JP2023007628A - 射出成形金型 - Google Patents

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Abstract

【課題】射出成形により生じる廃材を低減でき、かつ成形すべき製品を安定して製造できる、射出成形金型を提供する。【解決手段】射出成形金型100は、一対のパーティング面11A,12Aを有する本体部10を備える。本体部10には、溶融した熱硬化性樹脂が流れるランナー13Bと、ランナー13Bと接続されており、ランナー13Bを流れた通過した熱硬化性樹脂が流入する第1部14Aと、第1部14Aを介してランナー13Bと接続されており、第1部14Aを通過した熱硬化性樹脂が流入する第2部14Bとを含むキャビティ14とが形成されている。射出成形金型100は、ランナー13Bの温度がキャビティ14の第2部14Bの温度よりも高い第1状態を実現するように設けられている温度調節部20をさらに備える。【選択図】図1

Description

本開示は、射出成形金型に関する。
一般的な射出成形金型には、成形すべき製品に応じた形状を有するキャビティと、射出成形機の射出ノズルが接続されるスプルーと、射出ノズルからスプルーに射出された溶融樹脂をキャビティに導くランナーとが形成されている。この射出成形金型を用いて製品を成型する場合、キャビティ内の樹脂のみならず、スプルーおよびランナー内の樹脂も成形される。スプルーおよびランナーにより成形された部分は、キャビティにより成形された製品部分から分離された後廃棄される。
このような廃材を低減する技術として、ランナーレス成形がある。特開昭62-16114号公報には、熱硬化性樹脂をランナーレス成形するための射出成形金型として、キャビティを加熱する加熱手段と、ランナーを冷却する冷却手段と、キャビティとランナーとの間に配置された断熱手段とを備える射出成形金型が開示されている。
特開昭62-16114号公報
しかしながら、上記射出成形金型では、内部に射出された熱硬化性樹脂のうち硬化する部分と硬化しない部分との境界の位置が、常に一定とならず、射出成形を行う度に当該位置にばらつきが生じる。その結果、得られた成形体のうちの製品部分に欠けが生じる場合がある。
また、例えばBMC樹脂(Bulk Molding Compound)のように低温下で高粘度の熱硬化性樹脂を、上記射出成形金型を用いて射出成形する場合、比較的低温で高粘度の熱硬化性樹脂がキャビティに到達するため、当該熱硬化性樹脂がキャビティ内を十分に流動せずに、キャビティが熱硬化性樹脂によって十分に充填されず、製品部分に欠けが生じる場合がある。
このように、上記射出成形金型を用いて熱硬化性樹脂を射出成形する場合には、成形すべき製品を安定して製造することは困難である。
本開示の主たる目的は、射出成形により生じる廃材を低減でき、かつ成形すべき製品を安定して製造できる、射出成形金型を提供することにある。
本開示に係る射出成形金型は、一対のパーティング面を有する本体部を備える。本体部には、溶融した熱硬化性樹脂が流れるランナーと、ランナーと接続されており、ランナーを流れた通過した熱硬化性樹脂が流入する第1部と、第1部を介してランナーと接続されており、第1部を通過した熱硬化性樹脂が流入する第2部とを含むキャビティとが形成されている。射出成形金型は、ランナーおよびキャビティの第1部のうちの少なくともいずれかの温度が、キャビティの第2部の温度よりも高い第1状態を実現するように設けられている温度調節部をさらに備える。
本開示によれば、射出成形により生じる廃材を低減でき、かつ成形すべき製品を安定して製造できる、射出成形金型を提供できる。
実施の形態1に係る射出成形金型を説明するための断面図である。 全体が一定温度に制御された射出成形金型内にBMC樹脂を射出したときの、時間経過に伴いBMC樹脂の粘度が変化する挙動を模式的に示したグラフである。 実施の形態2に係る射出成形金型を説明するための断面図である。 実施の形態3に係る射出成形金型を説明するための断面図である。 実施の形態4に係る射出成形金型を説明するための断面図である。 図5に示される射出成形金型を説明するための断面図であり、またキャビティ内に樹脂の流動を妨げる障害物(ピン)が形成されている射出成形金型に高粘度のBMC樹脂が射出された場合に懸念される不具合を説明するための断面図である。 実施の形態5に係る射出成形金型を説明するための断面図である。
以下、図面を参照して、本開示の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る射出成形金型は、熱硬化性樹脂(以下、単に樹脂ともよぶ)を射出成形するための金型である。本実施の形態に係る射出成形金型の成形材料は、任意の熱硬化性樹脂であればよい。成形材料の一例は、BMC樹脂(Bulk Molding Compound)である。ここで、BMC樹脂とは、不飽和ポリエステル樹脂を主成分とし、スチレン系モノマー、無機充填材、ガラス短繊維等の強化材、有機過酸化物等の硬化剤、熱可塑性樹脂等の低収縮材、その他添加剤(例えば顔料)を含んでいるものを意味する。BMC樹脂は、常温で塊粘土状の湿式タイプの樹脂、または、粉末状の乾式タイプの樹脂である。
実施の形態1.
<射出成形金型の構成>
図1に示される実施の形態1に係る射出成形金型100は、BMC樹脂を射出成形するための金型である。図1に示されるように、射出成形金型100は、本体部10、温度調節部20、および断熱部30を主に備える。
本体部10は、上型11と下型12とにより構成されている。上型11および下型12の各々は、一対のパーティング面(分割面)11A,12Aを有している。上型11のパーティング面11Aは、下型12のパーティング面12Aと接触する。
本体部10には、射出成形機から射出されたBMC樹脂が流れる樹脂通路部13と、BMC樹脂が成形されるキャビティ(製品部)14とが形成されている。樹脂通路部13は、スプルー13A、ランナー13B、およびゲート13Cを含む。スプルー13A、ランナー13B、ゲート13C,およびキャビティ14の各々の一部は、上型11にパーティング面11Aに対する凹部として形成されている。スプルー13A、ランナー13B、ゲート13C,およびキャビティ14の各々の残部は、下型12にパーティング面12Aに対する凹部として形成されている。パーティング面11Aがパーティング面12Aと接触することで、上型11および下型12の各々に形成された凹部同士が一体とされることにより、スプルー13A、ランナー13B、ゲート13C,およびキャビティ14の各々は本体部10の内部に形成される。スプルー13A、ランナー13B、ゲート13C,およびキャビティ14は、この記載順に接続されている。
スプルー13Aは、射出成形機の射出ノズル(図示しない)が接続される部分である。射出ノズルから射出された熱硬化性樹脂は、スプルー13Aに流入する。スプルー13Aは、樹脂流入部を成している。スプルー13Aは、本体部10の側面に開口している。
ランナー13Bは、スプルー13Aとゲート13Cとの間を接続している。ゲート13Cは、ランナー13Bとキャビティ14との間を接続している。スプルー13Aに流入した熱硬化性樹脂は、ランナー13Bおよびゲート13Cを順に流れた後、キャビティ14に流入する。ゲート13Cの延在方向に垂直な断面積は、ランナー13Bの延在方向に垂直な断面積よりも小さい。
キャビティ14は、成形すべき製品に応じた形状を有している製品部である。キャビティ14は、第1部14Aと第2部14Bとを含む。第1部14Aは、ゲート13Cを介してランナー13Bと接続されており、ランナー13Bおよびゲート13Cを通過した熱硬化性樹脂が流入するように設けられている。第2部14Bは、第1部14Aを介してゲート13Cと接続されており、第1部14Aを通過した熱硬化性樹脂が流入するように設けられている。
樹脂通路部13の体積は、キャビティ14の体積よりも小さい。
温度調節部20は、ランナー13Bの温度がキャビティ14の温度よりも高い第1状態を実現するように設けられている。ランナー13Bの温度とは、本体部10のうちランナー13Bを構成する部分の温度を意味する。キャビティ14の温度とは、本体部10のうちキャビティ14を構成する部分の温度を意味する。
温度調節部20は、例えば、1組の第1ヒータ21と、2組の第2ヒータ22と、1組の第1熱電対23と、1組の第2熱電対24とを含む。
1組の第1ヒータ21は、ランナー13Bを加熱するように設けられている。1組の第1ヒータ21は、上型11の内部においてパーティング面11Aと垂直な方向にランナー13Bと重なるように配置されている第1ヒータ21と、下型12の内部においてパーティング面12Aと垂直な方向にランナー13Bと重なるように配置されている第1ヒータ21とを有する。
2組の第2ヒータ22は、キャビティ14の第1部14Aを加熱するように設けられている1組の第2ヒータ22と、キャビティ14の第2部14Bを加熱するように設けられている他の1組の第2ヒータ22とを有する。各組の第2ヒータ22は、パーティング面11A、12Aに沿った方向において互いに間隔を空けて配置されている。各組の第2ヒータ22は、上型11の内部においてパーティング面11Aと垂直な方向にキャビティ14と重なるように配置されている第2ヒータ22と、下型12の内部においてパーティング面12Aと垂直な方向にキャビティ14と重なるように配置されている第2ヒータ22とを有する。
パーティング面11A,12Aに垂直な方向において、第1ヒータ21とランナー13Bとの間の最短距離は、例えば第2ヒータ22とキャビティ14との間の最短距離よりも短い。パーティング面11A,12Aに垂直な方向において、1組の第1ヒータ21の各々とランナー13Bとの間の距離は、例えば互いに等しい。パーティング面11A,12Aに垂直な方向において、2組の第2ヒータ22の各々とキャビティ14との間の距離は、例えば互いに等しい。
1組の第1熱電対23は、ランナー13Bの周囲の温度を検出するように設けられている。1組の第1熱電対23は、上型11の内部において第1ヒータ21よりもランナー13Bの近くに配置されている第1熱電対23と、下型12の内部において第1ヒータ21よりもランナー13Bの近くに配置されている第1熱電対23とを有する。
1組の第2熱電対24は、キャビティ14の周囲の温度を検出するように設けられている。例えば、1組の第2熱電対24は、キャビティ14のうちランナー13Bから最も離れた最下流領域の周囲の温度を検出するように設けられている。1組の第2熱電対24は、例えば、上型11の内部において第2ヒータ22よりも上記最下流領域の近くに配置されている第2熱電対24と、下型12の内部において第2ヒータ22よりも上記最下流領域の近くに配置されている第2熱電対24とを有する。
温度調節部20は、1組の第1熱電対23が検出した温度に基づいて1組の第1ヒータ21による加熱温度を制御することにより、ランナー13Bの温度を調節する。同時に、温度調節部20は、1組の第2熱電対24が検出した温度に基づいて2組の第2ヒータ22による加熱温度を制御することにより、キャビティ14の温度を調節する。
断熱部30は、第1ヒータ21の加熱対象と第2ヒータ22の加熱対象との間の熱伝導を制限するように設けられている。断熱部30は、本体部10を構成する材料よりも熱伝導率が低い材料により構成されている。断熱部30は、上型11に固定されている第1断熱部31と、下型12に固定されている第2断熱部32とを含む。
第1断熱部31は、上型11において、第1ヒータ21と、2つの第2ヒータ22のうち第1ヒータ21側に位置する1つの第2ヒータ22との間に配置されている。第1断熱部31の上端部は、例えば上型11の上面に露出している。第2断熱部32の上端部は、例えばパーティング面11A,12Aに垂直な方向においてゲート13Cと間隔を空けて配置されている。第1断熱部31は、例えば上型11の上面に開口している溝部に挿入されている。
第2断熱部32は、下型12において、第1ヒータ21と、2つの第2ヒータ22のうち第1ヒータ21側に位置する1つの第2ヒータ22との間に配置されている。第1断熱部31の下端部は、例えばパーティング面11A,12Aに垂直な方向においてゲート13Cと間隔を空けて配置されている。第2断熱部32の下端部は、例えば下型12の下面に露出している。第2断熱部32は、例えば下型12の下面に開口している溝部に挿入されている。
<射出成形金型を用いた成形品の製造方法>
次に、射出成形金型100を用いてBMC樹脂を射出成形して成形品を製造する方法の一例を説明する。一例としての製造方法は、射出成形金型100を準備する第1工程と、射出成形機から射出成形金型100に溶融したBMC樹脂を注入する第2工程と、射出成形金型100のスプルー13A、ランナー13B、およびキャビティ14の各々に充填されたBMC樹脂を熱硬化させる第3工程とを備える。上記第2工程および上記第3工程では、ランナー13Bの温度がキャビティ14の温度よりも高い第1状態が実現される。
このようにして、スプルー13A、ランナー13B、およびキャビティ14の各々に充填されたBMC樹脂は熱硬化して成形される。その後、成形体からスプルー13Aおよびランナー13Bにより成形された部分が取り除かれ、キャビティ14により形成された製品部分が成形品として製造される。同一の射出成形金型100を用いて複数の成形品を製造する場合、第3工程後に成形品が射出成形金型100から取り出された後、2回目の第2工程および第3工程が順次実施される。
<効果>
次に、BMC樹脂の粘度の特性に基づいて、射出成形金型100の効果を説明する。はじめに、図2を参照して、BMC樹脂の粘度の特性を説明する。
図2は、射出成形機から全体が一定温度に制御された射出成形金型内にBMC樹脂を射出したときの、BMC樹脂の粘度が時間経過に伴い変化する挙動を模式的に示したグラフである。図2の横軸はBMC樹脂が射出成形金型内に射出されてから経過した時間を示し、図2の縦軸はBMC樹脂の粘度を示している。射出成形機から射出成形金型に射出されるBMC樹脂の温度は、30℃~80℃程度の硬化反応が進行しない温度である。射出成形金型の温度は,BMC樹脂の硬化反応が進行する100℃以上200℃以下の範囲内の一定温度に保持されている。
図2のグラフ内の実線および破線は、同じBMC樹脂を保持された温度のみが異なる射出成形金型に射出した場合の、当該BMC樹脂の粘度変化を示している。図2のグラフ内の実線は、硬化反応が進行する温度範囲内において比較的高温に保持された射出成形金型に射出されたBMC樹脂の粘度変化の挙動を示すグラフである。図2のグラフ内の破線は、硬化反応が進行する温度範囲内において比較的低温に保持された射出成形金型に射出されたBMC樹脂の粘度変化の挙動を示すグラフである。
図2の実線および破線に示されるように、射出成形金型の温度によらず、BMC樹脂が射出成形金型内に射出されてから硬化するまでの間、BMC樹脂の粘度は、時間経過に伴い一度低下した後、上昇する挙動を示す。射出成形金型に射出された直後のBMC樹脂の温度は低いため、図2に示されるように射出成形金型に射出された直後のBMC樹脂の粘度は高い。射出されてから時間が経過すると、BMC樹脂はその硬化反応が進行する温度に保持された射出成形金型によって加熱され、BMC樹脂の溶融が進み、BMC樹脂の粘度は低下する。その後、さらに時間が経過すると、BMC樹脂の温度はさらに上昇する。これにより、BMC樹脂の硬化反応が進行する。つまり、BMC樹脂内の有機過酸化物が分解され、重合反応が始まり、さらにゲル化も始まる。その結果、BMC樹脂の粘度が急速に上昇する。
また、図2の実線に示されるように、射出成形金型の温度が高い場合、BMC樹脂の粘度は時間経過に伴いV字型に変化する。図2の破線に示されるように、射出成形金型の温度が低い場合、BMC樹脂の粘度は時間経過に伴いU字型に変化する。つまり、射出成形金型の温度が高い場合、射出成形金型の温度が低い場合と比べて、BMC樹脂の粘度が低い状態にある時間は短い。
BMC樹脂の粘度は、上記のような特性を有している。そのため、仮に、射出成形金型に樹脂を注入する第2工程においてランナーおよびキャビティを同じ温度に加熱する場合、当該温度がBMC樹脂の硬化反応が進行する温度範囲内の比較的低い温度であれば、ランナーからキャビティに流入するBMC樹脂の粘度は比較的高くなり、キャビティの上流側に位置する部分においてBMC樹脂の流動性が低くなる。その結果、キャビティがBMC樹脂によって十分に充填されず、成形不良が生じるおそれがある。上記特許文献1のように、第2工程においてランナーが冷却される場合にも、同様の成形不良が懸念される。特に、ランナーの長さが比較的短い場合には、BMC樹脂がランナーを流れる時間も短くなるため、BMC樹脂がランナーから受ける熱量は非常に少なくなり、成形不良が生じやすくなる。
一方、第2工程においてランナーおよびキャビティを同じ温度に加熱する場合、当該温度がBMC樹脂の硬化反応が進行する温度範囲内の比較的高い温度であれば、ランナーを流れる過程で硬化反応が十分に進んだ樹脂がキャビティ内に流入することにより、キャビティがBMC樹脂によって十分に充填されず、成形不良が生じるおそれがある。仮に、ランナーの長さがキャビティの長さより短くても、ランナーおよびキャビティの上流側に位置する部分を流れる過程で硬化反応が十分に進んだ樹脂がキャビティの下流側に位置する部分に流入することにより、当該下流側に位置する部分がBMC樹脂によって十分に充填されず、成形不良が生じるおそれがある。
また、第2工程においてランナーおよびキャビティを同じ温度に加熱する場合、当該温度がBMC樹脂の硬化反応が進行する温度範囲内の中間温度であったとしても、ランナーを流れる過程で硬化反応が進んだ樹脂がキャビティ内においても同じ温度に加熱され続けるため、キャビティ内においてBMC樹脂の粘度が急速に上昇するおそれがある。その結果、キャビティがBMC樹脂によって十分に充填されず、成形不良が生じるおそれがある。
つまり、第2工程においてランナーおよびキャビティを同じ温度に加熱する場合、あるいはランナーを冷却する場合には、ランナーの温度によらず、成形不良が生じるおそれがある。
これに対し、射出成形金型100では、第2工程時に、温度調節部20によってランナー13Bの温度がキャビティ14の温度よりも高い第1状態が実現されるため、ランナー13Bの温度がキャビティ14の温度と等しい状態が実現される場合と比べて、BMC樹脂はランナー13Bから多くの熱量を受けることができ、キャビティ14に流入した時点でのBMC樹脂の粘度は十分に小さくなる。さらに、キャビティ14を流れる過程では、ランナー13Bを流れる過程と比べて、BMC樹脂の温度は緩やかに上昇し得る。その結果、射出成形金型100によれば、ランナーおよびキャビティを同じ温度に加熱するように設けられた射出成形金型またはランナーを冷却するように設けられた射出成形金型と比べて、成形不良が生じにくく、成形すべき製品を安定して製造できる。
さらに、上述のように、ランナーおよびキャビティを同じ温度に加熱するように設けられた射出成形金型では、射出成形により生じる廃材を低減すべくランナーの長さを短くすると、BMC樹脂がランナーから受ける熱量が少なくなり、成形不良が生じるおそれがある。これに対し、射出成形金型100では、上記第1状態が実現されることによってランナー13Bから多くの熱量を受けたBMC樹脂がキャビティ14に流入し得る。そのため、射出成形金型100によれば、射出成形により生じる廃材を低減でき、かつ成形すべき製品を安定して製造できる。樹脂通路部13の長さL1は、例えば、成形不良を抑制する観点でBMC樹脂が樹脂通路部13から受けるべき最少の熱量をBMC樹脂に与え得る距離として設定され得る。
射出成形金型100は、第1ヒータ21と第2ヒータ22との間に配置されており、本体部10を構成する材料よりも熱伝導率が低い材料により構成されている断熱部30をさらに備えるため、断熱部30を備えない場合と比べて、上記第1状態が効率的に実現され得る。
実施の形態2.
図3に示される実施の形態2に係る射出成形金型101は、実施の形態1に係る射出成形金型100と基本的に同様の構成を備えるが、本体部10が、上型11および下型12に加え、上型用入子16および下型用入子17を含む点で、射出成形金型100とは異なる。以下では、射出成形金型101が射出成形金型100とは異なる点を主に説明する。
図3に示されるように、射出成形金型101では、スプルー13Aおよびランナー13Bは、上型用入子16および下型用入子17(第1部品)に形成されている。キャビティ14は、上型11および下型12(第2部品)に形成されている。ゲート13Cの一部は、上型用入子16および下型用入子17に形成されている。ゲート13Cの残部は、上型11および下型12(第2部品)に形成されている。
上型用入子16および下型用入子17の各々は、本体部10の外部に表出している。パーティング面11A,12Aに沿った方向と直交する上型用入子16および下型用入子17の各々の側面は、本体部10の外周面の一部を成している。
上型用入子16および下型用入子17の各々の体積は、上型11および下型12の各々の体積よりも小さい。上型用入子16および下型用入子17の各々の体積は、本体部10の体積の半分よりも小さい。上型用入子16および下型用入子17の各々の熱容量は、上型11および下型12の各々の熱容量よりも小さい。パーティング面11Aに沿った方向およびパーティング面11Aに垂直な方向において、上型用入子16の寸法は、上型11の寸法よりも小さい。パーティング面12Aに沿った方向およびパーティング面12Aに垂直な方向において、下型用入子17の寸法は、下型12の寸法よりも小さい。
上型用入子16および下型用入子17の各々の寸法は、例えば、樹脂通路部13を形成でき、第1ヒータ21および第1熱電対23を設置でき、さらに上型11および下型12の各々にネジ等によって固定され得る、必要最小限の値に設定される。
図3に示されるように、第1ヒータ21、および第1熱電対23の各々は、上型用入子16および下型用入子17の各々の内部に配置されている。第2ヒータ22、および第2熱電対24の各々は、上型11および下型12の各々の内部に配置されている。
図3に示されるように、第1断熱部31は、上型用入子16は上型11との間に配置されている。第1断熱部31は、パーティング面11Aに沿った方向において第1ヒータ21と第2ヒータ22との間に配置されている部分と、パーティング面11Aに垂直な方向において第1ヒータ21に対してランナー13Bとは反対側に配置されている部分とを有している。
図3に示されるように、第2断熱部32は、下型用入子17は下型12との間に配置されている。第2断熱部32は、パーティング面12Aに沿った方向において第1ヒータ21と第2ヒータ22との間に配置されている部分と、パーティング面12Aに垂直な方向において第1ヒータ21に対してランナー13Bとは反対側に配置されている部分とを有している。
図3に示されるように、上型用入子16は上型11と接触していない。下型用入子17は下型12と接触していない。第1断熱部31および第2断熱部32の各々は、ゲート13Cに面している。なお、上型11、下型12、上型用入子16および下型用入子17が本体部10に組み立てられたときの寸法精度を確保する観点で、上型用入子16の一部は上型11と接触していてもよい。同様に、下型用入子17の一部は下型12と接触していてもよい。
温度調節部20は、ランナー13Bの温度がキャビティ14の温度よりも高い第1状態を実現するように設けられている。第1状態では、上型用入子16および下型用入子17の各々が、上型11および下型12の各々よりも高温に加熱される。
BMC樹脂を射出成形して成形品を製造する方法において、射出成形金型101は、射出成形金型100と同様に使用され得る。
射出成形金型101が射出成形金型100と同様の構成を備えるため、射出成形金型101では、射出成形金型100と同様の効果が奏される。
さらに、射出成形金型101では、射出成形金型100と比べて、第1状態を実現するために1組の第1ヒータ21にて加熱されるべき領域の熱容量が小さいため、第1状態を実現するために必要とされる熱エネルギーが小さい。また、射出成形金型101では、上型用入子16から上型11への熱伝達に伴う上型用入子16の熱量の低下が生じにくく、下型用入子17から下型12への熱伝達に伴う下型用入子17の熱量の低下が生じにくい。そのため、射出成形金型101では、射出成形金型100と比べて、第1状態が効率的に実現される。
実施の形態3.
図4に示される実施の形態3に係る射出成形金型102は、実施の形態2に係る射出成形金型101と基本的に同様の構成を備えるが、スプルー13Aが上型11および下型12に形成されている点で、射出成形金型101とは異なる。以下では、射出成形金型102が射出成形金型101とは異なる点を主に説明する。
図4に示されるように、スプルー13Aおよびキャビティ14は、上型11および下型12(第4部品)に形成されている。ランナー13Bは、上型用入子16および下型用入子17(第3部品)に形成されている。
上型用入子16および下型用入子17の各々は、本体部10の外周面に表出していない。
図4に示されるように、上型用入子16の一部は、例えば上型11と接触している。同様に、下型用入子17の一部は、例えば下型12と接触している。上型用入子16と上型11との接触部分、および下型用入子17と下型12との接触部分は、例えばパーティング面11A,12Aに垂直な方向においてゲート13Cと重なるように配置されている。ゲート13Cは、例えば上型用入子16と上型11との接触部分および下型用入子17と下型12との接触部分に面している。
なお、上型用入子16は上型11と接触していなくてもよい。下型用入子17は下型12と接触していなくてもよい。
図4に示されるように、第1断熱部31は、上型用入子16は上型11との間に配置されている。第1断熱部31は、パーティング面11Aに沿った方向において第1ヒータ21と第2ヒータ22との間に配置されている部分と、パーティング面11Aに垂直な方向において第1ヒータ21に対してランナー13Bとは反対側に配置されている部分と、パーティング面11Aに沿った方向において第1ヒータ21に対して第2ヒータ22とは反対側に配置されている部分とを有している。パーティング面12Aに沿った方向において第1ヒータ21と第2ヒータ22との間に配置されている第1断熱部31の上記部分は、パーティング面11Aに垂直な方向においてゲート13Cと間隔を空けて配置されている。
図4に示されるように、第2断熱部32は、下型用入子17は下型12との間に配置されている。第2断熱部32は、パーティング面12Aに沿った方向において第1ヒータ21と第2ヒータ22との間に配置されている部分と、パーティング面12Aに垂直な方向において第1ヒータ21に対してランナー13Bとは反対側に配置されている部分と、パーティング面12Aに沿った方向において第1ヒータ21に対して第2ヒータ22とは反対側に配置されている部分とを有している。パーティング面12Aに沿った方向において第1ヒータ21と第2ヒータ22との間に配置されている第2断熱部32の上記部分は、パーティング面12Aに垂直な方向においてゲート13Cと間隔を空けて配置されている。
図4に示されるように、パーティング面11Aに垂直な断面において、第1断熱部31および第2断熱部32の各々の形状は、例えばコ字状である。
温度調節部20は、ランナー13Bの温度が、スプルー13Aおよびキャビティ14の温度よりも高い第1状態を実現するように設けられている。第1状態では、上型用入子16および下型用入子17の各々が、上型11および下型12の各々よりも高温に加熱される。
BMC樹脂を射出成形して成形品を製造する方法において、射出成形金型102は、射出成形金型100,101と同様に使用され得る。
射出成形金型102が射出成形金型101と同様の構成を備えるため、射出成形金型102では、射出成形金型101と同様の効果が奏される。
さらに、射出成形金型102では、射出成形金型101と比べて、第1状態においてスプルー13Aの温度が低く抑えられるため、スプルー13Aに接続される射出成形機の射出ノズルの温度も低く抑えられる。そのため、射出成形金型102では、射出成形金型101と比べて、ランナー13Bよりも上流側においてBMC樹脂に加えられる熱量が低減され得るため、ランナー13Bよりも上流側において硬化反応の進行が抑制され得る。
さらに、射出成形金型102では、射出成形金型101と比べて、第1状態を実現するために1組の第1ヒータ21にて加熱されるべき領域の熱容量がさらに小さくされ得るため、第1状態がより効率的に実現され得る。
実施の形態4.
図5および図6に示される実施の形態4に係る射出成形金型103は、実施の形態1に係る射出成形金型100と基本的に同様の構成を備えるが、温度調節部20が、ランナー13Bおよびキャビティ14の第1部14Aの各々の温度がキャビティ14の第2部14Bの温度よりも高い第1状態を実現するように設けられている点で、射出成形金型100とは異なる。以下では、射出成形金型103が射出成形金型100とは異なる点を主に説明する。
図5に示されるように、キャビティ14の内部には、第1部14Aから第2部14Bへの流れを妨げる障害物15が形成されている。障害物15は、第1部14Aと第2部14Bとの間に配置されている。障害物15は、例えば成形品に貫通孔を形成するためのピンである。障害物15は、例えばキャビティ14の上面から下面まで延びている。図6に示されるように、障害物15は、例えば第1部14Aおよび第2部14Bが並んでいる方向に垂直な方向においてキャビティ14の中央部に配置されている。
図5に示されるように、キャビティ14は、例えばパーティング面11A,12Aに沿った方向において第1部14Aと第2部14Bとの間を接続する第3部14Cをさらに含む。第3部14Cは、キャビティ14のうち障害物15の周囲に形成されている空間部である。
図6に示されるように、パーティング面11A,12Aに垂直な断面において、第3部14Cの断面積の最小値は、障害物15の断面積の分だけ、第2部14Bの断面積の最小値よりも小さい。パーティング面11A,12Aに垂直な断面において、第3部14Cの断面積の最小値は、障害物15の断面積の分だけ、第1部14Aの断面積の最小値よりも小さい。
温度調節部20は、ランナー13Bおよびキャビティ14の第1部14Aの各々の温度が、キャビティ14の第2部14Bの温度よりも高い第1状態を実現するように設けられている。
図5に示されるように、温度調節部20は、例えば、2組の第1ヒータ21A,21Bと、1組の第2ヒータ22と、1組の第1熱電対23と、1組の第2熱電対24とを含む。1組の第1ヒータ21Aは、ランナー13Bを加熱するように設けられている。他の1組の第1ヒータ21Bは、キャビティ14の第1部14Aを加熱するように設けられている。1組の第2ヒータ22は、キャビティ14の第2部14Bを加熱するように設けられている。
第1断熱部31および第2断熱部32の各々は、パーティング面11A,12Aに垂直な方向において第3部14Cと重なるように配置されている。
温度調節部20は、1組の第1熱電対23が検出した温度に基づいて2組の第1ヒータ21による加熱温度を制御することにより、ランナー13Bおよびキャビティ14の第1部14Aの温度を調節する。同時に、温度調節部20は、1組の第2熱電対24が検出した温度に基づいて1組の第2ヒータ22による加熱温度を制御することにより、キャビティ14の第2部14Bの温度を調節する。
BMC樹脂を射出成形して成形品を製造する方法において、射出成形金型103は、射出成形金型100と同様に使用され得る。
射出成形金型103が射出成形金型100と同様の構成を備えるため、射出成形金型103では、射出成形金型100と同様の効果が奏される。
また、図6に示されるように、障害物15がキャビティ14内に形成されており、かつ上記第1状態が実現されない場合、上記第2工程においてBMC樹脂40がキャビティ14内に充填されると、障害物15よりも下流側に、ウエルド41(図6参照)および空隙部42(図6参照)の少なくともいずれかが形成されるおそれがある。ウエルド41は、障害物15よりも下流側においてBMC樹脂が合流することに伴い形成される。ウエルド41を形成する一方のBMC樹脂と他方のBMC樹脂との結合強度は、両者の粘度が高いほど、低くなる。空隙部42は、障害物15よりも下流側において充填不足が生じることにより形成される。
ウエルド41および空隙部42は、障害物15の周囲を流れるBMC樹脂の粘度が高い状態において、形成されやすい。障害物15の周囲を流れるBMC樹脂の粘度が高い状態は、BMC樹脂が障害物15よりも上流側で十分に加熱されておらずBMC樹脂の粘度が十分に低下していない場合、または、BMC樹脂が障害物15よりも上流側で加熱され過ぎて硬化反応が進行し、BMC樹脂の粘度が上昇している場合に、生じる。
そこで、射出成形金型103では、温度調節部20により、ランナー13Bおよびキャビティ14の第1部14Aの温度が、障害物15の周囲を流れるBMC樹脂の粘度が低くなるように、調節される。その結果、射出成形金型103によれば、ウエルド41が形成されることに伴う成形品の強度が低下すること、および成形品に空隙部42が形成されることを抑制でき、成形品の品質を向上できる。
例えば、第2工程でのランナー13Bが同じ温度とされた射出成形金型103と射出成形金型100と比較した場合、射出成形金型103では、ランナー13Bのみならず、キャビティ14の第1部14Aがキャビティ14の第2部14Bよりも高温に加熱されることにより、キャビティ14の第1部14Aがキャビティ14の第2部14Bと同じ温度とされる射出成形金型100よりも、BMC樹脂を障害物15よりも上流側で十分に加熱して、障害物15の周囲を流れるBMC樹脂の粘度を十分に低下させることができる。
なお、射出成形金型103は、温度調節部20が、ランナー13Bおよびキャビティ14の第1部14Aの各々の温度がキャビティ14の第2部14Bの温度よりも高い第1状態を実現するように設けられている点を除き、射出成形金型101または射出成形金型102と同様の構成を備えていてもよい。
実施の形態5.
図7に示される実施の形態5に係る射出成形金型104は、実施の形態4に係る射出成形金型103と基本的に同様の構成を備えるが、温度調節部20が、キャビティ14の第1部14Aの温度が樹脂通路部13およびキャビティ14の第2部14Bの各々の温度よりも高い第1状態を実現するように設けられている点で、射出成形金型103とは異なる。以下では、射出成形金型104が射出成形金型103とは異なる点を主に説明する。
図7に示されるように、樹脂通路部13およびキャビティ14の第2部14Bは、上型11および下型12に形成されている。キャビティ14の第1部14Aは、上型用入子16および下型用入子17に形成されている。上型用入子16および下型用入子17の各々は、本体部10の外周面に表出していない。
図7に示されるように、上型用入子16の一部は、例えば上型11と接触している。同様に、下型用入子17の一部は、例えば下型12と接触している。上型用入子16と上型11との接触部分、および下型用入子17と下型12との接触部分は、例えばパーティング面11A,12Aに垂直な方向においてゲート13Cと重なるように配置されている。ゲート13Cは、例えば上型用入子16と上型11との接触部分および下型用入子17と下型12との接触部分に面している。
なお、上型用入子16は上型11と接触していなくてもよい。下型用入子17は下型12と接触していなくてもよい。
温度調節部20は、1組の第1ヒータ21と、1組の第2ヒータ22と、1組の第1熱電対23と、1組の第2熱電対24と、1組の第3ヒータ25とを含む。1組の第1ヒータ21は、キャビティ14の第1部14Aを加熱するように設けられている。1組の第2ヒータ22は、キャビティ14の第2部14Bを加熱するように設けられている。1組の第3ヒータ25、ランナー13Bを加熱するように設けられている。
図7に示されるように、第1断熱部31は、上型用入子16は上型11との間に配置されている。第1断熱部31は、パーティング面11Aに沿った方向において第1ヒータ21と第2ヒータ22との間に配置されている部分と、パーティング面11Aに垂直な方向において第1ヒータ21に対してランナー13Bとは反対側に配置されている部分と、パーティング面11Aに沿った方向において第1ヒータ21と第3ヒータ25との間に配置されている部分とを有している。
図4に示されるように、第2断熱部32は、下型用入子17は下型12との間に配置されている。第2断熱部32は、パーティング面12Aに沿った方向において第1ヒータ21と第2ヒータ22との間に配置されている部分と、パーティング面12Aに垂直な方向において第1ヒータ21に対してランナー13Bとは反対側に配置されている部分と、パーティング面12Aに沿った方向において第1ヒータ21と第3ヒータ25との間に配置されている部分とを有している。
パーティング面12Aに沿った方向において、第1ヒータ21と第3ヒータ25との間に配置されている第1断熱部31および第2断熱部32の各部分は、パーティング面11A,12Aに垂直な方向において第1部14Aと重なるように配置されている。
パーティング面12Aに沿った方向において、第1ヒータ21と第2ヒータ22との間に配置されている第1断熱部31および第2断熱部32の各部分は、パーティング面11A,12Aに垂直な方向において第3部14Cと重なるように配置されている。
図4に示されるように、パーティング面11Aに垂直な断面において、第1断熱部31および第2断熱部32の各々の形状は、例えばコ字状である。
温度調節部20は、1組の第1熱電対23が検出した温度に基づいて1組の第1ヒータ21による加熱温度を制御することにより、キャビティ14の第1部14Aの温度を調節する。同時に、温度調節部20は、1組の第2熱電対24が検出した温度に基づいて1組の第2ヒータ22および1組の第3ヒータ25による加熱温度を制御することにより、キャビティ14の第2部14Bおよびランナー13Bの各々の温度を調節する。
なお、温度調節部20は、ランナー13Bの温度を検出するように設けられている1組の第3熱電対をさらに含んでいてもよい。温度調節部20は、1組の第3熱電対が検出した温度に基づいて1組の第3ヒータ25による加熱温度を制御することにより、ランナー13Bの各々の温度を調節してもよい。
BMC樹脂を射出成形して成形品を製造する方法において、射出成形金型104は、射出成形金型103と同様に使用され得る。
射出成形金型104が射出成形金型103と同様の構成を備えるため、射出成形金型104では、射出成形金型103と同様の効果が奏される。
さらに、射出成形金型104では、射出成形金型103と比べて、第1状態でのランナー13Bの温度が低くなるため、BMC樹脂がランナー13Bを流れる過程での硬化反応の進行を抑制できる。その結果、射出成形金型104では、BMC樹脂がランナー13Bを流れる過程で硬化反応が進行することに伴う成形不良が生じにくく、成形すべき製品を安定して製造できる。
また、射出成形金型104では、射出成形金型103と比べて、第1状態を実現するために1組の第1ヒータ21にて加熱されるべき領域の熱容量が小さいため、第1状態を実現するために必要とされる熱エネルギーが小さい。また、射出成形金型104では、上型用入子16から上型11への熱伝達に伴う上型用入子16の熱量の低下が生じにくく、下型用入子17から下型12への熱伝達に伴う下型用入子17の熱量の低下が生じにくい。そのため、射出成形金型104では、射出成形金型103と比べて、第1状態が効率的に実現される。
<変形例>
温度調節部20は、第1ヒータ21および第2ヒータ22に代えて、例えば温調媒体が流通する管路と、管路に温調媒体を供給する供給部とを含んでいてもよい。
射出成形金型100に接続される射出成形機は、特に制限されない。射出成形機は、例えば、主に乾式タイプの樹脂成形に用いられる、樹脂原料が自重により樹脂材料供給部から射出用スクリューへ落下するように設けられた熱硬化性樹脂用射出成形機、または、主に湿式タイプの成形に用いられる、樹脂原料を樹脂材料供給部から射出用スクリューへ強制的に供給するための供給用スクリューまたはピストンを備えるBMC成形機であってもよい。
射出成形金型100~104において、温度調節部20は、ランナー13Bの温度がキャビティ14の温度よりも高い第1状態と、ランナー13Bの温度がキャビティ14の温度よりも低い第2状態とを実現するように設けられていてもよい。このような射出成形金型100~104を用いた成形品の製造方法では、上記第2工程において第1状態が実現され、上記第3工程において第2状態が実現される。第2工程から第3工程への切り替えは、例えばキャビティ14を充填し得る量のBMC樹脂が射出成形機から射出成形金型100に射出されたタイミングで行われる。上記第3工程では、ランナー13Bに注入されたBMC樹脂を熱硬化させることなくキャビティ14に充填されたBMC樹脂のみが熱硬化し、成形品に成形される。なお、第3工程時にランナー13B内に充填された熱硬化性樹脂は熱硬化せずに、次回の第2工程においてキャビティ14内に充填される。
このような射出成形金型100~104では、第3工程時にランナー13B内のBMC樹脂が熱硬化しないため、射出成形により生じる廃材がさらに低減され得る。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。矛盾のない限り、今回開示された実施の形態の少なくとも2つを組み合わせてもよい。本開示の範囲は、上記した説明ではなく請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。
10 本体部、11 上型、11A パーティング面、12 下型、12A パーティング面、13 樹脂通路部、13A スプルー、13B ランナー、13C ゲート、14 キャビティ、14A 第1部、14B 第2部、14C 第3部、15 障害物、16 上型用入子、17 下型用入子、20 温度調節部、21,21A,21B 第1ヒータ、22 第2ヒータ、23 第1熱電対、24 第2熱電対、25 第3ヒータ、30 断熱部、31 第1断熱部、32 第2断熱部、40 樹脂、41 ウエルド、42 空隙部、100,101,102,103,104 射出成形金型。

Claims (9)

  1. 一対のパーティング面を有する本体部を備え、
    前記本体部には、
    溶融した熱硬化性樹脂が流れるランナーと、
    前記ランナーと接続されており、前記ランナーを流れた通過した前記熱硬化性樹脂が流入する第1部と、前記第1部を介して前記ランナーと接続されており、前記第1部を通過した前記熱硬化性樹脂が流入する第2部とを含むキャビティとが形成されており、
    前記ランナーおよび前記キャビティの前記第1部のうちの少なくともいずれかの温度が、前記キャビティの前記第2部の温度よりも高い第1状態を実現するように設けられている温度調節部をさらに備える、射出成形金型。
  2. 前記温度調節部は、前記ランナーおよび前記キャビティの前記第1部のうちの少なくともいずれかを加熱するように設けられている第1ヒータと、少なくとも前記キャビティの前記第2部を加熱するように設けられている第2ヒータとを含み、
    前記第1ヒータが前記ランナーおよび前記第1部のうちの少なくともいずれかを前記第2部よりも高温に加熱することにより、前記第1状態が実現され、
    前記第1ヒータと前記第2ヒータとの間に配置されており、前記本体部を構成する材料よりも熱伝導率が低い材料により構成されている断熱部をさらに備える、請求項1に記載の射出成形金型。
  3. 前記第1ヒータは、前記ランナーを加熱するように設けられており、
    前記第2ヒータは、前記キャビティの前記第1部および前記第2部の各々を加熱するように設けられている、請求項2に記載の射出成形金型。
  4. 前記本体部には、前記ランナーを介して前記キャビティと接続されており、前記熱硬化性樹脂を射出する射出ノズルが接続されるスプルーがさらに形成されており、
    前記本体部は、前記スプルーおよび前記ランナーが形成されている第1部品と、前記第1部品とは別部材であり、前記キャビティが形成されている第2部品とを含み、
    前記断熱部は、前記第1部品と前記第2部品との間に配置されている、請求項3に記載の射出成形金型。
  5. 前記本体部には、前記ランナーを介して前記キャビティと接続されており、前記熱硬化性樹脂を射出する射出ノズルが接続されるスプルーがさらに形成されており、
    前記本体部は、前記ランナーが形成されている第3部品と、前記第3部品とは別部材であり、前記スプルーおよび前記キャビティが形成されている第4部品とを含み、
    前記断熱部は、前記第3部品と前記第4部品との間に配置されている、請求項3に記載の射出成形金型。
  6. 前記第1ヒータは、前記キャビティの前記第1部を加熱するように設けられており、
    前記第2ヒータは、前記キャビティの前記第2部を加熱するように設けられている、請求項2に記載の射出成形金型。
  7. 前記第1ヒータは、前記キャビティの前記第1部を加熱するように設けられており、
    前記第2ヒータは、前記キャビティの前記第2部を加熱するように設けられており、
    前記温度調節部は、前記ランナーを加熱するように設けられている第3ヒータをさらに備え、前記キャビティの前記第1部の温度が前記キャビティの前記第2部および前記ランナーの各々の温度よりも高い前記第1状態を実現するように設けられている、請求項2に記載の射出成形金型。
  8. 前記キャビティは、前記パーティング面に沿った方向において前記第1部と前記第2部との間を接続する第3部をさらに含み、
    前記パーティング面に垂直な断面において、前記第3部の断面積の最小値は、前記第2部の断面積の最小値よりも小さい、請求項6または7に記載の射出成形金型。
  9. 前記温度調節部は、前記第1状態と、前記ランナーの温度が前記キャビティの前記第2部の温度よりも低い第2状態とを切り替えるように設けられている、請求項1~8のいずれか1項に記載の射出成形金型。
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