JP2022536168A - 新規アルギナーゼ阻害剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は式(I)の新規のアルギナーゼ阻害剤に関する。これらの新規化合物は、アルギナーゼ活性に関連する疾患、例えば、喘息、アレルギー性鼻炎およびCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の処置に有用である。【化1】JPEG2022536168000079.jpg52170【選択図】なし

Description

本発明は新規アルギナーゼ阻害剤に関する。これら新規の化合物は、アルギナーゼ活性に関連する疾患、例えば、喘息、アレルギー性鼻炎およびCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の処置に有用である。
アルギナーゼはマンガン含有酵素である。この酵素により触媒される反応は、アルギニン+HO→オルニチン+ウレアである。アルギナーゼは、身体が有害なアンモニアを廃棄する間の哺乳動物における一連の生化学的反応であるウレアサイクルにおいて、5番目のステップおよび最終ステップを触媒する。
大部分の哺乳動物において、この酵素の2種のアイソザイムが存在する;第1のアルギナーゼIはウレアサイクルにおいて機能し、主に肝細胞(肝臓細胞)の細胞形質内に位置する。第2のアイソザイム、アルギナーゼIIは、細胞内のアルギニン/オルニチンレベルの調節に関わっている。アルギナーゼIIは、体内のいくつかの組織のミトコンドリア内に位置し、最も存在量が多いのが腎臓および前立腺内である。アルギナーゼIIは、マクロファージ、授乳中の乳腺、および脳においてより低いレベルで見出すこともできる。第2のアイソザイムは、他のウレアサイクル酵素が存在しない箇所で発見され得る。
アレルギー性喘息は、アレルゲン誘発性の早期および後期の気管支閉塞性反応、気道過敏症(AHR)、気道炎症および気道リモデリングを特徴とする慢性の炎症性気道疾患である。動物モデルおよび喘息患者における最近のex vivoおよびin vivo実験では、アルギナーゼがすべてのこれら特徴において中心的役割を果たしていることが示された。よって、気道におけるアルギナーゼ活性の増加は、構成型(cNOS)および誘導型(iNOS)一酸化窒素シンターゼに対するLアルギニンのバイオアベイラビリティーの減少を誘発し、気管支拡張性および抗炎症性NOの欠損症、ならびに過酸化亜硝酸の形成の増加を引き起こし、これらはアレルゲン誘発性気道閉塞、AHRおよび炎症に関与し得る。加えて、NO産生の減少およびLオルニチン合成の促進の両方を介して、アルギナーゼ活性の増加は、気道壁における細胞増殖およびコラーゲン堆積を推進することにより、気道リモデリングに関与し得る。したがって、アルギナーゼ阻害剤は、急性および慢性の喘息の処置において治療的可能性を有する。ホウ素含有アルギナーゼ阻害剤はWO2016/108707A1に記載されている。しかし、今までのところ、喘息の治療的処置に対して利用可能なアルギナーゼ阻害剤はない。
WO2016/108707A1
Synthesis、2016年、48巻、3701~3712頁 Baggioら、J.Pharmacol.Exp.Ther.1999年、290巻、1409~1416頁 Van den Berg M.P.M.ら、「Pharmacological screening identifies SHK242 and SHK277 as novel arginase inhibitors with efficacy against allergen-induced airway narrowing in vitro and in vivo」Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics、2020年4月13日、jpet.119.264341;DOI:10.1124/jpet.119.264341
したがって、本目的は、アルギナーゼ活性に関連する疾患、例えば、喘息およびCOPDの処置に対して使用することができる新規のアルギナーゼ阻害剤を提供することである。
本発明は、式(I)の化合物:
Figure 2022536168000002
[式中、
nは1または2であり、
は、水素であるか、またはアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルキルシクロアルキル、ヘテロアルキルシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルもしくはヘテロアラルキル基であり、これらの基のすべては場合によって置換されていてもよく、
は、水素であるか、またはアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルキルシクロアルキル、ヘテロアルキルシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルもしくはヘテロアラルキル基であり、これらの基のすべては場合によって置換されていてもよく、Rは水素であるか、あるいは
およびRは一緒になって、場合によって置換されているヘテロシクロアルキルまたはヘテロアリール基の一部であり、
は水素またはメチルである]
あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物またはその薬学的に許容される製剤を提供する。
好ましい実施形態に従い、Rは水素である。
さらなる好ましい実施形態に従い、Rはアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルキルシクロアルキル、ヘテロアルキルシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルまたはヘテロアラルキル基であり、これらの基のすべては場合によって置換されていてもよい。
さらに好ましくは、Rが水素である場合、Rも水素である。
さらに好ましくは、RおよびRは一緒になって、C、N、OおよびSから選択される5もしくは6個の環原子を含む、場合によって置換されているヘテロシクロアルキル基の一部であり、またはC、N、OおよびSから選択される5もしくは6個の環原子を含む、場合によって置換されているヘテロアリール基の一部である。
さらに好ましくは、nは1である。
さらに好ましくは、nは2である。
さらに好ましくは、Rは式-CH-C(=O)-NH-Rの基であり、Rは、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルキルシクロアルキル、ヘテロアルキルシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルまたはヘテロアラルキル基であり、これらの基のすべては場合によって置換されていてもよい。
さらに好ましくは、Rは式-CH-CH-C(=O)-NH-Rの基であり、Rは、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルキルシクロアルキル、ヘテロアルキルシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルまたはヘテロアラルキル基であり、これらの基のすべては場合によって置換されていてもよい。
さらに好ましくは、Rは式-CH-C(=O)-N(CH)-Rの基であり、Rは、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルキルシクロアルキル、ヘテロアルキルシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルまたはヘテロアラルキル基であり、これらの基のすべては場合によって置換されていてもよい。
さらに好ましくは、Rは式-L-Cy-L-Cyの基であり、LおよびLは、独立して、結合、C1~4アルキル基またはC1~4ヘテロアルキル基から選択され、Cyは、C3~7シクロアルキレン基、O、S、NおよびCから選択される3~7個の環原子を含有するヘテロシクロアルキレン基、フェニレン基またはO、S、NおよびCから選択される5もしくは6個の環原子を含有するヘテロアリーレン基であり、これらの基のすべては場合によって置換されていていてもよく、Cyは、C3~7シクロアルキル基、O、S、NおよびCから選択される3~7個の環原子を含有するヘテロシクロアルキル基、フェニル基またはO、S、NおよびCから選択される5もしくは6個の環原子を含有するヘテロアリール基であり、これらの基のすべては場合によって置換されていてもよい。
特に好ましい式(I)の化合物は式(II)の化合物:
Figure 2022536168000003
[式中、Rは、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルキルシクロアルキル、ヘテロアルキルシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルまたはヘテロアラルキル基であり、これらの基のすべては場合によって置換されていてもよい]
あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物またはその薬学的に許容される製剤である。
さらに特に好ましい式(I)の化合物は式(III)の化合物:
Figure 2022536168000004
[式中、Rは、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルキルシクロアルキル、ヘテロアルキルシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルまたはヘテロアラルキル基であり、これらの基のすべては場合によって置換されていてもよい]
あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物またはその薬学的に許容される製剤である。
好ましくは、Rは式-CH-R、-CHCH-Rまたは-CH(CH)-Rの基であり、Rは、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルキルシクロアルキル、ヘテロアルキルシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルまたはヘテロアラルキル基であり、これらの基のすべては場合によって置換されていてもよい。
特に好ましくは、Rは式-CH-Rまたは-CHCH-Rの基であり、最も好ましくは、Rは式-CH-Rの基である。
好ましくは、RはC1~4アルキル、C2~4アルケニル、C2~4アルキニルまたはC1~4ヘテロアルキル基である。
さらに好ましくは、Rは、以下の基:C3~7シクロアルキル、フェニル、C、N、OおよびSから選択される3~7個の環原子を含有するヘテロシクロアルキルならびにC、N、OおよびSから選択される5または6個の環原子を含有するヘテロアリールから選択され、これらのすべては場合によって置換されていてもよい。
さらに好ましくは、Rは、場合によって置換されているフェニル基またはC、N、OおよびSから選択される5または6個の環原子を含有する、場合によって置換されているヘテロアリール基である。
特に好ましくは、Rはフェニル基またはピリジル基であり、これらのすべては、特に1または2個のFまたはCl原子で場合によって置換されていてもよい。
さらに特に好ましい式(I)、(II)または(III)の化合物は、実施例に記載された式(I)、(II)もしくは(III)の化合物あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物またはその薬学的に許容される製剤である。
アルキルという表現は、1~20個の炭素原子、好ましくは1~12個の炭素原子、特に1~6個(例えば1、2、3または4個)の炭素原子を含有する飽和した、直鎖または分枝の炭化水素基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、イソ-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソ-ペンチル、n-ヘキシル、2,2-ジメチルブチルまたはn-オクチル基を指す。さらに、アルキルという用語は、1個または複数の水素原子がハロゲン原子(好ましくはFまたはCl)で置き換えられている基、例えば、2,2,2-トリクロロエチルまたはトリフルオロメチル基を指す。
アルケニルおよびアルキニルという表現は、2~20個の炭素原子、好ましくは2~12個の炭素原子、特に2~6個(例えば2、3または4個)の炭素原子を含有する、少なくとも部分的に不飽和の、直鎖または分枝の炭化水素基、例えば、エテニル(ビニル)、プロペニル(アリル)、イソ-プロペニル、ブテニル、エチニル、プロピニル、ブチニル、アセチレニル、プロパルギル、イソプレニルまたはヘキサ-2-エニル基を指す。好ましくは、アルケニル基は1または2つ(特に好ましくは1つ)の二重結合を有し、アルキニル基は1または2つ(特に好ましくは1つ)の三重結合を有する。さらに、アルケニルおよびアルキニルという用語は、1個または複数の水素原子がハロゲン原子(好ましくはFまたはCl)で置き換えられている基を指す。
ヘテロアルキルという表現は、1個もしくは複数(好ましくは1、2または3個)の炭素原子が酸素、窒素、リン、ホウ素、セレン、ケイ素もしくは硫黄原子(好ましくは、酸素、硫黄または窒素原子)、または式SOもしくはSOの基で置き換えられているアルキル、アルケニルもしくはアルキニル基を指す。したがって、ヘテロアルキルという表現はまた、カルボン酸またはカルボン酸から誘導された基、例えば、アシル、アシルアルキル、アルコキシカルボニル、アシルオキシ、アシルオキシアルキル、カルボキシアルキルアミドまたはアルコキシカルボニルオキシを指す。さらに、ヘテロアルキルという用語は、1個または複数の水素原子がハロゲン原子(好ましくはFまたはCl)で置き換えられている基を指す。
好ましくは、ヘテロアルキル基は、1~12個の炭素原子ならびに酸素、窒素および硫黄(特に酸素および窒素)から選択される1~4個のヘテロ原子を含有する。特に好ましくは、ヘテロアルキル基は、1~6個(例えば1、2、3または4個)の炭素原子ならびに酸素、窒素および硫黄(特に酸素および窒素)から選択される1、2または3個(特に1または2個)のヘテロ原子を含有する。C1~6ヘテロアルキルという用語は、1~6個の炭素原子ならびにO、Sおよび/またはN(特にOおよび/またはN)から選択される1、2または3個のヘテロ原子を含有するヘテロアルキル基を指す。C1~4ヘテロアルキルという用語は、1~4個の炭素原子ならびにO、Sおよび/またはN(特にOおよび/またはN)から選択される1、2または3個のヘテロ原子を含有するヘテロアルキル基を指す。
ヘテロアルキル基の例は式:R-O-Y-、R-S-Y-、R-SO-Y-、R-SO-Y-、R-N(R)-SO-Y-、R-SO-N(R)-Y-、R-N(R)-Y-、R-CO-Y-、R-O-CO-Y-、R-CO-O-Y-、R-CO-N(R)-Y-、R-N(R)-CO-Y-、R-O-CO-N(R)-Y-、R-N(R)-CO-O-Y-、R-N(R)-CO-N(R)-Y-、R-O-CO-O-Y-、R-N(R)-C(=NR)-N(R)-Y-、R-CS-Y-、R-O-CS-Y-、R-CS-O-Y-、R-CS-N(R)-Y-、R-N(R)-CS-Y-、R-O-CS-N(R)-Y-、R-N(R)-CS-O-Y-、R-N(R)-CS-N(R)-Y-、R-O-CS-O-Y-、R-S-CO-Y-、R-CO-S-Y-、R-S-CO-N(R)-Y-、R-N(R)-CO-S-Y-、R-S-CO-O-Y-、R-O-CO-S-Y-、R-S-CO-S-Y-、R-S-CS-Y-、R-CS-S-Y-、R-S-CS-N(R)-Y-、R-N(R)-CS-S-Y-、R-S-CS-O-Y-、R-O-CS-S-Y-の基であり、Rは、水素原子、C~Cアルキル、C~CアルケニルまたはC~Cアルキニル基であり、Rは、水素原子、C~Cアルキル、C~CアルケニルまたはC~Cアルキニル基であり、Rは、水素原子、C~Cアルキル、C~CアルケニルまたはC~Cアルキニル基であり、Rは、水素原子、C~Cアルキル、C~CアルケニルまたはC~Cアルキニル基であり、Yは、直接結合、C~Cアルキレン、C~CアルケニレンまたはC~Cアルキニレン基であり、各ヘテロアルキル基は少なくとも1個の炭素原子を含有し、1個または複数の水素原子はフッ素または塩素原子で置き換えられていてもよい。ヘテロアルキル基の好ましい例は、式:R-O-Y-、R-S-Y-、R-SO-Y-、R-SO-Y-、R-N(R)-SO-Y-、R-SO-N(R)-Y-、R-N(R)-Y-、R-CO-Y-、R-O-CO-Y-、R-CO-O-Y-、R-CO-N(R)-Y-、R-N(R)-CO-Y-、R-O-CO-N(R)-Y-、R-N(R)-CO-O-Y-、R-N(R)-CO-N(R)-Y-、R-O-CO-O-Y-および-R-N(R)-C(=NR)-N(R)-Y-の基である。
ヘテロアルキル基の具体例は、メトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、n-プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブトキシ、tert-ブチルオキシ、メトキシメチル、エトキシメチル、-CHCHOH、-CHOH、メトキシエチル、1-メトキシエチル、1-エトキシエチル、2-メトキシエチルまたは2-エトキシエチル、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、イソプロピルエチルアミノ、メチルアミノメチル、エチルアミノメチル、ジイソプロピルアミノエチル、メチルチオ、エチルチオ、イソプロピルチオ、エノールエーテル、ジメチルアミノメチル、ジメチルアミノエチル、アセチル、プロピオニル、ブチリルオキシ、アセチルオキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロピオニルオキシ、アセチルアミノまたはプロピオニルアミノ、カルボキシメチル、カルボキシエチルまたはカルボキシプロピル、N-エチル-N-メチルカルバモイルまたはN-メチルカルバモイルである。ヘテロアルキル基のさらなる例は、ニトリル、イソニトリル、シアネート、チオシアネート、イソシアネート、イソチオシアネートおよびアルキルニトリル基である。
シクロアルキルという表現は、1個または複数の環(好ましくは1または2個)を含有し、3~14個の環炭素原子、好ましくは3~10個の(特に3、4、5、6または7個)環炭素原子を含有する飽和または部分的に不飽和の(例えば、シクロアルケニル基)環式基を指す。シクロアルキルという表現は、1個または複数の水素原子がフッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素原子で、またはOH、=O、SH、=S、NH、=NH、NもしくはNO基で置き換えられている基、よって、例えば、環式ケトン、例えば、シクロヘキサノン、2-シクロヘキセノンまたはシクロペンタノンをさらに指す。シクロアルキル基のさらなる具体例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、スピロ[4,5]デカニル、ノルボルニル、シクロヘキシル、シクロペンテニル、シクロヘキサジエニル、デカリニル、ビシクロ[4.3.0]ノニル、テトラリン、シクロペンチルシクロヘキシル、フルオロシクロヘキシルまたはシクロヘキサ-2-エニル基である。好ましくは、シクロアルキルという表現は、1個または複数の環(好ましくは1または2個)、および3~14個の環炭素原子、特に好ましくは3~10個(より具体的には、好ましくは3、4、5、6または7個)の環炭素原子を含有する飽和環式基を指す。
ヘテロシクロアルキルという表現は、1個または複数(好ましくは1、2、3または4個)の環炭素原子が酸素、窒素、ケイ素、セレン、リンまたは硫黄原子(好ましくは、酸素、硫黄または窒素原子)で置き換えられている、上で定義されたようなシクロアルキル基を指す。ヘテロシクロアルキル基は好ましくは、3~10個(特に3、4、5、6または7個)の環原子(好ましくはC、O、NおよびSから選択される)を含有する1もしくは2個の環を有する。ヘテロシクロアルキルという表現は、1個もしくは複数のフッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素原子で、または1個もしくは複数のOH、=O、SH、=S、NH、=NH、NもしくはNO基で置換されていてもよい基をさらに指す。例は、ピペリジル、プロリニル、イミダゾリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ウロトロピニル(urotropinyl)、ピロリジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフリルまたは2-ピラゾリニル基、またラクタム、ラクトン、環式イミドおよび環式無水物である。
アルキルシクロアルキルという表現は、シクロアルキルと、また上記定義によるアルキル、アルケニルまたはアルキニル基との両方を含有する基、例えばアルキルシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルキルシクロアルケニル、アルケニルシクロアルキルおよびアルキニルシクロアルキル基を指す。アルキルシクロアルキル基は、好ましくは、3~10個(特に3、4、5、6または7個)の環炭素原子を有する1または2個の環および1個または2~6個の炭素原子を有する1または2個のアルキル、アルケニルまたはアルキニル基(特にアルキル基)を含有するシクロアルキル基を含有する。
ヘテロアルキルシクロアルキルという表現は、1個または複数(好ましくは1、2、3、4または5個)の炭素原子が酸素、窒素、ケイ素、セレン、リンまたは硫黄原子(好ましくは、酸素、硫黄または窒素原子)で置き換えられている、上で定義されたようなアルキルシクロアルキル基を指す。ヘテロアルキルシクロアルキル基は好ましくは、3~10個(特に3、4、5、6または7個)の環原子を有する1または2個の環、ならびに1個または2~6個の炭素原子を有する1または2個のアルキル、アルケニル、アルキニルまたはヘテロアルキル基(特にアルキルまたはヘテロアルキル基)を含有する。このような基の例はアルキルヘテロシクロアルキル、アルキルヘテロシクロアルケニル、アルケニルヘテロシクロアルキル、アルキニルヘテロシクロアルキル、ヘテロアルキルシクロアルキル、ヘテロアルキルヘテロシクロアルキルおよびヘテロアルキルヘテロシクロアルケニルであり、環式基は、飽和しているか、または一不飽和、二不飽和もしくは三不飽和である。
アリールという表現は、1個または複数の環、および5個または6~14個の環炭素原子、好ましくは5個または6~10個(特に6個)の環炭素原子を含有する芳香族基を指す。アリールという表現は、1個または複数の水素原子が、フッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素原子で、またはOH、SH、NH、NもしくはNO基で置き換えられている基をさらに指す。例はフェニル、ナフチル、ビフェニル、2-フルオロフェニル、アニリニル、3-ニトロフェニルまたは4-ヒドロキシフェニル基である。
ヘテロアリールという表現は、1個または複数の環および5~14個の環原子、好ましくは5~10個(特に5または6または9または10個)の環原子(好ましくはO、S、NおよびCから選択される)を含有し、1個または複数(好ましくは1、2、3、4または5個)の酸素、窒素、リンまたは硫黄環原子(好ましくはO、SまたはN)を含有する芳香族基を指す。ヘテロアリールという表現は、1個または複数の水素原子がフッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素原子で、またはOH、SH、N、NHもしくはNO基で置き換えられている基をさらに指す。例は、ピリジル(例えば4-ピリジル)、イミダゾリル(例えば2-イミダゾリル)、フェニルピロリル(例えば3-フェニルピロリル)、チアゾリル、イソチアゾリル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、インドリル、インダゾリル、テトラゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソオキサゾリル、インダゾリル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンズチアゾリル、ピリダジニル、キノリニル、イソキノリニル、ピロリル、プリニル、カルバゾリル、アクリジニル、ピリミジル、2,3’-ビフリル、ピラゾリル(例えば3-ピラゾリル)およびイソキノリニル基である。
アラルキルという表現は、上記定義による、アリールと、またアルキル、アルケニル、アルキニルおよび/またはシクロアルキル基との両方を含有する基、例えば、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールシクロアルキル、アリールシクロアルケニル、アルキルアリールシクロアルキルおよびアルキルアリールシクロアルケニル基を指す。アラルキルの具体例は、トルエン、キシレン、メシチレン、スチレン、塩化ベンジル、o-フルオロトルエン、1H-インデン、テトラリン、ジヒドロナフタレン、インダノン、フェニルシクロペンチル、クメン、シクロヘキシルフェニル、フルオレンおよびインダンである。アラルキル基は好ましくは、6~10個の炭素原子を含有する1または2個の芳香族環系(1または2個の環)、ならびに1個もしくは2~6個の炭素原子を含有する1もしくは2個のアルキル、アルケニルおよび/またはアルキニル基、ならびに/または5もしくは6個の環炭素原子を含有する1もしくは2個のシクロアルキル基を含有する。
ヘテロアラルキルという表現は、1個または複数(好ましくは1、2、3または4個)の炭素原子が酸素、窒素、ケイ素、セレン、リン、ホウ素または硫黄原子(好ましくは酸素、硫黄または窒素)で置き換えられている上で定義されたようなアラルキル基、すなわち、それぞれアリールまたはヘテロアリールと、また上記定義によるアルキル、アルケニル、アルキニルおよび/またはヘテロアルキルおよび/またはシクロアルキルおよび/またはヘテロシクロアルキル基との両方を含有する基を指す。ヘテロアラルキル基は好ましくは、5個または6~10個の環炭素原子を含有する1または2つの芳香族環系(1または2個の環)、ならびに1個もしくは2~6個の炭素原子を含有する1もしくは2つのアルキル、アルケニルおよび/またはアルキニル基、ならびに/または5もしくは6個の環炭素原子を含有する1もしくは2つのシクロアルキル基を含有し、これらの炭素原子のうちの1、2、3、4、5または6個は酸素、硫黄または窒素原子で置き換られている。
例は、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロシクロアルキル、アリールヘテロシクロアルケニル、アリールアルキルヘテロシクロアルキル、アリールアルケニルヘテロシクロアルキル、アリールアルキニルヘテロシクロアルキル、アリールアルキルヘテロシクロアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニル、ヘテロアリールヘテロアルキル、ヘテロアリールシクロアルキル、ヘテロアリールシクロアルケニル、ヘテロアリールヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールヘテロシクロアルケニル、ヘテロアリールアルキルシクロアルキル、ヘテロアリールアルキルヘテロシクロアルケニル、ヘテロアリールヘテロアルキルシクロアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキルシクロアルケニルおよびヘテロアリールヘテロアルキルヘテロシクロアルキル基であり、環式基は、飽和しているか、または一不飽和、二不飽和もしくは三不飽和である。具体例は、テトラヒドロイソキノリニル、ベンゾイル、2または3-エチルインドリル、4-メチルピリジノ、2-、3-または4-メトキシフェニル、4-エトキシフェニル、2-、3-または4-カルボキシフェニルアルキル基である。
ハロゲンまたはハロゲン原子という用語はF、Cl、BrまたはIを指す。
「場合によって置換されている」という表現は好ましくは、1、2、3個またはそれよりも多くの水素原子がフッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素原子で、またはOH、=O、SH、=S、NH、=NH、NもしくはNO基で置き換えられていてもよい基を指す。この表現は、1、2、3個またはそれよりも多くの(好ましくは非置換の)C~C10アルキル、C~C10アルケニル、C~C10アルキニル、C~C10ヘテロアルキル、C~C18シクロアルキル、C~C17ヘテロシクロアルキル、C~C20アルキルシクロアルキル、C~C19ヘテロアルキルシクロアルキル、C~C18アリール、C~C17ヘテロアリール、C~C20アラルキルまたはC~C19ヘテロアラルキル基で置換されていてもよい基をさらに指す。この表現は、特に、1、2、3個またはそれよりも多くの(好ましくは非置換の)C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cヘテロアルキル、C~C10シクロアルキル、C~Cヘテロシクロアルキル、C~C12アルキルシクロアルキル、C~C11ヘテロアルキルシクロアルキル、C~C10アリール、C~Cヘテロアリール、C~C12アラルキルまたはC~C11ヘテロアラルキル基で置換されていてもよい基をさらに指す。
置換基が環を含有する場合、この環は、単結合もしくは二重結合(特に単結合)を介してそれぞれの置換された基に結合していてもよいし、または、置換されている基もまた環を含有する場合、置換基の環もまた置換されている基の環に環形成していてもよい。
好ましい置換基はF、Cl、Br、I、OH、=O、NH、NO、C1~4アルキル(例えば-CH、CF)、C1~4ヘテロアルキル(例えば-CN、-OMe)、シクロプロピルおよびSONHである。
特に好ましい置換基はF、Cl、Br、OH、=O、NH、CHNH、NO、Me、エチル、NMe、NHMe、CONH、OMe、OCF、CNおよびCFである。最も好ましい置換基はFおよびClである。
好ましい実施形態に従い、本明細書に記載されているすべてのアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルキルシクロアルキル、ヘテロアルキルシクロアルキル、アラルキルおよびヘテロアラルキル基は、場合によって置換されていてもよい。
アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、ヘテロアルキルシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキルまたはヘテロアラルキル基が1個より多くの環を含有する場合、これらの環は、単結合もしくは二重結合を介して互いに結合していてもよいし、またはこれらの環は環形成していてもよい。
本発明は、本明細書で定義されたような式(I)、(II)もしくは(III)の1つもしくは複数の化合物またはその薬学的に許容されるエステル、プロドラッグ、水和物、溶媒和物もしくは塩を、場合によって薬学的に許容されるキャリヤーと組み合わせて含む医薬組成物をさらに提供する。
本発明のさらなる目的は、アルギナーゼ活性に関連する1種または複数の疾患の処置のための医薬を調製するための、本明細書で定義されたような式(I)、(II)もしくは(III)の化合物または本明細書で定義されたような医薬組成物を提供することである。
好ましくは本発明の化合物は、喘息(例えば、急性および慢性の喘息)、COPD、アレルギー性鼻炎、***不全、肺高血圧、高血圧、T細胞機能障害、アテローム動脈硬化症、腎疾患、虚血再灌流傷害、神経変性疾患、創傷治癒、炎症性疾患、線維性疾患およびがんの処置および/または予防のために使用することができる。
本発明による化合物の治療有効量とは、疾患の症状を予防する、緩和するもしくは改善させるまたは処置を受けている対象の生存時間を長引かせるのに有効な化合物の量を意味する。治療有効量の判定は当業者の熟達の範囲内である。
本発明による化合物の治療有効量または投与量は幅広い範囲内で変動してもよく、当技術分野で公知の方式で決定し得る。このような投与量は、投与される特定の化合物、投与経路、処置を受けている状態、ならびに処置を受けている患者を含むそれぞれ特定の症例における個々の必要条件に対して調整することができる。
式(I)、(II)または(III)の十分に塩基性な化合物の薬理学的に許容される塩の例は、生理学的に許容される鉱酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸およびリン酸の塩;または有機酸、例えば、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、乳酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸およびサリチル酸の塩である。さらに、式(I)、(II)または(III)の十分に酸性な化合物は、アルカリもしくはアルカリ土類金属塩、例えばナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウムもしくはマグネシウム塩;アンモニウム塩;または有機塩基塩、例えばメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、水酸化コリン、メグルミン、ピペリジン、モルホリン、トリス-(2-ヒドロキシエチル)アミン、リシンまたはアルギニン塩を形成することができ、これらのすべては式(I)、(II)または(III)の塩のさらなる例でもある。式(I)、(II)または(III)の化合物は溶媒和、特に水和していてもよい。水和化/水和は、最初に水を含まない式(I)、(II)または(III)の化合物の生成プロセスの間にまたは吸湿性の結果として生じ得る。溶媒和物および/または水和物は、例えば、固体または液体形態で存在し得る。
式(I)、(II)または(III)のある化合物は、互変異性形態(ただし以下の説明において具体的に記述または示されるのはそのうちの1種のみのこともある)、異なる幾何異性体(普通シス/トランス異性体として、またはより一般的には(E)および(Z)異性体として表される)または1個もしくは複数のキラル炭素原子の結果として異なる光学異性体(普通Cahn-Ingold-PrelogまたはR/Sシステムで命名される)を有し得ることを認識されたい。これらの互変異性形態、幾何学的または光学異性体(ならびにラセミ体およびジアステレオマー)および多形の形態はすべて本発明に含まれる。式(I)、(II)または(III)の化合物は非対称C原子を含有することができるので、これらは、アキラル化合物、ジアステレオマーの混合物、エナンチオマーの混合物または光学的に純粋な化合物のいずれかとして存在することができる。本発明は、すべての純粋なエナンチオマーおよびすべての純粋なジアステレオマーの両方と、また任意の混合比でのこれらの混合物を含む。
式(I)、(II)または(III)による化合物、これらそれぞれの薬理学的に許容される塩、溶媒和物および水和物、ならびに製剤および医薬組成物の治療的使用もまた本発明の範囲内に入る。
本発明による医薬組成物は、活性成分として式(I)、(II)または(III)の少なくとも1つの化合物、および場合によって、キャリヤー物質および/またはアジュバントを含む。
本発明はまた、式(I)、(II)または(III)の化合物、および生理的条件下で切断され得る少なくとも1種の薬理学的に許容される保護基、例えば、本明細書で定義されたようなアルコキシ-、アリールアルキルオキシ-、アシル-、アシルオキシメチル基(例えばピバロイルオキシメチル)、2-アルキル-、2-アリール-もしくは2-アリールアルキル-オキシカルボニル-2-アルキリデンエチル基またはアシルオキシ基、例えばエトキシ、ベンジルオキシ、アセチルもしくはアセチルオキシ、あるいは特にヒドロキシ基(-OH)を有する式(I)、(II)または(III)の化合物に対して:硫酸エステル、リン酸エステル(-OPOまたは-OCHOPO)またはアミノ酸のエステルを有する保護基で構成されるプロドラッグに関する。
好ましくは、本発明はまた、式(I)、(II)または(III)の化合物のプロドラッグ、生物加水分解性エステル、生物加水分解性アミド、多形、互変異性体、立体異性体、代謝産物、N-オキシド、生物加水分解性カルバメート、生物加水分解性エーテル、生理学的に機能的な誘導体、アトロプ異性体、またはin vivo加水分解性前駆体、ジアステレオマーもしくはジアステレオマーの混合物、化学的に保護された形態、親和性試薬、錯体、キレートおよび立体異性体に関する。
本明細書で使用される場合、薬学的に許容されるエステルという用語は特に、in vivoで加水分解し、ヒト身体内で容易に分解して親化合物またはその塩を残すものを含むエステルを指す。適切なエステル基として、例えば、薬学的に許容される脂肪族カルボン酸から誘導されたもの、特に各アルキルまたはアルケニル部分が有利には6個以下の炭素原子を有する、アルカン酸、アルケン酸、シクロアルカン酸およびアルカン二酸が挙げられる。特定のエステルの例として、これらに限定されないが、ギ酸エステル、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、酪酸エステル、アクリル酸エステルおよびエチルコハク酸エステルが挙げられる。
上述されているように、式(I)、(II)もしくは(III)の化合物、これらの溶媒和物、塩または製剤を含有する治療的に有用な薬剤もまた本発明の範囲に含まれる。一般的に、式(I)、(II)または(III)の化合物は、当技術分野で知られている公知かつ許容されるモードを使用して、単独でまたは任意の他の治療剤と組み合わせて投与される。
経口投与に対して、このような治療的に有用な薬剤は、以下の経路のうちの1種により投与することができる:経口の経路、例えば、錠剤、糖衣錠、コーティング錠剤、丸剤、半固体、軟質もしくは硬質カプセル剤、例えば、軟質および硬質ゼラチンカプセル剤、水性もしくは油性液剤、乳剤、懸濁剤もしくはシロップ剤など、静脈内、筋肉内および皮下注射を含む非経口の経路、例えば、注射剤もしくは懸濁剤など、直腸から坐剤として、吸入もしくは吹送法による経路、例えば、粉末製剤として、ミクロ結晶もしくはスプレーとして(例えば、液体エアゾール剤)、経皮的経路、例えば、経皮送達システム(TDS)を介して、例えば、活性成分を含有する硬膏剤または鼻腔内経路。このような錠剤、丸剤、半固体、コーティング錠剤、糖衣錠および硬質カプセル剤、例えば、ゼラチンカプセル剤を生成するために、治療的に有用な製剤は、例えば、ラクトース、スクロース、グルコース、ゼラチン、麦芽、シリカゲル、デンプンもしくはその誘導体、タルク、ステアリン酸またはこれらの塩、乾燥脱脂乳などのように薬学的に不活性な、無機または有機賦形剤と混合してもよい。軟質カプセル剤を製造するために、例えば、植物油、石油、動物油または合成油、ワックス、脂肪、ポリオールなどのような添加剤を使用してもよい。液体液剤、乳剤または懸濁剤またはシロップ剤を製造するために、例えば水、アルコール、水性の生理食塩水、水性のブドウ糖、ポリオール、グリセリン、脂質、リン脂質、シクロデキストリン、植物、石油、動物または合成油を添加剤として使用してもよい。特に好ましいのは脂質であり、より好ましいのはリン脂質(天然の起源のものが好ましい。特に好ましいのは300~350nmの間の粒径のもの)であり、リン酸緩衝生理食塩水(pH=7~8、7.4が好ましい)中のものが好ましい。坐剤に対して、例えば、植物油、石油、動物油または合成油、ワックス、脂肪およびポリオールなどのような添加剤を使用してもよい。エアゾール製剤に対しては、この目的に適する圧縮気体、例えば酸素、窒素および二酸化炭素を使用してもよい。薬学的に有用な添加剤は、保存、安定化のための添加剤、例えば、UV安定剤、乳化剤、甘味剤、芳香化剤、浸透圧を変えるための塩、緩衝剤、コーティング添加剤および抗酸化剤も含有してもよい。
一般的に、体重およそ80kgのヒト成人への経口または非経口投与の場合、約10mg~約10,000mg、好ましくは約20mg~約1,000mgの1日投与量が適切ではあるが、適応がある場合には上限を超えてもよい。1日投与量は、単回用量としてまたは分割用量で投与することができ、また非経口投与については、持続注入または皮下注射として与えてもよい。
[実施例1]
ペンタ-4-エン-1-イルアセテート:
Figure 2022536168000005
1-ペンテノール(20g、232mmol)のCHCl(100mL)溶液に、EtN(65mL、464mmol)およびDMAP(0.68g、5.5mmol)を加えた。氷浴を使用して混合物を0℃に冷却し、無水酢酸(25mL、255mmol)を滴下添加した。混合物を室温で1時間撹拌した。CHCl(100mL)を使用して混合物を希釈し、水(2×100mL)、水性1N HCl(100mL)、ブライン(100mL)で洗浄した。有機層を収集し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、ペンタ-4-エン-1-イルアセテート(27g、収率90%)を無色の油として得た。

H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ 5.83-5.78(m,1H),5.06-4.90(m,2H),4.07(t,J=6.7 Hz,2H),2.15-2.10(m,2H),2.04(d,J=3.2 Hz,3H),1.76-1.70(m,2H);13C NMR(126 MHz,CDCl3)δ171.1,137.6,115.4,64.0,30.1,28.0,21.0.

[実施例2]
5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ペンチルアセテート:
Figure 2022536168000006
クロロ(1,5-シクロオクタジエン)イリジウム(I)ダイマー(395mg、0.6mmol)およびエチレンビス(ジフェニルホスフィン)(492mg、1.2mmol)の溶液50mLに、ペンタ-4-エン-1-イルアセテート(5.5g、43mmol、実施例1で得た)およびピナコールボラン(6.0g、47mmol)を加えた。混合物を20時間撹拌し、次いで、10mLのMeOHを使用して冷却し、水(2×50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、11.5gの粗生成物を黄色の油として得た。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーで精製し、5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ペンチルアセテート(7.8g、収率83%)を無色の油として得た。

H NMR(500 MHz,CDCl3)δ 4.06(t,J=6.8 Hz,2H),2.07-2.01(m,3H),1.68-1.59(m,2H),1.48-1.42(m,2H),1.39-1.35(m,2H),1.26-1.25(s,12H),0.79(t,J=7.7 Hz,2H)ppm;13C NMR(126 MHz,CDCl3)δ 83.1,64.8,28.7,28.6,25.0,24.7,23.8,21.1.

[実施例3]
5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ペンタン-1-オール:
Figure 2022536168000007
5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ペンチルアセテート(11g、43mmol、実施例2で得た)のEtOH(150mL)溶液に、粉末状KCO(11.3g、82mmol)を加えた。室温で20時間の撹拌後、溶媒を減圧下で除去した。得られた混合物をEtOAc(100mL)に再溶解し、水(100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、13gの粗生成物を得た。さらなる精製をフラッシュクロマトグラフィーで実施して、5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ペンタン-1-オール(6.7g、収率77%)をわずかに黄色の油として得た。

H NMR(500 MHz,クロロホルム-d)δ 3.62(t,J=6.6 Hz,1H),1.59-1.54(m,2H),1.46-1.41(m,2H),1.39-1.34(m,2H)1.25(s,12H),0.79(t,J=7.6 Hz,2H);13C NMR(126 MHz,クロロホルム-d)δ 83.1,64.7,28.7,28.5,24.9,24.7,23.8,21.1.

[実施例4]
5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ペンタナール:
Figure 2022536168000008
塩化オキサリル(3.2mL、38mmol)をCHClに溶解し、-78℃に冷却した。DMSO(8.9mL、125mmol)をDCM(9.0mL)に溶解し、滴下添加した。15分撹拌した後、5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ペンタン-1-オール(6.7g、31mmol、実施例3で得た)をCHCl(10mL)に溶解し、反応混合物に滴下添加し、40分間撹拌した。EtN(26.2mL、188mmol)をゆっくりと加え、混合物をゆっくりと室温まで温めた。混合物をCHCl(100mL)で希釈し、氷水(100mL)に注入した。混合物を水(2×50mL)、ブライン(3×50mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、12gの粗生成物を得た。生成物5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ペンタナールをフラッシュクロマトグラフィー精製して、4.6g(収率69%)を微黄色の油として得た。
[実施例5]
5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ペンタナール:
Figure 2022536168000009
CHCl(50mL)に溶解した5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ペンタン-1-オール(5g、21.91mmol、実施例3で得た)の撹拌溶液に、クロロクロム酸ピリジニウム(PCC)(7.08g、32.87mmol)を0.5時間の期間にわたり少しずつ加えた。得られた反応混合物を室温で1時間さらに撹拌した。反応混合物をDCM(50mL)で希釈し、シリカのパッドを介して濾過し、溶媒を減圧下で除去して、5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ペンタナール(4.0g)を得た。

H NMR(500 MHz,クロロホルム-d)δ 9.76(s,1H),2.44-2.40(m,2H),1.68-1.61(m,2H),1.50-1.43(m,2H),1.25(s,12H),0.82-0.78(m,2H)ppm;13C NMR(126 MHz,クロロホルム-d)δ 203.1,83.1,83.0,43.9,24.9,24.8,24.7,23.8.
実施例6および7は、適当な中間体から出発して、実施例5に類似の方式で調製した。
Figure 2022536168000010

[実施例8]
(1-(4-クロロベンジル)ピペリジン-4-イル)メタンアミン塩酸塩:
Figure 2022536168000011
tert-ブチル(ピペリジン-4-イルメチル)カルバメート(1.0g、4.67mmol)および4-クロロベンズアルデヒド(0.85g、6.07mmol)のジクロロエタン(10mL)撹拌溶液に、氷酢酸(0.03mL、0.467mmol)を加え、1.5時間撹拌した。続いて、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(2.47g、11.67mmol)を1時間の期間にわたり少しずつ加え、反応混合物を18時間さらに撹拌した。反応混合物に、DCM(20mL)および重曹飽和水溶液(15mL)を加えた。有機層を分離し、ブライン(20mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、tert-ブチル((1-(4-クロロベンジル)ピペリジン-4-イル)メチル)カルバメート(1.05g)を得た。

H NMR(500 MHz,クロロホルム-d)δ 7.30-7.19(m,4H),4.58(br.s,1H),3.43(s,2H),3.01(t,J=6.4 Hz,2H),2.84(dt,J=11.9,3.3Hz,2H),1.92(td,J=11.6,2.5 Hz,2H),1.69-1.60(m,2H),1.43(s,9H),1.25(tt,J=11.9,6.0 Hz,2H);MS(EI)m/z:339.2(M+H)
tert-ブチル((1-(4-クロロベンジル)ピペリジン-4-イル)メチル)カルバメート(1.0g)を1,4-ジオキサン(3.0mL)に溶解し、4N HCl/ジオキサン(3.0mL)を加えた。反応混合物を16時間さらに撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣にジエチルエーテル(10mL)を加え、固体の生成物(1-(4-クロロベンジル)ピペリジン-4-イル)メタンアミン塩酸塩(1.05g)を濾過によって収集した。
[実施例9]
N-((1-(4-クロロベンジル)ピペリジン-4-イル)メチル)ホルムアミド:
Figure 2022536168000012
(1-(4-クロロベンジル)ピペリジン-4-イル)メタンアミン塩酸塩(1.0g)のギ酸エチル(10mL)撹拌懸濁液に、トリエチルアミン(2.0mL)を加え、得られた反応混合物を16時間還流させた。溶媒を減圧下で除去し、残渣を酢酸エチル(20mL)に溶解した。有機層をHO(10mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、N-((1-(4-クロロベンジル)ピペリジン-4-イル)メチル)ホルムアミド(0.45g)を淡黄色の固体として得た。
H NMR(500 MHz,クロロホルム-d)δ 8.18(s,1H),7.31-7.19(m,4H),5.65(s,1H),3.44(s, 2H),3.19(t,J=6.5 Hz,2H),2.85(dt,J=12.1,3.6 Hz,2H),1.93(td,J=11.7,2.5 Hz,2H),1.73-1.63(m,2H),1.60-1.47(m,1H),1.35-1.17(m,2H);MS(EI)m/z:267.2(M+H)

[実施例9]
N-(2-アミノエチル)-4-クロロベンズアミド塩酸塩:
Figure 2022536168000013
tert-ブチル(2-アミノエチル)カルバメート(1.5g、9.36mmol)およびトリエチルアミン(2.60mL、18.72mmol)のジクロロメタン(20mL)冷却溶液に、4-クロロベンゾイルクロリド(1.31mL、10.30mmol)を滴下添加し、2.0時間撹拌した。HOの添加により反応混合物を冷却し、有機層を分離し、ブライン(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、tert-ブチル(2-(4-クロロベンズアミド)エチル)カルバメート(2.3g)を得た。MS(EI)m/z:299.2(M+H)
tert-ブチル(2-(4-クロロベンズアミド)エチル)カルバメート(2.3g)を1,4-ジオキサン(10.0mL)に溶解し、4N HCl/ジオキサン(10mL)を加えた。反応混合物を16時間さらに撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣にジエチルエーテル(10mL)を加え、生成物N-(2-アミノエチル)-4-クロロベンズアミド塩酸塩を白色の固体として(2.0g)濾過によって収集した。
[実施例10]
4-クロロ-N-(2-ホルムアミドエチル)ベンズアミド:
Figure 2022536168000014
(N-(2-アミノエチル)-4-クロロベンズアミド塩酸塩(2.3g)のギ酸エチル(20mL)撹拌懸濁液に、トリエチルアミン(3.0mL)を加え、得られた反応混合物を16時間還流させた。溶媒を減圧下で除去し、残渣を酢酸エチル(30mL)に溶解した。有機層をHO(10mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、4-クロロ-N-(2-ホルムアミドエチル)ベンズアミド(2.0g)を得た。
H NMR(500 MHz,クロロホルム-d)δ 8.22(s,1H),7.81(d,J=8.5 Hz,2H),7.64(br.s,1H),7.38(d,J=8.6 Hz,2H),7.04(br.s,1H),3.63-3.57(m,2H),3.57-3.51(m,2H);MS(EI)m/z:227.1(M+H)
実施例11~58は、対応する商業的供給源から入手したか、または文献の方法の通り調製した。
Figure 2022536168000015
実施例59a~59tは、対応する商業的供給源から入手したか、または文献の方法の通り調製した。
Figure 2022536168000016
[実施例60]
N-ベンジル-2-イソシアノアセトアミド:
Figure 2022536168000017
Synthesis、2016年、48巻、3701~3712頁に記載されている通り合成した。
実施例61~121は、実施例60と類似の方式で調製した。
Figure 2022536168000018
Figure 2022536168000019
Figure 2022536168000020
[実施例127]
N-ベンジル-3-イソシアノプロパンアミド:
Figure 2022536168000021
メチル3-イソシアノプロパノエート(1.0mmol)およびベンジルアミン(1.0mmol)を室温で48時間撹拌することによって、Synthesis、2016年、48巻、3701~3712頁に記載されている通り合成した。

H NMR(500 MHz,クロロホルム-d)δ 7.38-7.32(m,2H),7.32-7.27(m,3H),5.96(s,1H),4.46(d,J=5.7 Hz,2H),3.74(tt,J=8.5,4.7,1.9 Hz,2H),2.58(tt,J=6.8,2.0 Hz,2H).
実施例128a~128cは、調製物127と類似の方式で調製した。
Figure 2022536168000022
[実施例129]
1-(1-(4-クロロベンジル)-1H-テトラゾール-5-イル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-N-トリチルペンタン-1-アミン:
Figure 2022536168000023
5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ペンタナール(0.25g、1.17mmol)のメタノール(2.0mL)撹拌溶液に、トリチルアミン(0.297g、1.17mmol)を加え、0.5時間撹拌した。続いて1-クロロ-4-(イソシアノメチル)ベンゼン(0.16mL、1.17mmol)およびアジドトリメチルシラン(0.15mL、1.17mmol)を加え、さらに16時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、フラッシュクロマトグラフィーを使用して残渣を精製することによって、1-(1-(4-クロロベンジル)-1H-テトラゾール-5-イル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-N-トリチルペンタン-1-アミン(0.45g)を得た。

H NMR(500 MHz,クロロホルム-d)δ 7.41-7.34(m,6H),7.30-7.25(m,2H),7.24-7.14(m,9H),6.98(d,J=8.4 Hz,2H),4.97(q,J=252.5,15.5 Hz,2H),3.97(td,J=7.8,5.1 Hz,1H),2.86(d,J=8.0 Hz,1H),1.60-1.50(m,1H),1.44-1.32(m,1H),1.21(s,12H),1.20-1.07(m,2H),0.91(tdd,J=20.3,12.4,8.2 Hz,2H),0.55(td,J=7.5,1.7 Hz,2H);LC-MS(EI)m/z:670.3(M+Na)

[実施例130]
1-(1-(2-フルオロ-5-ニトロフェニル)-1H-テトラゾール-5-イル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-N-トリチルペンタン-1-アミン:
Figure 2022536168000024
5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ペンタナール(0.25g、1.17mmol)のメタノール(2.0mL)撹拌溶液に、トリチルアミン(0.297g、1.17mmol)を加え、0.5時間撹拌した。続いて、1-フルオロ-2-イソシアノ-4-ニトロベンゼン(0.195g、1.17mmol)およびアジドトリメチルシラン(0.15mL、1.17mmol)を加え、16時間さらに撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、フラッシュクロマトグラフィー使用して、残渣を精製して、1-(1-(2-フルオロ-5-ニトロフェニル)-1H-テトラゾール-5-イル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-N-トリチルペンタン-1-アミン(0.41g)を得た。

H NMR(500 MHz,クロロホルム-d)δ 8.47(dd,J=8.9,2.5 Hz,1H),7.52(s,1H),7.42(d,J=8.9 Hz,1H),7.26-7.20(m,6H),7.20-7.14(m,9H),3.88-3.77(m,1H),2.54(d,J=5.6 Hz,1H),1.64-1.52(m,1H),1.46-1.35(m,1H),1.19(s,12H),1.16-0.94(m,4H),0.58(t,J=7.5 Hz,2H);LC-MS(EI)m/z:685.3(M+Na)

[実施例131]
メチル2-(5-(5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-(トリチルアミノ)ペンチル)-1H-テトラゾール-1-イル)アセテート:
Figure 2022536168000025
5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ペンタナール(0.25g、1.17mmol)のメタノール(2.0mL)撹拌溶液に、トリチルアミン(0.297g、1.17mmol)を加え、0.5時間撹拌した。続いてメチル2-イソシアノアセテ-ト(0.1mL、1.17mmol)およびアジドトリメチルシラン(0.15mL、1.17mmol)を加え、16時間さらに撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、フラッシュクロマトグラフィーを使用して残渣を精製することによって、メチル2-(5-(5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-(トリチルアミノ)ペンチル)-1H-テトラゾール-1-イル)アセテート(0.42g)を得た。

H NMR(500 MHz,クロロホルム-d)δ 7.35-7.29(m,6H),7.24-7.13(m,9H),4.69(q,J=348.1,17.6 Hz,2H),4.05-3.97(m,1H),3.72(s,3H),2.85(d,J=6.6 Hz,1H),1.84(dq,J=13.3,8.0 Hz,1H),1.69(dtd,J=13.1,7.7,5.1 Hz,1H),1.34-1.28(m,2H),1.21(s,12H),1.19-1.13(m,2H),0.69(t,J=7.8 Hz,2H);LC-MS(EI)m/z:618.3(M+Na)

[実施例132]
メチル4-(5-(5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-(トリチルアミノ)ペンチル)-1H-テトラゾール-1-イル)ブタノエート:
実施例132の化合物は、実施例131に記載されている類似の方法により得た。

H NMR(500 MHz,クロロホルム-d)δ 7.41-7.36(m,6H),7.22-7.16(m,6H),7.16-7.10(m,3H),3.92(td,J=8.1,4.8 Hz,1H),3.83(dt,J=14.4,7.4 Hz,1H),3.77-3.68(m,1H),3.66(s,3H),2.95(d,J=8.2 Hz,1H),2.33(td,J=6.9,1.6 Hz,2H),2.05-1.95(m,2H),1.93-1.83(m,1H),1.72-1.61(m,1H),1.38-1.27(m,2H),1.20(s,12H),1.16-1.03(m,2H),0.69(dd,J=8.5,7.1 Hz,2H);LC-MS(EI)m/z:646.3(M+Na)

[実施例133]
N-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-(1-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)-1H-テトラゾール-5-イル)ペンタン-1-アミン:
Figure 2022536168000026
5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ペンタナール(0.25g、1.17mmol)のメタノール(2.0mL)撹拌溶液に、メチルアミン(メタノール中40%溶液、0.09mL、1.17mmol)を加え、0.5時間撹拌した。続いてtert-オクチルイソシアニド(0.2mL、1.17mmol)およびアジドトリメチルシラン(0.15mL、1.17mmol)を加え、16時間さらに撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、フラッシュクロマトグラフィーを使用して残渣を精製することによって、N-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-(1-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)-1H-テトラゾール-5-イル)ペンタン-1-アミン(0.2g)を得た。

H NMR(500 MHz,クロロホルム-d)δ 4.08(dd,J=8.0,5.2 Hz,1H),2.30(s,3H),1.97(q,J=27.3,15.4 Hz,2H),1.89-1.75(m,7H),1.61-1.52(m,1H),1.50-1.30(m,4H),1.22(s,11H),0.84(s,9H),0.77(t,J=7.6 Hz,2H);LC-MS(EI)m/z:430.3(M+Na)

[実施例134]
1-(1-ベンジル-1H-テトラゾール-5-イル)-N-(4-メトキシベンジル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ペンタン-1-アミン:
Figure 2022536168000027
実施例134の化合物は、実施例133に記載されている類似の方法で得た。LC-MS(EI)m/z:514.3(M+Na)
[実施例135]
N-(4-メトキシベンジル)-2-(1-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)-1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサ-5-エン-2-アミン:
Figure 2022536168000028
ヘキサ-5-エン-2-オン(0.25g、2.54mmol)のメタノール(1.0mL)撹拌溶液に、(4-メトキシフェニル)メタンアミン(0.32mL、2.54mmol)を加え、1時間撹拌した。続いてtert-オクチルイソシアニド(0.445mL、2.54mmol)およびアジドトリメチルシラン(0.33mL、2.54mmol)を加え、16時間さらに撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、フラッシュクロマトグラフィーを使用して残渣を精製することによって、N-(4-メトキシベンジル)-2-(1-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)-1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサ-5-エン-2-アミン(0.75g)を得た。

H NMR(500 MHz,クロロホルム-d)δ 7.24(d,J=8.6 Hz,2H),6.86(d,J=8.6 Hz,2H),5.82(ddt,J=16.9,10.1,6.5 Hz,1H),5.01(dd,J=17.1,1.7 Hz,1H),4.96(dd,J=10.2,1.7 Hz,1H),3.79(s,3H),3.68(dd,J=27.4,11.5 Hz,2H),2.36(ddd,J=13.7,11.7,4.8 Hz,1H),2.23(ddd,J=13.7,11.6,4.9 Hz,1H),2.13-2.06(m,2H),1.97(dd,J=27.7,10.3 Hz,6H),1.87(d,J=15.0 Hz,1H),1.81-1.74(m,1H),1.72(s,3H),0.65(s,9H);LC-MS(EI)m/z:422.3(M+Na)

[実施例136]
N-(4-メトキシベンジル)-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2-(1-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)-1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサン-2-アミン:
Figure 2022536168000029
クロロ(1,5-シクロオクタジエン)イリジウム(I)ダイマー(4.7mg、0.6mmol)およびエチレンビス(ジフェニルホスフィン)(5.5mg、1.2mmol)の1.5mLのDCM溶液に、N-(4-メトキシベンジル)-2-(1-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)-1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサ-5-エン-2-アミン(0.2g、0.5mmol)およびピナコールボラン(0.07mL、0.55mmol)を加えた。反応混合物を20時間撹拌し、次いで0.2mLのMeOHを使用して冷却し、水(2×5mL)、ブライン(5mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーで精製して、N-(4-メトキシベンジル)-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2-(1-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)-1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサン-2-アミン(0.205g)を白色の固体として得た。

H NMR(500MHz,クロロホルム-d)δ 7.24(d,J=8.6 Hz,2H),6.86(d,J=8.6 Hz,2H),3.79(s,3H),3.65(q,J=43.5,11.7 Hz,2H),2.24-2.11(m,2H),2.06(d,J=14.9 Hz,1H),1.97(s,3H),1.97(s,3H),1.91(d,J=15.0 Hz,1H),1.73(s,3H),1.53-1.38(m,2H),1.37-1.25(m,1H),1.21(d,J=2.3 Hz,12H),1.02-0.91(m,1H),0.77(t,J=7.8 Hz,2H),0.66(s,9H);LC-MS(EI)m/z:550.5(M+Na)

[実施例137a]
N-フェネチル-2-(5-(5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-(トリチルアミノ)ペンチル)-1H-テトラゾール-1-イル)アセトアミド(主生成物):
[実施例137b]
N-((1-フェネチル-1H-テトラゾール-5-イル)メチル)-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2-(トリチルアミノ)ヘキサンアミド(微量生成物):
Figure 2022536168000030
5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ペンタナール(0.2g、0.94mmol)のメタノール(2.0mL)中撹拌溶液にトリチルアミン(0.24g、0.94mmol)を加え、0.5時間撹拌した。続いて2-イソシアノ-N-フェネチルアセトアミド(0.176g、0.94mmol)およびアジドトリメチルシラン(0.18mL、1.41mmol)を加え、16時間さらに撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、フラッシュクロマトグラフィーを使用して残渣を精製することによって、N-フェネチル-2-(5-(5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-(トリチルアミノ)ペンチル)-1H-テトラゾール-1-イル)アセトアミド(主生成物、0.450g)およびN-((1-フェネチル-1H-テトラゾール-5-イル)メチル)-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2-(トリチルアミノ)ヘキサンアミド(微量生成物、0.030g)を得た。
(所望の主生成物)
H NMR(500 MHz,クロロホルム-d)δ 7.39-7.30(m,7H),7.31-7.26(m,2H),7.24-7.16(m,7H),7.16-7.07(m,3H),5.87(t,J=5.8 Hz,1H),4.72(d,J=16.6 Hz,1H),4.26(d,J=16.6 Hz,1H),3.98(td,J=8.0,5.0 Hz,1H),3.50-3.34(m,2H),2.92(d,J=7.5 Hz,1H),2.72(td,J=7.1,2.7 Hz,2H),1.83(dddd,J=13.5,11.1,8.4,5.1 Hz,1H),1.74 ddq,J=15.2,12.4,7.3,6.2 Hz,1H),1.35-1.25(m,2H),1.20(s,12H),1.10-1.02(m,1H),1.02-0.92(m,1H),0.65(td,J=7.6,2.9 Hz,2H);13C NMR(126 MHz,クロロホルム-d)δ 164.1,158.4,145.0,138.1,128.9,128.9,128.8,128.8,128.7,128.6,128.0,126.9,126.9,126.8,83.1,71.6,50.1,48.7,41.2,41.1,37.2,35.4,35.4,27.5,24.9,23.8,10.9;LC-MS(EI)m/z:707.4(M+Na)
(微量生成物)
H NMR(500 MHz,クロロホルム-d)δ 7.31-7.24(m,9H),7.23-7.18(m,6H),7.18-7.12(m,3H),7.01-6.95(m,2H),4.59(td,J=6.9,2.3 Hz,2H),3.71(dd,J=15.7,6.1 Hz,1H),3.57(dd,J=15.8,6.3 Hz,1H),3.24(dd,J=6.7,4.6 Hz,1H),3.13(t,J=6.9 Hz,2H),1.69-1.53(m,1H),1.37-1.24(m,4H),1.20(s,12H),1.15-1.01(m,1H),0.66(t,J=7.7 Hz,2H);13C NMR(126 MHz,クロロホルム-d)δ 175.4,152.4,145.3,136.3,128.9,128.8,128.8,128.6,128.5,127.9,127.9,127.3,126.8,82.9,71.6,57.5,48.7,36.3,34.8,30.6,27.5,24.9,24.8,24.0,10.9;LC-MS(EI)m/z:707.4(M+Na)
[実施例138]
6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-(1-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)-1H-テトラゾール-5-イル)-N-トリチルヘキサン-1-アミン:
Figure 2022536168000031
実施例138の化合物は、メタノール中の6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ヘキサナール(1.0mmol)、トリチルアミン(1.0mmol)、tert-オクチルイソシアニド(1.0mmol)およびアジドトリメチルシラン(1.0mmol)から出発して、実施例129に記載されている類似の方法により得た。

H NMR(500 MHz,クロロホルム-d)δ 7.47-7.39(m,6H),7.24-7.17(m,6H),7.18-7.11(m,3H),4.28(dt,J=9.7,5.1 Hz,1H),3.28(d,J=8.9 Hz,1H),1.75-1.66(m,2H),1.59(s,2H),1.50(s,3H),1.40(s,3H),1.36-1.25(m,3H),1.23(s,12H),1.20-1.03(m,3H),0.79(s,9H),0.70(t,J=7.8 Hz,2H);LC-MS(EI)m/z:672.3(M+Na)

[実施例139]
N-ベンジル-3-(5-(5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-(トリチルアミノ)ペンチル)-1H-テトラゾール-1-イル)プロパンアミド:
Figure 2022536168000032
実施例139の化合物は、メタノール中の5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ペンタナール(1.0mmol)、トリチルアミン(1.0mmol)、3-イソシアノ-N-フェネチルプロパンアミド(1.0mmol)およびアジドトリメチルシラン(1.0mmol)から出発して、実施例129に記載されている類似の方法により得た。

H NMR(500 MHz,クロロホルム-d)δ 7.41-7.35(m,6H),7.35-7.30(m,2H),7.24-7.15(m,8H),7.15-7.09(m,3H),5.93(t,J=5.8 Hz,1H),4.46-4.31(m,2H),4.16-3.89(m,3H),2.97(d,J=8.3Hz,1H),2.64(td,J=7.4,1.8 Hz,2H),1.96-1.84(m,1H),1.80-1.69(m,1H),1.39-1.27(m,2H),1.18(s,12H),1.15-0.99(m,2H),0.75-0.60(m,2H);LC-MS(EI)m/z:683.3(M-H)

[実施例140]
1-(1-((1-(4-クロロベンジル)ピペリジン-4-イル)メチル)-1H-テトラゾール-5-イル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-N-トリチルペンタン-1-アミン:
Figure 2022536168000033
N-((1-(4-クロロベンジル)ピペリジン-4-イル)メチル)ホルムアミド(0.188g、0.70mmol)のDCM(1.0mL)撹拌溶液に、トリメチルアミン(0.24mL、2.4mmol)を加え、-5℃に冷却した。10分後、DCM(0.5mL)中のトリホスゲン(0.084g、0.28mmol)をゆっくりと加えた。ホルムアミドが完全に消費される(TLCでモニター)まで、反応混合物を10分間撹拌した。その後、予め形成したシッフ塩基[5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ペンタナール(0.1g、0.471mmol)とメタノール(1.0mL)中のトリチルアミン(0.12g、0.471mmol)とを混合し、30分間撹拌することによって調製した]およびアジドトリメチルシラン(0.1mL、0.471mmol)を加え、室温で16時間さらに撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、フラッシュクロマトグラフィーを使用して残渣を精製することによって、1-(1-((1-(4-クロロベンジル)ピペリジン-4-イル)メチル)-1H-テトラゾール-5-イル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-N-トリチルペンタン-1-アミン(0.225g)を得た。

H NMR(500 MHz,クロロホルム-d)δ 7.42-7.35(m,6H),7.30-7.24(m,2H),7.24-7.16(m,8H),7.16-7.09(m,3H),3.88(td,J=7.6,4.7 Hz,1H),3.61(dd,J=13.9,7.1 Hz,1H),3.48-3.35(m,3H),2.91(d,J=8.4 Hz,1H),2.85-2.72(m,2H),1.92-1.80(m,3H),1.81-1.71(m,1H),1.66-1.53(m,2H),1.45(ddq,J=37.0,13.6,3.9,3.4 Hz,2H),1.37-1.26(m,2H),1.20(s,12H),1.17-1.08(m,1H),0.68(t,J=7.8 Hz,2H);13C NMR(126 MHz,クロロホルム-d)δ 157.7,145.4,137.0,132.8,130.4,128.6,128.4,127.9,126.8,83.0,71.6,62.4,52.9,52.9,52.5,48.1,37.4,35.8,30.0,30.0,29.5,27.5,24.9,24.9,24.9,24.1,11.0;LC-MS(EI)m/z:767.4(M+Na)
実施例141~230は、市販されているまたは上記の通り合成した適当な中間体から実施例129~140の類似の方式で調製した。
Figure 2022536168000034
Figure 2022536168000035
Figure 2022536168000036
Figure 2022536168000037
Figure 2022536168000038
[実施例231]
N-(2-フルオロベンジル)-2-(5-(5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-(トリチルアミノ)ペンチル)-1H-テトラゾール-1-イル)アセトアミド:
Figure 2022536168000039
雰囲気下で、メチル2-(5-(5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-(トリチルアミノ)ペンチル)-1H-テトラゾール-1-イル)アセテート(0.5g、0.839mmol、実施例131で得た)および(2-フルオロフェニル)メタンアミン(0.48mL、4.19mmol)を一緒に混合し、室温で16時間撹拌した。石油エーテルで洗浄し、デカンテーション手順(3×20mL)により、過剰のアミンを除去した。フラッシュクロマトグラフィーを使用して粗残渣を精製することによって、N-(2-フルオロベンジル)-2-(5-(5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-(トリチルアミノ)ペンチル)-1H-テトラゾール-1-イル)アセトアミド(0.4g)を得た。

H NMR(500 MHz,クロロホルム-d)δ 7.36-7.30(m,6H),7.25-7.21(m,1H),7.21-7.15(m,7H),7.15-7.10(m,3H),7.08(td,J=7.5,1.2 Hz,1H),7.02(ddd,J=9.5,8.1,1.2 Hz,1H),6.26(t,J=5.9 Hz,1H),4.80(d,J=16.7 Hz,1H),4.53-4.30(m,3H),4.01(q,J=7.6 Hz,1H),2.93(d,J=7.4 Hz,1H),1.91-1.80(m,1H),1.80-1.69(m,1H),1.31-1.23(m,2H),1.20(s,12H),1.15-0.94(m,2H),0.64(td,J=7.6,2.3 Hz,2H);LC-MS(EI)m/z:711.4(M+Na)
実施例232~233は、市販されているまたは上記の通り合成した適当な中間体から実施例231の類似の方式で調製した。
Figure 2022536168000040
[実施例234]
2-(5-(5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-(トリチルアミノ)ペンチル)-1H-テトラゾール-1-イル)酢酸:
Figure 2022536168000041
メチル2-(5-(5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-(トリチルアミノ)ペンチル)-1H-テトラゾール-1-イル)アセテート(3.5g、5.87mmol、実施例131で得た)のTHF(12.0mL)撹拌溶液に、HO(6.0mL)およびMeOH(1.0mL)に溶解したLiOH(0.423g、17.63mmol)を加え、反応混合物を16時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をHO(10mL)に再溶解し、0℃に冷却し、水性1N HClでpH約4~5に酸性化し、酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、無水MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、2-(5-(5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-(トリチルアミノ)ペンチル)-1H-テトラゾール-1-イル)酢酸を白色の固体として(2.45g)得た。
LC-MS(EI)m/z:604.3(M+Na)
[実施例235]
N-(4-クロロフェニル)-2-(5-(5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-(トリチルアミノ)ペンチル)-1H-テトラゾール-1-イル)アセトアミド:
Figure 2022536168000042
2-(5-(5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-(トリチルアミノ)ペンチル)-1H-テトラゾール-1-イル)酢酸(0.15g、0.258mmol)のDMF(2.0mL)撹拌溶液に、4-クロロアニリン(0.050g、0.38mmol)、HOBt.HCl(0.035g、0.258mmol)およびNMM(0.1mL、0.774mmol)を加えた。0.5時間の撹拌後、EDCI.HCl(0.098g、0.516mmol)を加え、反応混合物を室温で16時間さらに撹拌した。反応混合物を氷冷水上に注入し、固体を沈殿させ、濾過によって収集し、真空乾燥して、表題化合物を淡黄色の固体(0.210g)として得た。

H NMR(500 MHz,クロロホルム-d)δ 7.88(s,1H),7.41-7.31(m,8H),7.31-7.25(m,2H),7.19(t,J=7.7 Hz,6H),7.17-7.08(m,3H),4.88(d,J=16.6 Hz,1H),4.55(d,J=16.6 Hz,1H),4.11-4.03(m,1H),2.99(d,J=7.2 Hz,1H),1.93-1.78(m,2H),1.35-1.26(m,2H),1.19(s,12H),1.16-1.05(m,1H),1.05-0.92(m,1H),0.60(td,J=7.8,7.1,2.3 Hz,2H);13C NMR(126 MHz,クロロホルム-d)δ 162.21,158.75,144.94,135.41,130.25,129.18,128.58,128.05,126.90,121.52,83.02,71.65,50.54,48.91,37.13,27.67,24.87,23.84,10.94;LC-MS(EI)m/z:713.2(M+Na)
実施例236および237は、市販されているまたは上記の通り合成した適当な中間体から実施例235の類似の方式で調製した。
Figure 2022536168000043
[実施例238]
N-((1-(4-クロロベンジル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メチル)-2-(5-(5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-(トリチルアミノ)ペンチル)-1H-テトラゾール-1-イル)アセトアミド:
Figure 2022536168000044
N-(プロパ-2-イン-1-イル)-2-(5-(5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-(トリチルアミノ)ペンチル)-1H-テトラゾール-1-イル)アセトアミド(0.1g、0.161mmol、実施例157で得た)のDMF(1.0mL)撹拌溶液に、Cu(II)SO.5HO(0.4mLのHO中0.025g、0.097mmol)の水溶液およびアスコルビン酸(0.4mLのHO中0.092g、0.466mmol)をそれぞれ加え、これに続いて1-(アジドメチル)-4-クロロベンゼン(0.035g、0.209mmol)を加え、14時間さらに撹拌した。反応混合物を氷冷水上に注ぎ、固体を沈殿させ、濾過によって収集し、真空乾燥し、フラッシュクロマトグラフィーでさらに精製して、表題化合物を淡黄色の固体(0.110g)として得た。

H NMR(500 MHz,クロロホルム-d)δ 8.01(s,1H),7.36-7.29(m,9H),7.20-7.15(m,11H),5.43-5.32(m,2H),4.80(d,J=16.5 Hz,1H),4.42(dt,J=5.9,3.0 Hz,3H),4.38-4.31(m,2H),4.07-3.93(m,1H),1.90-1.80(m,1H),1.74-1.66(m,1H),1.27(ddd,J=13.3,9.3,6.7 Hz,2H),1.20(d,J=4.3 Hz,12H),1.14-0.98(m,2H),0.63(tt,J=8.4,4.1 Hz,2H);LC-MS(EI)m/z:785.08(M-H)

[実施例239]
N-((1-(2-フルオロエチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メチル)-2-(5-(5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-(トリチルアミノ)ペンチル)-1H-テトラゾール-1-イル)アセトアミド。
実施例239は、市販されているまたは上記の通り合成した適当な中間体から出発して実施例238の類似の方式で調製した。
Figure 2022536168000045
[実施例240~247]
キラル的に純粋な化合物:
キラル分離に使用される分析法:
方法1:カラム-キラルIC(250×4.6)mm、5mm;流速:4.0ml分-1;移動相:アイソクラチック(Isocratic);エタノール:CO(13:87);カラム温度:40℃、検出波長:フォトダイオードアレイ(PDA);圧力:120バール;運転時間:18分。
方法2:カラム-キラルIC(250×4.6)mm、5mm;流速:4.0ml分-1;移動相:アイソクラチック;エタノール:CO(20:80);カラム温度:40℃、検出波長:フォトダイオードアレイ(PDA);圧力:120バール;運転時間:15分。
方法3:カラム-キラルIC(250×4.6)mm、5mm;流速:4.0ml分-1;移動相:アイソクラチック;エタノール:CO(14:86);カラム温度:40℃、検出波長:フォトダイオードアレイ(PDA);圧力:120バール;運転時間:25分。
方法4:カラム-キラルIC(250×4.6)mm、5mm;流速:4.0ml分-1;移動相:アイソクラチック;エタノール:CO(15:85);カラム温度:40℃、検出波長:フォトダイオードアレイ(PDA);圧力:120バール;運転時間:30分。
Figure 2022536168000046
[実施例248]
(5-アミノ-5-(1-(4-クロロベンジル)-1H-テトラゾール-5-イル)ペンチル)ボロン酸塩酸塩:
Figure 2022536168000047
1-(1-(4-クロロベンジル)-1H-テトラゾール-5-イル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-N-トリチルペンタン-1-アミン(0.2g、0.308mmol、実施例129で得た)をDCM(1.0mL)に溶解し、これに水性3N HCl(5.0mL)を加え、得られた反応混合物を70℃で18時間加熱した。反応混合物を5.0mLの水でさらに希釈し、水相をDCM(2×10mL)で洗浄した。水相を減圧下で濃縮乾燥させて、表題のオフホワイト色の固体(0.095g)を得た。

H NMR(500 MHz,メタノール-d)δ 7.43(d,J=8.2 Hz,2H),7.36(d,J=8.5 Hz,2H),5.85(d,J=15.7 Hz,1H),5.70(d,J=15.7 Hz,1H),3.64-3.53(m,1H),1.94-1.74(m,2H),1.27-1.08(m,2H),1.08-0.88(m,2H),0.60(t,J=7.7 Hz,2H);LC-MS(EI)m/z:338.1(M+15)

[実施例249]
(5-アミノ-5-(1-(2-フルオロ-5-ニトロフェニル)-1H-テトラゾール-5-イル)ペンチル)ボロン酸塩酸塩:
Figure 2022536168000048
実施例249の化合物は、実施例248に記載されている類似の方法により、DCM(0.5mL)中1-(1-(2-フルオロ-5-ニトロフェニル)-1H-テトラゾール-5-イル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-N-トリチルペンタン-1-アミン(0.1g、0.15mmol、実施例130で得た)、水性3N HCl(3.0mL)を70℃で18時間加熱して使用することにより、表題化合物(0.050g)を得た。

H NMR(500 MHz,メタノール-d)δ 8.64(dt,J=9.0,2.6 Hz,1H),8.61(t,J=2.5 Hz,1H),7.86(dd,J=8.9,2.3 Hz,1H),4.79-4.71(m,1H),2.07-1.88(m,2H),1.38-1.08(m,4H),0.78-0.59(m,2H);LC-MS(EI)m/z:339.1(M+H)

[実施例250]
2-(5-(1-アミノ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ペンチル)-1H-テトラゾール-1-イル)酢酸塩酸塩:
Figure 2022536168000049
実施例250の化合物は、実施例248に記載されている類似の方法により、DCM(0.5mL)中メチル2-(5-(5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-(トリチルアミノ)ペンチル)-1H-テトラゾール-1-イル)アセテート(0.2g、0.335mmol、実施例131で得た)、水性の3N HCl(5.0mL)を使用し、100℃で18時間加熱して、表題化合物(0.090g)を得た。
NMR;LC-MS(EI)m/z:256.2(M-H)
[実施例251]
(5-アミノ-5-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキシル)ボロン酸塩酸塩:
Figure 2022536168000050
実施例251の化合物は、実施例248に記載されている類似の方法により、DCM(0.5mL)中N-(4-メトキシベンジル)-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2-(1-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)-1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサン-2-アミン(0.1g、0.335mmol、実施例136で得た)、水性3N HCl(3.0mL)を使用し、100℃で18時間加熱して、表題化合物(0.040g)を得た。

H NMR(500 MHz,メタノール-d)δ 2.15-2.00(m,2H),1.80(s,3H),1.42-1.31(m,2H),1.30-1.14(m,3H),0.81-0.69(m,2H);LC-MS(EI)m/z:228.2(M+15)

[実施例252]
(6-アミノ-6-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキシル)ボロン酸塩酸塩:
Figure 2022536168000051
実施例252の化合物は、実施例248に記載されている類似の方法により、DCM(0.5mL)中の6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-(1-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)-1H-テトラゾール-5-イル)-N-トリチルヘキサン-1-アミン(0.15g、0.230mmol、実施例138で得た)、水性の3N HCl(4.0mL)を使用し、70℃で18時間加熱して、表題化合物(0.050g)を得た。
NMR;LC-MS(EI)m/z:214.2(M+H)
[実施例253]
(5-アミノ-5-(1-(2-((2-フルオロベンジル)アミノ)-2-オキソエチル)-1H-テトラゾール-5-イル)ペンチル)ボロン酸塩酸塩:
Figure 2022536168000052
実施例253の化合物は、実施例248に記載されている類似の方法により、DCM(0.5mL)中N-(2-フルオロベンジル)-2-(5-(5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-(トリチルアミノ)ペンチル)-1H-テトラゾール-1-イル)アセトアミド(0.15g、0.217mmol、実施例231で得た)、水性3N HCl(4.0mL)を使用し、70℃で18時間加熱して、表題化合物(0.080g)を得た。

(主回転異性体が示される)
H NMR(500 MHz,重水)δ 7.43-7.35(m,2H),7.21-7.11(m,2H),5.45(q,J=35.5,17.7 Hz,2H),4.89(t,J=7.1 Hz,1H),4.17(s,2H),2.16-1.99(m,2H),1.37-1.09(m,4H),0.64(t,J=7.8 Hz,2H);LC-MS(EI)m/z:379.2(M+15)
実施例254~363は、市販されているまたは上記のように合成した適当な中間体から実施例248~253類似の方式で調製した。
Figure 2022536168000053
Figure 2022536168000054
Figure 2022536168000055
Figure 2022536168000056
Figure 2022536168000057
Figure 2022536168000058
Figure 2022536168000059
[実施例364]
(5-アミノ-5-(1-(5-アミノ-2-フルオロフェニル)-1H-テトラゾール-5-イル)ペンチル)ボロン酸塩酸塩:
Figure 2022536168000060
窒素雰囲気下で、(5-アミノ-5-(1-(2-フルオロ-5-ニトロフェニル)-1H-テトラゾール-5-イル)ペンチル)ボロン酸塩酸塩(0.080g、実施例249で得た)のメタノール(3.0mL)撹拌溶液に、10%Pd/C(0.030g)を加え、水素バルーンを使用して2.5時間水素付加反応を行った。セライトパッドを介して反応混合物を濾過した。セライトパッドを過剰のメタノールで洗浄した。最後に溶媒を減圧下で除去して、表題化合物(0.035g)を得た。

H NMR(500 MHz,メタノール-d)δ 6.89(t,J=2.4 Hz,2H),6.62(s,1H),4.54-4.42(m,1H),2.05-1.78(m,2H),1.36-1.16(m,4H),0.68(t,J=6.9 Hz,2H);LC-MS(EI)m/z:323.2(M+15)
実施例365および366は、市販されているまたは上記のように合成した適当な中間体から実施例355の類似の方式で調製した。
Figure 2022536168000061
アルギナーゼの阻害
本発明の化合物は、公開されたプロトコル(Baggioら、J.Pharmacol.Exp.Ther.1999年、290巻、1409~1416頁)に記載されたex vivoアッセイにより証明される通りヒトアルギナーゼI(ARGI)およびアルギナーゼII(ARGII)を阻害する。アッセイにより、アルギナーゼ活性を50%減少させるのに必要とされる阻害剤の濃度(IC50)が確立された。
アッセイプロトコル
新規の化合物によるアルギナーゼI(ARGI)およびアルギナーゼII(ARGII)の阻害を、分光光度法で530nmにおいて追跡する。試験すべき化合物をHOに溶解し、100mMストック溶液を調製する。130mM NaClを含有する0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液、pH7.4を含むアッセイ緩衝剤90μlでストック溶液10μlを希釈し、これにオボアルブミン(OVA)を濃度1mg/mlで加える。アルギナーゼIおよびIIの溶液を1mg/mlのOVAを含有する100mMリン酸ナトリウム緩衝液、pH7.4中に調製して、アルギナーゼストック溶液を最終濃度100ng/mlで得る。96ウェルマイクロタイタープレートの各ウェルに、40μlの酵素、10μlの本発明の化合物および10μlの酵素基質(Lアルギニン+硫酸マンガン硫酸)を加える。陽性対照として使用されるウェルに対しては、酵素およびその基質のみを加える一方で、陰性対照として使用されるウェルは硫酸マンガンのみを含有する。マイクロタイタープレートを37℃で60分間インキュベートした後、等しい割合(1:1)の試薬AとBを合わせることにより得た150μlのウレア試薬をマイクロタイタープレートの各ウェルに加えて、反応を停止する。試薬A(1.8M硫酸中の10mM o-フタルジアルデヒド、および0.4%ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル(w/v))を試薬B(3.6M硫酸中の1.3mMプリマキノン(primaquinone)ジホスフェート、0.4%ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル(w/v)、130mMホウ酸)と合わせることにより、ウレア試薬を使用直前に作製する。反応混合物を冷却した後、マイクロタイタープレートを室温でさらに10分間静置させて、色を発色させる。反応混合物の光学密度(OD)を530nmで測定し、対照において観察されたパーセント阻害に対してOD値を正規化することによりアルギナーゼの阻害を計算する。次いで、正規化したODを使用して、正規化したOD値をlog[濃度]に対してプロットすることにより用量反応曲線を作成し、回帰分析を使用してIC50値を計算する。
アルギナーゼIC50値:
Figure 2022536168000062
Figure 2022536168000063
Figure 2022536168000064
Figure 2022536168000065
Figure 2022536168000066
Figure 2022536168000067
Figure 2022536168000068
Figure 2022536168000069
Figure 2022536168000070
Figure 2022536168000071
Figure 2022536168000072
Figure 2022536168000073
Figure 2022536168000074
Figure 2022536168000075
本発明の一部の化合物に対するさらなるデータは、Van den Berg M.P.M.ら、「Pharmacological screening identifies SHK242 and SHK277 as novel arginase inhibitors with efficacy against allergen-induced airway narrowing in vitro and in vivo」Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics、2020年4月13日、jpet.119.264341;DOI:10.1124/jpet.119.264341で開示されている。

Claims (12)

  1. 式(I)の化合物:
    Figure 2022536168000076
    [式中、
    nは1または2であり、
    は、水素であるか、またはアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルキルシクロアルキル、ヘテロアルキルシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルもしくはヘテロアラルキル基であり、これらの基のすべては場合によって置換されていてもよく、
    は、水素であるか、またはアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルキルシクロアルキル、ヘテロアルキルシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルもしくはヘテロアラルキル基であり、これらの基のすべては場合によって置換されていてもよく、Rは、水素であり、あるいは
    およびRは一緒になって、場合によって置換されているヘテロシクロアルキルまたはヘテロアリール基の一部であり、
    は水素またはメチルである]
    あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物またはその薬学的に許容される製剤。
  2. が水素である、請求項1に記載の化合物。
  3. およびRが水素である、請求項1または2に記載の化合物。
  4. が式-CH-C(=O)-NH-Rの基、式-CH-CH-C(=O)-NH-Rの基、または式-CH-C(=O)-N(CH)-Rの基であり、Rがアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルキルシクロアルキル、ヘテロアルキルシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルまたはヘテロアラルキル基であり、これらの基のすべてが場合によって置換されていてもよい、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物。
  5. が式-L-Cy-L-Cyの基であり、
    およびLが、独立して、結合、C1~4アルキル基またはC1~4ヘテロアルキル基から選択され、
    Cyが、C3~7シクロアルキレン基、O、S、NおよびCから選択される3~7個の環原子を含有するヘテロシクロアルキレン基、フェニレン基またはO、S、NおよびCから選択される5もしくは6個の環原子を含有するヘテロアリーレン基であり、これらの基のすべてが場合によって置換されていてもよく、
    CyがC3~7シクロアルキル基、O、S、NおよびCから選択される3~7個の環原子を含有するヘテロシクロアルキル基、フェニル基またはO、S、NおよびCから選択される5もしくは6個の環原子を含有するヘテロアリール基であり、これらの基のすべてが場合によって置換されていてもよい、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物。
  6. 以下の式(II):
    Figure 2022536168000077
    [式中、Rは、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルキルシクロアルキル、ヘテロアルキルシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルまたはヘテロアラルキル基であり、これらの基のすべては場合によって置換されていてもよい]
    を有する請求項1に記載の化合物、あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物またはその薬学的に許容される製剤。
  7. 以下の式(III):
    Figure 2022536168000078
    [式中、Rはアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルキルシクロアルキル、ヘテロアルキルシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルまたはヘテロアラルキル基であり、これらの基のすべては場合によって置換されていてもよい]
    を有する請求項1に記載の化合物、あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物またはその薬学的に許容される製剤。
  8. が式-CH-R、-CHCH-Rまたは-CH(CH)-Rの基であり、Rがアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルキルシクロアルキル、ヘテロアルキルシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルまたはヘテロアラルキル基であり、これらの基のすべてが場合によって置換されていてもよい、請求項4、6または7に記載の化合物。
  9. がC1~4アルキル、C2~4アルケニル、C2~4アルキニルまたはC1~4ヘテロアルキル基である、請求項8に記載の化合物。
  10. が、以下の基:C3~7シクロアルキル、フェニル、C、N、OおよびSから選択される3~7個の環原子を含有するヘテロシクロアルキルならびにC、N、OおよびSから選択される5または6個の環原子を含有するヘテロアリールから選択され、これらのすべてが場合によって置換されていてもよい、請求項8に記載の化合物。
  11. 請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を、場合によって薬学的に許容されるキャリヤーおよび/またはアジュバントと組み合わせて含む、医薬組成物。
  12. アルギナーゼ活性に関連する疾患、例えば、喘息、COPDおよびアレルギー性鼻炎の処置における使用のための、請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物または医薬組成物。
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