JP2022520764A - ブラインドファスナーおよびその取り付け方法 - Google Patents

Abstract

【解決手段】本開示は、ブラインドファスナーおよびその取り付け方法に関する。ブラインドファスナーは、スリーブおよびマンドレルを備える。スリーブは、第１のスリーブ端部、第２のスリーブ端部、および第１のスリーブ端部から第２のスリーブ端部まで延在する空洞を備える。マンドレルは、スリーブの空洞によって少なくとも部分的に受容されるように構成されている。マンドレルは、第１のスリーブ端部に隣接して配置され、空洞の直径よりも大きい直径を有する拡大部分を含む、第１のマンドレル端部と、引き抜き領域を含む第２のマンドレル端部と、第１のマンドレル端部と第２のマンドレル端部との中間に延在するシャンク領域と、を備える。引き抜き領域は、シャンク領域の直径の４倍以下の軸方向の長さを備え、取り付け工具によって係合されるように構成されている。【選択図】図１

Description

本開示は、ブラインドファスナーおよびブラインドファスナーの取り付け方法に関する。

車両フレーム、ストレージラック、ソーラーパネルのサブ構造、およびその他の構造は、多数の機械的ファスナーを含み得る。例えば、ファスナーを、車両フレーム構造用部品の穴内に取り付けて、個々の要素を接合することができる。構造用部品におけるファスナーの不具合は、例えば、ファスナーの疲労応力、または中にファスナーが配置された穴内の幾何学的な変化の結果であり得る。ブラインド取り付け用のファスナーの設計には課題がある。

１つの態様において、本開示は、スリーブおよびマンドレルを備えるブラインドファスナーを提供する。スリーブは、第１のスリーブ端部、第２のスリーブ端部、および第１のスリーブ端部から第２のスリーブ端部まで延在する空洞を備える。マンドレルは、スリーブの空洞によって少なくとも部分的に受容されるように構成されている。マンドレルは、第１のスリーブ端部に隣接して配置され、空洞の直径よりも大きい直径を有する拡大部分を含む、第１のマンドレル端部と、引き抜き領域を含む第２のマンドレル端部と、第１のマンドレル端部と第２のマンドレル端部との中間に延在するシャンク領域と、を備える。引き抜き領域は、シャンク領域の直径の４倍以下の軸方向の長さを備え、取り付け工具によって係合されるように構成されている。

別の態様において、本開示は、締結するための方法を提供する。本方法は、ブラインドファスナーの第１のマンドレル端部を構造内の穴に挿入することを含む。ブラインドファスナーは、スリーブおよびマンドレルを備える。スリーブは、第１のスリーブ端部、第２のスリーブ端部、および第１のスリーブ端部から第２のスリーブ端部まで延在する空洞を備える。マンドレルは、スリーブの空洞によって少なくとも部分的に受容されるように構成されている。マンドレルは、第１のスリーブ端部に隣接して配置され、空洞の直径よりも大きい直径を有する拡大部分を含む、第１のマンドレル端部と、引き抜き領域を含む第２のマンドレル端部と、第１のマンドレル端部と第２のマンドレル端部との中間に延在するシャンク領域と、を備える。引き抜き領域は、シャンク領域の直径の４倍以下の軸方向の長さを備え、取り付け工具によって係合されるように構成されている。取り付け工具のコレットをブラインドファスナーの引き抜き領域に係合させる。ブラインドファスナーを構造内の穴に挿入した後、ブラインドファスナーの第２のスリーブ端部を取り付け工具のアンビルと強制的に接触させ、取り付け工具のコレットを利用して、引き抜き領域を第２のスリーブ端部から遠位に移動させる。構造の第１の側面でスリーブの一部分を変形させ、第２のスリーブ端部を、構造の反対側に配置された第２の側面でマンドレルのシャンク領域にスウェージング加工し、それによって、ブラインドファスナーの少なくとも一部分を構造内に固定する。

本明細書に開示されおよび記載される発明は、この発明の概要に要約される態様に限定されないことが理解される。読者は、本明細書による様々な非限定的および非網羅的な態様の以下の詳細な説明を検討すると、前述の詳細およびその他の詳細を理解するであろう。

添付の図面と共に以下の説明を参照することにより、実施例の特徴と利点、およびそれらを達成する方法はより明らかになり、実施例は、よりよく理解されるであろう。

本開示によるブラインドファスナーの非限定的な実施形態の部分断面側面図である。

図１のファスナーおよび第１の構成にある構造の部分断面側面図である。

第２の構成にある図２Ａのファスナーおよび構造の部分断面側面図である。

第３の構成にある図２Ａのファスナーおよび構造の部分断面側面図である。

対応する参照文字は、いくつかの図全体を通して対応する部品を示す。本明細書に記載される適例は、特定の実施形態を１つの形態で例示し、かかる適例は、いかなる方法においても、添付の特許請求の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。

開示された物品および方法の構造、機能、および用途の全体的な理解を提供するために、様々な例が本明細書で記載および例示されている。本明細書に記載および例示される様々な例は、非限定的および非網羅的である。したがって、発明は、本明細書に開示の様々な非限定的および非網羅的な例の説明によって限定されない。むしろ、本発明は特許請求の範囲によってのみ定義される。様々な例に関連して例示および／または記載される特徴および特性を、他の例の特徴および特性と組み合わせることができる。このような修正および変形は、本明細書の範囲内に含まれることが意図される。したがって、特許請求の範囲は、本明細書に明示的または本質的に記載されている、あるいはそうでなければ明示的または本質的に支持される特徴または特性を列挙するように補正される場合がある。さらに、出願人は、特許請求の範囲を補正して、先行技術に存在する可能性のある機能または特徴を肯定的に放棄する権利を留保する。本明細書に開示および記載の様々な実施形態は、本明細書に様々に記載の特徴および特性を含む、それらからなる、またはそれから本質的になることができる。

本明細書における「様々な実施形態」、「いくつかの実施形態」、「一実施形態」、「実施形態」、または同様の語句への言及は、例に関連して記載される特定の特徴、構造、または特性が少なくとも１つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書における語句「様々な実施形態では」、「いくつかの実施形態では」、「一実施形態では」、「実施形態では」、または同様の語句の出現は、必ずしも同じ実施形態を指すとは限らない。さらに、特定の記載の特徴、構造、または特性を、１つ以上の実施形態において任意の好適な方法で組み合わせることができる。したがって、一実施形態に関連して例示または記載される特定の特徴、構造、または特性を、全体的または部分的に、限定されることなく１つ以上の他の実施形態の特徴、構造、または特性と組み合わせることができる。このような修正および変形は、本実施形態の範囲内に含まれることが意図される。

本明細書では、特に明記しない限り、全ての数値パラメーターは、用語「約」が全ての場合に前置きされ、修正されるものとして理解されるべきであり、数値パラメーターは「約」にパラメーターの数値を決定するのに用いられる基礎となる測定技術の固有の変動特性を有する。少なくとも、そして均等論の適用を特許請求の範囲に限定しようとするものではなく、本明細書に記載の各数値パラメーターは、少なくとも報告された有効数字の数を考慮して、および通常の丸める技術を適用することによって解釈されるべきである。

また、本明細書に列挙される任意の数値範囲は、列挙の範囲内に含まれる全ての部分範囲を含む。例えば、「１～１０」の範囲には、列挙された最小値１と列挙された最大値１０との間の（およびそれらを含む）全ての部分範囲が含まれ、つまり、１以上の最小値と１０以下の最大値を有する。本明細書に記載されている任意の最大の数値制限は、そこに含まれる全てのより低い数値制限を含むことが意図され、本明細書に記載されている任意の最小の数値制限は、そこに含まれる全てのより高い数値制限を含むことが意図される。したがって、出願人は、明示的に列挙された範囲内に含まれる任意の部分範囲を明示的に列挙するために、特許請求の範囲を含む本明細書を補正する権利を留保する。このような範囲の全ては、本明細書に本質的に記載される。

本明細書で使用する文法冠詞「１つ（ａ）」、「１つ（ａｎ）」、および「その（ｔｈｅ）」は、場合によっては「少なくとも１つ」または「１つ以上」が明確に使用される場合であっても、特に明記しない限り、「少なくとも１つ」または「１つ以上」を含むことを意図する。したがって、前述の文法冠詞は、特定の識別された要素のうちの１つまたは２つ以上（すなわち、「少なくとも１つ」）を指すために本明細書で使用される。さらに、文脈から他の意味に解釈すべき場合を除いて、単数形の名詞の使用には複数形が含まれ、複数形の名詞の使用には単数形が含まれる。

本明細書で使用される場合、「中間」とは、参照される要素が２つの要素の間に配置されているが、必ずしもそれらの要素と接触していないことを意味する。したがって、本明細書において特に明記されていない限り、第１の要素と第２の要素との「中間」にある要素は、第１の要素および／もしくは第２の要素に隣接していてもしていなくてもよく、または接触していてもしていなくてもよい。別の要素は、中間の要素と、第１の要素および／または第２の要素との間に配置されていてもよい。

構造用部品におけるファスナーの不具合は、稼働中の疲労、構造用部品への過負荷、および腐食の結果であり得る。本開示は、取り付け力を低減し、耐食性を増加させることができる、ブラインドファスナーおよび取り付け方法を提供する。例えば、本開示によるブラインドファスナーは、マンドレルを破砕し得る力よりも小さな取り付け力を用いて取り付けることができる。取り付け力の要件を低減し、マンドレルの破砕時に生じる衝撃力を伴わずに取り付けることにより、取り付け工具の軽量化、取り付け工具部品の寿命の延長、構造用部品への損傷の制限、および取り付け工具を使用するオペレータの人間工学性の向上を可能にすることができる。

図１は、本開示によるブラインドファスナー１００の実施形態の断面側面図を例示している。ブラインドファスナー１００は、（例えば、以下で考察される図２Ａ～図２Ｃに例示される）構造内の穴に取り付けられるように適合され得る。ブラインドファスナー１００は、スリーブ１０２およびマンドレル１１２を含み得る。様々な実施形態では、スリーブ１０２は、略円筒形である。図１は、取り外されたスリーブの一部分を示しており、中のマンドレル１１２が露出している。スリーブ１０２は、第１のスリーブ端部１０４、第２のスリーブ端部１０６、第１のスリーブ端部１０４と第２のスリーブ端部１０６との中間に配置された細長い部分１２８、および第１のスリーブ端部１０４から第２のスリーブ端部１０６まで延在する空洞１０８を備え得る。

スリーブ１０２の空洞１０８は、直径ｄ_１を備えることができ、中にマンドレル１１２を少なくとも部分的に受容するように構成され得る。例えば、マンドレル１１２は、例えば、略円筒形の形状など、空洞１０８によって受容されるのに適した形状を備え得る。マンドレル１１２は、第１のマンドレル端部１１４、第２のマンドレル端部１１６、およびシャンク領域１２２を備え得る。シャンク領域１２２は、第１のマンドレル端部１１４と第２のマンドレル端部１１６との中間に、空洞１０８を通って延在し得る。マンドレル１１２が空洞１０８内に挿入されているとき、第１のマンドレル端部１１４は、第１のスリーブ端部１０４に隣接して配置され得、第２のマンドレル端部１１６は、第２のスリーブ端部１０６に隣接して配置され得る。

第１のマンドレル端部１１４は、空洞１０８の直径ｄ_１よりも大きくてもよい直径ｄ_２を含む、拡大部分１１８を備え得る。拡大部分１１８は、空洞１０８の第１のスリーブ端部１０４と係合し、スリーブ１０２の空洞１０８内への第１のマンドレル端部１１４のさらなる移動を阻止し得る。拡大部分１１８は、第１のスリーブ端部１０４に力を加えることができ、ブラインドファスナー１００の取り付け時に第１のスリーブ端部１０４を変形させ得る。例えば、第１のスリーブ端部１０４は、（例えば、電球形状に）潰すことができ、かつ／または膨張させることができる。

第２のマンドレル端部１１６は、取り付け工具（例えば、以下で考察される図２Ａおよび図２Ｂに例示される取り付け工具２３６）によって係合されるように構成された引き抜き領域１２０を備え得る。引き抜き領域１２０は、例えば、シャンク領域１２２の直径ｄ_３の３．８倍以下、３．７５倍以下、３．５倍以下、３．２５倍以下、３倍以下、２．５倍以下、２倍以下、１．５倍以下、または１倍以下など、シャンク領域１２２の直径ｄ_３の４倍以下の軸方向の長さｌを備え得る。シャンク領域１２２の直径ｄ_３は、シャンク領域１２２の外径（例えば、根元）であってもよい。

引き抜き領域１２０は、テーパ部または逆テーパ部を備え得る。例示のように、引き抜き領域１２０は、シャンク領域１２２から延在するテーパ部を備え得る。例えば、テーパ部が、ブラインドファスナー１００の長手方向軸に沿ってシャンク領域１２２から離れる方向に引き抜き領域１２０に沿って移動するにつれて、引き抜き領域１２０の直径が減少し得る。特定の他の実施形態では、引き抜き領域１２０は、逆テーパ部（図示せず）を備えることができ、ここで、逆テーパ部が、ブラインドファスナー１００の長手方向軸に沿ってシャンク領域１２２から離れる方向に引き抜き領域１２０に沿って移動するにつれて、引き抜き領域１２０の直径が増加する。様々な実施形態では、引き抜き領域１２０は、略円錐形であってもよい。様々な他の実施形態では、引き抜き領域１２０がテーパ部を備えていない場合があり、引き抜き領域１２０は、略円筒形であってもよい。

引き抜き領域１２０は、概して滑らかな領域、環状ショルダー、溝、および穴のうちの少なくとも１つを備え得るか、または取り付け工具によって係合されるように構成された別の特徴を備え得る。例えば、引き抜き領域１２０は、図１に例示されるような、取り付け工具によって係合され得る溝１２６を備え得る。

シャンク領域１２２は、ブラインドファスナー１００の長手方向軸を画定し得る。シャンク領域１２２は、概して滑らかな領域、ねじ山付き領域、環状ショルダー、および溝のうちの少なくとも１つを備え得る。ねじ山付き領域、環状ショルダー、および／または溝は、マンドレル１１２の外部にあってもよい。様々な実施形態では、シャンク領域１２２の全てまたは一部は、溝を含む。例えば、図１に示されるように、ブラインドファスナー１００のシャンク領域１２２は、溝１３０を含む。他の実施形態では、シャンク領域１２２の全てまたは一部は、溝を欠く。様々な実施形態では、シャンク領域１２２の全てまたは一部は、環状ショルダーを含む。他の実施形態では、シャンク領域１２２は、環状ショルダーを欠く。様々な実施形態では、シャンク領域１２２の全てまたは一部は、ねじ山付き部分を含む。他の実施形態では、シャンク領域１２２は、ねじ山付き部分を欠く。

ブラインドファスナー１００の様々な実施形態では、マンドレル１１２は、ブラインドファスナー１００の取り付け時に破砕するように構成されてたブレイクネック溝または他の特徴を備えない。例えば、シャンク領域１２２は、ブラインドファスナー１００の取り付け時に破砕するように構成されたブレイクネック溝または他の特徴を備えていない場合がある。マンドレル１１２は、ブラインドファスナー１００を構造内に取り付けた後に、無傷のままである場合がある。様々な実施形態では、ブラインドファスナー１００は、ブラインドファスナー１００の取り付け時に破砕するように構成されたブレイクネック溝または他の特徴を備えることができ、ブラインドファスナー１００は、ブレイクネック溝または他の特徴の破砕を伴わずに、構造内に取り付けることができる。

様々な実施形態では、ブラインドファスナー１００は、スリーブ１０２およびマンドレル１１２の単一のアセンブリを備え得る。特定の実施形態では、ブラインドファスナー１００は、スリーブ１０２およびマンドレル１１２からなり得る。いくつかの実施形態では、ブラインドファスナー１００は、例えば、構造用ブラインドリベット、構造用ブラインドボルト、または構造用ブラインドスタッドなどの構造用ブラインドファスナーであってもよい。

ブラインドファスナー１００は、金属、金属合金、および複合材料のうちの少なくとも１つを含み得る。例えば、様々な実施形態では、ブラインドファスナー１００は、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金、ニッケル、ニッケル合金、鉄、鉄合金、および炭素繊維複合材料のうちの少なくとも１つを含み得る。様々な実施形態では、マンドレル１１２は、例えば、少なくともＨＲＣ３０、少なくともＨＲＣ３５、少なくともＨＲＣ４０、少なくともＨＲＣ４３、少なくともＨＲＣ４４、少なくともＨＲＣ４５、または少なくともＨＲＣ５０など、少なくともＨＲＣ２５のロックウェル硬さを備え得る。

スリーブ１０２は、第２のスリーブ端部１０６に隣接して位置付けられたカラー１１０を備え得る。カラー１１０は、ブラインドファスナー１００の取り付けを容易にするために、取り付け工具（例えば、図２Ａおよび図２Ｂに例示の取り付け工具２３６）によって係合されるように構成され得る。スリーブ１０２は、構造の出口側で変形し、構造の反対側に配置された入口側をシャンク領域１２２にスウェージング加工するように構成され得る。例えば、図２Ｃに例示されるように、第１のスリーブ端部１０４を変形させることができ、カラー１１０を、シャンク部分１２２にスウェージング加工することができる。様々な実施形態では、カラー１１０は、スリーブ１０２のヘッド部分であってもよい。

図２Ａ～図２Ｃに例示されるように、ブラインドファスナー１００は、構造２３２内の穴２３４に取り付けられ得る。穴２３４は、構造２３２を通って延在し得る。構造２３２は、例えば、金属、金属合金、および複合材のうちの少なくとも１つを含み得る。例えば、特定の実施形態では、構造２３２は、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金、ニッケル、ニッケル合金、鉄、鉄合金、および炭素繊維複合材料のうちの少なくとも１つを含み得る。

様々な実施形態では、中にブラインドファスナー１００が組み立てられる構造は、アルミニウムおよび／または例えば、７０７５アルミニウムなどのアルミニウム合金を含む。添付の図を参照すると、構造２３２は、航空宇宙用の部品または構造、自動車用の部品または構造、輸送用の部品または構造、ならびに建物および建設用の部品または構造のうちの少なくとも１つとして構成され得る。構造２３２は、単一の材料層または少なくとも２つの材料層を備え得る。例えば、図２Ａ～図２Ｃに例示されるように、構造２３２は、第１の層２４２および第２の層２４４を備え得る。図２Ｃに例示されるように、穴２３４内への取り付け時に、ブラインドファスナー１００は、第１の層２４２および第２の層２４４を一緒に固定することができる。

図２Ａに例示されるように、ブラインドファスナー１００および構造２３２の第１の構成において、ブラインドファスナー１００の第１のマンドレル端部１１４は、穴２３４と整列して位置付けられ得る。ブラインドファスナー１００と穴２３４との整列を容易にするために、穴２３４は、第１のマンドレル端部１１４の拡大部分１１８の直径ｄ_２よりも大きい直径ｄ_ｂを有し、それによって、マンドレル１１２が、図２Ａに例示されるブラインドファスナー１００および構造２３２の第１の構成から、図２Ｂに例示される第２の構成まで通過するときに、穴２３４の中に、およびそこを通って容易に移動することを可能にすることができる。様々な実施形態では、穴２３４の直径ｄ_ｂは、スリーブを穴２３４に容易に通すことができるように、スリーブ１０２の直径よりも小さい場合がある。カラーの直径ｄ_４は、穴２３４の直径ｄ_ｂより大きくてもよい。図２Ｂに示される第２の構成では、第１のマンドレル端部１１４は、穴２３４を通過しており、スリーブ１０２のカラー１１０を、構造２３２の入口側２３２ａで構造２３２と強制的に接触させることができる。カラー１１０と構造２３２との間の強制的な接触は、穴２３４へのスリーブ１０２のさらなる軸方向の移動を制限し得る。

挿入前または挿入後、取り付け工具２３６のコレット２３８は、ブラインドファスナー１００の引き抜き領域１２０と係合し得る。例えば、コレット２３８は、取り付け工具２３６のアンビル２４０に強制的に接触するように構成され得る。強制的な接触により、コレット２３８が引き抜き領域１２０と強制的に接触する引き抜き領域１２０の周りでコレット２３８を閉じることができる。係合すると、コレット２３８は、マンドレル１１２の引き抜き領域１２０に力を加えることができる。

コレット２３８は、スリーブ１０２とは独立してマンドレル１１２を移動させることができる。例えば、引き抜き領域１２０とコレット２３８との間の接触によりコレット２３８が後退するにつれて、コレット２３８を取り付け工具２３６内に後退させ、マンドレル１１２を移動させることができる。コレット２３８が取り付け工具内への所定の後退距離に到達すると、アンビル２４０が第２のスリーブ端部１０６に強制的に接触し得る。第２のスリーブ端部１０６とアンビル２４０との間の強制的な接触により、第２のスリーブ端部１０６が移動し得るベクトルとは異なるベクトルで第２のマンドレル端部１１６を移動させることができる。例えば、取り付け工具２３６は、取り付け工具２３６のコレット２３８を利用して、引き抜き領域１２０をカラー１１０から遠位に移動させることができる。

マンドレル１１２の引き抜き領域１２０が溝およびテーパ部を備える様々な実施形態では、取り付け工具２３６のコレット２３８は、図２Ｂに例示されるように、コレット２３８と引き抜き領域１２０の溝１２６とが完全に係合している場合にのみ、引き抜き領域１２０に力を加えてマンドレル１１２を移動させることができる場合がある。部分的に係合したコレット２３８は、スリーブ１０２に対してマンドレル１１２を適切に移動させるのに十分に引き抜き領域１２０に力を加えることができない場合がある。引き抜き領域１２０の溝およびテーパ部は、頂部間の係合による溝１２６の潜在的な剥離を低減し得る。

図２Ｃに例示されるブラインドファスナー１００および構造２３２の第３の構成では、第１のスリーブ端部１０４および細長い部分１２８は、マンドレル１１２からの強制的な接触に応答して、構造２３２の出口側２３２ｂで変形され得る。第２のスリーブ端部１０６は、アンビル２４０からの強制的な接触に応答して、構造２３２の反対側に配置された入口側２３２ａでシャンク領域１２２にスウェージング加工され得る。例えば、カラー１１０は、シャンク領域１２２にスウェージング加工され得る。第２のスリーブ端部１０６のスウェージング加工ならびに／または第１のスリーブ端部１０４および／もしくは細長い部分１２８の変形により、ブラインドファスナー１００の少なくとも一部分を構造２３２内に固定することができる。このようにして、例えば、構造２３２の第１の層２４２と第２の層２４４とが一緒に固定される。図２Ａ～図２Ｃに例示される実施形態に示されるように、マンドレル１１２は、ブラインドファスナー１００の取り付け時に破砕するように構成されたブレイクネック溝または他の特徴を含む必要はない。

様々な実施形態では、ブラインドファスナー１００は、構造２３２を締結するための方法で使用され得る。本方法は、第１のマンドレル端部１１４を構造２３２内の穴２３４に挿入することを含み得る。取り付け工具２３６のコレット２３８をブラインドファスナー１００の引き抜き領域１２０に係合させることができる。ブラインドファスナー１００を穴２３４に挿入した後、ブラインドファスナー１００の第２のスリーブ端部１０６を、取り付け工具２３６のアンビル２４０に接触させることができる。取り付け工具２３６のコレット２３８を利用して、引き抜き領域１２０をカラー１１０から遠位に移動させることができる。第１のスリーブ端部１０４を、構造２３２の出口側２３２ｂで変形させることができ、第２のスリーブ端部１０６を、構造２３２の反対側の出口側２３２ａでマンドレル１１２のシャンク領域１２２にスウェージング加工し、それによって、ブラインドファスナー１００の少なくとも一部分を構造２３２内に固定することができる。

本開示によるブラインドファスナーは、ブラインドファスナーの取り付けに必要な力を、マンドレルを破砕し得る力よりも小さくすることができるため、取り付け用のより小さな取り付け工具の使用を可能にし得る。本開示によるブラインドファスナーは、スリーブの設計をマンドレルの破砕に必要な力に適応させる必要がない場合があるため、様々な用途を有し得る。例えば、スリーブ壁の厚さを、例えば、１０％または１５％低減することができ、これにより、材料コストを節約することができる。

本発明の様々な態様は以下の番号付きの条項に記載される態様を含むが、これらに限定されない。
１．ブラインドファスナーであって、第１のスリーブ端部、第２のスリーブ端部、および第１のスリーブ端部から第２のスリーブ端部まで延在する空洞、を含むスリーブと、スリーブの空洞によって少なくとも部分的に受容されるように構成されたマンドレルと、を備える、ブラインドファスナー。マンドレルは、第１のスリーブ端部に隣接して配置され、空洞の直径よりも大きい直径を有する拡大部分を含む、第１のマンドレル端部と、引き抜き領域を含む第２のマンドレル端部と、第１のマンドレル端部と第２のマンドレル端部との中間に延在するシャンク領域と、を備える。引き抜き領域は、シャンク領域の直径の４倍以下の軸方向の長さを備え、取り付け工具によって係合されるように構成されている。
２．引き抜き領域が、シャンク領域の直径の３．８倍以下の軸方向の長さを備える、条項１に記載のブラインドファスナー。
３．引き抜き領域が、シャンク領域の直径の２倍以下の軸方向の長さを備える、条項１または２のいずれか１つに記載のブラインドファスナー。
４．引き抜き領域が、シャンク領域から延在するテーパ部を備える、条項１～３のいずれか１つに記載のブラインドファスナー。
５．マンドレルが、ブレイクネック溝を備えない、条項１～４のいずれか１つに記載のブラインドファスナー。
６．マンドレルが、少なくともＨＲＣ２５のロックウェル硬さを備える、条項１～５のいずれか１つに記載のブラインドファスナー。
７．マンドレルが、少なくともＨＲＣ４３のロックウェル硬さを備える、条項１～６のいずれか１つに記載のブラインドファスナー。
８．シャンク領域が、ねじ山付き領域、環状ショルダー、および溝のうちの少なくとも１つを備える、条項１～７のいずれか１つに記載のブラインドファスナー。
９．引き抜き領域が、ねじ山付き領域、環状ショルダー、および溝のうちの少なくとも１つを備える、条項１～８のいずれか１つに記載のブラインドファスナー。
１０．スリーブが、略円筒形であり、マンドレルが、略円筒形である、条項１～９のいずれか１つに記載のブラインドファスナー。
１１．ブラインドファスナーが、金属、金属合金、および複合材料のうちの少なくとも１つを含む、条項１～１０のいずれか１つに記載のブラインドファスナー。
１２．ブラインドファスナーが、構造内の穴に取り付けられるように適合されており、穴が、拡大部分の直径よりも大きい直径を有する、条項１～１１のいずれか１つに記載のブラインドファスナー。
１３．スリーブが、カラーをさらに備え、スリーブが、構造の第１の側面で変形するように構成され、カラーが、構造の反対側に配置された第２の側面でシャンク領域にスウェージング加工されるように構成されている、条項１２に記載のブラインドファスナー。
１４．構造が、金属、金属合金、および複合材料のうちの少なくとも１つを含む、条項１２または１３のいずれか１つに記載のブラインドファスナー。
１５．構造が、航空宇宙用部品、自動車用部品、輸送用部品、ならびに建物および建設用部品のうちの少なくとも１つとして構成されている、条項１２～１４のいずれか１つに記載のブラインドファスナー。
１６．ブラインドファスナーの第１のマンドレル端部を構造内の穴に挿入することを含む、締結するための方法。ブラインドファスナーであって、第１のスリーブ端部、第２のスリーブ端部、および第１のスリーブ端部から第２のスリーブ端部まで延在する空洞、を含むスリーブと、スリーブの空洞によって少なくとも部分的に受容されるように構成されたマンドレルと、を備える、ブラインドファスナー。マンドレルは、第１のスリーブ端部に隣接して配置され、空洞の直径よりも大きい直径を有する拡大部分を含む、第１のマンドレル端部と、引き抜き領域を含む第２のマンドレル端部と、第１のマンドレル端部と第２のマンドレル端部との中間に延在するシャンク領域と、を備える。引き抜き領域は、シャンク領域の直径の４倍以下の軸方向の長さを備え、取り付け工具によって係合されるように構成されている。本方法は、取り付け工具のコレットをブラインドファスナーの引き抜き領域に係合させることと、第１のマンドレル端部を穴に挿入した後に、ブラインドファスナーの第２のスリーブ端部を取り付け工具のアンビルと強制的に接触させ、取り付け工具のコレットを利用して、引き抜き領域を第２のスリーブ端部から遠位に移動させることと、構造の第１の側面でスリーブを変形させ、第２のスリーブ端部を、構造の反対側に配置された第２の側面でシャンク領域にスウェージング加工し、それによって、ブラインドファスナーの少なくとも一部分を構造内に固定することと、をさらに含む。
１７．引き抜き領域が、シャンク領域の直径の２倍以下の軸方向の長さを備える、条項１６に記載の方法。
１８．引き抜き領域が、シャンク領域から延在する、テーパ部または逆テーパ部を備える、条項１６または１７のいずれか１つに記載の方法。
１９．マンドレルが、ブレイクネック溝を備えない、条項１６～１８のいずれか１つに記載の方法。
２０．ブラインドファスナーが、金属、金属合金、および複合材料のうちの少なくとも１つを含む、条項１６～１９のいずれか１つに記載の方法。

当業者は、本明細書に記載のファスナー、構造、操作／措置、および対象物、ならびにそれらに付随する説明が、概念を明確にするために例として使用され、様々な構成の修正が企図されることを認識するであろう。したがって、本明細書で使用する場合、論述される特定の例／実施形態および付随する説明は、それらのより一般的な分類の代表であることが意図されている。概して、任意の特定の例の使用は、その分類の代表であることが意図され、特定の構成要素、デバイス、操作／措置、および対象物が含まれていないことを制限するものとして解釈されるべきではない。本開示は、本開示の様々な態様および／またはその潜在的な用途を例示する目的で様々な特定の態様を説明するが、変形および修正が当業者によって行われることが理解される。したがって、本明細書で説明する１つまたは複数の本発明は、少なくともそれらが主張されるのと同じくらい広く、本明細書で提供される特定の例示的な態様によってより狭く定義されないことを理解されたい。

図２Ａに例示されるように、ブラインドファスナー１００および構造２３２の第１の構成において、ブラインドファスナー１００の第１のマンドレル端部１１４は、穴２３４と整列して位置付けられ得る。ブラインドファスナー１００と穴２３４との整列を容易にするために、穴２３４は、第１のマンドレル端部１１４の拡大部分１１８の直径ｄ_２よりも大きい直径ｄ_ｂを有し、それによって、マンドレル１１２が、図２Ａに例示されるブラインドファスナー１００および構造２３２の第１の構成から、図２Ｂに例示される第２の構成まで通過するときに、穴２３４の中に、およびそこを通って容易に移動することを可能にすることができる。様々な実施形態では、穴２３４の直径ｄ_ｂは、スリーブを穴２３４に容易に通すことができるように、スリーブ１０２の直径よりも大きい場合がある。カラーの直径ｄ_４は、穴２３４の直径ｄ_ｂより大きくてもよい。図２Ｂに示される第２の構成では、第１のマンドレル端部１１４は、穴２３４を通過しており、スリーブ１０２のカラー１１０を、構造２３２の入口側２３２ａで構造２３２と強制的に接触させることができる。カラー１１０と構造２３２との間の強制的な接触は、穴２３４へのスリーブ１０２のさらなる軸方向の移動を制限し得る。

Claims (20)

1. ブラインドファスナーであって、
   スリーブであって、
   第１のスリーブ端部、
   第２のスリーブ端部、
   前記第１のスリーブ端部から前記第２のスリーブ端部まで延在する空洞、を含む、スリーブと、
   前記スリーブの前記空洞によって少なくとも部分的に受容されるように構成されたマンドレルと、を備え、前記マンドレルが、
   前記第１のスリーブ端部に隣接して配置され、前記空洞の直径よりも大きい直径を有する拡大部分を含む、第１のマンドレル端部、
   引き抜き領域を含む第２のマンドレル端部、および
   前記第１のマンドレル端部と前記第２のマンドレル端部との中間に延在するシャンク領域、を備え、
   前記引き抜き領域が、前記シャンク領域の直径の４倍以下の軸方向の長さを備え、取り付け工具によって係合されるように構成されている、ブラインドファスナー。
2. 前記引き抜き領域が、前記シャンク領域の前記直径の３．８倍以下の軸方向の長さを備える、請求項１に記載のブラインドファスナー。
3. 前記引き抜き領域が、前記シャンク領域の前記直径の２倍以下の軸方向の長さを備える、請求項１に記載のブラインドファスナー。
4. 前記引き抜き領域が、前記シャンク領域から延在するテーパ部を備える、請求項１に記載のブラインドファスナー。
5. 前記マンドレルが、ブレイクネック溝を備えない、請求項１に記載のブラインドファスナー。
6. 前記マンドレルが、少なくともＨＲＣ２５のロックウェル硬さを備える、請求項１に記載のブラインドファスナー。
7. 前記マンドレルが、少なくともＨＲＣ４３のロックウェル硬さを備える、請求項１に記載のブラインドファスナー。
8. 前記シャンク領域が、ねじ山付き領域、環状ショルダー、および溝のうちの少なくとも１つを備える、請求項１に記載のブラインドファスナー。
9. 前記引き抜き領域が、ねじ山付き領域、環状ショルダー、および溝のうちの少なくとも１つを備える、請求項１に記載のブラインドファスナー。
10. 前記スリーブが、概して略円筒形であり、前記マンドレルが、略円筒形である、請求項１に記載のブラインドファスナー。
11. 前記ブラインドファスナーが、金属、金属合金、および複合材料のうちの少なくとも１つを含む、請求項１に記載のブラインドファスナー。
12. 前記ブラインドファスナーが、構造内の穴に取り付けられるように適合されており、前記穴が、前記拡大部分の前記直径よりも大きい直径を有する、請求項１に記載のブラインドファスナー。
13. 前記スリーブが、カラーをさらに備え、前記スリーブが、前記構造の第１の側面で変形するように構成され、前記カラーが、前記構造の反対側に配置された第２の側面で前記シャンク領域にスウェージング加工されるように構成されている、請求項１２に記載のブラインドファスナー。
14. 前記構造が、金属、金属合金、および複合材料のうちの少なくとも１つを含む、請求項１２に記載のブラインドファスナー。
15. 前記構造が、航空宇宙用部品、自動車用部品、輸送用部品、ならびに建物および建設用部品のうちの少なくとも１つとして構成されている、請求項１２に記載のブラインドファスナー。
16. 締結するための方法であって、前記方法が、
    ブラインドファスナーの第１のマンドレル端部を構造内の穴に挿入することであって、前記ブラインドファスナーが、
    スリーブであって、
    第１のスリーブ端部、
    第２のスリーブ端部、および
    前記第１のスリーブ端部から前記第２のスリーブ端部まで延在する空洞、を含む、スリーブと、
    前記スリーブの前記空洞によって少なくとも部分的に受容されるように構成されたマンドレルと、を備え、前記マンドレルが、
    前記第１のスリーブ端部に隣接して配置され、前記空洞の直径よりも大きい直径を有する拡大部分を含む、第１のマンドレル端部、
    引き抜き領域を含む第２のマンドレル端部、および
    前記第１のマンドレル端部と前記第２のマンドレル端部との中間に延在するシャンク領域、を備え、
    前記引き抜き領域が、前記シャンク領域の直径の４倍以下の軸方向の長さを備え、取り付け工具によって係合されるように構成されている、挿入することと、
    前記取り付け工具のコレットを前記ブラインドファスナーの前記引き抜き領域に係合させることと、
    前記挿入後に、前記ブラインドファスナーの前記第２のスリーブ端部を前記取り付け工具のアンビルと強制的に接触させ、前記取り付け工具の前記コレットを利用して、前記引き抜き領域を前記第２のスリーブ端部から遠位に移動させることと、
    前記構造の第１の側面で前記スリーブを変形させ、前記第２のスリーブ端部を、前記構造の反対側に配置された第２の側面で前記シャンク領域にスウェージング加工し、それによって、前記ブラインドファスナーの少なくとも一部分を前記構造内に固定することと、を含む、方法。
17. 前記引き抜き領域が、前記シャンク領域の前記直径の３．８倍以下の軸方向の長さを備える、請求項１６に記載の方法。
18. 前記引き抜き領域が、前記シャンク領域から延在する、テーパ部または逆テーパ部を備える、請求項１６に記載の方法。
19. 前記マンドレルが、ブレイクネック溝を備えない、請求項１６に記載の方法。
20. 前記ブラインドファスナーが、金属、金属合金、および複合材料のうちの少なくとも１つを含む、請求項１６に記載の方法。

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