JP2022521695A - フェールセーフブレーキシステム - Google Patents

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JP2022521695A JP2021547136A JP2021547136A JP2022521695A JP 2022521695 A JP2022521695 A JP 2022521695A JP 2021547136 A JP2021547136 A JP 2021547136A JP 2021547136 A JP2021547136 A JP 2021547136A JP 2022521695 A JP2022521695 A JP 2022521695A
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アイピーゲート・アクチェンゲゼルシャフト
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Abstract

本発明は、車両用ブレーキシステムであって、該システムは、それぞれが少なくとも1つの液圧作動式のホイールブレーキを備えた少なくとも2つの液圧ブレーキ回路と、各1つの液圧作動式のホイールブレーキを2つのブレーキ回路のうちの1つに接続する、各液圧作動式のホイールブレーキに設けられた切換弁とを有している。本発明に基づき、当該ブレーキシステムは、少なくとも1つのブレーキ回路とリザーバ容器との間に切換可能な液圧接続部を生ぜしめる中央出口切換弁をも有しており、少なくとも1つの液圧作動式のホイールブレーキにおける減圧は、中央出口切換弁と、関連付けられた切換弁とを開くことにより行われる。

Description

本発明は、少なくとも2つのブレーキ回路と少なくとも1つの圧力供給ユニットとを有する液圧式ブレーキシステムに関する。
背景
ブレーキシステムの設計に大きな影響を及ぼす要件、特に(例えば2系統ブレーキシステムに対する)安全要件は、自動車の自動化の程度(SAE J3016規格のレベル0~5)により、さらに厳しくなる。例えば、レベル1以上(例えばアダプティブクルーズコントロールシステム)の自律運転の場合、制動力は、車両の運転者によるブレーキペダル動作無しでも保証されねばならない。このことは、液圧式ブレーキシステムにおける少なくとも1つの圧力供給ユニットと、相応に構成された電子センサと制御ユニットとを必要とする。故障の容認も同様に、自動化のレベル次第である。レベル2では、個別故障は、少なくとも約0.3gでの制動動作が可能な場合には許容されるのに対し、レベル3では、個別故障が発生した場合、少なくとも約0.5gでの制動動作までも保証されねばならない。レベル3以上では、個別故障が発生した場合には同様に、ABS/ESP機能までも保証されねばならない。一般に、二重故障は、ppmおよびFITデータに基づく故障の確率が低い場合には容認される。
発明の概要
本発明は、2つのブレーキ回路を有するブレーキシステムに関する。好適には少なくとも、SAE J3016規格に基づくレベル2の要件が満たされており、この場合はさらに、ブレーキシステム全体の故障につながる二重故障が回避されると共に、いわゆる潜在的な個別故障が冗長手段および診断により適時に確認され得る。
第1の態様では、本発明は、以下のコンポーネント、すなわち:
-それぞれが少なくとも1つの液圧作動式のホイールブレーキ(RB1,RB2,RB3,RB4)を備えた少なくとも2つの液圧ブレーキ回路(BK1,BK2)と;
-液圧管路を介して一方のブレーキ回路(BK1,BK2)に接続される少なくとも1つの圧力供給装置(DV)と;
-各1つの液圧作動式のホイールブレーキ(RB1,RB2,RB3,RB4)を2つのブレーキ回路(BK1,BK2)のうちの1つに切換可能に接続する、各液圧作動式のホイールブレーキ(RB1,RB2,RB3,RB4)用の切換弁(SV1,SV2,SV3,SV4)と;
-2つのブレーキ回路(BK1およびBK2)の間で少なくとも1つのバイパス切換弁(BP1)により切換可能な少なくとも1つの液圧接続部と;
-少なくとも1つの出口切換弁(ZAV)を介してブレーキ回路(BK1,BK2)のうちの少なくとも一方とリザーバ(VB)との間で切換可能な少なくとも1つの液圧接続部と;
-液圧出口が供給切換弁(FV)を介して切換可能に少なくとも1つのブレーキ回路(BK1,BK2)に接続される液圧式ブレーキペダルシステムと;
を有しており、
少なくとも1つの液圧作動式のホイールブレーキ(RB1,RB2,RB3,RB4)における減圧は、出口切換弁(ZAV)と、関連付けられた切換弁(SV1,SV2,SV3,SV4)とを開くことにより行われる、
車両用ブレーキシステムに関する。
態様2:態様1に基づくブレーキシステムであって、少なくとも1つの圧力供給装置(DV)は、ロータリーポンプを有している。ロータリーポンプは通常、例えばプランジャポンプよりも安価である。
態様3:態様2に基づくブレーキシステムであって、ロータリーポンプは、ギヤポンプとして、または多重ピストンポンプ、特にスリーピストンポンプとして設計されている。
態様4:態様3に基づくブレーキシステムであって、圧力供給装置(DV)は、圧力供給装置(DV)に向かって閉じる逆止弁(RV3)を介してまたは電磁弁を介して、ブレーキ回路(BK1,BK2)のうちの少なくとも一方に接続される。
態様5:態様3に基づくブレーキシステムであって、多重ピストンポンプは、ブレーキ回路(BK1,BK2)のうちの少なくとも一方に直接に接続されており、この場合、直接に接続されるとは、多重ピストンポンプと少なくとも1つのブレーキ回路(BK1,BK2)との間に、弁または圧力に影響を及ぼす装置が一切存在しないことを意味する。多重ピストンポンプを適当に設計することで、ブレーキ液の逆流がポンプ自体の動作により防止され得、これにより、逆流を防ぐ弁を省くことができる。
態様6:先行態様のうちのいずれか1つに基づくブレーキシステムであって、圧力供給装置(DV)はモータを有しており、モータは、好適にはブラシレス直流モータであり、特に冗長巻線および/または2×3相制御装置との接続部を有している。
態様7:先行態様のうちのいずれか1つに基づくブレーキシステムであって、切換弁(SV1,SV2,SV3,SV4)は、電気的に遮断されると開く切換弁であり、バイパス切換弁(BP1)は、電気的に遮断されると開くバイパス切換弁であり、出口切換弁(ZAV)は、電気的に遮断されると閉じる出口切換弁であり、供給切換弁(FV)は、電気的に遮断されると開く供給切換弁である。
態様8:先行態様のうちのいずれか1つに基づくブレーキシステムであって、切換弁(SV1,SV2,SV3,SV4)は、各切換弁(SV1,SV2,SV3,SV4)が電気的に遮断された状態ではホイールブレーキ(RB1,RB2,RB3,RB4)内の残留圧力により開かれるように設計されておりかつ接続されている。これにより、欠陥が生じた場合に望ましくないブレーキシステム内の残留圧力が回避され得る。
態様9:先行態様のうちのいずれか1つに基づくブレーキシステムであって、2つの液圧ブレーキ回路(BK1,BK2)は、厳密には1つまたは2つ以上の圧力センサ(DG)を有している。両ブレーキ回路(BK1,BK2)用の単一の圧力センサは、圧力検出用には十分である。安全性を高めるためには、各ブレーキ回路において各1つの圧力センサが使用され得る。別の冗長センサも追加的に使用され得る。
態様10:先行態様のうちのいずれか1つに基づくブレーキシステムであって、ABS/ESP制御は、少なくとも1つの切換弁(SV1,SV2,SV3,SV4)と出口切換弁(ZAV)とを介して実施され得る。
態様11:先行態様のうちのいずれか1つに基づくブレーキシステムであって、出口切換弁(ZAV)と、一方のブレーキ回路(BK2)の少なくとも1つの切換弁(SV3,SV4)との間に弁は存在していない。好適には、2つの切換弁(SV3,SV4)は、中央出口切換弁(ZAV)に直接に接続される。このようにして、弁を省くことができる。
態様12:先行態様のうちのいずれか1つに基づくブレーキシステムであって、バイパス切換弁(BP1)と、2つの、好適には4つ全ての切換弁(SV1,SV2,SV3,SV4)との間に弁は存在していない。
態様13:先行態様のうちのいずれか1つに基づくブレーキシステムであって、厳密には出口切換弁(ZAV)のみが、ブレーキ回路(BK1,BK2)をリザーバ(VB)に切換可能に接続する。
態様14:先行態様のうちのいずれか1つに基づくブレーキシステムであって、各ホイールブレーキ(RB1,RB2,RB3,RB4)は、厳密には関連付けられた切換弁(SV1,SV2,SV3,SV4)のみを有している。
態様15:態様1~12のいずれか1つまたは態様14に基づくブレーキシステムであって、圧力供給装置(DV)の出口または関連付けられた逆止弁(RV3)に直接に接続されかつ切換可能にリザーバ(VB)に接続する第2の出口切換弁(ZAV2)が存在しており、特に厳密には、出口切換弁(ZAV)と第2の出口切換弁(ZAV2)とだけが、ブレーキ回路(BK1,BK2)を切換可能にリザーバ(VB)に接続する。第2の出口切換弁(ZAV2)は、安全性を高めるための1つの別の手段である。
態様16:態様1~10または態様13~15のいずれか1つに基づくブレーキシステムであって、2つの液圧ブレーキ回路(BK1,BK2)は、直列接続されたバイパス切換弁(BP1)と別のバイパス切換弁(BP2)とを介して互いに接続されており、2つのバイパス切換弁(BP1,BP2)の間の管路区間には、出口切換弁(ZAV)が接続されている。
態様17:先行態様のうちのいずれか1つに基づくブレーキシステムであって、圧力供給装置(DV)の出口または関連付けられた逆止弁(RV3)に直接に接続されると共に切換弁(SV1,SV2)のうちの少なくとも1つに直接に接続される遮断切換弁(TV)が追加的に存在している。
態様18:先行態様のうちのいずれか1つに基づくブレーキシステムであって、液圧式ブレーキペダルシステムは、シングルマスタシリンダ(SHZ)またはダブルマスタシリンダ(DHZ)を有している。本明細書で説明するシステムは、フェールセーフに設計され得るシングルマスタシリンダを備えている場合でも、少なくともSAE J3016規格に基づくレベル2の要件を満たすことができる。
態様19:先行態様のうちのいずれか1つに基づくブレーキシステムであって、ブレーキシステムはさらに、行程シミュレータ(WS)を有している。
態様20:態様19に基づくブレーキシステムであって、行程シミュレータ(WS)は、任意の切換可能な行程シミュレータ遮断弁(14)を介してシングルマスタシリンダ(SHZ)またはダブルマスタシリンダ(DHZ)に接続される。
態様21:先行態様のうちのいずれか1つに基づくブレーキシステムであって、シングルマスタシリンダ(SHZ)またはダブルマスタシリンダ(DHZ)は力-行程センサ(KWS)を有している、またはシングルマスタシリンダ(SHZ)またはダブルマスタシリンダ(DHZ)は力-行程センサ(KWS)を有していない。
態様22:先行態様のうちのいずれか1つに基づくブレーキシステムであって、ブレーキシステムは、ブレーキバイワイヤシステムとして設計されている。
態様23:先行態様のうちのいずれか1つに基づくブレーキシステムであって、液圧式ブレーキペダルシステムは、絞り(Dr1)と、リザーバ(VB)に向かって閉じる逆止弁(RV1)との並列回路を介してリザーバ(VB)に接続された通気開口を有している。絞り(Dr1)と逆止弁(RV1)とは、一次シール(D2)に対する冗長手段として用いられる。
態様24:先行態様のうちのいずれか1つに基づくブレーキシステムであって、ブレーキシステムはさらに、ブレーキシステムの開ループおよび/または閉ループ制御を行う開ループ・閉ループ制御ユニット(ECU)を有している。
態様25:車両用ブレーキシステムであって、以下のコンポーネント、すなわち:
-それぞれが少なくとも1つの液圧作動式のホイールブレーキ(RB1,RB2,RB3,RB4)を備えた少なくとも2つの液圧ブレーキ回路(BK1,BK2)と;
-液圧管路を介して一方のブレーキ回路(BK1,BK2)に接続される少なくとも1つの圧力供給装置(DV)と;
-各1つの液圧作動式のホイールブレーキ(RB1,RB2,RB3,RB4)を2つのブレーキ回路(BK1,BK2)のうちの1つに切換可能に接続する、各液圧作動式のホイールブレーキ(RB1,RB2,RB3,RB4)用の切換弁(SV1,SV2,SV3,SV4)と;
-2つのブレーキ回路(BK1およびBK2)の間で少なくとも1つのバイパス切換弁(BP1)により切換可能な少なくとも1つの液圧接続部と;
-少なくとも1つの出口切換弁(ZAV)を介してブレーキ回路(BK1,BK2)のうちの少なくとも一方とリザーバ(VB)との間で切換可能な少なくとも1つの液圧接続部と;
-液圧出口が供給切換弁(FV)を介して切換可能に少なくとも1つのブレーキ回路(BK1,BK2)に接続される液圧式ブレーキペダルシステムと;
を有しており、
少なくとも1つの圧力供給装置(DV)は、ロータリーポンプを有している。
態様26:態様25に基づくブレーキシステムであって、ロータリーポンプは、ギヤポンプとして、または多重ピストンポンプ、特にスリーピストンポンプとして設計されている。
態様27:態様26に基づくブレーキシステムであって、圧力供給装置(DV)は、圧力供給装置(DV)に向かって閉じる逆止弁(RV3)を介して、ブレーキ回路(BK1,BK2)のうちの少なくとも一方に接続される。
態様28:態様26に基づくブレーキシステムであって、多重ピストンポンプは、ブレーキ回路(BK1,BK2)のうちの少なくとも一方に直接に接続されており、この場合、直接に接続されるとは、多重ピストンポンプと少なくとも1つのブレーキ回路(BK1,BK2)との間に、弁または圧力に影響を及ぼす装置が一切存在しないことを意味しており、任意には、多重ピストンポンプに1つ以上の逆止弁が組み込まれてもよい。
態様29:態様25~28のいずれか1つに基づくブレーキシステムであって、圧力供給装置(DV)はモータを有しており、モータはブラシレス直流モータであり、特に冗長巻線および/または2×3相制御装置との接続部を有している。
態様30:態様25~29のいずれか1つに基づくブレーキシステムであって、圧力供給装置(DV)は液圧制御ユニット(HCU)の一部であり、液圧制御ユニット(HCU)は、唯一の圧力供給手段のみを有している。
態様31:態様25~30のいずれか1つに基づくブレーキシステムであって、少なくとも1つの液圧作動式のホイールブレーキ(RB1,RB2,RB3,RB4)における減圧は、出口切換弁(ZAV)と、関連付けられた切換弁(SV1,SV2,SV3,SV4)とを開くことにより行われる。
態様32:態様25~31のいずれか1つに基づくブレーキシステムであって、切換弁(SV1,SV2,SV3,SV4)は、電気的に遮断されると開く切換弁であり、バイパス切換弁(BP1)は、電気的に遮断されると開くバイパス切換弁であり、出口切換弁(ZAV)は、電気的に遮断されると閉じる出口切換弁であり、供給切換弁(FV)は、電気的に遮断されると開く供給切換弁である。
態様33:態様25~32のいずれか1つに基づくブレーキシステムであって、切換弁(SV1,SV2,SV3,SV4)は、各切換弁(SV1,SV2,SV3,SV4)が電気的に遮断された状態ではホイールブレーキ(RB1,RB2,RB3,RB4)内の残留圧力により開かれるように設計されておりかつ接続されている。
態様34:態様25~33のいずれか1つに基づくブレーキシステムであって、2つの液圧ブレーキ回路(BK1,BK2)は、厳密には1つまたは2つ以上の圧力センサ(DG)を有している。
態様35:態様25~34のいずれか1つに基づくブレーキシステムであって、ABSおよび/またはESP制御は、少なくとも1つの切換弁(SV1,SV2,SV3,SV4)と出口切換弁(ZAV)とを介して実施され得る。
態様36:態様25~35のいずれか1つに基づくブレーキシステムであって、出口切換弁(ZAV)と、一方のブレーキ回路(BK2)の少なくとも1つの切換弁(SV3,SV4)との間に弁は存在していない。
態様37:態様25~36のいずれか1つに基づくブレーキシステムであって、バイパス切換弁(BP1)と、2つの、好適には4つ全ての切換弁(SV1,SV2,SV3,SV4)との間に弁は存在していない。
態様38:態様25~37のいずれか1つに基づくブレーキシステムであって、厳密には出口切換弁(ZAV)のみが、ブレーキ回路(BK1,BK2)をリザーバ(VB)に切換可能に接続する。
態様39:態様25~38のいずれか1つに基づくブレーキシステムであって、各ホイールブレーキ(RB1,RB2,RB3,RB4)は、厳密には関連付けられた切換弁(SV1,SV2,SV3,SV4)のみを有している。
態様40:態様25~37のいずれか1つまたは態様39に基づくブレーキシステムであって、圧力供給装置(DV)の出口または関連付けられた逆止弁(RV3)に直接に接続されかつ切換可能にリザーバ(VB)に接続する第2の出口切換弁(ZAV2)が存在しており、特に厳密には、出口切換弁(ZAV)と第2の出口切換弁(ZAV2)とだけが、ブレーキ回路(BK1,BK2)を切換可能にリザーバ(VB)に接続する。
態様41:態様25~35または態様38~40のいずれか1つに基づくブレーキシステムであって、2つの液圧ブレーキ回路(BK1,BK2)は、直列接続されたバイパス切換弁(BP1)と別のバイパス切換弁(BP2)とを介して互いに接続されており、2つのバイパス切換弁(BP1,BP2)の間の管路区間には、出口切換弁(ZAV)が接続されている。
態様42:態様25~41のいずれか1つに基づくブレーキシステムであって、圧力供給装置(DV)の出口または関連付けられた逆止弁(RV3)に直接に接続されると共に切換弁(SV1,SV2)のうちの少なくとも1つに直接に接続される遮断切換弁(TV)が追加的に存在している。
態様43:態様25~42のいずれか1つに基づくブレーキシステムであって、液圧式ブレーキペダルシステムは、シングルマスタシリンダ(SHZ)またはダブルマスタシリンダ(DHZ)を有している。
態様44:態様25~43のいずれか1つに基づくブレーキシステムであって、ブレーキシステムはさらに、行程シミュレータ(WS)を有している。
態様45:態様44に基づくブレーキシステムであって、行程シミュレータ(WS)は、任意の切換可能な行程シミュレータ遮断弁(14)を介してシングルマスタシリンダ(SHZ)またはダブルマスタシリンダ(DHZ)に接続される。
態様46:先行態様のうちのいずれか1つに基づくブレーキシステムであって、シングルマスタシリンダ(SHZ)またはダブルマスタシリンダ(DHZ)は力-行程センサ(KWS)を有している、またはシングルマスタシリンダ(SHZ)またはダブルマスタシリンダ(DHZ)は力-行程センサ(KWS)を有していない。
態様47:態様25~46のいずれか1つに基づくブレーキシステムであって、ブレーキシステムは、ブレーキバイワイヤシステムとして設計されている。
態様48:態様25~47のいずれか1つに基づくブレーキシステムであって、液圧式ブレーキペダルシステムは、絞り(Dr1)と、リザーバ(VB)に向かって閉じる逆止弁(RV1)との並列回路を介してリザーバ(VB)に接続された通気開口を有している。
態様49:態様25~48のいずれか1つに基づくブレーキシステムであって、ブレーキシステムはさらに、ブレーキシステムの開ループおよび/または閉ループ制御を行う開ループ・閉ループ制御ユニット(ECU)を有している。
本発明により可能なブレーキシステムの第1の実施形態を、バイパス弁(BP1)と中央出口弁(ZAV)とを備えたHCUにおける弁の最小配置で示す図である。 本発明により可能なブレーキシステムの第2の実施形態を、2つのバイパス弁(BP1およびBP2)と、2つの(中央)出口弁(ZAV1,ZAV2)と、遮断弁(TV)とを備えたHCUにおける弁の拡張配置で示す図である。 診断弁(V)の構造を示す図である。 シングルマスタシリンダと、2つの絞り(Dr1,Dr4)、逆止弁(RV1)および冗長2次シール(D1r)を備えたリザーバ(VB)との間を接続するための本発明による1つの実施形態を示す図である。 シングルマスタシリンダと、リザーバ遮断弁(V)および冗長1次シール(D2r)を備えたリザーバ(VB)との間を接続するための本発明による1つの実施形態を示す図である。 シングルマスタシリンダと、リザーバ遮断弁(17)、絞り(Dr4)および各1つの冗長1次シール(D2r)・冗長2次シール(D1r)を備えたリザーバ(VB)との間を接続するための本発明による1つの実施形態を示す図である。 別の戻しばね(RF2)と行程シミュレータ(WS)とを備えたシングルマスタシリンダのペダル力-行程特性線を例示的に示す図である。 シングルマスタシリンダユニット(SHZ)と、4つの逆止弁(RV3,RV4,RV5,RV6)を有する2系統複動ピストンポンプとを備えた本発明による1つの実施形態を示す図である。 シングルマスタシリンダユニット(SHZ)と、3つの逆止弁(RV4,RV5,RV6)および1つの電磁弁(PD1)を有する2系統複動ピストンポンプとを備えた本発明による1つの実施形態を示す図である。 シングルマスタシリンダユニット(SHZ)と、4つの電磁弁(PD1,PD2,PD3,PD4)を有する2系統複動ピストンポンプとを備えた1つの実施形態を示す図である。 従来のタンデムマスタシリンダユニット(THZ)と、4つの逆止弁(RV3,RV4,RV5,RV6)を有する2系統複動ピストンポンプとを備えた本発明による1つの実施形態を示す図である。 プランジャを有するタンデムマスタシリンダユニット(THZ)と、4つの逆止弁(RV3,RV4,RV5,RV6)を有する2系統複動ピストンポンプとを備えた本発明による1つの実施形態を示す図である。
詳細な説明
図1aには、ブレーキペダル(1)、シングルマスタシリンダおよびリザーバ(VB)を備えたシングルマスタシリンダユニット(SHZ)を有し、圧力供給装置(DV)を有し、電子制御ユニット(ECU)を有しかつ各車輪につき、各1つのホイールシリンダ(RZ1,RZ2,RZ3,RZ4)を備えた1つのホイールブレーキ(RB1,RB2,RB3,RB4)(図示せず)を有する液圧式ブレーキシステムの各要素が示されている。圧力供給装置(DV)と圧力供給ユニットとは、ここでは同義に用いられる。2つのホイールシリンダ(RZ1,RZ2)が、それぞれ切換弁(SV1,SV2)を介して第1のブレーキ回路(BK1)に接続されており、別の2つのホイールシリンダ(RZ3,RZ4)が、それぞれ切換弁(SV3,SV4)を介して第2のブレーキ回路(BK2)に接続されている。1つのホイールシリンダにつき1つの切換弁に代えて、各ホイールシリンダに2つ以上の切換弁が設けられることも可能である。圧力供給ユニット(DV)にはポンプとブラシレス直流モータとが含まれており、ブラシレス直流モータは、任意には冗長巻線を有しておりかつ/または2×3相を介して電子制御ユニット(ECU)に接続されている。ポンプは、スピンドル駆動装置を備えたプランジャポンプ(図示せず)またはロータリーポンプであってよく、ロータリーポンプもやはり、多重ピストンポンプとして(例えばスリーピストンポンプとして)またはギヤポンプとして設計され得る。双方向に回転可能なギヤポンプの場合、圧力供給ユニット(DV)は、圧力供給ユニット(DV)に向かって閉じる逆止弁(RV3)を介して第1のブレーキ回路(BK1)に接続され得る。体積を1方向にのみ圧送可能な多重ピストンポンプの場合、圧力供給ユニット(DV)は、第1のブレーキ回路(BK1)に直接に(RV3無しで)接続され得る。多重ピストンポンプには、1つ以上の逆止弁が組み込まれてよい。プランジャポンプの場合には、逆止弁RV3の代わりに電磁弁(図示せず)が必要とされる。さらに、プランジャポンプまたはロータリーポンプは、リザーバ(VB)に接続され得る。2つのブレーキ回路(BK1およびBK2)同士は、切換可能なバイパス弁(BP1)を介して接続されている。第2のブレーキ回路(BK2)は、切換可能な中央出口弁(ZAV)を介してリザーバ(VB)に接続されていると共に、切換可能な供給切換弁(FV)を介して、シングルマスタシリンダの圧力室の液圧出口に接続されている。シングルマスタシリンダの代替として、図5aまたは図5bに例示したように対応する接続部を備えたダブルマスタシリンダが、追加的に安全性を高めるために用いられてもよい。2つのブレーキ回路のうちの1つ(例えばBK2)における圧力は、前記ブレーキ回路(例えばBK2)に設けられた圧力センサ(例えばDG)により測定され、ECUに伝達され得る。任意には、ブレーキ回路(例えばBK1)における別の圧力も、別の圧力センサ(例えばDG2)により測定され、ECUに伝達され得る。ホイールシリンダ(RZ1,RZ2,RZ3,RZ4)と、切換弁(SV1,SV2,SV3,SV4)と、2つのブレーキ回路(BK1,BK2)と、圧力センサ(DG1,DG2)と、バイパス弁(BP1)と、中央出口弁(ZAV)と、圧力供給ユニット(DV)と、存在する場合、逆止弁(RV3)とを備えた液圧ユニットは、1つのいわゆる液圧制御ユニット(HCU)にまとめられてよい。1つの好適な実施形態では、液圧制御ユニット(HCU)は1つの液圧供給手段(DV)だけを有している。
シングルマスタシリンダユニット(SHZ)では追加的に、行程シミュレータ(WS)を、切換可能な行程シミュレータ遮断弁(14)と共にまたは行程シミュレータ遮断弁(14)無しで、シングルマスタシリンダの別の液圧出口(または供給切換弁(FV)とシングルマスタシリンダとの間の液圧管路)に接続することが可能である。行程シミュレータは、所定のペダル行程-力特性を、スレーブピストンを介してブレーキペダル(1)に伝達することができ、スレーブピストンは、例えば足伝達式のブレーキペダル(1)の動作の結果として、戻しばねの配置とは反対の方向に変位させられてよい。シングルマスタシリンダに対する行程シミュレータ(WS)の液圧接続は、図1aに示すように、例えば絞り(Dr2)と逆止弁(RV2)とを並列接続することにより、またはいくつかの別の方法で行われてよい。ペダルの動きは、絞りDr2を介して圧力が上がると低下させられてよく、行程シミュレータ(WS)の排気中は、逆止弁RV2を経由して絞りDr2を迂回することができる。
通常の状態において、特に電力供給手段と機能圧力供給手段DVとが存在する場合、ブレーキ操作は運転者によるブレーキペダル動作によって行われ、この場合、ブレーキペダル動作中に供給切換弁(FV)は閉じられており、ブレーキペダル(1)が押し下げられたままでいる間は閉じられ続ける。よって、ペダルシステムは液圧制御ユニット(HCU)から液圧的に切り離されている。代わりに接続は「ブレーキバイワイヤ」形式で、冗長的に構成されたペダル行程センサと、ECUと、圧力供給ユニットDVとにより行われ、圧力供給ユニットDVは、切換弁(SV1,SV2,SV3,SV4)が開いており、バイパス弁(BP1)が開いておりかつ中央出口弁(ZAV)が閉じていると、ブレーキ液体積をリザーバ(VB)から両ブレーキ回路(BK1,BK2)のホイールシリンダ(RZ1,RZ2,RZ3,RZ4)に送出することができ、これによりブレーキ圧を高める。制動が、第1のブレーキ回路(BK1)のホイールシリンダ(RZ1,RZ2)のみによって行われるべき場合、所望の制動力および別の周辺条件に応じて、バイパス弁(BP1)は通常のブレーキ作動中に閉じられてもよい。ブレーキ回路(BK1,BK2)のうちの一方における少なくとも1つの圧力センサ(DG)を介して、かつ/または切換弁(SV1,SV2,SV3,SV4)および/またはバイパス弁(BP1)のパルス幅変調を介して、ペダル行程に応じて閉ループ制御することにより、目標圧力を設定することができる。行程シミュレータ(WS)とシングルマスタシリンダ内の戻しばね(RF)とを介して、運転者に所定のペダル行程-力特性がもたらされ、このペダル行程-力特性は、好適には常に可能な限り一定でありかつブレーキ回路(BK1,BK2)内のブレーキ圧には依存しない。特に、「ブレーキバイワイヤ」システムにおける行程シミュレータ(WS)と戻しばね(RF)との組合せは、ブレーキペダルの落込みを阻止し、足伝達式の動作の後にペダルを所定の始動位置に戻す。よって、特に電気車両またはハイブリッド車両の場合には、電動トラクションモータにおける制動エネルギの回収(回生)を、ブレーキペダル(1)から切り離すことができる。特に、非通常状態、例えばブレーキ回路に故障が発生した場合でも、ペダル行程-力特性が影響を受けることはない。
ブレーキペダル力が解放されると、特にロータリーポンプが使用される場合、中央出口弁(ZAV)が開かれてよい。さらに、切換弁(SV1,SV2,SV3,SV4)および/またはバイパス弁(BP1,BP2)が完全に、またはパルス幅変調(PWM)または(例えば時間Δtの後または差圧Δpの後の)一時的な停止による所望の減圧勾配に応じて、またはいくつかのその他の方法で開かれる。その結果、ブレーキ液体積はリザーバ(VB)に戻されてよく、ブレーキ圧は低下させられてよい。足伝達式のブレーキペダル(1)の動作が終了した後にシングルマスタシリンダのピストン(3)が所定の始動位置に戻ると、シングルマスタシリンダの圧力室とリザーバ(VB)との間でのブレーキ液の交換が、例えばピストン(3)およびシングルマスタシリンダの半径方向漏らし開口を通じて液圧接続することにより行われてよい。この液圧接続は、図1aに示すように、絞り(Dr1)と逆止弁(RV1)とを並列接続することにより、またはいくつかの別の方法で行われてよい。シングルマスタシリンダ内の圧力室のシールは、一次シール(D2)と、二次シール(D1)と、別の冗長シール(図示せず)とにより実現され得、この場合、特に一次シール(D2)は、シングルマスタシリンダ内またはシングルマスタシリンダのピストン(3)に取り付けられてよい。
通常状態では、ABSまたはESP等のドライビングダイナミクス介入手段用の個々のブレーキ圧は、閉ループ制御によりホイール毎に設定され得る。例えばABS用の閉ループ制御機能は以下の通りである:増圧Pbuild-up中、閉ループ制御器は、1つのホイールのブレーキシリンダ(例えばRZ1)が、例えば過剰ブレーキ圧の基準を満たしているという信号を送り、次いでこのホイールを監視するために、圧力上昇Pbuild-upを停止させることができるかまたは(可能な限りこのような監視時間の後に)減圧Preductionによりブレーキ圧を低下させることができる。この場合、供給切換弁(FV)は閉じられたままであり、この実施形態に応じて、圧力供給ユニット(DV)におけるポンプはブレーキ回路から如何なる体積も受け入れることができないため、中央出口弁(ZAV)の開口が、1つの可能な構成において減圧Preductionするための唯一の選択肢である。中央出口弁(ZAV)が開いているときには、複数の異なる減圧勾配が閉ループ制御により、好適には関係する切換弁(例えばSV1)のPWM制御を介して設定され得る。閉ループ制御器により減圧Preductionが停止させられると、中央出口弁(ZAV)は再び閉じられる。減圧Preduction中、2つ、3つまたは4つのホイールシリンダが同時にかつホイール特性に基づき制御される、ということも可能である。増圧Pbuild-upも同様に、1つのホイールシリンダまたは2つ、3つまたは4つのホイールシリンダにおいて同時にかつホイール特性に基づき所望のように制御され得る。
アダプティブクルーズコントロールシステムまたは渋滞支援の場合等の、通常、部分的に自動化された運転(レベル2)である運転支援システムによる介入の場合、制動動作は、運転者によるペダル動作無しでも圧力供給ユニット(DV)を介して実行され得、この場合、ブレーキペダル(1)は、このとき閉じられる供給切換弁(FV)により、前記のような介入から液圧的に切り離されている。
いわゆる従来型のスリーボックスシステム(ABS/ESP機能、真空ブレーキブースタおよび電気式または機械式真空ポンプを備えたブレーキシステム)と、いわゆる従来型のツーボックスシステム(ABS/ESP機能および電動ブレーキブースタユニットを備えたブレーキシステム)とに基づき、行程シミュレータ(WS)と、電動圧力供給ユニット(DV)と、ABS/ESP機能とを備えた、本発明による「ブレーキバイワイヤ」ブレーキシステムは、いわゆるワンボックスシステムと呼ぶことができる。このようなワンボックスシステムの高度な組込みにより、構造ユニット全体の組込みスペース、重量およびコストが低減され得、さらに、組込みおよびロジスティクスが最適化され得る。
弁FV,BP1,SV1,SV2,SV3,SV4は、電気的に遮断されると開く電磁弁として設計され得るのに対し、弁ZAVと、存在する場合、行程シミュレータ遮断弁(14)とは、好適には電気的に遮断されると閉じる電磁弁である。さらに、切換弁(SV1,SV2,SV3,SV4)は、好適にはその出口側を介して各ホイールシリンダ(RZ1,RZ2,RZ3,RZ4)に接続されており、これにより、各切換弁(SV1,SV2,SV3,SV4)は、故障が生じると、例えばその電気的な接続部に故障が生じると、各ホイールシリンダ(RZ1,RZ2,RZ3,RZ4)内の圧力に基づき自動的に開く。この弁構成により、特に、電力が供給されないと、ブレーキペダル(1)は、開いた供給切換弁(FV)を介してホイールシリンダ(RZ1,RZ2,RZ3,RZ4)に液圧的に接続されてよく、ブレーキ圧を上昇させることができる、ということが保証され得る。さらに、電気的に遮断されると閉じる行程シミュレータ遮断弁(14)が存在する場合、行程シミュレータ(WS)は、ブレーキペダル(1)から切り離されてよく、これにより、ペダル行程を例えば約40%節減することができる。
全ての電磁弁、特にZAVは、それぞれ冗長弁としてかつ/または冗長コイルを備えてかつ/または冗長制御器を備えて設計され得、これにより、弁の故障の確率を低下させることができる。例えば1年に1e-6の確率で1つの故障が発生する場合、同じ故障確率を有する冗長性により、年毎の故障確率を1e-6×1e-6=1e-12に減らすことができる。
また、電力供給手段が存在しかつ圧力供給ユニット(DV)は故障している場合、弁FV,BP1,SV1,SV2,SV3,SV4は開かれてよく、弁ZAVと、存在する場合、行程シミュレータ遮断弁(14)とは閉じられてよく、これにより、ブレーキ圧をブレーキペダル動作により増圧することができる。択一的に、バイパス弁(BP1)が閉じられてもよく、十分なブレーキ圧が依然として、足伝達式のブレーキペダル(1)の動作により第2のブレーキ回路(BK2)内で増圧され得る。圧力供給ユニット(DV)の電気制御装置の故障は、(単一の)マルチピストンまたはギヤポンプを備えかつ2×3相制御による冗長巻線を用いる特に好適な実施形態では、生じる見込みが全くないものとして分類され得る。電力供給手段の故障も生じる見込みがないため、行程シミュレータ遮断弁(14)は省かれてよい。
本発明では、ブレーキシステムは様々なセンサ、例えば特に圧力センサ(DG,DG2)、ペダル行程を確認するための冗長ペダル行程センサ(Sp1およびSp2)、力-ペダル行程特性を確認するためにシングルマスタシリンダのピストンに設けられる力-行程センサ(KWS)、リザーバ(VB)内のブレーキ液の充填レベルを確認するための充填レベルセンサ素子(6)、ESP介入用のヨー角センサ(GWS)、またはセンサの値が電子制御ユニット(ECU)に伝達され得る別のセンサ(例えば温度センサ)を有していてよい。力-行程センサ(KWS)に対して択一的または追加的に、圧力センサ(図示せず)がシングルマスタシリンダに組み込まれてもよく、圧力センサは、圧力室内の圧力を検出し、これをECUに伝達することができる。さらに、全ての電磁弁、特に弁SV1,SV2,SV3,SV4,BP1,ZAV,FV,14に関して、電子制御ユニット(ECU)により好適には冗長電子制御装置または冗長コイルを介して切り換えることも可能である。ABS/ESPを備えたシングルボックス装置では、電子制御ユニット(ECU)は液圧制御ユニット(HCU)に取り付けられかつ好適にはプラグコネクタ(13)により車両の搭載電気システムに接続され得、この場合、例えばFlexRayまたはCANまたはいくつかの別の形式によりバス通信が行われてよい。
冗長ペダル行程センサ(Sp1およびSp2)は、それぞれ異なる形式で実現され得る。図1aでは、2つのセンサロッドがシングルマスタシリンダピストン(3)の突出部により移動させられ、これらのセンサロッドは、冗長ペダル行程センサ(Sp1およびSp2)に作用する。ロッドの妨害を防ぐために、ピストン(3)の突出部には移動止め部材が収納され得る。冗長ペダル行程センサ(Sp1およびSp2)は、2つのピストンと、2つのピストンの間のばねとに接続されてもよい。このことは、このようにして力-行程測定が故障分析の点において、例えばピストン(3)の引っかかりに関して追加的な利点を伴って実現され得る、という利点を有している(独国特許出願公開第102010050132号明細書も参照)。
以下に、別の故障状態、その結果および診断によるその検出を説明する。
ホイールシリンダ(RZ1,RZ2,RZ3,RZ4)のうちの1つにおけるシール漏れにより生ぜしめられる制動力の損失は、弁の位置、温度、ブレーキシステムの通気、ホイールブレーキ(RB1,RB2,RB3,RB4)の遊び等といった様々な周辺条件に左右され得る、増圧Pbuild-upに関して予め決められた圧力-体積特性線との比較により、圧力供給ユニット(DV)による損失体積の追加的な受入れまたは体積の追加的な送出から識別され得る。制動力の損失が生じるホイールシリンダは、以下の診断を用いて場所を突き止めることができる:増圧Pbuild-upが生じた後には全ての切換弁(SV1,SV2,SV3,SV4)が開いており、ブレーキ回路(BK1,BK2)内に圧力が残留している場合、圧力供給ユニット(DV)に電力は最早供給されない。バイパス弁(BP1)の閉鎖後に、第2のブレーキ回路(BK2)内で圧力センサ(DG)により測定された圧力を調べることができる。圧力が下がっている場合には必然的に、ホイールシリンダRZ3および/またはRZ4が漏れていることになる。例えば切換弁SV3を閉じることにより、降圧が発生した場合にはホイールシリンダRZ4における漏れが識別され、または圧力が一定の場合にはホイールシリンダRZ3における漏れが識別される、ということが可能である。他方で、バイパス弁(BP1)が閉じられた後の圧力が一定のままである場合には、ホイールシリンダRZ3およびRZ4はシール状態にあると識別され得る。この場合、バイパス弁(BP1)は開かれており、切換弁SV1,SV3およびSV4は閉じられている。圧力が下がっている場合には、ホイールシリンダRZ2に漏れが生じていると識別され得るのに対し、圧力が一定の場合には、ホイールシリンダRZ1に漏れが生じていると識別され得る。制動力の損失を有するホイールシリンダ(例えばRZ1)の場所が突き止められると、関係する切換弁(例えばSV1)は、ユニットが保守作業中に交換されるまでは各制動動作前に閉じられてよく、これにより、減少してはいるがレベル2の自律運転用には十分な制動力を有する2つまたは3つのホイールシリンダ(例えばRZ2,RZ3,RZ4)により、減速が可能であり続ける。上述したように1つのホイールシリンダにおいて少量の漏れが識別される場合、この漏れは、このホイールシリンダの遮断に対する代替策としての圧力供給ユニット(DV)による補充により補償され得る。
切換弁SV1,SV2,SV3,SV4のうちの全てが閉じられた後に、中央出口弁ZAVと供給切換弁FVのシールを、好適には圧力供給ユニット(DV)による体積の送出を伴うまたは伴わない停止状態で、弁ZAVと弁FVとを交互に開閉することによって調べることができる。漏れの可能性のある場所を、ZAVまたはFVにおいて例えば圧力供給ユニット(DV)からの圧力振動を介してかつリザーバ(VB)内の充填レベルセンサ素子(6)とペダルの動きとの相互作用を介して突き止めることができる場合、以下の各手段がそれぞれ区別され得る:例えば汚れ粒子により塞がれた、最早シールしない中央出口弁(ZAV)の場合、または中央出口弁(ZAV)が電気制御装置の故障後に最早閉鎖不能である場合には、バイパス弁(BP1)が閉鎖されてよく、この場合、十分なブレーキ圧が依然として少なくとも第1のブレーキ回路内で、圧力供給ユニット(DV)により増圧され得る。他方では、例えば汚れ粒子により塞がれた、最早シールしない供給切換弁(FV)の場合には、バイパス弁(BP1)と、第2のブレーキ回路(BK2)内の切換弁SV3およびSV4と、中央出口弁(ZAV)とが閉じられてよく、これにより、原則として供給切換弁(FV)の漏れのために生じ得るシングルマスタシリンダ内でのペダル特性の狂いを防ぐことができ、十分なブレーキ圧が依然として第1のブレーキ回路(BK1)内で圧力供給ユニット(DV)により増圧され得る。ZAVまたはFVにおいて漏れの場所を突き止めることが不可能な場合には、FVにおける漏れの場合と同じ手順が用いられてよい。さらに、このような漏れ流が少量の場合には、上述したように、漏れ流は圧力供給ユニット(DV)による体積の送出により補償され得る。
中央出口弁(ZAV)が、最早開くことができない程に故障した場合には、シングルマスタシリンダとリザーバ(VB)とを介して供給切換弁(FV)を開放することにより、ブレーキ圧が下げられてよい。択一的にダブルマスタシリンダが使用された場合、ダブルマスタシリンダの別の圧力室は、図5aおよび図5bにおけるように、別の供給切換弁(FV2)を介して液圧制御ユニットに接続されており、減圧Preductionのためには両方の供給切換弁(FV,FV2)が開かれてよい。
第2のブレーキ回路内の切換弁(SV3,SV4)のうちの1つ(例えばSV3)が、例えば汚れ粒子のために最早閉じることができない程に故障した場合には、バイパス弁(BP1)が閉じられてよく、特にレベル2の自律運転用に十分な制動力は依然として、第1のブレーキ回路(BK1)内で圧力供給ユニット(DV)を介して増圧され得る。2つのブレーキ回路(BK1,BK2)のうちの1つに故障が生じた場合に特に有利なのは、車両の4つのホイールに対する制動力の、車両の前車軸と後車軸との間での各ブレーキ回路(BK1,BK2)の配置に関するいわゆるダイアゴナル配置が、より大きな制動作用(例えば前駆動回路が故障した場合、前/後車軸配置の場合の約30%に比べ、ダイアゴナル配置の場合には約50%)をもたらし得る、という点である。制動力のダイアゴナル配置とは、車両の一方の側のフロントホイールブレーキと、車両の他方の側のリアホイールブレーキとが1つのブレーキ回路に割り当てられる、ということを意味する。別の対角のホイールブレーキも、相応して第2のブレーキ回路に割り当てられる。
第1のブレーキ回路内の切換弁(SV1,SV2)のうちの1つ(例えばSV1)が、例えば汚れ粒子のために最早閉じることができない程に故障した場合には、バイパス弁(BP1)が閉じられかつ供給切換弁(FV)は開かれてよく、これにより、十分なブレーキ圧は依然として、足伝達式のブレーキペダル(1)の動作により第2のブレーキ回路(BK2)内で増圧され得る。存在する場合、行程シミュレータ遮断弁(14)も追加的に閉じられてよく、これにより、約40%のペダル行程が節減され得る。
供給切換弁(FV)が、例えば汚れ粒子のために最早閉じることができない程に故障した場合には、切換弁SV3,SV4と、中央出口弁(ZAV)と、バイパス弁(BP1)とを閉じることにより、第2のブレーキ回路を切り離すことができる。このようにして、シングルマスタシリンダ内のペダル行程特性の狂いを防ぐことができ、十分なブレーキ圧が引き続き圧力供給ユニット(DV)を介して、依然として第1のブレーキ回路(BK1)内で増圧され得る。非常ブレーキがかけられた場合、第2のブレーキ回路(BK2)内の切換弁(SV3,SV4)の開放後に、ホイールブレーキ(RB1,RB2,RB3,RB4)内の制動力は引き続き足伝達式のブレーキペダル(1)の動作により、さらに増大され得る。供給切換弁(FV)内の漏れ流が少量でありかつ非常ブレーキ中にホイールブレーキ(RB1,RB2,RB3,RB4)のうちの1つが遮断された場合には、中央出口弁(ZAV)と圧力供給ユニット(DV)とを介してABS制御が行われてよい。
ブレーキ回路(BK1,BK2)のうちの1つに設けられた圧力センサ(例えばDG)が故障した場合には、存在する場合、ブレーキ回路(BK1,BK2)のうちの1つに設けられた別の圧力センサ(例えばDG2)が使用され得る。ブレーキシステムにただ1つの圧力センサ(DG)しか設けられていない場合、ブレーキ回路(BK1,BK2)内の圧力は、ECUに保存された、予め決められた電流-圧力関係(例えば特性マップ)に従って、圧力供給ユニット(DV)のモータの電流を介して閉ループ制御により設定されてもよく、この場合、これらの電流-圧力関係は、様々な周辺条件、例えば増圧Pbuild-upまたは減圧Preduction、電磁弁の位置、温度等への依存を含み得る。
マスタシリンダの圧力室内の一次シール(D2)が故障した場合、つまり一次シール(D2)が漏れている場合には、マスタシリンダ内のブレーキ液が漏れている可能性があり、このことはペダル行程に制御不能な影響(この場合は増大)を及ぼす恐れがあると共に、「ブレーキバイワイヤ」により過度のブレーキ圧に上昇させられひいては望ましくない激しい制動動作が生ぜしめられる恐れがある。以下、マスタシリンダはシングルマスタシリンダであるとし、この場合、タンデムマスタシリンダの使用も同様に可能である。マスタシリンダ全体の故障の可能性を回避するためには、図1aにおけるように、リザーバに向かって閉じる逆止弁(RV1)と絞り(Dr1)との並列接続を介した、シングルマスタシリンダのリザーバ(VB)への接続が行われてよい。一次シール(D2)が漏れておりかつ二次シール(D1)はシールされている場合、漏れ流は逆止弁(RV1)により遮断されると共に絞り(Dr1)により絞られ、その結果生じるピストンまたはペダルの動きは極僅かであるに過ぎず、これにより、「ブレーキバイワイヤ」制動動作に生じる狂いも極僅かでしかない。絞り(Dr1)は、例えば漏れにより生ぜしめられるペダルの動きが約0.2mm/秒であるように設計され得る。よって、100km/hの車両を1gで減速させる約3秒の平均制動時間では、0.6mmだけペダル行程の狂いが生じ得、この狂いはペダル行程全体に関しては無視し得る程度に小さなものである。逆止弁(RV1)は、ブレーキ液をブレーキシステムに急速に充填することと、ホイールシリンダ(RZ1,RZ2,RZ3,RZ4)における、開かれた通気ねじを介した急速な通気とを可能にする。絞り(Dr1)は、温度変化が生じた場合の体積補償をも可能にする。
漏れを絞り(Dr1)により最早絞ることができない、一次シール(D2)の漏れと追加的な二次シール(D1)の漏れの潜在的な個別故障とから成る危機的な二重故障は、別の冗長一次シールおよび/または二次シール(図示せず)を用いて防ぐことができる。本発明では、図1aにおけるように、二次シール(D1)のシールは、一定の間隔で(例えば駐車する度に)診断することにより監視され得る。行程シミュレータ(WS)がない場合または行程シミュレータ遮断弁(14)を介して切換可能に接続された行程シミュレータ(WS)の場合、漏れは、このケースでは唯一、二次シール(D1)だけに割り当てられてよい。これらのケースのうちの1つにおける手順は、例えば次のように行われてよい:車両停止後の相応の弁の切換えにより、ブレーキシステム内の残留圧力が、開いた供給切換弁(FV)を介してシングルマスタシリンダ内に流入する場合、圧力センサ(DG)により検出された圧力変動に基づき、例えば10秒の時間の間、ブレーキシステム全体のシールを調べることが可能であり、この場合に確認された圧力低下は、漏れを表している。このような漏れが確認された場合には、切換弁(SV1,SV2,SV3,SV4)と、存在する場合、行程シミュレータ遮断弁(14)とが閉鎖してから、シングルマスタシリンダに、例えば20barの一定の圧力が所定の時間の間、圧力供給ユニット(DV)を介して供給され得る。この場合の送出量は、例えば圧力供給ユニット(DV)のモータに設けられたロータ位置センサにより検出される角度の変化を介して確認され得る。この送出量が、例えば20barにおける絞り(Dr1)の既知の送出量よりも多い場合、二次シール(D1)は漏れていると評価され得る。よって、一次シール(D2)と二次シール(D1)とが漏れている二重故障は、行程の最中に両方のシール(D1,D2)が同時に故障するという、起こる見込みのない場合にしか生じる恐れはない。行程シミュレータ遮断弁(14)無しの行程シミュレータ(WS)の場合には、いくつかの事情により、説明した診断と同様、検出された漏れを唯一、シングルマスタシリンダの二次シール(D1)だけに割り当てることができない場合もあり得る。なぜならば、漏れは、行程シミュレータ(WS)の行程シミュレータシール(D3)の漏れによっても生じ得るからであり、このことも、行程シミュレータシール(D3)の漏れによる絞りと、行程シミュレータ(WS)の行程シミュレータシール(D3)と別の冗長シール(Dr3)との間の別の絞り(Dr3)を介した絞りとに基づき、やはり接続部(図示せず)を介したリザーバ(VB)内への漏れ流をもたらし得る。この場合、D1またはD3に漏れが生じると、絞りDr1およびDr3に対する液圧抵抗の構成はそれぞれ異なるため、Dr1および/またはDr3を介してそれぞれある程度異なる漏れ流が生じてよく、これにより、次いで説明した診断が、D1またはD3における漏れの場所を突き止めることができる。他方では、D1またはD3における漏れの場所を突き止めずとも、D1またはD3における潜在的な故障は、両方のシール(D1,D3)を同時に交換することにより回避され得、このようにしてブレーキシステムの安全性を保証することができる。冗長一次シール(D3r)の追加的な故障は、起こる見込みのない二重故障として分類され得る。
リザーバ(VB)は、2つの相互冗長流体室を有していてよい。リザーバ(VB)は少なくとも1つの流体室内に、センサターゲット(7)を備えたフロート(8)を有しており、センサターゲット(7)は、リザーバ(VB)に取り付けられた電気制御ユニット(ECU)のプリント基板(5)上の充填レベルセンサ素子(6)と共に、リザーバ(VB)内のブレーキ液の充填レベルを実質的に連続して変化する方法で測定することができる。このようにしてやはり、ブレーキ回路内の少量の漏れ、例えばD1またはホイールシリンダRZ1~RZ4のうちの1つの漏れを冗長的に検出することが可能である。充填レベルセンサ素子(6)を電気制御ユニット(ECU)に組み込むことにより、コストを削減することができる。
図1bに示すブレーキシステムの別の実施形態は、図1aに関して別のバイパス弁(BP2)と、遮断弁(TV)と、別の(中央)出口弁(ZAV2)とを有している。このようにして、特に二重故障に関してブレーキシステム内の安全性を高めることができる。
別のバイパス弁(BP2)は、第2のブレーキ回路(BK2)に組み込まれてよく、これにより、第2のブレーキ回路(BK2)に故障が生じた場合には、ホイールシリンダRZ3およびRZ4を有する第2のブレーキ回路(BK2)を、残りのブレーキシステムから切り離すことができる。図1bに示すように、例えば第2のバイパス弁(BP2)を、第2のブレーキ回路(BK2)内の第1のバイパス弁(BP1)と圧力センサ(DG)との間の液圧管路に組み込むことが可能であり、この場合、中央出口弁(ZAV)は、第2のバイパス弁(BP2)を介して第2のブレーキ回路(BK2)に接続され得る。2つのバイパス弁(BP1,BP2)の組合せは、場合により遮断弁(TV)による拡張の可能性がある場合も、セーフティーゲート(SIG)と呼ぶことができる。
遮断弁(TV)は、第1のブレーキ回路(BK1)に組み込まれてよく、これにより、第1のブレーキ回路(BK1)に故障(例えばRZおよびSVの二重故障)が生じた場合には、ホイールシリンダRZ1およびRZ2を有する第1のブレーキ回路(BK1)を、残りのブレーキシステムから切り離すことができる。図1bに示すように、例えば遮断弁(TV)を、圧力供給ユニット(DV)または存在する場合は圧力供給ユニット(DV)に設けられた逆止弁(RV3)または電磁弁と、第1のブレーキ回路(BK1)の切換弁(SV1,SV2)との間の液圧管路に組み込むことが可能である。さらに、冗長圧力センサ(DG2)(図示せず)が第1のブレーキ回路(BK1)に接続され得る。
別の中央出口弁(ZAV2)は、ブレーキシステム内の圧力を中央出口弁(ZAV)に関して冗長的に低下させることができるように、ブレーキシステムに組み込まれてよい。図1bに示すように、前記別の中央出口弁は、例えば遮断弁(TV)と、圧力供給ユニット(DV)または存在する場合は圧力供給ユニット(DV)に設けられた逆止弁(RV3)または電磁弁との間の液圧管路に接続され得る。安全上の理由から、中央出口弁ZAVおよびZAV2は、リザーバ(VB)の別個の部分に接続されるべきである。中央出口弁ZAV2は、例えば図1bに示すように、マスタシリンダに設けられた別の開口とピストン(3)に設けられた環状漏らし開口とを介してリザーバ(VB)に接続されてもよい。
第2のバイパス弁(BP2)および遮断弁(TV)は、電気的に遮断されると開く電磁弁として設計され得るのに対し、別の中央出口弁(ZAV2)は、電気的に遮断されると閉じる電磁弁として設計され得る。第2のバイパス弁(BP2)および遮断弁(TV)はさらにそれぞれその出口側を介して、それぞれ第2のブレーキ回路(BK2)および第1のブレーキ回路(BK1)に接続され得、これにより、(例えば電力が供給されない状態で)弁制御装置に故障が生じた場合、第2のバイパス弁(BP2)および遮断弁(TV)は、ブレーキ回路(BK1,BK2)内の残留圧力により開放され得る。よって、図1aにおけるブレーキシステムの場合と同様に、電力が供給されない状態でも、制動動作は足伝達式のブレーキペダル(1)の動作により実行され得る、ということが可能である。
2つの(中央)出口弁(ZAV,ZAV2)のうちの1つ(例えばZAV)が、最早開くことができない程に故障した場合には、他方の中央出口弁(ZAV2)を介して減圧Preductionが実行され得る。この場合、図1aにおける状況とは異なり、供給切換弁(FV)は開かれなくてよく、これにより、「ブレーキバイワイヤ」機能を保つことができ、特に、ペダル行程特性の狂いひいてはペダルの動きに対する影響が回避され得る。
本発明による1つの実施形態では、別の中央出口弁(ZAV2)はさらに、ドライビングダイナミクス介入中(例えばABS)に、1つのブレーキ回路(BK1,BK2)につきそれぞれ2つのホイールシリンダ(RZ1,RZ2およびRZ3,RZ4)のそれぞれにおいて独立して、閉ループ制御により減圧Preductionが設定され得る、という利点を有している。
(例えば電気的な接続部における汚れ粒子または故障のために)供給切換弁(FV)が最早閉じることができない場合には、第2のバイパス弁(BP2)を介して安全性を高めることができる。このような場合、シングルマスタシリンダは、両方のバイパス弁(BP1,BP2)を閉じることによりブレーキシステムから切り離されてよく、十分なブレーキ圧が圧力供給ユニット(DV)を介して、依然として第1のブレーキ回路(BK1)内で増圧され得る。この場合、減圧Preductionは、例えば別の(中央)出口弁ZAV2を介して行われてよい。非常ブレーキがかけられた場合、制動力は足伝達式のブレーキペダル(1)の動作により、第2のブレーキ回路(BK2)において第2のバイパス弁(BP2)の開放後に、さらに増大され得る。これにより、例えば完全な通常ブレーキ動作の約75%の制動動作を達成することが可能である。供給切換弁(FV)が最早閉じなくなっていることによる漏れが少量の場合には、例えば切換弁(SV3,SV4)と中央出口弁のうちの1つ(ZAV)とを介してABS介入用の減圧Preduction(および増圧増圧Pbuild-up)を実施することが依然として可能である。
一次シール(D2)と二次シール(D1)とに加えて、シングルマスタシリンダはさらに、冗長一次および/または二次シール、特に図1bに示す冗長一次シール(D2r)を有していてよい。
シングルマスタシリンダ内の、一次シール(D2)と二次シール(D1)との間に設けられた漏らし開口は、図2に示すと共に以下でさらに説明する、いわゆる診断弁(V)を介してリザーバ(VB)に接続され得る。ブレーキ回路(BK1,BK2)内の減圧Preductionを(中央)出口弁(ZAV、および存在する場合、ZAV2)を介して実施することができない故障が生じた場合、圧力は、開いた供給切換弁(FV)とシングルマスタシリンダとを介してリザーバ(VB)内へ放圧することにより低下させられてよい。図1aでは、リザーバに対するシングルマスタシリンダの液圧接続部における絞り(Dr1)と逆止弁RV1との並列接続に基づき、減圧Preductionは極少量の体積流量によってのみ実施され得るのに対し、図1bにおける減圧Preductionの場合には、比較的多量の体積流量をリザーバ(VB)に戻すことができ、供給されるこの体積流量は、Vの構成により予め決められた閉鎖体積流量よりも少ない。関係する電磁弁(例えばSV1,SV2,SV3,SV4,BP1,BP2,FV)の適当な制御、例えばパルス幅変調(PWM)により、診断弁(V)の限界体積流量を超過しないように減圧Preductionを実施することができ、したがって診断弁(V)は減圧中、開いたままである。他方では、図1aで説明した、マスタシリンダのシール、つまり二次シール(D1)のシールの監視用の診断も同様に診断弁(V)により実施することができ、この場合は、Vの閉鎖体積流量を上回る体積流量が、圧力供給ニット(DV)によりマスタシリンダ内へ運び込まれる。なぜならば、診断弁(V)が閉じた場合には、圧力センサ(DG)により検出される圧力特性線を介して、シールされているということを確定することができるからである。単一の中央出口弁(ZAV)により図1aにおいて安全性を高めるためには、シングルマスタシリンダとリザーバ(VB)との間の液圧接続部が、図1bに示す診断弁(V)に対する接続部により代替されてもよい。
図1aとは対照的に、絞り(Dr1)と逆止弁(RV1)との組合せにより保護されていないマスタシリンダ内の一次シール(D2)を保護するためには、冗長一次シール(D2r)が使用され得る。一次シールの診断は、力-行程センサ(KWS)とペダル行程センサ(Sp1,Sp2)とを介して、制動動作中に実施され得る。択一的に、一次シールの診断は、シングルマスタシリンダ内の圧力センサとペダル行程センサ(Sp1,Sp2)とを介して実施されてもよい。
図2には、例えば図1bにおける診断弁(V)として使用され得る背圧弁の1つの可能な実施形態が示されている。背圧弁は2つの開口を有していてよく、この場合、2つの開口のうちの1つは弁座と、好適には他方の開口よりも大きな開口横断面とを有していてよい。さらに、前記背圧弁は、シール球(18)を備えたプランジャを有していてよく、この場合、液体が流れていないと、プランジャはばね(F)により、シール球(18)が好適にはより大きな開口の弁座を閉鎖することができないように、弁ハウジング内に緊締され得る。対照的に、液体が弁座無しの開口を介して弁座ありの開口を通流する場合、開口、弁座およびシール球(18)の予め決められた幾何学形状に基づき、いわゆる閉鎖体積流量を上回ると背圧を生ぜしめることができ、この背圧は、シール球(18)を弁座に押し込みひいてはこの方向に弁を閉じる。閉鎖体積流量を上回る体積流量において診断弁(V)が閉じた場合、診断弁(V)は、Vの構成により予め決められた別の開放体積流量を下回ったときに、再び同じ流れ方向に開くことができる。別の流れ方向には、ブレーキ液は弁を介して閉動作無しで運ばれてよい。
図3a~図3cには、本発明よるブレーキシステムに設けられたいわゆるフェールセーフシングルマスタシリンダユニット(SHZ)用の、本発明による様々な実施形態が示されており、以下に説明する保護手段は、タンデムマスタシリンダユニット(THZ)においても同様に使用され得る。図3a~図3cに関連して説明するシングルマスタシリンダユニット(SHZ)はそれぞれ、図1a~図1b、図4a~図4cおよび図5a~図5bに基づくシステムにおいても使用され得る。
図3aには、図1aに関して、外部に対するマスタシリンダのシールを保護するために別の冗長二次シール(D1r)を有するシングルマスタシリンダユニット(SHZ)の1つの実施形態が示されている。マスタシリンダはさらに、二次シール(D1)と冗長二次シール(D1r)との間の別の開口を有しており、別の開口は、絞り(Dr4)を介してリザーバ(VB)に接続されている。二次シール(D1)のシールも、この接続部を介して診断され得る。
図3bには、図1bに示したものに相応する、リザーバ(VB)に対するマスタシリンダの接続に関するシングルマスタシリンダユニット(SHZ)の1つの実施形態が示されている。
図3cには、冗長一次シール(D2r)と、任意には冗長二次シール(D1r)とを有するシングルマスタシリンダユニット(SHZ)の1つの実施形態が示されている。一次シール(D2)と二次シール(D1)との間の漏らし開口に加えて、マスタシリンダは、一次シール(D2)と冗長一次シール(D2r)との間に別の開口を有していてよく、この場合は2つの開口が1つの液圧管路を介して接続されていてよく、この液圧管路もまた切換え可能なリザーバ遮断弁(17)を介してリザーバ(VB)に接続されている。リザーバ遮断弁(17)は、圧力室シールの冗長手段と見なすことができる。それというのも、リザーバ遮断弁(17)は、一次シール(D2,D2r)のうちの1つに漏れが生じた場合には閉じられてよいからである。図3cにおけるリザーバ遮断弁(17)は、電気的に遮断されると開く電磁弁として設計され得る。これにより、電気的に遮断された状態においてもブレーキシステムは充填されかつ通気され得る。
図1aおよび図3aに示した絞りと逆止弁との組合せの場合と同様に、外部に対するマスタシリンダのシール、つまり二次シール(D1)の診断が、停止状態においてリザーバ遮断弁(17)が閉じられている場合に、残留圧力または圧力供給ユニット(DV)を介して行われる、ということがさらに可能である。別の冗長二次シール(D1r)および絞り(Dr4)を介してリザーバ(VB)に接続された、二次シール(D1)と冗長二次シール(D1r)との間のマスタシリンダの別の開口の場合には、診断においてDr4を通流する漏れ流が考慮され得る。
複数の別の開口が、別の冗長一次シール間に設けられていてよく、これらの別の開口もやはり、リザーバ遮断弁(17)を介してリザーバ(VB)に接続され得る。
この場合、フェールセーフとは一般に、ブレーキシステムの要素の個別故障が冗長手段により保護されており、ブレーキシステムの要素の故障または冗長手段の故障が診断により確定され得ることを意味する。個別故障(または個別欠陥)とは、ブレーキシステムの唯一の要素の1つの故障(または欠陥)である。他方において二重故障(または二重欠陥)または多重故障(または多重欠陥)は、ブレーキシステムの2つ以上の要素の故障(または欠陥)を指す。一般に、二重または多重欠陥は、それらが発生する見込みが極めて低い場合には容認され得る。しかし、ブレーキシステム全体の故障につながる恐れのある二重欠陥は、フェールセーフシステムにおいて回避されるべきである。別の個別欠陥と共にそれぞれ二重欠陥につながる、いわゆる潜在的な個別欠陥が、冗長的に追加診断により保護または確認されると、フェールセーフシステムにおける二重欠陥が回避され得る。
シングルマスタシリンダは、マスタシリンダの圧力室シールがフェールセーフの場合にフェールセーフである。通常の、つまり欠陥無しの状態では、シングルマスタシリンダの圧力室シールは、例えばシングルマスタシリンダの一次シール(D2)により実現される。例えば一次シール(D2)の漏れにより生ぜしめられるシングルマスタシリンダの圧力室シールの個別故障は、ブレーキシステム全体の故障につながる恐れがある。よって、所望のフェールセーフは、圧力室シール用の少なくとも1つの冗長手段と、圧力室シールまたは圧力室シールの冗長手段の少なくとも1回の診断とを必要とする。フェールセーフマスタシリンダは、SAE J3016規格に基づくレベル3~4において使用され得る。
圧力室シールに必要とされる少なくとも1つの冗長手段は、例えば、
-図1aおよび図3aにおけるように、リザーバ(VB)に対するマスタシリンダの接続部に設けられた絞り(D1r)と逆止弁(RV1)との組合せによる、この場合は無視し得るペダル行程変化を伴う上述した絞りを介して、
-または図1b、図3bおよび図3cにおけるように、第2の冗長一次シール(D2r)を介して、
-または図3cにおけるように、シングルマスタシリンダの漏らし開口をリザーバ(VB)に接続する、切換可能なリザーバ遮断弁(17)の閉鎖により
実現され得る。
(さらに必要とされる少なくとも1回の診断は別として)マスタシリンダのフェールセーフ用には1つの冗長手段で十分である一方で、冗長手段は、安全性を高めるために適切に組み合わせられてもよい。例えば、リザーバ(VB)に対するマスタシリンダの接続部に設けられた冗長手段(Dr1/RV1の組合せまたはリザーバ遮断弁17)には依存しない、別の冗長一次シール(例えばD2r)が使用され得る。原則として、Dr1/RV1の組合せと、リザーバ遮断弁17とを組み合わせることも考えられる。
圧力室シールまたは圧力室シールの冗長手段の少なくとも1回の診断は、圧力室シールの診断として行われてよく、例えば
-図1b、図3bおよび図3cにおけるように、それぞれペダル力(F)または圧力室内の圧力を測定する、マスタシリンダのピストンに設けられた力-行程センサ(KWS)またはマスタシリンダの圧力室に設けられた圧力センサにより、制動動作中、つまり足伝達式の動作中に、一次シール(D2)のシールが監視され、ペダル力(F)または圧力はそれぞれ、ペダル行程センサ(Sp1,Sp2)により検出されるピストン(3)の動きに応じて分析される;
または圧力室シールの冗長手段の診断として行われてよく、例えば
-図1aおよび図3aにおけるように、例えば圧力供給ユニット(DV)の送出体積および/またはリザーバ(VB)内の充填レベル変化を介して確認され得るリザーバ(VB)への戻りを、想定可能な逆止弁(RV1)による遮断および絞り(Dr1)による絞りと比較することにより、絞り(Dr3)と逆止弁(RV1)との組合せが、上述したように車両の停止状態で、好適には駐車時に、ブレーキシステム内の残留圧力または圧力供給ユニット(DV)により、診断され得る;
-または図3cにおけるように、圧力供給ユニット(DV)と、相応する弁位置(例えば閉じたSV1,SV2,SV3,SV4,ZAV,14および開いたBP1,FV)とを介して、場合によりリザーバ(VB)内の充填レベルセンサを考慮して、切換可能なリザーバ遮断弁(17)のシールが確認され得る。
好適には駐車時の車両の停止状態において行われる診断に関して、安全性は、制動動作ひいては特に数回の行程の最中に行われる診断により高められてよい。マスタシリンダ内の別の冗長一次シール(例えばD2r)も同様に、マスタシリンダの圧力室に設けられた力-行程センサ(KWS)および/または圧力センサにより診断され得る。
「ブレーキバイワイヤ」システムでは慣例であるように、ブレーキシステムが行程シミュレータ(WS)に接続されている場合には、行程シミュレータ(WS)もフェールセーフ設計であるべきである。行程シミュレータ(WS)は、行程シミュレータ(WS)の圧力室シールがフェールセーフである場合にはフェールセーフである。通常の、つまり欠陥無しの状態では、行程シミュレータ(WS)の圧力室シールは、例えば行程シミュレータ(WS)の行程シミュレータシール(D3)により実現される。例えば行程シミュレータシール(D3)の漏れにより生ぜしめられる、行程シミュレータ圧力室のシールの個別故障も、やはりブレーキシステム全体の故障につながる恐れがある。よって、所望のフェールセーフは、圧力室シール用の少なくとも1つの冗長手段と、圧力室シールまたは圧力室シールの冗長手段の少なくとも1回の診断とを必要とする。
必要とされる圧力室シール用の少なくとも1つの冗長手段は、例えば
-第2の冗長行程シミュレータシール(D3r)により実現され得る;
-または、図1a、図1b、図3a、図3bおよび図3cにおけるように、第2の冗長行程シミュレータシール(D3r)と、行程シミュレータシール(D3)と冗長行程シミュレータシール(D3r)との間の絞り(Dr3)を介した、この場合は緩やかなペダル行程変化を伴う、上述した漏れの絞りとにより実現され得る。
行程シミュレータの圧力室シールまたは圧力室シールの冗長手段の少なくとも1回の診断は、圧力室シールの診断として行われてよく、例えば
-図1b、図3bおよび図3cにおけるように、それぞれペダル力(F)または圧力を測定する、マスタシリンダのピストンに設けられた力-行程センサ(KWS)またはマスタシリンダの圧力室に設けられた圧力センサにより、制動動作中、つまり足伝達式の動作中に、行程シミュレータシール(D3)(および一次シール(D2))のシールが監視され、ペダル力(F)または圧力はそれぞれ、ペダル行程センサ(Sp1,Sp2)により検出されるピストン(3)の動きに応じて分析される;
-または図1a、図1b、図3a、図3bおよび図3cにおけるように、例えば圧力供給ユニット(DV)の送出体積および/またはリザーバ(VB)内の充填レベル変化を介して確認され得るリザーバ(VB)への戻りを、場合によりリザーバ(VB)内の充填レベルセンサを考慮して、想定可能な逆止弁(RV1)による遮断および絞り(Dr1,Dr2)による絞りと比較することにより、相応する弁位置で、行程シミュレータシール(D3)のシールが、車両の停止状態で、好適には駐車時に、ブレーキシステム内の残留圧力または圧力供給ユニット(DV)により監視される;
-または図3cにおけるように、圧力供給ユニット(DV)と、相応する弁位置(例えば閉じたSV1,SV2,SV3,SV4,ZAV,17および開いたBP1,FV,14)とを介して、場合によりリザーバ(VB)内の充填レベルセンサを考慮して、行程シミュレータシール(D3)のシールが確認され得る。
安全性を高めるためには、複数の診断が適切に組み合わせられてよい。
通常、診断された、接続された圧力室内の漏れの場所は、マスタシリンダの圧力室と行程シミュレータ(WS)との液圧接続に基づき、突き止めることができない。なぜならば、この漏れは、例えばマスタシリンダの一次シール(D2)の漏れと行程シミュレータシール(D3)の漏れの両方により生ぜしめられる場合があるからである。このことは、診断された、接続された圧力室内のシールに、両方のシール(D2,D3)がシールされていることが含まれる限り、フェールセーフに関しては十分である。行程シミュレータ遮断弁(14)が存在する場合には、行程シミュレータ(WS)またはマスタシリンダにおける如何なる漏れの場所も突き止めることができる。
通常状態では例えば二次シール(D1)を介して実施され得る、外部に対するシングルマスタシリンダのシールに対する安全性の要求は、マスタシリンダ圧力室のシールに対する要求よりも厳しくなくてよい。なぜならば、一方では二次シール(D1)は高圧をかけられることがなく、かつ他方では欠陥の結果があまり危機的ではないからである。フェールセーフに対するより厳しい要求とは対照的に、要素の少なくとも1つの冗長手段および/または要素の1つの故障を診断することができれば、安全性は保証されている。
ブレーキ液の損失につながる恐れのある、外部に対するシングルマスタシリンダのシールの個別故障、例えば二次シール(D1)の漏れは、例えば冗長的に、
-図3aおよび図3cにおけるように、第2の冗長二次シール(D1r)により保護され得る、
-または図3aおよび図3cにおけるように、二次シール(D1)と冗長二次シール(D1r)との間のシングルマスタシリンダの別の開口を、この場合は穏やかな漏れを伴ってリザーバ(VB)に接続する別の絞り(Dr4)によって絞ることにより保護され得、穏やかな漏れもまた、車両の停止状態において例えばリザーバ(VB)内のブレーキ液のレベル変化を介して監視され得る。
さらに、制動動作が行われない動作、特に車両の停止状態(例えば駐車時)を指す非制動動作の最中に、二次シール(D1)のシールが確定または診断され得る、つまり、
-図1aおよび図3aにおいて既に上述したように、体積は、第1段階ではブレーキ回路(BK1,BK2)内の残留圧力により、かつ第2段階では圧力供給ユニット(DV)により、マスタシリンダを介してリザーバ(VB)内に運び込まれ、閉ループ制御により設定された圧力において、圧力供給ユニット(DV)の送出体積が、通常の想定可能な絞り流と比較される、
-または図1bおよび図3bにおいて既に上述したように、体積は、圧力供給ユニット(DV)により、マスタシリンダを介してリザーバ(VB)内へ、診断弁(V)の閉鎖体積流量を上回る流体流でもって運び込まれ、圧力センサ(DG)により検出された圧力特性が分析される、
-または図3cにおけるように、体積は流体流でもって、圧力供給ユニット(DV)によりマスタシリンダを介してリザーバ(VB)内へ運び込まれ、このときリザーバ遮断弁(17)は閉じられており、閉ループ制御により設定された圧力において、圧力供給ユニット(DV)の送出体積が、絞り(Dr4)を通流する、通常の想定可能な絞り流と比較される。
安全性を高めるためには、冗長手段と診断とが様々な適切な方法で組み合わせられてよい。診断では、リザーバ(VB)内の充填レベルセンサ(6)も同様にまたは追加的に、漏れを確認するために使用され得る。
閉鎖状態での供給切換弁(FV)のシール、つまり通常状態では例えば弁座のシールにより行われる供給切換弁(FV)のシールに対する安全性の要求も同様に、マスタシリンダ圧力室のシールに対する安全性の要求よりも厳しくなくてよい。なぜならば、欠陥の結果があまり危機的ではないからである。フェールセーフに対するより厳しい要求とは対照的に、要素の少なくとも1つの冗長手段および/または要素の1つの故障を診断することができれば、安全性は保証されている。
例えば汚れ粒子により生ぜしめられ、「ブレーキバイワイヤ」機能を損ないかつブレーキペダルシステムの力-行程特性を狂わせる恐れがある、供給切換弁(FV)のシールの個別故障が生じると、例えば冗長手段を介して、つまり
-直接接続された別の電磁弁(図示せず)を介して、
-または図1a、図1b、図3a、図3b、図3cにおいて既述したように、電磁弁ZAV,SV3,SV4,BP1または場合によりZAV,BP1,BP2を閉じて第2のブレーキ回路(BK2)を非作動化することで、第1のブレーキ回路(BK1)を介して十分な制動力が依然として供給可能であり得る(例えば制動動作の50%は依然としてホイール配置に依存し続ける)。
さらに、図1a、図1b、図3a、図3bおよび図3cにおけるように、好適には非制動動作中に、圧力供給ユニット(DV)とペダル行程変化とを介して、閉じられた供給切換弁(FV)のシールが確定され得る。安全性を高めるためには、冗長手段と診断とが様々な適切な方法で組み合わせられてよい。
液圧制御ユニット(HCU)内の(中央)出口弁(ZAV,ZAV2)が最早開放され得ない場合、マスタシリンダを介した減圧Preductionは、図1aおよび図3aでは(Dr1を介して)絞ることによってのみ行うことができるのに対し、図1b、図3bおよび図3cでは、減圧Preductionは、マスタシリンダを介してあまり絞らずに行われてもよい。
マスタシリンダの少なくとも1つの液圧出口と供給切換弁(FV)との間の液圧接続は、図3bおよび図3cにおけるように、背圧弁(19)を介して行われてよく、背圧弁(19)は、(約500Nよりも大きな)過度に高いペダル力が生じた場合にマスタシリンダから液圧制御ユニットに向かう流れ方向において、例えば背圧作用に基づき主出口は遮断するが、弁板(20)に配置された絞りポイントにより第2の絞り出口は維持する、背圧弁(19)内の穿孔された弁板(20)に基づき、絞りを成すように構成されかつ接続されている。
図3dには、図3cにおけるシングルマスタシリンダユニット(SHZ)のブレーキペダル(1)のペダルの力-行程特性線(21)が例示されており、この場合、ペダル行程(Sp)は、全ペダル行程に対して相対的に記入されている。ブレーキペダル(1)の戻し力は、(図3dにおける10%の範囲までは)マスタシリンダ内の戻しばね(RF1)により生ぜしめられ、(図3dにおける40%の範囲からは)行程シミュレータ(WS)において制御可能な弾性により生ぜしめられる。マスタシリンダまたは行程シミュレータ(WS)の圧力室のシールに欠陥が生じた場合のブレーキペダル(1)の落込みを防ぐためには、別の戻しばね(RF2)がマスタシリンダ内に組み込まれてよく、別の戻しばねは、例えばペダル行程のおよそ10%から、ブレーキペダル(1)のペダル力-行程特性線の勾配を増大させる。
本発明によるブレーキシステムの1つの好適な実施形態は図3bから導出され得、この場合、リザーバ(VB)に対するマスタシリンダの接続部において診断弁Vが省かれており、つまりマスタシリンダは、一次シール(D2)と二次シール(D1)との間の漏らし開口を介して、リザーバ(VB)に直接に接続されている。この実施形態のシングルマスタシリンダは、上記説明に基づき、冗長一次シール(D2r)と、冗長行程シミュレータシール(D3r)と、力-行程センサ(KWS)とによりフェールセーフである。二次シール(D1)の漏れは、車両の停止状態において、リザーバ(VB)またはプリント基板に設けられた充填レベルセンサ素子(6)により診断され得る。さらに、二次シール(D1)は、(例えば2~3年毎の)保守作業中に、弁FV,ZAVおよび存在する場合はZAV2,AV1~4ならびに行程シミュレータ遮断弁を閉じた状態で例えば5barの圧縮空気をリザーバ(VB)に供給することにより、漏れを確認され得る。
図4aには、本発明によるブレーキシステムの1つの別の実施形態が示されており、この場合、図1aおよび図1bに対して、圧力供給装置(DV)はロータリーポンプの代わりに2系統複動ピストンポンプを有しており、2系統複動ピストンポンプは、1つのピストンと、ピストンの前後にそれぞれ1つずつ設けられた2つの圧力室と、1つの中心ロッドとを有していてよく、この場合、ピストンは、中心ロッドと、電動駆動装置を備えた伝動装置とを介して双方向に動かされてよい。例えば、伝動装置はボールねじ駆動装置として実現されてよく、電動駆動装置はブラシレス直流モータとしてまたはいくつかの別の形態で実現されてよい。図4a~図4cおよび図5a~図5bに関連して説明する圧力供給ユニット(DV)の各構成は、図1a~図1bおよび図3a~図3cに示した本発明によるシステムにおいてまたは該システムと共に使用され得る。
従来技術において周知のような、1つのブレーキ回路(例えばBK1)に対するホイールシリンダ(例えばRZ1,RZ2)の接続は、それぞれ1つの切換可能な入口弁(例えばEV1,EV2)を介して実現され得、この場合、ホイールシリンダ(例えばRZ1,RZ2)は、それぞれ1つの切換可能な出口弁(例えばAV1,AV2)を介してリザーバ(VB)に接続され得る。入口弁または出口弁は、切換弁と見なされてもよい。択一的に、図1aおよび図1bにおけるような、ブレーキ回路(例えばBK2)に対するホイールシリンダ(例えばRZ3,RZ4)の接続は、それぞれ唯一の切換弁(例えばSV3,SV4)を介して実現され得、この場合は少なくとも1つのブレーキ回路が、中央出口弁(ZAV)と場合により別の弁とを介して切換可能にリザーバ(VB)に接続され得る。このような接続は電磁弁の数を減らすことができ、これによりコストを節約することができる。
複動ピストンポンプの2つの圧力室のうちの一方は、ポンプの液圧出口と、圧力供給ユニット(DV)に向かって閉じる逆止弁(RV3)と、場合により別の弁とを介して第1のブレーキ回路(BK1)に接続され得る。さらに、圧力室は、ポンプの吸込補充入口(漏らし開口または開口)と、リザーバ(VB)に向かって閉じる別の逆止弁(RV6)と、場合により別の弁とを介してリザーバ(VB)に接続され得る。他方の圧力室も同様に、ポンプの別の液圧出口と、圧力供給ユニット(DV)に向かって閉じる逆止弁(RV4)と、場合により別の弁とを介して第2のブレーキ回路に接続され得る。さらに、前記圧力室は同様に、ポンプの別の吸込補充入口(漏らし開口または開口)と、リザーバ(VB)に向かって閉じる別の逆止弁(RV5)と、場合により別の弁とを介してリザーバ(VB)に接続され得る。2つの吸込補充入口と2つの液圧出口とピストンとを備えたポンプは、ピストンの両方の運動方向において、つまり前進行程中と後退行程中の両方において、ブレーキ液がリザーバ(VB)から2つのブレーキ回路(BK1,BK2)のうちの少なくとも1つに送出され得、これによりブレーキ圧が増大され得るように設計されてよく、この場合、定義上、前進行程とは、ピストンの中心ロッドとは反対の側の圧力室から(図4aではRV3を介して)ブレーキ液を押し出すピストンの運動方向を指す。他方において後退行程とは、他方の圧力室から(図4aではRV4を介して)ブレーキ液を押し出すピストンの運動方向を指し、この場合のピストンの有効ピストン範囲は、前進行程中のピストンの有効ピストン範囲に対し、より小さくなっていてよい。
実施形態に応じて、2つのブレーキ回路(BK1,BK2)は、図1aにおけるようにバイパス弁(BP1)を介して、または図1bにおけるように直列接続された2つのバイパス弁(BP1,BP2)と場合により別の弁とを介して互いに切換可能に接続され得る。これにより、圧力供給ユニット(DV)内でのピストンの前進行程中に、ブレーキ圧は選択的に第1のブレーキ回路(BK1)または両方のブレーキ回路(BK1,BK2)内で増大され得る。同様に、圧力供給ユニット(DV)内でのピストンの後退行程中にも、ブレーキ圧は選択的に第2のブレーキ回路(BK2)または両方のブレーキ回路(BK1,BK2)内で増大され得る。
ブレーキシステムでは同様に一般的であり、体積を1つの行程方向(前進行程)のみでブレーキシステム内へ送出することができる単動ピストンポンプ(図示せず)に対し、図4aにおけるような複動ピストンポンプと例示的な接続とを有する本発明によるブレーキシステムは、追加的に要求されたブレーキ液体積の補充送出が行われる前に、圧力室の液圧出口が閉じられた状態でピストンが全体的または部分的に後退させられねばならない単動ピストンポンプの場合に費やされる時間を節約することができる、という点において有利であると証明し得る。このような空後退行程の間は、圧力供給ユニット(DV)を介して圧力をブレーキシステムに供給することはできない。対照的に、図4aにおける複動ピストンポンプを備えた本発明によるブレーキシステムでは、ブレーキ圧は、前進行程と後退行程とが交替することにより連続的にブレーキ回路(BK1,BK2)に供給され得る。このようにして、特に複動ピストンポンプの構造長さが短縮され得る。
他方において図4aにおけるような複動ピストンポンプと例示的な接続とを備えた本発明によるブレーキシステムは、ピストンの前進・後退行程中の各有効ピストン範囲の異なる大きさが、伝動装置および電動駆動装置の構成においていわゆる小型化のために利用され得る、という点において有利であると証明し得る。ブレーキシステムでは一般的な2つの圧力範囲、つまり一方ではホイール/接地システムにおける摩擦係数が高い場合の、例えば約100~120barのいわゆるロック圧力までの圧力の標準的な圧力範囲と、他方では例えば約200barまでの圧力の、より高い圧力範囲とに関して、ピストンの有効ピストン範囲と、複動ピストンポンプの伝動装置と電動モータとは、好適には、前進行程中、圧力は標準的な圧力範囲において依然として十分に支持され得るのに対し、より高い圧力範囲では、圧力は比較的小さなピストン背面側によってしか支持され得ないように設計され得る。比較的大きなピストン背面側を介した前進行程は、特にホイールシリンダの充填中にまず第1に、ブレーキ圧が比較的穏やかに上昇するブレーキの遊びを可能な限り迅速に克服することが必要な場合に有利であると証明し得る。比較的小さなピストン背面側を介した後退行程は、特にブレーキの遊びが克服された後に圧力が大幅に上昇し、かつ圧力の大幅な上昇に基づき、送出すべきブレーキ液体積はより少なくなる場合に有利であると証明し得る。
小型化を伴う設計では、より高い圧力範囲内への後退行程が行われた後の増圧Pbuild-up中、空の予行程が必要とされてよく、これにより、例えば閉じられた切換弁(SV3,SV4)および入口弁(EV1,EV2)、閉じられた供給切換弁(FV)、存在する場合、好適には閉じられた第2のバイパス弁(BP2)、開かれた第1のバイパス弁(BP1)および開かれた中央出口弁(ZAV)を介して、ブレーキ液は、より大きな有効ピストン範囲を有する圧力室からリザーバ(VB)内へ運び込まれてよい。このような空の予行程は最大約100ms継続され得るが、使用する必要があるのは極まれにしかない。次いで、引き続く後退行程により、増圧Pbuild-upはより高い圧力範囲内で継続され得る。
図1aおよび図1bにおけるロータリーポンプの場合と同様に、ブレーキ回路(BK1,BK2)内の減圧Preductionは、通常状態では中央出口弁(ZAV)または別の(中央)出口弁(ZAV2)を介して実現され得る、または欠陥が生じた場合には、供給切換弁(FV)とシングルマスタシリンダとを介して実現され得る。各ブレーキシリンダ(例えばRZ1,RZ2)における出口弁(例えばAV1,AV2)を介したABS介入等の減圧Preductionとは対照的に、切換弁(例えばSV3,SV4)と中央出口弁(ZAV)とを介した減圧Preductionは、個々のホイールシリンダ(RZ1,RZ2,RZ3,RZ4)および/またはブレーキ回路(BK1,BK2)の間の差圧という点において有利であると見なされてよく、この場合、切換弁および/またはバイパス弁(BP1,BP2)は、パルス幅変調(PWM)により制御され得る。このようにして、騒音の発生もある程度最小に減らすことができる。完全な減圧Preductionの場合、複動ピストンポンプのピストンは、その電動駆動装置を介して後退行程によりその初期位置にもたらされてよく、この場合、ブレーキ液体積は、より小さなピストン有効範囲を有する圧力室から、やはりバイパス弁(BP1,BP2)のうちの少なくとも1つと中央出口弁(ZAV)とを介してリザーバ(VB)内に送出される。
リザーバ(VB)に対する複動ピストンポンプの接続部においてリザーバ(VB)に向かって閉じる逆止弁(RV5,RV6)に基づき、特にこの実施形態では、ポンプの液圧出口と、各逆止弁(RV3,RV4)と、各ブレーキ回路(BK1,BK2)とを介してのみ行われる、複動ピストンポンプの両方の圧力室の(部分的な)排気および通気が可能である。
図4bには、図4aに対し、好適にはより大きな有効範囲を有する圧力室のポンプ出口に設けられた逆止弁(RV3)が切換可能な電磁弁(PD1)により代替された、1つの別の実施形態が示されている。図4aにおけるように、各ブレーキ回路(BK1,BK2)は、1つのバイパス弁(BP1)を介して、または直列接続された2つのバイパス弁(BP1,BP2)を介して接続可能であってよい。さらに、第1のブレーキ回路(BK1)において別の切換可能な遮断弁(TV)が使用され得る。
ピストンの前進行程中、切換可能な電磁弁PD1は開かれてよく、圧力は図4aにおけるように、各ブレーキ回路(BK1,BK2)において増大され得る。他方においてピストンの後退行程中には、切換可能な電磁弁PD1は閉じられてよく、これにより、増圧Pbuild-up中に各ブレーキ回路(BK1,BK2)からより大きな有効ピストン範囲を有する圧力室にブレーキ液体積が送り戻されずに済む。
図4aにおける実施形態とは対照的に、図4bにおける実施形態では、前進行程の後に減圧Preductionの目的で、切換可能な電磁弁PD1が開かれる、ということが可能であり、これにより例えばブレーキ液体積は、開かれた切換弁(SV1,SV2,SV3,SV4)と、開かれたバイパス弁(BP1,BP2)と、存在する場合には第1のブレーキ回路(BK1)内の開かれた遮断弁(TV)とを介して、中央出口弁(ZAV)と供給切換弁(FV)とが閉じられた状態で、各ブレーキ回路(BK1,BK2)から、複動ピストンポンプのより大きなピストン有効範囲を有する圧力室に流れ戻ることができる。この場合、ブレーキ液は同時に、より小さな有効ピストン範囲から第2のブレーキ回路内へ送出されるため、このような減圧Preductionは不完全なことがある。
図4aにおける複動ピストンポンプの液圧接続部において、ポンプの入口と出口とに設けられた別の逆止弁(RV3,RV4,RV5,RV6)は、各1つの切換可能な電磁弁(PD1,PD2,PD3,PD4)により代替され得る。例えば、図4cに示す別の実施形態では、全ての逆止弁(RV3,RV4,RV5,RV6)が電磁弁により代替されている。図4aにおけるように、各ブレーキ回路は、1つのバイパス弁(BP1)を介して、または直列接続された2つのバイパス弁(BP1,BP2)を介して接続され得る。図4cにおける実施形態では、ペダル力を測定するためにピストン内にさらに力-行程センサ(KWS)を有していてよいシングルマスタシリンダが、例えば供給切換弁(FV)を介して第1のブレーキ回路(BK1)に直接に接続されてもよい。図4aに基づく実施形態では、例えば第1のブレーキ回路(BK1)に接続される冗長中央出口弁(ZAV2)が使用され得る。
開かれた電磁弁と閉じられた電磁弁(PD1,PD2,PD3,PD4)とを様々に組み合わせることにより、複動ピストンポンプの様々な動作状態を設定することができる。図4bにおけるように、減圧Preduction中、ブレーキ液は、例えばPD1を介して各ブレーキ回路(BK1,BK2)から複動ピストンポンプに戻されてよい。さらに、ポンプ入口(例えばPD3)を開きかつ接続されたポンプ出口(例えばPD1)を閉じることにより、ブレーキ液は各圧力室からリザーバ(VB)内へ送出され得る。
図5aには、図4aに対してシングルマスタシリンダ(SHZ)の代わりにタンデムシリンダ(THZ)を有する1つの別の実施形態が示されている。ブレーキペダル装置のピストン(3)は、第1の圧力室と第1の戻しばね(RF)とを介して第2の、いわゆる浮動ピストン(SK)に結合されてよく、浮動ピストン(SK)もまた、第2の戻し弁(RF3)とは反対の側の別の圧力室内で移動させられてよい。図4aにおけるように、例えばタンデムマスタシリンダ(THZ)のピストン(3)と浮動ピストン(SK)との間の第1の圧力室は、液圧出口と第1の供給切換弁(FV)とを介して、第1のバイパス弁(BP1)と中央出口弁(ZAV)との間の液圧管路に接続されることが可能である。行程シミュレータ(WS)は、例えば第1の圧力室の別の液圧出口と、存在する場合には行程シミュレータ遮断弁(14)とを介してタンデムマスタシリンダ(THZ)に接続され得る。本発明に基づきさらに、タンデムマスタシリンダ(THZ)の第2の圧力室は、別の液圧出口と、第2の供給切換弁(FV2)と、場合により別の弁とを介して第2のブレーキ回路(BK2)に接続されることが可能であり、この場合、第2の供給切換弁(FV2)は、好適にはフォールバックレベル用に、電気的に遮断された場合に開く電磁弁として設計されてよい。タンデムマスタシリンダ(THZ)の両方の圧力室は、各1つの漏らし開口または開口を有していてよく、各1つの漏らし開口または開口は、例えば少なくとも各1つの一次シール(D2,D5)および二次シール(D1,D4)によりシールされ得、かつそれぞれ図1aにおけるように並列接続された絞りとリザーバ(VB)に向かって閉じる逆止弁とを介してリザーバ(VB)に接続され得る。任意には、タンデムマスタシリンダの各圧力室とリザーバ(VB)との間の液圧接続は、図1bおよび図3bにおけるように診断弁(V)を介して、または図3cにおけるようにリザーバ遮断弁(17)を介して、または冗長一次シール(D2,D5)が存在する場合には液圧管路を介して実現されてもよい。
通常状態では、第1の供給弁(FV)および第2の供給切換弁(FV2)は、制動動作中に閉鎖されてよく、次いで「ブレーキバイワイヤ」と、相応する弁を液圧制御ユニット(HCU)において切換えることとにより、圧力供給ユニット(DV)が各ブレーキ回路(BK1,BK2)内のブレーキ圧を増大させることができる。
シングルマスタシリンダ(SHZ)に対し、タンデムマスタシリンダ(THZ)を使用することは、別の冗長一次または二次シール無しでも、マスタシリンダの全故障の確率を下げることができる。
図5bには、図5aに対してプランジャを備えたタンデムマスタシリンダ(THZ)を有する1つの別の実施形態が示されている。ブレーキペダル装置のピストン(3)は、ピストン(3)と浮動ピストン(SK)との間の第1の圧力室内で移動させられてよく、かつ別のプランジャと別のピストンとに結合され得、別のピストンもまた、戻しばねとは反対の側の第2の圧力室内へ移動させられてよい。このタンデムマスタシリンダ(THZ)の液圧接続および機能は、図5aに示したものと同様である。逆止弁RV3は、別の液圧管路とタンデムマスタシリンダに設けられた別の開口とを介して浮動ピストン(SK)の背面室に接続されている。
RB1~4 ホイールブレーキ
RZ1~4 ホイールシリンダ
SV1~4 切換弁
EV1~4 入口弁
AV1~4 出口弁
BK1,BK2 ブレーキ回路
DG,DG2 圧力センサ
SHZ シングルマスタシリンダユニット
THZ,DHZ タンデムマスタシリンダユニット、または同義的にダブルマスタシリンダ
KWS 力-行程センサ
GWS ヨー角センサ
Sp1,Sp2 ペダル行程センサ
Sp ペダル行程
Fp ペダル力
BP1,BP2 バイパス弁
ZAV,ZAV2 (中央)出口弁
FV,FV2 供給切換弁
TV 遮断弁
RV1~6 逆止弁
DV 圧力供給ユニット
HCU 液圧制御ユニット
ECU 電子制御ユニット
VB リザーバ
WS 行程シミュレータ
SK タンデムマスタシリンダの浮動ピストン
D1 マスタシリンダの二次シール
D2 マスタシリンダの一次シール
D3 行程シミュレータの一次シール
D4 浮動ピストンの二次シール
D5 浮動ピストンの一次シール
D1r マスタシリンダの冗長二次シール
D2r マスタシリンダの冗長一次シール
D3r 行程シミュレータの冗長一次シール
Dr1,Dr4 マスタシリンダとリザーバとの間の接続部に設けられた絞り
Dr2 マスタシリンダと行程シミュレータとの間の接続部に設けられた絞り
Dr3 行程シミュレータ内の絞り
Dr5 背圧弁19内の絞り
診断弁
RF,RF1~3 戻しばね
PD1~4 2系統複動ピストンポンプの接続部に設けられた電磁弁
F ばね
1 ブレーキペダル
2 ペダルプランジャ
3 マスタシリンダピストン
3a マスタシリンダピストンの部分
4 マスタシリンダハウジング
5 プリント基板
6 充填レベルセンサ素子
7 センサターゲット
8 リザーバ内のフロート
9 力特性のための行程シミュレータ用電子部材
10 供給切換弁に対する冗長的な電気接続部
11 スピンドル駆動装置を備えた複動ピストン
12 2×3相巻線用モータに対する冗長接続部
13 搭載電気システム接続用の電気プラグコネクタ
14 行程シミュレータ遮断弁
15 移動止め球
16 センサロッド
17 リザーバ遮断弁
18 ボール弁
19 背圧弁
20 弁板
21 ブレーキペダルの力-行程特性線

Claims (49)

  1. 車両用ブレーキシステムであって、
    -それぞれが少なくとも1つの液圧作動式のホイールブレーキ(RB1,RB2,RB3,RB4)を備えた少なくとも2つの液圧ブレーキ回路(BK1,BK2)と;
    -液圧管路を介して一方の前記ブレーキ回路(BK1,BK2)に接続される少なくとも1つの圧力供給装置(DV)と;
    -各1つの前記液圧作動式のホイールブレーキ(RB1,RB2,RB3,RB4)を2つの前記ブレーキ回路(BK1,BK2)のうちの1つに切換可能に接続する、各前記液圧作動式のホイールブレーキ(RB1,RB2,RB3,RB4)用の切換弁(SV1,SV2,SV3,SV4)と;
    -2つの前記ブレーキ回路(BK1およびBK2)の間で少なくとも1つのバイパス切換弁(BP1)により切換可能な少なくとも1つの液圧接続部と;
    -少なくとも1つの出口切換弁(ZAV)を介して前記ブレーキ回路(BK1,BK2)のうちの少なくとも一方とリザーバ(VB)との間で切換可能な少なくとも1つの液圧接続部と;
    -液圧出口が供給切換弁(FV)を介して切換可能に少なくとも1つの前記ブレーキ回路(BK1,BK2)に接続される液圧式ブレーキペダルシステムと;
    を有しており、
    少なくとも1つの前記液圧作動式のホイールブレーキ(RB1,RB2,RB3,RB4)における減圧は、前記出口切換弁(ZAV)と、関連付けられた前記切換弁(SV1,SV2,SV3,SV4)とを開くことにより行われる、
    車両用ブレーキシステム。
  2. 少なくとも1つの前記圧力供給装置(DV)は、ロータリーポンプを有している、請求項1記載のブレーキシステム。
  3. 前記ロータリーポンプは、ギヤポンプとして、または多重ピストンポンプ、特にスリーピストンポンプとして設計されている、請求項2記載のブレーキシステム。
  4. 前記圧力供給装置(DV)は、該圧力供給装置(DV)に向かって閉じる逆止弁(RV3)を介してまたは電磁弁を介して、前記ブレーキ回路(BK1,BK2)のうちの少なくとも一方に接続される、請求項3記載のブレーキシステム。
  5. 前記多重ピストンポンプは、前記ブレーキ回路(BK1,BK2)のうちの少なくとも一方に直接に接続されており、直接に接続されるとは、前記多重ピストンポンプと少なくとも1つの前記ブレーキ回路(BK1,BK2)との間に、弁または圧力に影響を及ぼす装置が一切存在しないことを意味しており、任意には、前記多重ピストンポンプに1つ以上の逆止弁が組み込まれてもよい、請求項3記載のブレーキシステム。
  6. 前記圧力供給装置(DV)はモータを有しており、該モータは、好適にはブラシレス直流モータであり、特に冗長巻線および/または2×3相制御装置との接続部を有している、請求項1から5までのいずれか1項記載のブレーキシステム。
  7. 前記切換弁(SV1,SV2,SV3,SV4)は、電気的に遮断されると開く切換弁であり、前記バイパス切換弁(BP1)は、電気的に遮断されると開くバイパス切換弁であり、前記出口切換弁(ZAV)は、電気的に遮断されると閉じる出口切換弁であり、前記供給切換弁(FV)は、電気的に遮断されると開く供給切換弁である、請求項1から6までのいずれか1項記載のブレーキシステム。
  8. 前記切換弁(SV1,SV2,SV3,SV4)は、各前記切換弁(SV1,SV2,SV3,SV4)が電気的に遮断された状態では前記ホイールブレーキ(RB1,RB2,RB3,RB4)内の残留圧力により開かれるように設計されておりかつ接続されている、請求項1から7までのいずれか1項記載のブレーキシステム。
  9. 2つの前記液圧ブレーキ回路(BK1,BK2)は、厳密には1つまたは2つ以上の圧力センサ(DG)を有している、請求項1から8までのいずれか1項記載のブレーキシステム。
  10. ABSおよび/またはESP制御は、少なくとも1つの前記切換弁(SV1,SV2,SV3,SV4)と前記出口切換弁(ZAV)とを介して実施され得る、請求項1から9までのいずれか1項記載のブレーキシステム。
  11. 前記出口切換弁(ZAV)と、一方の前記ブレーキ回路(BK2)の少なくとも1つの前記切換弁(SV3,SV4)との間に弁は存在していない、請求項1から10までのいずれか1項記載のブレーキシステム。
  12. 前記バイパス切換弁(BP1)と、2つの、好適には4つ全ての前記切換弁(SV1,SV2,SV3,SV4)との間に弁は存在していない、請求項1から11までのいずれか1項記載のブレーキシステム。
  13. 厳密には前記出口切換弁(ZAV)のみが、前記ブレーキ回路(BK1,BK2)を前記リザーバ(VB)に切換可能に接続する、請求項1から12までのいずれか1項記載のブレーキシステム。
  14. 各前記ホイールブレーキ(RB1,RB2,RB3,RB4)は、厳密には関連付けられた前記切換弁(SV1,SV2,SV3,SV4)のみを有している、請求項1から13までのいずれか1項記載のブレーキシステム。
  15. 前記圧力供給装置(DV)の出口または関連付けられた前記逆止弁(RV3)に直接に接続されかつ切換可能に前記リザーバ(VB)に接続する第2の出口切換弁(ZAV2)が存在しており、特に厳密には、前記出口切換弁(ZAV)と前記第2の出口切換弁(ZAV2)とだけが、前記ブレーキ回路(BK1,BK2)を切換可能に前記リザーバ(VB)に接続する、請求項1から12までのいずれか1項または請求項14記載のブレーキシステム。
  16. 2つの前記液圧ブレーキ回路(BK1,BK2)は、直列接続された前記バイパス切換弁(BP1)と別のバイパス切換弁(BP2)とを介して互いに接続されており、2つの前記バイパス切換弁(BP1,BP2)の間の管路区間には、前記出口切換弁(ZAV)が接続されている、請求項1から10または請求項13から15までのいずれか1項記載のブレーキシステム。
  17. 前記圧力供給装置(DV)の出口または関連付けられた前記逆止弁(RV3)に直接に接続されると共に前記切換弁(SV1,SV2)のうちの少なくとも1つに直接に接続される遮断切換弁(TV)が追加的に存在している、請求項1から16までのいずれか1項記載のブレーキシステム。
  18. 前記液圧式ブレーキペダルシステムは、シングルマスタシリンダ(SHZ)またはダブルマスタシリンダ(DHZ)を有している、請求項1から17までのいずれか1項記載のブレーキシステム。
  19. 当該ブレーキシステムはさらに、行程シミュレータ(WS)を有している、請求項1から18までのいずれか1項記載のブレーキシステム。
  20. 前記行程シミュレータ(WS)は、任意の切換可能な行程シミュレータ遮断弁(14)を介して前記シングルマスタシリンダ(SHZ)または前記ダブルマスタシリンダ(DHZ)に接続される、請求項19記載のブレーキシステム。
  21. 前記シングルマスタシリンダ(SHZ)または前記ダブルマスタシリンダ(DHZ)は力-行程センサ(KWS)を有している、または前記シングルマスタシリンダ(SHZ)または前記ダブルマスタシリンダ(DHZ)は力-行程センサ(KWS)を有していない、請求項1から20までのいずれか1項記載のブレーキシステム。
  22. 当該ブレーキシステムは、ブレーキバイワイヤシステムとして設計されている、請求項1から21までのいずれか1項記載のブレーキシステム。
  23. 前記液圧式ブレーキペダルシステムは、絞り(Dr1)と、前記リザーバ(VB)に向かって閉じる逆止弁(RV1)との並列回路を介して前記リザーバ(VB)に接続された通気開口を有している、請求項1から22までのいずれか1項記載のブレーキシステム。
  24. 当該ブレーキシステムはさらに、当該ブレーキシステムの開ループおよび/または閉ループ制御を行う開ループ・閉ループ制御ユニット(ECU)を有している、請求項1から23までのいずれか1項記載のブレーキシステム。
  25. 車両用ブレーキシステムであって、
    -それぞれが少なくとも1つの液圧作動式のホイールブレーキ(RB1,RB2,RB3,RB4)を備えた少なくとも2つの液圧ブレーキ回路(BK1,BK2)と;
    -液圧管路を介して一方の前記ブレーキ回路(BK1,BK2)に接続される少なくとも1つの圧力供給装置(DV)と;
    -各1つの前記液圧作動式のホイールブレーキ(RB1,RB2,RB3,RB4)を2つの前記ブレーキ回路(BK1,BK2)のうちの1つに切換可能に接続する、各前記液圧作動式のホイールブレーキ(RB1,RB2,RB3,RB4)用の切換弁(SV1,SV2,SV3,SV4)と;
    -2つの前記ブレーキ回路(BK1およびBK2)の間で少なくとも1つのバイパス切換弁(BP1)により切換可能な少なくとも1つの液圧接続部と;
    -少なくとも1つの出口切換弁(ZAV)を介して前記ブレーキ回路(BK1,BK2)のうちの少なくとも一方とリザーバ(VB)との間で切換可能な少なくとも1つの液圧接続部と;
    -液圧出口が供給切換弁(FV)を介して切換可能に少なくとも1つの前記ブレーキ回路(BK1,BK2)に接続される液圧式ブレーキペダルシステムと;
    を有しており、
    少なくとも1つの前記圧力供給装置(DV)は、ロータリーポンプを有している、
    車両用ブレーキシステム。
  26. 前記ロータリーポンプは、ギヤポンプとして、または多重ピストンポンプ、特にスリーピストンポンプとして設計されている、請求項25記載のブレーキシステム。
  27. 前記圧力供給装置(DV)は、該圧力供給装置(DV)に向かって閉じる逆止弁(RV3)を介して、前記ブレーキ回路(BK1,BK2)のうちの少なくとも一方に接続される、請求項26記載のブレーキシステム。
  28. 前記多重ピストンポンプは、前記ブレーキ回路(BK1,BK2)のうちの少なくとも一方に直接に接続されており、直接に接続されるとは、前記多重ピストンポンプと少なくとも1つの前記ブレーキ回路(BK1,BK2)との間に、弁または圧力に影響を及ぼす装置が一切存在しないことを意味しており、任意には、前記多重ピストンポンプに1つ以上の逆止弁が組み込まれてもよい、請求項26記載のブレーキシステム。
  29. 前記圧力供給装置(DV)はモータを有しており、該モータはブラシレス直流モータであり、特に冗長巻線および/または2×3相制御装置との接続部を有している、請求項25から28までのいずれか1項記載のブレーキシステム。
  30. 前記圧力供給装置(DV)は液圧制御ユニット(HCU)の一部であり、該液圧制御ユニット(HCU)は、唯一の圧力供給手段のみを有している、請求項25から29までのいずれか1項記載のブレーキシステム。
  31. 少なくとも1つの前記液圧作動式のホイールブレーキ(RB1,RB2,RB3,RB4)における減圧は、前記出口切換弁(ZAV)と、関連付けられた前記切換弁(SV1,SV2,SV3,SV4)とを開くことにより行われる、請求項25から30までのいずれか1項記載のブレーキシステム。
  32. 前記切換弁(SV1,SV2,SV3,SV4)は、電気的に遮断されると開く切換弁であり、前記バイパス切換弁(BP1)は、電気的に遮断されると開くバイパス切換弁であり、前記出口切換弁(ZAV)は、電気的に遮断されると閉じる出口切換弁であり、前記供給切換弁(FV)は、電気的に遮断されると開く供給切換弁である、請求項25から31までのいずれか1項記載のブレーキシステム。
  33. 前記切換弁(SV1,SV2,SV3,SV4)は、各前記切換弁(SV1,SV2,SV3,SV4)が電気的に遮断された状態では前記ホイールブレーキ(RB1,RB2,RB3,RB4)内の残留圧力により開かれるように設計されておりかつ接続されている、請求項25から32までのいずれか1項記載のブレーキシステム。
  34. 2つの前記液圧ブレーキ回路(BK1,BK2)は、厳密には1つまたは2つ以上の圧力センサ(DG)を有している、請求項25から33までのいずれか1項記載のブレーキシステム。
  35. ABSおよび/またはESP制御は、少なくとも1つの前記切換弁(SV1,SV2,SV3,SV4)と前記出口切換弁(ZAV)とを介して実施され得る、請求項25から34までのいずれか1項記載のブレーキシステム。
  36. 前記出口切換弁(ZAV)と、一方の前記ブレーキ回路(BK2)の少なくとも1つの前記切換弁(SV3,SV4)との間に弁は存在していない、請求項25から35までのいずれか1項記載のブレーキシステム。
  37. 前記バイパス切換弁(BP1)と、2つの、好適には4つ全ての前記切換弁(SV1,SV2,SV3,SV4)との間に弁は存在していない、請求項25から36までのいずれか1項記載のブレーキシステム。
  38. 厳密には前記出口切換弁(ZAV)のみが、前記ブレーキ回路(BK1,BK2)を前記リザーバ(VB)に切換可能に接続する、請求項25から37までのいずれか1項記載のブレーキシステム。
  39. 各前記ホイールブレーキ(RB1,RB2,RB3,RB4)は、厳密には関連付けられた前記切換弁(SV1,SV2,SV3,SV4)のみを有している、請求項25から38までのいずれか1項記載のブレーキシステム。
  40. 前記圧力供給装置(DV)の出口または関連付けられた前記逆止弁(RV3)に直接に接続されかつ切換可能に前記リザーバ(VB)に接続する第2の出口切換弁(ZAV2)が存在しており、特に厳密には、前記出口切換弁(ZAV)と前記第2の出口切換弁(ZAV2)とだけが、前記ブレーキ回路(BK1,BK2)を切換可能に前記リザーバ(VB)に接続する、請求項25から37のいずれか1項または請求項39記載のブレーキシステム。
  41. 2つの前記液圧ブレーキ回路(BK1,BK2)は、直列接続された前記バイパス切換弁(BP1)と別のバイパス切換弁(BP2)とを介して互いに接続されており、2つの前記バイパス切換弁(BP1,BP2)の間の管路区間には、前記出口切換弁(ZAV)が接続されている、請求項25から35または請求項38から40までのいずれか1項記載のブレーキシステム。
  42. 前記圧力供給装置(DV)の出口または関連付けられた前記逆止弁(RV3)に直接に接続されると共に前記切換弁(SV1,SV2)のうちの少なくとも1つに直接に接続される遮断切換弁(TV)が追加的に存在している、請求項25から41までのいずれか1項記載のブレーキシステム。
  43. 前記液圧式ブレーキペダルシステムは、シングルマスタシリンダ(SHZ)またはダブルマスタシリンダ(DHZ)を有している、請求項25から42までのいずれか1項記載のブレーキシステム。
  44. 当該ブレーキシステムはさらに、行程シミュレータ(WS)を有している、請求項25から43までのいずれか1項記載のブレーキシステム。
  45. 前記行程シミュレータ(WS)は、任意の切換可能な行程シミュレータ遮断弁(14)を介して前記シングルマスタシリンダ(SHZ)または前記ダブルマスタシリンダ(DHZ)に接続される、請求項44記載のブレーキシステム。
  46. 前記シングルマスタシリンダ(SHZ)または前記ダブルマスタシリンダ(DHZ)は力-行程センサ(KWS)を有している、または前記シングルマスタシリンダ(SHZ)または前記ダブルマスタシリンダ(DHZ)は力-行程センサ(KWS)を有していない、請求項1から45までのいずれか1項記載のブレーキシステム。
  47. 当該ブレーキシステムは、ブレーキバイワイヤシステムとして設計されている、請求項25から46までのいずれか1項記載のブレーキシステム。
  48. 前記液圧式ブレーキペダルシステムは、絞り(Dr1)と、前記リザーバ(VB)に向かって閉じる逆止弁(RV1)との並列回路を介して前記リザーバ(VB)に接続された通気開口を有している、請求項25から47までのいずれか1項記載のブレーキシステム。
  49. 当該ブレーキシステムはさらに、当該ブレーキシステムの開ループおよび/または閉ループ制御を行う開ループ・閉ループ制御ユニット(ECU)を有している、請求項25から48までのいずれか1項記載のブレーキシステム。
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