JP2023005225A - 半導体デバイスおよび半導体デバイスの製造方法 - Google Patents

半導体デバイスおよび半導体デバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】キャビティSOIウエハに設けられた構造の精度が高い半導体デバイスを提供する。【解決手段】第1のウエハと、前記第1のウエハに接合された第2のウエハと、を有する固定部材と、前記固定部材上に形成され、所定の機能を実現する機能部と、を備え、前記第1のウエハは、支持層と、前記支持層上に設けられた活性層と、を有し、前記活性層は、第1の空洞部と、前記第1の空洞部と前記固定部材の外部とを連通する第2の空洞部と、を有する。【選択図】図13

Description

本発明は、半導体デバイスおよび半導体デバイスの製造方法に関する。
近年、半導体製造技術を応用したマイクロマシニング技術の発達に伴い、シリコンまたはガラスを微細加工して製造されるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイスの開発が進んでいる。MEMSデバイスとしては、反射面を設けた可動部と弾性梁とをウエハ上に一体に形成し、弾性梁に薄膜化した圧電材料を重ね合わせて構成した駆動梁で、可動部を駆動(回動)させる光偏向素子が既に知られている。
MEMSデバイスに使用されるウエハとしては、シリコンとガラスからなるSOI(Silicon On Insulator)ウエハのほか、あらかじめパターニングを施したウエハに別のウエハを接合し中空構造としたキャビティSOIウエハがある。
特許文献1には、キャビティ内部の真空度を向上させる目的で、キャビティ周囲にガス排出路を形成し、接合後の熱処理によってキャビティ内部のガスを排出する技術が開示されている。
しかしながら、従来のキャビティSOIウエハを半導体加工技術で加工するMEMSデバイスでは、キャビティ部を有するウエハの表面が周辺環境の圧力によって膨張したりくぼんだりすることがある。このようなウエハの表面の変化は、キャビティ部が封止されているために圧力が一定となる一方、周辺環境の圧力は加工処理によって変動しており、両者に圧力差が生じることに起因する。
このように表面が歪んだウエハをMEMSデバイスに使用した場合、ウエハ上の微細部分が所望の形状に加工できなかったり、寸法の加工精度が不十分であったりするという点で改善の余地があった。特に、MEMSデバイスとして光偏向素子を作製する際においては、微細部分の形状や寸法の加工精度が不十分であると、共振周波数を所望の周波数に合わせこむことができなかったり、光偏向素子ごとにばらついたりするという懸念があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、キャビティSOIウエハに設けられた構造の精度が高い半導体デバイスの提供を目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、第1のウエハと、前記第1のウエハに接合された第2のウエハと、を有する固定部材と、前記固定部材上に形成され、所定の機能を実現する機能部と、を備え、前記第1のウエハは、支持層と、前記支持層上に設けられた活性層と、を有し、前記活性層は、第1の空洞部と、前記第1の空洞部と前記固定部材の外部とを連通する第2の空洞部と、を有する、ことを特徴とする。
本発明によれば、キャビティSOIウエハに設けられた構造の精度が高い半導体デバイスを提供することができる、という効果を奏する。
図1は、第1の実施の形態の光走査システムのシステム構成を示す図である。 図2は、光走査システムのハードウェア構成を示す図である。 図3は、制御装置の機能構成を示す図である。 図4は、光走査システムによる被走査面の光走査の流れを示すフローチャートである。 図5は、光偏向器のパッケージングを説明するための図である。 図6は、光偏向器の構成の一例を示す平面図である。 図7は、光偏向器の構成の一例を示す断面図である。 図8は、光偏向器の構成の一部を示す断面図である。 図9は、キャビティSOIウエハ作製方法を説明する図である。 図10は、従来のキャビティSOIウエハを説明する図である。 図11は、従来のキャビティSOIウエハを説明する図である。 図12は、光偏向器の作製プロセスを例示的に示す図である。 図13は、溝パターンの一例を示す図である。 図14は、光偏向器の構成の別の一例を示す平面図である。 図15は、第2の実施の形態にかかるMEMSスキャナの構成の一例を示す平面図である。 図16は、MEMSスキャナの構成の一例を示す断面図である。 図17は、溝パターンの一例を示す図である。 図18は、溝パターンの別の一例を示す図である。 図19は、第2の実施の形態における、光偏向器を備えたヘッドアップディスプレイ装置が設けられた自動車を示す図である。 図20は、ヘッドアップディスプレイ装置の構成を示すブロック図である。 図21は、第3の実施の形態における、光書込装置を示す図である。 図22は、光書込装置の要部の構成を示す図である。 図23は、第4の実施の形態における、レーザレーダ装置が設けられた自動車を示す図である。 図24は、第5の実施の形態における、レーザレーダ装置の要部のブロック図である。
以下に添付図面を参照して、半導体デバイスおよび半導体デバイスの製造方法の実施の形態を詳細に説明する。
(MEMSデバイスの概略)
まず、実施の形態の半導体デバイスおよび半導体デバイスの製造方法を説明するにあたり、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイスの概略について説明する。半導体技術を用いシリコンウエハ(Siウエハ)上に、所定の機能を実現する機能部を形成するMEMSデバイスが開発されている。一例をあげると、このようなMEMSデバイスとしては、例えば加速度センサ、圧力センサ及びミラーデバイス等が知られている。
加速度センサの場合、Siウエハの一部をエッチング等のプロセスによって貫通又は薄化することで、四方を梁で支えられた重り構造体を形成する。そして、外部からの加速に応じて慣性力による重りの変位を四方の梁の変形によって検出することで加速度を検知する。
圧力センサの場合、薄い膜上のメンブレン部を形成し、このメンブレン部の一面側を真空となるように封止することで形成される。このようにして形成された圧力センサは、圧力変動によるメンブレンの変形を検出することで圧力を検知する。
ミラーデバイスとしては、梁構造によって支えられたミラー部を1軸又は2軸で走査する走査型ミラーデバイス等が知られている。
(第1の実施の形態)
以下、第1の実施の形態として、このようなMEMSデバイスの一つである、走査型ミラーデバイスが適用された光走査システムを説明する。
(システム構成)
図1は、第1の実施の形態の光走査システムのシステム構成を示す図である。この図1に示すように、光走査システム10は、制御装置11、光源装置12、反射面14を有する半導体デバイスである光偏向器(光偏向素子)13を有する。光偏向器13は、走査型ミラーデバイスである。このような光走査システム10は、制御装置11の制御に従って、光源装置12から照射された光を光偏向器13の有する反射面14により偏向して被走査面15へ光走査する。
制御装置11は、例えばCPU(Central Processing Unit)及びFPGA(Field-Programmable Gate Array)等を備えた電子回路ユニットである。光偏向器13は、例えば反射部材である反射面14を有し、反射面14が可動であるMEMS(Micro Electromechanical Systems)デバイスである。光源装置12は、例えばレーザを照射するレーザ装置である。なお、被走査面15は、例えばスクリーンである。
制御装置11は、取得した光走査情報に基づいて光源装置12及び光偏向器13の制御命令を生成し、制御命令に基づいて光源装置12及び光偏向器13に駆動信号を出力する。
光源装置12は、入力された駆動信号に基づいて光の照射を行う。
光偏向器13は、入力された駆動信号に基づいて反射面14を1軸方向又は2軸方向の少なくとも何れかに動作させる。
これにより、光走査システム10は、例えば、光走査情報の一例である画像情報に基づいた制御装置11の制御によって、光偏向器13の反射面14を2軸方向に往復動作させ、反射面14に入射する光源装置12からの照射光を偏向して光走査することにより、被走査面15に任意の画像を投影することができる。
(ハードウェア構成)
次に、図2は、光走査システム10のハードウェア構成を示す図である。この図2に示すように、光走査システム10は、制御装置11、光源装置12及び光偏向器13を備え、それぞれが電気的に接続されている。
このうち、制御装置11は、CPU20、RAM21(Random Access Memory)、ROM22(Read Only Memory)、FPGA23、外部I/F24、光源装置ドライバ25、光偏向器ドライバ26を備えている。
CPU20は、ROM22等の記憶装置からプログラムやデータをRAM21上に読み出し、処理を実行して、制御装置11の全体の制御や機能を実現する演算装置である。
RAM21は、プログラムやデータを一時保持する揮発性の記憶装置である。
ROM22は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の記憶装置であり、CPU20が光走査システム10の各機能を制御するために実行する処理用プログラムやデータを記憶している。
FPGA23は、CPU20の処理に従って、光源装置ドライバ25及び光偏向器ドライバ26に適した制御信号を出力する回路である。
外部I/F24は、例えば外部装置やネットワーク等とのインタフェースである。外部装置には、例えば、PC(Personal Computer)等の上位装置、USBメモリ、SDカード、CD、DVD、HDD、SSD等の記憶装置が含まれる。また、ネットワークは、例えば自動車のCAN(Controller Area Network)やLAN(Local Area Network)、インターネット等である。外部I/F24は、外部装置との接続または通信を可能にする構成であればよく、外部装置ごとに外部I/F24が用意されてもよい。
光源装置ドライバ25は、入力された制御信号に従って光源装置12に駆動電圧等の駆動信号を出力する電気回路である。
光偏向器ドライバ26は、入力された制御信号に従って光偏向器13に駆動電圧等の駆動信号を出力する電気回路である。
制御装置11において、CPU20は、外部I/F24を介して外部装置やネットワークから光走査情報を取得する。なお、CPU20が光走査情報を取得することができる構成であればよく、制御装置11内のROM22やFPGA23に光走査情報を格納する構成としてもよいし、制御装置11内に新たにSSD等の記憶装置を設けて、その記憶装置に光走査情報を格納する構成としてもよい。
ここで、光走査情報とは、被走査面15にどのように光を走査させるかを示した情報であり、例えば、光走査により画像を表示する場合は、光走査情報は画像データである。また、例えば、光走査により光書込みを行う場合は、光走査情報は書込み順や書込み箇所を示した書込みデータである。他にも、例えば、光走査により物体認識を行う場合は、光走査情報は物体認識用の光を照射するタイミングと照射範囲を示す照射データである。
(制御装置の機能構成)
図3は、制御装置11の機能構成を示す図である。制御装置11は、CPU20の命令及び図2に示したハードウェア構成によって、制御部30及び駆動信号出力部31の機能を実現する。
制御部30は、例えばCPU20、FPGA23等により実現され、外部装置から光走査情報を取得し、光走査情報を制御信号に変換して駆動信号出力部31に出力する。例えば、制御部30は、外部装置等から画像データを光走査情報として取得し、所定の処理により画像データから制御信号を生成して駆動信号出力部31に出力する。
駆動信号出力部31は、光源装置ドライバ25、光偏向器ドライバ26等により実現され、入力された制御信号に基づいて光源装置12または光偏向器13に駆動信号を出力する。駆動信号出力部31は、例えば、駆動信号を出力する対象毎に設けられてもよい。
駆動信号は、光源装置12または光偏向器13の駆動を制御するための信号である。例えば、光源装置12においては、光源から照射される光の照射タイミング及び照射強度を制御する駆動電圧である。また、例えば、光偏向器13においては、光偏向器13の有する反射面14を動作させるタイミング及び動作範囲を制御する駆動電圧である。なお、制御装置11は、光源装置12や受光装置等の外部装置から光源から照射される光の照射タイミングや受光タイミングを取得し、これらを光偏向器13の駆動に同期するようにしてもよい。
(光走査処理)
図4は、光走査システム10による被走査面15の光走査の流れを示すフローチャートである。この図4のフローチャートにおいて、ステップS11では、制御部30が、外部装置等から光走査情報を取得する。
ステップS12では、制御部30が、取得した光走査情報から制御信号を生成し、制御信号を駆動信号出力部31に出力する。
ステップS13では、駆動信号出力部31が、入力された制御信号に基づいて駆動信号を光源装置12及び光偏向器13に出力する。
ステップS14では、光源装置12が、入力された駆動信号に基づいて光照射を行う。また、光偏向器13は、入力された駆動信号に基づいて反射面14の動作を行う。光源装置12及び光偏向器13の駆動により、任意の方向に光が偏向され、光走査される。
なお、光走査システム10では、1つの制御装置11が光源装置12及び光偏向器13を制御する装置及び機能を有しているが、これに限るものではなく、光源装置用の制御装置及び光偏向器用の制御装置とのように、別体に設けてもよい。
また、上記光走査システム10では、一つの制御装置11に光源装置12及び光偏向器13の制御部30の機能及び駆動信号出力部31の機能を設けているが、これらの機能は別体として存在していてもよく、例えば制御部30を有した制御装置11とは別に駆動信号出力部31を有した駆動信号出力装置を設ける構成としてもよい。なお、上記光走査システム10のうち、反射面14を有した光偏向器13と制御装置11により、光偏向を行う光偏向システムを構成してもよい。
(パッケージング)
図5は、光偏向器13のパッケージングを説明するための図である。この図5に示すように、光偏向器13は、パッケージ部材801の内側に配置される取付部材802に取り付けられ、パッケージ部材801の一部を透過部材803で覆われて、密閉されることでパッケージングされる。
さらに、パッケージ部材801内は窒素等の不活性ガスが密封されている。これにより、光偏向器13の酸化による劣化が抑制され、さらに温度等の環境の変化に対する耐久性が向上する。
(光偏向器の構成)
ここで、図6は光偏向器13の構成の一例を示す平面図、図7は光偏向器13の構成の一例を示す断面図、図8は光偏向器13の構成の一部を示す断面図である。
図6ないし図8に示すように、光偏向器13は、入射した光を反射するミラー部101と、ミラー部101に接続され、ミラー部101をY軸に平行な第1軸周りに駆動する第1駆動部110a,110bと、ミラー部101および第1駆動部110a,110bを支持する第1の支持部材である第1支持部120と、第1支持部120に接続され、ミラー部101および第1駆動部110a,110bをX軸に平行な第2軸(第1軸に直交する軸)周りに駆動する駆動部である第2駆動部130a,130bと、第2駆動部130a,130bを支持する第2の支持部材である第2支持部140と、第1駆動部110a,110bおよび第2駆動部130a,130bおよび制御部30に電気的に接続される電極接続部150と、を有する。ミラー部101および第1駆動部110a,110bは、可動部として機能する。第1支持部120および第2支持部140は、固定部材を構成する。
光偏向器13は、あらかじめパターニングを施したウエハに対して別のウエハを接合し中空構造としたキャビティSOI(Silicon On Insulator)ウエハであるSOI基板上に反射面14や第1圧電駆動部112a,112b、第2圧電駆動部131a~131f、132a~132f、電極接続部150等の機能部を形成することで、各構成部が一体的に形成されている。
図7および図8に示すように、SOI基板は、単結晶シリコン(Si)からなる第1のシリコン層の上に酸化シリコン層162が設けられ、その酸化シリコン層162の上にさらに単結晶シリコンからなる第2のシリコン層、第3のシリコン層が設けられている基板である。以降、第1のシリコン層をシリコン支持層161、第2のシリコン層をシリコン活性層163、第3のシリコン層をシリコン活性層164とする。また、シリコン活性層163,164をまとめてシリコン活性層165とする。なお、酸化シリコン層162は、設けなくてもよい。また、酸化シリコン層162を設ける場合は上記の箇所に限られず、各シリコン層の間に任意に形成されていてよい。
シリコン活性層163およびシリコン活性層164は、X軸方向またはY軸方向に対してZ軸方向への厚みが小さいため、弾性を有する弾性部としての機能を備える。
なお、SOI基板は、必ず平面状である必要はなく、曲率等を有していてもよい。また、エッチング処理等により一体的に成形でき、部分的に弾性を持たせることができる基板であれば光偏向器13の形成に用いられる部材はSOI基板に限られない。
ここで、キャビティSOIウエハの作製方法について説明する。
図9は、キャビティSOIウエハ作製方法を説明する図である。図9に示すように、キャビティSOIウエハの作製には、あらかじめ第1の空洞部である溝パターン301を形成した第1のウエハであるウエハ2と、ウエハ2とは別の第2のウエハであるウエハ1とが用いられる。そして、ウエハ1に対してウエハ2を接合することで、キャビティSOIウエハ3を得る。なお、ウエハ1とウエハ2の材料は、シリコンまたはガラスが一般的であるが、その他の材料でも良い。
図9に示すように、本実施形態においては、ウエハ2にパターンを形成するパターニングの際、溝パターン301に加えて、溝パターン301とウエハ外周とを連通する第2の空洞部である孔形成用溝パターン302を形成する。孔形成用溝パターン302の幅は、通常50μm程度であり、最大でも100μm程度である。孔形成用溝パターン302は、ウエハ2において碁盤の目のように並べているチップ間の隙間に形成する。また、孔形成用溝パターン302の深さは、溝パターン301と同じである。なお、孔形成用溝パターン302の深さは、溝パターン301より浅くてもよい。その後、ウエハ1とウエハ2とを接合し、キャビティSOIウエハ3とする。
ここで、図10および図11は従来のキャビティSOIウエハを説明する図である。MEMSの作製には上述のようにシリコンまたはガラスからなるウエハが用いられる。こうしたウエハは中実なものが一般的であるが、キャビティSOIウエハと呼ばれる中空構造をもったウエハを用いることもある。キャビティSOIウエハは、あらかじめ溝パターンを形成したウエハに、別のウエハを接合することで実現される。このとき、あらかじめ形成された溝パターンがウエハの中空部(キャビティ)となり、接合によってキャビティ部は封止される。
図10のキャビティSOIウエハ断面に示すように、ウエハ4に対して溝パターンを形成したウエハ5を接合したキャビティSOIウエハ6において、キャビティ部7は封止された中空構造となっている。キャビティ部7の内部の圧力は、接合時の圧力によって決定され、一般には真空であるが、接合手法により任意の値となる。このようなキャビティSOIウエハ6を加工して光偏向素子を作製する場合、素子面内およびウエハ面内に均一な加工を施すことが必要であり、ウエハ表面の平坦性が重要となる。
キャビティSOIウエハを作製する際の接合工程は、一般に真空下で行われるため、ウエハのキャビティ内部は真空となっている。しかしながら、ウエハ最上層となるウエハ4の厚みが300μm以下の薄膜である場合にキャビティSOIウエハを大気中に置くと、図11のキャビティSOIウエハ断面に示すように、キャビティ部7と外部環境との圧力差によってキャビティ部7のウエハ表面8に歪みが生じてしまい、ウエハ表面の平坦性が失われてしまう。こうした平坦でないキャビティSOIウエハを加工して光偏向素子を作製すると、ウエハ表面8上にミラーを形成した場合は所望の反射角が得られにくいという点や、ウエハ表面8上に圧電膜を形成した場合は不均一な膜応力によって所望の駆動特性が得られにくいといった点で改善の余地がある。なお、図10および図11では一例としてウエハ表面8に対し凹となる歪みを示しているが、凸となる歪みとなる場合もあり、その場合でも前述の懸念は発生する。
そこで、図9に示すように、本実施形態においては溝パターン301とウエハ外周とを連通する孔形成用溝パターン302をウエハ2に形成することで、キャビティ部を構成する溝パターン301が孔形成用溝パターン302を経由して外部に開口されるようにしたものである。これにより、キャビティ部を構成する溝パターン301内部の圧力は常に外部と等圧となり、圧力差による表層の歪みを抑制することができる。
図6に戻り、ミラー部101は、例えば、円形状のミラー部基体102と、ミラー部基体の+Z側の面上に形成された反射面14とから構成される。ミラー部基体102は、例えば、シリコン活性層165(図7参照)から構成される。反射面14は、例えば、アルミニウム、金、銀等を含む金属薄膜で構成される。また、ミラー部101は、ミラー部基体102の-Z側の面にミラー部補強用のリブが形成されていてもよい。リブは、例えば、シリコン支持層161および酸化シリコン層162から構成され、可動によって生じる反射面14の歪みを抑制することができる。
第1駆動部110a、110bは、ミラー部基体102に一端が接続し、第1軸方向にそれぞれ延びてミラー部101を可動可能に支持する2つのトーションバー111a、111bと、一端がトーションバー111a、111bに接続され、他端が第1支持部120の内周部に接続される第1圧電駆動部112a、112bと、から構成される。
図8に示されるように、トーションバー111a、111bは、シリコン活性層165から構成される。また、第1圧電駆動部112a、112bは、弾性部であるシリコン活性層165の+Z側の面上に、下部電極201、圧電部202、上部電極203の順に形成されて構成される。上部電極203および下部電極201は、例えば金(Au)または白金(Pt)等から構成される。圧電部202は、例えば、圧電材料であるPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)からなる。
図6および図7に示すように、第1支持部120は、例えば、シリコン支持層161、酸化シリコン層162、シリコン活性層163および164から構成される。第1支持部120は、ミラー部101を囲うように形成された矩形形状の支持体である。
第2駆動部130a,130bは、トーションバー111a、111bを変位可能に支持する一対の駆動梁である。第2駆動部130a、130bは、例えば、折り返すように連結された複数の第2圧電駆動部131a~131f、132a~132fから構成されており、第2駆動部130a、130bの一端は第1支持部120の外周部に接続され、他端は第2支持部140の内周部に接続されている。このとき、第2駆動部130aと第1支持部120の接続箇所および第2駆動部130bと第1支持部120の接続箇所、さらに第2駆動部130aと第2支持部140の接続箇所および第2駆動部130bと第2支持部140の接続箇所は、反射面14の中心に対して点対称となっている。
図6および図7に示されるように、第2圧電駆動部130a、130bは、弾性部であるシリコン活性層164の+Z側の面上に下部電極201、圧電部202、上部電極203の順に形成されて構成される。上部電極203および下部電極201は、例えば金(Au)または白金(Pt)等から構成される。圧電部202は、例えば、圧電材料であるPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)からなる。
本実施形態では、前述の通り第1圧電駆動部112a,112bはシリコン活性層165を基部とする一方、第2圧電駆動部130a,130bはシリコン活性層164を基部としている。すなわち、シリコン活性層165とシリコン活性層164とは、厚みが異なるものとなっている。このように基部の厚さを異ならせることにより、各部材の機能に適した弾性を与えることができる。
図6に戻り、第2支持部140は、例えば、シリコン支持層161、酸化シリコン層162、シリコン活性層165から構成され、ミラー部101、第1駆動部110a、110b、第1支持部120および第2駆動部130a、130bを囲うように形成された矩形の支持体である。
電極接続部150は、例えば、第2支持部140の+Z側の面上に形成され、第1圧電駆動部112a、112b、第2圧電駆動131a~131fの各上部電極203および各下部電極201,および制御装置11にアルミニウム(Al)等の電極配線を介して電気的に接続されている。なお、上部電極203または下部電極201は、それぞれが電極接続部と直接接続されていてもよいし、電極同士を接続する等により間接的に接続されていてもよい。
なお、本実施形態では、圧電部202が弾性部であるシリコン活性層163の一面(+Z側の面)のみに形成された場合を一例として説明したが、弾性部の他の面(例えば-Z側の面)に設けても良いし、弾性部の一面および他面の双方に設けても良い。
また、ミラー部101を第1軸周りまたは第2軸周りに駆動可能であれば、各構成部の形状は実施形態の形状に限定されない。例えば、トーションバー111a、111bや第1圧電駆動部112a、112bが曲率を有した形状を有していてもよい。
さらに、第1駆動部110a、110bの上部電極203の+Z側の面上、第1支持部の+Z側の面上、第2駆動部130a、130bの上部電極203の+Z側の面上、第2支持部の+Z側の面上の少なくともいずれかに酸化シリコン膜からなる絶縁層が形成されていてもよい。このとき、絶縁層の上に電極配線を設け、また、上部電極203または下部電極201と電極配線とが接続される接続スポットのみ、開口部として部分的に絶縁層を除去または絶縁層を形成しないことにより、第1駆動部110a、110b、第2駆動部130a、130bおよび電極配線の設計自由度をあげ、さらに電極同士の接触による短絡を抑制することができる。また、酸化シリコン膜は、反射防止材としていの機能も備える。
次に、光偏向器13の作製プロセスについて説明する。
ここで、図12は光偏向器13の作製プロセスを例示的に示す図である。まず、図12(a)に示すように、SOIウエハ2に対し溝パターン303を形成する。溝パターン303は、溝パターン301と、孔形成用溝パターン302とを含む。溝パターン301はキャビティ部を形成するための溝であり、孔形成用溝パターン302はキャビティ部とウエハ側面とを連通する孔を形成するための溝である。なお、SOIウエハ2は、シリコン支持層161と酸化シリコン層162とシリコン活性層163とを備える。
次に、図12(b)に示すように、SOIウエハ2に対して、SOIウエハ2とは別のウエハ1を接合し、3層キャビティSOIウエハ4とする。
次に、図12(c)~(e)に示すように、3層キャビティSOIウエハ4上に反射膜14や機能性膜201~203を形成し、表面および裏面よりエッチング加工を実施して構造体を形成する。
ここで、図13は溝パターン303の一例を示す図である。図12に示したように、キャビティ部となる溝パターン301の形状は、シリコン活性層165からなる部材、およびシリコン活性層165、酸化シリコン層162、シリコン支持層161からなる部材の形状により決定される。
図13に示すように、溝パターン301のうち、四方を第1支持部120と第1駆動部110a,110bとミラー部101に囲まれた溝部を溝部301a、第1支持部120に囲まれた溝部のうち溝部301aを除く部分を第3の空洞部である溝部301b、第2支持部140に囲まれた溝部のうち溝部301a,301bを除く部分である第4の空洞部を溝部301cとする。
孔形成用溝パターン302は、溝部301a~溝部301cおよびウエハ外部を連通する溝パターンである。孔形成用溝パターン302は、溝部302a、溝部302b、溝部302cを含む。
溝部302a,302bは、それぞれ溝部301a,301bと溝部301cとを連通する溝パターンである。溝部302cは、溝部301cとウエハ外部とを連通する溝パターンである。
上述のように、溝パターン301は、単独ではXY平面において閉じているが、孔形成用溝パターン302によってウエハ外部へ開口される。
なお、図13における溝部302a,302bの形成箇所は一例である。図13に記載の箇所以外の箇所に、溝部302a,302bを設けるようにしても良いが、溝部302a,302bは、第2軸に沿って対称となるように配置することが好ましい。このような構成とすることにより、第1支持部120の偏心を防ぐことができる。
また、図13においては、溝部302a,302bをそれぞれ第2軸上に1つずつ配置しているが、複数の溝を設けてもよい。このとき第2軸について線対称となるよう配置することが好ましく、これにより第1支持部120の偏心を防ぐことができる。
また、図13における溝部302cの形成箇所は一例である。図13に記載の箇所以外の箇所に、溝部302cを設けるようにしても良いが、溝部302cの形成により第2支持部140の強度が低下することから、電極接続部150以外のワイヤボンド時の圧力がかかる箇所以外の箇所に設けられることが好ましい。特に、溝部302cは、第2駆動部130a,130bと第2支持部140との連結部(第2支持部140に対する取り付け位置)に配置される。第2駆動部130a,130bと第2支持部140との連結部に配置される溝部302cの幅は、第2駆動部130a,130bの幅と同じ、または第2駆動部131の幅よりも広くなっている。このような構成とすることにより、第2駆動部130a,130bと第2支持部140との連結部の直下は空隙となり、第2支持部140による拘束がなくなる。これにより、第2駆動部130a,130bの振れ角を大きくすることができ、また第2駆動部130a,130bが変形したときの応力集中を緩和して破壊強度を大きくすることができる。
なお、従来のデバイス作成のプロセスフローにより光偏向器13を作成する場合、図12(a)の工程において図13のように孔形成用溝パターン302は形成されない。従来のデバイス作成のプロセスフローでは、孔形成用溝パターン302の代わりに、シリコン活性層163が設けられた構成となる。
[制御装置の制御の詳細]
次に、光偏向器の第1駆動部および第2駆動部を駆動させる制御装置11の制御の詳細について説明する。
第1駆動部110a、110b、第2駆動部130a、130bが有する圧電部202は、分極方向に正または負の電圧が印加されると印加電圧の電位に比例した変形(例えば、伸縮)が生じ、いわゆる逆圧電効果を発揮する。第1駆動部110a,110b,第2駆動部130a、130bは、上記の逆圧電効果を利用してミラー部101を可動させる。
このとき、ミラー部101の反射面14がXY平面に対して+Z方向または-Z方向へ傾いたときのXY平面と反射面14により成す角度を、振れ角とよぶ。このとき、+Z方向を正の振れ角、-Z方向を負の振れ角とする。
まず、第1駆動部を駆動させる制御装置11の制御について説明する。
第1駆動部110a、110bでは、第1圧電駆動部112a、112bが有する圧電部202に、上部電極203および下部電極201を介して駆動電圧が並列に印加されると、それぞれの圧電部202が変形する。この圧電部202の変形による作用により、第1圧電駆動部112a、112bが屈曲変形する。その結果、2つのトーションバー111a、111bのねじれを介してミラー部101に第1軸周りの駆動力が作用し、ミラー部101が第1軸周りに可動する。第1駆動部110a、110bに印加される駆動電圧は、制御装置11によって制御される。
そこで、制御装置11によって、第1駆動部110a、110bが有する第1圧電駆動部112a、112bに所定の正弦波形の駆動電圧を並行して印加することで、ミラー部101を、第1軸周りに所定の正弦波形の駆動電圧の周期で可動させることができる。
特に、例えば、正弦波形電圧の周波数がトーションバー111a、111bの共振周波数と同程度である約20kHzに設定された場合、トーションバー111a、111bのねじれによる機械的共振が生じるのを利用して、ミラー部101を約20kHzで共振振動させることができる。
このように本実施形態によれば、キャビティ部となる溝パターン301をSOIウエハ2形成する際に、キャビティ部とウエハ側面とを連通するような孔形成用溝パターン302を形成しておく。その後、別のウエハ1を接合してキャビティSOIウエハ4とする。このようにして作製されたキャビティSOIウエハ4では、キャビティ部は孔形成用溝パターン302を通じてウエハ側面より外部へ開口される。したがって、キャビティ内部の圧力は外部環境と等圧になるためウエハ表面は平坦に保たれる。このようにキャビティ内部とウエハ外部とを連通する孔形成用溝パターン302をウエハ2に作りこむことで、キャビティ内部の圧力は常に周辺環境の圧力と等しくなり、キャビティ内部と周辺環境との圧力差によってウエハ表面に歪みを生じにくくすることができるので、キャビティSOIウエハに設けられた構造の精度が高い半導体デバイスを提供することができる。
なお、本実施形態では、光偏向器13は図6に示されるように、トーションバー111a、111bから+X方向に向かって第一圧電駆動部112a、112bが延びる片持ちタイプの光偏向器を用いているが、電圧印加された圧電部により反射面を可動させる構成であれば、これに限られない。ここで、図14は光偏向器13の構成の別の一例を示す平面図である。例えば、図14に示すように、トーションバー211a、211bから+X方向に向かって延びる第一圧電駆動部212a、212bおよび-X方向に向かって延びる第一圧電駆動部212c、212dを有する両端支持(両持ち)タイプの光偏向器を用いてもよい。また、1軸方向のみに反射面を可動させる構成としてもよい。
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態は、光偏向器としてMEMSスキャナを適用した点が、第1の実施の形態と異なる。以下、第2の実施の形態の説明では、第1の実施の形態と同一部分の説明については省略し、第1の実施の形態と異なる箇所について説明する。
ここで、図15は第2の実施の形態にかかるMEMSスキャナ14Aの構成の一例を示す平面図、図16はMEMSスキャナ14Aの構成の一例を示す断面図である。
MEMSスキャナ14Aは、半導体デバイスであって、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems:微小電気機械システム)技術で製造された1枚ミラーのスキャンデバイスである。図15に示すように、MEMSスキャナ14Aは、反射部材を備えるミラー部である反射ミラー145を有する可動部144と、可動部144の両側で可動部144を支持する一対の駆動梁である蛇行梁部146と、を有する。各蛇行梁部146の一端は支持基板143に固定され、他端は可動部144に連結されている。支持基板143は、固定部材の一部である。
図16に示すように、可動部144は、シリコン活性層164により構成される。また、可動部144は、シリコン活性層164における反射ミラー145と逆側の面に、シリコン活性層163、酸化シリコン層162、シリコン支持層161からなるミラー補強用のリブ148を有している。リブ148は、固定部材の一部である。
各蛇行梁部146は、第1圧電部材147aと第2圧電部材147bが交互に配置され、複数の折り返し部を介した繰り返し折り返し構造の蛇行(ミアンダ)パターンを形成している。隣接する第1圧電部材147aと第2圧電部材147bには、互いに逆位相の電圧信号が印加され、蛇行梁部146にZ方向への反りが発生する。
図16に示すように、各蛇行梁部146は、シリコン活性層165により構成されている。
隣接する第1圧電部材147aと第2圧電部材147bでは、撓みの方向が逆になる。逆方向の撓みが累積されて、反射ミラー145を備えた可動部144が、回転軸Aを回転中心として、往復回動する。
回転軸Aを回転中心としたミラー共振モードに合わせた駆動周波数をもつ正弦波を逆相で第1圧電部材147aと第2圧電部材147bに印加することで、低電圧で大きな回転角度を得ることができる。
このMEMSスキャナ14Aは、1軸方向(X方向)へ光走査を行う。垂直方向(Y方向)の検出・測定は、Y方向に互いに離間して配置された複数の発光素子群110の発光を切り替えることでレイヤ数を増やすことができる。
次に、MEMSスキャナ14Aの溝パターン303について説明する。
ここで、図17は溝パターン303の一例を示す図である。図17に示すように、キャビティ部となる第1の空洞部である溝パターン301の形状は、シリコン活性層165からなる部材、およびシリコン活性層165、酸化シリコン層162、シリコン支持層161からなる部材の形状により決定される。
図17に示すように、溝パターン301のうち、リブ148に囲まれた部分を溝部301a、支持基板143に囲まれた内部のうち溝部301aを除く部分を第3の空洞部である溝部301bとする。
孔形成用溝パターン302は、溝部301a、溝部301bおよびウエハ外部を連通する溝パターンである。孔形成用溝パターン302は、溝部302a、溝部302b、溝部302cを含む。
溝部302aは、複数の溝部301aを互いに連通する溝パターンである。溝部302bは、溝部301aと溝部301bとを連通する溝パターンである。溝部302cは、溝部301bとウエハ外部とを連通する溝パターンであって、第4の空洞部である。
上述のように、溝パターン301は、単独ではXY平面において閉じているが、孔形成用溝パターン302によってウエハ外部へ開口される。
なお、図17における溝部302a,302bの個数および形成箇所は一例である。図17に記載の箇所以外の箇所に、溝部302a,302bを複数設けるようにしても良い。ここで、図18は溝パターン303の別の一例を示す図である。図18に示すように、溝部302a,302bをそれぞれ偶数個設け、可動部144の重心について点対称となるように配置する。こうすることにより、MEMSスキャナ14Aは、可動部144の偏心を防ぎ、安定した可動を実現することができる。
なお、図18に示すように、蛇行梁部146がY軸について対称に配置されている場合、溝部302a,302bは可動部144の重心について点対称としたうえで、Y軸についても対称となるよう配置する。
また、溝部302aは、溝部302bよりも多く配置することが望ましい。溝部302aを溝部302bよりも多く配置することで、MEMSスキャナ14Aは、リブ148の強度を低下させることなく可動部144の質量を小さくすることができる。このように可動部144の質量を小さくすることで落下時に梁に加わる応力が小さくなるので、MEMSスキャナ14Aは、スキャナ全体の耐衝撃性を向上させることができる。
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態の説明をする。この第3の実施の形態は、上述の光偏向器13を画像投影装置に適用した例である。図19は、画像投影装置の一例となるヘッドアップディスプレイ装置500が設けられた自動車400を示す図である。また、図20は、ヘッドアップディスプレイ装置500の構成を示すブロック図である。
図19に示すように、ヘッドアップディスプレイ装置500は、例えば自動車400のウインドシールド(フロントガラス401等)の付近に設置される。ヘッドアップディスプレイ装置500から発せられる投射光Lがフロントガラス401で反射され、ユーザである観察者(運転者402)に向かう。
これにより、運転者402は、ヘッドアップディスプレイ装置500によって投影された画像等を虚像として視認することができる。なお、ウインドシールドの内壁面にコンバイナを設置し、コンバイナによって反射する投射光によってユーザに虚像を視認させる構成にしてもよい。
図20に示すように、ヘッドアップディスプレイ装置500は、赤色、緑色、青色のレーザ光源501R,501G,501Bからレーザ光が出射される。出射されたレーザ光は、各レーザ光源に対して設けられるコリメータレンズ502,503,504と、2つのダイクロイックミラー505,506と、光量調整部507と、から構成される入射光学系を経た後、反射面14を有する上述の光偏向器13にて偏向される。
そして、偏向されたレーザ光は、自由曲面ミラー509と、中間スクリーン510と、投射ミラー511とから構成される投射光学系を経て、スクリーンに投影される。
なお、上記ヘッドアップディスプレイ装置500では、レーザ光源501R,501G,501B、コリメータレンズ502,503,504、ダイクロイックミラー505,506は、光源ユニット530として光学ハウジングによってユニット化されている。
上記ヘッドアップディスプレイ装置500は、中間スクリーン510に表示される中間像を自動車400のフロントガラス401に投射することで、その中間像を運転者402に虚像として視認させる。
レーザ光源501R,501G,501Bから発せられる各色レーザ光は、それぞれ、コリメータレンズ502,503,504で略平行光とされ、2つのダイクロイックミラー505,506により合成される。合成されたレーザ光は、光量調整部507で光量が調整された後、反射面14を有する光偏向器13によって二次元走査される。光偏向器13で二次元走査された投射光Lは、自由曲面ミラー509で反射されて歪みを補正された後、中間スクリーン510に集光され、中間像を表示する。中間スクリーン510は、マイクロレンズが二次元配置されたマイクロレンズアレイで構成されており、中間スクリーン510に入射してくる投射光Lをマイクロレンズ単位で拡大する。
光偏向器13は、反射面14を2軸方向に往復可動させ、反射面14に入射する投射光Lを二次元走査する。この光偏向器13の駆動制御は、レーザ光源501R,501G,501Bの発光タイミングに同期して行われる。
以上、画像投影装置の一例としてのヘッドアップディスプレイ装置500の説明をしたが、画像投影装置は、反射面14を有した光偏向器13により光走査を行うことで画像を投影する装置であればよい。
例えば、机等に置かれ、表示スクリーン上に画像を投影するプロジェクタや、観測者の頭部等に装着される装着部材に搭載され、装着部材が有する反射透過スクリーンに投影、または眼球をスクリーンとして画像を投影するヘッドマウントディスプレイ装置等にも、同様に適用することができる。
また、画像投影装置は、車両や装着部材だけでなく、例えば、航空機、船舶、移動式ロボット等の移動体、あるいは、その場から移動せずにマニピュレータ等の駆動対象を操作する作業ロボットなどの非移動体に搭載されてもよい。
このように本実施の形態に係る半導体デバイスを、画像投影装置に用いることにより、キャビティSOIウエハ表面に加工する微細構造の加工精度を高めた画像投影装置を実現することができる。
(第4の実施の形態)
次に、第4の実施の形態の説明をする。この第4の実施の形態は、上述の光偏向器13を光書込装置に適用した例である。図21は、光書込装置600を組み込んだ画像形成装置の一例である。また、図22は、光書込装置の要部の構成を示す図である。
図21に示すように、光書込装置600は、レーザ光によるプリンタ機能を有するレーザプリンタ650等に代表される画像形成装置の構成部材として使用される。画像形成装置において光書込装置600は、1本または複数本のレーザビームで被走査面15である感光体ドラムを光走査することにより、感光体ドラムに光書込を行う。
図22に示すように、光書込装置600において、レーザ素子などの光源装置12からのレーザ光は、コリメータレンズなどの結像光学系601を経た後、反射面14を有する光偏向器13により1軸方向または2軸方向に偏向される。
そして、光偏向器13で偏向されたレーザ光は、その後、第一レンズ602aと第二レンズ602b、反射ミラー部602cからなる走査光学系602を経て、被走査面15(例えば感光体ドラムや感光紙)に照射し、光書込みを行う。走査光学系602は、被走査面15にスポット状に光ビームを結像する。
また、光源装置12及び反射面14を有する光偏向器13は、制御装置11の制御に基づき駆動する。
このように上記光書込装置600は、レーザ光によるプリンタ機能を有する画像形成装置の構成部材として使用することができる。
また、走査光学系を異ならせて1軸方向だけでなく2軸方向に光走査可能にすることで、レーザ光をサーマルメディアに偏向して光走査し、加熱することで印字するレーザラベル装置等の画像形成装置の構成部材として使用することができる。
上記光書込装置に適用される反射面14を有した光偏向器13は、ポリゴンミラー等を用いた回転多面鏡に比べ駆動のための消費電力が小さいため、光書込装置の省電力化に有利である。
また、光偏向器13の振動時における風切り音は回転多面鏡に比べ小さいため、光書込装置の静粛性の改善に有利である。光書込装置は回転多面鏡に比べ設置スペースが圧倒的に少なくて済み、また光偏向器13の発熱量もわずかであるため、小型化が容易であり、よって光書込装置の小型化に有利である。
このように本実施の形態に係る半導体デバイスを、光書込装置に用いることにより、キャビティSOIウエハ表面に加工する微細構造の加工精度を高めた光書込装置を実現することができる。
(第5の実施の形態)
次に、第5の実施の形態を説明する。この第5の実施の形態は、上述の光偏向器13を物体認識装置の一例であるレーザレーダ装置に設けた例である。図23は、レーザレーダ装置700が設けられた自動車701を示す図である。この図23において、レーザレーダ装置700は、対象方向を光走査して、対象方向に存在する被対象物702からの反射光を受光することで、被対象物702を認識する。
図24は、レーザレーダ装置700の要部のブロック図である。この図24に示すように、光源装置12から出射されたレーザ光は、発散光を略平行光とする光学系であるコリメータレンズ703と、平面ミラー704とから構成される入射光学系を経て、反射面14を有する光偏向器13で1軸もしくは2軸方向に走査される。
そして、投光光学系である投光レンズ705等を経て装置前方の被対象物702に照射される。光源装置12及び光偏向器13は、制御装置11により駆動を制御される。被対象物702で反射された反射光は、光検出器709により光検出される。
すなわち、反射光は受光光学系である集光レンズ706等を経て撮像素子707により受光され、撮像素子707は検出信号を信号処理回路708に出力する。信号処理回路708は、入力された検出信号に2値化やノイズ処理等の所定の処理を行い、結果を測距回路710に出力する。
測距回路710は、光源装置12がレーザ光を発光したタイミングと、光検出器709でレーザ光を受光したタイミングとの時間差、または受光した撮像素子707の画素ごとの位相差によって、被対象物702の有無を認識し、さらに被対象物702との距離情報を算出する。
反射面14を有する光偏向器13は多面鏡に比べて破損しづらく、小型であるため、耐久性の高い小型のレーダ装置を提供することができる。
このようなレーザレーダ装置は、例えば車両、航空機、船舶、ロボット等に取り付けら
れ、所定範囲を光走査して障害物の有無や障害物までの距離を認識することができる。
上記物体認識装置では、一例としてのレーザレーダ装置700の説明をしたが、物体認識装置は、反射面14を有した光偏向器13を制御装置11で制御することにより光走査を行い、光検出器により反射光を受光することで被対象物702を認識する装置であればよく、上述した実施形態に限定されるものではない。
例えば、手や顔を光走査して得た距離情報から形状等の物体情報を算出し、記録と参照することで対象物を認識する生体認証や、対象範囲への光走査により侵入物を認識するセキュリティセンサ、光走査により得た距離情報から形状等の物体情報を算出して認識し、3次元データとして出力する3次元スキャナの構成部材などにも同様に適用することができる。
このように本実施の形態に係る半導体デバイスを、物体認識装置に用いることにより、キャビティSOIウエハ表面に加工する微細構造の加工精度を高めた物体認識装置を実現することができる。
なお、第3の実施の形態ないし第5の実施の形態においては、光偏向器13を各種装置に適用した例を示したが、これに限るものではなく、MEMSスキャナ14Aを各種装置に適用可能なことはいうまでもない。
最後に、上述の各実施の形態は、一例として提示したものであり、本発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な各実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことも可能である。また、各実施の形態及び各実施の形態の変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 第2のウエハ
2 第1のウエハ
13 半導体デバイス
14 反射部材
14A 半導体デバイス
101 ミラー部
111a、111b トーションバー
120 第1の支持部材
130a,130b 駆動部
140 第2の支持部材
143 可動部
144 可動部
145 反射部材、ミラー部
146 一対の駆動梁
161 シリコン支持層
165 シリコン活性層
301 第1の空洞部
301b 第3の空洞部
301c 第4の空洞部
302 第2の空洞部
特開2019-191158号公報

Claims (11)

  1. 第1のウエハと、前記第1のウエハに接合された第2のウエハと、を有する固定部材と、
    前記固定部材上に形成され、所定の機能を実現する機能部と、
    を備え、
    前記第1のウエハは、
    支持層と、前記支持層上に設けられた活性層と、
    を有し、
    前記活性層は、
    第1の空洞部と、
    前記第1の空洞部と前記固定部材の外部とを連通する第2の空洞部と、
    を有する、
    ことを特徴とする半導体デバイス。
  2. 前記支持層は、シリコン支持層であり、
    前記活性層は、シリコン活性層である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体デバイス。
  3. 前記固定部材は、中空構造である、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の半導体デバイス。
  4. 前記機能部は、前記固定部材の一部である第1の支持部材により支持された可動部と、前記固定部材の一部であって前記第1の支持部材の外周に設けられた第2の支持部材により支持され、前記可動部を駆動する駆動部と、を有し、
    前記固定部材を構成する前記第1のウエハは、前記第1の空洞部の一部であって前記第1の支持部材で形成される第3の空洞部と、前記第1の空洞部の一部であって前記第2の支持部材で形成される第4の空洞部とを連通する少なくとも1つ以上の前記第2の空洞部を形成するパターニングを少なくとも1つ以上施されている、
    ことを特徴とする請求項1ないし3の何れか一項に記載の半導体デバイス。
  5. 前記可動部は、光を反射する反射部材を有するミラー部、および一端が前記ミラー部と接続し前記ミラー部を支持する一対のトーションバーであり、
    前記駆動部は、前記トーションバーの他端と接続し前記トーションバーを変位可能に支持する一対の駆動梁であり、
    前記各駆動梁が接続される前記第1の支持部材には、前記第2の空洞部が形成される、
    ことを特徴とする請求項4に記載の半導体デバイス。
  6. 前記可動部は、光を反射する反射部材を有するミラー部であり、
    前記駆動部は、前記ミラー部を変位可能に支持する一対の駆動梁であり、
    前記各駆動梁が接続されるとともに前記反射部材の周縁部に設けられる前記第1の支持部材には、前記第2の空洞部が形成される、
    ことを特徴とする請求項4に記載の半導体デバイス。
  7. 前記駆動部は、複数の折り返し部を介した繰り返し折り返し構造である、
    ことを特徴とする請求項4に記載の半導体デバイス。
  8. 前記第2の空洞部は、前記駆動部と前記固定部材との連結部に配置される、
    ことを特徴とする請求項4に記載の半導体デバイス。
  9. 前記第2の空洞部は、前記可動部の可動軸に直交する軸に沿って対称となるように配置される、
    ことを特徴とする請求項4に記載の半導体デバイス。
  10. 前記第2の空洞部は、前記可動部の可動軸に直交する軸に沿って線対称となるように複数配置される
    ことを特徴とする請求項4に記載の半導体デバイス。
  11. 半導体デバイスの製造方法であって、
    第1のウエハの支持層上の活性層について第1の空洞部を形成する空洞部形成工程と、
    前記第1のウエハに対して、第2のウエハを接合して固定部材を形成する工程と、
    前記固定部材上に、所定の機能を実現する機能部を形成する工程と、
    を含み、
    前記空洞部形成工程は、前記第1のウエハに対し、前記第1の空洞部と前記固定部材の外部とを連通する第2の空洞部を形成する、
    ことを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
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