JP2023025725A - シングルフェーサ - Google Patents

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貴大 山田
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真哉 吉川
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Abstract

【課題】中芯紙の紙継部が段ロールと糊付ロールの間を通過するときに、紙継部の後側の中芯紙において糊付けされない領域を短くして貼合不良を低減することができるシングルフェーサを提供する。【解決手段】一対の段ロールと、糊付ロール54と、この糊付ロールに摺接して糊付ロールの表面に付着する糊の量を調節するドクターロール56と、このドクターロールを回転させるドクターロール駆動モータ78とを備えた糊付装置は、さらに、ドクターロールを糊付ロールに対して離接させて糊付ロールとドクターロールの隙間を調整する隙間調整モータ68と、中芯紙の紙継部が上段ロール4と糊付ロールの間の糊付位置を通過するとき、糊付ロールの表面に付着する糊の膜厚が厚くなるように、隙間補正制御を行う、及び/又は、速度補正制御を行うシングルフェーサ制御装置92と、を備えている。【選択図】図5

Description

本発明は、片面段ボール紙を製造するシングルフェーサに係り、特に、糊付装置を改良したシングルフェーサに関する。
シングルフェーサは、一対の段ロールの間に中芯紙を通過させて波形を形成し、その後、表面に糊が付着された糊付ロールと段ロール間に中芯紙を通過させて、中芯紙の段頂部に糊を塗布する。この糊付ロールは、段ロールに向けて所望の押圧力で押圧されている。糊付け後は、段ロールとプレスロールの間に中芯紙とライナ紙とを重ね合わせて通過させて貼り合せることにより、片面段ボール紙を製造する。
ところで、中芯紙は、シングルフェーサの上流側においてロール原紙から繰り出され、スプライサで旧オーダ原紙の後端が新オーダ原紙の先端と両面テープにより紙継される。この紙継部は中芯紙の2倍以上の厚さとなるため、前後の中芯紙との間で段差が生じており、紙継部が強引に糊付ロールと段ロールの間を通過することにより、糊付ロールが段ロールから後退する“リバウンド現象”が発生する。このリバウンド現象が発生すると、糊付ロールが後退している間に糊付ロールと段ロールの間を通過した中芯紙(紙継部の後側の新オーダの中芯紙)の段頂部に糊が塗布されず、中芯紙にライナ紙が接着できない貼合不良が発生する。そして、生産速度(中芯紙の速度)が早いほど、紙継部通過時に糊付ロールに加わる衝撃が大きくなって糊付ロールが後退しやすく、また糊付ロールが後退している間により多くの中芯紙が通過するため、貼合不良の領域が長くなる。
特許文献1には、上述したリバウンド現象の発生を抑えるために、紙継部が糊付ロールと段ロールの間を通過するときに、糊付ロールの中芯紙に対する押圧力(段ロールに向けた押圧力)を通常の押圧力より高くするようにしたシングルフェーサが記載されている(段落0009参照)。ここで、紙継部通過時の糊付ロールの押圧力は、紙継部及びその直後の中芯紙が押しつぶされて劣化したり紙切れを起こさず、かつ紙継部によって糊付ロールや糊付装置が押し戻されたときに機械的損傷を受けず、及び中芯紙が糊付ロールの表面の糊を掻き取るときに糊付ロール表面のメッシュにダメージを与えない程度で、リバウンド現象が最小限に収まるような押圧力に設定される(段落0016参照)。この押圧力を維持した状態で紙継部が糊付けロールと段ロールの間を通過すると、糊付ロールは一次的に後退して中芯紙の段頂部に一次的に糊が塗布されない領域が発生するが、糊付ロールはすぐに元の位置に復帰するので、その糊が塗布されない領域は下流工程で切断除去される紙継不良部の範囲に納まる、と記載されている(段落0021参照)。
特開2002-192636号公報
上述した特許文献1のシングルフェーサにおいて、紙継部通過時の糊付ロールの押圧力は、中芯紙の紙切れや糊付ロールの損傷を防ぐ観点から、糊付ロールの後退を完全に抑える程の高い押圧力には設定できない。このため、糊付ロールは一次的に後退し、糊が塗布されずに貼合不良となる部分が依然として発生する。
ここで、特許文献1には、シングルフェーサにおいて、貼合不良部分をシングルフェーサから下流側の切断除去工程まで搬送する際に生じる問題は記載されていない。すなわち、コルゲートマシンにおいて、シングルフェーサの下流側には、片面段ボールシートに表ライナを貼り合わせて両面段ボールシートを作るダブルフェーサや、両面段ボールシートを流れ方向に切断するカッタ等が備えられ、カッタの下流側に、カッタで切断された不良部分をライン外へ排出するデフレクタが備えられる。
シングルフェーサにおいて糊が塗布されなかった中芯紙の領域は、裏ライナ紙と接着されないので波形を保持できず、下流側のダブルフェーサにおいて表ライナ紙とも貼合不良を起こし、表裏ライナの間で中芯紙が浮いた状態となって剛性が低下する。この剛性が低下した貼合不良部分は、デフレクタに向けて搬送される途中でカッタシリンダ等の加工具に引っ掛かり、ジャムアップを引き起こすことがあった。ジャムアップを防ぐためには、剛性の低い貼合不良部分をできるだけ短くする必要があるが、上述した押圧力を高くする手法では糊付ロールの後退を抑えるのに不十分なため、生産速度(紙の速度)を下げて対応せざるを得ず、生産性が低下していた。
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、中芯紙の紙継部が段ロールと糊付ロールの間を通過するときに、中芯紙の紙切れや糊付ロールの損傷を招いたり生産性を低下させることなく、紙継部の後側の中芯紙において糊付けされない領域を短くして貼合不良を低減することができるシングルフェーサを提供することを目的としている。
上述した課題を解決するために、第1の発明である本発明は、片面段ボール紙を製造するシングルフェーサであって、それぞれの外周面に波形段部を備え通過する中芯紙を波形に形成する第1段ロール及び第2段ロールからなる一対の段ロールと、一対の段ロールにより波形に形成された中芯紙の段頂部に糊付けするように第1段ロールに向かって押圧される糊付ロールと、この糊付ロールに摺接して糊付ロールの表面に付着する糊の量を調節するドクターロールと、このドクターロールを回転させるドクターロール駆動機構とを備えた糊付装置と、第1段ロールに供給されるライナ紙と糊付けされた中芯紙を貼り合わせる貼合せ機構と、を有し、糊付装置は、さらに、ドクターロールを糊付ロールに対して離接させて糊付ロールとドクターロールの隙間を調整する隙間調整機構と、一対の段ロールよりも上流側に位置するスプライサにより紙継ぎされた中芯紙の紙継部が第1段ロールと糊付ロールの間の糊付位置を通過するとき、糊付ロールの表面に付着する糊の膜厚が厚くなるように、隙間調整機構を制御して糊付ロールとドクターロールの隙間を一時的に広げる隙間補正制御を行う制御装置と、を備えたことを特徴としている。
このように構成された本発明によれば、中芯紙の紙継部が第1段ロールと糊付ロールの間の糊付位置を通過するときに糊付ロールの表面に付着する糊の膜厚が厚くなるように、制御装置が隙間補正制御により隙間調整機構を制御して、糊付ロールとドクターロールの隙間を一時的に広げるので、紙継部の通過時に糊付ロールが後退して第1段ロールと糊付ロールの隙間が広がっても、紙継部の後側の中芯紙に糊を塗布することができ、中芯紙とライナ紙との貼合不良を低減することができる。また、本発明によれば、糊付ロールが後退した状態で糊を中芯紙に塗布できるので、従来糊付ロールの後退を抑えるために糊付ロールを過大な力で押圧していたが、この過大な力で押圧していたことにより生じる紙の劣化や糊付ロールの損傷を防止でき、また、生産速度を下げて生産性を低下させる恐れがない。さらに、本発明によれば、糊付ロールとドクターロールの隙間を広げるためにドクターロールを糊付ロールに対して離接させるようにしたので、糊付ロールの位置を維持でき、それにより、第1段ロールと糊付ロールの隙間が狭くなって中芯紙の劣化や糊付ロールの損傷を招く恐れがない。
第2の発明である本発明は、片面段ボール紙を製造するシングルフェーサであって、それぞれの外周面に波形段部を備え通過する中芯紙を波形に形成する第1段ロール及び第2段ロールからなる一対の段ロールと、一対の段ロールにより波形に形成された中芯紙の段頂部に糊付けするように第1段ロールに向かって押圧される糊付ロールと、この糊付ロールに摺接して糊付ロールの表面に付着する糊の量を調節するドクターロールと、このドクターロールを回転させるドクターロール駆動機構とを備えた糊付装置と、第1段ロールに供給されるライナ紙と糊付けされた中芯紙を貼り合わせる貼合せ機構と、を有し、糊付装置は、さらに、一対の段ロールよりも上流側に位置するスプライサにより紙継ぎされた中芯紙の紙継部が第1段ロールと糊付ロールの間の糊付位置を通過するとき、糊付ロールの表面に付着する糊の膜厚が厚くなるように、ドクターロール駆動機構を制御してドクターロールの回転速度を一時的に遅くする速度補正制御を行う制御装置と、を備えたことを特徴としている。
このように構成された本発明によれば、中芯紙の紙継部が第1段ロールと糊付ロールの間の糊付位置を通過するときに糊付ロールの表面に付着する糊の膜厚が厚くなるように、制御装置が速度補正制御によりドクターロール駆動機構を制御して、ドクターロールの回転速度を一時的に遅くするので、紙継部の通過時に糊付ロールが後退して第1段ロールと糊付ロールの隙間が広がっても、紙継部の後側の中芯紙に糊を塗布することができ、中芯紙とライナ紙との貼合不良を低減することができる。また、本発明によれば、糊付ロールが後退した状態で糊を塗布できるので、従来糊付ロールの後退を抑えるために糊付ロールを過大な力で押圧していたが、この過大な力で押圧していたことにより生じる紙の劣化や糊付ロールの損傷を防止でき、また、生産速度を下げて生産性を低下させる恐れがない。さらに、本発明によれば、糊付ロールとドクターロールの回転速度の差を大きくするためにドクターロールの回転速度を調整するようにしたので、糊付ロールの回転速度を維持でき、これにより、第1段ロールと糊付ロールの回転速度に差が生じないので、中芯紙を安定して搬送することができる。
第3の発明である本発明は、片面段ボール紙を製造するシングルフェーサであって、それぞれの外周面に波形段部を備え通過する中芯紙を波形に形成する第1段ロール及び第2段ロールからなる一対の段ロールと、一対の段ロールにより波形に形成された中芯紙の段頂部に糊付けするように第1段ロールに向かって押圧される糊付ロールと、この糊付ロールに摺接して糊付ロールの表面に付着する糊の量を調節するドクターロールと、このドクターロールを回転させるドクターロール駆動機構とを備えた糊付装置と、第1段ロールに供給されるライナ紙と糊付けされた中芯紙を貼り合わせる貼合せ機構と、を有し、糊付装置は、さらに、ドクターロールを糊付ロールから離接させて糊付ロールとドクターロールの隙間を調整する隙間調整機構と、一対の段ロールよりも上流側に位置するスプライサにより紙継ぎされた中芯紙の紙継部が第1段ロールと糊付ロールの間の糊付位置を通過するとき、糊付ロールの表面に付着する糊の膜厚が厚くなるように、隙間調整機構を制御して糊付ロールとドクターロールの隙間を一時的に広げる隙間補正制御を行うと共にドクターロール駆動機構を制御してドクターロールの回転速度を一時的に遅くする速度補正制御を行う制御装置と、を備えたことを特徴としている。
このように構成された本発明によれば、中芯紙の紙継部が第1段ロールと糊付ロールの間の糊付位置を通過するときに糊付ロールの表面に付着する糊の膜厚が厚くなるように、制御装置が、隙間調整機構を制御して糊付ロールとドクターロールの隙間を一時的に広げる隙間補正制御を行うと共にドクターロール駆動機構を制御してドクターロールの回転速度を一時的に遅くする速度補正制御を行うので、紙継部の通過時に糊付ロールが後退して第1段ロールと糊付ロールの隙間が広がっても、紙継部の後側の中芯紙に糊を塗布することができ、中芯紙とライナ紙との貼合不良を低減することができる。また、本発明によれば、糊付ロールが後退した状態で糊を中芯紙に塗布できるので、従来糊付ロールの後退を抑えるために糊付ロールを過大な力で押圧していたが、この過大な力で押圧していたことにより生じる紙の劣化や糊付ロールの損傷を防止でき、また、生産速度を下げて生産性を低下させる恐れがない。さらに、本発明によれば、糊付ロールとドクターロールの隙間を広げるためにドクターロールを糊付ロールに対して離接させるようにしたので、糊付ロールの位置を維持でき、それにより、第1段ロールと糊付ロールの隙間が狭くなって中芯紙の劣化や糊付ロールの損傷を招く恐れがない。さらに、本発明によれば、糊付ロールとドクターロールの回転速度の差を大きくするためにドクターロールの回転速度を調整するようにしたので、糊付ロールの回転速度を維持でき、これにより、第1段ロールと糊付ロールの回転速度に差が生じないので、中芯紙を安定して搬送することができる。
これらに加えて、本発明によれば、制御装置が、隙間補正制御と速度補正制御の両方を行うので、より短い制御時間で糊膜厚を厚くすることができ、紙継部が搬送されて糊付位置の近くまで到達してから隙間補正制御と速度補正制御を開始することができる。このため、本発明によれば、紙継部の前側の中芯紙において広範囲で糊付着量 (水分量)が増えてシートに反りが発生したり、糊の消費量が増えてコストを圧迫する恐れがない。
本発明において、好ましくは、制御装置は、紙継部の後側の新オーダの中芯紙の紙厚が厚いほど、糊付ロールの表面の糊の膜厚が厚くなるように、隙間補正制御及び/又は速度補正制御を行う。
シングルフェーサにおいては、紙継部の後側の新オーダの中芯紙の紙厚が厚いほど、紙継部の段差が大きくなり、紙継部通過時に糊付ロールに加わる衝撃が大きくなるため、糊付ロールの後退量が大きくなる。そこで、本発明によれば、紙継部の後側の新オーダの中芯紙の紙厚が厚いほど糊膜厚が厚くなるように、制御装置が隙間補正制御及び/又は速度補正制御を行うので、新オーダの中芯紙の種類に応じて糊付ロールの後退量が変化しても、紙継部の後側の新オーダの中芯紙に適切に糊を塗布することができる。
本発明において、好ましくは、制御装置は、紙継部の前側の旧オーダの中芯紙の紙厚が薄いほど、糊付ロールの表面の糊の膜厚が厚くなるように、隙間補正制御及び/又は速度補正制御を行う。
シングルフェーサにおいては、糊付ロールが第1段ロールに向かって押圧される押圧力は、一対の段ロール間を通過する中芯紙の劣化や紙切れを防ぐために、中芯紙の紙厚が薄いほど小さい圧力に設定される。そのため、紙継部の前側の旧オーダの中芯紙の紙厚が薄いほど、紙継部通過時の糊付ロールの押圧力が小さいため、糊付ロールの後退量が大きくなる。そこで、本発明によれば、紙継部の前側の旧オーダの中芯紙の紙厚が薄いほど糊膜厚が厚くなるように、制御装置が隙間補正制御及び/又は速度補正制御を行うので、旧オーダの中芯紙の種類に応じて糊付ロールの後退量が変化しても、紙継部の後側の新オーダの中芯紙に適切に糊を塗布することができる。
本発明において、好ましくは、糊付装置は、さらに、隙間補正制御における糊付ロールとドクターロールの隙間の設定値を表示する表示部及びオペレータが設定値を変更可能な操作部を備える操作パネルを備える。
このように構成された本発明によれば、糊付装置が、表示部と操作部を備える操作パネルを備えているので、オペレータは、完成した段ボールシートの品質と操作パネルの表示部に表示される設定値を見比べながら、操作部を操作して設定値を変更し、中芯紙への糊付着量を調節することができる。例えば、新オーダの中芯紙において紙継部の近くで貼合不良が発生している場合は、隙間補正制御の設定値を変更して糊膜厚の増加量を増やすことにより、紙継部の後側の新オーダの中芯紙に確実に糊を塗布して貼合不良を低減することができる。
本発明において、好ましくは、糊付装置は、さらに、速度補正制御におけるドクターロールの回転速度の設定値を表示する表示部及びオペレータが設定値を変更可能な操作部を備える操作パネルを備える。
このように構成された本発明によれば、糊付装置が、表示部と操作部を備える操作パネルを備えているので、オペレータは、完成した段ボールシートの品質と操作パネルの表示部に表示される設定値を見比べながら、操作部を操作して設定値を変更し、中芯紙への糊付着量を調節することができる。例えば、新オーダの中芯紙において紙継部の近くで貼合不良が発生している場合は、速度補正制御の設定値を変更して糊膜厚の増加量を増やすことにより、紙継部の後側の新オーダの中芯紙に確実に糊を塗布して貼合不良を低減することができる。
本発明において、好ましくは、制御装置は、スプライサの紙継位置から搬送される中芯紙の紙継部が糊付位置を通過するより前に、隙間補正制御及び/又は速度補正制御を開始する。
本発明においては、隙間補正制御及び/又は速度補正制御を開始してから、糊付ロールの表面の糊の膜厚が厚くなるまでにはタイムラグがあり、その間も中芯紙は下流側に向けて搬送される。そこで、本発明によれば、制御装置が、スプライサの紙継位置から搬送される中芯紙の紙継部が糊付位置を通過するより前に、隙間補正制御及び/又は速度補正制御を開始することにより、中芯紙の紙継部が糊付位置を通過するときに、確実に糊付ロールの表面の糊膜厚を厚い状態にしておくことができ、紙継部の後側の中芯紙に糊を塗布することができる。
本発明において、好ましくは、制御装置は、中芯紙の速度が速いほど、中芯紙の紙継部が糊付位置からより上流側の地点を通過するときに、隙間補正制御及び/又は速度補正制御を開始する。
本発明において、制御装置が隙間補正制御及び/又は速度補正制御を開始してから、糊付ロールの表面の糊の膜厚が厚くなるまでにはタイムラグがあり、中芯紙の速度が速いほど、そのタイムラグの間に搬送される中芯紙の距離は長くなる。そこで、本発明によれば、制御装置が、中芯紙の速度が速いほど、中芯紙の紙継部が糊付位置からより上流側の地点(スプライサの紙継位置に近い地点)を通過するときに、補正制御を開始することにより、中芯紙の速度が変化しても、中芯紙の紙継部が糊付位置を通過するときに、確実に糊付ロールの表面の糊膜厚を厚い状態にしておくことができ、紙継部の後側の中芯紙に糊を塗布することができる。
本発明のシングルフェーサによれば、中芯紙の紙継部が段ロールと糊付ロールの間を通過するときに、中芯紙の紙切れや糊付ロールの損傷を招いたり生産性を低下させることなく、紙継部の後側の中芯紙において糊付けされない領域を短くして貼合不良を低減することができる。
本発明の実施形態によるシングルフェーサ及び中芯紙用スプライサを示す概略側面図である。 本発明の実施形態によるシングルフェーサの要部拡大図である。 中芯紙の紙継部を示す側面図である。 (a)は本発明の実施形態によるシングルフェーサの糊付装置のドクターロール駆動機構を示す正面図であり、(b)は右側から見た部分側面図である。 本発明の実施形態によるシングルフェーサの電気的構成を示す構成図である。 本発明の実施形態によるシングルフェーサのシングルフェーサ制御装置が実行する補正制御における紙継部の搬送位置と糊膜厚の関係等を示す線図である。 本発明の実施形態によるシングルフェーサのシングルフェーサ制御装置が実行する補正制御における「糊膜厚増加量」を示す表である。 本発明の実施形態によるシングルフェーサのシングルフェーサ制御装置が実行する隙間補正制御における「隙間補正量」を示す表である。 本発明の実施形態によるシングルフェーサのシングルフェーサ制御装置が実行する速度補正制御における「速度補正量」を示す表である。 本発明の実施形態の第1変形例によるシングルフェーサのシングルフェーサ制御装置が実行する隙間補正制御における「隙間補正量」を示す表である。 本発明の実施形態の第2変形例によるシングルフェーサのシングルフェーサ制御装置が実行する速度補正制御における「速度補正量」を示す表である。
図面を参酌して本発明の実施形態によるシングルフェーサを説明する。先ず、図1乃至図3により、本発明の実施形態によるシングルフェーサ及び中芯紙の紙継ぎを行う中芯紙用スプライサについて説明する。
図1は本発明の実施形態によるシングルフェーサ及び中芯紙用スプライサを示す概略側面図であり、図2は本発明の実施形態によるシングルフェーサの要部拡大図であり、図3は中芯紙の中継部を示す側面図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態によるシングルフェーサ1は、フロアFLに固定されたベース2上に配置されている。シングルフェーサ1には、シート給送方向と交差する幅方向に所定の間隔をあけて立設する一対の主フレーム3、3間に回転自在に軸支された上段ロール4と下段ロール6とからなる一対の段ロールが設けられている。上段ロール4の回転中心の直下に下段ロール6の回転中心が配設される。さらに、上段ロール4と下段ロール6の外周面には所望の波形段部8(図2参照)が形成されている。
シングルフェーサ1には、さらに、上段ロール4と下段ロール6により所望の波形に段形成された中芯紙10の段頂部に糊付けするための糊付装置12が設けられている。この糊付装置12の詳細は後述する。
シングルフェーサ1には、さらに、上段ロール4の下段ロール6との噛み合い部よりも下流側の外周面に所望の間隔をあけて配置された2本の平滑ロール14、16が設けられている。2本の平滑ロール14、16は、上段ロール4の外周面にそれぞれ近接及び離間可能に設けられ、そして、生産する片面段ボールシートの紙質や紙幅及び生産スピード等に応じて上段ロール4の外周面に巻装する中芯紙10とライナ紙18を介して接触して押圧することにより貼り合わせるようになっている。こうして、中芯紙10とライナ紙18は貼り合わされ連続する片面段ボールシート20が生産される。
なお、これらの2本の平滑ロール14、16を上段ロール4の外周面に接触させることなく限りなく接近させて中芯紙10とライナ紙18を2本の平滑ロール14、16間で上段ロール4の外周面に所望の張力を付すように巻装して、この張力の作用で中芯紙10とライナ紙18を貼り合わせるようにしてもよい。さらに、2本の平滑ロールの代わりに、シュー部材やベルトプレス装置等を用いて、中芯紙10とライナ紙18を貼り合わせるようにしてもよい。
また、上段ロール4と下段ロール6の噛み合い部の上流側には、供給される中芯紙10を加熱する中芯紙用プレヒータ22と、中芯紙用プレヒータ22に中芯紙10を巻装させるアイドルロール24が設けられている。
さらに、上段ロール4と2本の平滑ロール14、16の内、上流側に配設される平滑ロール14の係合部の上流側には、供給されるライナ紙18を加熱するライナ紙用プレヒータ26と、ライナ紙用プレヒータ26にライナ紙18を巻装させるアイドルロール28が設けられている。
本実施形態においては、上述したように上段ロールの側に糊付装置を設けるようにしているが、下段ロールの側に糊付装置を設けるようにしてもよい。この場合には、関連する各ロールの配置も本実施形態の配置と上下方向逆となる。
次に、図1により、中芯紙用スプライサについて説明する。シングルフェーサ1の上流側には、シングルフェーサ1に中芯紙10を供給するためのミルロールスタンド30と、このミルロールスタンド30から供給される中芯紙10を紙継ぎする中芯紙用スプライサ32が配置されている。ミルロールスタンド30はフロアFLに機台34が固定され、この機台34に2組のチャッキングアーム36a、36bが回動自在に設けられる。そして、各々のチャッキングアーム36a、36bに中芯紙10となるロール原紙38a、38bをそれぞれ装填する。スプライサ32は、導入ロール40a、40bと、紙継ぎを行うスプライスヘッド42と、ガイドロール44a、44b、44cと、ダンサロール46a、46b、46cからなる貯留部47と、を備えている。図5に中芯紙10の紙継位置Aが示されている。そして、スプライサ32の排出部には排出ロール48が設けられ、この排出ロール48から中芯紙10がシングルフェーサ1に供給される。
ここで、中芯紙用スプライサ32による中芯紙10の紙継ぎは、新旧オーダで中芯紙の種類を変更する場合や、オーダ生産中に原紙ロールの残量が減って新しい原紙ロールと交換する場合に行われる。ここでは、主に、新旧オーダで中芯紙の種類が変更となるオーダ変更時に中芯紙10の紙継ぎが行われる場合を対象に説明する。
図3には、中芯紙用スプライサ32により紙継ぎされた紙継部50が示されている。ここで、紙継部50の前側にあるのが旧オーダの中芯紙10aであり、後側にあるのが新オーダの中芯紙10bである。紙継部50において、前側の中芯紙10aと後側の中芯紙10bは両面テープで接着されるので、紙継部50の厚みは、中芯紙10aと中芯紙10bの厚みの合計よりも大きくなる。
次に、糊付装置12について説明する。
まず、図1に示すように、糊付装置12は、上段ロール4と下段ロール6の噛み合い部より下流で上段ロール4と平滑ロール14の係合部より上流に位置する。糊付装置12は、糊付装置用フレーム51と、糊を貯留する糊パン52と、この糊パン52に貯留する糊に浸漬して配設された糊付ロール54と、この糊付ロール54に摺接して糊付ロール54の表面に付着する糊を掻き均すドクターロール56を備えている。これらの糊付ロール54とドクターロール56は糊付装置用フレーム51に回転自在に支持されている。
さらに、糊付装置12の下部にはコロ58a、58bが設けられ、糊付装置12がベース2上を滑走できる。これにより、後述する移動装置60によって糊付装置12を上段ロール4に対して近接及び離間移動させることができる。移動装置60には、主フレーム3、3の脇に固設された補助フレーム62にブラケット64を介してアクチュエータ60aが設けられ、アクチュエータ60aのロッド60bの先端が接合具66を介して糊付装置12に接合されている。この移動装置60のアクチュエータ60aによる押圧力は制御弁(図示せず)により調整可能となっている。
そして、糊付装置12の糊付ロール54は、移動装置60のアクチュエータ60aにより、中芯紙10の段頂部に適正量の糊を均一に塗布するのに最適な押圧力で中芯紙10に接触するようになっている。この糊付ロール54と上段ロール4との中芯紙10を介した接触位置が糊付位置Bである(図5参照)。
さらに、図1に示すように、糊付装置12が上段ロール4に向けて前進する方向に対向して、主フレーム3に固定された台座65が設けられている。この台座65と糊付装置12の両方に当接する偏心カム67が設けられている。この偏心カム67が図示しない駆動装置により回転することにより、糊付ロール54と上段ロール4との間に所望の隙間が形成できるようになっている。一般的には、この隙間は、生産するオーダの中芯紙の紙厚と同じ又はその紙厚よりも少し狭くなるように、偏心カム67により調整される。
なお、糊付ロール54と上段ロール4との間に隙間を形成することなく、上述した移動装置60のアクチュエータ60aにより、糊付装置12の糊付ロール54を上段ロール4に向けて前進させ、所望の押圧力により中芯紙10を介して上段ロール4に接触させるようにしてもよい。この場合には、上述した台座65と偏心カム67は設ける必要がない。
次に、図4(a)(b)により、糊付装置12のドクターロール56を駆動するためのドクターロール駆動機構を説明する。図4(a)は本発明の実施形態によるシングルフェーサの糊付装置のドクターロール駆動機構を示す正面図であり、(b)は右側から見た部分側面図である。
図4に示すように、糊付装置12には、ドクターロール56を駆動するドクターロール駆動モータ78が設けられている。ドクターロール駆動モータ78の軸とドクターロール軸56aにそれぞれタイミングプーリ80a、80bが固定され、両タイミングプーリ80a、80bにタイミングベルト82がかけられている。
ドクターロール駆動モータ78が回転すると、タイミングプーリ80a、80bとタイミングベルト82を介してドクターロール56が、糊付装置用フレーム51に後述する偏心ハウジング76を介して取り付けられたベアリング74により、回転する。ドクターロール駆動モータ78の回転速度は可変であり、ドクターロール56の回転速度を調整することができるようになっている。
通常生産時、ドクターロール56の回転速度は糊付ロール54の回転速度の約50%に設定されている。なお、糊付ロール54は生産速度(ライナ紙18の速度)で回転する。
さらに、糊付装置12には、糊付ロール54とドクターロール56の隙間を調整するため(即ち、ドクターロール56を糊付ロール54に対して離間又は近接させるため)にドクターロール軸56aの軸心位置C1を変更する隙間調整モータ68が設けられている。この隙間調整モータ68は、糊付装置用フレーム51に回転可能に支持された調整軸70に連結され、この調整軸70には糊付装置用フレーム51の外側面に配置された調整ギヤ72が取り付けられている。
さらに、ドクターロール軸56aの外周にはベアリング74を介して偏心ハウジング76が糊付装置用フレーム51に回転可能に挿入されている。この偏心ハウジング76の外周部分はギヤ76aが形成され、このギヤ76aが調整ギヤ72と噛み合うようになっている。偏心ハウジング76の内側部76bは糊付装置用フレーム51と摺接し、糊付装置フレーム51内で回転可能となっている。この偏心ハウジング76のギヤ76a及び内側部76bは円形形状であり、この偏心ハウジング76のギヤ76a及び内側部76bの軸心位置C2は、偏心ハウジング76に回転可能に取り付けられたドクターロール軸56aの軸心位置C1と、ずれている。
このような構成により、隙間調整モータ68が回転すると、調整軸70及び調整ギヤ72を介して偏心ハウジング76が回転し、これにより、ドクターロール軸56aが移動して糊付ロール54とドクターロール56の隙間が調整できるようになっている。
通常生産時には、糊付ロール54とドクターロール56の隙間は約0.2mmに設定されるが、オーダの中芯紙の紙質や紙厚に応じた隙間に調整されるようになっている。
次に、本実施形態によるシングルフェーサ1により行われる補正制御である「隙間補正制御」及び「速度補正制御」について説明する。
先ず、本実施形態によるシングルフェーサ1においては、中芯紙10の紙継が行われた際に、紙継部50が上段ロール4と糊付ロール54の間の糊付位置Bを通過する時に糊付ロール54の表面の糊膜厚が厚くなるように、ドクターロール56を糊付ロール54から離れる方向に移動させて糊付ロール54とドクターロール56の隙間を広げるようにしている(この補正制御を「隙間補正制御」という)。このように、ドクターロール56側を移動させることにより、糊付ロール54の位置を維持できるため、上段ロール4と糊付ロール54の隙間が狭くなって中芯紙の劣化や糊付ロールの損傷を招く恐れがない。
さらに、本実施形態によるシングルフェーサ1においては、上述した「隙間補正制御」に加えて、中芯紙10の紙継が行われた際に、紙継部50が糊付位置Bを通過する時に糊付ロール54の表面の糊膜厚が厚くなるように、ドクターロール56の回転速度を遅くして糊付ロール54とドクターロール56の回転速度の差を大きくするように調整されるようになっている(これを「速度補正制御」という)。このとき、ドクターロール56側の回転速度を調整することにより、糊付ロール54の回転速度を維持できるため、上段ロール4と糊付ロール54の間で中芯紙10を安定して搬送することができる。なお、ドクターロール駆動モータを制御する代わりに、ドクターロール駆動モータとドクターロール軸の間に無段変速機を設け、無段変速機を制御してドクターロールの回転速度を調整するようにしてもよい。
次に、図5により、本発明の実施形態によるシングルフェーサの電気的構成を説明する。図5は本発明の実施形態によるシングルフェーサの電気的構成を示す構成図である。
先ず、図5に示すように、上下段ロール4、6を駆動するモータにはパルスジェネレータ90が取り付けられている。このパルスジェネレータ90からのパルス信号により中芯紙10の速度及び紙継部50の位置を算出する。
上下段ロール4、6の回転速度はライナ紙18の速度(=生産速度)に相当するので、中芯紙10の速度は、パルスジェネレータ90からのパルス信号に応じたライナ紙18の速度に段繰り率(単位長さあたりのライナ紙に対する中芯紙の使用量)を掛けて算出する。
また、紙継部50の位置は、スプライサ32の紙継位置Aから紙継部50が搬送された距離を算出することによって把握する。具体的には、スプライサ32で紙継が行われた時点からパルス信号をカウントし、カウントしたパルス数に応じたライナ紙18の繰り出し量に上述した段繰り率をかけて、中芯紙10の繰り出し量を算出することよって算出する。なお、紙継部50の搬送距離を算出する代わりに、スプライサと上下段ロールの噛み合い部との間に紙継部を検出する検出器を設け、この検出器により紙継部の位置を検出するようにしてもよい。
上述した補正制御(隙間補正制御及び速度補正制御)は、シングルフェーサ1を制御するシングルフェーサ制御装置92によって、スプライサ32により中芯紙10の紙継が行われる度に行われる。
シングルフェーサ制御装置92は、コルゲータ全体(段ボール製造装置全体)を管理するコルゲータ全体管理装置94から、中芯紙10の情報を含むオーダ情報を受け取る。
シングルフェーサ制御装置92は、中芯紙用スプライサ32から紙継信号を受け取る。
シングルフェーサ制御装置92は、パルスジェネレータ90からパルス信号を受け取り、上述したように、中芯紙10の速度及び紙継部50の搬送距離を算出する。
シングルフェーサ制御装置92にはメモリ96が備えられ、このメモリ96から各種設定値や計算式を読み出す。
シングルフェーサ制御装置92には、オペレータが操作可能な操作パネル98が接続される。操作パネル98はタッチパネル式で、画面に各種設定値が表示され、オペレータが操作パネル98を操作して設定値を変更することができるようになっている。変更した設定値はメモリ96に記憶される。
シングルフェーサ制御装置92は、上述した隙間調整モータ68に隙間補正指令を送り、ドクターロール56と糊付ロール54の隙間を調整する。さらに、シングルフェーサ制御装置92は、ドクターロール駆動モータ78に速度補正指令を送り、ドクターロール56の回転速度を調整する。
次に、図6により、本実施形態によるシングルフェーサのシングルフェーサ制御装置が実行する補正制御(隙間補正制御及び速度補正制御)における紙継部の搬送位置と糊膜厚の関係等について説明する。図6は本発明の実施形態によるシングルフェーサのシングルフェーサ制御装置が実行する補正制御における紙継部の搬送位置と糊膜厚の関係等を示す線図である。
図6に示すように、先ず、シングルフェーサ制御装置92は、補正制御を行うために、スプライサ32で中芯紙10の紙継が行われた時点から補正制御を開始するまでの紙継部50の搬送距離(以下、「補正制御開始距離」という)と、紙継時点から補正制御を終了するまでの紙継部50の搬送距離(以下、「補正制御終了距離」という)を算出する。この「補正制御開始距離」及び「補正制御終了距離」の算出は、中芯紙10の紙継が行われる度に、「隙間補正制御」及び「速度補正制御」についてそれぞれ行われる。
シングルフェーサ制御装置92は、紙継部50の搬送距離が「補正制御開始距離」に一致した時点で、それぞれ補正制御を開始する。補正制御を開始すると、糊付ロール54の表面の糊膜厚が徐々に厚くなり、その後、設定した厚い糊膜厚となる。
また、シングルフェーサ制御装置92は、紙継部50の搬送距離が「補正制御終了距離」に一致した時点で、それぞれ補正制御を終了する。補正制御を終了すると、糊付ロール54の表面の糊膜厚が徐々に薄くなり、その後、新オーダに応じた糊膜厚となる。
これらの「補正制御開始距離」及び「補正制御終了距離」を算出するために、後述する「糊膜厚増加範囲」、「糊膜厚増加量」、「隙間補正量」及び「速度補正量」が設定される。
次に、図6に示すように、紙継部50の前後で糊膜厚を厚くする範囲(以下、「糊膜厚増加範囲」という)を、紙継部50の追跡精度を考慮した範囲に設定する。ここで、「糊膜厚増加範囲」を紙継部50の前後で幅をもたせて設定することにより、紙継部50が糊付位置Bに到達した時に、確実に糊膜厚を厚い状態にしておくことができる。ここでは、実施例として、紙継部50の前に8m、紙継部50の後ろに8m、合計16mの範囲を設定する。なお、紙継部50(新旧中芯紙と両面テープが重なった部分)の長さは約50mmである。この「糊膜厚増加範囲」の設定値は、操作パネル98に表示され、オペレータの操作により変更することができる。
次に、図7乃至図9により、シングルフェーサ制御装置が実行する補正制御(隙間補正制御及び速度補正制御)における「糊膜厚増加量」、「隙間補正量」及び「速度補正量」について説明する。図7は本発明の実施形態によるシングルフェーサのシングルフェーサ制御装置が実行する補正制御(隙間補正制御及び速度補正制御)における「糊膜厚増加量」を示す表であり、図8は本発明の実施形態によるシングルフェーサのシングルフェーサ制御装置が実行する隙間補正制御における「隙間補正量」を示す表であり、図9は本発明の実施形態によるシングルフェーサのシングルフェーサ制御装置が実行する速度補正制御における「速度補正量」を示す表である。
先ず、図7により、「糊膜厚増加量」について説明する。紙継部50の通過時に糊膜厚を厚くする量(以下、「糊膜厚増加量」という)を、予め実験した糊付ロールの後退量の実測値と、補正制御に要する時間を考慮して設定する。ここで、中芯紙10の速度が速いほど、紙継部50の通過時に糊付ロール54に加わる衝撃が大きくなるため、糊付ロール54の後退量が大きくなる。そこで、「糊膜厚増加量」は、糊付ロール54の後退量が最も大きくなる場合、すなわち紙継部50が最高速度で搬送される場合を想定して設定する。実施例として、最高生産速度(ライナ紙18の速度)300m/分を想定して設定する。
また、新オーダの中芯紙10の紙厚が厚いほど、紙継部50の段差が大きくなり、紙継部50の通過時に糊付ロール54に加わる衝撃が大きくなるため、糊付ロール54の後退量が大きくなる。
さらに、旧オーダの中芯紙10の紙厚が薄いほど、糊付ロール54が上段ロール4に向かって押圧される押圧力が中芯紙10の劣化や紙切れを防ぐために小さい圧力に設定されるため、糊付ロール54の後退量が大きくなる。
そこで、図7に示すように、新旧オーダの中芯紙10の紙厚をそれぞれ5段階(薄い:坪量(紙1m2当たりの重量)~120g/m2相当、やや薄い:坪量120~160g/m2相当、普通:坪量160~180g/m2相当、やや厚い:坪量180~200g/m2相当、厚い:坪量200g/m2~相当)に区分し、新旧オーダの中芯紙10の紙厚の組み合わせに応じた糊膜厚増加量を設定する。
具体的には、旧オーダの紙厚が厚く、新オーダの紙厚が薄いほど、糊付ロール54の後退量が小さくなるため、糊膜厚増加量を小さい値に設定する。反対に、旧オーダの紙厚が薄く、新オーダの紙厚が厚いほど、糊付ロール54の後退量が大きくなるため、糊膜厚増加量を大きな値に設定する。
実施例として、旧オーダの紙厚が厚く、新オーダの紙厚が薄い場合、糊付ロール54の後退量の実測値が約0.05mmとなったため、糊膜厚増加量を0.05mmに設定している(図7の左の表の最も左側列の最下部参照)。
一方、旧オーダの紙厚が薄く、新オーダの紙厚が厚い場合、糊付ロール54の後退量の実測値が約0.2mmとなったが、糊膜厚増加量は0.15mmに設定している(図7の左の表の最も右側列の最上部参照)。これは、糊膜厚増加量を0.2mmとすると、補正制御にかかる時間が長くなり、紙継部50が搬送されて糊付位置Bに到達するまで(正確には糊膜厚増加範囲に入るまで)に設定した糊膜厚増加量に達しない恐れがあるため、糊膜厚増加量を糊付ロール54の後退量の実測値よりも少なく設定している。
次に、図7及び図8により、隙間補正制御による「隙間補正量」について説明する。
先ず、本実施形態においては、隙間補正制御による糊膜厚増加量と、速度補正制御による糊膜厚増加量の合計が、上述の設定した(全体の)糊膜厚増加量となるように、「隙間補正量」と「速度補正量」を設定する。即ち、本実施形態では、補正制御として、隙間補正制御と速度補正制御の両方を行うことにより、全体の糊膜厚増加量を隙間補正制御による糊膜厚増加量と速度補正制御による糊膜厚増加量に分担させている。
次に、隙間補正制御においては、隙間補正量と糊膜厚増加量の関係がイメージしやすいため(隙間補正量≒糊膜厚増加量)、オペレータが糊膜厚を調整しやすいという利点がある。
そこで、設定した(全体の)糊膜厚増加量が少ない場合は、その全体の糊膜厚増加量に対して隙間補正制御が担う糊膜厚増加量の割合を多くして、糊膜厚を調整しやすくする。例えば、旧オーダの紙厚が厚く、新オーダの紙厚が薄い場合、設定した(全体の)糊膜厚増加量は0.05mmと少ないため(図7の左の表の最も左側列の最下部参照)、隙間補正制御による糊膜厚増加量を0.05mm(図7の右上の表の最も左側列の最下部参照)、速度補正制御による糊膜厚増加量を0に設定する(図7の右下の表の最も左側列の最下部参照)。
そして、設定した隙間補正制御による糊膜厚増加量に基づき、隙間補正量≒糊膜厚増加量とみなして(誤差は無視して)、糊膜厚増加量を隙間補正量に換算する。したがって、隙間補正制御による糊膜厚増加量が0.05mmの場合(図8の左の表の最も左側列の最下部参照)、「隙間補正量」を0.05mmに設定する(図8の右の表の最も左側列の最下部参照)。
次に、図7及び図9により、速度補正制御による「速度補正量」について説明する。
速度補正制御は、隙間補正制御に比べて補正速度が速いという利点がある。そこで、設定した(全体の)糊膜厚増加量が多い場合は、その全体の糊膜厚増加量に対して速度補正制御が担う糊膜厚増加量の割合を多くして、全体の制御時間を短くすることにより、紙継部50が糊付位置Bの近くまで到達してから制御を開始することができ、旧オーダの中芯紙10において糊付着量が増える範囲を必要最小限に留めることができる。
例えば、旧オーダの紙厚が薄く、新オーダの紙厚が厚い場合、設定した糊膜厚増加量は0.15mmと多いため(図7の左の表の最も右側列の最上部参照)、隙間補正制御による糊膜厚増加量を0.05mm(図7の右上の表の最も右側列の最上部参照)、速度補正制御による糊膜厚増加量を0.1mmに設定する(図7の右下の表の最も右側列の最上部参照)。
そして、図9に示すように、設定した速度補正制御による糊膜厚増加量に基づき、糊膜厚増加量を速度補正量に換算する。ここで、ドクターロール56の回転速度を通常速度比75%(25%減速)とすると、隙間を0.05mm広げたときのように糊膜厚が約0.05mm増加する(誤差は無視する)。したがって、速度補正制御による糊膜厚増加量が0.1mmの場合(図9の左の表の最も右側列の最上部参照)、速度補正量は通常速度比50%に設定する(図9の右の表の最も右側列の最上部参照)。
上述した新旧オーダの紙厚に応じた「隙間補正量」と「速度補正量」の設定値は、操作パネル98に表示され、オペレータの操作により変更することができる。
次に、上述の設定した「糊膜厚増加範囲」、「隙間補正量」及び「速度補正量」に基づき、図6に記載された「補正制御開始距離(紙継時点から補正制御を開始するまでの紙継部の搬送距離)」及び「補正制御終了距離(紙継時点から補正制御を終了するまでの紙継部の搬送距離)」の算出方法を説明する。
先ず、「補正制御開始距離」の算出方法を説明する。「補正制御開始距離」は、以下に示す算出式1、算出式2及び算出式3から算出される。これらの算出式1乃至3において、「補正制御」は「隙間補正制御」及び「速度補正制御」を意味し、「補正量」は「隙間補正量」及び「速度補正量」を意味する。
補正制御開始距離の算出式1
補正制御開始距離(m)
=スプライサの紙継位置Aからシングルフェーサの糊付位置Bまでの中芯紙の距離(m)
-{補正制御を開始してから設定された補正量になるまでに通過する中芯紙の距離(m )+紙継部の前の糊膜厚増加範囲(m)}
補正制御開始距離の算出式2
補正制御を開始してから設定された補正量になるまでに通過する中芯紙の距離(m)
=補正制御に要する時間(秒)×中芯紙の速度(m/秒)
補正制御開始距離の算出式3
補正制御に要する時間(秒)=補正量(mm又は%)÷補正速度(mm/秒又は%/秒)
算出式1について、スプライサの紙継位置Aからシングルフェーサの糊付位置Bまでの中芯紙の長さは予め把握されている。実施例では、41mである。また、糊膜厚増加範囲は、実施例では、紙継部の前後それぞれ8mである。
算出式2について、中芯紙の速度は、紙継が行われた時点で都度算出する。中芯紙の速度は、生産速度(ライナ紙の速度)にフルートの段繰り率をかけて算出する。
算出式3について、隙間補正制御における補正速度はドクターロールの移動速度であり、実施例では0.017mm/秒である。また、速度補正制御における補正速度はドクターロールの回転速度を変化させる速度であり、実施例では25%/秒である。これは、通常生産時の回転速度を100%としたときに、1秒間で回転速度を通常速度比75%に減速できることを意味する。また、通常速度比75%(25%分減速)とすると、糊膜厚は約0.05mm増加する。
補正制御終了距離の算出式
補正制御終了距離(m)
=スプライサの紙継位置Aからシングルフェーサの糊付位置Bまでの中芯紙の搬送距離(m)+紙継部の後ろの糊膜厚増加範囲(m)
次に、隙間補正制御に関する計算例を説明する。
<条件>
・隙間補正量は0.05mm(隙間補正制御による糊膜厚増加量0.05mm)
・紙継時の生産速度(ライナ紙の速度)は300m/分、Aフルート(段繰り率1.6)
<補正制御開始距離の算出>
・算出式3より、隙間補正制御に要する時間は、0.05mm÷0.017mm/秒≒2.94秒となる。
・中芯紙の速度は、300m/分×1.6=480m/分=8m/秒であるから、
算出式2より、隙間補正制御を開始してから設定された補正量になるまでに通過する中芯紙の距離は、2.94秒×8m/秒=23.5mとなる。
・よって、算出式1より、隙間補正制御の補正制御開始距離は、41m-(23.5m+8m)=9.5mとなる。
<補正制御終了距離の算出>
・隙間補正制御の補正制御終了距離は、41m+8m=49mとなる。
次に、速度補正制御に関する計算例を説明する。
<条件>
・速度補正量は通常速度比50%(速度補正制御による糊膜厚増加量0.1mm)
・紙継時の生産速度(ライナ紙の速度)300m/分、Aフルート(段繰り率1.6)
<補正制御開始距離の算出>
・算出式3より、速度補正制御に要する時間は、50%÷25%=2秒となる。
・中芯紙の速度は、300m/分×1.6=480m/分=8m/秒であるから、
算出式2より、速度補正制御を開始してから設定された補正量になるまでに通過する中芯紙の距離は、2秒×8m/秒=16mとなる。
・よって、算出式1より、速度補正制御の補正制御開始距離は、41m-(16m+8m)=17mとなる。
<補正制御終了距離の算出>
・速度補正制御の補正制御終了距離は、41m+8m=49mとなる。
上述した計算例では、紙継時点からの紙継部の搬送距離が9.5mに達した時に隙間補正制御を開始し、17mに達した時に速度補正制御を開始することにより、紙継部が糊付位置Bの8m手前の糊膜厚増加範囲に到達した時に、糊膜厚増加量が0.15mm(隙間補正制御による膜厚増加量0.05mm+速度補正制御による膜厚増加量0.1mm)となる。
その後、紙継部の搬送距離が49mに達した時に、隙間補正制御を終了して隙間を新オーダの中芯紙に応じた値に調整し始めると共に、速度補正制御を終了してドクターロール56の回転速度を通常生産時の速度に戻し始める。
これらの計算式はメモリ96に記憶され、計算された補正制御開始距離及び補正制御終了距離は、操作パネル98に表示される。
次に、本実施形態によるシングルフェーサのシングルフェーサ制御装置が実行する補正制御のフローを説明する。
ここでは、新旧オーダで中芯紙の種類が変更となるオーダ変更時に紙継ぎが行われる場合を想定して、補正制御の流れを説明する。
ただし本実施形態では、あるオーダの生産中に原紙ロールの残量が減って新しい原紙ロールに交換する際の紙継時にも実行される。この場合、新旧オーダで同じ種類の中芯紙を使用したと仮定して、同様の制御を行う。
<条件>
・旧オーダ中芯紙 坪量120g/m2(紙厚「薄い」に相当)
・新オーダ中芯紙 坪量180g/m2(紙厚「普通」に相当)
Aフルート(段繰り率1.6)
・紙継時の生産速度(ライナ紙の速度)300m/分
・スプライサの紙継位置Aからシングルフェーサの糊付位置Bまでの中芯紙の搬送距離41m
・糊膜厚増加範囲 紙継部の前後それぞれ8m
・隙間補正速度 0.017mm/秒
・速度補正速度 通常生産時の回転速度に対する減速割合25%/秒
シングルフェーサ制御装置92が行う補正制御フロー
1.旧オーダの生産を行う。
・ドクターロール56の回転速度は、通常生産時の回転速度に設定されている。
・ドクターロール56と糊付ロール54の隙間は、旧オーダの中芯紙に応じた値に設定されている。
2.紙継を行う時期が近づいてくると、コルゲータ全体管理装置94から新オーダの中芯紙の紙厚とフルート情報を受け取る。
3.スプライサ32により中芯紙の紙継が行われると、スプライサ32から紙継信号を受け取る。
4.上下段ロールを駆動するモータに設置されたパルスジェネレータ90からパルス信号を受け取り、段繰り率をかけて中芯紙の速度を計測する。
・300m/秒×1.6=480m/分=8m/秒
5.紙継信号を受け取った時点からのパルス信号をカウントし、カウントしたパルス数に段繰り率をかけて紙継部の搬送距離(中芯紙の繰り出し量)を計測する。
6.メモリを参照し、新旧オーダの中芯紙の紙厚の組み合わせに応じた隙間補正量及び速度補正量を読み出す。
・旧オーダの紙厚が「薄い」、新オーダの紙厚が「普通」の場合、
隙間補正量は0.05mm(図8の右の表の真ん中の行の最上部参照)、速度補正量は通常速度比50%である(図9の右の表の真ん中の行の最上部参照)。
7.メモリ96に記憶された計算式に基づき、隙間補正制御及び速度補正制御それぞれについて、補正制御開始距離及び補正制御終了距離を算出する。
・隙間補正制御の補正制御開始距離
=41m-{(0.05mm÷0.017mm/秒)×8m/秒+8m}≒9.5m
・速度補正制御の補正制御開始距離
=41m-{(50%÷25%/秒)×8m/秒+8m}≒17m
・隙間補正制御及び速度補正制御の補正制御終了距離=41m+8m=49m
8.隙間補正制御及び速度補正制御についてそれぞれ、紙継部の搬送距離が補正制御開始距離に一致した時にドクターロール駆動モータ78及び隙間調整モータ68に補正開始指令を出す。
・ドクターロール駆動モータ78は、ドクターロール56の回転速度を遅くする。
・隙間調整モータ68は、ドクターロール56を糊付ロール54から離れる方向に移動させる。
9.隙間補正制御及び速度補正制御についてそれぞれ、紙継部の搬送距離が補正制御終了距離に一致した時にドクターロール駆動モータ78及び隙間調整モータ68に補正終了指令を出す。
・ドクターロール駆動モータ78は、ドクターロール56を通常生産時の回転速度に戻す。
・隙間調整モータ68は、新オーダの中芯紙に応じた隙間に調整する。
10.新オーダの生産を行う。
・なお、紙継部は、シングルフェーサの下流側にあるカッタで切断され、その後、デフレクタでコルゲータライン外に排出される。
次に、図10及び図11を参照して、本発明の実施形態の第1変形例及び第2変形例によるシングルフェーサについて説明する。図10は本発明の実施形態の第1変形例によるシングルフェーサのシングルフェーサ制御装置が実行する隙間補正制御における「隙間補正量」を示す表であり、図11は本発明の実施形態の第2変形例によるシングルフェーサのシングルフェーサ制御装置が実行する速度補正制御における「速度補正量」を示す表である。
上述した本発明の実施形態においては、補正制御として、隙間補正制御と速度補正制御の両方を行うことにより、全体の糊膜厚増加量を隙間補正制御による糊膜厚増加量と速度補正制御による糊膜厚増加量に分担させている。
本発明においては、上述した実施形態の変形例として、補正制御として「隙間補正制御」と「速度補正制御」をそれぞれ単独で行うようにしてもよい。
図11に示すように、第1変形例によるシングルフェーサにおいては、補正制御として「隙間補正制御」を単独で行う。この場合、全体の膜厚増加量を隙間補正量に換算し、これを操作パネル98に表示する。
図12に示すように、第2変形例においては、補正制御として「速度補正制御」を単独で行う。この場合、全体の膜厚増加量を速度補正量に換算し、これを操作パネル98に表示する。
これらの第1変形例と第2変形例において、補正制御開始距離と補正制御終了距離の算出方法、補正制御フローは、上述した実施形態と同じである。
なお、上述した本実施形態、第1変形例及び第2変形例によるシングルフェーサにおいて、上述したシングルフェーサ制御装置による補正制御(隙間補正制御及び/又は速度補正制御)は、紙継時の中芯紙の速度が早い場合に限って行うようにしてもよい。中芯紙の速度が遅い場合、紙継部通過時に糊付ロールに加わる衝撃が小さいことから糊付ロールの後退量が小さく、また糊付ロールが後退している間に通過する中芯紙の長さも短いため、貼合不良部分が短く抑えられるためである。例えば、紙継時の生産速度が150m/分未満の場合は補正制御を行わないように設定することで、必要以上に糊の消費量が増えることを防止できる。
上述した実施例では、新オーダの中芯紙における紙継部の近くの貼合不良部分の長さは、従来が平均65mm、本発明では平均26mmとなり、貼合不良部分を39mm分短くすることができた。その結果、貼合不良部分がデフレクタに向けて搬送される途中でカッタシリンダ等の加工具に引っ掛かることが抑制され、ジャムアップの発生を防ぐことができた。
次に、上述した本実施形態、第1変形例及び第2変形例によるシングルフェーサを奏する作用効果について説明する。
まず、本実施形態及び第1変形例によるシングルフェーサ1においては、中芯紙10の紙継部50が上段ロール4と糊付ロール54の間の糊付位置Bを通過するときに糊付ロール54の表面に付着する糊の膜厚が厚くなるように、シングルフェーサ制御装置92が、「隙間補正制御」により隙間調整モータ68を制御して、糊付ロールとドクターロール56の隙間を一時的に広げるので、紙継部50の通過時に糊付ロール54が後退して上段ロール4と糊付ロール54の隙間が広がっても、紙継部50の後側の中芯紙10に糊を塗布することができ、中芯紙10とライナ紙48との貼合不良を低減することができる。また、本実施形態及び第1変形例によれば、糊付ロール54が後退した状態で糊を中芯紙10に塗布できるので、従来糊付ロールの後退を抑えるために糊付ロールを過大な力で押圧していたが、この過大な力で押圧していたことにより生じる紙の劣化や糊付ロールの損傷を防止でき、また、生産速度を下げて生産性を低下させる恐れがない。さらに、本実施形態及び第1変形例によれば、糊付ロール54とドクターロール56の隙間を広げるためにドクターロール56を糊付ロール54に対して離接させるようにしたので、糊付ロール54の位置を維持でき、それにより、上段ロール4と糊付ロール54の隙間が狭くなって中芯紙の劣化や糊付ロールの損傷を招く恐れがない。
なお、本実施形態及び第1変形例によれば、従来生じていた片面段ボール紙の貼合不良部分がデフレクタに向けて搬送される途中でカッタシリンダ等の加工具に引っ掛かりジャムアップが発生することを防止できる。
次に、本実施形態及び第2変形例によるシングルフェーサ1においては、中芯紙10の紙継部50が上段ロール4と糊付ロール54の間の糊付位置Bを通過するときに糊付ロール54の表面に付着する糊の膜厚が厚くなるように、シングルフェーサ制御装置92が「速度補正制御」によりドクターロール駆動モータ78を制御して、ドクターロール56の回転速度を一時的に遅くするので、紙継部50の通過時に糊付ロール54が後退して上段ロール4と糊付ロール54の隙間が広がっても、紙継部50の後側の中芯紙10に糊を塗布することができ、中芯紙10とライナ紙18との貼合不良を低減することができる。また、本実施形態及び第2変形例によれば、糊付ロール54が後退した状態で糊を塗布できるので、従来糊付ロールの後退を抑えるために糊付ロールを過大な力で押圧していたが、この過大な力で押圧していたことにより生じる紙の劣化や糊付ロールの損傷を防止でき、また、生産速度を下げて生産性を低下させる恐れがない。さらに、本実施形態及び第2変形例によれば、糊付ロール54とドクターロール56の回転速度の差を大きくするためにドクターロール56の回転速度を調整するようにしたので、糊付ロール54の回転速度を維持でき、これにより、上段ロール4と糊付ロール54の回転速度に差が生じないので、中芯紙10を安定して搬送することができる。
なお、本実施形態及び第2変形例によれば、従来生じていた片面段ボール紙の貼合不良部分がデフレクタに向けて搬送される途中でカッタシリンダ等の加工具に引っ掛かりジャムアップが発生することを防止できる。
さらに、本実施形態によるシングルフェーサ1においては、シングルフェーサ制御装置92が、「隙間補正制御」と「速度補正制御」の両方を行うので、より短い制御時間で糊膜厚を厚くすることができ、紙継部50が搬送されて糊付位置Bの近くまで到達してから「隙間補正制御」と「速度補正制御」を開始することができる。このため、本実施形態によれば、紙継部50の前側の中芯紙において広範囲で糊付着量 (水分量)が増えてシートに反りが発生したり、糊の消費量が増えてコストを圧迫する恐れがない。
1 シングルフェーサ
4 上段ロール
6 下段ロール
8 波形段部
10 中芯紙
12 糊付装置
18 ライナ紙
20 片面段ボールシート
32 中芯紙用スプライサ
50 紙継部
52 糊パン
54 糊付ロール
56 ドクターロール
68 隙間調整モータ
78 ドクターロール駆動モータ
90 パルスジェネレータ
92 シングルフェーサ制御装置
94 コルゲータ全体管理装置
96 メモリ
98 操作パネル
A 紙継位置
B 糊付位置
C1 ドクターロール軸の心位置
C2 偏心ハウジングの軸心位置

Claims (9)

  1. 片面段ボール紙を製造するシングルフェーサであって、
    それぞれの外周面に波形段部を備え通過する中芯紙を波形に形成する第1ロール及び第2段ロールからなる一対の段ロールと、
    上記一対の段ロールにより波形に形成された中芯紙の段頂部に糊付けするように第1段ロールに向かって押圧される糊付ロールと、この糊付ロールに摺接して糊付ロールの表面に付着する糊の量を調節するドクターロールと、このドクターロールを回転させるドクターロール駆動機構とを備えた糊付装置と、
    上記第1段ロールに供給されるライナ紙と上記糊付けされた中芯紙を貼り合わせる貼合せ機構と、を有し、
    上記糊付装置は、さらに、上記ドクターロールを糊付ロールに対して離接させて糊付ロールとドクターロールの隙間を調整する隙間調整機構と、上記一対の段ロールよりも上流側に位置するスプライサにより紙継ぎされた中芯紙の紙継部が第1段ロールと糊付ロールの間の糊付位置を通過するとき、糊付ロールの表面に付着する糊の膜厚が厚くなるように、上記隙間調整機構を制御して糊付ロールとドクターロールの隙間を一時的に広げる隙間補正制御を行う制御装置と、を備えたことを特徴とするシングルフェーサ。
  2. 片面段ボール紙を製造するシングルフェーサであって、
    それぞれの外周面に波形段部を備え通過する中芯紙を波形に形成する第1段ロール及び第2段ロールからなる一対の段ロールと、
    上記一対の段ロールにより波形に形成された中芯紙の段頂部に糊付けするように第1段ロールに向かって押圧される糊付ロールと、この糊付ロールに摺接して糊付ロールの表面に付着する糊の量を調節するドクターロールと、このドクターロールを回転させるドクターロール駆動機構とを備えた糊付装置と、
    上記第1段ロールに供給されるライナ紙と上記糊付けされた中芯紙を貼り合わせる貼合せ機構と、を有し、
    上記糊付装置は、さらに、上記一対の段ロールよりも上流側に位置するスプライサにより紙継ぎされた中芯紙の紙継部が第1段ロールと糊付ロールの間の糊付位置を通過するとき、糊付ロールの表面に付着する糊の膜厚が厚くなるように、上記ドクターロール駆動機構を制御してドクターロールの回転速度を一時的に遅くする速度補正制御を行う制御装置と、を備えたことを特徴とするシングルフェーサ。
  3. 片面段ボール紙を製造するシングルフェーサであって、
    それぞれの外周面に波形段部を備え通過する中芯紙を波形に形成する第1段ロール及び第2段ロールからなる一対の段ロールと、
    上記一対の段ロールにより波形に形成された中芯紙の段頂部に糊付けするように第1段ロールに向かって押圧される糊付ロールと、この糊付ロールに摺接して糊付ロールの表面に付着する糊の量を調節するドクターロールと、このドクターロールを回転させるドクターロール駆動機構とを備えた糊付装置と、
    上記第1段ロールに供給されるライナ紙と上記糊付けされた中芯紙を貼り合わせる貼合せ機構と、を有し、
    上記糊付装置は、さらに、上記ドクターロールを糊付ロールから離接させて糊付ロールとドクターロールの隙間を調整する隙間調整機構と、上記一対の段ロールよりも上流側に位置するスプライサにより紙継ぎされた中芯紙の紙継部が第1段ロールと糊付ロールの間の糊付位置を通過するとき、糊付ロールの表面に付着する糊の膜厚が厚くなるように、上記隙間調整機構を制御して糊付ロールとドクターロールの隙間を一時的に広げる隙間補正制御を行うと共に上記ドクターロール駆動機構を制御してドクターロールの回転速度を一時的に遅くする速度補正制御を行う制御装置と、を備えたことを特徴とするシングルフェーサ。
  4. 上記制御装置は、紙継部の後側の新オーダの中芯紙の紙厚が厚いほど、糊付ロールの表面の糊の膜厚が厚くなるように、上記隙間補正制御及び/又は上記速度補正制御を行う請求項1乃至3の何れか1項に記載のシングルフェーサ。
  5. 上記制御装置は、紙継部の前側の旧オーダの中芯紙の紙厚が薄いほど、糊付ロールの表面の糊の膜厚が厚くなるように、上記隙間補正制御及び/又は上記速度補正制御を行う請求項1乃至4の何れか1項に記載のシングルフェーサ。
  6. 上記糊付装置は、さらに、上記隙間補正制御における糊付ロールとドクターロールの隙間の設定値を表示する表示部及びオペレータが上記設定値を変更可能な操作部を備える操作パネルを備える請求項1又は3に記載のシングルフェーサ。
  7. 上記糊付装置は、さらに、上記速度補正制御におけるドクターロールの回転速度の設定値を表示する表示部及びオペレータが上記設定値を変更可能な操作部を備える操作パネルを備える請求項2又は3に記載のシングルフェーサ。
  8. 上記制御装置は、スプライサの紙継位置から搬送される中芯紙の紙継部が糊付位置を通過するより前に、上記隙間補正制御及び/又は上記速度補正制御を開始する請求項1乃至3の何れか1項に記載のシングルフェーサ。
  9. 上記制御装置は、中芯紙の速度が速いほど、中芯紙の紙継部が糊付位置からより上流側の地点を通過するときに、上記隙間補正制御及び/又は上記速度補正制御を開始する請求項8に記載のシングルフェーサ。
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