実施の形態1
図1は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器100がビルトインされる厨房家具1Aの全体を示す斜視図である。厨房家具1Aはシステムキッチンとも呼ばれ、その上面部であるキッチンカウンターX1(カウンタートップとも言う)には流し台を備えている。また、キッチンカウンターX1には加熱調理器100をビルトインするための図示しない設置口が設けられており、後述する加熱調理器100の筐体部120が厨房家具1A内に収容され、天板部110がキッチンカウンターX1の上面に載るように設置される。加熱調理器100は商用電源と接続され、電圧200Vで周波数50Hz又は60Hzの交流電力が供給される。
図2は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器100の外観斜視図である。加熱調理器100は、上面を構成する天板部110と厨房家具1A内に収容される筐体部120で構成されている。天板部110には、ネオセラムなどの結晶化ガラスやホウケイ酸ガラスなどの強化ガラスで構成されるトッププレート111と、トッププレート111の周囲を覆うように設けられる金属のフレーム112が設けられている。
トッププレート111の下面にはトッププレート111を支えるための図示しない金属の補強材があり、この金属の補強材はトッププレート111に調理器具の落下などで衝撃が加わった場合にトッププレート111が破損することを抑制するものである。
筐体部120の内部には、魚や肉など被加熱物を内部に収容して調理する図示しない加熱室が設けられている。加熱室は被加熱物を出し入れするために前面側が開口しており、その前面側の開口を閉塞するための加熱室扉50が設けられている。図示しないが、例えば被加熱物を載置する焼き網や、被加熱物を直接載置したり被加熱物を載置した焼き網を載置したりする受け皿は加熱室扉50に連結されており、加熱室扉50の開閉と連動して被加熱物の出し入れを行うことができる。
加熱室扉50の横には前面操作表示部150が設けられている。前面操作表示部150には、加熱室内で行う調理の設定を行うグリル操作部500と、加熱室内で行われている調理の状況等を表示する表示部400が設けられている。グリル操作部500と表示部400は後段で詳しく説明する。
図3は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器を上側から見た図である。加熱調理器100の天板部110には、被加熱物を載置する望ましい位置を示す円形の位置マーク10R、10L、10Cが設けられている。円形の位置マーク10R、10L、10Cはトッププレート111の被加熱物を載置する面の裏面側に印刷されており、トッププレート111を透過して表側に見えている。
それぞれの円形の位置マーク10R、10L、10Cの直下には、鍋などの被加熱物を加熱するための図5に示す右加熱部140B(第3の加熱手段)、左加熱部140A(第1の加熱手段)、中央加熱部140C(右加熱部140B、左加熱部140A、中央加熱部140Cを総称して上面加熱部140とする場合がある。)がそれぞれ設けられている。各加熱部の加熱源は、例えば鍋などの被加熱物を誘導加熱する誘導加熱コイル(以下、「IHコイル」という)で構成されている。位置マーク10R、10L、10Cは、IHコイルによって誘導加熱できる目安の範囲を表示しており、当該IHコイルの最大外径よりも少し大きな直径で描かれている。
本発明の実施の形態では位置マーク10R、10L、10Cを円形で表した例で説明したが、位置マーク10R、10L、10Cは、使用者に被加熱物が誘導加熱できる範囲を理解させることができればよいので円形である必要はない。例えば、被加熱物を載置する望ましい位置の中心点だけを、図形や「+」のような記号、あるいは文字で示しても良い。
また、全ての加熱部がIHコイルで構成されていなければならない訳ではないので、加熱部の内、何れか1つ、例えば中央加熱部をラジエントヒーターや赤外線ヒーター等の輻射式の加熱源に代えても良い。
右加熱部140Bと左加熱部140Aには、加熱された被加熱物が放射する赤外線を検知することで被加熱物の温度を測定するための温度検知部(図示せず)が設けられている。温度検知部は、被加熱物が放射してトッププレート111を透過した赤外線を検知している。トッププレート111は赤外線を透過しやすいものであることが望ましく、トッププレート111に位置マーク10R、10Lが印刷されている範囲において、その下方に温度検知部が配置されている箇所には、印刷がされていない赤外線が透過可能な赤外線透過窓11R、11Lが設けられている。
また、右加熱部140Bと左加熱部140Aには赤外線を検知して非接触で被加熱物の温度を検知する温度検知部の他に、トッププレート111に伝わる被加熱物の熱を、トッププレート111の裏面側に接触させて検知する温度検知部(図示せず)も設けられている。非接触式の温度検知部と接触式の温度検知部の数や組合せは、適宜選択可能である。なお、中央加熱部140Cには接触させて検知する温度検知部(図示せず)のみ設けられている。
天板部110の後方にはフレーム後方部113があり、フレーム後方部113には、本体内部の冷却風、又は、加熱室内の油煙等を排気するための排気口12R、12Lが設けられている。排気口12R、12Lにはスリットが設けられており、調理中の食材などが落ちにくくなっている。排気口12R、12Lの形状は格子形状でもよく、また、排気口12L、12Lのスリット、又は、格子はフレーム後方部113と別部品で取り外し可能になっていてもよい。
天板部110の前方には上面加熱部140の加熱状態や加熱調理器100の設定状況などを表示する上面表示部200と、上面加熱部140の加熱操作や加熱調理器100の設定変更操作などを行う、上面操作部300が設けられている。
図4は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器を前側から見た図である。厨房家具1AのキッチンカウンターX1の上部には天板部110があり、キッチンカウンターX1の下部には、図示しない加熱室の前面側の開口を閉塞するための加熱室扉50と前面操作表示部150が設けられている。
加熱室扉50は前面板55と取っ手53とで構成され、前面板55にはのぞき窓54が設けられている。のぞき窓54は、加熱室内の被加熱物の調理状況などが確認できるように、加熱室の内部が見えるようにしたものである。
加熱室扉50の取っ手53に手を掛け、前方に引き出すように移動させると、加熱室扉50の移動に連動して被加熱物や焼き網を載置する図示しない受け皿が加熱室の前側の開口から外へ引き出される。
加熱室内で被加熱物を調理するときは、受け皿を引き出し、その受け皿に被加熱物を直接載置、あるいは受け皿に焼き網を載置し、その焼き網に被加熱物を載置して、加熱室扉50を後方に移動させると受け皿が加熱室に収容され、加熱室扉50で加熱室の前面側の開口が閉塞され調理が可能な状態となる。
加熱室扉50により加熱室の前面側の開口が閉塞されているか、閉塞されていないか、言い換えると加熱室扉50が閉じているか、閉じていないかは、筐体部120に設けられている加熱室扉開閉検知手段(図5参照)により検知され、加熱室扉50が閉じていることが検知されると調理が可能な状態となる。
加熱室内の上部と下部には、加熱室加熱手段195(図5参照)として、シーズヒーターあるいはネオセラムなどのガラス管ヒーターのような輻射式の加熱源である上ヒーター195A(図5参照)、下ヒーター195B(図5参照)が被加熱物を挟むように配置されている。輻射式の加熱源は加熱室内部に設けられるだけでなく、加熱室の上面と下面の外部に面状ヒーターを取付けるようにしてもよい。
また、加熱室加熱手段195(図5参照)は上下同じ構成のものではなくてもよく、例えば上部には輻射式の加熱源を設け、下面はIHコイルで誘導加熱するようにしてもよい。さらに、加熱室内にマイクロ波を供給し被加熱物を高周波加熱するようにしてもよい。
前面操作表示部150は使用していないときは筐体部120内に収容されている。前面操作表示部150が取付けられている前面操作表示部支持部材160は、下部側が筐体部120内で回動可能に軸支されていて、下部側の軸を中心に上部側が規制されている位置まで前方に回動するようになっている。
前面操作表示部150は筐体部120内に収容されているときはロックされている。その状態から図4に示す押し込み部161を押して更に筐体部120方向へ押し込むとロックが外れ、前方への回動方向へ付勢する図示しない付勢手段により前面操作表示部支持部材160の上部側が規制されている位置まで前方に回動すると、前面操作表示部150が筐体部120外へ出現し、操作が可能となる。
図6は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の上面表示部と上面操作部の拡大図である。上面表示部200には、左加熱部140Aに対応する左表示部201L(第1の表示部)、右加熱部140Bに対応する右表示部201R(第3の表示部)、中央加熱部に対応する中央表示部201Cが設けられており、それぞれの加熱部に1対1で対応する表示部を有している。
左加熱部140Aに対応する左表示部201L(第1の表示部)を一例として説明すると、左加熱部140Aの加熱の状態や設定値などを表示する加熱状態表示エリア220と後述する操作部のキーの役割を示すキー機能表示エリア221に分けて表示される。図示しないが、右表示部201R、中央表示部201Cも同様に加熱状態表示エリアとキー機能表示エリアに分けて表示されるようになっている。
上面表示部200の右部には、電源表示部210と高温表示部211がある。電源表示部210は、電源が入っていないときには「電源」の文字が消灯している。電源表示部210の下方にある電源キー320を操作して電源を入れると「電源」の文字が点灯する。電源の文字は消灯しているときに読めるようになっていてもよいが、消灯しているときは周りのベース色と同化して見えなくなるようにしてあってもよく、消灯しているときに見えないほうが、デザイン性が高くなる。
なお、この発明の実施の形態では「電源」と文字で表しているが、必ずしも文字である必要はなく、電源の切入の状態を分からせることができるものであれば図形などでも良く、また、単にLEDなどを点灯、消灯するようにしてあってもよい。
上面操作部300には左加熱部140Aの加熱条件などの設定を行う左操作部301L(第1の操作部)、右加熱部140Bの加熱条件などの設定を行う右操作部301R(第3の操作部)、中央加熱部140Cの加熱条件などの設定を行う中央操作部301Cが設けられており、それぞれの加熱部に1対1で対応する操作部を有している。
各操作部は複数の操作キーを有しており、左加熱部140Aの加熱条件などの設定を行う左操作部301L(第1の操作部)を一例として説明すると、左操作部301Lには、左加熱部140AのIHコイルの通電を停止したり通電を行ったりするための左切入キー311L、左加熱部140AのIHコイルの火力設定時に火力設定を上げたりするための左UPキー312L、左加熱部140AのIHコイルの火力定時に火力設定を下げたりするための左DOWNキー313L、左IHコイルの火力設定やタイマー設定のように、左表示部201Lのキー機能表示エリア221に表示される機能を切り換える左機能キー314Lがある。
同様に、右操作部301Rには、右IHコイルの通電を停止したり通電を行ったりするための右切入キー311R、右加熱部140BのIHコイルの火力設定時に火力設定を上げたりするための右UPキー312R、右加熱部140BのIHコイルの火力定時に火力設定を下げたりするための右DOWNキー313R、右加熱部140BのIHコイルの火力設定やタイマー設定のように、右表示部201Lの図示しないキー機能表示エリアに表示される機能を切り換える右機能キー314Rがある。
また、中央操作部301Cには、中央加熱部140CのIHコイルの通電を停止したり通電を行ったりするための中央切入キー311C、中央加熱部140CのIHコイルの火力設定時に火力設定を上げたりするための中央UPキー312C、中央加熱部140CのIHコイルの火力定時に火力設定を下げたりするための中央DOWNキー313C、中央加熱部140CのIHコイルの火力設定やタイマー設定のように、中央表示部201Cの図示しないキー機能表示エリアに表示される機能を切り換える中央機能キー314Cがある。
図6に示すように左切入キー311L、左UPキー312L、左DOWNキー313L、左機能キー314Lは枠線で囲まれており、キーとキーの境目には線で示された境目表示232が設けられている。左UPキー312Lと左DOWNキー313Lは加熱の火力を上げたり下げたりと機能としては同じ範疇であるので分ける必要はないが、キーとしての境目が分かるように間に線が入っている。
前述したキー機能表示エリア221は、関連するキーの機能を表示しており、「取り消し」が表示されているときに左機能キー314Lを操作すると入力内容を取り消すことができる。同じように「スタート」が表示されているときに左切入キー311Lを操作すると入力された加熱条件で加熱が開始される。キー機能表示エリア221の境目表示232と同一直線状で重なる位置に境目表示231が表示されていて、キー機能表示と関連するキーの関係性を明確にして使用者に分かりやすくしている。
なお、図示していないが右表示部201R、中央表示部201Cも同様に加熱状態表示エリアとキー機能表示エリアに分けて表示されるようになっていて、境目表示もされるようになっている。
前述したように、電源表示部210の下方にある、加熱調理器100の電源を入れたり切ったりするための電源キー320は、上面操作部300から見ると、その右部に設けられている。
それぞれのキーの構造は特定の構造に限定されるものではなく、静電容量の変化から入力を検知する静電容量式スイッチでもよいし、スイッチを機械的に押し込んだ時に接点が接触することで入力を検知する機械式スイッチでもよい。また、静電容量式スイッチと機械式スイッチを部位で使い分けるようにしてもよい。
加熱調理器100には図5に示すように、上面操作部300の各操作部の操作によって加熱条件の設定や変更などを音声やブザー音で報知する報知部600も設けられており、表示と合せて設定が完了したり、変更が完了したりしたことを報知して、使用者に認知させる効果を向上させている。
それぞれの加熱部のIHコイルの位置マークと表示部と操作部は、操作のしやすさや確認のしやすさを考慮して配置されることが望ましい。例えば、図3に示すように左加熱部140AのIHコイルの位置マーク10Lの円の中心と、左表示部201Lの左右方向の中心と、左操作部301Lの左右方向の中心が前側から見て直線上に配置されることで、左表示部201Lと左操作部301Lが左加熱部140AのIHコイルに関係していることが使用者に直感的に理解でき、操作のしやすさや確認のしやすさにつながっている。
同様に、右加熱部140BのIHコイルの位置マーク10Rの円の中心と、右表示部201Rの左右方向の中心と、右操作部301Rの左右方向の中心が前側から見て直線上に配置され、中央加熱部140CのIHコイルの位置マーク10Cの円の中心と、中央表示部201Cの左右方向の中心と、中央操作部301Cの左右方向の中心が前側から見て直線上に配置されていて、使用者に直感的に理解でき、操作のしやすさや確認のしやすさにつながっている。
高温表示部211は、何れかの加熱部のIHコイルあるいは加熱室が加熱を開始すると「高温注意」の文字が点灯するようになっており、何れかの加熱部のIHコイルが加熱されたときは加熱が完了した後、天板部110、特にトッププレート111の温度がトッププレート111の裏面側に接触させて検知する温度検知部によって、例えば50℃以下になったら「高温注意」の文字が消灯するようになっている。高温表示部211は安全のため、温度が50℃以下に下がっていないうちに電源キー320により電源を切られても、温度が50℃以下に下がるまでは「高温注意」の文字が点灯するようになっている。
なお、この発明の実施の形態では「高温注意」と文字で表しているが、必ずしも文字である必要はなく、天板部110、特にトッププレート111や加熱室が高温である状態を分からせることができるものであれば図形などでも良く、また、単にLEDなどを点灯、消灯するようにしてあってもよい。
また、この発明の実施の形態では一例として左操作部301Lの左切入キー311L、左UPキー312L、左DOWNキー313L、左機能キー314Lが枠線で囲まれているものとして説明したが、必ずしもキーが枠線で囲まれていなければならない訳ではなく、枠線で囲まれていなくてもキーの存在が明確にできればよい。
図7は本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の他の例の上面表示部と上面操作部の拡大図である。この例では左操作部301Lの各キーは枠線で囲まれておらず、隣り合ったキーの間に境目表示が設けられており、左切入キー311Lと左UPキー312Lの間、及び左DOWNキー313Lと左機能キー314Lの間のキー境目表示331は、左UPキー312Lと左DOWNキー313Lの間の境目表示332より線が長くなっている。
このようにして、キー機能として同様の意味を持つキーとキーの間のキー境目表示332は境目表示331よりも目立たなくし、キー機能として異なる意味を持つキーとキーの間のキー境目表示331は境目表示332よりも目立つ表示にすることで、使用者に分かりやすくしている。
キー機能表示エリア221には、前述した一例と同様に関連するキーの機能を表示しており、「取り消し」が表示されているときに左機能キー314Lを操作すると入力内容を取り消すことができる。同じように「スタート」が表示されているときに左切入キー311Lを操作すると入力された加熱条件で加熱が開始される。キー機能表示エリア221の境目表示331と同一直線状で重なる位置に境目表示231が表示されていて、キー機能表示と関連するキーの関係性を明確にして使用者に分かりやすくしている。図示しないが、右操作部301Rと右表示部201R、中央操作部301Cと中央表示部201Cも同様の関係である。
図7に示す他の例では図6に示す例と異なり、高温状態であることを使用者に注意喚起するための「高温注意」という専用の表示部を有していない。但し、安全性を考慮すると高温状態であることを使用者に注意喚起する報知は行う必要があるため、「高温注意」という専用の表示部の代わりに、右表示部201Rあるいは中央表示部201Cを使用して「高温注意」を表示させて使用者に注意喚起するようにしてもよい。
図8は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の上部操作部の操作に対応した上面表示部の表示状態の遷移図である。ここでは本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の、例えば左加熱部140A(第1の加熱手段)のIHコイルを使用して加熱するときに上面操作部300の左操作部301L(図8では省略、図6参照)を操作した結果を表示する上面表示部200の左表示部201Lの表示状態の遷移を一例として説明する。
電源が入っていないときは、図8(a)に示すように左表示部201Lには何も表示されていない。この状態から電源キー320(図6参照)を操作し加熱調理器100の電源を入れると、電源表示部210(図6参照)が点灯し、左表示部201Lには図8(b)に示す初期画面が表示される。図示していないが右表示部201R(図6参照)と中央表示部201L(図6参照)にも同様の初期画面が表示される。
図8(b)に示す初期画面の状態で、左UPキー312L(図6参照)、又は、左DOWNキー313L(図6参照)を操作、入力すると、左表示部201Lの表示が図8(b)に示す初期画面から図8(c)に示すモード選択画面に切り換わる。
図8(b)に示す初期画面の状態では、キー機能表示エリア221に左UPキー312L(図6参照)、及び左DOWNキー313L(図6参照)に対応する表示だけが出ており、左操作部301L(図6参照)で操作が有効、入力を受付ける状態のキーは、左UPキー312L(図6参照)、又は、左DOWNキー313L(図6参照)ということが使用者に分かるようになっている。
つまり、キーに対応した表示が出ていないキーは操作が無効、入力を受付けない状態のキーであり、図8(b)に示す初期画面の状態では、キー機能表示エリア221に左切入キー311L(図6参照)と左機能キー314L(図6参照)に対応する表示は出ていないので、左切入キー311L(図6参照)と左機能キー314L(図6参照)の操作は無効、入力を受付けない。よって、このときに左切入キー311L(図6参照)あるいは左機能キー314L(図6参照)を操作しても入力を受付けないので表示が変化することはない。
左表示部201Lの表示が図8(b)に示す初期画面から図8(c)に示すモード選択画面に切り換わったときに、基準のモードが加熱状態表示エリア220の中央に表示される。なお、ここでいうモード選択のモードとは「加熱」、「揚げ物」といった調理の項目や、加熱調理器100の「設定」の項目のことをいう。ここでは一例として「加熱」が表示されている。
選択されたモードは、中央で黒地に白抜き文字で表示される。選択されて中央に表示されたモードの両隣には選択可能なモードが表示されている。ここでは、例えば右隣に「揚げ物」、左隣に「設定」が表示されている。
「揚げ物」や「設定」の表示は白地に黒文字で表示されており、この白地に黒文字の表示が通常の表示形態であるのに対し、選択されて中央に表示された「加熱」は黒地に白抜き文字で表示、つまり、通常の表示形態に対し反転した表示状態となっており、選択されたモードであることを強調した表示になっている。また、両隣に表示された選択可能なモードに比べ、選択されたモードは文字が大きく表示されていて、反転した表示と合わせて選択されたモードであることを強調した表示になっている。
図8(c)に示すモード選択画面で、「加熱」が選択されて中央に表示されている状態から、例えば、左UPキー312L(図6参照)を操作すると、右隣に表示されている「揚げ物」が選択され、図示しないが、中央の表示が黒地に白抜き文字の「揚げ物」に変わる。「揚げ物」の文字の大きさも、右隣に表示されていたときよりも大きく表示される。
「揚げ物」が選択されて中央に表示されると、図示しないが、それまで中央に表示されていた「加熱」は、「揚げ物」の左隣に白地に黒文字で表示され、文字の大きさは選択されているモードの「揚げ物」よりも小さく表示される。
同様に「加熱」が選択されて中央に表示されている状態から、左DOWNキー313L(図6参照)を操作すると、左隣に表示されている「設定」が選択され、図示しないが、中央の表示が黒地に白抜き文字の「設定」に変わる。「設定」の文字の大きさも、左隣に表示されていたときよりも大きく表示される。「設定」モードでは、機器の最大電力の設定の変更や音声の音量の変更などの機器の設定を変更することができる。
図8(c)に示すモード選択画面では、左機能キー314L(図6参照)に対応するキー機能表示エリア221には「取り消し」が表示されている。つまり、図8(c)に示すモード選択画面では、左機能キー314L(図6参照)には「取り消し」機能が割り当てられているので、このときに左機能キー314L(図6参照)を操作すると図8(b)に示す初期画面の状態に戻すことができる。
図8(c)に示すモード選択画面では、左切入キー311L(図6参照)に対応するキー機能表示エリア221には「スタート」が表示されている。この状態から左切入キー311L(図6参照)を操作すると選択中のモード、ここでは「加熱」を開始することができる。
左切入キー311L(図6参照)を操作して「加熱」を開始すると、図8(d)の加熱画面が表示される。加熱中の火力設定(ここでは「火力4」)は加熱状態表示エリア220の中央に表示され、加熱状態表示エリア220の右側には動作中のモードである「加熱」が表示される。
このとき、左切入キー311L(図6参照)に対応するキー機能表示エリア221には「切」が表示されているので、左切入キー311L(図6参照)を操作すると「加熱」が停止され図8(b)の初期画面の状態に戻すことができる。
図8(d)の加熱画面で左機能キー314L(図6参照)を入力すると図8(e)の切タイマー設定画面が表示され、切タイマーの時間を設定することができるようになる。図8(e)の切タイマー設定画面では切タイマーの設定時間が加熱状態表示エリア220の中央に表示され、左UPキー312L(図6参照)で設定時間を増やすことができ、左DOWNキー313L(図6参照)で設定時間を減らすことができる。左機能キー314L(図6参照)を入力すると加熱状態表示エリア220の中央に表示されている設定時間を確定し、図8(f)の切タイマーあり加熱画面を表示することができる。
切タイマーの時間を設定していて切タイマーの設定時間が加熱状態表示エリア220の中央に表示されているときには、加熱中の火力設定(ここでは「火力4」)は、加熱状態表示エリア220の右側に「加熱」状態を表す「加熱」の表示といっしょに「火力4」が表示されている。初期設定の「火力4」は、右UPキー312R(図6参照)、右DOWNキー313R(図6参照)で「火力5」にしたり、「火力3」にしたり変更することができる。
図8(f)の切タイマーあり加熱画面では加熱状態表示エリア220の中央に加熱中の火力設定(ここでは「火力4」)が表示され、加熱状態表示エリア220の右側には動作中のモードである「加熱」が表示され、加熱状態表示エリア220の左側には切タイマーの設定時間が表示される。
切タイマーを設定してから「加熱」が進行すると、切タイマーの設定された時間からカウントダウンを行い、カウントダウンされた時間に表示が変わる。つまり、タイマーの残り時間に応じて時間表示が変わるようになっている。切タイマーの残り時間が「0」になったら加熱を停止し、図8(b)の初期画面の表示に戻る。
図8(c)のモード選択画面では「加熱」モードの他に、図示されている「揚げ物」、「設定」、図示されていない「焼き物」、「連携」などがあり、「揚げ物」と「焼き物」では設定温度を設定することで、自動的に火力をコントロールし被加熱物の温度を設定した温度に保つことができる。
図9は本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の前面表示操作部の要部拡大図である。前面操作表示部150の左上部には表示部400(第2の表示部)がある。表示部400(第2の表示部)の表示範囲の上部には調理方法を表示する調理方法表示エリア401と、調理メニューを表示する調理メニュー表示エリア402と、調理の設定内容を表示する調理設定表示エリア403がある。
なお、図9において調理方法表示エリア401の表示は、便宜上、選択可能な調理方法である「自動」、「グリル」、「オーブン」、「連携」の全ての調理方法が表示されたものになっているが、本来は選択中又は設定中の調理方法のみが表示され、選択していない又は設定していない調理方法は表示されない。例えば「自動」が表示されているときは、「グリル」、「オーブン」、「連携」は表示されていない。
同様に、図9において調理メニュー表示エリア402の表示は、便宜上、選択可能な調理メニューである「切身」、「姿焼き」、「とり焼き」、「トースト」、「温めなおし」、「アクアパッツァ」、「カツ煮」、「あんかけ」の全ての調理メニューが表示されたものになっているが、本来は選択中又は設定中の調理方法のみが表示され、選択していない又は設定していない調理方法は表示されない。例えば「切身」が表示されているときは、「姿焼き」、「とり焼き」、「トースト」、「温めなおし」、「アクアパッツア」、「カツ煮」、「あんかけ」は表示されていない。
前面操作表示部150の表示部400の下部には加熱室の調理設定を行うためのグリル操作部500(第2の操作部)がある。グリル操作部500(第2の操作部)にはタイマーキー501、グリルDOWNキー502、グリルUPキー503、メニューキー504、スタートキー505がある。
加熱室で調理を行うときは、メニューキー504を入力することで調理方法を選択することができる。例えば、図示しないがメニューキー504を1回入力するごとに「自動」→「グリル」→「オーブン」→「連携」→「取り消し」→「自動」という順番で繰り返し調理方法が調理方法表示エリア401に表示されるので、所望の調理方法及び取り消しを表示させて選択することができる。
選択された調理方法によって選択できる調理メニューが異なる場合があり、「自動」調理では「切身」、「姿焼き」、「とり焼き」、「トースト」、「温めなおし」から選択することができる。また「連携」調理では「アクアパッツァ」、「カツ煮」、「あんかけ」から選択することができる。さらに、前面操作表示部150と上面操作部300では「連携」調理で異なる調理メニューが選択できるが、これについては後段で説明する。
前面操作表示部150のメニューキー504で「自動」調理を選択すると、グリルDOWNキー502またはグリルUPキー503を操作、入力することにより、調理メニュー表示エリア402に表示される調理メニューの内、「切身」、「姿焼き」、「とり焼き」、「トースト」、「温めなおし」を選択することができる。前述のように選択可能な調理メニューの内、選択されている、あるいは設定された調理メニューだけが調理メニュー表示エリア402に表示される。例えば「切身」が表示されているときにグリルUPキー503を1回操作、入力すると「切身」の表示が消え、「姿焼き」が表示される。
続けてグリルUPキー503を1回操作、入力すると「姿焼き」の表示が消え、「とり焼き」が表示され、さらに続けてグリルUPキー503を1回操作、入力すると「とり焼き」の表示が消え、「トースト」が表示される、というようにグリルUPキー503を操作、入力するたびに選択された調理メニューが表示される。「トースト」が表示されている状態からグリルDOWNキー502を1回操作、入力すると「トースト」の表示が消え、「とり焼き」の表示に戻るようになっている。
同様に「連携」調理を選択すると、グリルDOWNキー502またはグリルUPキー503を操作、入力することにより、調理メニュー表示エリア402に表示される調理メニューの内、「アクアパッツァ」、「カツ煮」、「あんかけ」を選択することができる。前述のように選択可能な調理メニューの内、選択されている、あるいは設定された調理メニューだけが調理メニュー表示エリア402に表示される。例えば「アクアパッツァ」が表示されているときにグリルUPキー503を1回操作、入力すると「アクアパッツァ」の表示が消え、「カツ煮」が表示される。
続けてグリルUPキー503を1回操作、入力すると「カツ煮」の表示が消え、「あんかけ」が表示される、というようにグリルUPキー503を操作、入力するたびに選択された調理メニューが表示される。「あんかけ」が表示されている状態からグリルDOWNキー502を1回操作、入力すると「あんかけ」の表示が消え、「カツ煮」の表示に戻るようになっている。
なお、ここでいう「連携」調理とは、天板部110の位置マーク10R、10L、10Cの何れかに被加熱物を載置して上面加熱部140の何れかのIHコイルで誘導加熱により加熱を行う調理と、被加熱物を加熱室内に収容して加熱を行う調理を関連付けて行う調理のことである。例えば、天板部110の上面加熱部140の何れかのIHコイルでフライパンに入れた肉や魚の表面に焼き目を付けた後、その肉や魚を加熱室内に収容して内部まで加熱するような調理である。
「自動」調理、あるいは「連携」調理で所望の調理メニューを選択、表示させた状態でスタートキー505を操作、入力すると、選択した調理メニューによる調理を開始することができる。なお、本発明の実施の形態の図9に示した調理メニューは一例であり、これに限定されるものではなく、他の調理メニューを選択できるようにしてもよい。
また、選択できる調理メニューの数も図9に示したものに限定されるものではなく、さらに多くの調理メニューを選択できるようにしてもよい。調理メニューの選択肢を増やすことで、より使用者の使い勝手が向上する。
前面操作表示部150のメニューキー504で「グリル」調理を選択すると、グリルDOWNキー502またはグリルUPキー503を操作、入力することにより火力の選択ができる。火力は、例えば「弱」、「中」、「強」の3段階に設定されており、使用者が自由に選択することができる。
選択された火力は、調理設定表示エリア403に表示される。図9では説明の便宜上、3段階全ての火力が表示されているが、本来は選択中又は設定中の火力のみが表示され、選択していない又は設定していない火力は表示されない。例えば「弱」が表示されているときは、「中」、「強」は表示されていない。
「弱」が表示されている状態からグリルUPキー503を1回操作、入力すると「弱」の表示が消え、「中」が表示され、さらに続けてグリルUPキー503を1回操作、入力すると「中」の表示が消え、「強」が表示される、というようにグリルUPキー503を操作、入力するたびに選択された火力が表示される。
「強」が表示されている状態からグリルDOWNキー502を1回操作、入力すると「強」の表示が消え、「中」の表示に戻るようになっている。「グリル」調理で所望の火力を選択、表示させた状態でスタートキー505を操作、入力すると、選択した火力による「グリル」調理を開始することができる。
なお、本発明の実施の形態の図9に示した火力は、3段階に設定したものであるが、これに限定されるものではなく、「弱」と「中」の間、「中」と「強」の間に中間火力を設定し5段階にしてもよく、さらに細かく火力設定できるようにしてもよく、火力設定をより細かくしてやれば、使用者が火力の微調整を行いやすくなり、使い勝手が向上する。
また、本発明の実施の形態の図9に示した火力は「弱」、「中」、「強」と表示するようにしたが、これに限定されるものではなく、数字や図形等で火力の大きさを表現するようにしてもよい。
前面操作表示部150のメニューキー504で「オーブン」調理を選択すると、グリルDOWNキー502またはグリルUPキー503を操作、入力することにより調理温度の設定ができる。調理温度は「40℃」から「280℃」まで20℃間隔で設定でき、選択中の調理温度は調理設定エリア403に表示される。
例えば、図9の調理設定エリア403に「200℃」の調理温度が表示された状態からグリルUPキー503を1回操作、入力すると、「220℃」が表示され調理温度が「220℃」の設定となる。
さらにグリルUPキー503を1回操作、入力すると、「240℃」が表示され調理温度が「240℃」の設定となり、グリルUPキー503を1回操作、入力する毎に「280℃」まで「20℃」ずつ調理温度を上げていくことができる。
「240℃」の調理温度が表示された状態からグリルDOWNキー502を1回操作、入力すると「220℃」が表示され調理温度が「20℃」下がった「220℃」の設定となる。「オーブン」調理で所望の調理温度を選択、表示させた状態でスタートキー505を操作、入力すると、選択した調理温度による「オーブン」調理を開始することができる。
なお、本発明の実施の形態では、調理温度は「40℃」から「280℃」まで20℃間隔で設定できるものを一例として説明したが、これに限定されるものではなく「50℃」から「250℃」のように温度範囲を狭くしても、「30℃」から「300℃」のように温度範囲を広くしてもよく、設定する温度の間隔も20℃間隔ではなく10℃間隔で細かく設定するようにしてもよく、適宜選択可能である。
「グリル」調理と「オーブン」調理では調理を終了させる時間を設定することができる。調理を終了させる時間は、例えば「1分」から「25分」の間で、1分間隔で設定できるようになっていて、設定された時間は調理設定エリア403に表示される。
タイマーキー501を操作、入力すると調理終了時間設定モードになり、グリルDOWNキー502またはグリルUPキー503を操作、入力することで調理を行う時間の設定を変更することができる。
例えば、図9の調理設定エリア403に「残15分」と表示された状態からグリルUPキー503を1回操作、入力すると表示が「残16分」となり、調理を終了させる時間が16分となる。同様に、「残15分」と表示された状態からグリルDOWNキー502を1回操作、入力すると表示が「残14分」となり、調理を終了させる時間が14分となる。
調理を終了させる時間の表示には後述するカウントタイマーと区別するために「残15分」のように時間の前に「残」という表示をしている。この「残」という表示は残り時間という意味であり、「残15分」とは、設定された調理を終了させる時間の残り時間は15分であるということを表している。
調理を終了させる時間が確定していない設定中は、例えば、「残15分」が点滅表示され、調理を終了させる時間が確定した後は表示が点滅から点灯に変わり、カウントダウンが開始される。調理を終了させる時間を確定させるには、例えば、「残15分」が点滅表示されているときにタイマーキー501を操作、入力すると調理を終了させる時間が確定する。
タイマーキー501を操作、入力しなくても、例えば、「残15分」が点滅表示されてから次の操作がなされないときに、あらかじめ決められた時間が経過したら調理を終了させる時間を確定させるようにしてもよい。
調理を終了させる時間のカウントダウンが0になると調理が終了する。表示されている調理を終了させる時間がカウントダウンしたら音声などで報知するようにしてもよい。例えば、残り10分と残り5分では報知する音声等を異なるようにすれば、使用者が別の用事で加熱調理器100から離れたときでもカウントダウンの状況を知らせることができる。カウントダウンの途中で調理を終了させたい場合は、スタートキー505を操作、入力することで加熱を終了させることができる。
その他の操作キーとして、前面操作表示部150の右上部には、加熱調理器100と連動して換気を行う別体の換気扇機器の操作を行うための換気扇切キー511と換気扇風量キー512がある。換気扇機器を駆動又は風量を変更する場合は換気扇風量キー512を操作、入力し、換気扇機器を停止する場合は換気扇切キー511を操作、入力する。
また、前面操作表示部150の右下部には、加熱室内部を照らす照明を点灯または消灯するための照明キー522と、加熱室での調理ができないようにすることで子供のいたずらによる誤操作を防止するロックモードへの設定または解除をするためのロックキー521と、発声した音声を再度流すための音声キー523と、時間の経過をカウントするためのカウントキー524がある。時間の経過のカウントは調理設定を表示する調理設定エリア403に表示され、また、規定のカウントごとに音声により報知部から報知される。
次に、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器100の上面加熱部で「連携」モード(「連携」調理と記述することもある。)を行うときの動作を図10により説明する。図10は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器で連携調理を行うときの上面表示部の表示の遷移図である。
ここでは本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の、例えば左加熱部140AのIHコイルを使用して加熱するときに上面操作部300の左操作部301L(図10では省略、図6参照)を操作して「連携」モードを行うときの操作や設定をした結果を表示する上面表示部200の左表示部201Lの表示状態の遷移を一例として説明する。
前述の通り「連携」調理とは、天板部110の位置マーク10R、10L、10Cの何れかの上面加熱部140に被加熱物を載置してIHコイルで誘導加熱により加熱を行う調理と、被加熱物を加熱室内に収容して加熱を行う調理を関連付けて行う調理のことであり、ここでは被加熱物を左加熱部140A(第1の加熱手段)のIHコイルを使用して加熱した後、加熱室内に収容して加熱室の加熱室加熱手段195(第2の加熱手段)で加熱を行うという調理の流れになる。
図10(a)は、上面表示部200の左表示部201Lが既に図8(c)に示すモード選択画面に切り換わっている状態の表示であるが、モード選択画面で左UPキー312L(図6参照)又は左DOWNキー313L(図6参照)を操作、入力して「連携」調理を選択する。
「連携」調理が選択されている状態のときに左切入キー311L(図6参照)を操作、入力すると図10(b)のメニュー選択画面に表示が切り換わる。メニュー選択画面では左UPキー312L(図6参照)又は左DOWNキー313L(図6参照)を操作、入力することでメニューが選択できる。選択中のメニューは左表示部201Lの中央に表示される。
選択されたメニューは、中央で黒地に白抜き文字で表示される。ここでは「ハンバーグ」が選択されている。選択されて中央に表示されたメニューの両隣には選択可能なメニューが表示されている。ここでは、例えば右隣に「グラタン」、左隣に「パエリア」が表示されている。
このとき、左機能キー314L(図6参照)には「取り消し」の機能が割り当てられており、左機能キー314L(図6参照)に対応するキー機能表示エリア221には「取り消し」が表示されている。よって、この状態から左機能キー314L(図6参照)を操作、入力するとメニュー選択画面から 図10(a)のモード選択画面に戻ることができる。
「グラタン」や「パエリア」の表示は白地に黒文字で表示されており、この白地に黒文字の表示が通常の表示形態であるのに対し、選択されて中央に表示された「ハンバーグ」は黒地に白抜き文字で表示、つまり、通常の表示形態に対し反転した表示状態となっており、選択されたメニューであることを強調した表示になっている。
また、両隣に表示された選択可能なメニューに比べ、選択されたメニューは文字が大きく表示されていて、反転した表示と合わせて選択されたメニューであることを強調した表示になっている。「ハンバーグ」が選択された状態で左切入キー311L(図6参照)を入力すると「ハンバーグ」の調理が開始される。
このとき、左機能キー314L(図6参照)には「取り消し」の機能が割り当てられており、左機能キー314L(図6参照)に対応するキー機能表示エリア221には「取り消し」が表示されている。よって、この状態から左機能キー314L(図6参照)を操作、入力すると開始した「ハンバーグ」調理を取り消し、図10(b)のメニュー選択画面に戻ることができる。
「ハンバーグ」の調理を開始すると、図10(c)のように左表示部201Lの中央には調理を行う設定温度が表示される。設定温度は左UPキー312L(図6参照)又は左DOWNキー313L(図6参照)で変更することができる。左UPキー312L(図6参照)を操作、入力すれば図10(c)に示す設定温度「180℃」よりも高い温度に変更でき、左DOWNキー313L(図6参照)を操作、入力すれば図10(c)に示す設定温度「180℃」よりも低い温度に変更できる。
選択したメニューである「ハンバーグ」は左表示部201Lの加熱状態表示エリア220の右側に表示されるようになり、左表示部201Lの加熱状態表示エリア220の左側には選択したメニューである「ハンバーグ」の調理工程が表示される。図10(c)に示す調理工程は「予熱中」と表示されている。
「ハンバーグ」の調理は設定温度「180℃」で行うが、調理に使う調理器具、例えばフライパンは最初から設定温度の「180℃」になっている訳ではないので、フライパンの温度を設定温度の「180℃」まで上げる必要がある。このフライパンを設定温度「180℃」まで上げる調理工程が予熱であり、「予熱中」とはその過程を表している。
予熱が完了すると図10(d)のように、左表示部201Lの加熱状態表示エリア220の左側には「予熱完」が表示され、待機状態となる。待機状態では設定温度の「180℃」を保つように火力が制御されている。
この待機状態では左切入キー311L(図6参照)には「スタート」の機能が割り当てられており、左切入キー311L(図6参照)に対応するキー機能表示エリア221には「スタート」が表示されている。
予熱が完了した後、使用者は設定温度の「180℃」まで温度が上げられたフライパンに食材、ここではハンバーグ種を入れ、左切入キー311L(図6参照)を操作、入力すると表示が図10(e)の表示に変わり予熱後の「ハンバーグ」の調理を開始する。
予熱後の「ハンバーグ」の調理が開始された後では、左切入キー311L(図6参照)には「停止」の機能が割り当てられており、左切入キー311L(図6参照)に対応するキー機能表示エリア221には「停止」が表示されている。このとき、左切入キー311L(図6参照)を操作、入力すれば「ハンバーグ」の調理が停止する。但し、この停止は一時停止の意味合いであり、調理を取り消す場合には左機能キー314L(図6参照)に「取り消し」の機能が割り当てられているので、左機能キー314L(図6参照)を操作、入力すると開始した「ハンバーグ」の調理を取り消すことができる。
図10(e)では、加熱するために設定した時間が左表示部201Lの加熱状態表示エリア220の左側に表示されてカウントダウンが開始され、その表示された時間が0になると、「連携」調理のいわば前半となるフライパンで「ハンバーグ」を加熱する調理工程、言い換えるとIHコイルで誘導加熱によりフライパンに入れた「ハンバーグ」を加熱する調理工程が完了する。
「連携」調理の前半が完了すると、表示が図10(f)に示すように「連携」調理の後半となる被加熱物を加熱室内に収容して加熱を行うという調理の手順が左表示部201Lに表示され、使用者に被加熱物を加熱室内に収容して加熱を行うよう促すようにしている。このとき、表示だけでなく音声などで使用者に促すようにしてもよい。
「連携」調理の後半となる被加熱物を加熱室内に収容してオーブン調理を開始する前に、食材、ここでは「ハンバーグ」の焼き色が薄く、もう少し焼き色を付けたいと思うようなとき、図10(f)に示すように左切入キー311L(図6参照)に対応するキー機能表示エリア221には「再加熱」が表示されているので、左切入キー311L(図6参照)には「再加熱」の機能が割り当てられていることが分かるので、左切入キー311L(図6参照)を操作、入力すれば「ハンバーグ」の「再加熱」をすることができて、使用者の好みの焼き加減にすることができる。
また、このとき、左機能キー314L(図6参照)には「取り消し」の機能が割り当てられており、図10(f)に示すように、左機能キー314L(図6参照)に対応するキー機能表示エリア221には「取り消し」が表示されている。よって、この状態から左機能キー314L(図6参照)を操作、入力すると「連携」調理自体が取り消され、左表示部201Lには図8(b)に示す初期画面が表示される。
次に図11により「連携」調理の前半が完了し、図10(f)で「連携」調理の後半となる被加熱物を加熱室内に収容して加熱を行うよう使用者に促している状態の時の前面操作表示部150の表示部400の表示の一例を説明する。図11は本発明の実施の形態1に係る加熱調理器で連携調理を行うときの前面表示操作部の表示の一例の状態図である。
「連携」調理を選択し、左表示部201Lで「連携」調理の後半となる被加熱物を加熱室内に収容して加熱を行うよう使用者に促している状態のとき、被加熱物を加熱室内に収容して加熱を行うときに必要な加熱条件が既に設定された状態で前面操作表示部150の表示部400に表示され、被加熱物を加熱室内に収容して行う加熱の待機状態になっている。
例えば、図11に示すように、前面操作表示部150の表示部400には「オーブン」、「連携」、調理時間である「残15分」(残15分という表示は、調理の所要時間が15分であるので、調理終了までの残り時間が15分であるということを表している。)、調理温度である「180℃」が表示されて、待機状態であることを使用者に理解させるために調理時間「残15分」と調理温度「180℃」を点滅表示させている。待機状態であることを使用者に理解させるために、「オーブン」、「連携」、調理時間である「残15分」、調理温度である「180℃」の全てを点滅表示させても、何れか1つだけを点滅表示させてもよい。
加熱室を使って調理を行う場合、通常では、図9に示す調理方法表示エリア401に表示される、選択可能な調理方法である「自動」、「グリル」、「オーブン」、「連携」の何れかの調理方法を使用者が選択し、さらに選択された調理方法によって選択できる図9に示す調理メニュー表示エリア402に表示される調理メニューを選択する必要がある。
例えば「自動」調理では「切身」、「姿焼き」、「とり焼き」、「トースト」、「温めなおし」から選択することができる。また「連携」調理では「アクアパッツァ」、「カツ煮」、「あんかけ」というように、使用者が選択して調理を行うようになっているが、上面操作部300の何れかの操作部、例えば左操作部301Lを操作して「連携」調理を行う場合、加熱室で調理を行う調理工程になると、図11に示すように前面操作表示部150の表示部400には「オーブン」、「連携」、調理時間である「残15分」、調理温度である「180℃」が自動的に設定され、表示されて待機状態となるので、使用者が加熱室で行う調理の設定を1から行う必要がなく、天板部110の位置マーク10R、10L、10Cの何れかに被加熱物を載置してIHコイルで誘導加熱により加熱を行う調理工程から、被加熱物を加熱室内に収容して加熱する調理工程を連続して行う調理で、スムーズに調理工程の移行ができるため使用者の使い勝手が良くなる。
自動で設定された設定時間を変更したい場合は、タイマーキー501を操作、入力した後、グリルDOWNキー502を操作、入力すれば1分単位で時間を短くでき、グリルUPキー503を操作、入力すれば1分単位で時間を長くできる。
同様に自動で設定された調理温度を変更したい場合は、グリルDOWNキー502を操作、入力すれば5℃あるいは10℃単位で温度を下げることができ、グリルUPキー503を操作、入力すれば5℃あるいは10℃単位で温度を上げることができる。
待機状態から加熱室に被調理物であるフライパンで焼き目を付けた「ハンバーグ」種を収容し、スタートキー505を操作、入力すると、前面表示部400の調理時間「残15分」と調理温度「180℃」が点滅表示から点灯表示に変わり調理が開始される。加熱室での「オーブン」調理は、「オーブン」調理を普通に選択して行うものと同じであるが、「連携」調理の「オーブン」調理であることが分かるように、「オーブン」、「連携」の両方が点灯表示されている。
調理が進行すると、時間経過にともない「残15分」が「残14分」、「残13分」というように1分単位でカウントダウンされた表示がされて、残り時間が無くなると調理が終了する。
次に図12により「連携」調理の前半が完了し、図10(f)で「連携」調理の後半となる被加熱物を加熱室内に収容して加熱を行うよう使用者に促している状態の時の前面操作表示部150の表示部400の表示の他の例を説明する。図12は本発明の実施の形態1に係る加熱調理器で連携調理を行うときの上面表示部の表示の他の例の遷移図である。図12では、グリル調理の一例である「グラタン」をメニューとして選択している。
左加熱部を使用する前提で説明すると、図10(b)に示すメニュー選択画面で、「ハンバーグ」が中央に表示されている状態から、例えば、左UPキー312L(図6参照)を操作すると、右隣に表示されている「グラタン」が選択され、図12(a)に示すように中央の表示が黒地に白抜き文字の「グラタン」に変わり、文字の大きさも、右隣に表示されていたときよりも大きく表示される。中央に表示されていた「ハンバーグ」は左隣りに移動し、白地に黒文字で中央に表示されるメニューよりも小さい文字で表示される通常の表示形態で表示される。
「連携」調理の「グラタン」であるので、ホワイトソース(ベシャメルソースともいう)を作る調理工程から行うようになっており、市販のルウ、牛乳、マカロニ、鶏肉、たまねぎなどの具材を調理容器にいれて調理を行う。
図12(a)の「グラタン」調理の待機状態において、左切入キー311L(図6参照)には「スタート」の機能が割り当てられており、左切入キー311L(図6参照)に対応するキー機能表示エリア221には「スタート」が表示されているので、左切入キー311L(図6参照)を操作、入力するとホワイトソースを作る調理工程が開始される。調理開始時は初期設定の火力と加熱時間が設定されており、右UPキー312R(図6参照)、右DOWNキー313R(図6参照)で火力を、右機能キー314R(図6参照)で加熱時間を変更することができる。
「グラタン」の調理が開始された後では、左切入キー311L(図6参照)には「停止」の機能が割り当てられており、左切入キー311L(図6参照)に対応するキー機能表示エリア221には「停止」が表示されている。このとき、左切入キー311L(図6参照)を操作、入力すれば「グラタン」の調理が停止する。但し、この停止は一時停止の意味合いであり、調理を取り消す場合には図12(a)に示す待機状態のとき左機能キー314L(図6参照)に「取り消し」の機能が割り当てられているので、左機能キー314L(図6参照)を操作、入力すると開始した「グラタン」の調理を取り消すことができる。
図12(b)では、加熱するために設定した時間が左表示部201Lの加熱状態表示エリア220の左側に表示されてカウントダウンが開始されており、その表示された時間が0になると、「連携」調理のいわば前半となる左加熱部でのホワイトソースを作る調理工程が完了する。
「連携」調理の前半が完了すると、表示が図12(c)に示すように「連携」調理の後半となる被加熱物、ここでは出来上がったホワイトソースを容器に入れたものを加熱室内に収容して加熱、ここではグリル調理を行うという調理の手順が左表示部201Lに表示され、使用者に被加熱物を加熱室内に収容してグリル調理を開始するよう促すようにしている。このとき、表示だけでなく音声などで使用者に促すようにしてもよい。
また、このとき、左機能キー314L(図6参照)には「取り消し」の機能が割り当てられており、図10(f)に示すように、左機能キー314L(図6参照)に対応するキー機能表示エリア221には「取り消し」が表示されている。よって、この状態から左機能キー314L(図6参照)を操作、入力すると「連携」調理自体が取り消され、左表示部201Lには図8(b)に示す初期画面が表示される。
図13は本発明の実施の形態1に係る加熱調理器で連携調理を行うときの前面表示操作部の表示の他の例の状態図である。「連携」調理の前半が完了した後、上面表示部200の左表示部201Lが図12(c)の状態になっているときの前面操作表示部150の表示部400の表示であり、出来上がったホワイトソースを容器に入れたものを加熱室内に収容してグリル調理を行うときに必要な加熱条件が既に設定された状態で前面操作表示部150の表示部400に表示され、グリル調理の待機状態になっている。
例えば、図13に示すように、前面操作表示部150の表示部400には「グリル」、「連携」、調理時間である「残5分」、「グラタン」のときの火力「強」が表示されて、グリル調理の待機状態であることを使用者に理解させるために調理時間「残5分」と火力「強」を点滅表示させる。待機状態であることを使用者に理解させるために、「グリル」、「連携」、調理時間である「残5分」、火力「強」の全てを点滅表示させても、何れか1つだけを点滅表示させてもよい。なお、「グラタン」の調理は加熱室の図示しない「上ヒーター」だけを使用して加熱するので、火力「強」の横に「上ヒーター」を表示しているが、この「上ヒーター」の表示は必ずしも必要ではない。
加熱室を使って調理を行う場合、通常では、図9に示す調理方法表示エリア401に表示される、選択可能な調理方法である「自動」、「グリル」、「オーブン」、「連携」の何れかの調理方法を使用者が選択し、さらに選択された調理方法によって選択できる図9に示す調理メニュー表示エリア402に表示される調理メニューを選択する必要がある。
例えば「自動」調理では「切身」、「姿焼き」、「とり焼き」、「トースト」、「温めなおし」から選択することができる。また「連携」調理では「アクアパッツァ」、「カツ煮」、「あんかけ」というように、使用者が選択して調理を行うようになっているが、上面操作部300の何れかの操作部、例えば左操作部301Lを操作して「連携」調理を行う場合、加熱室で調理を行う調理工程になると、図13に示すように前面操作表示部150の表示部400には「グリル」、「連携」、調理時間である「残5分」、加熱するときの火力「強」が自動的に設定され、表示されて待機状態となるので、使用者が加熱室で行う調理の設定を1から行う必要がなく、天板部110の位置マーク10R、10L、10Cの何れかの上面加熱部140に被加熱物を載置してIHコイルで誘導加熱により加熱を行う調理工程から、被加熱物を加熱室内に収容して加熱する調理工程を連続して行う調理で、スムーズに調理工程の移行ができるため使用者の使い勝手が良くなる。
自動で設定された設定時間を変更したい場合は、タイマーキー501を操作、入力した後、グリルDOWNキー502を操作、入力すれば1分単位で時間を短くでき、グリルUPキー503を操作、入力すれば1分単位で時間を長くできる。
同様に自動で設定された火力を変更したい場合は、グリルDOWNキー502を1回操作、入力すれば火力を「中」に、さらに続けて1回操作、入力すれば火力を「弱」に下げることができ、火力「弱」の状態からグリルUPキー503を1回操作、入力すれば火力を「中」に上げることができ、さらに続けて1回操作、入力すれば火力を「強」に上げることができる。
待機状態から加熱室に被調理物である出来上がったホワイトソースを容器に入れてパン粉、チーズなどを載せたものをを収容し、スタートキー505を操作、入力すると、前面表示部400の調理時間「残5分」と火力「強」が点滅表示から点灯表示に変わり調理が開始される。加熱室での「グリル」調理は、「グリル」調理を普通に選択して行うものと同じであるが、「連携」調理の「グリル」調理であることが分かるように、「グリル」、「連携」の両方が点灯表示されている。
調理が進行すると、時間経過にともない「残5分」が「残4分」、「残3分」というように1分単位でカウントダウンされた表示がされて、残り時間が無くなると調理が終了する。
以上のように、上面加熱部と加熱室で「連携」して調理を行う場合、上面加熱部で選んだ「連携」調理のメニューに応じて、加熱室で行う調理の設定を自動で行うようにしたので使用者の手間が省け、スムーズに調理工程の移行ができるため使用者の使い勝手が良くなる。なお、本実施の形態では左加熱部での調理から加熱室の調理への連携調理で説明をしたが右加熱部や中央加熱部から加熱室への連携調理を行うようにしても良い。
実施の形態2
実施の形態1では、「連携」して行う調理で上面加熱部での調理(加熱)が終わってから加熱室での調理(加熱)に移行する例で説明したが、実施の形態2は、上面加熱部での加熱中に、加熱室での調理開始前に調理が開始できるように事前に加熱を行うことができる点が実施の形態1と異なり、加熱調理器100の構成は実施の形態1と同様であるので、図14により実施の形態1と異なる点を説明し、それ以外の説明は省略する。図14は本発明の実施の形態2に係る加熱調理器で連携調理を行うときの前面表示操作部の表示の一例の状態図である。
「連携」調理を選択して調理を開始すると、上面加熱部から加熱が開始されることは本発明の実施の形態1と同様であるが、本発明の実施の形態2では、上面加熱部での加熱中に、加熱室の温度を予め調理を行える温度まで加熱しておく「予熱」を行うことができるようになっている。
例えば、上面加熱部での加熱中に、図14に示すように前面操作表示部150の表示部400にはオーブン調理であることを表す「オーブン」、連携調理であることを表す「連携」、加熱室を事前に加熱しておく温度「180℃」、その「180℃」まで加熱室の温度を上げる加熱工程である「予熱」が表示されて、「予熱」の待機状態であることを使用者に理解させるために「180℃」と「予熱」を点滅表示させている。待機状態であることを使用者に理解させるために、「オーブン」、「連携」、「180℃」、「予熱」の全てを点滅表示させても、何れか1つだけを点滅表示させてもよい。
この「180℃」と「予熱」が点滅表示している状態からスタートキー505を操作、入力すると点滅表示から点灯表示に変わり、加熱室内の温度を「180℃」まで上昇させるための加熱を開始する。加熱室内の温度が「180℃」になると「予熱」のための加熱工程が終了し、図11で説明した加熱室での調理を行う前の待機状態となる。この待機状態のとき、加熱調理器100内に設けられている図示しない制御基板に搭載される、例えばマイコンである制御部190により、加熱室内の温度が「180℃」に保たれるように加熱室温度検知手段196の検知情報から必要に応じて加熱室加熱手段195(第2の加熱手段)の加熱、停止を行っている。
以上のように、上面加熱部での加熱中に、加熱室の温度を予め調理を行える温度まで加熱しておく「予熱」を行うようにすることで、加熱室で調理を行う準備をしておくことができ、「連携」調理の際に上面加熱部での加熱から加熱室での加熱に移行するときの、待ち時間の無駄を省くことができてスムーズに上面加熱部での加熱から加熱室での加熱に移行ができるため使用者の使い勝手が良くなる。
実施の形態3
実施の形態1では、「連携」して行う調理で上面加熱部での調理(加熱)が終わってから加熱室での調理(加熱)に移行する例で説明したが、実施の形態3では、加熱室での調理(加熱)が終わってから上面加熱部での調理(加熱)に移行する点が実施の形態1と異なり、加熱調理器100の構成は実施の形態1と同様であるので、図15、図16により実施の形態1と異なる点を説明し、それ以外の説明は省略する。図15は本発明の実施の形態3に係る加熱調理器で連携調理を行うときの前面表示操作部の表示の一例の状態図、図16は本発明の実施の形態3に係る加熱調理器で連携調理を行うときの上面表示部の表示の一例の遷移図である。
図15に示すグリル操作部500(本発明の第2の操作部)で「連携」調理を選択した場合を示す。図15(a)はグリル操作部500で「連携」調理メニューである「アクアパッツァ」を選択した時の前面表示部400の表示である。
調理方法表示部エリア401には「連携」と「グリル」、調理メニュー表示エリア402には、グリル操作部500(本発明の第2の操作部)のメニューキー504で選択した調理メニューである「アクアパッツァ」、調理設定表示エリア403には加熱時間(加熱の残り時間)、ここでは残り時間10分とグリル調理の火力、ここでは「中」が表示されている。なお、グリル操作部500で「連携」調理を選択した場合、メニューによって「グリル」または「オーブン」も同時に表示されることもある。
グリル操作部500(本発明の第2の操作部)のタイマーキー501を操作、入力することにより加熱時間(加熱の残り時間)の設定を変更することができる。また、グリルDOWNキー502、グリルUPキー503を操作、入力することにより火力を変更することができる。
使用者が被調理物を加熱室に収容しスタートキー505を操作、入力すると、選択した調理メニューである「アクアパッツァ」の調理がスタートし、設定した加熱時間のカウントダウンが開始する。
加熱室での調理が終了すると図15(b)のように、調理設定表示エリア403に加熱時間(加熱の残り時間)が0分と表示され、例えば「IHで調理を開始してください。」というような上面加熱部での調理を促す表示がされる。なお、ここでは3口ある上面加熱部を特定した表示となっていないが、「左IH(左加熱部140A)で調理を開始してください。」や「右IH(右加熱部140B)で調理を開始してください。」のように、使用する加熱部を特定して表示するようにしてもよい。
加熱室での調理が終了すると、使用者は調理設定表示エリア403の表示に従い、上面加熱部に移動させる。ここでは便宜上、左加熱部140A(図5参照)に移動させた例で説明するが、当然ながら右加熱部140B(図5参照)を利用するようにしてもよい。
また、加熱室扉開閉検知手段(図5参照)により加熱室扉50が開いたことを検知したことにより調理設定表示エリア403に「IHで調理を開始してください。」というような上面加熱部での調理を促す表示をするようにしてもよい。
例えば、「連携」調理を加熱室での調理から左IH(左加熱部140A)で行う場合、左表示部201Lでは図16(a)が表示されており、左UPキー312(図6参照)L又は左DOWNキー313L(図6参照)を入力すると図16(b)が表示される。
図16(b)ではグリル操作部500で選択したメニューに応じた加熱設定が表示されている。ここでは「連携」調理メニューの「アクアパッツァ」に応じて、加熱状態表示エリア220の中央に初期火力の「火力4」が表示され、加熱状態表示エリア220の左側には調理を開始していないことを表示する「待機中」が表示され、加熱状態表示エリア220の右側には「連携」調理であることを表示する「連携」が表示されており、加熱状態表示エリア220の表示は点滅表示されている。
このとき、左機能キー314L(図6参照)にはキー機能表示エリア221に表示されているように「取り消し」機能が割り当てられており、左機能キー314L(図6参照)を入力すると図16(a)に戻り、左UPキー312L(図6参照)又は左DOWNキー313L(図6参照)を入力すると火力を変更することができる。
図16(b)の表示の時に左切入キー311L(図6参照)を入力すると、図16(c)が表示され加熱がスタートする。図16(c)では加熱状態表示エリア220の中央に加熱中の出力「火力4」が表示され、加熱状態表示エリア220の左側には加熱時間(加熱の残り時間)、ここでは10分を表す「0:10」が表示されている。加熱状態表示エリア220の右側には「連携」モードであることを表示する「連携」が表示されており、待機中に点滅していた加熱状態表示エリア220の表示は点灯表示に変わる。なお、加熱(調理)中は左UPキー312L(図6参照)、左DOWNキー313L(図6参照)で火力の変更をすることができ、左機能キー314L(図6参照)で加熱時間の変更をすることができる。
加熱時間(加熱の残り時間)の表示が「0:00」になるか左切入キー311L(図6参照)を入力すると加熱を停止し、図16(d)が表示される。このとき左切入キー311L(図6参照)を入力すると加熱を停止した時の火力で加熱を再開することができる。
左IH(左加熱部140A)で「連携」モードを開始した場合、他の上面加熱部、例えば、右IH(右加熱部140B)での連携調理は不可となり、右UPキー312R(図6参照)または右DOWNキー313R(図6参照)を入力した場合は、右表示部201R(図6参照)には図8のように「連携」ではない通常に上面加熱部を使用する際の表示となる。
以上のように、加熱室と上面加熱部で連携して調理を行う場合、先に調理を行った加熱室の調理メニュー情報を、あとで調理を行う上面加熱部の加熱設定に反映させることで、上面加熱部の加熱設定を行う手間を省くことができる。
実施の形態4
実施の形態3では、加熱室での調理(加熱)が終わってから上面加熱部での調理(加熱)に移行する例で説明し、実施の形態4も加熱室での調理(加熱)が終わってから上面加熱部での調理(加熱)に移行する点では同じであるが、上面加熱部での調理(加熱)を行う際に、複数ある上面加熱部の何れかを使用するか選択できる点が実施の形態3と異なる。加熱調理器100の構成は実施の形態1と同様であるので、図17、図18により実施の形態3と異なる点を説明し、それ以外の説明は省略する。図17は本発明の実施の形態4に係る加熱調理器で連携調理を行うときの前面表示操作部の表示の一例の状態図、図18は本発明の実施の形態4に係る加熱調理器で連携調理を行うときの上面表示部の表示の一例の遷移図である。
図17に示すグリル操作部500(本発明の第2の操作部)で「連携」調理を選択した場合を示す。図17(a)はグリル操作部500で「連携」調理メニューである「カツ煮」を選択した時の前面表示部400の表示である。
調理方法表示部エリア401には「連携」と「オーブン」、調理メニュー表示エリア402には、グリル操作部500(本発明の第2の操作部)のメニューキー504で選択した調理メニューである「カツ煮」、調理設定表示エリア403には加熱時間(加熱の残り時間)、ここでは残り時間8分とオーブン調理の加熱温度、ここでは「170℃」が表示されている。なお、グリル操作部500で「連携」調理を選択した場合、メニューによって「グリル」または「オーブン」も同時に表示されることもある。
グリル操作部500(本発明の第2の操作部)のタイマーキー501を操作、入力することにより加熱時間(加熱の残り時間)の設定を変更することができる。また、グリルDOWNキー502、グリルUPキー503を操作、入力することによりオーブン調理の加熱温度を変更することができる。
使用者が被調理物を加熱室に収容しスタートキー505を操作、入力すると、選択した調理メニューである「カツ煮」の調理がスタートし、設定した加熱時間のカウントダウンが開始する。
加熱室での調理が終了すると図17(b)のように、調理設定表示エリア403に加熱時間(加熱の残り時間)が0分と表示され、例えば「IHで調理を開始してください。」というような上面加熱部での調理を促す表示がされる。
上面加熱部で加熱するメニューにおいては、あらかじめフライパンなどの調理容器を加熱しておく、いわゆる予熱が必要な場合があるが、本発明の実施の形態では加熱室で調理中に上面加熱部でフライパンなどの予熱が可能になっている。
加熱室で調理を行っているときに、右表示部201R、左表示部201L、中央表示部201Cの何れも図18(a)に示す表示になっており、右IH(左加熱部140B)、左IH(左加熱部140A)、中央IH(中央加熱部140C)が何れも使用可能な状態となっている。
このときに例えば左IH(左加熱部140A)で調理を行う場合、左UPキー312L(図6参照)又は左DOWNキー313L(図6参照)を入力すると図18(b)が表示される。
図18(b)ではグリル操作部500で選択したメニューに応じた加熱設定が表示されている。ここでは「連携」調理メニューの「カツ煮」に応じて、加熱状態表示エリア220の中央に加熱の初期設定温度である「140℃」が表示され、加熱状態表示エリア220の左側には調理を開始していないことを表示する「待機中」が表示され、加熱状態表示エリア220の右側には「連携」調理であることを表示する「連携」が表示されており、加熱状態表示エリア220の表示は点滅表示されている。
このとき、左機能キー314L(図6参照)にはキー機能表示エリア221に表示されているように「取り消し」機能が割り当てられており、左機能キー314L(図6参照)を入力すると図18(a)に戻り、左UPキー312L(図6参照)又は左DOWNキー313L(図6参照)を入力すると加熱の設定温度を変更することができる。
図18(b)の表示の時に左切入キー311L(図6参照)を入力すると、図18(c)が表示されフライパン等の調理容器の予熱がスタートする。図18(c)では加熱状態表示エリア220の中央に加熱中の設定温度である「140℃」が表示され、加熱状態表示エリア220の左側には予熱を行っていることを示す「予熱中」が表示される。加熱状態表示エリア220の右側には「連携」モードであることを表示する「連携」が表示されており、待機中に点滅していた加熱状態表示エリア220の表示は点灯表示に変わる。
予熱が完了すると図18(d)の表示になり、加熱状態表示エリア220の左側には予熱を完了している事を表示する「予熱完」が表示され、調理が開始できる状態になる。この段階でも左機能キー314L(図6参照)にはキー機能表示エリア221に表示されているように「取り消し」機能が割り当てられており、左機能キー314L(図6参照)を入力すると図18(a)の表示に戻る。
図18(d)が表示された状態、つまり、左IH(左加熱部140A)でフライパンなどの調理容器の予熱が完了した状態で加熱室での調理が終了すると、使用者は加熱室内の被調理物を左IH(左加熱部140A)に移動させ、左切入キー311L(図6参照)を入力すると、表示が図18(e)に変わり加熱がスタートする。
図18(e)では加熱状態表示エリア220の中央に加熱の設定温度「140℃」が表示され、加熱状態表示エリア220の左側には加熱時間(加熱の残り時間)、ここでは7分を表す「0:7」が表示されている。加熱状態表示エリア220の右側には「連携」モードであることを表示する「連携」が表示されており、予熱が完了した後の待機中に点滅していた加熱状態表示エリア220の表示は点灯表示に変わる。なお、加熱(調理)中は左UPキー312L(図6参照)、左DOWNキー313L(図6参照)で加熱の設定温度をすることができ、左機能キー314L(図6参照)で加熱時間の変更をすることができる。
加熱時間(加熱の残り時間)の表示が「0:00」になるか左切入キー311L(図6参照)を入力すると加熱を停止し、図18(f)が表示される。このとき左切入キー311L(図6参照)を入力すると加熱を停止した時の火力で加熱を再開することができる。
左IH(左加熱部140A)で「連携」モードを開始した場合、他の上面加熱部、例えば、右IH(右加熱部140B)での連携調理は不可となり、右UPキー312R(図6参照)または右DOWNキー313R(図6参照)を入力した場合は、右表示部201R(図6参照)には図8のように「連携」ではない通常に上面加熱部を使用する際の表示となる。
以上のように、加熱室と上面加熱部で連携して調理を行う場合、先に調理を行った加熱室の調理メニュー情報を、あとで調理を行う上面加熱部の加熱設定に反映させることで、上面加熱部の加熱設定を行う手間を省くことができる。
また、加熱室の調理が終了する前に上面加熱部での調理の準備を開始できるようにし、加熱室での調理と上面加熱部の加熱の準備を同時に行うことで、調理時間を短縮することができる。
実施の形態5
実施の形態5は、電力や連携モードの変更ができる点が実施の形態1と異なる。加熱調理器100の構成は実施の形態1と同様であるので、図19、図20により実施の形態1と異なる点を説明し、それ以外の説明は省略する。図19は本発明の実施の形態5に係る加熱調理器で電力の設定変更を行うときの一例を示す図、図20は本発明の実施の形態5に係る加熱調理器で連携モードの設定変更を行うときの一例を示す図である。
右操作部301R(図6参照)、左操作部301L(図6参照)、中央操作部301C(図6参照)の何れの操作部でも、加熱調理器100の設定を変更することができる。例えば、左操作部301L(図6参照)を使用して設定変更を行う場合、図19(a)に示すように、左UPキー312L(図6参照)又は左DOWNキー313L(図6参照)で「設定」モードを選択し、加熱状態表示エリア220の中央に「設定」を表示させ、左切入キー311L(図6参照)を操作、入力すると「設定」モードを実行することができる。
「設定」モードでは各種設定項目が用意されており、「設定」モードが実行されると、図19(b)に示すように、加熱状態表示エリア220が境目表示234で上下にさらに分割され、設定項目表示エリア220a、設定項目表示エリア220bとなり、設定項目表示エリア220a、設定項目表示エリア220bは、それぞれ境目表示233で左右にさらに分割され4つの表示エリアとなる。
「設定」モードで用意される設定項目は、例えば図19(b)に示す「最大電力設定」、「自動切時間設定」、「話速設定」、「音声音量設定」、図19(c)に示す「連携操作設定」、「高温注意設定」、「庫内灯」、「過熱検知」等があり、図示しないがさらに多数の設定項目が用意されている。
「最大電力設定」は、後述するが加熱調理器100で使用できる電力の上限を、その使用する家庭の電力事情に合わせて変更するものである。「自動切時間設定」は、主電源を入れたまま一定時間、加熱等の操作入力がなされなかったときに主電源を落とすまでの時間を設定するものである。「話速設定」は、加熱調理器100が音声による報知、使い方の説明を行うときの話す速度を遅くする等、変更するものである。「音声音量設定」は、加熱調理器100が音声による報知、使い方の説明を行うときの音声の大きさを変更するものである。「連携操作設定」は、後述するが「連携」調理を行う設定にするか、行なわない設定にするかを変更するものである。「高温注意設定」は、例えば複数ある高温注意の表示装置のうち、いくつかの表示装置を表示させない設定に変更するものである。「庫内灯」は、加熱室内を照らす庫内灯を点灯させるか、させない設定にするか変更するものである。「過熱検知」は、天板あるいは加熱コイルの温度が高温になったことを検知する図示しない温度検知部の検知温度の変更をするものである。なお、あくまでも一例としての説明でありこれに限定されるものではない。
これら設定項目は、4つのエリアに表示されている設定項目で、左上の設定項目、ここでは図19(b)に示す「最大電力設定」が表示されている状態から左UPキー312L(図6参照)を入力することで、図示しないが右上の設定項目、左下の設定項目、右下の設定項目という順に選択されていく。右下の設定項目が選択されている状態から、さらに左UPキー312L(図6参照)を入力すると図19(c)に示す次の4つの選択項目が表示される。
このとき、左機能キー314L(図6参照)にはキー機能表示エリア221に表示されているように「もどる」機能が割り当てられており、左機能キー314L(図6参照)を入力すると、図19(c)に示す次の4つの選択項目が表示されている状態から図19(b)に示す前の4つの選択項目が表示されている状態に戻すことができる。
また、左切入キー311L(図6参照)にはキー機能表示エリア221に表示されているように「決定」機能が割り当てられており、「最大電力設定」が表示されている状態のときに、左切入キー311L(図6参照)を入力すると「最大電力設定」の選択が決定する。
「最大電力設定」の選択が決定すると、図19(d)に示す表示に変わり、加熱状態表示エリア220の中央に「5800W」が表示される。「5800W」は例えば加熱調理器100で使用できる最大電力であり、その他に例えば「4500W」、「4000W」の電力が選択できるようになっている。
加熱調理器100で使用できる最大電力である「5800W」が加熱状態表示エリア220の中央に表示されている状態から左DOWNキー313L(図6参照)を操作すると、図19(e)に示すように左側に小さく表示されていた「4500W」が中央で大きく表示され、「4500W」が選択された状態となる。
この状態からさらに左DOWNキー313L(図6参照)を操作すると、図示しないが左側に小さく表示されていた「4000W」が中央で大きく表示され、「4000W」が選択された状態となる。中央に所望の電力を表示させた状態で「決定」機能が割り当てられている左切入キー311L(図6参照)を操作、入力すると表示された電力の設定が完了し、図19(f)に示すように「設定しました」と表示され、設定が完了し、図19(a)の表示状態に戻る。
また、図19(a)と同様の図20(a)に示すように、左UPキー312L(図6参照)又は左DOWNキー313L(図6参照)で「設定」モードを選択し、加熱状態表示エリア220の中央に「設定」を表示させ、左切入キー311L(図6参照)を操作、入力し「設定」モードを実行すると、図19(b)と同様の図20(b)に示すように、加熱状態表示エリア220が境目表示234で上下にさらに分割され、設定項目表示エリア220a、設定項目表示エリア220bとなり、設定項目表示エリア220a、設定項目表示エリア220bは、それぞれ境目表示233で左右にさらに分割され4つの表示エリアとなり、左UPキー312L(図6参照)を入力して図20(c)に示す「連携操作設定」を選択し、左切入キー311L(図6参照)を入力すると「連携操作設定」の選択が決定する。
「連携操作設定」の選択が決定すると、図20(d)に示す表示に変わり、標準状態である「連携ON」が選択されている状態であることが表示される。この状態から左UPキー312L(図6参照)を操作、入力すると図20(e)に示す「連携OFF」が選択されている状態であることが表示される。「連携OFF」が選択されている状態で「決定」機能が割り当てられている左切入キー311L(図6参照)を操作、入力すると表示された電力の設定が完了し、図20(f)に示すように「設定しました」と表示され、「連携OFF」の設定が完了し、図20(a)の表示状態に戻る。
以上のように、その家庭の電力状況に合わせて最大電力を変更したり、操作モードを切り替えたりすることで家庭や使用者の状況に合わせることができ、使い勝手を向上させることができる。
なお、ここでは最大電力の変更、連携調理をON/OFFする操作の変更を例に説明したが、この他に音声の速さの変更や音量の変更等の変更をするようにしてもよい。
実施の形態6
実施の形態6は、「連携」調理を行うときに専用の鍋を使用する点が実施の形態1と異なる。加熱調理器100の構成は実施の形態1と同様であるので、図21により実施の形態1と異なる点を説明し、それ以外の説明は省略する。図21は本発明の実施の形態6に係る加熱調理器で連携調理を行うときの上面表示部の表示の一例の遷移図である。
「連携」調理は図示しない専用の鍋で行うようになっており、右IH(左加熱部140B)、左IH(左加熱部140A)、中央IH(中央加熱部140C)には、それぞれ図示しない鍋検知手段が設けられている。鍋検知手段は、例えば、流れる電流により鍋の材質や大きさを検知するもので、これにより「連携」調理に使用可能な専用の鍋であるか否かの検知をするようになっている。
ここでは例えば左加熱部140AのIHコイルを使用して加熱するときに上面操作部300の左操作部301L(図6参照)を操作して「連携」モードを行うときの操作や設定をした結果を表示する上面表示部200の左表示部201Lの表示状態の遷移を一例として説明する。
図21(a)は、上面表示部200の左表示部201Lが既に図8(c)に示すモード選択画面に切り換わっている状態の表示であるが、モード選択画面で左UPキー312L(図6参照)又は左DOWNキー313L(図6参照)を操作、入力して「連携」調理を選択する。
「連携」調理が選択されている状態のときに左切入キー311L(図6参照)を操作、入力すると図10(b)のメニュー選択画面に表示が切り換わる。メニュー選択画面では左UPキー312L(図6参照)又は左DOWNキー313L(図6参照)を操作、入力することでメニューが選択できる。選択中のメニューは左表示部201Lの中央に表示される。
選択されたメニューは、加熱状態表示エリア220の中央で黒地に白抜き文字で表示される。ここでは「ハンバーグ」が選択されている。選択されて中央に表示されたメニューの両隣には選択可能なメニューが表示されている。ここでは、例えば右隣に「グラタン」、左隣に「パエリア」が表示されている。
「グラタン」や「パエリア」の表示は白地に黒文字で表示されており、この白地に黒文字の表示が通常の表示形態であるのに対し、選択されて中央に表示された「ハンバーグ」は黒地に白抜き文字で表示、つまり、通常の表示形態に対し反転した表示状態となっており、選択されたメニューであることを強調した表示になっている。
また、両隣に表示された選択可能なメニューに比べ、選択されたメニューは文字が大きく表示されていて、反転した表示と合わせて選択されたメニューであることを強調した表示になっている。
選択されたメニューである「ハンバーグ」の表示と交互に、加熱状態表示エリア220の中央に、例えば「専用鍋を使用してください」といった、専用鍋の使用を促す表示をして、使用者に注意喚起を行う。
加熱を開始した後、図示しない鍋検知手段により「連携」調理に使用できる専用鍋が使用されていることを検知すると、そのまま加熱が継続され、図21(e)に示すように専用鍋を設定温度の「180℃」まで予熱し、予熱が完了したら専用鍋にハンバーグ種を入れて左切入キー311L(図6参照)を入力すると「ハンバーグ」の調理が開始される。
加熱を開始した後、図示しない鍋検知手段により「連携」調理に使用できる専用鍋が使用されていないことを検知すると、図21(d)に示すように加熱状態表示エリア220の中央に、例えば「「連携」調理を中止します」といった表示を行い、使用者になぜ中止になったかを報知して加熱を中止する。表示の内容は、「専用鍋ではないため、「連携」調理を中止しました」というような使用者に理解しやすい表示にすることが望ましい。
以上のように、「連携」調理に専用の鍋(フライパンや調理容器等)を使用することで、調理物の温度の調整などを精度よく実施することができ、安定した調理を行うことができる。