JP2022534678A - サドル型車両の駆動システム - Google Patents

Abstract

本発明は、車両長手方向軸（ＡＡ）に沿って延びるフレーム（２００）を有するサドル型車両に関する。車両は、フレーム（２００）に軸支され、後輪（３）を支持するように適合されたスイングアーム（１５）を備える。１つまたは複数の駆動源（１００）、（３００）を含む駆動システム（２０）が、後輪（３）に駆動力を供給するように構成される。１つまたは複数の駆動源（１００）、（３００）は、第１の駆動源（１００）及び第２の駆動源（３００）を含む。第１の駆動源（１００）は、その少なくとも一部に一体に形成された少なくとも１つの取付部（１００ａ）、（１００ｂ）を含む。少なくとも１つの取付部（１００ａ）、（１００ｂ）は、第１の駆動源（１００）を前記スイングアーム（１５）の少なくとも一部に着脱可能に取り付けるように構成される。第２の駆動源（３００）は、後輪（３）に着脱可能に取り付けられる。

Description

本発明は、サドル型車両に関する。より詳細には、本発明は、純粋な電動サドル型二輪車および三輪車の駆動システムに関する。

近年、厳しい排出基準を考慮して、自動車からの排出を制御する要求が高まっている。その結果、排出量を最小限に抑えるために、多くのハイブリッド車及び電気自動車が製造されるようになっている。通常、ハイブリッド車には、車両を運転するために少なくとも１つの駆動源が常に利用可能であるため、長距離走行が可能であるという明確な利点がある。したがって、従来の内燃機関車で頻繁に発生するような、燃料不足又は立ち往生のリスクは低くなる。

一般に、内燃機関または電気モータまたはその両方によって動力を供給されるように構成された既存のハイブリッド車が、通常のエンジン動力車に取って代わっている。例えば、地形又は長距離を運転する場合には内燃機関を使用することができ、短距離の場合には電気推進システムを使用することができる。しかしながら、ハイブリッド二輪車に内燃機関と電気モータアセンブリとの両方を組み込むと、システムがかさばり、より複雑になる。車両のサスペンション、トランスミッション、プライマリモータは、余剰なドライブトレイン及びその燃料の追加の重量を考えて設計されている。したがって、純粋な電動二輪車は、電気駆動システムからのゼロエミッション及び石油依存からの脱却を約束するため、内燃機関車の潜在的な代替品として近年人気を集めている。

自動車製造業者は、従来のエンジン駆動二輪車に代わる、費用効果が高く燃料効率の高い純粋な電気駆動装置を有する車両にますます重点を置いている。しかしながら、車両が内燃機関車からハイブリッド車に、及びハイブリッド車から純粋な電気自動車に移行するにつれて、製造業者は大きな課題に対応するための準備をする必要がある。例えば、複数の問題があり、そのうちのいくつかは特定され、それらが組み合わさって、純粋な電気自動車は現在のほとんどの適用について実現不可能になっている。例えば、車両の航続距離は大きな問題である。さらに、既存の電気サドル型車両にはスペース及びパッケージングの制約が不十分であるため、１つ又は複数の追加の駆動源を取り付けるには、車両の少なくとも一部にさらなる構造上の変更が必要であり、車両の全体的な重量及びコストが増加するおそれがある。

したがって、既存のハイブリッド二輪車のレイアウトに構造上の変更を加えることなく、従来のハイブリッドサドル型車両から容易に派生し得る、改良された純粋な電動サドル型車両が必要である。ハイブリッド駆動サドル型車両を純粋な電動サドル型車両に変換する、又はその逆に変換する際に、既存のハイブリッド駆動サドル型車両の１つ又は複数の構成要素の独立性のバランスをとることにより、重量配分、重心、並びに車両の乗り心地及び操縦性を含む動的安定性を維持する、改良された電気サドル型車両を提供することが望ましい。さらに、燃料効率及び排出量の削減に関して消費者に経済的な解決策を提供する方法で、改良された電気サドル型車両を提供することが望ましい。

さらに、ハイブリッドサドル型車両の既存のレイアウトにおける後付けの適用として前記１つ又は複数の追加の駆動源を設置することにより、前記既存のハイブリッドサドル型車両から容易に派生し得る、改良された純粋な電動サドル型車両を提供することが引き続き必要である。さらに、ハイブリッドサドル型車両の既存のレイアウトに構造上の変更を加えることなく、既存のハイブリッドサドル型車両のエンジン取付スペースのスペース制限及び重量制限内に収まるように構成された前記１つ又は複数の駆動源を含む、改良された電気サドル型車両を提供することが望ましい。多くの場合、異なる市場及び国の異なる要件に基づいて、製造業者はモデルの多様性を最小限に抑えるという課題に直面しており、それでも、同じプラットフォーム内で異なる製品を提供している。したがって、車両の主要システム、例えば、シャーシ、レイアウト、パッケージングなどの設計を変更する必要なしに、ＩＣエンジンセットアップからハイブリッドセットアップへの変更若しくはその逆の変更、又はハイブリッドセットアップから電気自動車（ＥＶ）セットアップへの変更若しくはその逆の変更、又はＩＣからＥＶセットアップへの変更若しくはその逆の変更に迅速に適合できるように柔軟性のある車両設計を有することが望ましい。そのようなシナリオでは、当技術分野で知られている車両の設計及びレイアウトに課題をもたらす車両の動的特性及び安定性に関して、実質的に同様の車両の動的挙動を実現するという問題も存在する。

上記の目的を考慮して、既存のハイブリッドサドル型車両は、純粋な電動サドル型車両に容易に変換され、またその逆に容易に変換される。一実施形態において、本発明は、延長された走行距離、電力容量、改良された初期加速及びトルク性能を備えた、改良された純粋な電動サドル型車両を提供する。さらに、本発明の一実施形態は、前記１つまたは複数の駆動源を含み、スタンディングスタートからの加速において効率的な、前記改良された純粋な電動サドル型車両を提供する。本発明の一実施形態において、既存のハイブリッド二車両レイアウトに構造的革新をもたらすことなく、前記１つ又は複数の駆動源を、前記改良された純粋な電気サドル型車両に容易に設置することができる。

一実施形態によれば、本発明は、床板部を有する低フレームワーク構造のボディフレームと、フレームに軸支され、後輪を支持するように適合されたスイングアームとを備える、改良された純粋な電動サドル型車両に関する。一実施形態において、前記スイングアームは、その少なくとも一部に固定して取り付けられた少なくとも１つの取付ボスを含む。さらに、車両は駆動システムを備え、駆動システムは、その少なくとも一部に取り付けられ、車両に配置された前記１つ又は複数のエネルギ貯蔵装置の貯蔵エネルギを使用して後輪に動力を供給するように構成された前記１つ又は複数の駆動源を含む。一実施形態によれば、前記１つ又は複数の駆動源は、第１の駆動源及び第２の駆動源を含む。第１の駆動源は、その少なくとも一部に一体に形成され、前記少なくとも１つの取付ボスによって前記スイングアームの少なくとも一部に着脱可能に取り付けられるように構成された少なくとも１つの取付部を含む一次電気モータである。さらに、第２の駆動源は、後輪のハブ本体に組み込まれた二次電気モータである。本発明の一実施形態によれば、前記一次電気モータおよび前記二次電気モータは、後輪に回転駆動力を供給する。

さらに、本発明の一実施形態を参照すると、一次電気モータは、回転可能な出力軸と、出力軸の遠位端にある駆動部材とを含む。一実施形態によれば、被駆動部材が前記後輪に接続される。一実施形態において、前記駆動部材及び前記被駆動部材はプーリである。別の実施形態において、前記駆動部材及び前記被駆動部材はスプロケットである。一実施形態として、前記被駆動部材は、車両後輪の後輪車軸に位置合わせされる。さらに、一実施形態によれば、車両の駆動システムは、一次電気モータから前記後輪への動力伝達のための伝達部材を含む。一実施形態において、前記伝達部材は、一次電気モータの駆動部材と後輪の被駆動部材との間に配置される。一実施形態において、前記伝達部材はチェーンである。別の実施形態において、前記伝達部材は駆動ベルトである。

一実施形態を参照すると、一次電気モータである前記第１の駆動源と、二次電気モータである第２の駆動源とに、前記車両に配置された前記１つ又は複数のエネルギ貯蔵装置によって動力が供給される。一実施形態において、前記１つ又は複数のエネルギ貯蔵装置は、少なくとも１つの一次エネルギ貯蔵装置及び少なくとも１つの補助エネルギ貯蔵装置を含む。一実施形態によれば、前記少なくとも１つの補助エネルギ貯蔵装置を収容するように構成された前記少なくとも１つの支持構造は、スイングアームに取り付けられた前記第１の駆動源と、車両フレームの後部に取外し可能に支持されたユーティリティボックスとの間に規定されたスペースに配置される。特に、一実施形態において、前記少なくとも１つの支持構造は、前記スイングアーム及び前記第１の駆動源のそれぞれから長手方向及び垂直方向にずれている。本発明の一実施形態において、前記少なくとも１つの補助エネルギ貯蔵装置を中に保持するように構成された前記少なくとも１つの支持構造は、少なくとも１つのホルダ部材によって前記フレームの後部に着脱可能に固定される。一実施形態において、前記少なくとも１つのホルダ部材は、溶接によって前記フレームの前記後部に固定して取り付けられる。一実施形態において、前記１つ又は複数のエネルギ貯蔵装置の動作を管理するように構成された少なくとも１つのコントローラユニットが、少なくとも１つの取付ブラケットによって前記少なくとも１つの支持構造の前方に配置される。一実施形態において、充電ユニットを収納するための収納部材が、車両フレームの前部に配置される。一実施形態において、充電ユニットは、前記１つまたは複数のエネルギ貯蔵装置の充電を可能にするように構成される。

本発明の一実施形態を参照すると、車両のスイングアーム上の一次電気モータデバイスのアセンブリは、熱放散を向上させることによりその適切な冷却を容易にし、伝達損失を減らし、さらに動力伝達効率を高める。さらに、そのような構成では、一次電気モータは、整備及び保守のために容易にアクセス可能になる。さらに、前記二次電気モータを後輪のハブに取り付けることにより、低い毎分回転数（ＲＰＭ）で高トルクが生成され、これは、軽量化、複雑さの低減、及び効率の向上につながり、さらに、回生ブレーキ中に電力を除去して、車両に配置された前記１つ又は複数のエネルギ貯蔵装置を再充電する。

一実施形態を参照すると、前記改良された純粋な電動サドル型車両は、異なる駆動比、異なる効率を有する一次電気モータ及び二次電気モータを含む前記１つ又は複数の駆動源を含んで、単一のモータで可能な速度範囲よりも広い速度範囲にわたって効率的な動作を提供する。本発明の別の実施形態において、前記１つ又は複数の駆動源は、任意の所与の車速で同じ効率を有する。

一実施形態において、本発明は、一次電気モータを含む第１の駆動源が、車両のスイングアームの前記少なくとも一部に着脱可能に取り付けられて、車両のリアサスペンションのばね下質量が実質的に減少することにより、車両の快適な乗り心地及び安定性が確保されるようになっている、改良された純粋な電動サドル型車両に関する。したがって、本発明の一実施形態によれば、前記１つ又は複数の駆動源の前記第１の駆動源を車両に取り付けることにより、低ばね下質量及び高トルク密度の高出力が提供される。したがって、本発明の一実施形態によれば、車両の前記１つ又は複数の駆動源は、高速での始動、加速、操縦、旋回、及びブレーキなどの車両の動作条件に適合することができ、それにより、より高い性能及び望ましい動的特性／操縦性を一貫して提供する。

一実施形態によれば、前記既存のハイブリッドサドル型車両を前記純粋な電動二輪車に変換する、又はその逆に変換する際に、前記１つ又は複数の駆動源のうちの前記第１の駆動源は、前記エンジンをハイブリッド二輪車構成に取り付けるために以前は必要とされていたスイングアーム上の空間に取り付けられる。したがって、前記第１の駆動源の前記取付けにより、車両の車両重心の後方位置を維持し、それにより車両の前輪と後輪との間の所望の重量配分を容易にすることによって、車両のバランスを向上させる。これによっても、車両の全体的な重心が既存のハイブリッドサドル型車両内で実質的に維持されることが保証されて、車両のパワートレインのタイプに関係なく、一貫した車両の性能特性が可能になる。

一実施形態を参照すると、本発明は、前記１つ又は複数の駆動源のうちの前記第１の駆動源が車両の前記スイングアームに着脱可能に取り付けられて、前記第１の駆動源がシートアセンブリの下方に配置された前記ユーティリティボックスに接触しないようにし、それにより、ユーティリティボックスの最適な収納スペースを維持することに関する。したがって、前記ハイブリッドサドル型車両は、既存のハイブリッドサドル型車両のレイアウトに構造上の変更を加えることなく、前記一次電気モータ及び前記二次電気モータの形態の追加の１つ又は複数の駆動源を車両に取り付けることによって、前記純粋な電動サドル型車両に容易に変換される。

本発明の目的は、前記１つ又は複数のエネルギ貯蔵装置によって動力を供給される前記一次電気モータ及び前記二次電気モータを含む、前記純粋な電動サドル型車両の新規の電動システムを提供することである。一実施形態において、前記第１の駆動源及び前記第２の駆動源は、車両の長い走行距離及び改良されたトルク性能を容易にするように適合される。

実装形態において、本発明は、前記一次駆動源、すなわち、スイングアームに取り付けられたエンジン又は一次電気モータを、前記１つ又は複数の駆動源のうちの前記第１の駆動源に置き換えることによって、既存のハイブリッドサドル型車両から派生した純粋な電動サドル型車両の改良されたレイアウトを提供するように構成される。一実施形態によれば、前記第１の駆動源は一次電気モータである。一実施形態において、既存のハイブリッドサドル型車両構成に前記エンジンを取り付けるために前記スイングアームの少なくとも一部に溶接によって固定して取り付けられた前記少なくとも１つの取付ボスは、前記１つ又は複数の駆動源のうちの前記第１の駆動源を車両に着脱可能に取り付ける際に利用される。したがって、一実施形態によれば、前記ハイブリッドサドル型車両は、前記エンジンをスイングアームから取り外すことによって前記エンジン取付スペースにおいて前記第１の駆動源が後付けされると、前記純粋な電動サドル型車両に変換される。したがって、前記１つ又は複数のエネルギ貯蔵装置によって動力を供給される前記一次電気モータ及び前記二次電気モータを含む前記１つ又は複数の駆動源を含む前記純粋な電動サドル型車両は、車両の長い走行距離及び改良された初期トルク性能を提供する。

以下で、添付図面を参照しながら、本発明の他の様々な特徴および利点について詳細に説明する。図面において、同様の参照番号は、一般に、同一、機能的に類似、及び／又は構造的に類似の要素を示す。要素が最初に表示される図面は、対応する参照符号の左端の数字で示される。添付図面を参照すると、同じ参照符号を使用して、いくつかの図面を通じて同じまたは類似の要素を特定する。図面は、参照符号の向きの方向で見るべきであることに留意されたい。

以下の説明において、本発明は、純粋な電動二輪スクータ型車両の形態で例示されるサドル型車両で使用可能であることに留意されたい。

さらに、図示の実施形態の以下の説明において言及される「前」及び「後」並びに「左」及び「右」は、二輪車の座席に座った状態で見たときの前及び後並びに左及び右の方向を指す。さらに、長手方向軸は車両に対して前後の軸を指し、横軸は車両に対して横方向又は左右の軸を指す。また、本明細書で使用される表現及び用語は、説明を目的とするものであり、限定的なものと見なされるべきではないことを理解されたい。

添付図面を参照しながら、詳細な説明について説明する。図面全体を通じて、同一の符号を使用して同様の機能および構成要素を参照する。

本発明の一実施形態による、純粋な電動二輪車の側面図である。 本発明の一実施形態による、純粋な電動二輪車の斜視分解図である。

図１を参照して、本発明の一実施形態による、純粋な電動二輪車（以下、「車両」）について説明する。一実施形態において、図示された車両（１）は、床板部（８）を有する低フレームワーク構造のボディフレーム（２００）（図２に示す）を有する。車両（１）は、フレーム（２００）を覆うための複数のボディパネルをさらに含み、これらのボディパネルに取り付けられる。複数のボディパネルは、フロントパネル（１３）、レッグシールド（９）、シート下カバー（７）、及び左右サイドパネル（１６）を含む。さらに、シートアセンブリ（６）が、前記シート下カバー（７）の上方に配置される。ユーティリティボックス（図示せず）が、シートアセンブリ（６）の下方に配置される。ピリオンハンドル（５）が、前記シートアセンブリ（６）の後ろに配置される。フロントフェンダ（１４）が、前輪（２）の上方、および前輪（２）を支持する左右サスペンション（２１）の間に配置される。リアフェンダ（４）が、後輪（３）の少なくとも一部を覆うように構成される。快適な乗り心地のために、１つ又は複数のサスペンション／ショックアブソーバ（１８）が、前記車両（１）の後部（Ｒ）に設けられる。さらに、前記車両（１）は、ヘッドライト（１２）、テールライト（１９）、トランジスタ制御点火（ＴＣＩ）ユニット（図示せず）、スタータモータ（図示せず）などを含む複数の電気部品及び電子部品を備える。タッチスクリーンＬＣＤユニット（図示せず）がハンドルバー（１０）に設けられて、様々な動作モード、電力潮流パターン、および警告信号を表示する。ハンドルバー（１０）の左側及び右側に、対の左右バックミラー（１１）が取り付けられる。一実施形態において、前記車両（１）は、ハザードランプ（図示せず）も備える。

さらに図１で、一実施形態によれば、前記車両（１）の駆動システム（２０）は、その少なくとも一部に配置された前記１つまたは複数の駆動源（１００）、（３００）を備える。一実施形態において、前記１つまたは複数の駆動源（１００）、（３００）は、第１の駆動源（１００）及び第２の駆動源（３００）を含む。一実施形態において、前記第１の駆動源（１００）は、前記床板部（８）の後ろに配置される。特に、一実施形態によれば、第１の駆動源（１００）は、少なくともその一部に一体に形成された前記少なくとも１つの取付部（１００ａ）、（１００ｂ）を含む一次電気モータであり、取付部（１００ａ）、（１００ｂ）は、前記スイングアーム（１５）に固定して取り付けられた前記少なくとも１つの取付ボス（１０２）、（１０３）（図２に示される）によって、前記スイングアーム（１５）の少なくとも一部に着脱可能に取り付けられるように構成される。スイングアーム（１５）は、トグルリンク（図示せず）によって車両フレーム（２００）の少なくとも一部に取り付けられる。スイングアーム（１０）の他端は後輪（３）を保持する。後輪（３）及びスイングアーム（１５）は、車両（１）の両側に設けられた対のショックアブソーバ（１８）によって、フレーム（２００）に接続される。さらに、一実施形態において、後輪（３）のハブ本体に組み込まれた、二次電気モータである第２の駆動源（３００）は、後輪（３）に回転駆動力を供給する。本発明の一実施形態において、車両（１）は、前記１つまたは複数の駆動源（１００）、（３００）のうちの第１の駆動源（１００）および第２の駆動源（３００）によって推進されるように構成される。

図２は、本発明の一実施形態による車両（１）における前記１つまたは複数の駆動源（１００）、（３００）及び前記１つまたは複数のエネルギ貯蔵装置（３０２）、（３０３）、（３０６）の取付けを示す、車両（１）の斜視図である。一実施形態において、前記１つまたは複数の駆動源（１００）、（３００）は、第１の駆動源（１００）および第２の駆動源（３００）を含む。第１の駆動源（１００）は、スイングアーム（１５）の前記少なくとも一部に着脱可能に取り付けられた一次電気モータ（１００）であり、第２の駆動源（３００）は、車両（１）の後輪（３）のハブ本体に取り付けられた二次電気モータである。

さらに、一実施形態によれば、前記車両（１）は、車両長手方向軸（ＡＡ）に沿って延びるフレーム（２００）を備える。一実施形態において、車両フレーム（２００）は、ヘッドチューブ（２０３）、ヘッドチューブ（２０３）の下部から斜め下方に延びるメインチューブ（２０４）、メインチューブ（２０４）の下部に接合され、いずれもメインチューブ（２０４）の下部から車両（１）の後部に向かって延びる対の左右フロアチューブ（２０１Ｌ）、（２０１Ｒ）、フロアチューブ（２０１Ｌ）、（２０１Ｒ）の両方の後端部に接合され、横方向に延びるクロスチューブ（２０５）、並びに車両（１）の上方及び後部に延びる対の左右リアフレーム（２０２Ｌ）、（２０２Ｒ）を含む。一実施形態において、リアフレーム（２０２Ｌ）、（２０２Ｒ）の前端部は、クロスチューブ（２０５）のそれぞれの左右端部に接合される。一実施形態によれば、スイングアーム（１５）は、フレーム（２００）に軸支され、後輪（３）を支持するように適合される。一実施形態を参照すると、シートアセンブリ（６）は、前記シート下カバー（７）の上方に配置され、フレーム（２００）の後部（Ｒ’）に取り付けられる。一実施形態において、前記車両（１）は、車両（１）を駆動するために前記１つ又は複数のエネルギ貯蔵装置（３０２）、（３０３）、（３０６）によって動力が供給される前記１つまたは複数の駆動源（１００）、（３００）を備える。

一実施形態によれば、前記１つまたは複数のエネルギ貯蔵装置（３０２）、（３０３）、（３０６）は、前記少なくとも１つの一次エネルギ貯蔵装置（３０６）及び前記少なくとも１つの補助エネルギ貯蔵装置（３０２）、（３０３）を含む。さらに、一実施形態によれば、前記補助エネルギ貯蔵装置（３０２）、（３０３）を収容するように構成された前記少なくとも１つの支持構造（３０８）は、前記第１の駆動源（１００）と前記シートアセンブリ（６）の下方に配置されたユーティリティボックスとの間に規定されたスペースに配置される。特に、前記少なくとも１つの支持構造（３０８）は第１の駆動源（１００）の上方に配置されて、前記少なくとも１つの支持構造（３０８）と車両駆動システム（２０）とが互いに個別に離間するようになっている。一実施形態において、前記少なくとも１つの支持構造（３０８）は、少なくとも１つのホルダ部材（３０１）によって、前記フレーム（２００）の後部（Ｒ’）の前記対の左右リアフレーム（２０２Ｌ）、（２０２Ｒ）の前記少なくとも一部に着脱可能に固定される。一実施形態において、前記少なくとも１つの支持構造（３０８）は、収容された前記少なくとも１つのエネルギ貯蔵装置（３０２）、（３０３）に冷却効果を提供するために、その少なくとも一部に形成された少なくとも１つの空気ガイド構造（３０８ａ）を含む。一実施形態によれば、前記少なくとも１つのホルダ部材（３０１）は、溶接によって前記フレーム（２００）の後部（Ｒ’）に固定して取り付けられる。一実施形態を参照すると、前記少なくとも１つの支持構造（３０８）は、前記車両長手方向軸（ＡＡ’）において前記スイングアーム（１５）からずれている。一実施形態において、前記少なくとも１つの支持構造（３０８）は、車両垂直軸（ＢＢ’）において前記第１の駆動源（１００）からずれている。一実施形態によれば、前記車両垂直軸（ＢＢ’）は、前記車両長手方向軸（ＡＡ’）に垂直である。一実施形態によれば、前記１つまたは複数のエネルギ貯蔵装置（３０２）、（３０３）、（３０６）の動作を管理するように構成された前記少なくとも１つのコントローラユニット（３０４）は、前記少なくとも１つの支持構造（３０８）に対して前方に配置される。一実施形態において、前記少なくとも１つのコントローラユニット（３０４）は、第１の駆動源（１００）および第２の駆動源（３００）に電力を供給するように適合される。

さらに、本発明の一実施形態によれば、スイングアーム（１５）は、前記少なくともその一部に固定して取り付けられた前記少なくとも１つの取付ボス（１０２）、（１０３）を含む。一実施形態によれば、第１の駆動源（１００）は、その少なくとも一部に一体に形成された前記少なくとも１つの取付部（１００ａ）、（１００ｂ）を含む。一実施形態において、前記少なくとも１つの取付部（１００ａ）、（１００ｂ）は、前記少なくとも１つの取付ボス（１０２）、（１０３）によって、一次電気モータである前記第１の駆動源（１００）を前記スイングアーム（１０）の前記少なくとも一部に着脱可能に取り付けるように構成される。一実施形態を参照すると、一次電気モータである前記第１の駆動源（１００）は、前記回転可能な出力軸と、出力軸の遠位端にある駆動部材（１０４）とを含む。さらに、一実施形態において、被駆動部材（３０７）が前記後輪（３）に接続される。本発明の一実施形態において、前記駆動部材（１０４）および被駆動部材（３０７）はプーリである。別の実施形態において、前記駆動部材（１０４）および被駆動部材（３０７）はスプロケットである。一実施形態によれば、前記駆動部材（３０７）は、車両後輪（３）の後輪車軸（３ａ）に位置合わせされる。一実施形態において、車両駆動アセンブリ（２０）は、第１の駆動源（１００）から前記後輪（３）への動力伝達のための前記伝達部材（１０１）を含む。一実施形態において、前記伝達部材（１０１）は、電気モータ（１００）の駆動部材（１０４）と後輪（３）の被駆動部材（３０７）との間に配置される。一実施形態によれば、前記伝達部材（１０１）はチェーンである。別の実施形態によれば、前記伝達部材（１０１）は駆動ベルトである。

さらに図２で、一実施形態によれば、前記１つ又は複数のエネルギ貯蔵装置（３０２）、（３０３）、（３０６）の動作を管理するように構成された前記少なくとも１つのコントローラユニット（３０４）は、前記少なくとも１つの取付けブラケット（３０４ａ）によって、前記少なくとも１つの支持構造（３０８）の前方に配置される。さらに、前記少なくとも１つの取付けブラケット（３０４ａ）は、前記対の左右リアフレーム（２０２Ｌ）、（２０２Ｒ）の少なくとも一部に固定して取り付けられる。一実施形態によれば、前記１つ又は複数のエネルギ貯蔵装置（３０２）、（３０３）、（３０６）は充電式電池である。一実施形態において、前記１つまたは複数のエネルギ貯蔵装置（３０２）、（３０３）、（３０６）は、前記少なくとも１つの一次エネルギ貯蔵装置（３０６）及び前記少なくとも１つの補助エネルギ貯蔵装置（３０２）、（３０３）を含む。一実施形態において、前記少なくとも１つの一次エネルギ貯蔵装置（３０６）は、前記対の左右フロアチューブフレーム（２０１Ｌ）、（２０１Ｒ）に着脱可能に取り付けられて、前記少なくとも１つの一次エネルギ貯蔵装置（３０６）が車両（１）の前記床板部（８）の下方に配置され、前記少なくとも１つの補助エネルギ貯蔵装置（３０２）、（３０３）が車両（１）の前記ユーティリティボックスの下方に配置されるようになっている。本発明の一実施形態を参照すると、前記１つ又は複数のエネルギ貯蔵装置（３０２）、（３０３）、（３０６）の充電を可能にするように構成された充電ユニット（図示せず）は、収納部材（３０５）に収容される。一実施形態において、収納部材（３０５）は、車両フレーム（２００）の前部（Ｆ’）に配置される。

一次電気モータおよび二次電気モータを含む前記１つ又は複数の駆動源の設置が、始動時の初期加速性能の向上、延長された走行距離などの車両性能、前記１つ又は複数の駆動源を収容するための車両の少なくとも一部における設計の柔軟性、及び車両の１つ又は複数の変形形態、例えば、前記１つ又は複数のエネルギ貯蔵装置を車両に設置する必要のある、エンジン、電気モータ、又はその両方によって動力を供給される車両を実現するための顧客および市場の要求に依存する、改良された純粋な電動サドル型車両を提供することが有利である。さらに、有利には、本発明は、既存のハイブリッド駆動サドル型車両のレイアウトに構造上の変更を加えることなく、内燃機関を１つ又は複数の駆動源に置き換えて、前記１つ又は複数の駆動源が、既存のハイブリッドサドル型車両のエンジン取付スペースのスペース制限および重量制限内で着脱可能に取り付けられるように構成されるようにした、改良された純粋な電動二輪車を提供する。したがって、一実施形態によれば、本発明は、変換の容易さ、発電及び使用の最適化に主に重点を置いて設計された、改良された純粋な電動サドル型車両を提供する。

本発明の範囲から逸脱することなく、改良及び変更を本明細書に組み込むことができる。

Claims (10)

1. サドル型二輪車（１）であって、
   車両長手方向軸（ＡＡ）に沿って延びるフレーム（２００）と、
   前記フレーム（２００）に軸支され、後輪（３）を支持するように適合されたスイングアーム（１５）と、
   前記後輪（３）に駆動力を供給するように構成された１つ又は複数の駆動源（１００）、（３００）を含む駆動システム（２０）とを備え、
   前記１つ又は複数の駆動源（１００）、（３００）が、第１の駆動源（１００）及び第２の駆動源（３００）を含み、
   前記第１の駆動源（１００）が、その少なくとも一部に一体に形成された少なくとも１つの取付部（１００ａ）、（１００ｂ）を含み、
   前記少なくとも１つの取付部（１００ａ）、（１００ｂ）が、前記第１の駆動源（１００）を前記スイングアーム（１５）の少なくとも一部に着脱可能に取り付けるように構成され、
   前記第２の駆動源（３００）が、前記後輪（３）に着脱可能に取り付けられている、サドル型二輪車（１）。
2. 前記第１の駆動源（１００）が一次電気モータである、請求項１に記載のサドル型車両（１）。
3. 前記第２の駆動源（３００）が二次電気モータである、請求項１に記載のサドル型車両（１）。
4. 前記第２の駆動源（３００）が、前記車両（１）の前記後輪（３）のハブに一体に取り付けられている、請求項３に記載のサドル型車両（１）。
5. 前記第１の駆動源（１００）が、回転可能な出力軸と、前記出力軸の遠位端にある駆動部材（１０４）とを含む、請求項１に記載のサドル型車両（１）。
6. 前記スイングアーム（１５）が、その少なくとも一部に固定して取り付けられた少なくとも１つの取付ボス（１０２）、（１０３）を含む、請求項１に記載のサドル型車両（１）。
7. 前記少なくとも１つの取付部（１００ａ）、（１００ｂ）が、前記少なくとも１つの取付ボス（１０２）、（１０３）によって、前記第１の駆動源（１００）を前記スイングアーム（１５）の少なくとも一部に着脱可能に取り付けるように構成されている、請求項１または６に記載のサドル型車両（１）。
8. 前記駆動システム（２０）が、前記第１の駆動源（１００）から前記後輪（３）への動力伝達のために適合された伝達部材（１０１）を含む、請求項１に記載のサドル型車両（１）。
9. 前記伝達部材（１０１）が、前記第１の駆動源（１００）の前記駆動部材（１０４）と前記後輪（３）の被駆動部材（３０７）との間に配置されている、請求項８に記載のサドル型車両（１）。
10. 前記第１の駆動源（１００）が、１つ又は複数のエネルギ貯蔵装置（３０２）、（３０３）、（３０６）を中に保持するように構成された少なくとも１つの支持構造（３０８）から車両垂直軸（ＢＢ’）においてずれている、請求項１に記載のサドル型車両（１）。

Images