JP2022538898A - 抗癌化合物e7766の治療コンプライアンスを向上させるシステム - Google Patents

抗癌化合物e7766の治療コンプライアンスを向上させるシステム Download PDF

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Abstract

癌に罹患している個人の誤薬を低減し、且つ治療コンプライアンスを高めるシステムが報告される。実施形態では、OATP阻害剤との可能性のある組み合わせでの抗癌療法化合物1(E7766)の投薬に関する薬物間相互作用の情報を提供する。【選択図】なし

Description

発明の詳細な説明
[関連出願の相互参照]
本出願は、2019年7月1日出願の米国仮特許出願第62/869,389号明細書の利益を主張する。その出願は、完全に本明細書に書き直されるがごとく、参照により組み込まれる。
[背景]
薬の開発における新規な化学物質のクリアランスのメカニズム及び薬物動態の理解は、新たな化学物質への患者の安全且つ有効な曝露を確保し、他の薬物との同時投与によって起こり得る臨床的に有害な相互作用を防ぐために重要である。以下に示す、E7766のジアンモニウム塩である化合物1は、癌の治療に使用されると報告されている。例えば、本明細書に参照により組み込まれる、米国特許第10,246,480号明細書を参照されたい。
Figure 2022538898000002
E7766は、(1R,3R,15E,28R,29R,30R,31R,34R,36R,39S,41R)-29,41-ジフルオロ-34,39-ビス(スルファニル)-2,33,35,38,40,42-ヘキサオキサ-4,6,9,11,13,18,20,22,25,27-デカアザ-34λ,39λ-ジホスファオクタシクロ[28.6.4.13,36.128,31.04,8.07,12.019,24.023,27]ドデトラコンタ(dotetraconta)-5,7,9,11,15,19,21,23,25-ノナエン-34,39-ジオンとも呼ばれる。この化学名と上記の構造に矛盾がある場合、上記の示す構造がコントロールする。
[簡単な概要]
臨床試験試料における補助のために、本発明者らは、単独での、及び薬物間相互作用により潜在的に影響を受ける場合の両方で、化合物1のクリアランスを測定するための前臨床モデルを用いた。理論によって束縛されないが、本発明者らの化合物の調査に基づいて、本発明者らは、この化合物が、低LogP(<1)、低透過性(<1×10-6cm/秒)、pKa3~4及びMW>600を有するであろうと結論付けた。これによって、拡張クリアランス分類システム(Extended Clearance Classification System)に従って、化合物1はクラス3Bと分類される。そのクラスの化合物は主に、能動的取込みに続いて、胆汁又は尿での***によって浄化される。
E7766を以下に表す。E7766のジアンモニウム塩である化合物1は、分子量780.7、pKa測定値3.41、LogD測定値1.31、PSA200、溶解度150μmol/L、Papp値0.36×10cm/sを有し、本明細書に参照により組み込まれるVarma,et al.,Pharm Res(2015)32:3785-3802で報告されるスケールを用いて、ECCSクラス3Bである。本明細書において報告される実施例において、化合物1、ジアンモニウム塩が使用された。通常、異なるロットが、異なる研究に使用された。
Figure 2022538898000003
一実施形態では、誤薬を減らし、且つ癌に罹患した個人の治療コンプライアンスを高めるシステムであって、E7766を含む一定量の医薬組成物又薬剤として許容されるその塩
Figure 2022538898000004

を含む、少なくとも1つの容器と、潜在的な薬物間相互作用に関する情報を含む情報の指示を含む、前記容器に添付される少なくとも1つの注意書きであって、薬物間相互作用に関するその情報が、医薬組成物の投与によって、有機アニオン輸送ポリペプチド阻害剤を受けていない個人に対して予想されるよりも、有機アニオン輸送ポリペプチド阻害剤での治療を受ける個人に対する潜在的に異なる作用が引き起こされることを示す情報を含む注意書きと、を備える、システムを提供する。更なる実施形態において、有機アニオン輸送ポリペプチド阻害剤は、OATP1B1、OATP1B3、及びOATP1B1とOATP1B3の組み合わせから選択される有機アニオン輸送ポリペプチドを阻害する。
更なる実施形態において、「OATP」の言及は、OATP1B1及び/又はOATP1B3阻害剤に限定される。
更なる実施形態において、潜在的な薬物間相互作用に関する情報から、有機アニオン輸送ポリペプチド阻害剤及び医薬組成物は同時投与すべきではないと指示される。更なる実施形態において、潜在的な薬物間相互作用に関する情報から、有機アニオン輸送ポリペプチド阻害剤及び医薬組成物の一方又は両方が、いずれかがもう一方なしで投与される場合よりも低い用量及び/又は少ない回数で投与すべきであると指示される。
一部の実施形態において、医薬組成物の投薬量は、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、又は95%低減される。更なる実施形態において、医薬組成物の投薬量は、5~75%低減され;10~50%低減され;又は20~40%低減される。一部の実施形態において、OATP阻害剤の投薬量は、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、又は95%低減される。更なる実施形態において、OATP阻害剤の投薬量は、5~75%低減され;10~50%低減され;又は20~40%低減される。
上記のシステムの更なる実施形態において、有機アニオン輸送ポリペプチド阻害剤は、フィマサルタン、クラリスロマイシン、リファンピン、クロピドグレル、エスリカルバゼピン、CP-778875、イサブコナゾール、イトラコナゾール、オムビタスビル、アスナプレビル、ボセプレビル、ダクラタスビル、ダサブビル、エルバスビル、ファルダプレビル、グレカプレビル、グラゾプレビル、レテルモビル、オムビタスビル、パリタプレビル、ピブレンタスビル、トリメトプリム、リトナビル、シメプレビル、ソホスブビル、テラプレビル、ベルパタスビル、ボクシラプレビル、ロピナビル、ペフィシチニブ、ケルセチン、チプラナビル、メトホルミン、ジルチアゼム、サクビトリル、バルサルタン、フロセミド、ゲムフィブロジル、エルキサドリン(eluxadoline)、シクロスポリン、タクロリムス、エルトロンボパグ、グレープフルーツ果汁、ウルソデオキシコール酸、マリアアザミ(Silybum marianum)、エムトリシタビン、テノフォビル、ベルシルノン(vercirnon)(GSK1605786)、テルミサルタン、没食子酸エピガロカテキン、エゼチミベ、アムロジピン、オベチコール酸、オメガ-3カルボン酸、イデラリシブ、バイカリン、エンパグリフロジン、エルビテグラビル及びコビシスタットからなる群から選択される。
更なる実施形態は、E7766又は薬剤として許容されるその塩での治療に対して選択された患者において、E7766又は薬剤として許容されるその塩の過剰曝露を防ぐ方法であって、前記患者が、OATP1B1又はOATP1B3阻害剤である薬物も投与されない場合に、E7766又は薬剤として許容されるその塩を前記患者に投与することを含む方法を提供する。
更なる実施形態は、E7766又は薬剤として許容されるその塩での治療に対して選択された患者において、E7766又は薬剤として許容されるその塩の過剰曝露を防ぐ方法であって、前記患者が、E7766又は薬剤として許容されるその塩の非存在下で投与されるであろうOATP1B1又はOATP1B3阻害剤の量よりも少ない量で、OATP1B1又はOATP1B3阻害剤である薬物を投与された場合に、E7766又は薬剤として許容されるその塩を前記患者に投与することを含む方法を提供する。
更なる実施形態は、E7766又は薬剤として許容されるその塩での治療に対して選択された患者において、E7766又は薬剤として許容されるその塩の過剰曝露を防ぐ方法であって、OATP1B1又はOATP1B3阻害剤である一定量の薬物が投与されている患者に、E7766又は薬剤として許容されるその塩を投与することを含み、前記患者が、OATP1B1阻害剤又はOATP1B3阻害剤の非存在下で投与されるであろうE7766又は薬剤として許容されるその塩の量よりも少ない量で、E7766又は薬剤として許容されるその塩を前記患者に投与することを含む方法を提供する。
一部の実施形態において、E7766又は薬剤として許容されるその塩が、前記薬物の投与に続いて少なくとも1日後に;前記薬物の投与に続いて少なくとも2日後に;前記薬物の投与に続いて少なくとも3日後に;前記薬物の投与に続いて少なくとも4日後に;前記薬物の投与に続いて少なくとも5日後に;前記薬物の投与に続いて少なくとも6日後に;前記薬物の投与に続いて少なくとも7日後に;前記薬物の投与に続いて少なくとも2週間後に;前記薬物の投与に続いて少なくとも3週間後に;又は前記薬物の投与に続いて少なくとも1ヵ月後に投与される。
本明細書に記載の方法の実施形態において、前記薬物は、フィマサルタン、クラリスロマイシン、リファンピン、クロピドグレル、エスリカルバゼピン、CP-778875、イサブコナゾール、イトラコナゾール、オムビタスビル、アスナプレビル、ボセプレビル、ダクラタスビル、ダサブビル、エルバスビル、ファルダプレビル、グレカプレビル、グラゾプレビル、レテルモビル、オムビタスビル、パリタプレビル、ピブレンタスビル、トリメトプリム、リトナビル、シメプレビル、ソホスブビル、テラプレビル、ベルパタスビル、ボクシラプレビル、ロピナビル、ペフィシチニブ、ケルセチン、チプラナビル、メトホルミン、ジルチアゼム、サクビトリル、バルサルタン、フロセミド、ゲムフィブロジル、エルキサドリン、シクロスポリン、タクロリムス、エルトロンボパグ、グレープフルーツ果汁、ウルソデオキシコール酸、マリアアザミ(Silybum marianum)、エムトリシタビン、テノフォビル、ベルシルノン(GSK1605786)、テルミサルタン、没食子酸エピガロカテキン、エゼチミベ、アムロジピン、オベチコール酸、オメガ-3カルボン酸、イデラリシブ、バイカリン、エンパグリフロジン、エルビテグラビル及びコビシスタットからなる群から選択され得る。
更なる実施形態は、E7766又は薬剤として許容されるその塩での治療に対して選択された患者において、E7766又は薬剤として許容されるその塩の過剰曝露を防ぐ方法であって、前記患者へのE7766又は薬剤として許容されるその塩の曝露をモニターすることと、E7766又は薬剤として許容されるその塩12,800μg未満/患者体重100kgの値に前記曝露を維持する;E7766又は薬剤として許容されるその塩9,600μg未満/患者体重100kgの値に前記曝露を維持する;E7766又は薬剤として許容されるその塩6,400μg未満/患者体重100kgの値に前記曝露を維持する;E7766又は薬剤として許容されるその塩3,200μg未満/患者体重100kgの値に前記曝露を維持する;E7766又は薬剤として許容されるその塩2,400μg未満/患者体重100kgの値に前記曝露を維持する;E7766又は薬剤として許容されるその塩2,000μg未満/患者体重100kgの値に前記曝露を維持する;E7766又は薬剤として許容されるその塩1,750μg未満/患者体重100kgの値に前記曝露を維持する;E7766又は薬剤として許容されるその塩1,600μg未満/患者体重100kgの値に前記曝露を維持する;E7766又は薬剤として許容されるその塩1,200μg未満/患者体重100kgの値に前記曝露を維持する;E7766又は薬剤として許容されるその塩800μg未満/患者体重100kgの値に前記曝露を維持する;E7766又は薬剤として許容されるその塩600μg未満/患者体重100kgの値に前記曝露を維持する;E7766又は薬剤として許容されるその塩300μg未満/患者体重100kgの値に前記曝露を維持する;E7766又は薬剤として許容されるその塩150μg未満/患者体重100kgの値に前記曝露を維持する;E7766又は薬剤として許容されるその塩75μg未満/患者体重100kgの値に前記曝露を維持する;E7766又は薬剤として許容されるその塩50μg未満/患者体重100kgの値に前記曝露を維持する;或いはE7766又は薬剤として許容されるその塩25μg未満/患者体重100kgの値に前記曝露を維持することを含む。一部の実施形態において、このパラグラフに記載のE7766又は薬剤として許容されるその塩への曝露は、OATP1B1阻害剤及び/又はOATP1B3阻害剤が投与された患者において実施される。
一部の方法において、維持工程は、E7766又は薬剤として許容されるその塩の投与量を低減することを含む。これは、例えば上記の値の5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、又は95%低減され得る。
一部の方法において、前記曝露は、前記患者の血液中のE7766又は薬剤として許容されるその塩の存在を定量化することによってモニターされる。一部の方法において、前記曝露は、前記患者の血漿から評価される。
更なる実施形態は、E7766の前記薬剤として許容される塩がE7766のジアンモニウム塩である、本明細書に記載のシステム又は方法を提供する。
更なる実施形態は、E7766又は薬剤として許容されるその塩での治療に対して選択される患者における癌の治療方法であって、前記患者にE7766又は薬剤として許容されるその塩を投与することを含み、前記患者が、有機アニオン輸送ポリペプチド(OATP)阻害剤での治療を受けていない方法を提供する。
更なる実施形態は、E7766又は薬剤として許容されるその塩での治療に選択される患者における癌の治療方法であって、前記患者にE7766又は薬剤として許容されるその塩を投与する工程であって、前記患者が、OATP阻害剤を前に投与されているか、又はOATP阻害剤がまだ投与されている工程と、付随して前記OATP阻害剤の投与を中止又は低減して、関連有害事象を排除する、又は関連有害事象の回数を低減する工程と、を含む方法を提供する。
また更なる実施形態は、E7766又は薬剤として許容されるその塩での治療に対して選択される患者における癌の治療方法であって、前記患者にE7766又は薬剤として許容されるその塩を投与する工程であって、前記患者が、OATP阻害剤を前に投与されているか、又はOATP阻害剤がまだ投与されている工程と、付随して前記E7766又は薬剤として許容されるその塩の投与を中止又は低減して、関連有害事象を排除する、又は関連有害事象の回数を低減する工程と、を含む方法を提供する。
一部の実施形態において、OATP阻害剤は、フィマサルタン、クラリスロマイシン、リファンピン、クロピドグレル、エスリカルバゼピン、CP-778875、イサブコナゾール、イトラコナゾール、オムビタスビル、アスナプレビル、ボセプレビル、ダクラタスビル、ダサブビル、エルバスビル、ファルダプレビル、グレカプレビル、グラゾプレビル、レテルモビル、オムビタスビル、パリタプレビル、ピブレンタスビル、トリメトプリム、リトナビル、シメプレビル、ソホスブビル、テラプレビル、ベルパタスビル、ボクシラプレビル、ロピナビル、ペフィシチニブ、ケルセチン、チプラナビル、メトホルミン、ジルチアゼム、サクビトリル、バルサルタン、フロセミド、ゲムフィブロジル、エルキサドリン、シクロスポリン、タクロリムス、エルトロンボパグ、グレープフルーツ果汁、ウルソデオキシコール酸、マリアアザミ(Silybum marianum)、エムトリシタビン、テノフォビル、ベルシルノン(GSK1605786)、テルミサルタン、没食子酸エピガロカテキン、エゼチミベ、アムロジピン、オベチコール酸、オメガ-3カルボン酸、イデラリシブ、バイカリン、エンパグリフロジン、エルビテグラビル及びコビシスタットからなる群から選択される。
一部の実施形態において、E7766又は薬剤として許容されるその塩は、OATP阻害剤の投与に続いて少なくとも1日後に投与される。一部の実施形態において、E7766又は薬剤として許容されるその塩は、OATP阻害剤の投与に続いて少なくとも2日後に投与される。一部の実施形態において、E7766又は薬剤として許容されるその塩は、OATP阻害剤の投与に続いて少なくとも3日後に投与される。一部の実施形態において、E7766又は薬剤として許容されるその塩は、OATP阻害剤の投与に続いて少なくとも4日後に投与される。一部の実施形態において、E7766又は薬剤として許容されるその塩は、OATP阻害剤の投与に続いて少なくとも5日後に投与される。一部の実施形態において、E7766又は薬剤として許容されるその塩は、OATP阻害剤の投与に続いて少なくとも6日後に投与される。一部の実施形態において、E7766又は薬剤として許容されるその塩は、OATP阻害剤の投与に続いて少なくとも7日後に投与される。一部の実施形態において、E7766又は薬剤として許容されるその塩は、OATP阻害剤の投与に続いて少なくとも2週間後に投与される。一部の実施形態において、E7766又は薬剤として許容されるその塩は、OATP阻害剤の投与に続いて少なくとも3週間後に投与される。一部の実施形態において、E7766又は薬剤として許容されるその塩は、OATP阻害剤の投与に続いて少なくとも1か月後に投与される。一部の実施形態において、その患者はまだOATP阻害剤を投与されている。上記の実施形態において、OATP阻害剤は通常、OATP1B1及び/又はOATP1B3である。
化合物1の生体外での輸送体表現型及び動態学的研究の結果を示す。 化合物1の生体外での輸送体表現型及び動態学的研究の結果を示す。 化合物1の生体外での輸送体表現型及び動態学的研究の結果を示す。 化合物1の生体外での輸送体表現型及び動態学的研究の結果を示す。 リファンピン((7S,9E,11S,12R,13S,14R,15R,16R,17S,18S,19E,21Z)-2,15,17,27,29-ペンタヒドロキシ-11-メトキシ-3,7,12,14,16,18,22-ヘプタメチル-26-{(E)-[(4-メチルピペラジン-1-イル)イミノ]メチル}-6,23-ジオキソ-8,30-ジオキサ-24-アザテトラシクロ[23.3.1.14,7.05,28]トリアコンタ-1(28),2,4,9,19,21,25(29),26-オクタエン-13-イルアセテート)の同時投与あり、及び同時投与なしでの化合物1の生体内(in vivo)PKプロファイル及び***を示す。 リファンピン((7S,9E,11S,12R,13S,14R,15R,16R,17S,18S,19E,21Z)-2,15,17,27,29-ペンタヒドロキシ-11-メトキシ-3,7,12,14,16,18,22-ヘプタメチル-26-{(E)-[(4-メチルピペラジン-1-イル)イミノ]メチル}-6,23-ジオキソ-8,30-ジオキサ-24-アザテトラシクロ[23.3.1.14,7.05,28]トリアコンタ-1(28),2,4,9,19,21,25(29),26-オクタエン-13-イルアセテート)の同時投与あり、及び同時投与なしでの化合物1の生体内(in vivo)PKプロファイル及び***を示す。 リファンピン((7S,9E,11S,12R,13S,14R,15R,16R,17S,18S,19E,21Z)-2,15,17,27,29-ペンタヒドロキシ-11-メトキシ-3,7,12,14,16,18,22-ヘプタメチル-26-{(E)-[(4-メチルピペラジン-1-イル)イミノ]メチル}-6,23-ジオキソ-8,30-ジオキサ-24-アザテトラシクロ[23.3.1.14,7.05,28]トリアコンタ-1(28),2,4,9,19,21,25(29),26-オクタエン-13-イルアセテート)の同時投与あり、及び同時投与なしでの化合物1の生体内(in vivo)PKプロファイル及び***を示す。 OATP1B1/1B3により輸送された分率(fraction)を示す。 リファンピシンの同時投与あり、及び同時投与なしでの化合物1の疑似肝臓及び血漿中濃度を示す。 リファンピシンの同時投与あり、及び同時投与なしでの化合物1の疑似肝臓及び血漿中濃度を示す。 リファンピシンを使用した、時間の経過による相互作用の有無での、化合物1の洞様毛細血管取込みクリアランスの平均値を示す。Simcyp(商標)モデリングで作製されたPBPKモデルを使用して、模擬実験を実施した。 時間の経過によるサンドイッチ培養ヒト肝細胞(SCHH)における化合物1の肝取込みを示す。 曝露して20分後の、SCHHにおける化合物1の胆汁流出を示す。 化合物1の静脈内投与、及び化合物1とリファンピンの当時投与後の、野生型マウスの肝臓における化合物1のAUCを示す。
[実施形態の詳細な説明]
本発明者らは、生体外システム、並びに生体内前臨床種における化合物1の薬物動態及び素因を研究した。胆管カニューレ処置されたラット及びイヌにおける薬物動態学から、化合物1が主に胆汁において未変化で排出され(>80%)、尿中では少ない程度で排出される(<20%)ことが分かった。ヒト肝細胞での取込み研究から、温度に依存する能動的取込みが示され、リファンピンによって阻害できたが、テトラエチルアンモニウムによっては阻害できず、化合物1の***への有機アニオン輸送ポリペプチド(OATP)の関与が示される。ヒトOATP1B1及びOATP1B3を過剰発現するHEK293細胞を用いた更なる研究から、化合物1がOATP1B1及びOATP1B3の基質であることが確認された。
小胞を発現する多剤耐性関連タンパク質2(MRP2)における生体外研究によって、化合物1が、胆汁排出輸送体MRP2の基質であることが実証された。化合物1の薬物動態学も、ヒト化OATP1B1/1B3、Oatp1a/1bノックアウト又は野生型マウスにおいて評価された。野生型マウスにおいて、化合物1の血漿曝露における増加(5.4倍)がリファンピンの存在下にて確認され、化合物1の肝臓曝露は、野生型マウスにおいてリファンピンの存在下又は非存在下にて同等であった。化合物1の血漿中濃度は、ヒト化OATP1B1/1B3マウスにおいてリファンピンの存在下で4.5倍増加した。これらの前臨床結果から、OATP仲介肝取込みが化合物1のクリアランスにおける律速段階であることが予想され、これらの前臨床結果から、臨床におけるOATPの阻害によって、化合物1の全身曝露の有意な上昇が生じることも予想される。
当業者であれば、リン原子(P、P)に結合した置換基が単結合と二重結合の両方を有する場合に、互変異性化を受けやすいことが認識されよう。例えば、その化合物は、平衡状態で互変異性化し得る。一例を以下に示す:
Figure 2022538898000005
かかる互変異性体は、特許請求の範囲内にあるとみなされるべきである。所定の化合物のいずれかの互変異生体の構造表現は同じ化合物を表す。
[処置方法]
一部の実施形態において、E7766又は薬剤として許容される塩は、治療の必要がある患者に投与される。一部の実施形態において、投与される化合物は、NH塩、遊離酸、又は薬剤として許容されるその塩として提供される。一部の実施形態において、その化合物は、NH塩として提供される。E7766がNH塩として提供される場合、化合物は化合物1と呼ばれる。
[投薬量]
癌の治療のための最適な用量は、既知の方法を用いて、各個人に対して経験的に決定することができ、且つ薬剤の活性を含む様々な因子;個人の体重、全身の健康状態、性別、及び食事;時間及び投与経路;及び個人が受ける他の投薬に応じて異なる。最適な投薬量は、当技術分野でよく知られている通常の試験及び手順を用いて確立され得る。上記の化合物の投与は、いずれかの適切な経路によって行われ得る。
本明細書で使用される「薬物間相互作用」とは、2種類以上の薬物が同時投与される場合に起こり得る薬物動態又は薬力学作用を意味する。かかる作用は通常、薬物が単独で投与される場合には生じない(つまり、他の薬物の存在下では生じない)。薬物動態学的薬物間相互作用の非制限的な例としては、例えば、同時投与薬物の一方又は両方の吸収、分布、代謝又は排出の変化が挙げられる。薬力学薬物間相互作用の非制限的な例としては、例えば、タンパク質(又は受容体)結合部位での一方の薬物のもう一方の薬物への干渉(例えば、競合的に又はアロステリックに)、或いは関連する生物学的経路におけるタンパク質(又は受容体)の結合を通じての間接的な干渉が挙げられる。薬物間相互作用の非制限的な例としては、予想される副作用、予想外の副作用、臨床的に有害な事象及び禁忌が挙げられ、そのすべてが、薬物間相互作用に潜在的に関与する薬物の投与の間、管理され得る。
本明細書で使用される「薬剤として許容される塩」とは、本開示の化合物の酸付加塩又は塩基付加塩を意味する。薬剤として許容される塩は、親化合物の活性を保持し、且つそれが投与される対象に対して、投与される状況において過度に有害な若しくは望ましくない作用を及ぼさないいずれかの塩である。薬剤として許容される塩としては、限定されないが、無機及びカルボン酸両方の金属錯体及び塩が挙げられる。薬剤として許容される塩としては、金属塩、例えばアルミニウム、カルシウム、鉄、マグネシウム、マンガン及び錯塩が挙げられる。さらに、薬剤として許容される塩としては、限定されないが、酸性塩、例えば酢酸塩、アスパラギン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アリールスルホン酸塩、アキセチル塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、亜硫酸水素塩、二酒石酸塩、酪酸塩、エデト酸カルシウム、カムシル酸塩、カルボン酸塩、クロロ安息香酸塩、クエン酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストル酸(estolic)塩、エシル、エシル酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、ヘキサミン酸塩、ヘキシルレゾルシノール酸塩、ヒドラバミン酸塩(hydrabamic)、臭化水素酸塩、塩化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、メチル硝酸塩、メチル硫酸塩、ムチン酸塩、ムコン酸塩、ナプシル(napsylic)酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、p-ニトロメタンスルホン酸塩、パモ酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩、一水素リン酸塩、二水素リン酸塩、フタル酸塩、ポリガラクツロン酸塩、プロピオン酸塩、サルチル酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、スルファミン酸塩、スルファニル酸塩、スルホン酸塩、硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクリン(teoclic)酸塩、トルエンスルホン酸塩等が挙げられる。ナトリウム塩及びカリウム塩も調製され得る。
実施形態は、E7766のジアンモニウム塩であり得る。薬剤として許容される塩は、限定されないが、システインなどのアミノ酸から誘導され得る。塩として化合物を製造する方法は、当業者には公知である(例えば、Stahl et al.,Handbook of Pharmaceutical salts:Properties,Selection,and Use,Wiley-VCH;Verlag Helvetica Chimica Acta,Zurich,2002;Berge et al.,J.Pharm.Sci.66:1,1977参照)。
治療薬の「有効量」又は「治療有効量」は、対象又は患者において未処置で残された癌と比較して、観察可能な治療上の利点を提供するのに十分な量である。
本明細書で報告される作用薬は、薬剤として許容される担体と組み合わせて、その医薬製剤を提供することができる。担体及び配合の特定の選択は、組成物が意図される特定の投与経路に応じて異なる。
本明細書で使用される「薬剤として許容される担体」とは、それと共に配合される化合物の薬理活性を破壊しない非毒性担体、補助剤、又は賦形剤を意味する。本発明の組成物において使用され得る、薬剤として許容される担体、補助剤又は賦形剤は、限定されないが、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩又は電解質、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイドシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースベースの物質、ポリエチレングリコール、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレングリコール及び羊毛脂が挙げられる。
本発明の組成物は、非経口、経口、吸入スプレー、局所、直腸、経鼻、口腔、経腟、膀胱内、膀胱内、腫瘍内又は埋込みリザーバー投与等に適している。一部の実施形態において、製剤(formulation)は、天然又は非天然由来の成分を含む。一部の実施形態において、製剤又は担体は、滅菌状態で提供され得る。滅菌担体の非制限的な例としては、内毒素不含の水又は発熱物質不含の水が挙げられる。組成物は、小胞内、膀胱内、又は腫瘍内投与によって投与され得る。
本明細書で使用される「非経口」という用語は、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑液包内、胸骨内、髄腔内、肝臓内、病変内及び頭蓋内注射又は注入技術が挙げられる。特定の実施形態において、化合物は、静脈内、経口、皮下、又は筋肉内投与によって投与される。本発明の組成物の注射可能な滅菌状態は、水性又は油性懸濁液であり得る。これらの懸濁液は、適切な分散剤又は湿潤剤及び懸濁化剤を使用して、当技術分野で公知の技術に従って製剤化され得る。注射可能な滅菌製剤は、非経口的に許容可能な非毒性希釈剤又は溶媒中の注射可能な滅菌溶液又は懸濁液であり得る。使用され得る許容可能な賦形剤及び溶媒は特に、水、リンゲル液及び等張性塩化ナトリウム溶液である。さらに、滅菌固定油が、溶媒又は懸濁媒体として従来から使用されている。
この目的では、合成モノ又はジグリセリドなどのいずれかの無刺激性固定油が使用され得る。薬剤として許容される天然オイル、例えばオリーブ油又はヒマシ油など、特にそのポリオキシエチレン化タイプの脂肪酸及びそのグリセリド誘導体は、注射液の製造に有用である。これらのオイル溶液又は懸濁液は、カルボキシメチルセルロースなどの長鎖アルコール希釈剤若しくは分散剤、又はエマルジョン及び懸濁液など薬剤として許容される剤形の製剤化に通常使用される分散剤も含有し得る。Tween、Spanなどの一般に使用される他の界面活性剤、及び薬剤として許容される固体、液体、又は他の剤形の製造に一般に使用される他の乳化剤もまた、製剤化の目的に使用され得る。
経口投与のために、化合物又は塩は、限定されないが、カプセル、タブレット、水性懸濁液又は溶液などの許容可能な経口剤形で提供され得る。経口使用のためのタブレットの場合には、一般に使用される担体としては、ラクトース及びトウモロコシデンプンが挙げられる。ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤も添加され得る。カプセル剤形での経口投与用には、有用な希釈剤として、ラクトース及び乾燥トウモロコシデンプンが挙げられる。水性懸濁液が経口使用に必要とされる場合、活性成分は、乳化剤及び懸濁化剤と合わせられ得る。所望の場合には、特定の甘味剤、着香剤又は着色剤も添加され得る。さらに、保存剤も添加され得る。薬剤として許容される保存剤の適切な例としては、限定されないが、溶媒などの種々の抗菌剤及び抗真菌剤、例えばエタノール、プロピレングリコール、ベンジルアルコール、クロロブタノール、第4級アンモニウム塩、及びパラベン(メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン等)が挙げられる。
「即時放出」とは、投与の直後に、薬物の放出が開始する従来の放出を含むことを意味する。本明細書で使用される、「即時放出」という用語は、薬物の溶解若しくは吸収を遅延又は延長することを意図せず、胃腸内容物に薬物が溶解することを可能にする剤形を含む。その目的は、投与後に薬物を迅速に放出すること、例えば、溶解試験において溶解開始後およそ30分以内に薬物の少なくとも80%が放出することを可能にすることである。
「徐放性」又は「持効性」とは、溶液などの従来の剤形若しくは即時放出剤形によって付与されない、治療的若しくは利便性目的を達成するように、時間経過及び/又は位置のその薬物放出特性が選択される剤形を包含する。
「定常状態」という用語は、所定の作用薬の血漿レベルが達成されており、それが、最小有効治療レベル以上であるレベルで作用薬のその後の用量で維持され、且つ所定の作用薬の最小毒性血漿レベル未満であることを意味する。
本明細書で使用される「用量範囲」という用語は、指定の薬剤の量の許容可能な変動の上限及び下限を意味する。通常、指定の範囲内のいずれかの量の薬剤の用量を、治療を受けている患者に投与することができる。
「治療(する)」という用語が本明細書において使用され、対象における疾患の少なくとも1つの症状を緩和、低減又は軽減することを意味する。例えば、癌に関して、「治療(する)」とは、開始を阻止する、遅らせること(つまり、疾患の臨床徴候又は疾患の症状の前の期間)、且つ/又は癌の症状を発症若しくは症状が悪化するリスクを低減することを意味し得る。本明細書において「保護(する)」という用語が使用され、対象における癌の症状の発症又は存続又は増悪を適宜、予防する、遅らせる、又は治療する、或いはすべてを意味する。
「対象」又は「患者」という用語は、癌に罹患することができる、又は罹患している動物を包含することが意図される。対象又は患者の例としては、哺乳動物、例えば、ヒト、イヌ、雌ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ネコ、マウス、ウサギ、ラット、及び遺伝子導入非ヒト動物が挙げられる。特定の実施形態において、その対象はヒト、癌に罹患している、癌に罹患するリスクがある、又は癌に罹患する可能性があるヒトである。
本明細書で使用される「注意書き」は、限定されないが、製品ラベル又は製品添付文書などの規制当局承認の医薬品の一部としての文書を含み得る。かかる文書は、例えば、薬物相互作用、臨床薬理、投薬量及び投薬、警告及び注意、禁忌、又は枠で囲まれた警告セクションの1つ又は複数において、患者又は処方する医師への説明書、使用上の注意又は警告を含み得る。
「約」又は「およそ」という用語は通常、所定の値又は範囲の20%以内、より好ましくは10%以内、最も好ましくは5%以内を意味する。その代わりに、特に生体系において、「約」という用語は、好ましくは所定の値の2つのファクター内のおよそlog(つまり、1桁)内を意味する。
「1つ」及び「1種類」及び「その」という用語及び本発明を説明する文脈(特に、以下の特許請求の範囲の文脈)における同様な指示物の使用は、本明細書において別段の指定がない限り、又は文脈に明らかに矛盾しない限り、単数と複数の両方を含むと解釈される。「含む」、「有する」、「包含する」、及び「含有する」という用語は、別段の指定がない限り、制限のない用語(つまり、「限定されないが、~を含む」を意味する)として解釈される。本明細書の値の範囲の記載は単に、本明細書に別段の指定がない限り、その範囲内にあるそれぞれ異なる値を個々に言及する略記法としての役割を果たすことが意図され、それぞれの異なる値は、それが本明細書に個々に記載されるがごとく、本明細書に組み込まれる。
本明細書に開示される1つ又は複数の化合物を使用して治療され得る、例示的な細胞増殖性障害としては、限定されないが、癌又は前癌若しくは前癌性症状、並びに体内の転移性病変組織及び臓器が挙げられる。細胞増殖障害としては、過形成、化生、及び異形成が挙げられる。
本明細書に開示される化合物、又は薬剤として許容されるその塩を使用して、細胞増殖疾患を治療又は予防、或いは一般に母集団に対して癌を発症するリスクが高い対象において癌を治療又は予防する、或いはかかる目的に対して適切な候補を同定することができる。
[医薬製剤及び投与経路]
癌の治療のためのE7766又は薬剤として許容されるその塩を含む医薬製剤が本明細書において提供される。医薬製剤はさらに、担体又は賦形剤、安定剤、着香剤、及び/又は着色剤を含み得る。
E7766又は薬剤として許容されるその塩は、当業者に公知の様々な投与経路を用いて投与され得る。投与経路としては、経口投与、腫瘍内投与、膀胱内投与、及び膀胱内投与が挙げられる。特定の実施形態において、化合物又は薬剤として許容されるその塩を含む医薬製剤は、液体、シロップ、タブレット、カプセル、粉末、スプリンクル(sprinkle)、チュアブル錠、又は溶解可能なディスクの形態で経口にて摂取され得る。代替方法として、本発明の医薬製剤は、静脈内又は経皮投与することができる。その他の投与経路は当業者には公知である(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Gennaro A.R.,Ed.、20th Edition、Mack Publishing Co.,Easton、Pa.参照)。
一部の実施形態において、化合物又は薬剤として許容される塩は、ペースト、ゼリー又は懸濁液として製剤化される。例えば、薬物は、薬物粒子、マイクロカプセル化粒子の形態で、又はゼラチン状溶液又は半固体での薬物-ポリマー粒子の形態で溶解、封入又は懸濁される。経口ゼリー製剤の利点は、タブレット、カプセル剤又は丸剤を飲み込むのが難しい患者に薬物を投与するのが容易であることである。特定の実施形態において、化合物を適切な媒体に完全に混合及び懸濁して、ペースト又はゲルが形成される。更なる薬剤を任意に混合して、経口投与時に香味を付与することができる。ピーナッツバター又はキイチゴで香味づけたアルジネート、及び甘味料は、多くの適切な矯味剤の例である。種々の実施形態において、ペースト又はゼリーは、局所投与に対して当技術分野で公知の適切な結合剤又は賦形剤と配合することもできる。
錠剤、カプセル剤又は丸剤の形態での徐放性製剤を製造する方法は当技術分野で公知である。一部の実施形態において、徐放性製剤は、薬物の活性成分をポリマー、好ましくは水不溶性ポリマーでコーティングすることによって製造される。例えば、徐放性コーティング剤、腸溶コーティング剤、又は胃(gastric)のコーティング剤として製薬分野で使用される水不溶性ポリマーが挙げられる。水不溶性ポリマーとしては、例えば、エチルセルロース、精製セラック、セラック、アミノアルキルメタクリレートコポリマーRS、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、カルボキシメチルエチル-セルロース、酢酸フタル酸セルロース、メタクリル酸コポリマーL、メタクリル酸コポリマーLD、メタクリル酸コポリマーS、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、又はポリビニルアセタールジエチルアミノアセテートが挙げられる。
水不溶性ポリマーのタイプ、分布の程度及び分子量は、水若しくはアルコールにおける活性成分の溶解性、所望の徐放性レベル等に応じて異なり得る。水不溶性ポリマーを単独で、又は組み合わせて使用することができる。水素化オイル、ステアリン酸、又はセタノールをコーティング助剤として、中鎖トリグリセリド、トリアセチン、クエン酸トリエチル、又はセタノールを可塑剤として、さらに組み込むことができる。
一部の実施形態において、徐放性製剤は、マトリックスタイプの錠剤又は顆粒剤である。活性成分は、3種までの異なるタイプのポリマーでコーティングされ得る。これらの3つの異なるタイプのポリマーは:1)エチルセルロースなどの水不溶性ポリマー;2)ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのpH非依存性ゲル化ポリマー;及び3)アルギン酸ナトリウムなどのpH依存性ゲル化ポリマーを含み得る。これら3種の異なるタイプのポリマーを共に使用して、薬物の放出速度を減じることができる。
[腫瘍内投薬及び投与計画]
腫瘍内投与の実施形態において、E7766又は薬剤として許容されるその塩が、それぞれが3週間続く複数のサイクルで患者に投与される。E7766又は薬剤として許容されるその塩は、1、8及び15日目に誘導サイクル(サイクル1)において投与され;その後の各維持サイクル(サイクル2以降)の1日目に投与される。各時点で投与される総用量は、25μg、50μg、75μg、150μg、300μg、600μg、1200μg、又は1750μgであり得る。投与される用量は、以下の投薬量範囲:75~1750μg、75~1200μg、75~600μg、75~300μg、75~150μg、150~1750μg、150~1200μg、150~600μg、150~300μg、300~1750μg、300~1200μg、300~600μg、1200~1750μg、75~200μg、75~150μg、又は100~150μgのうちの1つであり得る。
一実施形態において、E7766又は薬剤として許容されるその塩は、固体又は濃厚溶液として提供され、腫瘍内投与用に、通常の生理食塩水で最終体積1mLに希釈される。
一実施形態において、E7766又は薬剤として許容されるその塩は、乳癌(トリプルネガティブ乳癌(TNBC)など)、結腸癌、結腸直腸癌、神経膠腫、頭頸部扁平上皮癌、肝癌、リンパ腫、黒色腫、前立腺癌、膵臓癌、腎臓の癌、又は他の固形腫瘍の治療のために腫瘍内投与として提供される。
[小胞内又は膀胱内投薬及び投与計画]
小胞内投与の実施形態、又は膀胱内投与の実施形態において、E7766又は薬剤として許容されるその塩は、6週続く誘導サイクル(サイクル1)において患者に最初に投与される。誘導サイクルにおいて、E7766又は薬剤として許容されるその塩は、1、8、15、22、29及び36日目に投与される。その後の維持サイクル(サイクル2以降)を以下の表1に同定されるように開始される。
Figure 2022538898000006
各時点で投与された総用量は、600μg、800μg、1,600μg、2000μg、2,400μg、3,200μg、6,400μg、9600μg、又は12,800μgであり得る。投与された用量は、以下の投薬量範囲:800~12,800μg;800~9,600μg;800~6,400μg;800~3,200μg;800~2,400μg;800~2,000μg;800~1,600μg;1,600~12,800μg;1,600~9,600μg;1,600~6,400μg;1,600~3,200μg;1,600~2,400μg;1,600~2,000μg;2,000~12,800μg;2,000~9,600μg;2,000~6,400μg;2,000~3,200μg;2,000~2,400μg;2,400~12,800μg;2,400~9,600μg;2,400~6,400μg;2,400~3,200;3,200~12,800μg;3,200~9,600μg;3,200~6,400μg;6,400~12,800μg;6,400~9,600μg;又は9,600~12,800μgのうちの1つであり得る。他の実施形態において、E7766又は薬剤として許容されるその塩が、固体又は濃厚溶液として提供され、小胞内投与用に、通常の生理食塩水で最終体積25mLに希釈される。他の実施形態において、E7766又は薬剤として許容されるその塩が、固体又は濃厚溶液として提供され、膀胱内投与用に、通常の生理食塩水で最終体積25mLに希釈される。
一実施形態において、E7766又は薬剤として許容されるその塩は、癌(筋層浸潤性及び非筋層浸潤性膀胱癌(NMIBC、例えばカルメット・ゲラン桿菌(BGC)療法不応性NMIBC)、膀胱の移行上皮癌腫、上皮内癌(CIS)を有する、又は有しないTa若しくはT1乳頭状疾患、及び泌尿器の膀胱新生物)の治療のために小胞内投与として提供される。一実施形態において、E7766又は薬剤として許容されるその塩は、癌(筋層浸潤性及び非筋層浸潤性膀胱癌(NMIBC、例えばカルメット・ゲラン桿菌(BGC)療法不応性NMIBC)、膀胱の移行上皮癌腫、上皮内癌(CIS)を有する、又は有しないTa若しくはT1乳頭状疾患、及び泌尿器の膀胱新生物)の治療のために膀胱内投与として提供される。
[剤形:放出特性]
徐放性製剤は、ある程度の持効性作用を達成することができる。しかしながら、活性成分の曝露及び/又はバイオアベイラビリティは、例えば、吸収窓(absorption window)、製剤化に使用される担体又は賦形剤、製剤の送達の形式、及び/又は患者の胃腸管を通る活性成分の通過時間などの様々な因子に基づいて異なり得る。
療法は、徐放性機能を果たす少なくとも1つの徐放性部分と、即時放出機能を果たす1つの即時放出部分と、を含み得る。特定の実施形態において、療法が単一剤形である場合、それは、徐放性部分を構成する徐放性顆粒と、即時放出部分を構成する即時放出顆粒との混合物から形成される錠剤、徐放性顆粒及び即時放出顆粒でカプセルを充填することによって得られるカプセル製剤、又は即時放出部分を構成する外部層が、徐放性部分を構成する内部コア上に形成される、有核錠の形態をとり得る。しかしながら、上記の実施形態に制限はない。
さらに、組成物における、又は即時放出部分若しくは徐放性部分における薬物の封じ込めの状態に特に制限はない;化合物は、組成物、即時放出部分若しくは徐放性部分において均一に分散され得て、又は組成物、即時放出部分若しくは徐放性部分の1つの部分にのみ含有され得て、又は濃度勾配が存在するように含有され得る。
本発明による組成物における徐放性部分は、薬物放出を制御するために、少なくとも1つの非pH依存性ポリマー物質又はpH依存性ポリマー物質を含有し得る。
本明細書で使用される非pH依存性ポリマー物質は、胃腸管に一般的に見られる、具体的にはpH1~8のpH条件下にてその電荷状態がほとんど変化しないポリマー物質を含み得る。これは、例えばアミノ基などの塩基性官能基又はカルボン酸基などの酸性官能基など、pHに応じてその電荷状態が変化する官能基を持たないポリマーを意味する。本発明による組成物に徐放性機能を付与するために、非pH依存性ポリマー物質が含ませられるが、他の目的のためにも含ませられ得ることに留意のこと。さらに、本発明において使用される非pH依存性ポリマー物質は、水不溶性であり得て、又は水に膨潤若しくは水に溶解して、ゲルを形成し得る。
水不溶性非pH依存性ポリマー物質の例としては、限定されないが、セルロースエーテル、セルロースエステル、及びメタクリル酸-アクリル酸コポリマー(商品名Eudragit,Rohm GmbH&Co.KG,ダルムシュタット(Darmstadt),ドイツ(Germany)製造)が挙げられる。例としては、限定されないが、セルロースアルキルエーテル、例えばエチルセルロース(商品名Ethocel,ダウ・ケミカル社(Dow Chemical Company),米国(USA)製造)、エチルメチルセルロース、エチルプロピルセルロース又はイソプロピルセルロース、及びブチルセルロース、セルロースアラルキルエーテル、例えばベンジルセルロース、セルロースシアノアルキルエーテル、例えばシアノエチルセルロース、セルロース有機酸エステル、例えば酢酸酪酸セルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース又は酪酸セルロース、及びプロピオン酸酢酸セルロース、エチルアクリレート-メチルメタクリレートコポリマー(商品名Eudragit NE,Rohm GmbH&Co.KG,ダルムシュタット,ドイツ製造)、及びアミノアルキルメタクリレートコポリマーRS(商品名Eudragit RL,Eudragit RS)が挙げられる。
本発明で使用される水不溶性ポリマーの平均粒径に対して特に制限はないが、通常、この平均粒径が低いほど、性能が良くなり、平均粒径は好ましくは、0.1~100μm、より好ましくは1~50μm、特に好ましくは3~15μm、最も好ましくは5~15μmである。さらに、水溶性又は水膨潤性非pH依存性ポリマー物質の例としては、限定されないが、ポリエチレンオキシド(商品名Polyox,ダウ・ケミカル社製造,分子量100,000~7,000,000)、低置換ヒドロキシプロピルセルロース(商品名L-HPC,信越化学工業株式会社(Shin-Etsu Chemical),日本(Japan)製造)、ヒドロキシプロピルセルロース(商品名HPC,日本曹達株式会社(Nippon Soda,Co.,Ltd),日本製造)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(商品名Metolose 60SH,65SH、90SH、信越化学工業株式会社(日本)製造)、及びメチルセルロース(商品名Metolose SM,信越化学工業株式会社(日本)製造)が挙げられる。
一部の実施形態において、単一の非pH依存性ポリマー物質が、組成物中に含まれ得て、又は複数の非pH依存性ポリマー物質が含まれ得る。本明細書に記載の実施形態で使用される場合、非pH依存性ポリマー物質は、水不溶性ポリマー物質、より好ましくはエチルセルロース、エチルアクリレート-メチルメタクリレートコポリマー(商品名Eudragit NE)、又はアミノアルキルメタクリレートコポリマーRS(商品名Eudragit RL,Eudragit RS)であり得る。エチルセルロース及びアミノアルキルメタクリレートコポリマーRSのうちの1つが特に好ましい。エチルセルロースが最も好ましい。組成物に含有される非pH依存性ポリマー物質の量に関して特に制限はなく:持効性薬物放出の制御などの目的に従って、この量は適宜、調節され得る。
本明細書に記載の実施形態で使用することができるpH依存性ポリマー物質は、胃腸管に一般的に見られる、具体的にはpH1~8のpH条件下にてその電荷状態が変化するポリマー物質であり得る。これは、例えば、アミノ基などの塩基性官能基又はカルボン酸基などの酸性官能基など、pHに応じてその電荷状態が変化する官能基を有するポリマー物質を意味する。pH依存性ポリマー物質のpH依存性官能基は好ましくは、酸性官能基であり、pH依存性ポリマー物質は最も好ましくは、カルボン酸基を有する。
本発明で使用されるpH依存性ポリマー物質が水不溶性であり得て、又は水に膨潤若しくは溶解して、ゲルを形成し得る。本発明で使用されるpH依存性ポリマー物質の例としては、限定されないが、腸溶性ポリマー物質が挙げられる。腸溶性ポリマー物質の例としては、限定されないが、メタクリル酸-メチルメタクリレートコポリマー(Eudragit L100,Eudragit S100,Rohm GmbH&Co.KG,ダルムシュタット,ドイツ製造)、メタクリル酸-エチルアクリレートコポリマー(Eudragit L100-55、Eudragit L30D-55、Rohm GmbH&Co.KG,ダルムシュタット,ドイツ製造)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HP-55、HP-50,信越化学工業株式会社(日本)製造)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(AQOAT,信越化学工業株式会社(日本)製造)、カルボキシメチルエチルセルロース(CMEC,フロイント産業株式会社(Freund Corporation),日本製造)、及び酢酸フタル酸セルロースが挙げられる。
水に膨潤若しくは溶解してゲルを形成する、pH依存性ポリマー物質としては、限定されないが、アルギン酸、ペクチン、カルボキシビニルポリマー、及びカルボキシメチルセルロースが挙げられる。本発明において、単一のpH依存性ポリマー物質が組成物に含まれ得て、又は複数のpH依存性ポリマー物質が含まれ得る。本発明で使用されるpH依存性ポリマー物質は、好ましくは腸溶性ポリマー物質、より好ましくはメタクリル酸-エチルアクリレートコポリマー、メタクリル酸-メチルメタクリレートコポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、又はヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、特に好ましくはメタクリル酸-エチルアクリレートコポリマーである。
本発明による組成物を製造するプロセスにおいてpH依存性ポリマー物質を使用する場合、粉末タイプ若しくは顆粒タイプ、又はそのpH依存性ポリマー物質が前もって溶媒中に分散されている懸濁液タイプの市販の製品をそのまま使用することができ、或いはかかる市販の製品を水又は有機溶媒に分散して使用することができる。pH依存性ポリマー物質の粒径が低いほど、性能が性良くなり、pH依存性ポリマー物質は好ましくは、粉末タイプである。メタクリル酸-エチルアクリレートコポリマーの場合には、一例はEudragit L100-55である。本発明で使用されるpH依存性ポリマー物質の平均粒径に関して特に制限はないが、平均粒径は、好ましくは0.05~100μm、より好ましくは0.05~70μm、最も好ましくは0.05~50μmである。さらに、例えば腸溶性ポリマー物質の場合には、pH依存性ポリマー物質の量には特に制限はないが、組成物100重量部に対して一般に0.1~90重量部、好ましくは1~70重量部、より好ましくは5~60重量部、特に好ましくは10~50重量部である。
本明細書に記載の実施形態による療法はさらに、希釈剤、滑沢剤、結合剤及び崩壊剤、並びに保存剤、着色剤、甘味料、可塑剤、フィルムコーティング剤等の種々の薬理学的に許容可能な担体のいずれかなど、種々の添加剤のいずれかを必要に応じて含有し得る。希釈剤の例としては、限定されないが、ラクトース、マンニトール、第二リン酸カルシウム、デンプン、α化デンプン、結晶質セルロース、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等が挙げられる。滑沢剤の例としては、限定されないが、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、フマル酸ステアリルナトリウム等が挙げられる。結合剤の例としては、限定されないが、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。崩壊剤の例としては、限定されないが、カルボキシメチルセルロース、カルシウムカルボキシメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、ナトリウムカルボキシメチルデンプン、低置換ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
保存剤の例としては、限定されないが、パラオキシ安息香酸エステル、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸等が挙げられる。着色剤の好ましい例としては、限定されないが、水不溶性レーキ顔料、天然顔料(例えば、βカロチン、クロロフィル、赤色酸化第二鉄)、黄色酸化第二鉄、赤色酸化第二鉄、黒色酸化第二鉄等が挙げられる。甘味料の好ましい例としては、限定されないが、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム、アスパルテーム、ステビア等が挙げられる。可塑剤の例としては、限定されないが、グリセロール脂肪酸エステル、クエン酸トリエチル、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。フィルムコーティング剤の例としては、限定されないが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
[製造方法]
本明細書に記載の実施形態を製造するために、単一の従来の方法、又は従来の方法の組み合わせを使用することができる。例えば、徐放性部分又は即時放出として薬物含有顆粒を製造する場合、顆粒化は主な操作であるが、これは、混合、乾燥、篩い分け、及び分級などの他の操作と組み合わせてもよい。顆粒化法として、例えば、結合剤及び溶媒が粉末に添加され、顆粒化が行われる湿式造粒法、粉末が圧縮され、顆粒化が行われる乾式造粒法、加熱すると融解する結合剤が添加され、加熱及び顆粒化が行われる溶融顆粒化法等を用いることができる。
さらに、顆粒化に従って、遊星形ミキサー、スクリューミキサー等を使用した混合顆粒化法、Henschelミキサー、Superミキサー等を用いた高速混合顆粒化法、円筒形造粒機、回転造粒機、スクリュー押出し造粒機、ペレットミル型造粒機等を用いた押出し顆粒化法、湿式高せん断顆粒化法、流動床顆粒化法、圧縮顆粒化法、粉砕顆粒化法、又は噴霧顆粒化法を用いることができる。顆粒化後に、乾燥機、流動床等を用いた乾燥、クラッキング(cracking)及びふるい分けを行って、使用のための顆粒又は細粒を得ることができる。さらに、本発明による組成物を調製する場合に、顆粒化溶媒が使用され得る。かかる顆粒化溶媒に特に制限はないが、水又は種々の有機溶媒のいずれか、例えば、水、メタノール又はエタノールなどの低級アルコール、アセトン又はメチルエチルケトンなどのケトン、塩化メチレン、又はその混合物であり得る。
実施形態に含まれる徐放性顆粒について、少なくとも1種類の薬物と、非pH依存性ポリマー物質及びpH依存性ポリマー物質の少なくとも1つが共に混合され、希釈剤及び結合剤が必要に応じて添加され、顆粒化が行われて顆粒物質が得られる。得られた顆粒物質を、棚式乾燥機、流動床乾燥機等を用いて乾燥させて、ミル又はオシレーター(oscillator)を用いてふるい分けを行い、徐放性顆粒を得ることができる。その代わりとして、本発明における徐放性顆粒を製造する方法として、少なくとも1つの薬物と、非pH依存性ポリマー物質及びpH依存性ポリマー物質から選択される少なくとも1つと、必要に応じて希釈剤及び結合剤とを添加し、ローラーコンパクターなどの乾燥圧縮機又はスラグ打錠機を用いて、混合すると同時に圧縮成形を行い、次いで適切なサイズへとクラックダウンすることによって顆粒化を行うことが可能である。かかる造粒機を使用して製造された顆粒物質はそのまま、本発明に従って顆粒又は細粒として使用され得て、或いは粉末ミル、回転造粒機、ロータースピードミル等を使用してさらにクラックされ、ふるい分けされて、徐放性顆粒が得られる。即時放出顆粒もまた、徐放性顆粒と同様に製造することができる。
単一の従来の方法、又は従来の方法の組み合わせを使用して、薬物含有徐放性部分又は即時放出部分として、又は本明細書に記載の組成物として、圧縮成形製品を製造することができる。例えば、少なくとも1種類の薬物、非pH依存性ポリマー物質及びpH依存性ポリマー物質から選択される少なくとも1つ、マンニトール又はラクトースなどの希釈剤、ポリビニルピロリドン又は結晶質セルロースなどの結合剤、カルメロースナトリウム又はクロスポビドンなどの崩壊剤、及びステアリン酸マグネシウム又はタルクなどの滑沢剤が使用され、通常の方法を用いて錠剤化が行われ、それによって圧縮成形製品を得ることができる。この場合には、錠剤化は、圧縮成形製品の製造方法における主要な作業であるが、これは、混合、乾燥、糖コーティング形成、及びコーティングなどの他の作業と組み合わせられ得る。
錠剤化方法の例としては、限定されないが、少なくとも1種類の薬物及び薬理学的に許容可能な添加剤が互いに混合され、次いでその混合物が、打錠機を使用して錠剤へと直接、圧縮成形される直接圧縮成形、並びに、本発明による徐放性顆粒若しくは即時放出顆粒が、必要に応じて滑沢剤若しくは崩壊剤を添加した後に圧縮成形にかけられる、乾式顆粒圧縮又は湿式顆粒圧縮が挙げられる。圧縮成形で使用される打錠機には特に制限はなく;例えば、シングルパンチ打錠機、回転式打錠機、又はプレス被覆打錠機を使用することができる。
本明細書における実施形態による薬物含有徐放性顆粒又は即時放出顆粒、又は圧縮成形製品は、組成物として顆粒又は錠剤の形態でそのまま使用することができるが、更なる加工にかけて、組成物を製造することもできる。例えば、圧縮成形製品又は顆粒は、エチルセルロース、カゼイン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メタクリル酸コポリマーL、酢酸フタル酸セルロース、セラック等のフィルムベース材料を使用してフィルムで、又はショ糖、糖アルコール、アラビアゴム粉末、タルク等を含有する糖衣液を使用して糖衣で、提供され得て、このようにフィルムコート錠剤又は糖衣錠剤が製造される。このコーティング技術における1つの溶媒は精製水であり得るが、アルコール、ケトン、エーテル又は塩素化炭化水素、又はその混合物などの有機溶媒も使用することができる。例えば、エタノール、アセトン、塩化メチレンなども有機溶媒として使用することができる。さらに、コーティング装置として、薬の製造に関するコーティング技術で通常使用される装置を使用することができ、その例としては、コーティングがコーティング液などの吹付けによって行われる吹付けコーティング装置、及び層状化(layering)のための回転式流動床造粒機が挙げられる。
カプセル製剤を製造する場合において、自動カプセル充填機を使用して、上記の徐放性顆粒又は即時放出顆粒、又はミニタブレットを、ハードゼラチンカプセル又はHPMCカプセル内に充填することによって、カプセル製剤を製造することができる。代替方法として、チューブからの投与用の製剤、又は摂取される際に水等と混合して使用されるドライシロップ剤の場合には、これらの顆粒を分散させるために、上記の徐放性顆粒又は即時放出顆粒を増粘剤又は分散剤と混合することができ、次いで混合物は顆粒又は錠剤へと製造される。さらに、水、及び分散剤、乳化剤、増粘剤、保存剤、pH調整剤、甘味料、着香剤、芳香等から選択される物質を用いて、液体又はゼリーを製造することができる。しかしながら、他の製造方法に関して、上記に制限はない。
以下により詳細に報告されるように、機構的な生体内(in vivo)及び生体外(in vitro)実験から、1)化合物1の全身クリアランスにおける速度決定工程;2)化合物1の取込み及び胆汁クリアランスに関与する輸送体の相対的な寄与;及び3)ヒトにおけるOATP1B1/1B3に伴う潜在的な薬物間相互作用が決定された。
化合物1の薬物動態及び素因が、胆管カニューレ処置ラット及びイヌ、並びにOATP1B1/1B3ヒト化マウスにおいて生体内で研究された。トランスフェクト細胞系及び小胞を使用して、化合物1の輸送体フェノタイピングを行った。サンドイッチ培養ヒト肝細胞において、化合物1の胆汁中***及び取込みクリアランスも決定した。生理学的薬物動態(PBPK)モデリング及び臨床的薬物間相互作用(DDI)予測に、イン・シリコ(In silico)モデリング、特にsimCYP(商標)も使用された。PBPKモデリングを適用して、診療室においてOATP阻害剤との潜在的な薬物間相互作用を評価した。
本明細書で報告される研究に基づいて、E7766又は薬剤として許容されるその塩、特に化合物1は、OATP阻害剤との潜在的な薬物間相互作用を生じさせ得る。これらのOATP阻害剤はOATP1B1阻害剤及び/又はOATP1B3阻害剤であり得る。OATP阻害剤とE7766又は薬剤として許容されるその塩との同時投与によって、E7766又は薬剤として許容されるその塩の投与、及び/又はOATP阻害剤の投与の投薬量並びに投薬スケジュールを変えることができ、或いは完全に同時投与に対して注意することができる。
E7766又は薬剤として許容されるその塩との潜在的な薬物間相互作用を有し得るOATP阻害剤としては、例えば、限定されないが、フィマサルタン、クラリスロマイシン、リファンピン、クロピドグレル、エスリカルバゼピン、CP-778875、イサブコナゾール、イトラコナゾール、オムビタスビル、アスナプレビル、ボセプレビル、ダクラタスビル、ダサブビル、エルバスビル、ファルダプレビル、グレカプレビル、グラゾプレビル、レテルモビル、オムビタスビル、パリタプレビル、ピブレンタスビル、トリメトプリム、リトナビル、シメプレビル、ソホスブビル、テラプレビル、ベルパタスビル、ボクシラプレビル、ロピナビル、ペフィシチニブ、ケルセチン、チプラナビル、メトホルミン、ジルチアゼム、サクビトリル、バルサルタン、フロセミド、ゲムフィブロジル、エルキサドリン、シクロスポリン、タクロリムス、エルトロンボパグ、グレープフルーツ果汁、ウルソデオキシコール酸、マリアアザミ(Silybum marianum)、エムトリシタビン、テノフォビル、ベルシルノン(GSK1605786)、テルミサルタン、没食子酸エピガロカテキン、エゼチミベ、アムロジピン、オベチコール酸、オメガ-3カルボン酸、イデラリシブ、バイカリン、エンパグリフロジン、エルビテグラビル及びコビシスタットが挙げられる。OATP阻害剤は、一般にKarlgren,et al.,Classification of Inhibitors of Hepatic Organic Anion Transporting Polypeptides(OATPs):Influence of Protein Expression on Drug-Drug Interactions,J Med Chem,2012 May24;55(10):4740-4763に報告されており、参照により本明細書に組み込まれる。
E7766又は薬剤として許容されるその塩と、少なくとも1種類のOATP阻害剤との潜在的な薬物間相互作用についての情報を提供するシステムが開示される。E7766又は薬剤として許容されるその塩又はE7766又は薬剤として許容されるその塩を含む医薬組成物と同時に、この情報を入手可能にすることによって、潜在的薬物間相互作用(可能性のある臨床的有害事象を含む)が管理され得る。管理は、例えば、OATP阻害剤及び/又はE7766又は薬剤として許容されるその塩の投薬量、タイプ、又はスケジュールを変更することによって、或いはE7766又は薬剤として許容されるその塩又はOATP阻害剤のいずれかの投与を中止することによって行われ得る。
一部の実施形態において、潜在的薬物間相互作用の管理は、投与されるOATP阻害剤の量及び/又はOATP阻害剤の投与回数を減らすことによって行われる。一部の実施形態において、潜在的薬物間相互作用の管理は、投与されるE7766又は薬剤として許容されるその塩、若しくはE7766又は薬剤として許容されるその塩を含む医薬組成物の量を減らすことによって、且つ/又はE7766又は薬剤として許容されるその塩若しくはE7766又は薬剤として許容されるその塩を含む医薬組成物の投与回数を減らすことによって行われる。
本明細書に記載の実施形態がより完全に理解されるように、以下の実施例を示す。これらの実施例は単に説明的な目的のためのものであり、制限するものとして解釈すべきではないことは理解されたい。
[実施例]
[方法及び材料]
ラット及びイヌの研究のために滅菌リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中に、且つWT及びヒト化マウスにおける研究のために、0.5%0.1N HCl、5%DMSO、10%EtOH、84.5%生理食塩水中に、化合物1を配合した。リファンピンを0.5%0.1N HCl、5%DMSO、10%EtOH、84.5%生理食塩水中に配合した。ブランク尿及び胆汁、並びに抗凝血物質としてナトリウムヘパリンを含有する血漿をBioreclamationIVT(ウェストベリー(Westbury),ニューヨーク(NY))から購入した。
生物学的マトリックス中の化合物1の分析のための質量分析及びHPLC条件を以下に示す。
Figure 2022538898000007
[実施例1:ラット及びイヌにおける薬物動態]
オスの胆管カニューレ処置ビーグル犬又はSDラット(n=3)に、化合物1の単回静脈内(IV)用量を投与した。投与後48時間までに、血漿、尿及び胆汁試料をイヌから採取し、血液、尿、胆汁及び便試料をラットから採取した。血漿を分離するために遠心分離にかけるまで、血液試料を採取後に湿った氷上に維持した。尿試料を投与後に0~4、4~8、8~24、及び24~48時間間隔にて、湿った氷上の収集チューブ内に採取した。アイスパックによって冷却された収集チューブ内に投与後0~4、4~8、8~24、及び24~48時間間隔にて、胆汁試料を採取した。ラットの便試料を0~24時間間隔にわたり収集した。すべての試料を適切にラベルされたチューブに移し、生物学的分析施設までの未決定の輸送まで-70℃で保管した。LC-MS/MSを用いて、すべての試料を分析し、非コンパートメント分析を用いてPhoenix WinNonlinで化合物1の薬物動態パラメーターを決定した。
表2は、1mg/kg又は0.075mg/kgをそれぞれ静脈内投与した後の、胆管カニューレ処置ラット又はイヌの胆汁、尿、又は便中の排出された投与用量のパーセンテージ(%Ae)を示す。データは平均±SDと示す。NCは未採取を意味する。
Figure 2022538898000008
[実施例2:ノックアウト、ヒト化及び野生型マウスにおける薬物動態]
Oatp1a/1b-ノックアウトバックグラウンドでヒト化された、同齢のOatp1a/1bクラスター-ノックアウト、OATP1B1-若しくはOATP1B3-ノックインマウス、及びオスの野生型FVBマウスを、Taconic Biosciences(ハドソン(Hudson)、ニューヨーク、米国)から購入した。研究の時点でマウスは8~10週齢(22~34g)であった。化合物1を用量0.5mg/kgにて、賦形剤又はリファンピン(30mg/kg)のいずれかと同時投与で投与した。血液及び肝臓試料を0.083、0.25、0.5、1、1.5、3、6時間にて採取した。遠心分離によって、血漿を血液試料から単離した。生物学的分析まで-80℃にてすべての試料を保管した。
化合物1をWT、ヒト化、及びKOマウスに静脈内投与によって投与した。血液、尿、及び便を動物から6時間にわたり採取した。血液スポットを採取し、適切な試料サークル内のFTA(商標)DMPK-BDBSカード(GE Healthcare,Life Sciences,ワットマン(Whatman)(商標))に放出した。リファンピンと同時投与した後の、WT動物における化合物1の薬物動態も評価した。肝臓試料もまた、WT動物から採取し、分析まで凍結させた。LC-MS/MSを使用して、すべての試料を分析し、非コンパートメント分析を用いてPhoenix WinNonlinで、化合物1の薬物動態パラメーターを決定した。
[Oatp1b2ノックアウト及びOATP1Bヒト化マウスにおける化合物1の生体内PK]
図2A~2Cは、異なるマウスモデルにおけるOatp/OATP阻害剤リファンピンの同時投与あり、及びなしの化合物1の生体内PKプロファイル及び***を示す。図2Aは、野生型マウスにおける化合物1のPKプロファイル及びリファンピンとの同時投与を示す。図2Bは、OATP1Bヒト化マウスにおける化合物1のPKプロファイル及びリファンピンとの同時投与を示す。図2Cは、図2A及び図2Bのマウスに関する尿及び便への化合物1の排出を示す。
これらの結果に基づいて、本発明者らは、化合物1とOatp/OATP阻害剤リファンピンの同時投与は、胆汁中***を66~79%減少させると同時に、化合物1の全身曝露(system exposure)を4.5倍増加することに注目した。これは、輸送体仲介取込みは、化合物1のクリアランス及び素因に対して律速であることを示す。
図5に示す更なる概説から、野生型マウスにおけるIV投与後の肝臓における化合物1のAUC(曲線下面積、又はバイオアベイラビリティ)は、リファンピンとの同時投与後に有意に変化しなかったことが分かる。化合物1のKp(肝臓/血漿)値は、リファンピンの存在下にて5分の1に減少した。化合物1のCmaxは、リファンピンの存在下にて約2倍増加した。
[実施例3:サンドイッチ培養ヒト肝細胞アッセイを用いた取込み及び胆汁中***の評価]
ドナー1名、JELから調製されたサンドイッチ培養ヒト肝細胞(SCHH)において、化合物1の肝取込み及び肝胆道素因を評価した。肝取込みの評価のために、化合物1を1、5、及び10分間インキュベートし、溶液を収集し、生物学的分析のプロセスまで-80℃で凍結した。次いで、ウェルを氷冷プラス(+)バッファーで3回洗浄し、生物学的分析のために処理されるまで-80℃で凍結した。B-CLEAR(登録商標)技術を利用して、化合物1の胆汁中***をSCHHにおいて評価した。簡潔には、細胞培地を除去し、肝細胞を温かいプラス(+)又はマイナス(-)バッファーで2回洗浄して、密着結合をそれぞれ維持又は破壊した。その洗浄溶液を除去し、新鮮なプラス(+)バッファー又はマイナス(-)バッファーと交換した。肝細胞を37℃で10分間コンディショニングした。コンディショニング溶液を除去し、化合物1の投与溶液と交換した。20分間インキュベーションした後に、溶液を採取し、生物学的分析のプロセスまで、-80℃で凍結した。次いでウェルを氷冷プラス(+)バッファーで3回洗浄した。生物学的分析のために処理されるまで-80℃でプレートを凍結した。胆汁中***指数(BEI)を以下の等式に従って計算した:
Figure 2022538898000009
4℃でインキュベートした後に、化合物1の肝取込みは顕著に37℃で<7.7%に減少した。これらの結果から、化合物1の肝取込みは主に、能動的取込みメカニズムによって仲介されることが示唆された。化合物1の肝取込みは、曝露して1~5分後に0.3~1μMの用量レベルでおよそ用量比例的であった。しかしながら、この用量比例は濃度10μMで失われ、肝取込みは濃度>1μMで飽和することが示唆される。化合物1の胆汁中***指数(BEI)は、評価される濃度範囲にわたって70.9~86.2%の範囲であり、この化合物の高い胆汁流出が示唆された。結果を図4A及び図4Bに示す。
[実施例4:生体外での肝胆道輸送体フェノタイピング-過剰発現された細胞又は小胞における輸送の評価]
OATP1B1 cDNA若しくはOATP1B3 cDNAを含有するベクター、又は空のベクターで安定にトランスフェクトされたOATP2B1、NTCP、及びHEK293-FT細胞を発現するTransportoCells(商標)(コーニング社(Corning),ニューヨーク,米国)を、37℃及びCO5%の加湿インキュベータ内で10%ウシ胎仔血清及び2mmol/L酪酸ナトリウム(NTCPのみに対して)で強化されたダルベッコ改変イーグル培地中で増殖させた。細胞をコンフルエンス90%で収集し、次いで、輸送体アッセイの24時間前に、ポリ-D-リジン被覆24ウェルにシーディングした。細胞を2回洗浄し、予熱されたクレブス-ヘンゼライト(Krebs-Henseleit)バッファー200μLと共にプレインキュベートした。プレインキュベーション後、阻害剤(OATP2B1にはリファマイシンSV、NTCPにはトログリタゾン、OATP1B1及びOATP1B3にはリファマイシン)100μmol/Lの存在下又は非存在下にて、細胞を化合物1 3μmol/L又は10μmol/Lと共にインキュベートした。輸送反応は、指定の時点でウェルからバッファーを吸引することによって終わらせた。氷冷クレブス-ヘンゼライトバッファー200μLで3回洗浄した後、細胞を溶解し、得られた細胞ライセートをLC-MS/MSで分析した。
OATP1B1及びOATP1B3を介した化合物1の濃度依存的取込みを、直線的取込み下にて濃度範囲0.25~100μmol/Lで行った。すべての実験を3つ組(triplicates)で行った。
肝流出(ABC)輸送体との化合物1の相互作用を研究するために、BCRP、BSEP、MRP2を発現するTransportoCells(商標)膜小胞、及びコントロールベクター小胞を、小胞取込みバッファー(BCRPに対して47mmol/L MOPs-トリス、65mmol/L KCl、7mmol/L MgCl,pH7.4;MRP2に対して、47mmol/L MOPs-トリス、2.5mmol/L GSH、65mmol/L KCl、7mmol/L MgCl,pH7.4;及びBSEPに対して、10mmol/L HEPES-トリス、100mmol/L KNO、12.5mmol/L Mg(NO、及び50mmol/Lショ糖,pH7.4)と共に37℃で10分間プレインキュベートした。阻害剤(BCRPに対して3μmol/L Novobioncin、MRP2に対して100μmol/L MK-571、及びBSEPに対して20μmol/Lケトコナゾール)の存在下又は非存在下にて、予熱された25mmol/L MgATP、3μmol/L化合物1を添加して、輸送を開始した。氷冷の小胞取込みバッファー200μLを添加することによって、指定の時点で輸送を終わらせた。次いで、マルチスクリーンHTS真空マニホールドを使用して、全内容物を迅速に濾過し、続いて5回洗浄し、濾過した。プレートを完全に乾燥させ、次いで96穴レシーバープレート上に置いた。溶離溶液(75%メタノール含有内標準)50μLを各アッセイウェルに添加し、続いて2000rpmで5分間遠心した。この溶解-及び-遠心手順をもう一度繰り返し、化合物の抽出を最大限にした。2回の遠心分離から得られた試料を合わせ、LC-MS/MSによって分析した。すべての実験を3つ組で実施した。
図1A~1Dは、化合物1の生体外肝胆道輸送体フェノタイピング研究の結果を示す。図1(A)は、SLC輸送体発現性HEK293細胞で評価された化合物1の取込みを示し;図1(B)は、ABC輸送体発現性膜小胞で評価された化合物1の取込みを示し;図1(C)は、化合物1のOATP1B1仲介取込みの動態学的プロットフィッティング及びミカエリス-メンテン(Michaelis-menten)パラメーターを示し;図(D)は、化合物1のOATP1B3仲介取込みの動態学的プロットフィッティング及びミカエリス-メンテンパラメーターを示す。図1A~1Dに示す結果から、SLC輸送体OATP1B1及びOATP1B3、及びABC輸送体MRP2が、化合物1の肝取込み及び逐次の胆汁流出を担うことが示唆される。
[実施例5:診療所での化合物1のOATP1B仲介薬物間相互作用を予測するためのPBPKモデリング]
Simcyp(商標)イン・シリコ(in silico)ボトムアップ式PBPKモデリングを用いて、PBPKモデリングを実施した。PBPKモデリングから、化合物1がOATP1Bの阻害剤と同時投与された場合に、全身及び肝曝露の変化が起こり得ることが示唆された。さらに、化合物1の肝胆道クリアランスにおけるOATP1B1の寄与ではなく、OATP1B3の支配的な寄与のために、化合物1の肝胆道クリアランスは、PATP1B1における多型が原因でPK変化を受けそうもない。
図4Aは、肝臓に輸送された化合物1の平均比率(ft%)を示す。図3Bは、時間の経過にしたがったリファンピンとの相互作用あり、及びなしの化合物1の肝臓内濃度の平均値を示す。図3Cは、時間の経過にしたがったリファンピンとの相互作用あり、及びなしの化合物1の血漿中の全身濃度の平均値を示す。図4Dは、時間の経過にしたがったリファンピンとの相互作用あり、及びなしの化合物1の洞様毛細血管取込みクリアランスの平均値を示す。Simcyp(商標)ソフトウェア17.0.0バージョンを使用した。Simcyp(商標)パラメーターを以下の表3に示す。
Figure 2022538898000010
Figure 2022538898000011
[概要]
胆管カニューレ処置ラットにおける薬物動態から、化合物1が主に胆汁中で未変化にて排出され(>80%)、尿中に少量排出された(<20%)ことが示された。サンドイッチ培養ヒト肝細胞を用いた研究によって、温度に依存する能動的取込みに続いて、胆汁ポケット中への排出が示された。更なる生体外研究から、化合物1が、ヒトOATP1B1、OATP1B3、及び流出輸送体MRP2の基質であることが確認された。化合物1の血漿曝露は、ヒト化OATP1B1/1B3マウスにおいてリファンピンの存在下にて4.5倍増加した。フェノタイピング研究から、化合物1の肝胆道クリアランスにおいてOATP1B1と比べてOATP1B3の優勢な寄与が示された。したがって、OATP1B1における多型のための全身曝露の変化は起こりそうにない。PBPKモデリング及びシミュレーションから、OATP1B1/1B3の阻害剤と同時投与した場合に化合物1の全身曝露が潜在的に2倍上昇することが実証された。

Claims (64)

  1. 癌に罹患している個人の誤薬を低減し、且つ治療コンプライアンスを高めるシステムであって、
    E7766又は薬剤として許容されるその塩
    Figure 2022538898000012

    を含む一定量の医薬組成物を含む、少なくとも1つの容器と、
    薬物間相互作用に関する情報を含む情報の指示を含む、前記容器に添付される少なくとも1つの注意書きであって、薬物間相互作用に関する前記情報が、前記医薬組成物の投与によって、有機アニオン輸送ポリペプチド阻害剤での治療を受ける個人に対して薬物間相互作用が生じることを示す情報を含む、少なくとも1つの注意書きと、
    を含むシステム。
  2. 前記有機アニオン輸送ポリペプチド阻害剤が、OATP1B1、OATP1B3、並びにOATP1B1とOATP1B3の組み合わせから選択される有機アニオン輸送ポリペプチドを阻害する、請求項1に記載のシステム。
  3. 薬物間相互作用に関する前記情報から、前記医薬組成物及び前記OATP1B1阻害剤又はOATP1B3阻害剤のうちの1つが、低減された量で投与されるべきであることが示される、請求項1に記載のシステム。
  4. 前記医薬組成物の投薬量が、5~75%低減される、請求項3に記載のシステム。
  5. 前記医薬組成物の投薬量が、10~50%低減される、請求項3に記載のシステム。
  6. 前記医薬組成物の投薬量が、20~40%低減される、請求項3に記載のシステム。
  7. 前記医薬組成物の投薬量が、約30%低減される、請求項3に記載のシステム。
  8. 前記OATP阻害剤の投薬量が、5~75%低減される、請求項3に記載のシステム。
  9. 前記OATP阻害剤の投薬量が、10~50%低減される、請求項3に記載のシステム。
  10. 前記OATP阻害剤の投薬量が、20~40%低減される、請求項3に記載のシステム。
  11. 前記OATP阻害剤の投薬量が、約30%低減される、請求項3に記載のシステム。
  12. 前記有機アニオン輸送ポリペプチド阻害剤が、フィマサルタン、クラリスロマイシン、リファンピン、クロピドグレル、エスリカルバゼピン、CP-778875、イサブコナゾール、イトラコナゾール、オムビタスビル、アスナプレビル、ボセプレビル、ダクラタスビル、ダサブビル、エルバスビル、ファルダプレビル、グレカプレビル、グラゾプレビル、レテルモビル、オムビタスビル、パリタプレビル、ピブレンタスビル、トリメトプリム、リトナビル、シメプレビル、ソホスブビル、テラプレビル、ベルパタスビル、ボクシラプレビル、ロピナビル、ペフィシチニブ、ケルセチン、チプラナビル、メトホルミン、ジルチアゼム、サクビトリル、バルサルタン、フロセミド、ゲムフィブロジル、エルキサドリン、シクロスポリン、タクロリムス、エルトロンボパグ、グレープフルーツ果汁、ウルソデオキシコール酸、マリアアザミ(Silybum marianum)、エムトリシタビン、テノフォビル、ベルシルノン(vercirnon)(GSK1605786)、テルミサルタン、没食子酸エピガロカテキン、エゼチミベ、アムロジピン、オベチコール酸、オメガ-3カルボン酸、イデラリシブ、バイカリン、エンパグリフロジン、エルビテグラビル及びコビシスタットからなる群から選択される、請求項1から11のいずれか一項に記載のシステム。
  13. 薬物間相互作用に関する前記情報が、前記有機アニオン輸送ポリペプチド及び前記医薬組成物を同時投与すべきではないことを示す、請求項1に記載のシステム。
  14. E7766又は薬剤として許容されるその塩での治療に対して選択される患者においてE7766又は薬剤として許容されるその塩の過剰曝露を防ぐ方法であって、前記患者が、OATP1B1又はOATP1B3阻害剤である薬物も投与されていない場合に、前記患者にE7766又は薬剤として許容されるその塩を投与することを含む。方法。
  15. E7766又は薬剤として許容されるその塩での治療に対して選択される患者においてE7766又は薬剤として許容されるその塩の過剰曝露を防ぐ方法であって、前記患者がE7766又は薬剤として許容されるその塩の投与の非存在下にて投与されるであろうOATP1B1又はOATP1B3阻害剤の量よりも少ない、OATP1B1又はOATP1B3阻害剤の量が前記患者に投与されている場合に、前記患者にE7766又は薬剤として許容されるその塩を投与することを含む、方法。
  16. E7766又は薬剤として許容されるその塩での治療に対して選択される患者においてE7766又は薬剤として許容されるその塩の過剰曝露を防ぐ方法であって、OATP1B1又はOATP1B3阻害剤である薬物の一定量を投与されている患者に、E7766又は薬剤として許容されるその塩を投与することを含み、前記患者がOATP1B1阻害剤又はOATP1B3阻害剤の投与の非存在下にて投与されるであろうE7766又は薬剤として許容されるその塩の量よりも少ない、E7766又は薬剤として許容されるその塩の量を前記患者に投与することを含む、方法。
  17. 前記低減が、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、及び95%からなる群から選択されるE7766又は薬剤として許容されるその塩の量の低減を含む、請求項16に記載の方法。
  18. 前記E7766又は薬剤として許容されるその塩が、前記薬物の投与に続いて少なくとも1日後に投与される、請求項16に記載の方法。
  19. 前記E7766又は薬剤として許容されるその塩が、前記薬物の投与に続いて少なくとも2日後に投与される、請求項18に記載の方法。
  20. 前記E7766又は薬剤として許容されるその塩が、前記薬物の投与に続いて少なくとも3日後に投与される、請求項19に記載の方法。
  21. 前記E7766又は薬剤として許容されるその塩が、前記薬物の投与に続いて少なくとも4日後に投与される、請求項20に記載の方法。
  22. 前記E7766又は薬剤として許容されるその塩が、前記薬物の投与に続いて少なくとも5日後又は少なくとも6日後に投与される、請求項21に記載の方法。
  23. 前記E7766又は薬剤として許容されるその塩が、前記薬物の投与に続いて少なくとも7日後に投与される、請求項22に記載の方法。
  24. 前記E7766又は薬剤として許容されるその塩が、前記薬物の投与に続いて少なくとも2週間後に投与される、請求項23に記載の方法。
  25. 前記E7766又は薬剤として許容されるその塩が、前記薬物の投与に続いて少なくとも3週間後に投与される、請求項24に記載の方法。
  26. 前記E7766又は薬剤として許容されるその塩が、前記薬物の投与に続いて少なくとも1か月後に投与される、請求項25に記載の方法。
  27. 前記薬物が、フィマサルタン、クラリスロマイシン、リファンピン、クロピドグレル、エスリカルバゼピン、CP-778875、イサブコナゾール、イトラコナゾール、オムビタスビル、アスナプレビル、ボセプレビル、ダクラタスビル、ダサブビル、エルバスビル、ファルダプレビル、グレカプレビル、グラゾプレビル、レテルモビル、オムビタスビル、パリタプレビル、ピブレンタスビル、トリメトプリム、リトナビル、シメプレビル、ソホスブビル、テラプレビル、ベルパタスビル、ボクシラプレビル、ロピナビル、ペフィシチニブ、ケルセチン、チプラナビル、メトホルミン、ジルチアゼム、サクビトリル、バルサルタン、フロセミド、ゲムフィブロジル、エルキサドリン、シクロスポリン、タクロリムス、エルトロンボパグ、グレープフルーツ果汁、ウルソデオキシコール酸、マリアアザミ(Silybum marianum)、エムトリシタビン、テノフォビル、ベルシルノン(GSK1605786)、テルミサルタン、没食子酸エピガロカテキン、エゼチミベ、アムロジピン、オベチコール酸、オメガ-3カルボン酸、イデラリシブ、バイカリン、エンパグリフロジン、エルビテグラビル及びコビシスタットからなる群から選択される、請求項14から26のいずれか一項に記載の方法。
  28. E7766又は薬剤として許容されるその塩での治療に対して選択される患者においてE7766又は薬剤として許容されるその塩の過剰曝露を防ぐ方法であって、前記患者へのE7766又は薬剤として許容されるその塩の前記曝露をモニターすることと、E7766又は薬剤として許容されるその塩12,800μg未満/100kg患者体重の値に前記曝露を維持することと、を含む方法。
  29. E7766又は薬剤として許容されるその塩での治療に対して選択される患者においてE7766又は薬剤として許容されるその塩の過剰曝露を防ぐ方法であって、前記患者がOATP1B1又はOATP1B3阻害剤を投与されている場合に、前記患者のE7766又は薬剤として許容されるその塩の曝露をモニターすることと、E7766又は薬剤として許容されるその塩12,800μg未満/100kg患者体重の値に前記曝露を維持することと、を含む方法。
  30. E7766又は薬剤として許容されるその塩9,600μg未満/100kg患者体重の値に前記曝露を維持することを含む、請求項28又は29に記載の方法。
  31. E7766又は薬剤として許容されるその塩6,400μg未満/100kg患者体重の値に前記曝露を維持することを含む、請求項30に記載の方法。
  32. E7766又は薬剤として許容されるその塩3,200μg未満/100kg患者体重の値に前記曝露を維持することを含む、請求項31に記載の方法。
  33. E7766又は薬剤として許容されるその塩2,400μg未満/100kg患者体重の値に前記曝露を維持することを含む、請求項32に記載の方法。
  34. E7766又は薬剤として許容されるその塩2,000μg未満/100kg患者体重の値に前記曝露を維持することを含む、請求項33に記載の方法。
  35. E7766又は薬剤として許容されるその塩1,750μg未満/100kg患者体重の値に前記曝露を維持することを含む、請求項34に記載の方法。
  36. E7766又は薬剤として許容されるその塩1,600μg未満/100kg患者体重の値に前記曝露を維持することを含む、請求項35に記載の方法。
  37. E7766又は薬剤として許容されるその塩1,200μg未満/100kg患者体重の値に前記曝露を維持することを含む、請求項36に記載の方法。
  38. E7766又は薬剤として許容されるその塩800μg未満/100kg患者体重の値に前記曝露を維持することを含む、請求項37に記載の方法。
  39. E7766又は薬剤として許容されるその塩600μg未満/100kg患者体重の値に前記曝露を維持することを含む、請求項38に記載の方法。
  40. E7766又は薬剤として許容されるその塩300μg未満/100kg患者体重の値に前記曝露を維持することを含む、請求項39に記載の方法。
  41. E7766又は薬剤として許容されるその塩150μg未満/100kg患者体重の値に前記曝露を維持することを含む、請求項40に記載の方法。
  42. E7766又は薬剤として許容されるその塩75μg未満/100kg患者体重の値に前記曝露を維持することを含む、請求項41に記載の方法。
  43. E7766又は薬剤として許容されるその塩50μg未満/100kg患者体重の値に前記曝露を維持することを含む、請求項42に記載の方法。
  44. E7766又は薬剤として許容されるその塩25μg未満/100kg患者体重の値に前記曝露を維持することを含む、請求項43に記載の方法。
  45. 前記曝露が、前記患者の血液中のE7766又は薬剤として許容されるその塩の存在を定量化することによってモニターされる、請求項28から44のいずれか一項に記載の方法。
  46. 前記維持が、E7766又は薬剤として許容されるその塩の投薬量を低減することを含む、請求項45に記載の方法。
  47. 前記低減が、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、及び95%からなる群から選択される、E7766又は薬剤として許容されるその塩の投薬量の低減を含む、請求項46に記載の方法。
  48. 前記曝露が、前記患者の血漿から評価される、請求項45に記載の方法。
  49. E7766の前記薬剤として許容される塩がE7766のジアンモニウム塩である、請求項1から48のいずれか一項に記載の方法。
  50. E7766又は薬剤として許容されるその塩での治療に対して選択される患者において癌を治療する方法であって、前記患者にE7766又は薬剤として許容されるその塩を投与することを含み、前記患者が、有機アニオン輸送ポリペプチド(OATP)阻害剤での治療を受けていない、方法。
  51. E7766又は薬剤として許容されるその塩での治療に対して選択される患者において癌を治療する方法であって、OATP阻害剤を予め投与されているか、又はOATP阻害剤をまだ投与されている前記患者に、E7766又は薬剤として許容されるその塩を投与することと、付随して、前記OATP阻害剤の投与を中止又は低減して、関連有害事象を排除する、又は関連有害事象の回数を低減することと、を含む方法。
  52. E7766又は薬剤として許容されるその塩での治療に対して選択される患者において癌を治療する方法であって、OATP阻害剤を予め投与されているか、又はOATP阻害剤をまだ投与されている前記患者に、E7766又は薬剤として許容されるその塩を投与することと、付随して、前記E7766又は薬剤として許容されるその塩の投与を中止又は低減して、関連有害事象を排除する、又は関連有害事象の回数を低減することと、を含む方法。
  53. 前記OATPが、フィマサルタン、クラリスロマイシン、リファンピン、クロピドグレル、エスリカルバゼピン、CP-778875、イサブコナゾール、イトラコナゾール、オムビタスビル、アスナプレビル、ボセプレビル、ダクラタスビル、ダサブビル、エルバスビル、ファルダプレビル、グレカプレビル、グラゾプレビル、レテルモビル、オムビタスビル、パリタプレビル、ピブレンタスビル、トリメトプリム、リトナビル、シメプレビル、ソホスブビル、テラプレビル、ベルパタスビル、ボクシラプレビル、ロピナビル、ペフィシチニブ、ケルセチン、チプラナビル、メトホルミン、ジルチアゼム、サクビトリル、バルサルタン、フロセミド、ゲムフィブロジル、エルキサドリン、シクロスポリン、タクロリムス、エルトロンボパグ、グレープフルーツ果汁、ウルソデオキシコール酸、マリアアザミ(Silybum marianum)、エムトリシタビン、テノフォビル、ベルシルノン(GSK1605786)、テルミサルタン、没食子酸エピガロカテキン、エゼチミベ、アムロジピン、オベチコール酸、オメガ-3カルボン酸、イデラリシブ、バイカリン、エンパグリフロジン、エルビテグラビル及びコビシスタットからなる群から選択される、請求項50から52のいずれか一項に記載の方法。
  54. E7766又は薬剤として許容されるその塩が、前記OATP阻害剤の投与に続いて少なくとも1日後に投与される、請求項50から53いずれか一項に記載の方法。
  55. E7766又は薬剤として許容されるその塩が、前記OATP阻害剤の投与に続いて少なくとも2日後に投与される、請求項50から53いずれか一項に記載の方法。
  56. E7766又は薬剤として許容されるその塩が、前記OATP阻害剤の投与に続いて少なくとも3日後に投与される、請求項50から53いずれか一項に記載の方法。
  57. E7766又は薬剤として許容されるその塩が、前記OATP阻害剤の投与に続いて少なくとも4日後に投与される、請求項50から53いずれか一項に記載の方法。
  58. E7766又は薬剤として許容されるその塩が、前記OATP阻害剤の投与に続いて少なくとも5日後に投与される、請求項50から53いずれか一項に記載の方法。
  59. E7766又は薬剤として許容されるその塩が、前記OATP阻害剤の投与に続いて少なくとも6日後に投与される、請求項50から53いずれか一項に記載の方法。
  60. E7766又は薬剤として許容されるその塩が、前記OATP阻害剤の投与に続いて少なくとも7日後に投与される、請求項50から53いずれか一項に記載の方法。
  61. E7766又は薬剤として許容されるその塩が、前記OATP阻害剤の投与に続いて少なくとも2週間後に投与される、請求項50から53いずれか一項に記載の方法。
  62. E7766又は薬剤として許容されるその塩が、前記OATP阻害剤の投与に続いて少なくとも3週間後に投与される、請求項50から53いずれか一項に記載の方法。
  63. E7766又は薬剤として許容されるその塩が、前記OATP阻害剤の投与に続いて少なくとも1か月後に投与される、請求項50から53いずれか一項に記載の方法。
  64. 前記患者がまだ、OATP阻害剤を投与されている、請求項50から53いずれか一項に記載の方法。

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