JP2023013452A - 杭基礎構造 - Google Patents

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恒久 松浦
Tsunehisa Matsuura
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【課題】 杭頭部を支持する杭頭補剛部と基礎梁端部となるプレキャストコンクリート製接合体とを構造的に確実に一体化させた杭基礎構造を提供する。【解決手段】 杭頭補剛コンクリート23から縦筋25が立設された杭頭補剛部20と、上下面を貫通するように、固化材注入孔38と縦筋挿通孔39とが形成されたプレキャスト接合体30とが、縦筋挿通孔39に縦筋25が挿通された状態で重ねて設置される。プレキャスト接合体30と杭頭補剛部20との間に形成された下目地空間48と、固化材注入孔38と、縦筋挿通孔39とで固化材50の充填経路49が形成され、固化材50が固化材注入孔38から充填経路49内に注入されて下目地空間48と縦筋挿通孔39内で充満、固化し、プレキャスト接合体30と杭頭補剛部20とが一体接合される。【選択図】 図1

Description

本発明は杭基礎構造に係り、杭体で支持される各種構造物の基礎構造において、杭体の杭頭部と杭基礎の構造部分とを一体的に接合させることができる杭基礎構造に関する。
杭体の杭頭部と、鉄筋コンクリート構造の基礎梁や基礎フーチング等の構造部分との接合構造では、杭頭部と杭基礎の構造部分とが一体として所定の強度剛性が確保されるように、狭い接合構造の空間内に多数の鉄筋が配筋され、労力を要する煩雑な現場での配筋作業、コンクリート打設作業等が必要とされている。
この問題を解消するために、現場での作業工程を低減するための基礎構造として、出願人は特許文献1に開示した杭基礎構造を提案している。この杭基礎構造は、地盤面から所定高さだけ突出した杭頭部を囲むように地盤面上に設置されたプレキャストコンクリート製の杭頭部接合管20と、その上部に設置され、杭頭部接合管20と構造的に一体化されたプレキャストコンクリート製のプレキャスト接合体30とから構成されている。プレキャスト接合体30は、杭基礎構造の上部のフーチングの一部として機能し、複数の基礎梁15との仕口部を有するとともに、その上面に一体的に立設されたプレキャストコンクリート柱40の柱脚部を支持する構造からなる。
特開2021-80677号公報
特許文献1に開示された杭基礎構造では、杭頭接合管20とプレキャスト接合体30とを一体化するために、図4各図に示されたように、内周コンクリート24の一部に縦筋25が立設され、この縦筋がプレキャスト接合体30に設けられた貫通孔39内に挿入され、図11に示されたように、両者のクリアランス(隙間)48と縦筋25が挿入された状態の貫通孔39を含むような充填経路49に固化材50が充填されるようになっている。
このとき、縦筋25が挿入される貫通孔39は、プレキャスト接合体30のハンチに設けられており、充填材50が杭頭接合管20とプレキャスト接合体30の間の隙間48に充填された後に各貫通孔39内に均等に充填されるために特別な充填経路49を形成する必要があった。このため、充填経路49が複雑になる上、その延長も長くなり、固化材50が隙間48、各貫通孔39に確実に充填されているかをチェックすることが難しい。また、固化材50の充填時に立ち上がり部等に空気溜まりができ、固化材50の充填が十分行われないおそれもある。このような状態にある構造物において、固化材50による杭頭接合管20とプレキャスト接合体30との一体化を十分に確認、保証できないのは問題である。
そこで、本発明の目的は上述した従来の技術が有する問題点を解消し、杭頭部を支持する杭頭補剛部と基礎梁端部となるプレキャストコンクリート製接合体とを構造的に確実に一体化させるような固化材の充填作業を行える杭基礎構造を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の杭基礎構造は、盤下げされた地盤面から杭頭部を所定長突出させた杭と、前記杭頭部の杭体軸心が鋼管軸心とほぼ同心となるように、前記地盤面上に設置された杭頭鋼管の管内を杭頭補剛コンクリートで充填して前記杭頭部を補剛する杭頭補剛部と、前記杭頭補剛部の周囲地盤が埋め戻された地盤面上に設置され、柱基礎、基礎梁の接合部となるプレキャスト接合体とを上下に重ねて接合してなる杭基礎構造であって、前記杭頭補剛部は、前記杭頭補剛コンクリートから接合縦筋が立設され、前記プレキャスト接合体は、その上下面を貫通するように、固化材注入孔と前記接合縦筋を挿通可能な縦筋挿通孔とが形成され、前記接合縦筋を前記縦筋挿通孔に通して前記プレキャスト接合体を前記杭頭補剛部に重ねた状態で、前記プレキャスト接合体と前記杭頭補剛部との間に下目地空間が形成され、前記固化材注入孔と前記下目地空間と前記縦筋挿通孔とで固化材の充填経路が形成され、前記固化材が前記固化材注入孔から前記充填経路内に注入されて前記下目地空間と前記縦筋挿通孔内で充満、固化し、前記プレキャスト接合体と前記杭頭補剛部とが一体接合されたことを特徴とする。
前記プレキャスト接合体は、前記杭頭鋼管の天端に載置され、前記杭頭補剛部上に重ねられて接合されることが好ましい。
前記プレキャスト接合体は、下面に杭頭連結部を有し、該杭頭連結部と、前記杭頭鋼管の内面と、前記杭頭補剛コンクリートの上面との間に前記下目地空間が形成されることが好ましい。
前記プレキャスト接合体の前記杭頭鋼管の天端との接触部位に、複数の連通凹所が形成され、前記固化材の充填時に、前記連通凹所が前記充填経路からの空気抜き孔及び余剰固化材の排出孔となることが好ましい。
本発明の杭基礎構造の一実施形態の外観形状を示した平面図、側面図。 図1(b)に示した杭基礎構造のII-II断面線に沿ったプレキャスト接合体および梁接合部の内部構成例を示した平断面図。 図1(a)に示した杭基礎構造のIII-III断面線に沿った杭頭部、プレキャスト接合体および梁接合部の内部構成例を示した側断面図。 杭頭補剛部の平面形状を示した平面図、IVbーIVb断面線に沿った断面図。 プレキャスト接合体の平面形状を示した平面図、底面図、及び底面の一部を拡大して示した拡大図。 プレキャスト接合体の側面形状及び内部の充填経路を示した側面図、側断面図、及び側断面の一部を拡大して示した拡大図。 杭頭補剛部上面とプレキャスト接合体下面との間の下目地空間への固化材の充填状態を示した平面図、部分側断面図。 本発明の杭基礎構造の構築手順(組立時)を示した説明図(その1:(a),(b))。 本発明の杭基礎構造の構築手順(組立時、固化材充填時)を示した説明図(その2:(c),(d))。 本発明の杭基礎構造の構築手順(固化材充填完了時)を示した説明図(その3:(e))。 プレキャスト杭頭接合管の一実施形態を示した平面図、側断面図。
以下、本発明の杭基礎構造の構成について、添付図面を参照して説明する。図1各図は、本発明の杭基礎構造10の一実施形態として、平面視して縦横に配置された基礎梁15と、杭体1の杭頭部2とを接合した杭基礎構造10の外観形状の一部を示している。本発明の杭基礎構造10は、図1(b)に示したように、杭体1の杭頭部2を覆うパイルキャップを構成する杭頭補剛部20と、杭頭補剛部20の上面に構造的に一体的に接合され、略八角形柱形状のプレキャスト鉄筋コンクリート製のプレキャスト接合体30と杭基礎の構造部分の一態様としての基礎梁15とを主構成とする。そして、杭頭補剛部20とプレキャスト接合体30とを上下に重ね、杭頭補剛部20とプレキャスト接合体30との間の下目地空間(後述する。)に固化材を確実に充填して両者を接合することで、杭体1の杭頭部2に杭基礎構造10が一体的に構築されている。
構築された杭基礎構造10のプレキャスト接合体30(後述する。)の外形の側面には、平面視(図1(a))して十字形状をなして縦横に配置された4本の基礎梁15が、接合コンクリート46を介して接合されている。プレキャスト接合体30の平面形状は、基礎梁15の梁幅に等しい辺をハンチ状の斜辺で結んだ略八角形状をなす。略八角形状のプレキャスト接合体30の上面中央位置の天端面には、平断面が正方形のプレキャストコンクリート柱(1,000mm□)40が立設されている(図1(b))。
本実施形態の基礎梁15は、梁成2,000mm、梁幅1,000mmのプレキャスト鉄筋コンクリート部材からなり、図1各図に示したように、杭頭部2が各梁の交点となるように設置されたプレキャスト接合体30の周囲に、所定の離隔部分16をとって平面視して十字形をなすように縦横に配置され、地盤面5a上に敷設された均しコンクリート6上に載置され、現場打ちされた接合コンクリート46を介してプレキャスト接合体30の各側面に構造的に剛接合されている。本実施形態の杭体1は、杭外径1,000mmφの既製杭、たとえば外殻鋼管コンクリート杭(SC杭)からなる。杭体1の杭頭部2には中詰めコンクリート3(図3)が充填され補剛されている。
ここで、本発明の杭基礎構造10の内部構成について、図2、図3を参照して説明する。図2は杭基礎構造10のプレキャスト接合体30及び基礎梁15との梁接合部の内部構成例を示し、図3は、杭頭補剛部20、プレキャスト接合体30、コンクリート柱40、及び基礎梁15との梁接合部の内部構成例を示している。各図において、基礎梁15は、埋め戻され整地された地盤面5aに敷設された均しコンクリート6上に載置され、梁主筋17がプレキャスト接合体30の梁主筋接合筋35と機械式継手18を介して接合され、プレキャスト接合体30と基礎梁15端面との間の離隔部分16を連結する接合コンクリート46が現場打ちコンクリートとして打設され、プレキャスト接合体30と接合される。これにより杭体1の杭頭部2、杭頭補剛部20、プレキャスト接合体30、基礎梁15本体が一体的に構築、接合され、杭基礎構造10の各部材の剛接合が実現している。接合コンクリート46のコンクリート強度は27N/mm2程度を設定しているが、この接合コンクリート46のコンクリート強度は、同様に現場打ちされる杭頭補剛コンクリート23のコンクリート強度と同じく杭基礎構造10の設計条件によって適宜設定することが好ましい。
杭頭補剛部20の構成について、図4各図を参照して説明する。杭頭補剛部20は、杭頭鋼管21の内部空間22に充填された杭頭補剛コンクリート23で杭体1の杭頭部2に所定剛性を付与するとともに、後述するプレキャスト接合体30と杭頭部2とを堅固に接合する部位である。杭頭部2の位置する地盤は、図3に示したように、原地盤面5aから約1.2m盤下げ掘削され、杭体1の杭頭部2は盤下げ地盤面5bから所定長突出した状態にある。この杭頭部2を囲んで、杭頭鋼管21が杭1の軸心と同心をなすように盤下げ地盤面5b上に敷設された均しコンクリート7上に設置されている。本実施形態の杭頭鋼管21の寸法は直径(外径)1,700mmφ、高さ1,220mm、板厚12mmである。杭頭鋼管21の天端は、後に打設される均しコンクリート(図示せず)の厚さ分(たとえば50mm程度)原地盤面5aから突出するように設置されている。プレキャスト接合体30はこの杭頭鋼管21の天端面に直に載置される。
杭頭鋼管21の内部空間22には、杭頭部2との間を埋めるように、杭頭補剛コンクリート23が打設され、杭頭補剛部20と杭頭部2との一体化が図られている。この杭頭補剛コンクリート23のコンクリート天端面は、後述する杭頭連結部33(図6(a))が所定厚さの下目地空間48(例えば30mm)を確保した状態で収容されるように所定高さ分(たとえば140mm)だけ鋼管21の天端面より低い位置に設定されている。杭頭補剛コンクリート23のコンクリート強度は27N/mm2程度を設定しているが、この杭頭補剛コンクリート23のコンクリート強度は、同様に現場打ちされる中詰めコンクリート3のコンクリート強度と同じく杭基礎構造10の設計条件によって適宜設定することが好ましい。なお、杭頭鋼管21と杭頭補剛コンクリート23との一体化を図るために、杭頭鋼管21の内面に図示しない各種のジベル、スタッドを配設することも好ましい。
杭頭鋼管21の内部空間22には、図4(a)、(b)に示したように、杭頭鋼管21と所定の被りを確保して縦筋25とフープ筋26とが配筋されている。縦筋25は、杭頭鋼管21内とプレキャスト接合体30内とを貫通する程度の長さからなり、杭頭鋼管21の内側において周方向に等間隔をあけて24本が環状に配筋されている。縦筋25を囲むように配筋されたフープ筋26は、縦筋25の配筋間隔を保持するとともに、杭頭補剛コンクリート23の補強鉄筋として機能する。
杭頭補剛部20の上部に一体的に接合されるプレキャスト接合体30の構成について、図6、図7各図を参照して説明する。プレキャスト接合体30は、接合対象の基礎梁、柱の鉄筋と接合される接合筋がコンクリート躯体から突出するように配筋されたプレキャスト鉄筋コンクリート部材からなる。
プレキャスト接合体30は、図5各図、図6各図に示したように、平面視して略八角形状なす梁接合部31と、柱断面に等しい正方形状をなす柱接合部32の上下2段の一体構造からなるプレキャスト鉄筋コンクリート構造体である。本実施形態では、梁接合部31は一辺2,000mmの正方形状の側面に接続される上述した梁幅1,000mmの地中梁の接合部位以外の四隅部が一辺500mmで切り欠かれたハンチ部31aを有する略八角形状の平面形状で、高さ約1,600mmからなる。柱接合部32は平面視して一辺1,000mmの正方形の柱断面に等しく、高さ約800mmからなる。なお、このプレキャスト接合体30は、梁柱接合部として所定の強度、耐力を有する鉄筋コンクリート構造を構成するように、所定の構造筋、各種の組立筋(図3参照)が配筋されている。
プレキャスト接合体30には、図5各図、図6各図に示したように、基礎梁15(図3,図4)の梁主筋17を杭基礎部分に接合、定着させる梁主筋接合筋35(35A、35B)が配筋されている。十字形をなして四方に延びる4本の基礎梁15(図2)の接合位置に合わせて梁幅方向に8本の梁主筋接合筋35が2段配筋として配列され、平面視して縦横方向に配筋されている。上部梁主筋接合筋35Aは基礎梁15の上部梁主筋17Aの配筋位置に対応したプレキャスト接合体30の柱接合部32の高さ方向のほぼ中央位置に、柱接合部32の側面から所定長だけ突出するように配筋されている。下部梁主筋接合筋35Bは、基礎梁15の下部梁主筋17Bの配筋位置に対応したプレキャスト接合体30の下部の高さ方向の下端近傍に、所定長が下部側面から突出するように配筋されている。
プレキャスト接合体30に形成された固化材注入孔38、縦筋挿通孔39について、図5各図、図6各図を参照して説明する。本実施形態の固化材注入孔38は、平面視して部材中心位置に、部材の上下面を貫通するように形成された1本の貫通孔である。縦筋挿通孔39は、杭頭補剛部20の杭頭鋼管21の内側に周方向に等間隔をあけて環状に配筋された24本の接合縦筋25(以下、単に縦筋25と記す。)の配筋位置に対応して形成された貫通孔である。固化材50は、固化材注入孔38の上面側から充填され、後述する下目地空間48を経由して縦筋25がそれぞれ収容された各縦筋挿通孔39内を下端から上昇し、プレキャスト接合体30の上面側から排出される。プレキャスト接合体30の製造時に、スパイラル鋼管を用いたシース管がこれらの固化材注入孔38、縦筋挿通孔39となる位置にあらかじめ配管され、これらのシース管がプレキャスト接合体30の固化材注入孔38、縦筋挿通孔39となる。本実施形態では、固化材注入孔38、縦筋挿通孔39用にφ60mmのシース管が用いられ、縦筋挿通孔39に挿通される縦筋25には異形鉄筋(D38)が使用されている。固化材50としての充填グラウト材としては、無収縮モルタルが使用されている。
プレキャスト接合体30の梁接合部31の底面31bには、図5(b)、図6各図に示したように、杭頭連結部33が形成されている。この杭頭連結部33は、図4各図に示した杭頭鋼管21の直径(内径:1,676mm)よりわずかに小さな直径(本実施形態では1,616mm(1,676-60))を有する扁平円柱形状をなし、プレキャスト接合体30が杭頭鋼管21の天端に載置された際、杭体1の杭頭部2の周囲に打設された杭頭補剛コンクリート23の上面を覆うように、杭頭補剛コンクリート23の上面との間に下目地空間48が形成された状態で収容される。
さらに、プレキャスト接合体30の梁接合部31の底面31bの杭頭連結部33の外周位置には、図5(b)、(c)、図6(b)、(c)に示したように、周方向に45°の間隔をあけて8カ所の連通凹所37が形成されている。この連通凹所37は、梁接合部31の底面31bに形成された、縦40×横10mm、深さ10mmの直方体状の窪みで、プレキャスト接合体30が杭頭鋼管21上に載置された際に、杭頭鋼管21で仕切られた下目地空間48と杭頭鋼管21の外側とを連通するように位置し、後述する固化材50の充填時に、固化材50で満たされていく下目地空間48内の空気を排出するために用いられ、固化材50の充填が進行し、固化材50が下目地空間48内に充満した際、余剰の固化材50を下目地空間48外に排出する排出孔となる。
上述したプレキャスト接合体30は、たとえば図5,図6各図のように、各部の梁主筋接合筋35の端部がプレキャスト接合体30の側面から突出した状態で製造されるが、その外形寸法は、車載可能な車両の荷台寸法をもとに設定されている。運搬時の寸法制限がない場合には、上記寸法より大きくすることもできる。
以下、本発明の杭基礎構造10を構成する杭体1の杭頭部2、杭頭補剛部20、プレキャスト接合体30とを組み立て、固化材充填によって一体化させる構築手順について、図8(a),(b)、図9(c),(d)、図10(e)を参照して説明する。
鋼管杭等の既製杭(杭体1)を打設し、所定の突出長が確保できるように、原地盤5aを盤下げした地盤面5bに均しコンクリート7を打設する。杭頭部2の杭内の所定高さにわたり補剛用の中詰めコンクリート3を充填して杭頭処理を行う。次いで、杭頭補剛部20の平面中心が杭体1の正規の位置(杭軸心)と一致するように、均しコンクリート7上に杭頭補剛部20を構築する(図8(a))。
杭頭補剛部20は、図8(a)に示したように、盤下げされた地盤面5bから突出した杭体1の杭頭部2を囲むように、均しコンクリート7上に杭頭鋼管21を載置し、杭頭鋼管21の内部空間22内に位置する杭頭部2との隙間に杭頭補剛コンクリート23を充填することによって構築される。このとき杭頭補剛コンクリート23の天端高さは、プレキャスト接合体30の杭頭連結部33の底面と杭頭補剛コンクリート23の天端面との間に所定の下目地空間48(本実施形態では約30mm)が確保されるように、杭頭鋼管21の上端よりわずかに低い位置までとする(図4(b))。杭頭補剛部20の周囲の盤下げ部分の周囲地盤5cを杭基礎の構造部分の設置レベルの地盤面5aまで埋戻す(図8(a)、(b))。
次いで、整地された地盤面5aからわずかに突出した杭頭鋼管2の天端にプレキャスト接合体30を載置する(図8(b)、9(c))。このプレキャスト接合体30を杭頭鋼管21上に載置する際、杭頭補剛部20に立設された各縦筋25を、プレキャスト接合体30の対応位置に形成された各縦筋挿通孔39に挿通する。縦筋25はプレキャスト接合体30と杭頭補剛部20との一体化を図る補強接合筋として機能する。
さらに杭頭補剛コンクリート23と杭頭連結部33との一体化を図るために、上下に重ねて構築された際に形成された杭頭補剛部20とプレキャスト接合体30の杭頭連結部33との下目地空間48に、後述する充填経路49に沿って固化材50を充填する(図9(d))。
以下、固化材50の充填作業について、図7各図、図9(d)を参照して説明する。固化材50の充填作業は、図9(d)に示したように、プレキャスト接合体30に形成された固化材注入孔38、縦筋挿通孔39、及び杭頭補剛部20とプレキャスト接合体30の杭頭連結部33との下目地空間48を連通するように形成された充填経路49に固化材50を充満させるようにして行われる。充填経路49は、図5(a)、図6(b)、図9(d)に示したように、プレキャスト接合体30の平面視して中心位置にプレキャスト接合体30の上下面を貫通するように形成された固化材注入孔38と、固化材注入孔38の下端と連通した下目地空間48と、下端が下目地空間48と連通する縦筋挿通孔39とから構成されている。図9(d)には、固化材注入孔38(一例として注入孔径φ60mm)内には、固化材50を供給する外部のグラウトポンプPから延びるグラウトホースH(一例としてホース外径φ40mm)が挿入された状態が示されている。
図7(1-a)、(1-b)は、固化材注入孔38から充填経路49の下目地空間48に充填された固化材50が下目地空間48内でほぼ円形状に広がった状態を示している。このときプレキャスト接合体30の底面には、図5(b)、(c)、図6(b)、(c)に示したように、円周方向に沿って8カ所の連通凹所37が形成されている。これら連通凹所37は、下目地空間48の外縁を構成する杭頭鋼管21の天端面を仕切って杭頭鋼管21の内部空間と杭頭鋼管21の外部とを連通する位置にある。よって、下目地空間48内の空気は、固化材50の充填が進行するにつれて連通凹所37を経由して下目地空間48内から杭頭鋼管21外に排出される。これにより下目地空間48内に空気溜まりができるのが防止され、固化材50の下目地空間48内への確実な充填が進行する。さらに下目地空間48内の充填が進行し、図7(2-a)、(2-b)に示したように、円形形状の下目地空間48内に固化材50がほぼ均等に充満される。下目地空間48内の外縁近傍に均等に円形をなすように形成されると、杭頭補剛部20から立設された縦筋25が挿入された縦筋挿通孔39内を固化材50が上昇する。固化材50の上昇に合わせてグラウトホースHを引き上げるようにして固化材50の充填を進める。これにより固化材50は固化材注入孔38、縦筋挿通孔39において均一な充填高さを保持して充填される。このとき杭頭鋼管21の外側から連通凹所37に透明塩ビ管等の連通管51を取り付けておくことにより、固化材50の充填時に縦筋挿通孔39内を上昇する固化材50の充填高さを目視観察することができる。
図10(e)は、プレキャスト接合体30内、下目地空間48内の充填経路49への固化材50の充填が完了した状態を示している。同図に示したように、固化材50は、固化材注入孔38、下目地空間48、縦筋挿通孔39内のすべてに充填されている。特に、縦筋挿通孔39内に充填された固化材50は、縦筋25とプレキャスト接合体30とを一体化させるように機能し、下目地空間48内に充填された固化材50は、杭頭補剛部20の上面とプレキャスト接合体30の下面とを堅固に接合させるように機能する。このように充填された固化材50が固化することにより、プレキャスト接合体30と杭頭補剛部20との構造上の一体化が図られる。
図11各図は、杭頭補剛部20の変形例として、あらかじめ工場製作されたプレキャストコンクリート製の杭頭補剛管120を用いた例を示している。この杭頭補剛管120は、図11(a)、(b)に示したように、平面視して円形の内部空間122を有する円環体からなる。この円環体は外皮鋼管121の内周面に所定厚さの内周コンクリート124が一体形成された、鋼管コンクリート合成構造のプレキャストコンクリート部材である。この杭頭補剛管120は、盤下げ地盤面5b上の所定位置に載置される。外皮鋼管121の寸法は、杭頭鋼管21と同寸法である。外皮鋼管121と内周コンクリート124との一体化を図るために、外皮鋼管121の内面に図示しない各種のジベル、スタッドを配設することも同様に好ましい。
内周コンクリート124には、図11(a)、(b)に示したように、内周コンクリート124の周方向に沿って所定の等間隔をあけて、補強接合筋となる24本の縦筋25が配筋され、杭頭補剛管120上にプレキャスト接合体30(図6他)が載置された際、各縦筋25が各縦筋挿通孔39に挿通され、縦筋挿通孔39内に固化材50が充填され、プレキャスト接合体30と杭頭補剛管120とが一体化される。
添付された各図ではプレキャスト接合体30に対して基礎梁15が直交する4方向から接合する態様が描かれたが、平面視して基礎梁がI字形(1方向)、L字形(2方向)、T字形(3方向)をなすように杭頭部2に接合されるような外周杭、隅角部杭に適用することができる。たとえば基礎梁がL字形をなすように接合される場合、基礎梁の延長方向に合わせて直角2方向を向くように梁主筋接合筋をプレキャスト接合体に組み込むことが好ましい。
以上、プレキャスト接合体30に接合される杭基礎の構造部分として基礎梁15を例に説明したが、杭基礎の構造部分には基礎梁の他、基礎フーチングの一部であるような場合も想定できる。その場合には、プレキャスト接合体に組み込まれる梁主筋接合筋は、基礎フーチングの配筋の一部がプレキャスト接合体側の鉄筋と確実に接合できる位置に設けることが好ましい。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、各請求項に示した範囲内での種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲内で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態も、本発明の技術的範囲に含まれる。
1 杭体
2 杭頭部
5a,5b 地盤面
10 杭基礎構造
15 基礎梁
16 離隔部分
17 梁主筋
20 杭頭補剛部
21 杭頭鋼管
22 内部空間
23 杭頭補剛コンクリート
25 縦筋
30 プレキャスト接合体
33 杭頭連結部
35 梁主筋接合筋
36 柱主筋接合筋
37 連結凹所
38 固化材注入孔
39 縦筋挿通孔
40 プレキャストコンクリート柱
43 柱主筋
46 接合コンクリート
49 充填経路
50 固化材

Claims (4)

  1. 盤下げされた地盤面から杭頭部を所定長突出させた杭と、
    前記杭頭部の杭体軸心が鋼管軸心とほぼ同心となるように、前記地盤面上に設置された杭頭鋼管の管内を杭頭補剛コンクリートで充填して前記杭頭部を補剛する杭頭補剛部と、
    前記杭頭補剛部の周囲地盤が埋め戻された地盤面上に設置され、柱基礎、基礎梁の接合部となるプレキャスト接合体とを上下に重ねて接合してなる杭基礎構造であって、
    前記杭頭補剛部は、前記杭頭補剛コンクリートから接合縦筋が立設され、
    前記プレキャスト接合体は、その上下面を貫通するように、固化材注入孔と前記接合縦筋を挿通可能な縦筋挿通孔とが形成され、
    前記接合縦筋を前記縦筋挿通孔に通して前記プレキャスト接合体を前記杭頭補剛部に重ねた状態で、前記プレキャスト接合体と前記杭頭補剛部との間に下目地空間が形成され、
    前記固化材注入孔と前記下目地空間と前記縦筋挿通孔とで固化材の充填経路が形成され、
    前記固化材が前記固化材注入孔から前記充填経路内に注入されて前記下目地空間と前記縦筋挿通孔内で充満、固化し、前記プレキャスト接合体と前記杭頭補剛部とが一体接合されたことを特徴とする杭基礎構造。
  2. 前記プレキャスト接合体は、前記杭頭鋼管の天端に載置され、前記杭頭補剛部上に重ねられて接合された請求項1に記載の杭基礎構造。
  3. 前記プレキャスト接合体は、下面に杭頭連結部を有し、該杭頭連結部と、前記杭頭鋼管の内面と、前記杭頭補剛コンクリートの上面との間に前記下目地空間が形成された請求項1または請求項2に記載の杭基礎構造。
  4. 前記プレキャスト接合体の前記杭頭鋼管の天端との接触部位に、複数の連通凹所が形成され、前記固化材の充填時に、前記連通凹所が前記充填経路からの空気抜き孔及び余剰固化材の排出孔となる請求項3に記載の杭基礎構造。
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