JP2023019610A - 基板処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板を適切に処理できる基板処理方法を提供する。【解決手段】基板処理方法は、処理工程と、置換工程と、除去工程とを備える。処理工程は、基板Wにリンス液を供給する。置換工程は、基板W上のリンス液を、第2処理液Jに置換する。除去工程は、第2処理液Jを基板Wから除去する。第2処理液Jは、有機溶剤と添加剤を含む。添加剤は、有機溶剤の脱水反応を抑制する。このため、基板処理方法は、基板Wを適切に処理できる。【選択図】図3

Description

この発明は、基板処理方法に関する。基板は、例えば、半導体ウエハ、液晶ディスプレイ用基板、有機EL(Electroluminescence)用基板、FPD(Flat Panel Display)用基板、光ディスプレイ用基板、磁気ディスク用基板、光ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、太陽電池用基板である。
特許文献1は、基板を処理する基板処理方法を開示する。特許文献1の基板処理方法は、処理工程と置換工程と除去工程を備える。処理工程は、基板にリンス液を供給する。置換工程は、基板上のリンス液を有機溶剤に置換する。除去工程は、基板から有機溶剤を除去する。除去工程によって、基板は乾燥される。
特開2012-156561公報
従来の基板処理方法であっても、基板を適切に処理できない場合があった。例えば、基板がパターンを有する場合、従来の基板処理方法であっても、パターンが倒壊する場合があった。例えば、パターンが微細であるとき、従来の基板処理方法であっても、パターンの倒壊を十分に抑制できない場合があった。
このような事情に鑑みてなされたものであって、本発明は、基板を適切に処理できる基板処理方法を提供することを目的とする。
本発明は、これらの知見に基づいて、さらに鋭意検討することによって得られたものであり、次のような構成をとる。すなわち、本発明は、基板処理方法であって、基板に第1処理液を供給する処理工程と、基板上の前記第1処理液を、有機溶剤と添加剤を含む第2処理液に置換する置換工程と、前記第2処理液を基板から除去する除去工程と、を備え、前記添加剤は、前記有機溶剤の脱水反応を抑制する基板処理方法である。
基板処理方法は、処理工程と置換工程と除去工程を備える。処理工程は、基板に第1処理液を供給する。置換工程は、基板上の第1処理液を第2処理液に置換する。置換工程によって、第1処理液は、基板から除去される。除去工程は、第2処理液を基板から除去する。第2処理液が基板から除去されることによって、基板は乾燥される。
第2処理液は、有機溶剤と添加剤を含む。添加剤は、有機溶剤の脱水反応を抑制する。具体的には、添加剤は、第2処理液中における水の生成を抑制する。このため、第2処理液は、実質的に水を含まない。言い換えれば、第2処理液が含む水の量は、極めて少ない。よって、第2処理液の表面張力は、比較的に小さい。したがって、第2処理液は、基板に有意な力を及ぼさない。その結果、基板を好適に保護できる。
以上の通り、基板処理方法によれば、基板を好適に保護しつつ、基板を処理できる。よって、基板処理方法は、基板を適切に処理できる。
上述の基板処理方法において、前記添加剤は、前記第2処理液中のプロトンを減少させることが好ましい。プロトンの量が少ないほど、有機溶剤の脱水反応は起こりにくい。よって、添加剤は有機溶剤の脱水反応を好適に抑制する。
上述の基板処理方法において、前記添加剤は、プロトンを受け取る塩基を含むことが好ましい。塩基がプロトンを受け取ることによって、プロトンは減少する。添加剤は塩基を含む。このため、塩基は第2処理液中のプロトンを好適に減少させる。
上述の基板処理方法において、前記添加材は、炭酸水素イオンおよび炭酸イオンの少なくともいずれかを含むことが好ましい。炭酸水素イオンは塩基の例である。炭酸水素イオンはプロトンを好適に受け取る。よって、炭酸水素イオンは、第2処理液中のプロトンを好適に減少させる。同様に、炭酸イオンは塩基の例である。炭酸イオンはプロトンを好適に受け取る。よって、炭酸イオンは、第2処理液中のプロトンを好適に減少させる。
上述の基板処理方法において、前記添加剤は、弱酸から生成される陰イオンを含むことが好ましい。弱酸から生成される陰イオンは、プロトンを好適に受け取る。よって、弱酸から生成される陰イオンは、第2処理液中のプロトンを好適に減少させる。
上述の基板処理方法において、前記添加剤は、前記第2処理液中のプロトンの増加を抑制することが好ましい。これにより、添加剤は有機溶剤の脱水反応を好適に抑制する。
上述の基板処理方法において、前記添加剤は、前記第2処理液中の水素イオン濃度の変化を緩和する緩衝剤を含むことが好ましい。緩衝剤は、処理液中の水素イオン濃度の変化を緩和する。このため、緩衝剤は、第2処理液中のプロトンの量の変化を緩和する。添加剤は、緩衝剤を含む。よって、添加剤は有機溶剤の脱水反応を好適に抑制する。
上述の基板処理方法において、
前記添加剤は、
二酸化炭素、
4-トルエンスルホン酸、
ナトリウムメトキシド、
トリフルオロ酢酸ナトリウム、
シュウ酸、
メトキシリチウム、
トリベンジルアミン、
フタル酸水素ナトリウム、
サリチル酸、
フェニール酢酸、
コハク酸水素リチウム、および
トリスマレイン酸塩
の少なくともいずれかを含むことが好ましい。
上に列挙した化合物はそれぞれ、第2処理液中の水素イオン濃度の変化を好適に緩和する。
上述の基板処理方法において、前記有機溶剤は、アルコールを含むことが好ましい。添加剤は、アルコールの脱水反応を、好適に抑制できる。
上述の基板処理方法において、前記有機溶剤は、イソプロピルアルコールを含むことが好ましい。添加剤は、イソプロピルアルコールの脱水反応を、好適に抑制できる。
上述の基板処理方法において、前記置換工程は、前記第2処理液を基板に供給する第1供給工程を含むことが好ましい。置換工程は第1供給工程を含む。第1供給工程は、第2処理液を基板に供給する。このため、置換工程は、基板上の第1処理液を、第2処理液に好適に置換する。
上述の基板処理方法において、前記置換工程は、前記添加剤を基板に供給する第2供給工程を含むことが好ましい。置換工程は、第1供給工程に加えて、第2供給工程を含む。第2供給工程は、添加剤を基板に供給する。このため、基板上の第2処理液における添加剤の濃度は、適切な範囲内に制御される。よって、添加剤は、基板上の有機溶剤の脱水反応を一層好適に抑制する。
上述の基板処理方法において、前記置換工程は、前記添加剤を基板に供給する第2供給工程と、前記有機溶剤を基板に供給する第3供給工程と、を含むことが好ましい。置換工程は、第2供給工程と第3供給工程を含む。第2供給工程は、添加剤を基板に供給する。第3供給工程は、有機溶剤を基板に供給する。このため、置換工程は、基板上で、添加剤と有機溶剤から第2処理液を生成する。よって、置換工程は、基板上の第1処理液を、第2処理液に好適に置換する。
上述の基板処理方法において前記置換工程では、基板は処理容器の内部に位置し、かつ、前記処理容器は密閉されることが好ましい。置換工程では、基板は処理容器の内部に位置する。置換工程では、処理容器は密閉される。このため、置換工程では、添加剤は第2処理液から過度に放出されない。よって、置換工程において、第2処理液における添加剤の濃度は、適切な範囲に保たれる。したがって、添加剤は、有機溶剤の脱水反応を好適に抑制する。
上述の基板処理方法において前記置換工程では、基板が位置する処理空間は閉塞されることが好ましい。置換工程では、処理空間に位置する。置換工程では、処理空間は閉塞される。このため、置換工程では、添加剤は第2処理液から過度に放出されない。よって、置換工程において、第2処理液における添加剤の濃度は、適切な範囲に保たれる。したがって、添加剤は、有機溶剤の脱水反応を好適に抑制する。
上述の基板処理方法において、前記置換工程では、カバー部材が、基板の上面の近くに配置され、かつ、基板の上面を覆うことが好ましい。置換工程では、カバー部材は、基板の上面の近くに配置される。置換工程では、カバー部材は、基板の上面を覆う。このため、カバー部材は、基板上の第2処理液から放出される添加剤の量を、好適に抑制する。よって、置換工程において、基板上の第2処理液における添加剤の濃度は、適切な範囲に保たれる。したがって、添加剤は、基板上の有機溶剤の脱水反応を好適に抑制する。
上述の基板処理方法において、前記置換工程は、基板を加熱する第1加熱工程を含むことが好ましい。置換工程は、第1加熱工程を含む。このため、置換工程では、第2処理液は高温になる。ここで、有機溶剤の温度が高いほど、有機溶剤の脱水反応は容易に起こる。しかし、上述の通り、第2処理液は添加剤を含む。このため、置換工程が第1加熱工程を含む場合であっても、添加剤は有機溶剤の脱水反応を抑制する。むしろ、置換工程が第1加熱工程を含む場合には、添加剤は顕著な機能を発揮する。
上述の基板処理方法において、前記除去工程は、前記添加剤を基板に供給する追加供給工程を含むことが好ましい。除去工程は、追加供給工程を含む。追加供給工程は、添加剤を基板に供給する。このため、除去工程において、第2処理液における添加剤の濃度は、適切な範囲に制御される。したがって、除去工程においても、添加剤は、依然として、基板上の有機溶剤の脱水反応を好適に抑制する。その結果、基板を一層好適に保護できる。
上述の基板処理方法において、前記除去工程は、基板を加熱する第2加熱工程を含むことが好ましい。除去工程は、第2加熱工程を含む。このため、除去工程では、第2処理液は高温になる。ここで、有機溶剤の温度が高いほど、有機溶剤の脱水反応は容易に起こる。しかし、上述の通り、第2処理液は添加剤を含む。このため、除去工程が第2加熱工程を含む場合であっても、有機溶剤の脱水反応は添加剤によって抑制される。むしろ、除去工程が第2加熱工程を含む場合には、添加剤は顕著な機能を発揮する。
上述の基板処理方法において、基板は表面を有し、前記表面は、ポリシリコン膜、シリコン酸化膜およびシリコン窒化膜の少なくともいずれかを含むことが好ましい。基板の表面は、上述した構造を有する。このため、基板の表面は負に帯電し易い。基板の表面が負に帯電する場合、基板の表面はプロトンを引き寄せる。第2処理液中のプロトンの量が多いほど、有機溶剤の脱水反応は容易に起こる。しかし、上述の通り、第2処理液は添加剤を含む。このため、基板の表面が上述した構造を有する場合であっても、有機溶剤の脱水反応は添加剤によって抑制される。むしろ、基板の表面が上述した構造を有する場合には、添加剤は顕著な機能を発揮する。
上述の基板処理方法において、基板は、表面と、前記表面の少なくとも一部に形成されるパターンと、を有することが好ましい。パターンは基板の表面に形成される。このため、第2処理液中のプロトンは、基板の表面の近傍に集まりやすい。第2処理液中のプロトンの量が多いほど、有機溶剤の脱水反応は容易に起こる。しかし、上述の通り、第2処理液は添加剤を含む。このため、パターンが基板の表面に形成される場合であっても、有機溶剤の脱水反応は添加剤によって抑制される。むしろ、パターンが基板の表面に形成される場合には、添加剤は顕著な機能を発揮する。
本発明の基板処理方法によれば、基板を適切に処理できる。
基板処理方法の基本的な手順を示すフローチャートである。 処理工程における基板を模式的に示す図である。 置換工程における基板を模式的に示す図である。 除去工程における基板を模式的に示す図である。 除去工程における基板を模式的に示す図である。 比較例の置換工程における基板を模式的に示す図である。 比較例の除去工程における基板を模式的に示す図である。 比較例の除去工程における基板を模式的に示す図である。 基板処理装置の内部を示す平面図である。 基板処理装置の制御ブロック図である。 第1実施形態の処理ユニットおよび第2処理液生成ユニットの構成を示す図である。 第1実施形態の基板処理方法の手順を示すフローチャートである。 第2実施形態の処理ユニットの構成を示す図である。 第2実施形態の基板処理方法の手順を示すフローチャートである。 第3実施形態の処理ユニットおよび第2処理液生成ユニットの構成を示す図である。 第3実施形態の基板処理方法の手順を示すフローチャートである。 第4実施形態の処理ユニットおよび第2処理液生成ユニットの構成を示す図である。 第4実施形態の基板処理方法の手順を示すフローチャートである。 第5実施形態の処理ユニットおよび第2処理液生成ユニットの構成を示す図である。 第5実施形態の基板処理方法の手順を示すフローチャートである。 第6実施形態の処理ユニットおよび第2処理液生成ユニットの構成を示す図である。 第6実施形態の基板処理方法の手順を示すフローチャートである。 第7実施形態の処理ユニットおよび第2処理液生成ユニットの構成を示す図である。 第7実施形態の基板処理方法の手順を示すフローチャートである。
<1.基板処理方法の基本的な手順および基本的なメカニズム>
基板処理方法の基本的な手順を説明する。さらに、基板処理方法の基本的なメカニズムを説明する。
図1は、基板処理方法の基本的な手順を示すフローチャートである。基板処理方法は、基板を処理するための方法である。基板処理方法は、処理工程と置換工程と除去工程を備える。置換工程は、処理工程の後に実行される。除去工程は、置換工程の後に実行される。
ステップS1:処理工程
処理工程は、基板Wにリンス液を供給する。リンス液は本発明の第1処理液の例である。
図2は、処理工程における基板を模式的に示す図である。図2は、基板Wの一部を示す。
基板Wは、例えば、半導体ウエハ、液晶ディスプレイ用基板、有機EL(Electroluminescence)用基板、FPD(Flat Panel Display)用基板、光ディスプレイ用基板、磁気ディスク用基板、光ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、太陽電池用基板である。基板Wは、薄い平板形状を有する。基板Wは、平面視で略円形状を有する。
基板Wは、表面Wsを有する。表面Wsは、基板Wの外部に露出する。表面Wsは、基板Wの露出部に相当する。
表面Wsは、例えば、ポリシリコン膜、シリコン酸化膜およびシリコン窒化膜の少なくともいずれかを含む。言い換えれば、基板Wの露出部は、例えば、ポリシリコン、酸化シリコンおよび窒化シリコンの少なくともいずれかを含む。
基板Wは、例えば、パターンPを有する。パターンPは、凹凸形状を有する。パターンPは表面Wsに形成される。このため、表面Wsは、比較的に大きな表面積を有する。
パターンPは、例えば、凸部W1と凹部Aを有する。凸部W1は、基板Wの一部である。凸部W1は、構造体である。凸部W1は、例えば、ポリシリコン、酸化シリコンおよび窒化シリコンの少なくともいずれかを含む。凸部W1は、上方に***する。凹部Aは、凸部W1の側方に隣接する。凹部Aは、空間である。凹部Aは、上方に開放されている。凸部W1は、凹部Aを区画する壁に相当する。凹部Aは、例えば、極めて狭い。
リンス液Gは、基板Wと接する。具体的には、リンス液Gは、表面Wsと接する。
リンス液Gは、例えば、脱イオン水(DIW)である。リンス液Gは、例えば、脱イオン水のみからなる。
リンス液Gはプロトンqを含む。プロトンqは水素イオン(H+)である。プロトンqは正イオンである。
表面Wsがリンス液Gと接するとき、表面Wsは負に帯電することがある。言い換えれば、表面Wsがリンス液Gと接するとき、表面Wsは負の電位を有することがある。表面Wsが、ポリシリコン膜、シリコン酸化膜およびシリコン窒化膜の少なくともいずれかを含むとき、表面Wsは容易に負に帯電する。リンス液Gが脱イオン水であるとき、表面Wsは一層容易に負に帯電する。
表面Wsが負に帯電するとき、表面Wsはプロトンqを引き寄せる。表面Wsが負に帯電するとき、プロトンqは表面Wsの近傍に密集する。表面Wsが負に帯電するとき、プロトンqはパターンPの近傍に密集する。パターンPが微細になるにしたがって、表面Wsの近傍に位置するプロトンqの量は多くなる。凹部Aが狭くなるにしたがって、表面Wsの近傍に位置するプロトンqの量は多くなる。
ステップS2:置換工程
置換工程は、基板W上のリンス液Gを第2処理液に置換する。置換工程によって、リンス液Gは、基板Wから除去される。
図3は、置換工程における基板Wを模式的に示す図である。第2処理液Jは基板Wと接する。具体的には、第2処理液Jは表面Wsと接する。リンス液Gは、既に、基板Wからを除去された。このため、リンス液Gは、図3に表れない。
第2処理液Jは、有機溶剤と添加剤を含む。第2処理液Jは、例えば、有機溶剤と添加剤のみからなる。添加剤は、例えば、有機溶剤に溶ける。有機溶剤は、例えば、溶媒に相当する。添加剤は、例えば、溶質に相当する。有機溶剤は、液体である。添加剤は、液体、気体および固体のいずれでもよい。
有機溶剤を説明する。有機溶剤は、比較的に小さい表面張力を有する。例えば、有機溶剤の表面張力は、水の表面張力よりも小さい。
例えば、有機溶剤は、アルコールを含む。例えば、有機溶剤は、アルコールのみからなる。
例えば、有機溶剤は、イソプロピルアルコール(IPA)を含む。例えば、有機溶剤は、イソプロピルアルコール(IPA)のみからなる。
例えば、有機溶剤は、メチルアルコールおよびエチルアルコールの少なくとも1つを含む。
例えば、有機溶剤は、ハイドロフロロエーテル(HFE)、アセトンおよびtrans-1,2-ジクロロエチレンの少なくとも1つを含む。
添加剤を説明する。添加剤は、有機溶剤の脱水反応を抑制する。脱水反応は、例えば、分子間脱水反応である。脱水反応は、例えば、分子内脱水反応である。仮に有機溶剤の脱水反応が起これば、第2処理液J中において水が生成される。添加剤は、第2処理液J中における水の生成を抑制する。
例えば、有機溶剤がアルコールを含むとき、添加剤はアルコールの脱水反応を抑制する。例えば、有機溶剤がイソプロピルアルコールを含むとき、添加剤はイソプロピルアルコールの脱水反応を抑制する。仮にイソプロピルアルコールの分子間脱水反応が起これば、ジイソプロピルエーテルと水が第2処理液J中において生成される。
例えば、添加剤は、第2処理液J中のプロトンqを減少させる。第2処理液J中のプロトンqの量が少ないほど、有機溶剤の脱水反応は起こりにくい。よって、添加剤が第2処理液J中のプロトンqの量を減少させるとき、添加剤は有機溶剤の脱水反応を好適に抑制する。
図3では、第2処理液J中のプロトンqは比較的に少ない。例えば、第2処理液J中のプロトンqの量は、リンス液G中のプロトンqの量よりも少ない。
例えば、添加剤は、プロトンqを受けとる塩基を含む。塩基はプロトンqを受け取る。塩基がプロトンqを受けとることは、プロトンqが減少することに相当する。添加剤が塩基を含むとき、添加剤は第2処理液J中のプロトンqを好適に減少させる。
例えば、添加剤は、炭酸水素イオン(HCO )および炭酸イオン(CO 2-)の少なくともいずれかを含む。炭酸水素イオン(HCO )は、重炭酸イオンとも呼ばれる。炭酸水素イオン(HCO )と炭酸イオン(CO 2-)はそれぞれ、塩基の例である。このため、炭酸水素イオン(HCO )と炭酸イオン(CO 2-)はそれぞれ、プロトンqを容易に受け取る。具体的には、炭酸水素イオン(HCO )は、プロトンq(H+)と結合し、炭酸(HCO)に変化する。炭酸イオン(CO 2-)は、プロトンq(H+)と結合し、炭酸水素イオン(HCO )に変化する。
例えば、添加剤は、弱酸から生成される陰イオンを含む。言い換えれば、添加剤は、弱酸の電離によって得られる陰イオンを含む。添加剤は、弱酸由来のアニオンを含む。弱酸から生成される陰イオンは、プロトンを好適に受け取る。よって、弱酸から生成される陰イオンを添加剤が含むとき、添加剤は第2処理液中のプロトンを好適に減少させる。
ここで、弱酸を定義する。弱酸は、例えば、-3以上の酸解離定数pKaを有する酸である。弱酸は、例えば、25℃の水中における酸解離定数pKaが-3以上である酸である。
例えば、添加剤は、第2処理液J中のプロトンqの増加を抑制する。第2処理液J中のプロトンqが増加しないとき、有機溶剤の脱水反応は促進されない。添加剤が第2処理液J中のプロトンqの増加を抑制するとき、添加剤は有機溶剤の脱水反応を好適に抑制する。
例えば、添加剤は、第2処理液J中のプロトンqの量の変化を緩和する。添加剤が第2処理液J中のプロトンqの量の変化を緩和するとき、添加剤は有機溶剤の脱水反応を好適に抑制する。
例えば、添加剤は、緩衝剤を含む。緩衝剤は、第2処理液J中の水素イオン濃度の変化を緩和する。水素イオン濃度は、pHとも呼ばれる。水素イオン濃度は、プロトンqの濃度に相当する。このため、添加剤が緩衝剤を含むとき、添加剤は第2処理液Jにおけるプロトンqの量の変化を好適に緩和する。
例えば、添加剤は、以下の化合物a1-a12の少なくともいずれかを含む。
化合物a1:二酸化炭素
化合物a2:4-トルエンスルホン酸
化合物a3:ナトリウムメトキシド
化合物a4:トリフルオロ酢酸ナトリウム
化合物a5:シュウ酸
化合物a6:メトキシリチウム
化合物a7:トリベンジルアミン
化合物a8:フタル酸水素ナトリウム
化合物a9:サリチル酸
化合物a10:フェニール酢酸
化合物a11:コハク酸水素リチウム
化合物a12:トリスマレイン酸塩
化合物a1-a12はそれぞれ、緩衝剤の例である。このため、化合物a1-a12はそれぞれ、第2処理液J中の水素イオン濃度の変化を好適に緩和する。
なお、第2処理液J中における二酸化炭素の振る舞いは、水中における二酸化炭素の振る舞いと同じ、または、類似である。二酸化炭素の一部は、水中において、炭酸水素イオン(HCO )に変化する。これと同様に、二酸化炭素の一部は、第2処理液J中において、炭酸水素イオン(HCO )に変化する。
以上の通り、添加剤は、有機溶剤の脱水反応を抑制する。その結果、第2処理液Jは、水を実質的に含まない。言い換えれば、第2処理液Jに含まれる水は、極めて少ない。例えば、第2処理液Jに含まれる水の濃度は、5000ppm未満である。例えば、第2処理液Jに含まれる水の濃度は、2000ppm未満である。
ステップS3:除去工程
除去工程は、基板W上の第2処理液Jを、基板Wから除去する。第2処理液Jが基板Wから除去されることによって、基板Wは乾燥される。
図4は、除去工程における基板Wを模式的に示す図である。図4は、プロトンqの図示を省略する。
基板W上の第2処理液Jは、徐々に除去される。基板W上の第2処理液Jの量は、減少する。上述の通り、第2処理液Jは、実質的に水を含まない。このため、第2処理液Jの表面張力は、比較的に小さい。よって、第2処理液Jは基板Wに有意な力を及ぼさない。有意な力とは、例えば、基板Wに損傷を与えるほど大きな力である。損傷とは、例えば、パターンPの倒壊である。第2処理液Jは基板Wに有意な力を及ぼさずに、第2処理液Jは基板Wから去る。このため、パターンPは倒れない。凸部W1は倒れない。
図5は、除去工程における基板Wを模式的に示す図である。第2処理液Jの全部は、基板Wから去る。基板Wは乾燥される。
このように、本基板処理方法は、基板Wを適切に保護しつつ、基板Wを処理する。本基板処理方法は、基板Wの表面Wsを適切に保護しつつ、基板Wを処理する。よって、本基板処理方法は、基板Wを適切に処理する。
参考として、比較例を例示する。比較例は、本基板処理方法と同じように、処理工程と置換工程と除去工程を備える。比較例の処理工程と除去工程は、本基板処理方法の処理工程と除去工程と実質的に同じである。比較例の置換工程は、本基板処理方法の置換工程と異なる。比較例の置換工程では、リンス液Gを置換液に置換する。置換液は、有機溶剤を含み、添加剤を含まない。
図6は、比較例の置換工程における基板Wを模式的に示す図である。置換液Kは基板Wと接する。置換液Kは、上述の通り、添加剤を含まない。その結果、置換液K中におけるプロトンqの量は、比較的に多い。例えば、置換液K中のプロトンqの量は、リンス液G中のプロトンqの量と同程度である。置換液K中のプロトンqの量が多いほど、有機溶剤の脱水反応は容易に起こる。有機溶剤の脱水反応が起こると、水rが置換液K中において生成される。その結果、置換液Kは水rを含む。置換液Kに含まれる水rの濃度は、比較的に高い。置換液Kに含まれる水rの濃度は、第2処理液Jに含まれる水の濃度よりも、高い。このため、置換液Kは比較的に大きな表面張力を有する。置換液Kの表面張力は、第2処理液Jの表面張力よりも大きい。
図7は、比較例の除去工程における基板Wを模式的に示す図である。図7は、プロトンqの図示を省略する。
基板W上の置換液Kは、徐々に除去される。上述の通り、置換液Kの表面張力は、比較的に大きい。よって、置換液Kは基板Wに有意な力を及ぼす。その結果、基板Wの表面Wsは損傷する。例えば、パターンPは倒れる。例えば、凸部W1は倒れる。
図8は、比較例の除去工程における基板Wを模式的に示す図である。置換液Kの全部は、基板Wから去る。基板Wは乾燥される。
このように、比較例は、基板Wを適切に保護できない。比較例は、基板Wの表面Wsを適切に保護できない。よって、比較例は、基板Wを適切に処理できない。
以下では、上述した基板処理方法を実施するための複数の実施形態を説明する。
<2.第1実施形態>
<2-1.基板処理装置の概要>
図9は、基板処理装置1の内部を示す平面図である。基板処理装置1は、基板Wに処理を行う。
基板処理装置1は、インデクサ部3と処理ブロック7を備える。処理ブロック7はインデクサ部3に接続される。インデクサ部3は、処理ブロック7に基板Wを供給する。処理ブロック7は、基板Wに処理を行う。インデクサ部3は、処理ブロック7から基板Wを回収する。
本明細書では、便宜上、インデクサ部3と処理ブロック7が並ぶ方向を、「前後方向X」と呼ぶ。前後方向Xは水平である。前後方向Xのうち、処理ブロック7からインデクサ部3に向かう方向を「前方」と呼ぶ。前方と反対の方向を「後方」と呼ぶ。前後方向Xと直交する水平方向を、「幅方向Y」と呼ぶ。「幅方向Y」の一方向を適宜に「右方」と呼ぶ。右方とは反対の方向を「左方」と呼ぶ。水平方向に対して垂直な方向を「鉛直方向Z」と呼ぶ。各図では、参考として、前、後、右、左、上、下を適宜に示す。
インデクサ部3は、複数(例えば、4つ)のキャリア載置部4を備える。各キャリア載置部4はそれぞれ、1つのキャリアCを載置する。キャリアCは、複数枚の基板Wを収容する。キャリアCは、例えば、FOUP(Front Opening Unified Pod)、SMIF(Standard Mechanical Interface)、OC(Open Cassette)である。
インデクサ部3は、搬送機構5を備える。搬送機構5は、キャリア載置部4の後方に配置される。搬送機構5は、基板Wを搬送する。搬送機構5は、キャリア載置部4に載置されるキャリアCにアクセス可能である。搬送機構5はハンド5aとハンド駆動部5bを備える。ハンド5aは、基板Wを支持する。ハンド駆動部5bは、ハンド5aに連結される。ハンド駆動部5bは、ハンド5aを移動させる。ハンド駆動部5bは、例えば、前後方向X、幅方向Yおよび鉛直方向Zにハンド5aを移動させる。ハンド駆動部5bは、例えば、水平面内においてハンド5aを回転させる。
処理ブロック7は、搬送スペース8と搬送機構9を備える。搬送機構9は搬送スペース8に設置される。搬送機構9は、基板Wを搬送する。搬送機構9と搬送機構5は、相互に、基板Wを受け渡し可能である。搬送機構9は、ハンド9aとハンド駆動部9bを備える。ハンド9aは、基板Wを支持する。ハンド駆動部9bは、ハンド9aに連結される。ハンド駆動部9bは、ハンド9aを移動させる。ハンド駆動部9bは、例えば、前後方向X、幅方向Yおよび鉛直方向Zにハンド9aを移動させる。ハンド駆動部9bは、例えば、水平面内においてハンド9aを回転させる。
処理ブロック7は、複数の処理ユニット11を備える。処理ユニット11は、搬送スペース8の側方に配置される。処理ユニット11は、搬送機構9の側方に配置される。各処理ユニット11は、基板Wに処理を行う。
処理ユニット11は、基板保持部13を備える。基板保持部13は、基板Wを保持する。
搬送機構9は、各処理ユニット11にアクセス可能である。搬送機構9は、基板保持部13に基板Wを渡すことができる。搬送機構9は、基板保持部13から基板Wを取ることができる。
図10は、基板処理装置1の制御ブロック図である。基板処理装置1は、制御部10を備える。制御部10は、搬送機構5、9と処理ユニット11を制御する。
制御部10は、各種処理を実行する中央演算処理装置(CPU)、演算処理の作業領域となるRAM(Random-Access Memory)、固定ディスク等の記憶媒体等によって実現されている。制御部10は、記憶媒体に予め格納される各種の情報を有する。制御部10が有する情報は、例えば、搬送機構5、9を制御するための搬送情報である。制御部10が有する情報は、例えば、処理ユニット11を制御するための処理情報である。処理情報は、処理レシピとも呼ばれる。
基板処理装置1の動作例を簡単に説明する。
インデクサ部3は、処理ブロック7に基板Wを供給する。具体的には、搬送機構5は、キャリアCから処理ブロック7の搬送機構9に基板Wを渡す。
搬送機構9は、インデクサ部3から、処理ユニット11に基板Wを分配する。具体的には、搬送機構9は、搬送機構5から、各処理ユニット11の基板保持部13に基板Wを搬送する。
処理ユニット11は、基板保持部13に保持された基板Wを処理する。処理ユニット11は、例えば、基板Wに液処理を行う。
処理ユニット11が基板Wを処理した後、搬送機構9は、処理ユニット11からインデクサ部3に基板Wを戻す。具体的には、搬送機構9は、基板保持部13から搬送機構5に基板Wを搬送する。
インデクサ部3は、処理ブロック7から基板Wを回収する。具体的には、搬送機構5は、搬送機構9からキャリアCに基板Wを搬送する。
<2-2.処理ユニット11の構成>
図11は、第1実施形態の処理ユニット11の構成を示す図である。各処理ユニット11は、同一の構造を有する。処理ユニット11は、枚葉式に分類される。すなわち、各処理ユニット11は、一度に1枚の基板Wのみを処理する。
基板保持部13は、1枚の基板Wを支持する。基板保持部13は、基板Wを略水平姿勢で支持する。
基板Wは、上面Wtと下面Wbを有する。上面Wtと下面Wbはそれぞれ、基板Wの表面Wsの一部である。上面Wtは、例えば、上述したパターンPを含む。下面Wbは、例えば、基板保持部13と接触する。
処理ユニット11は、回転駆動部14を備える。回転駆動部14は、基板保持部13を回転させる。基板保持部13に保持される基板Wは、基板保持部13と一体に回転する。基板保持部13に保持される基板Wは、回転軸線B回りに回転する。回転軸線Bは、例えば、基板Wの中心を通り、鉛直方向Zに延びる。
処理ユニット11は、1つ以上(例えば3つ)の供給部15a、15b、15cを備える。各供給部15a-15cはそれぞれ、基板Wに処理液を供給する。具体的には、各供給部15a-15cはそれぞれ、基板保持部13に保持される基板Wに、処理液を供給する。各供給部15a-15cはそれぞれ、基板保持部13に保持される基板Wの上面Wtに、処理液を供給する。
供給部15aが基板Wに供給する処理液は、薬液である。薬液は、例えば、エッチング液である。薬液は、例えば、フッ化水素酸(HF)およびバッファードフッ酸(BHF)の少なくともいずれかを含む。供給部15bが基板Wに供給する処理液は、リンス液Gである。供給部15cが基板Wに供給する処理液は、第2処理液Jである。
供給部15aは、ノズル16aを備える。同様に、供給部15b、15cはそれぞれ、ノズル16b、16cを備える。ノズル16aは、薬液を吐出する。ノズル16bは、リンス液Gを吐出する。ノズル16cは、第2処理液Jを吐出する。
供給部15aは、配管17aと弁18aを備える。配管17aは、ノズル16aに接続される。弁18aは、配管17aに設けられる。弁18aが開くとき、ノズル16aは薬液を吐出する。弁18bが閉じるとき、ノズル16aは薬液を吐出しない。同様に、供給部15b、15cはそれぞれ、配管17b、17cと弁18b、18cを備える。配管17b、17cはそれぞれ、ノズル16b、16cに接続される。弁18b、18cはそれぞれ、配管17b、17cに設けられる。弁18bは、ノズル16bによるリンス液Gの吐出を制御する。弁18cは、ノズル16cによる第2処理液Jの吐出を制御する。
供給部15aは、薬液供給源19aに連通接続される。薬液供給源19aは、例えば、配管17aに接続される。薬液供給源19aは、供給部15aに薬液を送る。
供給部15bは、リンス液供給源19bに連通接続される。リンス液供給源19bは、例えば、配管17bに接続される。リンス液供給源19bは、供給部15bにリンス液Gを送る。
薬液供給源19aは、基板処理装置1の要素であってもよい。例えば、薬液供給源19aは、基板処理装置1に含まれる薬液槽であってもよい。あるいは、薬液供給源19aは、基板処理装置1の要素でなくてもよい。例えば、薬液供給源19aは、基板処理装置1の外部に設置されるユーティリティ設備であってもよい。同様に、リンス液供給源19bは、基板処理装置1の要素であってもよいし、基板処理装置1の要素でなくてもよい。
基板処理装置1は、第2処理液生成ユニット21を備える。第2処理液生成ユニット21は、供給部15cに連通接続される。第2処理液生成ユニット21は、例えば、配管17cに接続される。第2処理液生成ユニット21は、供給部15cに第2処理液Jを送る。
ここで、第2処理液生成ユニット21は、複数の処理ユニット11に設けられる供給部15cに対して、第2処理液Jを供給してもよい。あるいは、第2処理液生成ユニット21は、1つの処理ユニット11に設けられる供給部15cのみに、第2処理液Jを供給してもよい。薬液供給源19aおよびリンス液供給源19bについても、同様である。
処理ユニット11は、さらに、不図示のカップを備えてもよい。カップは、基板保持部13の周囲に配置される。カップは、基板保持部13に保持される基板Wから飛散した処理液を受け止める。
図10を参照する。制御部10は、回転駆動部14を制御する。制御部10は、供給部15a-15cを制御する。具体的には、制御部10は、弁18a-18cを制御する。
<2-3.第2処理液生成ユニット21の構成>
図11を参照する。第2処理液生成ユニット21は、第2処理液Jを生成する。
第2処理液生成ユニット21は、槽22を備える。槽22は、供給部15cに連通接続される。槽22は、例えば配管17cを介して、ノズル16cに連通する。第2処理液生成ユニット21は、槽22において、第2処理液Jを生成する。
第2処理液生成ユニット21は、供給部23a、23bを備える。供給部23aは、添加剤を槽22に供給する。供給部23bは、有機溶剤を槽22に供給する。
供給部23aは、配管24aと弁25aを備える。配管24aは、槽22に連通接続される。弁25aは、配管24aに設けられる。弁25aが開くとき、供給部23aは槽22に添加剤を供給する。弁25aが閉じるとき、供給部23aは槽22に添加剤を供給しない。同様に、供給部23bは、配管24bと弁25bを備える。配管24bは、槽22に連通接続される。弁25bは、配管24bに設けられる。弁25bは、槽22に対する有機溶剤の供給を制御する。
供給部23aは、添加剤供給源29aに連通接続される。添加剤供給源29aは、例えば、配管24aに接続される。添加剤供給源29aは、供給部23aに添加剤を送る。供給部23bは、有機溶剤供給源29bに連通接続される。有機溶剤供給源29bは、例えば、配管24bに接続される。有機溶剤供給源29bは、供給部23bに有機溶剤を送る。添加剤供給源29aおよび有機溶剤供給源29bは、基板処理装置1の要素であってもよいし、基板処理装置1の要素でなくてもよい。
図10を参照する。制御部10は、第2処理液生成ユニット21を制御する。制御部10は、第2処理液生成ユニット21と、通信可能に電気的に接続される。
制御部10は、供給部23a、23bを制御する。制御部10は、弁25a、25bを制御する。具体的には、制御部10は、第2処理液生成ユニット21を制御するための第2処理液生成情報を有する。第2処理液生成情報は、制御部10の記憶媒体に予め記憶されている。
<2-4.第2処理液生成ユニット21の動作例>
便宜上、図11を参照する。第2処理液生成ユニット21は、制御部10の制御にしたがって、第2処理液Jを生成する。具体的には、供給部23aは、有機溶剤を槽22に供給する。供給部23bは、添加剤を槽22に供給する。有機溶剤と添加剤は、槽22において、混合される。有機溶剤と添加剤は、槽22において、第2処理液Jになる。さらに、第2処理液Jは、槽22に貯留される。
ここで、制御部10は、例えば、供給部23a、23bを制御することによって、第2処理液Jの生成量を調整してもよい。制御部10は、例えば、供給部23a、23bを制御することによって、槽22内の第2処理液Jの貯留量を調整してもよい。制御部10は、例えば、供給部23a、23bを制御することによって、第2処理液Jにおける添加剤の濃度を調整してもよい。
<2-5.処理ユニット11の動作例>
図12は、第1実施形態の基板処理方法の手順を示すフローチャートである。基板処理方法は、上述した第2処理液生成ユニット21の動作と並行して、実行される。基板処理方法は、実質的に処理ユニット11によって実行される。処理ユニット11は、制御部10の制御にしたがって、動作する。
基板処理方法は、薬液供給工程(ステップS1a)とリンス液供給工程(ステップS1b)を備える。薬液供給工程とリンス液供給工程は、処理工程(ステップS1)の例である。
基板処理方法は、第1供給工程(ステップS2a)を備える。第1供給工程は、置換工程(ステップS2)の例である。
基板処理方法は、スピンドライ工程(ステップS3a)を備える。スピンドライ工程は、除去工程(ステップS3)の例である。
さらに、基板処理方法は、回転開始工程(ステップS11)と回転停止工程(ステップS12)を備える。基板処理方法を、具体的に説明する。
ステップS11:回転開始工程
基板保持部13は、基板Wを保持する。基板Wは、略水平姿勢で保持される。基板Wは回転を開始する。具体的には、回転駆動部14は、基板保持部13を回転させる。基板Wは、基板保持部13と一体に、回転軸線B回りに回転する。処理工程と置換工程と除去工程は、基板Wが回転した状態で、実行される。
ステップS1a:薬液供給工程
供給部15aは、基板Wに薬液を供給する。具体的には、弁18aは開く。ノズル16bは薬液を吐出する。薬液は、基板Wの上面Wtに供給される。例えば、薬液によって、基板Wをエッチングする。例えば、薬液によって、基板Wから自然酸化膜を除去する。
その後、供給部15aは、基板Wに対する薬液の供給を停止する。具体的には、弁18aは閉じる。ノズル16aは、薬液の吐出を停止する。
ステップS1b:リンス液供給工程
供給部15bは、基板Wにリンス液Gを供給する。具体的には、弁18bは開く。ノズル16bは、リンス液Gを吐出する。リンス液Gは、基板Wの上面Wtに供給される。例えば、リンス液Gによって、基板Wを洗浄する。例えば、リンス液Gによって、基板Wから薬液を除去する。
その後、供給部15bは、基板Wに対するリンス液Gの供給を停止する。具体的には、弁18bは閉じる。ノズル16bは、リンス液Gの吐出を停止する。
ステップS2a:第1供給工程
供給部15cは、基板Wに第2処理液Jを供給する。具体的には、弁18cは開く。ノズル16cは、第2処理液Jを吐出する。第2処理液Jは、基板Wの上面Wtに供給される。第2処理液Jの供給によって、基板W上のリンス液Gを第2処理液Jに置換する。すなわち、第2処理液Jによって、リンス液Gは基板Wから除去される。第2処理液Jの膜は、基板Wの上面Wt上に形成される。
その後、供給部15cは、基板Wに対する第2処理液Jの供給を停止する。具体的には、弁18cは閉じる。ノズル16cは、第2処理液Jの吐出を停止する。
ステップS3a:スピンドライ工程
第2処理液Jを基板Wから除去する。具体的には、基板W上の第2処理液Jに作用する遠心力によって、第2処理液Jを基板Wから振り切る。第2処理液Jは、基板Wから飛散する。これにより、第2処理液Jは、基板Wから除去される。基板Wは乾燥する。
例えば、スピンドライ工程における基板Wの回転速度は、処理工程における基板Wの回転速度よりも高い。例えば、スピンドライ工程における基板Wの回転速度は、置換工程における基板Wの回転速度よりも高い。
ステップS12:回転停止工程
基板Wは回転を停止する。具体的には、回転駆動部14は、基板保持部13の回転を停止する。基板保持部13および基板保持部13に保持される基板Wは、静止する。
<2-6.第1実施形態の効果>
基板処理方法は、処理工程と置換工程と除去工程を備える。処理工程は、基板Wにリンス液Gを供給する。置換工程は、基板W上のリンス液Gを第2処理液Jに置換する。置換工程によって、リンス液Gは基板Wから除去される。除去工程は、第2処理液Jを基板Wから除去する。第2処理液Jが基板Wから除去されることによって、基板Wは乾燥される。
第2処理液Jは、有機溶剤と添加剤を含む。添加剤は、有機溶剤の脱水反応を抑制する。具体的には、第2処理液J中における水rの生成を、添加剤は抑制する。このため、第2処理液Jは、実質的に水rを含まない。第2処理液Jが含む水rの量は、極めて少ない。よって、第2処理液Jの表面張力は、比較的に小さい。したがって、第2処理液Jは、基板Wに有意な力を及ぼさない。その結果、基板Wを好適に保護できる。例えば、パターンPの倒壊を好適に防止できる。例えば、凸部W1の倒壊を好適に防止できる。
以上の通り、基板処理方法によれば、基板Wを好適に保護しつつ、基板Wを処理できる。よって、基板処理方法は、基板Wを適切に処理できる。
例えば、添加剤は第2処理液J中のプロトンqを減少させる。よって、添加剤は有機溶剤の脱水反応を好適に抑制する。
添加剤は、塩基を含む。塩基は、プロトンqを受け取る。塩基がプロトンqを受け取るとき、プロトンqは減少する。このため、塩基は、第2処理液J中のプロトンqを好適に減少させる。
例えば、添加材は、炭酸水素イオン(HCO )および炭酸イオン(CO 2-)の少なくともいずれかを含む。炭酸水素イオン(HCO )はプロトンqを好適に受け取る。よって、炭酸水素イオン(HCO )は、第2処理液J中のプロトンqを好適に減少させる。炭酸イオン(CO 2-)はプロトンqを好適に受け取る。よって、炭酸イオン(CO 2-)は、第2処理液J中のプロトンqを好適に減少させる。
添加剤は、弱酸から生成される陰イオンを含む。弱酸から生成される陰イオンは、プロトンを好適に受け取る。よって、弱酸から生成される陰イオンは、第2処理液J中のプロトンqを好適に減少させる。
例えば、添加剤は、第2処理液J中のプロトンqの増加を抑制する。よって、添加剤は有機溶剤の脱水反応を好適に抑制する。
例えば、添加剤は、緩衝剤を含む。緩衝剤は、第2処理液J中の水素イオン濃度の変化を緩和する。このため、緩衝剤は、第2処理液J中のプロトンqの量の変化を好適に緩和する。例えば、緩衝剤は、第2処理液J中のプロトンqの増加を好適に緩和する。よって、添加剤は、有機溶剤の脱水反応を好適に抑制する。
例えば、添加剤は、化合物a1-a12の少なくともいずれかを含む。化合物a1-a12はそれぞれ、第2処理液J中の水素イオン濃度の変化を好適に緩和する。
例えば、有機溶剤は、アルコールを含む。この場合、添加剤は、アルコールの脱水反応を、好適に抑制する。
例えば、有機溶剤は、イソプロピルアルコールを含む。この場合、添加剤は、イソプロピルアルコールの脱水反応を、好適に抑制する。
置換工程は第1供給工程を含む。第1供給工程は、第2処理液Jを基板Wに供給する。このため、置換工程は、基板W上のリンス液Gを、第2処理液Jに好適に置換する。
基板Wは表面Wsを有する。表面Wsは、ポリシリコン膜、シリコン酸化膜およびシリコン窒化膜の少なくともいずれかを含む。このため、表面Wsは負に帯電し易い。表面Wsが負に帯電する場合、表面Wsはプロトンqを引き寄せる。第2処理液J中のプロトンqの量が多いほど、有機溶剤の脱水反応は容易に起こる。しかし、上述の通り、第2処理液Jは添加剤を含む。このため、表面Wsがポリシリコン膜、シリコン酸化膜およびシリコン窒化膜の少なくともいずれかを含む場合であっても、有機溶剤の脱水反応は添加剤によって抑制される。 むしろ、表面Wsがポリシリコン膜、シリコン酸化膜およびシリコン窒化膜の少なくともいずれかを含む場合には、添加剤は顕著な機能を発揮する。
基板Wは、パターンPを有する。パターンPは表面Wsに形成される。このため、第2処理液J中のプロトンqは、表面Wsの近傍に集まり易い。第2処理液J中のプロトンqの量が多いほど、有機溶剤の脱水反応は容易に起こる。しかし、上述の通り、第2処理液Jは添加剤を含む。このため、パターンPが表面Wsに形成される場合であっても、有機溶剤の脱水反応は添加剤によって抑制される。むしろ、パターンPが表面Wsに形成される場合には、添加剤は顕著な機能を発揮する。
パターンPが微細になるほど、第2処理液J中のプロトンqは、表面Wsの近傍に一層集まり易い。しかし、パターンPが微細である場合であっても、有機溶剤の脱水反応は添加剤によって抑制される。むしろ、パターンPが微細である場合には、添加剤は一層顕著な機能を発揮する。
<3.第2実施形態>
図面を参照して、第2実施形態を説明する。なお、第1実施形態と同じ構成については同符号を付すことで詳細な説明を省略する。第1実施形態では、第2処理液Jは、第2処理液生成ユニット21で生成された。第1実施形態の置換工程は、第2処理液Jを基板Wに供給した。これに対して、第2実施形態の置換工程は、有機溶剤を基板Wに供給し、かつ、添加剤を基板Wに供給する。第2実施形態では、第2処理液Jは、基板W上で生成される。
<3-1.処理ユニット11の構成>
図13は、第2実施形態の処理ユニット11の構成を示す図である。処理ユニット11は、供給部15a、15bに加えて、供給部15d、15eを備える。供給部15dは、基板Wに添加剤を供給する。供給部15eは、基板Wに有機溶剤を供給する。
供給部15dは、ノズル16dを備える。同様に、供給部15eは、ノズル16eを備える。ノズル16dは、添加剤を吐出する。ノズル16eは、有機溶剤を吐出する。
供給部15dは、配管17dと弁18dを備える。配管17dは、ノズル16dに接続される。弁18dは、配管17dに設けられる。弁18dは、ノズル16dによる添加剤の吐出を制御する。同様に、供給部15eは、配管17eと弁18eを備える。配管17eは、ノズル16eに接続される。弁18eは、配管17eに設けられる。弁18eは、ノズル16eによる有機溶剤の供給を制御する。
供給部15dは、添加剤供給源29aに連通接続される。添加剤供給源29aは、例えば、配管17dに接続される。添加剤供給源29aは、供給部15dに添加剤を送る。供給部15eは、有機溶剤供給源29bに連通接続される。有機溶剤供給源29bは、例えば、配管17eに接続される。有機溶剤供給源29bは、供給部15eに有機溶剤を送る。
図示を省略するが、制御部10は、供給部15d、15eを制御する。制御部10は、弁18d、18eを制御する。
<3-2.処理ユニット11の動作例>
図14は、第2実施形態の基板処理方法の手順を示すフローチャートである。第2実施形態の基板処理方法は、第2供給工程(ステップS2b)と第3供給工程(ステップS2c)を備える。第2供給工程と第3供給工程は、置換工程(ステップS2)の例である。
第2実施形態の基板処理方法を、具体的に説明する。回転開始工程(ステップS11)では、基板Wは回転を開始する。薬液供給工程(ステップS1a)では、基板Wに薬液を供給する。リンス液供給工程(ステップS1b)では、基板Wにリンス液Gを供給する。
リンス液供給工程の後、第2供給工程と第3供給工程が実行される。
第2供給工程(ステップS2b)では、供給部15dは、基板Wに添加剤を供給する。具体的には、弁18dは開く。ノズル16dは、添加剤を吐出する。添加剤は、基板Wの上面Wtに供給される。
その後、供給部15dは、基板Wに対する添加剤の供給を停止する。具体的には、弁18dは閉じる。ノズル16dは、添加剤の吐出を停止する。
第3供給工程(ステップS2c)では、供給部15eは、基板Wに有機溶剤を供給する。具体的には、弁18eは開く。ノズル16eは、有機溶剤を吐出する。有機溶剤は、基板Wの上面Wtに供給される。
その後、供給部15eは、基板Wに対する有機溶剤の供給を停止する。具体的には、弁18eは閉じる。ノズル16eは、有機溶剤の吐出を停止する。
ここで、第3供給工程が実行される期間の少なくとも一部は、第2供給工程が実行される期間の少なくとも一部と、重なってもよい。例えば、第2供給工程と第3供給工程は、同時に実行されてもよい。例えば、第2供給工程が開始する前に、第3供給工程は開始してもよい。例えば、第2供給工程が開始した後で、第2供給工程が終了する前に、第3供給工程は開始してもよい。
あるいは、第3供給工程が実行される期間は、第2供給工程が実行される期間と重ならなくてもよい。例えば、第3供給工程が終了した後に、第2供給工程は開始してもよい。例えば、第2供給工程が終了した後に、第3供給工程は開始してもよい。
第2供給工程と第3供給工程において、有機溶剤と添加剤は、基板W上で第2処理液Jになる。
第2供給工程と第3供給工程の少なくともいずれかにおいて、リンス液Gは除去される。リンス液Gは、有機溶剤および第2処理液Jの少なくともいずれかによって、除去される。例えば、基板W上のリンス液Gを有機溶剤に置換し、その後、基板W上で第2処理液Jを生成してもよい。例えば、基板W上で有機溶剤から第2処理液Jを生成しながら、基板W上のリンス液Gを有機溶剤および第2処理液Jの少なくともいずれかに置換してもよい。
第2供給工程と第3供給工程の後、スピンドライ工程が実行される。スピンドライ工程(ステップS3a)では、第2処理液Jは基板Wから除去される。回転停止工程(ステップS12)では、基板Wは回転を停止する。
<3-3.第2実施形態の効果>
第2実施形態によっても、第1実施形態と同様な効果を奏する。例えば、第2処理液Jは有機溶剤と添加剤を含むので、基板Wを好適に保護しつつ、基板Wを処理できる。さらに、第2実施形態によれば、以下の効果を奏する。
置換工程は、第2供給工程と第3供給工程を含む。第2供給工程は、添加剤を基板Wに供給する。第3供給工程は、有機溶剤を基板Wに供給する。このため、置換工程は、基板W上で、添加剤と有機溶剤から第2処理液Jを生成する。よって、置換工程は、基板W上のリンス液Gを、第2処理液Jに好適に置換する。
上述の通り、置換工程は、基板W上で、添加剤と有機溶剤から第2処理液Jを生成する。このため、置換工程の実行前に、第2処理液Jを準備しなくてもよい。よって、基板処理方法の構成を簡素化できる。さらに、第2実施形態では、第2処理液生成ユニット21を省略できる。よって、基板処理装置1の構成を簡素化できる。
上述の通り、置換工程は、基板W上で、添加剤と有機溶剤から第2処理液Jを生成する。このため、置換工程は、基板W上の第2処理液Jにおける添加剤の濃度を一層適切に制御する。例えば、基板W上の第2処理液Jにおける添加剤の濃度は過度に低くならない。
ところで、添加剤は、第2処理液Jから放出され易いことがある。言い換えれば、添加剤は、第2処理液Jから抜け易いことがある。例えば、添加剤が化合物a1(すなわち、二酸化炭素)を含む場合、添加剤は第2処理液Jから放出され易い。しかし、上述の通り、第2供給工程と第3供給工程は、基板W上で第2処理液Jを生成する。このため、添加剤が第2処理液Jから放出され易い場合であっても、基板W上の第2処理液Jにおける添加剤の濃度は適切な範囲に保たれる。むしろ、添加剤が第2処理液Jから放出され易い場合には、第2供給工程と第3供給工程は、顕著な有益性を発揮する。
例えば、第3供給工程が実行される期間の少なくとも一部は、第2供給工程が実行される期間の少なくとも一部と、重なる。この場合、置換工程に要する時間は好適に短縮される。
例えば、第3供給工程が開始し、その後、第2供給工程は開始する。この場合、基板W上のリンス液Gは有機溶剤によって除去され、その後、基板W上で第2処理液Jが生成される。これにより、第2処理液Jを効率良く生成できる。添加剤の使用量を低減できる。
例えば、第3供給工程が終了した後に、第2供給工程が開始される。これにより、第2処理液Jを一層効率良く生成できる。添加剤の使用量を一層低減できる。
<4.第3実施形態>
図面を参照して、第3実施形態を説明する。なお、第1、第2実施形態と同じ構成については同符号を付すことで詳細な説明を省略する。第3実施形態では、基板W上の第2処理液Jに、添加剤を補充する。
<4-1.処理ユニット11の構成>
図15は、第3実施形態の処理ユニット11の構成を示す図である。処理ユニット11は、供給部15a、15b、15c、15dを備える。供給部15a-15cの構成は、第1実施形態で説明された。供給部15dの構成は、第2実施形態で説明された。
<4-2.処理ユニット11の動作例>
図16は、第3実施形態の基板処理方法の手順を示すフローチャートである。第3実施形態の基板処理方法は、第1供給工程(ステップS2a)に加えて、第2供給工程(ステップS2b)を備える。第1供給工程と第2供給工程は、置換工程(ステップS2)の例である。
第3実施形態の基板処理方法は、スピンドライ工程(ステップS3a)に加えて、追加供給工程(ステップS3b)を備える。スピンドライ工程と追加供給工程は、除去工程(ステップS3)の例である。
第3実施形態の基板処理方法を、具体的に説明する。回転開始工程(ステップS11)では、基板Wは回転を開始する。薬液供給工程(ステップS2a)では、基板Wに薬液を供給する。リンス液供給工程(ステップS2b)では、基板Wにリンス液Gを供給する。リンス液供給工程の後、第1供給工程と第2供給工程が実行される。第1供給工程(ステップS3a)では、基板Wに第2処理液Jを供給する。第2供給工程(ステップS3b)では、基板Wに添加剤を供給する。第2供給工程では、添加剤は、基板W上の第2処理液Jに加えられる。
ここで、第2供給工程が実行される期間の少なくとも一部は、第1供給工程が実行される期間の少なくとも一部と、重なってもよい。例えば、第1供給工程と第2供給工程は、同時に実行されてもよい。例えば、第1供給工程が開始された後で、第1供給工程が終了する前に、第2供給工程は開始してもよい。
あるいは、第2供給工程が実行される期間は、第1供給工程が実行される期間と重ならなくてもよい。例えば、第1供給工程が終了した後に、第2供給工程は開始してもよい。
第1供給工程と第2供給工程の後、スピンドライ工程と追加供給工程が実行される。スピンドライ工程(ステップS3a)では、第2処理液Jは基板Wから除去される。
追加供給工程(ステップS3b)では、供給部15dは、基板Wに添加剤を供給する。具体的には、弁18dは開く。ノズル16dは、添加剤を吐出する。添加剤は、基板Wの上面Wtに供給される。
その後、供給部15dは、基板Wに対する添加剤の供給を停止する。具体的には、弁18dは閉じる。ノズル16dは、添加剤の吐出を停止する。
ここで、追加供給工程が実行される期間の少なくとも一部は、スピンドライ工程が実行される期間の少なくとも一部と、重なってもよい。例えば、スピンドライ工程と追加供給工程は、同時に実行されてもよい。例えば、スピンドライ工程が開始された後で、スピンドライ工程が終了する前に、第2供給工程は開始してもよい。
あるいは、追加供給工程が実行される期間は、スピンドライ工程が実行される期間と重ならなくてもよい。例えば、追加供給工程が終了した後に、スピンドライ工程は開始してもよい。
スピンドライ工程が終了する前に、追加供給工程は終了することが好ましい。基板W上の第2処理液Jの全部が基板Wから除去される前に、追加供給工程は終了することが好ましい。
第2供給工程と追加供給工程は、時間的に連続してもよい。すなわち、置換工程が終了する前から除去工程が開始した後まで、供給部15dによって添加剤を基板Wに供給し続けてもよい。
スピンドライ工程と追加供給工程の後、回転停止工程が実行される。回転停止工程(ステップS12)では、基板Wは回転を停止する。
<4-3.第3実施形態の効果>
第3実施形態によっても、第1実施形態と同様な効果を奏する。さらに、第3実施形態によれば、以下の効果を奏する。
置換工程は、第1供給工程に加えて、第2供給工程を含む。第2供給工程は、添加剤を基板に供給する。第2供給工程は、基板W上の第2処理液Jに添加剤を補充する。このため、基板W上の第2処理液Jにおける添加剤の濃度は、適切な範囲内に制御される。例えば、基板W上の第2処理液Jにおける添加剤の濃度は著しく低下しない。よって、添加剤は、基板W上の有機溶剤の脱水反応を一層好適に抑制する。
例えば、第1供給工程が終了した後に、第2供給工程は開始する。この場合、第2供給工程は、基板W上の第2処理液Jに添加剤を効果的に補充できる。
例えば、第1供給工程が開始された後で、第1供給工程が終了する前に、第2供給工程は開始する。この場合、第2処理液Jにおける添加剤の濃度の変化は好適に抑制される。
上述の通り、置換工程は、第2供給工程を含む。このため、添加剤が第2処理液Jから放出され易い場合であっても、基板W上の第2処理液Jにおける添加剤の濃度は適切に制御される。むしろ、添加剤が第2処理液Jから放出され易い場合には、第2供給工程は一層顕著な有益性を発揮する。
除去工程は、追加供給工程を含む。追加供給工程は、添加剤を基板Wに供給する。追加供給工程は、基板W上の第2処理液Jに添加剤を補充する。このため、除去工程においても、基板W上の第2処理液Jにおける添加剤の濃度は、適切な範囲内に制御される。例えば、除去工程においても、基板W上の第2処理液Jにおける添加剤の濃度は著しく低下しない。したがって、除去工程においても、添加剤は、基板W上の有機溶剤の脱水反応を好適に抑制し続ける。その結果、基板Wを一層好適に保護できる。
上述の通り、除去工程は、追加供給工程を含む。このため、添加剤が第2処理液Jから放出され易い場合であっても、除去工程においては、基板W上の第2処理液Jにおける添加剤の濃度は適切に制御される。むしろ、添加剤が第2処理液Jから放出され易い場合には、追加供給工程は一層顕著な有益性を発揮する。
<5.第4実施形態>
図面を参照して、第4実施形態を説明する。なお、第1-第3実施形態と同じ構成については同符号を付すことで詳細な説明を省略する。第4実施形態では、密閉された空間内で基板Wを処理する。
<5-1.処理ユニット11の構成>
図17は、第4実施形態の処理ユニット11の構成を示す図である。処理ユニット11は、筐体31を備える。筐体31は、略箱形状を有する。筐体31は、搬送スペース8に接する。
筐体31は、基板保持部13を収容する。基板Wが基板保持部13に保持されるとき、基板Wは筐体31に収容される。筐体31は、ノズル16a-16cを収容する。
具体的には、筐体31は、空間31aを区画する。空間31aは、筐体31の内部に位置する。基板保持部13は、空間31aに設置される。ノズル16a-16cも、空間31aに設置される。
筐体31は、基板搬送口31bを有する。基板搬送口31bは、例えば、筐体31の側壁に配置される。基板搬送口31bは、空間31aと搬送スペース8を連通させる。基板Wは、基板搬送口31bを通過可能である。
処理ユニット11は、シャッタ32を備える。シャッタ32は、基板搬送口31bを開閉する。具体的には、処理ユニット11は、不図示のシャッタ移動機構を備える。シャッタ移動機構は、シャッタ32を移動させる。シャッタ移動機構によって、シャッタ32は、第1位置と第2位置に移動する。図17は、第1位置に位置するシャッタ32を実線で示す。シャッタ32が第1位置に位置するとき、シャッタ32は基板搬送口31bを閉じる。図17は、第2位置に位置するシャッタ32を破線で示す。シャッタ32が第2位置に位置するとき、シャッタ32は基板搬送口31bを開く。シャッタ32が第2位置に位置するとき、空間31aは基板搬送口31bを通じて搬送スペース8に開放される。シャッタ32が第2位置に位置するとき、筐体31は開放される。
処理ユニット11は、シール部材33を備える。シール部材33は、筐体31とシャッタ32を密着させる。例えば、シール部材33は、筐体31およびシャッタ32の少なくともいずれかに取り付けられる。シール部材33は、例えば、Oリングである。シャッタ32が第1位置に位置するとき、シャッタ32は、シール部材33を介して、筐体31と密着する。その結果、シャッタ32が第1位置に位置するとき、筐体31は密閉される。シャッタ32が第1位置に位置するとき、空間31aは閉塞される。シャッタ32が第1位置に位置するとき、空間31aは搬送スペース8から遮断される。
図示を省略するが、制御部10は、シャッタ移動機構を制御する。
筐体31は、本発明における処理容器の例である。空間31aは、本発明における処理空間の例である。
<5-2.処理ユニット11の動作例>
図18は、第4実施形態の基板処理方法の手順を示すフローチャートである。第4実施形態の基板処理方法は、さらに、密閉工程(ステップS21)と、開放工程(ステップS22)を備える。
第4実施形態の基板処理方法を、具体的に説明する。搬送機構9が基板Wを基板保持部13に載置した後、密閉工程が実行される。密閉工程(ステップS21)では、筐体31は密閉される。具体的には、シャッタ32は、第2位置から第1位置に移動する。これにより、空間31aは閉塞される。基板保持部13に保持される基板Wは、筐体31に収容される。基板保持部13に保持される基板Wは、空間31aに位置する。
密閉工程の後、処理工程(ステップS1a、S1b)、置換工程(ステップS2a)および除去工程(ステップS3a)が実行される。基板Wが筐体31に収容され、かつ、筐体31が密閉された状態で、処理工程、置換工程および除去工程は実行される。言い換えれば、基板Wが位置する空間31aが閉塞された状態で、処理工程、置換工程および除去工程は実行される。
除去工程の後、開放工程が実行される。開放工程(ステップS22)では、筐体31は開放される。具体的には、シャッタ32は、第1位置から第2位置に移動する。これにより、空間31aは開放される。搬送機構9が基板保持部13上の基板Wを取ることを、筐体31は許容する。
<5-3.第4実施形態の効果>
第4実施形態によっても、第1実施形態と同様な効果を奏する。さらに、第4実施形態によれば、以下の効果を奏する。
置換工程では、基板Wは筐体31の内部に位置し、かつ、筐体31は密閉される。置換工程では、基板Wが位置する空間31aは密閉される。このため、置換工程では、添加剤は基板W上の第2処理液Jから過度に放出されない。よって、置換工程において、第2処理液Jにおける添加剤の濃度は、適切な範囲に保たれる。例えば、置換工程において、第2処理液Jにおける添加剤の濃度は著しく低下しない。仮に添加剤が第2処理液Jから放出され易い場合であっても、基板W上の第2処理液Jにおける添加剤の濃度は適切に保たれる。したがって、添加剤は、有機溶剤の脱水反応を好適に抑制する。
同様に、除去工程では、基板Wは筐体31の内部に位置し、かつ、筐体31は密閉される。除去工程では、基板Wが位置する空間31aは密閉される。このため、除去工程においても、添加剤は基板W上の第2処理液Jから過度に放出されない。よって、除去工程においても、第2処理液Jにおける添加剤の濃度は、適切な範囲に保たれる。したがって、除去工程においても、添加剤は、依然として、有機溶剤の脱水反応を好適に抑制する。その結果、基板Wを一層好適に保護できる。
<6.第5実施形態>
図面を参照して、第5実施形態を説明する。なお、第1-第4実施形態と同じ構成については同符号を付すことで詳細な説明を省略する。第5実施形態の置換工程では、筐体31とは異なる部材によって、基板Wを処理するための空間が密閉される。
<6-1.処理ユニット11の構成>
図19は、第5実施形態の処理ユニット11の構成を示す図である。図19は、シャッタ32の図示を省略する。処理ユニット11は、内部容器41を備える。内部容器41は、筐体31の内部に設置される。内部容器41は、基板保持部13を収容する。基板Wが基板保持部13に保持されるとき、基板Wは内部容器41に収容される。
具体的には、内部容器41は、空間41aを区画する。空間41aは、内部容器41の内部に位置する。内部容器41の空間41aは、筐体31の空間31aよりも小さい。基板保持部13は、空間41aに設置される。
内部容器41は、第1部材42を有する。第1部材42は、基板保持部13の周囲に配置される。第1部材42は、例えば、略円筒形状を有する。第1部材42は、例えば、上方に開放される。第1部材42は、例えば、内部容器41の本体に相当する。例えば、第1部材42は、カップであってもよい。例えば、第1部材42は、基板保持部13に保持される基板Wから飛散した処理液を受け止めてもよい。あるいは、第1部材42は、カップとは別の部材であってもよい。
内部容器41は、第2部材43を有する。第2部材43は、第1部材42の上方に配置される。第2部材43は、基板保持部13の上方に配置される。第2部材は、内部容器41の蓋に相当する。
内部容器41は、シール部材44を備える。シール部材44は、第1部材42と第2部材43を密着させる。例えば、シール部材44は、第1部材42と第2部材43の少なくともいずれかに取り付けられる。シール部材44は、例えば、Oリングである。
処理ユニット11は、内部容器移動機構45を備える。内部容器移動機構45は内部容器41を開閉させる。具体的には、内部容器移動機構45は、第1部材42に対して第2部材43を移動させる。
内部容器移動機構45によって、第2部材43は、第1位置と第2位置に移動する。図19は、第1位置に位置する第2部材43を実線で示す。第2部材43が第1位置に位置するとき、第2部材43は、シール部材44を介して、第1部材42と密着する。このため、第2部材43が第1位置に位置するとき、内部容器41は密閉される。第2部材43が第1位置に位置するとき、空間41aは閉塞される。図19は、第2位置に位置する第2部材43を破線で示す。第2位置は、例えば、第1位置の上方の位置である。第2部材43が第2位置に位置するとき、内部容器41は開放される。第2部材43が第2位置に位置するとき、空間41aは開放される。
ノズル16cは、第2部材43に取り付けられている。ノズル16cは、第2部材43と一体に移動する。第2部材43が第1位置に位置するとき、ノズル16cは処理位置に位置する。図19は、処理位置に位置するノズル16cを実線で示す。ノズル16cの処理位置は、例えば、基板保持部13に保持される基板Wの上方の位置である。
処理ユニット11は、ノズル移動機構47aを備える。ノズル移動機構47aは、ノズル16aを移動させる。ノズル移動機構47aによって、ノズル16aは待機位置と処理位置に移動する。図19は、待機位置に位置するノズル16aを示す。ノズル16aが待機位置に位置するとき、ノズル16aは、密閉された内部容器41の外部に位置する。ノズル16aが待機位置に位置するとき、内部容器41が開閉することを、ノズル16aは許容する。図示を省略するが、ノズル16aの処理位置は、例えば、基板保持部13に保持される基板Wの上方の位置である。第2部材43が第2位置に位置するとき、ノズル16aが処理位置に移動することを、内部容器41は許容する。
同様に、処理ユニット11は、ノズル移動機構47bを備える。ノズル移動機構47bは、ノズル16bを移動させる。ノズル移動機構47bによって、ノズル16bは待機位置と処理位置に移動する。図18は、待機位置に位置するノズル16bを示す。ノズル16bが待機位置に位置するとき、ノズル16bは、密閉された内部容器41の外部に位置する。ノズル16bが待機位置に位置するとき、内部容器41が開閉することを、ノズル16bは許容する。図示を省略するが、ノズル16bの処理位置は、例えば、基板保持部13に保持される基板Wの上方の位置である。第2部材43が第2位置に位置するとき、ノズル16bが処理位置に移動することを、内部容器41は許容する。
図示を省略するが、制御部10は、内部容器移動機構45を制御する。制御部10は、ノズル移動機構47a、47bを制御する。
内部容器41は、本発明における処理容器の例である。空間41aは、本発明における処理空間の例である。
<6-2.処理ユニット11の動作例>
図20は、第5実施形態の基板処理方法の手順を示すフローチャートである。第5実施形態の基板処理方法は、さらに、密閉工程(ステップS23)と、開放工程(ステップS24)を備える。
第5実施形態の基板処理方法を、具体的に説明する。基板Wが内部容器41に収容され、かつ、内部容器41が開放されている状態で、回転開始工程と薬液供給工程とリンス液供給工程は実行される。このため、処理工程(ステップS1a、S1b)では、基板Wが位置する空間41aは開放されている。
薬液供給工程では、ノズル16aは待機位置から処理位置に移動する。ノズル16aが処理位置に位置するとき、ノズル16aは基板Wに薬液を供給する。その後、ノズル16aは処理位置から待機位置に移動する。
リンス液供給工程では、ノズル16bは待機位置から処理位置に移動する。ノズル16bが処理位置に位置するとき、ノズル16bは基板Wにリンス液Gを供給する。その後、ノズル16bは処理位置から待機位置に移動する。
リンス液供給工程が終了した後、密閉工程が実行される。密閉工程(ステップS23)では、内部容器41は密閉される。具体的には、第2部材43は第2位置から第1位置に移動する。これにより、空間41aは閉塞される。基板Wは、内部容器41に収容される。基板Wは、空間41aに位置する。
密閉工程の後、第1供給工程とスピンドライ工程が実行される。基板Wが内部容器41に収容され、かつ、内部容器41が密閉された状態で、置換工程(ステップS2a)および除去工程(ステップS3a)は実行される。言い換えれば、基板Wが位置する空間41aが閉塞された状態で、置換工程および除去工程は実行される。
引き続き、回転停止工程が実行される。回転停止工程の後、開放工程が実行される。開放工程(ステップS24)では、筐体31は開放される。具体的には、第2部材43は、第1位置から第2位置に移動する。これにより、空間41aは開放される。
<6-3.第5実施形態の効果>
第5実施形態によっても、第1実施形態と同様な効果を奏する。さらに、第5実施形態によれば、以下の効果を奏する。
置換工程では、基板Wが内部容器41の内部に位置し、かつ、内部容器41が密閉される。置換工程では、基板Wが位置する空間41aは密閉される。このため、置換工程では、添加剤は基板W上の第2処理液Jから過度に放出されない。よって、置換工程において、第2処理液Jにおける添加剤の濃度は、適切な範囲に保たれる。したがって、添加剤は、有機溶剤の脱水反応を好適に抑制する。
特に、内部容器41の空間41aは、筐体31の空間31aよりも小さい。このため、添加剤は第2処理液Jから容易に放出されない。よって、置換工程において、第2処理液Jにおける添加剤の濃度は、低下し難い。よって、置換工程において、第2処理液Jにおける添加剤の濃度は、一層容易に制御される。
除去工程では、基板Wが内部容器41の内部に位置し、かつ、内部容器41が密閉される。除去工程では、基板Wが位置する空間41aは密閉される。このため、除去工程においても、添加剤は基板W上の第2処理液Jから過度に放出されない。よって、除去工程においても、第2処理液Jにおける添加剤の濃度は、適切な範囲に保たれる。したがって、除去工程においても、添加剤は、依然として、有機溶剤の脱水反応を好適に抑制する。その結果、基板Wを一層好適に保護できる。
<7.第6実施形態>
図面を参照して、第6実施形態を説明する。なお、第1-第5実施形態と同じ構成については同符号を付すことで詳細な説明を省略する。第6実施形態の置換工程では、基板Wの上面Wtを覆う。第6実施形態の置換工程では、基板Wの上面Wtを遮断する。
<7-1.処理ユニット11の構成>
図21は、第6実施形態の処理ユニット11の構成を示す図である。処理ユニット11は、カバー部材51を備える。カバー部材51は、例えば、略平坦な板形状を有する。図示を省略するが、カバー部材51は、平面視において、基板Wと同等以上の大きさを有する。
処理ユニット11は、カバー部材移動機構52を備える。カバー部材移動機構52は、基板保持部13に保持される基板Wに対して、カバー部材51を移動させる。
カバー部材移動機構52によって、カバー部材51は第1位置に移動する。図21は、第1位置に位置するカバー部材51を実線で示す。カバー部材51が第1位置に位置するとき、カバー部材51は基板Wの上方に位置する。より詳しくは、第1位置は、基板W上の処理液(例えば、第2処理液J)の上方の位置である。カバー部材51が第1位置に位置するとき、カバー部材51は基板Wの上面Wtの近くに位置する。カバー部材51が第1位置に位置するとき、カバー部材51は基板Wの上面Wtを覆う。
カバー部材移動機構52によって、カバー部材51は第2位置に移動する。図21は、第2位置に位置するカバー部材51を破線で示す。第2位置は、例えば、第1位置の上方の位置である。カバー部材51が第2位置に位置するときも、カバー部材51は基板Wの上方に位置する。但し、カバー部材51が第2位置に位置するとき、カバー部材51は基板Wの上面Wtから遠い。具体的には、第2位置と上面Wtの間の離隔距離は、第1位置と上面Wtの間の離隔距離よりも大きい。
基板Wの上方の空間を、上空間Mと呼ぶ。上空間Mは、カバー部材51の下方に制限される。カバー部材51は、上空間Mを拡張させ、かつ、収縮させる。具体的には、カバー部材51が第1位置と第2位置の間で移動するとき、上空間Mは鉛直方向Zに伸縮する。カバー部材51が第1位置に位置するとき、上空間Mは狭い。カバー部材51が第2位置に位置するとき、上空間Mは大きい。
ノズル16cは、カバー部材51に取り付けられている。ノズル16cは、カバー部材51と一体に移動する。カバー部材51が第1位置に位置するとき、ノズル16cは処理位置に位置する。図21は、処理位置に位置するノズル16cを、実線で示す。ノズル16cの処理位置は、例えば、基板保持部13に保持される基板Wの上方に位置である。
図21は、待機位置に位置するノズル16a、16bを示す。ノズル16a、16bが待機位置に位置するとき、ノズル16a、16bは、カバー部材51の外方に位置する。ノズル16a、16bが待機位置に位置するとき、カバー部材51が第1位置に移動することを、ノズル16a、16bは許容する。図示を省略するが、ノズル16a、16bの処理位置は、例えば、基板保持部13に保持される基板Wの上方の位置である。カバー部材51が第2位置に位置するとき、ノズル16a、16bが処理位置に移動することを、カバー部材51は許容する。
図示を省略するが、制御部10は、カバー部材移動機構52を制御する。
<7-2.処理ユニット11の動作例>
図22は、第6実施形態の基板処理方法の手順を示すフローチャートである。第6実施形態の基板処理方法は、さらに、遮断工程(ステップS25)と遮断解除工程(ステップS26)を備える。
第6実施形態の基板処理方法を、具体的に説明する。カバー部材51が第2位置に位置する状態で、回転開始工程(ステップS11)と薬液供給工程(ステップS1a)とリンス液供給工程(ステップS1b)は実行される。このため、処理工程(ステップS1a、S1b)では、上空間Mは広い。
リンス液供給工程が終了した後、遮断工程が実行される。遮断工程(ステップS25)では、基板Wの上面Wtは遮断される。具体的には、カバー部材51は第2位置から第1位置に移動する。カバー部材51は、基板Wの上面Wtの近くに配置される。カバー部材51は、基板Wの上面Wtを覆う。上空間Mは、カバー部材51によって縮小する。
遮断工程の後、第1供給工程とスピンドライ工程が実行される。基板Wの上面Wtが遮断された状態で、置換工程(ステップS2a)および除去工程(ステップS3a)は実行される。
引き続き、回転停止工程が実行される。回転停止工程の後、遮断解除工程が実行される。遮断解除工程(ステップS26)では、基板Wの上面Wtの遮断は解除される。具体的には、カバー部材51は、第1位置から第2位置に移動する。これにより、上空間Mは拡張する。基板Wの上面Wtは、実質的に開放される。
<7-3.第6実施形態の効果>
第6実施形態によっても、第1実施形態と同様な効果を奏する。さらに、第6実施形態によれば、以下の効果を奏する。
置換工程では、カバー部材51は、基板Wの上面Wtの近くに配置される。置換工程では、カバー部材51は、基板Wの上面Wtを覆う。このため、カバー部材51は、基板W上の第2処理液Jから放出される添加剤の量を、好適に抑制する。よって、置換工程において、基板W上の第2処理液Jにおける添加剤の濃度は、適切な範囲に保たれる。例えば、置換工程において、第2処理液Jにおける添加剤の濃度は著しく低下しない。仮に添加剤が第2処理液Jから放出され易い場合であっても、基板W上の第2処理液Jにおける添加剤の濃度は適切に保たれる。したがって、添加剤は、基板W上の有機溶剤の脱水反応を好適に抑制する。
置換工程では、カバー部材51は、基板Wの上方に配置される。このため、置換工程では、添加剤は第2処理液Jから放出され難い。よって、置換工程において、第2処理液Jにおける添加剤の濃度は、容易に制御される。
カバー部材51は、第1位置と第2位置に移動可能に構成される。第1位置と上面Wtとの間の離隔距離は、第2位置と上面Wtとの間の離隔距離よりも小さい。カバー部材51が第1位置に位置するときの上空間Mは、カバー部材51が第2位置に位置するときの上空間Mよりも、小さい。置換工程では、カバー部材51は第1位置に配置される。このため、置換工程では、第2処理液Jから放出される添加剤の量を、カバー部材51は好適に抑制する。他方、処理工程では、カバー部材51は第2位置に配置される。このため、処理工程では、基板Wに対する薬液およびリンス液Gの供給を、カバー部材51は妨げない。すなわち、処理工程では、薬液およびリンス液Gを基板Wに好適に供給できる。
第1位置は、基板Wの上方の位置である。第2位置は、第1位置の上方の位置である。このため、カバー部材51は、第1位置と第2位置の間を、容易に移動できる。
除去工程では、カバー部材51は、基板Wの上面Wtの近くに配置される。除去工程では、カバー部材51は、基板Wの上面Wtを覆う。このため、除去工程においても、基板W上の第2処理液Jから放出される添加剤の量を、カバー部材51は抑制する。よって、除去工程においても、基板W上の第2処理液Jにおける添加剤の濃度は、適切な範囲に保たれる。したがって、置換工程および除去工程にわたって、添加剤は、基板W上の有機溶剤の脱水反応を好適に抑制し続ける。その結果、基板Wを一層好適に保護できる。
<8.第7実施形態>
図面を参照して、第7実施形態を説明する。なお、第1-第6実施形態と同じ構成については同符号を付すことで詳細な説明を省略する。
第7実施形態の置換工程では、基板Wを加熱する。第7実施形態の除去工程では、基板Wを加熱する。
<8-1.処理ユニット11の構成>
図23は、第7実施形態の処理ユニット11の構成を示す図である。処理ユニット11は、加熱部61を備える。加熱部61は、筐体31の内部に設置される。加熱部61は、基板保持部13に保持される基板Wを加熱する。
加熱部61は、例えば、第1加熱部62と第2加熱部63を備える。第1加熱部62は、基板保持部13に保持される基板Wの下方に配置される。第2加熱部63は、基板保持部13に保持される基板Wの上方に配置される。
第1加熱部62は、例えば、抵抗ヒータを含む。抵抗ヒータは、電気ヒータとも呼ばれる。抵抗ヒータは、例えば、電熱線を含む。第1加熱部62は、例えば、ランプヒータを含む。ランプヒータは、光ヒータとも呼ばれる。ランプヒータは、例えば、光を照射する光源を含む。第1加熱部62は、例えば、高温流体を基板Wの下面Wbに供給する。高温流体は、基板Wを加熱可能な温度を有する。高温流体は、例えば、気体または液体である。
第2加熱部63は、例えば、抵抗ヒータおよびランプヒータの少なくともいずれかを含む。
図示を省略するが、制御部10は、加熱部61を制御する。制御部10は、第1加熱部62と第2加熱部63を制御する。
<8-2.処理ユニット11の動作例>
図24は、第7実施形態の基板処理方法の手順を示すフローチャートである。第7実施形態の基板処理方法は、第1加熱工程(S2d)と第2加熱工程(ステップS3c)を備える。第1供給工程(ステップS2a)と第1加熱工程(ステップS2d)は、置換工程(ステップS2)の例である。スピンドライ工程(ステップS3a)と第2加熱工程(ステップS3c)は、除去工程(ステップS3)の例である。
第7実施形態の基板処理方法を、具体的に説明する。回転開始工程、薬液供給工程およびリンス液供給工程の後、第1供給工程と第1加熱工程が実行される。第1供給工程では、基板Wに第2処理液Jを供給する。第1加熱工程では、基板Wを加熱する。具体的には、加熱部61は、基板Wを加熱する。例えば、第1加熱部62および第2加熱部63の少なくともいずれかは、基板Wを加熱する。
ここで、第1加熱工程が実行される期間の少なくとも一部は、第1供給工程が実行される期間の少なくとも一部と、重なってもよい。例えば、第1供給工程と第1加熱工程は、同時に実行されてもよい。例えば、第1供給工程が開始された後で、第1供給工程が終了する前に、第1加熱工程は開始してもよい。
あるいは、第1加熱工程が実行される期間は、第1供給工程が実行される期間と重ならなくてもよい。例えば、第1供給工程が終了した後に、第1加熱工程は開始してもよい。
第1供給工程および第1加熱工程が終了した後、スピンドライ工程と第2加熱工程が実行される。スピンドライ工程では、第2処理液Jは基板Wから除去される。第2加熱工程では、基板Wを加熱する。具体的には、加熱部61は、基板Wを加熱する。例えば、第1加熱部62および第2加熱部63の少なくともいずれかは、基板Wを加熱する。
ここで、第2加熱工程が実行される期間の少なくとも一部は、スピンドライ工程が実行される期間の少なくとも一部と、重なってもよい。例えば、スピンドライ工程と第2加熱工程は、同時に実行されてもよい。例えば、スピンドライ工程が開始された後で、スピンドライ工程が終了する前に、第2加熱工程は開始してもよい。
あるいは、第2加熱工程が実行される期間は、スピンドライ工程が実行される期間と重ならなくてもよい。例えば、スピンドライ工程が終了した後に、第2加熱工程は開始してもよい。例えば、第2加熱工程が終了した後に、スピンドライ工程は開始してもよい。
第1加熱工程と第2加熱工程は、時間的に連続してもよい。すなわち、置換工程が終了する前から除去工程が開始した後まで、加熱部61によって基板Wを加熱し続けてもよい。
スピンドライ工程と第2加熱工程の後、回転停止工程が実行される。
<8-3.第7実施形態の効果>
第7実施形態によっても、第1実施形態と同様な効果を奏する。さらに、第7実施形態によれば、以下の効果を奏する。
置換工程は、基板を加熱する第1加熱工程を含む。このため、置換工程では、基板W上の第2処理液Jは加熱される。よって、置換工程では、基板W上のリンス液Gは、第2処理液Jに円滑に置換される。言い換えれば、除去工程では、第2処理液Jは、基板W上のリンス液Gを、基板Wから効率良く除去する。
除去工程は、基板を加熱する第2加熱工程を含む。このため、除去工程では、基板W上の第2処理液Jは加熱される。よって、除去工程では、基板W上の第2処理液Jは効率良く除去される。言い換えれば、除去工程では、基板Wは一層短い時間で乾燥する。
有機溶剤の温度が高いほど、有機溶剤の脱水反応は容易に起こる。しかし、上述の通り、第2処理液Jは添加剤を含む。このため、置換工程が第1加熱工程を含む場合であっても、添加剤は有機溶剤の脱水反応を抑制する。むしろ、置換工程が第1加熱工程を含む場合には、添加剤は顕著な機能を発揮する。
同様の理由により、除去工程が第2加熱工程を含む場合であっても、有機溶剤の脱水反応は添加剤によって抑制される。むしろ、除去工程が第2加熱工程を含む場合には、添加剤は顕著な機能を発揮する。
本発明は、実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)第1-第7実施形態では、第1処理液はリンス液Gであった。但し、これに限られない。第1処理液は、リンス液G以外の処理液を含んでもよい。例えば、第1処理液は薬液であってもよい。例えば、置換工程は、基板W上の薬液を、第2処理液Jに置換してもよい。
(2)第1、第3-第7実施形態では、第2処理液Jは、槽22において第2処理液Jを生成した。但し、これに限られない。例えば、第2処理液生成ユニット21は、供給部15cに連通する流路において、第2処理液Jを生成してもよい。
例えば、第2処理液生成ユニット21は、継ぎ手部材を備える。第2処理液生成ユニット21は、継ぎ手部材において第2処理液Jを生成する。具体的には、継ぎ手部材は、供給部15c、23a、23bを連結する。例えば、継ぎ手部材は、配管17c、24a、24bに接続される。例えば、継ぎ手部材は、三方継ぎ手を含む。例えば、継ぎ手部材は、ミキシングバルブを含んでもよい。供給部23aは継ぎ手部材に有機溶剤を供給する。供給部23bは継ぎ手部材に添加剤を供給する。有機溶剤と添加剤は、継ぎ手部材において、混合される。有機溶剤と添加剤は、継ぎ手部材において、第2処理液Jになる。第2処理液Jは、継ぎ手部材から供給部15cに流れる。
(3)第1-第7実施形態において、第2処理液Jが基板Wに供給される前に、第2処理液から水を除去してもよい。有機溶剤が基板Wに供給される前に、有機溶剤から水を除去してもよい。添加剤が基板Wに供給される前に、添加剤から水を除去してもよい。
例えば、第2処理液生成ユニット21は吸着部を備えてもよい。吸着部は、例えば、槽22内の第2処理液Jに浸漬される。吸着部は、第2処理液Jに含まれる水を吸着する。吸着部に吸着された水は、第2処理液Jから除去された水に相当する。吸着部は、例えば、粒形状またはペレット形状を有する。吸着部は、例えば、ゼオライトである。
例えば、処理ユニット11および第2処理液生成ユニット21の少なくともいずれかは、分離部を備えてもよい。分離部は、例えば、配管17c、17d、17e、24a、24bの少なくともいずれかに設けられる。例えば、配管17c上の分離部は、配管17cを流れる第2処理液Jから水を分離する。これにより、配管17c上の分離部は、第2処理液Jから水を除去する。例えば、配管17d、24a上の分離部は、配管17d、24aを流れる添加剤から水を分離する。これにより、配管17d、24a上の分離部は、添加剤から水を除去する。例えば、配管17e、24b上の分離部は、配管17e、24bを流れる有機溶剤から水を分離する。これにより、配管17e、24b上の分離部は、有機溶剤から水を除去する。分離部は、例えば、分離フィルタである。分離部は、例えば、ゼオライト膜である。
(4)第1、第3-第7実施形態では、第2処理液Jは、第2処理液生成ユニット21において生成された。但し、これに限られない。例えば、第2処理液Jは、供給部15cにおいて生成されてもよい。
例えば、ノズル16cにおいて、第2処理液Jを生成してもよい。具体的には、ノズル16cは、供給部23a、23bに連通接続される。例えば、ノズル16cは、配管24a、24bに接続される。供給部23aはノズル16cに有機溶剤を供給する。供給部23bはノズル16cに添加剤を供給する。有機溶剤と添加剤は、ノズル16cにおいて、混合される。有機溶剤と添加剤は、ノズル16cにおいて、第2処理液Jになる。第2処理液Jは、ノズル16cから吐出される。
(5)第1-第7実施形態では、処理ユニット11は、ノズル16a-16cを備えた。但し、これに限られない。例えば、処理ユニット11は、ノズル16a-16cに代えて、共通ノズルを備えてもよい。共通ノズルは、供給部15a、15b、15cによって、共用される。具体的には、共通ノズルは、配管17a、17b、17cに接続される。弁18aが開くとき、共通ノズルは薬液を吐出する。同様に、弁18bが開くとき、共通ノズルはリンス液Gを吐出する。弁18cが開くとき、共通ノズルは第2処理液Jを吐出する。本変形実施形態によっても、処理工程および置換工程を好適に実行できる。
(6)第7実施形態において、第1加熱工程および第2加熱工程の一方を省略してもよい。
(7)第1-第7実施形態では、処理ユニット11は、枚葉式に分類された。但し、これに限られない。例えば、処理ユニット11は、バッチ式に分類されてもよい。すなわち、処理ユニット11は、一度に複数の基板Wを処理してもよい。第1-第7実施形態では、処理工程、置換工程および助教工程では基板Wは回転する。但し、これに限られない。例えば、処理工程、置換工程および除去工程の少なくともいずれかにおいて、基板Wは回転しなくてもよい。
図示を省略するが、バッチ式に分類される処理ユニット11の構成を例示する。処理ユニット11は、処理槽と基板保持部と昇降駆動部を備える。供給部15a-15cは、処理槽に接続される。処理槽は、処理液を貯留する。基板保持部は、複数枚の基板Wを一度に保持する。基板保持部は、基板Wを略垂直姿勢で支持する。昇降駆動部は、処理槽に対して基板保持部を昇降させる。昇降駆動部によって、基板保持部は下位置と上位置に移動する。基板保持部が下位置に位置するとき、基板保持部に保持される基板Wは処理槽の内部に位置する。基板保持部が下位置に位置するとき、基板保持部に保持される基板Wは静止する。基板保持部が上位置に位置するとき、基板保持部に保持される基板Wは処理槽の上方に位置する。基板保持部が上位置に位置するとき、基板保持部に保持される基板Wは静止する。
処理工程は、例えば、薬液供給工程とリンス液供給工程を含む。
薬液供給工程では、供給部15aは薬液を処理槽に供給する。処理槽は薬液を貯留する。基板保持部は下位置に位置する。基板保持部に保持される基板Wは、処理槽の薬液に浸漬される。このように、薬液は基板Wに供給される。
リンス液供給工程では、薬液が処理槽から排出される。供給部15bはリンス液Gを処理槽に供給する。処理槽はリンス液Gを貯留する。基板保持部は下位置に位置する。基板保持部に保持される基板Wは、処理槽のリンス液Gに浸漬される。このように、リンス液Gは基板Wに供給される。
置換工程では、リンス液Gが処理槽から排出される。供給部15cは第2処理液Jを処理槽に供給する。処理槽は第2処理液Jを貯留する。基板保持部は下位置に位置する。基板保持部に保持される基板Wは処理槽の第2処理液Jに浸漬される。このように、リンス液Gは第2処理液Jに置換される。第2処理液Jは基板Wに供給される。
除去工程では、基板保持部は下位置から上位置に移動する。基板保持部に保持される基板Wは、処理槽の第2処理液Jから引き上げられる。これにより、第2処理液Jは基板Wから除去される。
このように、本変形実施形態においても、処理工程と置換工程と除去工程を好適に実行できる。
(8)第1-第7実施形態では、基板Wは、パターンPを有した。但し、これに限られない。例えば、基板Wは、パターンPを有しなくてもよい。例えば、パターンPは、基板Wの表面Wsに形成されていなくてもよい。基板WがパターンPを有しない場合であっても、基板処理方法は、基板Wを好適に保護しつつ、基板Wを処理できる。したがって、基板WがパターンPを有しない場合であっても、基板処理方法は、基板Wを適切に処理できる。
(9)第1-第7実施形態および上記(1)から(8)で説明した各変形実施形態については、さらに各構成を他の変形実施形態の構成に置換または組み合わせるなどして適宜に変更してもよい。
例えば、第2、第3実施形態の第2供給工程(ステップS2b)を、第4-第7実施形態に適用してもよい。具体的には、第4-第7実施形態の基板処理方法は、第2供給工程を含んでもよい。
例えば、第3実施形態の第3供給工程(ステップS2c)を、第1、第2、第4-第7実施形態に適用してもよい。具体的には、第1、第2、第4-第7実施形態の基板処理方法は、第3供給工程を含んでもよい。
例えば、第7実施形態の第1加熱工程(ステップS2d)を、第1-第6実施形態に適用してもよい。具体的には、第1-第6実施形態の基板処理方法は、第1加熱工程を含んでもよい。
例えば、第3実施形態の追加供給工程(ステップS3b)を、第1、第2、第4-第7実施形態に適用してもよい。具体的には、第1、第2、第4-第7実施形態の基板処理方法は、追加供給工程を含んでもよい。
例えば、第7実施形態の第2加熱工程(ステップS3c)を、第1-第6実施形態に適用してもよい。具体的には、第1-第6実施形態の基板処理方法は、第2加熱工程を含んでもよい。
例えば、第4、第5実施形態の筐体31を、第1-第3、第6、第7実施形態に適用してもよい。具体的には、第1-第3、第6、第7実施形態の処理ユニット11は、第4、第5実施形態の筐体31を備えてもよい。
例えば、第5実施形態の内部容器41を、第1-第4、第6、第7実施形態に適用してもよい。具体的には、第1-第4、第6、第7実施形態の処理ユニット11は、第5実施形態の内部容器41を備えてもよい。
例えば、第6実施形態のカバー部材51を、第1-第5、第7実施形態に適用してもよい。具体的には、第1-第5、第7実施形態の処理ユニット11は、第6実施形態のカバー部材51を備えてもよい。
例えば、第7実施形態の加熱部61を、第1-第6実施形態に適用してもよい。例えば、第1-第6実施形態の処理ユニット11は、第7実施形態の加熱部61を備えてもよい。例えば、第1-第6実施形態の処理ユニット11は、第7実施形態の第1加熱部62を備えてもよい。例えば、第1-第6実施形態の処理ユニット11は、第7実施形態の第2加熱部63を備えてもよい。
1 … 基板処理装置
10 … 制御部
11 … 処理ユニット
13 … 基板保持部
15a … 供給部(薬液供給部)
15b … 供給部(リンス液供給部)
15c … 供給部(第2処理液供給部)
15d … 供給部(添加剤供給部)
15e … 供給部(有機溶剤供給部)
16a … ノズル(薬液ノズル)
16b … ノズル(リンス液ノズル)
16c … ノズル(第2処理液ノズル)
16d … ノズル(添加剤ノズル)
16e … ノズル(有機溶剤ノズル)
21 … 第2処理液生成ユニット
31 … 筐体(処理容器)
31a … 空間(処理空間)
41 … 内部容器(処理容器)
41a … 空間(処理空間)
51 … カバー部材
61 … 加熱部
62 … 第1加熱部
63 … 第2加熱部
A … 凹部
G … リンス液(第1処理液)
J … 第2処理液
P … パターン
q … プロトン
r … 水
S1 … 処理工程
S1a … 薬液供給工程(処理工程)
S1b … リンス液供給工程(処理工程)
S2 … 置換工程
S2a … 第1供給工程(置換工程)
S2b … 第2供給工程(置換工程)
S2c … 第3供給工程(置換工程)
S2d … 第1加熱工程(置換工程)
S3 … 除去工程
S3a … スピンドライ工程(除去工程)
S3b … 追加供給工程(除去工程)
S3c … 第2加熱工程(除去工程)
W … 基板
Ws … 基板の表面
W1 … 凸部

Claims (18)

  1. 基板処理方法であって、
    基板に第1処理液を供給する処理工程と、
    基板上の前記第1処理液を、有機溶剤と添加剤を含む第2処理液に置換する置換工程と、
    前記第2処理液を基板から除去する除去工程と、
    を備え、
    前記添加剤は、前記有機溶剤の脱水反応を抑制する
    基板処理方法。
  2. 請求項1に記載の基板処理方法において、
    前記添加剤は、前記第2処理液中のプロトンを減少させる
    基板処理方法。
  3. 請求項1または2に記載の基板処理方法において、
    前記添加剤は、プロトンを受け取る塩基を含む
    基板処理方法。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の基板処理方法において、
    前記添加材は、炭酸水素イオンおよび炭酸イオンの少なくともいずれかを含む
    基板処理方法。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の基板処理方法において、
    前記添加剤は、前記第2処理液中の水素イオン濃度の変化を緩和する緩衝剤を含む
    基板処理方法。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の基板処理方法において、
    前記添加剤は、
    二酸化炭素、
    4-トルエンスルホン酸、
    ナトリウムメトキシド、
    トリフルオロ酢酸ナトリウム、
    シュウ酸、
    メトキシリチウム、
    トリベンジルアミン、
    フタル酸水素ナトリウム、
    サリチル酸、
    フェニール酢酸、
    コハク酸水素リチウム、および
    トリスマレイン酸塩
    の少なくともいずれかを含む基板処理方法。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の基板処理方法において、
    前記有機溶剤は、アルコールを含む
    基板処理方法。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の基板処理方法において、
    前記有機溶剤は、イソプロピルアルコールを含む
    基板処理方法。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載の基板処理方法において、
    前記置換工程は、前記第2処理液を基板に供給する第1供給工程を含む
    基板処理方法。
  10. 請求項9に記載の基板処理方法において、
    前記置換工程は、前記添加剤を基板に供給する第2供給工程を含む
    基板処理方法。
  11. 請求項1から8のいずれかに記載の基板処理方法において、
    前記置換工程は、
    前記添加剤を基板に供給する第2供給工程と、
    前記有機溶剤を基板に供給する第3供給工程と、
    を含む
    基板処理方法。
  12. 請求項1から11のいずれかに記載の基板処理方法において、
    前記置換工程では、基板は処理容器の内部に位置し、かつ、前記処理容器は密閉される
    基板処理方法。
  13. 請求項1から12のいずれかに記載の基板処理方法において、
    前記置換工程では、カバー部材が、基板の上面の近くに配置され、かつ、基板の上面を覆う
    基板処理方法。
  14. 請求項1から13のいずれかに記載の基板処理方法であって、
    前記置換工程は、基板を加熱する第1加熱工程を含む
    基板処理方法。
  15. 請求項1から14のいずれかに記載の基板処理方法において、
    前記除去工程は、前記添加剤を基板に供給する追加供給工程を含む
    基板処理方法。
  16. 請求項1から15のいずれかに記載の基板処理方法であって、
    前記除去工程は、基板を加熱する第2加熱工程を含む
    基板処理方法。
  17. 請求項1から16のいずれかに記載の基板処理方法において、
    基板は表面を有し、
    前記表面は、ポリシリコン膜、シリコン酸化膜およびシリコン窒化膜の少なくともいずれかを含む
    基板処理方法。
  18. 請求項1から17のいずれかに記載の基板処理方法であって、
    基板は、
    表面と、
    前記表面の少なくとも一部に形成されるパターンと、
    を有する
    基板処理方法。
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