといえるので、ポリマー22が球状であるという。
After acquiring the cross-sectional images, as shown in FIGS. 3A and 3B, image processing is performed to obtain a
ポリマー22の特定は、フーリエ変換赤外分光法(FTIR)や顕微鏡とFTIRとを組み合わせた顕微赤外分光法による分析で行うことができる。または物体からポリマー22を取り出して分析しても良い。核磁気共鳴装置(NMR)を使って分析しても良い。
The
ポリマー22の粒子径は、断面に現出するポリマー22の画像解析により求めた、ポリマー22の粒子ごとの面積に相当する面積をもつ円の直径(円相当径)のことをいう。固体電解質18の粒子径は、断面に現出する固体電解質18の画像解析により求めた固体電解質18の円相当径のことをいう。活物質20の粒子径は、断面に現出する活物質20の画像解析により求めた活物質20の円相当径のことをいう。ポリマー22の粒子径の最大値は、固体電解質18の粒子径の最大値よりも小さく、活物質20の粒子径の最大値よりも小さい。これによりイオン液体21の移動を低減するポリマー22の働きをさらに良くすることができる。
The particle diameter of the
ポリマー22の材料はシリコーンが好適である。耐熱性や化学的安定性に優れ、電位窓が広いからである。シリコーンは、シロキサン結合(Si-O)に有機基が結合した-Si(R1R2)-O-を骨格とする有機ケイ素化合物のポリマーオルガノポリシロキサンの総称である。有機基R1R2は、それぞれメチル基、ビニル基、フェニル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基などの官能基が例示される。シリコーンは構造や性質によってシリコーンゴム、シリコーンレジンに分類される。
A preferred material for the
シリコーンゴムは、有機基を多く含み、ゴム弾性を有する特徴をもち、代表的なものとしてジメチルポリシロキサンを架橋した構造をもつものがある。シリコーンゴムは、-50℃から250℃の範囲でゴム弾性を示す。直鎖状のジメチルポリシロキサンを架橋した構造は、-(R3 2SiO)a-で示す線状ポリオルガノシロキサンのブロックが挙げられる。 Silicone rubber contains many organic groups and is characterized by having rubber elasticity. Silicone rubber exhibits rubber elasticity in the range of -50°C to 250°C. Examples of the structure obtained by cross-linking linear dimethylpolysiloxane include blocks of linear polyorganosiloxane represented by —(R 3 2 SiO)a—.
R3は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基などから選択される、一種または二種以上の炭素原子数1-20からなる一価の有機基あるいはこれらの炭素原子に結合した水素原子の一部をハロゲン原子で置換した一価有機基などから選択される。表面の平滑性を確保するため、aは5-5000好ましくは10-1000が例示される。 R 3 is an alkyl group such as a methyl group, ethyl group, propyl group, butyl group, pentyl group, hexyl group, heptyl group, octyl group, decyl group, dodecyl group, tetradecyl group, hexadecyl group, octadecyl group; one or two or more monovalent organic groups having 1 to 20 carbon atoms selected from cycloalkyl groups such as cyclohexyl group and cyclooctyl group; aryl groups such as phenyl group and tolyl group; It is selected from monovalent organic groups in which part of hydrogen atoms bonded to atoms are substituted with halogen atoms. In order to ensure surface smoothness, a is 5 to 5000, preferably 10 to 1000.
シリコーンレジンは、R3SiO3/2やR3 2SiO2/2を構成単位とする3次元網目構造部を多くもつ。R3は上記の有機基である。シリコーンレジンは、とりわけ耐熱性に優れ、多くの溶媒に膨潤しない性質をもつ。 The silicone resin has many three-dimensional network structure parts having R 3 SiO 3/2 and R 3 2 SiO 2/2 as structural units. R3 is an organic group as described above. Silicone resins have excellent heat resistance and do not swell in many solvents.
ポリマー22は、全体がシリコーンゴムからなるもの、全体がシリコーンレジンからなるもの、シリコーンゴムとシリコーンレジンとの複合体が例示される。複合体は、シリコーンゴムの表面がシリコーンレジンで覆われているものが例示される。ポリマー22は、表面にシリコーンレジンを有するものが好ましい。表面にシリコーンゴムを有するポリマーに比べて分散性が良く、さらに電位窓が広くなるからである。表面にシリコーンレジンを有するポリマー22は、全体がシリコーンレジンからなるもの、シリコーンゴムの表面がシリコーンレジンで覆われているものが挙げられる。シリコーンゴムの表面がシリコーンレジンで覆われた複合体は、シリコーンゴムが弾性を示すので、より好ましい。
Examples of the
活物質層17にバインダーが含まれていても良い。バインダーは固体電解質18や活物質20を結着する。バインダーとイオン液体21とが分離して存在しても良いし、バインダーとイオン液体21とが混在しゲル状になっていても良い。バインダーは特に制限がないが、イオン液体21の電位窓よりも電位窓が広いものが好ましい。バインダーはポリフッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体が例示される。バインダーを溶かす溶媒が活物質層17に含まれていても良い。溶媒は炭酸エステル、アセトニトリル、1,2-ジメトキシエタンが例示される。
The
バインダーが含まれる場合、ポリマー22は、バインダーに対して5-30vol%の割合で混ざっているのが好ましい。ポリマー22がバインダーの結着性を妨げないようにすると共に、活物質層17の弾性を確保するためである。バインダーの含有量(体積%)は、活物質層17の断面の面積に占めるバインダーの面積の割合から特定できる。バインダーの面積は、SEM-EDSによる分析の画像解析から求めることができる。
When a binder is included, the
蓄電デバイス10は、例えば以下のように製造される。電解質塩を溶解したイオン液体21と固体電解質18とを混合したものに、バインダーを溶解した溶液を混合し、スラリーを作る。テープ成形後、乾燥して電解質層14のためのグリーンシート(電解質シート)を得る。
The
電解質塩を溶解したイオン液体21と固体電解質18とを混合したものに活物質19を混合し、さらにバインダーを溶解した溶液とポリマー22とを混合し、スラリーを作る。集電層12の上にテープ成形後、乾燥して正極11のためのグリーンシート(正極シート)を得る。
An
電解質塩を溶解したイオン液体21と固体電解質18とを混合したものに活物質20を混合し、さらにバインダーを溶解した溶液とポリマー22とを混合し、スラリーを作る。集電層16の上にテープ成形後、乾燥して負極15のためのグリーンシート(負極シート)を得る。
A mixture of an
電解質シート、正極シート及び負極シートをそれぞれ所定の形に裁断した後、正極シート、電解質シート、負極シートの順に重ね、互いに圧着して一体化する。集電層12,16にそれぞれ端子(図示せず)を接続しケース(図示せず)に封入して、順に正極11、電解質層14及び負極15を含む蓄電デバイス10が得られる。蓄電デバイス10は、正極11、電解質層14及び負極15に含まれるポリマー22がイオン液体21の移動を低減するので、内部抵抗の上昇を低減できる。
After the electrolyte sheet, the positive electrode sheet and the negative electrode sheet are each cut into a predetermined shape, the positive electrode sheet, the electrolyte sheet and the negative electrode sheet are stacked in this order and pressed against each other for integration. A terminal (not shown) is connected to each of the current collecting layers 12 and 16 and sealed in a case (not shown) to obtain the
本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。 The present invention will be described in more detail with reference to examples, but the present invention is not limited to these examples.
(評価用セル)
図4(a)は積層体31を含む評価用セル30の断面図である。評価用セル30は、活物質層17の示差走査熱量分析の準備のためのセルである。積層体31は円板状の非対称セルである。積層体31は、積層体31の外周に絶縁管33が配置された状態で、ステンレス鋼製の円柱状の導体32,34によって厚さ方向に一軸加圧されている。
(Evaluation cell)
FIG. 4A is a sectional view of the
図4(b)は積層体31の断面図である。積層体31は、電解質層14の片面に、集電層16と活物質層17とを重ねた負極15が配置されている。積層体31は、電解質層14のもう片面に、順にIn箔35、Li箔36、Cu箔37が配置されている。Cu箔37は導電性炭素で覆われている。
FIG. 4(b) is a cross-sectional view of the laminate 31. As shown in FIG. In the
(固体電解質の調製)
Li6.95Mg0.15La2.75Sr0.25Zr2.0O12となるように、Li2CO3,MgO,La(OH)3,SrCO3,ZrO2を秤量した。Li2CO3は、焼成時のLiの揮発を考慮し、元素換算で15mol%程度過剰にした。秤量した原料およびエタノールをジルコニア製ボールと共にナイロン製ポットに投入し、ボールミルで15時間粉砕混合した。ポットから取り出したスラリーを乾燥後、MgO製の板の上で仮焼成(900℃で1時間)した。仮焼成後の粉末およびエタノールをナイロン製ポットに投入し、ボールミルで15時間粉砕混合した。
(Preparation of solid electrolyte)
Li 2 CO 3 , MgO, La(OH) 3 , SrCO 3 and ZrO 2 were weighed to obtain Li 6.95 Mg 0.15 La 2.75 Sr 0.25 Zr 2.0 O 12 . Considering the volatilization of Li during firing, Li 2 CO 3 was made excessive by about 15 mol % in terms of element. The weighed raw materials and ethanol were put into a nylon pot together with zirconia balls, and pulverized and mixed in a ball mill for 15 hours. After drying the slurry taken out from the pot, it was calcined on a plate made of MgO (at 900° C. for 1 hour). The calcined powder and ethanol were put into a nylon pot and pulverized and mixed with a ball mill for 15 hours.
ポットから取り出したスラリーを乾燥後、直径12mmの金型に投入し、プレス成形により厚さが1.5mm程度の成形体を得た。冷間静水等方圧プレス機(CIP)を用いて1.5t/cm2の静水圧をさらに成形体に加えた。成形体と同じ組成の仮焼粉末で成形体を覆い、還元雰囲気において焼成(1100℃で4時間)し、固体電解質の焼結体を得た。交流インピーダンス法によって求めた焼結体のリチウムイオン伝導率は1.0×10-3S/cmであった。リチウムイオン伝導率の測定条件は、温度25℃、電圧10mV、周波数7MHz-100mHzとした。Ar雰囲気において焼結体を粉砕し、固体電解質の粉末(以下「LLZ」と称す)を得た。 After the slurry was taken out from the pot and dried, it was put into a mold with a diameter of 12 mm and press-molded to obtain a compact with a thickness of about 1.5 mm. An additional hydrostatic pressure of 1.5 t/cm 2 was applied to the compact using a cold isostatic press (CIP). The molded body was covered with calcined powder having the same composition as the molded body and fired in a reducing atmosphere (at 1100° C. for 4 hours) to obtain a sintered body of solid electrolyte. The lithium ion conductivity of the sintered body determined by the AC impedance method was 1.0×10 −3 S/cm. The conditions for measuring the lithium ion conductivity were a temperature of 25° C., a voltage of 10 mV, and a frequency of 7 MHz to 100 mHz. The sintered body was pulverized in an Ar atmosphere to obtain a solid electrolyte powder (hereinafter referred to as "LLZ").
(電解液の調製)
イオン液体N-メチル-N-プロピルピロリジニウム ビス(フルオロスルホニル)イミド(P13-FSI、試薬特級)に、電解質塩LiN(SO2F)2を3mol/dm3複合し、電解質塩が溶解したイオン液体(電解液)を得た。
(Preparation of electrolytic solution)
An ionic liquid N-methyl-N-propylpyrrolidinium bis(fluorosulfonyl)imide (P13-FSI, reagent special grade) was combined with an electrolyte salt LiN(SO 2 F) 2 at 3 mol/dm 3 to dissolve the electrolyte salt. An ionic liquid (electrolyte) was obtained.
(負極の作製)
Ar雰囲気において、活物質20(SiO)と導電助剤(繊維状炭素)とを乳鉢で混合し、これとは別に固体電解質18(LLZ)と電解液とを乳鉢で混合した。これらを乳鉢で混合した後、バインダー(ポリフッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体)を溶媒(炭酸ジメチル)に溶かした10質量%バインダー溶液とポリマー22(シリコーンレジン)とをさらに加え、混練してスラリーを得た。スラリーに炭酸ジメチルを加えてスラリーの粘度を調整した。割合は、活物質20:導電助剤:固体電解質18:電解液:ポリマー:バインダー=53.3:0.9:9.8:27.6:1.3:7.1(体積比)であった。
(Preparation of negative electrode)
In an Ar atmosphere, the active material 20 (SiO) and the conductive aid (fibrous carbon) were mixed in a mortar, and the solid electrolyte 18 (LLZ) and the electrolytic solution were separately mixed in a mortar. After mixing these in a mortar, a 10% by mass binder solution of a binder (polyvinylidene fluoride-hexafluoropropylene copolymer) dissolved in a solvent (dimethyl carbonate) and polymer 22 (silicone resin) were further added and kneaded. A slurry was obtained. Dimethyl carbonate was added to the slurry to adjust the viscosity of the slurry. The ratio is active material 20: conductive aid: solid electrolyte 18: electrolytic solution: polymer: binder = 53.3: 0.9: 9.8: 27.6: 1.3: 7.1 (volume ratio). there were.
集電層16(導電性炭素で覆われたCu箔)にスラリーを塗布した後、90℃で1時間の真空加熱乾燥をして負極シートを得た。負極シートを直径10mmの円形に切り抜き、集電層16と活物質層17とを含む円形の負極15を得た。
After the slurry was applied to the current collecting layer 16 (Cu foil covered with conductive carbon), it was vacuum-heated and dried at 90° C. for 1 hour to obtain a negative electrode sheet. A circle with a diameter of 10 mm was cut out from the negative electrode sheet to obtain a circular
(評価用セルの作製)
LLZ:電解液=68:32(体積比)となるように、Ar雰囲気においてLLZと電解液とを乳鉢で混合し、複合粉末を得た。Ar雰囲気において、導体32を配置した絶縁管33(内径10mm)の中に複合粉末75mgを投入した後、絶縁管33の中に導体34を入れ、導体32,34に185MPaの圧力を加えて電解質層14を一軸成形した。絶縁管33から導体34を抜いた後、活物質層17が電解質層14に接するように負極15を絶縁管33の中へ入れた。絶縁管33の中に導体34を入れ、導体32,34に518MPaの圧力を加えて、電解質層14の片面に負極15を配置した。
(Preparation of cell for evaluation)
LLZ and the electrolytic solution were mixed in a mortar in an Ar atmosphere so that LLZ:electrolyte solution=68:32 (volume ratio) to obtain a composite powder. In an Ar atmosphere, after putting 75 mg of the composite powder into the insulating tube 33 (with an inner diameter of 10 mm) in which the
絶縁管33から導体32を抜いた後、絶縁管33の中へIn箔35、Li箔36、Cu箔37の順に入れた。絶縁管33の中に導体32を入れた後、導体32,34に100MPaの圧力を加えて、電解質層14のもう片面にIn箔35、Li箔36及びCu箔37を配置し、積層体31を得た。In箔35及びCu箔37は直径10mmの円形、Li箔36は直径9mmの円形とした。ねじ(図示せず)の軸力で積層体31に導体32,34を押し付けることにより評価用セル30を得た。
After removing the
導体32,34にそれぞれ端子(図示せず)を取り付けた後、Ar雰囲気において、アルミニウムのラミネート袋の外に端子を引き出した状態で、評価用セル30をラミネート袋に封入した。
After terminals (not shown) were attached to the
(評価用セルの充電)
25℃の室内で、評価用セル30の端子電圧が-0.6V(vs.InLi/Li+)に達するまで0.05mA/cm2の定電流で活物質層17を充電した後、端子電圧が1.0V(vs.InLi/Li+)に達するまで0.05mA/cm2の定電流で活物質層17を放電した。この充放電を2回行った後、端子電圧が-0.6V(vs.InLi/Li+)に達するまで0.05mA/cm2の定電流で活物質層17を充電した。
(Charging of evaluation cell)
After charging the
(試料の採取)
活物質層17が充電された評価用セル30を、Ar雰囲気においてラミネート袋から取り出し、評価用セル30を解体し、絶縁ピンセットを使って電解質層14から負極15を剥がした。Ar雰囲気において、絶縁ピンセットを使って負極15の活物質層17を削り落とし、示差走査熱量分析用のステンレス鋼製の容器に活物質層17の一部を密封した。
(Sample collection)
The
(示差走査熱量分析)
示差走査熱量計(株式会社リガク、Thermo plus EVO2 DSCvesta)に容器をセットした後、Ar雰囲気において5℃/分の速度で25℃から400℃まで昇温して活物質層17の示差走査熱量分析を行った。図5は示差走査熱量分析の一例である。図5に示すように活物質層17は示差走査熱量分析において400℃以下に複数の発熱ピークがみられたが、いずれの発熱ピークも2W/g以下であった。
(Differential scanning calorimetry)
After setting the container in a differential scanning calorimeter (Rigaku Corporation, Thermo plus EVO2 DSCvesta), the temperature was raised from 25° C. to 400° C. at a rate of 5° C./min in an Ar atmosphere, and differential scanning calorimetry of the
本実施例では最も大きい発熱ピークは約0.7W/gであったが、活物質20と固体電解質18との割合、活物質20の種類、活物質層17に含まれるポリマー22の量などによって、発熱ピークの大きさは変化する。発熱ピークの大きさが変化しても、400℃以下の発熱ピークが2W/g以下であれば、その発熱量からみて蓄電デバイス10の安全性を向上できると考えられる。本実施例によれば、400℃以下の温度範囲における活物質層17の発熱量を低減できるので、蓄電デバイス10の安全性を向上できることが明らかになった。
In this example, the maximum exothermic peak was about 0.7 W/g, but depending on the ratio of the
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。 The present invention has been described above based on the embodiments, but the present invention is not limited to the above-described embodiments, and various modifications and improvements are possible without departing from the scope of the present invention. can be inferred.
実施形態では、蓄電デバイス10として、集電層12の片面に活物質層13が設けられた正極11、及び、集電層16の片面に活物質層17が設けられた負極15を備えるものを説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば集電層12の両面に活物質層13と活物質層17とをそれぞれ設けた電極層(いわゆるバイポーラ電極)を備える蓄電デバイスに、実施形態における各要素を適用することは当然可能である。バイポーラ電極と電解質層14とを交互に積層しケース(図示せず)に収容すれば、いわゆるバイポーラ構造の蓄電デバイスが得られる。
In the embodiment, the
実施形態では、負極15の活物質層17にイオン液体21が含まれる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。イオン液体21を省略することは当然可能である。
Although the case where the
実施形態では、活物質層13,17及び電解質層14の全てにポリマー22が含まれる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。活物質層17以外のポリマー22を省略することは当然可能である。
In the embodiment, the case where all of the active material layers 13 and 17 and the
実施形態では、リチウムイオン電池を例示して蓄電デバイス10を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。他の蓄電デバイスとしては、ナトリウムイオン電池、リチウム硫黄電池、リチウム酸素電池、リチウム空気電池などの他の二次電池、電解コンデンサが挙げられる。
In the embodiment, the
15 蓄電デバイス用負極
17 活物質層
18 固体電解質
20 活物質
21 イオン液体
22 ポリマー
15 Negative Electrode for
Claims (5)
充電後の前記活物質層の、示差走査熱量分析における400℃以下の発熱ピークは2W/g以下である負極。 A negative electrode for an electricity storage device having an active material layer containing a solid electrolyte and an active material,
The negative electrode, wherein the exothermic peak at 400° C. or lower in differential scanning calorimetry of the active material layer after charging is 2 W/g or lower.
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