JP2023008147A - ロータリーダイカッター - Google Patents

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正宣 平山
Masanobu Hirayama
晃徳 富岡
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Abstract

【課題】カット性を向上できるロータリーダイカッターを提供することにある。【解決手段】本発明のロータリーダイカッターは、ロータリーダイカッターは、ダイロールとアンビルロールとを備え、ダイロールは、薄帯片の輪郭に対応する形状を有する切刃が外周面に設けられたダイロール本体を含み、アンビルロールは、ダイロール本体の切刃が篏合可能な溝が外周面に設けられたアンビルロール本体を含み、切刃は、ダイロール本体の前外周面の平面視においてダイロール本体の回転方向の反対方向に向かって凸状となるように湾曲された湾曲部を含み、切刃の湾曲部は、高さがダイロール本体の回転方向の反対方向に向かって高くなる勾配を有し、ダイロール本体の切刃を、アンビルロール本体の溝に篏合させ薄帯材に押し込むことで薄帯材を切断することにより、薄帯材から薄帯片を打ち抜くことを特徴とする。【選択図】図4B

Description

本開示は、薄帯材から薄帯片を打ち抜くために用いられるロータリーダイカッターに関する。
従来から、金属薄帯、不織布、紙、布、樹脂等の薄手の帯状の素材である薄帯材から所定形状の薄帯片を打ち抜くことで製造することが行われている。薄帯材から薄帯片を打ち抜く方法には、近年、生産性の向上等の観点から、ロータリーダイカッターが適用されるようになっている。ロータリーダイカッターは、一対のロールを互いに逆方向に回転させることで薄帯材をそれらロールの間に通過させる際に、それらロールの間に生じる圧縮力により薄帯材を打ち抜くものである。
このようなロータリーダイカッターとしては、例えば、一対のロールのうちの一方のロールには所望の形状と略同形状の輪郭の凹状部を設け、他方のロールには凹状部よりも一回り大きな輪郭形状の凸状部を設け、一対のロールを同期を取りながら回転させ、それらの間に挟まれた進行中の被切断物の輪郭を凸状部と凹状部のオーバーラップの部分を利用して切断するものが知られている(特許文献1)。このカッターでは、2つのロールの部材同士の近接により、帯状の非切断物を所望の形状に打抜くので、チッピングを極めて起こりにくくする。
また、ロータリーダイカッターとしては、一対のロールのうちの一方のロールとして断面がV字状の切刃を外周面に設けたロールを用い、他方のロールとして外周面が平坦なロールを用い、一方のロールの切刃が、他方のロールの平坦な外周面に切刃の輪郭線状に接触するものが知られている。例えば、特許文献2には、このようなカッターとして、ダイカッターロールの切刃の外側の周辺に凸部を設け、円筒ロールにおける凸部と相対する位置に凹部を設け、ロールの間に供給される切断対象のシートを凸部で凹部に押し込むものが記載されている。
さらに、ロータリーダイカッターとしては、対象物を支持して回転するアンビルローラと、対象物を切断する凸刃を有して回転するダイカッターと、アンビルローラの外周面に配置され、対象物の切断時に対象物の裏面に接して弾性変形する第1弾性部と、ダイカッターの外周面に配置され、対象物の切断時に対象物の表面に接して弾性変形する第2弾性部と、を備えるものが知られている(特許文献3)。このカッターでは、対象物に引張力を作用させて凸刃の食い込み部を起点とする亀裂を進展させて対象物を破断することにより、凸刃の損耗を抑制することができる。また、ロータリーダイカッターとしては、例えば、所定の機構により切断時にワークの幅方向の張力を加えるものが知られている(特許文献4)。
特開2015-188964号公報 実開平5-85599号公報 特開2020-116634号公報 特開2005-1012号公報
特許文献1に記載されたカッターでは、例えば、薄帯材から切断の進行方向に向かって先細りとなり、切断の進行方向の先端部に凸状となる微小な湾曲部を含む輪郭を有する薄帯片を打ち抜く場合には、薄帯材において薄帯片の輪郭の微小な湾曲部が形成される部位に材料が寄り易く、皺が発生するおそれがある。特許文献3に記載されたカッターでも、この場合には同様の問題が起こるおそれがある。これに対し、特許文献2に記載されたカッターでは、ロールの間に供給される切断対象の薄帯材を凸部で凹部に押し込むことで薄帯材を引っ張った状態で断裁することで、薄帯材への皺の発生を抑制する作用が得られる。また、特許文献3に記載されたカッターでも、所定の機構により切断時に薄帯材の幅方向の張力を加えることで、薄帯材への皺の発生を作用が得られる。しかしながら、薄帯材から切断の進行方向に向かって凸状となる湾曲部を含む輪郭を有する薄帯片を打ち抜く場合等においては、特許文献2及び3のように、薄帯材を平面方向の張力で引っ張ることで薄帯材への皺の発生を抑制しようとしても、皺の発生を十分に抑制できないおそれがある。このため、薄帯材への皺の発生を十分に抑制でき、カット性を向上できるロータリーダイカッターが求められている。
本発明は、このような点を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、カット性を向上できるロータリーダイカッターを提供することにある。
上記課題を解決すべく、本発明のロータリーダイカッターは、ダイロールとアンビルロールとを備え、薄帯材から薄帯片を打ち抜くために用いられるロータリーダイカッターであって、上記ダイロールは、上記薄帯片の輪郭に対応する形状を有する切刃が外周面に設けられたダイロール本体を含み、上記アンビルロールは、上記ダイロール本体の上記切刃が篏合可能な溝が外周面に設けられたアンビルロール本体を含み、上記切刃は、上記ダイロール本体の前外周面の平面視において上記ダイロール本体の回転方向の反対方向に向かって凸状となるように湾曲された湾曲部を含み、上記切刃の上記湾曲部は、高さが上記ダイロール本体の回転方向の反対方向に向かって高くなる勾配を有し、上記ダイロール本体及び上記アンビルロール本体を互いに逆方向に回転させることで上記薄帯材を上記ダイロール及び上記アンビルロールの間に通過させる際に、上記ダイロール本体の上記切刃を、上記アンビルロール本体の上記溝に篏合させ上記薄帯材に押し込むことで上記薄帯材を切断することにより、上記薄帯材から上記薄帯片を打ち抜くことを特徴とする。
本発明によれば、カット性を向上できる。
第1実施形態に係るロータリーダイカッターを含む打ち抜き装置を示す概略側面図である。 第1実施形態に係るロータリーダイカッターを用い、薄帯材から打ち抜く薄帯片を示す概略平面図である。 第1実施形態に係るロータリーダイカッターを示す概略斜視図である。 第1実施形態に係るロータリーダイカッターの構造を説明する概略側面図である。 図4Aに示されるダイロール本体の切刃の湾曲部と他の部分との境界が直線L上にくるときにおけるダイロール本体の回転軸A1に垂直な断面であって、切刃の刃先を含む断面の概略断面図、及びその概略断面図に表されるダイロール本体の切刃を直線L方向から視た投影図を示した図である。 第2実施形態に係るロータリーダイカッターの構造を説明する概略側面図である。
以下、本発明の実施形態に係るロータリーダイカッターについて説明する。
最初に、実施形態に係るロータリーダイカッターの概略について、第1実施形態及び第2実施形態を例示して説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るロータリーダイカッターを含む打ち抜き装置を示す概略側面図である。図2は、第1実施形態に係るロータリーダイカッターを用い、薄帯材から打ち抜く薄帯片を示す概略平面図である。
図1に示すように、打ち抜き装置1は、材料供給装置10と、第1実施形態に係るロータリーダイカッター30と、材料回収装置40とを備え、これらは白抜き矢印に示す搬送方向において順番に配置されている。打ち抜き装置1は、2つの材料搬送装置20をさらに備え、これらは、搬送方向においてロータリーダイカッター30の上流側及び下流側にそれぞれ配置されている。
材料供給装置10は、薄帯材Mを巻き出しロータリーダイカッター30に供給できるように破線矢印に示す方向に回転可能に設けられた回転軸11を有し、回転軸11には薄帯材Mが巻かれている。薄帯材Mは、アモルファス合金薄帯である。材料搬送装置20は、薄帯材Mを挟んで回転する一対の搬送ロール21を有している。一対の搬送ロール21は、回転軸が互いに平行になるように配置され、破線矢印に示すように互いに逆方向に回転することで薄帯材Mを間に挟み込んで搬送する。材料回収装置40は、打ち抜き後の薄帯材M´を巻き取り回収できるように破線矢印に示す方向に回転可能に設けられた回転軸41を有している。
打ち抜き装置1では、まず、材料供給装置10から供給される薄帯材Mを上流側の材料搬送装置20によりロータリーダイカッター30に搬送する。次に、ロータリーダイカッター30を用い、薄帯材Mから図2に示す薄帯片Pを打ち抜く。薄帯片Pは、外側に向かって凸状となるように湾曲された微小な湾曲部Prを含む輪郭を有する。次に、打ち抜き後の薄帯材M´を下流側の材料搬送装置20により材料回収装置40に搬送し、材料回収装置40で回収する。
以下、第1実施形態に係るロータリーダイカッター30について詳細に説明する。図3は、第1実施形態に係るロータリーダイカッターを示す概略斜視図である。図4Aは、第1実施形態に係るロータリーダイカッターの構造を説明する概略側面図である。
ロータリーダイカッター30は、図1、図3、並び図4Aに示すように、ダイロール32と、アンビルロール34とを備えている。
ダイロール32は、図3及び図4Aに示すように、ダイロール本体32Aを含んでいる。ダイロール本体32Aは、円柱形状の金型であり、搬送ロール21の回転軸と平行なその中心軸を回転軸A1として回転可能に設けられている。ダイロール本体32Aの外周面32Asには切刃32Acが設けられている。ダイロール本体32Aの切刃32Acは、薄帯片Pの輪郭に対応する形状を有している。すなわち、切刃32Acの刃先32Aeの形状は、ダイロール本体32Aの外周面32Asの平面視において薄帯片Pの輪郭と等しくなっている。そして、切刃32Acは、ダイロール本体32Aの外周面32Asの平面視においてダイロール本体32Aの回転方向(破線矢印に示す方向)の反対方向に向かって凸状となるように湾曲された微小な湾曲部32Arを含む。切刃32Acの湾曲部32Arは、薄帯片Pの湾曲部Prを形成する部位である。ダイロール32では、ダイロール本体32Aが、回転軸A1を中心としてダイロール本体32Aの外周面32Asにより薄帯材Mを押圧しながら破線矢印に示す方向に回転する。
アンビルロール34は、図3及び図4Aに示すように、アンビルロール本体34Aを含んでいる。アンビルロール本体34Aは、円柱形状の金型であり、回転軸A1と平行なその中心軸を回転軸A2として回転可能に設けられている。アンビルロール本体34Aの外周面34Asには、ダイロール本体32Aの切刃32Acが隙間Sを有した状態で篏合可能な溝34Acが設けられている。アンビルロール本体34Aの外周面34Asを平面に展開した場合の溝34Acの平面視形状は、薄帯片Pの輪郭と概ね等しくなっている。また、溝34Acは、ダイロール本体の切刃が溝の幅方向及び深さ方向に隙間を有した状態で篏合可能な形状を有する。アンビルロール34では、アンビルロール本体34Aが、回転軸A2を中心としてアンビルロール本体34Aの外周面34Asにより薄帯材Mを支持しながら破線矢印に示す方向に回転する。
ここで、ダイロール本体32Aの要部についてさらに詳細に説明する。なお、以下では、ダイロール本体32Aの回転方向を「回転方向」と略すことがある。また、回転軸A1と回転軸A2とに直交する直線Lを「直線L」と略すことがある。図4Bは、図4Aに示されるダイロール本体の切刃の湾曲部と他の部分との境界が直線L上にくるときにおけるダイロール本体の回転軸A1に垂直な断面であって、切刃の刃先を含む断面の概略断面図、及びその概略断面図に表されるダイロール本体の切刃を直線L方向から視た投影図を示した図である。
ダイロール本体32Aの切刃32Acの湾曲部32Arは、図4Bの断面図に示すように、高さHが回転方向の反対方向に向かって高くなる勾配を有している。具体的には、切刃32Acの高さHは、湾曲部32Arよりも回転方向側の他の部分(湾曲部以外の部分)32AoではH0となっており、湾曲部32Arでは回転方向側からその反対方向側に向かうに従ってH0から次第に高くなっていく。さらに、図4Bの断面図に示すように、切刃32Acの湾曲部32Arと他の部分32Aoとの境界32Abが直線L上にくるときにおいて、切刃32Acの湾曲部32Arの各部位における刃先32Aeの直線L方向の位置が、切刃32Acの境界32Abにおける刃先32Aeの直線L方向の位置と一致する。また、このときには、切刃32Acの湾曲部32Arの中で他の部分32Aoより高さ方向に突出する突出部32Arsは、回転方向の反対方向の辺Eが直線Lと平行となる。そして、図4Bに示すように、切刃32Acを直線L方向から視た投影図における切刃32Acの湾曲部32Arの刃先32Aeの曲線形状の曲率半径をR1とし、その曲線形状の中心角度の1/2をθとし、ダイロール本体32Aの外径をR2とし、切刃32Acの他の部分32Aoの高さをH0とした場合において、湾曲部32Arの回転軸A1と直線Lとに垂直な方向の寸法Dが、下記式(1)で表されるDaとなっており、湾曲部32Arの突出部32Arsの直線L方向の寸法(辺Eの寸法)dLが、下記式(2)で表されるdLaとなっている。
Figure 2023008147000002
Figure 2023008147000003
ここで、式(2)中のBは、下記式(3)で定義される。
Figure 2023008147000004
なお、ロータリーダイカッター30では、ダイロール本体32Aの切刃32Acの基端部の幅が、アンビルロール本体34Aの溝34Acの幅以下となっている。切刃32Acの刃先32Aeと溝34Acの縁とのクリアランスが、例えば、薄帯材Mの厚さ(20μm~30μm程度)の5倍程度まで大きくなるように溝34Acの幅が設定されている。切刃32Acが溝34Acに押し込まれる深さが、例えば、薄帯材Mの厚さの5倍程度まで大きくなるように、切刃32Acの高さ及びロール本体32A、34A間のクリアランスが設定されている。
第1実施形態に係るロータリーダイカッター30で薄帯材Mから薄帯片Pを打ち抜く場合には、図3及び図4Aに示すように、薄帯材Mをダイロール本体32Aの外周面32As及びアンビルロール本体34Aの外周面34Asの間に挟みながら、ダイロール本体32A及びアンビルロール本体34Aを破線矢印に示すように互いに逆方向に回転させることで、薄帯材Mをダイロール32及びアンビルロール34の間に通過させる。この際に、ダイロール本体32Aの外周面32Asの切刃32Acの基端部の幅方向の両側とアンビルロール本体34Aの外周面34Asの溝34Acの幅方向の両側との間で薄帯材Mを挟圧しながら、ダイロール本体32Aの切刃32Acを、アンビルロール本体34Aの溝34Acに溝の幅方向及び深さ方向に隙間Sを有した状態で篏合させ薄帯材Mに押し込む。
これにより、アンビルロール本体34Aの溝34Acの幅方向の両側で、薄帯材Mにおいてダイロール本体32Aの外周面32Asとアンビルロール本体34Aの外周面34Asとの間で挟圧された被挟持部Msをダイロール本体32Aの押圧力及びアンビルロール本体34Aの押圧力で拘束する。同じタイミングで、薄帯材Mにおいて切刃32Acが押し込まれる押圧位置Mpをダイロール本体32Aの切刃32Acで押し下げる。このようにして、薄帯材Mの押圧位置Mpに曲げによる引張応力とともに拘束による引張応力を作用させることで、薄帯材Mを押圧位置Mpで切断する。そして、ダイロール32及びアンビルロール34を連続して回転させることにより、このような薄帯材Mの切断を連続して起こし、薄帯材Mから薄帯片Pを繰り返し打ち抜く。
第1実施形態によれば、図4Bに示すように、ダイロール本体32Aの切刃32Acの湾曲部32Arは、高さHが回転方向の反対方向に向かって高くなる勾配を有している。このため、ロータリーダイカッター30で薄帯材Mから薄帯片Pを打ち抜くために、ダイロール本体32Aの切刃32Acを薄帯材Mに押し込むときには、切刃32Acの湾曲部32Arの各部位が薄帯材Mに押し込まれるタイミングを、切刃32Acの境界32Abが薄帯材Mに押し込まれるタイミングに近付けることができる。これにより、薄帯材Mにおいて薄帯片Pの輪郭の微小な湾曲部Prが形成される部位で材料が寄り、皺が発生することを抑制できる。よって、薄帯材Mを切断する際のカット性を向上でき、高い形状精度で薄帯片Pを打ち抜くことができる。さらに、皺が発生することを抑制するために張力を付与する設備が不要となるため、コストを低減できる。
さらに、図4Bの断面図に示すように、切刃32Acの境界32Abが直線L上にくるときにおいて、切刃32Acの湾曲部32Arの各部位における刃先32Aeの直線L方向の位置が、切刃32Acの境界32Abにおける刃先32Aeの直線L方向の位置と一致する。そして、湾曲部32Arの回転軸A1と直線Lとに垂直な方向の寸法Dが、上記式(1)で表されるDaとなっており、湾曲部32Arの突出部32Arsの直線L方向の寸法dLが、下記式(2)で表されるdLaとなっている。これにより、切刃32Acの湾曲部32Arの回転方向の各部位が薄帯材Mに押し込まれるタイミングを、切刃32Acの境界32Abが薄帯材Mに押し込まれるタイミングと同一にすることができる。これにより、薄帯材Mで皺が発生することを顕著に抑制でき、カット性を顕著に向上できる。
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態に係るロータリーダイカッターの構造を説明する概略側面図である。
図5に示すように、第2実施形態に係るロータリーダイカッター30は、ダイロール32を、ダイロール本体32Aと、ダイロール弾性層(ダイロール側弾性体)32Bとを含むものとした点において、第1実施形態と相違する。ダイロール弾性層32Bは、ダイロール本体32Aの外周面32Asの切刃32Acの基端部の幅方向の両側に固定されて設けられており、切刃32Acの基端部の幅方向の隣接領域まで延在している。ダイロール32では、ダイロール弾性層32Bにより薄帯材Mを押圧しながら、ダイロール本体32Aが回転軸A1を中心として破線矢印に示す方向に回転する。ロータリーダイカッター30では、ダイロール弾性層32Bの厚さが、切刃32Acの高さより厚くなっている。
第2実施形態に係るロータリーダイカッター30で薄帯材Mから薄帯片Pを打ち抜く場合には、図5に示すように、薄帯材Mをダイロール弾性層32Bの外周面32Bs及びアンビルロール本体34Aの外周面34Asの間に挟みながら、ダイロール本体32A及びアンビルロール本体34Aを破線矢印に示すように互いに逆方向に回転させることで、薄帯材Mをダイロール32及びアンビルロール34の間に通過させる。この際に、ダイロール弾性層32Bとアンビルロール本体34Aの外周面34Asの溝34Acの幅方向の両側との間で薄帯材Mを挟圧しながら、ダイロール本体32Aの切刃32Acを、アンビルロール本体34Aの溝34Acに溝の幅方向及び深さ方向に隙間Sを有した状態で篏合させ薄帯材Mに押し込む。
これにより、アンビルロール本体34Aの溝34Acの幅方向の両側の隣接領域で、薄帯材Mにおいてダイロール弾性層32Bとアンビルロール本体34Aとの間で挟圧された被挟持部Msをダイロール弾性層32Bの弾性力及びアンビルロール本体34Aの押圧力で拘束する。同じタイミングで、ダイロール本体32Aの切刃32Acをダイロール弾性層32Bの外周面32Bsから突出させることで、薄帯材Mにおいて切刃32Acが押し込まれる押圧位置Mpをダイロール本体32Aの切刃32Acで押し下げる。このようにして、薄帯材Mの押圧位置Mpに曲げによる引張応力とともに拘束による引張応力を作用させることで、薄帯材Mを押圧位置Mpで切断する。そして、ダイロール32及びアンビルロール34を連続して回転させることにより、このような薄帯材Mの切断を連続して起こし、薄帯材Mから薄帯片Pを繰り返し打ち抜く。
第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が得られる。さらに、薄帯材Mの被挟持部Msをダイロール弾性層32Bの弾性力で拘束することで、薄帯材Mの押圧位置Mpに対し拘束による引張応力を効果的に作用させることができる。
続いて、実施形態に係るロータリーダイカッターの各構成の詳細について説明する。
1.ダイロール
上記ダイロールは、上記薄帯片の輪郭に対応する形状を有する切刃が外周面に設けられたダイロール本体を含む。上記切刃は、上記ダイロール本体の前外周面の平面視において上記ダイロール本体の回転方向の反対方向に向かって凸状となるように湾曲された湾曲部を含む。上記切刃の上記湾曲部は、高さが上記ダイロール本体の回転方向の反対方向に向かって高くなる勾配を有する。
ダイロール本体は、特に限定されないが、第1及び第2実施形態のように、円柱形状の金型であり、その中心軸を回転軸として回転可能に設けられたものである。このようなダイロール本体の外周面は、例えば、凹凸のない平滑な円筒面でもよいし、ダイロール弾性層を固定するための凸部や凹部が円筒面に設けられたものでもよい。ダイロール本体の構成材料は、特に限定されないが、例えば、日本工業規格JIS G 4403:2015に規定される冷間金型用の合金工具鋼鋼材(材料記号:SKD)及び高速度工具鋼(材料記号:SKH)や日立金属株式会社製の高速度工具鋼(材料記号:HAP)等が挙げられる。
ダイロール本体の切刃について、「薄帯片の輪郭に対応する形状を有する」とは、例えば、切刃の刃先の形状が、ダイロール本体の外周面の平面視において薄帯片の輪郭と等しいことを指す。言い換えると、ダイロール本体の外周面を平面に展開した場合の切刃の刃先の平面視形状が、薄帯片の輪郭と等しいことを指す。なお、切刃は、ダイロール本体の一部でもよいし、ダイロール本体とは別の部材でもよい。切刃が別の部材である場合には、例えば、金属等の硬質材料からなる。
ダイロール本体の切刃の湾曲部としては、上記のような勾配を有するものであれば特に限定されないが、第1及び第2実施形態のように、切刃の湾曲部と他の部分(湾曲部以外の部分)との境界が直線L上にくるときにおいて、切刃の湾曲部の各部位における刃先の直線L方向の位置が、切刃の湾曲部と他の部分との境界における刃先の直線L方向の位置と一致するか、又は切刃の湾曲部と他の部分との境界における刃先の直線L方向の位置よりもアンビルロール本体側に位置するものが好ましい。具体的には、中でも、第1及び第2実施形態のように、切刃を直線L方向から視た投影図における切刃の湾曲部の刃先の曲線形状の曲率半径をR1とし、その曲線形状の中心角度の1/2をθとし、ダイロール本体32Aの外径をR2とし、切刃の他の部分の高さをH0とした場合において、湾曲部の回転軸A1と直線Lとに垂直な方向の寸法Dが、下記式(1)で表されるDaであり、切刃の湾曲部の中で切刃の他の部分より高さ方向に突出する突出部の直線L方向の寸法dLが、下記式(2)で表されるdLa以上であるものが好ましい。薄帯材で皺が発生することを顕著に抑制でき、カット性を顕著に向上できるからである。
Figure 2023008147000005
Figure 2023008147000006
ここで、式(2)中のBは、下記式(3)で定義される。
Figure 2023008147000007
ダイロールとしては、特に限定されないが、第2実施形態のように、上記ダイロール本体の外周面の上記切刃の基端部の両側に設けられたダイロール弾性層をさらに含むものが好ましい。薄帯材の被挟持部をダイロール弾性層の弾性力で拘束できるからである。
ダイロール弾性層としては、例えば、接着、溶着、機械的接合等によりダイロール本体の外周面に固定されて設けられたものが挙げられる。ダイロール弾性層の種類は、特に限定されないが、例えば、ウレタン、エチレン酢酸ビニル(EVA)等の発泡樹脂からなるフォームシートやスポンジシートなどが挙げられる。
2.アンビルロール
上記アンビルロールは、上記ダイロール本体の上記切刃が篏合可能な溝が外周面に設けられたアンビルロール本体を含む。
アンビルロール本体は、特に限定されないが、第1及び第2実施形態のように、円柱形状の金型であり、その中心軸を回転軸として回転可能に設けられたものである。このようなアンビルロール本体の外周面は、例えば、凹凸のない平滑な円筒面でもよい。アンビルロール本体の構成材料については、ダイロール本体の構成材料と同様であるため、ここでの説明は省略する。
アンビルロール本体の溝としては、ダイロール本体の切刃が篏合可能な溝であれば特に限定されないが、第1及び第2実施形態のようにダイロール本体の上記切刃が隙間を有した状態で篏合可能な溝が好ましい。薄帯材において切刃が押し込まれる押圧位置に曲げによる引張応力とともに拘束による引張応力を作用させることで、薄帯材を押圧位置で切断できるからである。なお、アンビルロール本体の溝としては、ダイロール本体の上記切刃が隙間を有していない状態で篏合可能な溝でもよい。
アンビルロール本体の溝について、「ダイロール本体の切刃が篏合可能な」とは、例えば、アンビルロール本体の外周面を平面に展開した場合の溝の平面視形状が、薄帯片の輪郭と概ね等しく、ダイロール本体の外周面を平面に展開した場合の切刃の刃先の平面視形状を含むことができる幅を有する形状であることを指す。「ダイロール本体の切刃が隙間を有した状態で篏合可能な」とは、例えば、ダイロール本体の切刃が溝の幅方向及び深さ方向に隙間を有した状態で篏合可能な形状を有することを指す。
3.ロータリーダイカッター
ロータリーダイカッターは、上記ダイロールと上記アンビルロールとを備え、薄帯材から薄帯片を打ち抜くために用いられるロータリーダイカッターであって、上記ダイロール本体及び上記アンビルロール本体を互いに逆方向に回転させることで上記薄帯材を上記ダイロール及び上記アンビルロールの間に通過させる際に、上記ダイロール本体の上記切刃を、上記アンビルロール本体の上記溝に篏合させ上記薄帯材に押し込むことで上記薄帯材を切断することにより、上記薄帯材から上記薄帯片を打ち抜くものである。
ロータリーダイカッターとしては、ダイロール本体の切刃をアンビルロール本体の溝に篏合させ薄帯材に押し込むものであれば特に限定されないが、第1及び第2実施形態のように、上記ダイロール本体の外周面の上記切刃の基端部の両側と上記アンビルロール本体の外周面の上記溝の両側との間で上記薄帯材を挟圧しながら、上記ダイロール本体の上記切刃を、上記アンビルロール本体の上記溝に隙間を有した状態で篏合させ上記薄帯材に押し込むものが好ましい。薄帯材において切刃が押し込まれる押圧位置に曲げによる引張応力とともに拘束による引張応力を作用させることで、薄帯材を押圧位置で切断できるからである。なお、ロータリーダイカッターとしては、ダイロール本体の切刃を、アンビルロール本体の溝に隙間を有さないように篏合させ薄帯材に押し込むものでもよい。この場合には、薄帯材においてダイロール本体の切刃が押し込まれる押圧位置の組織を圧縮力で破壊することで、薄帯材を切断できる。
ロータリーダイカッターとしては、第2実施形態のように、ダイロール本体の外周面の切刃の基端部の両側に設けられたダイロール弾性層とアンビルロール本体の外周面の溝の両側との間で薄帯材を挟圧しながら、ダイロール本体の切刃を薄帯材に押し込むものでもよい。薄帯材の被挟持部をダイロール弾性層の弾性力で拘束できるからである。
なお、ロータリーダイカッターにおいて、「切刃の基端部の幅」とは、切刃のダイロール本体の外周面側の基端部の幅であって、ダイロール本体の外周面における切刃が延材する方向に垂直な方向の寸法を指す。また、「溝の幅」とは、アンビルロール本体の溝の開口部の幅であって、アンビルロール本体の外周面における溝が延材する方向に垂直な方向の寸法を指す。「ダイロール本体の切刃の刃先とアンビルロール本体の溝の縁とのクリアランス」とは、切刃の刃先が溝の内部の最も深い位置にくる時における切刃の刃先と溝の開口部の縁との溝の幅方向の寸法を指す。「切刃が溝に押し込まれる深さ」とは、切刃の刃先が溝の内部の最も深い位置にくる時における溝の開口面から切刃の刃先までの寸法を指す。「ロール本体間のクリアランス」とは、アンビルロール本体の回転軸とダイロール本体の回転軸とに直交する直線におけるアンビルロール本体の外周面とダイロール本体の外周面との間の距離を指す。「切刃の高さ」とは、ダイロール本体の径方向における切刃のダイロール本体の外周面側の基端部から刃先までの寸法を指す。「ダイロール弾性層の厚さ」とは、ダイロール本体の径方向におけるダイロール弾性層の弾性変形していない状態での寸法を指す。
薄帯材は、薄帯片の打ち抜きが可能であれば特に限定されないが、ビッカース硬度が300HV以上900HV以下の範囲内であるものが好ましく、中でもアモルファス合金薄帯等が好ましい。ダイロール本体の切刃の摩耗等によるカッターの損傷の抑制効果が顕著に得られるからである。なお、「ビッカース硬度」とは、例えば、JIS Z2244(2009)によるビッカース硬度試験において、試験力0.01kgf、かつ荷重保持時間10秒である場合の薄帯材のビッカース硬度を指す。
薄帯材の厚さは、薄帯片の打ち抜きが可能であれば特に限定されず、薄帯材の種類によって異なるが、例えば、アモルファス合金薄帯である場合には、例えば、20μm以上30μm以下の範囲内である。
薄帯片は、特に限定されないが、例えば、車載用等のモータにおけるステータコアやロータコア等を積層コアの各層をなす薄帯片、この薄帯片がさらに周方向で分割された薄帯片等が挙げられる。
以下、実施例を挙げて、実施形態に係るロータリーダイカッターをさらに具体的に説明する。
[実施例]
第1実施形態に係るロータリーダイカッターの実機を用意し、薄帯材として、アモルファス合金薄帯を準備した。そして、実機のロータリーダイカッターで薄帯材から薄帯片を打ち抜く試験を行った。この結果、アモルファス合金薄帯から薄帯片を繰り返し打ち抜くことができ、複数枚の薄帯片を製造できた。
以上、本発明に係る実施形態について詳述したが、本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
30 ロータリーダイカッター
32 ダイロール
32A ダイロール本体
32As 外周面
32Ac 切刃
32Ar 湾曲部
32Ars 突出部
32Ao 他の部分(湾曲部以外の部分)
32Ab 境界
32Ae 刃先
32B ダイロール弾性層
32Bs 外周面
34 アンビルロール
34A アンビルロール本体
34As 外周面
34Ac 溝
M 薄帯材
Ms 被挟持部
Ms 押圧位置
P 薄帯片

Claims (1)

  1. ダイロールとアンビルロールとを備え、薄帯材から薄帯片を打ち抜くために用いられるロータリーダイカッターであって、
    前記ダイロールは、前記薄帯片の輪郭に対応する形状を有する切刃が外周面に設けられたダイロール本体を含み、
    前記アンビルロールは、前記ダイロール本体の前記切刃が篏合可能な溝が外周面に設けられたアンビルロール本体を含み、
    前記切刃は、前記ダイロール本体の前外周面の平面視において前記ダイロール本体の回転方向の反対方向に向かって凸状となるように湾曲された湾曲部を含み、
    前記切刃の前記湾曲部は、高さが前記ダイロール本体の回転方向の反対方向に向かって高くなる勾配を有し、
    前記ダイロール本体及び前記アンビルロール本体を互いに逆方向に回転させることで前記薄帯材を前記ダイロール及び前記アンビルロールの間に通過させる際に、前記ダイロール本体の前記切刃を、前記アンビルロール本体の前記溝に篏合させ前記薄帯材に押し込むことで前記薄帯材を切断することにより、前記薄帯材から前記薄帯片を打ち抜くことを特徴とするロータリーダイカッター。
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