JP2022536821A - 縫合糸、縫合デバイス及びその応用 - Google Patents

Abstract

本願は縫合糸、縫合デバイス及びその応用を提供し、前記縫合糸は、第１の自由端及び第２の自由端を含む細長い本体と、細長い本体に嵌設された第１のカムアセンブリ及び第２のカムアセンブリであって、いずれも少なくとも１つのカムを含む第１のカムアセンブリ及び第２のカムアセンブリとを含み、前記カムは小端及び大端を含み、前記第１のカムアセンブリのカムの小端の方向は細長い本体の第１の自由端の方向に向き、前記第２のカムアセンブリのカムの小端の方向は細長い本体の第２の自由端の方向に向き、前記カムの小端の断面積はカムの大端の断面積よりも小さく、前記カムの肉厚は小端から大端の方向に沿って次第に減少する。前記縫合糸はカムを縫合糸に安定に固定することができ、縫合糸が組織に穿刺して進入する過程及びカムは組織を噛み合い始める過程において、カムが糸と相対滑り現象を生じることを防止し、これによりカムのズレが発生する及び力受けが不均一であるという問題を回避する。
【選択図】図１

Description

本願は医療機器の分野に属し、縫合糸、縫合デバイス及びその応用に関する。

年齢、環境などの要因により人体の顔の軟組織及び骨容量が萎縮し、靭帯が弛み始め、表在性筋膜群（ＳＭＡＳ：ｓｕｐｅｒｆｉｃｉａｌ ｍｕｓｃｕｌｏａｐｏｎｅｕｒｏｔｉｃ ｓｙｓｔｅｍ）が次第に垂下し、頬部脂肪パッド（ｍａｌａｒ ｆａｔ ｐａｄ）の弛みに重力の作用が加わることで、顔の表面組織に弛緩、弾性減退、しわ増加、溝形成の深化等の表現が現れる。かつ加齢に伴い、体内のホルモンレベルが変化し、コラーゲンの流失や顔の腺体の萎縮などの要因が一同に顔に不良な特性変化、つまり老化を表出させる。

社会の進歩と発展に伴い、人々の美に対する需要、特に顔の若返りに対する需要も次第に増加し、かつ年々増加する傾向にある。現在、顔の若返りの向上と保持は、低侵襲手術によって特製の吸収可能な生物材料で調製された糸を浅層軟部組織に導入し、糸の優れた引き上げ及び力学的な平均分配作用によって弛んだ顔の軟組織を引き上げて元通りにさせる。

顔の異なる部位をターゲットに引き上げを行うことができ、弛んだ皮膚に直接作用する。また、糸を調製する材料は良好な生体相容性を有する生物分解可能、吸収可能な材料であり、一定の時間が経つと、糸は顔の組織によって分解吸収されると同時に、皮下組織のコラーゲンの再生を刺激することができ、新生のサポート靭帯（ｏｒｂｉｃｒｌａｒｉｓ ｒｅｔａｉｎｉｎｇ ｌｉｇａｍｅｎｔ）及び弾性繊維を形成し、これにより顔の皮膚が厚くなり皮膚の老化を予防する。

ＵＳ５４２５７４７及びＵＳ５５８４８５９ではバーブ構造（ｂａｒｂ ｓｔｒｕｃｔｕｒｅ）の医療用縫合糸を提供している。このような「バーブ」構造の縫合糸は、医療美容外科手術に広く応用され、この種類の縫合糸は穿刺して皮下組織に埋め込まれる時に、バーブ開口方向と穿刺方向とが逆で、バーブは組織の圧迫を受けて半分閉じた状態にあり、穿刺が終了した後、縫合糸の主糸が脱落傾向を有する時に、バーブは組織に対して噛み合い作用を有し、かつ複数のバーブが協働し、大きな抵抗を生成して縫合糸の脱落を防止する。

ＵＳ７５８２１０５においては、組織を縫合することを目的とする改良用具を提供し、整形手術の過程で特に有利である。指向性カム式デバイス付きの縫合糸を提供し、当該カム式デバイスは単方向又は双方向の構造に製造され、組織の噛み合い作用を奏し、カム式デバイスを通過する糸の前後に結節をつけ、糸に複数のカム式デバイス及び結節を連続的に配置し、１つの結節、１つのカムを順次配置し、１番目のカムと最後のカムの前後にもう１つの結節を多く打ってカムを限定する。

バーブ構造を含む医療用縫合糸はある程度弛んた皮膚に対して引き上げ作用を奏するが、カム式デバイスを含む縫合糸のカムの組織に対する噛み合い作用はバーブ構造より明らかに優れており、かつカムの皮膚への刺激及び作用時間もバーブ構造より優れている。しかし、縫合糸がカムにおける通孔のみを通過し、前後の結節のみによってカムの前後のスライドを限定するため、縫合糸が穿刺して組織に進入する過程及びカムが組織と噛み合い始める過程において、カムが組織において糸と相対滑り現象を生じることが免れず、かつカムの組織での中心線及び縫合糸にずれが発生する可能性があり、カムの一側が縫合糸に貼り合わさり縫合糸に引っ張られてしまう。同時に一般的なカム構造は縫合の過程において穿刺して組織に入りにくく、噛み合い効果が低くなってしまうため、噛み合い効果のよいカムが求められている。

本願は縫合糸、縫合デバイス及びその応用を提供することを目的とし、前記縫合糸のカムは縫合糸に安定して固定することができ、縫合糸が穿刺して組織に進入する過程及びカムが組織と噛み合い始める過程においてカムが糸と相対滑り現象を生じることを防止し、これによりカムのズレや応力の不均一が生じるという問題を回避し、またカムの構造は熱拡散によって調製することができるため、調製コストが低く、工業での大規模生産での応用を容易にする。縫合デバイスは軟部組織を縫合する際、縫合糸が最終穿刺位置で引き上げられる時に、カムのズレが発生することで引き上げられなかったり、カムの力受けが不均一という問題を回避することができ、より良好な引き上げ美容効果を奏する。

この出願の目的を達成するために、本願は以下の技術案を採用する。

本願の目的の１つは縫合糸を提供することであり、前記縫合糸は、第１の自由端及び第２の自由端を含む細長い本体と、細長い本体に嵌設された第１のカムアセンブリ及び第２のカムアセンブリとを含み、前記第１のカムアセンブリ及び第２のカムアセンブリはいずれも少なくとも１つのカムを含み、前記カムは小端及び大端を含み、前記第１のカムアセンブリのカムの小端の方向は細長い本体の第１の自由端の方向に向き、前記第２のカムアセンブリのカムの小端の方向は細長い本体の第２の自由端の方向に向き、前記カムの小端の断面積はカムの大端の断面積より小さく、前記カムの肉厚は小端から大端の方向に沿って次第に減少する。

本願に係る縫合糸は細長い本体、第１のカムアセンブリ及び第２のカムアセンブリを含み、縫合する時に両方向の縫合を行うことができ、かつ縫合糸が最終穿刺位置で引き上げ作用を奏することができ、これにより良好な美容効果を奏する。また、本願においてカムは同様の材質の管材で熱拡散によって調製し得ることができ、調製方法が簡単で、工業の大規模な生産の応用に適している。

本願に係る小端の断面積はカムの大端の断面積より小さく、カムアセンブリが組織に進入した後、大端は組織に良好な噛み合い効果を奏することができる。本願のカムの大端と小端との間に１つの空間が存在し、肉厚とは当該空間を囲むカム壁の厚さを指し、カムの肉厚は小端から大端の方向に沿って減少し、ここで肉厚が小さい大端は組織を密着して噛み合いやすく、カムが脱落して組織への引き上げ作用に影響を与えることを回避することができる。

本願において、前記カムの最も厚い肉厚は０．１～０．９ｍｍであり、例えば０．１ｍｍ、０．２ｍｍ、０．３ｍｍ、０．４ｍｍ、０．５ｍｍ、０．６ｍｍ、０．７ｍｍ、０．８ｍｍ、０．９ｍｍ等であり、好ましくは０．３ｍｍである。

本願において、前記カムの最も薄い肉厚は０．０５～０．２ｍｍであり、例えば０．０５ｍｍ、０．０８ｍｍ、０．１ｍｍ、０．１２ｍｍ、０．１５ｍｍ、０．１８ｍｍ、０．２ｍｍ等であり、好ましくは０．０９ｍｍである。

本願において、前記カムの形状は中空部分を含むホーン状である。

本願のホーン状は外観が広義のラッパ状の標準に合致し、すなわち小端から大端への断面積が直線又は曲線で次第に増大する構造であることを理解すべきであり、ここで曲線は凹曲線及び凸曲線を含む。

前記カムは一段の直線セグメントを含んでもよく、直線セグメントの両端の断面積は同じであり、円柱体であってもよく、直線セグメントの断面積は前記ホーン状の小端の断面積以下である。直線セグメントは細長い本体と一体に形成されることが好ましく、カムと糸の微小な相対的なスリップを可能な限り低減させる。

前記小端の断面積又は直線セグメントの断面積は小さく、大端の断面積は大きく、細長い本体がカムアセンブリを組織に穿刺するように駆動する時に、単一のカムが組織に入る順序は小端のあとに大端で、組織に入りやすく、かつ組織への損傷を可能な限り低減させ、また組織に対して良好な噛み合い作用を生じることができる。

本願において、前記中空部分の形状は内ホーン状であり、前記内ホーン状の細長い本体の方向に沿った長さはｍであり、前記カムの細長い本体の方向に沿った長さはｓであり、前記ｍは１／４ｓ≦ｍ≦ｓである。

本願において、前記直線セグメントは１つの中空内円柱体（内直線セグメントとも呼ばれる）も含み、内直線セグメントの細長い本体の方向に沿った長さはｌであり、前記カムの細長い本体の方向に沿った長さはｓであり、前記ｌは１／３ｓ≦ｌ≦２／３ｓである。

本願において、ｓの長さは１．５～３ｍｍであり、例えば１．５ｍｍ、１．８ｍｍ、２ｍｍ、２．２ｍｍ、２．５ｍｍ、２．８ｍｍ、３ｍｍ等であり、好ましくは２．５ｍｍであり、つまりｌの長さは０．８～１．６ｍｍであり、例えば０．８ｍｍ、０．９ｍｍ、１．０ｍｍ、１．１ｍｍ、１．２ｍｍ、１．３ｍｍ、１．４ｍｍ、１．５ｍｍ、１．６ｍｍ等である。

本願において、中空部分の形状はホーン状（本願は内ホーン状と呼ばれる）であり、前記中空部分は直線セグメント（本願は内直線セグメントと呼ばれる）をさらに含み、前記内直線セグメントは円柱体形状であり、穿刺が完了した後に細長い本体が内直線セグメントに対して直接的に力を受けることを保証し、細長い本体が大端セグメント及び小端セグメントの円周構造に対して線形的に力を受けることを回避するため、内直線セグメントの長さはｌであり、カムの細長い本体の方向に沿った長さはｓであり、１／３ｓ≦ｌ≦２／３ｓであり、内直線セグメントの長さｌ＜１／３ｓである時に、内直線セグメントの線形的に力を受けることに対する緩和作用は明らかではない。内直線セグメントの長さｌ＞２／３ｓである場合、カムの長さに占める内直線セグメントの比重が高すぎ、カムの組織への噛み合い作用に影響を与える。

本願において、前記中空部分の内ホーン状のホーン角はαであり、ここで２０°≦α≦１２０°である。

本願は中空部分のホーン状開口セグメントのホーン角を制御することによって、中空部分内の直線セグメントの距離を調整し、これにより噛み合い効果をよりよく制御し、ホーン角がα＜２０°である場合、開口セグメントの開口が小さく、大端と小端の直径の差が小さく、組織に植え込んだ後、大端が密着して組織に噛み合うことができず、カムの滑落現象が生じやすく、引き上げ手術の失敗をもたらす。α＞１２０°で、開口部の開口が大きくと、大端の直径が大きすぎ、組織を移植する過程で、受ける抵抗が大きく、組織を傷つけやすい。

本願において、前記第１のカムアセンブリと第２のカムアセンブリは細長い本体の中点の両側に対称的に分布する。

本願において、前記第１のカムアセンブリと第２のカムアセンブリのカムの数は同じである。

本願において、前記第１のカムアセンブリと第２のカムアセンブリにおける隣り合うカムの間の距離は同じである。

本願において、前記第１のカムアセンブリのカムの数は４つである。

本願において、前記第１のカムアセンブリにおける隣り合うカムの間の距離は３～１０ｍｍであり、例えば３ｍｍ、４ｍｍ、５ｍｍ、６ｍｍ、７ｍｍ、８ｍｍ、９ｍｍ、１０ｍｍ等である。

本願において、前記第２のカムアセンブリのカムの数は４つである。

本願において、前記第２のカムアセンブリにおける隣り合うカムの間の距離は３～１０ ｍｍであり、例えば３ｍｍ、４ｍｍ、５ｍｍ、６ｍｍ、７ｍｍ、８ｍｍ、９ｍｍ、１０ｍｍ等である。

本願において、前記カムと細長い本体はヒートシールによって固定され及び／又はストッパによって位置を制限される。

本願において、カムアセンブリと細長い本体はヒートシールによって一体に固定され又はストッパによって位置を制限され、一方で細長い本体とカムアセンブリの安定性を保証することができ、相対滑り現象を生じることを回避し、他方で組織に進入した後、カムの位置が固定されると、細長い本体も固定位置に定位することができ、良好な引き上げ作用を奏する。

本願において、前記細長い本体はモノフィラメント糸である。

本願において、前記細長い本体とカムアセンブリはいずれも分解可能な材料で製造される。

本願において、前記分解可能な材料は分解性合成高分子材料（ｄｅｇｒａｄａｂｌｅ ｓｙｎｔｈｅｔｉｃ ｐｏｌｙｍｅｒ ｍａｔｅｒｉａｌｓ）及び／又は天然分解性高分子材料（ｎａｔｕｒａｌ ｄｅｇｒａｄａｂｌｅ ｐｏｌｙｍｅｒ ｍａｔｅｒｉａｌ）を含む。

本願において、前記分解性合成高分子材料はポリ乳酸、Ｌ－ポリ乳酸、ＤＬ－ポリ乳酸、ポリグリコリド・ポリラクチド共重合体（ｐｏｌｙ（ｌａｃｔｉｄｅ－ｃｏ－ｇｌｙｃｏｌｉｄｅ））、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸バレレート（ｐｏｌｙｈｙｄｒｏｘｙｂｕｔｙｒａｔｅ ｖａｌｅｒａｔｅ）、ポリアセチルグルタミン酸（ｐｏｌｙａｃｅｔｙｌｇｌｕｔａｍｉｃ ａｃｉｄ）、ポリオルトエステル、ポリオキシエチレン／ポリブテン共重合体（ｐｏｌｙｅｔｈｙｌｅｎｅ ｏｘｉｄｅ／ｐｏｌｙｂｕｔｅｎｅ ｃｏｐｏｌｙｍｅｒ）及びポリラクチドコカプロラクトン共重合体のうちのいずれか１種類又は少なくとも２種類の組み合わせを含む。

本願において、前記天然分解性高分子材料はコラーゲン、ゼラチン、キトサン、ヒアルロン酸、アルギン酸ナトリウム及びアガロースのうちのいずれか１種類又は少なくとも２種類の組み合わせを含む。

本願の目的の２は縫合デバイスを提供し、前記縫合デバイスは目的の１に記載された縫合糸及び縫合糸の両端に位置する金属製のニードルを含む。

本願に係る縫合デバイスは組織を縫合する時に、両方向の縫合を行うことができ、縫合が終了した後に引き上げ作用を奏すことができ、これにより良好な美容又は治療の効果を達成する。

本願に係る縫合デバイスは創傷閉鎖、組織の引っ張り、組織支持、吊り下げ及び固定に適用される。

本願の目的の３は目的の２に記載された縫合デバイスの組織の縫合における応用を提供する。

従来の技術に対して、本願は以下の有益な効果を有する。

本願において縫合糸はカムを縫合糸に安定に固定することができ、縫合糸が穿刺して組織に進入する過程及びカムが組織と噛み合い始める過程において、カムが糸と相対滑り現象を生じることを防止し、これによりカムのズレが発生する及び力受けが不均一であるという問題を回避する。またカムの構造は熱拡散によって調製することができるため、調製コストが低く、工業での大規模生産の応用を容易にする。縫合デバイスが軟部組織を縫合する際、縫合糸が最終穿刺位置で引き上げられる時に、カムのズレが発生することによって引き上げられなっかたり、カムの力受けが不均一であるという問題を回避することができる。

実施形態における縫合糸の模式図である。 実施形態におけるカムアセンブリの正面図である。 実施例１におけるカムの正面図である。 図３のＡＡ’面に沿う断面図である。 図４の部分領域の部分拡大図である。 実施例２におけるカムの正面図である。 図６のＢＢ’面に沿う断面図である。 実施例３におけるカムの断面図である。 実施例４におけるカムの断面図である。 ここで、１は細長い本体であり、２は第１の自由端であり、３は第２の自由端であり、４は第１のカムアセンブリであり、５は第２のカムアセンブリであり、６はカムであり、７は小端であり、８は大端であり、９は中空内円柱体であり、１０はカム壁である。

以下に具体的な実施形態によって本願の技術案をさらに説明する。当業者であれば、前記実施例は単に本願を理解することを助けるだけであることを理解すべきであり、本願に対する具体的な制限と見なすべきではない。

本実施形態は縫合糸を提供し、図１及び図２に示すように、前記縫合糸は、第１の自由端２及び第２の自由端３を含む細長い本体１と、細長い本体１に嵌設された、それぞれ少なくとも１つのカム６を含む第１のカムアセンブリ４及び第２のカムアセンブリ５とを含み、図３及び図４を参照して分かるように、カム６は小端７及び大端８を含み、第１のカムアセンブリ４のカムの小端７の方向は細長い本体１の第１の自由端２の方向に向き、第２のカムアセンブリ５のカムの小端７の方向は細長い本体１の第２の自由端３の方向に向き、カム６の小端７の断面積はカム６の大端８の断面積よりも小さい。カム６の肉厚は小端７から大端８への方向に沿って減少する。

本実施形態において細長い本体はモノフィラメント糸であることは好ましい、モノフィラメント糸は小さい直径及び良好な靭性を有し、人体組織の縫合を容易にし、ここでモノフィラメント糸の直径、靭性、層数などの具体的な状況は当業者は実際の需要に応じて調整する。細長い本体、第１のカムアセンブリ及び第２のカムアセンブリはいずれも生物分解可能な材料であり、選択可能な生物分解可能な材料はポリ乳酸、Ｌ－ポリ乳酸、ＤＬ－ポリ乳酸、ポリグリコリド・ポリラクチド共重合体、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸バレレート、ポリアセチルグルタミン酸、ポリオルトエステル、ポリオキシエチレン／ポリブテン共重合体、ポリラクチドコカプロラクトン共重合体、コラーゲン、ゼラチン、キトサン、ヒアルロン酸、アルギン酸ナトリウム及びアガロースのうちのいずれか１種類又は少なくとも２種類の組み合わせを含み、具体的にどのような材料を選択するかについて当業者は実際の必要に応じて調整することができる。本実施形態において縫合糸は縫合が終了した後に人体内部に残り、生物分解可能な材料を選択することで人体内で分解することができ、人体に副作用を与えない。

本実施形態において第１のカムアセンブリ及び第２のカムアセンブリにおけるカムの個数は少なくとも１個であり、好ましくは４個であり、ここでカムの個数について当業者は実際の必要に応じて調整する。第１のカムアセンブリと第２のカムアセンブリにおける隣り合うカムとの間の距離は３～１０ｍｍであり、具体的な設置について当業者は実際の必要に応じて調整することができ、かつ第１のカムアセンブリと第２のカムアセンブリは細長い本体の中点の両側に対称的に分布し、縫合する時に縫合糸が組織内に入った後、組織及びカムが良好な噛み合い効果を達成することを容易にする。

本実施形態において、カムは小端７及び大端８を含み、ここで断面積の小さい一端は小端７と呼ばれ、断面積の大きい一端は大端８と呼ばれ、ここで第１のカムアセンブリ４のカムの小端は細長い本体の第１の自由端２に向き、第２のカムアセンブリ５のカムの小端は細長い本体の第２の自由端３に向き、双方向穿刺を行う過程において、カムアセンブリの小端は細長い本体の自由端に向くことを容易にし、穿刺しやすく、組織に大きな損傷を与えない。カムの小端の断面積は大端の断面積より小さく、ここで小端と大端の断面積について当業者は実際の需要に応じて調整することができる。本願のカムの大端と小端との間に１つの空間が存在し、肉厚とは当該空間を囲むカム壁１０の厚さを指し、ここでカムの小端から大端への方向の肉厚は次第に減少し、カムの最も厚い肉厚は０．１～０．９ｍｍであり、カムの最も薄い肉厚は０．０５～０．２ｍｍであり、カム壁１０の最も厚い厚さと最も薄い厚さを具体的にどのように設けるかについて当業者は実際の需要に応じて調整することができる。

本実施形態において細長い本体１、第１のカムアセンブリ４及び第２のカムアセンブリ５はヒートシールによって一体に固定されるか又は一体式で製造されることができ、カムアセンブリと糸が相対滑りを生じて、これによりカムのずれをもたらし、人体組織とカムとの噛み合い効果に影響を与えることを防止するために用いられる。本実施形態はストッパによって第１のカムアセンブリと第２のカムアセンブリの位置を制限することができ、ストッパは細長い本体で形成された結び目であってもよく、分解可能な位置制限材料であってもよく、ここでストッパの数は少なくともカムの数よりも２個多く、カムをよりよく固定しやすい。ここでストッパの細長い本体の方向に垂直する断面積はカムの小端の孔径よりも大きく、ストッパがカムから通過し、位置制限の効果に影響を与えることを回避する。ストッパは具体的には結び目又は他の分解可能な位置制限材料を選択し、当業者は実際の必要に応じて調整することができる。

実施例１
本実施例において、図３、図４及び図５から分かるように、細長い本体とカムは一体式構造であり、カムの形状は中空部分を含むラッパ状であり、つまりカムは小端７から大端８への方向における断面積が次第に増大し、カム壁１０の小端から大端への肉厚は次第に減少し、小端の肉厚は０．１ｍｍであり、大端の肉厚は０．０５ｍｍであり、本実施例の肉厚とは中空部分を形成するカム壁１０の厚さを指し、中空部分の形状は内ラッパ状であり、内ラッパ状の細長い本体の方向に沿った長さはｍであり、カムの細長い本体の方向に沿った長さはｓであり、ここでｍ＝１／３ｓであり、内ホーン状のホーン角はαであり、ここでαは７５°である。

本実施例において縫合糸が組織に進入して縫合する時に、カムは小端から大端への断面積が次第に増大することから、組織の内部に進入しやすく、かつ組織への損傷を低減させることができ、穿刺が完了した後、糸を引き上げると、カムの大端の肉厚が小さくなり、力の作用で、カムの大端と組織が良好な噛み合い能力を有し、かつ細長い本体とカムが一体式構造であるため、カムが脱落することを回避することができる一方、細長い本体がカム構造に対して線形的力を受けることを回避することができ、これにより良好な美容又は治療効果を達成する。

実施例２
本実施例において、図６及び図７から分かるように、細長い本体とカムは一体式構造であり、カムの形状は中空部分を含むラッパ状であり、つまりカムは小端７から大端８への方向における断面積が次第に増大し、小端７から大端８への肉厚が次第に減少し、小端７の肉厚は０．９ｍｍであり、大端８の肉厚は０．２ｍｍであり、本実施例の肉厚とは中空部分を形成するカム壁１０の厚さを指し、かつ一段の直線セグメントをさらに含み、直線セグメントの形状は円柱体であり、中空部分の形状は内ラッパ状であり、内ラッパ状の細長い本体１の方向に沿った長さはｍであり、カム６の細長い本体１の方向に沿った長さはｓであり、ここでｍ＝２／３ｓであり、内ホーン状のホーン角は４５°である。

本実施例において縫合糸が組織に進入して縫合する時に、カムは小端から大端への断面積が次第に増大するため、組織の内部に入りやすく、かつ組織への損傷を低減させることができ、穿刺が完了した後、糸を引き上げ、カムの大端の肉厚が小さく、力の作用で、カムの大端と組織は良好な噛み合い能力を有し、かつ細長い本体とカムが一体式構造であるため、一方でカムが脱落することを回避することができ、他方で細長い本体がカム構造に対して線形的に力を受けることを回避することができ、これにより良好な美容又は治療の効果を達成する。

実施例３
本実施例において、図８に示すように、カムは中空部分を含むホーン状及び一段の直線セグメントであり、当該直線セグメントは円柱体であり、円柱体の直径は０．７ｍｍであり、直線セグメントとホーン状の小端７の直径及び断面積は等しく、つまりホーン状小端７の直径は０．７ｍｍであり、ホーン状の大端８の直径は１．３ｍｍであり、ホーン状は小端７から大端８への断面積が凹曲線の形式で次第に増大し、ホーン状の肉厚は小端７から大端８の方向に沿って次第に減少し、小端７の肉厚は０．３ｍｍであり、大端８の壁厚は０．０９ｍｍであり、本実施例のカム壁１０とはラッパ状に中空部分を形成する壁及び直線セグメントに中空部分を形成する壁を指し、本実施例の肉厚とは中空部分を形成するカム壁１０の厚さを指す。中空部分は内ホーン状を含み、直線セグメントは１つの中空内円柱体９を含み、内円柱体９の直径は０．４ｍｍであり、直線セグメントの細長い本体１の方向に沿った長さは１．３ｍｍであり、カムの細長い本体１の方向に沿った長さは２．５ｍｍであり、内ホーン状は小端から大端への方向の断面積も凹曲線の方式で次第に増大し、凹曲線の半径は１．７５～１．９２ｍｍであり、内ホーン状の細長い本体の方向に沿った長さは１．２ｍｍであり、内ホーン状の小端の両側凹曲線の接線によって形成されたホーン角はαであり、ここでαは９０°である。

本実施例において縫合糸が組織に進入して縫合する時に、カムは小端から大端への断面積が次第に増大するため、穿刺が完了した後、糸を引き上げると、カムの大端の壁厚が小さく、組織と良好な噛み合い能力を有し、かつホーン状の小端から大端への断面積は凹曲線の形式で次第に増大し、カムと組織との噛み合い能力をさらに増加させることができる。カムの中空部分は一段の内直線セグメントを含み、かつ内直線セグメントの長さｌとカムの細長い本体の方向に沿った長さｓは１／３ｓ≦ｌ≦２／３ｓを満たし、それは穿刺が完了した後に細長い本体が内直線セグメントに対して直接的に力を受けることを保証し、細長い本体が大端セグメントと小端セグメントの円周構造に対して線形的に力を受け、かつ形成されたホーン角が９０°であることを回避することができ、一方で大端7と小端8の直径の差が小さすぎて、カム６の滑落現象を生じることを回避することができ、他方で大端と小端の直径の差が大きすぎて、組織に植え込む過程において、受ける抵抗が大きく、組織を引き上げて破壊する現象が起こることを回避することができる。

実施例４
本実施例において、図９に示すように、カムは中空部分を含むホーン状及び一段の直線セグメントであり、当該直線セグメントは円柱体であり、円柱体の直径は０．７ｍｍであり、直線セグメントの直径及び断面積はそれぞれホーン状の小端７の直径及び断面積と等しく、つまりホーン状小端７の直径は０．７ｍｍであり、ホーン状の大端８の直径は１．３ｍｍであり、ホーン状は小端７から大端８への断面積が凸曲線の形式で次第に増大し、ホーン状の肉厚は小端７から大端８の方向に沿って次第に減少し、小端の肉厚は０．５ｍｍであり、大端の壁厚は０．１ｍｍであり、本実施例のカム壁１０はラッパ状に中空部分を形成する壁及び直線セグメントに中空部分を形成する壁であり、本実施例において、肉厚とは中空部分を形成するカム壁の厚さを指す。中空部分は内ホーン状を含み、直線セグメントも１つの中空内円柱体９を含み、内円柱体の直径は０．４ｍｍであり、直線セグメントの細長い本体の方向に沿った長さは１．０８ｍｍであり、カムの細長い本体の方向に沿った長さは２．５ｍｍであり、内ホーン状は小端から大端への方向の断面積も凸曲線の方式で次第に増大し、凸曲線の半径は３．５～４．５ｍｍであり、内ホーン状の細長い本体の方向に沿った長さは１．４２ｍｍであり、内ホーン状の小端の両側凸曲線の接線によって形成されたホーン角はαであり、ここでαは６０°である。

本実施例において縫合糸が組織に進入して縫合する時に、ラッパ状は小端から大端への断面積が凸曲線の形式で次第に増大し、組織に進入する難しさをさらに低減することができ、これにより組織への損傷をさらに低減させ、穿刺が完了した後、糸を引き上げると、カムの大端の壁厚が小さく、組織と良好な噛み合い能力を有し、カムの中空部分は一段の内直線セグメントを含み、かつ内直線セグメントの長さｌとカムの細長い本体方向に沿った長さｓは１／３ｓ≦ｌ≦２／３ｓを満たし、穿刺が完了した後に細長い本体が内直線セグメントに対して直接的に力を受けることを保証し、細長い本体が大端セグメントと小端セグメントの円周構造に対して線形的に力を受けることを回避し、かつホーン角が６０°であり、一方で大端と小端の直径の差が小さすぎ、カムの滑落現象を生じることを回避することができ、他方で大端と小端の直径の差が大きすぎて、組織に植え込む過程において、受ける抵抗が大きく、組織を引き上げて破壊する現象が起こることを回避することができる。

本実施形態は縫合デバイスをさらに提供し、前記縫合デバイスは上記記載された縫合糸及び縫合糸の両端に位置する金属製のニードルを含む。

本願において、縫合糸の両端に金属製のニードルを設けることにより、縫合する時に両方向の縫合を行うことができ、縫合が完了した後、細長い本体を引き上げることにより、良好な引き上げ効果を得ることができるので、組織縫合に用いられる。

出願人は、上記の記載が本願の具体的な実施形態に過ぎず、、本願の保護範囲はこれに限定されるものではなく、当業者であれば分かるように、本願に開示された技術的な範囲内で本技術領域に属する当業者が容易に想到できる変更又は置換は、いずれも本願の保護範囲及び開示の範囲内にあることを、宣言する。

バーブ構造を含む医療用縫合糸はある程度弛んた皮膚に対して引き上げ作用を奏するが、カム式デバイスを含む縫合糸のカムの組織に対する噛み合い作用はバーブ構造より明らかに優れており、かつカムの皮膚への刺激及び作用時間もバーブ構造より優れている。しかし、前後の結節のみによってカムの前後のスライドを限定するため、縫合糸が穿刺して組織に進入する過程及びカムが組織と噛み合い始める過程において、カムが組織において糸と相対滑り現象を生じることが免れず、かつカムの組織での中心線及び縫合糸にずれが発生する可能性があり、カムの一側が縫合糸に貼り合わさり縫合糸に引っ張られてしまう。同時に一般的なカム構造は縫合の過程において穿刺して組織に入りにくく、噛み合い効果が低くなってしまうため、噛み合い効果のよいカムが求められている。

本願は縫合糸、縫合デバイス及びその応用を提供することを目的とし、前記縫合糸のカムは糸に安定して固定することができ、縫合糸が穿刺して組織に進入する過程及びカムが組織と噛み合い始める過程においてカムが糸と相対滑り現象を生じることを防止し、これによりカムのズレや応力の不均一が生じるという問題を回避し、またカムの構造は熱拡散によって調製することができるため、調製コストが低く、工業での大規模生産での応用を容易にする。縫合デバイスは軟部組織を縫合する際、縫合糸が最終穿刺位置で引き上げられる時に、カムのズレが発生することで引き上げられなかったり、カムの力受けが不均一という問題を回避することができ、より良好な引き上げ美容効果を奏する。

本願において縫合糸のカムは糸に安定に固定することができ、縫合糸が穿刺して組織に進入する過程及びカムが組織と噛み合い始める過程において、カムが糸と相対滑り現象を生じることを防止し、これによりカムのズレが発生する及び力受けが不均一であるという問題を回避する。またカムの構造は熱拡散によって調製することができるため、調製コストが低く、工業での大規模生産の応用を容易にする。縫合デバイスが軟部組織を縫合する際、縫合糸が最終穿刺位置で引き上げられる時に、カムのズレが発生することによって引き上げられなっかたり、カムの力受けが不均一であるという問題を回避することができる。

本実施形態は縫合糸を提供し、図１及び図２に示すように、前記縫合糸は、第１の自由端２及び第２の自由端３を含む細長い本体１と、細長い本体１に嵌設された、それぞれ少なくとも１つのカム６を含む第１のカムアセンブリ４及び第２のカムアセンブリ５とを含み、図３及び図４を参照して分かるように、カム６は小端７及び大端８を含み、第１のカムアセンブリ４のカム６の小端７の方向は細長い本体１の第１の自由端２の方向に向き、第２のカムアセンブリ５のカム６の小端７の方向は細長い本体１の第２の自由端３の方向に向き、カム６の小端７の断面積はカム６の大端８の断面積よりも小さい。カム６の肉厚は小端７から大端８への方向に沿って減少する。

本実施形態において細長い本体１はモノフィラメント糸であることは好ましい、モノフィラメント糸は小さい直径及び良好な靭性を有し、人体組織の縫合を容易にし、ここでモノフィラメント糸の直径、靭性、層数などの具体的な状況は当業者は実際の需要に応じて調整する。細長い本体１、第１のカムアセンブリ４及び第２のカムアセンブリ５はいずれも生物分解可能な材料であり、選択可能な生物分解可能な材料はポリ乳酸、Ｌ－ポリ乳酸、ＤＬ－ポリ乳酸、ポリグリコリド・ポリラクチド共重合体、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸バレレート、ポリアセチルグルタミン酸、ポリオルトエステル、ポリオキシエチレン／ポリブテン共重合体、ポリラクチドコカプロラクトン共重合体、コラーゲン、ゼラチン、キトサン、ヒアルロン酸、アルギン酸ナトリウム及びアガロースのうちのいずれか１種類又は少なくとも２種類の組み合わせを含み、具体的にどのような材料を選択するかについて当業者は実際の必要に応じて調整することができる。本実施形態において縫合糸は縫合が終了した後に人体内部に残り、生物分解可能な材料を選択することで人体内で分解することができ、人体に副作用を与えない。

本実施形態において第１のカムアセンブリ４及び第２のカムアセンブリ５におけるカム６の個数は少なくとも１個であり、好ましくは４個であり、ここでカム６の個数について当業者は実際の必要に応じて調整する。第１のカムアセンブリ４と第２のカムアセンブリ５における隣り合うカム６との間の距離は３～１０ｍｍであり、具体的な設置について当業者は実際の必要に応じて調整することができ、かつ第１のカムアセンブリ４と第２のカムアセンブリ５は細長い本体１の中点の両側に対称的に分布し、縫合する時に縫合糸が組織内に入った後、組織及びカム６が良好な噛み合い効果を達成することを容易にする。

本実施形態において、カム６は小端７及び大端８を含み、ここで断面積の小さい一端は小端７と呼ばれ、断面積の大きい一端は大端８と呼ばれ、ここで第１のカムアセンブリ４のカム６の小端７は細長い本体１の第１の自由端２に向き、第２のカムアセンブリ５のカム６の小端７は細長い本体１の第２の自由端３に向き、双方向穿刺を行う過程において、カムアセンブリの小端７は細長い本体１の自由端に向くことを容易にし、穿刺しやすく、組織に大きな損傷を与えない。カム６の小端７の断面積は大端８の断面積より小さく、ここで小端７と大端８の断面積について当業者は実際の需要に応じて調整することができる。本願のカム６の大端８と小端７との間に１つの空間が存在し、肉厚とは当該空間を囲むカム壁１０の厚さを指し、ここでカム６の小端７から大端８への方向の肉厚は次第に減少し、カム６の最も厚い肉厚は０．１～０．９ｍｍであり、カム６の最も薄い肉厚は０．０５～０．２ｍｍであり、カム壁１０の最も厚い厚さと最も薄い厚さを具体的にどのように設けるかについて当業者は実際の需要に応じて調整することができる。

本実施形態において細長い本体１、第１のカムアセンブリ４及び第２のカムアセンブリ５はヒートシールによって一体に固定されるか又は一体式で製造されることができ、カムアセンブリと糸が相対滑りを生じて、これによりカム６のずれをもたらし、人体組織とカム６との噛み合い効果に影響を与えることを防止するために用いられる。本実施形態はストッパによって第１のカムアセンブリ４と第２のカムアセンブリ５の位置を制限することができ、ストッパは細長い本体１で形成された結び目であってもよく、分解可能な位置制限材料であってもよく、ここでストッパの数は少なくともカム６の数よりも２個多く、カム６をよりよく固定しやすい。ここでストッパの細長い本体１の方向に垂直する断面積はカム６の小端７の孔径よりも大きく、ストッパがカム６から通過し、位置制限の効果に影響を与えることを回避する。ストッパは具体的には結び目又は他の分解可能な位置制限材料を選択し、当業者は実際の必要に応じて調整することができる。

実施例１
本実施例において、図３、図４及び図５から分かるように、細長い本体１とカム６は一体式構造であり、カム６の形状は中空部分を含むラッパ状であり、つまりカム６は小端７から大端８への方向における断面積が次第に増大し、カム壁１０の小端７から大端８への肉厚は次第に減少し、小端７の肉厚は０．１ｍｍであり、大端８の肉厚は０．０５ｍｍであり、本実施例の肉厚とは中空部分を形成するカム壁１０の厚さを指し、中空部分の形状は内ラッパ状であり、内ラッパ状の細長い本体１の方向に沿った長さはｍであり、カム６の細長い本体１の方向に沿った長さはｓであり、ここでｍ＝１／３ｓであり、内ホーン状のホーン角はαであり、ここでαは７５°である。

本実施例において縫合糸が組織に進入して縫合する時に、カム６は小端７から大端８への断面積が次第に増大することから、組織の内部に進入しやすく、かつ組織への損傷を低減させることができ、穿刺が完了した後、糸を引き上げると、カム６の大端８の肉厚が小さくなり、力の作用で、カム６の大端８と組織が良好な噛み合い能力を有し、かつ細長い本体１とカム６が一体式構造であるため、カム６が脱落することを回避することができる一方、細長い本体１がカム６構造に対して線形的力を受けることを回避することができ、これにより良好な美容又は治療効果を達成する。

実施例２
本実施例において、図６及び図７から分かるように、細長い本体１とカム６は一体式構造であり、カム６の形状は中空部分を含むラッパ状であり、つまりカム６は小端７から大端８への方向における断面積が次第に増大し、小端７から大端８への肉厚が次第に減少し、小端７の肉厚は０．９ｍｍであり、大端８の肉厚は０．２ｍｍであり、本実施例の肉厚とは中空部分を形成するカム壁１０の厚さを指し、かつ一段の直線セグメントをさらに含み、直線セグメントの形状は円柱体であり、中空部分の形状は内ラッパ状であり、内ラッパ状の細長い本体１の方向に沿った長さはｍであり、カム６の細長い本体１の方向に沿った長さはｓであり、ここでｍ＝２／３ｓであり、内ホーン状のホーン角は４５°である。

本実施例において縫合糸が組織に進入して縫合する時に、カム６は小端７から大端８への断面積が次第に増大するため、組織の内部に入りやすく、かつ組織への損傷を低減させることができ、穿刺が完了した後、糸を引き上げ、カム６の大端８の肉厚が小さく、力の作用で、カム６の大端８と組織は良好な噛み合い能力を有し、かつ細長い本体１とカム６が一体式構造であるため、一方でカム６が脱落することを回避することができ、他方で細長い本体１がカム６構造に対して線形的に力を受けることを回避することができ、これにより良好な美容又は治療の効果を達成する。

実施例３
本実施例において、図８に示すように、カム６は中空部分を含むホーン状及び一段の直線セグメントであり、当該直線セグメントは円柱体であり、円柱体の直径は０．７ｍｍであり、直線セグメントとホーン状の小端７の直径及び断面積は等しく、つまりホーン状小端７の直径は０．７ｍｍであり、ホーン状の大端８の直径は１．３ｍｍであり、ホーン状は小端７から大端８への断面積が凹曲線の形式で次第に増大し、ホーン状の肉厚は小端７から大端８の方向に沿って次第に減少し、小端７の肉厚は０．３ｍｍであり、大端８の壁厚は０．０９ｍｍであり、本実施例のカム壁１０とはラッパ状に中空部分を形成する壁及び直線セグメントに中空部分を形成する壁を指し、本実施例の肉厚とは中空部分を形成するカム壁１０の厚さを指す。中空部分は内ホーン状を含み、直線セグメントは１つの中空内円柱体９を含み、内円柱体９の直径は０．４ｍｍであり、直線セグメントの細長い本体１の方向に沿った長さは１．３ｍｍであり、カム６の細長い本体１の方向に沿った長さは２．５ｍｍであり、内ホーン状は小端７から大端８への方向の断面積も凹曲線の方式で次第に増大し、凹曲線の半径は１．７５～１．９２ｍｍであり、内ホーン状の細長い本体１の方向に沿った長さは１．２ｍｍであり、内ホーン状の小端７の両側凹曲線の接線によって形成されたホーン角はαであり、ここでαは９０°である。

本実施例において縫合糸が組織に進入して縫合する時に、カム６は小端７から大端８への断面積が次第に増大するため組織に進入しやすく且つ組織に対する損害を低下すること ができる。穿刺が完了した後、糸を引き上げると、カム６の大端８の壁厚が小さく、組織と良好な噛み合い能力を有し、かつホーン状の小端７から大端８への断面積は凹曲線の形式で次第に増大し、カム６と組織との噛み合い能力をさらに増加させることができる。カム６の中空部分は一段の内直線セグメントを含み、かつ内直線セグメントの長さｌとカム６の細長い本体１の方向に沿った長さｓは１／３ｓ≦ｌ≦２／３ｓを満たし、それは穿刺が完了した後に細長い本体１が内直線セグメントに対して直接的に力を受けることを保証し、細長い本体１が大端セグメントと小端セグメントの円周構造に対して線形的に力を受け、かつ形成されたホーン角が９０°であることを回避することができ、一方で大端８と小端７の直径の差が小さすぎて、カム６の滑落現象を生じることを回避することができ、他方で大端８と小端７の直径の差が大きすぎて、組織に植え込む過程において、受ける抵抗が大きく、組織を引き上げて破壊する現象が起こることを回避することができる。

実施例４
本実施例において、図９に示すように、カム６は中空部分を含むホーン状及び一段の直線セグメントであり、当該直線セグメントは円柱体であり、円柱体の直径は０．７ｍｍであり、直線セグメントの直径及び断面積はそれぞれホーン状の小端７の直径及び断面積と等しく、つまりホーン状小端７の直径は０．７ｍｍであり、ホーン状の大端８の直径は１．３ｍｍであり、ホーン状は小端７から大端８への断面積が凸曲線の形式で次第に増大し、ホーン状の肉厚は小端７から大端８の方向に沿って次第に減少し、小端７の肉厚は０．５ｍｍであり、大端８の壁厚は０．１ｍｍであり、本実施例のカム壁１０はラッパ状に中空部分を形成する壁及び直線セグメントに中空部分を形成する壁であり、本実施例において、肉厚とは中空部分を形成するカム壁１０の厚さを指す。中空部分は内ホーン状を含み、直線セグメントも１つの中空内円柱体９を含み、内円柱体の直径は０．４ｍｍであり、直線セグメントの細長い本体１の方向に沿った長さは１．０８ｍｍであり、カム６の細長い本体１の方向に沿った長さは２．５ｍｍであり、内ホーン状は小端７から大端８への方向の断面積も凸曲線の方式で次第に増大し、凸曲線の半径は３．５～４．５ｍｍであり、内ホーン状の細長い本体１の方向に沿った長さは１．４２ｍｍであり、内ホーン状の小端７の両側凸曲線の接線によって形成されたホーン角はαであり、ここでαは６０°である。

本実施例において縫合糸が組織に進入して縫合する時に、ラッパ状は小端７から大端８への断面積が凸曲線の形式で次第に増大し、組織に進入する難しさをさらに低減することができ、これにより組織への損傷をさらに低減させ、穿刺が完了した後、糸を引き上げると、カム６の大端８の壁厚が小さく、組織と良好な噛み合い能力を有し、カム６の中空部分は一段の内直線セグメントを含み、かつ内直線セグメントの長さｌとカム６の細長い本体１方向に沿った長さｓは１／３ｓ≦ｌ≦２／３ｓを満たし、穿刺が完了した後に細長い本体１が内直線セグメントに対して直接的に力を受けることを保証し、細長い本体１が大端セグメントと小端セグメントの円周構造に対して線形的に力を受けることを回避し、かつホーン角が６０°であり、一方で大端８と小端７の直径の差が小さすぎ、カム６の滑落現象を生じることを回避することができ、他方で大端８と小端７の直径の差が大きすぎて、組織に植え込む過程において、受ける抵抗が大きく、組織を引き上げて破壊する現象が起こることを回避することができる。

本願において、縫合糸の両端に金属製のニードルを設けることにより、縫合する時に両方向の縫合を行うことができ、縫合が完了した後、細長い本体１を引き上げることにより、良好な引き上げ効果を得ることができる。

Claims (15)

1. 第１の自由端（２）及び第２の自由端（３）を含む細長い本体（１）と、
   細長い本体（１）に嵌設された第１のカムアセンブリ（４）及び第２のカムアセンブリ（５）であって、それぞれ少なくとも１つのカム（６）を含む第１のカムアセンブリ（４）及び第２のカムアセンブリ（５）とを含み、
   前記カム（６）は小端（７）及び大端（８）を含み、前記第１のカムアセンブリ（４）のカムの小端（７）の方向は細長い本体（１）の第１の自由端（２）の方向に向き、前記第２のカムアセンブリ（５）のカムの小端（７）の方向は細長い本体（１）の第２の自由端（３）の方向に向き、前記カム（６）の小端（７）の断面積はカム（６）の大端（８）の断面積よりも小さく、前記カム（６）の肉厚は小端（７）から大端（８）への方向に沿って減少する、
   縫合糸。
2. 前記カム（６）の最も厚い肉厚は０．１～０．９ｍｍであり、好ましくは０．３ｍｍである、
   請求項１に記載の縫合糸。
3. 前記カム（６）の最も薄い肉厚は０．０５～０．２ｍｍであり、好ましくは０．０９ｍｍである、
   請求項１又は２に記載の縫合糸。
4. 前記カム（６）の形状は中空部分を含むホーン状である、
   請求項１～３のいずれか１項に記載の縫合糸。
5. 前記カム（６）は直線セグメントをさらに含み、
   請求項４に記載の縫合糸。
6. 前記中空部分の形状は内ホーン状であり、前記内ホーン状の細長い本体（１）の方向に沿った長さはｍであり、前記カム（６）の細長い本体（１）の方向に沿った長さはｓであり、前記ｍは１／４ｓ≦ｍ≦ｓであり、好ましくは、前記中空部分は内直線セグメントをさらに含み、前記内直線セグメントの細長い本体（１）の方向に沿った長さはｌであり、前記カム（６）の細長い本体（１）の方向に沿った長さはｓであり、前記ｌは１／３ｓ≦ｌ≦２／３ｓであり、
   好ましくは、前記内ラッパ状のラッパ角はαであり、２０°≦α≦１２０°である、
   請求項５に記載の縫合糸。
7. 前記第１のカムアセンブリ（４）と第２のカムアセンブリ（５）は細長い本体（１）の中点の両側に対称的に分布する、
   請求項１～６のいずれか１項に記載の縫合糸。
8. 前記第１のカムアセンブリ（４）と第２のカムアセンブリ（５）のカムの数は同じである、
   好ましくは、前記第１のカムアセンブリ（４）と第２のカムアセンブリ（５）における隣り合うカム（６）の間の距離は同じである、
   請求項１～７のいずれか１項に記載の縫合糸。
9. 前記第１のカムアセンブリ（４）のカム（６）の数は４つであり、
   好ましくは、前記第１のカムアセンブリ（４）における隣り合うカム（６）の間の距離は３～１０ｍｍであり、
   好ましくは、前記第２のカムアセンブリ（５）のカム（６）の数は４つであり、
   好ましくは、前記第２のカムアセンブリ（５）における隣り合うカム（６）の間の距離は３～１０ｍｍであり、
   請求項１～８のいずれか１項に記載の縫合糸。
10. 前記カム（６）と細長い本体（１）はヒートシールによって固定され及び／又はストッパによって位置を制限される、
    請求項１～９のいずれか１項に記載の縫合糸。
11. 前記細長い本体（１）はモノフィラメント糸である、
    請求項１～１０のいずれか１項に記載の縫合糸。
12. 前記細長い本体（１）及びカムアセンブリ（２）はいずれも分解可能な材料で製造される、
    請求項１～１１のいずれか１項に記載の縫合糸。
13. 前記分解可能な材料は分解性合成高分子材料及び／又は天然分解性高分子材料を含む、
    好ましくは、前記分解性合成高分子材料はポリ乳酸、Ｌ－ポリ乳酸、ＤＬ－ポリ乳酸、ポリグリコリド・ポリラクチド共重合体、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸バレレート、ポリアセチルグルタミン酸、ポリオルトエステル、ポリオキシエチレン／ポリブテン共重合体及びポリラクチドコカプロラクトン共重合体のうちのいずれか１種類又は少なくとも２種類の組み合わせを含み、
    好ましくは、前記天然分解性高分子材料はコラーゲン、ゼラチン、キトサン、ヒアルロン酸、アルギン酸ナトリウム及びアガロースのうちのいずれか１種類又は少なくとも２種類の組み合わせを含む。
    請求項１～１２のいずれか１項に記載の縫合糸。
14. 請求項１～１３のいずれか１項に記載の縫合糸及び縫合糸の両端に位置する金属製のニードルを含む、
    縫合デバイス。
15. 請求項１４に記載の縫合デバイスの組織の縫合における応用。

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