JP2023023420A - 洋傘用ラミネート紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】ビニール傘と同様の外観を有し、ハンドリング性に優れた洋傘用ラミネート紙を提供する。【解決手段】セルロースパルプを主成分とする紙基材と、紙基材の少なくとも一方の面に積層された熱可塑性樹脂層とを有する洋傘用ラミネート紙であって、坪量が20g/m2以上70g/m2以下であることを特徴とする洋傘用ラミネート紙である。JIS P 8112に準拠した比破裂強さが1.0kPa・m2/g以上5.0kPa・m2/g以下であることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、洋傘用ラミネート紙に関する。
近年、プラスチック製のストローやカップ等の欧米由来のものは、欧州が先立って脱プラスチック、減プラスチックに取組んでおり、その影響が日本にも及んでいる。一方で、ビニール傘は、日本発祥の文化であるが、便利で安価であるが故に、荒天時などは特に、安易に廃棄される場合が多い。環境志向の高まりから、ビニール傘においても脱プラスチック、減プラスチックは、避けることのできない課題であり、現状のビニール傘の加工製造ラインに、そのまま乗せることができるビニールに代わる傘地が求められている。
一般にプラスチックの代替素材として紙が注目されている。例えば、特許文献1では、 雨よけ部分が、プラスチック素材がかぶせられた紙、特にポリエチレン被覆の紙で作られた使い捨て用折り畳み傘が提案されている。
プラスチック素材がかぶせられた紙であれば、紙の表面に水滴が直接接触することがないため、紙の表面に対して耐水性を付与することができる。しかし、傘地としては、物性面で硬くなる傾向にあり、ごわごわ感が強くなり、しなやかさに欠け、ビニール傘と同様の外観、ハンドリング性に関して、必ずしも満足すべき結果が得られていないのが現状である。
実開昭57-126814号
ビニール傘と同様の外観を有し、ハンドリング性に優れた洋傘用ラミネート紙を提供することを主な目的とする。
本発明者らは、かかる現状に鑑み、特定の坪量を有するラミネート紙によって、ビニール傘と同様の外観を有し、ハンドリング性に優れた傘地が得られること、また、紙様の質感(和紙調の質感)を有する傘地が得られることを見出した。さらにまた、現状のビニール傘の加工製造ラインに、そのまま乗せることができることを見出した。本発明はこのような知見を基に完成するに至ったものである。すなわち、本発明は、以下のような構成を有している。
項1:セルロースパルプを主成分とする紙基材と、前記紙基材の少なくとも一方の面に積層された熱可塑性樹脂層とを有する洋傘用ラミネート紙であって、坪量が20g/m以上70g/m以下であることを特徴とする洋傘用ラミネート紙。
項2:JIS P 8112に準拠した比破裂強さが1.0kPa・m/g以上5.0kPa・m/g以下である、項1に記載の洋傘用ラミネート紙。
項3:JIS P 8116:2000に準拠した比引裂強さが0.30mN・m/g以上1.00mN・m/g以下である、項1または2に記載の洋傘用ラミネート紙。
項4:JIS P 8113:2006に準拠した比引張強さが0.010kN・m/g以上0.060kN・m/g以下である、項1~3のいずれか1項に記載の洋傘用ラミネート紙。
項5:前記紙基材がポリアクリルアミド系乾燥紙力増強剤及び/またはポリアミドポリアミンエピクロロヒドリン系湿潤紙力増強剤を含有する、項1~4のいずれか1項に記載の洋傘用ラミネート紙。
項6:前記熱可塑性樹脂がポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリブチレンアジペートテレフタレート、及びポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-ヒドロキシヘキサノエート)からなる群より選ばれる少なくとも1種の生分解性樹脂を含有する、項1~5のいずれか1項に記載の洋傘用ラミネート紙。
項7:前記紙基材がクレープを有する、項1~6のいずれか1項に記載の洋傘用ラミネート紙。
項8:前記紙基材の密度が0.20g/cm以上0.75g/cm以下である、項1~7のいずれか1項に記載の洋傘用ラミネート紙。
本発明の洋傘用ラミネート紙は、ビニール傘と同様の外観を有し、ハンドリング性に優れている。
本明細書中において、「含有する」なる表現については、「含む」、「実質のみからなる」、及び「のみからなる」旨の概念を含む。本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。本発明の実施形態について以下説明する。但し、本発明の実施形態は、以下の実施形態に限定されるものではない。
本発明の洋傘用ラミネート紙(以下、単にラミネート紙ともいう)は、セルロースパルプを主成分とする紙基材と、前記紙基材の少なくとも一方の面に積層された熱可塑性樹脂層とを有する。熱可塑性樹脂層が積層されているため、ラミネート紙の熱可塑性樹脂層側の表面には耐水性が付与される。以下、ラミネート紙を構成する各素材について説明する。
[紙基材]
(パルプ)
紙基材は、セルロースパルプを主成分とする。ここで主成分とは、紙基材を構成する成分のうち50質量%以上を占める成分をいう。セルロースパルプとしては、木材系パルプまたは非木材系パルプが挙げられる、木材系パルプとしては、例えば、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)等の化学パルプ、機械パルプ等が挙げられる。非木材系パルプとしては、例えば、麻、バガス、竹、コットン等のパルプが挙げられる。これらのパルプは、1種単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。紙基材を構成するパルプとしては、強度が過剰となって柔軟性が低下することを抑える観点から、木材系パルプが好ましい。
パルプの樹種としては、傘地の強度を高める観点から、麻パルプ、または針葉樹クラフトパルプ(NKP)を含有していることが好ましい。麻パルプの場合、パルプ全体に占める含有割合は、傘地の強度を高める観点から全パルプの固形分中20質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、100質量%がさらに好ましい。85質量%以上とすることにより、地合いを低下させて、紙様の質感を高めることができる。針葉樹クラフトパルプ(NKP)の場合、広葉樹クラフトパルプ(LKP)を含有させてもよく、針葉樹クラフトパルプと広葉樹クラフトパルプの質量比は、10%:90%~100%:0%であることが好ましい。針葉樹クラフトパルプの質量比は、20%以上がより好ましく、30%以上がさらに好ましく、40%以上がさらにより好ましく、50%以上が特に好ましい。
針葉樹クラフトパルプを多量に含有させることにより、地合いを低下させて、紙様の質感を高めることができる。一方、広葉樹クラフトパルプを多量に含有させることにより、地合いを向上させて、表面の平滑性を高めることができ、ラミネート加工時の接着性を向上させることができる。樹種の具体例としては、ダグラスファー、ラジアータパイン、スギ等の針葉樹、アカシア、ユーカリ等の広葉樹が挙げられる。
地合いは、目視によって評価することもできるが、地合い指数によって表すことができる。地合い指数は、紙の均一性を示す指数であり、数値が大きいほど、地合いが良好である。紙様の質感を高める観点から、地合い指数は、50以下とすることが好ましく、30以下とすることがより好ましく、15以下とすることがさらに好ましい。地合い指数は、市販されている3Dシートアナライザーでラミネート紙の透過強度を測定し、厚さのバラつきを数値化することで得られる。本発明においては、M/Kシステム社製の3Dシートアナライザーを用いて、測定レンジ2(低感度)、光源の絞り1.0mmで地合い指数を測定する。
紙基材を構成するパルプのJIS P 8121-2012に準拠して測定されるカナダ標準濾水度(CSF)は、200~650mlに調整することが好ましい。パルプの濾水度は、前記した少なくとも1種のパルプを叩解して上記範囲に調整すればよい。2種類以上のパルプを使用する場合には、別々に叩解したパルプを混合して上記範囲にしてもよいし、予め混合したパルプを叩解して上記範囲に調整してもよい。パルプの濾水度を200ml以上とすることにより、抄紙工程での脱水を早めて操業性を向上できる。一方、パルプの濾水度を650ml以下とすることにより、傘地の強度を向上することができる。パルプの濾水度は、木材パルプの場合は、より好ましくは300~550mlであり、さらに好ましくは350~500mlである。麻パルプの場合は、パルプ本来の特性として、木材パルプよりも繊維長が長い故に強度面が強い特徴があり、叩解を大幅に弱めて使用できる。より好ましくは550~650mlであり、更に好ましくは600~650mlである。
本発明における紙基材は、傘地の柔軟性を高めてしなやかさを向上する観点から、ビニロン繊維、芯鞘型構造を有するポリエステル繊維等の合成繊維、レーヨン繊維等の再生セルロース繊維を含有することが好ましい。
再生セルロース繊維としては、木材化学パルプ、コットンリンター等のセルロースをビスコースの形で溶液とした後、酸の中でセルロースを再生及び紡糸したビスコースレーヨン、セルロースを銅アンモニア溶液中に溶解した後、酸の中で再生及び紡糸した銅アンモニアレーヨン、N-メチルモルフォリン-N-オキサイドのような非水系セルロース溶媒にセルロースを溶解した後、紡糸して得られる再生セルロース繊維等を挙げることができる。
芯鞘型構造を有するポリエステル繊維としては、工業的に入手が容易であり、接着性を高める観点からポリエチレンテレフタレートが好ましい。また、芯部の融点が好ましくは200℃以上、より好ましくは250℃以上であり、かつ鞘部の融点が好ましくは100℃以上、より好ましくは180℃以上である。パルプ繊維との接着性を向上し、後述の抄紙工程におけるドライヤー汚れを効果的に抑える観点から、鞘部の融点が芯部の融点より低いことが好ましい。更に、鞘部と芯部との融点の差は、40~120℃程度が好ましく、50~100℃程度がより好ましい。芯部を形成するポリマーよりも40℃以上低い融点を有するポリマーが熱融着成分としてその表面に配された芯鞘型構造を有することにより、ポリエステル繊維の接着性を向上できる。一方、融点の差を120℃以下とすることにより、ドライヤー汚れを効果的に抑えることができる。
ビニロン繊維、芯鞘型構造を有するポリエステル繊維等の合成繊維、レーヨン繊維等の含有割合は、これらの繊維とパルプの合計の全固形分中1~50質量%が好ましく、3~40質量%がより好ましく、5~30質量%がさらに好ましく、8~20質量%がさらにより好ましい。この含有割合を1質量%以上とすることにより、傘地の柔軟性を高めてしなやかさをより一層向上することができる。一方、50質量%以下とすることにより、傘地の強度をより一層向上することができる。
(紙力増強剤)
紙基材には、抄紙する際に、各種内添助剤が添加される。それらの内、乾燥紙力増強剤と湿潤紙力増強剤は、傘地の強度を高める観点から含有させることが好ましい。乾燥紙力増強剤と湿潤紙力増強剤は、通常、高分子物質であり、紙基材表面に多く存在すると、表面に地合いムラが生じて紙様の質感を高められる一方で、ラミネート加工時の接着性が低下するという問題を生じる懸念があり、含有割合、紙料の混合・攪拌によって調整する必要がある。
乾燥紙力増強剤の具体例としては、ポリアクリルアミド、澱粉等が挙げられる。また、湿潤紙力増強剤の具体例としては、ポリアミドポリアミンエピクロロヒドリン樹脂、メラミン-ホルムアルデヒド樹脂、尿素-ホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。これらのなかでも、強度と耐水性を高める観点から、ポリアクリルアミド系乾燥紙力増強剤及び/またはポリアミドポリアミンエピクロロヒドリン系湿潤紙力増強剤が好ましい。
本発明におけるポリアクリルアミド系乾燥紙力増強剤は、主にアクリルアミド、メタアクリルアミドなどのモノマーを重合したポリマーであり、前記モノマー以外に、イオン性モノマー、疎水性モノマー、親水性モノマー、分岐構造を付与できるモノマー、架橋構造を付与できる多官能性モノマーなども共重合することができる。
本発明におけるポリアミドポリアミンエピクロロヒドリン系紙力増強剤は、脂肪族二塩基酸、ポリアルキレンポリアミン及びエピクロロヒドリンを反応させて得られるポリアミドポリアミンエピクロロヒドリン樹脂の水溶液であるが、これらに限定されない。
乾燥紙力増強剤の含有量は、紙基材に含まれるセルロースパルプ100質量部に対して、0.00~1.50質量部であることが好ましく、0.05~1.20質量部であることがより好ましく、0.05~1.00質量部であることがさらに好ましく、0.10~0.90質量部であることがさらにより好ましい。乾燥紙力増強剤の含有量を0.00質量部より大きくすることにより、乾いた状態の傘地の強度を向上し、洋傘を開く際に応力が不均一に加わった場合でも、傘地が破れる虞がない。また、地合いムラを生じさせて、紙様の質感を高めることができる。一方、乾燥紙力増強剤の含有量を1.50質量部以下とすることにより、洋傘に成形した際に剛性が過剰となり難く、柔軟性を高めてハンドリング性を向上できる。
紙基材における湿潤紙力増強剤の含有量は、紙基材に含まれるセルロースパルプ100質量部に対して、0.00~1.50質量部であることが好ましく、0.01~1.30質量部であることがより好ましく、0.05~0.90質量部であることがさらに好ましく、0.10~0.50質量部であることがさらにより好ましい。湿潤紙力増強剤の含有量を0.00質量部より大きくすることにより、濡れた状態の傘地の強度を向上し、洋傘を開く際に応力が不均一に加わった場合でも、傘地が破れる虞がない。また、地合いムラを生じさせて、紙様の質感を高めることができる。一方、湿潤紙力増強剤の含有量を1.50質量部以下とすることにより、洋傘に成形した際に剛性が過剰となり難く、柔軟性を高めてハンドリング性を向上できる。
(サイズ剤)
紙基材に耐水性を付与するためには、通常、紙基材にサイズ剤を含有させる。サイズ剤としては、ロジン系、アルキルケテンダイマー系、アルケニル無水コハク酸系、無水マレイン酸系、スチレンアクリル酸系、スチレンアクリル系などの公知の各種サイズ剤が使用される。
紙基材におけるサイズ剤の含有量は、紙基材に含まれるセルロースパルプ100質量部に対して、0.001質量部以上であることが好ましく、0.005 質量部以上であることがより好ましく、0.01質量部以上であることがさらに好ましい 。また、サイズ剤の含有量は、紙基材に含まれるセルロースパルプ100質量部に対して、4.0質量部以下であることが好ましく、3.0質量部以下であることがより好ましく、2.0質量部以下であることがさらに好ましい。サイズ剤の含有量を上記範囲内とすることにより、ラミネート加工時の接着性を低下させることなく、紙基材の耐水性をより効果的に高めることができる。
(填料)
紙基材を抄紙する際に配合する填料は、製紙分野で一般に使用されている填料が使用可 能であり、特に限定されない。填料の例としては、クレー、焼成カオリン、デラミネート カオリン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム-シリカ複合 物、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、非晶質シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛などの無機填料、尿素-ホルマリン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、微小中空粒子などの有機填料が挙げられる。これらの填料は、単独または2種類以上を適宜組み合わせて使用することができる。酸性抄紙であれば一般に、これらの填料から酸溶解性のものを除いたものが使用される。
紙基材を抄紙する際に、填料は無配合とすることも可能である。紙基材の填料を無配合 とすると、傘地の透明性を向上することができる。また、填料として紫外線の散乱・吸収作用が高い有機着色顔料を用いることによって、紫外線の影響を緩和することもできる。
紙基材には、さらに上記以外のその他の各種内添助剤が必要に応じて適宜選択して添加される。その他の内添助剤としては、歩留まり向上剤、濾水度向上剤、嵩高剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、pH調整剤、ピッチコントロール剤、防腐剤、スライムコントロール剤等が挙げられる。
(坪量)
紙基材の坪量は、小さい方が傘地としての質量が少なくなるために洋傘の軽量化には好ましいが、大きい方が傘地としての強度が得られやすい。これらのバランスを調整し、さらにラミネート加工性を向上する観点から、好ましくは15g/m以上50g/m以下、より好ましくは20g/m以上45g/m以下であり、さらに好ましくは30g/m以上40g/m以下である。紙基材の坪量は、JIS P 8124:2011に準拠して測定される。
(密度)
紙基材の密度は、小さい方が傘地としての質量が少なくなるために洋傘の軽量化には好ましい。また、しなやかさを向上することができる。一方、紙基材の密度は、大きい方が傘地としての強度が得られやすい。紙基材の密度は、好ましくは0.20g/cm以上0.75g/cm以下あり、より好ましくは0.40g/cm以上0.70g/cm以下である。紙基材の密度を小さくしてしなやかさを向上するためには、麻パルプ等の嵩高いパルプを使用する、パルプの叩解程度を弱める、嵩高剤を使用する、後述の抄紙工程においてプレス圧を弱める等によって調整することができる。
(湿潤引張強さ)
耐水性は、傘を閉じた際に内側に水が入るため、傘の裏面にも一定程度備わっていることが好ましい。紙基材としては、湿潤引張強さを高めた程度の耐水性を有していればよく、実用上の問題がない。紙基材の湿潤引張強さは、縦方向と横方向の相乗平均で0.05kN/m以上であることが好ましく、0.50kN/m以上であることがより好ましく、1.00kN/m以上であることがさらに好ましい。湿潤引張強さの上限は、特に限定されないが、3.00kN/m以下が好ましく、2.00kN/m以下がより好ましい。湿潤引張強さは、湿潤紙力増強剤の含有量を調節することにより、地合いとの関係で調整すればよい。
(抄紙)
本発明における紙基材は、抄紙法で製造されていることが好ましい。抄紙法を用いることによって、複数の種類の繊維の混抄を容易に行うことができる。抄紙法は、一般に、原料となる短繊維を混合した後にシート化する方法である。抄紙法には、大きく分けて乾式法と湿式法がある。乾式法は、具体的には、短繊維を乾式ブレンドした後に、気流を利用してネット上に集積して、シートを形成する方法である。シート形成に際して水流等を利用することもできる。一方、湿式法は、短繊維を液体媒体中で分散混合させた後に、ネット上に集積して、シートを形成する方法である。これらの中では、水を媒体として使用する湿式抄紙法が好ましく選択される。
紙基材の抄紙方法及び抄紙機の型式は、特に限定されるものではなく、長網式、円網式、傾斜ワイヤー式、ツインワイヤー式等の公知の抄紙方法及び抄紙機が選択可能である。また、抄紙時のpHは酸性領域(酸性抄紙)、疑似中性領域(疑似中性抄紙)、中性領域(中性抄紙)、アルカリ性領域(アルカリ性抄紙)のいずれであってもよい。紙基材の層構成は、単層であってもよいし、多層であってもよい。
本発明における紙基材には、ラミネート加工性を損なわない範囲において、表面に微細な凹凸であるエンボス加工やクレープ化処理を施しても良い。
エンボス加工はエンボッサーや凹凸の金型などにより行われ、点状、鎖線状、直線状、波状などの形状に加工される。凹凸の高低差は0.1mm以下、ピッチは2mm以下の状態で、表裏全面に分布されるものが好ましい。
クレープ化処理を付与する方法としては、抄紙機のウェットパートにおけるプレスロール上もしくはドライヤーパートにおけるシリンダー型ドライヤー上に設置されたドクターにて密着したシートを剥離してクレープ化する方法が挙げられる。前者をウエットクレープ、後者をドライクレープと区別している。これらのロールとポープリールの速度差などによりクレープ化率を変更することが可能であり、クレープ化率が大きいほど合紙の柔軟性や伸び等が増大する。一方では、抄紙段階でクレープ化処理を行わず、抄紙後のシートに2次加工として凹凸に成形された金型に挟み込み、クレープパターンを製造する方法もある。この方法では、ある程度均一化したクレープ形状を成形することが可能である。
[熱可塑性樹脂層]
熱可塑性樹脂層は、紙基材の少なくとも一方の面に積層される。熱可塑性樹脂は、用途に応じて、結晶性樹脂と非結晶性樹脂のいずれの熱可塑性樹脂も使用できる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン(LDPE、MDPE、HDPE、LLDPE等)、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、エチレン酢酸ビニル共重合体、非晶質ポリオレフィン等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂、アクリル樹脂、変性ポリフェニレンエーテル(PPE)、並びにポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシブチレート(PHB)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリブチレンサクシネートアジペート(PBSA)、ポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)、ポリカプロラクトン(PCL)、(3-ヒドロキシブチレート-コ-ヒドロキシヘキサノエート)(PHBH)等の生分解性樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、単独または2種類以上を適宜組み合わせて使用することができる。
本発明では熱可塑性樹脂がポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリブチレンアジペートテレフタレート、及びポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-ヒドロキシヘキサノエート)からなる群より選ばれる少なくとも1種の生分解性樹脂を含有することが好ましい。生分解性樹脂としては、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネートがより好ましい。紙基材を用いた洋傘用ラミネート紙は、ビニール傘に比べて環境負荷の低減という利点を有しているが、本発明における熱可塑性樹脂として生分解性樹脂を用いることによって、より一層環境負荷を低減させることができる。
熱可塑性樹脂組成物の全体に占める生分解性樹脂の含有割合は、特に限定されないが、全熱可塑性樹脂の固形分中10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、50質量%以上がさらに好ましく、100質量%がさらにより好ましい。
熱可塑性樹脂層は、単一の樹脂の単層で形成してもよいし、複数の樹脂を混合して単層で形成してもよいし、同種や異種の樹脂からなる複数の層として形成してもよい。
熱可塑性樹脂層の厚さは、特に限定されないが、通常は、片面当たり10~50μm程度の厚さである。熱可塑性樹脂層の形成量は、特に限定されないが、片面当たり5~50g/mが好ましく、10~30g/mがより好ましい。熱可塑性樹脂層の形成量を5g/m以上とすることにより、傘地の耐水性を向上できる。熱可塑性樹脂層の形成量を50g/m以下とすることにより、傘地としての質量が少なくなり、洋傘の軽量化が可能である。
[ラミネート紙]
ラミネート紙は、紙基材と、当該紙基材の少なくとも一方の面に積層された熱可塑性樹脂層とからなる。熱可塑性樹脂層は、紙基材の片面だけに積層されていてもよいし、紙基材の両面に積層されていてもよい。紙基材の片面だけに積層された熱可塑性樹脂層を有するラミネート紙は、傘地の軽量化が可能であり、熱可塑性樹脂層を有する面を洋傘の表面とすることにより、雨除けとしての十分な耐水性を発揮させることができる。一方、紙基材の熱可塑性樹脂層を有しない面を洋傘の裏面とすることにより、紙様の質感を高めることができる。ラミネート紙は、紙基材の少なくとも一方の面上に熱可塑性樹脂層を積層するラミネート工程により製造される。
熱可塑性樹脂層を紙基材上にラミネートする方法としては、押出しラミネート法、ドライラミネート法、ウェットラミネート法、熱ラミネート法等の各種公知の方法を適宜使用することができる。熱可塑性樹脂層が単層の場合は、押出しラミネート法が好ましい。
ラミネート時には、必要に応じて、熱可塑性樹脂層または紙基材に対してコロナ処理やオゾン処理等の酸化処理を施してもよい。これらの処理を行うことによって、熱可塑性樹脂層または紙基材の表面に極性基が生成し、接着性を向上させることができる。これらの処理は、熱可塑性樹脂層または紙基材のいずれか一方でもよく、両方でもよく、1回でもよく、複数回でもよい。
紙基材と熱可塑性樹脂層とからなるラミネート紙は、坪量が20g/m以上70g/m以下である。ラミネート紙の坪量は、好ましくは30g/m以上60g/m以下であり、より好ましくは40g/m以上60g/m以下であり、さらにより好ましくは50g/m以上60g/m以下である。ラミネート紙の坪量が20g/m未満であると、傘地として十分な強度が得られず、破れなどの損傷が生じやすい。一方、ラミネート紙の坪量が70g/mを超えると、ごわごわ感が強くなり、しなやかさに欠け、ビニール傘と同様の外観、ハンドリング性を得ることができない。また、傘を細く閉じることが難しくなる。坪量を上記の範囲とすることにより、現状のビニール傘の加工製造ラインに、そのまま乗せることもできる。ラミネート紙の坪量は、紙基材の坪量と、熱可塑性樹脂層の形成量とをそれぞれ調節することにより、調整することができる。
紙基材と熱可塑性樹脂層とからなるラミネート紙は、厚さが60~110μmであることが好ましく、65~100μmであることがより好ましく、70~100μmであることがさらに好ましい。紙基材の密度によっては、ラミネート紙の厚さが紙基材の厚さを下回ることがあるが、不透明度を下げる効果が得られ場合もあり、実用上の問題はない。また、紙基材と熱可塑性樹脂層とからなるラミネート紙は、密度が0.45~0.85g/cmであることが好ましく、0.50~0.80g/cmであることがより好ましく、0.50~0.75g/cmであることがさらに好ましい。
紙基材と熱可塑性樹脂層とからなるラミネート紙は、片面ラミネートの場合、紙基材の面、熱可塑性樹脂層の面はいずれも白色度が70.0~90.0%が好ましく、75.0~85.0%がより好ましい。また、紙基材と熱可塑性樹脂層とからなるラミネート紙は、紙様の質感を高める観点から、不透明度が0~60%が好ましく、30~60%がより好ましい。これにより、ビニール傘の白色タイプと透明タイプの両方に対応することができる。
紙基材と熱可塑性樹脂層とからなるラミネート紙は、クラーク剛度が縦方向と横方向の相乗平均で5~20cm/100が好ましく、6~17cm/100がより好ましい。クラーク剛度は、紙基材のパルプの樹種・含有割合、坪量と厚さで調整することができる。また、紙基材と熱可塑性樹脂層とからなるラミネート紙は、破断伸びが縦方向と横方向の相乗平均で2.0~8.0%が好ましく、2.0~7.0がより好ましい。
(比破裂強さ)
洋傘は、傘軸、親骨、支骨、傘地、ロクロ、玉溜り、握柄、及び石突き等を備えており、複数の親骨に張り付けられた傘地には、傘の開閉にともない、親骨を支点として大きな応力がかかるようになっている。本発明者らは、軽くて丈夫な傘地としてのラミネート紙に求められる強度について検討した結果、比破裂強さが実態に即して実用的であることを見出した。
ラミネート紙の破裂強さは、JIS P 8112に準拠して、試験片に流体加圧装置を用いて弾性を有するゴム隔膜によって圧力を加えたときの最大圧力として測定される。ラミネート紙の比破裂強さは、こうして求められた破裂強さをJIS P 8124に準拠して測定された坪量で除すことによって求められる。
ラミネート紙の比破裂強さとの関係を検討した結果、傘地の破れを防止するためには、ラミネート紙の比破裂強さを1.0kPa・m/g以上とすることが好ましいことを見出した。ラミネート紙の比破裂強さは、より好ましくは2.0kPa・m/g以上である。一方、傘地が硬くなり過ぎずに、しなやかなハンドリング性を備えるためには、ラミネート紙の比破裂強さを5.0kPa・m/g以下とすることが好ましいことを見出した。ラミネート紙の比破裂強さは、より好ましくは4.0kPa・m/g以下であり、さらに好ましくは3.5kPa・m/g以下である。
ラミネート紙の比破裂強さを前記の範囲とするためには、パルプの種類、パルプの叩解度、坪量、密度、抄紙方法、紙力増強剤の種類と含有量等を適切に組み合わせることによって制御することができる。パルプの種類は、針葉樹クラフトパルプと広葉樹クラフトパルプの質量比を調節することによっても、調整することができる。
(比引裂強さ)
ラミネート紙の比引裂強さは、JIS P 8116:2000に準拠して測定され、引裂強さを坪量で除した値である。縦方向の比引裂強さと横方向の比引裂強さとの相乗平均は、傘地の破れを防止する観点から、好ましくは0.30mN・m/g以上、より好ましくは0.40mN・m/g以上、さらに好ましくは0.45mN・m/g以上である。一方、引裂強さが大きすぎると傘地の硬さが過剰になることから、好ましくは1.00mN・m/g以下、より好ましくは0.80mN・m/g以下、さらに好ましくは0.60mN・m/g以下である。
(比引張強さ)
ラミネート紙の比引張強さは、JIS P 8113:2006に準拠して測定され、引張強さを坪量で除した値である。縦方向の比引張強さと横方向の比引張強さとの相乗平均は、傘地の破れを防止するための硬さとする観点から、好ましくは0.010kN・m/g以上、より好ましくは0.030kN・m/g以上である。一方、傘地のしなやかさを向上する観点から、好ましくは0.060kN・m/g以下、より好ましくは0.050kN・m/g以下である。
ラミネート紙の比引裂強さ、比引張強さを前記の範囲とするためには、パルプの種類、パルプの叩解度、坪量、密度、抄紙方法、紙力増強剤の種類と含有量等を適切に組み合わせることによって制御することができる。パルプの種類は、針葉樹クラフトパルプと広葉樹クラフトパルプの質量比を調節することによっても、調整することができる。
ラミネート紙の層構成としては、紙基材と熱可塑性樹脂層とからなる2層構成または3層構成のラミネート紙が基本であるが、それ以外に、用途に応じて、種々の多様な層構成を形成することができる。例えば、紙基材と熱可塑性樹脂層とからなるラミネート紙上にさらに同種または異種の熱可塑性樹脂層を設けたり、熱可塑性樹脂層と熱可塑性樹脂層の間に熱可塑性樹脂以外の層を設けたり、紙基材と熱可塑性樹脂層の間に熱可塑性樹脂層以外の層を設けることもできる。熱可塑性樹脂層以外の層としては、水溶性高分子(PVA等)や、顔料及び接着剤を主成分とする塗工層、アルミニウム箔(Al箔)、印刷層、紫外線カット層等が挙げられる。
[傘地]
本発明におけるラミネート紙を傘地として用いて、洋傘に成形することができる。傘地として、現状のビニール傘の加工製造ラインに、そのまま乗せることができるため、洋傘を製造する方法は、公知の方法を適宜選択して用いることができる。
本発明の洋傘用ラミネート紙は、雨・雪、日光を防ぐために頭上にかざす傘地として用いることができ。携帯用の雨傘、日傘、大型のビーチパラソル、ガーデンパラソルのほかに、タープ、ベビーカーの幌等の各種用途に利用可能である。
以下、実施例により本発明の効果を詳細に説明する。実施例及び比較例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り、それぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。
以下に、紙基材及びラミネート紙について実施した測定方法を示す。なお、特別な記載が無い限り、測定は、JIS P 8111:1998に記載の温度23℃±1℃、湿度50%±2%の環境で行った。
(1)坪量:JIS P 8124:2011に準拠して測定した。
(2)厚さ:JIS P 8118:2014に準拠して、100kPa±10kPaの圧力を試験片の円形領域(200mm)に加えた際の厚さを測定した。
(3)密度:JIS P 8118:2014に準拠して測定した。厚さは、100kPa±10kPaの圧力を試験片の円形領域(200mm)に加えた際の厚さを測定した。
(4)白色度:JIS P 8148に準拠して測定した。
(5)不透明度:JIS P 149:2000に準拠して測定した。
(6)クラーク剛度:JIS P 8143に準拠して測定した。
(7)引張強さ、比引張強さ:JIS P 8113:2006に準拠して測定した。比引張強さは、坪量と引張強さから求めた。
(8)破断伸び:JIS P 8113:2006に準拠して測定した。
(9)引裂強さ、比引裂強さ:JIS P 8116:2000に準拠して測定した。比引裂強さは、坪量と引裂強さから求めた。
(10)破裂強さ、比破裂強さ:JIS P 8112に準拠して、破裂強さを求めた。比破裂強さは、坪量と破裂強さから求めた。
(11)湿潤引張強さ:JIS P 8135に準拠して湿潤状態とした試料を、 JIS P8113の引張強さに準拠して測定した。
[実施例1]
(紙基材)
市販の麻パルプを常法によりカナダ標準濾水度(CSF)630mLに叩解した後、0.5%濃度のパルプスラリーを得た。このパルプスラリーに、パルプ固形分対比で、カチオン系の湿潤紙力増強剤として、ポリアミドポリアミンエピクロロヒドリンを成分とする薬品(商品名:WS4024、星光PMC社製)1.0%、中性サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(商品名:AD1612、星光PMC社製)0.5%、及びアニオン系の乾燥紙力増強剤としてポリアクリルアミドを成分とする薬品(商品名:PS-NH20B、荒川化学社製)1.0%を混合し、撹拌して紙料を得た。この紙料を用いて、傾斜ワイヤー抄紙機で抄紙し、坪量20.6g/mの紙基材を得た。
(熱可塑性樹脂層)
得られた紙基材の一方の面に対し、熱可塑性樹脂としてLDPE(品番:LC522、日本ポリエチレン社製)をラミネートした。熱可塑性樹脂層のラミネートは、押出しラミネート法により、ラミネート温度を330℃、ラミネート速度を200m/分の条件で行った。熱可塑性樹脂層の形成量を17g/mとし、ラミネート紙を得た。
(傘地)
得られたラミネート紙を定型に切り出し、8枚組み合わせて、市販の洋傘用の骨組みを用いて傘地として張り付けて成形した。外観はビニール傘と同様であり、若干の硬さはあるものの、ハンドリング性は優れていた。また、地合いは目視によって紙様の質感を十分に感じさせるものであった。
[実施例2]
針葉樹晒クラフトパルプ(ダグラスファー)を常法によりカナダ標準濾水度(CSF)400mLに叩解した後、3.8%濃度のパルプスラリーを得た。このパルプスラリーに、パルプ固形分対比で、アニオン系の乾燥紙力増強剤としてポリアクリルアミドを成分とする薬品(商品名:PS-NH20B、荒川化学製)0.9%、カチオン系の湿潤紙力増強剤として、ポリアミドポリアミンエピクロロヒドリンを成分とする薬品(商品名:WS4024、星光PMC製)0.9%、及び中性サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(商品名:AD1612、星光PMC製)0.3%を混合し、撹拌して紙料を得た。この紙料を濃度0.5%に調整し、傾斜ワイヤー抄紙機で抄紙し、坪量39.3g/mの紙基材を得た。得られた紙基材を用いて、実施例1と同様にしてラミネート紙を得て、傘地として成形した。外観はビニール傘と同様であり、ハンドリング性は優れていた。また、地合いは目視によって紙様の質感を十分に感じさせるものであった。
[実施例3]
実施例2で用いた針葉樹晒クラフトパルプと、市販の広葉樹晒クラフトパルプ(ユーカリ)とを、それぞれ単独で常法によりカナダ標準濾水度(CSF)400mLに叩解した後、配合比が重量比で40:60となるように両者を配合して0.5%濃度のパルプスラリーを得た以外は、実施例2と同様にして坪量36.5g/mの紙基材を得た。この際にクレープ化処理を行なった。得られた紙基材を用いて、実施例2と同様にしてラミネート紙を得て、傘地として成形した。外観はビニール傘と同様であり、ハンドリング性は優れていた。また、地合いは目視によって紙様の質感を十分に感じさせるものであった。
Figure 2023023420000001

Claims (8)

  1. セルロースパルプを主成分とする紙基材と、前記紙基材の少なくとも一方の面に積層された熱可塑性樹脂層とを有する洋傘用ラミネート紙であって、坪量が20g/m以上70g/m以下であることを特徴とする洋傘用ラミネート紙。
  2. JIS P 8112に準拠した比破裂強さが1.0kPa・m/g以上5.0kPa・m/g以下である、請求項1に記載の洋傘用ラミネート紙。
  3. JIS P 8116:2000に準拠した比引裂強さが0.30mN・m/g以上1.00mN・m/g以下である、請求項1または2に記載の洋傘用ラミネート紙。
  4. JIS P 8113:2006に準拠した比引張強さが0.010kN・m/g以上0.060kN・m/g以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の洋傘用ラミネート紙。
  5. 前記紙基材がポリアクリルアミド系乾燥紙力増強剤及び/またはポリアミドポリアミンエピクロロヒドリン系湿潤紙力増強剤を含有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の洋傘用ラミネート紙。
  6. 前記熱可塑性樹脂がポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリブチレンアジペートテレフタレート、及びポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-ヒドロキシヘキサノエート)からなる群より選ばれる少なくとも1種の生分解性樹脂を含有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の洋傘用ラミネート紙。
  7. 前記紙基材がクレープを有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の洋傘用ラミネート紙。
  8. 前記紙基材の密度が0.20g/cm以上0.75g/cm以下である、請求項1~7のいずれか1項に記載の洋傘用ラミネート紙。
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