JP2023003345A - 車両用灯具 - Google Patents

車両用灯具 Download PDF

Info

Publication number
JP2023003345A
JP2023003345A JP2021104464A JP2021104464A JP2023003345A JP 2023003345 A JP2023003345 A JP 2023003345A JP 2021104464 A JP2021104464 A JP 2021104464A JP 2021104464 A JP2021104464 A JP 2021104464A JP 2023003345 A JP2023003345 A JP 2023003345A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
emitting element
light emitting
led package
vehicle lamp
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021104464A
Other languages
English (en)
Inventor
秀丸 小谷野
Hidemaru Koyano
千治 佐々木
Chiharu Sasaki
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ichikoh Industries Ltd
Original Assignee
Ichikoh Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ichikoh Industries Ltd filed Critical Ichikoh Industries Ltd
Priority to JP2021104464A priority Critical patent/JP2023003345A/ja
Publication of JP2023003345A publication Critical patent/JP2023003345A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Led Device Packages (AREA)

Abstract

【課題】組み立て作業を容易なものにできるとともに発光素子からの光を効率良く利用することのできる車両用灯具を提供する。【解決手段】車両用灯具10は、発光素子32上に設けられた蛍光体33で発光面53を形成するLEDパッケージ21と、LEDパッケージ21から放射された光を投影して配光パターン(LP、HP)を形成する投影レンズ12と、を備える。LEDパッケージ21は、発光面53の一部を覆う遮光部(36、61)を有し、遮光部(36、61)は、発光面53の一辺において、配光パターン(LP、HP)における水平方向に対応する第1方向に伸びる水平辺部(第1水平辺部37b)と、第1方向に対して傾斜する傾斜辺部37cと、を有するカットオフライン辺部37aを形成する。【選択図】図4

Description

本開示は、車両用灯具に関する。
車両用灯具は、照射する光で配光パターンを形成するものがある。その配光パターンでは、水平ラインと傾斜ラインとを繋いだカットオフラインが形成される。車両用灯具では、配光パターンを形成するための様々な構成が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2等参照)。
特許文献1の車両用灯具は、基板上に複数の発光素子を設け、その上に遮光部材を設けることで、カットオフラインを有する配光パターンを形成するものとされている。
また、特許文献2の車両用灯具では、発光素子において、光を出射する出射面の一部を覆うように遮光電極を設けることで、カットオフラインを有する配光パターンを形成するものとされている。
特開2014-154356号公報 特開2009-199824号公報
しかしながら、特許文献1の車両用灯具は、適切に配光パターンを形成するために、基板上に各発光素子に対する遮光部材の高い位置決め精度が求められることとなり、組み立て作業が困難となりコストや作業時間の増大を招いてしまう。
また、特許文献2の車両用灯具は、出射面の一部を遮光電極で覆うので、出射される光の一部を遮ることとなり、発光素子からの光の一部を利用できなくなってしまう。
本開示は、上記の事情に鑑みて為されたもので、組み立て作業を容易なものにできるとともに発光素子からの光を効率良く利用することのできる車両用灯具を提供することを目的とする。
本開示の車両用灯具は、発光素子上に設けられた蛍光体で発光面を形成するLEDパッケージと、前記LEDパッケージから放射された光を投影して配光パターンを形成する投影レンズと、を備え、前記LEDパッケージは、前記発光面の一部を覆う遮光部を有し、前記遮光部は、前記発光面の一辺において、前記配光パターンにおける水平方向に対応する第1方向に伸びる水平辺部と、前記第1方向に対して傾斜する傾斜辺部と、を有するカットオフライン辺部を形成することを特徴とする。
本開示の車両用灯具によれば、組み立て作業を容易なものにできるとともに発光素子からの光を効率良く利用することができる。
本開示に係る実施例1の車両用灯具の構成を分解して示す説明図である。 車両用灯具の光源部を拡大して示す説明図である。 車両用灯具が形成する配光パターンを示す説明図である。 光源部におけるLEDパッケージを模式的に示す説明図である。 LEDパッケージにおいて遮光板を分解して示す説明図である。 図4に示すLEDパッケージにおいて、そのI-I線に沿う箇所を断面で示す説明図である。 LEDパッケージにおける発光素子を光軸方向の前側から見た様子を模式的に示す説明図である。 発光素子の構成を示す説明図であり、図7のII-II線に沿って得られた断面に相当する。 一般的な構成とされた発光素子を光軸方向の前側から見た様子を示す説明図である。 2つのnラインが設定された発光素子を光軸方向の前側から見た様子を示す説明図である。 nラインおよびpラインの間隔の差異により上下で密度を変化させた発光素子を光軸方向の前側から見た様子を示す説明図である。 実施例2のLEDパッケージを模式的に示す説明図である。 図12に示すLEDパッケージにおいて、そのIII-III線に沿う箇所を断面で示す説明図である。
以下に、本開示に係る車両用灯具の一例としての車両用灯具10の実施例について図面を参照しつつ説明する。なお、図6、図8および図13は、それぞれの構成の把握を容易とするために、模式的で簡易な断面で示しており、必ずしも実際の様子とは一致するものではない。さらに、図12、図13では、遮光蒸着部61の構成の把握を容易とするために、遮光蒸着部61を強調して示しているが、必ずしも実際の様子とは一致するものではない。
本開示に係る車両用灯具の一実施形態に係る実施例1の車両用灯具10を、図1から図11を用いて説明する。車両用灯具10は、自動車等の車両に用いられる灯具として用いられて走行時の配光パターンを形成するものであり、例えば、ヘッドランプやフォグランプ等に用いられる。実施例1の車両用灯具10は、車両の前部の左右両側で、ランプハウジングの開放された前端がアウターレンズで覆われて形成される灯室に、上下方向用光軸調整機構や幅方向用光軸調整機構を介して設けられる。以下の説明では、車両用灯具10において、光を照射する方向となる投影レンズ12の光軸Laが伸びる方向を光軸方向(図面ではZとする)とし、光軸方向を水平面に沿う状態とした際の鉛直方向を上下方向(図面ではYとする)とし、光軸方向および上下方向に直交する方向(水平方向)を幅方向(図面ではXとする)とする。
車両用灯具10は、光源部11と投影レンズ12と放熱部材13とが組み付けられており、ダイレクトレンズタイプの投影ユニットを構成する。車両用灯具10は、光源部11と投影レンズ12とが組み付けられた状態で、適宜筐体に収容されて灯室に設けられる。
光源部11は、図2に示すように、2つのLEDパッケージ21と点灯回路22とが基板23に実装されている。LEDパッケージ21は、配光パターンを形成するための白色の光を出射するものであり、それぞれがLED(Light Emitting Diode(後述する発光素子32))を用いて構成されている。このLEDパッケージ21は、車両用灯具10において、すれ違い用配光パターンLPや走行用配光パターンHP(図3参照)の配光パターンの外形を形成する。このLEDパッケージ21の構成については後述する。
点灯回路22は、各LEDパッケージ21(その各発光素子32)に電力を適宜供給するとともに制御信号を送ることで、各LEDパッケージ21を適宜点灯させる。点灯回路22は、幅方向で基板23の中心位置から偏る位置に設けられており、各配光パターンを適切に形成する位置に各LEDパッケージ21を配置することを妨げない位置とされている。
基板23は、各LEDパッケージ21と点灯回路22とを電気的に接続するとともに、車両に搭載された電力供給源からの電力の各LEDパッケージ21や点灯回路22への供給を可能とするもので、実施例1ではガラスエポキシ基板とされている。なお、基板23は、アルミナ(酸化アルミニウム)基板や銅基板やアルミニウム基板を用いてもよく、他の材料でもよく、実施例1の構成に限定されない。基板23には、各LEDパッケージ21や点灯回路22を上記の電力供給源に接続するための電路23aが個別に対応して設けられている。その各電路23aは、基板23の一辺まで伸びており、その端部にコネクタ部材24(図1参照)が設けられる。コネクタ部材24は、図1に示すように、基板23において各電路23aが伸びる一辺に固定されており、各電路23aに対応するコネクタピン24aが設けられている。コネクタ部材24は、各コネクタピン24aが車両に設けられたコネクタ本体に差し込まれることにより、電力供給源と各LEDパッケージ21および点灯回路22とを接続する。なお、コネクタ部材24に替えて表面実装タイプのコネクタを用いてもよく、他の構成でもよく、実施例1の構成に限定されない。
投影レンズ12は、両LEDパッケージ21から放射された光を光軸方向の前側に投影する。実施例1の投影レンズ12は、光軸方向から見て略四角形状の凸レンズとされており、光軸Laを中心として上下方向の上側の上側レンズ部12aと下側の下側レンズ部12bとを有する。なお、この四角形状とは、4つの角部(球面等に面取りされたものも含む)を有するものであれば、矩形状でもよく各辺が湾曲していてもよい。また、投影レンズ12は、光軸方向から見た形状は適宜設定すればよく、実施例1の構成に限定されない。上側レンズ部12aは、上側に設けられたLEDパッケージ21Lに対応するもので、LEDパッケージ21Lから出射された光を前側に投影することですれ違い用配光パターンLP(図3参照)を形成する。下側レンズ部12bは、下側に設けられたLEDパッケージ21Hに対応するもので、LEDパッケージ21Hから出射された光を前側に投影することで走行用配光パターンHP(図3参照)を形成する。
ここで、LEDパッケージ21HおよびLEDパッケージ21Lは、互いに等しい構成とされて同一の基板23に実装されている。これに対して、すれ違い用配光パターンLPは、走行用配光パターンHPよりも大きくされている(図3参照)。このため、上側レンズ部12aは、下側レンズ部12bと比較して、対応するLEDパッケージ21Lからの光をより大きく拡大して投影する。そして、上側レンズ部12aと下側レンズ部12bとは、出射面や入射面の形状を適宜設定して個別に光学的に設定されることにより、上記のようにすれ違い用配光パターンLPや走行用配光パターンHPを形成する。
放熱部材13は、光源部11で発生する熱を放射する(逃がす)ヒートシンク部材であり、熱伝導率の高い金属材料で形成され、実施例1では金属製ダイカストのうちのアルミダイカストにより形成されている。放熱部材13は、ベース部13aとフィン部13bとを有する。ベース部13aは、光軸方向に直交する板状とされており、光軸方向の前側に光源部11が設置され、その反対側(光軸方向の後側)からフィン部13bが突出されている。フィン部13bは、板状とされており、それぞれが所定の間隔を開けて並んで(並列して)いる。
この車両用灯具10は、光源部11が放熱部材13のベース部13aに取り付けられ、その光源部11から前後方向の前側で所定の間隔を置いて投影レンズ12が設けられる。この投影レンズ12は、図示を略す支持部材に支持されることにより、光源部11や放熱部材13との位置関係が保たれている。
車両用灯具10は、電力供給源からの電力を光源部11のLEDパッケージ21や点灯回路22に供給することで、各LEDパッケージ21を適宜点灯および消灯する。車両用灯具10は、光源部11において、LEDパッケージ21Lが点灯されると、そこからの光を投影レンズ12の上側レンズ部12aの光学的な設定に応じて投影することで、図3に示すように、光軸方向に直交するスクリーン上においてすれ違い用配光パターンLPを形成する。そのすれ違い用配光パターンLPは、上縁に2つの水平カットオフラインを傾斜カットオフラインで繋ぎ合わせたカットオフラインCLが形成されている。
また、車両用灯具10は、光源部11において、LEDパッケージ21Hが点灯されると、そこからの光を投影レンズ12の下側レンズ部12bの光学的な設定に応じて投影することで、スクリーン上において走行用配光パターンHPを形成する。この走行用配光パターンHPは、光軸方向を中心としてすれ違い用配光パターンLPが180度回転された形状とされており、すれ違い用配光パターンLPよりも小さな寸法とされている。このため、すれ違い用配光パターンLPは、下縁にカットオフラインCLが形成されている。走行用配光パターンHPとすれ違い用配光パターンLPとは、LEDパッケージ21HとLEDパッケージ21Lとが光軸方向を中心として180度回転されて配置されていることと、上側レンズ部12aおよび下側レンズ部12bの光学的な設定と、により、上記のように形成される。
この車両用灯具10は、LEDパッケージ21Lを点灯させることで、カットオフラインCLを有するすれ違い用配光パターンLPを形成でき、すれ違い時の配光(所謂ロービーム)とする。また、車両用灯具10は、LEDパッケージ21Lに加えてLEDパッケージ21Hを点灯することで、すれ違い用配光パターンLPの上方に重ねて走行用配光パターンHPを形成でき、走行時の配光(所謂ハイビーム)とする。
次に、両LEDパッケージ21の構成について説明する。両LEDパッケージ21は、互いに等しい構成とされているので、以下では単にLEDパッケージ21と記載し、上下方向の上側に設けられたLEDパッケージ21を示す図4から図8を用いて構成を説明する。LEDパッケージ21は、図4から図6に示すように、放熱基板31上に発光素子32と蛍光体33とが設けられて構成されている。放熱基板31は、上面31aに発光素子32が実装されるもので、光軸方向の前側から見て、幅方向に長尺な矩形状とされ(図4参照)、実施例1では窒化アルミニウム(AlN)から形成されている。放熱基板31では、複数(図6では2つ示す)のLED電極34が設けられている。各LED電極34は、発光素子32のn電極45およびp電極46(図8参照)に対応して設けられ、上面31aから反対側の下面31bに貫通しつつ下面31bに沿って設けられている。各LED電極34は、LEDパッケージ21が基板23に実装された際、発光素子32のn電極45およびp電極46と、基板23上の対応する電路23a(図2等参照)と、を電気的に接続させる。
蛍光体33は、発光素子32から出射された青色の光により励起されることで黄色い光を発光する蛍光体であり、その青色の光と黄色い光とを合わせることで、白色の光とする。実施例1の蛍光体33は、図5等に示すように、光軸方向に直交する平面を有しつつ幅方向に長尺な板状の部材とされ、光を透過させる接着剤35(図6参照)により発光素子32上に取り付けられている。なお、蛍光体33は、発光素子32の上に塗布されて形成されていてもよく、実施例1の構成に限定されない。
LEDパッケージ21では、封止部材39が設けられている。封止部材39は、光を通さない材料が用いられており、実施例1では白色の樹脂材料が用いられている。この白色の樹脂材料としては、例えば、シリコーンに二酸化チタン(TiO)を含有させた樹脂材等がある。封止部材39は、放熱基板31上に設けられた発光素子32および蛍光体33を取り囲みつつ蛍光体33の上面を露出させて設けられ、放熱基板31および蛍光体33と協働して発光素子32を封止している。このため、封止部材39は、発光素子32から出射された光を、蛍光体33(その上面)から出射させつつ、その他の箇所からは漏れないものとしている。
蛍光体33では、遮光板36が設けられている。遮光板36は、光を通さない材料で形成されており、光軸方向の前側から見て蛍光体33よりも大きな矩形の板状とされている。この遮光板36では、中央を貫通する開口部37が設けられている。この開口部37は、蛍光体33により白色の光とされた光の通過を可能とする。開口部37は、図5に示すように、光軸方向の前側から見て、上下方向に伸びる2辺と、上下方向の上側で幅方向に伸びる1辺と、の3辺が矩形状の発光素子32の3辺に沿うものとされている。そして、開口部37は、上下方向の下側で幅方向に伸びる1辺がカットオフラインCLに対応するカットオフライン辺部37aとされている。
カットオフライン辺部37aは、幅方向に伸びる第1水平辺部37bと、その第1水平辺部37b(幅方向)に対して鈍角とされた傾斜辺部37cと、幅方向に伸びる第2水平辺部37dと、を有する。その第1水平辺部37bは、第2水平辺部37dよりも上下方向の上側すなわち開口部37の中心側に位置されている。また、その第2水平辺部37dは、発光素子32の残りの1辺に沿うものとされている。これらのことから、カットオフライン辺部37aは、第1水平辺部37bと傾斜辺部37cとが蛍光体33(その後述する発光面53)の一部を覆うように開口部37の内側に張り出しており、蛍光体33(発光面53)からの光を部分的に遮る遮光片部38となる。この第1水平辺部37bおよび第2水平辺部37dに対する傾斜辺部37cの角度は、各配光パターン(LP、HP)のカットオフラインCLにおける2つの水平カットオフラインに対する傾斜カットオフラインとの角度関係に適合されている。このため、カットオフラインCLは、第1水平辺部37bおよび第2水平辺部37dに対する傾斜辺部37cの関係性が、両水平カットオフラインに対する傾斜カットオフラインに反映されて傾斜箇所Spが形成されている。このため、遮光板36は、蛍光体33の発光面53の一部を覆い、発光面53の一辺にカットオフライン辺部37aを形成する遮光部として機能する。
発光素子32は、光軸方向の前側からみると、幅方向に長尺な板状の部材とされており(図7参照)、蛍光体33と略等しい大きさとされている(図4等参照)。この発光素子32は、図8に示すように、絶縁層41とp型半導体層42と発光層(活性層)43とn型半導体層44とn電極45とp電極46とを備える。発光素子32では、絶縁層41とp型半導体層42と発光層43とn型半導体層44とが前後方向に積層されている。このため、実施例1の発光素子32では、前後方向が積層方向となる。そして、実施例1の発光素子32では、p型半導体層42とn型半導体層44との間に電流が流れると発光層43から青色の光が発せられ、その光が積層方向で最も上側(前後方向の前側)に位置されたn型半導体層44の上面から出射される。このため、発光素子32では、n型半導体層44の上面が出射面47となる。
絶縁層41は、二酸化ケイ素(SiO)や窒化ケイ素(Si)等で形成され、エレクトロマイグレーション(Electromigration)を防ぐ効果と、絶縁効果と、p型半導体層42との屈折率の差を利用して青色の光を反射する効果と、を有する。そのエレクトロマイグレーションは、電気伝導体に流れる電子の金属原子との衝突により金属原子が輸送されることで、イオンが徐々に移動することにより材料の形状に欠損を生じさせる現象である。p型半導体層42と発光層43とn型半導体層44とは、少なくとも一層(例えば、発光層43)を窒化物半導体層で構成している。ここで、p型半導体層42と発光層43とn型半導体層44とは、全ての層が窒化物半導体層からなることが好ましいが、窒化物以外の半導体層を含んでいてもよい。
p型半導体層42には、図7、図8に示すように、p電極46から絶縁層41を通して設けられたpドット48が接続されている。p電極46は、絶縁層41内に伸びるとともに絶縁層41の下側に露出されて設けられている。pドット48は、p電極46と電気的に接続されており、複数設けられている。この各pドット48は、出射面47(発光素子32)を前後方向の前側から見た状態(図7参照)において、p型半導体層42における所定の位置に配置されているが、この配置に関しては後述する。
n型半導体層44には、n電極45から絶縁層41、p型半導体層42および発光層43を通して設けられたnドット49が接続されている。n電極45は、p電極46とは異なる位置で絶縁層41内に伸びるとともに絶縁層41の下側に露出されて設けられている。nドット49は、n電極45と電気的に接続されており、複数設けられている。この各nドット49は、出射面47(発光素子32)を前後方向の前側からみた状態(図7参照)において、n型半導体層44における所定の位置に配置されているが、この配置に関しては後述する。
発光素子32では、図7に示すように、出射面47側から正面視して、幅方向に伸びるpライン51とnライン52とが、それぞれ複数設けられている。pライン51では、複数のpドット48が幅方向で出射面47(p型半導体層42(発光素子32))を横切るように略等間隔で整列されている。nライン52では、複数のnドット49が幅方向で出射面47(n型半導体層44(発光素子32))を横切るように略等間隔で整列されている。発光素子32は、pライン51とnライン52とを上下方向に交互に並列させており、その上下方向での間隔を位置に応じて変化させている。
具体的には、発光素子32は、出射面47における上下方向の上側の一辺である第1辺部32aの近傍にpライン51を設け、その下側にnライン52を設け、その下側にpライン51、nライン52、pライン51、nライン52、pライン51の順に設けている。この4つのpライン51と3つのnライン52とは、出射面47における上下方向の上部に偏って設けられている。このように、発光素子32は、出射面47の上部において、3つのnライン52が、それぞれの上側と下側とにpライン51を位置させつつ上下方向に並列させている。
また、発光素子32は、出射面47における上下方向の下側の一辺である第2辺部32bの近傍にpライン51を設け、その上側にnライン52を設け、その上側にpライン51、nライン52、pライン51の順に設けている。この3つのpライン51と2つのnライン52とは、出射面47における上下方向の下部に偏って設けられている。このように、発光素子32は、出射面47の下部において、2つのnライン52が、それぞれの上側と下側とにpライン51を位置させつつ上下方向に並列させている。
そして、発光素子32は、上部の4つのpライン51と3つのnライン52との上下方向での間隔が、下部の3つのpライン51と2つのnライン52との上下方向での間隔よりも狭くされている。すなわち、発光素子32は、各pドット48および各nドット49が、第1辺部32aの側(上部)の密度が相対的に高くされ、第2辺部32bの側(下部)の密度が相対的に低くされている。なお、pライン51およびnライン52では、各pドット48および各nドット49の幅方向での間隔が、上下方向での位置に拘らず略一定とされている。これらのことから、実施例1の発光素子32では、出射面47に沿う方向において、幅方向がnライン52(nドット49)が出射面47を横切る第1方向となり、上下方向が第1方向に直交する第2方向となる。
各LEDパッケージ21は、図4、図5に示すように、発光素子32における第1辺部32a側が、遮光板36の開口部37のカットオフライン辺部37aの第2水平辺部37d側となるように、配置の際の向きが設定されている。そして、各LEDパッケージ21は、発光素子32における第1辺部32aに、開口部37のカットオフライン辺部37aの第2水平辺部37dを重ねるように、発光素子32に対して遮光板36を重ねている。これにより、各LEDパッケージ21は、カットオフライン辺部37aの近傍においてpライン51とnライン52とを狭い間隔で上下方向に並列させているとともに、カットオフライン辺部37aから遠ざかるとpライン51とnライン52との間隔を相対的に広くしている。このため、各LEDパッケージ21は、発光素子32において、遮光板36の開口部37のカットオフライン辺部37aの近傍の各pドット48および各nドット49の密度が高められている。
次に、各LEDパッケージ21の形成方法について説明する。先ず、発光素子32を放熱基板31に実装する実装工程を行う。実装工程では、放熱基板31上において、発光素子32のn電極45およびp電極46を、放熱基板31に設けられたLED電極34に合わせた状態で載せる。そして、実装工程では、n電極45およびp電極46を対応するLED電極34に電気的に接続する。
次に、発光素子32に蛍光体33を設ける蛍光体設置工程を行う。蛍光体設置工程では、発光素子32の出射面47に合わせて蛍光体33を設置するものであり、実施例1では矩形の板状とされた蛍光体33を接着剤35により出射面47に取り付ける。
次に、発光素子32および蛍光体33を封止部材39で封止する封止工程を行う。封止工程では、放熱基板31上において、発光素子32および蛍光体33を取り囲みつつ蛍光体33の上面(後述する発光面53)を露出させるように、封止部材39を設ける。封止工程では、上記のように封止部材39を塗布し、その封止部材39を硬化させる。
最後に、蛍光体33に合わせて遮光板36を設ける遮光配置工程を行う。遮光配置工程では、蛍光体33の上面(発光面53)に対して、遮光板36の開口部37が上記した位置関係となるように配置し、接着剤を用いて固定する。これにより、遮光板36は、発光面53の一部を遮光片部38で覆いつつ開口部37から発光面53を露出させることができる。これにより、発光素子32が放熱基板31上に設けられて、遮光板36により発光面53の一辺にカットオフライン辺部37a(遮光片部38)が設けられたLEDパッケージ21を形成できる。
次に、この車両用灯具10の作用について説明する。車両用灯具10は、電力供給源からの電力を光源部11の各LEDパッケージ21や点灯回路22に供給する。すると、各LEDパッケージ21は、発光素子32が点灯されて、その出射面47から出射された光が蛍光体33に入射する。各LEDパッケージ21では、入射した青色の光と、その光により励起された黄色い光と、を合わせて白色の光としつつ、蛍光体33の上面から出射することで点灯される。このため、各LEDパッケージ21では、蛍光体33の上面が発光面53となる。
ここで、各LEDパッケージ21は、蛍光体33の発光面53の一部を遮光片部38で覆う遮光板36を設けている。このため、発光面53は、各LEDパッケージ21を前後方向の前側から見ると、上下方向の1辺がカットオフライン辺部37a(第1水平辺部37b、傾斜辺部37c、第2水平辺部37d)とされた遮光片部38により部分的に切り欠かれた幅方向に長尺な矩形状とされている。この各LEDパッケージ21は、発光面53を、遮光片部38により部分的に切り欠かれた開口部37の形状で光らせることができる。
そして、車両用灯具10は、点灯した各LEDパッケージ21を投影レンズ12が大きく拡大して投影することにより、その発光面53(開口部37)の形状に沿う各配光パターン(LP、HP)を形成する。その各配光パターンは、各LEDパッケージ21における蛍光体33(発光面53)が遮光片部38により切り欠かれた形状とされているので、その形状(カットオフライン辺部37a)に沿ってカットオフラインCLが形成される。そして、各配光パターンでは、カットオフラインCLの輪郭(内外での明暗差)が明確とされているとともに、カットオフラインCLの近傍が明るくされており、カットオフラインCLから離れた個所の明るさが相対的に抑えられている。この各配光パターンにおける明るさの分布やカットオフラインCLの明確さは、主にLEDパッケージ21により形成されている。
先ず、この説明のために、図9から図11に示す例示としての発光素子(E1からE3)を用いて説明する。各発光素子(E1からE3)は、基本的に実施例1の発光素子32と同様の構成とされており、図7と同様に前後方向の前側から見た様子を示す。図9から図11の各発光素子(E1からE3)は、各pドット48および各nドット49の配置の差異の把握を容易とするために、正面視して正方形状とするとともに、各pドット48および各nドット49を大きく(大きさを強調)している。
図9の発光素子E1は、一般的な構成とされたもので、各pドット48および各nドット49が出射面47の全体に亘って満遍なく配置されている。このため、発光素子E1は、全体に均一な明るさ(配光分布)で出射面47を光らせることができる。換言すると、一般的な発光素子E1は、全体に均一な明るさとするために、各pドット48および各nドット49を均一な分布としている。これは、一般的な発光素子E1では、効率良く電気を光に変換するために、電流分布を均一とする工夫がされていることによる。しかしながら、車両用灯具は、発光素子E1のように均一な明るさで光るものを用いると、投影レンズ12の光学的な設定だけでは求められる配光パターンを形成することが困難であり、複雑な構成を用いる必要が生じてコストの増加を招いてしまう。
これに対して、図10の発光素子E2は、上下方向の上側と下側とのそれぞれに、出射面47を幅方向に架け渡すnライン52を設けている。また、発光素子E2は、上側と下側との2つのnライン52に対して、それぞれの上側と下側とにpライン51を設けている。すなわち、発光素子E2は、複数のnドット49を上下方向の上側と下側との2箇所に偏らせて配置し、それぞれの周辺にpドット48を偏らせて配置している。出願人は、このようにnドット49をnライン52上に偏らせつつ、その上下にpライン51(各pドット48)を沿わせて配置すると、それぞれのnライン52およびその近傍を最も明るくできるとともに、それ以外の箇所の明るさを相対的に抑えられることを発見した。
次に、図11の発光素子E3は、発光素子E2と同様に、上下方向の上側と下側とのそれぞれに、2つのpライン51でnライン52を上下方向で挟む位置関係としている。そして、発光素子E3は、発光素子E2とは異なり、上側のnライン52に対する2つのpライン51の上下方向での間隔を相対的に狭くするとともに、下側のnライン52に対する2つのpライン51の上下方向での間隔を相対的に広くしている。このため、発光素子E3は、上側のnライン52の周辺における各pドット48および各nドット49の密度を、下側のnライン52の周辺における各pドット48および各nドット49の密度よりも高くしている。出願人は、上側と下側とで各pドット48および各nドット49の密度を異ならせると、密度を高くした上側のnライン52およびその上下のpライン51の近傍を、密度を低くした下側のnライン52およびその上下のpライン51の近傍よりも相対的に明るくできることを発見した。
実施例1の各LEDパッケージ21は、図7に示すように、発光素子32において幅方向に伸びる複数のpライン51とnライン52とを上下方向に並列させているとともに、その上下方向での間隔を相対的に第1辺部32a近傍を狭くしつつ第2辺部32b側を広くしている。また、各LEDパッケージ21は、図6に示すように、発光素子32の第1辺部32aに開口部37のカットオフライン辺部37aに沿わせるように、蛍光体33上に遮光板36を配置している。このため、各LEDパッケージ21は、遮光板36のカットオフライン辺部37a(遮光片部38)の近傍における発光素子32のpライン51とnライン52との間隔を相対的に狭くしているので、発光面53におけるカットオフライン辺部37aの近傍を明るくできるとともに、カットオフライン辺部37aから離れた個所の明るさを相対的に抑えることができる。
このことから、各LEDパッケージ21では、発光面53において、遮光板36の開口部37の形状に沿って光らせることができるとともに、その開口部37のカットオフライン辺部37a(傾斜箇所Sp)の近傍を最も明るくしつつカットオフライン辺部37aから離れた個所の明るさを相対的に抑えることができる。そして、各LEDパッケージ21では、発光面53におけるカットオフライン辺部37aの近傍を明るくしつつカットオフライン辺部37aの外側からは光を発しないので、その明暗差を大きくできる。
このように、車両用灯具10は、開口部37を有する遮光板36を蛍光体33に重ねた各LEDパッケージ21を投影して各配光パターン(LP、HP)を形成することで、それらにカットオフラインCLを形成できる。その各配光パターン(LP、HP)では、各LEDパッケージ21の発光面53における明るさの分布が反映されるので、カットオフラインCLの近傍が最も明るくされ、カットオフラインCLから離れた個所の明るさが相対的に抑えられている。そして、各配光パターン(LP、HP)では、カットオフラインCLの内外での明暗差を確保することができ、カットオフラインCLを明確なものにできる。これらのことから、車両用灯具10は、カットオフラインCLの近傍を最も明るくしつつカットオフラインCLを明確とした法規等に即した配光パターン(LP、HP)を形成でき、視認性を確保しつつ対向車等の眩惑を防止できる。
また、車両用灯具10は、各LEDパッケージ21において、蛍光体33に遮光板36を重ねる構成としている。その各LEDパッケージ21は、LEDパッケージ21自体の製造ラインにおいて放熱基板31、発光素子32、蛍光体33および遮光板36を位置決めしつつ製造できる。その製造ラインは、LEDパッケージ21における位置決め精度を満たす構成とされているので、高い位置決め精度を確保しつつ遮光板36を設けることができる。そして、車両用灯具10は、その各LEDパッケージ21を基板23に実装して光源部11を構成するとともに、その光源部11に対して投影レンズ12を適切な位置関係で設けることで、カットオフラインCLを有する配光パターン(LP、HP)を形成できる。ここで、従来の特許文献1の車両用灯具では、基板上の複数の発光素子に対して適切な位置関係で遮光部材を設ける必要があるので、組み立て工程において、各発光素子に対する遮光部材の高い位置決め精度が求められることとなり、組み立て作業が困難となりコストや作業時間の増大を招いてしまう。これに対して、車両用灯具10は、組み立て工程において光源部11に対して投影レンズ12が適切な位置関係で設ければよいので、従来の車両用灯具と比較して組み立て作業を簡易なものにでき、コストや作業時間を抑制できる。これにより、車両用灯具10は、コストや作業時間を抑制しつつ、カットオフラインCLを有する配光パターン(LP、HP)を精度よく形成できる。
さらに、車両用灯具10は、各LEDパッケージ21において、蛍光体33の発光面53の一部を遮光片部38で覆う遮光板36を設けている。このため、各LEDパッケージ21では、発光素子32においてはその出射面47からの光の出射を遮るものを設けていないので、発光素子32から出射された光を蛍光体33に入射させることができる。そして、各LEDパッケージ21では、発光素子32および蛍光体33が遮光板36とともに封止部材39に取り囲まれているので、発光素子32からの光の殆どが蛍光体33に入射することとなる。このため、各LEDパッケージ21は、入射した青色の光と、その光により励起された黄色い光と、を合わせて白色の光としつつ、蛍光体33の発光面53において遮光片部38で覆われていない開口部37に相当する箇所から出射させるから出射することで点灯される。これにより、各LEDパッケージ21は、発光素子32から出射された光の殆どを、蛍光体33を通してその発光面53における開口部37から出射させることができ、発光素子32からの光を効率良く利用できる。ここで、従来の特許文献2の車両用灯具では、各発光素子の出射面の一部を覆うように遮光電極を設けているので、各発光素子からの光の一部を遮光電極で遮ってしまうので、発光素子から出射される光の一部を利用できなくなってしまう。これに対して、車両用灯具10は、発光素子32からの光を遮ることがないので、従来の車両用灯具と比較して発光素子32からの光を効率良く利用できる。
加えて、車両用灯具10は、各LEDパッケージ21において、発光素子32の上の蛍光体33に遮光板36を設けることにより、各LEDパッケージ21によりカットオフラインCLを有する配光パターン(LP、HP)を形成している。このため、車両用灯具10は、汎用品の発光素子32を用いても、その上の蛍光体33に遮光板36を設けるだけで各LEDパッケージ21を構成することができ、適切なカットオフラインCLを有する配光パターン(LP、HP)を形成できる。これにより、車両用灯具10は、汎用品の発光素子32を用いた各LEDパッケージ21を構成することで、製造コストを低減しつつ適切なカットオフラインCLを有する配光パターン(LP、HP)を形成できる。
実施例1の車両用灯具10は、以下の各作用効果を得ることができる。
車両用灯具10は、LEDパッケージ21は、蛍光体33の発光面53の一部を覆う遮光部としての遮光板36を有し、その遮光板36が発光面53の一辺に水平辺部(第1水平辺部37b)と傾斜辺部37cとを有するカットオフライン辺部37aを形成している。このため、車両用灯具10は、LEDパッケージ21に対して投影レンズ12を適切な位置関係で設けることで、適切なカットオフラインCLを有する配光パターン(LP、HP)を形成できる。ここで、LEDパッケージ21は、蛍光体33に遮光板36を設ける際に位置決め精度が求められることとなるが、LEDパッケージ21自体の製造ラインにおいて遮光板36も併せて設けることで位置決め精度を確保できる。また、車両用灯具10は、発光素子32(その出射面47)上の蛍光体33に遮光板36を設けており、発光素子32の構成において光の出射を遮るものを設けていないので、発光素子32からの光を効率良く利用できる。
車両用灯具10は、蛍光体33に重ねられる遮光板36により遮光部を形成している。このため、車両用灯具10は、遮光部としての遮光板36を簡易に形成できるとともに、その遮光板36を蛍光体33に容易に設けることができる。
車両用灯具10は、遮光板36が、発光面53から出射された光の通過を可能とする開口部37を有し、開口部37が、発光面53の一部を覆うように内側に張り出す遮光片部38を有し、遮光片部38が、カットオフライン辺部37aを形成する。このため、車両用灯具10は、発光面53に対して開口部37および遮光片部38が適切な位置となるように遮光板36を設けるだけで良いので、適切なカットオフラインCLを有する配光パターン(LP、HP)を形成できるLEDパッケージ21を簡易に形成できる
車両用灯具10は、発光素子32が、n型半導体層44およびp型半導体層42と、n電極45およびp電極46と、複数のnドット49と、複数のpドット48と、を有し、カットオフライン辺部37aの周辺におけるnドット49とpドット48との密度が、他の位置におけるnドット49とpドット48との密度よりも高められている。このため、車両用灯具10は、LEDパッケージ21の発光面53において、カットオフライン辺部37aの近傍を明るくできるので、配光パターン(LP、HP)におけるカットオフラインCLの近傍が最も明るくしつつそこから離れた個所の明るさが相対的に抑えることができる。
車両用灯具10は、第1方向で出射面47を横切るnライン52上に並べてnドット49が設けられ、第1方向で出射面47を横切るpライン51上に並べてpドット48が設けられている。また、車両用灯具10は、発光素子32において、第2方向に複数のnライン52と複数のpライン51とが並列され、そのpライン51およびnライン52の第2方向での間隔によりnドット49とpドット48との密度が調整されている。このため、車両用灯具10は、密度の差異を簡易に設定できるとともに、nライン52やpライン51をカットオフライン辺部37aに容易に沿わせることができる。これにより、車両用灯具10は、簡易な構成で、カットオフラインCLの近傍を適切に明るくできる。
車両用灯具10は、LEDパッケージ21において、n電極45およびp電極46が電気的に接続されて発光素子32が基板(放熱基板31)上に設けられ、基板(放熱基板31)上で発光素子32と蛍光体33とが封止部材39により取り囲まれて封止されている。このため、車両用灯具10は、発光素子32から出射された光を蛍光体33に効率良く入射させることができ、その光を用いて発光面53を光らせることができ、その発光面53における一辺に遮光部(遮光板36)によりカットオフライン辺部37aを設けることができる。このことから、車両用灯具10は、遮光部を設けたLEDパッケージ21により、適切なカットオフラインCLを有する配光パターン(LP、HP)を形成できる。
したがって、本開示に係る車両用灯具としての実施例1の車両用灯具10は、組み立て作業を容易なものにできるとともに発光素子32からの光を効率良く利用することができる。
次に、本開示の一実施形態である実施例2の車両用灯具10Aについて、図12から図13を用いて説明する。車両用灯具10Aは、実施例1の車両用灯具10とは異なる構成のLEDパッケージ21Aを用いている。車両用灯具10Aは、基本的な概念および構成が実施例1の車両用灯具10と同様であるので、等しい構成の個所には同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
実施例2の車両用灯具10Aは、LEDパッケージ21Aにおける遮光部の構成を、実施例1のLEDパッケージ21とは異なるものとしている。LEDパッケージ21Aは、蛍光体33Aが実施例1と同様に幅方向に長尺な板状の部材とされており、図12に示すように、その上面(発光面53)の一部に遮光部としての遮光蒸着部61を設けている。この遮光蒸着部61は、蛍光体33Aの上面(発光面53)における所定の領域に、光の通過を阻む部材を蒸着することにより形成されている。このような材料としては、例えば、チタン、ニッケル、金の多層膜(Ti/Ni/Au)や、チタン、ニッケル、クロムの多層膜(Ti/Ni/Cr)を用いることができる。この遮光蒸着部61は、例えば、5μm以下の膜厚としており、実施例2では好適な例として約1μmの膜厚としている。
遮光蒸着部61は、遮光板36の開口部37に設けた遮光片部38に対応する箇所に設けられ、幅方向に伸びる水平辺部61aと、その水平辺部61a(幅方向)に対して鈍角とされた傾斜辺部61bと、を有する。この水平辺部61aは、実施例1の第1水平辺部37bに相当し、傾斜辺部61bは、実施例1の傾斜辺部37cに相当する。このため、遮光蒸着部61は、蛍光体33(その発光面53)の一部を覆っており、蛍光体33(発光面53)からの光を部分的に遮る。この水平辺部61aに対する傾斜辺部61bの角度は、各配光パターン(LP、HP)のカットオフラインCLにおける2つの水平カットオフラインに対する傾斜カットオフラインとの角度関係に適合されている。このため、カットオフラインCLは、水平辺部61aに対する傾斜辺部61bの関係性が、両水平カットオフラインに対する傾斜カットオフラインに反映されて傾斜箇所Spが形成されている。このため、水平辺部61aと傾斜辺部61bとは、発光面53の一辺に形成されたカットオフライン辺部61cとなる。
次に、実施例2の各LEDパッケージ21Aの形成方法について説明する。先ず、発光素子32を放熱基板31に実装する実装工程を行う。実装工程では、放熱基板31上において、発光素子32のn電極45およびp電極46を、放熱基板31に設けられたLED電極34に合わせた状態で載せる。そして、実装工程では、n電極45およびp電極46を対応するLED電極34に電気的に接続する。
次に、蛍光体33に合わせて遮光蒸着部61を設ける遮光配置工程を行う。実施例2の遮光配置工程では、蛍光体33に対して、その発光面53における所定の位置に遮光蒸着部61を蒸着する。これにより、蛍光体33は、発光面53の一部が遮光蒸着部61で覆われることとなり、遮光蒸着部61によるカットオフライン辺部61cに沿って切り欠かれた形状の発光面53を露出させている。
次に、発光素子32に蛍光体33を設ける蛍光体設置工程を行う。蛍光体設置工程では、発光素子32の出射面47に合わせて蛍光体33を設置するものであり、実施例1では矩形の板状とされた蛍光体33を接着剤35により出射面47に取り付ける。
最後に、発光素子32および蛍光体33を封止部材39で封止する封止工程を行う。封止工程では、放熱基板31上において、発光素子32および蛍光体33を取り囲みつつ蛍光体33の上面(発光面53)を露出させるように、封止部材39を設ける。封止工程では、上記のように封止部材39を塗布し、その封止部材39を硬化させる。これにより、発光素子32が放熱基板31上に設けられて、発光面53にカットオフライン辺部61c(遮光蒸着部61)が設けられたLEDパッケージ21Aを形成できる。
この車両用灯具10Aは、実施例1の車両用灯具10と同様に、各LEDパッケージ21Aが点灯される。すると、各LEDパッケージ21Aは、発光素子32の上に設けられた蛍光体33の発光面53が、その一部が遮光蒸着部61により部分的に切り欠かれた形状、すなわち開口部37の形状で光る。このため、車両用灯具10Aは、点灯した各LEDパッケージ21Aを投影レンズ12が大きく拡大して投影することにより、遮光蒸着部61により切り欠かれた発光面53の形状に沿うカットオフラインCLを有する各配光パターン(LP、HP)を形成する。この各配光パターンは、カットオフラインCLの輪郭(内外での明暗差)が明確とされているとともに、カットオフラインCLの近傍が明るくされており、カットオフラインCLから離れた個所の明るさが相対的に抑えられている。この各配光パターンにおける明るさの分布やカットオフラインCLの明確さは、主にLEDパッケージ21Aにより形成されている。
車両用灯具10Aは、蛍光体33に遮光蒸着部61を蒸着するものであるので、蛍光体33の発光面53における所望の位置に高い精度で遮光蒸着部61を設けることが容易であり、その蛍光体33を用いて形成した各LEDパッケージ21Aを用いている。そして、車両用灯具10Aは、その各LEDパッケージ21Aを基板23に実装して光源部11を構成するとともに、その光源部11に対して投影レンズ12を適切な位置関係で設けることで、カットオフラインCLを有する配光パターン(LP、HP)を形成できる。このため、車両用灯具10Aは、組み立て工程において光源部11に対して投影レンズ12が適切な位置関係で設ければよいので、従来の車両用灯具と比較して組み立て作業を簡易なものにでき、コストや作業時間を抑制できる。また、車両用灯具10Aは、各LEDパッケージ21Aにおいて、蛍光体33の発光面53の一部を覆う遮光蒸着部61を設けているので、発光素子32から出射され得る光を遮ることがないので、従来の車両用灯具と比較して発光素子32からの光を効率良く利用できる。
実施例2の車両用灯具10Aは、以下の各作用効果を得ることができる。この車両用灯具10Aは、基本的に実施例1の車両用灯具10と同様の構成であるので、実施例1と同様の効果を得られる。
それに加えて、車両用灯具10Aは、蛍光体33の表面に蒸着した遮光蒸着部61により遮光部を形成し、その遮光蒸着部61でカットオフライン辺部61cを形成している。このため、車両用灯具10Aは、遮光部としての遮光蒸着部61を、蛍光体33に容易にかつ適切な位置関係で設けることができる。
したがって、本開示に係る車両用灯具としての実施例2の車両用灯具10Aは、組み立て作業を容易なものにできるとともに発光素子32からの光を効率良く利用することができる。
以上、本開示の車両用灯具を各実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については各実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
なお、各実施例では、発光素子32を上記のように構成していたが、各実施例の構成に限定されない。例えば、発光層を有していないpn接合構造であってもよく、n型半導体層とp型半導体層が逆の順序で積層されていてもよく、n型半導体層とp型半導体層とはそれぞれ複数の層が積層されていてもよい。
また、各実施例では、LEDパッケージ21、21Aが、nドット49とpドット48との密度を位置によって変化させた発光素子32を用いている。しかしながら、LEDパッケージは、蛍光体33の発光面53の一部を覆う遮光部(36、61)を有するものであれば、発光素子32の構成は適宜設定すればよく、各実施例の構成に限定されない。そして、車両用灯具は、LEDパッケージにおいて、汎用品である発光素子を用いても良く、その場合には製造コストを低減しつつ適切なカットオフラインCLを有する配光パターン(LP、HP)を形成できる。
さらに、各実施例では、発光素子32において、pライン51やnライン52上で対応するpドット48またはnドット49が幅方向に略等間隔で整列されていたが、その間隔や個数は適宜設定すればよく、上記した構成に限定されない。例えば、pライン51やnライン52は、対応するpドット48またはnドット49を上下方向に複数並べた状態で幅方向に整列させてもよく、幅方向での位置によってpドット48やnドット49の間隔を変化させてもよい。
車両用灯具10は、上下に2つのLEDパッケージ21を並べて設けることで、すれ違い用配光パターンLPと走行用配光パターンHPとを形成できるものとしている。しかしながら、車両用灯具10は、カットオフラインCLを有する配光パターンを形成するものであれば、すれ違い用配光パターンLPのみを形成するものであってもよく、上記した構成に限定されない。
各実施例では、遮光板36や遮光蒸着部61により遮光部を形成している。しかしながら、遮光部は、蛍光体33の発光面53の一部を覆うものであって、水平辺部(第1水平辺部37b)と傾斜辺部37cとを有するカットオフライン辺部37aを形成するものであればよく、各実施例の構成に限定されない。例えば、遮光部は、実施例1の遮光片部38に相当する形状の板状部材を蛍光体33の発光面53に取り付けて構成してもよく、実施例2の遮光蒸着部61に相当する領域に遮光塗料を塗布して構成してもよい。また、遮光部は、蛍光体33の発光面53の一部を実質的に覆うものであれば、蛍光体33の下面(発光素子側)に設けても良く、各実施例の構成に限定されない。
10、10A 車両用灯具 12 投影レンズ 21、21A LEDパッケージ 31 (基板の一例としての)放熱基板 32 発光素子 33、33A 蛍光体 33b (水平辺部の一例としての)第1水平辺部 33c 傾斜辺部 36 遮光板 37 開口部 37a カットオフライン辺部 38 遮光片部 39 封止部材 42 p型半導体層 44 n型半導体層 45 n電極 46 p電極 47 出射面 48 pドット 49 nドット 51 pライン 52 nライン 53 発光面 61 遮光蒸着部 61a 水平辺部 61b 傾斜辺部 61c カットオフライン辺部 LP (配光パターンの一例としての)すれ違い用配光パターン HP (配光パターンの一例としての)走行用配光パターン

Claims (7)

  1. 発光素子上に設けられた蛍光体で発光面を形成するLEDパッケージと、
    前記LEDパッケージから放射された光を投影して配光パターンを形成する投影レンズと、を備え、
    前記LEDパッケージは、前記発光面の一部を覆う遮光部を有し、
    前記遮光部は、前記発光面の一辺において、前記配光パターンにおける水平方向に対応する第1方向に伸びる水平辺部と、前記第1方向に対して傾斜する傾斜辺部と、を有するカットオフライン辺部を形成することを特徴とする車両用灯具。
  2. 前記遮光部は、前記蛍光体に重ねられる遮光板により形成されることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
  3. 前記遮光板は、前記発光面から出射された光を通す開口部を有し、
    前記開口部は、前記発光面の一部を覆うように内側に張り出す遮光片部を有し、
    前記遮光片部は、前記カットオフライン辺部を形成することを特徴とする請求項2に記載の車両用灯具。
  4. 前記遮光部は、前記蛍光体の表面に蒸着された蒸着部により形成され、
    前記蒸着部は、前記カットオフライン辺部を形成することを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
  5. 前記発光素子は、積層されたn型半導体層およびp型半導体層と、積層方向の一方に設けられたn電極およびp電極と、前記積層方向の他方において前記積層方向に直交して設けられた出射面と、前記n電極と前記n型半導体層とを接続する複数のnドットと、前記p電極と前記p型半導体層とを接続する複数のpドットと、を有し、
    前記発光素子は、前記出射面に沿う方向において、前記カットオフライン辺部の周辺における前記nドットと前記pドットとの密度が、他の位置における前記nドットと前記pドットとの密度よりも高められていることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の車両用灯具。
  6. 前記nドットは、前記第1方向で前記出射面を横切るnライン上に並べて設けられ、
    前記pドットは、前記第1方向で前記出射面を横切るpライン上に並べて設けられ、
    前記発光素子は、前記発光面に沿う方向において前記第1方向に直交する第2方向に、複数の前記nラインと複数の前記pラインとが並列され、
    前記nドットと前記pドットとは、前記pラインおよび前記nラインの前記第2方向での間隔により密度が調整されていることを特徴とする請求項5に記載の車両用灯具。
  7. 前記LEDパッケージは、前記n電極および前記p電極が電気的に接続されて前記発光素子が基板上に設けられ、前記基板上で前記発光素子と前記蛍光体とが封止部材により取り囲まれて封止されていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の車両用灯具。
JP2021104464A 2021-06-23 2021-06-23 車両用灯具 Pending JP2023003345A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021104464A JP2023003345A (ja) 2021-06-23 2021-06-23 車両用灯具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021104464A JP2023003345A (ja) 2021-06-23 2021-06-23 車両用灯具

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023003345A true JP2023003345A (ja) 2023-01-11

Family

ID=84817342

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021104464A Pending JP2023003345A (ja) 2021-06-23 2021-06-23 車両用灯具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023003345A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024128323A1 (ja) * 2022-12-16 2024-06-20 スタンレー電気株式会社 照明装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024128323A1 (ja) * 2022-12-16 2024-06-20 スタンレー電気株式会社 照明装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7520647B2 (en) Light source and vehicle lamp
US8465188B2 (en) Light source module and vehicle lamp
JP4806025B2 (ja) 殊に自動車前面領域のための多機能自動車用投光装置モジュール
JP5266605B2 (ja) 車両用灯具
JP4526256B2 (ja) 光源モジュールおよび該光源モジュールを具備する灯具
JP5216362B2 (ja) Led光源ユニット
US7566152B2 (en) Vehicular lamp unit
WO2018030469A1 (ja) 車両用灯具
JP2018041723A (ja) 発光モジュールおよび車両用前照灯
EP3460319B1 (en) Light-emitting module and vehicle lamp
JP2018152341A (ja) 自動車用の照明装置、特に照明および/または信号装置
JP6967917B2 (ja) 灯具ユニット及び車両用灯具
US20190211986A1 (en) Light emitting module and lamp unit
JP2023003345A (ja) 車両用灯具
US10178722B2 (en) Lighting device and operating method for such a lighting device
JP2014017337A (ja) 灯具、車両用前照灯、および半導体レーザアレイ
JP7470118B2 (ja) 発光モジュールおよび車両用灯具
JP4644243B2 (ja) 車両用前照灯
JP2023003346A (ja) 車両用灯具
JP7521384B2 (ja) 車両用灯具
JP6402592B2 (ja) 車両用前照灯
WO2022107842A1 (ja) 車両用灯具
JP2013196902A (ja) 車両用前照灯
JP6936084B2 (ja) 灯具ユニット及び車両用灯具
JP2023113522A (ja) 車両用灯具

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240319