JP2023009608A - 車両の制動制御装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023009608000001
【課題】アンチロック制御時に不要な共振抑制制御の介入を防止しつつ、車体の共振を効果的に抑制することができる車両の制動制御装置を提供する。
【解決手段】BCU14は、アンチロック制御中の車体振動のレベルが予め設定された閾値以上であるとき、アンチロック制御が行われている車輪に付与する周期的な制動トルクの特性を変更して車体振動を抑制する振動抑制制御を行うに際し、アンチロック制御に起因する駆動系振動の周期と車体振動の周期とを比較し、車体振動指針同レベルが閾値以上であっても、駆動系振動の周期が車体振動の周期に対する設定割合の範囲内にない場合には、振動抑制制御を行わない。
【選択図】図4

Description

本発明は、制動時の車輪のスリップを検出した際にアンチロックブレーキ制御を行う車両の制動制御装置に関する。
従来、自動車等の車両においては、車輪のスリップが発生した際のロックを防止して走行安定性を確保するため、油圧ブレーキの制動力を増減させるABS(Anti-lock Brake System)が搭載されている。
このようなABSを搭載した車両において、ABS作動時(アンチロック制御時)の共振を抑制するための技術として、例えば、特許文献1には、車輪加速度に基づいて車輪の共振を検出したときには、アンチロック制御を実行するにあたり通常制御時とは制御内容を変更する共振制御(共振抑制制御)として、ブレーキ液圧の減圧開始タイミングを通常制御時に比べて、スリップ量を許容する側に設定するとともに、増圧時の増圧量を通常制御時に比べて減少させる技術が開示されている。
特開平10-244930号公報
しかしながら、アンチロック作動時に発生する振動に対し、上述のような共振抑制制御を行ったとしても、車体の振動状態によっては十分な効果が見込まれない場合がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、アンチロック制御時に不要な共振抑制制御の介入を防止しつつ、車体の共振を効果的に抑制することができる車両の制動制御装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様による車両の制動制御装置は、各車輪の車輪速度を検出する車輪速度検出手段と、制動時の前記車輪速度に基づいて前記車輪のスリップを検出したとき、スリップ状態にある前記車輪に対し、制動トルクの周期的な増減により前記スリップを抑制するアンチロック制御を行うアンチロック制御手段と、周期的な車体振動を検出する車体振動検出手段と、前記車体振動の振動レベルが予め設定された閾値以上であるとき、前記アンチロック制御が行われている前記車輪に付与する周期的な前記制動トルクの特性を変更し、前記車体振動を抑制する振動抑制制御を行う振動抑制手段と、を備え、前記振動抑制手段は、前記車体振動の前記振動レベルが前記閾値以上であっても、前記アンチロック制御に起因する駆動系振動の周期が前記車体振動の周期に対する設定割合の範囲内にない場合には、前記振動抑制制御を行わないものである。
本発明の車両の制動制御装置によれば、アンチロック制御時に不要な共振抑制制御の介入を防止しつつ、車体の共振を効果的に抑制することができる。
本発明の第1の実施形態に係り、ハイブリッド車両の概略構成図 同上、ブレーキアクチュエータの構成図 同上、制動トルク配分制御ルーチンを示すフローチャート 同上、振動抑制制御を含むアンチロック制御ルーチンを示すフローチャート 同上、車体振動及び駆動系振動を示す説明図 同上、ブレーキ液圧を示す説明図 本発明の第2の実施形態に係り、振動抑制制御を含むアンチロック制御ルーチンを示すフローチャート 同上、車体振動及び駆動系振動を示す説明図 同上、ブレーキ液圧を示す説明図 同上、閾値補正量のマップを示す説明図
以下、図面を参照して本発明の形態を説明する。図1に示す車両1は例えばハイブリッド車両であり、この車両1のパワーユニットPUは、エンジン2と、エンジン2の出力軸に自動変速機3を介在して連設されたモータジェネレータ4と、を有する。
本実施形態において図1に示す車両1は四輪駆動車であり、自動変速機3の出力軸が左右前輪5fl,5fr、左右後輪5rl,5rrに連設されている。また、各車輪5fl,5fr,5rl,5rr(以下、「各車輪5」と記して総称する)には、ディスクブレーキ等の摩擦係合要素を備えたホイールシリンダ8fl,8fr,8rl,8rr(以下、「各ホイールシリンダ8」と記して総称する)が設けられている。なお、図1において、符号Dcはセンターディファレンシャル装置、Dfはフロントディファレンシャル装置、Drはリヤディファレンシャル装置である。
この車両1の走行制御を行う制御系は、ハイブリッド制御ユニット(HEV_CU)10と、エンジン制御ユニット(ECU)11と、トランスミッション制御ユニット(TCU)12と、インバータ13aを内蔵したパワーコントロールユニット(PCU)13と、ブレーキ制御ユニット(BCU)14と、を有して構成されている。これら各制御ユニット10~14は、CAN(Controller Area Network)等を介して相互通信可能に接続されている。
HEV_CU10の入力側には、アクセルペダル15aに対するドライバの操作状態を検出するためのアクセル操作検出手段としてのアクセルセンサ15、ブレーキペダル16aに対するドライバのブレーキ操作状態を検出するためのブレーキ操作検出手段としてのブレーキセンサ16等の各種センサ類が接続されている。
なお、アクセルセンサ15は、例えば、アクセルペダル15aに対する操作速度、及び、アクセルペダル15aの全開或いは全閉状態等を検出することが可能となっている。また、ブレーキセンサ16は、例えば、ブレーキペダル16aに対する操作速度、及び、ブレーキペダル16aの全開或いは全閉状態等を検出することが可能となっている。
HEV_CU10は、例えば、各種センサ類からの信号に基づいて、エンジン2及びモータジェネレータ4に対する要求トルク等を算出し、これらエンジン2及びモータジェネレータ4の総合的な駆動制御を行う。
また、HEV_CU10は、自動変速機3に設けられた図示しない各種クラッチ等に対する制御を通じて、走行モードの切替制御を行う。なお、本実施形態において、HEV_CU10は、走行モードを、エンジン2単独で走行するEGモード、エンジン2とモータジェネレータ4を併用して走行するHEVモード、或いは、モータジェネレータ4単独で走行するEVモードの何れかに切り替えることが可能となっている。
さらに、HEV_CU10は、エンジン2を用いたエンジンブレーキ、モータジェネレータ4による回生ブレーキ、各ホイールシリンダ8の作動による摩擦ブレーキ、或いは、これらの協調によって、制動力制御等を行うことが可能となっている。
この制動力制御において、HEV_CU10は、目標減速度を取得する。すなわち、HEV_CU10は、例えば、コースト走行時においては、アクセルセンサ15からの信号(アクセル開度等)に基づいて目標減速度を算出する。また、HEV_CU10は、例えば、ドライバによるブレーキペダルの踏込をブレーキセンサ16からの信号に基づいて検出した場合、後述する第1,第2のブレーキ液圧センサ59a,59b等からの信号に基づいて目標減速度を算出する。さらに、車両1が運転支援装置(図示せず)を搭載している場合、HEV_CU10は、運転支援装置によって算出された自動ブレーキ制御等のための目標減速度を取得する。
そして、HEV_CU10は、例えば、取得した目標減速度から必要制動トルクを算出する。さらに、HEV_CU10は、算出した必要制動トルクをエンジンブレーキ、回生ブレーキ、及び、摩擦ブレーキに配分するための各配分値(エンジン制動トルク、回生制動トルク、及び、摩擦制動トルク)を、自車両1の走行状態等に応じて算出し、算出した各配分値に基づく制御信号を各制御ユニット11~14に出力する。
ここで、HEV_CU10は、後述するABS(Anti-lock Brake System)の作動条件が成立した際には、ABSの作動条件が成立していない場合に比べ、回生制動トルクの配分値を低く設定し(例えば、回生制動トルクの配分値を「0」に設定し)、摩擦制動トルクの配分値を相対的に高く設定する。これにより、ABSの作動条件が成立した際には、後述するブレーキ液圧の制御を通じて、各車輪5fl,5fr,5rl,5rrの制動トルクを個別に制御し、各車輪5fl,5fr,5rl,5rrの制動トルクを必要に応じて周期的に変動させることが可能となる。
ECU11は、HEV_CU10から要求トルク等の制御情報が入力されるとともに、エンジン2に設けられたクランク角センサ等の各種センサ類(図示せず)からの検出情報が入力される。そして、ECU11は、これらの入力情報に基づいて、燃料噴射量や点火時期、並びに電子制御式スロットルバルブ等の各種デバイスを制御することによりエンジン2を駆動させる。
TCU12は、HEV_CU10からの制御情報が入力されるとともに、シフトレバーに設けられたシフトポジションセンサ、車速センサ等の各種センサ類(図示せず)からの検出情報が入力される。そして、TCU12は、これらの入力情報に基づいて、自動変速機3を構成するクラッチ等の各要素に加える油圧制御等を行い、自動変速機3の変速比を制御する。
ここで、TCU12は、制動時において、ECU11と協働して所定の変速制御を行うことにより、エンジンブレーキによる制動力(エンジン制動トルク)を発生させる。
PCU13は、HEV_CU10から要求トルク等の制御情報が入力されるとともに、モータジェネレータ4に流れる電流値、電圧値、及び各種センサ信号等をインバータ13aから取得する。そして、PCU13は、インバータ13aに対する制御を通じて、バッテリ7からの直流電力を交流電力に変換することにより、モータジェネレータ4を駆動させる。
また、PCU13は、減速走行時には、インバータ13aに対する制御を通じて、モータジェネレータ4を発電機として機能させ、モータジェネレータ4により回生発電された交流電力を直流電力に変換してバッテリ7に充電させる。モータジェネレータ4を発電機として機能させると、各車輪5に回生ブレーキによる回生制動力が付与される。なお、この回生制動力は駆動輪に対して付与されるが、本実施形態の車両1は四輪駆動車であるため、全ての車輪5に回生制動力(回生制動トルク)が付与される。
BCU14は、HEV_CU10からの制御情報が入力されるとともに、各車輪5の車輪速度を検出する車輪速度検出手段としての車輪速センサ17fl,17fr,17rl,17rr(以下、「各車輪速センサ17」と記して総称する)、車体振動検出手段と仕手の加速度センサ18等の各種センサ類からの検出情報が入力される。そして、BCU14は、これらの入力情報に基づき、ブレーキアクチュエータ6に対するブレーキ液圧制御を通じて、各ホイールシリンダ8を駆動制御し、各車輪5に摩擦制動力(摩擦制動トルク)を発生させる。
ここで、ブレーキアクチュエータ6は、例えば、図2に示すように、ブレーキ液圧発生部41に接続されたブレーキ液圧回路42によって主要部が構成されている。
ブレーキ液圧発生部41は、マスタシリンダ44と、マスタシリンダ44に取付けられたリザーバタンク45と、ブレーキペダル16aとマスタシリンダ44との間に介装されたブレーキブースタ46と、を有する。リザーバタンク45には、圧力媒体(オイル)が貯留されている。また、ブレーキペダル16aがオペレーティングロッド48を介してブレーキブースタ46に連設されている。
ブレーキ液圧発生部41のマスタシリンダ44は、車両の各車輪5fl,5fr,5rl,5rrに設けられたホイールシリンダ8fl,8fr,8rl,8rrに、ブレーキ液圧回路42を介して連通されている。
このブレーキ液圧回路42は、第1の液圧回路52と第2の液圧回路53の二系統の液圧ラインで構成されている。本実施形態によるブレーキ液圧回路42は、第1の液圧回路52と第2の液圧回路53とが車両1の対角方向に交差して配管されたクロス配管(X配管)方式である。すなわち、本実施形態のブレーキ液圧回路42において、第1の液圧回路52は車両1の一方の対角方向に配置された左前輪及び右後輪のホイールシリンダ8fl,8rrに接続され、第2の液圧回路53は車両1の他方の対角方向に配置された右前輪及び左後輪のホイールシリンダ8fr,8rlに接続されている。
なお、第1の液圧回路52と第2の液圧回路53とは同一の構成であるため、以下においては適宜同符号を付して説明を簡略にする。また、以下のブレーキ液圧回路52,53の構成を説明するに際しては、便宜的に、マスタシリンダ44からブレーキキャリパのホイールシリンダ8fl,8fr,8rl,8rr側への流れを基準に、マスタシリンダ44側を上流、ホイールシリンダ8fl,8fr,8rl,8rr側を下流として説明する。
マスタシリンダ44には、第1,第2の給排ポート44a,44bが設けられており、この各給排ポート44a,44bに、各液圧回路52,53を構成する第1の液路L1の上流が接続されている。また、第1の液路L1の下流が第2の液路L2の中途に接続されている。第2の液路L2はその上流側が蓄圧手段としての低圧アキュムレータ54に接続されている。
また、第2の液路L2の下流側が第3の液路L3、第4の液路L4に分岐接続されている。さらに、各液路L3,L4の下流が、各車輪5fl,5rr(5fr,5rl)に設けたブレーキキャリパを動作させて、各車輪5fl,5rr(5fr,5rl)にブレーキ力(摩擦制動力)を発生させるホイールシリンダ8fl,8rr(8fr,8rl)に接続されている。
一方、第3、第4の液路L3,L4の中途に、第5、第6の液路L5,L6の上流が接続されている。これらの第5、第6の液路L5,L6の下流が第7液路に接続されており、この第7の液路L7の下流が低圧アキュムレータ54に接続されている。
第1の液路L1にゲートインバルブ55が設けられ、また、第2の液路L2の第1の液路L1よりも下流に液圧ポンプ56が介装されている。さらに、第1、第2の液圧回路52,53の各液圧ポンプ56が共通の電動モータ57に接続されている。
各液圧ポンプ56,56の駆動軸は、各液圧ポンプ56,56が発生させる液圧の脈動を互いに逆位相とするようにモータ57に接続されている。モータ57は、BCU14から入力される制御信号(ブレーキ液圧指示値)に基づいて駆動制御される。この場合、モータ57は、基本的には、大きな制動力(ブレーキ液圧)を必要とする高速走行からの制動時において高速で駆動され、さほど大きな制動力(ブレーキ液圧)を必要としない低速走行からの制動時において低速で駆動される。
また、ゲートインバルブ55の上流側の第1の液路L1と液圧ポンプ56の下流側の第2の液路L2とが第8の液路L8を介してバイパス接続されており、この第8の液路L8にバイパスバルブ58が介装されている。さらに、第2の液路L2の第8の液路L8よりも下流に第1のブレーキ液検知センサ59a(第2のブレーキ液検センサ59b)が介装されている。このブレーキ液検知センサ59a(59b)は、例えば、第2の液路L2に作用するブレーキ液の液圧を検出する液圧センサ等である。更に、第3、第4の液路L3,L4に加圧バルブ60,61が介装され、第5、第6の液路L5,L6に減圧バルブ62,63が介装されている。
これら各バルブ55,58,60~63は、例えば、電磁ソレノイドバルブであり、BCU14からの駆動信号に従って切換え動作される。なお、本実施形態において、例えば、バイパスバルブ58及び加圧バルブ60,61はノーマルオープンの電磁ソレノイドバルブによって構成され、ゲートインバルブ55及び減圧バルブ62,63はノーマルクローズの電磁ソレノイドバルブによって構成されている。
このようなブレーキアクチュエータ6に対し、BCU14は、電動モータ57及び各バルブ55,58,60~63等の制御を通じて、各種制動制御を行う。
すなわち、BCU14は、基本的には、電動モータ57を停止させるとともに、ゲートインバルブ55を閉弁させ、バイパスバルブ58を開弁させる。これにより、ドライバのブレーキペダル16aに対する踏込量に応じてマスタシリンダ44で発生されたブレーキ液圧が、そのまま各ホイールシリンダ8に供給される。
また、例えば、図示しない運転支援装置を備えた車両1において、運転支援装置によって自動ブレーキ制御等のための目標減速度が設定されると、BCU14は、電動モータ57を駆動する。さらに、BCU14は、ゲートインバルブ55を開弁するとともに、バイパスバルブ58を閉弁する。これにより、マスタシリンダ44において加圧された圧力媒体、或いは、リザーバタンク45からそのまま供給された圧力媒体が、液圧ポンプ56を経由して所定のブレーキ液圧まで加圧された後、第2の液路L2から第3,第4の液路L3,L4に対して供給される。
また、BCU14は、摩擦ブレーキを、回生ブレーキ及びエンジンブレーキ等と協調させる制動力制御時においては、減圧バルブ62,63及び電動モータ57等に対する駆動制御を通じてブレーキ液圧を減圧させる。これにより、摩擦ブレーキ力は、HEV_CU10において算出された必要制動トルクのトルク配分値に応じたブレーキ力に制御される。
さらに、BCU14は、必要に応じて、加圧バルブ60,61及び減圧バルブ62,63を駆動制御し、各ホイールシリンダ8に供給されるブレーキ液圧の配分制御や減圧制御を行う。これにより、BCU14は、ブレーキアクチュエータ6とともに、ABS(Anti-lock Brake System)の機能を実現する。
ABSによるアンチロック制御について具体的に説明すると、BCU14は、制動による減速時に、車体速度と車輪速度との差を車体速度で除算することにより、各車輪5fl,5fr,5rl,5rrのスリップ率を算出する。なお、車体速度は、例えば、各車輪速度の平均値、或いは、各車輪速度のうち最も高い車輪速度等に基づいて推定することが可能である。
また、BCU14は、各車輪のスリップ率を予め設定された閾値と比較し、スリップ率が閾値よりも大きい車輪についてスリップ状態にあると判定する(すなわち、ABS作動条件が成立していると判定する)。そして、BCU14は、ABS作動条件が成立している車輪の制動トルクを周期的に増減させる。すなわち、BCU14は、ブレーキアクチュエータ6に対する制御を通じて、スリップ状態にある車輪のブレーキ液圧を周期的に増減させることにより、車輪のスリップを抑制するアンチロック制御を実現する。
ところで、このようなアンチロック制御の介入により周期的に増減する制動力(制動トルク)が車体に入力されると、車体の固有振動との共振により車体振動の振動レベル(db)が増大することがある。
このような車体振動を抑制するため、BCU14は、ABS作動時において、適宜、振動抑制制御を行う。
すなわち、BCU14は、加速度センサ18からの信号に基づいて、車体振動の振動レベル(振動のエネルギーの大きさを示す振動加速度レベルを振動感覚補正特性で補正したもの)を算出する。
また、BCU14は、算出した振動レベルと予め設定された振動レベルの閾値とを比較する。そして、BCU14は、振動レベルが閾値以上であると判定した場合に、車体の固有振動とアンチロック制御の介入に起因する駆動系振動との共振によって振動レベルが上昇した可能性が高いと判定し、振動抑制制御を行う。なお、駆動系振動は、例えば、各車輪速センサ17fl,17fr,17rl,17rrにおいて検出された車輪速度に基づき(より具体的には、車輪速度を微分した車輪加速度に基づき)、車輪5fl,5fr,5rl,5rr毎に算出されるものである。
この振動抑制制御は、アンチロック制御によって車輪に付与する周期的な制動トルクの特性を変更することにより、車体の固有振動と駆動系振動との共振を解消させて車体振動を抑制する制御である。本実施形態において、具体的には、BCU14は、ブレーキアクチュエータ6に対する制御を通じて、アンチロック制御時の制動トルクを一時的に保持し、車体振動に対する駆動系振動の位相をずらすことにより、車体振動を抑制する。
但し、駆動系振動の周期と車体振動の周期とが大きく相違している場合、車体振動の振動レベルの上昇は、車体の固有振動と駆動系振動との共振が要因ではないと判断できる。従って、BCU14は、車体振動の振動レベルが閾値以上であっても、駆動系振動の周期が車体振動の周期に対して設定割合の範囲内にない場合には、振動抑制制御を行わない(キャンセルする)。
また、駆動系振動の位相と車体振動の位相とが概ね逆位相となっている場合、車体振動の振動レベルの上昇が、車体の固有振動と駆動系振動との共振が要因ではないと判断できる。従って、BCU14は、車体振動の振動レベルが閾値以上であり、且つ、駆動系振動の周期が車体振動の周期に対する設定割合の範囲内にある場合であっても、駆動系振動と車体振動との正負のピークの時間差が設定範囲内にある場合には、振動抑制制御を行わない(キャンセルする)。
このように、本実施形態において、BCU14は、ブレーキアクチュエータ6と共に、アンチロック制御手段、及び、振動抑制手段としての機能を実現する。
次に、各ブレーキ(回生ブレーキ、エンジンブレーキ、及び、摩擦ブレーキ)に対する制動トルク配分制御について、図3に示す制動トルク配分制御ルーチンのフローチャートに従って説明する。このルーチンは、HEV_CU10において、設定時間毎に繰り返し実行されるものである。
ルーチンがスタートすると、HEV_CU10は、ステップS101において、減速要求があったか否かを調べる。すなわち、HEV_CU10は、例えば、アクセルセンサ15からの信号に基づいてアクセルペダル15aの解放状態を検出したとき、コースト走行による減速要求がなされていると判定する。或いは、HEV_CU10は、例えば、ブレーキセンサ16からの信号に基づいてブレーキペダル16aの踏込状態を検出したとき、減速要求がなされていると判定する。或いは、HEV_CU10は、例えば、図示しない運転支援装置から目標減速度が入力されたとき、減速要求がなされていると判定する。
そして、ステップS101において、減速要求がないと判定した場合、HEV_CU10は、そのままルーチンを抜ける。
一方、ステップS101からステップS102に進むと、HEV_CU10は、目標減速度を取得する。すなわち、HEV_CU10は、例えば、コースト走行時においては、アクセルセンサ15からの信号(アクセル開度等)や車速等に基づいて目標減速度を算出する。また、HEV_CU10は、例えば、ドライバによるブレーキペダルの踏込をブレーキセンサ16からの信号に基づいて検出した場合、第1,第2のブレーキ液圧センサ59a,59b等からの信号に基づいて目標減速度を算出する。さらに、図示しない運転支援装置を搭載した車両1においては、運転支援装置によって算出された自動ブレーキ制御等のための目標減速度を取得する。
続くステップS103において、HEV_CU10は、現在の目標減速度に基づいて必要制動トルクを算出する。そして、HEV_CU10は、算出した必要制動トルクを、自車両1の走行状態等に応じて予め設定されたトルク配分比に基づき、回生ブレーキ、エンジンブレーキ、及び、摩擦ブレーキに配分するための各制動トルク配分値(回生制動トルク、エンジン制動トルク、及び、摩擦制動トルクの各配分値)を算出する。
続くステップS104において、HEV_CU10は、BCU14からの信号に基づき、ABS作動条件(アンチロック制御の介入条件)が成立しているか否かを調べる。
そして、ステップS104において、ABS作動条件が成立していないと判定した場合、HEV_CU10は、ステップS106に進む。
一方、ステップS104において、ABS作動条件が成立していると判定した場合、HEV_CU10は、ステップS105に進み、制動トルク配分値を補正した後、ステップS106に進む。すなわち、HEV_CU10は、例えば、ステップS103において算出されている回生制動トルクの配分値を減少させる補正を行う(例えば、回生制動トルクの配分値を「0」に補正する)とともに、摩擦制動トルクの配分値を増加させる補正を行う。これにより、車輪5fl,5fr,5rl,5rr毎のブレーキ液圧制御を通じて、各車輪5fl,5fr,5rl,5rrの摩擦制動トルクを、個別に増減させることが可能となる。
ステップS104或いはステップS105からステップS106に進むと、HEV_CU10は、各制動トルク配分値を、制御情報として該当する制御ユニットに出力した後、ルーチンを抜ける。すなわち、ステップS104からステップS106に進むと、HEV_CU10は、ステップS103において算出した制動トルク配分値を、制御情報として該当する制御ユニットに出力する。また、ステップS105からステップS106に進むと、HEV_CU10は、ステップS105において補正した後の制動トルク配分値を、制御情報として該当する制御ユニットに出力する。
例えば、回生ブレーキに対する制動トルク配分値が算出されている場合、HEV_CU10は、当該制動トルク配分値を制御情報としてPCU13に出力する。これにより、モータジェネレータ4において回生発電を行うための磁界制御等が行われ、制動トルク配分値に応じた回生ブレーキ力が発生する。
また、例えば、エンジンブレーキに対する制動トルク配分値が算出されている場合、HEV_CU10は、当該制動トルク配分値を制御情報としてECU11及びTCU12に出力する。これにより、エンジン2の出力トルク及び自動変速機3の変速比が制御され、制動トルク配分値に応じたエンジンブレーキ力が発生する。
また、例えば、摩擦ブレーキに対する制動トルク配分値が算出されている場合、HEV_CU10は、当該制動トルク配分値を制御情報としてBCU14に出力する。これにより、ブレーキアクチュエータ6におけるブレーキ液圧制御が行われ、制動トルク配分値に応じた摩擦ブレーキ力が発生する。
次に、振動抑制制御を含むアンチロック制御について、図4に示すフローチャートに従って説明する。このルーチンは、BCU14において、設定時間毎に繰り返し実行されるものである。
ルーチンがスタートすると、BCU14は、ステップS201において、ABS作動条件が成立しているか否かを調べる。すなわち、BCU14は、自車両1の車体速度と各車輪5fl,5fr,5rl,5rrの車輪速度とをそれぞれ比較し、各車輪5fl,5fr,5rl,5rrのスリップ率を算出する。そして、BCU14は、スリップ率が設定閾値以上の車輪が存在する場合、当該車輪についてABS作動条件が成立していると判定する。
そして、ステップS201において、何れの車輪5fl,5fr,5rl,5rrについてもABS作動条件が成立していないと判定した場合、BCU14は、そのままルーチンを抜ける。
一方、ステップS201において、車輪5fl,5fr,5rl,5rrのうちの少なくとも何れか1つの車輪についてABS作動条件が成立していると判定した場合、BCU14は、ステップS202に進む。そしてBCU14は、現在の車体速度及びスリップ率等に基づき、予め設定されたマップ等を参照し、該当する車輪について、アンチロック制御のための制御パラメータを設定する。
すなわち、BCU14は、スリップ率の高い車輪に対するブレーキ液圧を増減させるための減圧閾値A、増圧閾値B、減圧勾配C、増圧勾配D、及び、保持時間E等を設定する(減圧閾値及び増圧閾値については、例えば、図6参照)。
ステップS202からステップS203に進むと、BCU14は、該当する車輪について、ブレーキアクチュエータ6に対する制御を通じて、設定した制御パラメータに基づくアンチロック制御を行う。
すなわち、BCU14は、例えば、該当する車輪のブレーキ液圧が減圧閾値Aまで上昇すると、当該ブレーキ液圧を保持時間Eの間保持した後、減圧勾配Cにて減圧させる。また、BCU14は、減圧勾配Cにて減圧中のブレーキ液圧が増圧閾値Bまで下降すると、当該ブレーキ液圧を保持時間Eの間保持した後、増圧勾配Dにて増圧させる。このような制御を繰り返すことにより、該当する車輪の制動トルクは、周期的に増減する。
続くステップS204において、BCU14は、加速度センサ18において検出された加速度に基づき、車体振動の振動レベル及び振動周期Tbを取得する。
続くステップS205において、BCU14は、車体振動の振動レベルが予め設定された閾値以上であるか否かを調べる。
そして、ステップS205において、車体振動の振動レベルが閾値未満であると判定した場合、BCU14は、ステップS210に進む。
一方、ステップ205において、車体振動の振動レベルが閾値以上であると判定した場合、BCU14は、ステップS206に進む。そして、BCU14は、アンロック制御中の車輪の車輪速度に基づいて当該車輪を起震源とする駆動系振動の振動周期T(図5,6参照)を算出し、算出した駆動系振動の振動周期Tが、車体振動の振動周期Tb(図5参照)に対して設定割合の範囲内にあるか否かを調べる。
すなわち、BCU14は、駆動系振動の振動周期Tが、αTb<T<βTbの範囲内にあるか否かを調べる。ここで、α及びβは係数であり、例えば、α=(1/2)、β=2である。
そして、ステップS206において、駆動系振動の振動周期Tが車体振動の振動周期Tbに対して設定割合の範囲内にないと判定した場合、BCU14は、車体振動の振動レベルの上昇は駆動系振動との共振が原因ではないと判断し、ステップS210に進む。
一方、ステップS206において、駆動系振動の振動周期Tが車体振動の振動周期Tbに対して設定割合の範囲内にあると判定した場合、BCU14は、ステップS207に進み、駆動系振動と車体振動のとの正負のピークの時間差が設定範囲内にあるか否かを調べる。
すなわち、BCU14は、例えば、駆動系振動の負のピークと車体振動の正のピークとの時間差Δt(図5参照)が、駆動系振動の振動周期Tの半値((1/2)T)未満であるか否かを調べる。
そして、ステップS207において、時間差Δtが振動周期Tの半値未満であると判定した場合、BCU14は、駆動系振動と車体の固有振動とが打ち消し合っている可能性が高く、車体振動の振動レベルの上昇は駆動系振動との共振が原因ではないと判定し、ステップS210に進む。
一方、ステップS207において、時間差Δtが振動周期Tの半値以上であると判定した場合、BCU14は、ステップS208に進み、該当する車輪に対するアンチロック制御中のブレーキ液圧を一時的に保持するための保持時間を算出する。
この保持時間は、例えば、時間差Δtに基づいて算出される。具体的には、BCU14は、例えば、振動周期Tの半値から時間差Δtを減算した時間を保持時間として算出する。
ステップS208からステップS209に進むと、BCU14は、該当する車輪に対するアンチロック制御中のブレーキ液圧を、算出した保持時間だけ一定に保持した後(図6参照)、ステップS210に進む。
なお、このようなブレーキ液圧の保持は、例えば、アンチロック制御によるブレーキ液圧の増減周期の1周期に対して行う場合に限定されるものではなく、複数周期に分けて行うことも可能である。
ステップS205、ステップS206、ステップS207、或いは、ステップS209からステップS210に進むと、BCU14は、ABS解除条件が成立したか否かを調べる。すなわち、BCU14は、自車両1の車体速度と各車輪5fl,5fr,5rl,5rrの車輪速度とをそれぞれ比較し、各車輪5fl,5fr,5rl,5rrのスリップ率を算出する。そして、BCU14は、スリップ率が設定閾値以上の車輪が存在しない場合、ABS解除条件が成立していると判定する。
そして、ステップS210において、ABS解除条件が成立していないと判定した場合、BCU14は、ステップS203に戻る。
一方、ステップS210において、ABS解除条件が成立していると判定した場合、BCU14は、ルーチンを抜ける。
このような実施形態によれば、BCU14は、アンチロック制御中の車体振動のレベルが予め設定された閾値以上であるとき、アンチロック制御が行われている車輪に付与する周期的な制動トルクの特性を変更して車体振動を抑制する振動抑制制御において、アンチロック制御に起因する駆動系振動の周期と車体振動の周期とを比較し、車体振動指針同レベルが閾値以上であっても、駆動系振動の周期が車体振動の周期に対して設定割合の範囲内にない場合には、振動抑制制御を行わない(キャンセルする)。これにより、アンチロック制御時に不要な共振抑制制御の介入を防止しつつ、車体の共振を効果的に抑制することができる。
すなわち、駆動系振動の周期が車体振動の周期に対して設定割合の範囲内にない場合には、車体振動の振動レベルの上昇は駆動系振動との共振が原因ではないと判断し振動抑制制御を行わないことにより、不要な共振抑制制御の介入を防止することができる。
さらに、BCU14は、車体振動指針同レベルが閾値以上であって、且つ、駆動系振動の周期が車体振動の周期に対して設定割合の範囲内にある場合であっても、駆動系振動と車体振動との正負のピークの時間差Δtが設定範囲(1/2)T内にある場合には、振動抑制制御を行わない(キャンセルする)。これにより、駆動系振動と車体の固有振動とが打ち消し合っている可能性が高く、車体振動の振動レベルの上昇は駆動系振動との共振が原因ではない可能性が高い場合においても、不要な共振抑制制御の介入を防止することができる。
また、BCU14は、車体の固有振動と駆動系振動との共振によって車体振動の振動レベルが高くなった可能性が高いと判断した場合に、アンチロック制御による制動トルク(すなわち、ブレーキ液圧)を設定時間保持し、車体振動に対する駆動系振動の位相をずらす(図5,6参照)。すなわち、車体振動指針同レベルが閾値以上であり、駆動系振動の周期が車体振動の周期に対して設定割合の範囲内にあり、且つ、駆動系振動と車体振動との正負のピークの時間差Δtが設定範囲(1/2)T外にある場合には、車体の固有振動と駆動系振動(例えば、図5参照)との共振によって車体振動が増加している可能性が高いと仮定し、車体振動に対する駆動系振動の位相をずらす。これにより、車体の固有振動と駆動系振動との位相をずらすことができ、これら車体の固有振動と駆動系振動との連成からなる車体振動を抑制することができる。
次に、図7乃至図10を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、上述の実施形態はアンチロック制御により増減させる制動トルク(ブレーキ液圧)の位相をずらすことにより車体振動を抑制していたのに対し、本実施形態はアンチロック制御により増減させる制動トルク(ブレーキ液圧)の周期を変化させることにより車体振動を抑制する点が主として異なる。その他、上述の第1の実施形態と同様の点については、適宜説明を省略する。
図7に示すように、本実施形態の振動抑制制御を含むアンチロック制御では、ステップS207において、時間差Δtが振動周期Tの半値以上であると判定した場合、BCU14は、ステップS211に進み、ステップS202において設定したアンチロック制御のための制御パラメータを補正した後、ステップS210に進む。
具体的には、ステップS211において、BCU14は、現在の車速(車体速度)及び路面摩擦係数μに基づき、予め設定されたマップ(図10参照)等を参照して、減圧閾値A、増圧閾値B、減圧勾配C、及び、増圧勾配Dに対する補正量Rc(補正割合(%))を設定する。
また、BCU14は、補正量Rcに紐付けられた時間補正量Tcを設定する。この時間補正量Tcは、例えば、補正量Rcが大きくなるほど小さな値に設定される。
そして、BCU14は、これらの補正量Rc及び時間補正量Tcに基づいて各制御パラメータを補正する。
例えば、BCU14は、減圧閾値Aに対する補正値A'を、A'=A×(1-Rc)によって算出する。
また、BCU14は、例えば、増圧閾値Bに対する補正値B'を、B'=B×(1+Rc)によって算出する。
また、BCU14は、例えば、減圧勾配-Cに対する補正値-C'を、-C'=C×(1-Rc+α)によって算出する。ここで、αは、路面摩擦係数μによって可変設定される補正値であり、路面摩擦係数μが低くなるほど大きな値に設定される。
また、BCU14は、例えば、増圧勾配Dに対する補正値D'を、D'=D×(1-Rc)によって算出する。
なお、上述のように、追加の補正値αは、減圧勾配-Cに対してのみ付与される。これは、アンチロック制御においては、減圧勾配Cの方が増圧勾配Dよりも車両の走行安定性に大きく寄与することが知られており、減圧勾配Cの大胆な補正を抑制するためである。
また、BCU14は、例えば、保持時間Eに対する補正値E'を、E'=E×(1-Tc)によって算出する。
ここで、路面摩擦係数μは、例えば、BCU14において推定される。例えば、BCU14は、自車両の車速、舵角、ヨーレートの検出値を用い、車両の運動方程式に基づいて、パラメータ(諸元)を算出する。具体的には、BCU14は、車両の運動方程式を状態変数で表現し、パラメータ調整則を設定して適応制御理論を展開することにより、種々のパラメータを推定する。そして、BCU14は、推定したパラメータに基づいて前後輪のコーナリングパワーKf,Krを算出するとともに、このコーナリングパワーKf,Krに基づいて路面摩擦係数μを推定する。なお、路面摩擦係数を推定する方法は、この方法に限定されるものではない。
このような実施形態によれば、BCU14は、車体の固有振動と駆動系振動との共振によって車体振動の振動レベルが高くなった可能性が高いと判断した場合に、アンチロック制御による制動トルク(すなわち、ブレーキ液圧)の増減周期Tを変化させる(図8,9参照)。すなわち、車体振動指針同レベルが閾値以上であり、駆動系振動の周期が車体振動の周期に対して設定割合の範囲内にあり、且つ、駆動系振動と車体振動との正負のピークの時間差Δtが設定範囲(1/2)T外にある場合には、車体の固有振動と駆動系振動(例えば、図5参照)との共振によって車体振動が増加している可能性が高いと仮定し、駆動系振動の振動周期TをT'に変化させることにより、車体振動に対する駆動系振動の位相をずらす。これにより、車体の固有振動と駆動系振動との位相をずらすことができ、これら車体の固有振動と駆動系振動との連成からなる車体振動を抑制することができる。
この場合において、BCU14は、自車速及び路面摩擦係数μに応じて、減圧閾値Aを減少側に補正するとともに減圧勾配Cを減少側に補正し、且つ、増圧閾値Bを増加側に補正するとともに増圧勾配Dを減少側に補正することにより、アンチロック制御に必要な制動トルクの増減幅等を確保しつつ、車体振動を抑制することができる。
ここで、上述の実施形態において、HEV_CU10、ECU11、TCU12、PCU13、及び、BCU14等は、CPU,RAM,ROM、不揮発性記憶部等を備える周知のマイクロコンピュータ、及びその周辺機器で構成されており、ROMにはCPUで実行するプログラムやデータテーブル等の固定データ等が予め記憶されている。なお、プロセッサの全部若しくは一部の機能は、論理回路あるいはアナログ回路で構成してもよく、また各種プログラムの処理を、FPGAなどの電子回路により実現するようにしてもよい。
以上の実施の形態に記載した発明は、それらの形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記各形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得るものである。
例えば、各形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、述べられている課題が解決でき、述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得るものである。
また、上述の各実施形態においては、ハイブリッド車の制動制御を一例として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の駆動系を備えた車両にも適用可能であることが勿論である。
1 … 車両(自車両)
2 … エンジン
3 … 自動変速機
4 … モータジェネレータ
5(5fl,5fr,5rl,5rr) … 車輪
6 … ブレーキアクチュエータ
7 … バッテリ
8(8fl,8fr,8rl,8rr) … ホイールシリンダ
10 … ハイブリッド制御ユニット(HEV_CU)
11 … エンジン制御ユニット(ECU)
12 … トランスミッション制御ユニット(TCU)
13 … パワーコントロール油ニッチ(PCU)
13a … インバータ
14 … ブレーキ制御ユニット(BCU)
15 … アクセルセンサ
15a … アクセルペダル
16 … ブレーキセンサ
16a … ブレーキペダル
17(17fl,17fr,17rl,17rr) … 車輪速センサ
18 … 前後加速度センサ
41 … ブレーキ液圧発生部
42 … ブレーキ液圧回路
44 … マスタシリンダ
44a,44b … 給排ポート
45 … リザーバタンク
46 … ブレーキブースタ
48 … オペレーティングロッド
52,53 … ブレーキ液圧回路
54 … 低圧アキュムレータ
55 … ゲートインバルブ
56 … 液圧ポンプ
57 … 電動モータ
58 … バイパスバルブ
59a,59b … ブレーキ液圧センサ
60,61 … 加圧バルブ
62,63 … 減圧バルブ

Claims (5)

  1. 各車輪の車輪速度を検出する車輪速度検出手段と、
    制動時の前記車輪速度に基づいて前記車輪のスリップを検出したとき、スリップ状態にある前記車輪に対し、制動トルクの周期的な増減により前記スリップを抑制するアンチロック制御を行うアンチロック制御手段と、
    周期的な車体振動を検出する車体振動検出手段と、
    前記車体振動の振動レベルが予め設定された閾値以上であるとき、前記アンチロック制御が行われている前記車輪に付与する周期的な前記制動トルクの特性を変更し、前記車体振動を抑制する振動抑制制御を行う振動抑制手段と、を備え、
    前記振動抑制手段は、前記車体振動の前記振動レベルが前記閾値以上であっても、前記アンチロック制御に起因する駆動系振動の周期が前記車体振動の周期に対する設定割合の範囲内にない場合には、前記振動抑制制御を行わないことを特徴とする車両の制動制御装置。
  2. 前記振動抑制手段は、前記アンチロック制御に起因する前記駆動系振動の周期が前記車体振動の周期に対して前記設定割合の範囲内にある場合であっても、前記アンチロック制御に起因する前記駆動系振動と前記車体振動との正負のピークの時間差が設定範囲内にある場合には、前記振動抑制制御を行わないことを特徴とする請求項1に記載の車両の制動制御装置。
  3. 前記振動抑制手段は、前記アンチロック制御時の前記制動トルクを設定時間保持し、前記車体振動に対する前記駆動系振動の位相をずらすことにより、前記車体振動を抑制することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両の制動制御装置。
  4. 前記振動抑制手段は、前記アンチロック制御時の前記制動トルクの増減周期を変化させることにより前記車体振動を抑制することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両の制動制御装置。
  5. 前記アンチロック制御手段は、制御パラメータとして、少なくとも、ブレーキ液圧に対する減圧閾値、増圧閾値、減圧勾配、及び、増圧勾配を設定し、前記制御パラメータに基づいて前記ブレーキ液圧を制御することにより前記制動トルクを周期的に増減させ、
    前記振動抑制手段は、前記振動抑制制御時に、自車速及び路面摩擦係数に応じて、前記減圧閾値を減少側に補正するとともに前記減圧勾配を減少側に補正し、且つ、前記増圧閾値を増加側に補正するとともに前記増圧勾配を減少側に補正することを特徴とする請求項4に記載の車両の制動制御装置。
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