JP2022544678A - 太陽電池用のバッファ層及び色調整層としてのパラフェニレン - Google Patents

太陽電池用のバッファ層及び色調整層としてのパラフェニレン Download PDF

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Abstract

バッファ層に結合される光活性層を有する光起電装置が開示される。そのような装置は、可視光を透過し得るが、近赤外光及び/又は紫外光を吸収し得る。光起電装置は、バッファ層として作用するp-フェニレン層を含んでもよい。光起電装置は1つ以上の光活性層を含んでもよい。1つ以上の光活性層は、とりわけ、相補的特性及び吸収特性を有する単一の平面ヘテロ接合、単一のバルクヘテロ接合(BHJ)、又は、複数の積層BHJを含んでもよい。【選択図】図6

Description

関連出願の相互参照
[0001]この出願は、「太陽電池用のバッファ層及び色調整層としてのパラフェニレン(PARA-PHENYLENES AS BUFFER AND COLOR TUNING LAYERS FOR SOLAR CELLS)」と題される2019年8月16日に出願された米国仮特許出願第62/887,983号の優先権の利益を主張し、この出願の全体の内容はあらゆる目的のために参照により本願に組み入れられる。
[0002]光起電装置は、一般に、吸収された光が電子又は他の電荷キャリアをより高いエネルギー状態に励起させる光起電力効果を使用することによって光を電気に変換するために用いられる。反対のタイプの電荷キャリアの分離は、外部回路によって利用され得る電圧をもたらす。光起電太陽電池などの光起電装置は、ソーラーパネルなどのより大きな光起電システムの光起電アレイを構成するために一緒にパッケージングされ得る。発電するための光起電システムの使用は、世界中で主流の電力源となり続けている再生可能エネルギーの重要な形態である。
[0003]太陽エネルギーを利用するために必要な表面積は、再生不可能なエネルギー消費量のかなりの部分を相殺することに対する障害のままである。このため、家庭、高層ビル、自動車における窓ガラスに組み込むことができる低コストで透明な有機光起電(OPV)装置が望ましい。例えば、自動車及び建築物で利用される窓ガラスは、一般に、可視スペクトル、例えば約450~650nmの波長を有する光を70~80%及び40~80%それぞれ透過する。低い機械的可撓性、高いモジュールコスト、及び、より重要なことには、無機半導体のバンド状吸収は、それらの潜在的な有用性を透明太陽電池に制限する。達せられる進歩にもかかわらず、透明ソーラー技術の分野における改良されたシステム、方法、及び、装置構造が当技術分野において必要とされている。
[0004]窓パネル上に一体化され得る透明有機光起電(OPV)装置は、太陽エネルギーをうまく利用するための広い表面積をもたらすのに望ましい。無機半導体とは対照的に、有機半導体及び分子半導体の光学特性は、それらの無機対応物のバンド吸収とは非常に異なる吸収最小値及び吸収最大値を有する高度に構造化された吸収スペクトルをもたらす。しかしながら、様々な有機半導体及び分子半導体が存在する一方で、多くは可視スペクトルに強い吸収を示し、したがって、窓ガラスベースの太陽光発電で用いるのに最適ではない。
[0005]この出願は、一般に、光学的に活性な材料及び装置の分野に関し、より詳細には、可視光透過型光起電装置及び視覚的に不透明な光起電装置、並びに、可視光透過型光起電装置及び視覚的に不透明な光起電装置のための材料に関する。
[0006]本発明の概要は、以下で与えられる様々な例を参照してもたらされる。以下で使用されるように、一連の例への任意の言及は、それらの例のそれぞれへの言及として選言的に理解されるべきである(例えば、「例1-4」は、「例1、2、3又は4」と理解されるべきである)。
[0007]例1は、基板と、基板に結合される第1の電極と、第1の電極に結合されるバッファ層であって、p-フェニレン材料を有するp-フェニレン層を備える、バッファ層と、第1の電極の上方に配置される第2の電極と、バッファ層と第2の電極との間に配置される1つ以上の光活性層であって、少なくとも1つの電子ドナー材料及び少なくとも1つの電子アクセプタ材料を有する、1つ以上の光活性層とを備える、有機光起電装置である。
[0008]例2は、p-フェニレン材料が、p-セプチフェニル材料、p-セキシフェニル材料、p-クオタフェニル材料、又は、p-キンキフェニル材料を含む、例1の有機光起電装置である。
[0009]例3は、p-フェニレン材料が以下の式を有し、
Figure 2022544678000002

式中、各Xは独立してC-R又はNであり、nは1、2、3、4又は5であり、各Rは独立してH、F、Cl、Br、CH、OCH、Si(CH、NH、OH、SH、CN又はCFである、例1の有機光起電装置である。
[0010]例4は、1つ以上の光活性層が単一のヘテロ接合を含む、例1の有機光起電装置である。
[0011]例5は、単一のヘテロ接合が平面ヘテロ接合である、例4の有機光起電装置である。
[0012]例6は、単一のヘテロ接合がバルクヘテロ接合(BHJ)である、例4の有機光起電装置である。
[0013]例7は、1つ以上の光活性層が、第1の電子ドナー材料と第1の電子アクセプタ材料との第1のブレンドを備える第1のバルクヘテロ接合(BHJ)活性層と、第2の電子ドナー材料と第2の電子アクセプタ材料との第2のブレンドを備える第2のBHJ活性層とを含み、第2のBHJ活性層が第1のBHJ活性層と接触している、例1の有機光起電装置である。
[0014]例8は、1つ以上の第1の光活性層を含む第1のサブセルと、第1のサブセルと第2の電極との間に配置される第2のサブセルであって、1つ以上の第2の光活性層を含む、第2のサブセルと、第1のサブセルと第2のサブセルとの間に配置される電荷再結合ゾーンとを更に備える、例1の有機光起電装置である。
[0015]例9は、バッファ層が第1の電極と第1のサブセルとの間に配置される、例8の有機光起電装置である。
[0016]例10は、バッファ層が電荷再結合ゾーンと第2のサブセルとの間に配置される、例8の有機光起電装置である。
[0017]例11は、バッファ層が第1の電極と第1のサブセルとの間に配置され、有機光起電装置が、電荷再結合ゾーンと第2のサブセルとの間に配置される第2のバッファ層を更に備え、第2のバッファ層が、第2のp-フェニレン材料を有する第2のp-フェニレン層を備える、例8の有機光起電装置である。
[0018]例12は、第2のp-フェニレン材料が第1のp-フェニレン材料とは異なる、例11の有機光起電装置である。
[0019]例13は、第2のp-フェニレン材料が第1のp-フェニレン材料と同じである、例11の有機光起電装置である。
[0020]例14は、1つ以上の光活性活性層が熱蒸着によって堆積された、例1の有機光起電装置である。
[0021]例15は、1つ以上の光活性活性層が溶液処理によって堆積された、例1の有機光起電装置である。
[0022]例16は、有機光起電装置が透明である、例1の有機光起電装置である。
[0023]例17は、有機光起電装置が-10~10のガラス反射a*を有する、例16の有機光起電装置である。
[0024]例18は、有機光起電装置が-10~10のガラス反射b*を有する、例16の有機光起電装置である。
[0025]例19は、有機光起電装置が不透明である、例1の有機光起電装置である。
[0026]例20は、第1の電極とp-フェニレン層との間に配置される正孔注入層を更に備え、正孔注入層が、化学量論組成及び非化学量論組成の両方に対応する、MoOx、NiOx、CuOx、VOx、WOx、CoOx、CrOx、Li:NiOx、Mg:NiOx、Cs:NiOx、Cu:CrOx、CryCuzOx、LiMgLiO、CuSCN、CuI、BiI3、グラフェン、酸化グラフェン、又は、MoS2のうちの1つである、例1の有機光起電装置である。
[0027]例21は、p-フェニレン層が2~50nmの厚さを有する、例1の有機光起電装置である。
[0028]例22は、有機光起電装置が40%-70%の平均可視光透過率(AVT)を有する、例1の有機光起電装置である。
[0029]例23は、有機光起電装置を形成する方法であって、基板を用意するステップと、基板に結合される第1の電極を形成するステップと、第1の電極に結合されるバッファ層を形成するステップであって、バッファ層がp-フェニレン材料を有するp-フェニレン層を備える、ステップと、第1電極の上方に第2電極を形成するステップと、バッファ層と第2の電極との間に1つ以上の光活性活性層を形成するステップであって、1つ以上の光活性層が少なくとも1つの電子ドナー材料及び少なくとも1つの電子アクセプタ材料を有する、ステップと、を含む方法である。
[0030]例24は、1つ以上の光活性層が単一のヘテロ接合を含む、例23の方法である。
[0031]例25は、1つ以上光活性層が、第1の電子ドナー材料と第1の電子アクセプタ材料との第1のブレンドを備える第1のバルクヘテロ接合(BHJ)活性層と、第2の電子ドナー材料と第2の電子アクセプタ材料との第2のブレンドを備える第2のBHJ活性層とを含む、例23の方法である。
[0032]例26は、1つ以上の光活性活性層を形成するステップが、熱蒸着によって1つ以上の光活性層を堆積させるステップを含む、例23の方法である。
[0033]例27は、1つ以上の光活性活性層を形成するステップが、溶液処理によって1つ以上の光活性層を堆積させるステップを含む、例23の方法である。
[0034]例28は、1つ以上の光活性層が、第1の電子ドナー材料と第1の電子アクセプタ材料との第1のブレンドを備える第1のバルクヘテロ接合(BHJ)活性層を含む、例1の有機光起電装置である。
[0035]例29は、1つ以上の光活性層が、第2の電子ドナー材料と第2の電子アクセプタ材料との第2のブレンドを備える第2のBHJ活性層を更に含み、第1のBHJ活性層のピーク吸収波長が第2のBHJ活性層のピーク吸収波長に対して少なくとも部分的に相補的である、例28の有機光起電装置である。
[0036]例30は、第1のドナー材料が第2のドナー材料とは異なり、第1のアクセプタ材料が第2のアクセプタ材料とは異なる、例29の有機光起電装置である。
[0037]例31は、第1のドナー材料が第2のドナー材料とは異なり、第1のアクセプタ材料が第2のアクセプタ材料と同じである、例29の有機光起電装置である。
[0038]例32は、第1のドナー材料が第2のドナー材料と同じであり、第1のアクセプタ材料が第2のアクセプタ材料とは異なる、例29の有機光起電装置である。
[0039]例33は、第1のドナー材料が第2のドナー材料と同じであり、第1のアクセプタ材料が第2のアクセプタ材料と同じである、例29の有機光起電装置である。
[0040]例34は、第1のBHJ活性層の最低非占有分子軌道(LUMO)エネルギー準位が第2のBHJ活性層のLUMOエネルギー準位よりも大きい、例29の有機光起電装置である。
[0041]例35は、第2のBHJ活性層のLUMOエネルギー準位が第2の電極のエネルギー準位よりも大きい、例34の有機光起電装置である。
[0042]例36は、第2のBHJ活性層の最高占有分子軌道(HOMO)エネルギー準位が第1のBHJ活性層のHOMOエネルギー準位よりも小さい、例29の有機光起電装置である。
[0043]例37は、第1のBHJ活性層のHOMOエネルギー準位が第1の電極のエネルギー準位よりも小さい、例29の有機光起電装置である。
[0044]例38は、第1のBHJ活性層の最低非占有分子軌道(LUMO)エネルギー準位が第2のBHJ活性層のLUMOエネルギー準位の300meV以内である、例29の有機光起電装置である。
[0045]例39は、第1のBHJ活性層の最高占有分子軌道(HOMO)エネルギー準位が、第2のBHJ活性層のHOMOエネルギー準位の300meV以内である、例29の有機光起電装置である。
[0046]例40は、第1のBHJ活性層が第2のBHJ活性層に結合される、例29の有機光起電装置である。
[0047]例41は、第1のブレンドが、更なる電子ドナー材料又は更なる電子アクセプタ材料のうちの少なくとも一方を含む三次、四次、又は、高次ブレンドである、例29の有機光起電装置である。
[0048]例42は、第2のブレンドが、更なる電子ドナー材料又は更なる電子アクセプタ材料のうちの少なくとも一方を含む三次、四次、又は、高次ブレンドである、例29の有機光起電装置である。
[0049]例43は、第1のBHJ活性層が第2のBHJ活性層に結合される、例29の有機光起電装置である。
[0050]例44は、第1のBHJ活性層がp-フェニレン層に結合される、例29の有機光起電装置である。
[0051]本発明により、従来の技術よりも多くの利点が達成される。例えば、本発明の実施形態は、可視光を透過しつつ太陽光発電のために近赤外線及び/又は紫外線を吸収するための方法及びシステムを提供する。好適には、これらの光学特性は、観察者が光起電装置を通じ見ることができるようにする、有用な可視光を依然として通過させることができるようにしつつ、光起電装置において入射する太陽輻射から電気を生成できる能力をもたらす。
[0052]短鎖パラフェニレン(p-フェニレン)をアノードバッファ層として使用すると、OPVにおける性能及び色が改善されることが実証されている。幾つかの実施形態において、p-クオタフェニル、p-キンキフェニル、及び、p-セキシフェニルは、酸化モリブデン(MoO)正孔注入層と接触するバッファ層として首尾よく使用される。他の実施形態では、p-フェニレン層をアノードで他の正孔注入層又はバッファに結合することができる。p-フェニレン層を多接合セル内の電荷再結合層に結合することもできる。
[0053]p-フェニレン層の1つの主な電気的利点は、それが特に光電流生成を増大させることによって太陽電池の効率を改善するという点である。これは、少なくとも3つの異なるD:Aブレンド系の場合であると見られている。光電流は、アノード/有機界面で誘起された空間電荷と光活性層の励起子とを空間的に分離することによりアノードでの励起子再結合を低減することによって改善される。更に、光電流は、バッファ厚の調整による光学マイクロキャビティ効果によって増強され得る。p-フェニレンの高い正孔移動度に起因して、幾つかの実施形態では、ドープされないバッファ層が、性能を著しく損なうことなく厚さ50nmまで機能することが実証されている。
[0054]短鎖p-フェニレンの広いバンドギャップに起因して、アノードバッファとして使用される場合、それらのバッファ層は、活性層からアノードへの電子再結合を効果的に阻止する。これにより、アノードの電荷選択性が向上し、幾つかの実施形態では、OPVの充填率(FF)及び開回路電圧(Voc)が改善される。
[0055]透明PVなどの用途では、反射及び透過される色がPVの審美的品質に大きな影響を及ぼす。活性層の変動とは無関係に反射又は透過される色を調整できる能力は、審美的に望ましいPVシステムを製造するために重要である。短鎖p-フェニレンは、可視スペクトルにおいて光学的に透明であり、透明PVにおいて反射及び透過される色を処理するのに十分な厚さの膜上に堆積され得る。短鎖p-フェニレンは可視吸収又は近赤外吸収がないため、バッファ内に寄生吸収を導入することなく活性層の下方に厚い層を堆積させることができる。更に、p-フェニレンバッファは、活性層の組成とPV色を分離するのに役立ち、これにより、それらの固有の色ではなく性能に基づいて活性層ブレンドの最適化が可能になる。p-フェニレンバッファの色調整効果は、マイクロキャビティ効果が光学的に厚い金属電極によって著しく増強される不透明PVに関して更に劇的であるべきである。
[0056]本発明のこれら及び他の実施形態及び態様は、その利点及び特徴の多くと共に、以下の本文及び添付の図面と併せてより詳細に説明される。
本発明の一実施形態に係る可視光透過型光起電装置の簡略化された概略図を示す。 光活性層に関する単一接合形態の様々な例の概要を示す。 太陽スペクトル、人間の眼の感度、及び、典型的な可視光透過型光起電装置の吸収の波長に応じた簡略化されたプロットを示す。 可視光透過型光起電装置などの有機光起電装置の一例の動作に関する概略エネルギー準位図概要を示す。 可視光透過型光起電装置で有用な異なる電子ドナー及び電子アクセプタ形態に関する吸収帯域の一例を表わす様々なプロットを示す。 可視光透過型光起電装置で有用な異なる電子ドナー及び電子アクセプタ形態に関する吸収帯域の一例を表わす様々なプロットを示す。 可視光透過型光起電装置で有用な異なる電子ドナー及び電子アクセプタ形態に関する吸収帯域の一例を表わす様々なプロットを示す。 可視光透過型光起電装置で有用な異なる電子ドナー及び電子アクセプタ形態に関する吸収帯域の一例を表わす様々なプロットを示す。 本発明の一実施形態に係る可視光透過型光起電装置の概略図を示す。 光起電装置の層にわたる光電界強度に対するp-フェニレン層添加の効果を示す。 光起電装置の層にわたる光電界強度に対するp-フェニレン層添加の効果を示す。 p-フェニレン層を組み込む光起電装置を概略的に示すエネルギー準位図を示す。 p-フェニレン層を組み込む光起電装置を概略的に示すエネルギー準位図を示す。 p-フェニレン層を組み込む光起電装置を概略的に示すエネルギー準位図を示す。 p-フェニレン層を組み込む光起電装置を概略的に示すエネルギー準位図を示す。 本発明の特定の実施形態に係る平面装置構造を示す。 電流密度-電圧曲線を示す。 様々な装置構造を示す。 様々な装置構造を示す。 様々な装置構造を示す。 様々な装置構造を示す。 p-セキシフェニル層の厚に応じた異なる光活性層の効率を示す。 p-セキシフェニル層の厚に応じた異なる光活性層の効率を示す。 p-セキシフェニル層の厚に応じた異なる光活性層の効率を示す。 p-セキシフェニル層の厚に応じた異なる光活性層の効率を示す。 p-セキシフェニル層がバッファ層として含まれる場合の異なる光活性層に関する色パラメータを表わす表を示す。 p-セキシフェニル層がバッファ層として含まれる場合の異なる光活性層に関する色パラメータを表わす表を示す。 p-セキシフェニル層がバッファ層として含まれる場合の異なる光活性層に関する色パラメータを表わす表を示す。 本発明の特定の実施形態に係るタンデム装置構造を示す。 p-セキシフェニル層の厚さに応じたタンデム型装置構造における効率を示す。 異なる厚さを有するp-セキシフェニル層を伴うタンデム装置における反射色座標を示す。 異なる厚さを有するp-セキシフェニル層を伴うタンデム装置における透過色座標を示す。 溶液処理されたバルクヘテロ接合(BHJ)装置構造を示す。 p-セキシフェニル層の厚さに応じた効率を示す。 異なる厚さを有するp-フェニレン層の反射色座標を示す。 異なる厚さを有するp-フェニレン層の透過色座標を示す。 可視光透過型光起電装置を形成するための方法を示す。
[0077]本開示は、有機光起電装置(OPV)に関し、幾つかの実施形態では、可視光透過型光活性化合物を組み込む可視光透過型光起電装置に関する。可視光透過型光活性化合物は、近赤外領域及び/又は紫外領域ではより強く、可視領域ではより弱く光を吸収し、可視光透過型光起電装置でのそれらの使用を可能にする。開示された可視光透過型光起電装置は、可視光透過型電極間に位置される可視光透過型光活性材料を伴う可視光透過型電極を含む。
[0078]図1は、本発明の一実施形態に係る可視光透過型光起電装置100の簡略化された概略図を示す。図1に示されるように、可視光透過型光起電装置100は、以下でより完全に説明される幾つかの層及び要素を含む。本明細書中で説明されるように、可視光透過とは、光起電装置が例えば450nm~650nmの可視波長帯域外の波長で光エネルギーを吸収するが可視波長帯域内の可視光を実質的に透過することを示す。図1に示されるように、UV光及び/又はNIR光は、光起電装置の層及び要素で吸収され、一方、可視光は装置を透過する。したがって、本明細書中で与えられる透過性の議論は、可視光透過性として理解されるべきである。
[0079]図示の他の層及び構造に十分な機械的支持をもたらすガラス又は他の可視光透過型材料であり得る基板105は、光学層110,112を支持する。これらの光学層は、反射防止(AR)特性、波長選択反射又は分布ブラッグ反射特性、屈折率整合特性、カプセル化などを含む様々な光学特性を与えることができる。光学層は、好適には、可視光透過型であってもよい。更なる光学層114は、例えば、ARコーティング、後屈折率整合、受動的赤外線又は紫外線吸収層などとして利用され得る。随意的には、光学層は、紫外光及び/又は近赤外光を透過してもよく、又は、紫外帯域及び/又は近赤外帯域の波長の少なくともサブセットを透過してもよい。形態に応じて、更なる光学層114が受動的可視吸収層であってもよい。基板材料の例としては、様々なガラス及び硬質又は可撓性のポリマーが挙げられる。ラミネートなどの多層基板を利用することもできる。基板は、例えば、1mm~20mmの厚さなど、他の層及び構造に必要な機械的支持をもたらすのに適した任意の厚さを有してもよい。場合によっては、基板は、窓ガラス、表示装置などの他の構造に対する可視光透過型光起電装置100の適用を可能にする接着フィルムであってもよく又はそれを備えてもよい。
[0080]装置は、全体として、可視光透過性、例えば、30%超、40%超、50%超、60%超、70%超、或いは、最大で100%又はほぼ100%の450~650nm範囲の透過性を示し得るが、個々に採取された特定の材料は、可視スペクトルの一部で吸収を示し得ることが理解される。随意的に、可視光透過型光起電装置内における個々の材料又は層はそれぞれ、可視範囲内、例えば30%(すなわち、30%~100%)を超える高い透過性を有する。透過率又は吸収率は、パーセンテージとして表わすことができ、材料の吸光度特性、吸収材料を貫く厚さ又は経路長、及び、吸収材料の濃度に依存してもよく、それにより、吸収材料を貫く経路長が短い及び/又は吸収材料が低濃度で存在する場合、可視スペクトル領域に吸光度を伴う材料は、依然として低い吸収率又は高い透過率を示し得ることが理解される。
[0081]ここで及び以下で記載されるように、様々な光活性層中の光活性材料は、好適には、可視領域において最小の吸収率(例えば、20%未満、30%未満、40%未満、50%未満、60%未満、又は、70%未満)を示し、代わりに、近赤外領域及び/又は紫外領域において高い吸収率(例えば、50%超、60%超、70%超又は80%超の吸収ピーク)を示す。幾つかの用途では、可視領域での吸収率が70%もの大きさとなり得る。基板、光学層、及び、バッファ層などの他の材料の様々な形態は、材料が若干の可視吸収率を示し得る場合でも、これらの材料が全体的な可視光透過性をもたらすことができるようにし得る。例えば、Ag又はCuのような可視吸収を示す金属など、金属薄膜が透明電極に含まれてもよいが、薄膜形態でもたらされる場合、膜の全体的な透過性が高くてもよい。同様に、光学層又はバッファ層に含まれる材料は、可視範囲で吸収を示し得るが、可視光吸収の全体量が低い場合には可視光透過性をもたらす濃度又は厚さで与えられてもよい。
[0082]また、可視光透過型光起電装置100は、電極120,122間に位置される光活性層140を伴う一組の透明電極120,122も含む。ITO、薄い金属膜、又は、他の適切な可視光透過型材料を使用して製造され得るこれらの電極は、図示の様々な層のうちの1つ以上に対する電気接続をもたらす。例えば、銅、銀、又は、他の金属の薄膜は、これらの金属が可視帯域の光を吸収し得る場合であっても、可視光透過型電極としての使用に適し得る。しかしながら、1nm~200nm(例えば、約5nm、約10nm、約15nm、約20nm、約25nm、約30nm、約35nm、約40nm、約45nm、約50nm、約55nm、約60nm、約65nm、約70nm、約75nm、約80nm、約85nm、約90nm、約95nm、約100nm、約105nm、約110nm、約115nm、約120nm、約125nm、約130nm、約135nm、約140nm、約145nm、約150nm、約155nm、約160nm、約165nm、約170nm、約175nm、約180nm、約185nm、約190nm、又は約195nm)の厚さを有する膜などの薄膜として与えられる場合、可視帯域における薄膜の全透過率は、30%超、40%超、50%超、60%超、70%超、80%超、又は、90%超など、高いままであってもよい。好適には、金属薄膜は、透明電極として使用される場合、幾つかの半導体透明導電性酸化物が、紫外帯域で生じるバンドギャップを示し、したがって紫外光を高度に吸収する又は透過しないため、ITOなどの透明電極として有用であり得る他の半導体材料よりも紫外帯域で低い吸収を示し得る。しかしながら、場合によっては、紫外光が特定の材料を劣化させる場合があるため、紫外線吸収透明電極を使用して、紫外光の少なくとも一部を下方にある構成要素から遮蔽することができる。
[0083]原子層堆積、化学蒸着、物理蒸着、熱蒸着、スパッタ蒸着、エピタキシなどの真空堆積技術を含む様々な堆積技術を使用して透明電極を生成することができる。場合によっては、スピンコーティング、スロットダイコーティング、ブレードコーティング、スプレーコーティングなどの溶液ベースの堆積技術を使用することもできる。更に、透明電極は、リソグラフィ、リフトオフ、エッチングなどを含む、微細加工の技術分野で知られている技術を使用してパターニングされてもよい。
[0084]バッファ層130,132及び光活性層140は、光起電装置の電気的及び光学的な特性を実現するために利用される。これらの層は、単一の材料の層であってもよく、又は、特定の用途に適した複数の副層を含んでもよい。したがって、「層」という用語は、単一の材料の単一の層を示すことを意図するものではなく、同じ又は異なる材料の複数の副層を含むことができる。幾つかの実施形態において、バッファ層130、光活性層140、及び、バッファ層132は、積層形態で繰り返されて、複数のヘテロ接合を含むようなタンデム装置形態をもたらす。幾つかの実施形態において、光活性層は、ドナー及びアクセプタとも称される電子ドナー材料及び電子アクセプタ材料を含む。これらのドナー及びアクセプタは、可視光透過型であるが、可視波長帯域外を吸収して、装置の光活性特性を与える。
[0085]有用なバッファ層は、電子輸送層、電子ブロッキング層、正孔輸送層、正孔ブロッキング層、励起子ブロッキング層、光学スペーサ、物理バッファ層、電荷再結合層、又は、電荷生成層として機能するものを含む。バッファ層は、所望の緩衝効果をもたらすのに適した任意の厚さを有してもよく、随意的に存在しても存在しなくてもよい。有用なバッファ層は、存在する場合、1nm~1μmの厚さを有し得る。フラーレン材料、カーボンナノチューブ材料、グラフェン材料、金属酸化物、例えば酸化モリブデン、酸化チタン、酸化亜鉛など、ポリマー、例えばポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)、ポリスチレンスルホン酸、ポリアニリンなど、コポリマー、ポリマー混合物、及び、小分子、例えばバソクプロインを含む様々な材料がバッファ層として使用されてもよい。バッファ層は、堆積プロセス(例えば、熱蒸発)又は溶液処理方法(例えば、スピンコーティング)を使用して適用されてもよい。
[0086]本発明の様々な実施形態において活性材料/緩衝材料(輸送層)/光学材料として利用され得る材料の例としては、近IR吸収材料、UV吸収材料、及び/又は、電磁スペクトルの近IR領域又はUV領域における強い吸収ピークによって特徴付けられる材料が挙げられる。近IR吸収材料としては、フタロシアニン、ポルフィリン、ナフタロシアニン、スクアライン、ホウ素-ジピロメテン、ナフタレン、リレン、ペリレン、テトラシアノキノイドチオフェン化合物、テトラシアノインダセン化合物、カルバゾールチアポルフィリン化合物、金属ジチオレート、ベンゾチアジアゾール含有化合物、ジシアノメチレンインダノン含有化合物、これらの組み合わせなどが挙げられる。UV吸収材料としては、フラーレン、リレン、ペリレン、ベンズイミダゾール、ヘキサカルボニトリル、トリアリールアミン、ビストリアリールアミン、フェナントロリン、パラ-フェニレン、それらの組み合わせなどが挙げられる。
[0087]図2は、光活性層140における接合形態の様々な例の概要を示す。光活性層140は、随意的に、混合ドナー/アクセプタ(バルクヘテロ接合)形態、平面ドナー/アクセプタ形態、平面及び混合ドナー/アクセプタ形態、勾配ドナー/アクセプタ形態、又は、積層ヘテロ接合形態に対応してもよい。紫外帯域又は近赤外帯域で吸収するが可視帯域では仮に吸収するとしても最小限しか吸収しない材料など、様々な材料が光活性層140として使用されてもよい。このようにして、光活性材料を使用して、紫外吸収及び/又は近赤外吸収によって外部回路に給電するための電子-正孔対を生成することができ、それにより、可視光を比較的乱さずに残して可視光透過性を与えることができる。図示のように、光活性層140は、別個のドナー層及びアクセプタ層を含む平面ヘテロ接合を備えてもよい。或いは、光活性層140は、別個のアクセプタ層及びドナー層並びに混合ドナー-アクセプタ層を含む平面混合ヘテロ接合構造を備えてもよい。或いは、光活性層140は、完全に混合されたアクセプタ-ドナー層を含む混合ヘテロ接合構造、又は、様々な相対濃度勾配を伴う混合ドナー-アクセプタ層を含む混合ヘテロ接合構造を備えてもよい。
[0088]光活性層は、任意の適切な厚さを有してもよく、所望のレベルの透過性及び紫外/近赤外吸収特性をもたらすために、任意の適切な濃度又は組成の光活性材料を有することができる。光活性層の厚さの例は、約1nm~約1μm、約1nm~約300nm、又は、約1nm~約100nmの範囲であってもよい。場合によっては、光活性層は、図2に示されるように、適切な太陽光発電特性をもたらすために、個々の副層又は層の混合物から形成されてもよい。図2に示される様々な形態が使用されてもよく、また、これらの形態は、有利な太陽光発電を行なうために使用される特定のドナー及びアクセプタ材料に依存してもよい。例えば、幾つかのドナーとアクセプタとの組み合わせは特定の形態から利益を得ることができるが、他のドナーとアクセプタとの組み合わせは他の特定の形態から利益を得ることができる。ドナー材料及びアクセプタ材料は、適切な太陽光発電特性をもたらすために任意の比率又は濃度で提供されてもよい。混合層の場合、アクセプタに対するドナーの相対濃度は、約20:1~約1:20であってもよい。場合により、アクセプタに対するドナーの相対濃度は随意的に約5:1~約1:5である。場合により、ドナー及びアクセプタは1:1の比率で存在する。
[0089]様々な可視光透過型光活性化合物は、電子ドナー光活性材料として有用であり、また、幾つかの実施形態では、光起電装置に有用な光活性層を設けるために適切な電子アクセプタ光活性材料と対にされてもよい。様々な可視光透過型光活性化合物は、電子アクセプタ光活性材料として有用であり、また、光起電装置に有用な光活性層を設けるために適切な電子ドナー光活性材料と対にされてもよい。ドナー材料及びアクセプタ材料の例は、それぞれが2017年6月16日に出願された米国仮出願第62/521,154号、第62/521,158号、第62/521,160号、第62/521,211号、第62/521,214号、及び、第62/521,224号に記載されており、これらの出願はその全体が参照により本願に組み入れられる。
[0090]実施形態において、様々な光活性化合物の化学構造は、材料に望ましい電気的特性を与えるために、電子供与基、電子求引基、又は、コア金属原子の周り又はコア金属原子への置換などの1つ以上の配向基で官能化され得る。例えば、幾つかの実施形態において、光活性化合物は、光起電装置において電子ドナーとして機能する材料の能力を向上させるために、アミン基、フェノール基、アルキル基、フェニル基、又は、他の電子供与基で官能化される。他の例として、幾つかの実施形態において、光活性化合物は、光起電装置内の電子アクセプタとして機能する材料の能力を向上させるために、シアノ基、ハロゲン、スルホニル基、又は他の電子吸引基で官能化される。
[0091]実施形態において、光活性化合物は、望ましい光学特性を与えるために官能化される。例えば、幾つかの実施形態において、光活性化合物は、材料の吸収プロファイルを再シフトさせるために拡張された共役で官能化されてもよい。共役は、分子内のpi電子の非局在化を指してもよく、また、分子構造内の単結合と多重結合とを交互に繰り返すことを特徴としてもよいことが理解される。例えば、電子共役を拡張する官能化は、1つ以上の芳香族基を材料の分子構造に融合することを含んでもよい。拡張された共役を与え得る他の官能化としては、ビニル基、芳香族又はヘテロ芳香族官能化などによるアルケン官能化、アシル基などによるカルボニル官能化、スルホニル官能化、ニトロ官能化、シアノ官能化などが挙げられる。様々な分子官能化は、光活性化合物の光学特性及び電気特性の両方に影響を及ぼし得ることが理解される。
[0092]装置機能は、固体状態の活性層の形態によって影響を受け得ることが理解される。励起子拡散長及び大きな界面面積の規模での寸法を有する離散領域への電子ドナー及びアクセプタの分離は、高い装置効率を達成するために有利であり得る。好適には、光活性材料の分子フレームワークは、材料の形態を制御するように調整され得る。例えば、本明細書中に記載される官能基の導入は、そのような改質が材料のエネルギー特性又は電子特性に影響を及ぼすかどうかにかかわらず、固体状態の材料の形態に大きな影響を及ぼし得る。そのような形態学的変動は、純粋な材料において、また、特定の材料が対応するドナー又はアクセプタとブレンドされるときに観察され得る。形態を制御するための有用な機能性としては、アルキル鎖、共役リンカー、フッ素化アルカン、嵩高い基(例えば、tert-ブチル、フェニル、ナフチル又はシクロヘキシル)の付加、並びに、過剰な結晶化を抑制するために構造の一部を分子の平面から押し出すように設計されたより複雑なカップリング手順が挙げられるが、これらに限定されない。
[0093]実施形態において、他の分子構造特性は、光活性化合物において望ましい電気的及び光学的特性を与え得る。例えば、幾つかの実施形態において、光活性化合物は、電子供与性として特徴付けられ得る分子の部分を示すことができ、一方、分子の他の部分は電子受容性として特徴付けられ得る。いかなる理論にも束縛されることを望むものではないが、交互の電子供与部及び電子受容部を含む分子は、交互の電子供与部及び電子受容部を欠く類似の分子と比較して、分子の吸収特性を再シフトさせ得る。例えば、交互の電子供与部及び電子受容部は、最高占有分子軌道と最低非占有分子軌道との間のより低いエネルギーギャップを減少させ又はさもなければもたらし得る。有機ドナー及び/又はアクセプタ基は、可視光透過型光活性化合物中の任意のアリール、芳香族、ヘテロアリール、ヘテロ芳香族、アルキル又はアルケニル基などのR基置換基として有用であり得る。
[0094]ドナー/アクセプタ材料が電子ドナー又は電子アクセプタのいずれかとして透明光起電装置内の光活性層として組み込まれる場合、層厚は、装置出力、吸光度、又は、透過率を変化させるように制御され得る。例えば、ドナー層又はアクセプタ層の厚さを増大させると、その層の光吸収率を増大させることができる。場合によっては、ドナー層中又はアクセプタ層中のドナー/アクセプタ材料の濃度を増大させると、その層の光吸収率が同様に増大し得る。しかしながら、幾つかの実施形態では、活性材料層がドナー/アクセプタ材料の純粋もしくは実質的に純粋な層又はドナー/アクセプタ材料の純粋もしくは実質的に純粋な混合物を備える場合など、ドナー/アクセプタ材料の濃度が調整可能ではない場合がある。場合により、ドナー/アクセプタ材料は、溶媒中に供給されてもよく又はバッファ層材料などのキャリア中に懸濁されてもよく、その場合、ドナー/アクセプタ材料の濃度が調整されてもよい。幾つかの実施形態において、ドナー層濃度は、生成される電流が最大化される場合に選択される。幾つかの実施形態では、アクセプタ層濃度は、生成される電流が最大化される場合に選択される。
[0095]しかしながら、電荷収集効率は、電荷キャリアにおける「移動距離」の増大に起因して、ドナー又はアクセプタの厚さの増大に伴って減少し得る。したがって、層の厚さが増大するにつれて吸収率が増大することと電荷収集効率が低下することとの間にはトレードオフがあり得る。したがって、厚さ当たりの光吸収率の増大を可能にするために、高い吸収係数及び/又は濃度を有する材料を選択することが有利となり得る。幾つかの実施形態において、ドナー層の厚さは、生成される電流が最大化される場合に選択される。幾つかの実施形態において、アクセプタ層の厚さは、生成される電流が最大化される場合に選択される。
[0096]個々の光活性層の厚さに加えて、透明光起電装置における他の層の厚さ及び組成も、光活性層内の吸収を増強するように選択され得る。他の層(バッファ層、電極など)は、一般に、薄膜装置積層体及び結果として生じる光学キャビティとの関連でそれらの光学特性(屈折率及び吸光係数)に基づいて選択される。例えば、近赤外吸収光活性層は、それが装置によってもたらされる吸収及び結果として生じる電流を最大にするために吸収する近赤外波長における光場のピークに位置され得る。これは、第2の光活性層及び/又は光学層をスペーサとして使用して光活性層を電極から適切な距離を隔てて離間させることによって達成され得る。同様の方式を紫外線吸収光活性層に関して使用することができる。多くの場合、より長い波長の光場のピークは、より短い波長の光場のピークと比較してより反射性がある2つの透明電極からより遠くに位置される。したがって、別個のドナー及びアクセプタ光活性層を使用する場合、ドナー及びアクセプタは、より赤色の吸収(より長い波長)材料をより反射性のある電極からより遠くに位置させるとともに、より青色の吸収(より短い波長)材料をより反射性のある電極の近くに位置させるように選択され得る。
[0097]幾つかの実施形態では、ドナーがドナー層で吸収して光吸収率を増大させ、したがってドナー層によって生成される電流を増大させる波長での光場の強度を増大させるために光学層が含まれてもよい。幾つかの実施形態では、アクセプタがアクセプタ層で吸収して光吸収率を増大させ、したがってアクセプタ層によって生成される電流を増大させる波長での光場の強度を増大させるために、光学層が含まれてもよい。幾つかの実施形態では、光学層を使用して、可視吸収又は可視反射のいずれかを減少させることによって積層体の透過性を向上させることができる。更に、電極材料及び厚さは、可視範囲内の光を優先的に透過させながら、光活性層内の可視範囲外の吸収を増強するように選択されてもよい。
[0098]随意的に、可視光透過型光起電装置のスペクトルカバレッジを高めることは、図1に関連して説明したように、バッファ層130、光活性層140、及び、バッファ層132の複数の積層された事例として含まれ得る、タンデム電池と称される、可視光透過型光起電装置のマルチセル直列積層体を使用することによって達成される。この構造は2つ以上の光活性層を含み、これらの光活性層は、一般に、例えば、バッファ層及び/又は薄い金属層の組み合わせによって分離される。この構造において、各サブセルで生成される電流は、対向する電極に直列に流れ、したがって、セル内の正味電流は、例えば、特定のサブセルによって生成される最小電流によって制限される。開回路電圧(Voc)はサブセルのVocの和に等しい。太陽スペクトルの異なる領域で吸収する異なるドナー-アクセプタ対で製造されたサブセルを組み合わせることにより、単一接合セルと比較して効率の大幅な向上を得ることができる。
[0099]ドナー層及び/又はアクセプタ層を含む、バッファ層及び光活性層のうちの1つ以上で利用される材料に関する更なる説明を以下で行なう。
[0100]図3は、太陽スペクトル、人間の眼の感度、及び、典型的な可視光透過型光起電装置の吸収の波長に応じた簡略化されたプロットを示す。図3に示されるように、本発明の実施形態は、約450nm~約650nmの可視波長帯域において低い吸収を有するが、UV及びNIR帯域において、すなわち、可視波長帯域の外側において吸収し、可視光透過型光起電動作を可能にする光起電構造を利用する。紫外線帯域又は紫外線領域は、実施形態では、約200nm~450nmの光の波長として説明されてもよい。地上レベルでの有用な太陽輻射は、約280nm未満の限られた量の紫外線を有してもよく、したがって、紫外線帯域又は紫外線領域は、幾つかの実施形態では、約280nm~450nmの光の波長として説明されてもよいことが理解される。近赤外帯域又は近赤外領域は、実施形態では、約650nm~1400nmの光の波長として説明することができる。本明細書中に記載される様々な組成物は、可視領域における最大吸収強度がNIR領域又はUV領域における最大吸収強度よりも小さいUVピーク及び/又はNIRピークを含む吸収を示し得る。
[0101]図4は、可視光透過型光起電装置100などの有機光起電装置の一例の動作に関する概略エネルギー準位図概要を示す。例えば、そのような光起電装置において、様々な光活性材料は、それらの分子特性とバッファ層、電極などに使用される材料のタイプとに応じて、電子ドナー特性又は電子アクセプタ特性を示すことができる。図4に示されるように、ドナー材料及びアクセプタ材料のそれぞれはHOMO及びLUMOを有する。HOMOからLUMOへの電子の遷移は、光子の吸収によって付与され得る。材料のHOMOとLUMOとの間のエネルギー(HOMO-LUMOギャップ)は、おおよそ、材料の光学バンドギャップのエネルギーを表わす。本明細書中で提供される透明光起電装置で有用な電子ドナー材料及び電子アクセプタ材料の場合、電子ドナー材料及び電子アクセプタ材料のHOMO-LUMOギャップは、好ましくは可視範囲の光子のエネルギー外にある。例えば、光活性材料に応じて、HOMO-LUMOギャップは、紫外領域又は近赤外領域にあってもよい。HOMOが従来の導体又は半導体における価電子帯に匹敵し、LUMOが従来の導体又は半導体における伝導帯に匹敵することが理解される。
[0102]ドナーに隣接するバッファ層は、一般にアノードバッファ層又は正孔輸送層と称され、バッファ層のHOMOレベル又は価電子帯(無機材料の場合)がドナーからアノード(透明電極)に正孔を輸送するためにドナーのHOMOレベルとエネルギーランドスケープにおいて整列されるように選択される。幾つかの実施形態では、バッファ層が高い正孔移動度を有することが有用であり得る。アクセプタに隣接するバッファ層は、一般にカソードバッファ層又は電子輸送層と称され、バッファ層のLUMOレベル又は伝導帯(無機材料の場合)がアクセプタからカソード(透明電極)に電子を輸送するためにアクセプタのLUMOレベルとエネルギーランドスケープにおいて整列されるように選択される。幾つかの実施形態では、バッファ層が高い電子移動度を有することが有用であり得る。
[0103]図5A-図5Dは、可視光透過型光起電装置で有用な異なる電子ドナー及び電子アクセプタ形態に関する吸収帯域の一例を表わす様々なプロットを示す。図5Aでは、ドナー材料はNIRで吸収を示し、アクセプタ材料はUVで吸収を示す。図5Bは、ドナー材料がUVで吸収を示し、アクセプタ材料がNIRで吸収を示す反対の形態を示す。
[0104]図5Cは、ドナー材料及びアクセプタ材料の両方がNIRで吸収を示す更なる形態を示す。図示のように、太陽スペクトルは、比較的少量の紫外線のみでNIRにおいて有意な量の有用な放射を示し、それにより、太陽スペクトルから大量のエネルギーを捕捉するのに有用な図5Cに示される形態がなされる。例えば、ドナーがアクセプタに対して青色にシフトされる図5Cに示される形態とは反対である、アクセプタがドナーに対して青色にシフトされる図5Dに示されるように、ドナー材料及びアクセプタ材料の両方がNIRにおいて吸収を示す他の実施形態が企図されるのが分かる。
[0105]図6は、本発明の一実施形態に係る可視光透過型光起電装置600の概略図を示す。光起電装置は、基板605と、光学層610,612と、透明電極620と、バッファ層630と、光活性層640と、バッファ層632と、透明電極622と、光学層614とを含むことができ、これらは本明細書で前述した構成要素と同様であり得る。例えば、光活性層640は、第1のバルクヘテロ接合(BHJ)活性層及び第2のBHJ活性層を含んでもよい。
[0106]光活性層640と透明電極622との間で、様々なタイプのバッファ層630,632を使用して、太陽電池性能、審美性、製造、又は、安定性の改善につながる光学的、電子的、又は、形態学的利点を与えることができる。理想的には、これらの中間層は、これら全ての利点を与える。有機太陽電池は、多種多様な材料を備える単一又は多層バッファを利用することができる。アノードにおいて、利用することができる中間層としては、導電性透明ポリマーブレンドであるポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリスチレンスルホネート(PEDOT:PSS)及びMoOが挙げられる。ドープされた有機半導体及びドープされない有機半導体を含む様々な他の材料は、様々な光活性層積層体に様々な利点を与えることができる。
[0107]本発明の幾つかの実施形態において、p-フェニレン材料は、透明太陽電池の性能及び色を改善するためのアノードバッファ層として利用される。具体的には、MoO又は他のアノードバッファ層と光活性層640との間の熱蒸着によって、厚さ2~50nmの薄いp-フェニレン層631(p-フェニレン材料を含む)を堆積させることができる。幾つかの実施形態において、p-フェニレン層は、HAT-CNなどの他の有機HTL材料(非無機酸化物)と対にすることができる。p-フェニレン層の1つの主な電気的利点は、特に光電流生成を増大させることによってセルの効率を向上させることである。これは、図12A~図12D及び図13A~図13Cを参照して示すように、3つの異なるD:Aブレンド系、3つの異なるp-フェニレン材料及び2つの異なるバッファで実証することができる。
[0108]幾つかの実施形態において、p-フェニレン材料は、以下の式を有する。
Figure 2022544678000003

式中、各Xは独立してC-R又はNであり、nは1、2、3、4又は5であり、各Rは独立してH、F、Cl、Br、CH、OCH、Si(CH、NH、OH、SH、CN又はCFである。
[0109]幾つかの実施形態において、バッファ層630は、透明電極620とp-フェニレン層631との間に配置される正孔注入層を含むことができる。想定し得る正孔注入層としては、化学量論的組成と非化学量論的組成の両方に対応する、MoO、NiO、CuO、VO、WO、CoO、CrO、Li:NiO、Mg:NiO、Cs:NiO、Cu:CrO、CrCu、LiMgLiO、CuSCN、CuI、BiI、グラフェン、酸化グラフェン、及びMoSが挙げられるが、これらに限定されない
[0110]図7A及び図7Bは、光起電装置の層にわたる光電界強度に対するp-フェニレン層添加の効果を示す。図7Aを参照すると、光電界強度は、バッファ層内で最大値を有し、光起電層にわたって着実に減少する。図7Aの光起電装置にp-フェニレン層を添加すると、前のバッファ層と光活性層との間で、図7Bを参照して示すように、光電界強度はバッファ層とp-フェニレン層とにわたって増加し、光活性層内で最大値を有する。したがって、p-フェニレン層を添加する効果は、最大光電界強度が光活性層側にシフトすることである。
[0111]光電界強度のシフトは、p-フェニレン層を添加した太陽電池で見られる効率向上に関与する幾つかの機構の1つであり、これは電流の10%の増加と同程度に重要であることが実証され得る。幾つかの機構は、この透明層を積層体に追加する光学効果に関連する。薄膜太陽電池はキャビティ効果に依存するため、層を追加すると積層体内の光電界分布が変化する。p-フェニル層の厚さを調整することにより、適切な波長における光電界強度の空間分布を変化させることによって、活性層内の光生成を向上させることができる。光学効果に加えて、p-セキシフェニルは、電極を活性層から静電的に切り離すことによって再結合を低減するのに役立ち得る。これは、電極界面付近の画像電位の影響を低減し、有機/電極界面に存在する状態密度を広げる一方で、効率的な電荷収集のためのフェルミレベルの整列を可能にすることによって達成される。この効果は、図8A~図8Dを参照して示すように、材料のHOMO及びLUMO準位に起因する。最後に、p-フェニレン層は、p-フェニレン層の上に堆積された材料を配向させるのに役立つように示すことができる。棒状のp-フェニレン分子の強い配向及び高度に配向した粒子の成長は、後続の層の優先的な配向をもたらす。このテンプレート化は、装置の改善された光学的品質及び改善された電荷生成及び輸送をもたらし得る。
[0112]図8A-図8Dは、p-フェニレン層を組み込む光起電装置を概略的に示すエネルギー準位図を示す。図8Aは、p-フェニレン層802Aと、電子ドナー層及び電子アクセプタ層を含む平面光活性層804Aとを有する光起電装置のエネルギー準位図を示す。図8Bは、p-フェニレン層802B及びBHJ光活性層804Bを有する光起電装置のエネルギー準位図を示す。図8Cの光起電装置は、光活性層804Cが、異なる電子ドナー材料を有する2つのBHJ層を含む積層BHJを含む点で、図8Bとは異なる。図8Dは、各サブセル内にp-フェニレン層802D及びBHJ光活性層804Dを有するタンデム光起電装置のエネルギー準位図を示す。
[0113]全ての装置に関して、アノードでの励起子及び電荷再結合は、電極を活性層から静電的に切り離すことによるp-フェニレン層の付加によって低減される。この効果は、光活性層のHOMO準位よりも深い材料の低いHOMO準位に起因する。更に、浅いLUMO準位は、材料が有効な電子ブロッキング層として機能するのを助ける。
[0114]図9は、p-セキシフェニル層を組み込んだ平面ヘテロ接合素子構造900を示す。活性層は、電子ドナーSubPc及び電子アクセプタClSubPcによって構成される。5nmのp-セキシフェニル層がMoOとドナー層との間に挿入され、電荷キャリア及び励起子がMoO/SubPc界面で再結合するのを抑制する。
[0115]図10は、模擬AM1.5G照明下で試験したp-セキシフェニル厚さに応じたSubPc/ClSubPc平面ヘテロ接合装置の電流密度-電圧曲線を示す。図10に示すように、全ての装置パラメータ(Jsc、Voc、FF、PCE)は、薄いp-セキシフェニル層を含むことによって強化される。最も注目すべきことに、Jscは、MoO/SubPcドナー界面での励起子及び電荷再結合の排除により1.6から2.2mA cm-2に増加し、PCEが1.7から2.2%に改善される。これは、p-フェニレンバッファと高Voc装置との適合性を更に強調している。
[0116]図11A~図11Dは、様々な厚さのp-フェニレン層を組み込んだ異なるBHJ及び積層BHJ装置の装置構造1100を示す。いずれの場合も、p-フェニレン層は、特定の実施形態によれば、p-クオタフェニル、p-キンキフェニル、又はp-セキシフェニルから構成されてもよい。図11BのBHJ装置は、活性層の選択によって図11AのBHJ装置とは異なり、一方、図11Dの積層BHJ装置は、アノードバッファ層(それぞれHAT-CN対MoO)の選択によって図11Cの積層BHJ装置とは異なる。
[0117]図12A~図12Dは、p-フェニレン層を伴わない場合と比較したp-フェニレン層631の厚さに応じた異なるBHJ及び積層BHJ光活性層の効率を示す。図12Aに示すように、D-100:C60光活性層は、p-セキシフェニル層を含まない1の正規化効率と比較して、10nmの層厚で約1.1の最大正規化効率を有する。第2の例において、装置は、9nmのp-キンクフェニル層を挿入することによって1の正規化効率から約1.1に改善される。第3の例では、装置の正規化された効率は、6nmのp-クオタフェニル層を挿入することによって改善される。図12Bに示すように、D-310:C60光活性層は、p-セキシフェニル層を含まない1の正規化効率と比較して、30nmの層厚で約1.2の最大正規化効率を有する。第2の実施例では、装置は、24nmのp-キンクフェニル層を挿入することによって約20%改善される。第3の実施例では、18nmのp-クオタフェニル層を挿入することによって、装置は約1.1の正規化効率に改善される。
[0118]図12Cに示すように、結合されたD-310:C70及びD-300:C70 BHJ光活性層を備える積層BHJは、p-セキシフェニル層を伴わない1の正規化効率と比較して、MoO層上に堆積された24nmの層厚で約1.3の最大正規化効率を有する。第2の実施例において、装置は、18nmのp-キンクフェニル層を挿入することによって約10%改善される。図12Dに示すように、代替的なアノードバッファ層HAT-CNを使用したD-310:C70及びD-300:C70 BHJ光活性層を備える積層BHJは、p-セシフェニル層を伴わない1の正規化効率と比較して、24nmの層厚で約3の最大効率を有する。0nmの層厚(例えば、p-フェニル層631を含まない)での効率を各フェニレン層での最大効率と比較することにより、図12A~図12Dのそれぞれで改善された効率を観察することができる。各個々の例では、他の全ての層は、改善が具体的にはp-フェニレン層の挿入に起因するように一定に保持される。
[0119]図13A~図13Cは、p-セキシフェニル層が含まれる場合(下段)及びp-セキシフェニル層が含まれない場合(中段)について、異なる光活性層に対するCIELAB色パラメータ及び平均可視反射(AVR)を表わす表を示す。電気的性能を改善することに加えて、p-セキシフェニル層を使用して、透明太陽電池のガラス側反射色を調整することもできる。ガラス側反射色は、窓製造業者にとって重要な装置パラメータである。一般に、ガラス側反射色は、より負のb*値が望ましい。本明細書に記載のD:A系の幾つかについて、p-セキシフェニルを組み込むことは、D-100:C60装置(図13A)及びD-310:C60及びD-300:C60 BHJを含む積層BHJ(図13C)について示されるように、より負のb*値をもたらす。
[0120]図13A~図13Cに示される色パラメータは、p-セキシフェニル層の厚さに基づいて変化し得る。したがって、p-セキシフェニル層は、バッファ層に加えて色調整層として作用することができ、所望の効率(図12A~図12Dを参照して示すように、)及び/又は所望の色特性(図13A~図13Cを参照して示すように、)を生成するように層厚を較正することを可能にする。例えば、幾つかの実施態様では、-10~0のa*及び/又はb*値が好ましい場合がある。そのような実施態様では、色の好みを更に満たしながら、厚さを変えることによって最大効率を見出すことができる。
[0121]図14は、様々な厚さのp-セキシフェニル層を有する2つのサブセルを含むタンデム装置構造1400を示す。両方のサブセルの活性層は、中心電荷再結合ゾーン(CRZ)を介して電気的に直列に接続されたD-310:C70 BHJである。CRZは、下部サブセルにおけるカソード及び上部サブセルにおけるアノードの両方として機能するTPBi:C60、Ag、及びMoOの層状構造によって形成される。p-セキシフェニル層は、両方のサブセルにおいてアノード層と活性層との間に挿入される。
[0122]図15は、下部サブセル(x)又は上部サブセル(y)のいずれかにおけるp-セキシフェニル厚さに応じたタンデム装置構造のPCEを示す。図示のように、いずれかのサブセルにおけるp-セキシフェニル層の排除は、ピーク値と比較して最大10~20%の性能の著しい損失をもたらす。下部サブセルの最適なp-セキシフェニル厚さは10nmであるが、上部サブセルの最適な厚さは5nmであり、その結果、最大PCEは3.7%となる。この最適値からの逸脱は、特にトップサブセルの性能の著しい低下を引き起こす。
[0123]図16A及び図16Bは、下部サブセル(x)又は上部サブセル(y)のいずれかにおけるp-セキシフェニル厚さに応じたタンデム装置構造における反射及び透過CIELAB色パラメータを示す。図16Aに見られるように、反射色は、両方のサブセルにおいてp-セキシフェニルの厚さに非常に敏感であり、調査された20nmの範囲にわたって反射a*に最大7のシフトを引き起こす。同様に、反射b*は、上部サブセル内のp-フェニレンから最大7だけ負にシフトすることができる。図16Bに示すように、透過a*及びb*値は、p-フェニレン厚さの範囲にわたって1を超えて変化せず、p-フェニレン層が透過色に無視できる影響でガラス反射色の独立した制御を可能にすることを実証している。
[0124]図17は、溶液処理された活性層及び様々な厚さのp-セキシフェニル層を使用するBHJ装置構造1700を示す。PCE10:COi8DFIC:PC71BM活性層は、p-セキシフェニル被覆基材上に溶液からスピンコーティングによって塗布される。
[0125]図18は、溶液処理された装置効率をp-セキシフェニル層の厚さの関数として示す。PCEは、20nmまでのp-セキシフェニルの厚さで比較的安定しており(5%の偏差内)、著しい性能損失を伴うことなく色調整を可能にする。p-セシフェニル及び他のp-フェニレンの溶解度が低く、OPVを溶液処理するために使用される最も一般的な有機溶媒と直交しているため、p-セシフェニル層はスピンコーティングプロセス中に除去されない。したがって、p-フェニレンバッファ層は、溶液処理装置及び真空処理装置の両方に適合する。
[0126]図19A及び図19Bは、溶液処理装置の反射及び透過CIELAB色パラメータをp-セキシフェニル厚さの関数として示す。図19Aに見られるように、反射a*は、調査された20nm範囲にわたって7を超えてシフトすることができる。図19Bに示すように、透過a*及びb*値は、p-フェニレン厚さの範囲にわたって1を超えて変化せず、p-フェニレン層が、溶液処理装置の透過色に無視できるほどの影響でガラス反射色の独立した制御を可能にすることを実証している。
[0127]図20は、可視光透過型光起電装置100などの光起電装置を形成するための方法2000を示す。様々な実施形態において、光起電装置は、可視光透過型であってもよく、又は可視光不透過型又は不透明であってもよい。例えば、方法2000を参照して説明した光起電装置の構成要素のいずれかは、不透明な第1の電極(ブロック2006)又は不透明な第2の電極(ブロック2014)など、可視光不透過型であってもよい。更に、方法2000を参照して可視光透過型であるとして説明した構成要素のいずれかは、幾つかの実施形態では、可視光不透過型又は不透明であってもよい。方法2000は、更なるステップ又は図20に示されているよりも少ないステップを含むことができる。更に、方法2000の1つ以上のステップは、図20に示されている順序とは異なる順序で実行されてもよい。
[0128]方法2000は、例えば透明基板などの基板が用意されるブロック2002で開始する。有用な透明基板は、ガラス、プラスチック、石英などの可視光透過型基板を含むことが理解される。様々な実施形態では、可撓性基板及び硬質基板が有用である。随意的に、透明基板は、上面及び/又は下面に予め形成された1つ以上の光学層を備える。
[0129]ブロック2004において、随意的に、透明基板の上面及び/又は下面など、透明基板上又は透明基板の上方に1つ以上の光学層が形成される。随意的に、1つ以上の光学層は、介在層又は透明導体などの材料などの他の材料上に形成される。随意的に、1つ以上の光学層は、可視光透過型基板に隣接して及び/又は接触して位置される。光学層の形成は随意的であり、幾つかの実施形態は、透明基板に隣接する及び/又は透明基板と接触する光学層を含まなくてもよいことが理解される。光学層は、めっき、化学溶液堆積、スピンコーティング、浸漬コーティング、スロットダイコーティング、ブレードコーティング、スプレーコーティング、化学気相堆積、プラズマ化学気相堆積、及び、原子層堆積などの1つ以上の化学堆積法、又は、熱蒸着、電子ビーム蒸着、分子線エピタキシ、スパッタリング、パルスレーザ堆積、イオンビーム堆積、及び、エレクトロスプレー堆積などの1つ以上の物理堆積法を含むがこれらに限定されない様々な方法を使用して形成することができる。有用な光学層は、可視光透過型光学層を含むことが理解される。有用な光学層は、例えば、反射防止特性、波長選択反射又は分布ブラッグ反射特性、屈折率整合特性、カプセル化などを含む1つ以上の光学特性を与えるものを含む。有用な光学層は、場合により、紫外光及び/又は近赤外光を透過する光学層を含んでもよい。しかしながら、形態に応じて、幾つかの光学層は、随意的に、受動的な赤外線及び/又は紫外線吸収を与えてもよい。随意的に、光学層は、本明細書に記載の可視光透過型光活性化合物を含んでもよい。
[0130]ブロック2006において、例えば第1の透明電極などの第1の(例えば、下部)電極が形成される。前述のように、透明電極は、ITO薄膜又は他の透明導電膜、例えば金属薄膜(例えば、Ag、Cuなど)、金属薄膜(例えば、Ag、Cuなど)及び誘電体材料を含む多層積層体、又は導電性有機材料(例えば、導電性ポリマーなど)に対応し得る。透明電極は、可視光透過型電極を含むことが理解される。透明電極は、原子層堆積、化学蒸着、物理蒸着、熱蒸着、スパッタ堆積、エピタキシなどの真空堆積技術を含む1つ以上の堆積プロセスを使用して形成され得る。場合によっては、スピンコーティングなどの溶液ベースの堆積技術も使用され得る。更に、透明電極は、リソグラフィ、リフトオフ、エッチングなどの微細加工技術によってパターニングされてもよい。
[0131]ブロック2008において、透明電極上などに、1つ以上のバッファ層が随意的に形成される。バッファ層は、めっき、化学溶液堆積、スピンコーティング、浸漬コーティング、化学気相堆積、プラズマ化学気相堆積、及び原子層堆積などの1つ以上の化学堆積法、又は、熱蒸着、電子ビーム蒸発、分子線エピタキシ、スパッタリング、パルスレーザ堆積、イオンビーム堆積、及びエレクトロスプレー堆積などの1つ以上の物理堆積法を含むがこれらに限定されない様々な方法を使用して形成することができる。有用なバッファ層は、可視光透過型バッファ層を含むことが理解される。有用なバッファ層としては、電子輸送層、電子ブロッキング層、正孔輸送層、正孔ブロッキング層、光学スペーサ、物理バッファ層、電荷再結合層、又は、電荷生成層として機能するものが挙げられる。場合によっては、開示された可視光透過型光活性化合物は、バッファ層材料として有用であり得る。例えば、バッファ層は、随意的に、本明細書に記載の可視光透過型光活性化合物を含んでもよい。
[0132]幾つかの実施形態では、ブロック2008においてp-フェニレン層が形成される。p-フェニレン層は、p-フェニレンを透明電極上又は別のバッファ層上に蒸着することによって形成することができる。例えば、p-フェニレン層は、本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、MoO層上に形成されてもよい。幾つかの実施形態において、材料は、溶液から、電気化学的に又は表面上で反応性に成長させて堆積させることができる。幾つかの実施形態では、同様の効率向上を達成する他の関連材料を使用することができる。関連する材料は、開示されたp-フェニレン(例えば、他のオリゴフェニレン又は置換p-フェニレン)と同様の分子特性を有してもよく、本明細書に記載のITO及び/又はMoO層の代わりに他のアノード層又はバッファと組み合わせて使用されてもよい。幾つかの実施形態では、p-フェニレン層がタンデム構造で使用され、p-フェニレンは、相互接続再結合層の上、アノード上、又はその両方に堆積され、各サブセルに対して同じ一般的な効果を有する。幾つかの実施形態では、p-フェニレン層は、アノードが光活性層の上に同じ一般的な効果で堆積される反転構造で使用される。p-フェニレン層から利益を得ることができる他の種類の太陽電池は、鉛ハロゲン化物及び他のペロブスカイト、量子ドット、及び色素増感セルを含むことができる。
[0133]ブロック2010において、バッファ層上又は透明電極上などに、1つ以上の光活性層が形成される。前述のように、光活性層は、電子アクセプタ層及び電子ドナー層又は電子ドナー及びアクセプタの共堆積層を含んでもよい。光活性層は、めっき、化学溶液堆積、スピンコーティング、浸漬コーティング、化学気相堆積、プラズマ化学気相堆積、及び原子層堆積などの1つ以上の化学堆積法、又は、熱蒸着、電子ビーム蒸発、分子線エピタキシ、スパッタリング、パルスレーザ堆積、イオンビーム堆積、及びエレクトロスプレー堆積などの1つ以上の物理堆積法を含むがこれらに限定されない様々な方法を使用して形成することができる。
[0134]ブロック2012において、光活性層上などに、1つ以上のバッファ層が随意的に形成される。ブロック2012において形成されるバッファ層は、ブロック2008において形成されるバッファ層と同様に形成されてもよい。
[0135]ブロック2014において、例えば第2の透明電極などの第2の(例えば、上部)電極が形成される。第2の透明電極は、バッファ層上に形成されていてもよく、光活性層上に形成されていてもよい。
[0136]ブロック2016において、第2の透明電極上などに、1つ以上の更なる光学層が随意的に形成される。
[0137]方法2000は、随意的に、電気エネルギーを生成する方法に対応するように拡張されてもよい。例えば、電気エネルギーを生成するための方法は、方法2000に従って可視光透過型光起電装置を形成することなどによって、可視光透過型光起電装置を提供することを含むことができる。電気エネルギーを生成するための方法は、例えば、電気エネルギーを生成するために、電子-正孔対の形成及び分離をもたらすために、可視光、紫外光及び/又は近赤外光に可視光透過型光起電装置を曝露することを更に含んでもよい。可視光透過型光起電装置は、光活性材料、緩衝材料、及び/又は光学層として本明細書に記載の可視光透過型光活性化合物を含むことができる。
[0138]本明細書で使用される「備える」は、「含む」、「包含する」又は「によって特徴付けられる」と同義であり、包括的又非制約的であり、更なる列挙されていない要素又は方法ステップを排除しない。本明細書で使用される「から成る」は、特許請求の範囲の要素で指定されていない要素、ステップ、又は成分を除外する。本明細書中で使用される「から本質的に成る」は、特許請求の範囲の基本的且つ新規な特徴に実質的に影響を及ぼさない材料又はステップを排除しない。特に組成物の成分の説明又は装置の要素の説明における「備える」という用語の本明細書における列挙は、列挙された成分又は要素から本質的に成る及び列挙された成分又は要素から成るそれらの組成物及び方法を包含すると理解される。本明細書に例示的に記載された本発明は、本明細書に具体的に開示されていない任意の1つ以上の要素、1つ以上の限定がない状態で適切に実施され得る。
[0139]本明細書で利用され得る略語には、以下が含まれる。
TPBi:2,2’、2’’-(1,3,5-ベンゼントリイル)-トリス(1-フェニル-1-H-ベンズイミダゾール)
HAT-CN:ジピラジノ[2,3-f:2’、3’-h]キノキサリン-2,3,6,7,10,11ヘキサカルボニトリル
ITO:インジウムスズ酸化物
MoO:三酸化モリブデン
SubPc:塩化ボロンサブフタロシアニン
ClSubPc:2,3,9,10,16,17-ヘキサクロロホウ素サブフタロシアニンクロリド
PCE10:ポリ[4,8-ビス(5-(2-エチルヘキシル)チオフェン-2-イル)ベンゾ[1,2-b;4,5-b’]ジチオフェン-2,6-ジイル-alt-(4-(2-エチルヘキシル)-3-フルオロチエノ[3,4-b]チオフェン-)-2-カルボキシレート-2-6-ジイル)]
COi8DFIC:2,2’-[[4,4,11,11テトラキス(4-ヘキシルフェニル)-4,11ジヒドロチエノ[2’、3’:4,5]チエノ[2,3-d]チエノ[2’’’’、3’’’’:4’’’、5’’’]チエノ[2’’’’、3’’’:4’’’、5’’]ピラノ[2’’、3’’:4’、5’]チエノ[2’、3’:4,5]チエノ[3,2-b]ピラン-2,9-ジイル]ビス[メチリジン(5,6-ジフルオロ)]]
PC71BM:[6,6]-フェニル-C71-酪酸メチルエステル
[0140]使用された用語及び表現は、限定ではなく説明の用語として使用され、そのような用語及び表現の使用において、示され説明された特徴又はその一部の均等物を除外する意図はないが、特許請求される発明の範囲内で様々な修正が可能であることが認識される。したがって、本発明は好ましい実施形態及び任意選択の特徴によって具体的に開示されているが、本明細書に開示された概念の修正及び変形は当業者によって使用されてもよく、そのような修正及び変形は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内であると考えられることを理解されたい。

Claims (20)

  1. 基板と、
    前記基板に結合される第1の電極と、
    前記第1の電極に結合されるバッファ層であって、p-フェニレン材料を有するp-フェニレン層を備える、バッファ層と、
    前記第1の電極の上方に配置される第2の電極と、
    前記バッファ層と前記第2の電極との間に配置される1つ以上の光活性層であって、少なくとも1つの電子ドナー材料及び少なくとも1つの電子アクセプタ材料を有する、1つ以上の光活性層と、
    を備える有機光起電装置。
  2. 前記p-フェニレン材料は、p-セプチフェニル材料、p-セキシフェニル材料、p-クオタフェニル材料、又は、p-キンキフェニル材料を含む、請求項1に記載の有機光起電装置。
  3. 前記p-フェニレン材料が以下の式を有し、
    Figure 2022544678000004

    式中、各Xは独立してC-R又はNであり、nは1、2、3、4又は5であり、各Rは独立してH、F、Cl、Br、CH、OCH、Si(CH、NH、OH、SH、CN又はCFである、請求項1に記載の有機光起電装置。
  4. 前記1つ以上の光活性層が単一のヘテロ接合を含む、請求項1に記載の有機光起電装置。
  5. 前記単一のヘテロ接合が平面ヘテロ接合である、請求項4に記載の有機光起電装置。
  6. 前記単一のヘテロ接合がバルクヘテロ接合(BHJ)である、請求項4に記載の有機光起電装置。
  7. 前記1つ以上の光活性層は、第1の電子ドナー材料と第1の電子アクセプタ材料との第1のブレンドを備える第1のバルクヘテロ接合(BHJ)活性層と、第2の電子ドナー材料と第2の電子アクセプタ材料との第2のブレンドを備える第2のBHJ活性層とを含み、前記第2のBHJ活性層が前記第1のBHJ活性層と接触している、請求項1に記載の有機光起電装置。
  8. 1つ以上の第1の光活性層を含む第1のサブセルと、
    前記第1のサブセルと前記第2の電極との間に配置される第2のサブセルであって、1つ以上の第2の光活性層を含む、第2のサブセルと、
    前記第1のサブセルと前記第2のサブセルとの間に配置される電荷再結合ゾーンと、
    を更に備える、請求項1に記載の有機光起電装置。
  9. 前記バッファ層が前記第1の電極と前記第1のサブセルとの間に配置される、請求項8に記載の有機光起電装置。
  10. 前記バッファ層が前記電荷再結合ゾーンと前記第2のサブセルとの間に配置される、請求項8に記載の有機光起電装置。
  11. 前記バッファ層が前記第1の電極と前記第1のサブセルとの間に配置され、前記有機光起電装置は、
    前記電荷再結合ゾーンと前記第2のサブセルとの間に配置される第2のバッファ層を更に備え、前記第2のバッファ層は、第2のp-フェニレン材料を有する第2のp-フェニレン層を備える、請求項8に記載の有機光起電装置。
  12. 前記第2のp-フェニレン材料が前記第1のp-フェニレン材料とは異なる、請求項11に記載の有機光起電装置。
  13. 前記第2のp-フェニレン材料が前記第1のp-フェニレン材料と同じである、請求項11に記載の有機光起電装置。
  14. 前記1つ以上の光活性活性層が熱蒸着によって堆積された、請求項1に記載の有機光起電装置。
  15. 前記1つ以上の光活性活性層が溶液処理によって堆積された、請求項1に記載の有機光起電装置。
  16. 前記有機光起電装置が透明である、請求項1に記載の有機光起電装置。
  17. 前記有機光起電装置は、国際照明委員会(CIE)L*a*b*(CIELAB)色空間において-10~10のガラス反射a*を有する、請求項16に記載の有機光起電装置。
  18. 前記有機光起電装置は、国際照明委員会(CIE)L*a*b*(CIELAB)色空間において-10~10のガラス反射b*を有する、請求項16に記載の有機光起電装置。
  19. 前記有機光起電装置が不透明である、請求項1に記載の有機光起電装置。
  20. 前記第1の電極と前記p-フェニレン層との間に配置される正孔注入層を更に備え、前記正孔注入層は、化学量論組成及び非化学量論組成の両方に対応する、MoO、NiO、CuO、VO、WO、CoO、CrO、Li:NiO、Mg:NiO、Cs:NiO、Cu:CrO、CrCu、LiMgLiO、CuSCN、CuI、BiI、グラフェン、酸化グラフェン、又は、MoSのうちの1つである、請求項1に記載の有機光起電装置。
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