JP2023019786A - 皮膚外用剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】天然物由来で生体安全性に優れた、毛穴を改善するための皮膚外用剤を提供する。【解決手段】アオイ科フヨウ属に属する植物の発酵物とバラ科バラ属の植物の抽出物を有効成分として含む毛穴改善用皮膚外用剤である。【選択図】図1

Description

本発明は、バラ科バラ科(Rosaceae)バラ属(Rosa)に属する植物の抽出物及びアオイ科(Malvaceae)フヨウ(ハイビスカス)属(Hibiscus)に属する植物の発酵物の組み合わせを有効成分とする毛穴改善用皮膚外用剤に関する。
従来、顔、腕、足等の毛穴のトラブルとして、皮脂や古い角質が過剰に蓄積することで黒ずみが目立つことが知られている。毛穴の黒ずみは、洗浄用化粧料で洗い流すことで改善することができる場合もあるが、毛穴のトラブルには、皮膚のタルミ等により毛穴が変形する等の要因もあるため、洗浄用化粧料だけでは、十分に毛穴のトラブルを改善できないという課題があった。
本発明者らは、かかる従来技術の問題点に鑑みて、アオイ科フヨウ属に属する植物の発酵物と、バラ科バラ属に属する植物の抽出物との組み合わせが、すぐれた毛穴改善の相乗効果を有することを新たに見出した。
従来、アオイ科フヨウ属に属する植物の発酵物を有効成分とする皮膚外用剤については、例えば、特許文献1により知られており、また、バラ科バラ属に属するバラの抽出物を有効成分とする皮膚外用剤については、例えば、特許文献2~6により知られている。
特開2006-347925号 特開2000-327555号 特開2001-064192号 特開2001-163794号 特開2001-316277号 特開2014-240375号
しかし、アオイ科フヨウ属に属する植物の発酵物と、バラ科バラ属に属する植物の抽出物との組み合わせが、相乗的にすぐれた毛穴改善効果を有することについては知られていなかった。
本発明は、アオイ科フヨウ属に属する植物の発酵物とバラ科バラ属の植物の抽出物を含む毛穴改善用皮膚外用剤である。
本発明は、アオイ科フヨウ属に属する植物の発酵物とバラ科バラ属の植物の抽出物との組み合わせを有効成分とすることで、生体安全性及び有効性にすぐれ、毛穴改善の相乗効果を発揮する皮膚外用剤を提供することができる。
毛穴改善の評価結果を示す図である。 毛穴改善の評価結果を示す図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
まず、アオイ科フヨウ(ハイビスカス)属に属する植物の発酵物について説明する。アオイ科フヨウ属の植物としては、例えば、ローゼル(Hibiscus sabdariffa L.)、ムクゲ(Hibiscus syriacus)、フヨウ(Hibiscus mutabills)、モミジアオイ(Hibiscus coccineus)、オオハマボウ(Hibiscus tiliaceus)、ブッソウゲ (Hibiscus rosa-sinensis)、フウリンブッソウゲ(Hibiscus schizopetalus)が挙げられる。フヨウ(ハイビスカス)属の植物の使用部位には特に限定はなく、全草、葉、茎、花、萼、雄しべ、雌しべ、茎、根、種子、子実など適宜の部分を用いることができるが、全草、花、萼の使用が好ましい。
フヨウ属の植物の発酵に用いる資化源としては、植物それ自体(以下、植物体という)を用いてもよく、又は植物体から後述する溶媒抽出方法により得られる抽出物を用いてもよい。また、抽出物を用いる場合には、被抽出物の植物体を固液分離によって除去することなく、植物体を含んだままで発酵を行うことも可能である。ここで、植物は、生のままであっても、又予め乾燥若しくは半乾燥したものであってもよい。また、形状としては採取したものをそのまま用いることも可能である。
本発明において、フヨウ属の植物の発酵に用いる微生物としては、例えば、乳酸菌、ビフィズス菌、麹菌、納豆菌、テンペ菌、酵母等が挙げられ、一般にはそれら各菌種のいずれかから選ばれた1種又は2種以上を用いるが、場合によっては、又相互に発酵の妨げとならない限り、別の菌種に属するもの同士を組み合せて用いるようにしてもよい。
例えば、乳酸菌としては、ラクトバシルス プランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバシルス ブレビス(L. brevis)、ラクトバシルス カゼイ(L. casei)、ラクトバシルス デルブルッキー(L. delbrueckii)等のラクトバシルス(Lactobacillus)属の乳酸菌;カルノバクテリウム ディバージェンス(Carnobacterium divergens)、カルノバクテリウム ピシコーラ(Carnobacterium piscicola)等のカルノバクテリウム(Carnobacterium)属の乳酸菌;ロイコノストック メセンテロイズ(Leuconostoc mesenteroides)、ロイコノストック シトレウム(Leuconostoc citreum)等のロイコノストック(Leuconostoc)属の乳酸菌; ストレプトコッカス フェーカリス(Streptococcus faecalis)、ストレプトコッカス ピオジェネス(Streptococcus pyogenes)等のストレプトコッカス属の乳酸菌;エンテロコッカス カゼリフラバス(Enterococcus caseliflavus)、エンテロコッカス サルフレウス(Enterococcus sulfreus)等のエンテロコッカス(Enterococcus)属の乳酸菌;ラクトコッカス プランタラム(Lactococcus plantarum)、ラクトコッカス ラフィノラクティス(Lactococcus rafinolactis)等のラクトコッカス属の乳酸菌;ヴェイセラ コンフューザ(Weissella confusa)、ヴェイセラ カンドウレリ(Weissella kandleri)等のヴェイセラ属の乳酸菌;アトポビウム ミニュタム(Atopobium minutum)、アトポビウム パービュラス(Atopobiumparvulus)等のアトポビウム(Atopobium)属の乳酸菌;バゴコッカス フルビアリス(Vagococcus fluvialis)、バゴコッカス サーモニナラム(Vagococcus salmoninarum)等のバゴコッカス(Vagococcus)属の乳酸菌;ペディオコッカス ダムノサス(Pediococcus damnosus)、ペディオコッカス ペントサセウス(Pediococcus pentosaceus)等のペディオコッカス(Pediococcus)属の乳酸菌、マリニラクトバシルス・フィコロトレランス(Marinilactobacillus phychrotolerans)のような海洋起原の乳酸菌等が挙げられる。
例えば、ビフィズス菌としては、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)等が挙げられるが、ビフィズス菌に分類されるものであれば、いずれも使用可能である。
麹菌としては、例えば、アスペルギルス オリゼー(Aspergillus oryzae)、アスペルギルス フラバス(Aspergillus flavus)、アスペルギルス ポリオキソジェネス(Aspergillus polyoxogenes)、アスペルギルス ソーヤ(Aspergillus sojae)等の黄麹菌、アスペルギルス アワモリ(Aspergillus awamori)、アスペルギルス カワウチ(Aspergillus kawauchii)、アスペルギルス ウサミ(Aspergillus usami)、アスペルギルス ニガー(Aspergillus niger)等の黒麹菌、モナスカス アンカ(Monascus anka)、モナスカス ピロサス(Monascus pilosus)等の紅麹菌等が挙げられる。
納豆菌としては、例えば、バシルス ナットー(Bacillus natto)、バシルス サブチルス(Bacillus subtilis)、バシルス サーキュランス(Bacillus circulans)等のバシルス属の細菌等が挙げられる。なかでも、食品に広く使用されており、安全性が高い点でバシルス ナットー(Bacillus natto)が最も好ましい。
テンペ菌としては、例えば、リゾプス アジゴスポラス(Rhizopus azygosporus)、リゾプス ミクロスポラス チネンシス(Rhizopus microsporus chinensis)、リゾプス ミクロスポラス オリゴスポラス(Rhizopus microsporus oligosporus)、リゾプス ニベウス(Rhizopus niveus)、リゾプス オリゼー(Rhizopus oryzae)等のリゾプス属の真菌(カビ)が挙げられる。
酵母としては、例えば、サッカロミセス セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロミセス アワモリ(Saccharomyces awamori)、サッカロミセス チェバリエリ(Saccharomyces chevalieri)、サッカロミセス カールスバージェンシス(Saccharomyces carlsbergensis)、サッカロミセス バヨナス(Saccharomyces bayon us)等のサッカロミセス属の酵母、トルラスポラ デルブルエキ(Torulaspora delbruekii)、トルラスポラ ファーメンタチ(Torulaspora fermentati)、トルラスポラ ロゼイ(Torulaspora rosei)等のトルラスポラ属の酵母、ジゴサッカロミセス ローキシ(Zygosaccharomyces rouxii)、ジゴサッカロミセス ソーヤ(Zygosaccharomyces soya)、ジゴサッカロミセス サケ(Zygosaccharomyces sake)、ジゴサッカロミセス ミソ(Zygosaccharomyces miso)、ジゴサッカロミセス ラクティス(Zygosaccharomyces lactis)等のジゴサッカロミセス属の酵母、カンディダ ベルサチリス(Candida versatilis)、カンディダ エチェリシイ(Candida etchellsii)、カンディダ ケフィール(Candida kefyr)、カンディダ サケ(Candida sake)、カンディダ スコッティ(Candida scottii)等のカンディダ属の酵母、オーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium Pullulans)、オーレオバシディウム マンソニー(Aureobasidium mansonii)、オーレオバシディウム マイクロスティクタム(Aureobasideium microstictum)等のオーレオバシディウム属の酵母等が挙げられる。上述の酵母のうち、安全性及び有効性の観点から、サッカロミセス セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)が好ましいが、サッカロミセス セレビシエとしては、清酒、ユリ、サクラの花等の植物由来のものや、海洋起源のもの等、いずれの由来のものでも使用することができる。
上述の懸濁液又は抽出物を微生物により発酵させるときには、発酵工程前に、殺菌を行って発酵の障害となる雑菌を除去する。この雑菌の殺菌除去方法としては、発酵素材を予め殺菌用エタノール等で洗浄した後無菌水等の無菌溶媒に懸濁する方法を用いてもよく、又発酵素材を溶媒に懸濁した後、懸濁液を加熱殺菌等により殺菌するようにしてもよい。加熱殺菌処理としては、懸濁液を120~130℃で10~20分間加熱するオートクレーブ殺菌法や、80~90℃に60~120分間保持することを1日1回2~3日間繰り返す間断殺菌法といった加熱殺菌法が一般に用いられる。
無菌化した懸濁液を発酵タンクに入れ、これに微生物を植菌して発酵させる。微生物の接種量は10~10個/mLが適量である。接種量が上記の範囲より多くなっても発酵の進行時間は殆ど変わらず、一方上記の範囲より少なくなると発酵完了までに長時間を要することとなって好ましくない。
上記の微生物を用いて、上記植物を発酵させる方法の好ましい具体例を挙げれば以下の通りである。まず、それら植物の発酵素材を発酵媒体中に浸漬又は懸濁させて、発酵のための懸濁液を調製する。この場合、植物は生のまま用いても、又予め乾燥若しくは半乾燥した上用いてもよい。又、形状としては、採取したものをそのまま用いることもできるが、細断或いは粉砕して微細化すれば発酵効率を上げることができる。
発酵素材を懸濁させるための発酵媒体としては、水或いは水と低級アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール等)若しくはグリコール類(エチレングリコール、プロピレングリコール(プロパンジオール)、1、3-ブチレングリコール、グリセリン等)との混液等が用いられ、又それら媒体中にはグルコース、フルクトース、シュークロース等の糖類を添加してもよいが、微生物が最もその作用を発揮しやすいことと、発酵素材である植物以外の資化成分が存在することによる発酵副産物の生成を避けるという意味から、水の単独使用が最も好ましい。
この発酵素材の懸濁液は、これを発酵工程に供する前に、殺菌を行って発酵の障害となる雑菌を除去する。この場合殺菌除去方法としては、発酵素材を予め殺菌用エタノール等で洗浄殺菌した上無菌水等の無菌媒体に懸濁する方法を用いてもよく、又発酵素材を媒体に懸濁した後、懸濁液を加熱殺菌する方法を用いるようにしてもよい。加熱殺菌法としては、懸濁液を120~130℃で10~20分間加熱するオートクレーブ殺菌法や、懸濁液を80~90℃に60~120分間保持することを1日1回2~3日間繰り返す間断殺菌法が一般に用いられる。
次に、この無菌化した懸濁液を発酵タンクに入れ、これに微生物を植菌して発酵処理を行う。 微生物の接種量は10~10個/mLが適量である。接種量が上記の範囲より多くなっても発酵の進行時間は殆ど変わらず、一方上記の範囲より少なくなると発酵完了までに長時間を要することとなって好ましくない。
発酵温度は一般に5~50℃の範囲の範囲である。発酵日数は、至適温度に於いて一般に1~10日、好ましくは2~5日の範囲である。発酵日数が上記の一般的範囲より短くなると発酵が十分に行われず発酵物の有効性が低下する傾向にあり、一方10日を越えて長くしても有効性のそれ以上の上昇は認められないだけでなく、着色や発酵臭の増加が生ずることとなっていずれも好ましくない。
以上の発酵処理を行うに当たって、植物の成分が微生物によってより有効に利用されるようにするため、微生物の植菌前若しくは植菌時、又は場合によっては植菌後発酵継続中に、前記の懸濁液に酵素を添加して、発酵素材である植物に酵素による加水分解処理を施してもよい。この場合、酵素としては、上述したように、蛋白分解酵素、糖質分解酵素、ペクチン質分解酵素及び脂質分解酵素から選ばれた少なくとも1種の酵素を用いることができる。
pH、温度、時間等の処理条件としては、酵素処理を発酵の前に行うのであれば、使用する酵素の至適pH及び至適温度付近で1~24時間の処理を行うのがよく、一方発酵と並行して行うのであれば、当該発酵と同条件であって差し支えない。
以上の発酵処理が終ったならば、微生物の殺菌のため、又酵素処理を併用した場合であれば酵素の失活も兼ねて、発酵液に80~100℃で10~120分程度の加熱殺菌処理を施す。殺菌処理を終わった発酵液は、これをそのまま、或いは一般かつ好適には濾過或いは遠心分離等の固液分離手段によって液相を分取し、必要ならばpHを通常の化粧料のpH領域であるpH4~9に調整し、さらに必要ならば希釈若しくは濃縮によって適宜の濃度とした上、化粧料の配合原料として供する。又、場合によっては、固液分離後の液相を、スプレードライ法、凍結乾燥法等常法に従って固体化し、さらに必要に応じて粉砕して粉末状にしてもよい。
次に、バラ科バラ属の植物の抽出物について説明する。本発明で用いる抽出素材の植物は、どのような品種(交配種、亜種も含む)であってよい。例えば、Rosa Centifolia(ロサ・センチフォリア)、Rosa Damascena(ロサ・ダマスクバラ)、Rosa gallica(ロサ・ガリカ)、Rosa moschata(ロサ・モスカタ)、及びRosa alba(ロサ・アルバ)等が挙げられる。
本発明に用いる素材は、バラ属植物としては、全草、葉、花部、茎、種子、実、根、胎座等、いずれを用いても良いが、全草、或いは花部の使用が好ましい。
抽出物の調製は、まず、バラ属の植物(例えば、全草、花部等)を、必要ならば予め水洗して異物を除いた後、そのまま又は乾燥した上、必要に応じて細切又は粉砕し、抽出溶媒と接触させて抽出を行う。抽出は、浸漬法等の常法に従って抽出溶媒と接触させることで行うことが可能であるが、浸漬法以外にも超臨界抽出法を用いることも可能である。
抽出溶媒としては、水;メタノール、エタノール、プロパノールなどの低級アルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチルなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;エチルエーテル、イソプロピルエーテルなどのエーテル類;n-ヘキサン、トルエン、クロロホルムなどの炭化水素系溶媒などが挙げられ、それらは単独で又は二種以上混合して用いられる。
それら抽出溶媒のうちでも、皮膚刺激性や有効性の観点から、又化粧料への幅広い適用が可能であるという点からも、本発明においては、水、低級アルコール類又は多価アルコール類などの親水性溶媒が好適である。この親水性溶媒を用いる場合の好ましい例としては、例えば、水、低級アルコール類(特にエタノール)、又は多価アルコール(特に、1,3-ブチレングリコール)の単独使用、或いは、水と低級アルコール類(特にエタノール)との混合溶媒、又は水と多価アルコール類(特に1,3-ブチレングリコール,グリセリン)との混合溶媒の使用等が挙げられるが、なかでも水単独、又は水と1,3-ブチレングリコールの混合溶媒が特に好ましい。
混合溶媒を用いる場合の混合比は、例えば水と1,3-ブチレングリコールとの混合溶媒であれば、容量比(以下同じ)で1:10~20:1、水とエタノールとの混合溶媒であれば、1:10~25:1、水とグリセリンとの混合溶媒であれば1:10~20:1の範囲とすることが好ましい。
また、ダマスクバラの乾燥部位(例えば、全草又は花部)と抽出溶媒との重量比は好ましくは1:1~1:50の範囲である。
抽出物の調製に際して、そのpHに特に限定はないが、一般には3~9の範囲とすることが好ましい。かかる意味で、必要であれば、前記抽出溶媒に、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ性調整剤、又はクエン酸、塩酸、リン酸、硫酸などの酸性調整剤を配合し、所望のpHとなるように調整してもよい。
抽出温度、抽出時間等の抽出条件は、用いる溶媒の種類やpHによっても異なるが、例えば、水若しくは1,3-ブチレングリコール、又は水と1,3-ブチレングリコールとの混液を溶媒とする場合であれば、抽出温度は好ましくは0℃~80℃の範囲である。また、抽出時間は好ましくは1~168時間(1時間~1週間)の範囲である。
なお、本発明の抽出処理に先立って、又は抽出処理と並行して、必要に応じてバラ属植物の抽出物に加水分解処理を施してもよい。これによって、バラ属植物の抽出物の保存安定性等を改善して、化粧料配合剤としての抽出物をより有効に利用できる可能性がある。
抽出物に酵素加水分解処理を施す場合、酵素としては、アクチナーゼ、パパイン、ペプシンなどの蛋白分解酵素、グルコアミラーゼ、α-アミラーゼ、β-アミラーゼなどの澱粉分解酵素、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼなどの繊維素分解酵素、及びリパーゼなどの脂肪分解酵素のいずれかの酵素群から選ばれた1種又は2種以上を用いてもよいが、それらの酵素群からそれぞれ選ばれた1種又は2種以上の酵素を組み合わせて用いることがより好ましい。
上述のように調製した抽出物及び発酵物は、一般にはpHを3~8に調製した上で、これをそのままの状態で化粧料配合剤として使用しても良く、又減圧濃縮等により所望の濃度として使用しても良い。また、抽出物はスプレードライ法等の常法により乾燥物としても良い。
本発明の抽出物及び発酵物を含む皮膚外用剤の用途としては、皮膚外用剤(外用医薬部品、外用医薬部外品及び化粧品)としては、例えば、乳液、クリーム、ローション、エッセンス、ゲル、パック、シートマスク、スリミング剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
皮膚外用剤(化粧料や医薬部外品)における本発明に係る有効成分の配合量は、その固形分として、基礎化粧料の場合は、一般に0.0002~1.0重量%(固形分重量%、以下同じ)、好ましくは0.002~0.2重量%の範囲である。
ここで、油性成分としては、例えば、オリーブ油、ホホバ油、ヒマシ油、大豆油、米油、米胚芽油、ヤシ油、パーム油、カカオ油、メドウフォーム油、シアーバター、ティーツリー油、アボガド油、マカデミアナッツ油、ベルガモット油、ラベンダー油、バラ油、ベルガモット油、カミツレ油等の植物由来スクワラン等の植物由来の油脂類;ビタミンA油;ミンク油、タートル油等の動物由来の油脂類;ミツロウ、カルナウバロウ、ライスワックス、ラノリン等のロウ類;流動パラフィン、ワセリン、パラフィンワックス、スクワラン等の炭化水素類;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、cis-11-エイコセン酸等の脂肪酸類;ラウリルアルコール、セタノール、パントテニルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール類;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、2-エチルヘキシルグリセライド、高級脂肪酸オクチルドデシル(ステアリン酸オクチルドデシル等)等の合成エステル類及び合成トリグリセライド類等が挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤;脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン脂肪アミン硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、α-スルホン化脂肪酸アルキルエステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩等のアニオン界面活性剤;第四級アンモニウム塩、第一級~第三級脂肪アミン塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、2-アルキル-1-アルキル-1-ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、N、N-ジアルキルモルフォルニウム塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド塩等のカチオン界面活性剤;N、N-ジメチル-N-アルキル-N-カルボキシメチルアンモニオベタイン、N、N、N-トリアルキル-N-アルキレンアンモニオカルボキシベタイン、N-アシルアミドプロピル-N′、N′-ジメチル-N′-β-ヒドロキシプロピルアンモニオスルホベタイン等の両性界面活性剤等を使用することができる。
乳化剤及び/又は乳化助剤としては、酵素処理ステビア等のステビア誘導体、サポニン又はその誘導体、カゼイン又はその塩(ナトリウム等)、糖と蛋白質の複合体、ショ糖又はそのエステル、ラクトース、大豆由来の水溶性多糖、大豆由来蛋白質と多糖の複合体、ラノリン又はその誘導体、コレステロール、ステビア誘導体(ステビア酵素処理物等)、ケイ酸塩(アルミニウム、マグネシウム等)、炭酸塩(カルシウム、ナトリウム等)サポニン及びその誘導体、レシチン及びその誘導体(水素添加レシチン等)、乳酸菌醗酵米、乳酸菌醗酵発芽米、乳酸菌醗酵穀類(麦類、豆類、雑穀等)等を配合することもできる。
保湿剤としては、保湿剤としては、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1、3-ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、キシリトール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等があり、さらにトレハロース、ラフィノース等の糖類、ムコ多糖類(例えば、ヒアルロン酸及びその誘導体、ヒアルロン酸発酵液、コンドロイチン及びその誘導体、ヘパリン及びその誘導体等)、エラスチン及びその誘導体、コラーゲン及びその誘導体、コラーゲンペプチド、NMF関連物質、乳酸、尿素、高級脂肪酸オクチルドデシル、海藻抽出物、エストラジオール、各種アミノ酸及びそれらの誘導体が挙げられる。
増粘剤としては、例えばアルギン酸、寒天、カラギーナン、フコイダン等の褐藻、緑藻又は紅藻由来成分;ペクチン、アロエ多糖体等の多糖類;トラガントガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、グアーガム等のガム類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体;カルボシキビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アクリル酸・メタクリル酸共重合体等の合成高分子類;ヒアルロン酸及びその誘導体;ポリグルタミン酸及びその誘導体、ポリアクリル酸等が挙げられる。
消炎剤としては、アラントイン、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム、β-グリチルレチン酸、グリチルレチン酸ステアリル、ε-アミノカプロン酸、d-カンフル、dl-カンフル、酸化亜鉛、パンテノール、ピリドキシン塩酸塩、及びリボフラビン又はその誘導体等がある。
防腐・殺菌剤としては、例えば尿素;安息香酸又はその塩、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル等のパラオキシ安息香酸エステル類;フェノキシエタノール、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、ピリチオン亜鉛、塩化ベンザルコニウム、エタノール、ウンデシレン酸、フェノール類、臭化アルキルイソキノリニウム、レゾルシン、ジャマール(イミダゾデイニールウレア)、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン、トリクロロカルバニド、トリクロロヒドロキシジフェノールエーテル、ヒノキチオール、1、2-ペンタンジオール、プロパンジオール、濃ベンザルコニウム塩化物液50、ハッカ油、ユーカリ油等の精油類、樹皮乾留物、大根発酵液、サトウキビ、トウモロコシ等の植物由来のエタノール又は1、3-ブチレングリコール等がある。
細胞賦活剤としては、パントテニルアルコール、メントール、dl-メントール、及びγ-オリザノール等がある。
抗アクネ剤としては、イオウ、サリチル酸又はその塩、感光素201号、ジカプリル酸ピリドキシン等がある。
粉体成分しては、例えばセリサイト、酸化チタン、タルク、カオリン、ベントナイト、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、無水ケイ酸、雲母、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、シルクパウダー、セルロース系パウダー、穀類(米、麦、トウモロコシ、キビ等)のパウダー、豆類(大豆、アズキ等)のパウダー等がある。
紫外線吸収剤としては、例えばパラアミノ安息香酸エチル、パラジメチルアミノ安息香酸エチルヘキシル、サリチル酸アミル及びその誘導体、パラメトキシ桂皮酸2-エチルヘキシル、桂皮酸オクチル、オキシベンゾン、2、4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸塩、4-ターシャリーブチル-4-メトキシベンゾイルメタン、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、アロエ抽出物等がある。
抗酸化剤としては、例えばブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、アスタキサンチン等のカロテノイド、ビタミンE及びその誘導体(例えば、トコフェロール酢酸エステル、トコフェロールニコチン酸エステル)、ビタミンA又はその誘導体(パルミチン酸レチノール等)等がある。
また、美白剤として、エラグ酸及びその誘導体、レゾルシノール誘導体、4-メトキシサリチル酸カリウム塩、マグノリグナン(5、5'-ジプロピル-ビフェニル-2、2’-ジオール)、ヒドロキシ安息香酸及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、α-ヒドロキシ酸、ニコチン酸誘導体、AMP(アデノシンモノホスフェイト、アデノシン1リン酸)から選択される1以上のものが挙げられる。
レゾルシノール誘導体としては、例えば、4-n-ブチルレゾルシノール、4-イソアミルレゾルシノール等が、2、5-ジヒドロキシ安息香酸誘導体としては、例えば2、5-ジアセトキシ安息香酸、2-アセトキシ-5-ヒドロキシ安息香酸、2-ヒドロキシ-5-プロピオニルオキシ安息香酸等が、α-ヒドロキシ酸としては、例えば乳酸、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸、α-ヒドロキシオクタン酸等がある。 コウジ酸及びその誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体、ハイドロキノン又はその誘導体、エラグ酸及びその誘導体、ニコチン酸及びその誘導体、レゾルシノール誘導体、トラネキサム酸及びその誘導体、4-メトキシサリチル酸カリウム塩、マグノリグナン(5、5'-ジプロピル-ビフェニル-2、2’-ジオール)、ヒドロキシ安息香酸及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、α-ヒドロキシ酸、AMP(アデノシンモノホスフェイト、アデノシン1リン酸)、t-シクロアミノ酸誘導体、ソウハクヒ抽出物、カミツレ抽出物、米糠抽出物の加水分解物、ユキノシタ抽出物及び白芥子抽出物又はその加水分解物から選択される1以上のものが挙げられる。
上記のコウジ酸誘導体としては、例えば、コウジ酸モノブチレート、コウジ酸モノカプレート、コウジ酸モノパルミテート、コウジ酸ジブチレート等のコウジ酸エステル類、コウジ酸エーテル類、コウジ酸グルコシド等のコウジ酸糖誘導体等が、アスコルビン酸誘導体としては、例えばL-アスコルビン酸-2-リン酸エステルナトリウム、L-アスコルビン酸-2-リン酸エステルマグネシウム、L-アスコルビン酸-2-硫酸エステルナトリウム、L-アスコルビン酸-2-硫酸エステルマグネシウム等のアスコルビン酸エステル塩類、L-アスコルビン酸-2-グルコシド、L-アスコルビン酸-5-グルコシド、アスコルビルトコフェリルマレイン酸、アスコルビルトコフェリルリン酸K、ミリスチル3-グリセリルアスコルビン酸、カプリリル2-グリセリルアスコルビン酸等のアスコルビン酸糖誘導体、それらアスコルビン酸糖誘導体の6位アシル化物(アシル基は、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基等)、L-アスコルビン酸テトライソパルミチン酸エステル、L-アスコルビン酸テトララウリン酸エステル等のL-アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステル類、3-O-エチルアスコルビン酸、L-アスコルビン酸-2-リン酸-6-O-パルミテートナトリウム、グリセリルアスコルビン酸又はそのアシル化誘導体、ビスグリセリルアスコルビン酸等のアスコルビン酸グルセリン誘導体、L-アスコルビン酸リン酸アミノプロピル、L-アスコルビン酸のヒアルロン酸誘導体、3-O-Dラクトース-L-アスコルビン酸、イソステアリルアスコルビルリン酸塩等が、ハイドロキノン誘導体としては、アルブチン(ハイドロキノン-β-D-グルコピラノシド)、α-アルブチン(ハイドロキノン-α-D-グルコピラノシド)等が、トラネキサム酸誘導体としては、トラネキサム酸エステル(例えば、トラネキサム酸ラウリルエステル、トラネキサム酸ヘキサデシルエステル、トラネキサム酸セチルエステル又はその塩)、トラネキサム酸のアミド体(例えば、トラネキサム酸メチルアミド)等が挙げられ、レゾルシノール誘導体としては、例えば、4-n-ブチルレゾルシノール、4-イソアミルレゾルシノール等が、2、5-ジヒドロキシ安息香酸誘導体としては、例えば2、5-ジアセトキシ安息香酸、2-アセトキシ-5-ヒドロキシ安息香酸、2-ヒドロキシ-5-プロピオニルオキシ安息香酸等が、ニコチン酸誘導体としては、例えばニコチン酸アミド(ナイアシンアミド)、ニコチン酸ベンジル等が、α-ヒドロキシ酸としては、例えば乳酸、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸、α-ヒドロキシオクタン酸等がある。
次に、製造例、処方例及び試験例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。なお、以下において、部はすべて重量部を、また%はすべて重量%を意味する。
製造例1.フヨウ属植物の発酵物の調製(1)
乾燥したフヨウ(ハイビスカス)属の植物(ローゼル)の花、萼50gに精製水950gを加えて懸濁液を作り、アルカリで中和してpH6付近とした後、80~90℃で1時間加温して殺菌を行った。 殺菌した懸濁液に乳酸菌(ラクトバシルス プランタラム)を10個/mL接種し、37℃で3日間静置培養した。培養終了後培養液を加熱殺菌した後、ろ過して乳酸菌発酵物溶液737g(固形分濃度3.32%)を得た。
製造例2.フヨウ属植物の発酵物の調製(2)
ローゼルに代えてムクゲ(Hibiscus syriacus)の花、萼を用いる他は製造例1と同様にして乳酸菌発酵物溶液650g(固形分濃度2.54%)を得た。
製造例3.フヨウ属植物の発酵物の調製(3)
乳酸菌に代えて酵母であるサッカロミセス セレビシエを用いる他は製造例1と同様にして、酵母発酵物溶液805g(固形分濃度3.18%)を得た。
製造例4.バラ属植物の抽出物溶液の調製(1)
バラ科バラ属のRosa Damascena(ロサ・ダマスクバラ)の花弁を乾燥し、乾燥物15gに精製水を225g添加し4℃で浸漬した後、1,3-ブチレングリコールを225g添加した。これを4℃で抽出を行った後ろ過し、褐色透明の花抽出物溶液390gを得た(固形分濃度1.07%)。
製造例5.バラ属植物の抽出物溶液の調製(2)
製造例4のRosa Damascena(ロサ・ダマスクバラ)の花弁に代えて、Rosa Centifolia(ロサ・センチフォリア)の花弁を使用する他は、製造例1の同様の工程により褐色透明の花抽出物溶液398gを得た(固形分濃度1.10%)。
製造例6.バラ属植物の抽出物溶液の調製(3)
製造例4のRosa Damascena(ロサ・ダマスクバラ)の花弁に代えて、Rosa gallica(ロサ・ガリカ)の花弁を使用する他は、製造例1の同様の工程により褐色透明の花抽出物溶液380gを得た(固形分濃度1.03%)。
実施例1.組成物の調製
バラ属植物の抽出物と、フヨウ属植物の発酵物の組み合わせは、例えば、上述した製造例1~3のいずれかの発酵物と、製造例4~6のいずれかの抽出物を混合することで、調製することができる。混合比は、バラ属植物の抽出物:フヨウ属植物の発酵物に対して、固形分量比で1:10~10:1が好ましく、1:3~3:1がより好ましい。例えば、表1に示す組成物を調製することができる。
[表1]
Figure 2023019786000002
試験例1.毛穴改善評価試験
(1)試料調製
以下の通り本発明に係る組成物(組成物10)を含むローション(本発明試料)と、比較試料を調製した。なお、下記の%は、ローションに占める重量割合を示すものとする。
(A)本発明試料
組成物10(0.6%)、1,3-ブチレングリコール(0.18%)、エタノール(5.0%)、パラベン(0.2%)、水(94.02%)
(B)比較試料
1,3-ブチレングリコール(0.18%)、エタノール(5.0%)、パラベン(0.2%)、水(94.62%)

(2)評価試験
被験者(5名)の両前腕外側部に被験部を設定した。試験前の初期状態の毛穴を含む皮膚形状を、レプリカ作成キット(日本アッシュ)を用いてレプリカに転写した。一方の腕の被験部に本発明試料(ローション)を、もう一方の腕に比較試料(ローション)を、1日2回適量を塗布した。1ヶ月後、初期状態と同様に皮膚形状をレプリカに転写した。
得られたレプリカは、斜光照明を用いた二次元画像解析法にて凸部(皮膚では凹み、つまり毛穴に相当)の面積及び体積を求めた。評価結果は、初期値を100とした相対値の平均値で表した。
試験例1の結果を図1,2に示す。図1,2に示す通り、本発明試料を塗布した被験部において毛穴の面積率及び体積率が縮小した一方で、比較試料を塗布した被験部において毛穴の面積率及び体積率が増大したことが確認された。この結果から、本発明に係る組成物は、顕著に毛穴を縮小して、毛穴の目立ちを改善する効果、つまり毛穴改善効果を有することが確認された。また、組成物1~9,11~15についても同様の効果が予測される。
処方例1.化粧水
[成分] 部
ユーカリ油 0.2
ポリオキシエチレン(5.5)セチルアルコール 0.4
組成物10 1.0
トコフェロール酢酸エステル 0.02
グリチルリチン酸ジカリウム 0.5
グリチルリチン酸モノアンモニウム 0.5
グリチルリチン酸ステアリル 0.05
イソプロピルメチルフェノール 0.1
アライントイン 0.1
D-パントテニルアルコール 0.1
サリチル酸 0.5
尿素 5.0
l-メントール 0.9
dl-メントール 0.2
1,3-ブチレングリコール 5.0
クエン酸ナトリウム 0.2
メチルパラベン 0.1
ヒノキチオール 0・003
感光素201号 0.002
精製水 全量が100部となる量
処方例2.化粧水
[成分] 部
カプリル酸グリセリル 3.0
ラウリン酸ポリグリセリル-10 3.0
セタノール 2.0
ベヘニルアルコール 2.0
メチルパラベン 0.1
組成物4 1.0
アスコルビン酸 3.0
グリチルリチン酸 0.5
β-グリチルレチン酸 0.05
トコフェロールニコチン酸エステル 0.1
レゾルシン 0.1
酸化亜鉛 2.0
dl-カンフル 0.5
グリセリン 2.0
1,3-ブチレングリコール 5.0
水酸化カリウム 0.5
精製水 全量が100部となる量
処方例3.化粧水
処方例2に含まれる組成物4に代えて、組成物5を用いる他は、処方例2と同様にして化粧水を得た。
処方例4.化粧水
処方例2に含まれる組成物4に代えて、組成物6を用いる他は、処方例2と同様にして化粧水を得た。
処方例5.化粧水
処方例2に含まれる組成物4に代えて、組成物7を用いる他は、処方例2と同様にして化粧水を得た。
処方例6.化粧水
処方例2に含まれる組成物4に代えて、組成物8を用いる他は、処方例2と同様にして化粧水を得た。
処方例7.化粧水
処方例2に含まれる組成物4に代えて、組成物9を用いる他は、処方例2と同様にして化粧水を得た。
処方例7.化粧水
処方例2に含まれる組成物4に代えて、組成物10を用いる他は、処方例2と同様にして化粧水を得た。
処方例8.化粧水
処方例2に含まれる組成物4に代えて、組成物11を用いる他は、処方例2と同様にして化粧水を得た。
処方例9.化粧水
処方例2に含まれる組成物4に代えて、組成物12を用いる他は、処方例2と同様にして化粧水を得た。
処方例10.化粧水
[成分] 部
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(5.5)セチルアルコール 5.0
メチルパラベン 0.1
組成物4 1.0
アスコルビン酸グルコシド 2.0
トラネキサム酸 2.0
ε-アミノカプロン酸 0.1
イオウ 0.2
エストラジオール 0.1
グリセリン 5.0
1,3-ブチレングリコール 5.0
クエン酸ナトリウム 0.2
メタ重亜硫酸ナトリウム 0.2
d-カンフル 0.1
精製水 全量が100部となる量
処方例11.乳液
[成分] 部
スクワラン 5.0
シクロペンタンシロキサン 1.0
ヘキサラン 3.0
イソステアリン酸ヘキシルデシル 1.0
トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル 1.0
ラウリン酸ポリグリセリル-10 5.0
イソステアリン酸ポリグリセリル-10 5.0
ジパルミチン酸アスコルビル 15.0
水添大豆レシチン 1.5
組成物7 1.0
アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩 3.0
アルブチン 3.0
水酸化カリウム 0.5
グリセリン 3.0
1,3-ブチレングリコール 2.0
カルボキシメチルセルロース 0.3
キサンタンガム 0.2
シロキクラゲ多糖体 0.2
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
トコフェロール酢酸エステル 0.3
トコフェロールニコチン酸エステル 0.1
グリチルリチン酸 0.1
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
イソプロピルメチルフェノール 0.1
水溶性コラーゲン 1.0
加水分解コラーゲン 1.0
ヒアルロン酸ナトリウム 1.0
精製水 全量が100部となる量
処方例12.乳液
処方例11の成分中、組成物7に代えて組成物10を用いるほかは処方例11と同様にして乳液を得た。
処方例13.乳液
処方例11の成分中、組成物7に代えて組成物11を用いるほかは処方例11と同様にして乳液を得た。
処方例14.乳液
処方例11の成分中、組成物7に代えて組成物12を用いるほかは処方例11と同様にして乳液を得た。
処方例15.乳液
処方例11の成分中、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩2.0部に代えてL-アスコルビン酸-2-グルコシド2.0部を用いるほかは処方例11を同様にして乳液を得た。
処方例16.乳液
処方例11の成分中、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩2.0部に代えて及び水酸化カリウム0.5部に代えてトラネキサム酸2.0部を用いるほかは処方例11と同様にして乳液を得た。
処方例17.乳液
処方例11の成分中、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩2.0部に代えてニコチン酸アミド3.0部を用いるほかは処方例11と同様にして乳液を得た。
処方例18.クリーム
[成分] 部
オリーブ油 5.0
ホホバ油 5.0
スクワラン 5.0
イソステアリン酸ヘキシルデシル 5.0
ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)5.0
カプリル酸グリセリル 1.0
ステアリン酸グリセリル 1.0
イソステアリルグリセリル 3.0
γ-オリザノール 0.1
ベヘニルアルコール 2.0
パルミチン酸 2.5
D-パントテニルアルコール 3.0
アラントイン 0.1
リボフラビン 0.01
レゾルシン 0.1
塩化ベンザルコニウム 0.05
尿素 3.0
β-グリチルレチン酸 0.1
グリチルレチン酸ステアリル 0.1
グリチルリチン酸アンモニウム 0.1
組成物10 2.0
乳酸菌発酵米 2.0
水添レシチン 0.5
水添リゾレシチン 0.5
油溶性オタネニンジンエキス 2.0
キサンタンガム 1.0
酸化亜鉛 0.5
dl-カンフル 0.3
l-メントール 0.5
精製水 全量が100部となる量
実施例19.パック
[成分] 部
ジプロピレングリコール 5.0
ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 5.0
セタノール 3.0
ベヘニルアルコール 3.0
アラントイン 0.1
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
グリチルリチン酸アンモニウム 0.1
β-グリチルレチン酸 0.1
グリチルレチン酸ステアリル 0.1
サリチル酸 0.1
トコフェロール酢酸エステル 0.5
トコフェロールニコチン酸エステル 0.1
D-パントテニルアルコール 0.3
レゾルシン 0.1
イオウ 2.0
エストラジオール 0.002
組成物10 2.0
キサンタンガム 2.0
ミリスチン酸ポリグリセリル-6 1.0
ココイルグルタミン酸カリウム 1.0
水添レシチン 3.0
水酸化レシチン 3.0
精製水 全量が100部となる量
処方例20.シートマスク
不織布に下記の成分を含浸させてシートマスクを得る。
[成分] 部
組成物7 2.0
グリセリン 3.0
1、3-ブチレングリコール 2.0
L-アスコルビン酸 2-グルコシド 2.0
メチルパラベン 0.2
クエン酸 0.1
クエン酸ナトリウム 0.3
キサンタンガム 1.0
水溶性コラーゲン 1.0
ヒアルロン酸ナトリウム 1.0
アマモ抽出物 1.0
米抽出物加水分解物 1.0
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
処方例21.美容液
[成分] 部
エタノール 2.0
グリセリン 5.0
1、3-ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
組成物1 2.0
クエン酸 0.3
クエン酸ナトリウム 0.6
精製水 全量が100部となる量
処方例22.美容液
処方例21の美容液において、組成物1に代えて、組成物2を用いるほかは処方例21と同様にして美容液を得た。
処方例23.美容液
処方例21の美容液において、組成物1に代えて、組成物3を用いるほかは処方例21と同様にして美容液を得た。
処方例24.美容液
処方例21の美容液において、組成物1に代えて、組成物13を用いるほかは処方例21と同様にして美容液を得た。
処方例25.美容液
処方例21の美容液において、組成物1に代えて、組成物14を用いるほかは処方例21と同様にして美容液を得た。
処方例26.美容液
処方例21の美容液において、組成物1に代えて、組成物15を用いるほかは処方例21と同様にして美容液を得た。


Claims (1)

  1. アオイ科フヨウ属に属する植物の発酵物とバラ科バラ属の植物の抽出物を含む毛穴改善用皮膚外用剤。
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