JP2023028203A - 画像形成装置 - Google Patents

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敬亮 吉田
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Abstract

【課題】 幅方向の長さが所定幅以上の記録材が定着ニップ部に搬送された場合と、定着ベルトを幅方向に広く移動させるステアリング制御が行われていた。すると定着ベルトの表面粗さの差が顕著になり、定着後の記録材上の画像にグロスムラが生じる虞があった。【解決手段】 画像形成装置はステアリングローラを揺動させる制御を行う制御部を有し、制御部は第一のモードと第二のモードとによってステアリングローラを制御し、幅方向において定着ニップ部に搬送される記録材の画像領域が所定幅より小さい場合、制御部は第一のモードによってステアリング制御を行い、定着ニップ部に搬送される記録材の画像領域が所定幅以上である場合、制御部は第二のモードによってステアリング制御を行い、第二のモードでは定着ベルトが幅方向においてステアリングローラの中央位置に移動されるようにステアリングローラが制御される。【選択図】 図11

Description

本発明は、記録材上に画像形成可能な画像形成装置に関するものである。
画像形成装置は、記録材上の未定着トナー像を記録材に定着させる定着装置を有している。
定着装置は、未定着トナーに熱を与え、回転駆動される定着ベルトと、定着ベルトを加圧することで定着ベルトとの間にニップ部を形成し、回転駆動される加圧回転体と、を備える回転体対を有している。ニップ部に未定着トナーが乗った記録材が搬送されると、定着ベルトの熱と、加圧回転体による圧力とが記録材に加えられ、未定着トナーが記録材に定着される。
特許文献1には、定着ベルトを幅方向において、往復移動させるステアリング制御が開示されている。定着ベルトを所定の領域内において繰り返し往復移動させることで、定着ベルトがステアリングローラから脱輪してしまうことを抑制させることができる。また、記録材コバ部が、定着ベルトの同一領域を繰り返し通過することを抑制させることができる。そのため、定着ベルト表面の劣化を抑制させることができる。
ステアリング制御によって記録材のコバ部に起因する定着ベルト表面の傷を抑制させることはできる。しかしながら、繰り返し記録材のコバ部が定着ベルトに接触することで定着ベルト表面に凹みができてしまう。定着ベルト表面の凹凸状態は定着後のグロスに反映される。そのため、定着ベルト表面に凹みが生じた状態で定着が行われた場合、凹み部分が定着を行った領域のみ他の領域とはグロスが異なり線を引いたようなグロスムラが生じてしまう。そこで記録材のコバ部によって生じるグロスムラを目立たなくさせるために定着ベルト表面を研磨する研磨ローラが用いられる。研磨ローラの表面には砥粒が密に接着されており、研磨ローラが定着ベルト表面に当接し定着ベルトの表面は研磨される。これにより、定着ベルトの表面粗さを均一にさせ、定着後の画像にグロスムラが生じることを抑制させている、という技術が特許文献2に開示されている。
特開2015-59964号 特開2008-040363号
研磨ローラである研磨部材と定着ベルトとステアリングローラが用いられている構成では、定着ベルトの幅方向において研磨部材は定着ベルトよりも短い。そのため、定着ベルトには研磨部材が研磨できる領域と、研磨部材が研磨できない領域とがある。
また、研磨部材が定着ベルトを研磨している間、ステアリング制御が行われる。ステアリング制御によって、研磨部材が研磨できる領域は増えるが、研磨頻度が高い領域と研磨頻度が少ない領域とができてしまう。
一方で、定着ニップ部に記録材が通紙されている場合、コバ傷抑制のために定着ベルトが幅方向において広い範囲で移動されるステアリング制御が行われる。
従来、幅方向の長さが大きい記録材が定着ニップ部に搬送された場合でも、定着ベルトが幅方向において広い範囲で移動されるステアリング制御が行われていた。すると、研磨頻度の低い領域にコバ傷がつく頻度が高くなってしまうことで、研磨頻度の高い領域と低い領域との表面粗さの差が顕著になってしまう。その後、幅方向の長さが大きい記録材が定着ニップ部に搬送されると、定着ベルトの研磨頻度の高い領域と少ない領域とによって定着が行われることで画像表面にグロスムラが発生する虞があった。
そこで、幅方向の長さが大きい記録材が定着ニップ部に搬送された場合のステアリング制御を適切に行う必要があった。
上記課題を解決するために、本発明に係る画像形成装置は、回転可能な無端状の定着ベルトと、前記定着ベルト内周面に当接し、前記定着ベルトに熱を与える加熱ローラと、前記加熱ローラとともに前記定着ベルト内周面に当接するステアリングローラと、前記定着ベルトを加圧することによって定着ニップ部を形成し、前記定着ニップ部に未定着トナーが担持された記録材を挟持搬送させ未定着トナー像を記録材に定着させる加圧回転体と、前記定着ベルト表面に当接し、前記定着ベルトを研磨する研磨部材と、
前記研磨部材は前記定着ベルトに当接する位置と、離間する位置と、に移動可能であって、前記研磨部材は、前記定着ニップ部に記録材が搬送されている場合、定着ベルトから離間する位置に位置しており、前記定着ベルトの幅方向における前記定着ベルトの位置を検知するベルト位置検知部と、前記ベルト位置検知部の検知結果に基づいて、前記幅方向において前記定着ベルトを所定の位置に移動させるように前記ステアリングローラを揺動させる制御を行う制御部と、を備え、前記幅方向において、前記ベルト位置検知部は前記定着ベルトが第一所定位置にあることと、第二所定位置にあることと、を検知可能であり、前記幅方向において、前記第一所定位置と前記第二所定位置との前記定着ベルトの中心位置は、前記ステアリングローラの中心に対して前記ステアリングローラの一端部側に位置しており、前記第一所定位置の前記定着ベルトの中心位置は、前記第二所定位置の前記定着ベルトの中心位置に対して前記一端部側に位置しており、前記制御部は第一のモードと第二のモードとを含む複数のモードから選択されたモードによって前記ステアリングローラを制御し、記録材上にトナーが担持されうる領域を画像領域とし、前記定着ニップ部に搬送される記録材の前記画像領域の前記幅方向の長さが所定幅よりも小さい場合、前記制御部は前記第一のモードによって前記ステアリングローラを制御し、前記第一のモードでは、前記定着ベルトが前記第一所定位置に位置したことが検知されると、前記制御部は前記ステアリングローラを所定の第一の向きに傾斜させる動作を行い、前記定着ベルトが前記第二所定位置に位置したことが検知されると、前記制御部は前記ステアリングローラを傾斜させる動作を行わず、前記定着ニップ部に搬送される記録材の前記画像領域の前記幅方向の長さが所定幅以上である場合、前記制御部は前記第二のモードによって前記ステアリングローラを制御し、前記第二のモードでは、前記定着ベルトが前記第一所定位置に位置したことが検知されると、前記制御部は前記ステアリングローラを前記第一の向きに傾斜させる動作を行い、前記定着ベルトが前記第二所定位置に位置したことが検知されると、前記制御部は前記ステアリングローラを前記第一の向きに傾斜させる動作を行うことを特徴とする。
幅方向の長さが大きい記録材を定着させた場合に発生するグロスムラを抑制させることができる。
画像形成装置の構成を示す概略図である。 定着器断面の概略図である。 ステアリング機構を示す概略図である。 定着ベルトの位置を検知するセンサ部を示す概略図である。 制御部を説明するためのブロック図である。 定着ベルトの位置を検知するためのベルト位置検知部を示す概略図である。 定着ベルト一端部側における、幅方向の定着ベルト位置を示す概略図である。 第一のモードにおけるステアリング制御を示すフローチャートである。 ステアリングローラの傾斜角(Aと-A)を示すための図である。 記録材Sを定着させる際に第一のモードによってステアリング制御を行った場合の、定着ベルトの他端部を表した概略図である。 第二のモードにおけるステアリング制御を示すためのフローチャートである。 ステアリングローラの傾斜角(Bと-B)を示すための図である。 ステアリングローラの傾斜角(Cと-C)を示すための図である。 第一のモードにおいて、定着ベルト位置と代入値の関係を示す表である。 記録材Sを定着させる際に第二のモードによってステアリング制御を行った場合の、定着ベルトの他端部を表した概略図である。
<画像形成装置>
図1は画像形成装置100の構成を示す概略図である。図1に示すように、画像形成装置100は中間転写ベルト6の移動方向に沿ってイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4種類の画像形成部が配置されている。まず中間転写ベルト6上にトナー像が形成される過程について、イエローの画像形成部PYを例にとって説明する。
帯電器2によって回転駆動される感光ドラム3の表面が一様に帯電される(帯電)。その後、感光ドラム3表面に、露光装置5が入力される画像データに応じてレーザーを照射し、感光ドラム3表面上に静電潜像が形成される(露光)。その後、現像装置1により、感光ドラム上にイエローのトナー像が形成される(現像)。一次転写ローラ24は、イエロートナー像の電位極性とは逆の極性の電圧を中間転写ベルト6に印加させる。これにより、感光ドラム3上のイエロートナーは中間転写ベルト6に転写される(一次転写)。なお、転写されずに感光ドラム表面に残ったイエロートナーはトナークリーナー4によってかき取られ、感光ドラム3表面から除去される。この一連のプロセスはマゼンタPM、シアンPC、ブラックPKでも同様に行われる。その結果、中間転写ベルト6上にフルカラーのトナー像が形成される。
中間転写ベルト6上のトナー像は、二次転写ローラ対11、14によって形成される二次転写部n2へ搬送される。トナー像の搬送されるタイミングに合わせて記録材Aが記録材カセット10から1枚ずつ取り出されて二次転写部n2へ給送される。すると、中間転写ベルト6上のトナー像が記録材Aに転写される(二次転写)。
トナー像が転写された記録材Aは、定着装置30へ搬送され、定着装置30で熱及び圧力を受けて定着される(定着)。トナー像が定着された記録材Aは、排紙トレイ8へ排出される。
画像形成装置100は、モノクロ画像形成を行うこともできる。モノクロ画像形成時は、複数の画像形成部のうちブラックの画像形成部PKのみ駆動される。
記録材の両面に画像形成を行う、両面印刷について説明する。片面に画像形成された記録材Aは定着装置30から排出された後、フラッパー7によって紙パス18へ案内される。記録材Aが紙パス18から反転パス19に搬送されると、反転パス19上でスイッチバック搬送される。その後、記録材Aは両面パス20を通り、紙パス21に搬送される。このとき記録材Aは裏表反転された状態となる。その後、記録材Aは2次転写部n2に再び搬送され、トナー像が転写されると、定着装置30でトナー像の定着がおこなわれる。そして、両面印刷がおこなわれた記録材Aは排出トレイ8に排出される。
この、帯電から始まり、トナー像が定着された記録材Aが排出トレイ8に排出されるまでのプロセスを画像形成処理(プリントジョブ)とする。また、画像形成が行われている期間を画像形成処理中(プリントジョブ中)とする。
<定着装置>
次に本実施形態の定着装置30について図2を用いて説明する。
本実施形態では、無端状の定着ベルト310を用いた定着装置を採用している。図2において、矢印αで示す方向から記録材は搬送される。定着装置30は、定着ベルト310を有する加熱回転体300と、定着ベルト310に当接し圧力を与えることによって定着ベルト310とニップ部Nを形成する加圧回転体330と、を有する。
加熱回転体300は、定着ベルト310と、ステアリングローラ350と、パッド部材である定着パッド380と、加熱ローラ340と、を有する。定着パッド380と加熱ローラ340は定着ベルト内周面に当接される。また、定着パッド380と加熱ローラ340とによって定着ベルト310は張架されている。
加熱ローラ340は、アルミニウムやステンレスなどの金属により円筒状に形成される。本実施形態では、外径80mmのアルミニウム製のパイプにより形成されている。加熱ローラ340の内部に定着ベルト310を加熱するための手段としてハロゲンヒータ341が設置されている。ハロゲンヒータ341により、加熱ローラ340は所定の温度まで加熱される。ハロゲンヒータ341の熱により加熱された加熱ローラ340によって定着ベルト310は加熱される。定着ベルト310は、定着温度検知センサ(不図示)による温度検知結果に基づき、定着対象の記録材の坪量に応じた所定の目標温度に制御される。なお加熱手段は、ハロゲンヒータに限らず、例えば加熱ローラ340を電磁誘導加熱(IH)により発熱させる構成であっても良い。また、加熱ローラ340は、駆動モータM1からの駆動を受けることによって、矢印R1方向に回転駆動される。
定着ベルト310は、熱伝導性や耐熱性に優れており、その形状は、例えば、内径120mmで薄肉の無端状のベルトである。本実施形態においては、定着ベルト310は基層、基層の外側に弾性層、弾性層の外側に離型層、が形成された3層構造としている。基層は厚さ60μmで材質はポリイミド樹脂(PI)を、弾性層は厚さ300μmでシリコーンゴムを、離型層は厚さ30μmでフッ素樹脂としてのPFA(四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂)を用いている。後述する加圧回転体330が定着ベルト310を介して定着パッド380を加圧し回転駆動されることによって、定着ベルトは従動回転される。また、加熱ローラ340が駆動モータM1からの駆動を受けることで回転駆動されているため、定着ベルト310は加熱ローラ340の回転駆動によっても従動回転されていることになる。
定着パッド380は、定着ベルト310の内周面に、定着ベルト310を挟んで加圧回転体330と対向するように配置される。尚、本実施形態では定着パッド380と定着ベルト310との間に、例えばシリコーンオイルを含んだ潤滑シートやシリコーンオイル等の潤滑剤を介在させて、定着ベルト310と定着パッド380とが互いに滑らかに摺動できるようにしている。そのため、定着ベルト310内周面にはシリコーンオイル等のオイルが塗布された状態となっている。
加圧回転体330はアルミニウム製の円筒状の芯金を有し、芯金の外側に厚さが1mmの弾性層を有し、弾性層の外側にトナーとの分離性を高めるための離型層を有している。
また、加圧回転体330は矢印R2方向に回転駆動される。そのため、加圧回転体330と、定着パッド380と、によって挟まれた定着ベルト310は、加圧回転体330の回転駆動に対して従動して回転されている。
加圧回転体330を、定着ベルト310に対して、当接または離間可能に移動させる当接離間機構によって移動可能である。当接離間機構はフレーム385と、不図示の駆動モータを有する。フレーム385は画像形成装置100によって支持される。フレーム385は加圧回転体330を支持している。フレーム385は回転軸332を回転軸として、不図示の駆動モータから駆動を受けて、回転される。不図示の駆動モータによって、フレーム385が回転軸332を回転軸として、紙面上時計回りに回転されると、加圧回転体330は、矢印P方向に移動される。これにより、加圧回転体330は、記録材の搬送方向αに対して垂直方向に、定着ベルト310を挟んで定着パッド380に向かって当接される(当接状態)。これにより定着ニップ部Nが形成される。本実施形態では総加圧力2000Nで加圧され、定着ニップ部Nの幅は24mmである。フレーム385が回転軸332を回転軸として紙面上反時計回りに回転されると、加圧回転体330が定着ベルト310から離間された状態となる(離間状態)。
以上の説明により、加熱回転体300と加圧回転体330とによって未定着トナー像を担持した記録材は定着ニップ部Nで挟持搬送され、熱と圧力が加えられ、定着が行われる。
<ステアリングローラ>
次に本実施形態におけるステアリングローラ350について図2、図3を用いて説明を行う。
本実施形態の当接状態では、2000Nの力が定着ベルトに対して与えられている。そのため、記録材のコバ部によって定着ベルト310表面が傷つけられ、それにより光沢ムラが発生してしまう虞がある。以下にその詳細を後述する。
<紙コバ傷によるグロスムラ>
紙コバ傷とは、記録材の切れ端部分(コバ部)が定着ベルト表面と接触することで定着ベルト表面につく傷のことである。記録材に未定着トナーを定着させる際に、定着ベルト310がコバ部と接触する部分(コバ部接触部)は、コバ部と接触しない部分(コバ部非接触部)よりも大きなストレスがかかる。記録材コバ部によって傷つけられた領域は、コバ部非接触部に比べて凹んだ形状をしてしまう。このように記録材のコバ部によって、定着ベルト310表面に生じた凹みを紙コバ傷と呼んでいる。
未定着トナーを記録材に定着させる際、定着装置30は記録材に圧力及び熱を加える。このとき、定着ベルト310の表面状態が定着後の画像表面の光沢に反映される。定着ベルト310表面に凹凸が存在すると、その凹凸の状態が画像表面の光沢に反映されてしまうので、結果、画像表面上に光沢ムラ(グロスムラ)が生じてしまう。したがって、定着ベルト表面に紙コバ傷がついた状態で未定着トナーが記録材に定着されると、画像表面上に直線が引かれたようなグロスムラが生じてしまう。
本実施形態では、定着ベルト310表面の紙コバ傷を抑制させるために、定着ベルト310の幅方向において定着ベルト310を往復移動させる、ステアリング機構400によるステアリング制御が用いられる。
ステアリング制御について、図3を用いて説明を行う。
ステアリング機構400は、図3に示すように、ステアリングローラ350、ステアリングモータ401、ウォーム402、ウォームホイール403、フォーク板404を有している。ステアリングモータ401は正転方向と逆転方向に回転可能である。ステアリングモータ401が制御部600からの信号を受けて回転駆動されると、ステアリングモータ401に取り付けられたウォーム402が回転される。
ウォーム402の回転は、ウォームホイール403とフォーク板404とが一体形成された駆動変換部410によって、回転軸部405を揺動中心とするステアリングモータ401の回転軸線方向への揺動に変換される。即ち、ウォームホイール403は、ウォーム402に噛合されており、ウォーム402の回転に従って、ステアリングモータ401の回転軸線方向へ往復移動可能に設けられている。そうするために、ウォームホイール403の噛合面は、ウォーム402に対し回転軸線方向の中央部で噛合うように円弧状に形成されている。このようにして、ステアリングモータ401の回転に従ってウォーム402とウォームホイール403とを介し、駆動変換部410が回転軸部405を揺動中心に揺動し得る。
また、ステアリング機構400は、ステアリング操作軸406、ステアリングローラ支持アーム351、ベアリング部352を有している。これらステアリング操作軸406とステアリングローラ支持アーム351と、ベアリング部352とは一体的に形成され、ステアリングローラ350に取り付けられる。ベアリング部352は、ステアリングローラ350の回転軸を回転自在に支持している。ステアリングローラ支持アーム351は回動可能に設けられて、ベアリング部352を保持することでステアリングローラ350を回動可能に支持する。
ステアリングローラ支持アーム351には、上記した駆動変換部410に嵌合されるステアリング操作軸406が固定されている。ステアリング操作軸406は駆動変換部410のフォーク板404に嵌合され、駆動変換部410に嵌合された状態に維持されたまま駆動変換部410と共に動き得る。このように、駆動変換部410の揺動に連動してステアリングローラ350の傾きが変化する。つまり、ステアリングモータ401を駆動することによって、ステアリングローラ350の加熱ローラ340(図2参照)に対する配設角度を変更させることができる。こうして、ステアリングローラ350の舵角が調整されると、ステアリングローラ350と、加熱ローラ340と、によって張架された定着ベルト310がR1方向に回転することで、定着ベルト310はR1方向に回転しながら幅方向に蛇行するように往復移動される。そのため、定着ベルト310を幅方向の所定領域内で往復移動される、定着ベルト310のステアリング制御を実現できる。定着ベルト310は、ステアリングモータ401を正回転させてステアリングローラ350を傾けた場合と、ステアリングモータ401を逆回転させてステアリングローラ350を傾けた場合とで、移動方向が正反対となるようにして往復移動される。
このように、ステアリング機構400によって、定着ベルト310は幅方向において、ステアリングローラ350の領域内で所定の位置へ往復移動される。定着ベルト310が往復移動されることによって、記録材のコバ部が、定着ベルト310表面の同一領域を繰り返し通過することを抑制させることができる。これにより、定着ベルト310表面に生じる紙コバ傷を抑制させることができる。
<研磨機構>
記録材のコバ部によって、定着ベルト310は表面に凹凸ができてしまうことを前述した。そこで本実施形態の定着装置30は凹凸ができた定着ベルト310表面粗さを均すための研磨機構を備える。以下に研磨機構の説明を記載する。
研磨機構は研磨部材である研磨ローラ420と、研磨部材当接離間機構421とを有する。研磨ローラ420は例えば、直径12mmのステンレス等の金属を芯金として有している。芯金の表面には砥粒が密に接着してあり、砥粒一つの大きさは3μm~16μmである。ここで用いられる砥粒はアルミナで形成されている。そのため、砥粒は定着ベルト310の表面層よりも硬度が高く定着ベルト310表面を研磨するのに適している。このように、芯金の表面にアルミナ砥粒を密に接着させることで研磨ローラ420は形成される。しかしながら、研磨ローラ420は砥粒を有する構成でなくても良い。砥粒の部分を、表面性を粗くし凹凸をつけた金属で形成させることで、円筒状のローラ部分と研磨を行う部分とを一体形成させた研磨部材でもよい。
研磨ローラ420の幅方向における中心と、ステアリングローラ350の中心位置と、が一致するように、研磨ローラ420は配設される。しかしながら、製品の個体ごとに少なからず誤差が生じるため、磨ローラ420の幅方向における中心と、ステアリングローラ350の中心位置と、は多少ズレても良い。本実施形態では定着ベルト310の幅方向において、研磨ローラ420の長さは定着ベルト310よりも短い。定着ベルト310をステアリング制御によって幅方向に移動させても、幅方向における定着ベルト310の端部が研磨ローラ420に接触しないように構成されている。これは、定着ベルト310の内側に塗布されたオイルが、定着ベルト310の端部が研磨ローラ420に接触することで、研磨ローラ420に付着しないようにするためである。定着ベルト310の内側に塗布されたオイルが研磨ローラ420に付着した場合、オイルが研磨ローラ420から定着ベルト310表面に移される。オイルが付着した定着ベルト310の表面の領域が記録材の定着に使用された場合、オイルが記録材に移り画像不良が発生してしまう虞がある。そのため幅方向における研磨ローラ420の長さは定着ベルト310の長さから寄り制御の幅を引いた長さよりも短くしている。これにより、定着ベルト310をステアリング制御によって幅方向に移動させても、幅方向における定着ベルト310の端部が研磨ローラ420に接触せず、オイルに起因する画像不良を抑制させることができる。
研磨ローラ420は定着ベルト310を介して加熱ローラ340を押圧する。また、研磨ローラ420は研磨部材当接離間機構421によって、定着ベルト310に当接させる当接状態と、定着ベルト310から離間させる離間状態と、に移動可能である。研磨部材当接離間機構421は不図示のモータによって駆動される。研磨ローラ420が定着ベルト310に当接し、研磨する場合、図2中の矢印B方向に421aを回転軸として研磨部材当接離間機構421が回転される。これにより、研磨ローラ420が定着ベルト310に当接され、不図示のモータから駆動を受けて回転される。研磨ローラ420は図2中の定着ベルト310の回転方向R2とは逆方向に回転される。これにより定着ベルト310表面の研磨が行われる。ここでいう研磨とは、研磨ローラ420によって研磨した定着ベルト310の領域の表面粗さRzが0.5μm以上2.0μm以下になることを指す。研磨ローラ420が定着ベルト310表面を研磨している場合を研磨中とする。
研磨ローラ420による研磨が行われない場合、研磨部材当接離間機構421は研磨ローラ420を定着ベルト310から離間させる。離間させる場合、図2中の矢印の反対方向に421aを回転軸として研磨部材当接離間機構421が回転される。これにより、研磨ローラ420が定着ベルト310から離間される。
本実施形態では、定着ニップ部Nに記録材が搬送されている場合、研磨ローラ420は定着ベルト310から離間され、研磨は行われない。これは、研磨ローラ420がオフセットトナーによって汚れてしまうことを防ぐためである。定着ニップ部Nに記録材が搬送されている場合、記録材上のトナーが記録材に定着されずに定着ベルト310表面に付着することがある。定着ベルト310表面に付着したトナーはオフセットトナーと呼ばれる。オフセットトナーは、定着ベルト310の回転方向において定着ニップ部Nの下流に搬送される。研磨部材が定着ニップ部Nに記録材が搬送されているときに定着ベルト310に当接していた場合、オフセットトナーが研磨ローラ420に付着し研磨ローラ420表面の砥粒と砥粒の隙間に入り込んでしまう。すると、定着ベルト310表面を研磨する研磨効率が落ちてしまう。よって、定着ニップ部Nに記録材が搬送されている場合は研磨ローラ420を定着ベルト310から離間させる。
また、定着ニップ部Nに記録材が搬送されている場合、研磨部材当接離間機構421によって研磨ローラ420が定着ベルト310に対して当接する動作は行われない。定着ニップ部Nに記録材が搬送されているときに研磨ローラ420が定着ベルト310に対して当接した場合、当接による衝撃が定着ニップ部Nに伝わる。当接による衝撃によって、記録材上のトナーがずれて定着されてしまい画像不良となってしまう虞がある。これを防止するために、定着ニップ部Nに記録材が搬送されている場合は、研磨部材当接離間機構421によって研磨ローラ420が定着ベルト310に対して当接する動作は行われない。
研磨が行われるタイミングについて説明をする。まず、画像形成が行われると、制御部600が定着ニップ部Nを通過した幅サイズごとの記録材の枚数をカウントする。その後、記録材が定着ニップ部Nに搬送されなくなり、画像形成が終了される。画像形成終了時点で、カウントされた記録材の枚数が所定枚数(例えばA4紙の場合500枚)以上に達していた場合、画像形成終了後に研磨が行われる。このときの研磨は、カウントされた記録材の枚数に応じた分の時間行われる(カウントがA4紙500の場合10秒程度)。つまりカウントされた記録材の枚数が多ければ多いほど研磨時間は長くなる。研磨が行われると、記録材の枚数のカウントはリセットされる。研磨中、定着ベルト310は最低でも1周し、研磨される。カウントに応じた研磨を行うことによって、定着ベルト310表面の粗さに応じた研磨を行うことができ、過剰に研磨を行うこと、研磨が不足してしまうことを抑制することができる。画像形成終了時にカウントされた記録材の枚数が所定枚数(例えばA4紙の場合500枚)に達していなかった場合、研磨は行われない。この場合、カウントされた記録材の枚数は直後に行われる画像形成に持ち越される。同一のジョブで複数の画像形成が1時間以上中断せず(例えばA4紙の場合6000枚以上)継続して行われる場合、画像形成が開始されてから1時間後に、記録材は定着ニップ部Nに搬送されず画像形成が中断され、研磨が行われる。このとき研磨はおよそ1分間程度行われる。研磨が行われると、記録材の枚数のカウントはリセットされる。定着ベルト310表面にできるコバ傷は記録材が定着ニップ部Nを通過するごとに進行する虞がある。1時間以上のように長時間の画像形成が行われると画像形成終了時には、コバ傷が進行しすぎてしまう場合がある。コバ傷が進行しすぎてしまうと、研磨ローラ420の研磨では定着ベルト310の表面粗さを均一にできない虞がある。そのため、同一ジョブの複数の画像形成が1時間以上行われる場合は、1時間毎に研磨を行うことで、定着ベルト310の表面粗さを均一に保つことができる。
尚、画像形成が中断される場合とは、感光ドラム3の回転が停止し、画像形成が行われない場合を指す。
<定着ベルト位置検知>
図2、図3、図4を用いて、幅方向において定着ベルト310の位置を検知するための、ベルト位置検知部について説明する。
本実施形態では、幅方向において定着ベルト310端部の位置を検知するためのセンサ部390が設けられている。このセンサ部390の出力信号に基づいて、定着ベルト310の端部の位置が検出される。検出された定着ベルト310端部位置に基づいて上述したステアリング機構400が動作されることで、ステアリングローラ350の傾斜角が変更される。センサ部390の構成について、図4を用いて説明する。
図4で示すように、本実施形態のセンサ部390は、定着ベルト310の端部に当接する当接部材391と、当接部材391を支持するためのアーム部材392と移動部材としてのベルト位置検知部393と、定着ベルト310端部の位置を検知するための3つのセンサ394、395、396と、を有する。ベルト位置検知部としてのセンサ394、395、396は、例えば光学センサが用いられる。当接部材391は、幅方向の端部に当接するようにアーム部材392の一端側に配置されている。
アーム部材392は、コイルばね(不図示)によって、幅方向において定着ベルト310端部から中央部に向けて付勢される。アーム部材392は、当接部材391を介して幅方向の移動に追従するように回転可能に設けられている。アーム部材392の他端部側には、移動部材としてのベルト位置検知部393が設けられている。ベルト位置検知部393は例えば扇形柱の部材であり、円弧状の外周面に複数の開口部393aと複数の被検出部393bとが形成されている。このベルト位置検知部393に対し、開口部393aと被検出部393bとが形成された外周面に対向するように、3つのセンサ394、395、396がベルト位置検知部393の回転移動方向に沿って所定間隔を空けて並べて配置されている。
本実施形態では、定着ベルト310が幅方向の一端側から他端部側まで移動した際に、定着ベルト310の移動にあわせてベルト位置検知部393が回動する。ベルト位置検知部393が回動することに応じて、センサ394、395、396と被検出部393b(又は開口部393a)との位置関係が変化する。具体的には、センサ394、395、396が被検出部393bを検出している検出状態と、センサ394、395、396が開口部393aに対向するが故に被検出部393bを検出していない非検出状態との切り替えが行われる。
本実施形態では、センサ394、395、396には光学センサが用いられている。センサ394、395、396は光を照射する発光部と、発光部から照射された光の反射光を受光する受光部とを有する。センサ394、395、396は、発光部によりベルト位置検知部393に向けて所定光量の光を照射する。照射された光が、ベルト位置検知部393の被検出部393bによって遮られた場合、センサ394、395、396が有する受光部は、発光部から照射された光を受光しない。一方で、照射された光がベルト位置検知部393の開口部393aによって遮られなかった場合、受光部は発光部から照射された光を受光する。このようにベルト位置検知部393の移動に応じて、各センサ394、395、396における受光の有無が決められる。
<制御部>
図1に示すように、画像形成装置100は制御部600を備えている。制御部600について、図2乃至図4を参照しながら図5を用いて説明する。ただし、制御部600には図示した以外にも画像形成装置100を動作させるためのモータや電源等の各種機器が接続されているが、ここでは発明の本旨でないのでそれらの図示及び説明を省略する。
制御手段としての制御部600は、画像形成動作などの各種制御を行うものであり、例えばCPU601(Central Processing Unit)と、メモリ602とを有する。メモリ602は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などにより構成されている。メモリ602は、画像形成装置100を制御するための各種プログラムや各種データなどが記憶される。CPU601はメモリ602に記憶されている各種プログラムを実行可能であり、各種プログラムを実行して画像形成装置100を動作させ得る。
本実施形態の場合、CPU601は、メモリ602に記憶されている「画像形成ジョブ処理(プログラム)」や後述する「ステアリング制御」などを実行可能である。
メモリ602には、例えばベルト寄り制御処理の際に、ステアリング制御によって往復移動される定着ベルト310の端部位置を特定することや、センサ部390の故障有無を判定したりするために参照される「センサ値テーブル」などが記憶されている。なお、メモリ602は、各種プログラムの実行に伴う演算処理結果などを一時的に記憶することもできる。
制御部600には入出力インタフェースを介して、操作部40が接続されている。操作部40は、ユーザによる画像形成ジョブ処理などの各種プログラムの開始指示や、記録材のサイズ(A3、B4など)等の各種データの入力などを行うことが可能に、例えばタッチパネル式の液晶画面(表示部)などを有している。
液晶画面にはソフトウェアキーを含む各種画面を表示可能であり、ユーザによるソフトウェアキーへのタッチ操作に応じて予め割り当て済みの各種プログラムの開始指示などの各種機能が実行され得る。また、液晶画面はユーザに報知するために、画像形成装置の動作状況やエラー情報などの各種情報を表示可能である。即ち、本実施形態の場合、操作部40は報知手段として機能し得る。なお、エラー情報などの各種情報の報知は、上記したような表示による報知方法に限らず、スピーカなどの音発生手段による音による報知方法など適宜の方法であってよい。
操作部40から、記録材の幅方向における長さを入力することも可能である。操作部40から入力された記録材の幅方向における長さの情報は制御部600に送られる。送られた情報を基に、後述する、記録材の幅方向における長さによって、ステアリング制御を変更させる。記録材の幅方向における長さの情報を制御部に送る手段は、操作部40から入力される情報に限らない。例えば、不図示の幅方向に並べた記録材の有無検知センサ等によって、記録材の幅方向における長さを算出する手段でもよい。
制御部600にはさらに、入出力インタフェースを介して駆動モータM1、ステアリングモータ401、温度センサ370、ハロゲンヒータ341、センサ部390、ポジションセンサ407、加圧回転体330を駆動させるモータ、が接続されている。操作部40から画像形成ジョブの開始指示がなされた場合、制御部600(詳しくはCPU601)はメモリ602に記憶されている「画像形成ジョブ」を実行する。制御部600は、「画像形成ジョブ」の実行に基づいて画像形成装置100を制御する。それに伴い、制御部600は駆動モータM1を駆動して加熱ローラ340を回転させることにより定着ベルト310を回転させる。また、制御部600は、温度センサ370の検出結果に基づいて、定着ベルト310の表面温度が所望の目標温度(本実施形態では180℃)となるように、ハロゲンヒータ341を制御する。制御部600は加圧回転体330を駆動させるモータを制御しているため、加圧回転体330が定着ベルト310に当接しているか、離間しているかの判断を行うことも可能である。
本実施形態の場合、制御部600は、センサ部390の検出結果に基づいて、具体的には3つのセンサ394、395、396の出力信号の組み合わせ(後述する図6(b)参照)に基づいてステアリングモータ401を制御する。即ち、制御部600は,センサ部390の検出結果に基づいて定着ベルト310の端部位置を検出し、それに応じて求められる回転量に従ってステアリングモータ401を正転又は逆転させる。こうして、制御部600はステアリングモータ401により上述のステアリング機構400を動作させて、定着ベルト310をステアリング制御し得る。
<ベルト位置検知部>
上記したベルト位置検知部393について、図6(a)及び図6(b)を用いて説明する。図6(a)はベルト位置検知部393について説明するための上面図であり、図6(b)はベルト位置検知部393を用いた場合の各センサ394、395、396の出力信号の組み合わせを示す。図6(a)の27個の領域は、幅方向の定着ベルト310の9つ位置を、3つのセンサー(394、395、396)で検出する場合に用いられる構成である。例えば、各センサ394、395、396は被検出部393b1~393b5を検出している検出状態にあるとき、言い換えれば被検出部393b1~393b5に遮蔽された遮蔽状態にある場合、出力信号「0」を出力する。他方、各センサ394、395、396は被検出部393b1~393b5を検出していない非検出状態にあるとき、言い換えれば開口部393a1~393a4に対向した開放状態(非遮蔽状態とも呼ぶ)にある場合、出力信号「1」を出力する。
図6(b)において、「第一センサ」はセンサ394、「第二センサ」はセンサ395、「第三センサ」はセンサ396を示し、ベルトポジションは各センサ394、395、396の出力信号の組み合わせによって決まる値である。本実施形態の場合、制御部600はセンサ394、395、396の出力信号(0又は1)の組み合わせに応じて決まる上記のベルトポジションに従って、定着ベルト310の端部位置を9つに細分化した位置で検知可能である。
定着ベルト310の端部位置を9つに細分化した位置の説明を、図7を用いて行う。図7は搬送方向αから、加圧回転体330が下側に位置されるように、定着ベルト310の一端部側を表した図である。一端部側に対して幅方向において反対方向を他端部側とする。検知可能な位置は、定着ベルト310が一端側に最大限移動した「第一寄り切り」位置と、他端部側に最大限移動した「第二寄り切り」位置と、これら「第一寄り切り」位置と「第二寄り切り」位置との間を均等に細分化した7つの位置である。7つの位置は、「第一寄り切り」位置に近い方から順に「手前3」位置、「手前2」位置、「手前1」位置、「中」位置、「奥1」位置、「奥2」位置、「奥3」位置である。ここでいう「手前」、「奥」位置とは、画僧形成装置において、操作部40が設けられた側を「手前」側、その反対側を「奥」側とする。
なお、本実施形態の場合、被検出部393b1~393b5は、センサフラグ393の上記した移動位置に応じて同時にセンサ394、395、396の2つ以上が検出状態(0)であるか非検出状態(1)となるように配置されている。また、被検出部393b1~393b5は、定着ベルト310が「第一寄り切り」位置や「第二寄り切り」位置にある状態で、センサ394、395、396の全てが検出状態(あるいは非検出状態)となるように配置されている。
本実施形態では、「手前3」位置が第一所定位置、「手前1」位置が第二所定位置、「手前2」位置が第三所定位置である。「手前3」位置に対して、「手前2」位置は「中」位置側に位置する。「手前2」位置に対して、「手前1」位置は「中」位置側に位置する。
「中」位置に定着ベルト310が位置している場合は、幅方向において定着ベルト310の中心位置が定着ベルトの移動範囲の中心位置にあるまたはステアリングローラ350の中心位置にあることを示す。また、「手前1~3」位置に定着ベルト310が位置している場合は、幅方向において定着ベルト310の中心位置が、ステアリングローラ350の中心位置よりも一端部側に位置していることを示す。逆に、「奥1~3」位置に定着ベルト310が位置している場合は、幅方向において定着ベルト310の中心位置が、ステアリングローラ350の中心位置よりも他端部側に位置していることを示す。そのため、幅方向において、定着ベルト310が第二所定位置に位置していることを、ベルト位置検知部393が検知した場合、定着ベルト310は、第一所定位置に位置している場合に対して、ステアリングローラ350中央位置側に位置していることを示す。
また、定着ベルト310の中心位置とステアリングローラ350の中心位置は、組み立て精度のばらつきによって多少ズレても構わない。
図7は、第一寄り切り位置から第二寄り切り位置までの、9つの位置を示している。9つの位置は等間隔に並べられ、本実施形態でのそれぞれの間隔は3mmである(図7参照)。また、本実施形態では、第一寄り切り位置がステアリングローラ350の一端部側である。「中」位置は、等間隔に並べた9つの位置の中央位置である。そのため、定着ベルト310端部が「中」位置に位置するということをベルト位置検知部393が検知した場合、定着ベルトは、幅方向におけるステアリングローラ350の中央位置に位置していることを意味する。
図6(a)に示すように、センサフラグ393は扇形柱の部材であり、センサ394、395、396が対向配置される外周面に、5つの被検出部393b1~393b5が形成されている。言い換えれば、5つの被検出部393b1~393b5が形成されるように、外周面に4つの開口部393a1~393a4が形成されている。本実施形態では、3つのセンサ394、395、396がセンサフラグ393の移動方向(矢印X方向)に沿って所定間隔を空けて並べて配置されている。なお、被検出部393b1~393b5はセンサ数よりも多い4つ以上形成されていればよい。
センサフラグ393は移動に伴い、センサ394、395、396のうちいずれか1つで検出状態と非検出状態との切り替えが行われるように、5つの被検出部393b1~393b5が形成される。即ち、定着ベルト310が幅方向に移動した際に、図6(b)に示すように、センサ394、395、396の出力信号のいずれか1つのみが変化するように、被検出部393b1~393b5が形成されている。被検出部393b1~393b5は、例えばセンサフラグ393の回動中心Oを起点に周方向に均等な角度で27個の領域に分けた場合に、図6(a)に示すような幅で形成される。具体的に、被検出部393b1、393b2が2つの領域を占め、被検出部393b3、393b5が4つの領域を占め、被検出部393b4が3つの領域を占めるように形成される。
図6(b)に示すように、図6(a)に示すセンサフラグ393を用いた場合、定着ベルト310(詳しくは端部位置)が「第二寄り切り」位置にあるとき、3つのセンサ394、395、396の出力信号は全て「0」である。つまり、3つのセンサ394、395、396が、それぞれ被検出部393b1、393b3、393b4を検出している検出状態にある。そして、定着ベルト310が「第二寄り切り」位置から「奥3」位置に移動すると、センサ396の出力信号が「0」から「1」に変化し、その他のセンサ394、395の出力信号は「0」のまま変化しない。つまり、センサ396の出力信号のみが変化する。このとき、センサ396は開口部393a4に対向する。
定着ベルト310が「奥3」位置から「奥2」位置に移動した場合には、センサ394の出力信号のみが「0」から「1」に変化する。このとき、センサ394は開口部393a1に対向する。定着ベルト310が「奥2」位置から「奥1」位置に移動した場合には、センサ395の出力信号のみが「0」から「1」に変化する。このとき、センサ395は開口部393a3に対向する。つまり、3つのセンサ394、395、396の全てが、それぞれ開口部393a1、393a3、393a4に対向し、いずれの被検出部393b1~393b5も検出していない非検出状態にある。したがって、3つのセンサ394、395、396の出力信号が全て「1」となる。
そして、定着ベルト310が「奥1」位置から「中」位置に移動した場合には、センサ394の出力信号のみが「1」から「0」に変化する。このとき、センサ394は被検出部393b2を検出している。定着ベルト310が「中」位置から「手前1」位置に移動した場合には、センサ396の出力信号のみが「1」から「0」に変化する。このとき、センサ396は被検出部393b5を検出している。定着ベルト310が「手前1」位置から「手前2」位置に移動した場合には、センサ394の出力信号のみが「0」から「1」に変化する。このとき、センサ394は開口部393a2に対向する。定着ベルト310が「手前2」位置から「手前3」位置に移動した場合には、センサ395の出力信号のみが「1」から「0」に変化する。このとき、センサ395は被検出部393b4を検出している。さらに、定着ベルト310が「手前3」位置から「第一寄り切り」位置に移動した場合には、センサ394の出力信号のみが「1」から「0」に変化する。このとき、センサ394は被検出部393b3を検出している。定着ベルト310が「第一寄り切り」位置にあるとき、全てのセンサの出力信号は「0」である。つまり、3つのセンサ394、395、396の全てが、それぞれ被検出部393b3、393b4、393b5を検出している検出状態にある。なお、定着ベルト310が「第一寄り切り」位置から「第二寄り切り」位置に向けて移動する場合は、上述した各センサ394、395、396の出力信号の変化を逆にするだけでよいので、ここでの説明を省略する。
定着ベルト310がステアリングローラ350から脱輪してしまうことを防ぐために、定着ベルト310が「第一寄り切り」位置または「第二寄り切り」位置に位置していることを、ベルト位置検知部393が検知した場合、センサ部390を介して、制御部600が寄り切りエラーであると判断する。寄り切りエラーであると制御部600に判断された場合、プリントジョブを停止させ、加圧回転体330は離間状態となる。また、ユーザに寄り切りエラーであることを知らせるために、操作部40に寄り切りエラーであることを表示させてもよい。離間状態にさせることによって、サービスマンが、画像形成装置100を寄り切りエラーから画像形成可能な状態、つまり復帰させるための作業が容易になる。本実施形態においては、定着ベルト310を「第一寄り切り」位置または「第二寄り切り」位置よりも「中」位置側に移動させる作業である。
本実施形態では、ベルト位置検知部393とセンサ394,395,396で幅方向位置を検知する方法について説明したが、ベルト幅方向位置を検知する手段はこれに限定するのもではなく、ラインセンサや渦電流式センサ等を用いてもよい。
<第一のモードによるステアリング制御>
定着ニップ部Nに搬送される記録材の幅方向における長さが所定幅より小さい場合、第一のモードによってステアリング制御が行われる。第一のモードのステアリング制御について以下に詳細を記載する。
所定幅の説明を行う。所定幅は、定着ベルトの幅方向における長さである。所定幅未満か以上であるかで制御部600はステアリング制御のモードを選択している。所定幅は、研磨ローラ420が定着ベルト310を研磨する長さから、研磨中のステアリング制御によって定着ベルト310が幅方向に移動する長さと、定着ニップ部Nに記録材が搬送されているときの第一のモードのステアリング制御によって定着ベルト310が幅方向に移動する長さと、を引いた長さ以上で、幅方向において研磨ローラが定着ベルトを研磨する長さ以下である。
研磨ローラ420が定着ベルト310を研磨する長さ、とは研磨ローラ420が定着ベルト310を研磨しているときに、研磨ローラ420の砥粒が接着されてある部分が、定着ベルト310に接触する範囲である。このときの範囲の幅方向における長さを、研磨ローラ420が定着ベルト310を研磨する長さ、とする(図10eの310aの領域と斜線領域との幅方向における長さ)。
研磨中のステアリング制御によって定着ベルト310が幅方向に移動する長さとは、研磨中に研磨ローラ420の砥粒が接着されてある領域の端部420aが移動する範囲の幅方向における長さである。図10(e)に示すDd間が、研磨中のステアリング制御によって定着ベルト310が幅方向に移動する長さである(図10eの斜線領域)。
研磨ローラ420が定着ベルト310を研磨する長さから、研磨中のステアリング制御によって定着ベルト310が幅方向に移動する長さを引いた長さは、研磨中研磨ローラ420が定着ベルトに常に接触している長さとなる。ここでは研磨頻度の高い領域とする(図10中310a)。
また、定着ニップ部Nに記録材が搬送されているときの第一のモードのステアリング制御によって定着ベルト310が幅方向に移動する長さ、を説明する。第一のモードでのステアリング制御は、後述するが、定着ベルト310が「手前3」または「奥3」位置に位置した場合、ステアリングローラ350の傾斜角が変更される。「手前3」位置に定着ベルト310が位置した場合、ステアリングローラ350の傾斜角は角度Aに傾斜され、「奥3」位置に定着ベルト310が位置した場合、ステアリングローラ350の傾斜角は角度-Aに傾斜される。「手前3」と「奥3」間の長さを、定着ニップ部Nに記録材が搬送されているときの第一のモードのステアリング制御によって定着ベルト310が幅方向に移動する長さとする(図10eのDc間の長さ)。
研磨頻度の高い領域から、定着ニップ部Nに記録材が搬送されているときの第一のモードのステアリング制御によって定着ベルト310が幅方向に移動する長さを引いた長さは、研磨頻度の高い領域が常に定着ニップ部Nに用いられている長さ、である。記録材上にトナーが担持されうる領域である画像領域の幅方向における長さが、研磨頻度の高い領域が常に定着ニップ部Nに用いられている長さを超えた場合、研磨頻度の低い領域が定着に用いられてしまい、グロスムラが発生してしまう虞がある。そのため、本実施形態では所定幅を、研磨頻度の高い領域が常に定着ニップ部Nに用いられている長さとする。所定幅を研磨頻度の高い領域が常に定着ニップ部Nに用いられている長さ、にすることで、第一のモードでステアリング制御が行われる場合、記録材の画像領域は研磨頻度の高い領域で定着が行われる。そのため、画像領域にグロスムラが発生する虞が抑制される。
しかしながら、研磨頻度の低い領域がわずかに定着に用いられて発生するグロスムラは画像品位を大きく損ねづらい。そのため所定幅は、研磨頻度の高い領域が常に定着ニップ部Nに用いられている長さ以上であって、研磨ローラ420が定着ベルト310を研磨する長さ以下とする。
本実施形態では、幅方向において研磨ローラ420の砥粒が接着されてある領域の長さは335mmであり、研磨中に420aが移動する範囲の幅方向における長さは「手前1」「奥1」間とした場合、6mmである。また、定着ニップ部Nに記録材が搬送されているときの第一のモードのステアリング制御によって定着ベルト310が幅方向に移動する長さは、「手前3」「奥3」間であるため、9mmとする。すると、本実施形態における所定幅は、320mm以上、335mm以下である。
未定着トナー像を担持した記録材に、熱と圧力を加えることで定着装置30によって定着を行う場合、加圧回転体330は、定着ニップ部Nを形成するために、定着ベルト310に対して当接する、当接状態となる。当接状態では記録材コバ部によって定着ベルト310表面にコバ傷が生じることを<紙コバ傷によるグロスムラ>で述べた。そこで、紙コバ傷による定着ベルト310表面の劣化を抑制させるために制御部600は幅方向において定着ベルト310を往復移動させるステアリング制御を行う。
制御部600によるステアリング制御の詳細を、図8、図9を用いて後述する。図8のフローチャートに沿って説明を行う。
まず、定着ニップ部Nに搬送される記録材の幅方向における長さが所定幅より小さいと制御部600が判断した場合、制御部600は第一のモードによってステアリング制御を行う。
S001
ベルト位置検知部393による定着ベルト310の位置の一回目の検知が行われる。定着ベルト310が、第一寄り切り位置または第二寄り切り位置(寄り切り位置)に位置すると、ベルト位置検知部393が検知した場合、制御部600が寄り切りエラーを出す。定着ベルト310が寄り切り位置に位置しないと検知された場合は、S002に進む。
S002
ベルト位置検知部393による一回目の検知で、定着ベルト310が「手前1」、「手前2」、「手前3」位置に位置していると、検知された場合、S003に進む。ベルト位置検知部393による一回目の検知で、定着ベルト310が、「中」、「奥1」、「奥2」、「奥3」、に位置していると、検知された場合、S006に進む。
S003
制御部600はステアリングローラ350を第一傾斜角に傾斜する動作を行う。
図9を用いて、第一傾斜角を説明する。図9は、図2中の矢印α方向から見た図であり、ステアリングローラ350の傾斜角を説明するため、定着ベルト310を図示していない。紙面上の下側に加圧回転体330がある。図9中の350aはステアリングローラが加熱ローラ340に対して、平行であるときを示す。第一傾斜角とは、定着ベルト310がステアリングローラ350の他端部側へ移動されることを目的として、ステアリングローラ350aに対して、ステアリングローラ350を傾斜させた角度である。本実施形態では、制御部600は、図9の紙面上反時計回りにステアリングローラ350aを350bの位置まで傾斜する動作を行う。紙面上反時計回りにステアリングローラ350aを傾斜させる向きを、第一の向きとする。すると、ステアリングローラ350他端部側に定着ベルト310が移動される傾向にある。このときのステアリングローラ350aから350bまでの傾斜角を第一傾斜角(角度A)とする。本実施形態での350aは加熱ローラ340に対して、平行であるときを示しているが、組み立て精度のばらつきによって、ステアリングローラ350aの角度は多少ズレても構わない。
ステアリングローラ350aを350bの位置まで傾斜する動作が行われた結果、ステアリングローラ350は第一傾斜角で傾斜した状態となる。
ステアリングローラ350の傾斜角を変更させるには1.5秒程度要する。そのため、定着ベルト310が「手前3」位置を第一寄り切り位置側に超えてしまう場合がある(オーバーシュート)。定着ベルト310が第一寄り切り位置に達し且つ、定着ベルト310が第一寄り切り位置に位置していると、ベルト位置検知部393が検知した場合、制御部600が寄り切りエラーを出す。
一方で、定着ベルト310が「手前3」位置を第一寄り切り位置側に超えた位置、且つ第一寄り切り位置に達さなかった場合も考えられる。この場合、ステアリングローラ350が第一傾斜角に傾斜されることで、定着ベルト310は、「手前3」位置と第一寄り切り位置の間から、ステアリングローラ350他端部側に移動される。これによりベルト位置検知部393は、定着ベルト310が「手前3」位置に位置したことを検知するが、ステアリングローラ350の傾斜角は第一の向きである第一傾斜角Aで傾斜される。
ステアリングローラ350が第一傾斜角に傾斜されているため、定着ベルト310は、「手前2」、「手前1」(第二所定位置)、「中」、「奥1」、「奥2」位置の順に移動される。定着ベルト310が他端部側に移動されている間、ベルト位置検知部393は、定着ベルト310の位置を、「手前2」、「手前1」(第二所定位置)、「中」、「奥1」、「奥2」位置で検知するが、ステアリング制御によるステアリングローラ350の傾斜角を変更する動作は行われない。ステアリングローラ350が第一傾斜角で傾斜した状態となる。尚、「手前2」、「手前1」(第二所定位置)、「中」、「奥1」、「奥2」の位置に定着ベルト310が位置していることをベルト位置検知部393が検知を行わず、ステアリング制御によるステアリングローラ350を傾斜する動作は行われない、という構成であってもよい。
S004
定着ベルト310がステアリングローラ350の他端部側に移動され、定着ベルト310が「奥3」位置に位置したことをベルト位置検知部393が検知した場合、S006に進む。定着ベルト310が「奥3」位置に位置したことをベルト位置検知部393が検知しなかった場合、S005に進む。
S005
定着ベルト310が寄り切り位置に位置していると検知された場合、寄り切りエラーを出す。定着ベルト310が寄り切り位置に位置していることを検知されなかった場合、S003に戻る。
S006
制御部600は、定着ベルト310が一端部側へ移動されることを目的として、ステアリングローラ350を角度-Aに傾斜する動作を行う。
図9中の350aはステアリングローラが加熱ローラ340に対して、平行であるときを示す。-A角とは、定着ベルト310がステアリングローラ350の一端部側へ移動されることを目的として、ステアリングローラ350aに対して、ステアリングローラ350を傾斜させた角度である。本実施形態では、図9の紙面上時計回りにステアリングローラ350aを350cの位置まで傾斜する動作が行われる。紙面上時計回りにステアリングローラ350aを傾斜させる向きを、第二の向きとする。つまり、第二の向きは、紙面上反時計回りに傾斜させた第一の向きに対して、反対の時計回りに傾斜させる向きである。すると、ステアリングローラ350一端部側に定着ベルト310が移動される傾向にある。このときのステアリングローラ350aからステアリングローラ350cまでの傾斜角を角度-Aとする。
ステアリングローラ350aを350cの位置まで傾斜する動作が行われた結果、ステアリングローラ350は-A角に傾斜した状態となる。
ステアリングローラ350の傾斜角を変更させるには1.5秒程度要する。そのため、定着ベルト310が「奥3」位置を第二寄り切り位置側に超えてしまう場合がある。定着ベルト310が第二寄り切り位置に達し且つ、定着ベルト310が第二寄り切り位置に位置していると、ベルト位置検知部393が検知した場合、制御部600が寄り切りエラーを出す。
一方で、定着ベルト310が「奥3」位置を第二寄り切り位置側に超えた位置、且つ第二寄り切り位置に達さなかった場合も考えられる。この場合、ステアリングローラ350が角度-Aに傾斜されることで、定着ベルト310は、「奥3」位置と第二寄り切り位置の間から、ステアリングローラ350一端部側に移動される。これによりベルト位置検知部393は、定着ベルト310が「奥3」位置に位置したことを検知するが、ステアリングローラ350の傾斜角は-Aで傾斜した状態となる。
ステアリングローラ350の角度が-Aに傾斜されているため、定着ベルト310は、「奥2」、「奥1」、「中」、「手前1」(第二所定位置)、「手前2」位置の順に移動される。定着ベルト310が一端部側に移動されている間、ベルト位置検知部393は、定着ベルト310の位置を、「手前2」、「手前1」(第二所定位置)、「中」、「奥1」、「奥2」位置で検知するが、ステアリング制御による、ステアリングローラ350を傾斜する動作は行われない。ステアリングローラ350が-A角で傾斜した状態となる。
尚、「奥2」、「奥1」、「中」、「手前1」、「手前2」の位置に定着ベルト310が位置していることをベルト位置検知部393が検知を行わず、制御部600によるステアリングローラ350を傾斜する動作は行われない、という構成であってもよい。
S007
定着ベルト310がステアリングローラ350の一端部側に移動され、定着ベルト310が手前3(第一所定位置)位置に位置したことをベルト位置検知部393が検知した場合、S003に進む。定着ベルト310が「手前3」位置に位置したことをベルト位置検知部393が検知しなかった場合、S008に進む。
S008
定着ベルト310が寄り切り位置に位置していることを検知した場合、寄り切りエラーを出す。定着ベルト310が寄り切り位置に位置していることを検知しなかった場合、S006に戻る。
ベルト位置検知部393が、定着ベルト310が「手前1」「手前2」「奥1」「奥2」位置のいずれかに位置していることを検知した場合、制御部600はステアリングローラ350を傾斜する動作を行わない。しかし「手前3」「奥3」位置で、制御部600はステアリングローラ350を傾斜する動作を行う。よって、定着ベルト310は「手前3」(第一所定位置)位置と「奥3」位置との間で往復移動されることになる。つまり、幅方向において、寄り切りエラーが出ない範囲且つ広い範囲で往復移動させることができる。幅方向において、広い範囲で定着ベルトを往復移動させることは、記録材コバ部が通過し得る定着ベルト310の範囲が広がる。すると、記録材コバ部が定着ベルト310の同一領域を繰り返し通過することが抑制される。よって紙コバ傷による定着ベルト310表面の劣化を抑制させることができる。
図9に示すように、第一のモードでは、ステアリングローラ350は角度Aまたは角度-Aに傾斜される。後述する図12、図13に示す、角度B、角度-B、角度C、角度-Cよりも、角度Aまたは角度-Aは大きい。ステアリングローラ350の傾斜角が大きいことによって、幅方向において定着ベルト310の移動速度を大きくすることができる。定着ベルト310の移動速度が大きいと、記録材コバ部が定着ベルト310の同一領域を繰り返し通過することを抑制させる傾向にある。よって、コバ傷による定着ベルト310表面の劣化を抑制させることができる。
尚、「手前3」位置と、「奥3」位置とでステアリング制御を行うことを記したが、「手前2」「奥2」でもステアリング制御を行っても良い。この場合、定着ベルト310が手前2位置に位置するとベルト位置検知部393が検知した場合に、ステアリングローラ350を傾斜する動作が行われる。このときのステアリングローラ350の位置は350bに対して、350a側に傾斜されている。同様に、定着ベルト310が「奥2」位置に位置したとベルト位置検知部393が検知した場合に、ステアリングローラ350を傾斜する動作が行われる。このときのステアリングローラ350の位置は350cに対して、350a側に傾斜されている。
<第一のモードの変形例>
変形例では、幅方向において定着ベルト310の移動方向は「手前3」または「奥3」で変更させ、「手前1、2」「奥1、2」では、ステアリングローラ350の傾斜角は変更させるが、定着ベルト310の移動方向は変更させないことを目的とする。以下詳細なステアリングローラ350の制御方法を記載する。変形例のステアリング制御は、定着ベルト310が「手前1」「奥1」位置に位置した場合、上記の例と異なる。そのため、定着ベルト310が「手前1」「奥1」位置に位置した場合を述べる。
変形例において「手前3」位置は第一所定位置とし、「手前1」位置は第二所定位置とする。
ベルト位置検知部393が、定着ベルト310の位置を検知する。
定着ベルト310が「手前3」位置に位置した場合、制御部600はステアリングローラ350を第一傾斜角に傾斜させる。定着ベルト310が「奥3」位置に位置した場合、制御部600はステアリングローラ350を-A角に傾斜させる。
定着ベルト310が「奥1」位置に位置し且つ、ステアリングローラ350の傾斜角が角度Aに傾斜されていると制御部600が判断した場合、角度Aよりも小さい角度である角度Bまたは角度Cに傾斜される。これにより、幅方向の定着ベルト310の移動速度が、ステアリングローラ350の傾斜角が角度Aに傾斜されている場合と比べて、小さくなる。
定着ベルト310が「奥1」位置に位置し且つ、ステアリングローラ350の傾斜角が角度-Aに傾斜されていると制御部600が判断した場合、角度-Aよりも小さい角度である角度-Bまたは角度-Cに傾斜される。これにより、幅方向の定着ベルト310の移動速度が、ステアリングローラ350の傾斜角が角度-Aに傾斜されている場合と比べて、小さくなる。
同様に定着ベルト310が「手前1」位置に位置し且つ、ステアリングローラ350の傾斜角が角度-Aに傾斜されていると制御部600が判断した場合、角度-Aよりも小さい角度である角度-Bまたは-Cに傾斜される。これにより、幅方向の定着ベルト310の移動速度が、ステアリングローラ350の傾斜角が角度-Aに傾斜されている場合と比べて、小さくなる。
定着ベルト310が「手前1」位置に位置し且つ、ステアリングローラ350の傾斜角が角度Aに傾斜されていると制御部600が判断した場合、角度Aよりも小さい角度である角度BまたはCに傾斜される。これにより、幅方向の定着ベルト310の移動速度が、ステアリングローラ350の傾斜角が角度Aに傾斜されている場合と比べて、小さくなる。加圧回転体330が当接状態から離間状態に遷移し、幅方向における定着ベルト310の移動速度の上昇を抑えることができる。よって、寄り切りエラーの発生を抑制させることができる。
変形例では、先述した第一のモードのステアリング制御に比べて、定着ベルト310の幅方向における移動速度が低下する場合がある。しかしながら記録材のコバ部が定着ベルト310の同一箇所を繰り返し通過することを抑制させることができる。そのため、十分にコバ傷抑制のためのステアリング制御を行うことはできる。
<第二のモードによるステアリング制御>
本実施形態では、幅方向において定着ニップ部Nに搬送される記録材の画像領域が所定幅以上である場合、制御部600はステアリング制御を第一のモードから第二のモードに切り替える。幅方向において画像領域が所定幅以上の記録材が定着ニップ部Nに搬送された場合も第一のモードによってステアリング制御が行われると、グロスムラが発生する虞がある。その理由を以下に説明する。説明には図10を用いる。図10は定着ベルト310と研磨ローラ420と記録材Sの他端部側を表している。図10、16中の記録材Sは画像領域が所定幅以上の記録材であり、実施形態において、幅方向の長さが最大であるものを図示した(以降記録材Sと略す)。
定着ベルト310とステアリングローラ350と研磨ローラ420とを備える本実施形態において、幅方向において、研磨ローラ420の長さは定着ベルト310の長さより短い。ここでいう短いとは、研磨ローラ420が定着ベルト310に当接したときに第一のモードによってステアリング制御が行われた場合においても、定着ベルト310の端部が研磨ローラ420に接触しないように構成されていることをいう。研磨ローラ420の長さが定着ベルト310よりも短いことによって、研磨ローラ420が定着ベルト310表面に当接した場合、定着ベルト310表面には、研磨ローラ420が研磨可能な領域が当接する領域(図10(a)Da)と、研磨ローラ420が研磨可能な領域が当接されない領域(図10(a)Db)とがある。
図10(b)は記録材Sが定着ニップ部Nに搬送された場合を示している。また、図10(b)は定着ベルト310が第一のモードによってステアリング制御されている場合を示しており、定着ベルト310が「中」位置に位置している場合を示している。図10(c)は定着ベルト310が「奥3」位置に位置している場合を示している。図10(d)は定着ベルト310が「手前3」位置に位置している場合を示している。図10(a~d)から、記録材Sが定着ニップ部Nに搬送されたときに定着ベルト310が第一のモードによってステアリング制御された場合、図10(e)中の矢印Dc間に記録材のコバ部が接触する虞がある。同様に、記録材Sの定着が連続で行われた場合、Dc間の表面粗さは定着が行われる度に粗くなっていく。一方で、図10中のDdは、研磨ローラ420が定着ベルト310を研磨する間、研磨ローラ420の砥粒が接着されてある領域の端部420aが移動する範囲を示している。研磨中もステアリングローラ350はステアリング制御される。420aがDd間を移動したとする。するとDd間に対応する定着ベルト310の領域(図10(e)中斜線部))は、Dd間の一端部よりも一端部側の領域310a(研磨中常に研磨ローラ420が定着ベルト310に接触している領域。研磨頻度の高い領域)に比べて、研磨が十分に行われない。そのため、記録材Sの定着が連続で行われた場合、定着ベルト310のDd間の表面粗さと、領域310aの表面粗さに差が生じてしまう虞がある。図10(f)は定着ベルト310が「手前3」位置に位置しており、記録材Sが定着ニップ部Nに搬送された場合を示している。このとき、定着ベルト310におけるDd間と領域310aの表面粗さには差が生じている状態である。この状態で、記録材Sの定着が行われると、Dd間と領域310aとが用いられ、画像表面にグロスムラが生じてしまう虞がある。
そこで本実施形態における画像形成装置は、記録材Sを定着させる際、制御部600は第二のモードによってステアリング制御を行う。これによって、記録材Sを定着した際に生じるグロスムラを抑制させることができる。以下に第二のモードの詳細と効果を記載する。
定着ベルト310の表面粗さに差が生じてしまうことを抑制させるためには研磨ローラ420を幅方向に大きくすることによって可能である。幅方向において研磨ローラ420の大きさを定着ベルト310よりも大きくすることで、研磨中に定着ベルト310が研磨ローラ420と接触しない領域をなくす又は減らすことができる。しかしながら幅方向において研磨ローラ420を定着ベルト310よりも大きくした構成とした場合、定着ベルト310が研磨ローラ420に当接すると、幅方向の定着ベルト310の端が研磨ローラ420と接触してしまう。定着ベルト310の内周面にはオイルが塗布されており、定着ベルト310の端にも少なからずオイルは付着している。そのため定着ベルト310内周面のオイルが、定着ベルト310の端を伝って研磨ローラ420に付着してしまう。すると、定着ベルト310と研磨ローラ420が当接していることによって研磨ローラ420表面に伝ったオイルは、定着ベルトの幅方向に塗り広げられてしまう。オイルが付着した定着ベルト310の領域が記録材に接触することで画像不良の原因となってしまう虞がある。そのため、幅方向において研磨ローラ420は定着ベルト310よりも短い構成としている。
また、定着ベルト310の幅方向における端部が研磨ローラ420に接触しない構成を保ちつつ、定着ベルト310と研磨ローラ420を幅方向に大きくすることで、研磨ムラに起因するグロスムラの発生を抑制させることができる。しかしながら研磨ローラ420と定着ベルト310を従来よりも大きくした場合、大きくした分のコストがかかる上に、定着装置30を幅方向に大型化しなければいけなくなる。そのため研磨ローラ420を定着ベルト310よりも大きい構成を用いることは困難である。
そこで本実施形態では、幅方向において記録材Sが定着ニップ部Nに搬送された場合、制御部600が第二のモードによってステアリングローラ350を制御する。第二のモードでは、定着ベルト310の目標位置を設定し(本実施形態での目標位置は「中」位置)、定着ベルト310が目標位置に移動されるように、ステアリングローラ350を傾斜する動作が行われる。
まず、ステアリング制御が第二のモードに切り替わるタイミングについて説明を行う。定着ニップ部Nに通紙される記録材の画像領域の幅方向の長さが所定幅以上であることを制御部600は記録材Sの定着が行われる前に判断する。記録材Sが定着ニップ部Nに到達したときに、第二のモードにステアリング制御が切り替わる。記録材Sが定着ニップ部Nに到達したときに第二のモードによってステアリング制御を行うことによって、例えば記録材Sが定着ニップ部Nに搬送される前に、所定幅よりも小さい記録材の定着を行っていた場合は、第一のモードが適用され、コバ傷抑制のためのステアリング制御を行うことができる。そのため定着ベルト310の劣化を抑制させることができる。
尚、ステアリング制御が第二のモードに設定されるタイミングは、記録材Sのひとつ前に搬送される記録材が定着ニップ部Nを通過した後から、記録材Sが定着ニップ部Nに到達する前までの間、でもよい。
ステアリング制御が第二のモードに切り替わった後の具体的な傾斜角の決定方法を図11のフローチャートを用いて説明を行う。
S30
ベルト位置検知部393が、定着ベルト310の位置を検知する。
S31
定着ベルト310の位置が、寄り切り位置であった場合、S35に進み、寄り切りエラーを出す。
定着ベルト310の位置が、寄り切り位置でなかった場合、S32に進む。
S32
ベルト位置検知部393の検知結果(B.Pnоw)に基づき、目標位置「中」位置との差分B.Pdifを求める。
B.Pnоwには1~7の数字が代入される。定着ベルト310の位置と、B.Pnоwに代入される数字の関係は図14に示したとおりである。例えば、定着ベルト310が手前3(第一所定位置)の場合、1を代入し、定着ベルト310が奥3の場合、7が代入される。
B.Pdif=4-B.Pnоw・・・式1
S33
差分B.P.difに積分ゲインI、1STEP前の積分の累積値Itotalを足す。ここでItotalの初期値は0である。
Itotal(n) = I×B.P.dif + Itotal(n-1)・・・式2
S34
差分B.P.difに比例ゲインPをかけたものと、積分の累積値Itotal(n)と、の合計を舵角とする。
舵角 = P×B.P.dif + Itotal(n)・・・式3
本実施形態において、比例ゲインPは100、積分ゲインIは1で、演算は0.2秒毎に実施している。例えば、ベルト位置検知部393の検知結果が奥1であった場合、B.Pnowに5を代入する。この場合の舵角は以下のようになる。
舵角 = 100×(4-5)+ 1×(4-5) = -101
以上の計算から求められる舵角の値によって、ステアリングローラ350の傾斜角は決定される。
傾斜角はステアリングローラ350aを基準として、正負の傾斜角を有する。式1~3から求められる値が正の場合、定着ベルト310をステアリングローラ350の他端部側に移動されることを目的としてステアリングローラ350を傾斜する動作が行われる。舵角が正の場合、図9、図12、図13の紙面上反時計回りにステアリングローラ350は傾斜される(第一の向き)。同様に、舵角の値が負である場合、定着ベルト310をステアリングローラ350の一端部側に移動されることを目的としてステアリングローラ350を傾斜する動作が行われる。舵角が負の場合、図9、図12、図13の紙面上時計回りにステアリングローラ350は傾斜される(第二の向き)。
本実施形態において、第一のモードのステアリング制御は、定着ベルト310の位置が「手前1」(第二所定位置)位置ではステアリングローラ350を傾斜する動作は行われない。第二のモードのステアリング制御では、定着ベルト310の位置が「手前1」(第二所定位置)位置ではステアリングローラ350の傾斜角を角度Bに傾斜させる動作が行われる。
角度Bの説明を行う。角度Bは第二傾斜角のことである。図12の紙面上において、角度Bとは、定着ベルト310がステアリングローラ350の他端部側へ移動されることを目的として、ステアリングローラ350aに対して、ステアリングローラ350を傾斜させた角度である。第一の向きである紙面上反時計回りにステアリングローラ350を傾斜させた場合、ステアリングローラ350他端部側に定着ベルト310が移動される傾向にある。定着ベルト310が手前1(第二所定位置)の位置に位置しているとベルト位置検知部393が検知した場合、ステアリングローラ350aを、350bの位置に対して350a側の位置、350dの位置に傾斜させた状態となる。このときの傾斜角を角度B(第二傾斜角)とする。つまり、第一傾斜角>角度B(第二傾斜角)の関係となる。
同様に、定着ベルト310が「奥1」位置に位置しているとベルト位置検知部393が検知した場合、第二の向きである紙面上時計回りにステアリングローラ350を傾斜させる。この場合、ステアリングローラ350を、-A角で傾斜させた場合と比較して、350a側に傾斜させた位置、350eの位置(角度-B)に傾斜させた状態となる。
また、第二モードで定着ベルト310が「手前2」(第三所定位置)位置に位置した場合、制御部600はステアリングローラ350の傾斜角を角度C(第三傾斜角)に傾斜させる動作を行う。
図13の紙面上において、角度Cとは、ステアリングローラ350aに対して、定着ベルト310がステアリングローラ350の他端部側へ移動されることを目的として、ステアリングローラ350を傾斜させた角度である。紙面上反時計回りにステアリングローラ350を傾斜させた場合、ステアリングローラ350他端部側に定着ベルト310が移動される傾向にある。定着ベルト310が「手前2」の位置に位置しているとベルト位置検知部393が検知した場合、ステアリングローラ350を、角度Bで傾斜させた場合と比較して、350b側に傾斜させた位置、つまり350fの位置に傾斜させた状態となる。このときの傾斜角を角度C(第三傾斜角)とする。つまり、第一傾斜角>第三傾斜角>第二傾斜角の関係となる。
同様に、定着ベルト310が「奥2」位置に位置しているとベルト位置検知部393が検知した場合、第二の向きである紙面上時計回りにステアリングローラ350を傾斜させる。この場合、ステアリングローラ350を、-B角で傾斜させた場合と比較して、350c側に傾斜させた位置、つまり350gの位置(角度-C)に傾斜させた状態となる。
式1、2、3から、定着ベルト310の位置が目標位置「中」位置に位置する場合、本実施形態では、舵角は0となる。このとき定着ベルト310が「中」位置に維持されるように、ステアリングローラ350は傾斜される。これにより、定着ベルト310の位置が目標位置「中」位置に位置した場合、定着ベルト310が目標位置から、ステアリングローラ350の他端部側または一端部側に移動されることが抑制される。図9、図12、図13上では、舵角0はステアリングローラ350が350aであるときを示しており、ステアリングローラ350aは加熱ローラ340に対して平行であるときを示している。しかしながら、組み立て精度のばらつきによってステアリングローラ350の舵角0が加熱ローラ340と平行ではない場合もある。そのため、ステアリングローラ350の舵角0は加熱ローラ340に対して平行である状態から多少ずれても構わない。
求められた舵角の絶対値が大きければ大きいほど、図9、図12、図13で示された350aの、時計回りまたは反時計回りへの移動量は大きくなる。つまり、幅方向において、定着ベルト310の位置が目標位置「中」位置から、遠いほど、ステアリングローラ350の傾斜角は大きくなる。
第二のモードによってステアリング制御を行った場合、「手前3」「奥3」位置に対してステアリングローラ350の中心位置に近い位置である「手前1」「奥1」位置でステアリング制御が行われる。この時のステアリング制御は定着ベルト310が「中」位置に移動されることを目的として、ステアリングローラ350は傾斜される。これにより、定着ベルト310は幅方向において「手前1」「奥1」位置間で移動される傾向にある。
図15を用いて、記録材Sが定着ニップ部Nに搬送された場合に第二のモードによってステアリング制御を行い、定着ベルト310が「中」位置に位置されるようにステアリング制御が行われることの効果を説明する。
まず図15の説明を行う。図15中の記録材Sの幅方向における長さは、本実施形態における画像形成装置が印刷可能とする最大の幅である。図15(abcd)はすべて記録材Sが定着ニップ部に搬送された場合、第二のモードによってステアリング制御が行われている場合を示している。図15(a、b、c)はそれぞれ、定着ベルト310が「中」位置に位置している場合、「手前1」位置に位置している場合、「奥1」位置に位置している場合を示している。図15(d)は、記録材Sによるコバ傷がつく領域De間と、研磨頻度の少ない領域であるDd間とが重なるDf間の領域を説明するための図である。図15(e)は、研磨頻度の少ない領域についたコバ傷が、記録材Sの定着に用いられる場合を示している。図15で示したDd間は、図10で示したDd間と同様に、420aが研磨中に移動する移動範囲を示したものである。
第二のモードによってステアリング制御が行われた場合、定着ベルト310は「中」位置に移動されるようにステアリングローラ350が制御される。つまり定着ベルト310は「手前1」「奥1」間を往復移動される傾向にある。そのため、記録材Sを連続通紙した場合、主に図15(abcd)で示すDe間にコバ傷が発生する虞がある。連続で記録材Sの定着が行われると、De間の表面粗さは粗くなっていく。但し、定着ベルト310の幅方向における移動速度等によって、第二のモードによってステアリング制御が行われた場合でも、定着ベルト310は「手前3」「奥3」間を往復移動することがある。そのため、図10のDc間の領域にコバ傷が発生する虞はあるが、第二のモードによってステアリング制御が行われた場合、定着ベルト310は「中」位置に保たれやすく、「手前1」「奥1」間を往復移動される傾向にあるため、主にDe間にコバ傷が発生する虞と記載している。本実施形態ではDe間の幅は「手前1」「奥1」間の幅に対応するため、およそ6mmである。また、図10と同様に、図15(d)で示すDd間に対応する定着ベルト310の領域は領域310aと比べて、研磨頻度が少ない。よって、Dd間とDe間の重なる部分Df間(図15(d)の斜線部)は十分に研磨されない。そのためDf間の領域は、記録材Sの通紙が連続で行われるときに第二のモードによってステアリング制御が行われた場合に、310aとの表面粗さに差が生じてしまう虞がある領域である。本実施形態では、定着ベルト310が「中」位置に位置する場合、Dd間の一端部は、De間の幅方向における中央と一致する。そのため、Df間はおよそ3mmである。
第二のモードによってステアリング制御が行われた場合、記録材Sによるコバ傷が研磨頻度の少ない領域につく頻度を減らすことを説明する。第二のモードによってステアリング制御が行われた場合、定着ベルト310は「中」位置に位置されやすくなる一方で、第一のモードによってステアリング制御が行われた場合、定着ベルト310が「手前3」「奥3」間を往復移動する。よって、第二のモードによってステアリング制御を行うと、第一のモードの場合と比べて、記録材のコバ部が定着ベルト310の同一領域を通過する頻度は高くなるが、研磨頻度の少ない領域であるDd間にコバ傷がつく頻度が低くなる。これにより、画像領域が所定幅以上の記録材が定着ニップ部搬送された場合、第一のモードでステアリング制御を行う場合に比べて、第二のモードによってステアリング制御を行うと、定着ベルト310の研磨頻度の高い領域と低い領域とで表面粗さに差が生じにくくなる。すると、画像表面のグロスムラの発生を抑制させることができる。
記録材Sを定着するときに第二のモードのステアリング制御が行われることによって、Df間の領域が定着に用いられにくく、グロスムラの発生を抑制させることを説明する。Df間の領域と領域310aとに表面粗さに差が生じている状態で記録材Sの通紙を行い、通紙中は第二のモードによってステアリング制御が行われ、定着ベルト310が「手前1」位置に位置した場合を図15(e)は示している。図15(e)では、定着ベルト310が「手前1」位置に位置した場合のDf間の他端部と、記録材Sの幅方向における他端部と、が一致する場合を示している。図15(e)が示すように定着ベルト310が「手前1」位置に位置した場合、Df間の領域が定着に用いられてしまう虞がある。しかしながら、記録材Sを定着するときに第二のモードによってステアリング制御が行われることで、定着ベルト310が「手前1」位置よりも一端部側の「手前2、3」位置まで移動されることが抑制される。これにより、Df間の領域が、記録材がトナーを担持する領域である画像領域に接触することが抑制されて、定着が行われる。但しトナーが担持されない領域である記録材の「余白」に接触する虞はあるが、トナーが担持されない領域であるため、グロスムラの発生には問題ない。これによって、記録材Sを定着するときに発生するコバ傷によるグロスムラを抑制させることができる。
記録材の画像領域が所定幅を超える場合でも第一のモードによって定着を行うと、コバ傷が定着ベルト310の同一領域につく頻度を減らすことができる。しかしながら、研磨頻度の低い領域にコバ傷がついてしまう頻度が高くなってしまう。この領域が定着に用いられると、画像品位を大きく損ねてしまう虞がある。そのため、記録材の画像領域が所定幅を超える場合は第二のモードによってステアリング制御を行うことで、定着ベルト310が「中」位置に保たれやすくなり、研磨頻度の低い領域にコバ傷がつく頻度が低くなる。研磨頻度の低い領域が定着に用いられる頻度も低くなり、画像品位を損ねてしまう虞を抑制させることができる。そのため、本実施形態では、記録材の画像領域が所定幅を超えた場合、第二のモードによってステアリング制御が行われる。
記録材Sが定着ニップ部Nに搬送されると第二のモードによってステアリング制御が行われ、定着ベルト310が「手前2」または「奥2」位置に位置した場合でもステアリング制御が行われることの効果を説明する。定着ベルト310の幅方向における移動速度が速いなどの理由から、定着ベルト310が「手前1」または「奥1」位置に位置した場合のステアリング制御が間に合わないことがある。すると定着ベルト310は「手前2」または「奥2」位置まで達してしまう(オーバーシュート)。しかしながら定着ベルト310が「手前1」または「奥1」位置を一端側または他端部側に越えてしまっても「手前2」または「奥2」位置で、定着ベルト310が「中」位置に移動されることを目的として、ステアリング制御が行われる。定着ベルト310が「手前2」位置の場合、ステアリングローラ350は角度Bに傾斜され、定着ベルト310が「奥2」位置の場合、ステアリングローラ350は角度-Bに傾斜される。定着ベルト310が「手前1」または「奥1」位置に位置した場合のステアリング制御が間に合わなくても、定着ベルト310は幅方向において「手前2」「奥2」位置間で移動される傾向にある。このように、第二のモードによってステアリング制御をしていたときにオーバーシュートしてしまった場合でも、「手前2」「奥2」位置でステアリング制御が行われる。よって、記録材Sが定着ニップ部Nに搬送されている場合、第一のモードでステアリング制御を行うよりも、第二のモードによってステアリング制御を行った場合のほうが、研磨頻度の少ない領域にコバ傷がつく頻度が少なくなる。すると、記録材Sの定着を行った場合につくグロスムラの発生を抑制することができる。
本実施形態の第二のモードでは、定着ベルト310の位置によってステアリングローラ350の傾斜角を変更しており、定着ベルト310の位置が「中」位置に近いほど、ステアリングローラ350の傾斜角を緩やかにしている。このとき、定着ベルト310が「中」位置に移動されることを目的として、ステアリングローラ350は傾斜される。具体的には、「手前3」位置では第一傾斜角であるA角、「手前1」位置では第二傾斜角であるB角である。これにより、定着ベルト310が「中」位置に近くなるほど、定着ベルト310の幅方向の移動速度が小さくなる。これによって、定着ベルト310が「中」位置に維持されやすくなる。記録材Sが通紙された場合も同様に定着ベルト310が「中」位置に維持されやすくなるため、記録材Sのコバ傷はDf間の領域内につきやすくなる。よって、記録材Sが定着に用いられた場合に発生するグロスムラを抑制させることができる。
幅方向において、定着ベルト310の移動範囲の中心位置と、定着ベルト310の中心位置と、の距離は、定着ベルト310が「奥1」位置から「奥3」位置に移動するにつれて大きくなる。同様に、定着ベルト310が「手前1」位置から「手前3」位置に移動するにつれて大きくなる。定着ベルト310が「中」位置から移動した後、ステアリングローラを傾斜させる最初の動作は、第二のモードによってステアリング制御が行われた場合、定着ベルトの位置が「手前1」位置または「奥1」位置で行われる。一方、第一のモードによってステアリング制御が行われた場合、定着ベルトの位置が「手前3」位置または「奥3」位置で行われる。よって、幅方向において、定着ベルト310の中心位置が定着ベルト310の移動範囲の中心から離れた後、最初にステアリングローラを傾斜する動作を行う定着ベルトの中心位置と、定着ベルトの移動範囲の中心位置と、の距離は、第二のモードによってステアリング制御が行われる場合のほうが第一のモードによってステアリング制御が行われる場合のほうが小さいことが言える。これによって、記録材Sのコバ傷の範囲は、第一のモードのステアリング制御を行ったことで生じたDcの領域よりも、第二のモードのステアリング制御を行ったことで生じたDe間の領域は小さくなる傾向にある。よって、記録材Sを定着させる場合、第二のモードによってステアリング制御を行うことで、画像表面上に発生するグロスムラが生じにくい。
尚、本実施形態では、研磨ローラ420が定着ベルト310表面を研磨する研磨が行われている最中のステアリング制御は、第二のモードによって行われる。研磨中、第一のモードによってステアリング制御が行われると、図15(d)中のDd間の領域は、幅方向において定着ベルト310が「手前3」から「奥3」まで移動する距離に対応する範囲となる。定着ベルト310におけるDd間の領域は研磨中、常に研磨ローラ420が当接されるわけではない。定着ベルト310におけるDd間の領域には、定着ベルト310の位置によって研磨される領域とそうでない領域とができてしまう。そのため、定着ベルト310におけるDd間の領域は、310aと比較すると、十分に研磨されていない領域となってしまう。
そこで、研磨中、第二のモードによってステアリング制御が行われた場合、Dd間の領域は幅方向において定着ベルト310が「手前1」から「奥1」まで移動する距離に対応する範囲となる。定着ベルト310が「手前1」から「奥1」まで移動する距離は、定着ベルト310が「手前3」から「奥3」まで移動する距離よりも小さい。そのため、第一のモードによって研磨頻度が少なくなっていた領域の研磨量を増やすことができる。よって、ステアリング制御が行われることによって研磨頻度が少なくなってしまう領域と、研磨中常に研磨が行われる領域と、で定着が行われた場合でも、画像表面に発生するグロスムラを抑制させることができる。
尚、本実施形態では第一のモードと第二のモードによってステアリング制御が行われることを示した。しかしながら3つ以上のステアリング制御のモードを有していてもよい。例えば、本発明では研磨ローラ420を有する場合のステアリング制御のモードを示した。そこで、研磨ローラ420を有していない画像形成装置の場合、第三のモードを有していてもよい。
30 定着装置
100 画像形成装置
310 定着ベルト
330 加圧回転体
340 加熱ローラ
350 ステアリングローラ
420 研磨ローラ
421 研磨部材当接離間機構
N 定着ニップ部

Claims (7)

  1. 回転可能な無端状の定着ベルトと、
    前記定着ベルト内周面に当接し、前記定着ベルトに熱を与える加熱ローラと、
    前記加熱ローラとともに前記定着ベルト内周面に当接するステアリングローラと、
    前記定着ベルトを加圧することによって定着ニップ部を形成し、前記定着ニップ部に未定着トナーが担持された記録材を挟持搬送させ未定着トナー像を記録材に定着させる加圧回転体と、
    前記定着ベルト表面に当接し、前記定着ベルトを研磨する研磨部材と、
    前記研磨部材は前記定着ベルトに当接する位置と、離間する位置と、に移動可能であって、
    前記研磨部材は、前記定着ニップ部に記録材が搬送されている場合、定着ベルトから離間する位置に位置しており、
    前記定着ベルトの幅方向における前記定着ベルトの位置を検知するベルト位置検知部と、
    前記ベルト位置検知部の検知結果に基づいて、前記幅方向において前記定着ベルトを所定の位置に移動させるように前記ステアリングローラを揺動させる制御を行う制御部と、を備え、
    前記幅方向において、前記ベルト位置検知部は前記定着ベルトが第一所定位置にあることと、第二所定位置にあることと、を検知可能であり、
    前記幅方向において、前記第一所定位置と前記第二所定位置との前記定着ベルトの中心位置は、前記ステアリングローラの中心に対して前記ステアリングローラの一端部側に位置しており、前記第一所定位置の前記定着ベルトの中心位置は、前記第二所定位置の前記定着ベルトの中心位置に対して前記一端部側に位置しており、
    前記制御部は第一のモードと第二のモードとを含む複数のモードから選択されたモードによって前記ステアリングローラを制御し、
    記録材上にトナーが担持されうる領域を画像領域とし、
    前記定着ニップ部に搬送される記録材の前記画像領域の前記幅方向の長さが所定幅よりも小さい場合、前記制御部は前記第一のモードによって前記ステアリングローラを制御し、
    前記第一のモードでは、前記定着ベルトが前記第一所定位置に位置したことが検知されると、前記制御部は前記ステアリングローラを所定の第一の向きに傾斜させる動作を行い、前記定着ベルトが前記第二所定位置に位置したことが検知されると、前記制御部は前記ステアリングローラを傾斜させる動作を行わず、
    前記定着ニップ部に搬送される記録材の前記画像領域の前記幅方向の長さが所定幅以上である場合、前記制御部は前記第二のモードによって前記ステアリングローラを制御し、
    前記第二のモードでは、前記定着ベルトが前記第一所定位置に位置したことが検知されると、前記制御部は前記ステアリングローラを前記第一の向きに傾斜させる動作を行い、前記定着ベルトが前記第二所定位置に位置したことが検知されると、前記制御部は前記ステアリングローラを前記第一の向きに傾斜させる動作を行う
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 回転可能な無端状の定着ベルトと、
    前記定着ベルト内周面に当接し、前記定着ベルトに熱を与える加熱ローラと、
    前記加熱ローラとともに前記定着ベルト内周面に当接するステアリングローラと、
    前記定着ベルトを加圧することによって定着ニップ部を形成し、前記定着ニップ部に未定着トナーが担持された記録材を挟持搬送させ未定着トナー像を記録材に定着させる加圧回転体と、
    前記定着ベルト表面に当接し、前記定着ベルトを研磨する研磨部材と、
    前記研磨部材は前記定着ベルトに当接する位置と、離間する位置と、に移動可能であって、
    前記研磨部材は、前記定着ニップ部に記録材が搬送されていると、定着ベルトから離間する位置に位置しており、
    前記定着ベルトの幅方向における前記定着ベルトの位置を検知するベルト位置検知部と、
    前記ベルト位置検知部の検知結果に基づいて、前記幅方向において前記定着ベルトを所定の位置に移動させるように前記ステアリングローラを揺動させる制御を行う制御部と、を備え、
    前記幅方向において、前記ベルト位置検知部は前記定着ベルトが第一所定位置にあることと、第二所定位置にあることと、を検知可能であり、
    前記幅方向において、前記第一所定位置と前記第二所定位置との前記定着ベルトの中心位置は、前記ステアリングローラの中心に対して前記ステアリングローラの一端部側に位置しており、前記第一所定位置の前記定着ベルトの中心位置は、前記第二所定位置の前記定着ベルトの中心位置に対して前記一端部側に位置しており、
    前記制御部は第一のモードと第二のモードとによって前記ステアリングローラを制御し、
    記録材上にトナーが担持されうる領域を画像領域とし、
    前記定着ニップ部に搬送される記録材の前記画像領域の前記幅方向の長さが所定幅よりも小さい場合、前記制御部は前記第一のモードによって前記ステアリングローラを制御し、
    前記第一のモードでは、前記定着ベルトが前記第一所定位置に位置したことが検知されると、前記制御部は前記ステアリングローラを所定の第一の向きに傾斜しており、
    前記定着ベルトは、前記幅方向において前記定着ベルトの中心が前記ステアリングローラの中心にある位置から、前記第二所定位置に移動した場合、前記ステアリングローラは前記第一の向きとは反対の第二の向きに傾斜しており、
    前記定着ニップ部に搬送される記録材の前記画像領域の前記幅方向の長さが所定幅以上である場合、前記制御部は前記第二のモードによって前記ステアリングローラを制御し、
    前記第二のモードでは、前記定着ベルトが前記第一所定位置に位置したことが検知されると、前記制御部は前記ステアリングローラを前記第一の向きに傾斜しており、
    前記定着ベルトは、前記幅方向において前記定着ベルトの中心が前記ステアリングローラの中心にある位置から前記定着ベルトが第二所定位置に位置した場合、前記ステアリングローラは前記第一の向きに傾斜している、
    ことを特徴とする画像形成装置。
  3. 前記ステアリングローラは、前記ステアリングローラが前記加熱ローラと平行である位置に対して、第一傾斜角で傾斜した位置と、前記第一傾斜角よりも小さい第二傾斜角で傾斜した位置と、に移動可能であり、
    前記第一のモードでは、前記定着ベルトが前記第一所定位置に位置したことが検知されると、前記制御部は前記ステアリングローラを前記第一の向き且つ前記第一傾斜角に傾斜させる動作を行い、
    前記第二のモードでは、前記定着ベルトが前記第一所定位置に位置したことが検知されると、前記制御部は前記ステアリングローラを前記第一の向き且つ前記第一傾斜角に傾斜させる動作を行い、前記定着ベルトが前記第二所定位置に位置したことが検知されると、前記制御部は前記ステアリングローラを前記第一の向き且つ前記第二傾斜角に傾斜させる動作を行う
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記幅方向において、前記定着ベルトの中心位置が前記定着ベルトの移動範囲の中心から離れた後、最初に前記ステアリングローラを傾斜する動作を行う前記定着ベルトの中心位置と、前記定着ベルトの移動範囲の中心位置と、の距離は、前記制御部が前記第二のモードによって前記ステアリングローラを制御した場合のほうが、前記制御部が前記第一のモードによって前記ステアリングローラを制御した場合よりも小さい
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  5. 前記ベルト位置検知部は前記幅方向において、前記定着ベルトが第三所定位置にあることを検知可能であり、前記第三所定位置の前記定着ベルトの中心位置は、前記幅方向において前記第一所定位置の前記定着ベルトの中心位置に対して前記幅方向における前記一端部側の反対方向の他端部側、且つ前記第二所定位置の前記定着ベルトの中心位置に対して前記一端部側に位置し、
    前記制御部が第二モードによって前記ステアリングローラを制御する場合、前記ベルト位置検知部が、前記定着ベルトが前記第三所定位置に位置したことを検知すると、
    前記制御部は前記ステアリングローラを前記第一の向きに傾斜させる動作を行い、前記ステアリングローラは、前記ステアリングローラが前記加熱ローラと平行である位置に対して前記第二傾斜角よりも大きく第一傾斜角よりも小さい第三傾斜角で傾斜される
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  6. 前記所定幅は、前記幅方向において前記研磨部材が前記定着ベルトを研磨する長さから、研磨中のステアリング制御によって前記定着ベルトが前記幅方向に移動する長さと、前記定着ニップ部に記録材が搬送されているときの前記第一のモードのステアリング制御によって前記定着ベルトが前記幅方向に移動する長さと、を引いた長さ以上で、
    前記幅方向において前記研磨部材が前記定着ベルトを研磨する長さ以下である
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  7. 記録材が前記定着ニップ部に搬送されているときに前記第一のモードでステアリング制御が行われている場合、
    前記幅方向において前記研磨部材が前記定着ベルトを研磨する長さから、研磨中のステアリング制御によって前記定着ベルトが前記幅方向に移動する長さと、前記定着ニップ部に記録材が搬送されているときの前記第一のモードのステアリング制御によって前記定着ベルトが前記幅方向に移動する長さと、を引いた長さは、前記幅方向における前記画像領域の長さ以上である
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
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