JP2023025346A - エンジン制御システム - Google Patents

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Takahiro Kashima
翔平 木村
Shohei Kimura
陽平 最首
Yohei Saishiyu
高志 山本
Takashi Yamamoto
礼 石田
Rei Ishida
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【課題】旋回流を発生させるためのバルブを切り替えるときにトルク変動を抑制すること。【解決手段】システムは、旋回流を発生させるバルブを含むエンジンと、クランク角センサと、加速度センサと、制御装置と、を備える。記憶媒体は、バルブが開位置と閉位置との間で切り替えられるときにエンジンを制御するための調整トルクを記憶する。プロセッサは、バルブが開位置と閉位置との間で切り替えられたと判定される場合に調整トルクに基づいてエンジンを運転することと、調整トルクに基づいてエンジンが運転された後に回転変動が第1範囲内にあるか否かを判定することと、調整トルクに基づいてエンジンが運転された後に加速度変動が第2範囲内にあるか否かを判定することと、回転変動が第1範囲内になくかつ加速度変動が第2範囲内にない場合に回転変動に基づいて調整トルクを補正することと、を実行するように構成される。【選択図】図1

Description

本発明は、エンジン制御システムに関する。
エンジンでは、混合気の燃焼性を安定させるために、燃焼室に旋回流が生成される場合がある。旋回流は、吸気管に設けられるバルブによって生成され得る。具体的には、バルブが閉じられると、これによって吸気路が狭められる。このような構成によって、吸気の流量が高められ、燃焼室に旋回流が生成される。バルブが開かれると、旋回流は生成されない。バルブが閉位置と開位置との間で切り替えられるとき、吸気の流量が急激に変動する。このため、エンジンのトルクも急激に変動し、これが乗員の不快感に繋がり得る。例えば、特許文献1は、このようなトルク変動を抑制するための制御装置を開示する。この制御装置は、上記のようなトルク変動を、燃料噴射量を調整することによって吸収する。
特開2017-8839号公報
トルク変動は様々な要因に応じて変化し得る。このため、たとえいくつかのパラメータに基づいて燃料噴射の調整量を定めたとしても、トルク変動を吸収できない場合がある。
本発明は、旋回流を発生させるためのバルブを切り替えるときにトルク変動を抑制することができる、エンジン制御システムを提供することを目的とする。
本発明の一態様は、
旋回流を燃焼室に発生させるバルブを含むエンジンと、
前記エンジンの回転数を測定するクランク角センサと、
前記エンジンが設けられる車両の加速度を測定する加速度センサと、
前記エンジンを制御する制御装置と、
を備え、
前記バルブは、開位置と、前記旋回流を発生させる閉位置と、の間で動作可能であり、
前記制御装置は、1または複数のプロセッサと、前記1または複数のプロセッサによって実行される命令を記憶する1または複数の記憶媒体と、を含み、
前記1または複数の記憶媒体は、前記バルブが前記開位置と前記閉位置との間で切り替えられるときに前記エンジンを制御するための調整トルクを記憶し、
前記1または複数のプロセッサは、前記命令にしたがって、
前記バルブが前記開位置と前記閉位置との間で切り替えられたか否かを判定することと、
前記バルブが前記開位置と前記閉位置との間で切り替えられたと判定される場合に、前記調整トルクに基づいて前記エンジンを運転することと、
前記調整トルクに基づいて前記エンジンが運転された後に、前記クランク角センサによって測定される回転数に基づいて得られる回転変動が、所定の第1範囲内にあるか否かを判定することと、
前記調整トルクに基づいて前記エンジンが運転された後に、前記加速度センサによって測定される加速度に基づいて得られる加速度変動が、所定の第2範囲内にあるか否かを判定することと、
前記回転変動が前記第1範囲内になく、かつ、前記加速度変動が前記第2範囲内にない場合に、前記回転変動に基づいて前記調整トルクを補正することと、
を実行するように構成された、エンジン制御システムである。
本発明によれば、旋回流を発生させるためのバルブを切り替えるときにトルク変動を抑制することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るエンジン制御システムを示す概略図である。 図2は、記憶媒体が記憶する第1ベースマップである。 図3は、記憶媒体が記憶する第2ベースマップである。 図4は、記憶媒体が記憶する第1判定マップである。 図5は、記憶媒体が記憶する第2判定マップである。 図6は、記憶媒体が記憶する準備用マップである。 図7は、記憶媒体が記憶する点火時期調整マップである。 図8は、記憶媒体が記憶する調整トルクマップである。 図9は、記憶媒体が記憶するトルク調整率マップである。 図10は、記憶媒体が記憶する第1補正マップである。 図11は、記憶媒体が記憶する第2補正マップである。 図12は、ECUの機能ブロック図である。 図13は、ECUの処理を示すフローチャートである。 図14は、ECUの処理を示すフローチャートである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す具体的な寸法、材料および数値等は、理解を容易にするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、明細書および図面において、実質的に同一の機能および構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。また、本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係るエンジン制御システム100を示す概略図である。エンジン制御システム(本開示において、単に「システム」とも称され得る)100は、例えば、HEV(Hybrid Electric Vehicle)、ガソリン自動車、または、ディーゼル自動車等の車両500に適用される。システム100は、エンジン10を備える。
本実施形態では、エンジン10は、ガソリンエンジンである。他の実施形態では、エンジン10は、ディーゼルエンジンであってもよい。エンジン10は、シリンダ11と、ピストン12と、を有する。ピストン12は、シリンダ11内を往復移動する。シリンダ11およびピストン12によって、燃焼室13が画定される。ピストン12は、コネクティングロッド14によってクランクシャフト18に接続される。
上記のようなエンジン10では、燃焼室13において、空気および燃料の混合気が燃焼し、これによって、ピストン12がシリンダ11内を往復移動する。ピストン12の直線運動が、コネクティングロッド14によってクランクシャフト18に伝達され、クランクシャフト18の回転運動に変換される。クランクシャフト18の回転数、すなわち、エンジン10の回転数が、クランク角センサSe1によって測定される。クランク角センサSe1は、後述のECU50と通信可能に接続される。なお、より良い理解のために図1ではシリンダ11およびピストン12の1つの組のみが示されるが、エンジン10は、シリンダ11およびピストン12の複数の組を有することができる。
エンジン10は、吸気口15と、排気口16と、を有する。吸気口15には、吸気バルブ15aが設けられ、排気口16には、排気バルブ16aが設けられる。吸気バルブ15aおよび排気バルブ16aの各々の動作は、例えば、不図示のカムシャフトによって制御される。カムシャフトは、例えば回転ベルト等を介してクランクシャフト18によって回転される。
エンジン10は、燃料のインジェクタ17を有する。インジェクタ17は、燃焼室13に設けられ、インジェクタ17から燃焼室13内に燃料が噴射される(いわゆる、直接噴射)。インジェクタ17は、ECU50と通信可能に接続される。例えば、ECU50は、インジェクタ17のニードルバルブのリフトを制御することによって、インジェクタ17からの燃料の噴射量を制御する。
エンジン10は、点火プラグPを有する。点火プラグPは、燃焼室13に設けられ、燃焼室13において空気および燃料の混合気を着火する。点火プラグPは、ECU50と通信可能に接続される。ECU50は、点火プラグPの動作を制御する。
吸気口15は、インテークマニホールドM1を介して吸気管2に接続される。吸気管2には、例えば、不図示のエアクリーナ等の構成要素が設けられ、これらの構成要素を通過した空気が吸気口15を介して燃焼室13に供給される。
吸気管2には、エアフローセンサSe2が設けられる。エアフローセンサSe2は、吸気管2を流れる空気の流量を測定する。エアフローセンサSe2は、ECU50と通信可能に接続される。例えば、ECU50は、エアフローセンサSe2に測定される流量に基づいて、インジェクタ17またはスロットルバルブV1の少なくとも一方を制御する。
吸気管2において、エアフローセンサSe2の下流には、スロットルバルブV1が設けられる。スロットルバルブV1は、吸気管2を流れる空気の流量を調整する。スロットルバルブV1は、ECU50と通信可能に接続される。ECU50は、スロットルバルブV1を制御することによって、吸気量を制御する。
インテークマニホールドM1と吸気口15とを接続する枝管21には、タンブルジェネレータバルブV2が設けられる。タンブルジェネレータバルブV2は、開位置と、閉位置と、の間で切り替え可能である。図1において、実線は、タンブルジェネレータバルブV2の開位置を示す。開位置では、流路は最も広い。図1において、破線は、タンブルジェネレータバルブV2の閉位置を示す。閉位置では、流路は最も狭い。閉位置では、吸気の流速が高められ、これによって、燃焼室13内にタンブル流が発生する。タンブルジェネレータバルブV2は、開位置と閉位置との間の中間位置にも切り替え可能であってもよい。他の実施形態では、タンブルジェネレータバルブV2に代えて、スワールコントロールバルブ(SCV)が設けられてもよい。SCVは、燃焼室13内にスワール流を形成する。タンブルジェネレータバルブV2は、ECU50と通信可能に接続される。ECU50は、タンブルジェネレータバルブV2の動作を制御する。
排気口16は、エキゾーストマニホールドM2を介して排気管3に接続される。エキゾーストマニホールドM2には、空燃比(A/F)センサSe3が設けられる。A/FセンサSe3は、排気管3を流れる排気ガスに基づいて、空燃比を測定する。A/FセンサSe3は、ECU50と通信可能に接続される。例えば、ECU50は、A/FセンサSe3に測定される空燃比に基づいて、インジェクタ17またはスロットルバルブV1の少なくとも一方を制御する。
システム100は、加速度センサSe4を備える。加速度センサSe4は、車両500の加速度、すなわち速度変化率を測定する。例えば、加速度センサSe4は、少なくとも車両500の前後方向の加速度を測定する。加速度センサSe4は、その他の方向の加速度を更に検出してもよい。加速度センサSe4は、車両500の任意の位置に設けられてもよい。例えば、加速度センサSe4は、運転席の底部に取り付けられてもよい。加速度センサSe4は、ECU50と通信可能に接続される。例えば、ECU50は、加速度センサSe4に測定される加速度に基づいて、インジェクタ17またはスロットルバルブV1の少なくとも一方を制御する。
システム100は、ECU(制御装置)50を備える。ECU50は、1または複数のプロセッサ51(例えば、CPU等)と、1または複数の記憶媒体52(例えば、ROMおよびRAM等)と、1または複数のコネクタ53と、を有する。ECU50は、他の構成要素をさらに有してもよい。ECU50の構成要素は、バスによって互いに通信可能に接続される。記憶媒体52は、プロセッサ51によって実行される1または複数のプログラムを記憶する。プログラムは、プロセッサ51に対する命令を含む。本開示に示されるECU50の動作は、記憶媒体52に記憶された命令をプロセッサ51で実行することによって、実現される。記憶媒体52は、後述する様々なマップT1~T10を記憶する。また、記憶媒体52は、上記の各種センサSe1~Se4から受信するデータを記憶する。ECU50は、コネクタ53を介してシステム100の構成要素と通信可能に接続される。
上記のようなシステム100のエンジン10は、リーンバーンで運転可能である。リーンバーン運転は、理論空燃比(概ね、14.7)に比して、高い空燃比を有する混合気を使用する。すなわち、リーンバーン運転では、低い燃料濃度を有する混合気が使用される。したがって、リーンバーン運転では、吸気および燃料をすばやく混ぜて、混合気の燃焼性を安定させるために、タンブルジェネレータバルブV2によって、燃焼室13内にタンブル流が発生させられる。例えば、リーンバーン運転は、低負荷低回転領域で使用され、高負荷高回転領域では、ストイキ運転が使用される。リーンバーン運転からストイキ運転に切り替えられるときには、タンブルジェネレータバルブV2は、閉位置から開位置に切り替えられる。対称的に、ストイキ運転からリーンバーン運転に切り替えられるときには、タンブルジェネレータバルブV2は、開位置から閉位置に切り替えられる。タンブルジェネレータバルブV2が切り替えられるときには、吸気の流量が急激に変動する。このため、エンジン10のトルクも急激に変動し、これが乗員の不快感に繋がり得る。システム100は、このようにトルク変動を抑制するように構成される。
これに関連して、記憶媒体52は、以下のマップT1~T10を記憶する。例えば、マップT1~T10に示される関係は、実験またはCAE(Computer-Aided Engineering)によって得ることができる。
図2は、記憶媒体52が記憶する第1ベースマップT1である。第1ベースマップT1では、横軸がエンジン10の回転数を示し、縦軸がエンジン10の負荷を示す。本実施形態では、エンジン10の負荷として、吸気量が使用される。他の実施形態では、エンジン10の負荷として、他のパラメータが使用されてもよい。第1ベースマップT1は、エンジン10の回転数および吸気量に応じて、トルクが最大となる点火プラグPの点火時期MBTを示す。各セルは、そのセルを示す回転数および吸気量に応じた点火時期MBTを含む(不図示)。回転数は、クランク角センサSe1によって測定される。吸気量は、エアフローセンサSe2によって測定される。プロセッサ51は、回転数および吸気量と共に第1ベースマップT1を参照することによって、対応する点火時期MBTを決定することができる。プロセッサ51は、リーンバーン運転およびストイキ運転の双方において、第1ベースマップT1に示される点火時期MBTに基づいて、点火プラグPの点火時期を制御する。
図3は、記憶媒体52が記憶する第2ベースマップT2である。図1に示される第1ベースマップT1と同様に、第2ベースマップT2では、横軸がエンジン10の回転数を示し、縦軸がエンジン10の吸気量を示す。第2ベースマップT2は、エンジン10の回転数および吸気量に応じて、点火時期が図1で示されるMBTのときのトルクを示す。各セルは、そのセルを示す回転数および吸気量に応じたトルクを含む(不図示)。プロセッサ51は、回転数および吸気量と共に第2ベースマップT2を参照することによって、運転時のエンジン10のトルクを推定する。
図4は、記憶媒体52が記憶する第1判定マップT3である。第1判定マップT3では、横軸がエンジン10の回転数を示し、縦軸がエンジン10の吸気量を示す。第1判定マップT3は、エンジン10の回転数および吸気量に応じて、トルクの第1閾値を示す。各セルは、そのセルを示す回転数および吸気量に応じた第1閾値を含む(不図示)。例えば、第1閾値は、タンブルジェネレータバルブV2が閉位置から開位置に切り替えられるときのトルクである。代替的に、例えば、第1閾値は、このようなトルクよりも若干低い値であってもよい。プロセッサ51は、回転数および吸気量と共に第1判定マップT3を参照することによって、対応する第1閾値を決定する。プロセッサ51は、図3の第2ベースマップT2に基づいて推定されるエンジン10のトルクが、図4の第1判定マップT3に基づいて決定される第1閾値よりも大きいか否かを判定する。このような構成によれば、プロセッサ51は、タンブルジェネレータバルブV2が閉位置から開位置に切り替えられる可能性が高いか否かを判定することができる。
図5は、記憶媒体52が記憶する第2判定マップT4である。第2判定マップT4では、横軸がエンジン10の回転数を示し、縦軸がエンジン10の吸気量を示す。第2判定マップT4は、エンジン10の回転数および吸気量に応じて、トルクの第2閾値を示す。各セルは、そのセルを示す回転数および吸気量に応じた第2閾値を含む(不図示)。例えば、第2閾値に示されるトルクでは、タンブルジェネレータバルブV2は、閉位置から開位置に切り替えられる可能性が低い。例えば、第2閾値は、第1閾値よりも低い値である。プロセッサ51は、回転数および吸気量と共に第2判定マップT4を参照することによって、対応する第2閾値を決定することができる。プロセッサ51は、図3の第2ベースマップT2に基づいて推定されるエンジン10のトルクが、図5の第2判定マップT4に基づいて決定される第2閾値よりも低いか否かを判定する。このような構成によれば、プロセッサ51は、タンブルジェネレータバルブV2が開位置に切り替えられること無く、閉位置を維持するか否かを判定することができる。
図6は、記憶媒体52が記憶する準備用マップT5である。準備用マップT5では、横軸がエンジン10の回転数を示し、縦軸が要求トルクを示す。準備用マップT5は、エンジン10の回転数および要求トルクに応じて、スロットル開度を示す。各セルは、そのセルを示す回転数および要求トルクに応じたスロットル開度を含む(不図示)。例えば、要求トルクは、不図示のアクセルペダルの踏み込み量等の因子に基づいて決定されてもよい。プロセッサ51は、回転数および要求トルクと共に準備用マップT5を参照することによって、対応するスロットル開度を決定する。例えば、準備用マップT5に示されるスロットル開度は、想定される要求トルクよりも高いトルクが出力されるように設定される。プロセッサ51は、タンブルジェネレータバルブV2が閉位置から開位置に切り替えられるときに、準備用マップT5に示されるスロットル開度に基づいて、スロットルバルブV1の動作を制御する。
図7は、記憶媒体52が記憶する点火時期調整マップT6である。点火時期調整マップT6では、横軸が点火のリタード角度を示し、縦軸がトルク反映率を示す。点火時期調整マップT6は、トルク反映率に応じたリタード角度を示す。周知なように、点火時期をMBTに対して進角または遅角させることによって、エンジン10のトルクを調整可能である。
上記のように、図6の準備用マップT5に示されるスロットル開度は、想定される要求トルクよりも高いトルクが出力されるように設定される。したがって、実際にタンブルジェネレータバルブV2が閉位置から開位置に切り替えられる前は、要求トルクが出力されるようにエンジン10を制御する必要がある。本開示では、この制御は、点火プラグPの点火時期を調整することによって実行される。具体的には、プロセッサ51は、図6の準備用マップT5に示されるスロットル開度のときのトルクに対する、要求トルクの割合を、トルク反映率として算出する。続いて、プロセッサ51は、算出されたトルク反映率と共に図7の点火時期調整マップT6を参照することによって、要求トルクに対応するリタード角度を決定する。このような構成によれば、プロセッサ51は、実際にタンブルジェネレータバルブV2が閉位置から開位置に切り替えられる前に、エンジン10が要求トルクを出力するように点火プラグPの点火時期を調整することができる。
上記の説明からわかるように、リーンバーン運転およびストイキ運転では、図2に示される第1ベースマップT1に基づいて、点火プラグPの点火時期が制御される。対照的に、タンブルジェネレータバルブV2が閉位置と開位置との間で切り替えられるとき、すなわち、エンジン10がリーンバーン運転とストイキ運転との間で切り替えられるときには、図6の準備用マップT5および図7の点火時期調整マップT6に基づいて、点火プラグPの点火時期が制御される。
図8は、記憶媒体52が記憶する調整トルクマップT7である。調整トルクマップT7では、横軸がエンジン10の回転数を示し、縦軸がエンジン10の吸気量を示す。調整トルクマップT7は、エンジン10の回転数および吸気量に応じて、調整トルクを示す。各セルは、そのセルを示す回転数および吸気量に応じた調整トルクを含む(不図示)。本開示において、「調整トルク」とは、タンブルジェネレータバルブV2が閉位置と開位置との間で切り替えられる場合に、吸気量の変動によるトルク変動を抑えることができるトルクを意味し、エンジン10の回転数および吸気量に応じて変化する。プロセッサ51は、回転数および吸気量と共に調整トルクマップT7を参照することによって、対応する調整トルクを決定する。プロセッサ51は、実際にタンブルジェネレータバルブV2が閉位置から開位置に切り替えられたときに、調整トルクに基づいてエンジン10を制御する。
図9は、記憶媒体52が記憶するトルク調整率マップT8である。トルク調整率マップT8では、横軸が車両500の加速度の絶対値を示し、縦軸が車両500のギア比を示す。トルク調整率マップT8は、車両500の加速度およびギア比に応じて、トルク調整率を示す。各セルは、そのセルを示す加速度およびギア比に応じたトルク調整率を含む(不図示)。本開示において、「トルク調整率」とは、車両500の実際の加速状況に調整トルクを適合させるためのパラメータを意味し、車両500の加速度およびギア比に応じて変化する。例えば、加速度がより高いほど場合、トルク調整率はより小さく、加速度がより低い場合、トルク調整率はより大きい。また、例えば、ギア比がより高い場合、トルク調整率はより小さく、ギア比がより低い場合、トルク調整率は大きい。加速度は、加速度センサSe4によって測定される。ギア比は、変速機および差動装置等の構成要素における変速比に基づいて算出される。プロセッサ51は、加速度およびギア比と共にトルク調整率マップT8を参照することによって、対応するトルク調整率を決定する。
プロセッサ51は、図8に基づいて決定される調整トルクに対して、図9に基づいて決定されるトルク調整率を乗ずることによって、実質調整トルクを算出する。続いて、プロセッサ51は、図6の準備用マップT5に示されるスロットル開度のときのトルクに対する、実質調整トルクの割合を、トルク反映率として算出する。続いて、プロセッサ51は、算出されたトルク反映率と共に図7の点火時期調整マップT6を参照することによって、実質調整トルクに対応するリタード角度を決定する。このような構成によれば、プロセッサ51は、実際にタンブルジェネレータバルブV2が閉位置から開位置に切り替えられたときに、エンジン10が実質調整トルクを出力するように点火プラグPの点火時期を調整することができる。
エンジン10が実質調整トルクに基づいて運転されたにも拘わらず、タンブルジェネレータバルブV2が閉位置から開位置に切り替えられたときのエンジン10のトルク変動、すなわち、回転変動が所定の範囲内にない場合には、以下の図10および図11に基づいて、図8の調整トルクマップT7が補正される。
図10は、記憶媒体52が記憶する第1補正マップT9である。第1補正マップT9では、横軸がエンジン10の回転数を示し、縦軸がエンジン10の回転変動を示す。第1補正マップT9は、エンジン10の回転数および回転変動に応じて、調整トルクに対する補正値を示す。各セルは、そのセルを示す回転数および回転変動に応じた補正値を含む(不図示)。例えば、回転変動の絶対値がより大きい場合、補正値の絶対値はより大きく、回転変動の絶対値がより小さい場合、補正値の絶対値はより小さい。また、回転数がより高い場合、補正値はより大きく、回転数がより小さい場合、補正値はより小さい。
回転変動は、クランク角センサSe1に測定される回転数に基づいて算出される。例えば、回転変動は、燃焼サイクルごとの角速度差のように算出することができる。プロセッサ51は、回転数および回転変動と共に第1補正マップT9を参照することによって、対応する補正値を決定する。
調整トルクが過剰である場合(すなわち、加速度がプラスである場合)、エンジン10の回転変動はマイナスの値を取る。したがって、図10に示されるように、回転変動がマイナスの値であるときには、過剰な調整トルクを低減するべく、補正値はマイナスの値を取る。
対照的に、調整トルクが不足である場合(すなわち、加速度がマイナスである場合)、エンジン10の回転変動はプラスの値を取る。したがって、図10に示されるように、回転変動がプラスの値であるときには、不足する調整トルクを低減するべく、補正値はプラスの値を取る。
図11は、記憶媒体52が記憶する第2補正マップT10である。第2補正マップT10では、横軸がエンジン10の吸気量を示し、縦軸がエンジン10の回転変動を示す。第2補正マップT10は、エンジン10の吸気量および回転変動に応じて、補正係数を示す。各セルは、そのセルを示す吸気量および回転変動に応じた補正係数を含む(不図示)。本開示において、「補正係数」とは、エンジン10の実際の運転状況に補正値を適合させるためのパラメータを意味し、エンジン10の吸気量および回転変動に応じて変化する。例えば、吸気量がより高いほど場合、補正係数はより大きく、吸気量がより低い場合、補正係数はより小さい。また、例えば、回転変動の絶対値がより大きい場合、補正係数はより大きく、回転変動の絶対値がより小さい場合、補正係数はより小さい。プロセッサ51は、吸気量および回転変動と共に第2補正マップT10を参照することによって、対応する補正係数を決定する。例えば、補正係数は、プラスの値である。
プロセッサ51は、図10に基づいて決定される補正値に対して、図11に基づいて決定される補正係数を乗ずることによって、実質補正値を算出する。続いて、プロセッサ51は、算出される実質補正値を、図8の調整トルクから減ずることによって、調整トルクマップT7を補正する。例えば、調整トルクマップT7内の調整トルクのなかで、対応する調整トルクのみが補正されてもよい。代替的に、調整トルクマップT7内の調整トルクのなかで、対応する調整トルクを含む、複数の調整トルクが補正されてもよい。
上記の図2から図11に関する記載では、マップT1からT10は、エンジン10がリーンバーン運転からストイキ運転に切り替えられるとき、すなわち、タンブルジェネレータバルブV2が閉位置から開位置に切り替えられるときに使用されるとして説明される。記憶媒体52は、エンジン10がストイキ運転からリーンバーン運転に切り替えられるとき、すなわち、タンブルジェネレータバルブV2が開位置から閉位置に切り替えられるときに使用される不図示の同様なマップを記憶してもよい。
例えば、記憶媒体52は、図4の第1判定マップT3に対応するマップを記憶してもよく、このマップは、タンブルジェネレータバルブV2が開位置から閉位置からに切り替えられる可能性が高いか否かを判定するために使用される。また、例えば、記憶媒体52は、図5の第2判定マップT4に対応するマップを記憶してもよく、このマップは、タンブルジェネレータバルブV2が閉位置に切り替えられること無く開位置を維持するか否かを判定するために使用される。また、例えば、記憶媒体52は、図8の調整トルクマップT7および図9のトルク調整率マップT8に対応するマップを記憶してもよく、これらのマップは、タンブルジェネレータバルブV2が開位置から閉位置に切り替えられる場合に、吸気量の変動によるトルク変動を抑えることができる実質調整トルクを決定するために使用される。図2から図11の残りのマップについては、タンブルジェネレータバルブV2が閉位置から開位置に切り替えられる場合、および、開位置から閉位置に切り替えられる場合の双方で使用されてもよいし、または、記憶媒体52は、図2から図11の残りのマップに対応するマップを更に記憶してもよい。
図12は、ECU50の機能ブロック図である。エンジン10がリーンバーン運転とストイキ運転との間で切り替えられるとき、すなわち、タンブルジェネレータバルブV2が閉位置と開位置との間で切り替えられるとき、プロセッサ51は、上記のマップを使用しながら、記憶媒体52に記憶される命令にしたがって、第1判定部54、マップ切替部55、第2判定部56、第3判定部57、調整トルク運転部58、第4判定部59、第5判定部60、第6判定部61、第7判定部62、第8判定部63、および、補正部64として機能する。
以下の記載では、エンジン10がリーンバーン運転からストイキ運転に切り替えられるとき、すなわち、タンブルジェネレータバルブV2が閉位置から開位置に切り替えられるときに、これらの機能部として機能するとして、プロセッサ51について説明する。しかしながら、エンジン10がリーンバーン運転からストイキ運転に切り替えられるとき、すなわち、タンブルジェネレータバルブV2が閉位置から開位置に切り替えられるときにも、プロセッサ51は同様に機能してもよい。
第1判定部54として機能する場合、プロセッサ51は、タンブルジェネレータバルブV2が閉位置から開位置に切り替えられる可能性が高いか否かを判定する。具体的には、プロセッサ51は、回転数および吸気量と共に図3の第2ベースマップT2を参照することによって、エンジン10のトルクを推定する。また、プロセッサ51は、回転数および吸気量と共に図4の第1判定マップT3を参照することによって、対応する第1閾値を決定する。続いて、プロセッサ51は、推定されたエンジン10のトルクが、第1閾値よりも大きいか否かを判定する。
マップ切替部55として機能する場合、プロセッサ51は、点火プラグPの点火時期を制御するためのマップを、図2の第1ベースマップT1から、図6の準備用マップT5に切り替える。
第2判定部56として機能する場合、プロセッサ51は、タンブルジェネレータバルブV2が実際に閉位置から開位置に切り替えられたか否かを判定する。具体的には、プロセッサ51は、タンブルジェネレータバルブV2に対して、その位置を送信するように指令を送信する。プロセッサ51は、タンブルジェネレータバルブV2から受信する開位置または閉位置を示す応答に基づいて、タンブルジェネレータバルブV2が実際に切り替えられたか否かを判定する。
第3判定部57として機能する場合、プロセッサ51は、タンブルジェネレータバルブV2が開位置に切り替えられること無く閉位置を維持するか否かを判定する。具体的には、プロセッサ51は、回転数および吸気量と共に図3の第2ベースマップT2を参照することによって、エンジン10のトルクを推定する。また、プロセッサ51は、回転数および吸気量と共に図5の第2判定マップT4を参照することによって、対応する第2閾値を決定する。続いて、プロセッサ51は、推定されたエンジン10のトルクが、第2閾値よりも小さいか否かを判定する。
調整トルク運転部58として機能する場合、プロセッサ51は、調整トルクに基づいてエンジン10を運転する。具体的には、プロセッサ51は、回転数および吸気量と共に図8の調整トルクマップT7を参照することによって、対応する調整トルクを決定する。また、プロセッサ51は、加速度およびギア比と共に図9のトルク調整率マップT8を参照することによって、対応するトルク調整率を決定する。続いて、プロセッサ51は、調整トルクに対してトルク調整率を乗ずることによって、実質調整トルクを算出する。続いて、プロセッサ51は、回転数および実質調整トルクと共に図6の準備用マップT5を参照することによって、対応するスロットル開度を決定する。続いて、プロセッサ51は、決定されたスロットル開度のときのトルクに対する、実質調整トルクの割合を、トルク反映率として算出する。続いて、プロセッサ51は、算出されたトルク反映率と共に図7の点火時期調整マップT6を参照することによって、実質調整トルクに対応するリタード角度を決定する。そして、プロセッサ51は、図6の準備用マップT5に基づいて決定されたスロットル開度でスロットルバルブV1を制御し、かつ、図7の点火時期調整マップT6に基づいて決定されたリタード角度で点火プラグPを制御することによって、エンジン10を運転する。なお、プロセッサ51は、所望の空燃比が得られるように、スロットルバルブV1のスロットル開度に応じて、インジェクタ17からの燃料の噴射量を制御してもよい。
第4判定部59として機能する場合、プロセッサ51は、回転変動が所定の第1範囲内にあるか否かを判定する。具体的には、プロセッサ51は、調整トルクに基づいてエンジン10が運転されたときの回転変動を算出する。プロセッサ51は、この回転変動が、第1範囲内にあるか否かを判定する。例えば、第1範囲は、乗員がこれらの回転変動によって引き起こされる衝撃を感じないような、または、そのような衝撃によって不快に感じないような回転変動の範囲であり得る。例えば、第1範囲は、実験またはCAEによって予め得ることができ、記憶媒体52に記憶される。
第5判定部60として機能する場合、プロセッサ51は、加速度変動が所定の第2範囲内にあるか否かを判定する。例えば、加速度変動は、センサー出力値のように算出することができる。具体的には、プロセッサ51は、調整トルクに基づいてエンジン10が運転されたときの加速度変動を算出する。このような加速度変動は、回転変動よりも遅れて現れ得る。このため、プロセッサ51は、回転変動よりも数サイクル後に現れる加速度変動が、第2範囲内にあるか否かを判定してもよい。例えば、回転変動に対する加速度変動の遅れは、実験またはCAEによって予め得ることができ、記憶媒体52に記憶される。また、第2範囲は、乗員がこれらの加速度変動によって引き起こされる衝撃を感じないような、または、そのような衝撃によって不快に感じないような加速度変動の範囲であり得る。例えば、第2範囲は、実験またはCAEによって予め得ることができ、記憶媒体52に記憶される。
第6判定部61として機能する場合、プロセッサ51は、タンブルジェネレータバルブV2が開位置に切り替わる前の加速度変動の平均値が、所定の第3閾値よりも大きいか否かを判定する。具体的には、プロセッサ51は、タンブルジェネレータバルブV2が開位置に切り替わる前に加速度センサSe4によって測定された所定の期間の加速度を記憶媒体52から読み込む。これらの加速度に基づいて、プロセッサ51は、この期間の加速度変動の平均値を算出する。プロセッサ51は、この加速度変動の平均値が、第3閾値よりも大きいか否かを判定する。例えば、第3閾値は、悪路等の因子に起因する加速度変動を考慮して、実験またはCAEによって予め決定されることができ、記憶媒体52に記憶されてもよい。タンブルジェネレータバルブV2が開位置に切り替わる前の加速度変動の平均値が第3閾値よりも大きい場合、タンブルジェネレータバルブV2が開位置に切り替わった後の加速度変動も、悪路等の因子によって引き起こされた可能性がある。この場合、プロセッサ51は、図8の調整トルクを補正しない。
第7判定部62として機能する場合、プロセッサ51は、調整トルクに基づいてエンジン10が運転されたときの加速度変動がプラスであり、かつ、調整トルクに基づいてエンジン10が運転されたときの回転変動がマイナスであるか否かを判定する。上記のように、車両500の加速度がプラスであるとき、回転変動はマイナスの値を取る。加速度変動がプラスであり、かつ、回転変動もプラスである場合、この回転変動は、調整トルク以外の因子によって引き起こされたと考えられ得る。この場合、プロセッサ51は、図8の調整トルクを補正しない。
第8判定部63として機能する場合、プロセッサ51は、調整トルクに基づいてエンジン10が運転されたときの加速度変動がマイナスであり、かつ、調整トルクに基づいてエンジン10が運転されたときの回転変動がプラスであるか否かを判定する。上記のように、車両500の加速度がマイナスであるとき、回転変動はプラスの値を取る。加速度変動がマイナスであり、かつ、回転変動もマイナスである場合、この回転変動は、調整トルク以外の因子によって引き起こされたと考えられ得る。この場合、プロセッサ51は、図8の調整トルクを補正しない。
補正部64として機能する場合、プロセッサ51は、回転変動に基づいて図8の調整トルクを調整する。具体的には、プロセッサ51は、回転数および回転変動と共に図10の第1補正マップT9を参照することによって、対応する補正値を決定する。また、プロセッサ51は、吸気量および回転変動と共に図11の第2補正マップT10を参照することによって、対応する補正係数を決定する。続いて、プロセッサ51は、補正値に対して補正係数を乗ずることによって、実質補正値を算出する。続いて、プロセッサ51は、実質補正値を、図8の対応する調整トルクから減ずることによって、調整トルクマップT7を補正する。対応する調整トルクを含む複数の調整トルクが補正されてもよい。
続いて、システム100の動作について説明する。
図13および図14は、ECU50の処理を示すフローチャートである。
以下の記載は、エンジン10がリーンバーン運転からストイキ運転に切り替えられるとき、すなわち、タンブルジェネレータバルブV2が閉位置から開位置に切り替えられるときのECU50の処理について説明する。しかしながら、エンジン10がリーンバーン運転からストイキ運転に切り替えられるとき、すなわち、タンブルジェネレータバルブV2が閉位置から開位置に切り替えられるときにも、ECU50は同様な処理を実行してもよい。
例えば、プロセッサ51は、図13および図14に示される処理を、エンジン10がリーンバーンで運転中に、所定のインターバル(例えば、十~数十ミリ秒、百~数百ミリ秒、一~数秒、十~数十秒、または、一~数分)で繰り返してもよい。リーンバーン運転中、プロセッサ51は、図2の第1ベースマップT1に基づいて、点火プラグPの点火時期を制御する。
図13を参照して、プロセッサ51は、エンジン10のトルクが第1閾値よりも大きいか否かを判定する(ステップS100)。この場合のプロセッサ51の具体的な処理は、上記の第1判定部54としてプロセッサ51によって実行される処理と同じである。
ステップS100において、エンジン10のトルクが第1閾値よりも大きくないと判定される場合(NO)、プロセッサ51は、一連の処理を終了する。この場合、エンジン10はストイキ運転に切り替えられること無くリーンバーン運転を続ける。
ステップS100において、エンジン10のトルクが第1閾値よりも大きいと判定される場合(YES)、プロセッサ51は、点火プラグPの点火時期を制御するためのマップを、図2の第1ベースマップT1から、図6の準備用マップT5に切り替える(ステップS102)。この場合のプロセッサ51の具体的な処理は、上記のマップ切替部55としてプロセッサ51によって実行される処理と同じである。
ステップS102の後、プロセッサ51は、図6の準備用マップT5および図7の点火時期調整マップT6に基づいて、点火プラグPの点火時期を制御する。具体的には、プロセッサ51は、回転数および要求トルクと共に準備用マップT5を参照することによって、対応するスロットル開度を決定する。また、プロセッサ51は、このスロットル開度のときのトルクに対する、要求トルクの割合を、トルク反映率として算出する。プロセッサ51は、算出されたトルク反映率と共に図7の点火時期調整マップT6を参照することによって、要求トルクに対応するリタード角度を決定する。プロセッサ51は、準備用マップT5に基づいて決定されたスロットル開度でスロットルバルブV1を制御すると共に、点火時期調整マップT6に基づいて決定されたリタード角度で点火プラグPの点火時期を制御することによって、エンジン10を運転する。
続いて、プロセッサ51は、タンブルジェネレータバルブV2が実際に閉位置から開位置に切り替えられたか否かを判定する(ステップS104)。この場合のプロセッサ51の具体的な処理は、上記の第2判定部56としてプロセッサ51によって実行される処理と同じである。
ステップS104において、タンブルジェネレータバルブV2がまだ閉位置から開位置に切り替えられていないと判定される場合(NO)、プロセッサ51は、エンジン10のトルクが第2閾値よりも小さいか否かを判定する(ステップS106)。この場合のプロセッサ51の具体的な処理は、上記の第3判定部57としてプロセッサ51によって実行される処理と同じである。
ステップS106において、エンジン10のトルクが第2閾値よりも小さいと判定される場合(YES)、プロセッサ51は、一連の処理を終了する。この場合、エンジン10はストイキ運転に切り替えられること無くリーンバーン運転を続ける。対照的に、エンジン10のトルクが第2閾値よりも小さくないと判定される場合(NO)、プロセッサ51は、ステップS104を繰り返す。
ステップS104において、タンブルジェネレータバルブV2が実際に閉位置から開位置に切り替えられたと判定される場合(YES)、プロセッサ51は、調整トルクに基づいてエンジン10を運転する(ステップS108)。この場合のプロセッサ51の具体的な処理は、上記の調整トルク運転部58としてプロセッサ51によって実行される処理と同じである。なお、この場合、エンジン10は、リーンバーン運転からストイキ運転に切り替えられる。
続いて、プロセッサ51は、回転変動が第1範囲内にあるか否かを判定する(ステップS110)。この場合のプロセッサ51の具体的な処理は、上記の第4判定部59としてプロセッサ51によって実行される処理と同じである。
ステップS110において、回転変動が第1範囲内にあると判定される場合(YES)、プロセッサ51は、一連の処理を終了する。エンジン10は、ストイキ運転を続ける。また、次回にエンジン10がリーンバーン運転からストイキ運転に切り替えられる場合には、未補正の調整トルクマップT7が使用される。
ステップS110において、回転変動が第1範囲内にないと判定される場合(NO)、プロセッサ51は、加速度変動が第2範囲内にあるか否かを判定する(ステップS112)。この場合のプロセッサ51の具体的な処理は、上記の第5判定部60としてプロセッサ51によって実行される処理と同じである。
ステップS112において、加速度変動が第2範囲内にあると判定される場合(YES)、プロセッサ51は、一連の処理を終了する。エンジン10は、ストイキ運転を続ける。また、次回にエンジン10がリーンバーン運転からストイキ運転に切り替えられる場合には、未補正の調整トルクマップT7が使用される。
ステップS112において、加速度変動が第2範囲内にあると判定される場合(YES)、図14を参照して、プロセッサ51は、タンブルジェネレータバルブV2が開位置に切り替えられる前の加速度変動の平均値が、第3閾値よりも大きいか否かを判定する(ステップS200)。この場合のプロセッサ51の具体的な処理は、上記の第6判定部61としてプロセッサ51によって実行される処理と同じである。
ステップS200において、タンブルジェネレータバルブV2が開位置に切り替えられる前の加速度変動の平均値が第3閾値よりも大きいと判定される場合(YES)、プロセッサ51は、一連の処理を終了する。エンジン10は、ストイキ運転を続ける。次回にエンジン10がリーンバーン運転からストイキ運転に切り替えられる場合には、未補正の調整トルクマップT7が使用される。
ステップS200において、タンブルジェネレータバルブV2が開位置に切り替えられる前の加速度変動の平均値が第3閾値よりも大きくないと判定される場合(NO)、プロセッサ51は、加速度変動がプラスであり、かつ、回転変動がマイナスであるか否かを判定する(ステップS202)。この場合のプロセッサ51の具体的な処理は、上記の第7判定部62としてプロセッサ51によって実行される処理と同じである。
ステップS202において、加速度変動がプラスでありかつ回転変動がマイナスであると判定される場合(YES)、プロセッサ51は、図8の調整トルクを補正する(ステップS204)。この場合のプロセッサ51の具体的な処理は、上記の補正部64としてプロセッサ51によって実行される処理と同じである。プロセッサ51は、一連の処理を終了する。エンジン10は、ストイキ運転を続ける。次回にエンジン10がリーンバーン運転からストイキ運転に切り替えられる場合には、補正済の調整トルクマップT7が使用される。
ステップS202において、加速度変動がプラスでありかつ回転変動がマイナスであると判定されなかった場合(NO)、プロセッサ51は、加速度変動がマイナスであり、かつ、回転変動がプラスであるか否かを判定する(ステップS206)。この場合のプロセッサ51の具体的な処理は、上記の第8判定部63としてプロセッサ51によって実行される処理と同じである。
ステップS206において、加速度変動がマイナスでありかつ回転変動がプラスであると判定される場合(YES)、プロセッサ51は、ステップS204に進み、一連の処理を終了する。エンジン10は、ストイキ運転を続ける。次回にエンジン10がリーンバーン運転からストイキ運転に切り替えられる場合には、補正済の調整トルクマップT7が使用される。
ステップS206において、加速度変動がマイナスでありかつ回転変動がプラスであると判定されなかった場合(NO)、これは、加速度変動がプラスでありかつ回転変動もプラスである、または、加速度変動がマイナスでありかつ回転変動もマイナスであることを意味する。したがって、この場合、プロセッサ51は、一連の処理を終了する。エンジン10は、ストイキ運転を続ける。次回にエンジン10がリーンバーン運転からストイキ運転に切り替えられる場合には、未補正の調整トルクマップT7が使用される。
以上のようなシステム100は、旋回流を燃焼室13に発生させるタンブルジェネレータバルブV2を含むエンジン10と、エンジン10の回転数を測定するクランク角センサSe1と、エンジン10が設けられる車両500の加速度を測定する加速度センサSe4と、エンジンを制御するECU50と、を備える。タンブルジェネレータバルブV2は、開位置と、旋回流を発生させる閉位置と、の間で動作可能である。ECU50は、1または複数のプロセッサ51と、1または複数のプロセッサ51によって実行される命令を記憶する1または複数の記憶媒体52と、を含む。1または複数の記憶媒体52は、タンブルジェネレータバルブV2が開位置と閉位置との間で切り替えられるときにエンジン10を制御するための調整トルクを記憶する。1または複数のプロセッサ51は、命令にしたがって、タンブルジェネレータバルブV2が開位置と閉位置との間で切り替えられたか否かを判定することと、タンブルジェネレータバルブV2が開位置と閉位置との間で切り替えられたと判定される場合に、調整トルクに基づいてエンジン10を運転することと、調整トルクに基づいてエンジン10が運転された後に、クランク角センサSe1によって測定される回転数に基づいて得られる回転変動が、第1範囲内にあるか否かを判定することと、調整トルクに基づいてエンジン10が運転された後に、加速度センサSe4によって測定される加速度に基づいて得られる加速度変動が、所定の第2範囲内にあるか否かを判定することと、回転変動が第1範囲内になく、かつ、加速度変動が第2範囲内にない場合に、回転変動に基づいて調整トルクを補正することと、を実行するように構成される。このような構成によれば、タンブルジェネレータバルブV2が開位置と閉位置との間で切り替えられる場合に、調整トルクに基づいてエンジン10が運転される。また、実際にエンジン10が調整トルクに基づいて運転された後に回転変動が大きい場合には、回転変動を低減するように調整トルクが補正される。したがって、次回にタンブルジェネレータバルブV2が開位置と閉位置との間で切り替えられる場合には、エンジン10は、補正済の調整トルクに基づいて運転される。したがって、次回にタンブルジェネレータバルブV2が開位置と閉位置との間で切り替えられる場合に、エンジンの回転変動、すなわち、トルク変動を抑制することができる。
また、システム100では、1または複数の記憶媒体52は、エンジン10の回転数および吸気量に応じて調整トルクを記憶し、調整トルクに基づいてエンジン10を運転することは、エンジン10の回転数および吸気量に応じて調整トルクを決定することと、加速度に基づいてトルク調整率を決定することと、調整トルクにトルク調整率を乗じることによって得られる実質調整トルクに基づいて、エンジンを運転することと、を含む。このような構成によれば、トルク調整率によって、調整トルクが車両500の実際の加速状況に適合される。このため、乗員の不快感が低減される。
また、システム100では、調整トルクを補正することは、エンジン10の回転変動および回転数に応じて、補正値を決定することと、エンジン10の回転変動および吸気量に応じて、補正係数を決定することと、補正値に補正係数を乗じることによって得られる実質補正値を、調整トルクに対して加算することと、を含む。このような構成によれば、補正係数によって、補正値がエンジン10の実際の運転状況に適合される。このため、乗員の不快感が低減される。
以上、添付図面を参照しながら実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。また、上記実施形態のECU50のステップは、上記の順番で実施されなくてもよく、技術的に矛盾が生じない限りにおいて、異なる順番で実施されてもよい。
例えば、上記の実施形態では、ECU50は、各種関係をマップT1~T10として記憶する。しかしながら、他の実施形態では、例えば、ECU50は、これらの関係の少なくとも1つを関数として記憶してもよい。また、上記の実施形態では、システム100は、リーンバーンで運転するエンジン10に適用される。しかしながら、他の実施形態では、システム100は、リーンバーンで運転しないエンジン10に適用されてもよい。
10 エンジン
13 燃焼室
50 ECU(記憶装置)
51 プロセッサ
52 記憶媒体
100 エンジン制御システム
500 車両
Se1 クランク角センサ
Se4 加速度センサ
V2 タンブルジェネレータバルブ(旋回流を発生させるバルブ)

Claims (3)

  1. 旋回流を燃焼室に発生させるバルブを含むエンジンと、
    前記エンジンの回転数を測定するクランク角センサと、
    前記エンジンが設けられる車両の加速度を測定する加速度センサと、
    前記エンジンを制御する制御装置と、
    を備え、
    前記バルブは、開位置と、前記旋回流を発生させる閉位置と、の間で動作可能であり、
    前記制御装置は、1または複数のプロセッサと、前記1または複数のプロセッサによって実行される命令を記憶する1または複数の記憶媒体と、を含み、
    前記1または複数の記憶媒体は、前記バルブが前記開位置と前記閉位置との間で切り替えられるときに前記エンジンを制御するための調整トルクを記憶し、
    前記1または複数のプロセッサは、前記命令にしたがって、
    前記バルブが前記開位置と前記閉位置との間で切り替えられたか否かを判定することと、
    前記バルブが前記開位置と前記閉位置との間で切り替えられたと判定される場合に、前記調整トルクに基づいて前記エンジンを運転することと、
    前記調整トルクに基づいて前記エンジンが運転された後に、前記クランク角センサによって測定される回転数に基づいて得られる回転変動が、所定の第1範囲内にあるか否かを判定することと、
    前記調整トルクに基づいて前記エンジンが運転された後に、前記加速度センサによって測定される加速度に基づいて得られる加速度変動が、所定の第2範囲内にあるか否かを判定することと、
    前記回転変動が前記第1範囲内になく、かつ、前記加速度変動が前記第2範囲内にない場合に、前記回転変動に基づいて前記調整トルクを補正することと、
    を実行するように構成された、エンジン制御システム。
  2. 前記1または複数の記憶媒体は、前記エンジンの回転数および負荷に応じて調整トルクを記憶し、
    前記調整トルクに基づいて前記エンジンを運転することは、
    前記エンジンの回転数および負荷に応じて前記調整トルクを決定することと、
    前記加速度に基づいてトルク調整率を決定することと、
    前記調整トルクに前記トルク調整率を乗じることによって得られる実質調整トルクに基づいて、前記エンジンを運転することと、
    を含む、請求項1に記載のエンジン制御システム。
  3. 前記調整トルクを補正することは、
    前記エンジンの回転変動および回転数に応じて、補正値を決定することと、
    前記エンジンの回転変動および負荷に応じて、補正係数を決定することと、
    前記補正値に前記補正係数を乗じることによって得られる実質補正値を、前記調整トルクに対して加算することと、
    を含む、請求項1または2に記載のエンジン制御システム。
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