JP2022534988A - tRNAプールを調節するためのTREMの使用 - Google Patents

tRNAプールを調節するためのTREMの使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、一般的には、tRNAベースエフェクター分子(TREM)の使用及びその作製方法に関する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2019年5月31日に出願された米国仮特許出願第62/855,561号に対する優先権を主張するものであり、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる。
配列表
本出願は、ASCII形式で電子的手段により提出された配列表を含み、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。2020年5月19日に作成された前記ASCIIの複製は、F2099-7001WO_SL.txtと命名され、サイズは105,520バイトである。
tRNAベースエフェクター分子(TREM)は、タンパク質の開始及び伸長を含むいくつかの機能を有する複合体分子である。TREMを含む組成物は、疾患を治療又は予防するように前記機能を調節するために使用できる。
一態様では、本発明は、第1の配列を有するコドンを含む内在性オープンリーディングフレーム(ORF)を含む細胞中のtRNAプールを調節する方法であって、
任意選択により、細胞中の(i)及び(ii)の一方又は両方の存在量についての知識を取得すること、例えば、細胞中の(i)及び(ii)の相対量についての知識を取得することであって、(i)は、第1の配列を有するORFのコドンと対形成するアンチコドンを有するtRNA部分(第1のtRNA部分)であり、及び(ii)は、第1の配列を有するコドン以外のコドンと対形成するアンチコドンを有するイソアクセプターtRNA部分(第2のtRNA部分)である、取得することと;
細胞中の第1のtRNA部分及び第2のtRNA部分の相対量を調節するのに十分な量及び時間で、細胞を、TREMを含む組成物と接触させることであって、TREMは、(a)第1の配列を有するコドン又は(b)第1の配列を有するコドン以外のコドンと対形成するアンチコドンを有する、接触させることと、
それにより細胞中のtRNAプールを調節することと
を含む方法を特徴とする。
ある実施形態では、TREMを含む組成物は、薬学的に許容される組成物である。
ある実施形態では、TREMは、終止コドンと対形成するアンチコドンを含まない。
ある実施形態では、本方法は、(i)についての知識を取得することを含む。ある実施形態では、本方法は、(ii)についての知識を取得することを含む。ある実施形態では、本方法は、(i)及び(ii)についての知識を取得することを含む。
一態様では、本発明は、第1の配列を有するコドンを含む内在性ORFを有する対象中のtRNAプールを調節する方法であって、
任意選択により、対象中の(i)及び(ii)の一方又は両方の存在量についての知識を取得すること、例えば、対象中の(i)及び(ii)の相対量についての知識を取得することであって、(i)は、第1の配列を有するORFのコドンと対形成するアンチコドンを有するtRNA部分(第1のtRNA部分)であり、及び(ii)は、第1の配列を有するコドン以外のコドンと対形成するアンチコドンを有するイソアクセプターtRNA部分(第2のtRNA部分)である、取得することと;
対象中の第1のtRNA部分及び第2のtRNA部分の相対量を調節するのに十分な量及び時間で、対象をTREMを含む組成物と接触させることであって、TREMは、(a)第1の配列を有するコドン又は(b)第1の配列を有するコドン以外のコドンと対形成するアンチコドンを有する、接触させることと、
それにより対象中のtRNAプールを調節することと
を含む方法を特徴とする。
ある実施形態では、TREMを含む組成物は、薬学的に許容される組成物である。
ある実施形態では、TREMは、終止コドンと対形成するアンチコドンを含まない。
ある実施形態では、本方法は、(i)についての知識を取得することを含む。ある実施形態では、本方法は、(ii)についての知識を取得することを含む。ある実施形態では、本方法は、(i)及び(ii)についての知識を取得することを含む。
別の態様では、本開示は、内在性ORF(このORFは、第1の配列を有するコドンを含む)を有する細胞中のtRNAプールを評価する方法であって、(i)及び(ii)の一方又は両方の存在量についての知識を、例えば、直接的又は間接的に、取得すること、例えば、細胞中の(i)及び(ii)の相対量についての知識を取得することであって、(i)は、第1の配列を有するORFのコドンと対形成するアンチコドンを有するtRNA部分(第1のtRNA部分)であり、及び(ii)は、細胞中の第1の配列を有するコドン以外のコドンと対形成するアンチコドンを有するイソアクセプターtRNA部分(第2のtRNA部分)である、取得することと、それにより細胞中のtRNAプールを評価することと、を含む方法を提供する。
ある実施形態では、本方法は、(i)についての知識を取得することを含む。ある実施形態では、本方法は、(ii)についての知識を取得することを含む。ある実施形態では、本方法は、(i)及び(ii)についての知識を取得することを含む。
ある実施形態では、(i)についての知識を取得することは、(i)の存在量、例えば、相対量に対する値を取得することを含む。
ある実施形態では、(ii)についての知識を取得することは、(ii)の存在量、例えば、相対量に対する値を取得することを含む。
ある実施形態では、前記値に応答して、本方法は、第1のtRNA部分及び第2のtRNA部分の相対量を調節するのに十分な量及び時間で、TREMを含む組成物を投与することであって、TREMは、(a)第1の配列を有するコドン又は(b)第1の配列を有するコドン以外のコドンと対形成するアンチコドンを有する、投与することを含む。
別の態様では、本開示は、第1の配列を有するコドンを含む内在性ORFを有する対象中のtRNAプールを評価する方法であって、(i)及び(ii)の一方又は両方の存在量についての知識を、例えば、直接的又は間接的に、取得すること、例えば、対象中の(i)及び(ii)の相対量についての知識を取得することであって、(i)は、第1の配列を有するORFのコドンと対形成するアンチコドンを有するtRNA部分(第1のtRNA部分)であり、及び(ii)は、細胞中の第1の配列を有するコドン以外のコドンと対形成するアンチコドンを有するイソアクセプターtRNA部分(第2のtRNA部分)である、取得することと、それにより対象中のtRNAプールを評価することと、を含む方法を提供する。
ある実施形態では、本方法は、(i)についての知識を取得することを含む。ある実施形態では、本方法は、(ii)についての知識を取得することを含む。ある実施形態では、本方法は、(i)及び(ii)についての知識を取得することを含む。
ある実施形態では、(i)についての知識を取得することは、(i)の存在量、例えば、相対量に対する値を取得することを含む。
ある実施形態では、(ii)についての知識を取得することは、(ii)の存在量、例えば、相対量に対する値を取得することを含む。
ある実施形態では、前記値に応答して、本方法は、第1のtRNA部分及び第2のtRNA部分の相対量を調節するのに十分な量及び時間で、TREMを含む組成物を投与することであって、TREMは、(a)第1の配列を有するコドン又は(b)第1の配列を有するコドン以外のコドンと対形成するアンチコドンを有する、投与することを含む。
別の態様では、本発明は、同義変異を含むコドン(同義変異コドン又はSMC)を含む内在性ORFを含む対象中又は細胞中のtRNAプールを調節する方法であって、
TREMを含む組成物を提供することであって、TREMは、SMC(TREM)と対形成するアンチコドン配列を含むイソアクセプターtRNA部分を含む、提供することと;
対象中又は細胞中のtRNAプールを調節するのに十分な量及び時間で、対象をTREMを含む組成物と接触させ又は細胞の場合には細胞をTREMを含む組成物からのTREMと接触させることと、
それにより対象中又は細胞中のtRNAプールを調節することと
を含む方法を特徴とする。
ある実施形態では、TREMを含む組成物と接触させる前、対象又は細胞は、SMCと対形成するアンチコドンを有する第1のtRNA部分(第1のtRNA部分)及びSMC以外のコドンと対形成するアンチコドンを有する第2のtRNA部分(第2のtRNA部分)を含む。
別の態様では、本発明は、第1の配列を有するコドンを含む内在性ORFを有する対象を治療する方法であって、
TREMを含む組成物を提供することであって、TREMは、(a)第1の配列を有するORFのコドンと対形成するアンチコドン又は(b)第1の配列を有するコドン以外のコドンと対形成するアンチコドンを有するイソアクセプターtRNA部分を含む、提供することと、
対象を治療するのに十分な量及び時間で、対象をTREMを含む組成物と接触させることと、
それにより対象を治療することと
を含む方法を特徴とする。
別の態様では、本開示は、同義変異を含むコドン(同義変異コドン又はSMC)を含む内在性ORFを有する対象を治療する方法であって、
TREMを含む組成物を提供することであって、TREMは、SMC(TREM)と対形成するアンチコドンを有するイソアクセプターtRNA部分を含む、提供することと;
対象を治療するのに十分な量及び時間で、対象をTREM含む組成物と接触させることと、
それにより対象を治療することと
を含む方法を提供する。
別の態様では、本発明は、第1の配列を有するコドンを含む内在性ORFを有する対象を治療する方法であって、
(i)対象中の第1の配列を有するコドンの状態に対する値を、例えば、直接的又は間接的に、取得することであって、前記値は、対象からのサンプル中の第1の配列を有するコドンの存在又は不在の尺度を含む、取得すること、及び第1の配列を有するコドンを有するとして対象を同定すること;並びに
(ii)前記値に応答して、TREMを含む組成物を対象に投与することであって、TREMは、第1の配列を有するコドンと対形成するアンチコドンを有するイソアクセプターtRNA部分を含む、投与すること、
それにより対象を治療すること
を含む方法を提供する。
別の態様では、本発明は、同義変異を含むコドン(同義変異コドン又はSMC)を含む内在性ORFを有する対象を治療する方法であって、
(i)対象のSMC状態に対する値を、例えば、直接的又は間接的に、取得することであって、前記値は、対象からのサンプル中のSMCの存在又は不在の尺度を含む、取得すること、及びSMCを有するとして対象を同定すること;並びに
(ii)前記値に応答して、TREMを含む組成物を対象に投与することであって、TREMは、SMCと対形成するアンチコドンを有するイソアクセプターtRNA部分を含む、投与すること、
それにより対象を治療すること
を含む方法を特徴とする。
ある態様では、本発明は、第1の配列を有するコドンを含む内在性ORFを有する対象に対する療法を選択する方法であって、
対象中の第1の配列を有するコドンの状態に対する値を、例えば、直接的又は間接的に、取得することであって、前記値は、対象からのサンプル中の第1の配列を有するコドンの存在又は不在の尺度を含む、取得すること、及び
第1の配列を有するコドンの存在が、前記対象が療法に対する反応者である可能性が高いこと又は前記対象が療法に反応すること若しくは反応する可能性が高いことの指標となり、
それにより療法を選択すること
を含む方法を特徴とする。
ある態様では、本発明は、同義変異を含むコドン(同義変異コドン又はSMC)を含む内在性ORFを有する対象に対する療法を選択する方法であって、
対象のSMC状態に対する値を、例えば、直接的又は間接的に、取得することであって、前記値は、対象からのサンプル中のSMCの存在又は不在の尺度を含む、取得すること、及び
SMCの存在が、前記対象が療法に対する反応者である可能性が高いこと又は前記対象が療法に反応すること若しくは反応する可能性が高いことの指標となり、
それにより療法を選択すること
を含む方法を特徴とする。
ある態様では、本発明は、第1の配列を有するコドンを含む内在性ORFを有する対象を評価する方法であって、
対象中の第1の配列を有するコドンの状態に対する値を、例えば、直接的又は間接的に、取得することであって、前記値は、対象からのサンプル中の第1の配列を有するコドンの存在又は不在の尺度を含む、取得すること;及び
第1の配列を有するコドンを有するとして対象を同定すること、
それにより対象を評価すること
を含む方法を提供する。
ある態様では、本発明は、同義変異を含むコドン(同義変異コドン又はSMC)を含む内在性ORFを有する対象を評価する方法であって、
対象のSMC状態に対する値を、例えば、直接的又は間接的に、取得することであって、前記値は、対象からのサンプル中のSMCの存在又は不在の尺度を含む、取得することと、
SMCを有するとして対象を同定することと、
それにより対象を評価することと
を含む方法を特徴とする。
本明細書で開示されるように、tRNAベースエフェクター分子(TREM)は、様々な細胞プロセスを媒介できる複合体分子である。TREMを含む組成物又はTREMを含む医薬組成物は、対象中、組織内又は細胞中のtRNAプールを調節するために、例えば、インビトロ又はインビボで、細胞、組織又は対象に投与できる。また、本明細書で開示されるのは、TREMを含む組成物又はTREMを含む医薬組成物を投与することによって、障害又は障害の症状を治療又は予防する方法である。本明細書にさらで開示されるのは、TREMを含む組成物又はTREMを含む医薬組成物、調製物及びその作製方法である。
前述の組成物(例えば、TREMを含む組成物又はTREMを含む医薬組成物)、前記組成物の使用方法及び/又はその作製方法のいずれかの追加の特徴は、以下に列挙される実施形態の1つ以上を含む。
当業者は、通例の実験だけを使用して、本明細書に記載される本発明の特定の実施形態に対する多数の均等物を認識することになるか、又は確認することがきできるであろう。そのような均等物は、以下に列挙される実施形態によって包含されることが意図される。
列挙される実施形態
1.第1の配列を有するコドンを含む内在性ORFを有する細胞中のtRNAプールを評価する方法であって、(i)及び(ii)の一方又は両方の存在量についての知識を、例えば、直接的又は間接的に、取得すること、例えば、細胞中の(i)及び(ii)の相対量についての知識を取得することであって、(i)は、第1の配列を有するORFのコドンと対形成するアンチコドンを有するtRNA部分(第1のtRNA部分)であり、及び(ii)は、細胞中の第1の配列を有するコドン以外のコドンと対形成するアンチコドンを有するイソアクセプターtRNA部分(第2のtRNA部分)である、取得することと、それにより細胞中のtRNAプールを評価することと、を含む方法。
2.第1の配列を有するコドンを含む内在性ORFを有する対象中のtRNAプールを評価する方法であって、(i)及び(ii)の一方又は両方の存在量についての知識を、例えば、直接的又は間接的に、取得すること、例えば、対象中の(i)及び(ii)の相対量についての知識を取得することであって、(i)は、第1の配列を有するORFのコドンと対形成するアンチコドンを有するtRNA部分(第1のtRNA部分)であり、及び(ii)は、細胞中の第1の配列を有するコドン以外のコドンと対形成するアンチコドンを有するイソアクセプターtRNA部分(第2のtRNA部分)である、取得することと、それにより対象中のtRNAプールを評価することと、を含む方法。
3.(i)についての知識を取得することを含む、実施形態1又は2の方法。
4.(ii)についての知識を取得することを含む、実施形態1又は2の方法。
5.(i)及び(ii)についての知識を取得することを含む、実施形態1又は2の方法。
6.(i)についての知識を取得することが、(i)の存在量、例えば、相対量に対する値を取得することを含む、実施形態1~3又は5のいずれか1つの方法。
7.(ii)についての知識を取得することが、(ii)の存在量、例えば、相対量に対する値を取得することを含む、実施形態1~2又は4~5のいずれか1つの方法。
8.前記値に応答して、方法が、第1のtRNA部分及び第2のtRNA部分の相対量を調節するのに十分な量及び時間で、TREMを含む組成物を投与することであって、TREMは、(a)第1の配列を有するコドン又は(b)第1の配列を有するコドン以外のコドンと対形成するアンチコドンを有する、投与することを含む、実施形態6又は7の方法。
9.内在性オープンリーディングフレーム(ORF)(このORFは、第1の配列を有するコドンを含む)を含む細胞中のtRNAプールを調節する方法であって、
任意選択により、細胞中の(i)及び(ii)の一方又は両方の存在量についての知識を取得すること、例えば、細胞中の(i)及び(ii)の相対量についての知識を取得することであって、(i)は、第1の配列を有するORFのコドンと対形成するアンチコドンを有するtRNA部分(第1のtRNA部分)であり、及び(ii)は、第1の配列を有するコドン以外のコドンと対形成するアンチコドンを有するイソアクセプターtRNA部分(第2のtRNA部分)である、取得すること;
細胞中の第1のtRNA部分及び第2のtRNA部分の相対量を調節するのに十分な量及び/又は時間で、細胞をTREMを含む組成物と接触させることであって、TREMは、(a)第1の配列を有するコドン又は(b)第1の配列を有するコドン以外のコドンと対形成するアンチコドンを有する、接触させること、
それにより細胞中のtRNAプールを調節すること
を含む方法。
10.TREMが、(a)と対形成するアンチコドンを含む、実施形態9の方法。
11.TREMが、(b)と対形成するアンチコドンを含む、実施形態9の方法。
12.内在性オープンリーディングフレーム(ORF)(このORFは、第1の配列を有するコドンを含む)を有する対象中のtRNAプールを調節する方法であって、
任意選択により、対象中の(i)及び(ii)の一方又は両方の存在量についての知識を取得すること、例えば、対象中の(i)及び(ii)の相対量についての知識を取得することであって、(i)は、第1の配列を有するORFのコドンと対形成するアンチコドンを有するtRNA部分(第1のtRNA部分)であり及び(ii)は、第1の配列を有するコドン以外のコドンと対形成するアンチコドンを有するイソアクセプターtRNA部分(第2のtRNA部分)である、取得すること;
対象中の第1のtRNA部分及び第2のtRNA部分の相対量を調節するのに十分な量及び/又は時間で、対象をTREMを含む組成物と接触させることであって、TREMは、(a)第1の配列を有するコドン又は(b)第1の配列を有するコドン以外のコドンと対形成するアンチコドンを有する、接触させること、
それにより対象中のtRNAプールを調節すること
を含む方法。
13.TREMが、(a)と対形成するアンチコドンを含む、実施形態12の方法。
14.TREMが、(b)と対形成するアンチコドンを含む、実施形態12の方法。
15.(i)についての知識を取得することを含む、実施形態9~14のいずれか1つの方法。
16.(ii)についての知識を取得することを含む、実施形態9~14のいずれか1つの方法。
17.(i)及び(ii)についての知識を取得することを含む、実施形態9~14のいずれか1つの方法。
18.(i)についての知識を取得することが、(i)の存在量、例えば、相対量に対する値を取得することを含む、実施形態9~14のいずれか1つの方法。
19.(ii)についての知識を取得することが、(ii)の存在量、例えば、相対量に対する値を取得することを含む、実施形態9~14のいずれか1つの方法。
20.前記値に応答して、細胞又は対象が、(a)又は(b)と対形成するアンチコドンを有するTREMを含む組成物と接触される、実施形態18又は19の方法。
21.同義変異を含むコドン(同義変異コドン又はSMC)を含む内在性オープンリーディングフレーム(ORF)を有する対象中のtRNAプールを調節する方法であって、
TREMを含む組成物を提供することであって、TREMは、SMC(TREM)と対形成するアンチコドン配列を含むイソアクセプターtRNA部分を含む、提供すること;
対象中のtRNAプールを調節するのに十分な量及び/又は時間で、対象をTREMを含む組成物と接触させること、
それにより対象中のtRNAプールを調節すること
を含む方法。
22.同義変異を含むコドン(同義変異コドン又はSMC)を含む内在性オープンリーディングフレーム(ORF)を含む細胞中のtRNAプールを調節する方法であって、
TREMを含む組成物を提供することであって、TREMは、SMC(TREM)と対形成するアンチコドン配列を含むイソアクセプターtRNA部分を含む、提供すること;
細胞中のtRNAプールを調節するのに十分な量及び/又は時間で、細胞をTREMを含む組成物と接触させること、
それにより細胞中のtRNAプールを調節すること
を含む方法。
23.対象中又は細胞中の(i)及び(ii)の一方又は両方の存在量についての知識を取得すること、例えば、(i)及び(ii)の相対量についての知識を取得することを含み、(i)は、SMCと対形成するアンチコドンを有するtRNA部分(第1のtRNA部分)であり、及び(ii)は、SMC以外のコドンと対形成するアンチコドンを有するイソアクセプターtRNA部分(第2のtRNA部分)である、実施形態21又は22の方法。
24.(i)についての知識を取得することを含む、実施形態23の方法。
25.(ii)についての知識を取得することを含む、実施形態23の方法。
26.(i)及び(ii)についての知識を取得することを含む、実施形態23の方法。
27.(i)についての知識を取得することが、(i)の存在量、例えば、相対量に対する値を取得することを含む、実施形態23の方法。
28.(ii)についての知識を取得することが、(ii)の存在量、例えば、相対量に対する値を取得することを含む、実施形態23の方法。
29.前記値に応答して、細胞又は対象がTREMと接触される、実施形態27又は28の方法。
30.第1の配列を有するコドンを含む内在性オープンリーディングフレーム(ORF)を有する対象を治療する方法であって、
TREMを含む組成物を提供することであって、TREMは、第1の配列を有するORFのコドンと対形成するアンチコドン又は第1の配列を有するコドン以外のコドンと対形成するアンチコドンを有するイソアクセプターtRNA部分を含む、提供することと、
対象を治療するのに十分な量及び/又は時間で、対象をTREMを含む組成物と接触させることと、
それにより対象を治療することと、
を含む方法。
31.同義変異を含むコドン(同義変異コドン又はSMC)を含む内在性オープンリーディングフレーム(ORF)を有する対象を治療する方法であって、
TREMを含む組成物を提供することであって、TREMは、SMC(TREM)と対形成するアンチコドンを有するイソアクセプターtRNA部分を含む、提供すること;
対象を治療するのに十分な量及び/又は時間で、対象をTREMを含む組成物と接触させること、
それにより対象を治療すること
を含む方法。
32.(i)及び(ii)の一方又は両方の存在量についての知識を取得すること、例えば、
(i)第1の配列を有するコドン又はSMCと対形成するアンチコドンを有するtRNA部分(第1のtRNA部分);及び/又は
(ii)第1の配列を有するコドン以外のコドンと対形成する又はSMC以外のコドンと対形成するアンチコドンを有するイソアクセプターtRNA部分(第2のtRNA部分)、
の相対量についての知識を取得することを含む、実施形態30又は31の方法。
33.(i)についての知識を取得することを含む、実施形態32の方法。
34.(ii)についての知識を取得することを含む、実施形態32の方法。
35.(i)及び(ii)についての知識を取得することを含む、実施形態32の方法。
36.(i)についての知識を取得することが、(i)の存在量、例えば、相対量に対する値を取得することを含む、実施形態32の方法。
37.(ii)についての知識を取得することが、(ii)の存在量、例えば、相対量に対する値を取得することを含む、実施形態32の方法。
38.前記値に応答して、対象がTREMと接触される、実施形態27又は28の方法。
39.第1の配列を有するコドンを含む内在性オープンリーディングフレーム(ORF)を有する対象を治療する方法であって、
(i)対象中の第1の配列を有するコドンの状態に対する値を、例えば、直接的又は間接的に、取得することであって、前記値は、対象からのサンプル中の第1の配列を有するコドンの存在又は不在の尺度を含む、取得すること、及び第1の配列を有するコドンを有するとして対象を同定すること;並びに
(ii)前記値に応答して、TREMを含む組成物を対象に投与することであって、TREMは、第1の配列を有するコドンと対形成するアンチコドンを有するイソアクセプターtRNA部分を含む、投与すること、
それにより対象を治療すること
を含む方法。
40.同義変異を含むコドン(同義変異コドン又はSMC)を含む内在性オープンリーディングフレーム(ORF)を有する対象を治療する方法であって、
(i)対象のSMC状態に対する値を、例えば、直接的又は間接的に、取得することであって、前記値は、対象からのサンプル中のSMCの存在又は不在の尺度を含む、取得すること、及びSMCを有するとして対象を同定すること;並びに
(ii)前記値に応答して、TREMを含む組成物を対象に投与することであって、TREMは、SMCと対形成するアンチコドンを有するイソアクセプターtRNA部分を含む、投与すること、
それにより対象を治療すること
を含む方法。
41.第1の配列を有するコドンを含む内在性オープンリーディングフレーム(ORF)を有する対象に対する療法を選択する方法であって、
対象中の第1の配列を有するコドンの状態に対する値を、例えば、直接的又は間接的に、取得することであって、前記値は、対象からのサンプル中の第1の配列を有するコドンの存在又は不在の尺度を含む、取得すること;及び
第1の配列を有するコドンの存在が、前記対象が療法に対する反応者である可能性が高いこと又は前記対象が療法に反応すること若しくは反応する可能性が高いことの指標となり、
それにより療法を選択すること
を含む方法。
42.同義変異を含むコドン(同義変異コドン又はSMC)を含む内在性オープンリーディングフレーム(ORF)を有する対象に対する療法を選択する方法であって、
対象のSMC状態に対する値を、例えば、直接的又は間接的に、取得することであって、前記値は、対象からのサンプル中のSMCの存在又は不在の尺度を含む、取得すること、及び
SMCの存在が、前記対象が療法に対する反応者である可能性が高いこと又は前記対象が療法に反応すること若しくは反応する可能性が高いことの指標となり、
それにより療法を選択すること
を含む方法。
43.第1の配列を有するコドンを含む内在性オープンリーディングフレーム(ORF)を有する対象を評価する方法であって、
対象中の第1の配列を有するコドンの状態に対する値を、例えば、直接的又は間接的に、取得することであって、前記値は、対象からのサンプル中の第1の配列を有するコドンの存在又は不在の尺度を含む、取得すること;及び
第1の配列を有するコドンを有するとして対象を同定すること、
それにより対象を評価すること
を含む方法。
44.同義変異を含むコドン(同義変異コドン又はSMC)を含む内在性オープンリーディングフレーム(ORF)を有する対象を評価する方法であって、
対象のSMC状態に対する値を、例えば、直接的又は間接的に、取得することであって、前記値は、対象からのサンプル中のSMCの存在又は不在の尺度を含む、取得すること;及び
SMCを有するとして対象を同定すること、
それにより対象を評価すること
を含む方法。
45.TREMが、終止コドンと対形成するアンチコドンを含まない、実施形態8~44のいずれか1つの方法。
46.(a)第1の配列を有するORFコドン又は(b)SMCが、終止コドン、例えば、TAA、TGA又はTAG以外である、実施形態1~45のいずれか1つの方法。
47.TREMがカノニカルアンチコドン/負荷部位組合せを含む、実施形態8~46のいずれか1つの方法。
48.(a)第1の配列を有するORFコドン又は(b)SMCが、前記コドンの第1の位置に変異、例えば、SNPを有する、実施形態1~47のいずれか1つの方法。
49.(a)第1の配列を有するORFコドン又は(b)SMCが、前記コドンの第2の位置に変異、例えば、SNPを有する、実施形態1~48のいずれか1つの方法。
50.(a)第1の配列を有するORFコドン又は(b)SMCが、前記コドンの第3の位置に変異、例えば、SNPを有する、実施形態1~49のいずれか1つの方法。
51.第1のtRNA部分が内在性tRNAを含み、及び第2のtRNA部分が内在性tRNAを含み、例えば、細胞又は対象が、TREMを含む組成物と接触されていない、実施形態1~20、23~29、32~38又は45~50のいずれか1つの方法。
52.第1のtRNA部分及び第2のtRNA部分の1つが、内在性tRNA及びTREMを含む、実施形態1~20、23~29、32~38又は45~51のいずれか1つの方法。
53.(a)第1の配列を有するORFコドン又は(b)SMCが、TREMを含む組成物との接触の不在下で、表現型、例えば、望ましくない表現型、例えば、障害又は症状、例えば、表1から選ばれる障害又は症状と関連する、実施形態1~52のいずれか1つの方法。
54.障害又は症状が、表1で提供される疾患群、例えば、心血管、皮膚科、内分泌、免疫学、神経学、腫瘍学、眼科又は呼吸系から選ばれる、実施形態53の方法。
55.障害が心肥大である、実施形態53又は54の方法。
56.障害が冠動脈疾患である、実施形態53又は54の方法。
57.障害が高血圧である、実施形態53又は54の方法。
58.障害又は症状が肥満関連形質である、実施形態53又は54の方法。
59.障害が1型糖尿病である、実施形態53又は54の方法。
60.障害が2型糖尿病である、実施形態53又は54の方法。
61.障害が乾癬である、実施形態53又は54の方法。
62.障害が子宮内膜症である、実施形態53又は54の方法。
63.障害が、慢性炎症性疾患、例えば、強直性脊椎炎、クローン病、乾癬、原発性硬化性胆管炎、潰瘍性結腸炎又は多面発現である、実施形態53又は54の方法。
64.障害がクローン病である、実施形態53又は54の方法。
65.障害がグレーブス病である、実施形態53又は54の方法。
66.障害が、アルツハイマー病、例えば、年齢発症アルツハイマー病又は家族性アルツハイマー病である、実施形態53又は54の方法。
67.障害が大鬱病性障害である、実施形態53又は54の方法。
68.障害が片頭痛である、実施形態53又は54の方法。
69.障害がパーキンソン病である、実施形態53又は54の方法。
70.障害が統合失調症である、実施形態53又は54の方法。
71.障害又は症状が、化学療法に対する有害反応、例えば、好中球減少症又は白血球減少症である、実施形態53又は54の方法。
72.障害が、乳癌、例えば、早期発症乳癌である、実施形態53又は54の方法。
73.障害が卵巣癌である、実施形態53又は54の方法。
74.障害が結腸直腸癌である、実施形態53又は54の方法。
75.障害が、上皮性卵巣癌でのカルボプラチン廃棄である、実施形態53又は54の方法。
76.障害が、多発性骨髄腫でのクロストリジウム・ディフィシレ(clostridium difficile)感染である、実施形態53又は54の方法。
77.障害が、子宮内膜癌、例えば、類内膜組織診によるものである、実施形態53又は54の方法。
78.障害が食道扁平上皮細胞癌である、実施形態53又は54の方法。
79.障害が膠芽細胞腫である、実施形態53又は54の方法。
80.障害が肺癌である、実施形態53又は54の方法。
81.障害又は症状がマクロファージ遊走阻止因子レベルである、実施形態53又は54の方法。
82.障害が口腔癌及び咽頭癌である、実施形態53又は54の方法。
83.障害が膵癌である、実施形態53又は54の方法。
84.障害が近視である、実施形態53又は54の方法。
85.障害がCOPDである、実施形態53又は54の方法。
86.障害が喘息である、実施形態53又は54の方法。
87.第1の配列を有するORFコドン又はSMCが、表1で提供される遺伝子、例えば、転写物に配置される、実施形態1~86のいずれか1つの方法。
88.第1の配列を有するORFコドン又はSMCが、表1で提供されるコドン、例えば、表1の「前/後のコドン」の列に列挙されるコドン、例えば、表1の前記列に列挙される第2のコドンを含む、実施形態1~87のいずれか1つの方法。
89.TREMを含む組成物と接触させることが、第2の表現型、例えば、望ましくない表現型の寛解、例えば、障害又は症状の寛解、例えば、表1から選ばれる障害又は症状の寛解と関連する、実施形態1~88のいずれか1つの方法。
90.障害又は症状が、表1で提供される疾患群、例えば、心血管、皮膚科、内分泌、免疫学、神経学、腫瘍学、眼科又は呼吸系から選ばれる、実施形態89の方法。
91.対象が、表1から選ばれる障害若しくは症状を有するか又は対象からの細胞が、表1に列挙される障害若しくは症状、例えば、心血管、皮膚科、内分泌、免疫学、神経学、腫瘍学、眼科若しくは呼吸系の疾患から選ばれる疾患群と関連する、実施形態1~90のいずれか1つの方法。
92.障害が心肥大である、実施形態91の方法。
93.障害が冠動脈疾患である、実施形態91の方法。
94.障害が高血圧である、実施形態91の方法。
95.障害又は症状が肥満関連形質である、実施形態91の方法。
96.障害が1型糖尿病である、実施形態91の方法。
97.障害が2型糖尿病である、実施形態91の方法。
98.障害が乾癬である、実施形態91の方法。
99.障害が子宮内膜症である、実施形態91の方法。
100.障害が、慢性炎症性疾患、例えば、強直性脊椎炎、クローン病、乾癬、原発性硬化性胆管炎、潰瘍性結腸炎又は多面発現である、実施形態91の方法。
101.障害がクローン病である、実施形態91の方法。
102.障害がグレーブス病である、実施形態91の方法。
103.障害が、アルツハイマー病、例えば、年齢発症アルツハイマー病又は家族性アルツハイマー病である、実施形態91の方法。
104.障害が大鬱病性障害である、実施形態91の方法。
105.障害が片頭痛である、実施形態91の方法。
106.障害がパーキンソン病である、実施形態91載の方法。
107.障害が統合失調症である、実施形態91の方法。
108.障害又は症状が、化学療法に対する有害反応、例えば、好中球減少症又は白血球減少症である、実施形態91の方法。
109.障害が、乳癌、例えば、早期発症乳癌である、実施形態91の方法。
110.障害が卵巣癌である、実施形態91の方法。
111.障害が結腸直腸癌である、実施形態91の方法。
112.障害が、上皮性卵巣癌でのカルボプラチン廃棄である、実施形態91の方法。
113.障害が、多発性骨髄腫でのクロストリジウム・ディフィシレ(clostridium difficile)感染である、実施形態91の方法。
114.障害が、子宮内膜癌、例えば、類内膜組織診によるものである、実施形態91の方法。
115.障害が食道扁平上皮細胞癌である、実施形態91の方法。
116.障害が膠芽細胞腫である、実施形態91の方法。
117.障害が肺癌である、実施形態91の方法。
118.障害又は症状が、マクロファージ遊走阻止因子レベルである、実施形態91の方法。
119.障害が口腔癌及び咽頭癌である、実施形態91の方法。
120.障害が膵癌である、実施形態91の方法。
121.障害が近視である、実施形態91の方法。
122.障害がCOPDである、実施形態91の方法。
123.障害が喘息である、実施形態91の方法。
124.知識を取得することが、第1のtRNA部分及び第2のtRNA部分の相対量に対する値を得ることを含む、実施形態1~123のいずれか1つの方法。
125.前記値に応答して、方法が、対象又は細胞をTREMを含む組成物と接触させることを含む、実施形態124の方法。
126.第1のtRNA部分が内在性tRNAを含み、及び第2のtRNA部分が内在性tRNAを含み、例えば、細胞又は対象が、TREMを含む組成物と接触されていない、実施形態1~125のいずれか1つの方法。
127.第1のtRNA部分及び第2のtRNA部分の1つが、内在性tRNA及びTREMを含む、実施形態1~126のいずれか1つの方法。
128.対象又は細胞との接触前、第1のtRNA部分が第2のtRNA部分よりも豊富である、実施形態8~127のいずれか1つの方法。
129.例えば、存在量が、実施例29~32のいずれかに記載されるアッセイによって決定される場合、第1のtRNA部分が、第2のtRNA部分よりも
少なくとも0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%若しくは99%豊富であるか、又は
0.5~99%、1~99%、2~99%、3~99%、4~99%、5~99%、6~99%、7~99%、8~99%、9~99%、10~99%、15~99%、20~99%、25~99%、30~99%、40~99%、50~99%、60~99%、70~99%、80~99%、95~99%、0.5~95%、0.5~90%、0.5~85%、0.5~80%、0.5~70%、0.5~60%、0.5~50%、0.5~40%、0.5~30%、0.5~25%、0.5~20%、0.5~15%、0.5~10%、0.5~9%、0.5~8%、0.5~7%、0.5~6%、0.5~5%、0.5~4%、0.5~3%、0.5~2%若しくは0.5~1%豊富である、実施形態1~128のいずれか1つの方法。
130.対象又は細胞との接触前、第2のtRNA部分が第1のtRNA部分よりも豊富である、実施形態8~129のいずれか1つの方法。
131.例えば、存在量が実施例29~32のいずれかに記載されるアッセイによって決定される場合、第2のtRNA部分が、第1のtRNA部分よりも
少なくとも0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%若しくは99%豊富であるか、又は
0.5~99%、1~99%、2~99%、3~99%、4~99%、5~99%、6~99%、7~99%、8~99%、9~99%、10~99%、15~99%、20~99%、25~99%、30~99%、40~99%、50~99%、60~99%、70~99%、80~99%、95~99%、0.5~95%、0.5~90%、0.5~85%、0.5~80%、0.5~70%、0.5~60%、0.5~50%、0.5~40%、0.5~30%、0.5~25%、0.5~20%、0.5~15%、0.5~10%、0.5~9%、0.5~8%、0.5~7%、0.5~6%、0.5~5%、0.5~4%、0.5~3%、0.5~2%又は0.5~1%豊富である、実施形態1~130のいずれか1つの方法。
132.TREMを含む組成物を細胞又は対象と接触させること又はそれで治療することが、細胞中又は対象中のtRNAプールを調節することを含む、実施形態8~131のいずれか1つの方法。
133.調節が、第2のtRNA部分と比較して第1のtRNA部分の量を増加させることを含む、実施形態9~29又は45~132のいずれか1つの方法。
134.増加が、対象中又は治療細胞中の第1のtRNA部分の量、例えば、絶対量の増加である、実施形態133の方法。
135.増加が、参照、例えば、治療細胞の成分、例えば、第1のtRNA部分又は第2のtRNA部分のベースラインレベルを基準にする、実施形態133又は134の方法。
136.第1のtRNA部分の量が、参照を基準にして少なくとも1.5、2、3、4、5、10、15、20、25、50若しくは100倍又は1~100倍、1~50倍、1~25倍、1~20倍、1~15倍、1~10倍、1~5倍、1~4倍、1~3倍、1~2倍、2~100倍、3~100倍、4~100倍、5~100倍、10~100倍、15~100倍、20~100倍、25~100倍若しくは50~100倍に増加される、実施形態133~135のいずれか1つの方法。
137.調節が、第1のtRNA部分と比較して第2のtRNA部分の相対量を増加させることを含む、実施形態9~29又は45~136のいずれか1つの方法。
138.増加が、対象中又は治療細胞中の第2のtRNA部分の量、例えば、絶対量の増加である、実施形態137の方法。
139.増加が、参照、例えば、治療細胞の成分、例えば、第2のtRNA部分又は第1のtRNA部分のベースラインレベルを基準にする、実施形態137又は138の方法。
140.第1のtRNA部分の量が、参照を基準にして少なくとも1.5、2、3、4、5、10、15、20、25、50又は100倍に増加される、実施形態137~139のいずれか1つの方法。
141.調節が、第1のtRNA部分対第2のtRNA部分の比を調節することを含む、実施形態9~29又は45~140のいずれか1つの方法。
142.第1のtRNA部分対第2のtRNA部分の比が、1:10,000、1:5000、1:1000、1:900、1:800、1:700、1:600、1:500、1:400、1:300、1:200、1:100、1:50、1:40、1:30、1:20、1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2、1:1である、実施形態141の方法。
143.第2のtRNA部分対第1のtRNA部分の比が、1:10,000、1:5000、1:1000、1:900、1:800、1:700、1:600、1:500、1:400、1:300、1:200、1:100、1:50、1:40、1:30、1:20、1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2、1:1である、実施形態141の方法。
144.第1のtRNA部分対第2のtRNA部分の比が増加される、実施形態141~143のいずれか1つの方法。
145.第1のtRNA部分対第2のtRNA部分の比が減少される、実施形態141~143のいずれか1つの方法。
146.第1のtRNA部分対第2のtRNA部分の比が、参照、例えば、TREMを含む組成物と接触されていないこと以外は同様の細胞での比と比較される、実施形態141~145のいずれか1つの方法。
147.細胞がヒト細胞であるか又は対象がヒトである、実施形態1~146のいずれか1つの方法。
148.ORFの変異体コピーが、細胞又は対象に導入されない、実施形態8~147のいずれか1つの方法。
149.TREMを含む組成物と接触させること又はそれで治療することが、例えば、実施例33~38のいずれか1つに記載のアッセイによって評価されるとおり、ORFの翻訳物の生成及び/又は機能を増加させる、実施形態8~147のいずれか1つの方法。
150.ORF又はSMC含有ORFがポリペプチドをコードする、実施形態1~149のいずれか1つの方法。
151.ORF又はSMC含有ORFが染色体ORFである、実施形態1~150のいずれか1つの方法。
152.ORF又はSMC含有ORFがミトコンドリアORFである、実施形態1~150のいずれか1つの方法。
153.TREMを含む組成物と接触させることが、症状又は障害、例えば、第1の配列を有するコドン又はSMCと関連する症状又は障害を寛解させる、実施形態8~152のいずれか1つの方法。
154.症状又は障害が表1から選ばれる、実施形態153の方法。
155.障害が心肥大である、実施形態153又は154の方法。
156.障害が冠動脈疾患である、実施形態153又は154の方法。
157.障害が高血圧である、実施形態153又は154の方法。
158.障害又は症状が肥満関連形質である、実施形態153又は154の方法。
159.障害が1型糖尿病である、実施形態153又は154の方法。
160.障害が2型糖尿病である、実施形態153又は154の方法。
161.障害が乾癬である、実施形態153又は154の方法。
162.障害が子宮内膜症である、実施形態153又は154の方法。
163.障害が、慢性炎症性疾患、例えば、強直性脊椎炎、クローン病、乾癬、原発性硬化性胆管炎、潰瘍性結腸炎又は多面発現である、実施形態153又は154の方法。
164.障害がクローン病である、実施形態153又は154の方法。
165.障害がグレーブス病である、実施形態153又は154の方法。
166.障害が、アルツハイマー病、例えば、年齢発症アルツハイマー病又は家族性アルツハイマー病である、実施形態153又は154の方法。
167.障害が大鬱病性障害である、実施形態153又は154の方法。
168.障害が片頭痛である、実施形態153又は154の方法。
169.障害がパーキンソン病である、実施形態153又は154の方法。
170.障害が統合失調症である、実施形態153又は154の方法。
171.障害又は症状が、化学療法に対する有害反応、例えば、好中球減少症又は白血球減少症である、実施形態153又は154の方法。
172.障害が、乳癌、例えば、早期発症乳癌である、実施形態153又は154の方法。
173.障害が卵巣癌である、実施形態153又は154の方法。
174.障害が結腸直腸癌である、実施形態153又は154の方法。
175.障害が、上皮性卵巣癌でのカルボプラチン廃棄である、実施形態153又は154の方法。
176.障害が、多発性骨髄腫でのクロストリジウム・ディフィシレ(clostridium difficile)感染である、実施形態153又は154の方法。
177.障害が、子宮内膜癌、例えば、類内膜組織診によるものである、実施形態153又は154の方法。
178.障害が食道扁平上皮細胞癌である、実施形態153又は154の方法。
179.障害が膠芽細胞腫である、実施形態153又は154の方法。
180.障害が肺癌である、実施形態153又は154の方法。
181.障害又は症状がマクロファージ遊走阻止因子レベルである、実施形態153又は154の方法。
182.障害が口腔癌及び咽頭癌である、実施形態153又は154の方法。
183.障害が膵癌である、実施形態153又は154の方法。
184.障害が近視である、実施形態153又は154の方法。
185.障害がCOPDである、実施形態153又は154の方法。
186.障害が喘息である、実施形態153又は154の方法。
187.第1の配列を有するORFコドン又はSMCが、一方の対立遺伝子に存在する、例えば、対象又は細胞が、第1の配列を有するコドン又はSMCに関してヘテロ接合である、実施形態1~186のいずれ1つの方法。
188.第1の配列を有するORFコドン又はSMCが、両方の対立遺伝子に存在する、例えば、対象又は細胞が、第1の配列を有するコドン又はSMCに関してホモ接合である、実施形態1~187のいずれ1つの方法。
189.対象中又は細胞中でのタンパク質生成を調節することを含む、実施形態8~188のいずれか1つの方法。
190.対象中又は細胞中での翻訳物プロファイル、例えば、アミノ酸取り込みの量、速度、生成速度、コンフォメーション、活性、細胞中位置、修飾率又はポリペプチドの結合パートナーとの共翻訳相互作用を調節することを含む、実施形態8~189のいずれか1つの方法。
191.第1の配列を有するORFコドン又はSMCを含むmRNAから翻訳されたポリペプチドの開始又は伸長を調節することを含む、実施形態8~190のいずれか1つの方法。
192.TREMを含む組成物が、本明細書に記載される方法によって、例えば、合成法によって(例えば、固相合成若しくは液相合成を用いて合成される)、インビトロ転写(IVT)を用いて又は細胞中でTREMをコードするベクターを発現させることにより作製される、実施形態8~191のいずれか1つの方法。
方法が、
(a)TREMを発現するのに十分な条件下で、TREMをコードする外在性核酸、例えば、DNA又はRNAを含む宿主細胞を提供すること;及び
(b)TREMを含む組成物を生成するために宿主細胞培養物から発現されたTREMを精製し、
それによりTREMを含む組成物を作製すること
を含む、実施形態192の方法。
194.TREMを含む組成物が、TREMを含む医薬組成物である、実施形態8~193の方法。
195.TREMを含む組成物が医薬賦形剤を含む、実施形態8~194のいずれかの方法。
196.外来DNA又はRNAを哺乳動物宿主細胞に導入することを含む、実施形態193~195のいずれかの方法。
197.核酸が、転写時にTREMを発現するDNAを含む、実施形態193~196のいずれかの方法。
198.核酸が、逆転写時に、TREMを提供するように転写され得るDNAをもたらすRNAを含む、実施形態193~197のいずれかの方法。
199.TREMを含む組成物が、TREM断片、例えば、本明細書に記載のものを含む、実施形態8~198のいずれかの方法。
200.宿主細胞が哺乳動物細胞である、実施形態193~199のいずれかの方法。
201.宿主細胞が、HEK293T細胞(例えば、Freestyle 293-F細胞)、HT-1080細胞、PER.C6細胞、HKB-11細胞、CAP細胞、HuH-7細胞、BHK 21細胞、MRC-S細胞、MDCK細胞、VERO細胞、WI-38細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、又はMCF7細胞から選択される細胞を含む、実施形態193~200のいずれかの方法。
202.宿主細胞が、非哺乳動物細胞、例えば、細菌細胞、酵母細胞又は昆虫細胞である、実施形態193~201のいずれかの方法。
203.TREMが、表2に列挙されるDNA配列によってコードされるRNA配列に対して少なくとも80%同一なRNA配列又はその断片若しくは機能性断片を含む組換えTREMを含むGMPグレード組成物(例えば、cGMPに準拠して及び/又は同様の要件に従って作製されたTREMを含む組成物)である、実施形態8~202のいずれかの方法。
204.TREMが、表3に列挙される1つ以上の転写後修飾を含む、実施形態8~203のいずれかの方法。
205.組換えTREMを含む組成物が、少なくとも0.5g、1g、2g、3g、4g、5g、6g、7g、8g、9g、10g、15g、20g、30g、40g、50g、100g、200g、300g、400g又は500gである、実施形態203又は204の方法。
206.組換えTREMを含む組成物が、0.5g~500g、0.5g~400g、0.5g~300g、0.5g~200g、0.5g~100g、0.5g~50g、0.5g~40g、0.5g~30g、0.5g~20g、0.5g~10g、0.5g~9g、0.5g~8g、0.5g~7g、0.5g~6g、0.5g~5g、0.5g~4g、0.5g~3g、0.5g~2g、0.5g~1g、1g~500g、2g~500g、5g~500g、10g~500g、20g~500g、30g~500g、40g~500g、50g~500g、100g~500g、200g~500g、300g~500g、又は400g~500gである、実施形態203又は204の方法。
207.TREMを含む組成物が、1種以上、例えば、複数種のTREMを含む、実施形態8~206のいずれか1つの方法。
208.TREMを含む組成物(又はTREMを含む組成物の生成における中間体)が、以下の特徴:
(i)少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の純度;
(ii)0.1ng/ml、1ng/ml、5ng/ml、10ng/ml、15ng/ml、20ng/ml、25ng/ml、30ng/ml、35ng/ml、40ng/ml、50ng/ml、60ng/ml、70ng/ml、80ng/ml、90ng/ml、又は100ng/ml未満の宿主細胞タンパク質(HCP)混入;
(iii)TREMを含む組成物の1ミリグラム(mg)当たり0.1ng、1ng、5ng、10ng、15ng、20ng、25ng、30ng、35ng、40ng、50ng、60ng、70ng、80ng、90ng、又は100ng未満の宿主細胞タンパク質(HCP)混入;
(iv)1ng/ml、5ng/ml、10ng/ml、15ng/ml、20ng/ml、25ng/ml、30ng/ml、35ng/ml、40ng/ml、50ng/ml、60ng/ml、70ng/ml、80ng/ml、90ng/ml、又は100ng/ml未満のDNA、例えば、宿主細胞DNA;
(v)全長TREMと比較して0.1%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%又は10%未満の断片;
(vi)例えば、リムルスアメボサイトライセート(LAL)試験によって測定される、内毒素の低レベル又は欠如;
(vii)例えば、実施例14に記載されるアッセイによって測定されるとおりのインビトロ翻訳活性;
(viii)少なくとも0.1ng/mL、0.5ng/mL、1ng/mL、5ng/mL、10ng/mL、50ng/mL、0.1ug/mL、0.5ug/mL,1ug/mL、2ug/mL、5ug/mL、10ug/mL、20ug/mL、30ug/mL、40ug/mL、50ug/mL、60ug/mL、70ug/mL、80ug/mL、100ug/mL、200ug/mL、300ug/mL、500ug/mL、1000ug/mL、5000ug/mL、10,000ug/mL、又は100,000ug/mLのTREM濃度;
(ix)例えば、無菌製剤に関するcGMPガイドラインに従う無菌性であって、例えば、組成物又は調製物は、無菌的条件下で試験された場合に100未満の生存可能な微生物の増殖を裏付け、組成物又は調製物は、USP<71>の規格を満たし、及び/又は組成物又は調製物は、USP<85>の規格を満たす、無菌性;又は
(x)例えば、組成物又は調製物は、ウイルス混入の欠如、又は検出不可能なレベルのウイルス混入を有する、ウイルス混入
のうちの1つ以上を含む、実施形態8~207のいずれか1つの組成物。
209.接触させることがインビトロ法である、例えば、細胞又は組織が、TREMを含む組成物とインビトロで接触される、実施形態8~208のいずれかの方法。
210.接触させることがエクスビボ法であり、例えば、細胞又は組織が、エクスビボでTREMを含む組成物と接触され、及び任意選択により、接触された細胞又は組織が、対象、例えば、細胞又は組織が由来する対象、又は異なる対象に導入される、例えば、投与される、実施形態8~209のいずれかの方法。
211.方法が、インビボ法であり、例えば、対象、又は対象の組織若しくは細胞が、インビボでTREMを含む組成物と接触される、実施形態8~209のいずれかの方法。
212.TREMを含む組成物が、送達剤、例えば、リポソーム、ポリマー(例えば、ポリマーコンジュゲート)、粒子、マイクロスフェア、マイクロ粒子又はナノ粒子により投与される、実施形態8~211のいずれかの方法。
213.TREMを含む組成物が、担体なしで、例えば、TREMのネイキッド送達を介して投与される、実施形態8~211のいずれかの方法。
214.TREMが、
(a)生成物、例えば、タンパク質の安定性及び/又は
(b)生成物のリボソーム占有
を高める、実施形態8~213のいずれかの方法。
215.TREMが、
リボソーム占有を調節するか;
タンパク質翻訳又は安定性を調節するか;
mRNA安定性を調節するか;
タンパク質フォールディング又は構造を調節するか;
タンパク質形質導入又は区画化を調節するか;
コドン使用を調節するか;
細胞運命を調節するか;又は
シグナル経路、例えば、細胞シグナル経路を調節する、
実施形態8~214のいずれかの方法。
216.TREMが表3からの転写後修飾を含む、実施形態8~215のいずれかの方法。
217.TREMが、コグネイトアダプター機能を含み、及びTREMが、ペプチド鎖の開始又は伸長においてTREMのアンチコドンと天然で関連付けられるアミノ酸の受け入れ及び取り込みを媒介する、実施形態8~216のいずれかの方法。
218.TREMが、天然に存在するtRNAのRNA配列に対して少なくとも80%同一なRNA配列を含む、実施形態8~217のいずれかの方法。
219.TREMが、表2に列挙されるDNA配列によってコードされるRNA又はその断片若しくは機能性断片に対して少なくとも80%同一なRNA配列を含む、実施形態8~218のいずれかの方法。
220.TREMが、表2に列挙されるDNA配列によってコードされるRNA配列又はその断片を含む、実施形態8~219のいずれかの方法。
221.TREMが、表2に列挙されるDNA配列によってコードされるRNA配列、又はその断片に対して少なくともXX%同一なRNA配列を含み、XXが、80、85、90、95、96、97、98、又は99から選択される、実施形態8~220のいずれかの方法。
222.XXが、80である、実施形態221の方法。
223.XXが、85である、実施形態221の方法。
224.XXが、90である、実施形態221の方法。
225.XXが、95である、実施形態221の方法。
226.XXが、97である、実施形態221の方法。
227.XXが、98である、実施形態221の方法。
228.XXが、99である、実施形態221の方法。
229.DNA配列が、配列番号1若しくはその断片、又は配列番号2若しくはその断片、又は配列番号3若しくはその断片、又は配列番号4若しくはその断片、又は配列番号5若しくはその断片、又は配列番号6若しくはその断片、又は配列番号7若しくはその断片、又は配列番号8若しくはその断片、又は配列番号9若しくはその断片、又は配列番号10若しくはその断片、又は配列番号11若しくはその断片、又は配列番号12若しくはその断片、又は配列番号13若しくはその断片、又は配列番号14若しくはその断片、又は配列番号15若しくはその断片、又は配列番号16若しくはその断片、又は配列番号17若しくはその断片、又は配列番号18若しくはその断片、又は配列番号19若しくはその断片、又は配列番号20若しくはその断片、又は配列番号21若しくはその断片、又は配列番号22若しくはその断片、又は配列番号23若しくはその断片、又は配列番号24若しくはその断片、又は配列番号25若しくはその断片、又は配列番号26若しくはその断片、又は配列番号27若しくはその断片、又は配列番号28若しくはその断片、又は配列番号29若しくはその断片、又は配列番号30若しくはその断片、又は配列番号31若しくはその断片、又は配列番号32若しくはその断片、又は配列番号33若しくはその断片、又は配列番号34若しくはその断片、又は配列番号35若しくはその断片、又は配列番号36若しくはその断片、又は配列番号37若しくはその断片、又は配列番号38若しくはその断片、又は配列番号39若しくはその断片、又は配列番号40若しくはその断片、又は配列番号41若しくはその断片、又は配列番号42若しくはその断片、又は配列番号43若しくはその断片、又は配列番号44若しくはその断片、又は配列番号45若しくはその断片、又は配列番号46若しくはその断片、又は配列番号47若しくはその断片、又は配列番号48若しくはその断片、又は配列番号49若しくはその断片、又は配列番号50若しくはその断片、又は配列番号51若しくはその断片、又は配列番号52若しくはその断片、又は配列番号53若しくはその断片、又は配列番号54若しくはその断片、又は配列番号55若しくはその断片、又は配列番号56若しくはその断片、又は配列番号57若しくはその断片、又は配列番号58若しくはその断片、又は配列番号59若しくはその断片、又は配列番号60若しくはその断片、又は配列番号61若しくはその断片、又は配列番号62若しくはその断片、又は配列番号63若しくはその断片、又は配列番号64若しくはその断片、又は配列番号65若しくはその断片、又は配列番号66若しくはその断片、又は配列番号67若しくはその断片、又は配列番号68若しくはその断片、又は配列番号69若しくはその断片、又は配列番号70若しくはその断片、又は配列番号71若しくはその断片、又は配列番号72若しくはその断片、又は配列番号73若しくはその断片、又は配列番号74若しくはその断片、又は配列番号75若しくはその断片、又は配列番号76若しくはその断片、又は配列番号77若しくはその断片、又は配列番号78若しくはその断片、又は配列番号79若しくはその断片、又は配列番号80若しくはその断片、又は配列番号81若しくはその断片、又は配列番号82若しくはその断片、又は配列番号83若しくはその断片、又は配列番号84若しくはその断片、又は配列番号85若しくはその断片、又は配列番号86若しくはその断片、又は配列番号87若しくはその断片、又は配列番号88若しくはその断片、又は配列番号89若しくはその断片、又は配列番号90若しくはその断片、又は配列番号91若しくはその断片、又は配列番号92若しくはその断片、又は配列番号93若しくはその断片、又は配列番号94若しくはその断片、又は配列番号95若しくはその断片、又は配列番号96若しくはその断片、又は配列番号97若しくはその断片、又は配列番号98若しくはその断片、又は配列番号99若しくはその断片、又は配列番号100若しくはその断片、又は配列番号101若しくはその断片、又は配列番号102若しくはその断片、又は配列番号103若しくはその断片、又は配列番号104若しくはその断片、又は配列番号105若しくはその断片、又は配列番号106若しくはその断片、又は配列番号107若しくはその断片、又は配列番号108若しくはその断片、又は配列番号109若しくはその断片、又は配列番号110若しくはその断片、又は配列番号111若しくはその断片、又は配列番号112若しくはその断片、又は配列番号113若しくはその断片、又は配列番号114若しくはその断片、又は配列番号115若しくはその断片、又は配列番号116若しくはその断片、又は配列番号117若しくはその断片、又は配列番号118若しくはその断片、又は配列番号119若しくはその断片、又は配列番号120若しくはその断片、又は配列番号121若しくはその断片、又は配列番号122若しくはその断片、又は配列番号123若しくはその断片、又は配列番号124若しくはその断片、又は配列番号125若しくはその断片、又は配列番号126若しくはその断片、又は配列番号127若しくはその断片、又は配列番号128若しくはその断片、又は配列番号129若しくはその断片、又は配列番号130若しくはその断片、又は配列番号131若しくはその断片、又は配列番号132若しくはその断片、又は配列番号133若しくはその断片、又は配列番号134若しくはその断片、又は配列番号135若しくはその断片、又は配列番号136若しくはその断片、又は配列番号137若しくはその断片、又は配列番号138若しくはその断片、又は配列番号139若しくはその断片、又は配列番号140若しくはその断片、又は配列番号141若しくはその断片、又は配列番号142若しくはその断片、又は配列番号143若しくはその断片、又は配列番号144若しくはその断片、又は配列番号145若しくはその断片、又は配列番号146若しくはその断片、又は配列番号147若しくはその断片、又は配列番号148若しくはその断片、又は配列番号149若しくはその断片、又は配列番号150若しくはその断片、又は配列番号151若しくはその断片、又は配列番号152若しくはその断片、又は配列番号153若しくはその断片、又は配列番号154若しくはその断片、又は配列番号155若しくはその断片、又は配列番号156若しくはその断片、又は配列番号157若しくはその断片、又は配列番号158若しくはその断片、又は配列番号159若しくはその断片、又は配列番号160若しくはその断片、又は配列番号161若しくはその断片、又は配列番号162若しくはその断片、又は配列番号163若しくはその断片、又は配列番号164若しくはその断片、又は配列番号165若しくはその断片、又は配列番号166若しくはその断片、又は配列番号167若しくはその断片、又は配列番号168若しくはその断片、又は配列番号169若しくはその断片、又は配列番号170若しくはその断片、又は配列番号171若しくはその断片、又は配列番号172若しくはその断片、又は配列番号173若しくはその断片、又は配列番号174若しくはその断片、又は配列番号175若しくはその断片、又は配列番号176若しくはその断片、又は配列番号177若しくはその断片、又は配列番号178若しくはその断片、又は配列番号179若しくはその断片、又は配列番号180若しくはその断片、又は配列番号181若しくはその断片、又は配列番号182若しくはその断片、又は配列番号183若しくはその断片、又は配列番号184若しくはその断片、又は配列番号185若しくはその断片、又は配列番号186若しくはその断片、又は配列番号187若しくはその断片、又は配列番号188若しくはその断片、又は配列番号189若しくはその断片、又は配列番号190若しくはその断片、又は配列番号191若しくはその断片、又は配列番号192若しくはその断片、又は配列番号193若しくはその断片、又は配列番号194若しくはその断片、又は配列番号195若しくはその断片、又は配列番号196若しくはその断片、又は配列番号197若しくはその断片、又は配列番号198若しくはその断片、又は配列番号199若しくはその断片、又は配列番号200若しくはその断片、又は配列番号201若しくはその断片、又は配列番号202若しくはその断片、又は配列番号203若しくはその断片、又は配列番号204若しくはその断片、又は配列番号205若しくはその断片、又は配列番号206若しくはその断片、又は配列番号207若しくはその断片、又は配列番号208若しくはその断片、又は配列番号209若しくはその断片、又は配列番号210若しくはその断片、又は配列番号211若しくはその断片、又は配列番号212若しくはその断片、又は配列番号213若しくはその断片、又は配列番号214若しくはその断片、又は配列番号215若しくはその断片、又は配列番号216若しくはその断片、又は配列番号217若しくはその断片、又は配列番号218若しくはその断片、又は配列番号219若しくはその断片、又は配列番号220若しくはその断片、又は配列番号221若しくはその断片、又は配列番号222若しくはその断片、又は配列番号223若しくはその断片、又は配列番号224若しくはその断片、又は配列番号225若しくはその断片、又は配列番号226若しくはその断片、又は配列番号227若しくはその断片、又は配列番号228若しくはその断片、又は配列番号229若しくはその断片、又は配列番号230若しくはその断片、又は配列番号231若しくはその断片、又は配列番号232若しくはその断片、又は配列番号233若しくはその断片、又は配列番号234若しくはその断片、又は配列番号235若しくはその断片、又は配列番号236若しくはその断片、又は配列番号237若しくはその断片、又は配列番号238若しくはその断片、又は配列番号239若しくはその断片、又は配列番号240若しくはその断片、又は配列番号241若しくはその断片、又は配列番号242若しくはその断片、又は配列番号243若しくはその断片、又は配列番号244若しくはその断片、又は配列番号245若しくはその断片、又は配列番号246若しくはその断片、又は配列番号247若しくはその断片、又は配列番号248若しくはその断片、又は配列番号249若しくはその断片、又は配列番号250若しくはその断片、又は配列番号251若しくはその断片、又は配列番号252若しくはその断片、又は配列番号253若しくはその断片、又は配列番号254若しくはその断片、又は配列番号255若しくはその断片、又は配列番号256若しくはその断片、又は配列番号257若しくはその断片、又は配列番号258若しくはその断片、又は配列番号259若しくはその断片、又は配列番号260若しくはその断片、又は配列番号261若しくはその断片、又は配列番号262若しくはその断片、又は配列番号263若しくはその断片、又は配列番号264若しくはその断片、又は配列番号265若しくはその断片、又は配列番号266若しくはその断片、又は配列番号267若しくはその断片、又は配列番号268若しくはその断片、又は配列番号269若しくはその断片、又は配列番号270若しくはその断片、又は配列番号271若しくはその断片、又は配列番号272若しくはその断片、又は配列番号273若しくはその断片、又は配列番号274若しくはその断片、又は配列番号275若しくはその断片、又は配列番号276若しくはその断片、又は配列番号277若しくはその断片、又は配列番号278若しくはその断片、又は配列番号279若しくはその断片、又は配列番号280若しくはその断片、又は配列番号281若しくはその断片、又は配列番号282若しくはその断片、又は配列番号283若しくはその断片、又は配列番号284若しくはその断片、又は配列番号285若しくはその断片、又は配列番号286若しくはその断片、又は配列番号287若しくはその断片、又は配列番号288若しくはその断片、又は配列番号289若しくはその断片、又は配列番号290若しくはその断片

、又は配列番号291若しくはその断片、又は配列番号292若しくはその断片、又は配列番号293若しくはその断片、又は配列番号294若しくはその断片、又は配列番号295若しくはその断片、又は配列番号296若しくはその断片、又は配列番号297若しくはその断片、又は配列番号298若しくはその断片、又は配列番号299若しくはその断片、又は配列番号300若しくはその断片、又は配列番号301若しくはその断片、又は配列番号302若しくはその断片、又は配列番号303若しくはその断片、又は配列番号304若しくはその断片、又は配列番号305若しくはその断片、又は配列番号306若しくはその断片、又は配列番号307若しくはその断片、又は配列番号308若しくはその断片、又は配列番号309若しくはその断片、又は配列番号310若しくはその断片、又は配列番号311若しくはその断片、又は配列番号312若しくはその断片、又は配列番号313若しくはその断片、又は配列番号314若しくはその断片、又は配列番号315若しくはその断片、又は配列番号316若しくはその断片、又は配列番号317若しくはその断片、又は配列番号318若しくはその断片、又は配列番号319若しくはその断片、又は配列番号320若しくはその断片、又は配列番号321若しくはその断片、又は配列番号322若しくはその断片、又は配列番号323若しくはその断片、又は配列番号324若しくはその断片、又は配列番号325若しくはその断片、又は配列番号326若しくはその断片、又は配列番号327若しくはその断片、又は配列番号328若しくはその断片、又は配列番号329若しくはその断片、又は配列番号330若しくはその断片、又は配列番号331若しくはその断片、又は配列番号332若しくはその断片、又は配列番号333若しくはその断片、又は配列番号334若しくはその断片、又は配列番号335若しくはその断片、又は配列番号336若しくはその断片、又は配列番号337若しくはその断片、又は配列番号338若しくはその断片、又は配列番号339若しくはその断片、又は配列番号340若しくはその断片、又は配列番号341若しくはその断片、又は配列番号342若しくはその断片、又は配列番号343若しくはその断片、又は配列番号344若しくはその断片、又は配列番号345若しくはその断片、又は配列番号346若しくはその断片、又は配列番号347若しくはその断片、又は配列番号348若しくはその断片、又は配列番号349若しくはその断片、又は配列番号350若しくはその断片、又は配列番号351若しくはその断片、又は配列番号352若しくはその断片、又は配列番号353若しくはその断片、又は配列番号354若しくはその断片、又は配列番号355若しくはその断片、又は配列番号356若しくはその断片、又は配列番号357若しくはその断片、又は配列番号358若しくはその断片、又は配列番号359若しくはその断片、又は配列番号360若しくはその断片、又は配列番号361若しくはその断片、又は配列番号362若しくはその断片、又は配列番号363若しくはその断片、又は配列番号364若しくはその断片、又は配列番号365若しくはその断片、又は配列番号366若しくはその断片、又は配列番号367若しくはその断片、又は配列番号368若しくはその断片、又は配列番号369若しくはその断片、又は配列番号370若しくはその断片、又は配列番号371若しくはその断片、又は配列番号372若しくはその断片、又は配列番号373若しくはその断片、又は配列番号374若しくはその断片、又は配列番号375若しくはその断片、又は配列番号376若しくはその断片、又は配列番号377若しくはその断片、又は配列番号378若しくはその断片、又は配列番号379若しくはその断片、又は配列番号380若しくはその断片、又は配列番号381若しくはその断片、又は配列番号382若しくはその断片、又は配列番号383若しくはその断片、又は配列番号384若しくはその断片、又は配列番号385若しくはその断片、又は配列番号386若しくはその断片、又は配列番号387若しくはその断片、又は配列番号388若しくはその断片、又は配列番号389若しくはその断片、又は配列番号390若しくはその断片、又は配列番号391若しくはその断片、又は配列番号392若しくはその断片、又は配列番号393若しくはその断片、又は配列番号394若しくはその断片、又は配列番号395若しくはその断片、又は配列番号396若しくはその断片、又は配列番号397若しくはその断片、又は配列番号398若しくはその断片、又は配列番号399若しくはその断片、又は配列番号400若しくはその断片、又は配列番号401若しくはその断片、又は配列番号402若しくはその断片、又は配列番号403若しくはその断片、又は配列番号404若しくはその断片、又は配列番号405若しくはその断片、又は配列番号406若しくはその断片、又は配列番号407若しくはその断片、又は配列番号408若しくはその断片、又は配列番号409若しくはその断片、又は配列番号410若しくはその断片、又は配列番号411若しくはその断片、又は配列番号412若しくはその断片、又は配列番号413若しくはその断片、又は配列番号414若しくはその断片、又は配列番号415若しくはその断片、又は配列番号416若しくはその断片、又は配列番号417若しくはその断片、又は配列番号418若しくはその断片、又は配列番号419若しくはその断片、又は配列番号420若しくはその断片、又は配列番号421若しくはその断片、又は配列番号422若しくはその断片、又は配列番号423若しくはその断片、又は配列番号424若しくはその断片、又は配列番号425若しくはその断片、又は配列番号426若しくはその断片、又は配列番号427若しくはその断片、又は配列番号428若しくはその断片、又は配列番号429若しくはその断片、又は配列番号430若しくはその断片、又は配列番号431若しくはその断片、又は配列番号432若しくはその断片、又は配列番号433若しくはその断片、又は配列番号434若しくはその断片、又は配列番号435若しくはその断片、又は配列番号436若しくはその断片、又は配列番号437若しくはその断片、又は配列番号438若しくはその断片、又は配列番号439若しくはその断片、又は配列番号440若しくはその断片、又は配列番号441若しくはその断片、又は配列番号442若しくはその断片、又は配列番号443若しくはその断片、又は配列番号444若しくはその断片、又は配列番号445若しくはその断片、又は配列番号446若しくはその断片、又は配列番号447若しくはその断片、又は配列番号448若しくはその断片、又は配列番号449若しくはその断片、又は配列番号450若しくはその断片、又は配列番号451若しくはその断片である、実施形態219~228のいずれかの方法。
230.tRNAエフェクター分子(TREM)を作製する方法であって、合成方法(例えば、固相合成又は液相合成を用いて合成される)又はインビトロ転写(IVT)を含む方法。
231.tRNAエフェクター分子(TREM)を作製する方法であって、
(a)TREMを発現するのに十分な条件下で、TREMをコードする外在性核酸、例えば、DNA又はRNAを含む宿主細胞を提供すること及び
(b)TREMを含む組成物を生成するために宿主細胞培養物から発現されたTREMを精製し、それによりTREMを含む組成物を作製すること、
を含む方法。
232.TREMを含む組成物が、TREM断片、例えば、本明細書に記載のものを含む、実施形態230又は231の方法。
233.TREM断片が、宿主細胞中でインビボで生成される、実施形態232の方法。
234.TREM断片が、発現されたTREMを細胞によるTREMの生成後に断片化することによって生成される、例えば、宿主細胞によって生成されたTREMが、宿主細胞からの放出又は精製後に断片化される、例えば、TREMが、エクスビボで断片化される、実施形態232又は233の方法。
235.方法が、例えば、参照細胞、例えば、TREMを発現するように操作されていないか又は改変されていない同様の細胞と比較して、増加、例えば、宿主細胞中の全内在性tRNA及びTREMの生成における少なくとも2.2、2.5、3、4、5、6、7、8、9、10又は20倍の増加(例えば、実施例1~3又は7~11のいずれかに記載されるアッセイによって測定されるとおり)をもたらす、実施形態230~234のいずれかの方法。
236.方法が、TREM生成及び/又はtRNA生成の2.2~20倍、2.2~15倍、2.2~10倍、2.2~9倍、2.2~8倍、2.2~7倍、2.2~6倍、2.2~5倍、2.2~4倍、2.2~3倍、2.2~2.5倍、2.5~20倍、3~20倍、4~20倍、5~20倍、6~20倍、7~20倍、8~20倍、9~20倍、10~20倍又は15~20倍の増加をもたらす、実施形態235の方法。
237 方法が、例えば、実施例1~3又は7~11のいずれかに記載されるアッセイによって測定されるとおり、宿主細胞中において検出可能なレベルのTREMをもたらす、実施形態230~236のいずれかの方法。
238.宿主細胞が、TREMの転写後修飾の能力がある、実施形態230~237のいずれかの方法。
239.宿主細胞が、TREMの転写後修飾、例えば、表3から選択される転写後修飾の能力がある、実施形態230~238のいずれかの方法。
240.宿主細胞が、TREMの転写後修飾、例えば、表3から選択される転写後修飾を提供するその能力を調節する、例えば、増加させるように改変されている、例えば、宿主細胞が、遺伝子、例えば、表3からの酵素をコードする遺伝子又はヌクレアーゼ活性(例えば、エンドヌクレアーゼ活性又はリボヌクレアーゼ活性)を有する酵素をコードする遺伝子、例えば又はダイサー、アンジオゲニン、RNaseA、RNaseP、RNaseZ、Rny1若しくはPrrCのうちの1つ以上の発現の増加又は減少を可能にするように改変されている、実施形態230~239のいずれかの方法。
241.宿主細胞が、TREMの転写後修飾、例えば、表3から選択される転写後修飾の能力がある哺乳動物細胞である、実施形態230~240のいずれか1つの方法。
242.宿主細胞が、HeLa細胞、HEK293細胞、HT-1080細胞、PER.C6細胞、HKB11細胞、CAP細胞又はHuH-7細胞を含む、実施形態230~241のいずれかの方法。
243.宿主細胞が、癌遺伝子、例えば、Ras、c-myc又はc-junの発現の増加を有する、実施形態230~242のいずれかの方法。
244.宿主細胞が、腫瘍抑制因子、例えば、p53又はRbの発現の減少を有する、実施形態230~243のいずれかの方法。
245.宿主細胞が、RNAポリメラーゼIII(RNA pol III)の発現の増加を有する、実施形態230~244のいずれかの方法。
246.宿主細胞が非哺乳動物宿主細胞である、実施形態230~245のいずれかの方法。
247.宿主細胞が、細菌細胞、例えば、E.コリ(E.coli)細胞又は酵母細胞である、実施形態230~246のいずれかの方法。
248.TREMを含む組成物(又はTREMを含む組成物の生成における中間体)の以下の特徴:
(i)少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の純度;
(ii)0.1ng/ml、1ng/ml、5ng/ml、10ng/ml、15ng/ml、20ng/ml、25ng/ml、30ng/ml、35ng/ml、40ng/ml、50ng/ml、60ng/ml、70ng/ml、80ng/ml、90ng/ml又は100ng/ml未満の宿主細胞タンパク質(HCP)混入;
(iii)TREMを含む組成物の1ミリグラム(mg)当たり0.1ng、1ng、5ng、10ng、15ng、20ng、25ng、30ng、35ng、40ng、50ng、60ng、70ng、80ng、90ng又は100ng未満の宿主細胞タンパク質(HCP)混入;
(iv)1ng/ml、5ng/ml、10ng/ml、15ng/ml、20ng/ml、25ng/ml、30ng/ml、35ng/ml、40ng/ml、50ng/ml、60ng/ml、70ng/ml、80ng/ml、90ng/ml又は100ng/ml未満のDNA、例えば、宿主細胞DNA;
(v)0.1%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8% 9%又は10%未満の断片;
(vi)例えば、リムルス・アメボサイト(Limulus amebocyte)ライセート(LAL)試験によって測定されるとおりの内毒素の低レベル又は欠如;
(vii)例えば、実施例14に記載されるアッセイによって測定されるとおりのインビトロ翻訳活性;
(viii)少なくとも0.1、ng/mL、0.5ng/mL、1ng/mL、5ng/mL、10ng/mL、50ng/mL、0.1ug/mL、0.5ug/mL、1ug/mL、2ug/mL、5ug/mL、10ug/mL、20ug/mL、30ug/mL、40ug/mL、50ug/mL、60ug/mL、70ug/mL、80ug/mL、100ug/mL、200ug/mL、300ug/mL、500ug/mL、1000ug/mL、5000ug/mL、10,000ug/mL又は100,000ug/mLのTREM濃度;
(ix)例えば、無菌製剤に関するcGMPガイドラインに従う無菌性であって、例えば、組成物又は調製物は、無菌的条件下で試験された場合に100未満の生存可能な微生物の増殖を裏付け、組成物又は調製物は、USP<71>の規格を満たし及び/又は組成物又は調製物は、USP<85>の規格を満たす、無菌性;又は
(x)例えば、組成物又は調製物は、ウイルス混入の欠如又は検出不可能なレベルのウイルス混入を有する、ウイルス混入
のうちの1つ以上を測定することをさらに含む、実施形態230~247のいずれかの方法。
249.測定値を参照値又は規格と比較することをさらに含む、実施形態248の方法。
250.比較に応じて、TREMを含む組成物を調節して、
(i)組成物の純度を増大させるか;
(ii)組成物中のHCPの量を減少させるか;
(iii)組成物中のDNAの量を減少させるか;
(iv)組成物中の断片の量を減少させるか;
(v)組成物中の内毒素の量を減少させるか;
(vi)組成物のインビトロ翻訳活性を増大させるか;
(vii)組成物のTREM濃度を増大させるか;又は
(viii)組成物の無菌性を増大させること
をさらに含む、実施形態249の方法。
251.TREMが、バイオリアクター中で培養された宿主細胞から精製された、実施形態230~250のいずれかのTREM。
252.
(i)少なくとも1×10、1×10、1×10、1×1010、1×1011、1×1012、1×1013又は1×1014個の宿主細胞を含むか;
(ii)100mL~100リットルの培養培地、例えば、少なくとも100mL、250mL、500mL、750mL、1リットル、2リットル、3リットル、4リットル、5リットル、6リットル、7リットル、8リットル、9リットル、10リットル、15リットル、20リットル、25リットル、30リットル、40リットル、50リットル、60リットル、70リットル、80リットル、90リットル又は100リットルの培養培地を含むか;
(iii)バイオリアクターが、連続フローバイオリアクター、バッチプロセスバイオリアクター、灌流バイオリアクター及びフェドバッチバイオリアクターから選択されるか;又は
(iv)バイオリアクターが、TREMを発現するのに十分な条件下で保持される、
実施形態251のバイオリアクター。
253.TREMが、
(i)制御領域配列;
(ii)修飾されたTREMをコードする配列;
(iii)2種のTREMをコードする配列;又は
(iv)tRNAMET配列以外の配列
を含む核酸配列によってコードされるか又はそれらから発現される、実施形態230~252のいずれかの方法。
254.核酸配列がプロモーター配列を含む、実施形態253の方法。
255.核酸配列が、RNAポリメラーゼIII(Pol III)認識部位、例えば、Pol III結合部位を含むプロモーター配列、例えば、U6プロモーター配列又はその断片を含む、実施形態253又は254の方法。
本発明の他の特徴、目的、及び利点は、明細書及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
別途定義しない限り、本明細書に使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、それらの全体として参照により組み込まれる。さらに、材料、方法、及び実施例は、例示に過ぎず、限定を意図するものではない。
[図1A]パネルA:非SNP対象のmRNA及びタンパク質配列並びに内在性tRNAプールを描く。第2のコドンの配列は、アミノ酸バリンをコードするGTG(白三角によって描かれる)である。2つのバリンイソアクセプターtRNA種が示されている。2つのtRNA種の各々は、異なるバリンコドンを認識する。2つの種は、異なる存在量を有する。野生型コドンGTGを認識する種は、シェードされておらず、より高い存在量である。シェード種は、より低い存在量を有し、野生型コドンと対形成しない。そのため、使用コドン(GTG)に対応するバリンイソアクセプターtRNA種は豊富である。[図1B]パネルB:描かれたmRNA配列中の第2のコドンの第3の位置(黒三角で示される)に単一ヌクレオチド多型(SNP)を有する対象のmRNA及びタンパク質配列並びに内在性tRNAプールを描く。内在性tRNAプールの組成は、図1パネルAに対して記載されたものと同一である。しかしながら、第2のコドンのバリンの取り込みは、ここでは、それほど豊富でないtRNA種(シェード種)の使用に依存する。結果として、図1パネルBに示されるように、翻訳は損なわれる。また、それほど豊富でないtRNA種を使用する他の結果は、例えば、ペプチド鎖の伸長の中断、より低いタンパク質生成、タンパク質ミスフォールディング、タンパク質誤局在化、改変タンパク質機能又は改変mRNA転写物安定性であり得る。[図1C]パネルC:第2のコドンの第3の位置にSNPを含む図1パネルBと同一なmRNA配列を描く。プールの内在性tRNAは、パネルA及びBと同一であるが、プールは、SNPコドンと対形成する種の存在量を増加させる外在性TREMが補充されている。これによってmRNAの翻訳の改善をもたらすことができるようになる。 [図2A]パネルA:非SNP対象のmRNA及びタンパク質配列並びに内在性tRNAプールを描く。第2のコドンの配列は、アミノ酸バリンをコードするGTG(白三角によって描かれる)である。2つのバリンイソアクセプターtRNA種が示されている。2つのtRNA種の各々は、異なるバリンコドンを認識する。2つの種は、異なる存在量を有する。野生型コドンGTGを認識する種は、シェードされておらず、より高い存在量である。シェード種は、より低い存在量を有し、野生型コドンと対形成しない。そのため、使用コドン(GTG)に対応するバリンイソアクセプターtRNA種は豊富である。これによって、描かれるように対応するタンパク質へのmRNA配列の翻訳がもたらされる。[図2B]パネルB:描かれたmRNA配列中の第2のコドンの第3の位置(黒三角で示される)に単一ヌクレオチド多型(SNP)を有する対象のmRNA及びタンパク質配列並びに内在性tRNAプールを描く。内在性tRNAプールの組成は、図1パネルAに対して記載されたものと同一である。しかしながら、第2のコドンのバリンの取り込みは、ここでは、それほど豊富でないtRNA種(シェード種)の使用に依存する。結果として、図2パネルBに示されるように、対応するタンパク質へのmRNA配列の翻訳は損なわれる。[図2C]パネルC:第2のコドンの第3の位置(黒三角で示される)にSNPを含む図2パネルBと同一なmRNA配列を描く。プールの内在性tRNAは、パネルA及びBと同一であるが、プールは、SNPコドンと対形成する種の存在量を増加させる外在性TREMが補充されている。結果として、対応するタンパク質へのmRNA配列の翻訳は損なわれず、非SNP対象のものに類似している。 上端行:非SNP対象の内在性tRNAプール並びに右に移動してmRNA及びタンパク質配列を描く。第2のコドンの配列は、アミノ酸バリンをコードするGTG(白三角によって描かれる)である。2つのバリンイソアクセプターtRNA種が示されている。2つのtRNA種の各々は、異なるバリンコドンを認識する。2つの種は、異なる存在量を有する。野生型コドンGTGを認識する種は、シェードされておらず、より高い存在量である。シェード種は、より低い存在量を有し、野生型コドンと対形成しない。そのため、使用コドン(GTG)に対応するバリンイソアクセプターtRNA種は豊富である。これによって、描かれるように対応するタンパク質へのmRNA配列の翻訳がもたらされる。より豊富なtRNA種を使用することはまた、転写物安定性、タンパク質発現、タンパク質機能、タンパク質フォールディング又はタンパク質局在化に影響を及ぼし得る。中間行:描かれたmRNA配列中の第2のコドンの第3の位置(黒三角で示される)に単一ヌクレオチド多型(SNP)を有する対象の内在性tRNAプール並びにmRNA及びタンパク質配列を描く。内在性tRNAプールの組成は、図3上端行に対して記載されたものと同一である。しかしながら、第2のコドンのバリンの取り込みは、ここでは、それほど豊富でないtRNA種(シェード種)の使用に依存する。結果として、図3中間行に示されるように、対応するタンパク質へのmRNA配列の翻訳は損なわれる。それほど豊富でないtRNA種を使用することまた、転写物安定性の低減、タンパク質発現の低減、タンパク質機能の変化、タンパク質フォールディングの変化又はタンパク質局在化の変化をもたらし得る。下端行:第2のコドンの第3の位置(黒三角で示される)にSNPを含む図3中間行と同一なmRNA配列を描く。プールの内在性tRNAは、上端行及び中間行と同一であるが、プールは、SNPコドンと対形成するできる種の存在量を増加させる外在性TREMが補充されている。結果として、対応するタンパク質へのmRNA配列の翻訳は損なわれない。 開始メチオニン(iMet)に対応するTREMによるトランスフェクション後の3つの細胞株における細胞増殖の増大を示すグラフである。図4Aは、Cy3-標識iMet-CAT-TREMでトランスフェクトされたか又はCy3-標識非タグ化対照でトランスフェクトされたU20S細胞の%細胞培養密度(細胞増殖の尺度)の増大を示すグラフである。図4Bは、Cy3-標識iMet-CAT-TREMでトランスフェクトされたか又はCy3-標識非タグ化対照でトランスフェクトされたH1299細胞の%細胞培養密度(細胞増殖の尺度)の増大を示すグラフである。図4Cは、Cy3-標識iMet-CAT-TREMでトランスフェクトされたか又はCy3-標識非タグ化対照でトランスフェクトされたHela細胞の%細胞培養密度(細胞増殖の尺度)の増大を示すグラフである。 無細胞ライセートを伴う翻訳反応へのiMET-TREMの添加時のNanoLucレポーター発現の増加を示すグラフである。対照として、緩衝液を伴う翻訳反応が実施された。
本開示は、とくに、細胞中又は対象中のtRNAプールを調節するためのtRNAベースエフェクター分子(TREM)の使用方法を特徴とする。また、本明細書で開示されるのは、TREMを含む組成物又はTREMを含む医薬組成物を投与することによって、障害の治療又は障害の症状の寛解を行う方法である。本明細書で開示されるように、tRNAベースエフェクター分子(TREM)は、様々な細胞プロセスを媒介できる複合体分子である。TREMを含む医薬組成物は、こうした機能を調節するために、細胞、組織又は対象に投与することができる。
定義
「取得する」又は「取得すること」は、それらの用語が本明細書で使用される場合、物理的要素又は値を「直接取得すること」又は「間接取得すること」により、値、例えば、数値の所有を得ることを指す。「直接取得すること」は、値を得るためにプロセスを実施すること(例えば、分析方法を実施すること)を指す。「間接取得すること」は、別のパーティー又はソース(例えば、その値を直接取得したサードパーティー検査機関)から値を受け取ることを指す。
「同族アダプター機能TREM」は、その用語が本明細書で使用される場合、TREMのアンチコドンと天然で結合されるAA(同族AA)による開始又は伸長を媒介するTREMを指す。
「発現の減少」は、その用語が本明細書で使用される場合、参照と比較した減少を指し、例えば、対照領域の改変、又は薬剤の添加が、対象産物の発現の減少をもたらす場合、それが改変又は添加を伴わない他の同様の細胞と比較して減少される。
「外来核酸」は、その用語が本明細書で使用される場合、参照細胞、例えば、外来核酸が導入される細胞における最も近い配列中に存在しないか、又はそれから少なくとも1つのヌクレオチドが異なる核酸配列を指す。ある実施形態では、外来核酸は、TREMをコードする核酸を含む。
「外来TREM」は、その用語が本明細書で使用される場合、
(a)参照細胞、例えば、外来核酸が導入される細胞における最も近い配列のtRNAから少なくとも1つのヌクレオチド又は1つの転写後修飾が異なるか;
(b)それが転写された細胞以外の細胞に導入されているか;
(c)それが天然に存在するもの以外の細胞において存在するか;又は
(d)野生型ではない発現プロファイル、例えば、レベル又は分布を有する(例えば、それが野生型より高いレベルで発現される)TREMを指す。ある実施形態では、発現プロファイルは、発現を調節する核酸に導入される変化又はRNA分子の発現を調節する薬剤の添加によって媒介され得る。ある実施形態では、外来TREMは、特性(a)~(d)のうちの1、2、3又は4つを含む。
「GMP-グレード組成物」は、その用語が本明細書で使用される場合、現行の優良医薬品製造基準(cGMP)ガイドライン、又は他の同様の要件に従う組成物を指す。ある実施形態では、GMP-グレード組成物は、医薬品として使用され得る。
本明細書で使用する場合、用語「増加」及び「減少」は、それぞれ参照に対して機能、発現、又は活性の特定の指標の量の増加又は減少をもたらす調節を指す。例えば、本明細書に記載されるTREMの細胞、組織又は対象への投与の後、本明細書に記載されるとおりの指標のマーカー(例えば、タンパク質翻訳、mRNA安定性、タンパク質フォールディング)の量は、投与の前のマーカーの量に対して又は陰性対照薬剤の影響に対して、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は98%、2X、3X、5X、10X以上増加され得るか又は減少され得る。指標は、投与の後に投与が列挙された影響を有した時点で、例えば、治療が開始されてから少なくとも12時間後、24時間後、1週間後、1ヶ月後、3ヶ月後、又は6ヶ月後に測定され得る。
「発現の増加」は、その用語が本明細書で使用される場合、参照と比較した増加を指し、例えば、対照領域の改変、又は薬剤の添加が、対象産物の発現の増加をもたらす場合、それが改変又は添加を伴わない他の同様の細胞と比較して増加される。
「イソアクセプター」は、その用語が本明細書で使用される場合、複数のtRNA分子又はTREMを指し、この場合、複数の各分子は、異なる天然に存在するアンチコドン配列を含み、複数の各分子は、同一なアミノ酸の取り込みを媒介し、及びそのアミノ酸は、天然で複数のアンチコドンに対応するアミノ酸である。
「非同族アダプター機能TREM」は、その用語が本明細書で使用される場合、TREMのアンチコドンと天然で結合されるAA以外のAA(非同族AA)による開始又は伸長を媒介するTREMを指す。ある実施形態では、非同族アダプター機能TREMはまた、誤負荷TREM(mTREM)とも呼ばれる。
「癌遺伝子」は、その用語が本明細書で使用される場合、細胞運命の決定、細胞生存及びゲノム維持を含む1つ以上の細胞プロセスを調節する遺伝子を指す。ある実施形態では、癌遺伝子は、それが存在する細胞に選択的な増殖優位性、例えば、調節解除、例えば、遺伝的調節解除(例えば、変異又は増幅)又は後成的調節解除をもたらす。例示的な癌遺伝子としては、Myc(例えば、c-Myc、N-Myc又はL-Myc)、c-Jun、Wnt、又はRASが挙げられる。
「医薬組成物」は、その用語が本明細書で使用される場合、医薬としての使用に好適な組成物を指す。通常、医薬組成物は、医薬賦形剤を含む。ある実施形態では、医薬組成物はTREMを含み得る(TREMを含む医薬組成物)。ある実施形態では、TREMは、TREMを含む医薬組成物における唯一の活性成分であろう。実施形態において、TREMを含む医薬組成物、例えば、医薬組成物は、宿主細胞タンパク質、DNA、例えば、宿主細胞DNA、内毒素及び細菌を含まないか、実質的に含まないか又は薬学的に許容される量未満でそれらを有する。ある実施形態では、医薬組成物、例えば、TREMを含む医薬組成物は、現行の優良製造基準(cGMP)ガイドライン又は他の同様の要件に従うGMPグレード組成物である。ある実施形態では、医薬組成物、例えば、TREMを含む医薬組成物は、無菌性であり、例えば、組成物又は調製物は、無菌的条件下で試験された場合に100未満の生存可能な微生物の増殖を裏付け、組成物又は調製物は、USP<71>の規格を満たし、及び/又は組成物又は調製物は、USP<85>の規格を満たす。
「転写後プロセシング」は、対象分子、例えば、TREM、RNA又はtRNAに関してその用語が本明細書で使用される場合、対象分子の共有結合性の修飾を指す。ある実施形態では、共有結合性の修飾は、転写後に起こる。ある実施形態では、共有結合性の修飾は、転写と同時に起こる。ある実施形態では、修飾は、インビボで、例えば、TREMを生成するために使用される細胞中でなされる。ある実施形態では、修飾は、エクスビボでなされ、例えば、それは、TREMを生成した細胞から単離されたか又は得られたTREMに対してなされる。ある実施形態では、転写後修飾は、表3に列挙される転写後修飾から選択される。
「組換えTREM」は、その用語が本明細書で使用される場合、ヒトの介入によって修飾された細胞であって、TREMの生成を媒介する修飾(例えば、細胞は、TREMをコードする外来配列を含む)、又は発現、例えば、TREMの転写発現又は転写後修飾を媒介する修飾を有する細胞中で発現されたTREMを指す。組換えTREMは、参照tRNA、例えば、天然tRNAと同じ、又は異なる配列、転写後修飾のセット、若しくは三次構造を有し得る。
「合成TREM」は、その用語が本明細書で使用される場合、TREMをコードする内在性核酸を有する細胞以外で、例えば、無細胞固相合成によって合成されたTREMを指す。合成TREMは、天然tRNAと同じ、又は異なる配列、転写後修飾のセット、若しくは三次構造を有し得る。
「異種細胞において発現されたTREM」は、その用語が本明細書で使用される場合、非天然条件下で作製されたTREMを指す。例えば、i)天然に存在する細胞から、例えば、遺伝的に、代謝的に異なる(例えば、異なるプロファイルの遺伝子発現を有するか又は異なるレベルの細胞成分、例えば、吸収される栄養分を有する)、又は後成的に異なる細胞において作製されるか;ii)天然の条件(天然の条件は、細胞が天然でtRNAを作製する条件である)と異なる条件、例えば、栄養、pH、温度、細胞密度、又はストレス条件下で培養される細胞において作製されるか;又はiii)参照と異なるレベル、比率、若しくは濃度、又は区画若しくは位置に局在させられた、例えば、天然条件下で起こるものと異なるレベル、比率、若しくは濃度、又は区画若しくは位置に局在させられた細胞において作製されるTREM。異種細胞において発現されるTREMは、天然tRNAと同じ、又は異なる配列、転写後修飾のセット、若しくは三次構造を有し得る。
「tRNA」は、その用語が本明細書で使用される場合、その天然の状態において天然に存在する転移リボ核酸を指す。
「tRNA系エフェクター分子」又は「TREM」は、その用語が本明細書で使用される場合、下の(a)~(v)の構造又は特性を含むRNA分子を指し、これは、組換えTREM、合成TREM、又は異種細胞から発現されるTREMである。TREMは、(a)~(v)のうちの複数(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9)の構造及び機能を有し得る。
ある実施形態では、TREMは、天然に存在するtRNAや本明細書に記載されるtRNAなどのように、アンチコドンを含み、及びアミノ酸を受け入れて、ポリペプチド鎖へのアミノ酸の取り込みを媒介することができる。
ある実施形態では、TREMは、構造又はそれが作製された方法によって評価されるとおり、非天然である。
ある実施形態では、TREMは、以下の構造又は特性のうちの1つ以上を含む:
(a)アミノ酸に結合するアミノ酸結合ドメイン、例えば、アクセプターステムドメイン(AStD)(AStDは、例えば、他の野生型tRNA中に存在するとき、アミノ酸、例えば、その同族アミノ酸又は非同族アミノ酸の受け入れ及びポリペプチド鎖の開始又は伸長におけるアミノ酸(AA)の転移を媒介するのに十分なRNA配列を含む)。通常、AStDは、シンテターゼ認識の一部であるアクセプターステム負荷のための3’末端アデノシン(CCA)を含む。ある実施形態では、AStDは、天然に存在するAStD、例えば、表2における核酸によってコードされるAStDと少なくとも75、80、85、90、95、又は100%の同一性を有する。ある実施形態では、TREMは、AStD、例えば、表2における核酸によってコードされるAStDの断片又は類似体を含んでもよく、実施形態における断片はAStD活性を有し、他の実施形態においてはAStD活性を有しない。(当業者は、表2における核酸によってコードされる配列に由来する本明細書に記載されるドメイン、ステム、ループ、又は他の配列特徴のいずれかに関して適切に対応する配列を決定することができる。例えば、当業者は、表2における核酸によってコードされるtRNA配列に由来するAStDに対応する配列を決定することができる。)
(b)ジヒドロウリジンヘアピンドメイン(DHD)(DHDは、例えば、他の野生型tRNA中に存在するとき、アミノアシル-tRNAシンテターゼの認識を媒介する、例えば、TREMのアミノ酸負荷のためのアミノアシル-tRNAシンテターゼに関する認識部位として作用するのに十分なRNA配列を含む)。実施形態において、DHDは、TREMの三次構造の安定化を媒介する。ある実施形態では、DHDは、天然に存在するDHD、例えば、表2における核酸によってコードされるDHDと少なくとも75、80、85、90、95、又は100%の同一性を有する。ある実施形態では、TREMは、DHD、例えば、表2における核酸によってコードされるDHDの断片又は類似体を含んでもよく、実施形態における断片はDHD活性を有し、他の実施形態においてはDHD活性を有しない。
(c)mRNAにおけるそれぞれのコドンに結合するアンチコドン、例えば、アンチコドンヘアピンドメイン(ACHD)(ACHDは、例えば、他の野生型tRNA中に存在するとき、コドンとの対形成(ゆらぎを伴うか又は伴わない)を媒介するのに十分な配列、例えば、アンチコドントリプレットを含む;ある実施形態では、ACHDは、天然に存在するACHD、例えば、表2における核酸によってコードされるACHDと少なくとも75、80、85、90、95、又は100%の同一性を有する)。ある実施形態では、TREMは、ACHD、例えば、表2における核酸によってコードされるACHDの断片又は類似体を含んでもよく、実施形態における断片はACHD活性を有し、他の実施形態においてはACHD活性を有しない。
(d)可変ループドメイン(VLD)(VLDは、例えば、他の野生型tRNA中に存在するとき、アミノアシル-tRNAシンテターゼの認識を媒介する、例えば、TREMのアミノ酸負荷のためのアミノアシル-tRNAシンテターゼに関する認識部位として作用するのに十分なRNA配列を含む)。実施形態において、VLDは、TREMの三次構造の安定化を媒介する。ある実施形態では、VLDは、例えば、その同族アミノ酸に関するTREMの特異性を調節する、例えば、増大させる、例えば、VLDは、TREMの同族アダプター機能を調節する。ある実施形態では、VLDは、天然に存在するVLD、例えば、表2における核酸によってコードされるVLDと少なくとも75、80、85、85、90、95、又は100%の同一性を有する。ある実施形態では、TREMは、VLD、例えば、表2における核酸によってコードされるVLDの断片又は類似体を含んでもよく、実施形態における断片はVLD活性を有し、他の実施形態においてはVLD活性を有しない。
(e)チミンヘアピンドメイン(THD)(THDは、例えば、他の野生型tRNA中に存在するとき、リボソームの認識を媒介する、例えば、翻訳中のTREM-リボソーム複合体を形成するためのリボソームに関する認識部位として作用するのに十分なRNA配列を含む)。ある実施形態では、THDは、天然に存在するTHD、例えば、表2における核酸によってコードされるTHDと少なくとも75、80、85、85、90、95、又は100%の同一性を有する。ある実施形態では、TREMは、THD、例えば、表2における核酸によってコードされるTHDの断片又は類似体を含んでもよく、実施形態における断片はTHD活性を有し、他の実施形態においてはTHD活性を有しない。
(f)生理的条件下で、それは、ステム構造及び1つ又は複数のループ構造、例えば、1、2、又は3つのループを含む。ループは、本明細書に記載されるドメイン、例えば、(a)~(e)から選択されるドメインを含み得る。ループは、1つ又は複数のドメインを含み得る。ある実施形態では、ステム又はループ構造は、天然に存在するステム又はループ構造、例えば、表2における核酸によってコードされるステム又はループ構造と少なくとも75、80、85、85、90、95、又は100%の同一性を有する。ある実施形態では、TREMは、ステム又はループ構造、例えば、表2における核酸によってコードされるステム又はループ構造の断片又は類似体を含んでもよく、実施形態における断片は、ステム又はループ構造の活性を有し、他の実施形態においてはステム又はループ構造の活性を有しない;
(g)三次構造、例えば、L型三次構造;
(h)アダプター機能、すなわち、TREMは、アミノ酸、例えば、その同族アミノ酸の受け入れを媒介し、及びポリペプチド鎖の開始又は伸長におけるAAの転移を媒介する;
(i)同族アダプター機能(TREMは、ポリペプチド鎖を開始するか又は伸長するTREMのアンチコドンと天然で結合されるアミノ酸(例えば、同族アミノ酸)の受け入れ及び取り込みを媒介する);
(j)非同族アダプター機能(TREMは、ポリペプチド鎖の開始又は伸長においてTREMのアンチコドンと天然で結合されるアミノ酸以外のアミノ酸(例えば、非同族アミノ酸)の受け入れ及び取り込みを媒介する);
(k)調節機能、例えば、後成的機能(例えば、遺伝子サイレンシング機能又はシグナル経路調節機能)、細胞運命調節機能、mRNA安定性調節機能、タンパク質安定性調節機能、タンパク質形質導入調節機能、又はタンパク質区画化機能;
(l)リボソーム結合を可能にする構造;
(m)転写後修飾(例えば、それは、表3の1つ以上の修飾、例えば、表3に列挙される1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15種の修飾を含む);
(n)tRNAの機能特性、例えば、tRNAによって保有される特性(h)~(k)のいずれかを阻害する能力;
(o)細胞運命を調節する能力;
(p)リボソーム占有を調節する能力;
(q)タンパク質翻訳を調節する能力;
(r)mRNA安定性を調節する能力;
(s)タンパク質フォールディング及び構造を調節する能力;
(t)タンパク質形質導入又は区画化を調節する能力;
(u)タンパク質安定性を調節する能力;
(v)シグナル経路、例えば、細胞性シグナル経路を調節する能力。
(w)アンチコドンは終止コドンと対形成しない、例えば、UAG、UAA又はUGA以外のものと対形成するアンチコドンである;又は
(x)天然に存在するtRNAや本明細書に記載されるtRNAなどのように、アンチコドンを含み、及びアミノ酸を受け入れて、ポリペプチド鎖へのアミノ酸の取り込みを媒介することができる。
ある実施形態では、TREMは、全長tRNA分子又はその断片を含む。
ある実施形態では、TREMは、次の特性:(a)~(e)を含む。
ある実施形態では、TREMは、次の特性:(a)及び(c)を含む。
ある実施形態では、TREMは、次の特性:(a)、(c)及び(h)を含む。
ある実施形態では、TREMは、次の特性:(a)、(c)、(h)及び(b)を含む。
ある実施形態では、TREMは、次の特性:(a)、(c)、(h)及び(e)を含む。
ある実施形態では、TREMは、次の特性:(a)、(c)、(h)、(b)及び(e)を含む。
ある実施形態では、TREMは、次の特性:(a)、(c)、(h)、(b)、(e)及び(g)を含む。
ある実施形態では、TREMは、次の特性:(a)、(c)、(h)及び(m)を含む。
ある実施形態では、TREMは、次の特性:(a)、(c)、(h)、(m)及び(g)を含む。
ある実施形態では、TREMは、次の特性:(a)、(c)、(h)、(m)及び(b)を含む。
ある実施形態では、TREMは、次の特性:(a)、(c)、(h)、(m)及び(e)を含む。
ある実施形態では、TREMは、次の特性:(a)、(c)、(h)、(m)、(g)、(b)及び(e)を含む。
ある実施形態では、TREMは、次の特性:(a)、(c)、(h)、(m)、(g)、(b)、(e)及び(q)を含む。
ある実施形態では、TREMは、
(i)アミノ酸に結合するアミノ酸結合ドメイン(例えば、本明細書の(a)に記載されるとおりのAStD);及び
(ii)mRNAにおけるそれぞれのコドンに結合するアンチコドン(例えば、本明細書の(c)に記載されるとおりのACHD)を含む。
ある実施形態では、TREMは、(i)~(ii)の共有結合を提供する可動性RNAリンカーを含む。
ある実施形態では、TREMは、タンパク質翻訳を媒介する。
ある実施形態では、TREMは、第1及び第2の構造又はドメインの間の共有結合を提供するリンカー、例えば、RNAリンカー、例えば、可動性RNAリンカーを含む。ある実施形態では、RNAリンカーは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15個のリボヌクレオチドを含む。TREMは、1つ又は複数のリンカーを含んでもよく、例えば、実施形態において、(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)を含むTREMは、第1及び第2のドメインの間の第1のリンカー、並びに第3のドメイン及び別のドメインの間の第2のリンカーを有してもよい。
ある実施形態では、TREMは、表2に列挙されるDNA配列によってコードされるRNA配列、又はその断片若しくは機能性断片と少なくとも60、65、70、75、80、85、90、95、96、97、98又は99%同一であるか、又はそれから1、2、3、4、5、10、15、20、25、又は30個以下のリボヌクレオチドが異なるRNA配列を含む。ある実施形態では、TREMは、表2に列挙されるDNA配列によってコードされるRNA配列、又はその断片若しくは機能性断片を含む。ある実施形態では、TREMは、表2に列挙されるDNA配列と少なくとも60、65、70、75、80、85、90、95、96、97、98又は99%同一なDNA配列によってコードされるRNA配列、又はその断片若しくは機能性断片を含む。ある実施形態では、TREMは、表2に列挙されるDNA配列によってコードされるRNAに対して少なくとも60、65、70、75、80、85、90、95、96、97、98若しくは99%同一であるか又はそれから1、2、3、4、5、10若しくは15個以下のリボヌクレオチドが異なるTREMドメイン、例えば、本明細書に記載されるドメイン又はそれらの断片若しくは機能性断片を含む。ある実施形態では、TREMは、表2に列挙されるDNA配列によってコードされるRNA配列、又はその断片若しくは機能性断片を含むTREMドメイン、例えば、本明細書に記載されるドメインを含む。ある実施形態では、TREMは、表2に列挙されるDNA配列と少なくとも60、65、70、75、80、85、90、95、96、97、98又は99%同一なDNA配列によってコードされるRNA配列、又はその断片若しくは機能性断片を含むTREMドメイン、例えば、本明細書に記載されるドメインを含む。
ある実施形態では、TREMは、76~90ヌクレオチド長である。実施形態において、TREM又はその断片若しくは機能性断片は、10~90ヌクレオチド、10~80ヌクレオチド、10~70ヌクレオチド、10~60ヌクレオチド、10~50ヌクレオチド、10~40ヌクレオチド、10~30ヌクレオチド、10~20ヌクレオチド、20~90ヌクレオチド、20~80ヌクレオチド、20~70ヌクレオチド、20~60ヌクレオチド、20~50ヌクレオチド、20~40ヌクレオチド、30~90ヌクレオチド、30~80ヌクレオチド、30~70ヌクレオチド、30~60ヌクレオチド、又は30~50ヌクレオチドである。
ある実施形態では、TREMは、アミノアシル化され、例えば、アミノアシルtRNAシンテターゼによってアミノ酸が負荷される。
ある実施形態では、TREMは、アミノ酸が負荷されず、例えば、未負荷TREM(uTREM)である。
ある実施形態では、TREMは、全長より短いtRNAを含む。実施形態において、TREMは、tRNAの天然に存在する断片、又は天然に存在しない断片に対応し得る。例示的な断片としては、TREM半分(例えば、ACHD、例えば、アンチコドン配列における切断に由来する、例えば、5’半分又は3’半分);5’断片(例えば、DHD又はACHDにおける切断に由来する、例えば、5’末端を含む断片);3’断片(例えば、THDにおける切断に由来する、例えば、3’末端を含む断片);又は内部断片(例えば、ACHD、DHD又はTHDの1つ以上における切断に由来する)が挙げられる。
「TREMを含む組成物」は、その用語が本明細書で使用される場合、本明細書に記載されるTREMを含む組成物を指す。TREMを含む組成物は、1種以上のTREMを含み得る。ある実施形態では、組成物は、単一種のTREMのみを含む。ある実施形態では、組成物は、第1のTREM種及び第2のTREM種を含む。例として、ある実施形態では、第1の種及び第2の種は、イソアクセプターであるが、互いに異なる配列を有する。ある実施形態では、組成物は、第1のアミノ酸、例えば、アラニンの取り込みを媒介する第1の種及び第2のアミノ酸、例えば、リシンの取り込みを媒介する第2の種を含むことができる。ある実施形態では、組成物は、XのTREM種を含む(X=2、3、4、5、6、7、8、9、又は10)。ある実施形態では、TREMは、表2における核酸によってコードされる配列と少なくとも70、75、80、85、90、若しくは95、又は100%の同一性を有する。ある実施形態では、TREMは、細胞培養物から精製される。ある実施形態では、TREMが精製される細胞培養物は、少なくとも1×10個の宿主細胞、1×10個の宿主細胞、1×10個の宿主細胞、1×1010個の宿主細胞、1×1011個の宿主細胞、1×1012個の宿主細胞、1×1013個の宿主細胞、又は1×1014個の宿主細胞を含む。ある実施形態では、TREMを含む組成物は、少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、95又は99%の乾燥重量TREMである(液体組成物に関して、乾燥重量は、実質的に全ての液体の除去後、例えば、凍結乾燥後の重量を指す)。ある実施形態では、組成物は、液体である。ある実施形態では、組成物は、乾性、例えば、凍結乾燥物質である。ある実施形態では、組成物は、凍結された組成物である。ある実施形態では、組成物は、無菌である。ある実施形態では、組成物は、無菌性であり、例えば、組成物は、無菌的条件下で試験された場合に100未満の生存可能な微生物の増殖を裏付け、組成物又は調製物は、USP<71>の規格を満たし、及び/又は組成物又は調製物は、USP<85>の規格を満たす。ある実施形態では、組成物は、少なくとも0.5g、1.0g、50g、10g、15g、25g、50g、100g、200g、400g又は500g(例えば、乾燥重量により決定された場合)のTREMを含む。
「tRNAプール」は、その用語が本明細書で使用される場合、tRNAとして機能できる全ての種、例えば、内在性tRNA及びTREMSのプールを指す。TREMが投与されていない細胞又は対象の内在性tRNAプールは、内在性tRNAのみを含む。TREMは、内在性tRNAのみを含むtRNAプールを調節するために添加することができるが、以前に投与されたTREMを含むtRNAプールを有する細胞又は対象にも投与することができる。ある実施形態では、細胞又は対象に投与されるTREMは、特定アンチコドンに天然で結合するアミノ酸(同族アミノ酸)を取り込むことにより、開始又は伸長を媒介する。ある実施形態では、投与されるTREMは、終止コドン以外のアンチコドンを有する。
「腫瘍抑制因子」は、その用語が本明細書で使用される場合、細胞運命の決定、細胞生存及びゲノム維持を含む1つ以上の細胞プロセスを調節する遺伝子を指す。ある実施形態では、腫瘍抑制因子は、それが調節解除される、例えば、遺伝的に調節解除されるか(例えば、変異されるか又は欠失される)又は後成的に調節解除される細胞に選択的な増殖優位性をもたらす。例示的な腫瘍抑制因子は、p53又はRbを含む。
「と対形成する」又は「対形成」は、それらの用語が本明細書で使用される場合、コドンとアンチコドンとの対応を指し、十分に相補的なコドン:アンチコドン対さらには第3の位置が相補的である必要がない「ゆらぎ」対形成を含む。十分に相補的な対形成は、ワトソン・クリック塩基対形成に従ってコドンの3つ全ての位置と対応するアンチコドンとの対形成を指す。ゆらぎ対形成は、ワトソン・クリック塩基対形成に従ってコドンの第1及び第2の位置と対応するアンチコドンとの相補的対形成及びコドンの第3の位置では対応するアンチコドンとのフレキシブル対形成を指す。
修飾、置き換え、由来という用語及び同様の用語は、生成物に関して使用又は適用される場合、最終生成物又は最終生成物の構造のみを指し、本開示で明示的に提供されない限り、生成物のいずれの作製方法にも製造方法にも制限されない。
見出し、標題、副題、番号付け又は他の英数字の階層は、単に読みやすいように添付されており、相反する明示的な表現の不在は、性能の順序、重要性、大きさ又は他の値の順序を指示するものではない。
同義SNP及びtRNAプールの調節方法
単一ヌクレオチド多型(SNP)は、ゲノム中に見いだされる変異である。SNPは、ゲノムのいずれかの位置にも、例えば、コード配列(例えば、エクソン)、調節領域(例えば、イントロン、プロモーターエレメント、エンハンサー)又は非コード配列に存在することができる。
コード配列、例えば、エクソンに存在するSNPは、異なるアミノ酸、例えば、非変異コドンによって特定されるものと比較して異なるアミノ酸を特定するようにコドンを改変することによって、対応するポリペプチドに影響を及ぼすことができる。
コドンを改変するが前記変異コドンによって特定されるアミノ酸を変化させないコード配列中に存在するSNPは、対応するポリペプチドにその位置で取り込まれるアミノ酸を変化させない。これは、遺伝子コドンの縮重(すなわち、1つのアミノ酸を特定する2種以上のコドン)に起因し得る。コドン縮重は、tRNAアンチコドンの第1の塩基での「ゆらぎ」塩基対形成によって裏付けられる。例えば、アミノ酸ロイシンを特定する野生型CTTコドンが同一アミノ酸ロイシンを特定するCTCコドンに変異された場合、その特定位置でのその組成に対する対応するタンパク質は変化しないと予想される。コドンCTT及びCTCは両方とも、アミノ酸ロイシンを特定するtRNAによって認識される。これらの異なる種のtRNAは、イソアクセプターtRNAと呼ばれる。
コドンを変化させるが変異コドンによって特定される対応するアミノ酸を変化させない変異は、同義SNPと呼ばれる。同義SNPは、サイレントSNPとしても知られる。
ヒト集団に見いだされる同義SNPは、ある特定の疾患に関連付けられる。同義SNPはポリペプチド鎖の組成を改変することが予想されないので、理論により拘束されることを望むものではないが、同義SNPの影響は、コドン使用のバイアスに関連付けられると考えられる。例えば、同義SNPは、タンパク質翻訳の低減、タンパク質フォールディングの改変、タンパク質局在化の改変又はタンパク質機能の改変をもたらし得る。コドン使用とtRNA存在量との関係は、現在調べられている。
ある実施形態では、細胞中のtRNAの量は、コドン使用に相関付けられる。ある実施形態では、非常によく使用されるコドンと対形成するtRNAは、あまりよく使用されないコドンと対形成するtRNAよりもより豊富である。ある実施形態では、あまりよく使用されないコドンと対形成するtRNAは、非常によく使用されるコドンと対形成するtRNAほど豊富ではない。
本明細書で定義されるとおり、細胞中のtRNAプールは、tRNAとして機能できる全ての種、例えば、内在性tRNA及びTREMSのtRNAプールである。TREMが投与されていない細胞又は対象の内在性tRNAプールは、内在性tRNAのみを含む。TREMが投与されている細胞又は対象のtRNAプールは、内在性tRNA及びTREMを含む。
理論により拘束されることを望むものではないが、細胞中又は対象中のtRNAプールは、細胞又は対象にTREMを含む組成物を投与することにより改変することができると考えられる。ある実施形態では、TREMを含む組成物が投与されている細胞中又は対象中のtRNAプールは、内在性tRNA及び投与されたTREMを含む。
ある実施形態では、同義SNPを有する対象又は細胞は、SNPコドンと対形成するtRNAのより低い存在量を有するtRNAプールを有する。ある実施形態では、対象又は細胞へのSNPコドンと対形成するTREMの投与は、対象中又は細胞中のイソアクセプティングtRNAプールの量を増加させ、例えば、SNPコドンと対形成することができる分子を特定するアミノ酸の量を増加させる。
例示的な同義SNPは、表1で提供される。見出し「前/後のコドン」を有する列は、特定転写物の野生型コドン及び変異コドンを記載する。ある実施形態では、治療方法、tRNAプールの調節方法又は本明細書で開示される評価方法に記載される細胞又は対象は、表1で提供されるSNPを有する。ある実施形態では、治療方法、tRNAプールの調節方法又は本明細書で開示される評価方法に記載される細胞又は対象は、表1に列挙される疾患を有する。ある実施形態では、治療方法、tRNAプールの調節方法又は本明細書で開示される評価の方法に記載される細胞又は対象は、表1に列挙されるSNP及び対応する疾患を有する。
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宿主細胞
宿主細胞は、TREMの発現及び/又は精製のために使用され得る細胞(例えば、培養細胞)である。ある実施形態では、宿主細胞は、哺乳動物細胞又は非哺乳動物細胞を含む。ある実施形態では、宿主細胞は、哺乳動物細胞、例えば、ヒト細胞又はげっ歯類細胞を含む。ある実施形態では、宿主細胞は、HeLa細胞、HEK293T細胞(例えば、Freestyle 293-F細胞)、HT-1080細胞、PER.C6細胞、HKB-11細胞、CAP細胞、HuH-7細胞、BHK 21細胞、MRC-S細胞、MDCK細胞、VERO細胞、WI-38細胞、又はチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を含む。ある実施形態では、宿主細胞は、癌細胞、例えば、固形腫瘍細胞(例えば、乳癌細胞(例えば、MCF7細胞)、膵臓細胞株(例えば、MIA PaCa-2細胞)、肺癌細胞、又は前立腺癌細胞、又は血液癌細胞)を含む。ある実施形態では、宿主細胞は、初代細胞、例えば、不死化されていない細胞又は有限増殖能を有する細胞である。ある実施形態では、宿主細胞は、対象、例えば、患者に由来する細胞である。
ある実施形態では、宿主細胞は、非哺乳動物細胞、例えば、細菌細胞、酵母細胞又は昆虫細胞を含む。ある実施形態では、宿主細胞は、細菌細胞、例えば、E.コリ(E.coli)細胞を含む。ある実施形態では、宿主細胞は、酵母細胞、例えば、S.セレビシエ(S.cerevisiae)細胞を含む。ある実施形態では、宿主細胞は、昆虫細胞、例えば、Sf9細胞又はHi5細胞を含む。
ある実施形態では、宿主細胞は、1つ以上の組織特異的tRNAを発現する細胞を含む。例えば、宿主細胞は、tRNA、例えば、組織特異的tRNAの発現と関連する組織に由来する細胞を含み得る。ある実施形態では、組織特異的tRNAを発現する宿主細胞は、TREM、又はその断片を発現するように改変される。
ある実施形態では、宿主細胞は、TREMの発現を可能にする条件下で維持され得る細胞である。
ある実施形態では、宿主細胞は、TREMを転写後修飾することができ、例えば、表3から選択される転写後修飾を付加することができる。ある実施形態では、宿主細胞は、表3に列挙される酵素を(例えば、天然に又は異種性に)発現する。ある実施形態では、宿主細胞は、酵素、例えば、ヌクレアーゼ活性(例えば、エンドヌクレアーゼ活性又はリボヌクレアーゼ活性)を有する酵素、例えば、又はダイサー、アンジオゲニン、RNaseA、RNaseP、RNaseZ、Rny1又はPrrCのうちの1つ以上を(例えば、天然に又は異種性に)発現する。
宿主細胞を培養する方法
宿主細胞は、増殖、例えば、宿主細胞の増殖又は過剰増殖を促進する培地中で培養され得る。宿主細胞は、好適な培地、例えば、以下の培地:DMEM、MEM、MEMアルファ、RPMI、F-10培地、F-12培地、DMEM/F-12培地、IMDM、培地199、リーボビッツ L-15、マッコイ 5A、MDCB培地、又はCMRL培地のいずれかにおいて培養され得る。ある実施形態では、培地は、グルタミンを補充される。ある実施形態では、培地は、グルタミンを補充されない。ある実施形態では、宿主細胞は、過剰な栄養分を有する、例えば、栄養分の制限がない培地において培養される。
宿主細胞は、増殖因子、サイトカイン又はホルモンの1つ又は組合せ、例えば、血清(例えば、ウシ胎仔血清(FBS))、HEPES、線維芽細胞増殖因子(FGF)、上皮増殖因子(EGF)、インスリン様増殖因子(IGF)、トランスフォーミング増殖因子ベータ(TGFb)、血小板由来増殖因子(PDGF)、肝細胞増殖因子(HGF)、又は腫瘍壊死因子(TNF)の1つ又は組合せを含むか又はそれが補充された培地中で培養され得る。
宿主細胞、例えば、非哺乳動物宿主細胞は、以下の培地:ルリアブロス、YPD培地又はグレース培地で培養できる。
宿主細胞はまた、ストレス、例えば、細胞ストレス、浸透圧ストレス、翻訳ストレス、又は癌化ストレスを誘導する条件下で培養され得る。ある実施形態では、ストレス(例えば、本明細書に記載されるとおり)を誘導する条件下で培養されたTREMを発現する宿主細胞は、例えば、本明細書に記載されるとおりのTREMの断片をもたらす。
宿主細胞は、栄養制限培地下で培養されてもよく、例えば、宿主細胞は、1つ以上の栄養分の量が制限された培地中で培養される。制限できる栄養分の例は、アミノ酸、脂質、炭水化物、ホルモン、増殖因子又はビタミンである。ある実施形態では、1つ以上の栄養分の量が制限された培地、例えば、栄養が欠乏している培地中で培養されたTREMを発現する宿主細胞は、例えば、本明細書に記載されるとおりのTREMの断片をもたらす。ある実施形態では、1つ以上の栄養分の量が制限された培地、例えば、栄養が欠乏している培地中で培養されたTREMを発現する宿主細胞は、未負荷であるTREM(例えば、uTREM)をもたらす。
宿主細胞は、不死化細胞、例えば、不死化に関与する1つ以上の酵素、例えば、TERTを発現する細胞を含み得る。ある実施形態では、宿主細胞は、無期限に増殖され得る。
宿主細胞は、懸濁液中で又は単層として培養され得る。宿主細胞培養は、細胞培養容器又はバイオリアクター中で実施され得る。細胞培養容器は、細胞培養ディッシュ、プレート又はフラスコを含む。例示的な細胞培養容器としては、35mm、60mm、100mm、又は150mmディッシュ、マルチウェルプレート(例えば、6ウェル、12ウェル、24ウェル、48ウェル又は96ウェルプレート)、又はT-25、T-75若しくはT-160フラスコが挙げられる。
ある実施形態では、宿主細胞は、バイオリアクター中で培養され得る。バイオリアクターは、例えば、連続フローバッチバイオリアクター、灌流バイオリアクター、バッチプロセスバイオリアクター又はフェドバッチバイオリアクターであり得る。バイオリアクターは、TREMを発現するのに十分な条件下で維持され得る。培養条件は、TREMの収量、純度又は構造を最適化するように調節され得る。ある実施形態では、バイオリアクターは、少なくとも1×10、1×10、1×10、1×1010、1×1011、1×1012、1×1013、又は1×1014個の宿主細胞を含む。ある実施形態では、バイオリアクターは、1×10~1×1014個の宿主細胞;1×10~0.5×1014個の宿主細胞;1×10~1×1013個の宿主細胞;1×10~0.5×1013個の宿主細胞;1×10~1×1012個の宿主細胞;1×10~0.5×1012個の宿主細胞;1×10~1×1011個の宿主細胞;1×10~0.5×1011個の宿主細胞;1×10~1×1010個の宿主細胞;1×10~0.5×1010個の宿主細胞;1×10~1×10個の宿主細胞;1×10~0.5×10個の宿主細胞;1×10~1×10個の宿主細胞;1×10~0.5×10個の宿主細胞;0.5×10~1×1014個の宿主細胞;1×10~1×1014個の宿主細胞;0.5×10~1×1014個の宿主細胞;1×10~1×1014個の宿主細胞;0.5×1010~1×1014個の宿主細胞;1×1010~1×1014個の宿主細胞;0.5×1011~1×1014個の宿主細胞;1×1011~1×1014個の宿主細胞;0.5×1012~1×1014個の宿主細胞;1×1012~1×1014個の宿主細胞;0.5×1013~1×1014個の宿主細胞;1×1013~1×1014個の宿主細胞;又は0.5×1013~1×1014個の宿主細胞を含む。
ある実施形態では、バイオリアクターは、少なくとも1×10宿主細胞/mL、2×10宿主細胞/mL、3×10宿主細胞/mL、4×10宿主細胞/mL、5×10宿主細胞/mL、6×10宿主細胞/mL、7×10宿主細胞/mL、8×10宿主細胞/mL、9×10宿主細胞/mL、1×10宿主細胞/mL、2×10宿主細胞/mL、3×10宿主細胞/mL、4×10宿主細胞/mL、5×10宿主細胞/mL、6×10宿主細胞/mL、7×10宿主細胞/mL、8×10宿主細胞/mL、9×10宿主細胞/mL、1×10宿主細胞/mL、2×10宿主細胞/mL、3×10宿主細胞/mL、4×10宿主細胞/mL、5×10宿主細胞/mL、6×10宿主細胞/mL、7×10宿主細胞/mL、8×10宿主細胞/mL、9×10宿主細胞/mL、1×10宿主細胞/mL、2×10宿主細胞/mL、3×10宿主細胞/mL、4×10宿主細胞/mL、5×10宿主細胞/mL、6×10宿主細胞/mL、7×10宿主細胞/mL、8×10宿主細胞/mL、9×10宿主細胞/mL、又は1×10宿主細胞/mLを含む。ある実施形態では、バイオリアクターは、1×10宿主細胞/mL~1×10宿主細胞/mL、5×10宿主細胞/mL~1×10宿主細胞/mL、1×10宿主細胞/mL~1×10宿主細胞/mL;5×10宿主細胞/mL~1×10宿主細胞/mL、1×10宿主細胞/mL~1×10宿主細胞/mL、5×10宿主細胞/mL~1×10宿主細胞/mL、1×10宿主細胞/mL~1×10宿主細胞/mL、5×10宿主細胞/mL~1×10宿主細胞/mL、1×10宿主細胞/mL~5×10宿主細胞/mL、1×10宿主細胞/mL~1×10宿主細胞/mL、1×10宿主細胞/mL~5×10宿主細胞/mL、1×10宿主細胞/mL~1×10宿主細胞/mL、1×10宿主細胞/mL~5×10宿主細胞/mL、1×10宿主細胞/mL~1×10宿主細胞/mL、又は1×10宿主細胞/mL~5×10宿主細胞/mLを含む。
ある実施形態では、バッチプロセスバイオリアクターは、1×10~1×10宿主細胞/mlを含む。
ある実施形態では、100mLの体積を有するバッチプロセスバイオリアクターは、1×10~1×10個の宿主細胞を含む。
ある実施形態では、100Lの体積を有するバッチプロセスバイオリアクターは、1×1011~1×1012個の宿主細胞を含む。
ある実施形態では、フェドバッチバイオリアクターは、1×10~3×10宿主細胞/mlを含む。
ある実施形態では、100mLの体積を有するフェドバッチバイオリアクターは、1×10~3×10個の宿主細胞を含む。
ある実施形態では、100Lの体積を有するフェドバッチバイオリアクターは、1×1012~3×1012個の宿主細胞を含む。
ある実施形態では、灌流バイオリアクターは、1×10宿主細胞/mlを含む。
ある実施形態では、100mLの体積を有する灌流バイオリアクターは、1×1010個の宿主細胞を含む。
ある実施形態では、100Lの体積を有する灌流バイオリアクターは、1×1013個の宿主細胞を含む。
ある実施形態では、バイオリアクターは、宿主細胞の増殖を促進する条件下、例えば、宿主細胞の増殖に許容的な温度(例えば、37℃)及び気体濃度(例えば、5%、CO)で維持される。
例えば、いくつかの態様では、バイオリアクターユニットは、以下のうちの1つ以上、又は全てを実施できる:栄養分及び/若しくは炭素源の給送、好適な気体(例えば、酸素)の注入、発酵若しくは細胞培養培地の流入及び流出、気相及び液相の分離、温度の維持、酸素及びCO2レベルの維持、pHレベルの維持、かき混ぜ(例えば、撹拌)、並びに/又は浄化/滅菌。例示的なバイオリアクターユニットは、ユニット内に複数のリアクターを含有してもよく、例えば、ユニットは、各ユニット中に1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、又は100個、又はそれ以上のバイオリアクターを有することができ、及び/又は設備は、設備内に単一又は複数のリアクターを有する複数のユニットを含有してもよい。任意の好適なバイオリアクター直径が使用され得る。
ある実施形態では、バイオリアクターは、約100mLと約100Lの間の体積を有し得る。非限定的な例としては、100mL、250mL、500mL、750mL、1リットル、2リットル、3リットル、4リットル、5リットル、6リットル、7リットル、8リットル、9リットル、10リットル、15リットル、20リットル、25リットル、30リットル、40リットル、50リットル、60リットル、70リットル、80リットル、90リットル、100リットルの体積が挙げられる。さらに、好適なリアクターは、複数回使用、単回使用、使い捨て、又は使い捨てではない場合があり、ステンレス鋼(例えば、316L又は任意の他の好適なステンレス鋼)及びインコネルなどの金属合金、プラスチック、及び/又はガラスを含む任意の好適な材料で形成され得る。いくつかの実施形態では、好適なリアクターは、円形、例えば、円柱状であり得る。いくつかの実施形態では、好適なリアクターは、四角形、例えば、長方形であり得る。四角形のリアクターは、いくつかの場合において、使用の容易さ(例えば、当業者による負荷及び設置)、リアクター内容物のより良好な混合及び均一性、並びにより小さい床の底面積など、円形リアクターを超える利点を提供する。
宿主細胞を改変する方法
宿主細胞は、TREMの生成を最適化する、例えば、最適化されたTREM収量、純度、構造(例えば、フォールディング)、又は安定性を有するように改変され得る。ある実施形態では、宿主細胞は、所望の分子、例えば、TREMの生成を最適化する、例えば、TREMの収量、純度、構造又は安定性を最適化する遺伝子の発現を増加させるか又は減少させるように(例えば、本明細書に記載される方法を使用して)改変され得る。ある実施形態では、宿主細胞は、生成を最適化する所望の遺伝子の発現を増加させるか又は減少させるように、例えば、本明細書に記載される方法を使用して、後成的に改変され得る。
ある実施形態では、宿主細胞は、癌遺伝子(例えば、本明細書に記載されるとおり)、腫瘍抑制因子(例えば、本明細書に記載されるとおり)又はtRNA若しくはTREM調節に関与する分子(例えば、tRNA又はTREM転写、プロセシング、調節、安定性又はフォールディングに関与する遺伝子)の発現を増加させるか又は減少させるように改変され得る。例示的な癌遺伝子としては、Myc(例えば、c-Myc、N-Myc又はL-Myc)、c-Jun、Wnt、又はRASが挙げられる。例示的な腫瘍抑制因子は、p53又はRbを含む。tRNA又はTREM調節に関与する例示的な分子としては、RNAポリメラーゼIII(PolIII)及びPolIIIアクセサリー分子(例えば、TFIIIB);Maf1、Trm1、Mck1若しくはKns1;tRNA又はTREM調節に関与する酵素、例えば、表3に列挙される遺伝子;又はヌクレアーゼ活性を有する分子、例えば、又はダイサー、アンジオゲニン、RNaseA、RNaseP、RNaseZ、Rny1又はPrrCのうちの1つ以上が挙げられる。
ある実施形態では、宿主細胞は、トランスフェクション(例えば、一過性トランスフェクション又は安定トランスフェクション);形質導入(例えば、ウイルス形質導入、例えば、レンチウイルス、アデノウイルス又はレトロウイルス形質導入);エレクトロポレーション;薬剤の脂質系送達(例えば、リポソーム)、薬剤のナノ粒子系送達;又は当該技術分野で知られる他の方法によって改変され得る。
ある実施形態では、宿主細胞は、所望の分子、例えば、遺伝子(例えば、癌遺伝子、又はtRNA若しくはTREM調節に関与する遺伝子(例えば、表3に列挙される酵素をコードする遺伝子、又はヌクレアーゼ活性(例えばエンドヌクレアーゼ活性又はリボヌクレアーゼ活性)を有する酵素をコードする遺伝子、例えば、又はダイサー、アンジオゲニン、RNaseA、RNaseP、RNaseZ、Rny1又はPrrCのうちの1つ以上の発現を増加させる、例えば、過剰発現するように改変され得る。遺伝子の発現を増加させる例示的な方法としては、(a)宿主細胞を、遺伝子をコードする核酸(例えば、DNA又はRNA)と接触させること;(b)宿主細胞を、標的タンパク質を発現するペプチドと接触させること;(c)宿主細胞を、標的遺伝子の発現を調節する、例えば、増加させる分子(例えば、小さいRNA(例えば、マイクロRNA、又は低分子干渉RNA)又は低分子量化合物)と接触させること;又は(d)宿主細胞を、標的遺伝子の負の調節因子の発現を阻害する(例えば、変異させるか又はノックアウトする)遺伝子編集部分(例えば、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)又はCas9/CRISPR分子)と接触させることが挙げられる。ある実施形態では、遺伝子をコードする核酸、又は遺伝子をコードする核酸を含有するプラスミドは、トランスフェクション又はエレクトロポレーションによって宿主細胞に導入され得る。ある実施形態では、遺伝子をコードする核酸は、宿主細胞を、遺伝子を発現するウイルス(例えば、レンチウイルス、アデノウイルス又はレトロウイルス)と接触させることによって宿主細胞に導入され得る。
ある実施形態では、宿主細胞は、所望の分子、例えば、遺伝子(例えば、腫瘍抑制因子、又はtRNA若しくはTREM調節に関与する遺伝子)の発現を減少させる、例えば、その発現を最小化するように改変され得る。遺伝子の発現を減少させる例示的な方法としては、(a)宿主細胞を、遺伝子の阻害剤(例えば、優性阻害のバリアント又は遺伝子によってコードされる遺伝子若しくはタンパク質の負の調節因子)をコードする核酸(例えば、DNA又はRNA)と接触させること;(b)宿主細胞を、標的タンパク質を阻害するペプチドと接触させること;(c)宿主細胞を、標的遺伝子の発現を調節する、例えば、阻害する分子(例えば、小さいRNA(例えば、マイクロRNA、又は低分子干渉RNA)又は低分子量化合物)と接触させること;又は(d)宿主細胞を、標的遺伝子の発現を阻害する(例えば、変異させるか又はノックアウトする)遺伝子編集部分(例えば、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)又はCas9/CRISPR分子)と接触させることが挙げられる。ある実施形態では、遺伝子の阻害剤をコードする核酸、又は遺伝子の阻害剤をコードする核酸を含有するプラスミドは、トランスフェクション又はエレクトロポレーションによって宿主細胞に導入され得る。ある実施形態では、遺伝子の阻害剤をコードする核酸は、宿主細胞を、遺伝子の阻害剤を発現するウイルス(例えば、レンチウイルス、アデノウイルス又はレトロウイルス)と接触させることによって宿主細胞に導入され得る。
ある実施形態では、宿主細胞(例えば、本明細書に記載される宿主細胞)は、癌遺伝子、例えば、本明細書に記載される癌遺伝子、例えば、c-Mycを発現する、例えば、過剰発現するように(例えば、核酸によるトランスフェクションによって)改変される。
ある実施形態では、宿主細胞(例えば、本明細書に記載される宿主細胞)は、腫瘍抑制因子、例えば、本明細書に記載される腫瘍抑制因子、例えば、p53又はRbの発現を抑制する、例えば、下方制御するように(例えば、核酸によるトランスフェクションによって)改変される。
ある実施形態では、宿主細胞(例えば、HEK293T細胞)は、tRNA又はTREM、例えば、Maf1を調節する遺伝子の発現を阻害する、例えば、ノックアウトするように(例えば、CRISPR/Cas9分子を使用して)改変される。ある実施形態では、宿主細胞(例えば、HEK293T細胞)は、tRNA又はTREM、例えば、Trm1を調節する遺伝子を過剰発現するように改変される。
ある実施形態では、宿主細胞(例えば、HEK293T細胞)は、tRNA又はTREM、例えば、Trm1を調節する遺伝子を過剰発現し、及び癌遺伝子、例えば、本明細書に記載される癌遺伝子、例えば、c-Mycを過剰発現するように改変される。
TREM
「tRNA系エフェクター分子」又は「TREM」は、本明細書に記載される特性の1つ以上を含むRNA分子を指す。TREMは、アミノ酸、例えば、同族アミノ酸で負荷される場合があるか;非同族アミノ酸で負荷される場合があるか(例えば、誤負荷TREM(mTREM));又はアミノ酸で負荷されない場合がある(例えば、未負荷TREM(uTREM))。
ある実施形態では、TREMは、表2で開示されるデオキシリボ核酸(DNA)配列、例えば、表2で開示される配列番号1~451のいずれか1つによってコードされるリボ核酸(RNA)配列を含む。ある実施形態では、TREMは、表2で提供されるDNA配列、例えば、表2で開示される配列番号1~451のいずれか1つによってコードされるRNA配列に対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、82%、85%、87%、88%、90%、92%、95%、96%、97%、98%、又は99%同一なRNA配列を含む。ある実施形態では、TREMは、表2で提供されるDNA配列、例えば、表2で開示される配列番号1~451のいずれか1つに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、82%、85%、87%、88%、90%、92%、95%、96%、97%、98%、又は99%同一なDNA配列によってコードされるRNA配列を含む。
ある実施形態では、TREMは、表2で開示されるDNA配列によってコードされるRNA配列の少なくとも30個の連続したヌクレオチド、例えば、表2で開示される配列番号1~451のいずれか1つによってコードされるRNA配列の少なくとも30個の連続したヌクレオチドを含む。ある実施形態では、TREMは、表2で提供されるDNA配列、例えば、表2で開示される配列番号1~451のいずれか1つによってコードされるRNA配列に対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、82%、85%、87%、88%、90%、92%、95%、96%、97%、98%、又は99%同一なRNA配列の少なくとも30個の連続したヌクレオチドを含む。ある実施形態では、TREMは、表2で提供されるDNA配列、例えば、表2で開示される配列番号1~451のいずれか1つに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、82%、85%、87%、88%、90%、92%、95%、96%、97%、98%、又は99%同一なDNA配列によってコードされるRNA配列の少なくとも30個の連続したヌクレオチドを含む。
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ある実施形態では、TREM、例えば、外来TREMは、以下の特性の1、2、3、又は4つを含む:
(a)参照細胞、例えば、外来核酸が導入される細胞における最も近い配列のtRNAから少なくとも1つのヌクレオチド又は1つの転写後修飾が異なるか;
(b)それが転写された細胞以外の細胞に導入されているか;
(c)それが天然に存在するもの以外の細胞において存在するか;又は
(d)野生型ではない発現プロファイル、例えば、レベル又は分布を有する(例えば、それが野生型より高いレベルで発現される)。
ある実施形態では、発現プロファイルは、発現を調節する核酸に導入される変化、又はRNA分子の発現を調節する薬剤の添加によって媒介され得る。
ある実施形態では、TREM、例えば、外来TREMは、(a)、(b)、(c)及び(d)を含む。
ある実施形態では、TREM、例えば、外来TREMは、(a)、(b)及び(c)を含む。
ある実施形態では、TREM、例えば、外来TREMは、(a)、(b)及び(d)を含む。
ある実施形態では、TREM、例えば、外来TREMは、(a)、(c)及び(d)を含む。
ある実施形態では、TREM、例えば、外来TREMは、(b)、(c)及び(d)を含む。
ある実施形態では、TREM、例えば、外来TREMは、(a)及び(d)を含む。
ある実施形態では、TREM、例えば、外来TREMは、(c)及び(d)を含む。
TREM断片
ある実施形態では、TREMは、断片(TREM断片と本明細書で呼ばれる場合がある)、例えば、表2で開示されるデオキシリボ核酸配列によってコードされるRNAの断片を含む。例えば、TREMは、完全配列未満のtRNA、例えば、同じアンチコドン、治療されている対象と同じ種に由来するアンチコドン、又はその両方を有する完全配列未満のtRNAを含む。ある実施形態では、例えば、全長TREM又はより長い断片に由来するTREM断片の生成は、酵素、例えば、ヌクレアーゼ活性(例えば、エンドヌクレアーゼ活性又はリボヌクレアーゼ活性)を有する酵素、例えば、ダイサー、アンジオゲニン、RNaseP、RNaseZ、Rny1、又はPrrCによって触媒され得る。
ある実施形態では、TREM断片は、インビボ、エクスビボ又はインビトロで生成され得る。ある実施形態では、TREM断片は、宿主細胞においてインビボで生成される。ある実施形態では、TREM断片は、エクスビボで生成される。ある実施形態では、TREM断片は、インビトロで、例えば、実施例12に記載されるとおりに生成される。ある実施形態では、TREM断片は、発現されるTREMを細胞によるTREMの生成後に断片化することによって生成される、例えば、宿主細胞により生成されるTREMは、宿主細胞からの放出又は精製後に断片化される、例えば、TREMは、エクスビボ又はインビトロで断片化される。
例示的なTREM断片としては、TREM半分(例えば、ACHDにおける切断に由来する、例えば、5’TREM半分又は3’TREM半分)、5’断片(例えば、DHD又はACHDにおける切断に由来する、例えば、5’末端を含む断片)、3’断片(例えば、THDにおける切断に由来する、例えば、TREMの3’末端を含む断片)、又は内部断片(例えば、ACHD、DHD又はTHDの1つ以上における切断に由来する)が挙げられる。
ある実施形態では、TREM断片は、表2で提供されるDNA配列、例えば、表2で開示される配列番号1~451のいずれか1つによってコードされるRNA配列の少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%を含む。ある実施形態では、TREM断片は、表2で提供されるDNA配列、例えば、表2で開示される配列番号1~451のいずれか1つによってコードされるRNA配列に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%同一なRNA配列の少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%を含む。ある実施形態では、TREM断片は、表2で提供されるDNA配列、例えば、表2で開示される配列番号1~451のいずれか1つに対して少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%同一なDNA配列によってコードされるRNA配列の少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%を含む。
ある実施形態では、TREM断片は、表2で開示されるDNA配列、例えば、表2で開示される配列番号1~451のいずれか1つによってコードされるRNA配列の少なくとも5リボヌクレオチド(nt)、10nt、15nt、20nt、25nt、30nt、35nt、40nt、45nt、50nt、55nt又は60nt(全長未満)を含む。ある実施形態では、TREM断片は、表2で提供されるDNA配列、例えば、表2で開示される配列番号1~451のいずれか1つによってコードされるRNA配列に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%同一なRNA配列の少なくとも5リボヌクレオチド(nt)、10nt、15nt、20nt、25nt、30nt、35nt、40nt、45nt、50nt、55nt又は60nt(全長未満)を含む。ある実施形態では、TREM断片は、表2で提供されるDNA配列、例えば、表2で開示される配列番号1~451のいずれか1つに対して少なくとも80%、82%、85%、87%、88%、90%、92%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の同一性を有するDNA配列によってコードされるRNA配列の少なくとも5リボヌクレオチド(nt)、10nt、15nt、20nt、25nt、30nt、35nt、40nt、45nt、50nt、55nt又は60nt(全長未満)を含む。
ある実施形態では、TREM断片は、10~90リボヌクレオチド(rnt)、10~80rnt、10~70rnt、10~60rnt、10~50rnt、10~40rnt、10~30rnt、10~20rnt、20~90rnt、20~80rnt、20~70rnt、20~60rnt、20~50rnt、20~40rnt、30~90rnt、30~80rnt、30~70rnt、30~60rnt、又は30~50rntの長さの配列を含む。
ある実施形態では、TREM断片は、例えば、本明細書で上に記載されるとおりのTREM構造、ドメイン、又は活性を含む。ある実施形態では、TREM断片は、例えば、本明細書に記載されるとおりのアダプター機能を含む。ある実施形態では、TREM断片は、例えば、本明細書に記載されるとおりの同族アダプター機能を含む。ある実施形態では、TREM断片は、例えば、本明細書に記載されるとおりの非同族アダプター機能を含む。ある実施形態では、TREM断片は、例えば、本明細書に記載されるとおりの調節機能を含む。
ある実施形態では、TREM断片は、翻訳阻害機能、例えば、開始因子、例えば、eIF4Gの転置を含む。
ある実施形態では、TREM断片は、後成的機能、例えば、障害、例えば、代謝障害の後成的遺伝を含む。いくつかの実施形態では、後成的遺伝機能は、例えば、体細胞の後成的調節と比較して、世代の影響を有し得る。
ある実施形態では、TREM断片は、レトロウイルス調節機能、例えば、レトロウイルス逆転写の調節、例えば、HERV調節を含む。
ある実施形態では、TREM断片は、例えば、AGO及び/又はPIWIに結合することによる遺伝子サイレンシング機能を含む。
ある実施形態では、TREM断片は、例えば、細胞ストレス下で、例えば、運動ニューロン生存を促進する、例えば、ストレス顆粒における翻訳開始因子の隔離による神経保護機能を含む。
ある実施形態では、TREM断片は、例えば、転移性転写安定化タンパク質の結合及び/又は隔離を介して癌の進行を防ぐことによる抗癌機能を含む。
ある実施形態では、TREM断片は、細胞生存機能、例えば、チトクロムc及び/又はcyt cリボ核タンパク質複合体に結合することによる、例えば、細胞生存の増加を含む。
ある実施形態では、TREM断片は、リボソーム新生機能を含み、例えば、TREM断片は、例えば、リボソームタンパク質をコードするmRNAに対する結合、例えば、その調節によってリボソーム新生を調節することができる。
TREM修飾
本明細書に記載されるTREMは、多くの場合本明細書で修飾と呼ばれる部分、例えば、表3に記載される部分を含み得る。本明細書で使用されるとおりの修飾という用語は、一般に、任意の特定のプロセスの産物であると解釈されるべきではないが、実施形態において、修飾の形成は、表3における酵素によって媒介され得る。実施形態において、修飾は、転写後に形成される。実施形態において、修飾は、転写と同時に形成される。ある実施形態では、修飾は、インビボ、例えば、宿主細胞において生じる。
ある実施形態では、修飾は、表3の列1~62のいずれかに列挙される修飾である。ある実施形態では、修飾は、表3の列1~62のいずれかに列挙される修飾であり、及び修飾の形成は、表3における酵素によって媒介される。ある実施形態では、修飾は、表3の列から選択され、及び修飾の形成は、表3における同じ列からの酵素によって媒介される。
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TREM融合
ある実施形態では、本明細書で開示されるTREMは、追加の部分、例えば、融合部分を含む。ある実施形態では、融合部分を、精製のために使用して、TREMのフォールディングを改変してもよいし、標的化部分として使用してもよい。ある実施形態では、融合部分は、タグ、リンカーを含み得るか、切断可能であり得るか又は酵素のための結合部位を含み得る。ある実施形態では、融合部分は、TREMのN末端又はTREMのC末端に配置され得る。ある実施形態では、融合部分は、TREMをコードする同じ又は異なる核酸分子によってコードされ得る。
TREMを作製する方法
TREMは、当技術分野で公知の方法のいずれかに従って作製することができる。例えば、TREMは、合成法を用いて作製することができ、例えば、固相合成又は液相合成を用いて合成することができる。別の例として、TREMは、インビトロの転写(IVT)方法を用いて作製することができる。さらに別の例として、TREMは、細胞中でTREMをコードするベクターを発現することによって作製することができる。
オリゴヌクレオチドを合成するためのインビトロ法は、当技術分野で公知であり、本明細書で開示されるTREMを作製するために使用することができる。例えば、TREMを作製するための化学合成法は、実施例27で開示されている。TREMを作製するためのインビトロの転写法の例は、実施例28に開示されている。
5’-シリル-2’-オルトエステル(2’-ACE)化学を介して合成オリゴヌクレオチドを作製する追加の方法は、Hartsel SA et al.,(2005)Oligonucleotide Synthesis,033-050で開示されており、その内容は全て、本願をもって参照により組み込まれ、本明細書で開示されるTREMを作製するために使用することができる。
発現ベクターを設計し、構築し、及び標的(例えば、本明細書で開示されるTREM又は酵素)の生成のための宿主細胞を改変するための方法は、当該技術分野で知られる技術を使用する。例えば、細胞は、適切なプロモーターの制御下にある培養哺乳動物細胞(例えば、培養ヒト細胞)、昆虫細胞、酵母、細菌、又は他の細胞を使用して外来TREMを発現するように遺伝子改変される。一般に、組換え法が使用され得る。一般に、Pharmaceutical Biotechnology:Fundamentals and Applications,Springer(2013);Green and Sambrook(Eds.),Molecular Cloning:A Laboratory Manual(Fourth Edition),Cold Spring Harbor Laboratory Press(2012)を参照されたい。例えば、哺乳動物発現ベクターは、複製開始点、好適なプロモーター及びエンハンサー、並びに他の5’又は3’隣接非転写配列などの非転写エレメントを含み得る。SV40ウイルスゲノムに由来するDNA配列、例えば、SV40開始点、初期プロモーター、エンハンサー、スプライス、及びポリアデニル化部位は、異種DNA配列の発現に必要となる他の遺伝要素を提供するために使用され得る。
ある実施形態では、本明細書で開示されるTREM又はTREMを含む組成物を作製する方法は、TREMを発現する宿主細胞、例えば、改変された宿主細胞の使用を含む。
改変された宿主細胞は、TREMの発現を可能にする条件下で培養される。ある実施形態では、培養条件は、TREMの発現を増加させるように調節され得る。TREMを作製する方法はさらに、TREMを含む組成物を生成するために宿主細胞培養物から発現されたTREMを精製することを含む。ある実施形態では、TREMは、TREM断片、例えば、表2で開示されるデオキシリボ核酸配列によってコードされるtRNAの断片である。例えば、TREMは、完全配列未満のtRNA、例えば、同じアンチコドン、治療されている対象と同じ種に由来するアンチコドン、又はその両方を有する完全配列未満のtRNAを含む。ある実施形態では、例えば、全長TREM又はより長い断片に由来するTREM断片の生成は、酵素、例えば、ヌクレアーゼ活性(例えば、エンドヌクレアーゼ活性又はリボヌクレアーゼ活性)を有する酵素、例えば、RNaseA、ダイサー、アンジオゲニン、RNaseP、RNaseZ、Rny1又はPrrCによって触媒され得る。
ある実施形態では、本明細書に記載されるTREMを作製する方法は、宿主細胞(例えば、本明細書に記載されるとおりの、例えば、改変された宿主細胞)を、TREMを発現するのに十分な条件下でTREMをコードする本明細書に記載される外来核酸、例えば、DNA又はRNAと接触させる(例えば、形質導入するか又はトランスフェクトする)ことを含む。ある実施形態では、外来核酸は、表2で開示されるDNA配列によってコードされるRNAのリボ核酸(RNA)配列を含むRNA(又はRNAをコードするDNA)を含む。ある実施形態では、外来核酸は、表2で提供されるDNA配列によってコードされるRNA配列に対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、82%、85%、87%、88%、90%、92%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%同一であるRNA配列(又はRNA配列をコードするDNA)を含む。ある実施形態では、外来核酸は、表2で開示されるデオキシリボ核酸(DNA)配列によってコードされるリボ核酸(RNA)配列の少なくとも30個の連続したヌクレオチドを含むRNA配列(又はRNA配列をコードするDNA)を含む。ある実施形態では、外来核酸は、表2で提供されるDNA配列によってコードされるRNA配列に対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、82%、85%、87%、88%、90%、92%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%同一であるRNA配列の少なくとも30個の連続したヌクレオチドを含むRNA配列(又はRNA配列をコードするDNA)を含む。
ある実施形態では、宿主細胞は、例えば、実施例8に記載されるとおりのTREMを発現するウイルス(例えば、レンチウイルス、アデノウイルス又はレトロウイルス)で形質導入される。
発現されたTREMは、例えば、本明細書に記載されるとおりのTREMを含む組成物を生成する宿主細胞又は宿主細胞培養物から精製され得る。TREMの精製は、例えば、特定のtRNA分子プロトコルのMACS単離において記載されるとおりのアフィニティー精製、又は当該技術分野で知られる他の方法によって実施され得る。ある実施形態では、TREMは、実施例7に記載される方法によって精製される。
ある実施形態では、TREM、例えば、TREMを含む組成物を作製する方法は、TREMを、試薬、例えば、TREMと相補的な核酸配列を含む捕捉試薬と接触させることを含む。単一の捕捉試薬又は複数の捕捉試薬を使用して、TREM、例えば、TREMを含む組成物を作製することができる。単一の捕捉試薬が使用されるとき、捕捉試薬は、TREMと少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、又は95%相補的な配列を有し得る。複数の捕捉試薬が使用されるとき、複数の異なるTREMを有するTREMの組成物が作製され得る。ある実施形態では、捕捉試薬は、薬剤、例えば、ビオチンにコンジュゲートされ得る。
ある実施形態では、方法は、例えば、捕捉試薬とのハイブリダイゼーションの前にTREMを変性させることを含む。ある実施形態では、方法は、ハイブリダイゼーション及び/又は捕捉試薬からの放出の後に、TREMを再生することを含む。
ある実施形態では、TREM、例えば、TREMを含む組成物を作製する方法は、TREMを、試薬、例えば、分離試薬、例えば、クロマトグラフィー試薬と接触させることを含む。ある実施形態では、クロマトグラフィー試薬としては、カラムクロマトグラフィー試薬、平面クロマトグラフィー試薬、置換クロマトグラフィー試薬、ガスクロマトグラフィー試薬、液体クロマトグラフィー試薬、アフィニティークロマトグラフィー試薬、イオン交換クロマトグラフィー試薬、又はサイズ排除クロマトグラフィー試薬が挙げられる。
ある実施形態では、本明細書に記載される方法のいずれかによって作製されるTREMは、(i)アミノ酸、例えば、同族アミノ酸で負荷される場合があるか;(ii)非同族アミノ酸で負荷される場合があるか(例えば、誤負荷TREM(mTREM));又は(iii)アミノ酸で負荷されない場合がある(例えば、未負荷TREM(uTREM))。
ある実施形態では、本明細書に記載される方法のいずれかによって作製されるTREMは、未負荷TREM(uTREM)である。ある実施形態では、uTREMを作製する方法は、制限された量の1種以上の栄養分を有する培地(例えば、培地は、栄養が欠乏している)中で宿主細胞を培養することを含む。
ある実施形態では、負荷TREM、例えば、同族AA又は非同族AAで負荷されたTREMは、例えば、AAを解離することによって、例えば、高温でTREMをインキュベートすることによって、負荷がなくなり得る。
TREM又はTREM断片をコードする外来核酸
ある実施形態では、TREMをコードする外来核酸、例えば、DNA又はRNAは、表2で開示されるDNA配列、例えば、表2で開示されるとおりの配列番号1~451のいずれか1つによってコードされるRNA配列の1つ又は複数の核酸配列を含む核酸配列を含む。ある実施形態では、TREMをコードする外来核酸、例えば、DNA又はRNAは、表2で開示されるDNA配列、例えば、表2で開示されるとおりの配列番号1~451のいずれか1つによってコードされるRNA配列に対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%同一な核酸配列を含む。
ある実施形態では、TREMをコードする外来核酸、例えば、DNA又はRNAは、表2で開示されるDNA配列、例えば、表2で開示されるとおりの配列番号1~451のいずれか1つによってコードされるRNA配列の核酸配列を含む。ある実施形態では、TREMをコードする外来核酸、例えば、DNA又はRNAは、表2で開示されるDNA配列、例えば、表2で開示されるとおりの配列番号1~451のいずれか1つによってコードされる複数のRNA配列に対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%同一な核酸配列を含む。ある実施形態では、TREMをコードする外来核酸は、表2で開示されるDNA配列、例えば、表2で開示されるとおりの配列番号1~451のいずれか1つに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%同一なDNA配列によってコードされるRNA配列を含む。
ある実施形態では、TREMをコードする外来核酸、例えば、DNA又はRNAは、TREM断片、例えば、本明細書に記載されるとおりの表2で開示されるDNA配列、例えば、表2で開示されるとおりの配列番号1~451のいずれか1つの断片によってコードされる、例えば、RNAの断片の1つ又は複数のRNA配列を含む。ある実施形態では、TREM断片は、表2で提供されるDNA配列、例えば、表2で開示されるとおりの配列番号1~451のいずれか1つによってコードされるRNAの核酸配列の少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%を含む。ある実施形態では、TREM断片は、表2で提供されるDNA配列によってコードされるRNAに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%同一な核酸配列の少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%を含む。ある実施形態では、TREM断片は、表2で提供されるDNA配列、例えば、表2で開示されるとおりの配列番号1~451のいずれか1つに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%同一なDNA配列によってコードされる核酸配列の少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%を含む。
ある実施形態では、TREM断片は、表2で開示されるDNA配列、例えば、表2で開示される配列番号1~451のいずれか1つによってコードされるRNA配列の少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30個の連続したヌクレオチドを含む。ある実施形態では、TREM断片は、表2で提供されるDNA配列、例えば、表2で開示される配列番号1~451のいずれか1つによってコードされるRNA配列に対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、82%、85%、87%、88%、90%、92%、95%、96%、97%、98%又は99%同一なRNA配列の少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30個の連続したヌクレオチドを含む。ある実施形態では、TREM断片は、表2で提供されるDNA配列、例えば、表2で開示されるとおりの配列番号1~451のいずれか1つと少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、82%、85%、87%、88%、90%、92%、95%、96%、97%、98%、又は99%同一なDNA配列によってコードされるRNA配列の少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30個の連続したヌクレオチドを含む。
ある実施形態では、外来核酸は、転写時にTREMを発現するDNAを含む。
ある実施形態では、外来核酸は、逆転写時に、TREMを提供するように転写され得るDNAをもたらすRNAを含む。
ある実施形態では、TREMをコードする外来核酸は、(i)制御領域配列;(ii)修飾されたTREMをコードする配列;(iii)2つ以上のTREMをコードする配列;又は(iv)tRNAMet配列以外の配列を含む。
ある実施形態では、TREMをコードする外来核酸は、プロモーター配列を含む。ある実施形態では、外来核酸は、RNAポリメラーゼIII(Pol III)認識配列、例えば、Pol III結合配列を含む。ある実施形態では、プロモーター配列は、U6プロモーター配列又はその断片を含む。ある実施形態では、核酸配列は、変異、例えば、プロモーター向上変異、例えば、転写開始を増加させる変異、例えば、TFIIIB結合を増加させる変異を含むプロモーター配列を含む。ある実施形態では、核酸配列は、Pol III結合を増加させ、及びtRNA生成、例えば、TREM生成の増加をもたらすプロモーター配列を含む。
また、TREMをコードする外来核酸を含むプラスミドも本明細書で開示される。ある実施形態では、プラスミドは、例えば、本明細書に記載されるとおりのプロモーター配列を含む。
TREMを含む組成物
ある実施形態では、TREMを含む組成物、例えば、TREMを含む医薬組成物は、薬学的に許容される賦形剤を含む。例示的な賦形剤としては、FDA不活性成分データベース(https://www.accessdata.fda.gov/scripts/cder/iig/index.Cfm)で提供されるものが挙げられる。
ある実施形態では、TREMを含む組成物、例えば、TREMを含む医薬組成物は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100又は150グラムのTREMを含む。ある実施形態では、TREMを含む組成物、例えば、TREMを含む医薬組成物は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50又は100ミリグラムのTREMを含む。
ある実施形態では、TREMを含む組成物、例えば、TREMを含む医薬組成物は、少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、95又は99乾燥重量%のTREMである。
ある実施形態では、本明細書で開示される作製方法のいずれかによって生成されたTREMを含む組成物は、実施例12で開示されるように又は当技術分野で公知のように、インビトロ負荷反応を用いてアミノ酸を負荷することができる。
ある実施形態では、TREMを含む組成物は、少なくとも1×10個のTREM分子、少なくとも1×10個のTREM分子、少なくとも1×10個のTREM分子又は少なくとも1×10個のTREM分子を含む。
TREM精製
TREMを含む組成物、例えば、TREMを含む医薬組成物は、ヌクレオチド精製技術によって宿主細胞から精製され得る。一実施形態では、TREMを含む組成物は、例えば、特定のtRNA分子プロトコルのMACS単離において記載されるとおりのアフィニティー精製、又は実施例7に記載される方法によって精製される。一実施形態では、TREMを含む組成物は、液体クロマトグラフィー、例えば、逆相イオン対クロマトグラフィー(IP-RP)、イオン交換クロマトグラフィー(IE)、アフィニティークロマトグラフィー(AC)、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、及びその組合せによって精製される。例えば、Baronti et al.Analytical and Bioanalytical Chemistry(2018)410:3239-3252を参照されたい。
TREMの品質管理及び生成評価
本明細書で開示される方法のいずれかによって生成されるTREM又はTREMを含む組成物、例えば、医薬TREMを含む組成物は、純度、宿主細胞タンパク質若しくはDNA含量、内毒素レベル、無菌性、TREM濃度、TREM構造、又はTREMの機能活性などのTREM又はTREM調製物に関連する特徴について評価され得る。上記の特徴のいずれかは、特徴についての値を提供することによって、例えば、TREM、TREMを含む組成物、又はTREMを含む組成物の生成における中間体を評価するか又は試験することによって評価され得る。値はまた、標準値又は参照値と比較され得る。評価に応じて、TREMを含む組成物は、例えば、発売の準備ができているか、ヒト治験のための生成基準を満たすか、ISO標準に従うか、cGMP標準に従うか、又は他の医薬標準に従うかに分類され得る。評価に応じて、TREMを含む組成物は、さらなる処理にかけられてもよく、例えば、それは、一定分量に、例えば、単一又は複数投与量に分けられてもよいし、容器、例えば、最終的に使用するバイアル内に配置されてもよいし、包装されてもよいし、輸送されてもよいし、又は市販されてもよい。実施形態において、評価に応じて、特徴の1つ以上が、TREMを含む組成物を最適化するために調節されてもよいし、加工されてもよいし、再加工されてもよい。例えば、TREMを含む組成物は、(i)TREMを含む組成物の純度を上げるか;(ii)組成物中のHCPの量を減少させるか;(iii)組成物中のDNAの量を減少させるか;(iv)組成物中の断片の量を減少させるか;(v)組成物中の内毒素の量を減少させるか;(vi)組成物のインビトロ翻訳活性を増大させるか;(vii)組成物のTREM濃度を増大させるか;又は(viii)組成物中に存在する任意のウイルス混入物を不活性するか若しくは除去する(例えば、組成物のpHを下げるか又は濾過によって)ために調節されてもよいし、加工されてもよいし、再加工されてもよい。
ある実施形態では、TREM(例えば、TREMを含む組成物又はTREMを含む組成物の生成における中間体)は、すなわち、質量によって、少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の純度を有する。
ある実施形態では、TREM(例えば、TREMを含む組成物又はTREMを含む組成物の生成における中間体)は、0.1ng/ml、1ng/ml、5ng/ml、10ng/ml、15ng/ml、20ng/ml、25ng/ml、30ng/ml、35ng/ml、40ng/ml、50ng/ml、60ng/ml、70ng/ml、80ng/ml、90ng/ml、100ng/ml、200ng/ml、300ng/ml、400ng/ml、又は500ng/ml未満の宿主細胞タンパク質(HCP)混入を有する。
ある実施形態では、TREM(例えば、TREMを含む組成物又はTREMを含む組成物の生成における中間体)は、TREMを含む組成物の1ミリグラム(mg)当たり0.1ng、1ng、5ng、10ng、15ng、20ng、25ng、30ng、35ng、40ng、50ng、60ng、70ng、80ng、90ng、100ng、200ng、300ng、400ng、又は500ng未満の宿主細胞タンパク質(HCP)混入を有する。
ある実施形態では、TREM(例えば、TREMを含む組成物又はTREMを含む組成物の生成における中間体)は、1ng/ml、5ng/ml、10ng/ml、15ng/ml、20ng/ml、25ng/ml、30ng/ml、35ng/ml、40ng/ml、50ng/ml、60ng/ml、70ng/ml、80ng/ml、90ng/ml、100ng/ml、200ng/ml、300ng/ml、400ng/ml、又は500ng/ml未満のDNA含量、例えば、宿主細胞DNA含量を有する。
ある実施形態では、TREM(例えば、TREMを含む組成物又はTREMを含む組成物の生成における中間体)は、全長TREMと比較して0.1%、0,5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%未満のTREM断片を有する。
ある実施形態では、TREM(例えば、TREMを含む組成物又はTREMを含む組成物の生成における中間体)は、例えば、リムルスアメボサイトライセート(LAL)試験によって測定される、内毒素の低レベル又は欠如を有する。
ある実施形態では、TREM(例えば、TREMを含む組成物又はTREMを含む組成物の生成における中間体)は、例えば、実施例15に記載されるアッセイによって測定されるとおりのインビトロ翻訳活性を有する。
ある実施形態では、TREM(例えば、TREMを含む組成物又はTREMを含む組成物の生成における中間体)は、少なくとも0.1ng/mL、0.5ng/mL、1ng/mL、5ng/mL、10ng/mL、50ng/mL、0.1ug/mL、0.5ug/mL,1ug/mL、2ug/mL、5ug/mL、10ug/mL、20ug/mL、30ug/mL、40ug/mL、50ug/mL、60ug/mL、70ug/mL、80ug/mL、100ug/mL、200ug/mL、300ug/mL、500ug/mL、1000ug/mL、5000ug/mL、10,000ug/mL、又は100,000ug/mLのTREM濃度を有する。
ある実施形態では、TREM(例えば、TREMを含む組成物又はTREMを含む組成物の生成における中間体)は、例えば、組成物又は調製物は、無菌的条件下で試験された場合に100未満の生存可能な微生物の増殖を裏付け、組成物又は調製物は、USP<71>の規格を満たし、及び/又は組成物又は調製物は、USP<85>の規格を満たす、無菌性である。
ある実施形態では、TREM(例えば、TREMを含む組成物又はTREMを含む組成物の生成における中間体)は、ウイルス混入物の欠如又は検出不可能なレベルのウイルス混入物、例えば、ウイルス混入物がないことを有する。ある実施形態では、組成物中に存在するウイルス混入物、例えば、いずれの残留ウイルスも、不活性化されるか又は除去される。ある実施形態では、ウイルス混入物、例えば、いずれの残留ウイルスも、例えば、組成物のpHを下げることによって、不活性化される。ある実施形態では、ウイルス混入物、例えば、いずれの残留ウイルスも、例えば、濾過又は当該分野で知られる他の方法によって、除去される。
TREM投与
本明細書に記載されるTREMを含む組成物又はTREMを含む医薬組成物は、例えば、インビトロ、エクスビボ又はインビボでの細胞、組織及び/又は器官への直接的な投与によって、細胞、組織又は対象に投与され得る。インビボ投与は、例えば、局所、全身及び/又は非経口経路による、例えば、静脈内、皮下、腹腔内、髄腔内、筋肉内、眼球、経鼻、泌尿生殖器、皮内、経皮、経腸、硝子体内、脳内、髄腔内、又は硬膜外を介するものであり得る。
ある実施形態では、TREMを含む組成物又は本明細書で開示されるTREMを含む医薬組成物は、本明細書で開示される症状又は障害を有する対象に投与される。ある実施形態では、TREMを含む組成物又は本明細書で開示されるTREMを含む医薬組成物は、症状又は障害を予防又は治療するために投与される。ある実施形態では、TREMを含む組成物又はTREMを含む医薬組成物の投与は、症状又は障害の治療又は予防をもたらす。ある実施形態では、TREMを含む組成物又はTREMを含む医薬組成物の投与は、対象中のtRNAプールを調節し、例えば、症状又は障害の治療をもたらす。ある実施形態では、障害は、表1から選ばれる。
ある実施形態では、TREMを含む組成物又は本明細書で開示されるTREMを含む医薬組成物は、本明細書で開示される症状又は障害を有する対象からの細胞に投与される。ある実施形態では、TREMを含む組成物又はTREMを含む医薬組成物の投与は、対象からの細胞中のtRNAプールを調節する。ある実施形態では、TREMを含む組成物又はTREMを含む医薬組成物は、インビボ、インビトロ又はエクスビボで細胞に投与することができる。ある実施形態では、対象は、表1から選ばれる障害を有する。
ある実施形態では、TREMを含む組成物又は本明細書で開示されるTREMを含む医薬組成物は、本明細書で開示される症状又は障害を有する対象の組織に投与される。ある実施形態では、TREMを含む組成物又はTREMを含む医薬組成物は、対象の組織内のtRNAプールを調節するために投与される。ある実施形態では、対象は、表1から選ばれる障害を有する。
ベクター及び担体
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるTREM、TREMを含む組成物又はTREMを含む医薬組成物は、ベクターを使用して、細胞、例えば、哺乳動物細胞又はヒト細胞に送達される。ベクターは、例えば、プラスミド又はウイルスであり得る。いくつかの実施形態では、送達は、インビボ、インビトロ、エクスビボ、又はインサイチュである。いくつかの実施形態では、ウイルスは、アデノ随伴ウイルス(AAV)、レンチウイルス、アデノウイルスである。いくつかの実施形態では、系又は系の成分は、ウイルス様粒子又はビロソームで細胞に送達される。いくつかの実施形態では、送達は、2つ以上のウイルス、ウイルス様粒子又はビロソームを使用する。
担体
本明細書に記載されるTREM、TREMを含む組成物又はTREMを含む医薬組成物は、担体を含み得るか、担体とともに製剤化され得るか、又は担体中において送達され得る。
ウイルスベクター
担体は、ウイルスベクター(例えば、TREMをコードする配列を含むウイルスベクター)であり得る。ウイルスベクターを、細胞又は対象(例えば、ヒト対象又は動物モデル)に投与して、TREM、TREMを含む組成物又はTREMを含む医薬組成物を送達してもよい。ウイルスベクターは、全身的に又は局所的に投与され(例えば、注射され)得る。
ウイルスゲノムは、外来遺伝子の哺乳動物細胞への効率的な送達のために使用され得るベクターの豊富な供給源を提供する。ウイルスゲノムは、そのようなゲノム内に含有されるポリヌクレオチドが通常、普遍形質導入又は特殊形質導入によって哺乳動物細胞の核ゲノムに組み込まれるため、送達に有用なベクターとして当該技術分野で知られる。これらのプロセスは、天然のウイルス複製サイクルの一部として起こり、遺伝子組込みを誘導するために追加のタンパク質又は試薬を必要としない。ウイルスベクターの例としては、レトロウイルス(例えば、レトロウイルス科ファミリーウイルスベクター)、アデノウイルス(例えば、Ad5、Ad26、Ad34、Ad35、及びAd48)、パルボウイルス(例えば、アデノ随伴ウイルス)、コロナウイルス、オルソミクソウイルス(例えば、インフルエンザウイルス)などのマイナス鎖RNAウイルス、ラブドウイルス(例えば、狂犬病及び水疱性口内炎ウイルス)、パラミクソウイルス(例えば、麻疹及びセンダイ)、ピコルナウイルス及びアルファウイルスなどのプラス鎖RNAウイルス、並びにアデノウイルス、ヘルペスウイルス(例えば、単純ヘルペスウイルス1型及び2型、エプスタイン・バーウイルス、サイトメガロウイルス、複製欠損ヘルペスウイルス)、及びポックスウイルス(例えば、ワクシニア、改変ワクシニアアンカラ(MVA)、鶏痘及びカナリア痘)を含む二本鎖DNAウイルスが挙げられる。他のウイルスとしては、例えば、ノーウォークウイルス、トガウイルス、フラビウイルス、レオウイルス、パポーバウイルス、ヘパドナウイルス、ヒトパピローマウイルス、ヒト泡沫状ウイルス、及び肝炎ウイルスが挙げられる。レトロウイルスの例としては、トリ白血病肉腫、トリC型ウイルス、哺乳動物C型、B型ウイルス、D型ウイルス、オンコレトロウイルス、HTLV-BLV群、レンチウイルス、アルファレトロウイルス、ガンマレトロウイルス、スプーマウイルス(Coffin,J.M.,Retroviridae:The viruses and their replication,Virology(Third Edition)Lippincott-Raven,Philadelphia,1996)が挙げられる。他の例としては、マウス白血病ウイルス、マウス肉腫ウイルス、マウス哺乳動物腫瘍ウイルス、ウシ白血病ウイルス、ネコ白血病ウイルス、ネコ肉腫ウイルス、トリ白血病ウイルス、ヒトT細胞白血病ウイルス、ヒヒ内在性ウイルス、テナガザル白血病ウイルス、マソン・ファイザー・サルウイルス、サル免疫不全ウイルス、サル肉腫ウイルス、ラウス肉腫ウイルス及びレンチウイルスが挙げられる。ベクターの他の例は、例えば、教示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,801,030号明細書において記載される。いくつかの実施形態では、系又は系の成分は、ウイルス様粒子又はビロソームで細胞に送達される。
細胞及び小胞系担体
本明細書に記載されるTREM、TREMを含む組成物又はTREMを含む医薬組成物は、小胞又は他の膜系担体において細胞に投与され得る。
実施形態において、本明細書に記載されるTREM、TREMを含む組成物又はTREMを含む医薬組成物は、細胞、小胞若しくは他の膜系担体において又はそれを介して投与される。一実施形態では、TREM、TREMを含む組成物又はTREMを含む医薬組成物は、リポソーム又は他の同様の小胞において製剤化され得る。リポソームは、内部水性区画の周囲にある単層又は多層状脂質二重層及び相対的に不透過性の外側の親油性リン脂質二重層で構成される球状小胞構造である。リポソームは、アニオン性、中性又はカチオン性であり得る。リポソームは、生体適合性、無毒性であり、親水性及び親油性薬物分子の両方を送達することができ、それらの積荷を血漿酵素によって分解から保護することができ、及び生体膜及び血液脳関門(BBB)を通って積荷を輸送できる(例えば、概説についてはSpuch and Navarro,Journal of Drug Delivery,vol.2011,記事ID 469679,12ページ,2011.doi:10.1155/2011/469679を参照されたい)。
小胞は、いくつかの異なる型の脂質から作られ得るが;リン脂質が、薬物担体としてのリポソームを生成するために最も一般的に使用される。多層状小胞脂質の調製のための方法は、当該技術分野で知られている(例えば、多層状小胞脂質の調製に関する教示が、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,693,086号明細書を参照されたい)。小胞形成は、脂質フィルムが水溶液と混合されるときに自然に起こり得るが、それはまた、ホモジナイザー、ソニケーター、又は 押し出し装置を使用することによる振盪の形態で力をかけることによって促進され得る(例えば、概説に関してはSpuch and Navarro,Journal of Drug Delivery,vol.2011,記事ID 469679,12ページ,2011.doi:10.1155/2011/469679を参照されたい)。押し出された脂質は、押し出された脂質の調製に関する教示が、参照により本明細書に組み込まれるTempleton et al.,Nature Biotech,15:647-652,1997において記載されるとおり、サイズを低減するフィルターに通して押し出すことによって調製され得る。
脂質ナノ粒子は、担体の別の例であり、本明細書に記載されるTREM、TREMを含む組成物又はTREMを含む医薬組成物のための生体適合性及び生分解性の送達系を提供する。ナノ構造脂質担体(NLC)は、SLNの特徴を保持し、薬物安定性及び負荷能を向上させ、及び薬物漏出を防ぐ修飾された固体脂質ナノ粒子(SLN)である。ポリマーナノ粒子(PNP)は、薬物送達の重要な成分である。これらのナノ粒子は、特定の標的に対する薬物送達を効率的に方向づけすることができ、及び薬物安定性及び制御された薬物放出を向上させることができる。リポソームとポリマーを組み合わせる新規の種類の担体である脂質-ポリマーナノ粒子(PLN)もまた、利用され得る。これらのナノ粒子は、PNP及びリポソームの補完的な利点を有する。PLNは、コア-シェル構造で構成され;ポリマーコアは、安定した構造をもたらし、及びリン脂質シェルは、良好な生体適合性を提供する。そのため、2つの成分は、薬物のカプセル封入効率を増大させ、表面修飾を容易にし、及び水溶性薬物の漏出を防ぐ。概説に関して、例えば、Li et al.2017,Nanomaterials 7,122;doi:10.3390/nano7060122を参照されたい。
エキソソームはまた、本明細書に記載されるTREM又はTREMを含む組成物又はTREMを含む医薬組成物のための薬物送達媒体として使用され得る。概説に関して、Ha et al.July 2016.Acta Pharmaceutica Sinica B.6巻,4号,287-296ページ;https://doi.org/10.1016/j.apsb.2016.02.001を参照されたい。
エクスビボで分化した赤血球が、本明細書に記載されるTREM、TREMを含む組成物又はTREMを含む医薬組成物のための担体として使用され得る。例えば、国際公開第2015073587号パンフレット;国際公開第2017123646号パンフレット;国際公開第2017123644号パンフレット;国際公開第2018102740号パンフレット;国際公開第2016183482号パンフレット;国際公開第2015153102号パンフレット;国際公開第2018151829号パンフレット;国際公開第2018009838号パンフレット;Shi et al. 2014.Proc Natl Acad Sci USA.111(28):10131-10136;米国特許第9,644,180号明細書;Huang et al.2017.Nature Communications 8:423;Shi et al.2014.Proc Natl Acad Sci USA.111(28):10131-10136を参照されたい。
例えば、国際公開第2018208728号パンフレットに記載されるとおりのフソソーム(Fusosome)組成物もまた、本明細書に記載されるTREM、TREMを含む組成物又はTREMを含む医薬組成物を送達する担体として使用され得る。
ビロソーム及びウイルス様粒子(VLP)もまた、本明細書で記載されるTREM、TREMを含む組成物又はTREMを含む医薬組成物を標的細胞に送達するために担体として使用することができる。
植物ナノベシクル、例えば、国際公開第2011097480A1号パンフレット、国際公開第2013070324A1号パンフレット又は国際公開第2017004526A1号パンフレットで記載されるものもまた、本明細書で記載されるTREM、TREMを含む組成物又はTREMを含む医薬組成物を送達する担体として使用することができる。
担体なしの送達
本明細書で記載されるTREM、TREMを含む組成物又はTREMを含む医薬組成物は、担体なしで、例えば、TREM、TREMを含む組成物又はTREMを含む医薬組成物のネイキッド送達を介して、細胞に投与することができる。
いくつかの実施形態では、本明細書で用いられるネイキッド送達は、担体なしの送達を指す。いくつかの実施形態では、担体なしの送達、例えば、ネイキッド送達は、部分、例えば、標的化ペプチドによる送達を含む。
いくつかの実施形態では、本明細書で記載されるTREM、TREMを含む組成物又はTREMを含む医薬組成物は、担体なしで、例えば、ネイキッド送達を介して細胞に送達される。いくつかの実施形態では、担体なしの送達、例えば、ネイキッド送達は、部分、例えば、標的化ペプチドによる送達を含む。
TREMの使用
TREMを含む組成物(例えば、本明細書で記載されるTREMを含む医薬組成物)は、例えば、本明細書で記載されるように、細胞中又は対象中のtRNAプールを調節するために使用することができる。実施形態において、本明細書で記載されるTREMを含む組成物(例えば、TREMを含む医薬組成物)は、tRNAプールを調節(増加又は減少)するのに十分な量及び時間で、細胞若しくは組織と接触されるか又はそれを必要とする対象に投与される。実施形態において、tRNAプールは、第1のtRNA部分及び追加のtRNA部分、例えば、第2のtRNA部分を含む。ある実施形態では、tRNA部分は、内在性tRNA及び/又はTREMを含む。
ある実施形態では、TREMを含む組成物(例えば、本明細書で記載されるTREMを含む医薬組成物)は、同義変異を含むコドン(同義変異コドン又はSMC)を含む内在性ORFを有する対象を治療する使用することができる。ある実施形態では、対象は、表1で開示される障害を有する。
TREMを含む組成物(例えば、本明細書で記載されるTREMを含む医薬組成物)はまた、細胞、組織又は対象において機能を調節するために使用することができる。実施形態において、本明細書で記載されるTREMを含む組成物(例えば、TREMを含む医薬組成物)は、以下のパラメーターの1つ以上を調節(増加又は減少)するのに十分な量及び時間で、細胞又は組織と接触されるか又はそれを必要とする対象に投与される:アダプター機能(例えば、同族又は非同族アダプター機能)、例えば、ポリペプチド鎖の開始又は伸長の速度、効率、堅牢性及び/又は特異性、リボソーム結合及び/又は占有;調節機能(例えば、遺伝子サイレンシング又はシグナリング);細胞運命;mRNA安定性;タンパク質局在化;タンパク質フォールディング;タンク質安定性;タンパク質形質導入;又はタンパク質区画化。
パラメーターは、参照組織、細胞又は対象(例えば、健常、野生型又は対照細胞、組織、又は対象)と比較して、例えば、少なくとも5%(例えば、少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、150%、200%以上)調節され得る。
本明細書で引用される全ての参考文献及び刊行物は、参照により本明細書に組み込まれる。
以下の実施例は、本発明のいくつかの実施形態をさらに説明するために提供されているが、本発明の範囲を限定することを意図したものではなく;当業者に知られる他の手順、方法論、又は技術が代替的に使用され得ることが、それらの例示的な性質によって理解されるであろう。
Figure 2022534988000043
Figure 2022534988000044
Figure 2022534988000045
実施例1:一過性トランスフェクションに由来する哺乳動物生成宿主細胞におけるTREMの製造
この実施例は、TREMを一過的に発現する哺乳動物宿主細胞において生成されるTREMの製造を記載する。
この実施例において、TREMをコードする配列を含むプラスミドを作製するため、iMet-CAT TREM、配列
Figure 2022534988000046
の1つのコピーを含有するDNA断片が合成され、製造業者の指示書及び標準的な分子クローニング技術に従って、U6プロモーターを有するpLKO.1-puro-mCherry骨格プラスミドにクローン化された。
トランスフェクション
上記の3μgのプラスミドを使用して、製造業者の指示書に従って、9uLのリポフェクタミンRNAiMax試薬を使用して、80%の培養密度で蒔かれたHEK293T細胞のT175フラスコをトランスフェクトした。細胞は、精製のためにトランスフェクションの48時間後に収集された。
小さいRNA単離キットを使用する精製
iMet-過剰発現細胞を溶解した。小さいRNA(sRNA)画分を作製するため、Qiagen miRNeasyキットなどの小さいRNA単離キットを使用して、製造業者の指示書に従って、ライセート中の全RNAプールの残りから200ヌクレオチドより小さいRNAを分離した。より大きいRNAをさらに排除するため、LiCl沈殿を実施して、sRNA画分中に残留している大きいRNAを除去した。最終的に、sRNA画分から10ヌクレオチドより小さいRNAを除去し、及び緩衝液交換のために、sRNA画分をG50カラムに加えた。
sRNA画分からTREMを単離するため、プローブ結合法が使用された。この実施例において、精製されている標的TREMの固有の領域に相補的なDNAプローブ又は2’-OMe核酸に対応するビオチン化捕捉プローブである、配列TAGCAGAGGATGGTTTCGATCCATCA(配列番号455)を有する5’末端でビオチンにコンジュゲートされたプローブが、iMet-CAT-TREMに結合し、及びそれを精製するために使用された。sRNA画分は、アニーリング緩衝液及びビオチン化捕捉プローブとともに90℃で4~5分間インキュベートされ、0.1℃/sの速度で25℃まで冷却された。
次に、混合物は、結合緩衝液及びストレプトアビジンでコンジュゲートされたRNaseを含まない磁性ビーズとともに15分間インキュベートされて、DNA-TREM複合体のビーズへの結合を可能にした。次に、混合物が、磁界分離器ラックに加えられ、洗浄緩衝液で2~3回洗浄された。ビーズ上で保持されたTREMを、DNA捕捉プローブの完全な除去を確実にするためにDNase酵素を含むか又は含まない溶出緩衝液を加えることによって溶出し、続いて薬学的に許容される賦形剤と混合して、試験TREM生成物を作製した。
実施例2:安定な細胞株に由来する哺乳動物生成宿主細胞におけるTREMの製造
この実施例は、TREMを安定に発現する哺乳動物宿主細胞において生成されるTREMの製造を記載する。
TREM発現レンチウイルスの調製
10mmディッシュ中でTREM発現レンチウイルスを調製するため、HEK293T細胞(293T細胞(ATCC(登録商標)CRL-3216(商標))などのパッケージング細胞が、製造業者の指示書に従って、TransIT-LT1トランスフェクション試薬を使用して、実施例1に記載されるとおりのTREMをコードする配列を含む9μgのプラスミド、及び9μgのViraPowerレンチウイルスパッケージングミックスでフォワードトランスフェクションされた。
18時間後、培地は、新鮮な抗生物質を含まない高-FBS(30% FBS)培地で置き換えられ、24時間後、ウイルスを含有する培地が、収集され、4℃で保存された。さらに15mLの高-FBS培地が、プレートに加えられ、24時間後に収集された。両方のウイルス含有培地収集物がプールされ、0.45ミクロンフィルターに通して濾過された。ウイルスのコピー数は、製造業者のプロトコルに従って、Lenti-X qRT-PCRタイトレーションキットを使用して評価された。
TREM発現レンチウイルスによる宿主細胞の形質導入
TREM発現レンチウイルスで細胞を形質導入するため、レンチウイルス含有培地は、10μg/mL ポリブレンの存在下で1:4の比で完全細胞培地により希釈され、細胞に加えられた。この実施例において、293T細胞が使用された。プレートを、1000xgで2時間回転して、細胞をスピン感染させた。18時間後、培地を置き換えて細胞の回復を可能にした。形質導入の48時間後、ピューロマイシン(2μg/mL)抗生物質選択が、形質導入されていない対照細胞の集団とともに5~7日間実施された。
TREMは、実施例1に記載されるとおりに単離され、精製され、及び製剤化されて、TREM調製物を得た。
フェノールクロロホルム抽出を使用する精製
細胞由来の全RNAプールは、J.Sambrook and D.Russell(2001)Molecular Cloning:A Laboratory Manual,vol.2,Cold Spring Harbor Laboratory Press,New York,NY,USA,3rd edition2に記載されるとおりにチオシアン酸グアニジウム-フェノール-クロロホルム抽出によって細胞から回収され、エタノール沈殿によって濃縮された。次に、沈殿物中の全tRNAプールが、Cathala,G.et al.,DNA,1983;2(4):329-35に記載されるとおりに高リチウム塩条件下で沈殿によってより大きい核酸(rRNA及びDNAを含む)から分離された。TREMを含有する溶出画分はさらに、プローブ結合を介して精製された。
TREM画分は、アニーリング緩衝液及び精製されている標的TREMの固有の領域に相補的なDNAプローブ又は2’-OMe核酸に対応するビオチン化捕捉プローブとともにインキュベートされた。この実施例において、配列TAGCAGAGGATGGTTTCGATCCATCA(配列番号455)を有する5’末端でビオチンにコンジュゲートされたプローブを使用して、iMet-CATを含むTREMを精製した。混合物は、90℃で4~5分間インキュベートされ、0.1℃/sの速度で25℃まで冷却された。
次に、混合物は、結合緩衝液及びストレプトアビジンでコンジュゲートされたRNaseを含まない磁性ビーズとともに15分間インキュベートされて、DNA-TREM複合体のビーズへの結合を可能にした。次に、混合物が、磁界分離器ラックに加えられ、2~3回洗浄された。ビーズ上で保持されたTREMを、DNA捕捉プローブの完全な除去を確実にするためにDNase酵素を含むか又は含まない溶出緩衝液を加えることによって溶出し、続いて薬学的に許容される賦形剤と混合して、試験TREM生成物を作製した。
実施例3:安定な細胞株に由来する哺乳動物生成宿主細胞におけるTREMの製造-2
この実施例は、哺乳動物宿主細胞から生成された粗細胞ライセートからのTREMの製造を記載する。
TREMを発現する安定な細胞の作製
この実施例において、TREMをコードする配列を含むプラスミドは、実施例1又は2に記載されるとおりに作製される。TREM発現レンチウイルスの調製及びTREM発現レンチウイルスによる宿主細胞の形質導入は、実施例2に記載されるとおりに実施された。
粗細胞ライセートからの精製
この実施例において、TREM過剰発現細胞、iMet-CAT-TREM過剰発現細胞は溶解され、溶解された材料は、アニーリング緩衝液及び精製されている標的TREMの固有の領域に相補的なDNAプローブ又は2’-OMe核酸に対応するビオチン化捕捉プローブとともにインキュベートされた。この実施例において、配列TAGCAGAGGATGGTTTCGATCCATCA(配列番号455)を有する5’末端でビオチンにコンジュゲートされたプローブを使用して、iMet-CATを含むTREMを精製した。混合物は、90℃で4~5分間インキュベートされ、0.1℃/sの速度で25℃まで冷却された。
次に、混合物は、結合緩衝液及びストレプトアビジンでコンジュゲートされたRNaseを含まない磁性ビーズとともに15分間インキュベートされて、DNA-TREM複合体のビーズへの結合を可能にした。次に、混合物が、磁界分離器ラックに加えられ、2~3回洗浄された。ビーズ上で保持されたTREMを、DNA捕捉プローブの完全な除去を確実にするためにDNase酵素を含むか又は含まない溶出緩衝液を加えることによって溶出し、続いて薬学的に許容される賦形剤と混合して、試験TREM生成物を作製した。
実施例4:哺乳動物細胞へのTREMの送達
この実施例は、哺乳動物細胞へのTREMの送達を記載する。
適切なフォールディングを確実にするため、TREMを、85℃で2分間加熱し、続いて4℃で5分間急速冷却した。TREMを哺乳動物細胞に送達するため、異なる位置でCy3により標識された100nMの2種のTREM調製物(Cy3-iMET-1及びCy3-iMET-2)は、製造業者の指示書に従って、RNAiMax試薬を使用してU2OS(U-2 OS(ATCC(登録商標)HTB-96(商標)))、H1299(NCI-H1299(ATCC(登録商標)CRL-5803(商標)))、及びHeLa(HeLa(ATCC(登録商標)CCL-2(商標)))細胞中でトランスフェクトされた。18時間後、トランスフェクション培地は除去され、新鮮な完全培地(U2OS:マッコイ5A、10% FBS、1%PenStrep;H1299:RPMI1640、10% FBS、1%PenStrep;HeLa:EMEM、10% FBS、1%PenStrep)と置き換えられた。
細胞へのTREM送達を観察するため、細胞は、生細胞解析システムにおいてモニターされた。この実施例において、IncuCyte(Essen Bioscience由来)を使用して、細胞をモニターした。細胞は、4日間(20x、赤色 550ms)モニターされた。
Cy3蛍光シグナルは、Cy3標識TREMが送達された細胞から容易に検出された。Cy3蛍光シグナルは、TREMが送達された細胞から48時間かけて観察された。細胞からのCy-3蛍光の検出は、Cy3標識TREMの細胞への送達を確証した。
実施例5:TREMを有する哺乳動物細胞における細胞増殖の増大
この実施例は、TREM送達時の哺乳動物細胞の細胞増殖の増大を記載する。
適切なフォールディングを確実にするため、iMet TREMは、85℃で2分間加熱され、続いて4℃で5分間急速冷却された。iMet TREMを哺乳動物細胞に送達するため、100nMのCy3標識iMet TREMは、製造業者の指示書に従って、RNAiMax試薬を使用してU2OS(U-2 OS(ATCC(登録商標)HTB-96(商標)))、H1299(NCI-H1299(ATCC(登録商標)CRL-5803(商標)))、及びHeLa(HeLa(ATCC(登録商標)CCL-2(商標)))細胞中でトランスフェクトされた。対照として、Cy3標識された非標的化対照siRNAが細胞に送達された。18時間後、トランスフェクション培地は除去され、新鮮な完全培地(U2OS:マッコイ5A、10% FBS、1%PenStrep;H1299:RPMI1640、10% FBS、1%PenStrep;HeLa:EMEM、10% FBS、1%PenStrep)と置き換えられた。細胞増殖における変化を観察するため、細胞は、生細胞解析システム、この実施例においてはIncuCyte(Essen Bioscience由来)で4日間(20x、位相差)モニターされた。
iMet TREMのU2OS細胞(図4A)、H1299(図4B)又はHela細胞(図4C)への送達は、試験された細胞株の全てにおいて細胞増殖の実質的な増大をもたらした。細胞増殖における増大は、Cy3標識された非標的化対照(Cy3-NTC)の送達により観察される細胞増殖と比較された。データは、TREMの細胞への送達が、増殖及び成長の増大をもたらすことを実証している。
実施例6:ヒト細胞抽出物無細胞タンパク質合成(hCFPS)ライセートにおけるTREM翻訳活性アッセイ
この実施例は、無細胞ライセート系における翻訳活性のTREM媒介性の増大を記載する。
ヒト細胞抽出物の調製
HEK293T細胞は、40×150mmの培養ディッシュにおいて約80%の培養密度まで増殖させられた。細胞は、収集され、PBS中で洗浄され、氷冷低張性溶解緩衝液(20mM HEPES pH7.6、10mM KAc、1.5mM MgAc、5mM DTT及び5×完全EDTAフリープロテアーゼ阻害剤カクテル)中で1:1にて再懸濁され、氷上で30分間インキュベートされた。細胞は、ダウンス型ホモジナイザーを使用して又は27G針にライセートを通過させることによって、>95%の細胞が破壊されるまで溶解された。ライセートは、14,000gにて4℃で10分間遠心分離され、上清が回収され、低張性溶解緩衝液で希釈されて、約15mg/mlのタンパク質溶液を得た。
mRNAの転写
mRNA転写の鋳型は、T7ポリメラーゼプロモーター、ベータ-グロビン3’UTR、nanoLuc ORF、及び短い人工3’UTRを有するように設計された。鋳型は、PCRで増幅され、製造業者の推奨プロトコルに従って、テーリングを伴うHiScribe T7 ARCA mRNAキット(New England Biolabs)によりキャップ付加され、ポリアデニル化されたmRNAを転写するために使用された。
hCFPSライセートにおけるTREM翻訳活性の発揮
翻訳反応は、35% HEK293Tライセート、0.02μM キャップ付加され、ポリアデニル化されたnanoLuc mRNA及び2μM 細胞精製されたTREM(実施例2に従って精製される)とともに翻訳緩衝液(16mM HEPES pH 7.6、2.2mM MgAc、60mM KCl、0.02mM完全アミノ酸混合物、1mM ATP、0.5mM GTP、20mM クレアチンリン酸、0.1μg/μL クレアチンキナーゼ、0.1mM スペルミジン、2U/μl RiboLock RNase阻害剤)中で準備された。反応は、10μlの三つ組において37℃で30分間実施された。対照反応に関して、1つの対照反応が、反応へのTREMの添加により実施され、1つの対照反応が、反応へのmRNAの添加を伴わずに実施された。次に、NanoLuc活性は、各反応を40μlの室温のNano-Glo Luciferaseアッセイシステム(Promega)と混合し、プレートリーダー中で発光を読み取ることによって検出された。
図5に示されるとおり、iMET TREM反応は、対照反応(緩衝液)と比較して、NanoLuc発現において約1.5倍の増加をもたらした。データは、TREMの送達が、発光の増加によって反映されるとおり、nanoLuc mRNA翻訳における増加をもたらすことを示す。
実施例7:哺乳動物生成宿主細胞におけるTREMの製造、及び細胞機能を調節するその使用
この実施例は、哺乳動物宿主細胞において製造されるTREMの製造を記載する。
プラスミド作製
この実施例において、tRNA遺伝子をコードするTREMを含むプラスミドを作製するため、tRNAiMet、ゲノム位置6p22.2及び配列
Figure 2022534988000047
を有するtRNA遺伝子(chr6.tRNA-iMet(CAT)を含むDNA断片は、以下のプライマー対を使用して、ヒトゲノムDNAからPCRで増幅される:5’-TGAGTTGGCAACCTGTGGTA(配列番号452)及び5’-TTGGGTGTCCATGAAAATCA(配列番号453)。この断片は、製造業者の指示書に従って、U6プロモーター(又は任意の他のRNAポリメラーゼIII動員プロモーター)を有するpLKO.1puro骨格プラスミドにクローン化される。
トランスフェクション
上記の1mgのプラスミドを使用して、1×10細胞/mLの1Lの培養物の懸濁液に適応させたHEK293T細胞(Freestyle 293-F細胞)をトランスフェクトする。細胞を、トランスフェクションの24、48、72、又は96時間後に収集して、ノーザンブロットによって、又は定量的PCR(q-PCR)によって決定されるとおりのTREM発現のための最適化された時点を決定する。
精製
最適化された収集細胞密度の時点で、TREMは、以前にCayama et al.,Nucleic Acids Research.28(12),e64(2000)に記載されるとおりに精製される。簡潔に述べると、短いRNA(例えば、tRNA)は、フェノール抽出によって細胞から回収され、エタノール沈殿によって濃縮される。次に、沈殿物中の全tRNAが、段階的なイソプロパノール沈殿による高塩条件下でより大きい核酸(rRNA及びDNAを含む)から分離される。TREMを含有する溶出画分はさらに、プローブ結合を介して精製される。TREM画分は、アニーリング緩衝液及び精製されている標的TREMの固有の領域に相補的なDNAプローブ又は2’-OMe核酸に対応するビオチン化捕捉プローブとともにインキュベートされ、この実施例において、配列UAGCAGAGGAUGGUUUCGAUCCAUCA(配列番号454)を有する3’末端でビオチンにコンジュゲートされたプローブが、tRNA-Lys-UUUを含むTREMを精製するために使用される。混合物は、90℃で2~3分間インキュベートされ、45℃まで急速に冷却され、45℃で一晩インキュベートされる。次に、混合物は、45℃まで事前に加熱された結合緩衝液及びストレプトアビジンがコンジュゲートされたRNase-フリー磁性ビーズとともに3時間インキュベートされて、DNA-tRNA複合体のビーズへの結合が可能になる。次に、混合物を、磁界分離器ラック中の事前に平衡化されたカラムに加え、4回洗浄した。ビーズ上に保持されたTREMを、80℃まで事前に加熱された溶出緩衝液を加えることによって3回溶出し、続いて薬学的に許容される賦形剤と混合して、試験TREM生成物を作製する。
使用
1マイクログラムの試験TREM調製物及び対照薬剤を、HEP-3B又はHEK293Tなどの培養細胞株、組織又は対象と、対照薬剤と比較してTREM調製物が細胞の翻訳レベル又は活性を調節するのに十分な時間トランスフェクション、エレクトロポレーション又はリポソーム送達によって接触させる。
実施例8:哺乳動物生成宿主細胞におけるTREMの製造、及び細胞機能を調節するその使用
この実施例は、哺乳動物宿主細胞において製造されるTREMの製造を記載する。
プラスミド作製
この実施例において、tRNA遺伝子を含むTREMをコードする配列を含むプラスミドを作製するため、tRNA-iMet-CAT、配列
Figure 2022534988000048
を有するtRNAの少なくとも1つのコピーを含有するDNA断片が合成され、製造業者の指示書及び標準的な分子クローニング技術に従って、U6プロモーター(又は任意の他のRNAポリメラーゼIII動員プロモーター)を有するpLKO.1 puro骨格プラスミドにクローン化される。
トランスフェクション
上記の1mgのプラスミドを使用して、1×10細胞/mLの1Lの培養物の懸濁液に適応させたHEK293T細胞(Freestyle 293-F細胞)をトランスフェクトする。細胞を、トランスフェクションの24、48、72、又は96時間後に収集して、ノーザンブロットによって、又は定量的PCR(q-PCR)若しくはナノポアシークエンシングによって決定されるとおりのTREM発現のための最適化された時点を決定する。
精製
最適化された収集時点で、細胞を溶解し、200ヌクレオチドより小さいRNAのライセートからの分離を、製造業者の指示書に従って小さいRNA単離キットを使用して実施して、小さいRNA(sRNA)画分を作製する。
アフィニティー精製試薬を調製するため、ストレプトアビジンがコンジュゲートされたRNase-フリー磁性ビーズが、精製されている標的TREMの固有の領域に相補的なDNAプローブ又は2’-OMe核酸に対応する200mMのビオチン化オリゴヌクレオチドとともに室温で30分間インキュベートされる。この実施例において、配列5’ビオチン-TAGCAGAGGATGGTTTCGATCCATCA(配列番号455)を有するプローブを使用して、tRNA-iMetを含むTREM(CAT)を精製する。ビーズを洗浄し、75℃で10分間加熱する。
sRNA画分を75℃で10分間加熱し、続いて上記のアフィニティー精製試薬と混合する。混合物を室温で3時間インキュベートして、配列特異的な様式におけるTREMのビーズ結合DNAプローブへの結合を可能にする。次に、ビーズを、260nmでの洗浄溶液の吸光度がゼロに近くなるまで洗浄する。或いは、ビーズを3回洗浄し、最終洗浄液は、最終洗浄液中に存在する核酸の量を測定するためにUV分光法によって調べられる。ビーズ上に保持されたTREMを、80℃まで事前に加熱され得るRNase-フリー水を使用して3回溶出し、続いて薬学的に許容される賦形剤と混合して、試験TREM生成物を作製する。
使用
1マイクログラムの試験TREM調製物及び対照薬剤を、HeLa、HEP-3B又はHEK293Tなどの培養細胞株、組織又は対象と、対照薬剤と比較してTREM調製物が細胞の翻訳レベル又は活性を調節するのに十分な時間、トランスフェクション、エレクトロポレーション又はリポソーム送達によって接触させる。
実施例9:癌遺伝子を発現する改変された哺乳動物生成宿主細胞におけるTREMの製造
この実施例は、Mycを過剰発現するように改変された哺乳動物宿主細胞におけるTREMの製造を記載する。
プラスミド作製及び宿主細胞改変
この実施例のための生成宿主細胞を作製するため、HeLa細胞(ATCC(登録商標)CCL-2(商標))又はHEP-3B細胞(ATCC(登録商標)HB-8064(商標))が、通例の分子生物学の技術を使用して、c-myc癌遺伝子タンパク質をコードする遺伝子配列を含有するプラスミド(例えば、pcDNA3-cmyc(Addgeneプラスミド#16011))でトランスフェクトされる。得られた細胞株は、本明細書でHeLamyc+宿主細胞又はHEP-3Bmyc+宿主細胞と呼ばれる。
TREM発現レンチウイルスの調製
TREM発現レンチウイルスを調製するため、HEK293T細胞が、製造業者の指示書に従ってリポフェクタミン2000を使用して、3μgの各パッケージングベクター(pRSV-Rev、pCMV-VSVG-G及びpCgpV)及び実施例7に記載されるとおりのTREMを含む9μgのプラスミドでコトランスフェクトされる。24時間後、培地を、新鮮な抗生物質を含まない培地と置き換え、48時間後、ウイルス含有上清を回収し、2000rpmで10分間遠心分離した後、0.45μmフィルターに通して濾過する。
TREM発現レンチウイルスによる宿主細胞の形質導入
上記のとおりに調製される2mLのウイルスを使用して、8μg/mLのポリブレンの存在下で100,000個のHeLamyc+宿主細胞又はHEP-3Bmyc+宿主細胞を形質導入する。形質導入の48時間後、ピューロマイシン(2μg/mL)抗生物質選択が、形質導入されていない対照細胞の集団とともに2~7日間実施される。
TREMは、実施例7又は8に記載されるとおりに単離され、精製され、及び製剤化されて、TREMを含む組成物又はTREMを含む調製物を得る。
実施例10:tRNA合成のリプレッサーを阻害するように改変されたTREM生成宿主細胞の調製
この実施例は、TREMの生成のためのHek293Maf-/TRM1細胞の調製を記載する。
Maf1は、tRNA合成のリプレッサーである。Maf1ノックアウトHEK293T細胞株は、標準的なCRISPR/Casノックアウト技術(例えば、CRISPR/Casシステムは、Maf1の発現レベル及び/又は活性の低減を有するHek293Maf-細胞株を生成するために、Maf1の発現を低減するか又はMaf1発現をノックアウトするようにMaf1のコーディングエクソンにおけるフレームシフト変異を導入するように設計され得る)を使用して作製される。次に、この細胞株は、pCMV6-XL4-Trm1などの酵素Trm1(tRNA(グアニン26-N2)-ジメチルトランスフェラーゼ)を改変するための発現プラスミドでトランスフェクトされ、選択マーカー、例えば、ネオマイシンで選択されて、Trm1を過剰発現する安定な細胞株(Hek293Maf-/TRM1細胞)を生成する。
Hek293Maf-/TRM1細胞は、実施例7~9のいずれかに記載されるとおりのTREMの調製のための生成宿主細胞として使用され得る。
実施例11:癌遺伝子及びtRNA修飾酵素を過剰発現する改変された哺乳動物生成宿主細胞におけるTREMの製造
この実施例は、Myc及びTrm1を過剰発現するように改変された哺乳動物宿主細胞におけるTREMの製造を記載する。
プラスミド作製
この実施例において、TREMを含むプラスミドは、実施例7又は8に記載されるとおりに作製される。
宿主細胞改変、形質導入及び精製
Myc癌遺伝子を安定に過剰発現するHEK293Tなどのヒト細胞株は、pBABEpuro-c-mycT58AプラスミドからHEK293T細胞へのmyc癌遺伝子を発現するレトロウイルスの形質導入によって作製される。myc発現レトロウイルスを作製するため、HEK293T細胞は、ヒトc-mycレトロウイルスベクター、pBABEpuro-c-mycT58A及びパッケージングベクター、Ψ2ベクターによりリン酸カルシウム法を使用してトランスフェクトされる。6時間後、トランスフェクション培地を除去し、新鮮な培地と置き換える。24時間のインキュベーションの後、培地を回収し、0.45umフィルターに通して濾過する。レトロウイルス感染のために、HEK293T細胞は、2500rpmにて18℃で1時間スピン感染を使用して、レトロウイルス及びポリブレン(8ug/ml)で感染される。24時間後、細胞培養培地を、新鮮な培地と置き換え、24時間後、細胞は、2μg/mLピューロマイシンで選択される。癌遺伝子mycを安定に過剰発現する細胞が確立されると、それらは、pCMV6-XL4-Trm1プラスミドなどのTrm1プラスミドでトランスフェクトされ、この場合ネオマイシンを用いて選択マーカーで選択され、Mycに加えてTrm1を過剰発現する安定な細胞株を生成する。並行して、TREMを過剰発現するレトロウイルスが、HEK293T細胞及びPLKO.1-tRNAベクターにより実施例9に記載されるとおりに作製される。
Myc及びTrm1を過剰発現する1×10個の細胞が、8μg/mLポリブレンの存在下でTREMウイルスにより形質導入される。培地を24時間後に置き換える。形質導入の48時間後、抗生物質選択が、形質導入されていない対照細胞の集団とともに2μg/mLのピューロマイシンにより2~7日間実施される。TREMは、実施例7又は8に記載されるとおりの方法を使用して単離され、精製され、及び製剤化されて、TREM調製物を生成する。
実施例12:誤負荷TREMの生成
この実施例は、その天然のアンチコドンに対応しないアミノ酸で負荷されたTREMの生成を記載する。
TREMは、実施例7~11のいずれかに記載されるとおりに生成される。TREM生成物は、当該技術分野で知られるインビトロ負荷反応を使用して異種アミノ酸により負荷される(例えば、Walker & Fredrick(2008)Methods(San Diego,Calif.)44(2):81-6を参照されたい)。簡潔に述べると、精製されたTREM、例えば、tRNA-Val(GTG)を含むTREMを、目的の異種アミノ酸(例えば、グルタミン酸)、及び対応するアミノアシル-tRNAシンテターゼ(例えば、tRNAの誤負荷を高めるように変異されたバリル-tRNAシンテターゼ)とともに緩衝液中に置いて、TREM負荷を誘導する。アミノアシル-TREMを単離するため、インビトロ負荷反応をスピンカラムに通し、A260吸光度に基づく濃度を、酸ゲル電気泳動を使用するアミノアシル化の程度と同様に決定する。アミノアシル化TREMはまた、Rezgui et al.,2013,PNAS 110:12289-12294に記載されるとおり、His6タグ付きEF-Tu(配列番号456として開示されるEF-Tu)への結合に続くNi-NTAアガロース上でのアフィニティークロマトグラフィー、フェノール-クロロホルム抽出及びその後の核酸の沈殿によって単離され得る。
実施例13:TREM断片の生成(インビトロ)
この実施例は、哺乳動物宿主細胞において製造されたTREMからのインビトロでのTREM断片の生成を記載する。
TREMは、上の実施例7~13のいずれかに記載されるとおりに作製される。RNase A又はアンジオゲニンなどのtRNA断片を生成することが知られる酵素による酵素的切断アッセイを使用して、細胞、組織又は対象に対する投与のための断片を生成する。
簡潔に述べると、上記のとおりに製造されるTREMは、10nMの最終濃度のRNase Aを含む0.1M Hepes/NaOH、pH 7.4、30℃で10分間、又は有効量のアンジオゲニン、及びBSAを含む0.1M MES、0.1M NaCl、pH6.0、37℃で6時間のうちの1つの中においてインキュベートされる。
酵素処理の後に標的TREM断片を単離するため、配列親和性精製手順が、上記のとおりに実施される。
実施例14:細胞発現系におけるTREM断片の生成
この実施例は、細胞発現系におけるTREM断片の生成を記載する。
TREMを安定に過剰発現する細胞株は、実施例7~9又は11のいずれかに記載されるとおりに作製される。TREMを過剰発現するHek293T細胞は、0.5μg/mlの組換えアンジオゲニンで90分間処理された後、全RNAがトリゾールで抽出される。200ヌクレオチドより小さいRNAのサイズ選択は、製造業者の指示書に従って小さいRNA単離キットを使用して実施される。ストレプトアビジンがコンジュゲートされたRNase-フリー磁性ビーズが、精製されているtRNAハーフの固有の領域に相補的なプローブ又はDNAプローブに対応する200mMのビオチン化オリゴヌクレオチドとともに室温で30分間インキュベートされる。ビーズは、75℃で10分間洗浄され、加熱される。サイズで選択されたRNAの溶出液はまた、75℃で10分間加熱され、続いてビーズと混合される。TREM-ビーズ混合物を、室温で3時間インキュベートして、TREMのビーズ結合DNAプローブへの結合が可能になる。次に、ビーズを、260nmでの洗浄溶液がゼロに近くなるまで洗浄する。或いは、ビーズを3回洗浄し、最終洗浄液は、最終洗浄液中に存在する核酸の量を測定するためにUV分光法によって調べられる。ビーズ上に保持されたTREMは、80℃まで事前に加熱されたRNase-フリー水又は80℃まで事前に加熱された溶出緩衝液を使用して、3回溶出される。
実施例15:TREM翻訳活性アッセイ
この実施例は、新生のポリペプチド鎖に組み込まれることになるTREMの能力を評価するためのアッセイを記載する。
FLAG-AA-Hisペプチド配列の翻訳
試験TREMは、ペプチドFLAG-XXX-His6x(配列番号456として開示される「His6x」)(XXXは、試験TREMアンチコドンに対応する3つの連続したコドンである)をコードするmRNAとのインビトロ翻訳反応において評価される。
tRNAが枯渇したウサギ網状赤血球ライセート(Jackson et al.2001.RNA 7:765-773)は、FLAG及びHisタグ翻訳に必要となる10~25ug/mLのtRNAに加えて10~25ug/mLの試験TREMとともに30℃で1時間インキュベートされる。この実施例において、使用されるTREMは、tRNA-Ile-GATであり、したがって、使用されるペプチドは、FLAG-LLL-His6x(配列番号456として開示される「His6x」)であり、加えられるtRNAは、以下:tRNA-Asp-GAC、tRNA-Tyr-TAC、tRNA-Lys-AAA、tRNA-Lys-AAAG、tRNA-Asp-GAT、tRNA-His-CATに加えて、ペプチドFLAG及びHISタグを翻訳するために加えられるtRNA-Ile-GATである。試験TREMが、新生のペプチドに機能的に組み込まれることが可能かどうかを判断するため、ELISA捕捉アッセイが実施される。簡潔に述べると、固定化された抗His6X抗体(配列番号456として開示される「His6x」)を使用して、反応混合物からFLAG-LLL-His6xペプチド(配列番号456として開示される「His6x」)を捕捉する。次に、反応混合物が洗い落とされ、ペプチドが、ELISA検出工程において基質に対して反応する酵素がコンジュゲートされた抗FLAG抗体により検出される。生成されるTREMが機能的である場合、FLAG-LLL-His6ペプチド(配列番号456として開示される「His6」)が生成され、検出はELISA捕捉アッセイによって生じる。この実施例で記載される方法は、TREMの機能性の評価に使用するために採用することができる。
翻訳抑制アッセイ
このアッセイは、抑制変異をレスキューし及び完全なタンパク質の翻訳を可能にすることによって、翻訳アダプター分子機能を有する試験TREMを説明する。この実施例において、試験TREM、tRNA-Ile-GATは、それが、tRNA-Ile-GAT-TREM本体の配列を含有するが、GATの代わりにCUAに対応するアンチコドンを有するように生成される。HeLa細胞は、50ngのTREM及びGeslain et al.2010.J Mol Biol.396:821-831に記載されるとおりのS29位でUAG終止コドンを含有する変異体GFPをコードする200ngのDNAプラスミドでコトランスフェクトされる。GFPプラスミド単独でトランスフェクトされたHeLa細胞は、陰性対照として機能する。24時間後、細胞は、回収され、フローサイトメトリーによって蛍光回復について分析される。蛍光は、509nmでの発光ピーク(395nmでの励起)により読み取られる。この実施例で記載される方法は、TREMの機能性又はTREMがGFP分子の停止変異をレスキューすることができるかの評価に使用するために採用することができ、全長蛍光タンパク質を生成することができる。
インビトロ翻訳アッセイ
このアッセイは、インビトロ翻訳反応において新生のポリペプチド鎖に順調に組み込まれることによって、翻訳アダプター分子機能を有する試験TREMを説明する。第一に、(i)アンチコドンと可変ループの間の配列を標的化するか;又は(ii)アンチコドンと可変ループの間の領域に結合するアンチセンス又は相補的オリゴヌクレオチドを使用して内在性tRNAが枯渇したウサギ網状赤血球ライセートが作製される(例えば、Cui et al.2018.Nucleic Acids Res.46(12):6387-6400を参照されたい)。10~25ug/mLの試験TREMが、2ug/uLのGFPをコードするmRNAに加えて、枯渇ライセートに加えられる。加えられる試験TREMを伴うか又は伴わない、GFP mRNAを有する非枯渇ライセートは、陽性対照として使用される。GFP mRNAを有するが加えられる試験TREMを伴わない枯渇ライセートは、陰性対照として使用される。GFP mRNA翻訳の進行は、λex485/λem528を使用して37℃で3~5時間マイクロプレートリーダー上での蛍光の増加によってモニターされる。この実施例で記載される方法は、試験TREMが枯渇ライセートを補完することができて機能性である可能性が高いかの評価に使用するために採用することができる。
実施例16:細胞状態の調節のためのアッセイ
この実施例は、細胞状態、例えば、細胞死を調節する際のTREMの活性を検出するためのアッセイを記載する。
TREM断片は、実施例13に記載されるとおりに生成される。1uMのTREM断片が、リポフェクタミン 3000とともにHEK293T細胞にトランスフェクトされ、1時間間隔で1~6時間インキュベートされた後に細胞溶解される。細胞ライセートは、ウェスタンブロッティングにより分析され、ブロットは、アポトーシスの読み出し情報として完全な並びに切断されたカスパーゼ3及び9に対して抗体で探索される。細胞生存率を測定するため、細胞を洗浄し、PBS中の4%パラホルムアルデヒドにより室温で15分間固定する。次に、固定され、洗浄された細胞を、0.1% Triton X-100により室温で10分間処理し、PBSで3回洗浄する。最後に、細胞をTUNELアッセイ反応混合物により暗所にて37℃で1時間処理する。試料は、フローサイトメトリーによって分析される。
実施例17:オートファジーを調節する未負荷TREMの活性のためのアッセイ
この実施例は、オートファジーを調節する、例えば、誘導する能力、例えば、GCN2-依存性ストレス応答(飢餓)経路シグナル伝達を活性化するか、mTORを阻害するか又はオートファジーを活性化する能力について未負荷TREMを試験するアッセイを記載する。
試験未負荷TREM(uTREM)調製物は、トランスフェクション又はリポソーム送達を介してHEK293T又はHeLa細胞に送達される。uTREMが送達されると、30分~6時間の範囲の時間経過が、1時間間隔の時点で実施される。次に、細胞をトリプシン処理し、洗浄し、溶解する。同じ手順が、負荷対照TREM及び対照としてのランダムなRNAオリゴにより実行される。細胞ライセートは、ウェスタンブロッティングにより分析され、ブロットは、ホスホ-elF2a、ATF4、ホスホ-ULK1、ホスホ-4EBP1、ホスホ-elF2a、ホスホ-Akt及びホスホ-p70S6Kを含むがこれらに限定されないGCN2経路活性化、mTOR経路阻害又はオートファジー誘導の既知の読み出し情報に対する抗体で探索される。GAPDH、アクチン又はチューブリンなどの全タンパク質負荷対照、並びに非修飾(すなわち、非リン酸化)シグナル伝達タンパク質(すなわち、ホスホ-elF2aのための対照としてelF2aを使用する)が、負荷対照として探索される。本実施例に記載の方法は、uTREMの送達に際して、GCN2飢餓シグナル経路、オートファジー経路の活性化及び/又はmTOR経路の阻害を評価するための使用に適用し得る。
実施例18:誤負荷TREM(mTREM)の活性のためのアッセイ
この実施例は、プラスミドトランスフェクションの後のインビトロ誤負荷を使用する細胞系において生成されるmTREMの機能性を試験するアッセイを記載する。
この実施例において、mTREMは、変異したコドンを含有するmRNAにもかかわらず、タンパク質におけるWTアミノ酸の組込みによって、変異体mRNAを野生型(WT)タンパク質に翻訳することができる。それぞれ470nm及び390nmの波長でのGFP励起を妨げるT203I又はE222G変異のいずれかを有するGFP mRNA分子が、この実施例のために使用される。GFP蛍光を妨げるGFP変異体はまた、このアッセイにおけるレポータータンパク質として使用され得る。簡潔に述べると、GFP E222G変異mRNA(GAG→GGG変異)を含有するウサギ網状赤血球ライセート及び過剰なmTREM、この場合、tRNA-Glu-CCCを使用するインビトロ翻訳アッセイが使用される。陰性対照として、誤負荷TREMは反応に加えられない。この実施例で記載される方法は、mTREMの機能性の評価に使用するために採用することができる。
実施例19:TREM調節によって寛解する可能性がある疾患関連SMCの同定
この実施例は、TREMベース療法のためのSMC含有タンパク質標的の選択を記載する。SMCは、情報サイレントの変異として理解することができ、それは、コドン配列を同義コドン変化させるが、翻訳又は翻訳後の性質に影響を及ぼし得る。選択方法は、3つのプログレッシブ選択工程(1)SMCの同定、(2)tRNA頻度の検査及び(3)疾患関連性のアノテーションにセグメント化された。これらの工程は、以下でさらに詳細に記載される。
SMCの同定
SMC選択の出発点として、全ての既知のSNPの管理された包括的リストを利用した。この実施例では、同義SNP(すなわち、アミノ酸の変化をもたらさないコード配列の単一ヌクレオチド変化)としても知られるSMCに関して選択するために、dbSNP NCBI変異データベース(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/及びFTPサイトftp://ftp.ncbi.nih.gov/snp/organisms/)をフィルターした。簡潔に述べると、変異配列をヒトゲノム(ここではGRCh38p7)にアライメントし、SNPSを変異体及び変異タイプ、例えば、非コード変異体又はコード変異体及び同義又は非同義変異に分類した。同義変異を有するコード変異体として分類されたものをSMCとして指定し、その次の選択に移行した。
tRNA頻度の検査
各SMCに対して、各野生型コドン及び変異コドン(SMC)に対応するtRNAを特定した。tRNAシークエンシングデータから、野生型コドン及び変異コドン(SMC)の各々に対するtRNAの存在量を決定した。この実施例では、HEK293T細胞から以前に決定されたtRNA-seq(Zheng et al.,Nature Methods 12,835-837(2015))を利用した。tRNA存在量の差、例えば、>10倍変化などの大きな差を有するSNPを、優先的にその次の選択に移す。
疾患関連性の決定
SNP IDを一群の既知の疾患関連SNPにマッピングし、どのSNPが疾患相関を有するかを決定した。この実施例では、我々は、GWAS(Genome Wide Associate Studies)(https://www.ebi.ac.uk/gwas/)又は同様の資源を利用し、どのSNPが既知の疾患相関を有するかを決定した。治療に関連する疾患相関(例えば、腫瘍原性又は神経学的障害との関連性)を有するものを、この次の工程に移行した。
最終的な選択
SMCのフィルターされたリストは、コード領域に(1)アミノ酸のコード配列を改変しないSMC;(2)tRNA集団の差、例えば、大きな差を有するSMC;及び(3)疾患関連性があるSMCを含有する。この実施例では、最終的な選択は、目的の疾患、例えば、膵癌に基づいて行われる。BCAR1遺伝子は、例えば、膵癌に関連することが知られており、コドンCUCからCUUへの変化を引き起こすSNP(rs7190458)を有する。このコード配列変化は、取り込まれるTREMの対応する変化をもたらす。いくつかの実施形態では、取り込まれる変異TREMは、例えば、存在量の約100倍減少を有し、疾患表現型のアップレギュレーション及び/又は寛解の潜在的標的となる。
実施例20:PNPL3A SMC
PNPL3A遺伝子中のSMCを同定するために、実施例19の方法を使用した。PNPL3A遺伝子は、ヒトにおいて非アルコール性脂肪肝疾患、線維化及び血清中アラニントランスアミナーゼの上昇の素因として同定されたrs738408多型を有する。rs738408多型は、ORFに位置し及びCCCからCCUにコドンを変化させるSMCである。CCC及びCCUコドンは両方とも、プロリンアミノ酸をコードし、鎖のその位置に野生型PNPL3A ORFと同一なポリペプチド配列をもたらす。このポリペプチド鎖は、アディポニュートリンタンパク質である。
実施例21:TERT SMC
TERT遺伝子中のSMCを同定するために、実施例19の方法を使用した。TERT遺伝子は、ヒトにおいて膵癌及び非小細胞肺癌の感受性因子として同定されたrs2736098多型を有する。rs2736098多型は、ORFに位置し及びGCGからGCAにコドンを変化させるSMCである。GCG及びGCAコドンは両方とも、アラニンアミノ酸をコードし、鎖のその位置に野生型TERT ORFと同一なポリペプチド配列をもたらす。このポリペプチド鎖は、テロメラーゼリバーストランスクリプターゼタンパク質である。
実施例22:ACHE SMC
ACHE遺伝子中のSMCを同定するために、実施例19の方法を使用した。ACHE遺伝子は、アジア人集団において2型糖尿病の感受性因子として同定されたrs7636多型を有する。rs7636多型は、ORFに位置し及びCCCからCCTにコドンを変化させるSMCである。CCC及びCCTコドンは両方とも、プロリンアミノ酸をコードし、鎖のその位置に野生型ACHE ORFと同一なポリペプチド配列をもたらす。このポリペプチド鎖は、コリン及びアセテートへのニューロトランスミッターアセチルコリン(ACh)の加水分解代謝を担う主要酵素であるアセチルコリンエステラーゼ(AChE)タンパク質である。
実施例23:CFTR SMC
CFTR遺伝子中のSMCを同定するために、実施例19の方法を使用した。CFTR遺伝子は、CFTR関連障害を有する患者に存在するrs1042077多型を有する。rs1042077多型は、ORFに位置し及びACTからACGにコドンを変化させるSMCである。ACT及びACGコドンは両方とも、トレオニンアミノ酸をコードし、鎖のその位置に野生型CFTR ORFと同一なポリペプチド配列をもたらす。このポリペプチド鎖は、線維性嚢胞症膜コンダクタンスレギュレーター(CFTR)である。
実施例24:MAP3K1 SMC
MAP3K1遺伝子中のSMCを同定するために、実施例19の方法を使用した。MAP3K1遺伝子は、乳癌の早期発症の感受性因子として同定されたrs2229882多型を有する。rs2229882多型は、ORFに位置し及びACCからACTにコドンを変化させるSMCである。ACC及びACTコドンは両方とも、トレオニンアミノ酸をコードし、鎖のその位置に野生型MAP3K1 ORFと同一なポリペプチド配列をもたらす。このポリペプチド鎖は、ERK及びJNK MAPK経路さらには転写因子NF-κB経路をレギュレートするセリン/トレオニンキナーゼであるマイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼキナーゼ1(MAP3K1)である。
実施例25:哺乳動物細胞精製を介するSMCに相補的な候補TREMの生成
この実施例は、哺乳動物宿主細胞におけるTREMの生成を記載する。
プラスミド作製
tRNA遺伝子を含むTREM、この実施例ではtRNA-Ser-AGAを含むプラスミドを作製するために、配列
Figure 2022534988000049
を有するtRNA遺伝子の少なくとも1つのコピーを含有するDNA断片を合成し、製造業者の指示書及び標準的分子クローン化技術に従って、U6プロモーター(又は任意の他のRNAポリメラーゼIII動員プロモーター)を有するpLKO.1puro骨格プラスミドにクローン化する。
トランスフェクション
上記の1mgのプラスミドを使用して、1×105細胞/mLの1Lの培養物の懸濁液に適応させたHEK293T細胞(Freestyle 293-F細胞)をトランスフェクトする。トランスフェクションの24、48、72又は96時間後に細胞を収集して、ノーザンブロット、定量的PCR(q-PCR)、ナノポアシークエンシングなどの定量方法によって決定されるとおりのTREM発現の最適化された時間点を決定する。
精製
最適化された収集時間点で、細胞をライシスし、フェノールクロロホルムなどの方法を用いて全RNAを精製する。製造業者の指示書/小さいRNA単離キットを用いて、200ヌクレオチド未満のRNAをライセートから分離して、小さいRNA(sRNA)画分を作製する。
アニーリング緩衝液及び精製される標的TREMの固有の領域に相補的なDNAプローブに対応するビオチン化キャプチャープローブ、この実施例では、配列3’ビオチン-CCAATGGATTTCTATCCATCGCCTTAACCACTCGGCCACGACTACAAAA(配列番号457)を有するプローブとともに、sRNA画分をインキュベートして、tRNA-Ser-AGAを含むTREMを精製する。混合物を90℃で2~3分間インキュベートし、45℃に急冷し、45℃で一晩インキュベートする。次に、事前に45℃に加熱された結合緩衝液及びストレプトアビジンコンジュゲートRNアーゼフリー磁気ビーズとともに混合物を3時間インキュベートし、DNA-tRNA複合体をビーズに結合可能させる。次に、磁界分離器ラック中のあらかじめ平衡化されたカラムに混合物を添加し、4回洗浄する。80℃に予熱された溶出緩衝液を添加することによりビーズ上に保持されたTREMを3回溶出し、次に薬学的に許容される賦形剤と混合し、試験TREM生成物を作製する。
実施例26:細菌細胞精製を介するSMCに相補的な候補TREMの生成
この実施例は、細菌宿主細胞におけるTREMの生成を記載する。
プラスミド作製
TREM、この実施例ではtRNA遺伝子を細菌において生成するプラスミドを作製するために、配列
Figure 2022534988000050
を有するtRNA-Lys-UUU遺伝子の少なくとも1つのコピーを含有するDNA断片を合成し、Ponchon et al.,Nat Protoc 4,947-959(2009)に以前に記載されたとおりの細菌性tRNA発現ベクターにクローン化する。
トランスフォーメーション
TREM発現プラスミドでトランスフォームされたコンピテント細菌から増殖された1×10細菌を、様々な細胞密度点で、この実施例ではOD(600)=0.5、OD(600)=0.7、OD(600)=0.9で収集し、ノーザンブロット、定量的PCR(q-PCR)、ナノポアシークエンシングなどの定量方法によって決定されるとおりのTREM発現の最適点を決定する。
精製
最適化された収集細胞密度点で、Cayama et al.,Nucleic Acids Research.28(12),e64(2000)に以前に記載されたようにTREMを精製する。簡潔に述べると、短いRNA(例えば、tRNA)をフェノール抽出により細胞から回収し、エタノール沈殿によって濃縮する。次に、ステップワイズイソプロパノール沈殿によって高塩条件下で、沈殿物中の全tRNAをより大きな核酸(rRNA及びDNAを含む)から分離する。プローブ結合を介してTREMを含有する溶出画分をさらに精製する。アニーリング緩衝液及び精製される標的TREMの固有の領域に相補的なDNAプローブに対応するビオチン化キャプチャープローブ、この実施例では、配列CAGAUUAAAAGUCUG(配列番号458)を有する3’末端でビオチンにコンジュゲートされたプローブとともに、TREM画分をインキュベートして、tRNA-Lys-UUUを含むTREMを精製する。混合物を90℃で2~3分間インキュベートし、45℃に急冷し、45℃で一晩インキュベートする。次に、事前に45℃に加熱された結合緩衝液及びストレプトアビジンコンジュゲートRNアーゼフリー磁気ビーズとともに混合物を3時間インキュベートし、DNA-tRNA複合体をビーズに結合可能させる。次にで、磁界分離器ラック中のあらかじめ平衡化されたカラムに混合物を添加し、4回洗浄する。80℃に予熱された溶出緩衝液を添加することによりビーズ上に保持されたTREMを3回溶出し、次に薬学的に許容される賦形剤と混合し、試験TREM生成物を作製する。
実施例27:化学合成を介するSMCに相補的な候補TREMの生成
この実施例は、化学合成を用いるTREMの生成を記載する。
配列
Figure 2022534988000051
を用いて、TREM、この実施例ではtRNA-Thr-CGTを化学合成する。このTREMは、例えば、Zlatev et.al.(2012)Current Protocols,50(1),1.28.1-1.28.16に以前に記載されたように、ホスホロアミダイト化学を用いて固相化学合成によって生成される。簡潔に述べると、固形担体(例えば、制御細孔ガラス)に固定された成長鎖に、所望の順で保護RNAホスホロアミダイトを逐次添加する。付加の各サイクルは、(i)成長鎖の5’-ヒドロキシルを保護するDMT基をデブロックすること、(ii)進入するホスホルアミダイトビルディングブロックに成長鎖を結合すること、(iii)依然として5’-ヒドロキシルを特徴とする全ての鎖状分子、すなわち、所望の進入するビルディングブロックとの結合に失敗したものにキャップすること及び(iv)新たに形成された三配位ホスファイトトリエステル連結の酸化を含む複数の工程を有する。最終的なビルディングブロックを結合して酸化した後、鎖を固形担体から切断し、5’-ヒドロキシルを保護するDMT基以外の全ての保護基を除去する。次に、RP-HPLCによって鎖を精製し(例えば、DMTオン精製)、鎖を含有する画分を酸性条件下でDMT基の脱保護に付して、最終的なTREMを与える。TREMは、5’-リン酸と3’-OHを特徴とするであろう。次に、TREMを薬学的に許容される賦形剤と混合して、試験TREM生成物を作製する。
TREMが負荷される必要がある場合、化学合成反応によって生成されたTREMは、Stanley,Methods Enzymol 29:530-547(1974)に以前に記載されたように、アミノアシルtRNAシンテターゼを用いてインビトロでアミノアシル化される。簡潔に述べると、TREMをそのシンテターゼ及びその同族アミノとともに、この実施例では、それぞれ、トレオニル-tRNAシンテターゼ及びトレオニンとともに、37℃で30minインキュベートし、次にフェノール抽出し、Nuc-trapカラムを用いて濾過し、エタノール沈澱する。次に、TREMを薬学的に許容される賦形剤と混合して、試験TREM生成物を作製する。
実施例28:インビトロ転写を介するSMCに相補的な候補TREMの生成
この実施例は、インビトロ転写(IVT)を用いるTREMの生成を記載する。
TREM、この実施例ではtRNA-Leu-CAAは、Pestova et al.,RNA 7(10):1496-505(2001)に以前に記載されたように、配列
Figure 2022534988000052
によるインビトロ転写を用いて生成される。簡潔に述べると、バクテリオファージT7プロモーターに続いてtRNA-Leu-CAA遺伝子配列を含有するDNAプラスミドを線状化し、T7 RNAポリメラーゼにより37℃で45分間インビトロ転写し、次にフェノール抽出し、Nuc-trapカラムを用いて濾過し、エタノール沈澱する。次に、TREMを薬学的に許容される賦形剤と混合して、試験TREM生成物を作製する。
TREMが負荷される必要がある場合、IVT反応によって生成されたTREMは、Stanley,Methods Enzymol 29:530-547(1974)に以前に記載されたように、アミノアシルtRNAシンテターゼを用いてインビトロでアミノアシル化される。簡潔に述べると、TREMをそのシンテターゼ及びその同族アミノとともに、この実施例では、それぞれ、ロイシル-tRNAシンテターゼ及びロイシンとともに、37℃で30minインキュベートし、次にフェノール抽出し、Nuc-trapカラムを用いて濾過し、エタノール沈澱する。次に、TREMを薬学的に許容される賦形剤と混合して、試験TREM生成物を作製する。
実施例29:細胞へのTREM投与を介するtRNAプールの調節
この実施例は、細胞中のtRNAプールを調節するための細胞へのTREMの投与を記載する。
実施例25~28のように生成されたTREMは、Nature Methods 3,67-68(2006)に以前に記載されたように、エレクトロポレーションを介して細胞に送達される。簡潔に述べると、106~107細胞、この実施例ではヒト上皮MCF10A細胞をエレクトロポレーションキュベット中に移し、1~30μgのTREM、この実施例では配列
Figure 2022534988000053
を有するtRNA-Thr-CGTの添加後、穏やかに混合する。
キュベットをエレクトロポレーターに移し、デバイスを放電する(200~350Vの電圧が使用される)。キュベットを氷上に配置し、完全培地を備えた培養ディッシュにエレクトロポレート細胞を移し、インキュベーターに24~48時間移す。
送達後、tRNAプールの変化は、ナノポアシークエンシング、tRNAシークエンシング、ノーザンブロッティング、定量的RT-PCRなどの方法によって定量することができる。この実施例では、Sadaoka et al.,Nature Communications(2019)10,754に以前に記載されたように、Oxford Nanopore直接RNAシークエンシングを用いてtRNAプールの変化をモニターする。
簡潔に述べると、TREMトランスフェクト細胞をライシスし、フェノールクロロホルムなどの方法を用いて全RNAを精製する。製造業者の指示書/小さいRNA単離キットを用いて、200ヌクレオチド未満のRNAをライセートから分離して、小さいRNA(sRNA)画分を作製する。
100mM Tris-HCl(pH9.0)を用いて、sRNA画分を37℃で30分間脱アシル化する。等体積の100mM酢酸Na/酢酸(pH4.8)及び100mM NaClの添加、続いてエタノール沈殿によって、溶液を中和する。脱アシル化sRNAを水に溶解させ、アガロースゲル電気泳動によってそのインテグリティーを検証する。次に、製造業者の指示書に従って酵母ポリ(A)テーリングキットを用いて脱アシル化sRNAをポリアデニル化し、sRNAポリアデニル化プールを作製する。ポリアデニル化後、SuperScript IIIリバーストランスクリプターゼ(Thermo Fisher Scientific)又はRNA構造及び修飾の影響を受けにくい熱安定性グループIIイントロンRT(TGIRT,InGex LLC)を用いて、逆転写反応を実施しcDNAを作製する。Oxford Nanoporeの標準的プロトコルに従って、RNAアダプター、T4リガーゼ及びライゲーション緩衝液とともにcDNA混合物をインキュベートすることにより、シークエンシングアダプターをcDNA混合物にライゲートする。次に、ライブラリーでナノポアシークエンシングを実施し、ゲノミックデータベース、この実施例ではゲノミックtRNAデータベースのGtRNAdbに配列をマッピングする。この実施例で記載される方法は、TREMが投与されないものをと比較して、TREMが投与された細胞においてtRNAプールの評価に使用するために採用することができる。
実施例30:リポソームを用いた細胞へのTREM投与を介するtRNAプールの調節
この実施例は、細胞中のtRNAプールを調節するためのリポソームベシクルを用いる細胞へのTREMの投与を記載する。
実施例25~28のように生成されたTREMは、ベシクル又は他の脂質ベース担体、例えば、リポソーム又は脂質ナノ粒子で細胞に送達される。この実施例では、製造業者の指示書に従ってリポソームキット(Sigma又は他のベンダーからのもの)を用いて、TREM、この実施例では配列
Figure 2022534988000054
を有するtRNAThr-CGTを含有するリポソームを調製する。この実施例では、ヒト細胞系HEK293Tを使用する。トランスフェクション日に70~80%の集密度が得られるように、細胞を播種する。トランスフェクションの30分前、培地を血清フリー培地と交換し、その後、リポソームを細胞培地に添加する。
送達後、tRNAプールの変化は、ナノポアシークエンシング、tRNAシークエンシング(Zheng et al.,Nature Methods 12,835-837(2015))、ノーザンブロッティング、定量的RT-PCRなどの方法によって定量することができる。この実施例では、tRNAシークエンシングを用いて、tRNAプールの変化をモニターする。簡潔に述べると、TREMトランスフェクト細胞を溶解し、フェノールクロロホルムなどの方法を用いて全RNAを精製する。製造業者の指示書/小さいRNA単離キットを用いて、200ヌクレオチド未満のRNAをライセートから分離して、小さいRNA(sRNA)画分を作製する。
ワトソン・クリック面に位置するmA、mG及びmC修飾を除去するために、sRNA画分をデメチラーゼ混合物で処理する。tRNAプールの脱メチル化に続いて、tRNA構造の影響を受けにくい熱安定性グループIIイントロンRT(TGIRT)を用いて、tRNAからcDNAライブラリーを作製する。このリバーストランスクリプターゼは、RNAライゲーションを必要とすることなくテンプレートスイッチングによりtRNAにRNAシークエンシングアダプターを付加する。次に、tRNAから作製されたライブラリーでIlluminaシークエンシングを実施し、ゲノミックデータベース、この実施例ではゲノミックtRNAデータベースのGtRNAdbに配列をマッピングする。この実施例で記載される方法は、TREMが投与されないものをと比較して、TREMが投与された細胞においてtRNAプールの評価に使用するために採用することができる。
実施例31:細胞へのTREMコードプラスミドの送達を介するtRNAプールの調節
この実施例は、細胞中のtRNAプールを調節するための細胞へのTREMコードプラスミドの送達を記載する。
TREMは、ベシクルベース担体を用いてTREMコードプラスミドの送達を介して細胞において発現される。ヒト細胞においてTREMを発現するために、tRNA遺伝子、この実施例では配列
Figure 2022534988000055
を有するtRNA-Gly-GCCを含有するプラスミドを生成する。DNA断片のシームレスアセンブリーを用いて、この実施例ではNEBuilder HiFi Assembly Master Mixを用いてプラスミドを生成する。この場合、目的の線状化哺乳動物発現ベクター、この実施例ではPpuMI酵素制限によって線状化されたpLKO.1-puro-turboGFPを、tRNA遺伝子を含有するDNA断片と融合させる。この実施例のDNA断片は、5’→3’の順に以下のエレメント:ベクター線状化部位の3’末端からの25ヌクレオチド長配列、U6プロモーター、tRNA配列、RNAポリメラーゼIII終止シグナル、ベクター線状化部位の5’末端からの25ヌクレオチド長配列を含む。
プラスミドを作製した後、製造業者の指示書に従ってLipofactamine 3000を用いて、ヒト細胞系、この実施例ではHEK293TをTREMコードプラスミドでトランスフェクトする。送達後、tRNAプールの変化は、ナノポアシークエンシング、tRNAシークエンシング(Zheng et al.,Nature Methods 12,835-837(2015))、ノーザンブロッティング、定量的RT-PCRなどの方法によって定量することができる。この実施例では、tRNAシークエンシングを用いて、tRNAプールの変化をモニターする。簡潔に述べると、TREMトランスフェクト細胞をライシスし、フェノールクロロホルムなどの方法を用いて全RNAを精製する。製造業者の指示書/小さいRNA単離キットを用いて、200ヌクレオチド未満のRNAをライセートから分離して、小さいRNA(sRNA)画分を作製する。
ワトソン・クリック面に位置するmA、mG及びmC修飾を除去するために、sRNA画分をデメチラーゼ混合物で処理する。tRNAプールの脱メチル化に続いて、tRNA構造の影響を受けにくい熱安定性グループIIイントロンRT(TGIRT)を用いて、tRNAからcDNAライブラリーを作製する。このリバーストランスクリプターゼは、RNAライゲーションを必要とすることなくテンプレートスイッチングによりtRNAにRNAシークエンシングアダプターを付加する。次に、tRNAから作製されたライブラリーでIlluminaシークエンシングを実施し、ゲノミックデータベース、この実施例ではゲノミックtRNAデータベースのGtRNAdbに配列をマッピングする。この実施例で記載される方法は、TREMが投与されないものをと比較して、TREMが投与された細胞においてtRNAプールの評価に使用するために採用することができる。
実施例32:細胞へのTREMコードウイルスベクターの送達を介するtRNAプールの調節
この実施例は、細胞中のtRNAプールを調節するための細胞へのTREMコードウイルスベクターの送達を記載する。
TREMは、TREMコードウイルスベクターの送達を介して細胞において発現される。この実施例では、レンチウイルスパッケージング及びTREMをコードする送達系が使用される。簡潔に述べると、TREM、この実施例では配列
Figure 2022534988000056
を有するtRNA-Gly-GCCを含むプラスミドを最初に作製することによって、TREMコードウイルスベクターを構築する。プラスミドは、DNA断片のシームレスアセンブリーを用いて生成される。この場合、pLKO.1-puro-turboGFP線状化ベクターは、実施例31に記載されるように、tRNA配列を含有するDNA断片にライゲートされる。TREM発現レンチウイルスを調製するために、製造業者の指示書に従ってLipofectamine 3000を用いて、3μgの各パッケージングベクター(pRSV-Rev、pCMV-VSVG-G及びpCgpV)並びにTREMを含む9μgのプラスミドでHEK293T細胞を共トランスフェクトする。24時間後、培地をフレッシュ抗生物質フリー培地と交換し、48時間後、ウイルス含有上清を回収し、2000rpmで10min遠心分離し、その後、0.45のμmフィルターに通して濾過する。
次に、目的の細胞にウイルスを感染させる。この実施例では、8μg/mLポリブレンの存在下で2mLの調製されたウイルスを用いて、100,000HeLa細胞を形質導入する。形質導入の48時間後、非形質導入対照細胞の集団とともにピューロマイシン(2μg/mL)抗生物質選択を2~7日間実施し、発現のためにそれらのゲノム中にTREMをインテグレートした細胞を選択する。
tRNAプールの変化は、ナノポアシークエンシング、tRNAシークエンシング(Zheng et al.,Nature Methods 12,835-837(2015))、ノーザンブロッティング、定量的RT-PCRなどの方法によって定量することができる。この実施例では、定量的RT-PCR(Korniy et al.,Nucleic Acids Research(2019),gkz202)を用いて、tRNAプールの変化をモニターする。簡潔に述べると、TREMトランスフェクト細胞をライシスし、フェノールクロロホルムなどの方法を用いて全RNAを精製する。製造業者の指示書/小さいRNA単離キットを用いて、200ヌクレオチド未満のRNAをライセートから分離して、小さいRNA(sRNA)画分を作製する。
ワトソン・クリック面に位置するmA、mG及びmC修飾を除去するために、sRNA画分をデメチラーゼ混合物で処理する。脱メチル化に続いて、目的のtRNAの3’末端に相補的なステム-ループアダプターを用いて、プールをcDNAに逆転写する。この工程では、Superscript IIIファーストストランド合成システム(ThermoFisher Scientific)を用いて逆転写(RT)を実施する。次に、目的のtRNAによってコードされるcDNAの領域に相補的なフォワードプライマー及びRT時に追加されるステム-ループアダプターに相補的なユニバーサルプライマーとともに、製造業者のプロトコルに従ってQuantiTect SYBR Green Kit(Qiagen)を用いて、定量的PCRを実施する。この実施例で記載される方法は、TREMが投与された細胞において、TREMが投与されないものをと比較して、CGTコドンと対形成することができるグリシン特定分子のレベルの評価に使用するために採用することができる。
実施例33:SMC含有ORFに対するTREM投与の影響を試験するための系
この実施例は、TREM投与の影響を試験するためのSMC含有ORFを発現する系、この実施例では細胞系を記載する。
SMC含有ORF、この実施例ではMAP3K1遺伝子のrs2229882多型に及ぼすTREM投与の影響を試験するために、樹立細胞系、この実施例ではヒト***上皮細胞、例えば、MCF10A又は184A1細胞をCRISPR-Casによってゲノム編集し、目的の内在性遺伝子、この実施例ではMAP3K1遺伝子の発現をノックアウトする。MAP3K1ノックアウト細胞は、以前に記載されたように(例えば、Bauer et al.,J.Vis.Exp.,(95),doi:10.3791/52118(2015))、CRISPR-Cas9システムを用いて、MAP3K1のコードエクソンに1bpを挿入してフレームシフト変異を引き起こすように生成された。簡潔に述べると、ゲノム編集に使用するのに最も有効なガイドRNAを予測するオンライン設計ツール、例えば、https://portals.broadinstitute.org/gpp/public/analysis-tools/sgrna-designを用いて、オフターゲット部位切断のリスクを低減するようにゲノムマッチを最小化する20塩基対(bp)標的配列を含有する高スコアガイドRNA(gRNA)を選択する。この実施例では、標的化配列は、CAGTGTGTGAAGACGGCTGC(配列番号461)である。標的化配列は、pSpCas9(BB)プラスミド(pX330)(AddgeneプラスミドID42230)にクローン化される。MAP3K1を標的化するCRISPR/Cas9構築物及びクローン選択用のピューロマイシン発現構築物でHEK293T細胞を一過的にトランスフェクトする。翌日、ピューロマイシンを用いて細胞を2日間選択し、サブクローン化して単一コロニーを形成する。MAP3K1 KOクローンは、PCRスクリーンによって同定される。得られたクローンは、MAP3K1に対する抗体を用いてqPCR及びイムノブロットによって検証される。
生成後、この細胞系は、一過性プラスミドトランスフェクションを介して又は安定なレンチウイルス形質導入法を介して、WT又はSMC含有mRNAを過剰な発現するために使用される。次に、目的のTREMを各細胞系に投与し、実施例19~24に記載されるようなアッセイを用いて、WT ORFと比較してSMC含有ORFに及ぼすその影響は評価する。
実施例34:TREMの投与がSMC含有ORFのタンパク質発現レベルに影響を及ぼすことの決定
この実施例は、SMC含有ORFの発現レベルを改変するためのTREMの投与を記載する。
SMC含有タンパク質、この実施例ではアディポニュートリンをコードするPNPL3A遺伝子由来のもののタンパク質発現レベルに及ぼすTREM投与の影響を試験するための系を生成するために、PNPL3A rs738408 ORF配列を含有するプラスミドを正常ヒト肝細胞系THLE-3にトランスフェクトし、フレームシフト変異をPNPLA3のコードエクソンに含有させて内在性PNPLA3をノックアウトするようにCRISPR/Casにより編集する(THLE 3_PNPLA3KO細胞)。対照として、野生型PNPL3A ORF配列を含有するプラスミドでTHLE-3_PNPLA3KO細胞のアリコートをトランスフェクトする。
TREMは、rs738408 ORF配列を含有するTHLE-3_PNPLA3KO細胞、さらには野生型PNPL3A ORF配列を含有するTHLE-3_PNPLA3KO細胞に送達される。この実施例では、TREMは、CCTコドンと対をなす塩基のAGGアンチコドンを含有するプロリンイソアクセプターを含有する。すなわち、配列
Figure 2022534988000057
を有する。時間経過は、30分間~6時間の範囲内で実施され、1時間に及ぶインターバル時間点を有する。各時間点で、細胞をトリプシン処理し、洗浄し、ライシスする。ウェスタンブロッティングによって細胞ライセートを分析し、アディポニュートリンタンパク質に対する抗体でブロットをプローブする。GAPDH、アクチン、チューブリンなどの全タンパク質ローディングコントロールもまた、ローディングコントロールとしてプローブされる。
この実施例で記載される方法は、rs738408 ORF含有細胞におけるアディポニュートリンタンパク質の発現レベルの評価に使用するために採用することができる。
実施例35:SMC含有ORFのタンパク質翻訳速度を変化させるTREM投与
この実施例は、SMC含有ORFのタンパク質翻訳速度を改変するためのTREMの投与を記載する。
翻訳伸長速度に及ぼすTREM添加の影響をモニターするために、インビトロ翻訳システム、この実施例ではPromega製のRRLシステムを使用する。この場合、レポーター遺伝子、この実施例ではGFPの蛍光経時変化は、翻訳速度のサロゲートである。最初に、アンチコドンと可変ループとの間の配列を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いて内在性tRNAが枯渇されたウサギ網状赤血球ライセートを作製する(例えば、Cui et al.2018.Nucleic Acids Res.46(12):6387-6400を参照されたい)。この実施例では、GCAコドンと対をなす塩基のUGCアンチコドンを含有するアラニンイソアクセプターを含む、すなわち、配列
Figure 2022534988000058
を有する、TREMは、0.1~0.5μg/uLの、リンカーによりGFP ORFに融合された野生型TERT ORFをコードするmRNA又はリンカーによりGFP ORFに融合されたrs2736098 TERT ORFをコードするmRNAに加えて、インビトロ翻訳アッセイライセートに添加される。GFP mRNA翻訳の進行は、1時間にわたり30秒ごとに収集されるデータ点のλex485/λem528を用いて、37℃のマイクロプレートリーダー上で蛍光増加によりモニターされる。蛍光変化量は、TREM添加あり及びなしでrs2736098 ORFと比較して野生型ORFの翻訳伸長の速度を決定するために経時的にプロットされる。この実施例で記載される方法は、TREMの存在下又は不在下でrs2736098 ORF及び野生型ORFの翻訳速度の評価に使用するために採用することができる。
実施例36:SMCに相補的なTREMの調節がSMC含有ORFに由来するタンパク質の機能を変化させることの決定
この実施例は、SMC含有ORFの機能を変化させるためのTREMの投与を記載する。
インビトロ翻訳(IVT)システム(例えば、Promega製のRRLシステム)を用いて、TREMの存在下及び不在下で野生型及びSMC含有mRNAを翻訳する。この実施例では、SMC含有遺伝子は、アセチルコリンエステラーゼタンパク質をコードするAChEであり、及びTREMは、CCUコドンと対をなす塩基のAGGアンチコドンを含有するプロリンイソアクセプターを含有する。すなわち、配列
Figure 2022534988000059
を有する。
TREMの添加がSMC含有タンパク質、この実施例ではアセチルコリンエステラーゼタンパク質の機能活性を変化させるかを決定するために、AChEによるアセチルチオコリンの加水分解から生成されるチオコリンを定量するDTNBを使用する機能アッセイを使用する。簡潔に述べると、キットのAChE反応混合物とともに翻訳反応を室温で10~30分間インキュベートし、その後、AChE活性に比例するOD410nmのDTNB付加物の吸収強度を用いて、形成されたチオコリンの量を測定する。この実施例で記載される方法は、rs7636 AChE mRNA又は野生型AChE mRNAの翻訳から得られるタンパク質のAChE活性の評価に使用するために採用することができる。
実施例37:SMCに相補的なTREMの調節がSMC含有ORFに由来するタンパク質の局在化を変化させることの決定
この実施例は、SMC含有ORFの局在化を改変するためのTREMの投与を記載する。
SMC含有ORFのタンパク質局在化に及ぼすTREM投与の影響を試験する系を生成するために、GFPやmycなどのレポーターでタグ付けされたCFTR rs1042077 ORF配列を含有するプラスミドをヒト肺上皮細胞系MRC-5にトランスフェクトする。対照として、レポーターでタグ付けされた野生型CFTR ORF配列を含有するプラスミドも、並行してMRC-5細胞にトランスフェクトする。
TREM添加がCFTRの局在化を変化させるかを決定するために、細胞をカバースリップ上に播種し、24時間後、CFTR SMCに相補的なTREM又は対照TREMでトランスフェクトする。この実施例では、CFTR SMCに相補的なTREMは、ACGコドンと対をなす塩基のCGUアンチコドンを含有するトレオニンイソアクセプターを含む。すなわち、配列
Figure 2022534988000060
を有する。対照TREMは、スクランブル配列又は負荷を防止するようにTREMの5’末端を変化させたトレオニン配列のいずれかからなる。24時間後、細胞を固定し、CFTR及びそのレポーターに対して染色し、顕微鏡下で可視化する。この実施例で記載される方法は、野生型CFTR及びrs1042077 CFTRの局在化の評価に使用するために採用することができる。
実施例38:SMCに相補的なTREMの調節がSMC含有ORFから翻訳されるタンパク質のフォールディングを変化させることの決定
この実施例は、SMC含有ORFのフォールディングを改変するためのTREMの投与を記載する。
プラスミド作製及びトランスフェクション
タンパク質ミスフォールディングをもたらすSMCを同定するために、SMC-ORF含有タンパク質、この実施例ではrs7190458 BCAR1 ORFを合成し、製造業者の指示書及び標準的分子クローン化技術に従って、CMVプロモーター(又は任意の他の哺乳動物プロモーター)及び精製タグ、この実施例ではFLAGタグ(DYKDDDDKエピトープ(配列番号466))を含有するプラスミドにクローン化する。ここでは、pFLAG-CMV-1プラスミドを使用する。ヒトHeLa細胞株にプラスミドをトランスフェクトする。この実施例では、CUUコドンと対をなす塩基のUUGアンチコドンを含有するロイシンイソアクセプターを含む、すなわち、配列
Figure 2022534988000061
を有する、TREMもまた、HeLa細胞にトランスフェクトする。対照として、SMC BCAR1 ORF含有プラスミド単独で及び個別に野生型BCAR1 ORF配列を含有するプラスミドで、BCAR1 KO細胞をトランスフェクトする。
精製
最適化された収集時間点で、この実施例ではトランスフェクションの72時間後、細胞をライシスし、12,000×gで10分間遠心分離する。プレパック及び平衡化された抗フラグパックM2アガロースカラム上に重力フロー下で上清をロードする。カラムを10~20カラム体積のTBS(TrisHCl、NaCl)又は塩含有緩衝液で洗浄する。FLAGタグ付きタンパク質をビーズから溶出させるために、FLAGタグペプチドとともにビーズをインキュベートする。純度品質管理のために溶出液をSDS-PAGEゲル上で泳動させる。この精製は、TREMの存在下及び不在下でWT BCAR1 ORF及びSMC BCAR1 ORFでトランスフェクトされた細胞で実施される。
タンパク質フォールディングの初期検査
タンパク質フォールディングの影響を調べるために、熱融解を用いてWT及びSMC含有ORFに由来する精製タンパク質の安定性をモニターする。この実施例では、アンフォールディングタンパク質へのインターカレーター色素の結合の変化を測定する蛍光色素(Sypro Orange)による差次的スキャニング蛍光測定(DSF)を使用する。タンパク質フォールディングの改変は、熱融解曲線の変動をもたらす。この方法を用いて、TREM添加あり及びなしのSMC ORF由来タンパク質を対照野生型BCAR1と比較する。この実施例で記載される方法は、SMC含有ORFに由来するタンパク質の熱融解曲線の評価に使用するために採用することができる。
実施例39:SMCに相補的なTREMの調節がSMC含有ORFの翻訳から得られる細胞表現型を改変することの決定
この実施例は、SMC含有ORFの細胞表現型を改変するためのTREMの投与を記載する。
細胞プロセス、この実施例では細胞遊走に及ぼすTREM投与の影響を試験する系を生成するために、CRISPR/Casを用いてBCAR1がノックアウトされたヒト膵癌細胞系PANC-1に、SMC含有ORF、この実施例ではrs7190458 BCAR1 ORF配列を含有するプラスミドをトランスフェクトする。対照として、WT BCAR1 ORF配列を含有するプラスミドでPANC-1 BCAR1 KO細胞をトランスフェクトする。
この実施例では、CUUコドンと対をなす塩基のUUGアンチコドンを含有するロイシンイソアクセプターを含む、すなわち、配列
Figure 2022534988000062
を有する、TREMを、PANC-1細胞に送達する。スクランブル配列又は負荷を防止するようにTREMの5’末端を変化させたロイシン配列のいずれかを含有する対照TREMの送達を対照として使用する。単層で80%集密度まで細胞を増殖させ、ウェルの中心を横切って新しい1mlピペットチップでスクラッチする。浮遊細胞を除去するために細胞を2回濯ぎ、培地を補充する。48時間後、細胞を固定し、クリスタルバイオレットで染色する。染色された単層を写真撮影し、ギャップ距離を定量する。この実施例で記載される方法は、TREMが投与された細胞の遊走表現型の評価に使用するために採用することができる。
実施例40:SMC含有ORFの翻訳から得られる疾患状態を寛解するためのTREMの調節
この実施例は、SMC含有ORFから得られる疾患状態を寛解するためのTREMレベルの増加を記載する。
疾患状態、この実施例では乳癌発症に及ぼすTREM投与の影響を試験する系を生成するために、CRISPR/Casを用いてBCAR1がノックアウトされたヒト非トランスフォーム***細胞系MCF10Aに、SMC含有ORF、この実施例ではrs2229882 MAP3K1 ORF配列を含有するプラスミドをトランスフェクトする。対照として、野生型MAP3K1 ORF配列を含有するプラスミドでMCF10A MAP3K1 KO細胞をトランスフェクトする。
この実施例では、ACUコドンと対をなす塩基のAGUアンチコドンを含有するトレオニンイソアクセプターを含む、すなわち、配列
Figure 2022534988000063
を有する、TREMを、MCF10A細胞に送達する。スクランブル配列又は負荷を防止するようにTREMの5’末端を変化させたトレオニン配列のいずれかを含有する対照TREMの送達を対照として使用する。ERK及びJNKキナーゼのリン酸化状態に対する抗体を用いてウェスタンブロッティングにより、MAPKシグナル伝達の増加に関して細胞をモニターする。全タンパク質ローディングコントロール、例えば、GAPDH、アクチン又はチューブリン、さらには非修飾(すなわち、非リン酸化)シグナリングタンパク質(すなわち、ホスホ-ERKに対する対照としてERKを使用する)をローディングコントロールとしてプローブする。また、標準的増殖及びトランスウェル浸潤アッセイを用いて、細胞増殖及び浸潤に関して細胞をモニターする。乳癌進行をモニターするために、細胞を皮下注射するか又はSCIDマウスの***脂肪パッドに注入し、キャリパーを用いて腫瘍体積を1日1回モニターし、腫瘍の長さ、幅及び高さを測定する。この実施例で記載される方法は、腫瘍表現型の評価に使用するために採用することができる。

Claims (71)

  1. 第1の配列を有するコドンを含む内在性オープンリーディングフレーム(ORF)を含む細胞中のtRNAプールを調節する方法であって、
    任意選択により、(i)及び(ii)の一方又は両方の存在量についての知識を取得すること、例えば、前記細胞中の(i)及び(ii)の相対量についての知識を取得することであって、(i)は、前記第1の配列を有する前記ORFのコドンと対形成するアンチコドンを有するtRNA部分(第1のtRNA部分)であり、及び(ii)は、前記第1の配列を有するコドン以外のコドンと対形成するアンチコドンを有するイソアクセプターtRNA部分(第2のtRNA部分)である、取得することと;
    前記細胞中の前記第1のtRNA部分及び前記第2のtRNA部分の相対量を調節するのに十分な量及び時間で、前記細胞を、TREMを含む組成物と接触させることであって、前記TREMは、(a)前記第1の配列を有するコドン又は(b)前記第1の配列を有するコドン以外のコドンと対形成するアンチコドンを有する、接触させることと、
    それにより前記細胞中のtRNAプールを調節することと
    を含む方法。
  2. 第1の配列を有するコドンを含む内在性オープンリーディングフレーム(ORF)を有する対象中のtRNAプールを調節する方法であって、
    任意選択により、前記対象中の(i)及び(ii)の一方又は両方の存在量についての知識を取得すること、例えば、前記対象中の(i)及び(ii)の相対量についての知識を取得することであって、(i)は、前記第1の配列を有する前記ORFのコドンと対形成するアンチコドンを有するtRNA部分(第1のtRNA部分)であり、及び(ii)は、前記対象中の前記第1の配列を有するコドン以外のコドンと対形成するアンチコドンを有するイソアクセプターtRNA部分(第2のtRNA部分)である、取得することと;
    前記対象中の前記第1のtRNA部分及び前記第2のtRNA部分の相対量を調節するのに十分な量及び時間で、前記対象をTREMを含む組成物と接触させることであって、前記TREMは、(a)前記第1の配列を有するコドン又は(b)前記第1の配列を有するコドン以外のコドンと対形成するアンチコドンを有する、接触させることと、
    それにより前記対象中のtRNAプールを調節することと
    を含む方法。
  3. 内在性ORF(このORFは、第1の配列を有するコドンを含む)を有する細胞中のtRNAプールを評価する方法であって、(i)及び(ii)の一方又は両方の存在量についての知識を、例えば、直接的又は間接的に、取得すること、例えば、前記細胞中の(i)及び(ii)の相対量についての知識を取得することであって、(i)は、第1の配列を有する前記ORFのコドンと対形成するアンチコドンを有するtRNA部分(第1のtRNA部分)であり、及び(ii)は、前記細胞中の前記第1の配列を有するコドン以外のコドンと対形成するアンチコドンを有するイソアクセプターtRNA部分(第2のtRNA部分)である、取得することと、それにより前記細胞中のtRNAプールを評価することと、を含む方法。
  4. 第1の配列を有するコドンを含む内在性ORFを有する対象中のtRNAプールを評価する方法であって、(i)及び(ii)の一方又は両方の存在量についての知識を、例えば、直接的又は間接的に、取得すること、例えば、前記対象中の(i)及び(ii)の相対量についての知識を取得することであって、(i)は、第1の配列を有する前記ORFのコドンと対形成するアンチコドンを有するtRNA部分(第1のtRNA部分)であり、及び(ii)は、前記細胞中の前記第1の配列を有するコドン以外のコドンと対形成するアンチコドンを有するイソアクセプターtRNA部分(第2のtRNA部分)である、取得することと、それにより前記対象中のtRNAプールを評価することと、を含む方法。
  5. (i)についての知識を取得することを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. (ii)についての知識を取得することを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  7. (i)及び(ii)についての知識を取得することを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  8. (i)についての知識を取得することが、(i)の存在量、例えば、相対量に対する値を取得することを含む、請求項1~5又は7のいずれか一項に記載の方法。
  9. (ii)についての知識を取得することが、(ii)の存在量、例えば、相対量に対する値を取得することを含む、請求項1~4又は6~7のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記値に応答して、前記方法が、前記第1のtRNA部分及び前記第2のtRNA部分の相対量を調節するのに十分な量及び時間で、前記細胞又は対象をTREMを含む組成物と接触させることを含み、前記TREMが、(a)前記第1の配列を有するコドン又は(b)前記第1の配列を有するコドン以外のコドンと対形成するアンチコドンを有する、請求項8又は9に記載の方法。
  11. TREMを含む前記組成物が、TREMを含む医薬組成物又はTREMを含むGMPグレード組成物である、請求項1~2又は5~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記TREMが、終止コドンと対形成するアンチコドンを含まない、請求項1~2又は5~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 同義変異を含むコドン(同義変異コドン又はSMC)を含む内在性オープンリーディングフレーム(ORF)を含む対象中又は細胞中のtRNAプールを調節する方法であって、
    TREMを含む組成物を提供することであって、前記TREMは、前記SMC(前記TREM)と対形成するアンチコドン配列を含むイソアクセプターtRNA部分を含む、提供することと;
    前記対象中又は前記細胞中のtRNAプールを調節するのに十分な量及び/又は時間で、前記対象を前記TREMを含む組成物と接触させ又は細胞の場合には前記細胞を前記TREMを含む組成物からのTREMと接触させることと、
    それにより前記対象中又は前記細胞中のtRNAプールを調節することと
    を含む方法。
  14. TREMを含む前記組成物と接触させる前、前記対象又は前記細胞が、前記SMCと対形成するアンチコドンを有する第1のtRNA部分(前記第1のtRNA部分)及び前記SMC以外のコドンと対形成するアンチコドンを有する第2のtRNA部分(前記第2のtRNA部分)を含む、請求項13に記載の方法。
  15. 第1の配列を有するコドンを含む内在性オープンリーディングフレーム(ORF)を有する対象を治療する方法であって、
    TREMを含む組成物を提供することであって、前記TREMは、前記第1の配列を有するORFのコドンと対形成するアンチコドン又は前記第1の配列を有するコドン以外のコドンと対形成するアンチコドンを有するイソアクセプターtRNA部分を含む、提供することと、
    前記対象を治療するのに十分な量及び/又は時間で、前記対象を前記TREMを含む組成物と接触させることと、
    それにより前記対象を治療することと
    を含む方法。
  16. 同義変異を含むコドン(同義変異コドン又はSMC)を含む内在性ORFを有する対象を治療する方法であって、
    TREMを含む組成物を提供することであって、前記TREMは、前記SMC(前記TREM)と対形成するアンチコドンを有するイソアクセプターtRNA部分を含む、提供することと;
    前記対象を治療するのに十分な量及び時間で、前記対象をTREMを含む前記組成物と接触させることと、
    それにより前記対象を治療することと
    を含む方法。
  17. 同義変異を含むコドン(同義変異コドン又はSMC)を含む内在性ORFを有する対象を治療する方法であって、
    (i)前記対象のSMC状態に対する値を、例えば、直接的又は間接的に、取得することであって、前記値は、前記対象からのサンプル中のSMCの存在又は不在の尺度を含む、取得すること、及びSMCを有するとして前記対象を同定すること;並びに
    (ii)前記値に応答して、TREMを含む組成物を前記対象に投与することであって、前記TREMは、前記SMCと対形成するアンチコドンを有するイソアクセプターtRNA部分を含む、投与すること、
    それにより前記対象を治療すること
    を含む方法。
  18. 第1の配列を有するコドンを含む内在性ORFを有する対象を治療する方法であって、
    (i)前記対象中の前記第1の配列を有するコドンの状態に対する値を、例えば、直接的又は間接的に、取得することであって、前記値は、前記対象からのサンプル中の前記第1の配列を有するコドンの存在又は不在の尺度を含む、取得すること、及び前記第1の配列を有するコドンを有するとして前記対象を同定すること;並びに
    (ii)前記値に応答して、TREMを含む組成物を前記対象に投与することであって、前記TREMは、前記第1の配列を有するコドンと対形成するアンチコドンを有するイソアクセプターtRNA部分を含む、投与すること、
    それにより前記対象を治療すること
    を含む方法。
  19. 第1の配列を有するコドンを含む内在性オープンリーディングフレーム(ORF)を有する対象を評価する方法であって、
    前記対象中の前記第1の配列を有するコドンの状態に対する値を、例えば、直接的又は間接的に、取得することであって、前記値は、前記対象からのサンプル中の前記第1の配列を有するコドンの存在又は不在の尺度を含む、取得すること;及び
    前記第1の配列を有するコドンを有するとして前記対象を同定すること、
    それにより前記対象を評価すること
    を含む方法。
  20. 同義変異を含むコドン(同義変異コドン又はSMC)を含む内在性ORFを有する対象を評価する方法であって、
    前記対象のSMC状態に対する値を、例えば、直接的又は間接的に、取得することであって、前記値は、前記対象からのサンプル中のSMCの存在又は不在の尺度を含む、取得すること;及び
    SMCを有するとして前記対象を同定すること、
    それにより前記対象を評価すること
    を含む方法。
  21. 前記対象が、表1から選ばれる障害又は症状を有するか又は有するものとして同定される、請求項2~20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記細胞が、表1から選ばれる障害又は症状と関連する、請求項1又は3~20のいずれか一項に記載の方法。
  23. (a)前記第1の配列を有するORFコドン又は(b)前記SMCが、TREMを含む組成物との接触の不在下で、表現型、例えば、望ましくない表現型、例えば、障害又は症状、例えば、表1から選ばれる障害又は症状と関連する、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記障害又は症状が、表1で提供される疾患群、例えば、心血管、皮膚科、内分泌、免疫学、神経学、腫瘍学、眼科又は呼吸系から選ばれる、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記障害が心肥大である、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記障害が冠動脈疾患である、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
  27. 前記障害が高血圧である、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記障害又は症状が肥満関連形質である、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記障害が1型糖尿病である、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記障害が2型糖尿病である、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
  31. 前記障害が乾癬である、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
  32. 前記障害が子宮内膜症である、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
  33. 前記障害が、慢性炎症性疾患、例えば、強直性脊椎炎、クローン病、乾癬、原発性硬化性胆管炎、潰瘍性結腸炎又は多面発現である、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
  34. 前記障害がクローン病である、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
  35. 前記障害がグレーブス病である、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
  36. 前記障害が、アルツハイマー病、例えば、年齢発症アルツハイマー病又は家族性アルツハイマー病である、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
  37. 前記障害が大鬱病性障害である、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
  38. 前記障害が片頭痛である、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
  39. 前記障害がパーキンソン病である、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
  40. 前記障害が統合失調症である、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
  41. 前記障害又は症状が、化学療法に対する有害な反応、例えば、好中球減少症又は白血球減少症である、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
  42. 前記障害が、乳癌、例えば、早期発症乳癌である、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
  43. 前記障害が卵巣癌である、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
  44. 前記障害が結腸直腸癌である、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
  45. 前記障害が上皮性卵巣癌でのカルボプラチン廃棄である、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
  46. 前記障害が、多発性骨髄腫でのクロストリジウム・ディフィシレ(clostridium difficile)感染である、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
  47. 前記障害が、子宮内膜癌、例えば、類内膜組織診によるものである、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
  48. 前記障害が食道扁平上皮細胞癌である、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
  49. 前記障害が膠芽細胞腫である、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
  50. 前記障害が肺癌である、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
  51. 前記障害又は症状がマクロファージ遊走阻止因子レベルである、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
  52. 前記障害が口腔癌及び咽頭癌である、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
  53. 前記障害が膵癌である、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
  54. 前記障害が近視である、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
  55. 前記障害がCOPDである、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
  56. 前記障害が喘息である、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
  57. 前記第1の配列を有するORFコドン又は前記SMCが、表1で提供される転写物に位置する、請求項1~56のいずれか一項に記載の方法。
  58. 前記第1の配列を有するORFコドン又は前記SMCが、表1で提供されるコドン、例えば、表1の「前/後のコドン」の列に列挙されるコドン、例えば、表1の前記列に列挙される第2のコドンを含む、請求項1~57のいずれか一項に記載の方法。
  59. 前記第1のtRNA部分が内在性tRNA及びTREMを含む、請求項1~58のいずれか一項に記載の方法。
  60. 前記第2のtRNA部分が内在性tRNA及びTREMを含む、請求項1~59のいずれか一項に記載の方法。
  61. TREMを含む前記組成物が、本明細書に記載される方法によって、例えば、合成法によって(例えば、固相合成若しくは液相合成を用いて合成される)、インビトロ転写(IVT)を用いて又は細胞中でTREMをコードするベクターを発現させることによって作製される、請求項1~2又は10~60のいずれか一項に記載の方法。
  62. 前記ORF又は前記SMC含有ORFがポリペプチドをコードする、請求項1~61のいずれか一項に記載の方法。
  63. 前記ORF又は前記SMC含有ORFが染色体ORF又はミトコンドリアORFである、請求項1~62のいずれか一項に記載の方法。
  64. TREMを含む前記組成物がTREMを含む医薬組成物である、請求項1~2又は10~63のいずれか一項に記載の方法。
  65. TREMを含む前記組成物が医薬賦形剤を含む、請求項1~2又は10~64のいずれか一項に記載の方法。
  66. TREMを含む前記組成物が、送達剤、例えば、リポソーム、ポリマー(例えば、ポリマーコンジュゲート)、粒子、マイクロスフェア、マイクロ粒子又はナノ粒子により投与される、請求項1~2又は10~65のいずれか一項に記載の方法。
  67. TREMを含む前記組成物が、担体なしで、例えば、TREMのネイキッド送達を介して投与される、請求項1~2又は10~65のいずれか一項に記載の方法。
  68. 前記TREMが、同族アダプター機能を含み、及び任意選択により、前記TREMが、ペプチド鎖の開始又は伸長において前記TREMのアンチコドンと天然で関連付けられるアミノ酸の受け入れ及び取り込みを媒介する、請求項1~2又は10~67のいずれか一項に記載の方法。
  69. 前記TREMが、表2に列挙されるDNA配列によってコードされるRNAに対して少なくとも80%同一なRNA配列又はその断片若しくは機能性断片を含む、請求項1~2又は10~68のいずれか一項に記載の方法。
  70. 前記TREMが、表2に列挙されるDNA配列によってコードされるRNA配列又はその断片を含む、請求項1~2又は10~69のいずれか一項に記載の方法。
  71. 前記TREMが、表2に列挙されるDNA配列によってコードされるRNA配列に対して少なくともXX%同一なRNA配列又はその断片を含み、XXが、80、85、90、95、96、97、98又は99から選択される、請求項1~2又は10~70のいずれか一項に記載の方法。
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