JP2022523295A - 発疱剤および苛性ガスの毒性作用を緩和する方法 - Google Patents

発疱剤および苛性ガスの毒性作用を緩和する方法 Download PDF

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Abstract

それを必要とする対象における発疱剤および苛性ガスのうちの少なくとも1つの毒性作用を緩和するための方法およびキットが記載される。特に、有効量の、RWJ-800088またはロミプロスチムなどのトロンボポエチン(TPO)模倣剤が、前記発疱剤または苛性ガスの前記毒性作用を緩和するのに使用される。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、その開示が、参照によりその全体において本明細書に組み込まれる、2019年1月25日に出願された、米国特許出願第62/796,754号明細書の利益を主張する。
電子的に提出される配列表への言及
本出願は、EFS-Webを介して、ASCIIでフォーマットされ、ファイル名を「Sequence Listing for 688097.0953/457WO」とし、作成日を2020年1月23日とし、約3.6kbのサイズを有する配列表として提出される配列表を含有する。EFS-Webを介して電子的に提出される配列表は、本明細書の一部であり、参照によりその全体において本明細書に組み込まれる。
本出願は、それを必要とする対象における発疱剤および苛性ガスのうちの少なくとも1つの毒性作用を緩和する方法およびキットに関する。特に、本出願は、対象に有効量のトロンボポエチン(TPO)模倣剤を投与するステップを含む方法のほか、有効量のTPO模倣剤および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を含むキットに関する。
化学兵器の脅威への準備をとりまとめる軍事戦略家は、発疱剤および苛性ガスの使用を伴うテロ活動に対する危険性の増大を予期している。これらの物質を作製するのに要求される、技術的熟練度の低さ、ならびに試薬および装置の低廉さは、自国および戦場に対するテロ攻撃を行う過激派集団による使用の可能性を増大させる。
発疱剤および苛性ガスへの吸入曝露は、浮腫、微小出血、細胞流入、および内皮/上皮細胞の損傷により、顕著な急性肺損傷を誘導することが公知である。記録されたヒト曝露症例のうちの小さな比率の症例では、毒性ガスのレベルは、短期間内に、死亡をもたらすのに十分な高レベルであった。しかし、曝露インシデントの生存者のうちのはるかに大きな比率の生存者について、消耗性の急性作用は、線維化促進性過程の共時的な発生と共に、徐々に治まるが、これは、長期の罹患に寄与する不可逆的肺線維症をもたらす。
個人的な防護装置(すなわち、ガスマスク)は、曝露を防止するのに使用される場合があり、環境への放出後に、これらの反応性物質を中和するように、特殊な種類の反作用剤が開発されつつあるが、ヒトの曝露直後に、これらの物質の毒性作用を緩和するための選択肢は、限定されている。
例えば、米国特許出願公開第2003/0083321号明細書は、マスタードガス、および発疱疹型反応を引き起こす他の薬剤などの発疱剤の有害作用を最小化または回避するための、組成物および方法を開示する。組成物は、好ましくは、少なくとも1つのプロテアーゼ阻害剤と組み合わせた、少なくとも1つのマトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤を含む。
国際特許出願公開第2014028509号パンフレットは、マスタードガスおよび窒素マスタードへの曝露から生じる骨髄損傷を有する対象を処置する方法を開示した。方法は、トロンボポエチン(TPO)模倣剤などのc-Mpl受容体アゴニストを投与するステップを伴う。国際特許出願公開第2008/086025号パンフレットもまた、エリスロポエチン活性またはトロンボポエチン(TPO)活性を有する化合物を投与することにより、呼吸器障害を処置する方法を開示する。
TPOは、巨核球上および既存の血小板(ネガティブフィードバックをもたらす)上のc-MPLに結合する(血小板の成熟を刺激するように)ことにより、血小板レベルを調節することが公知である(Mitchell and Bussell, Semin. Hematol. 52(1):46-52 (2015))。TPOはまた、血管内皮細胞上に配置されたc-mpl受容体に結合することにより、血管系にも、直接作用する(Langer et al., J. Mol. Cell Cardiol. 47(2):315-25 (2009))。ドキソルビシン媒介性心血管損傷(Chan et al., Eur. J. Heart Fail. 13(4):366-76 (2011))、心血管虚血症再灌流損傷(Baker et al., Cardiovasc. Res. 77(1):44-53 (2008))、および脳卒中(Zhou et al., J. Cereb Blood Flow Metab. 31(3):924-33 (2011))についての動物モデルにおける、トロンボポエチンの、直接的な血管保護効果を裏付ける、いくつかの研究がなされている。しかし、組換えヒトTPO(rhTPO)は、慢性血小板減少症をもたしうる、内因性TPOに対する、交差反応性の抗体の誘導のために、ヒトにおいて実施可能な治療ではない(Li et al., Blood 98(12):3241-8 (2001))。
ヒトの曝露後における発疱剤および苛性ガスの毒性作用を緩和する新たな方策が必要とされている。
今や、トロンボポエチン(TPO)模倣剤が、発疱剤誘導性損傷についての多数の評価項目に対する著明な緩和効果を有することが発見された。これらの評価項目の多くは、TPO模倣剤が血管保護剤として機能する能力と関連する。
したがって、1つの一般的な態様では、本出願は、発疱剤または苛性ガスに曝露された対象における、発疱剤および苛性ガスのうちの少なくとも1つの毒性作用を緩和する方法に関する。方法は、それを必要とする対象に有効量のトロンボポエチン(TPO)模倣剤を投与するステップを含み、この場合、好ましくは、TPO模倣剤は配列番号1のアミノ酸配列を含み、より好ましくは、TPO模倣剤がRWJ-800088またはロミプロスチムである。
ある特定の実施形態では、対象は、発疱剤の毒性作用の緩和を必要とする。発疱剤は、例えば、蒸留マスタード、マスタードガス、マスタード/ルイサイト、マスタード/T、窒素マスタード、セスキマスタード、硫黄マスタード、ホスゲンオキシム、カンタリジン、およびフラノクマリンからなる群から選択されうる。
ある特定の実施形態では、対象は、苛性ガスの毒性作用の緩和を必要とする。苛性ガスは、例えば、硫化水素、フッ化水素、塩化水素、臭化水素、シアン化水素、アルシン、ホスフィン、一酸化窒素、二酸化窒素、二酸化硫黄、オゾン、塩素、メチルアミン、およびアンモニアからなる群から選択されうる。
ある特定の実施形態では、毒性作用は、血管損傷、微小出血、細胞流入、肺線維症、死亡、および罹患からなる群から選択される1つまたは複数であり、毒性作用は、発疱剤および苛性ガスのうちの少なくとも1つにより誘導される。好ましくは、毒性作用は肺微小出血である。
急性肺損傷および急性呼吸器逼迫症候群は、肺内の発疱剤および化学的毒性物質により発生する反応性酸素分子種と同様の、反応性酸素分子種の発生と関連する発症機序を有する。化学損傷と同様に、急性肺損傷(ALI)、およびその最も重度の形態である、急性呼吸器逼迫症候群(ARDS)などの病理学的状態下における酸素ラジカルの過剰な発生は、内皮透過性の増大、血管系の微小血管の接合部の完全性の喪失、ならびに肺胞内腔内の溶質および流体の移動をもたらす。したがって、本開示は、それを必要とする対象における酸化ストレスの毒性作用を緩和する方法であって、対象に有効量のTPO模倣剤を投与するステップを含む方法を提示する。また、それを必要とする対象における内皮損傷の毒性作用を緩和する方法であって、対象に有効量のTPO模倣剤を投与するステップを含む方法も開示される。さらに別の実施形態では、それを必要とする対象における酸化ストレスおよび内皮損傷の毒性作用を緩和する方法であって、対象に有効量のTPO模倣剤を投与するステップを含む方法が提供される。酸化ストレスまたは内皮損傷について提供される方法は、それを必要とする対象に、有効量の、一部の実施形態では、配列番号1のアミノ酸配列を有しうるTPO模倣剤を投与するステップを含み、TPO模倣剤は、代替的に、RWJ-800088であることが可能であり、投与されるTPO模倣剤はまたロミプロスチムでもありうる。
本明細書で提示される通り、RWJ-800088またはロミプロスチムなど、記載されるTPO模倣剤は、化学的発疱剤または苛性ガスへの曝露と関連する毒性作用を緩和するように、対象に投与されうる。
別の一般的態様では、本出願は、発疱剤または苛性ガスに曝露された対象における、発疱剤および苛性ガスのうちの少なくとも1つの毒性作用を緩和するキットに関する。キットは、有効量のTPO模倣剤および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物と、発疱剤による損傷を緩和するための少なくとも1つのさらなる治療剤またはデバイスとを含む。任意選択で、キットは、TPO模倣剤を対象に投与するためのツールをさらに含む。好ましくは、キットは、配列番号1のアミノ酸配列を有するTPO模倣剤、より好ましくは、RWJ-800088またはロミプロスチムであるTPO模倣剤を含む。
前出の「発明の概要」、ならびに本出願の好ましい実施形態についての、以下の「発明を実施するための形態」は、添付の図面と共に読まれた場合に、よりよく理解されるであろう。しかし、本出願は、図面に示された、正確な実施形態に限定されないことを理解されたい。
BAL中の気管支肺胞洗浄液(BAL)の光学密度およびWBCカウントにより査定される、TPOm処置の、出血に対する効果を示す図である。研究では、雄Wistarラットの群に、窒素マスタード(NM)を施した。6時間後に、ラットを、媒体またはTPOmで処置した。3日目に、FSE(T2重み付け)シーケンスを使用して、NMへの曝露により誘導される肺浮腫の範囲を特徴付けるMRIスキャンを、ラットに対して行った。イメージングの後、ラットを安楽死させ、肺を、PBSで洗浄し、標準的な方法を使用して、気管支肺胞洗浄液(BAL)中の赤血球(RBC)、白血球(WBC)のレベル、線維化促進因子である、形質転換増殖因子ベータ1(TGF-1b)の濃度を決定した。図1Aは、RBC含量を示し、図1Bは、WBC含量を示し、TPOmの投与が、NMへの曝露により誘導される、肺の微小出血および気腔へのWBCの流入を減殺することを指し示す。図1Cは、NM±TPOmによる処置の後におけるBAL液中のTGF-1bの濃度を示し、TPOmが、TGF-1bのNM誘導性上昇を低減した(p<0.05)ことを指し示す。 (上記の通り。) 気管支肺胞洗浄液(BAL)中の細胞成分内で観察される、ロミプロスチム処置の、TPOmと比較した血管保護効果を示す図である。研究では、雄Wistarラットの群に、窒素マスタード(NM)を施した。6時間後に、ラットを、媒体、ロミプロスチム、またはTPOmで処置した。4日目に、BAL中の赤血球の相対レベルを、BALについてのデジタル画像に視覚化し(図2A)、試料の、540nmにおける吸光度を測定することにより定量する(図2B)一方で、白血球(WBC)数は、血球計計数(図2C)により決定した。図2Aは、BALの赤色(白黒中のダークグレーとして示される)(RBC含量を示す)を示し、2Bは、これもまた、RBC含量を示す、光学密度の差を示す。図2Cは、WBC含量を示し、ロミプロスチムおよびTPOmのいずれの投与も、NMへの曝露により誘導される、肺の微小出血および気腔へのWBCの流入を減殺することを指し示す。 (上記の通り。) 剖検における肉眼臓器病理学で観察される、TPOmの血管保護効果を示す図である。前述の研究で、ラットを安楽死させた後、開胸手術を施し、下行血管を切断した。虚脱肺の外側の血液を、リン酸緩衝生理食塩液(PBS)で、静かにすすぎ、湿らせた手術用パッドでブロットした。肺血管系を、PBSで灌流せずに、肺を、デジタル撮影した。図3Aが、肺血管系内に含有される血液を反映する、媒体対照群内のラットに由来する肺を示すのに対し、図3Bは、低減された灌流により取り囲まれた、多数の胸膜下微小出血部位(矢印)を呈するNMに曝露されたラットの肺を示す。図3Cは、微小出血部位の重症度および数は、NM単独で処理されたラットと比較して、顕著に低減されたことを示す(図3B)。これらの結果は、TPOmが、NMへの曝露後における、微小出血および細胞流入の発生と関連する、重度の血管損傷を防止することを指し示す。 (上記の通り。) 3、42、および70日目において、T2重み付けシーケンスを使用するMRイメージングにより測定される、NMへの曝露の後に発症および回復するNM誘導性肺浮腫に対するTPOmの効果を示す図である。TPOmの単回投与を、NM曝露の6時間後に行う場合の3日目に、平均値浮腫体積は、NM処理群についての1736mmから1592mm、およびNM/TPOm処置群についての1387mmに低減されるが、この効果は、統計学的に有意ではない。2回目のTPOm投与を、7日目、または7および14日目に行う場合の後続の時点では、42日目および70日目における平均値肺浮腫体積が、NMへの曝露後にTPOmで処置されるラットにおいて、NM単独に曝露される被験群と比較して小さかった(6時間後および7日目におけるTPOm群について、p=0.0104であり、6時間後、7日後、および14日後におけるTPOm群について、p=0.0770である)ことは、TPOmが、浮腫の消散を加速化させることを示唆する。 TPOmの、NM誘導性肺線維症に対する効果を示す図である。TPOmの、肺線維症の発生に対する効果について検討する、長期慢性研究では、NM発疱剤による処理後のラットに、TPOmの複数回(2または3回にわたる)投与を施した。次いで、曝露後長期間を通じて、MRIを、定期的に行って、肺浮腫のレベルを査定した。曝露の70日後、ラットの肺を、天然の肺容量を維持するように、in situで膨張状態に固定した。次いで、肺を切り出し、ホルマリン中で、一晩にわたり固定し、コラーゲンに対して高結合アフィニティーを呈する、マイクロCTX線造影剤である、リンタングステン酸(PTA)との平衡化により、ex vivoマイクロCTイメージングのために加工した。このPTA加工法は、肺内の線維症の発症の、二次元および三次元における定量および視覚化を可能とする。マイクロCTスキャニング後に、肺を、4日間にわたり、70%エタノールに移して、リンタングステン酸(PTA)を除去し、組織学的査定のために加工した。図5Aは、TPOmが、NM曝露肺内の線維症性状態の多数の要素を、有意に減少させたことを示すデータ(媒体対照についての4.33と対比した、TPOm処置についての、2.11および1.89の線維症スコア)を表解する。図5Bは、PTA処置肺の放射線密度を表す、グレースケールのCT画像を示し、TPOmは、NM曝露ラットの肺内の、肺全体にわたり分布した、ライトグレーの点状病巣として現れる、コラーゲン含有線維症性病変の数を低減し、分布を変更することを指し示す。 NM誘導性死亡作用を示す図である。ラットの群を、LD50であると推定されるNMの用量で処置した。動物を、通常の靴箱飼育に戻し、毎日秤量し、研究期間を通して、高頻度で観察した。図6は、TPOmの投与が、NMへの曝露後における寿命を延長することが可能であり、少数の死亡をもたらしたことを裏付ける。体重の低減は、NM/媒体処置群について、NM/TPOm処置群と比較して大きく、顕著な(5%~7%、約20グラム)体重減少の保護は、TPOm処置と関連し、これはまた、この薬剤の、罹患に対する緩和効果も示唆する。
本開示は、少なくとも部分的に、それを必要とする対象における発疱剤および苛性ガスのうちの少なくとも1つの毒性作用を緩和するための治療剤としての、トロンボポエチン(TPO)模倣剤の同定に基づく。TPO模倣剤は、製剤化され、毒性作用に対して保護するように、発疱剤または苛性ガスに曝露されるか、または曝露されることになる対象に投与されうる。
多様な刊行物、論考、および特許が、「背景技術」において、かつ、本明細書を通して引用または記載されるが、これらの参考文献の各々は、参照によりその全体において本明細書に組み込まれる。本明細書に組み込まれている、文献、活動、材料、デバイス、論考などについての議論は、本発明のための文脈を提示することを目的とする。このような議論は、これらの対象物のうちのいずれかまたは全てが、開示されるか、または特許請求される、任意の発明に関して、先行技術の一部を形成することの容認ではない。
そうでないことが規定されない限りにおいて、本明細書で使用される、全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者に、一般に理解されている意味と同じ意味を有する。そうでない場合、本明細書で使用される、ある特定の用語は、本明細書で明示される意味を有する。
本明細書および付属の特許請求の範囲で使用される、単数形の「ある(a)」、「ある(an)」、および「その」は、そうでないことが文脈により明確に指示されない限りにおいて、複数の指示対象を含むことに注意されたい。
そうでないことが言明されない限りにおいて、本明細書で記載される、濃度または濃度範囲など、任意の数値は、全ての場合において、「約」という用語により修飾されていると理解されるものとする。したがって、数値は、典型的に、列挙された値の±10%を含む。例えば、1mg/mLの濃度は、0.9mg/mL~1.1mg/mLを含む。同様に、1%~10%(w/v)の濃度範囲は、0.9%(w/v)~11%(w/v)を含む。本明細書で使用される数値範囲の使用は、そうでないことを文脈が明確に指示しない限りにおいて、明示的に、全ての可能な部分範囲、このような範囲内の整数、および値の割合を含む、この範囲内の全ての個別の数値を含む。
そうでないことが指し示されない限りにおいて、一連の要素に前置される、「少なくとも」という用語は、一連のあらゆる要素を指すように理解されるものとする。当業者は、規定の実験だけを使用して、本明細書で記載される、本発明の実施形態に特異的な、多くの同等物を認識するか、またはこれを確認することができるであろう。このような同等物は、本発明により包摂されることが意図される。
本明細書で使用される、「~を含む(comprises)」、「~を含むこと(comprising)」、「~を含む(includes)」、「~を含むこと(including)」、「~を有する」、「~を有すること」、「~を含有する」、または「~を含有すること」という用語、またはこれらの他の任意の変化形は、言明された整数または整数の群の包含を含意し、他の任意の整数または整数の群の除外を含意しないように理解され、非除外的であるか、またはオープンエンドであることが意図される。例えば、要素のリストを含む、組成物、混合物、工程、方法、品目、または装置は、必ずしもこれらの要素だけに限定されず、明示的に列挙されてもおらず、このような組成物、混合物、工程、方法、品目、または装置固有でもない、他の要素を含みうる。さらに、逆のことが明示的に言明されない限りにおいて、「または」とは、除外的な「または」ではなく、包含的な「または」を指す。例えば、条件AおよびBは、以下:Aは、真であり(または存在する)、Bは、偽である(または存在しない);Aは、偽であり(または存在しない)、Bは、真である(または存在する);ならびにAおよびBのいずれも、真である(または存在する)のうちのいずれか1つにより満たされる。
本明細書の、列挙される、複数の要素の間で使用される接続詞である、「および/または」という用語は、個別の選択肢および選択肢の組合せの両方を包摂するものと理解される。例えば、2つの要素が、「および/または」により接続される場合、第1の選択肢は、第2の要素を伴わない、第1の要素の適用可能性を指す。第2の選択肢は、第1の要素を伴わない、第2の要素の適用可能性を指す。第3の選択肢は、第1の要素と、第2の要素とを併せた適用可能性を指す。これらの選択肢のうちのいずれか1つは、用語の意味の範囲内に収まることが理解されるので、本明細書で使用される「および/または」という用語の要件を満たす。1つを超える選択肢の、共時的な適用可能性もまた、用語の意味の範囲内に収まることが理解されるので、「および/または」という用語の要件を満たす。
本明細書で使用される、本明細書および特許請求の範囲を通して使用される、「~からなる」という用語、または「~からなる」もしくは「~からなること」など、これらの変化形は、列挙される、任意の整数または整数の群の包含を指し示すが、さらなる整数または整数の群が、指定された方法、構造、または組成物に付加されることは指し示さない。
本明細書で使用される、本明細書および特許請求の範囲を通して使用される、「~から本質的になる」という用語、または「~から本質的になる」もしくは「~から本質的になること」など、これらの変化形は、列挙される、任意の整数または整数の群の包含と、指定された方法、構造、または組成物の、基本的特性または新規の特性を実質的に変化させない、列挙される、任意の整数または整数の群の、任意選択の包含とを指し示す。M.P.E.P.§2111.03を参照されたい。
本明細書で使用される、「対象」は、本発明の実施形態に従う方法により処置されるか、または処置された、任意の動物、好ましくは、哺乳動物、最も好ましくは、ヒトを意味する。本明細書で使用される、「哺乳動物」という用語は、任意の哺乳動物を包摂する。哺乳動物の例は、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ネコ、イヌ、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、サル、ヒトなど、より好ましくは、ヒトを含むがこれらに限定されない。
「右」、「左」、「下」、および「上」とは、参照される図面内の方向を指示する。
また、好ましい発明の構成要素の寸法または特徴に言及する場合に、本明細書で使用される、「約(about)」、「約(approximately)」、「一般に」、「実質的に」という用語、および同様の用語が、当業者により理解される通り、記載される寸法/特徴が、厳密な境界またはパラメータではなく、機能的に同じであるか、または同様である、この寸法/特徴からのわずかな変動を除外しないことを指し示すことも理解されたい。最低でも、数値パラメータを含む、このような言及は、当技術分野において許容される、数学的原理および業界的原則(例えば、丸め、測定誤差または他のシステム誤差、製造公差など)を使用すれば、最小有効数字を変動させないばらつきを含むであろう。
本明細書で使用される、「毒性作用」という用語は、発疱剤または苛性ガスへの曝露後の対象における、発疱剤または苛性ガスの急性毒性および/または慢性毒性を指す。「毒性作用」という用語は、浮腫、血管損傷、肺微小出血などの微小出血、細胞流入、内皮/上皮細胞の損傷、または肺線維症を指す場合があるがこれらに限定されない。「毒性作用」という用語はまた、死亡または罹患でもありうる。
本明細書で使用される、「発疱剤」という用語は、毒性であり、典型的に、化合物と接触するか、または化合物の周囲にある組織に対して、長期にわたり持続する損傷を引き起こす化合物を指す。発疱剤は、皮膚、眼、および粘膜の、重度の疼痛および刺激を引き起こしうる。発疱剤の例は、蒸留マスタード、マスタードガス、ルイサイト、マスタード/ルイサイト、マスタード/T、窒素マスタード、セスキマスタード、硫黄マスタード、ホスゲンオキシム、カンタリジン、またはフラノクマリンを含むがこれらに限定されない。発疱剤はまた、重度の化学火傷を引き起こし、罹災した人の体表に有痛の水疱をもたらすそれらの能力により命名されたびらん剤も含みうる。
大半の発疱剤は、3つの群:マスタードガスを含む、硫黄ベースの薬剤のファミリーである、硫黄マスタード;硫黄マスタードと同様の薬剤ファミリーであるが、硫黄ではなく、窒素に基づく、窒素マスタード;第一次大戦中に開発されたが、使用されなかった、初期の発疱剤である、ルイサイトのうちの1つに収まる。ネトル剤(掻痒剤)ともまた称する、ホスゲンオキシムもまた、発疱剤の中に含まれる。「発疱剤」という用語は、化学物質の流出または化学兵器により引き起こされる、大規模な火傷との関連で使用されることが多いが、カンタリジンなど、一部の自然発生物質もまた、水疱誘発剤(発疱剤)である。別の自然発生発疱剤である、フラノクマリンもまた、例えば、皮膚光感受性を、大幅に増大させることにより、発疱剤効果を、間接的に引き起こしうる。
本明細書で使用される、「苛性ガス」という用語は、化学反応により、接触した体内組織に対して、火傷または腐食を引き起こすことが可能なガスを指す。苛性ガスの例は、硫化水素、フッ化水素、塩化水素、臭化水素、シアン化水素、アルシン、ホスフィン、一酸化窒素、二酸化窒素、二酸化硫黄、オゾン、塩素、メチルアミン、またはアンモニアを含むがこれらに限定されない。苛性ガスは、化学反応により、接触した体内組織を、火傷または腐食させる能力を有しうる。一般に、3種類の苛性ガス:酸性ガス、塩基性ガス、および酸化ガスが存在する。
本明細書で使用される、「さらなる治療剤」という用語は、TPOまたはTPO模倣剤と共に投与された場合に、有利な特性を裏付けることが公知であるか、またはこれを裏付ける、任意の化合物または治療剤を指す。このような薬剤の例は、鎮痛剤、消毒剤、他のTPO模倣剤、他のサイトカイン、可溶性mpl受容体、造血因子、インターロイキン、増殖因子または抗体、および化学療法剤を含みうるがこれらに限定されない。他のサイトカインは、幹細胞因子(SCF)、インターロイキン3(IL-3)、またはFlt-3リガンドでありうる(Ku et al., Blood, 87:4544-4551 (1996);Sitnicka et al., Blood, 87:4998-5005 (1996))。特に、さらなる治療剤は、アトロピン、アトロピン硫酸、ホマトロピン、麻薬性鎮痛剤、またはN-アセチルシステイン(NAC)でありうる。
TPO模倣剤
本明細書で使用される、「TPOm」、「TPO模倣剤」、または「トロンボポエチン模倣剤」とは、トロンボポエチン受容体に結合し、これを活性化させることが可能なペプチドを含む化合物を指す。好ましくは、本発明に有用なTPO模倣剤内で、トロンボポエチン受容体に結合し、これを活性化させることが可能なペプチドは、トロンボポエチン(TPO)との著明な相同性を有さない。TPOとの相同性の欠如は、TPO抗体の発生の潜在的可能性を低減する。TPO模倣剤内で有用なこのようなペプチドの例は、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる、米国公開第2003/0158116号明細書;同第2005/0137133号明細書;同第2006/0040866号明細書;同第2006/0210542号明細書;同第2007/0148091号明細書;同第2008/0119384号明細書;米国特許第5,869,451号明細書;同第7,091,311号明細書;同第7,615,533号明細書;同第8,227,422号明細書;国際特許公開第2007/021572号パンフレット;同第2007/094781号パンフレット;および同第2009/148954号パンフレットにおいて記載されているペプチドを含むがこれらに限定されない。より好ましくは、本発明に有用なTPO模倣剤内で、トロンボポエチン受容体に結合し、これを活性化させることが可能なペプチドは、ペプチドの1つまたは複数の特性を改善する部分に共有結合で連結している。非限定的例として述べると、部分は、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール、ポリ乳酸、およびポリグリコール酸を含むがこれらに限定されない、親水性ポリマーでありうる。部分はまた、Fc領域またはアルブミンなどのポリペプチドでもありうる。
好ましい実施形態では、本発明に有用なTPO模倣剤は、アミノ酸配列:IEGPTLRQXaaLAARYaa(配列番号1)[配列中、Xaaは、トリプトファン(W)またはβ-(2-ナフチル)アラニン(本明細書では、「2-Nal」と称する)であり、Yaaは、アラニン(A)またはサルコシン(本明細書では、「Sar」と称する)である]を有するペプチドを含む。好ましくは、配列番号1のペプチドは、PEGに共有結合で連結しているか、またはFcドメインに融合している。
一部の実施形態では、本発明に有用なTPO模倣剤は、PEG、好ましくは、約5,000~約30,000ドルトンの間の平均分子量を有するPEGに共有結合で連結している配列番号1のペプチドを含む。好ましくは、PEGは、モノメトキシポリエチレングリコール(MePEG-OH)、モノメトキシポリエチレングリコールコハク酸エステル(MePEG-S)、モノメトキシポリエチレングリコールスクシンイミジルコハク酸エステル(MePEG-S-NHS)、モノメトキシポリエチレングリコールアミン(MePEG-NH2)、モノメトキシポリエチレングリコールトレシル酸エステル(MePEG-TRES)、およびモノメトキシポリエチレングリコールイミダゾイルカルボニル(MePEG-IM)からなる群から選択される。ペプチドのPEG化は、効力の喪失を伴わずに、化合物のクリアランスの低減をもたらす。例えば、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,576,056号明細書を参照されたい。
好ましい一実施形態では、本発明に有用なTPO模倣剤は、RWJ-800088またはその誘導体である。本明細書で使用される、「RWJ-800088」とは、以下:
Figure 2022523295000002
の通りのリシンアミド残基により連結している、2つの同一な14マー(配列番号2)を有し、各N末端のイソロイシン、または薬学的に許容されるその塩もしくはエステルに共有結合で連結しているメトキシポリ(エチレングリコール)(MPEG)を有する、29マーのペプチドを指す。したがって、RWJ-800088は、2つの、配列番号1の、14アミノ酸のペプチド鎖[配列中、Xaaは、2-Nalであり、Yaaは、リシンアミド残基により連結しているSarであり、各N末端のイソロイシンは、メトキシポリエチレングリコール(MPEG)鎖に連結している]から構成される。したがって、RWJ-800088は、(MPEG-Ile-Glu-Gly-Pro-Thr-Leu-Arg-Gln-(2-Nal)-Leu-Ala-Ala-Arg-(Sar))-Lys-NH[配列中、(2-Nal)は、ベータ-(2-ナフチル)アラニンであり、(Sar)は、サルコシンであり、MPEGは、メトキシポリ(エチレングリコール)、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルである]の分子構造の略記を有する。好ましくは、MPEGは、約20,000ドルトンの分子量を有するか、またはメトキシポリエチレングリコール20000を表す。
一実施形態では、RWJ-800088は、式(I):
Figure 2022523295000003
の分子構造、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを有する。
好ましい実施形態では、RWJ-800088中のMPEGは、メトキシポリエチレングリコール20000であり、RWJ-800088は、メトキシポリエチレングリコール20000-プロピオニル-L-イソロイシル-L-グルタミル-グリシル-L-プロリル-L-トレオニル-L-ロイシル-L-アルギニル-L-グルタミニル-L-2-ナフチルアラニル-L-ロイシル-L-アラニル-L-アラニル-L-アルギニル-サルコシル-Ne-(メトキシポリエチレングリコール20000-プロピオニル-L-イソロイシル-L-グルタミル-グリシル-L-プロリル-L-トレオニル-L-ロイシル-L-アルギニル-L-グルタミニル-L-2-ナフチルアラニル-L-ロイシル-L-アラニル-L-アラニル-L-アルギニル-サルコシル-)-リシンアミドの完全化学名、または薬学的に許容されるその塩もしくはエステルを有する。PEGを伴わないペプチドの分子量は、3,295ドルトンであり、20,000ドルトンのMPEG鎖2つを伴うペプチドの分子量は、約43,295ドルトンである。
一部の実施形態では、本発明に有用なTPO模倣剤は、Fcドメインに融合している配列番号1のペプチドを含む。ペプチドの、Fcドメインへの融合は、in vivoにおいて、ペプチドを安定化させうる。例えば、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,660,843号明細書を参照されたい。
別の好ましい実施形態では、本発明に有用なTPO模倣剤は、ロミプロスチムである。本明細書で使用される、「ロミプロスチム」とは、配列番号1のペプチド[配列中、Xaaは、Wであり、Yaaは、Aである]のN末端イソロイシンに連結しているFcドメインを有する融合タンパク質を指す。特に、ロミプロスチムは、以下:
Figure 2022523295000004
のアミノ酸配列を有する。ロミプロスチムは、IEGPTLRQWLAARA(配列番号3)の、トロンボポエチン受容体結合性ドメインのアミノ酸配列を有する。
投与量および投与
本発明では、本発明者らは、TPO模倣剤が、ヒトの曝露後における、発疱剤または苛性ガスの毒性作用に対して、著明な緩和効果を有することを発見した。したがって、本発明の方法は、それを必要とする対象に有効量のTPO模倣剤を投与し、これにより、発疱剤に曝露された対象、または苛性ガスに曝露された対象など、それを必要とする対象における、血管損傷、肺出血、炎症細胞の、肺気腔への流入、線維化促進性サイトカインの、肺内の蓄積、肺線維症の発症、発疱剤誘導性浮腫、発疱剤誘導性死亡、および発疱剤誘導性罹患など、NM誘導性肺損傷についての、1つまたは複数の急性評価項目および慢性評価項目に対する緩和を達成するステップを含む。
TPO模倣剤は、例えば、医薬担体または希釈剤と組み合わせた医薬組成物の有効成分として投与されうる。TPO模倣剤は、経口投与経路、肺内投与経路、非経口投与経路(筋内(IM)注射、腹腔内(IP)注射、静脈内(IV)注射、または皮下(SC)注射)、吸入(微粒粉末製剤を介する)投与経路、経皮投与経路、経鼻投与経路、膣内投与経路、直腸内投与経路、または舌下投与経路を介して投与される場合があり、各投与経路に適切な剤形で製剤化されうる。例えば、国際公開第1993/25221号パンフレット(Bernsteinら)は、非経口投与または腸内投与、好ましくは、経口投与により、外用投与される場合もあり、局所投与される場合もあり、全身投与される場合もある、エリスロポエチン(EPO)を含有する、生体分解性ポリマー製のマイクロスフェアを開示する。国際公開第1994/17784号パンフレット(Pittら)は、EPOが、肺内経路を介して、全身に投与される場合があり、このような送達が、他のEPO投与法と比較して、同等レベルの治療利益を結果としてもたらすことを開示する。同様の組成物および方法は、本開示のTPO模倣剤の投与のために使用されうる。
経口投与のための固体剤形は、カプセル、錠剤、丸剤、
粉末、および顆粒を含む。このような固体剤形では、活性ペプチド化合物は、スクロース、ラクトース、またはデンプンなど、少なくとも1つの、薬学的に許容される担体と混合される。このような剤形はまた、通常の慣行として、不活性の希釈剤以外のさらなる物質、例えば、ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤も含みうる。カプセル、錠剤、および丸剤の場合、剤形はまた、緩衝剤も含みうる。加えて、錠剤および丸剤は、腸溶性コーティングと共に調製されうる。
経口投与のための液体剤形は、薬学的に許容されるエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップを含み、エリキシル剤は、水など、当技術分野で一般に使用される、不活性の希釈剤を含有する。このような不活性の希釈剤のほかに、組成物はまた、保湿剤、乳化剤、懸濁剤、ならびに甘味剤、香味剤、および芳香剤などのアジュバントも含みうる。
非経口投与のための調製物は、滅菌の水溶液または非水溶液、懸濁液、またはエマルジョンを含む。非水性の溶媒または媒体の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油およびトウモロコシ油などの植物油、ゼラチン、ならびにオレイン酸エチルなどの注射用有機エステルである。このような剤形はまた、保存剤、保湿剤、乳化剤、および分散剤などのアジュバントも含有しうる。非経口投与のための調製物は、例えば、細菌保持フィルターを介する濾過により滅菌される場合もあり、滅菌剤を組成物に組み込むことにより滅菌される場合もあり、組成物を照射することにより滅菌される場合もあり、組成物を加熱することにより滅菌される場合もある。非経口投与のための調製物はまた、滅菌水を使用して製造される場合もあり、使用の直前に、何らかの、他の滅菌注射用媒体を使用して製造される場合もある。
TPO模倣剤の投与は、典型的に、筋内投与、皮下投与、または静脈内投与である。しかし、経皮投与、皮内投与、または経鼻投与など、他の投与方式も同様に想定されうる。筋内TPO模倣剤の投与は、注射針を使用して、TPO模倣剤組成物の懸濁液を注射することにより達成されうる。代替法は、組成物を投与するための無針注射デバイスの使用(例えば、Biojector(商標)を使用する)、またはTPO模倣剤組成物の凍結乾燥粉末である。
静脈内、経皮注射、もしくは皮下注射、または罹患部位における注射のために、TPO模倣剤組成物は、発熱物質非含有であり、適切なpH、等張性、および安定性を有する、非経口的に許容可能な水溶液の形態でありうる。当業者は、例えば、塩化ナトリウム注射用液、リンゲル注射用液、および乳酸加リンゲル注射用液などの等張性媒体を使用して、適切な溶液を調製することが十分に可能である。保存剤、安定化剤、緩衝剤、および抗酸化剤、ならびに/または他の添加剤も、要求に応じて組み入れられうる。徐放製剤もまた、援用されうる。
直腸内投与または膣内投与のための組成物は、好ましくは、活性TPO模倣剤に加えて、ココアバターまたは坐剤用蝋などの賦形剤を含有しうる坐剤である。経鼻投与または舌下投与のための組成物もまた、当技術分野で周知の、標準的な賦形剤により調製される。
典型的に、投与は、その曝露の前に、曝露時に、または曝露の後で、対象における発疱剤または苛性ガスの毒性作用を緩和することを治療目的および/または予防目的とするであろう。治療適用において、TPO模倣剤組成物は、発疱剤または苛性ガスへの曝露時に、または曝露の後で、対象に投与され、TPO模倣剤組成物は、毒性作用を治癒させるか、または毒性作用に対する緩和を、少なくとも部分的にもたらすのに十分な量で投与される。予防適用では、TPO模倣剤組成物は、発疱剤または苛性ガスへの曝露を受けやすいか、または曝露の危険性がある対象に、このような曝露の前に投与される。これらの状況の各々において、TPO模倣剤組成物の量は、曝露の状態および性格(例えば、発疱剤または苛性ガスの類型および濃度、曝露の長さ)、および対象の身体的特徴(例えば、身長、体重など)に依存するであろう。
TPO模倣剤を含有する、薬学的に許容される組成物は、対象に投与され、対象における発疱剤または毒性ガスの毒性作用の緩和をもたらす。毒性作用を緩和するのに十分な組成物の量は、組成物の「有効用量」または「有効量」であると規定される。
本明細書で提示される方法のために、対象に投与される、TPO模倣剤の有効量は、問題となる対象に基づき変動しうる。文献では、他のTPO模倣剤について、種による効力の差が記載されており、受容体アフィニティーの差違に帰せられている(Erickson-Miller CL, et al. “Discovery and characterization of a selective, non-peptidyl thrombopoietin receptor agonist,” Exp. Hematol., 2005;33:85-93 and Nakamura T, et al. “A novel non-peptidyl human c-Mpl activator stimulates human megakaryopoiesis and thrombopoiesis,” Blood. 2006;107:4300-7)。したがって、一部の実施形態では、TPO模倣剤の有効量は、対象の体重1kg当たり0.1マイクログラム(μg)~6μgの量でありうる。さらなる実施形態では、TPO模倣剤の有効量は、対象の体重1kg当たりのTPO模倣剤の量2.25μg~4μgでありうる。ある特定の対象について、TPO模倣剤の有効量は、対象の体重1kg当たり0.1ミリグラム(mg)~6mgの量でありうる。さらなる実施形態では、TPO模倣剤の有効量は、対象の体重1kg当たりのTPO模倣剤の量2.25mg~4mgでありうる。さらに他の対象では、TPO模倣剤の有効量は、対象の体重1kg当たり6mg~60mgの量でありうる。さらなる実施形態では、TPO模倣剤の有効量は、対象の体重1kg当たりのTPO模倣剤の量20mg~40mgでありうる。
投与される実際の量、ならびに投与の速度および時間経過は、処置されつつある状態の性格および重症度に依存するであろう。処置の処方、例えば、投与量などの決定は、一般の開業医および他の医師、または獣医科状況では、獣医の責任の範囲内にあり、典型的に、発疱剤または苛性ガスの類型および濃度、個々の患者の状態、送達部位、投与法、ならびに開業医に公知の他の因子を考慮に入れる。上記で言及された技法およびプロトコールの例は、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 16th edition, Osol, A. ed., 1980において見出されうる。本明細書で記載される投与範囲、提示される具体的な投与例、および異なる種が、受容体の感受性に基づき、投与の調整を要求しうることの理解に基づき、当業者は、問題となる対象に効果的な投与量を決定するであろう。
ある特定の実施形態では、対象は、有効量のTPO模倣剤の単回投与を施される。
ある特定の実施形態では、対象は、有効量のTPO模倣剤の複数回投与を施される。
TPO模倣剤の作製、およびTPO模倣剤の、組成物への、任意選択の製剤化の後、組成物は、個体、特に、ヒトまたは他の霊長動物に投与されうる。投与は、ヒト、または別の哺乳動物、例えば、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、ウサギ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、ウマ、ウシ、ロバ、サル、イヌ、またはネコへの投与でありうる。非ヒト哺乳動物への送達は、治療を目的とする必要はなく、実験的文脈、例えば、TPO模倣剤の投与に起因する血管完全性の保護機構についての探索における使用のための送達でありうる。
本発明のTPO模倣剤組成物は、処置される状態に応じて、単独で投与される場合もあり、他の処置と組み合わせて、同時に投与される場合もあり、逐次的に投与される場合もある。
TPO模倣剤組成物は、所望の場合、有効成分を含有する、1つまたは複数の単位剤形を含有しうる、キット、パック、または分注器により提示されうる。キットは、例えば、金属フォイル、またはブリスターパックなどのプラスチックフォイルを含みうる。キット、パック、または分注器は、投与のための指示書を伴う場合がある。キットは、毒性作用を緩和するための少なくとも1つのさらなる治療剤またはデバイスをさらに含みうる。
キット内に組み入れられるさらなる治療剤は、TPOまたはTPO模倣剤と共に投与された場合に、有利な特性を裏付けることが公知であるか、またはこれを裏付ける、任意の化合物または治療剤を指す。このような薬剤の例は、鎮痛剤、消毒剤、他のTPO模倣剤、他のサイトカイン、可溶性mpl受容体、造血因子、インターロイキン、増殖因子または抗体、および化学療法剤でありうるがこれらに限定されない。他のサイトカインは、幹細胞因子(SCF)、インターロイキン3(IL-3)、またはFlt-3リガンドでありうる(Ku et al., Blood, 87:4544-4551 (1996);Sitnicka et al., Blood, 87:4998-5005 (1996))。
キット内に含まれるデバイスは、例えば、容器、送達媒体、または投与デバイスでありうる。
実施形態
本発明はまた、以下の非限定的実施形態も提供する。
実施形態1:(i)それを必要とする対象における発疱剤および苛性ガスのうちの少なくとも1つの毒性作用を緩和する方法であって、対象に有効量のトロンボポエチン(TPO)模倣剤を投与するステップを含み、有効量のTPO模倣剤の、対象への投与が、発疱剤および苛性ガスのうちの少なくとも1つの毒性作用を緩和する方法;または
(ii)それを必要とする対象における酸化ストレスまたは内皮損傷の毒性作用を緩和する方法であって、対象に有効量のTPO模倣剤を投与するステップを含み、有効量のTPO模倣剤の、対象への投与が、酸化ストレスまたは内皮損傷の毒性作用を緩和する方法。
実施形態1(a):TPO模倣剤が、配列番号1のアミノ酸配列を有するペプチドを含む、実施形態1に記載の方法。
実施形態1(b):ペプチドが、配列番号2のアミノ酸配列を有する、実施形態1(a)に記載の方法。
実施形態1(c):TPO模倣剤が、ペプチドに共有結合で連結している親水性ポリマーをさらに含む、実施形態1(a)または1(b)に記載の方法。
実施形態1(d):親水性ポリマーが、i)ポリエチレングリコール(PEG)、ii)ポリプロピレングリコール、iii)ポリ乳酸、またはiv)ポリグリコール酸のうちのいずれか1つである、実施形態1(c)に記載の方法。
実施形態1(e):親水性ポリマーが、PEGである、実施形態1(d)に記載の方法。
実施形態1(f):PEGが、モノメトキシポリエチレングリコール(MePEG-OH)、モノメトキシポリエチレングリコールコハク酸エステル(MePEG-S)、モノメトキシポリエチレングリコールスクシンイミジルコハク酸エステル(MePEG-S-NHS)、モノメトキシポリエチレングリコールアミン(MePEG-NH2)、モノメトキシポリエチレングリコールトレシル酸エステル(MePEG-TRES)、またはモノメトキシポリエチレングリコールイミダゾイルカルボニル(MePEG-IM)のうちのいずれか1つである、実施形態1(e)に記載の方法。
実施形態1(g):PEGが、メトキシポリ(エチレングリコール)(MPEG)である、実施形態1(e)に記載の方法。
実施形態1(h):TPO模倣剤が、式(I)の分子構造を有するRWJ-800088である、実施形態1(g)に記載の方法。
実施形態1(h)(1):TPO模倣剤が、式(I)の分子構造を有するRWJ-800088、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルである、実施形態1(g)に記載の方法。
実施形態1(i):RWJ-800088中のMPEGが、メトキシポリエチレングリコール20000である、実施形態1(h)または1(h)(1)に記載の方法。
実施形態1(j):ペプチドが、配列番号3のアミノ酸配列を有する、実施形態1(a)に記載の方法。
実施形態1(k):ペプチドが、ポリペプチドに融合している、実施形態1(j)に記載の方法。
実施形態1(l):ポリペプチドが、Fcドメインである、実施形態1(k)に記載の方法。
実施形態1(m):TPO模倣剤が、ロミプロスチムである、実施形態1(l)に記載の方法。
実施形態1(m)(1):ロミプロスチムが、配列番号4のアミノ酸配列を含む、実施形態1(m)に記載の方法。
実施形態2:対象が、発疱剤および苛性ガスのうちの少なくとも1つに曝露される前に、TPO模倣剤が、対象に投与される、実施形態1から1(m)(1)のいずれか一項に記載の方法。
実施形態3:対象が、発疱剤および苛性ガスのうちの少なくとも1つに曝露された後で、TPO模倣剤が、対象に投与される、実施形態1から1(m)(1)のいずれか一項に記載の方法。
実施形態4:対象が、発疱剤および苛性ガスのうちの少なくとも1つに曝露されるときに、TPO模倣剤が、対象に投与される、実施形態1から1(m)(1)のいずれか一項に記載の方法。
実施形態5:発疱剤が、蒸留マスタード、マスタードガス、ルイサイト、マスタード/ルイサイト、マスタード/T、窒素マスタード、セスキマスタード、硫黄マスタード、ホスゲンオキシム、カンタリジン、およびフラノクマリンからなる群から選択される、実施形態1から4のいずれか一項に記載の方法。
実施形態6:苛性ガスが、硫化水素、フッ化水素、塩化水素、臭化水素、シアン化水素、アルシン、ホスフィン、一酸化窒素、二酸化窒素、二酸化硫黄、オゾン、塩素、メチルアミン、およびアンモニアからなる群から選択される、実施形態1から5のいずれか一項に記載の方法。
実施形態7:対象が、発疱剤および苛性ガスのうちの少なくとも1つの毒性作用の緩和を必要とし、発疱剤が、蒸留マスタード、マスタードガス、ルイサイト、マスタード/ルイサイト、マスタード/T、窒素マスタード、セスキマスタード、硫黄マスタード、ホスゲンオキシム、カンタリジン、およびフラノクマリンからなる群から選択され;苛性ガスが、硫化水素、フッ化水素、塩化水素、臭化水素、シアン化水素、アルシン、ホスフィン、一酸化窒素、二酸化窒素、二酸化硫黄、オゾン、塩素、メチルアミン、およびアンモニアからなる群から選択される、実施形態1から6のいずれか一項に記載の方法。
実施形態7(a):対象が、少なくとも1つの発疱剤の毒性作用の緩和を必要とする、実施形態7に記載の方法。
実施形態7(b):対象が、少なくとも1つの苛性ガスの毒性作用の緩和を必要とする、実施形態7に記載の方法。
実施形態7(c):対象が、少なくとも2つの発疱剤の毒性作用の緩和を必要とする、実施形態7に記載の方法。
実施形態7(d):対象が、少なくとも2つの苛性ガスの毒性作用の緩和を必要とする、実施形態7に記載の方法。
実施形態7(e):対象が、少なくとも3つまたはこれを超える発疱剤の毒性作用の緩和を必要とする、実施形態7に記載の方法。
実施形態7(f):対象が、少なくとも3つまたはこれを超える苛性ガスの毒性作用の緩和を必要とする、実施形態7に記載の方法。
実施形態8:TPO模倣剤の有効量が、対象の体重に基づく、実施形態1から7のいずれか一項に記載の方法。
実施形態8(a):TPO模倣剤の有効量が、対象の体重1kg当たり0.1μg~6μgの範囲内である、実施形態1から7のいずれか一項に記載の方法。
実施形態8(b):TPO模倣剤の有効量が、対象の体重1kg当たり2.25μg~4μgの範囲内である、実施形態1から7のいずれか一項に記載の方法。
実施形態8(c):TPO模倣剤の有効量が、対象の体重1kg当たり0.1mg~6mgの範囲内である、実施形態1から7のいずれか一項に記載の方法。
実施形態8(d):TPO模倣剤の有効量が、対象の体重1kg当たり2.25mg~4mgの範囲内である、実施形態1から7のいずれか一項に記載の方法。
実施形態8(e):TPO模倣剤の有効量が、対象の体重1kg当たり6mg~60mgの範囲内である、実施形態1から7のいずれか一項に記載の方法。
実施形態9:毒性作用が、血管損傷、肺出血、炎症細胞の、肺気腔への流入、線維化促進性サイトカインの、肺内の蓄積、肺線維症、肺浮腫、死亡、および罹患からなる群から選択される、1つまたは複数であり、毒性作用が、発疱剤および苛性ガスのうちの少なくとも1つにより誘導される、実施形態1から8(a)のいずれか一項に記載の方法。
実施形態9(a):毒性作用が、血管損傷である、実施形態9に記載の方法。
実施形態9(b):毒性作用が、肺出血、好ましくは、肺微小出血である、実施形態9に記載の方法。
実施形態9(c):毒性作用が、炎症細胞の、肺気腔への流入である、実施形態9に記載の方法。
実施形態9(d):毒性作用が、線維化促進性サイトカインの、肺内の蓄積である、実施形態9に記載の方法。
実施形態9(e):毒性作用が、肺線維症である、実施形態9に記載の方法。
実施形態9(f):毒性作用が、肺浮腫である、実施形態9に記載の方法。
実施形態9(g):毒性作用が、発疱剤および苛性ガスのうちの少なくとも1つにより誘導される死亡である、実施形態9に記載の方法。
実施形態9(h):毒性作用が、発疱剤および苛性ガスのうちの少なくとも1つにより誘導される罹患である、実施形態9に記載の方法。
実施形態10:TPO模倣剤の有効量が、対象に、静脈内注射、筋内注射、皮内注射、または皮下注射のうちのいずれか1つにより投与される、実施形態1から9(h)のいずれか一項に記載の方法。
実施形態10(a):TPO模倣剤の有効量が、対象に皮下注射により投与される、実施形態10に記載の方法。
実施形態10(b):TPO模倣剤の有効量が、対象に静脈内注射により投与される、実施形態10に記載の方法。
実施形態10(c):TPO模倣剤の有効量が、対象に筋内注射により投与される、実施形態10に記載の方法。
実施形態10(d):TPO模倣剤の有効量が、対象に皮内注射により投与される、実施形態10に記載の方法。
実施形態11:それを必要とする対象における発疱剤および苛性ガスのうちの少なくとも1つの毒性作用を緩和するためのキットであって、有効量のTPO模倣剤および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を含むキット。
実施形態11(a):TPO模倣剤が、配列番号1のアミノ酸配列を有するペプチドを含む、実施形態11に記載のキット。
実施形態11(b):ペプチドが、配列番号2のアミノ酸配列を有する、実施形態11に記載のキット。
実施形態11(c):TPO模倣剤が、ペプチドに共有結合で連結している親水性ポリマーをさらに含む、実施形態11(a)または11(b)に記載のキット。
実施形態11(d):親水性ポリマーが、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール、ポリ乳酸、およびポリグリコール酸のうちのいずれか1つである、実施形態11に記載のキット。
実施形態11(e):親水性ポリマーが、PEGである、実施形態11(d)に記載のキット。
実施形態11(f):PEGが、モノメトキシポリエチレングリコール(MePEG-OH)、モノメトキシポリエチレングリコールコハク酸エステル(MePEG-S)、モノメトキシポリエチレングリコールスクシンイミジルコハク酸エステル(MePEG-S-NHS)、モノメトキシポリエチレングリコールアミン(MePEG-NH2)、モノメトキシポリエチレングリコールトレシル酸エステル(MePEG-TRES)、またはモノメトキシポリエチレングリコールイミダゾイルカルボニル(MePEG-IM)のうちのいずれか1つである、実施形態11(e)に記載のキット。
実施形態11(g):PEGが、メトキシポリ(エチレングリコール)(MPEG)である、実施形態11(e)に記載のキット。
実施形態11(h):TPO模倣剤が、式(I)の分子構造を有するRWJ-800088、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルである、実施形態11(g)に記載のキット。
実施形態11(i):RWJ-800088中のMPEGが、メトキシポリエチレングリコール20000である、実施形態11(h)に記載のキット。
実施形態11(j):ペプチドが、配列番号3のアミノ酸配列を有する、実施形態11(a)に記載のキット。
実施形態11(k):ペプチドが、ポリペプチドに融合している、実施形態11(j)に記載のキット。
実施形態11(l):ポリペプチドが、Fcドメインである、実施形態11(k)に記載のキット。
実施形態11(m):TPO模倣剤が、ロミプロスチムである、実施形態11(l)に記載のキット。
実施形態11(m)(1):ロミプロスチムが、配列番号4のアミノ酸配列を含む、実施形態11(m)に記載のキット。
実施形態12:毒性作用を緩和するための、少なくとも1つのさらなる治療剤またはデバイスをさらに含む、実施形態11から11(m)(1)のいずれか一項に記載のキット。
実施形態13:さらなる治療剤が、鎮痛剤、消毒剤、他のTPO模倣剤、他のサイトカイン、可溶性mpl受容体、造血因子、インターロイキン、増殖因子または抗体、および化学療法剤からなる群から選択される、実施形態12に記載のキット。
[実施例1]
TPOmの、NM誘導性肺損傷に対する効果
材料および方法
動物:雄Wistarラット(300~320グラム)を、2群:NM/媒体群およびNM/TPOm群に分けた。
窒素マスタードへの曝露:本研究では、実験動物の、発疱剤への曝露を容易とし、調査研究者に対する危険を低減するように、メクロレタミン、非ガス性窒素マスタード(NM)を、硫黄マスタードのサロゲートとして使用した。NMを使用する研究において得られた情報は、デザインを誘導し、硫黄マスタードガスへの曝露を伴う、提起される研究における目的の評価項目を規定するのに直接適用しうることが期待される。特に、雄Wistarラットの群(300~320グラム)に、0日目に、気管内注入を介して、硫黄マスタードのサロゲートである、メクロレタミン0.125mg/kgを施した。
TPOmの合成および処置:TPOmは、Janssen Pharmaceuticalsにより、既に記載されている(例えば、米国特許第7,576,056号明細書を参照されたい)通りに合成した。TPOmは、滅菌生理食塩液中で再構成し、滅菌濾過し、アリコート分割し、使用まで、-20℃で保存した。TPOmを、窒素マスタード(NM)への曝露の6時間後における、皮下注射(0.3mg/kg)を介する単回投与として投与した。この用量は、複数の時点において投与された場合の、プラセボと比較して、実質的な生存利益をもたらした、ラット全身放射線研究における、その有効性に基づき選択した。
磁気共鳴イメージング(MRI)による測定:3日目に、FSE(T2重み付け)シーケンスを使用して、NMへの曝露により誘導される肺浮腫の範囲を特徴付けるMRIスキャンを、ラットに対して行った。
気管支肺胞洗浄液(BAL)の測定:MRIスキャニングの後、ラットを安楽死させ、肺を、PBSのアリコート(3×5ml)で洗浄し、標準的な方法を使用して、気管支肺胞洗浄液(BAL)中の赤血球(RBC)、白血球(WBC)、形質転換増殖因子ベータ1(TGF-1b)のレベルを決定した。特に、各ラットから回収された洗浄液量を、プールし、RBC含量を、デジタル写真で記録した。BAL試料を、静かに混合し、標準的なトリパンブルー除外法および血球計による計数を使用して、試料中のWBCの数を決定した。多様な処置群から回収されたBALを、遠心分離し、TGF-1b ELISAを使用して、細胞非含有上清内の、TGF-1bの濃度を決定した。
肉眼臓器病理学による測定:ラットを安楽死させた後、開胸手術を施し、下行血管を切断した。虚脱肺の外側の血液を、PBSで、静かにすすぎ、湿らせた手術用パッドでブロットした。肺血管系を、PBSで灌流せずに、肺を、デジタル撮影した。
結果
TPOmおよびロミプロスチムは、NMへの曝露後における微小出血および細胞流入に対して保護する。
TPOm処置(0.3mg/kg、NM注入の6時間後)の血管保護効果を、気管支肺胞洗浄液(BAL)中の細胞成分内で観察した。BALのRBC含量(光学濃度により測定される図1A)およびWBC含量(血球計により測定される図1B、p<0.05)は、TPOmの投与が、NMへの曝露により誘導される、肺の微小出血および気腔へのWBCの流入を減殺することを指し示す。TPOmはまた、BAL流体中の、TGF-1bの濃度の、NM誘導性上昇を低減する(図1C、p<0.05)ことも見出された。
ロミプロスチム処置の血管保護効果(0.1および1.0mg/kg、NM注入の6時間後)を、BALの細胞成分中で、TPOmと比較対照して観察した。BALのRBC含量(図2A:目視および2B:光学密度)およびWBC含量(図2C)についての評価は、ロミプロスチムおよびTPOmの両方の投与が、NMへの曝露により誘導される、肺の微小出血および気腔へのWBCの流入を減殺することを指し示す。
TPOmの血管保護効果はまた、剖検における肉眼臓器病理学でも観察された。図3A~3Cに示される通り、媒体対照群内のラットに由来する肺が、剖検時に肺血管系内に含有される血液を反映する、一様な着色を呈するのに対し、NMに曝露されたラットの肺は、灌流が低減された蒼白領域により取り囲まれた、多数の胸膜下微小出血部位(矢印)を呈する。TPOmを施されるNM曝露ラットは、斑状の外観を呈するが、微小出血部位の重症度および数は、NM単独で処理されたラットと比較して、顕著に低減された。これらの結果は、TPOmが、NMへの曝露後における、微小出血および細胞流入の発生と関連する、重度の血管損傷を防止することを指し示す。
NMへの曝露後における、TPOmの、肺浮腫に対する効果
TPOmの、肺浮腫に対する効果を、6時間後におけるTPOm(0.3mg/kg)の単回投与の後、3日目に査定し、NMへの曝露後6時間および7日目、または6時間、7日目、および14日目におけるTPOmの投与についても査定した。TPOmの単回投与を、NM曝露の6時間後に行う場合の3日目に、平均値浮腫体積は、NM処理群についての1736mm3から1592mm3、およびNM/TPOm処置群についての1387mm3に低減されたが、この効果は、統計学的に有意ではない。2回目のTPOm投与を、7日目、または7および14日目に行う場合の後続の時点では、42日目および70日目における平均値肺浮腫体積が、NMへの曝露後にTPOmで処置されるラットにおいて、NM単独に曝露される被験群と比較して小さかった(6時間後および7日目におけるTPOm群について、p=0.0104であり、6時間後、7日後、および14日後におけるTPOm群について、p=0.0770である)ことは、TPOmが、浮腫の消散を加速化させることを示唆する。
[実施例2]
42および/または70日目における、TPOmの、NM誘導性肺線維症の効果
材料および方法
動物:雄Wistarラット(300~320グラム)を、2群:NM/媒体群およびNM/TPOm群に分けた。
窒素マスタードへの曝露:本研究では、雄Wistarラットの群に、0日目に、気管内注入を介して、硫黄マスタードのサロゲートである、メクロレタミン0.125mg/kgを施した。
TPOmの合成および処置:TPOmは、Janssen Pharmaceuticalsにより、既に記載されている(例えば、米国特許第7,576,056号明細書を参照されたい)通りに合成した。TPOmは、滅菌生理食塩液中で再構成し、滅菌濾過し、アリコート分割し、使用まで、-20℃で保存した。TPOmの、肺線維症の発生に対する効果について、70日目まで検討する、この拡大研究では、ラットに、NM発疱剤による処理後に、2つの異なる投与タイミングスケジュール(6時間後、7日目、および14日目と対比した、6時間後および7日目)で投与される、TPOm(0.3mg/kg)の複数回投与を施した。
磁気共鳴イメージング(MRI)による測定:曝露後長期間を通じて、MRIを、定期的に行って、肺浮腫のレベルを査定した。曝露の70日後、ラットの肺を、天然の肺容量を維持するように、in situで膨張状態に固定した。次いで、肺を切り出し、ホルマリン中で、一晩にわたり固定し、コラーゲンに対して高結合アフィニティーを呈する、マイクロCTX線造影剤である、リンタングステン酸(PTA)との平衡化により、ex vivoマイクロCTイメージングのために加工した。このPTA加工法は、肺内の線維症の発症の、二次元および三次元における定量および視覚化を可能とする。コラーゲン特異的造影剤である、リンタングステン酸(PTA)によりex vivoで加工された肺の三次元CT画像内に現れる、線維症性でX不透過性の病巣の数および分布に基づく、マルチパラメータの評定システムを使用して、肺のPTA造影3DマイクロCT画像に基づき、各肺に線維症スコアを割り当てた。本実施例では、正常肺実質(ライトグレー)全体にわたり、X不透過性の線維症性組織を観察し、肺線維症の量および分布を示す。
TPOmは、NM誘導性肺線維症に対して、長期にわたり保護する
本研究の結果は、TPOmが、NM誘導性肺線維症の評価項目に影響を及ぼすことを示す。肺線維症の査定のために開発されたマルチパラメータの評定システムの適用は、TPOmが、NM曝露肺内の線維症性状態の多数の要素を、著明に減少させることを示した(図5A)。さらに、PTA処置肺の放射線密度を反映するCT画像は、TPOmは、NM曝露ラットの肺内の、コラーゲン含有線維症性病変の数を低減し、分布を変更することを示した(図5B)。
[実施例3]
TPOmの、NM誘導性死亡に対する効果
材料および方法
動物:雄Wistarラット(300~320グラム)を、2群:NM/媒体群およびNM/TPOm群に分けた。
窒素マスタードへの曝露:一連の予備研究を行って、2週間の期間内にWistarラットの死亡をもたらすNMの用量範囲を決定した。そして、これらの研究の結果は、動物の死亡について、LD50~LD70が1.23~3.75mg/kgの間であると推定される、極めて急なNMの用量反応を示した。これらの範囲発見研究における全身観察による重症度に基づき、1.7mg/kgのNM用量を、TPOmの、NM誘導性死亡に対する効果について検討する、後続の研究のために選択した。本研究では、雄Wistarラットの群(群1つ当たり10匹)を、0日目に、気管内注入を介して、LD50であると推定されるNMの用量として、硫黄マスタードのサロゲートである、メクロレタミン1.7mg/kgで処置した。次いで、動物を、通常の靴箱飼育に戻し、毎日秤量し、研究期間を通して、高頻度で観察した。
TPOmの合成および処置:TPOmは、Janssen Pharmaceuticalsにより、既に記載されている(例えば、米国特許第7,576,056号明細書を参照されたい)通りに合成した。TPOmは、滅菌生理食塩液中で再構成し、滅菌濾過し、アリコート分割し、使用まで、-20℃で保存した。TPOmを、窒素マスタード(NM)への曝露の6時間後における、皮下注射(0.3mg/kg)を介する単回投与として投与した。
死亡および体重の測定:死亡動物を集計する一方で、瀕死状態のラットも、安楽死させ、死亡として集計し、データを、生存プロットを構築するのに使用した(図6)。毎日の体重はまた、NM/媒体処置群と、NM/TPOm処置群との間における、5%~7%(約20グラム)の体重減少の差によっても影響を受けた。
結果
TPOmは、NM誘導性死亡に対して保護する
結果を、図6に示されるプロットに提示する。生存曲線(図6)から、本研究に所望されるNMについての推定LD50を超えたことが明らかである。これは、用量反応の急峻さに起因し、したがって、LD50の決定におけるばらつきに起因した可能性が高い。研究は、有意性を分解するのに十分な検出力を備えていなかったが、NMへの曝露の6時間後におけるTPOmの投与は、寿命を延長することが見出され、少数の死亡をもたらしたことに注目されたい。加えて、体重の低減は、NM/媒体群について、NM/TPOm処置群と比較して顕著であり(5%~7%、約20グラム)、体重の減少に対する保護は、TPOm処置と関連した。結果は、TPOmは、発疱剤誘導性死亡を緩和し、曝露誘導性の体重減少に対して保護することにより、罹患を低減することを示唆する。
当業者により、本発明の広範な概念から逸脱しない限りにおいて、上記で記載した実施形態に対して変化が施されうることが察知されるであろう。したがって、本発明は、開示される特定の実施形態に限定されるものではなく、本記載により規定される、本発明の精神および範囲内における改変も対象とするように意図されることが理解される。

Claims (17)

  1. それを必要とする対象における発疱剤および苛性ガスのうちの少なくとも1つの毒性作用を緩和する方法であって、前記対象に、有効量の、配列番号1のアミノ酸配列を含むトロンボポエチン(TPO)模倣剤を投与するステップを含む方法。
  2. 前記TPO模倣剤が、RWJ-800088である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記TPO模倣剤が、ロミプロスチムである、請求項1に記載の方法。
  4. 前記苛性ガスが、硫化水素、フッ化水素、塩化水素、臭化水素、シアン化水素、アルシン、ホスフィン、一酸化窒素、二酸化窒素、二酸化硫黄、オゾン、塩素、メチルアミン、およびアンモニアからなる群から選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記発疱剤が、蒸留マスタード、マスタードガス、ルイサイト、マスタード/ルイサイト、マスタード/T、窒素マスタード、セスキマスタード、硫黄マスタード、ホスゲンオキシム、カンタリジン、およびフラノクマリンからなる群から選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記対象が、前記発疱剤および前記苛性ガスのうちの少なくとも1つに曝露される前に、前記有効量のTPO模倣剤が前記対象に投与される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記対象が、前記発疱剤および前記苛性ガスのうちの少なくとも1つに曝露されるときに、前記TPO模倣剤が前記対象に投与される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記対象が、前記発疱剤および前記苛性ガスのうちの少なくとも1つに曝露された後で、前記TPO模倣剤が前記対象に投与される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記対象が、前記発疱剤および前記苛性ガスのうちの少なくとも1つに曝露された後で、前記有効量のTPO模倣剤が前記対象に投与される、請求項9に記載の方法。
  10. 前記毒性作用が、前記発疱剤および前記苛性ガスのうちの少なくとも1つにより誘導される血管損傷である、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記毒性作用が、前記発疱剤および前記苛性ガスのうちの少なくとも1つにより誘導される、出血、好ましくは微小出血であり、最も好ましくは肺微小出血、または細胞流入である、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記毒性作用が、前記発疱剤および前記苛性ガスのうちの少なくとも1つにより誘導される肺線維症である、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記毒性作用が、前記発疱剤および前記苛性ガスのうちの少なくとも1つにより誘導される、死亡または罹患である、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記TPO模倣剤の前記有効量が、前記対象に、静脈内注射、筋内注射、皮内注射、または皮下注射により投与される、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. それを必要とする対象における発疱剤および苛性ガスのうちの少なくとも1つの毒性作用を緩和するためのキットであって、有効量のトロンボポエチン(TPO)模倣剤および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を含み、前記TPO模倣剤が配列番号1のアミノ酸配列を含み、好ましくは、前記TPO模倣剤がRWJ-800088またはロミプロスチムであり、任意選択で、前記キットが、前記TPO模倣剤を前記対象に投与するためのツールをさらに含む、キット。
  16. 前記毒性作用を緩和するための少なくとも1つのさらなる治療剤またはデバイスをさらに含む、請求項15に記載のキット。
  17. 前記さらなる治療剤が、鎮痛剤、消毒剤、他のTPO模倣剤、他のサイトカイン、可溶性mpl受容体、造血因子、インターロイキン、増殖因子または抗体、および化学療法剤からなる群から選択される、請求項16に記載のキット。
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