JP2023013057A - 磁気抵抗効果素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】比較的低い温度で作製可能で、 MR比(磁気抵抗変化率)が大きい磁気抵抗効果素子を提供する。【解決手段】第1Ru合金層と、第1強磁性層と、非磁性金属層と、第2強磁性層と、をこの順に有し、前記第1Ru合金層は、下記の一般式(1)で表されるRu合金を1種以上含み、RuαX1-α・・・(1)ただし、一般式(1)において、Xは、Be、B、Ti、Y、Zr、Nb、Mo、Rh、In、Sn、La、Ce、Nd、Sm、Gd、Dy、Er、Ta、W、Re、Os、Irからなる群より選ばれる1種以上の元素を表し、αは、0.5<α<1を満足する数を表し、前記第1強磁性層は、ホイスラー合金を含み、前記第2強磁性層は、ホイスラー合金を含む、磁気抵抗効果素子。【選択図】図1

Description

本発明は、磁気抵抗効果素子に関する。
磁気抵抗効果素子は、磁気抵抗効果により積層方向の抵抗値が変化する素子である。磁気抵抗効果素子は、2つの強磁性層とこれらに挟まれた非磁性金属層とを備える。非磁性金属層に導体が用いられた磁気抵抗効果素子は、巨大磁気抵抗(GMR)素子と言われ、非磁性金属層に絶縁層(トンネルバリア層、バリア層)が用いられた磁気抵抗効果素子は、トンネル磁気抵抗(TMR)素子と言われる。磁気抵抗効果素子は、磁気センサ、高周波部品、磁気ヘッド及び不揮発性ランダムアクセスメモリ(MRAM)等の様々な用途への応用が可能である。
非特許文献1には、Ru層、アモルファスCoFeBTa層、CoMnFeGe層をこの順で積層した構成を有する磁気抵抗効果素子が開示されている。非特許文献1によると、この磁気抵抗効果素子は、比較的低い温度で作製可能とされている。
Young-suk Choi et al,Applied Physics Express,10,013006(2017)
非特許文献1の磁気抵抗効果素子は、アモルファスCoFeBTa層の上にホイスラーCoMnFeGeを成膜している。しかしながら、アモルファス層CoFeBTa層は、ホイスラー合金との原子相互拡散が多い。このため、磁気抵抗効果を十分に向上させることは困難である。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、比較的低い温度で作製可能で、MR比(磁気抵抗変化率)が大きい磁気抵抗効果素子を提供することを目的とする。
本発明者らは、特定のRu合金を含むRu合金層の上に、第1強磁性層と、非磁性金属層と、第2強磁性層と、をこの順に積層した磁気抵抗効果素子は、比較的低い温度で作製可能で、各層間で原子相互拡散が起こりにくく、磁気抵抗効果が大きくなることを見出した。従って、本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。
[1]第1Ru合金層と、第1強磁性層と、非磁性金属層と、第2強磁性層と、をこの順に有し、前記第1Ru合金層は、下記の一般式(1)で表されるRu合金を1種以上含み、
Ruα1-α・・・(1)
ただし、前記一般式(1)において、Xは、Be、B、Ti、Y、Zr、Nb、Mo、Rh、In、Sn、La、Ce、Nd、Sm、Gd、Dy、Er、Ta、W、Re、Os、Irからなる群より選ばれる1種以上の元素を表し、αは、0.5<α<1を満足する数を表し、前記第1強磁性層は、ホイスラー合金を含み、前記第2強磁性層は、ホイスラー合金を含む、磁気抵抗効果素子。
[2]上記態様にかかる磁気抵抗効果素子において、前記一般式(1)の前記Xが、B、Ti、Zr、Nb、Mo、Rh、Ta、W、Re、OsおよびIrからなる群より選ばれる1種以上の元素を表す構成とされていてもよい。
[3]上記態様にかかる磁気抵抗効果素子において、前記第1Ru合金層に含まれる前記Ru合金のRu含有量が、前記第1Ru合金層の面内方向又は積層方向に沿って変化している構成とされていてもよい。
[4]上記態様にかかる磁気抵抗効果素子において、前記第1Ru合金層に含まれる前記Ru合金のRu含有量が、前記第1Ru合金層の積層方向に沿って連続的に変化している構成とされていてもよい。
[5]上記態様にかかる磁気抵抗効果素子において、前記第1Ru合金層に含まれる前記Ru合金のRu含有量が、前記第1Ru合金層の第1強磁性層側の表面から、前記第1Ru合金層の第1強磁性層側とは反対側の表面に向かって増加している構成とされていてもよい。
[6]上記態様にかかる磁気抵抗効果素子において、前記第1強磁性層に含まれる前記ホイスラー合金および前記第2強磁性層に含まれる前記ホイスラー合金のうち少なくとも一方は、下記の一般式(2)で表されるホイスラー合金を1種以上含む構成とされていてもよい。
Co(Fe1-β,M1β)M2・・・(2)
ただし、前記一般式(2)において、M1は、MnもしくはTiを表し、M2は、Si、Al、Ga、GeおよびSnからなる群より選ばれる1種以上の元素を表し、βは、0≦β≦1を満足する数を表す。
[7]上記[6]に記載の態様にかかる磁気抵抗効果素子において、前記ホイスラー合金は、CoFe(GaGe)、Co(MnFe)GeおよびCo(FeMn)(GaGe)からなる群より選ばれる1種以上の合金である構成とされていてもよい。
[8]上記[6]または[7]に記載の態様にかかる磁気抵抗効果素子において、前記第1強磁性層は前記一般式(2)で表されるホイスラー合金を含み、前記第1強磁性層の前記第1Ru合金層側の表面に含まれているホイスラー合金は、前記第1Ru合金層側とは反対側の表面に含まれているホイスラー合金と比較して、CoとFeの含有率が大きい構成とされていてもよい。
[9]上記[6]~[8]に記載の態様にかかる磁気抵抗効果素子において、前記第2強磁性層は前記一般式(2)で表されるホイスラー合金を含み、前記第2強磁性層の前記非磁性金属層側とは反対側の界面に含まれているホイスラー合金は、前記第2強磁性層の前記非磁性金属層側の界面に含まれているホイスラー合金と比較して、CoとFeの含有率が大きい構成とされていてもよい。
[10]上記態様にかかる磁気抵抗効果素子において、前記第1強磁性層と前記第1Ru合金層との間に、CoFeB層もしくはCoFe層を有する構成とされていてもよい。
[11]上記態様にかかる磁気抵抗効果素子において、前記第2強磁性層の前記非磁性金属層側とは反対側の表面に、第2Ru合金層を有し、前記第2Ru合金層は、前記一般式(1)で表されるRu合金を1種以上含む構成とされていてもよい。
[12]上記[11]に記載の態様にかかる磁気抵抗効果素子において、前記第2強磁性層と前記第2Ru合金層との間に、CoFeB層もしくはCoFe層を有する構成とされていてもよい。
[13]上記態様にかかる磁気抵抗効果素子において、前記非磁性金属層は、AgまたはAg合金を含む構成とされていてもよい。
本発明によれば、比較的低い温度で作製可能で、MR比が大きい磁気抵抗効果素子を提供することが可能となる。
第1実施形態にかかる磁気抵抗効果素子の断面図である。 第1変形例にかかる磁気抵抗効果素子の断面図である。 第2変形例にかかる磁気抵抗効果素子の断面図である。 第3変形例にかかる磁気抵抗効果素子の断面図である。 第4変形例にかかる磁気抵抗効果素子の断面図である。 適用例1にかかる磁気記録素子の断面図である。 適用例2にかかる磁気記録素子の断面図である。 適用例3にかかる磁気記録素子の断面図である。 適用例4にかかる磁壁移動素子の断面図である。 適用例5にかかる高周波デバイスの断面図である。 実施例1-1~80及び比較例1-1~48で作製した磁気抵抗効果素子のRu合金のX元素の含有量と、MR比との関係を示すグラフである。 実施例2-1~55及び比較例2-1~22で作製した磁気抵抗効果素子のRu合金のX元素の含有量と、MR比との関係を示すグラフである。
以下、本発明について、図面を適宜参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際とは異なっていることがある。以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態にかかる磁気抵抗効果素子の断面図である。まず方向について定義する。各層が積層されている方向を、積層方向という場合がある。また積層方向と交差し、各層が広がる方向を面内方向という場合がある。図1は、各層の積層方向に沿って磁気抵抗効果素子101を切断した断面図である。
図1に示す磁気抵抗効果素子101は、基板10の上に、下地層20と、第1Ru合金層30と、第1強磁性層40と、非磁性金属層50と、第2強磁性層60と、キャップ層80とがこの順で積層された積層体である。
(基板)
基板10は、磁気抵抗効果素子101の土台となる部分である。基板10は、結晶性を有する基板でも、アモルファスの基板でもよい。結晶性を有する基板は、例えば、金属酸化物単結晶、シリコン単結晶、サファイア単結晶、セラミックである。アモルファスの基板は、例えば、熱酸化膜付シリコン単結晶、ガラス、石英である。基板10がアモルファスだと、基板10の結晶構造が積層体の結晶構造に与える影響を低減できる。磁気抵抗効果素子101は、基板10を除いて用いてもよい。
(下地層)
下地層20は、基板10と第1強磁性層40との間に位置している。下地層20は、基板10の上に、第1下地層21と、第2下地層22とが積層された2層構造の積層体とされている。下地層20は、単層でもあってもよいし、複数層でもあってもよい。下地層20は、検出用電流を流すための電極として利用してもよい。
第1下地層21は、第1下地層21の上に積層される上部の層の結晶性を高めるシード層として機能する。第1下地層21は、MgO、TiN及びNiTa合金の少なくとも一種類を含む層であってもよい。また、第1下地層21は、CoとFeとを含む合金層であってもよい。CoとFeとを含む合金は、例えば、Co-Fe、Co-Fe-Bである。また、第1下地層21は、金属元素、例えば、Ag、Au、Cu、Cr、V、Al、W、及びPtの少なくとも一つの金属元素を含む層であってもよい。第1下地層21の厚みは、例えば、2nm以上30nm以下の範囲内にあってもよい。
第2下地層22は、第1下地層21と第1Ru合金層30との格子不整合を緩和するバッファ層として機能する。第2下地層22は、検出用電流を流すための電極として利用できるものであってもよい。第2下地層22は、金属元素、例えば、Ag、Au、Cu、Cr、V、Al、W、及びPtの少なくとも一つの金属元素を含む層であってもよい。また、電流が流れる際のスピンホール効果によってスピン流を発生させる機能を有する金属、合金、金属間化合物、金属硼化物、金属炭化物、金属珪化物、金属燐化物のいずれかを含む層であってもよい。さらに、例えば、(001)配向した正方晶構造又は立方晶構造を有し、かつAl、Cr、Fe、Co、Rh、Pd、Ag、Ir、Pt、Au、Mo、W、Ptの群から選択される少なくとも1つの元素を含む層であってもよい。第2下地層22は、これらの金属元素の合金、又はこれら金属元素の2種以上を含む材料の積層体であってもよい。金属元素の合金には、例えば、立方晶系のAgZn合金、AgMg合金、CoAl合金、FeAl合金及びNiAl合金が含まれる。第2下地層22の厚みは、例えば、2nm以上150nm以下の範囲内にあってもよい。
(第1Ru合金層)
第1Ru合金層30は、下記の一般式(1)で表されるRu合金を1種以上含む層である。第1Ru合金層は、Ru合金のみからなる層であってもよい。
Ruα1-α・・・(1)
一般式(1)において、Xは、Be、B、Ti、Y、Zr、Nb、Mo、Rh、In、Sn、La、Ce、Nd、Sm、Gd、Dy、Er、Ta、W、Re、Os、Irからなる群より選ばれる1種以上の元素を表す。Xは、B、Ti、Zr、Nb、Mo、Rh、Ta、W、Re、OsおよびIrからなる群より選ばれる1種以上の元素であってもよい。
αは、0.5<α<1を満足する数を表す。すなわち、第1Ru合金層30に含まれるRu合金は、Ruの含有量が50atm%を超えて、100atm%未満であり、X元素の含有量(X元素が2種以上である場合はその合計含有量)が0atm%を超えて50atm%未満の範囲内にある。αは、0.5<α<0.95を満足する数であってもよいし、0.6<α<0.95を満足する数であってもよい。
第1Ru合金層30に含まれるRu合金のRu含有量は、均一であってもよいし、第1Ru合金層30の面内方向又は積層方向に沿って変化していてもよい。例えば、第1Ru合金層30に含まれるRu合金のRu含有量は、第1Ru合金層30の積層方向に沿って連続的に変化していてもよい。また、第1Ru合金層30に含まれるRu合金のRu含有量は、第1Ru合金層30の第1強磁性層40側の表面から、第1Ru合金層30の第1強磁性層40側とは反対側(すなわち、基板10側)の表面に向かって増加していてもよい。第1Ru合金層30の厚みは、例えば、0.5nm以上10nm以下の範囲内にあってもよい。
(第1強磁性層、第2強磁性層)
第1強磁性層40及び第2強磁性層60は磁性体である。第1強磁性層40及び第2強磁性層60は、それぞれ磁化をもつ。磁気抵抗効果素子101は、第1強磁性層40の磁化と第2強磁性層60の磁化の相対角の変化を抵抗値変化として出力する。
第2強磁性層60の磁化は、例えば、第1強磁性層40の磁化より動きやすい。所定の外力を加えた場合に、第1強磁性層40の磁化の向きは変化せず(固定され)、第2強磁性層60の磁化の向きは変化する。第1強磁性層40の磁化の向きに対して第2強磁性層60の磁化の向きが変化することで、磁気抵抗効果素子101の抵抗値は変化する。この場合、第1強磁性層40は磁化固定層と言われ、第2強磁性層60は磁化自由層と呼ばれる場合がある。以下、第1強磁性層40が磁化固定層、第2強磁性層60が磁化自由層の場合を例にとって説明をするが、この関係は反対でもよい。また磁気抵抗効果素子101は、第1強磁性層40の磁化と第2強磁性層60の磁化の相対角の変化を抵抗値変化として出力するため、第1強磁性層40の磁化と第2強磁性層60の磁化がいずれも動く構成(すなわち、第1強磁性層40と第2強磁性層60がいずれも磁化自由層)でもよい。
所定の外力を印加した際の第1強磁性層40の磁化と第2強磁性層60の磁化との動きやすさの差は、第1強磁性層40と第2強磁性層60との保磁力の違いにより生じる。例えば、第2強磁性層60の厚みを第1強磁性層40の厚みより薄くすると、第2強磁性層60の保磁力が第1強磁性層40の保磁力より小さくなる。また例えば、第1強磁性層40の非磁性金属層50と反対側の面に、スペーサ層を介して、反強磁性層を設ける。第1強磁性層40、スペーサ層、反強磁性層は、シンセティック反強磁性構造(SAF構造)となる。シンセティック反強磁性構造は、スペーサ層を挟む2つの磁性層を含む。第1強磁性層40と反強磁性層とが反強磁性カップリングすることで、反強磁性層を有さない場合より第1強磁性層40の保磁力が大きくなる。反強磁性層は、例えば、IrMn,PtMn等である。スペーサ層は、例えば、Ru、Ir、Rhからなる群より選ばれる少なくとも一つを含む。厚みにより保磁力差を生み出す方法は、反強磁性層等の寄生抵抗の原因となりうる追加の層が不要である。一方で、SAF構造により保磁力差を生み出す方法は、第1強磁性層40の磁化の配向性を高めることができる。
第1強磁性層40及び第2強磁性層60はそれぞれ、ホイスラー合金を含む。第1強磁性層40及び第2強磁性層60はそれぞれ、ホイスラー合金のみからなる層であってもよい。第1強磁性層40及び第2強磁性層60は1種のホイスラー合金を含んでいてもよいし、2種以上のホイスラー合金を含んでいてもよい。第1強磁性層40及び第2強磁性層60に含まれているホイスラー合金の組成は同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、第1強磁性層40及び第2強磁性層60はそれぞれ単層であってもよいし、複数層であってもよい。
ホイスラー合金は、合金中を流れる電流を担う電子が上向き又は下向きのスピンのみを有し、スピン分極率が理想的には100%を示すハーフメタルである。第1強磁性層40に含まれるホイスラー合金および第2強磁性層60に含まれるホイスラー合金のうち少なくとも一方は、下記の一般式(2)で表されるホイスラー合金を1種以上含んでいてもよい。下記の一般式(2)で表されるホイスラー合金は、第1強磁性層40および第2強磁性層60の両方に含まれていてもよい。
Co(Fe1-β,M1β)M2・・・(2)
一般式(2)において、M1は、MnもしくはTiを表し、M2は、Si、Al、Ga、GeおよびSnからなる群より選ばれる1種以上の元素を表す。
βは、0≦β≦1を満足する数を表す。
第1強磁性層40及び第2強磁性層60は厚みが同じであってもよい。第1強磁性層40及び第2強磁性層60の厚みは、例えば、2nm以上20nm以下の範囲内にあってもよい。
(非磁性金属層)
非磁性金属層50は、第1強磁性層40と第2強磁性層60との磁気的な結合を阻害する。非磁性金属層50は、非磁性の金属を含む。非磁性金属層50は、非磁性の金属からなる層であってもよい。非磁性金属層50は、主成分としてAg、Cu、Au、Ag、Al、Crからなる群より選ばれる1種以上の元素を含むことが好ましい。主の構成元素とは、組成式において、Cu、Au、Ag、Al、Crが占める割合が50%以上となることを意味する。非磁性金属層50は、Agを含むことが好ましく、主の構成元素としてAgを含むことが好ましい。Agはスピン拡散長が長いため、Agを用いた磁気抵抗効果素子101は、MR比がより大きくなる。
非磁性金属層50の厚みは、例えば、1nm以上10nm以下の範囲内にあってもよい。
(キャップ層)
キャップ層80は、磁気抵抗効果素子101の基板10と反対側に位置する。キャップ層80は、第2強磁性層60を保護する。キャップ層80は、第2強磁性層60からの原子の拡散を抑制する。また、キャップ層80は、磁気抵抗効果素子101の各層の結晶配向性にも寄与する。第1強磁性層40及び第2強磁性層60の磁化は、キャップ層80によってより安定化し、磁気抵抗効果素子101のMR比が向上する。キャップ層80は、単層であってもよいし、複数層でもあってもよい。キャップ層80は、検出用電流を流すための電極として利用してもよい。
キャップ層80は、例えば、Al、Si、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Se、Ru、Rh、Pd、Ag、Te、Pt、Au、B、C、Ti、Taからなる群から選択される1つ以上の元素を含んでいてもよい。キャップ層80は、例えば、Al、Si、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Se、Ru、Rh、Pd、Ag、Te、Pt、Auからなる群から選択される1つ以上の元素と、N、B、C、Ti、Taからなる群から選択される1つ以上の元素と、を含んでいてもよい。キャップ層80は、例えば、Ru、Ag、Al、Cu、Au、Cr、Mo、Pt、W、Ta、Pd、及びIrから選択される1つ以上の元素を含んでもよい。
キャップ層80の厚みは、例えば、2nm以上10nm以下の範囲内にあってもよい。
磁気抵抗効果素子を構成する各層の組成分析は、エネルギー分散型X線分析(EDS)を用いて行うことができる。また、EDS分析を行えば、例えば、各材料の膜厚方向の組成分布を確認することができる。
本実施形態にかかる磁気抵抗効果素子101は、例えば、基板10の上に、下地層20(第1下地層21、第2下地層22)、第1Ru合金層30、第1強磁性層40、非磁性金属層50、第2強磁性層60、キャップ層80をこの順に積層することによって製造することができる。各層の成膜方法は、例えば、スパッタリング法、蒸着法、レーザアブレーション法、分子線エピタキシャル(MBE)法を用いることができる。
以上のような構成とされた本実施形態の磁気抵抗効果素子101は、第1Ru合金層30の上に第1強磁性層40と、非磁性金属層50と、第2強磁性層60とが積層され、第1Ru合金層30は、上記の一般式(1)で表されるRu合金を1種以上含み、第1強磁性層40及び第2強磁性層60は、ホイスラー合金を含むので、比較的低い温度で作製可能で、かつMR比が向上する。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。
磁気抵抗効果素子101の変形例を、図2~図5に示す。
図2は、第1変形例にかかる磁気抵抗効果素子の断面図である。
図2に示す磁気抵抗効果素子102は、第1Ru合金層30と第1強磁性層40との間に第1CoFeB層91が配置されている点において、図1に示す磁気抵抗効果素子101と異なる。このため、図2においては、図1と同じ構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
第1CoFeB層91は、CoとFeとBを含有する。第1CoFeB層91は、FeとCoとBのみからなる層であってもよい。第1CoFeB層91の厚みは、例えば、0.2nm以上10nm以下の範囲内にあってもよい。
第1CoFeB層91の成膜方法は、例えば、スパッタリング法、蒸着法、レーザアブレーション法、分子線エピタキシャル(MBE)法を用いることができる。
第1変形例にかかる磁気抵抗効果素子102は、第1Ru合金層30と第1強磁性層40との間に第1CoFeB層91が配置されているので、MR比がさらに向上する。第1CoFeB層91の代わりに、CoとFeとを含有するCoFe層を設けてもよい。
図3は、第2変形例にかかる磁気抵抗効果素子の断面図である。
図3に示す磁気抵抗効果素子103は、第1Ru合金層30と第1強磁性層40との間に第1CoFeB層91が配置されている点と、第2強磁性層60の非磁性金属層50側とは反対側(キャップ層80側)に、第2Ru合金層70を有する点と、第2Ru合金層70と第2強磁性層60との間に第2CoFeB層92が配置されている点において、図1に示す磁気抵抗効果素子101と異なる。このため、図3においては、図1と同じ構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
第2Ru合金層70は、第1Ru合金層30と同様に一般式(1)で表されるRu合金を1種以上含む。第2Ru合金層70は、一般式(1)で表されるRu合金のみからなる層であってもよい。なお、第2Ru合金層70に含まれるRu合金と、第1Ru合金層30に含まれるRu合金とは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、第2Ru合金層70を有する場合、キャップ層80を省略してもよい。第2Ru合金層70の厚みは、例えば、0.5nm以上10nm以下の範囲内にあってもよい。
第2CoFeB層92は、CoとFeとBを含有する。第2CoFeB層92は、FeとCoとBのみからなる層であってもよい。第2CoFeB層92の厚みは、例えば、0.2nm以上10nm以下の範囲内にあってもよい。
第2Ru合金層70及び第2CoFeB層92の成膜方法は、例えば、スパッタリング法、蒸着法、レーザアブレーション法、分子線エピタキシャル(MBE)法を用いることができる。
第2変形例にかかる磁気抵抗効果素子103は、第1Ru合金層30と第1強磁性層40との間に第1CoFeB層91が配置され、第2Ru合金層70を有し、第2Ru合金層70と第2強磁性層60との間に第2CoFeB層92が配置されているので、MR比がさらに向上する。第1CoFeB層91及び第2CoFeB層92の代わりに、CoとFeとを含有するCoFe層を設けてもよい。
図4は、第3変形例にかかる磁気抵抗効果素子の断面図である。
図4に示す磁気抵抗効果素子104は、第1Ru合金層30が、積層方向にRu合金のRu含有量が異なる2層構造の積層体とされている点において、図1に示す磁気抵抗効果素子101と異なる。このため、図4においては、図1と同じ構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
第1Ru合金層30の積層方向における下側(基板10側)の下側第1Ru合金層31は、積層方向における上側(第1強磁性層40側)の上側第1Ru合金層32と比較して、Ru含有量が相対的に多く、X元素の含有量が相対的に少なくなっている。下側第1Ru合金層31と上側第1Ru合金層32は、例えば、RuターゲットとX元素のターゲットを用いた共スパッタ法を用い、下側第1Ru合金層31と上側第1Ru合金層32とでスパッタリング装置のスパッタンリング速度を変えることによって成膜することができる。下側第1Ru合金層31の厚みは、例えば、0.2nm以上10nm以下の範囲内にあってもよい。上側第1Ru合金層32の厚みは、例えば、0.2nm以上10nm以下の範囲内にあってもよい。
第3変形例にかかる磁気抵抗効果素子104は、第1Ru合金層30が、下側第1Ru合金層31と上側第1Ru合金層32の2層構造の積層体とされていて、下側第1Ru合金層31は上側第1Ru合金層32と比較して、Ru含有量が相対的に多く、X元素の含有量が相対的に少なくなっているので、MR比がさらに向上する。
図5は、第4変形例にかかる磁気抵抗効果素子の断面図である。
図5に示す磁気抵抗効果素子105は、第1Ru合金層30と第1強磁性層40との間に第1CoFeB層91が配置されている点、第2強磁性層60の非磁性金属層50側とは反対側(キャップ層80側)に、第2Ru合金層70を有する点、第2Ru合金層70と第2強磁性層60との間に第2CoFeB層92が配置されている点、第1Ru合金層30及び第2Ru合金層70が、積層方向にRu合金のRu含有量が異なる2層構造の積層体とされている点において、図1に示す磁気抵抗効果素子101と異なる。このため、図5においては、図1と同じ構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
第1CoFeB層91は、第1変形例の磁気抵抗効果素子102の場合と同じである。第2CoFeB層92は、第2変形例の磁気抵抗効果素子103の場合と同じである。第1Ru合金層30の下側第1Ru合金層31及び上側第1Ru合金層32は、第3変形例の磁気抵抗効果素子104の場合と同じである。
第2Ru合金層70の積層方向における下側(第2強磁性層60側)の下側第2Ru合金層71は、積層方向における上側(キャップ層80側)の上側第2Ru合金層72と比較して、Ru含有量が相対的に少なく、X元素の含有量が相対的に多くなっている。下側第2Ru合金層71及び上側第2Ru合金層72の厚さや成膜方法は、下側第1Ru合金層31及び上側第1Ru合金層32の場合と同じとすることができる。
第4変形例にかかる磁気抵抗効果素子105は、第1Ru合金層30と第1強磁性層40との間に第1CoFeB層91が配置されていて、第2Ru合金層70を有し、第2Ru合金層70と第2強磁性層60との間に第2CoFeB層92が配置され、下側第1Ru合金層31は上側第1Ru合金層32と比較して、Ru含有量が相対的に多く、X元素の含有量が相対的に少なくなっていて、下側第2Ru合金層71は上側第2Ru合金層72と比較して、Ru含有量が相対的に小さく、X元素の含有量が相対的に多くなっているので、MR比がさらに向上する。
上記の磁気抵抗効果素子101~105は、様々な用途に用いることができる。磁気抵抗効果素子101~105は、例えば、磁気ヘッド、磁気センサ、磁気メモリ、高周波フィルタなどに適用できる。次に、磁気抵抗効果素子の適用例を、磁気抵抗効果素子として、磁気抵抗効果素子101を用いた場合を例にとって説明する。
図6は、適用例1にかかる磁気記録素子201の断面図である。図6は、積層方向に沿って磁気記録素子201を切断した断面図である。
図6に示すように、磁気記録素子201は、磁気ヘッドMHと磁気記録媒体Wとを有する。図6において、磁気記録媒体Wが延在する一方向をX方向とし、X方向と垂直な方向をY方向とする。XY面は、磁気記録媒体Wの主面と平行である。磁気記録媒体Wと磁気ヘッドMHとを結ぶ方向であって、XY平面に対して垂直な方向をZ方向とする。
磁気ヘッドMHは、エアベアリング面(Air Bearing Surface:媒体対向面)Sが磁気記録媒体Wの表面と対向している。磁気ヘッドMHは、磁気記録媒体Wから一定の距離で離れた位置にて、磁気記録媒体Wの表面に沿って、矢印+Xと矢印-Xの方向に移動する。磁気ヘッドMHは、磁気センサとして作用する磁気抵抗効果素子101と磁気記録部(不図示)とを有する。抵抗測定器220は、磁気抵抗効果素子101の積層方向の抵抗値を測定する。
磁気記録部は、磁気記録媒体Wの記録層W1に磁場を印加し、記録層W1の磁化の向きを決定する。すなわち、磁気記録部は、磁気記録媒体Wの磁気記録を行う。磁気抵抗効果素子101は、磁気記録部によって書き込まれた記録層W1の磁化の情報を読み取る。
磁気記録媒体Wは、記録層W1と裏打ち層W2とを有する。記録層W1は磁気記録を行う部分であり、裏打ち層W2は書込み用の磁束を再び磁気ヘッドMHに還流させる磁路(磁束の通路)である。記録層W1は、磁気情報を磁化の向きとして記録している。
磁気抵抗効果素子101の第2強磁性層60は、例えば、磁化自由層である。このため、エアベアリング面Sに露出した第2強磁性層60は、対向する磁気記録媒体Wの記録層W1に記録された磁化の影響を受ける。例えば、図6においては、記録層W1の+Z方向に向いた磁化の影響を受けて、第2強磁性層60の磁化の向きが+Z方向を向く。この場合、磁化固定層である第1強磁性層40と第2強磁性層60の磁化の向きが平行となる。
ここで、第1強磁性層40と第2強磁性層60の磁化の向きが平行の場合の抵抗と、第1強磁性層40と第2強磁性層60の磁化の向きが反平行の場合の抵抗とは異なる。平行の場合の抵抗値と反平行の場合の抵抗値の差が大きいほど、磁気抵抗効果素子101のMR比は大きくなる。本実施形態にかかる磁気抵抗効果素子101は、MR比が大きい。したがって、抵抗測定器220によって、記録層W1の磁化の情報を抵抗値変化として正確に読み出すことができる。
磁気ヘッドMHの磁気抵抗効果素子101の形状は特に制限はない。例えば、磁気抵抗効果素子101の第1強磁性層40に対する磁気記録媒体Wの漏れ磁場の影響を避けるために、第1強磁性層40を磁気記録媒体Wから離れた位置に設置してもよい。
図7は、適用例2にかかる磁気記録素子202の断面図である。図7は、積層方向に沿って磁気記録素子202を切断した断面図である。
図7に示すように、磁気記録素子202は、磁気抵抗効果素子101と電源230と測定部240とを有する。電源230は、磁気抵抗効果素子101の積層方向に電位差を与える。電源230は、例えば、直流電源である。測定部240は、磁気抵抗効果素子101の積層方向の抵抗値を測定する。
電源230により第1強磁性層40と第2強磁性層60との間に電位差が生じると、磁気抵抗効果素子101の積層方向に電流が流れる。電流は、第1強磁性層40を通過する際にスピン偏極し、スピン偏極電流となる。スピン偏極電流は、非磁性金属層50を介して、第2強磁性層60に至る。第2強磁性層60の磁化は、スピン偏極電流によるスピントランスファートルク(STT)を受けて磁化反転する。第1強磁性層40の磁化の向きと第2強磁性層60の磁化の向きとの相対角が変化することで、磁気抵抗効果素子101の積層方向の抵抗値が変化する。磁気抵抗効果素子101の積層方向の抵抗値は、測定部240で読み出される。すなわち、図7に示す磁気記録素子202は、スピントランスファートルク(STT)型の磁気記録素子である。
図8は、適用例3にかかる磁気記録素子203の断面図である。図8は、積層方向に沿って磁気記録素子203を切断した断面図である。図8に示す磁気抵抗効果素子101は、第1強磁性層40が磁化自由層であり、第2強磁性層60が磁化固定層である。
図8に示すように、磁気記録素子203は、第2下地層22がスピン軌道トルク配線wSOTとされている。第1下地層21と第2下地層22との間にスピン軌道トルク配線を配置してもよい。第2下地層22(スピン軌道トルク配線wSOT)は、面内方向の一方向に延びる。電源230は、第2下地層22の第1端と第2端とに接続されている。第1端と第2端とは、平面視で磁気抵抗効果素子101を挟む。電源230は、第2下地層22に沿って書き込み電流を流す。測定部240は、磁気抵抗効果素子101の積層方向の抵抗値を測定する。
電源230により第2下地層22の第1端と第2端との間に電位差を生み出すと、第2下地層22の面内方向に電流が流れる。第2下地層22は、電流が流れる際のスピンホール効果によってスピン流を発生させる機能を有する。第2下地層22は、例えば、電流が流れる際のスピンホール効果によってスピン流を発生させる機能を有する金属、合金、金属間化合物、金属硼化物、金属炭化物、金属珪化物、金属燐化物のいずれかを含む。例えば、第2下地層22は、最外殻にd電子又はf電子を有する原子番号39以上の原子番号を有する非磁性金属を含む。
第2下地層22の面内方向に電流が流れると、スピン軌道相互作用によりスピンホール効果が生じる。スピンホール効果は、移動するスピンが電流の流れ方向と直交する方向に曲げられる現象である。スピンホール効果は、スピン軌道トルク配線wSOT内にスピンの偏在を生み出し、第2下地層22の厚み方向にスピン流を誘起する。スピンは、スピン流によって第2下地層22から第1Ru合金層30を介して第1強磁性層40に注入される。
第1強磁性層40に注入されたスピンは、第1強磁性層40の磁化にスピン軌道トルク(SOT)を与える。第1強磁性層40は、スピン軌道トルク(SOT)を受けて、磁化反転する。第2強磁性層60の磁化の向きと第1強磁性層40の磁化の向きとの相対角が変化することで、磁気抵抗効果素子101の積層方向の抵抗値が変化する。磁気抵抗効果素子101の積層方向の抵抗値は、測定部240で読み出される。すなわち、図8に示す磁気記録素子203は、スピン軌道トルク(SOT)型の磁気記録素子である。
図9は、適用例4にかかる磁壁移動素子(磁壁移動型磁気記録素子)の断面図である。
磁壁移動素子204は、磁気抵抗効果素子101と第1磁化固定層251と第2磁化固定層252とを有する。下地層20及び第1Ru合金層30は、例えば、第1磁化固定層251と第2磁化固定層252との間にあり、第2強磁性層60と重なる位置にある。図9において、第1強磁性層40が延びる方向をX方向とし、X方向と垂直な方向をY方向とし、XY平面に対して垂直な方向をZ方向とする。
第1磁化固定層251及び第2磁化固定層252は、第1強磁性層40の第1端と第2端に接続されている。第1端と第2端は、X方向に第2強磁性層60及び非磁性金属層50を挟む。
第1強磁性層40は、内部の磁気的な状態の変化により情報を磁気記録可能な層である。第1強磁性層40は、内部に第1磁区MD1と第2磁区MD2とを有する。第1強磁性層40のうち第1磁化固定層251又は第2磁化固定層252とZ方向に重なる位置の磁化は、一方向に固定される。第1磁化固定層251とZ方向に重なる位置の磁化は例えば+Z方向に固定され、第2磁化固定層252とZ方向に重なる位置の磁化は例えば-Z方向に固定される。その結果、第1磁区MD1と第2磁区MD2との境界に磁壁DWが形成される。第1強磁性層40は、磁壁DWを内部に有するができる。図9に示す第1強磁性層40は、第1磁区MD1の磁化MMD1が+Z方向に配向し、第2磁区MD2の磁化MMD2が-Z方向に配向している。
磁壁移動素子204は、第1強磁性層40の磁壁DWの位置によって、データを多値又は連続的に記録できる。第1強磁性層40に記録されたデータは、読み出し電流を印加した際に、磁壁移動素子204の抵抗値変化として読み出される。
第1強磁性層40における第1磁区MD1と第2磁区MD2との比率は、磁壁DWが移動すると変化する。第2強磁性層60の磁化Mは、例えば、第1磁区MD1の磁化MMD1と同じ方向(平行)であり、第2磁区MD2の磁化MMD2と反対方向(反平行)である。磁壁DWが+X方向に移動し、Z方向からの平面視で第2強磁性層60と重畳する部分における第1磁区MD1の面積が広くなると、磁壁移動素子204の抵抗値は低くなる。反対に、磁壁DWが-X方向に移動し、Z方向からの平面視で第2強磁性層60と重畳する部分における第2磁区MD2の面積が広くなると、磁壁移動素子204の抵抗値は高くなる。
磁壁DWは、第1強磁性層40のX方向に書込み電流を流す、又は、外部磁場を印加することによって移動する。例えば、第1強磁性層40の+X方向に書込み電流(例えば、電流パルス)を印加すると、電子は電流と逆の-X方向に流れるため、磁壁DWは-X方向に移動する。第1磁区MD1から第2磁区MD2に向って電流が流れる場合、第2磁区MD2でスピン偏極した電子は、第1磁区MD1の磁化MMD1を磁化反転させる。第1磁区MD1の磁化MMD1が磁化反転することで、磁壁DWが-X方向に移動する。
図10は、適用例5にかかる高周波デバイス205の模式図である。図10に示すように、高周波デバイス205は、磁気抵抗効果素子101と直流電源260とインダクタ261とコンデンサ262と出力ポート263と配線264、265を有する。
配線264は、磁気抵抗効果素子101と出力ポート263とを繋ぐ。配線265は、配線264から分岐し、インダクタ261及び直流電源260を介し、グラウンドGへ至る。直流電源260、インダクタ261、コンデンサ262は、公知のものを用いることができる。インダクタ261は、電流の高周波成分をカットし、電流の不変成分を通す。コンデンサ262は、電流の高周波成分を通し、電流の不変成分をカットする。インダクタ261は高周波電流の流れを抑制したい部分に配設し、コンデンサ262は直流電流の流れを抑制したい部分に配設する。
磁気抵抗効果素子101に含まれる強磁性層に交流電流または交流磁場を印加すると、第1強磁性層40の磁化は歳差運動する。第1強磁性層40の磁化は、第1強磁性層40に印加される高周波電流又は高周波磁場の周波数が、第1強磁性層40の強磁性共鳴周波数の近傍の場合に強く振動し、第1強磁性層40の強磁性共鳴周波数から離れた周波数ではあまり振動しない。この現象を強磁性共鳴現象という。
磁気抵抗効果素子101の抵抗値は、第1強磁性層40の磁化の振動により変化する。直流電源260は、磁気抵抗効果素子101に直流電流を印加する。直流電流は、磁気抵抗効果素子101の積層方向に流れる。直流電流は、配線264、265、磁気抵抗効果素子101を通りグラウンドGへ流れる。磁気抵抗効果素子101の電位は、オームの法則に従い変化する。磁気抵抗効果素子101の電位の変化(抵抗値の変化)に応じて高周波信号が出力ポート263から出力される。
(実施例1-1~80、比較例1-1~48)
図1に示す磁気抵抗効果素子101を作製した。各層の構成は、以下のとおりとした。
基板10:熱酸化膜付シリコン単結晶基板、厚み0.625mm
下地層20:
第1下地層21:Cr層、厚み10nm
第2下地層22:Ag層、厚み100nm
第1Ru合金層30:Ruα1-α層(Xは、Be、B、Ti、Zr、Nb、Mo、Rh、In、Sn、Nd、Ta、W、Re、Os、Irであり、αは、1、0.95、0.90,0.80、0.75、0.60、0.50、0.25である。)、厚み5nm
第1強磁性層40:CoMnGe層、厚み10nm
非磁性金属層50:Ag層、厚み5nm
第2強磁性層60:CoMnGe層、厚み7nm
キャップ層80:Ru層、厚み5nm
磁気抵抗効果素子101は、下記の手順で作製した。
まず、熱酸化膜付シリコン単結晶基板の熱酸化膜上に、第1下地層21をスパッタリング法により成膜した。次いで、第1下地層21の上に第2下地層22(Ag層)をスパッタリング法により成膜して、下地層20を形成した。下地層20を形成した基板10を300℃で15分間加熱し、その後、室温まで放冷した。
放冷後、基板10に成膜した下地層20の上に第1Ru合金層30(Ruα1-α層)を、RuターゲットとX元素のターゲットを用いた共スパッタリング法により成膜した。第1Ru合金層30のX元素の含有量は、スパッタリング装置のスパッタンリング速度によって調整した。
次いで、第1Ru合金層30の上に、第1強磁性層40、非磁性金属層50、第2強磁性層60を、この順にスパッタリング法により成膜した。第2強磁性層60を成膜した基板10を、500℃で15分間加熱し、その後、室温まで放冷した。放冷後、第2強磁性層60の上に、キャップ層80(Ru層)を電子ビーム蒸着法により成膜した。
作製した磁気抵抗効果素子101のMR比を測定した。その結果を、下記の表1A~1D及び図11に示す。
MR比は、磁気抵抗効果素子101の積層方向に一定電流を流した状態で、外部から磁気抵抗効果素子101に磁場を掃引しながら磁気抵抗効果素子101への印加電圧を電圧計によってモニターすることにより、磁気抵抗効果素子101の抵抗値変化を測定した。第1強磁性層40と第2強磁性層60の磁化の向きが平行の場合の抵抗値と、第1強磁性層40と第2強磁性層60の磁化の向きが反平行の場合の抵抗値とを測定し、得られた抵抗値から下記の式より算出した。MR比の測定は、300K(室温)で行った。
MR比(%)=(RAP-R)/R×100
は、第1強磁性層40と第2強磁性層60の磁化の向きが平行の場合の抵抗値であり、RAPは、第1強磁性層40と第2強磁性層60の磁化の向きが反平行の場合の抵抗値である。
Figure 2023013057000002
Figure 2023013057000003
Figure 2023013057000004
Figure 2023013057000005
表1A~1D及び図11のグラフの結果から、第1強磁性層40及び第2強磁性層60がホイスラー合金を含み、第1Ru合金層30のRu合金が所定のX元素を本発明の範囲で含む実施例1-1~1-80の磁気抵抗効果素子101はMR比が向上することがわかる。MR比が向上した理由は必ずしも明確ではないが、X元素を本発明の範囲で含む第1Ru合金層30はhcp構造(六方最密充填構造)を有し、そのhcp構造の膜面と平行な[0001]面と表される等価な結晶面が主配向しているためであると考えられる。すなわち、MR比が向上した理由として、第1Ru合金層30がhcp構造を有することによって、第2下地層22と第1強磁性層40との間の原子相互拡散が抑制されることが考えられる。また、第2に、第1Ru合金層30が[0001]面と表される等価な結晶面に主配向することによって、第1Ru合金層30の上に形成される第1強磁性層40との格子整合が良好になるため、第1強磁性層40(ホイスラー合金)の結晶性が高まることが考えられる。
また、表1A~1D及び図11のグラフの結果から、X元素が、B、Ti、Zr、Nb、Mo、Rh、Ta、W、Re、OsおよびIrである場合にMR比が顕著に向上することがわかる。この理由としては、これらの元素は、第1強磁性層40のホイスラー合金に含まれる金属元素よりも融点が高いため、第2下地層22と第1強磁性層40との間の原子相互拡散がより抑制されるためであると考えられる。
(実施例2-1~55、比較例2-1~22)
第1強磁性層40を、CoFe(GaGe)層(厚み10nm)とし、第2強磁性層60を、CoFe(GaGe)層(厚み7nm)としたこと、第1Ru合金層30(Ruα1-α層)のXを、B、Ti、Zr、Nb、Mo、Rh、Ta、W、Re、Os、Irとし、αを、0.95、0.90、0.80、0.75、0.60、0.50、0.25としたこと以外は、実施例1-1~80と同様にして、磁気抵抗効果素子101を作製し、そのMR比を測定した。その結果を、下記の表2A~2C及び図12に示す。
Figure 2023013057000006
Figure 2023013057000007
Figure 2023013057000008
表2A~2C及び図12のグラフの結果から、第1強磁性層40及び第2強磁性層60に含まれるホイスラー合金がCoFe(GaGe)である場合であっても、第1Ru合金層30が所定のX元素を本発明の範囲で含む実施例2-1~2-55の磁気抵抗効果素子101はMR比が向上することが確認された。また、第1強磁性層40及び第2強磁性層60に含まれるホイスラー合金がCoFe(GaGe)である場合は、第1強磁性層40及び第2強磁性層60に含まれるホイスラー合金がCoMnGeである場合と比較してMR比が向上することが確認された。このMR比が向上する理由としては、Feを含んだCo基ホイスラー合金は比較的融点が高いため、第2下地層22と第1強磁性層40との間の原子相互拡散がより抑制されることが考えられる。
[実施例3-1~11]
実施例1-8、13、23、28、33、38、58、63、68、73、78において、第1Ru合金層30と第1強磁性層40との間に第1CoFeB層91(厚み1nm)を設けたこと以外は同様にして、磁気抵抗効果素子102を作製し、そのMR比を測定した。第1CoFeB層91は、スパッタリング法により成膜した。その結果を、下記の表3に示す。
Figure 2023013057000009
表3の結果から、第1Ru合金層30と第1強磁性層40との間に第1CoFeB層91を設けることによって、MR比が向上することが確認された。このMR比が向上する理由としては、第1Ru合金層30と第1強磁性層40との間に第1CoFeB層91を介在させることによって、第1Ru合金層30と第1強磁性層40との間の原子相互拡散が抑制されることが考えられる。
[実施例4-1~11]
第2強磁性層60の非磁性金属層50側とは反対側(キャップ層80側)に、第2Ru合金層70(厚み3nm)を設け、第2Ru合金層70と第2強磁性層60との間に第2CoFeB層92(厚み1nm)を配置したこと以外は、実施例3-1~11と同様にして、磁気抵抗効果素子103を作製し、そのMR比を測定した。第2Ru合金層70は、第1Ru合金層30と同様にして成膜し、第2CoFeB層92は、第1CoFeB層91と同様にして成膜した。その結果を、下記の表4に示す。
Figure 2023013057000010
表4の結果から、第2Ru合金層70を設け、第2Ru合金層70と第2強磁性層60との間に第2CoFeB層92を配置することによって、MR比が向上することが確認された。このMR比が向上する理由としては、第2Ru合金層70を設けることによって、第2強磁性層60とキャップ層80との間の原子相互拡散が抑制され、さらに、第2強磁性層60と第2Ru合金層70との間に第2CoFeB層92を介在させることによって、第2強磁性層60と第2Ru合金層70との間の原子相互拡散が抑制されることが考えられる。
[実施例5-1~11]
実施例1-8、13、23、28、33、38、58、63、68、73、78において、第1Ru合金層30を積層方向に組成が異なる2層構造の積層体とし、下側第1Ru合金層31(厚み3nm)の元素の含有量を10atm%とし、上側第1Ru合金層32(厚み2nm)の元素の含有量を30atm%としたこと以外は同様にして、磁気抵抗効果素子104を作製し、そのMR比を測定した。その結果を、下記の表5に示す。
Figure 2023013057000011
表5の結果から、第1強磁性層40側の上側第1Ru合金層32のX元素の含有量を多くすることによって、MR比が向上することが確認された。このMR比が向上する理由としては、上側第1Ru合金層32のX元素の含有量が多くなることによって、第1Ru合金層30と第1強磁性層40との間の格子不整合がより小さくなることが考えられる。
[実施例6-1~11]
実施例4-1~11において、第1Ru合金層30を積層方向に組成が異なる2層構造の積層体とし、下側第1Ru合金層31(厚み3nm)の元素の含有量を10atm%とし、上側第1Ru合金層32(厚み2nm)の元素の含有量を30atm%としたこと、第2Ru合金層70を積層方向に組成が異なる2層構造の積層体とし、下側第2Ru合金層71(厚み2nm)の元素の含有量を30atm%とし、上側第2Ru合金層72(厚み3nm)の元素の含有量を10atm%としたこと以外は同様にして、磁気抵抗効果素子105を作製し、そのMR比を測定した。その結果を、下記の表6に示す。
Figure 2023013057000012
表6の結果から、第1Ru合金層30と第1強磁性層40との間に第1CoFeB層91を配置し、第2Ru合金層70を有し、第2Ru合金層70と第2強磁性層60との間に第2CoFeB層92を配置し、第1Ru合金層30は第1強磁性層40側の上側第1Ru合金層32のX元素の含有量を多くし、第2Ru合金層70は第2強磁性層60側の下側第2Ru合金層71のX元素の含有量を多くすることによって、MR比がさらに向上することが確認された。
10…基板、20…下地層、21…第1下地層、22…第2下地層、30…第1Ru合金層、31…下側第1Ru合金層、32…上側第1Ru合金層、40…第1強磁性層、50…非磁性金属層、60…第2強磁性層、70…第2Ru合金層、71…下側第2Ru合金層、72…上側第2Ru合金層、80…キャップ層、91…第1CoFeB層、92…第2CoFeB層、101、102、103、104、105…磁気抵抗効果素子、201、202、203…磁気記録素子、204…磁壁移動素子、205…高周波デバイス、220…抵抗測定器、230…電源、240…測定部、251…第1磁化固定層、252…第2磁化固定層、260…直流電源、261…インダクタ、262…コンデンサ、263…出力ポート、264…配線、265…配線

Claims (13)

  1. 第1Ru合金層と、第1強磁性層と、非磁性金属層と、第2強磁性層と、をこの順に有し、
    前記第1Ru合金層は、下記の一般式(1)で表されるRu合金を1種以上含み、
    Ruα1-α・・・(1)
    ただし、前記一般式(1)において、Xは、Be、B、Ti、Y、Zr、Nb、Mo、Rh、In、Sn、La、Ce、Nd、Sm、Gd、Dy、Er、Ta、W、Re、Os、Irからなる群より選ばれる1種以上の元素を表し、αは、0.5<α<1を満足する数を表し、
    前記第1強磁性層は、ホイスラー合金を含み、
    前記第2強磁性層は、ホイスラー合金を含む、磁気抵抗効果素子。
  2. 前記一般式(1)の前記Xが、B、Ti、Zr、Nb、Mo、Rh、Ta、W、Re、OsおよびIrからなる群より選ばれる1種以上の元素を表す、請求項1に記載の磁気抵抗効果素子。
  3. 前記第1Ru合金層に含まれる前記Ru合金のRu含有量が、前記第1Ru合金層の面内方向又は積層方向に沿って変化している、請求項1または2に記載の磁気抵抗効果素子。
  4. 前記第1Ru合金層に含まれる前記Ru合金のRu含有量が、前記第1Ru合金層の積層方向に沿って連続的に変化している、請求項1~3のいずれか一項に記載の磁気抵抗効果素子。
  5. 前記第1Ru合金層に含まれる前記Ru合金のRu含有量が、前記第1Ru合金層の第1強磁性層側の表面から、前記第1Ru合金層の第1強磁性層側とは反対側の表面に向かって増加している、請求項1~4のいずれか一項に記載の磁気抵抗効果素子。
  6. 前記第1強磁性層に含まれる前記ホイスラー合金および前記第2強磁性層に含まれる前記ホイスラー合金のうち少なくとも一方は、下記の一般式(2)で表されるホイスラー合金を1種以上含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の磁気抵抗効果素子。
    Co(Fe1-β,M1β)M2・・・(2)
    ただし、前記一般式(2)において、M1は、MnもしくはTiを表し、M2は、Si、Al、Ga、GeおよびSnからなる群より選ばれる1種以上の元素を表し、βは、0≦β≦1を満足する数を表す。
  7. 前記ホイスラー合金は、CoFe(GaGe)、Co(MnFe)GeおよびCo(FeMn)(GaGe)からなる群より選ばれる1種以上の合金である、請求項6に記載の磁気抵抗効果素子。
  8. 前記第1強磁性層は前記一般式(2)で表されるホイスラー合金を含み、前記第1強磁性層の前記第1Ru合金層側の表面に含まれているホイスラー合金は、前記第1Ru合金層側とは反対側の表面に含まれているホイスラー合金と比較して、CoとFeの含有率が大きい、請求項6または7に記載の磁気抵抗効果素子。
  9. 前記第2強磁性層は前記一般式(2)で表されるホイスラー合金を含み、前記第2強磁性層の前記非磁性金属層側とは反対側の界面に含まれているホイスラー合金は、前記第2強磁性層の前記非磁性金属層側の界面に含まれているホイスラー合金と比較して、CoとFeの含有率が大きい、請求項6~8のいずれか一項に記載の磁気抵抗効果素子。
  10. 前記第1強磁性層と前記第1Ru合金層との間に、CoFeB層もしくはCoFe層を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の磁気抵抗効果素子。
  11. 前記第2強磁性層の前記非磁性金属層側とは反対側の表面に、第2Ru合金層を有し、前記第2Ru合金層は、前記一般式(1)で表されるRu合金を1種以上含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の磁気抵抗効果素子。
  12. 前記第2強磁性層と前記第2Ru合金層との間に、CoFeB層もしくはCoFe層を有する、請求項11に記載の磁気抵抗効果素子。
  13. 前記非磁性金属層は、AgまたはAg合金を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の磁気抵抗効果素子。
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