JP2023005277A - リクライニング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ロック時においては外歯歯車と内歯歯車とが噛合している側が確実に噛合する程度に内歯歯車と外歯歯車との偏心方向の移動が可能であり、摺動時においても部材が歯車の円筒ボスと多くの面積で接することによって、摺動を安定化させることができるリクライニング装置を提供する。【解決手段】本発明のリクライニング装置100は、外歯歯車10と、内歯歯車20と、円形に形成された外周面の中心と円形に形成された内周面の中心が偏心して形成され、弾性体用貫通孔が形成されているリング40と、リング40を押圧する押圧延設部を有する回転シャフト30と、リング40の背面側に配置され一対のくさび状カム50と、リング40の弾性体用貫通孔を介して、一対のくさび状カム50をそれぞれ離間する方向に付勢する弾性体60と、を備えてなることを特徴とする。【選択図】図3
Description
本発明は、リクライニング装置に関する。
シートクッションに対してシートバックを傾動可能に保持するシートのリクライニング装置は、種々提案されている(例えば、特許文献1等)。こうしたリクライニング装置において、図9に示すように、内周面に軸方向と同軸の貫通孔312を備える外歯歯車310と、外周面に外歯に噛合可能な内歯が形成され、内周面に軸方向と同軸の円筒ボス322を備える内歯歯車320と、外歯歯車310に同軸的かつ回転自在に嵌合するとともに、外歯歯車310および内歯歯車320のいずれか一方を他方の歯車軸を中心に回転させる回転軸330と、貫通孔312と円筒ボス322との間に設けられるブッシュ340と、このブッシュ340に設けられ、円筒ボス322側とブッシュ340とに同時に接触して円筒ボス322とブッシュ340との回転を規制するとともに、円筒ボス322とブッシュ340との少なくとも一方を摺動させ、円筒ボス322とブッシュ340との回転を許容する一対のくさび状カム350と、を備えたリクライニング装置300がある。
こうした構成のリクライニング装置300は、外歯歯車310と内歯歯車320とが偏心状態で噛み合っている場合に、噛み合っている側と反対側のブッシュ340と外歯歯車310の貫通孔312との接点(μ)は、外歯歯車310が内歯歯車320に対して回転するためには、相対的にわずかに上下する必要があることから隙間が必要である。また、ロック状態においても、外歯歯車310と内歯歯車320とを効率よく確実に噛み合わせてガタツキの発生を防止するためには隙間が必要となる。しかし、摺動時においては、ブッシュの全周に渡って接触していることによって、力を効率よく伝達することができ、軸受けとなることができるため、摺動が安定化し、スムーズな回転を確保することができることから、かかる接点(μ)には隙間を空けない方が好ましいことになる。
このように、回転させる必要及びガタツキ防止の観点からは隙間の発生が必要であるが、摺動時の安定化のためには隙間を空けたくないという技術的に矛盾する事象が発生してしまうという問題点があった。
そこで、本発明は、こうした課題を鑑みてなされたものであり、ロック時においては外歯歯車と内歯歯車とが噛合している側が確実に噛合する程度に内歯歯車と外歯歯車との偏心方向の移動が可能であり、摺動時においても部材が歯車の円筒ボスと多くの面積で接することによって、摺動を安定化させることができるリクライニング装置を提供することを目的とする。
本発明は、上述の目的を達成するために、以下の手段を採った。
本発明のリクライニング装置は、シートクッションを構成するシートクッションフレームに対してシートバックを構成するシートバックフレームを傾動可能に保持するシートのリクライニング装置であって、
前記シートクッションフレーム及び前記シートバックフレームの一方に対して直接又は間接的に取り付けられ、外周面に外歯が形成され、内周面に軸方向と同軸の貫通孔が形成された外歯歯車と、
前記シートクッションフレーム及び前記シートバックフレームの他方に対して直接又は間接的に取り付けられ、内周面に少なくとも外歯よりも1つ以上多く設けられた前記外歯と噛合可能な内歯を有し、かつ軸方向と同軸の円筒ボスが形成された内歯歯車と、
前記外歯歯車の前記貫通孔の内周と前記内歯歯車の前記円筒ボスの外周との間に配置され、円形に形成された外周面の中心と円形に形成された内周面の中心が偏心して形成されてなり、正面側に係合凸部又は係合凹部を有するリングと、
前記リングの正面側に配置され、前記内歯歯車の前記円筒ボスの外周面と前記外歯歯車の前記貫通孔の内周面に接触することによって、前記外歯歯車と前記内歯歯車の相対回転を規制するとともに、前記内歯歯車の前記円筒ボスの前記外周面と前記外歯歯車の前記貫通孔の前記内周面を摺動させて前記外歯歯車と前記内歯歯車の相対回転を許容する一対のくさび状カムと、
前記内歯歯車の前記円筒ボスに同軸かつ回転自在に嵌挿され、前記リングの前記係合凸部又は前記係合凹部に係合して前記リングを回転させるとともに、前記くさび状カムを押圧する押圧延設部を有する回転シャフトと、
一対の前記くさび状カムをそれぞれ離間する方向に付勢する弾性体と、を備えてなり、
前記回転シャフトを回転させた場合に、前記押圧延設部は、くさび状カムを押圧した後に、リングを回転させることを特徴とする。
前記シートクッションフレーム及び前記シートバックフレームの一方に対して直接又は間接的に取り付けられ、外周面に外歯が形成され、内周面に軸方向と同軸の貫通孔が形成された外歯歯車と、
前記シートクッションフレーム及び前記シートバックフレームの他方に対して直接又は間接的に取り付けられ、内周面に少なくとも外歯よりも1つ以上多く設けられた前記外歯と噛合可能な内歯を有し、かつ軸方向と同軸の円筒ボスが形成された内歯歯車と、
前記外歯歯車の前記貫通孔の内周と前記内歯歯車の前記円筒ボスの外周との間に配置され、円形に形成された外周面の中心と円形に形成された内周面の中心が偏心して形成されてなり、正面側に係合凸部又は係合凹部を有するリングと、
前記リングの正面側に配置され、前記内歯歯車の前記円筒ボスの外周面と前記外歯歯車の前記貫通孔の内周面に接触することによって、前記外歯歯車と前記内歯歯車の相対回転を規制するとともに、前記内歯歯車の前記円筒ボスの前記外周面と前記外歯歯車の前記貫通孔の前記内周面を摺動させて前記外歯歯車と前記内歯歯車の相対回転を許容する一対のくさび状カムと、
前記内歯歯車の前記円筒ボスに同軸かつ回転自在に嵌挿され、前記リングの前記係合凸部又は前記係合凹部に係合して前記リングを回転させるとともに、前記くさび状カムを押圧する押圧延設部を有する回転シャフトと、
一対の前記くさび状カムをそれぞれ離間する方向に付勢する弾性体と、を備えてなり、
前記回転シャフトを回転させた場合に、前記押圧延設部は、くさび状カムを押圧した後に、リングを回転させることを特徴とする。
本発明は、リングの正面側にくさび状カムを配置し、2段積みとすることによって、円筒ボスとの接触を確保するリングと、外歯歯車を内歯歯車に噛合させる方向へ移動させるくさび状カムとの機能を分離することによって、軸受けとなる円筒ボスの全周にリングを接触させつつ、外歯歯車を内歯歯車へ移動させて効果的に噛合させることができる。このため、摺動時においては、摺動が安定化し、スムーズな回転を確保することができるとともに、ロック状態におけるガタツキの発生を防止することができる。また、リングを回転させる際に、確実にくさび状カムを先に押圧しロックオフさせた後にリングを押すことで、作動を確実かつスムーズにすることができる。
また、本発明にかかるリクライニング装置において、前記くさび状カムの外周側に、略U字形のブッシュを備えており、
前記くさび状カムは、前記内歯歯車の前記円筒ボスの外周面と前記ブッシュの内周面に接触させることによって、前記外歯歯車と前記内歯歯車の相対回転を規制するとともに、前記ブッシュと前記内歯歯車の前記円筒ボス又は前記ブッシュと前記外歯歯車の前記貫通孔の前記内周面を摺動させて前記外歯歯車と前記内歯歯車の相対回転を許容するものであり、
前記回転シャフトを回転させた場合に、前記押圧延設部は、前記ブッシュを押圧した後に、リングを回転させることを特徴とするものであってもよい。
前記くさび状カムは、前記内歯歯車の前記円筒ボスの外周面と前記ブッシュの内周面に接触させることによって、前記外歯歯車と前記内歯歯車の相対回転を規制するとともに、前記ブッシュと前記内歯歯車の前記円筒ボス又は前記ブッシュと前記外歯歯車の前記貫通孔の前記内周面を摺動させて前記外歯歯車と前記内歯歯車の相対回転を許容するものであり、
前記回転シャフトを回転させた場合に、前記押圧延設部は、前記ブッシュを押圧した後に、リングを回転させることを特徴とするものであってもよい。
かかる構成を採用することによって、リングによって円筒ボスとの接触を確保し、くさび状カムによる内歯歯車と外歯歯車との噛合を確保する2段積みの構成を確保しつつ、くさび状カムの移動に対するタイムラグを低減し、クイックな操作を可能とすることができる。また、リングを回転させる際に、確実にブッシュを先に回転させることによって、くさび状カムをロックオフさせた後にリングを押すことで、作動を確実かつスムーズにすることができる。
また、本発明にかかるリクライニング装置において、シートクッションを構成するシートクッションフレームに対してシートバックを構成するシートバックフレームを傾動可能に保持するシートのリクライニング装置であって、
前記シートクッションフレーム及び前記シートバックフレームの一方に対して直接又は間接的に取り付けられ、外周面に外歯が形成され、内周面に軸方向と同軸の円筒ボスが形成された外歯歯車と、
前記シートクッションフレーム及び前記シートバックフレームの他方に対して直接又は間接的に取り付けられ、内周面に少なくとも外歯よりも1つ以上多く設けられた前記外歯と噛合可能な内歯を有し、かつ軸方向と同軸の貫通孔が形成された内歯歯車と、
前記内歯歯車の前記貫通孔の内周と前記外歯歯車の前記円筒ボスの外周との間に配置され、円形に形成された外周面の中心と円形に形成された内周面の中心が偏心して形成されてなり、正面側に係合凸部又は係合凹部を有するリングと、
前記リングの正面側に配置され、前記外歯歯車の前記円筒ボスの外周面と前記内歯歯車の前記貫通孔の内周面に接触することによって、前記外歯歯車と前記内歯歯車の相対回転を規制するとともに、前記外歯歯車の前記円筒ボスの前記外周面と前記内歯歯車の前記貫通孔の前記内周面を摺動させて前記外歯歯車と前記内歯歯車の相対回転を許容する一対のくさび状カムと、
前記外歯歯車の前記円筒ボスに同軸かつ回転自在に嵌挿され、前記リングの前記係合凸部又は前記係合凹部に係合して前記リングを回転させるとともに、前記くさび状カムを押圧する押圧延設部を有する回転シャフトと、
一対の前記くさび状カムをそれぞれ離間する方向に付勢する弾性体と、を備えてなり、
前記回転シャフトを回転させた場合に、前記押圧延設部は、くさび状カムを押圧した後に、リングを回転させることを特徴とする。
前記シートクッションフレーム及び前記シートバックフレームの一方に対して直接又は間接的に取り付けられ、外周面に外歯が形成され、内周面に軸方向と同軸の円筒ボスが形成された外歯歯車と、
前記シートクッションフレーム及び前記シートバックフレームの他方に対して直接又は間接的に取り付けられ、内周面に少なくとも外歯よりも1つ以上多く設けられた前記外歯と噛合可能な内歯を有し、かつ軸方向と同軸の貫通孔が形成された内歯歯車と、
前記内歯歯車の前記貫通孔の内周と前記外歯歯車の前記円筒ボスの外周との間に配置され、円形に形成された外周面の中心と円形に形成された内周面の中心が偏心して形成されてなり、正面側に係合凸部又は係合凹部を有するリングと、
前記リングの正面側に配置され、前記外歯歯車の前記円筒ボスの外周面と前記内歯歯車の前記貫通孔の内周面に接触することによって、前記外歯歯車と前記内歯歯車の相対回転を規制するとともに、前記外歯歯車の前記円筒ボスの前記外周面と前記内歯歯車の前記貫通孔の前記内周面を摺動させて前記外歯歯車と前記内歯歯車の相対回転を許容する一対のくさび状カムと、
前記外歯歯車の前記円筒ボスに同軸かつ回転自在に嵌挿され、前記リングの前記係合凸部又は前記係合凹部に係合して前記リングを回転させるとともに、前記くさび状カムを押圧する押圧延設部を有する回転シャフトと、
一対の前記くさび状カムをそれぞれ離間する方向に付勢する弾性体と、を備えてなり、
前記回転シャフトを回転させた場合に、前記押圧延設部は、くさび状カムを押圧した後に、リングを回転させることを特徴とする。
本発明は、上述した発明に対し、外歯歯車に円筒ボスが設けられ、内歯歯車に貫通孔が形成されている点が異なるが、同様に、リングの正面にくさび状カムを配置した2段積みの構成とすることによって、円筒ボスとの接触を確保するリングと、外歯歯車を内歯歯車に噛合させる方向へ移動させるくさび状カムとの機能を分離することによって、ロック状態におけるガタツキの発生を防止するとともに、摺動時においては、摺動が安定化し、スムーズな回転を確保することができる。また、リングを回転させる際に、確実にくさび状カムを先に押圧しロックオフさせた後にリングを押すことで、作動を確実かつスムーズにすることができる。
また、本発明にかかるリクライニング装置において、
前記くさび状カムの外周側に、略U字形のブッシュを備えており、
前記くさび状カムは、前記外歯歯車の前記円筒ボスの前記外周面と前記ブッシュの内周面に接触させることによって、前記外歯歯車と前記内歯歯車の相対回転を規制するとともに、前記ブッシュと前記外歯歯車の前記円筒ボス又は前記ブッシュと前記内歯歯車の前記貫通孔の前記内周面を摺動させて前記外歯歯車と前記内歯歯車の相対回転を許容するものであり、
前記回転シャフトを回転させた場合に、前記押圧延設部は、前記ブッシュを押圧した後に、リングを回転させることを特徴とするものであってもよい。
前記くさび状カムの外周側に、略U字形のブッシュを備えており、
前記くさび状カムは、前記外歯歯車の前記円筒ボスの前記外周面と前記ブッシュの内周面に接触させることによって、前記外歯歯車と前記内歯歯車の相対回転を規制するとともに、前記ブッシュと前記外歯歯車の前記円筒ボス又は前記ブッシュと前記内歯歯車の前記貫通孔の前記内周面を摺動させて前記外歯歯車と前記内歯歯車の相対回転を許容するものであり、
前記回転シャフトを回転させた場合に、前記押圧延設部は、前記ブッシュを押圧した後に、リングを回転させることを特徴とするものであってもよい。
かかる構成によって、リングによって円筒ボスとの接触を確保し、くさび状カムによる内歯歯車と外歯歯車との噛合を確保する2段積みの構成を確保しつつ、くさび状カムの移動に対するタイムラグを低減し、クイックな操作を可能とすることができる。また、リングを回転させる際に、確実にブッシュを先に回転させることによって、くさび状カムをロックオフさせた後にリングを押すことで、作動を確実かつスムーズにすることができる。
以下、本発明の実施形態にかかるリクライニング装置100を、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、車両用シート200の模式図であり、図2は、リクライニング装置100の内部構造を示す正面図であり、図3は、リクライニング装置100の分解斜視図であり、図4はリング40の正面図である。なお、以下に説明する実施形態及び図面は、本発明の実施形態の一部を例示するものであり、これらの構成に限定する目的に使用されるものではない。なお、各図において対応する構成要素には同一又は類似の符号が付されている。また、図3において、図中の矢印に示されたように、外歯歯車10のある方向を「正面」、内歯歯車20のある方向を「背面」という。
(第1実施形態)
第1実施形態にかかるリクライニング装置100は、図1に示すように、車両用シート200のシートクッション210と、このシートクッション210に対して、傾動可能に取り付けられるシートバック220の傾動の中心位置に取り付けられ、シートバック220に傾動機能を与える装置である。具体的には、シートクッション210の内部に配置されるシートクッションフレームと、シートバック220の内部に配置されるシートバックフレームとの間に直接又は他の取付用プレート230(以下「取付用プレート等」という。)を介して間接的に取り付けられて使用される。
第1実施形態にかかるリクライニング装置100は、図1に示すように、車両用シート200のシートクッション210と、このシートクッション210に対して、傾動可能に取り付けられるシートバック220の傾動の中心位置に取り付けられ、シートバック220に傾動機能を与える装置である。具体的には、シートクッション210の内部に配置されるシートクッションフレームと、シートバック220の内部に配置されるシートバックフレームとの間に直接又は他の取付用プレート230(以下「取付用プレート等」という。)を介して間接的に取り付けられて使用される。
本発明にかかるリクライニング装置100は、主として、図2及び図3に示すように、外歯歯車10、内歯歯車20、回転シャフト30、リング40、くさび状カム50、弾性体としてスプリング60、スプリングカバー70及びプレートカバー80を備えている。なお、図2では、内部構造を見やすくするため、スプリング60、スプリングカバー70及びプレートカバー80は省略されている。
外歯歯車10は、図3に示すように、円板状に形成されており、外周面には外歯11が形成され、中央には円筒状の貫通孔12が形成されている。外歯歯車10には、正面10bに突出部13が設けられており、取付用プレート等230に設けられた嵌合孔と嵌合した状態で溶接等によって車両用シートに取り付けられる。
内歯歯車20は、外歯歯車10よりも大きな直径を有する円板状に形成されており、外歯歯車10を内側に装着可能となるように円筒状の凹部が形成され、この凹部の内周面に内歯21が形成されている。内歯21は、外歯歯車10の外歯11の歯数よりも少なくとも1つ以上多く形成されており、外歯歯車10と内歯歯車20は、図2に示すように、それぞれ外歯歯車10の中心C1と内歯歯車20の中心C2が矢印dのように偏心するように内歯21と外歯11に対して噛合している。従って、外歯歯車10と内歯歯車20は差動歯車を形成し、内歯歯車20が外歯11の周りを1周すると、内歯21と外歯11の歯の差分だけ回転が進むことになる。すなわち、例えば、歯が1つだけ異なる場合、外歯歯車10が内歯歯車20の周囲を1周すると歯1つ分回転することになる。内歯歯車20の中心には、図3に示すように、円筒ボス22が設けられている。この内歯歯車20の背面には突出部23が設けられており、取付用プレート等230に設けられた嵌合孔と嵌合した状態で溶接等によって車両用シートに取り付けられる。
リング40は、外歯歯車10の貫通孔12の内周面12aと内歯歯車20の円筒ボス22の外周面22aとの間に配置されている円環状の部材であり、図4に示すように、円形に形成された外周面43の中心と円形に形成された内周面44の中心が、外歯歯車10の中心と内歯歯車20の中心の偏心量と同等になるように偏心して形成されている。図2に示すように、後述する一対のくさび状カム50のそれぞれの離隔側端部54の間にそれぞれから隙間を有するように正面側に係合凸部41が設けられている。リング40は、内歯歯車20の円筒ボス22に対しては、隙間がなるべくできないように接して形成することが好ましく、外歯歯車10の貫通孔12に対しては、外歯歯車10と内歯歯車20の中心同士の偏心方向に外歯歯車10が移動可能な隙間が設けられるように配置することが好ましい。このように作製することによって、円筒ボス22に対しては、外周面の全周を接することになるため、摺動時においては、摺動が安定化しスムーズな回転を確保することができ、一方で外歯歯車10を後述するくさび状カム50によって、偏心方向へ移動させることができるので、ロック状態におけるガタツキの発生を防止することができる。
くさび状カム50aとくさび状カム50bは、図3に示すように、面対称に形成されており、くさび状カム50の凹面51(内側の面)は、円筒ボス22の外周面22aの曲面と同一の曲面を有し、凸面52(外側の面)は肉厚が向かい合った側から徐々に薄くなるように形成されている。このくさび状カム50aとくさび状カム50bは、肉厚の厚い側である近接側端部53が互いに向き合うように配置されるとともに、図5に示すように、外歯歯車10の貫通孔12の内周面12aと、内歯歯車20の円筒ボス22の外周面22aとの間に、それぞれに接触するように前述したリング40の正面側、すなわち、回転シャフト30側に配設されている。このようにリング40とくさび状カム50を2段積みとなるように配置することによって、リング40は、円筒ボス22の外周面22aとの接触を確保することができ、くさび状カム50は外歯歯車10と内歯歯車20との偏心状態の保持と機能を分離させることができる。
回転シャフト30は、内歯歯車20の円筒ボス22に対して同軸上で回転自在に嵌挿されている。また、回転シャフト30は、シートバック220の傾動を調整する際に回転駆動されるものであり、傾動用モータの回転力を受けるために内筒面には、セレーション31が設けられている。さらに、回転シャフト30は、一対のくさび状カム50a、50bの離隔側端部54の近傍又は接するように配置されるともに、リング40の係合凸部41の近傍又は接するように、延設された押圧延設部32を有している。すなわち、くさび状カム50aと係合凸部41との間及びくさび状カム50bと係合凸部41の間との2箇所に押圧延設部32が形成される。これにより、回転シャフト30を回転させることによって、くさび状カム50及びリング40を押圧して回転させることができる。このときに、例えば、図2に示すように、回転シャフト30を時計回りに回転させた場合に、押圧延設部32がリング40よりも先にくさび状カム50aを押圧するように、押圧延設部32とくさび状カム50aとの隙間g1よりも押圧延設部32とリング40の係合凸部41との隙間g2の方が隙間の幅が広く形成されており、反時計回りに回転させた場合にも、押圧延設部32がリング40よりも先にくさび状カム50bを押圧するように、押圧延設部32とくさび状カム50bとの隙間g3よりも押圧延設部32とリング40の係合凸部41との隙間g4の方が隙間の幅が広く形成されている。
スプリング60は、弾性体で作製されており、図3に示すように、環状部61と、この環状部61から90°折れるように立ち上がった端部62a、62bとを有している。端部62a、62bは、それぞれくさび状カム50の近接側端部53に接しており、一対のくさび状カム50a及びくさび状カム50bが離間する方向に付勢している。
こうして作製されたリクライニング装置100は、以下のようにして作動する。回転シャフト30に力を加えず、回転させていない状態では、一対のくさび状カム50a及びくさび状カム50bが離間する方向にスプリング60によって付勢され、外歯歯車10の貫通孔12の内周面12aと、内歯歯車20の円筒ボス22の外周面22aとに接触している。このため、内歯歯車20と外歯歯車10の相対運動はロックされており、シートバック220はロック状態にある。
このロック状態から、回転シャフト30を例えば図2において、反時計方向に回転させると、まず、回転シャフト30の押圧延設部32によってくさび状カム50bが押圧される。くさび状カム50bと外歯歯車10の貫通孔12の内周面12aに対して、クサビ角が設定してある。くさび状カム50bの押圧により、クサビ角内周面はくさび状カム50bとの間にスキマが発生しクサビが外れる。これにより、くさび状カム50と円筒ボス22及びくさび状カム50と外歯歯車10の貫通孔12との間に隙間が発生し、外歯歯車10が内歯歯車20に対して回転可能になる。また、リング40は、くさび状カム50bが押圧されくさびが解除された後に、回転シャフト30の押圧延設部32によって押圧され、内歯歯車20に対して、反時計方向に回転し、これに伴い、スプリング60の付勢力によってくさび状カム50aがこの隙間を埋めるように、反時計周りに回転する。くさび状カム50は、回転シャフト30、リング40とともに摺動するように反時計周りに回転することになる。こうして、外歯歯車10、内歯歯車20及び回転シャフト30は、差動歯車機構を構成することになる。なお、時計方向の回転も同様にして回転させることができる。この際に、リング40は、係合凸部41も押圧延設部32によって押圧され同様に回転するので、内歯歯車20と外歯歯車10の偏心方向に追従するように回転し、回転の間、リング40によって円筒ボス22の外周面22aの大部分と接触させた状態となり、摺動時においては、摺動が安定化し、スムーズな回転を確保することができる。一方で、くさび状カム50によって外歯歯車10を内歯歯車20との偏心方向へ移動するように付勢されているため、ロック状態におけるガタツキの発生を防止することができる。
なお、第1実施形態においては、回転シャフト30によってリング40を回転させる際に、リング40の係合凸部41を回転シャフト30の押圧延設部32で押圧して回転させるものとしたが、これに限定されるものではなく、回転シャフト30の回転に伴ってリング40が回転可能な形態であれば、その構成は特に限定されるものではない。例えば、図6に示すように、リング40に回転シャフト30の押圧延設部32が挿入可能な係合凹部42を形成して回転シャフト30の回転に従って、回転可能に形成してもよい。この場合にも前述と同様に、回転シャフト30を回転させた場合には、先にくさび状カム50を回転させた後にリング40が回転するように係合凹部42には、回転できるように長い孔を形成する必要がある。
(第2実施形態)
第2実施形態にかかるリクライニング装置100の分解斜視図が図7に示されている。第2実施形態にかかるリクライニング装置100は、ブッシュ90が追加されている点と、くさび状カム50の形状及び配置が異なる以外の構成は第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
第2実施形態にかかるリクライニング装置100の分解斜視図が図7に示されている。第2実施形態にかかるリクライニング装置100は、ブッシュ90が追加されている点と、くさび状カム50の形状及び配置が異なる以外の構成は第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
第2実施形態にかかるリクライニング装置100は、くさび状カム50の凸面52(外側の面)側に略U字形のブッシュ90を備えている点が異なる。略U字形のブッシュ90は、図7に示すように、略U字形に作製されている。くさび状カム50は、ブッシュ90の内周に収まるように、第1実施形態に対して小さく形成されている。くさび状カム50は、内歯歯車20の円筒ボス22の外周面22aとブッシュ90の内周面に接触させることによって、外歯歯車10と内歯歯車20の相対回転を規制するとともに、ブッシュ90と内歯歯車20の円筒ボス22又はブッシュ90と外歯歯車10の貫通孔12の内周面を摺動させて外歯歯車10と内歯歯車20の相対回転を許容するものとなる。このときに、回転シャフト30を、時計回りに回転させた場合に、押圧延設部32がリング40よりも先にブッシュ90の端部91aを押圧するように、押圧延設部32とブッシュ90の端部91aの端部との隙間よりも押圧延設部32とリング40の係合凸部41との隙間の方が隙間の幅が広く形成され、反時計回りに回転させた場合にも、押圧延設部32がリング40よりも先にブッシュ90の端部91bを押圧するように、押圧延設部32とブッシュ90の端部91bとの隙間よりも押圧延設部32とリング40の係合凸部41との隙間の方が隙間の幅が広く形成されている。
以上のように作製されたリクライニング装置100は、回転シャフト30に力を加えず、回転させていない状態では、一対のくさび状カム50a及びくさび状カム50bが離間する方向にスプリング60によって付勢され、ブッシュ90の内周面と、内歯歯車20の円筒ボス22の外周面22aとに接触している。このため、内歯歯車20と外歯歯車10の相対運動はロックされており、シートバック220はロック状態にある。
このロック状態から、回転シャフト30を例えば、反時計方向に回転させると、回転シャフト30の押圧延設部32によってブッシュ90が押圧され同様に回転する。またブッシュ90の内壁面との間にクサビ角が設定してあり、クサビ角内壁はくさび状カム50と接触している。ブッシュ90の回転により、クサビ角内壁はくさび状カム50の間にスキマが発生しクサビが外れる。回転シャフト30、ブッシュ90は、内歯歯車20に対して、反時計方向に回転し、この結果、ブッシュ90と円筒ボス22及びブッシュ90と外歯歯車10の貫通孔12との間に隙間が発生し、外歯歯車10が内歯歯車20に対して回転可能になる。リング40は、ブッシュ90が押圧され、くさび状カム50bのくさびが解除された後に、回転シャフト30の押圧延設部32によって押圧される。これに伴い、スプリング60の付勢力によってくさび状カム50aがこの隙間を埋めるように、反時計周りに回転する。くさび状カム50は、回転シャフト30、ブッシュ90とともに摺動するように反時計周りに回転することになる。なお、時計方向の回転も同様にして回転させることができる。
リング40によって円筒ボス22との接触を確保し、くさび状カム50による内歯歯車20と外歯歯車10との噛合を確保する2段積みの構成を確保しているため、第1実施形態と同様の効果を有しつつ、くさび状カム50の移動に対するタイムラグを低減し、回転シャフト30の回転動作に対しクイックな操作を可能とすることができる。
(第3実施形態)
第3実施形態にかかるリクライニング装置100が図8に示されている。第3実施形態にかかるリクライニング装置100は、第1実施形態にかかるリクライニング装置100に対して、外歯歯車10の中心に円筒ボス14が設けられており、内歯歯車20の中心に貫通孔25が設けられている点が異なる。また、回転シャフト30、リング40、くさび状カム50及びスプリング60が軸方向へ移動するのを防止するスプリングカバー70が内歯歯車20の背面側に設けられており、このスプリングカバー70に取付用プレート等230の嵌合孔と嵌合する突出部71が設けられている点が異なる。一方、プレートカバー80は、円環状に形成された金属板で形成されており、外歯歯車10の正面側に配置され、内歯歯車20の外周側の端部に溶接等で固定され、外歯歯車10の軸方向への移動を規制している。
第3実施形態にかかるリクライニング装置100が図8に示されている。第3実施形態にかかるリクライニング装置100は、第1実施形態にかかるリクライニング装置100に対して、外歯歯車10の中心に円筒ボス14が設けられており、内歯歯車20の中心に貫通孔25が設けられている点が異なる。また、回転シャフト30、リング40、くさび状カム50及びスプリング60が軸方向へ移動するのを防止するスプリングカバー70が内歯歯車20の背面側に設けられており、このスプリングカバー70に取付用プレート等230の嵌合孔と嵌合する突出部71が設けられている点が異なる。一方、プレートカバー80は、円環状に形成された金属板で形成されており、外歯歯車10の正面側に配置され、内歯歯車20の外周側の端部に溶接等で固定され、外歯歯車10の軸方向への移動を規制している。
回転シャフト30、リング40、くさび状カム50及びスプリング60は、第1実施形態に対して対称となるように配置されている。リング40は、外歯歯車10の円筒ボス14の外周面14aと、内歯歯車20の貫通孔25との間に、円筒ボス14がリング40の内周面に挿入されるように配置される。回転シャフト30は、円筒ボス14の中心軸と同軸で回転するように円筒ボス14内に配置されており、第1実施形態と同様に、くさび状カム50を押圧する押圧延設部32が設けられており、くさび状カム50を時計回り、反時計回りのいずれにも回転させることができる。また、第1実施形態と同様に、回転シャフト30を回転させた場合に、押圧延設部32がリング40よりも先にくさび状カム50aを押圧するように形成される。
こうして作製されたリクライニング装置100は、以下のようにして作動する。回転シャフト30に力を加えず、回転させていない状態では、一対のくさび状カム50a及びくさび状カム50bが離間する方向にスプリング60によって付勢され、内歯歯車20の貫通孔25の内周面25aと、外歯歯車10の円筒ボス14の外周面14aとに接触している。このため、内歯歯車20と外歯歯車10の相対運動はロックされており、シートバック220はロック状態にある。
このロック状態から、回転シャフト30を、例えば反時計方向に回転させると、回転シャフト30の押圧延設部32によってくさび状カム50bが押圧される。くさび状カム50bと内歯歯車20の貫通孔25の内周面25aに対して、クサビ角が設定してある。くさび状カム50bの押圧により、クサビ角内周面はくさび状カム50bとの間にスキマが発生しクサビが外れる。これにより、くさび状カム50と円筒ボス14及びくさび状カム50と内歯歯車20の貫通孔25との間に隙間が発生し、外歯歯車10が内歯歯車20に対して回転可能になる。また、リング40は、内歯歯車20に対して、反時計方向に回転し、これに伴い、スプリング60の付勢力によってくさび状カム50aがこの隙間を埋めるように、反時計周りに回転する。くさび状カム50は、回転シャフト30、リング40とともに摺動するように反時計周りに回転する。なお、時計方向の回転も同様にして回転させることができる。
こうして作製されたリクライニング装置100は、リング40によって円筒ボス14の外周面14aと接触させた状態となり、摺動時においては、摺動が安定化し、スムーズな回転を確保することができるとともに、くさび状カム50によって外歯歯車10を内歯歯車20との偏心方向へ移動するように付勢されているため、ロック状態におけるガタツキの発生を防止することができる。
なお、第3実施形態において、第2実施形態と同様に、くさび状カム50の凸面52(外側の面)側に略U字形のブッシュ90を備えているものとしてもよい。このときに、回転シャフト30を回転させた場合に、押圧延設部32がリング40よりも先にブッシュ90aを押圧するように形成される。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施しうる。
上述した実施の形態で示すように、主として、車両用シートのリクライニング装置として産業上利用可能である。
10…外歯歯車、10b…正面、11…外歯、12…貫通孔、12a…内周面、13…突出部、14…円筒ボス、14a…外周面、20…内歯歯車、21…内歯、22…円筒ボス、22a…外周面、23…突出部、25…貫通孔、25a…内周面、30…回転シャフト、31…セレーション、32…押圧延設部、40…リング、41…係合凸部、42…係合凹部、43…外周面、44…内周面、50…くさび状カム、50a…くさび状カム、50b…くさび状カム、51…凹面、52…凸面、53…近接側端部、54…離隔側端部、60…スプリング、61…環状部、62a,62b…端部、70…スプリングカバー、71…突出部、80…プレートカバー、90…ブッシュ、91a,91b…端部、100…リクライニング装置、200…車両用シート、210…シートクッション、220…シートバック、230…取付用プレート
Claims (4)
- シートクッションを構成するシートクッションフレームに対してシートバックを構成するシートバックフレームを傾動可能に保持するシートのリクライニング装置であって、
前記シートクッションフレーム及び前記シートバックフレームの一方に対して直接又は間接的に取り付けられ、外周面に外歯が形成され、内周面に軸方向と同軸の貫通孔が形成された外歯歯車と、
前記シートクッションフレーム及び前記シートバックフレームの他方に対して直接又は間接的に取り付けられ、内周面に少なくとも外歯よりも1つ以上多く設けられた前記外歯と噛合可能な内歯を有し、かつ軸方向と同軸の円筒ボスが形成された内歯歯車と、
前記外歯歯車の前記貫通孔の内周と前記内歯歯車の前記円筒ボスの外周との間に配置され、円形に形成された外周面の中心と円形に形成された内周面の中心が偏心して形成されてなり、正面側に係合凸部又は係合凹部を有するリングと、
前記リングの正面側に配置され、前記内歯歯車の前記円筒ボスの外周面と前記外歯歯車の前記貫通孔の内周面に接触することによって、前記外歯歯車と前記内歯歯車の相対回転を規制するとともに、前記内歯歯車の前記円筒ボスの前記外周面と前記外歯歯車の前記貫通孔の前記内周面を摺動させて前記外歯歯車と前記内歯歯車の相対回転を許容する一対のくさび状カムと、
前記内歯歯車の前記円筒ボスに同軸かつ回転自在に嵌挿され、前記リングの前記係合凸部又は前記係合凹部に係合して前記リングを回転させるとともに、前記くさび状カムを押圧する押圧延設部を有する回転シャフトと、
一対の前記くさび状カムをそれぞれ離間する方向に付勢する弾性体と、を備えてなり、
前記回転シャフトを回転させた場合に、前記押圧延設部は、前記くさび状カムを押圧した後に、前記リングを回転させることを特徴とするリクライニング装置。 - 前記くさび状カムの外周側に、略U字形のブッシュを備えており、
前記くさび状カムは、前記内歯歯車の前記円筒ボスの前記外周面と前記ブッシュの内周面に接触させることによって、前記外歯歯車と前記内歯歯車の相対回転を規制するとともに、前記ブッシュと前記内歯歯車の前記円筒ボス又は前記ブッシュと前記外歯歯車の前記貫通孔の前記内周面を摺動させて前記外歯歯車と前記内歯歯車の相対回転を許容するものであり、
前記回転シャフトを回転させた場合に、前記押圧延設部は、前記ブッシュを押圧した後に、前記リングを回転させることを特徴とする請求項1に記載のリクライニング装置。 - シートクッションを構成するシートクッションフレームに対してシートバックを構成するシートバックフレームを傾動可能に保持するシートのリクライニング装置であって、
前記シートクッションフレーム及び前記シートバックフレームの一方に対して直接又は間接的に取り付けられ、外周面に外歯が形成され、内周面に軸方向と同軸の円筒ボスが形成された外歯歯車と、
前記シートクッションフレーム及び前記シートバックフレームの他方に対して直接又は間接的に取り付けられ、内周面に少なくとも外歯よりも1つ以上多く設けられた前記外歯と噛合可能な内歯を有し、かつ軸方向と同軸の貫通孔が形成された内歯歯車と、
前記内歯歯車の前記貫通孔の内周と前記外歯歯車の前記円筒ボスの外周との間に配置され、円形に形成された外周面の中心と円形に形成された内周面の中心が偏心して形成されてなり、正面側に係合凸部又は係合凹部を有するリングと、
前記リングの正面側に配置され、前記外歯歯車の前記円筒ボスの外周面と前記内歯歯車の前記貫通孔の内周面に接触することによって、前記外歯歯車と前記内歯歯車の相対回転を規制するとともに、前記外歯歯車の前記円筒ボスの前記外周面と前記内歯歯車の前記貫通孔の前記内周面を摺動させて前記外歯歯車と前記内歯歯車の相対回転を許容する一対のくさび状カムと、
前記外歯歯車の前記円筒ボスに同軸かつ回転自在に嵌挿され、前記リングの前記係合凸部又は前記係合凹部に係合して前記リングを回転させるとともに、前記くさび状カムを押圧する押圧延設部を有する回転シャフトと、
一対の前記くさび状カムをそれぞれ離間する方向に付勢する弾性体と、を備えてなり、
前記回転シャフトを回転させた場合に、前記押圧延設部は、前記くさび状カムを押圧した後に、前記リングを回転させることを特徴とするリクライニング装置。 - 前記くさび状カムの外周側に、略U字形のブッシュを備えており、
前記くさび状カムは、前記外歯歯車の前記円筒ボスの前記外周面と前記ブッシュの内周面に接触させることによって、前記外歯歯車と前記内歯歯車の相対回転を規制するとともに、前記ブッシュと前記外歯歯車の前記円筒ボス又は前記ブッシュと前記内歯歯車の前記貫通孔の前記内周面を摺動させて前記外歯歯車と前記内歯歯車の相対回転を許容するものであり、
前記回転シャフトを回転させた場合に、前記押圧延設部は、前記ブッシュを押圧した後に、前記リングを回転させることを特徴とする請求項3に記載のリクライニング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021107068A JP2023005277A (ja) | 2021-06-28 | 2021-06-28 | リクライニング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021107068A JP2023005277A (ja) | 2021-06-28 | 2021-06-28 | リクライニング装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023005277A true JP2023005277A (ja) | 2023-01-18 |
Family
ID=85107224
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021107068A Pending JP2023005277A (ja) | 2021-06-28 | 2021-06-28 | リクライニング装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2023005277A (ja) |
-
2021
- 2021-06-28 JP JP2021107068A patent/JP2023005277A/ja active Pending
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